JP2012031327A - インクセット - Google Patents

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尚義 加賀田
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Abstract

【課題】 同一のノズルから吐出される第1のインクと第2のインクとの切り替え手段を備えた液滴吐出装置において、第1のインクと第2のインクとを効率良く交換することが可能なインクセットを提供する。
【解決手段】 本発明に係るインクセットは、同一のノズルから少なくとも第1のインクおよび第2のインクをそれぞれ吐出させるための切り替え手段を備えた液滴吐出装置において、前記第1のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数と前記第2のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数との差が1.5以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、同一のノズルから少なくとも第1のインクと第2のインクをそれぞれ吐出させるための切り替え手段を備えた液滴吐出装置において使用可能なインクセットに関する。
インクジェット記録装置をはじめとする液滴吐出装置では、記録の目的に応じてインクカートリッジを交換することができる。現に装着されているインクカートリッジとは異なるインクによって記録を行いたい場合には、現に装着されているインクカートリッジを一旦取り外し、それに代えて所望のインクが充填されたインクカートリッジを装着しなおすことができる。
しかしながら、インクカートリッジの交換は、液滴吐出装置のユーザーにとって煩雑な作業であり、該ユーザーに過大な負担を強いることになる。
そこで、特許文献1では、インクカートリッジを交換することなく同一のノズルから吐出されるインクを必要に応じて交換することが可能な切り替え手段を備えた液滴吐出装置が提案されている。これによれば、例えば、フォトブラックおよびマットブラックのいずれか1種を同一のノズルから選択的に吐出させることができる。
一方、このような液滴吐出装置にあっては、ノズルにインクが充填された状態で長時間放置すると、インクの固着等によってノズルに目詰まりを生じ、インク滴が正常に吐出されないことがある。かかる場合には、記録媒体上に正確なドットを形成することができないため、きれいな記録を行うことができなくなる。このような観点から、同一のノズルから吐出される、インクと該インクを洗浄するための洗浄液との切り替え手段を備えた液滴吐出装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2007−230006号公報 特開2006−240010号公報 特開2009−269291号公報
しかしながら、前述したような同一のノズルから吐出されるインクと洗浄液との切り替え手段を備えた液滴吐出装置において切り替え手段を実行すると、切り替えに要する液体量が非常に多く、時間がかかるという課題があった。
本発明に係る幾つかの態様は、前記課題を解決することで、同一のノズルから吐出される第1のインクと第2のインクとの切り替え手段を備えた液滴吐出装置において、第1のインクと第2のインクとを効率良く交換することが可能なインクセットを提供するものである。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るインクセットの一態様は、
同一のノズルから第1のインクおよび第2のインクをそれぞれ吐出させるための切り替え手段を備えた液滴吐出装置に用いられる、前記第1のインクと前記第2のインクとを含むインクセットであって、
前記第1のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数と前記第2のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数との差が1.5以下であることを特徴とする。
適用例1のインクセットによれば、同一のノズルから第1のインクと第2のインクをそれぞれ吐出させるための切り替え手段を備えた液滴吐出装置において、第1のインクと第2のインクとを効率良く交換することができる。
[適用例2]
適用例1のインクセットにおいて、
前記第1のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数および前記第2のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数の双方が−3.0以上0以下であることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2のインクセットにおいて、
前記第1のインクは、顔料、染料、金属酸化物および中空構造を有する有機粒子から選択される着色剤を含有することができる。
[適用例4]
適用例3のインクセットにおいて、
前記着色剤の含有量が1質量%以上20質量%以下であることができる。
[適用例5]
適用例3または適用例4のインクセットにおいて、
前記第1のインクが中空構造を有する有機粒子を含有する場合において、前記第1のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数が−1.0以上0以下であることができる。
適用例5のインクセットによれば、第1のインクと第2のインクとを効率良く交換することができると共に、第1のインクにより記録媒体上に記録された白色画像が透明化することを防止することができる。
[適用例6]
適用例5のインクセットにおいて、
前記第1のインク中に含まれる保湿剤がトリメチロールプロパンであることができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例のインクセットにおいて、
前記第1のインク中に含まれる保湿剤の含有量が5質量%以上20質量%以下であることができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか一例のインクセットにおいて、
前記第2のインク中に含まれる保湿剤の含有量が5質量%以上20質量%以下であることができる。
切り替え手段を備えたプリンターの主要構成部を示す概略斜視図。 図1に示したプリンターの電気的な構成を示すブロック図。 プリンターの電源がON状態の時に行う切り替え処理の流れを説明するためのフローチャート。 プリンターの電源がOFF状態になる前に行う切り替え処理の流れを説明するためのフローチャート。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.インクセット
本実施の形態に係るインクセットは、第1のインクおよび第2のインクを少なくとも含んでいる。本実施の形態に係るインクセットは、同一のノズルから少なくとも第1のインクおよび第2のインクをそれぞれ吐出させるための切り替え手段を備えた液滴吐出装置において、前記第1のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数と前記第2のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数との差が1.5以下であることを特徴とする。
本実施の形態に係るインクセットは、同一のノズルから第1のインクと第2のインクをそれぞれ吐出させるための切り替え手段を備えた液滴吐出装置に用いるものであるから、まず液滴吐出装置の概略を説明した後に、インクセットの具体例について詳細に説明することにする。
1.1.液滴吐出装置
以下、液体吐出装置の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、液滴吐出装置としてインクジェットプリンター(以下、「プリンター」という。)を例に挙げて説明する。図1は、切り替え手段を備えたプリンターの主要構成部を示す概略斜視図であり、図2は、図1に示したプリンターの電気的な構成を示すブロック図である。
図1に示したプリンター20は、用紙スタッカー22と、図示しないステップモーターで駆動される紙送りローラー24と、プラテン26と、キャリッジ28と、キャリッジモーター30と、キャリッジモーター30によって駆動される牽引ベルト32と、キャリッジ28の走査を案内するガイドレール34とを備えている。キャリッジ28には、多数のノズルを備えた記録ヘッド36が搭載されている。
記録ヘッド36は、液体供給路41、42、43、44、45を介して各カートリッジ11a、11b、12、13、14、15と接続されている。カートリッジ12にはブラックインク(K)、カートリッジ13にはシアンインク(C)、カートリッジ14にはマゼンタインク(M)、カートリッジ15にはイエローインク(Y)がそれぞれ収容されている。さらに、カートリッジ11aには白色インク(W)(前記第1のインクに相当)が、カートリッジ11bには洗浄液(前記第2のインクに相当)がそれぞれ収容されている。洗浄液は、記録ヘッド36の備えられたノズルのうち、白色インクが吐出されるノズルに充填される。すなわち、白色インクが吐出されるノズルには、切り替え手段56を介して白色インクと洗浄液とが選択的に充填されるようになっている。
各カートリッジは、各インク(画像形成液)を収容したインクパックまたは洗浄液を収容した液体収容パックを備えており、インクパックまたは液体収容パックの周囲には空気室が形成されている。図示しない加圧手段によって空気室を加圧することによって各インクパック内のインクまたは液体収容パック内の洗浄液が液体供給路41、42、43、44、45を経由して記録ヘッド36へ供給される。このように、プリンター20は、キャリッジ28上にインクカートリッジが搭載されるいわゆるオンキャリッジタイプのプリンターとは異なり、プリンター20本体の所定の位置に固定的に装着されるオフキャリッジタイプのインクジェットプリンターである。
記録用紙P(記録媒体)は、用紙スタッカー22から紙送りローラー24によって巻き取られてプラテン26の表面上を、記録ヘッドの主走査方向と直交する副走査方向へ送られる。キャリッジ28は、キャリッジモーター30により駆動される牽引ベルト32に牽引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に移動する。
プリンター20は、図2に示すように、ホストコンピューター90から供給された信号を受信する受信バッファメモリー50と、画像データを格納するイメージバッファー54と、プリンター20全体の動作を制御するシステムコントローラー51(制御手段)と、メインメモリー52と、EEPROM53とを備えている。EEPROM53に記憶されたファームウェアをメインメモリー52に読み出し実行することによって、プリンター20の各種動作が実現される。
また、システムコントローラー51には、キャリッジモーター30を駆動する主走査駆動回路61と、紙送りモーター31を駆動する副走査駆動回路62と、記録ヘッド36を駆動するヘッド駆動回路63と、が接続されている。副走査駆動回路62、紙送りモーター31および紙送りローラー24は、紙送り機構を構成している。
システムコントローラー51は、受信バッファメモリー50が受信した記録データに含まれる各種コマンドや、予めEEPROM53に書き込まれた設定条件等に応じて、主走査駆動回路61および副走査駆動回路62を制御する。
例えば、高画質の画像を記録するように設定されている場合は、主走査駆動回路61および副走査駆動回路62によって、ラスタを副走査方向に間欠的に形成しつつ画像を記録するいわゆるインターレース方式の記録を行う。また、1ラスタを形成するノズルを間欠的タイミングで駆動させて記録するいわゆるオーバーラップ方式の記録を行うこともできる。
さらに、システムコントローラー51には、表示手段55と、切り替え手段56と、計時手段57と、ノズル吐出検査手段58と、が接続されている。表示手段55は、プリンター20の液晶表示画面に表示内容を表示する。あるいは、表示内容をホストコンピューター90のプリンタードライバ91へ送信し、ドライバの表示画面91に表示する。切り替え手段56は、切り替え弁のようなものであり、システムコントローラー51からの指示に応じて液体供給路41に供給する液体を自動的に白色インクまたは洗浄液のいずれかに切り替える。計時手段57は、記録ヘッド36の特定のノズルに白色インクが充填されたまま吐出動作がない状態(第1の充填状態)が継続する時間、すなわち放置時間を計時する。
ノズル吐出検査手段58は、キャリッジ28上の記録ヘッド36による記録可能なエリアから外れた非記録エリアに配置されている。キャリッジ28が、主走査方向に沿って記録エリアから非記録エリアへ移動することで、吐出状態の検査を行う状態となる。ノズル吐出検査手段58は、非記録エリアに移動した記録ヘッド36の各ノズルと対向するように記録ヘッド36の下方に配置されている。そして、ノズル吐出検査手段58は、記録ヘッド36の各ノズルから吐出されたインク滴を受けるための導電性インク吸収体と、帯電したインク滴の接近によって導電性インク吸収体に生じる誘導電流を検出する検出部と、各ノズルからインク滴を吐出する際にこのインク滴を帯電させるべく導電性インク吸収体に電圧を印加する電圧印加部と、導電性インク吸収体を収容するための有底容器と、を備えている。
帯電したインク滴が各ノズルから導電性インク吸収体へ向けて吐出されると、このインク滴の接近に伴って導電性インク吸収体には、静電誘導現象等に基づいて誘導電流が生じる。すなわち、インク滴の接近に伴って、導電性インク吸収体にはインク滴とは逆極性の電荷が誘起されるように誘導電流が流れる。この誘導電流の検出の有無によってノズル詰まりを検査する。
以上の構成を備えたプリンター20において、白色インクと洗浄液とを切り替える方法について説明する。システムコントローラー51は、白色インクと、洗浄液と、が選択的に充填される特定のノズルに白色インクが充填された第1の充填状態から、同一のノズルに洗浄液が充填された第2の充填状態へ、所定の条件にしたがって切り替えるよう制御する。以下では、プリンター20の電源がON状態のときに行う切り替え処理と、プリンター20の電源がOFF状態になる前に行う切り替え処理についてそれぞれ説明する。
図3は、プリンターの電源がON状態の時に行う切り替え処理の流れを説明するためのフローチャートである。プリンター20の電源がON状態においてシステムコントローラー51は、計時手段57に対して、記録ヘッド36のノズルのうち白色インクが吐出される特定のノズルに、白色インクが充填された状態が継続する時間、すなわちプリンター20の放置時間を計時するよう指示する。なお、予め設定された時間内に記録ヘッド36のノズルからの吐出動作があった場合は、計時手段57をリセットして計時を再開する。
なお、予め設定する時間としては、例えば1ヶ月とすることができる。この1ヶ月という時間は、白色インクがノズルに充填されて放置された場合に、そのノズルが目詰まりを起こさない最大期間として経験的に得られる値である。したがって、プリンター20の設置環境、インク組成等によってことなる値であり、コマンド等によって適宜変更可能な値である。ここでは、顔料系の白色インクを採用した場合を前提に説明する。一般に白色インクの顔料の粒径(例えば、約600nm)は、他色インクに含まれる顔料の粒径(例えば、約100nm)と比較して大きく、目詰まりを起こしやすい。粒径が大きいと、初期段階の目詰まりでも、その度合いは急速に悪化し、単純なクリーニング動作では目詰まりを解消できないことが多い。
一方、目詰まりを確実に防止するために上記期間を短く設定しすぎると、頻繁に洗浄液が充填されるため洗浄液の消費量が多く、コストパフォーマンスが悪くなる。このため、目詰まりを起こさない最大期間として経験的に割り出された値として、1ヶ月が設定されている。
システムコントローラー51は、計時手段57によって計時されている放置時間を確認する(ステップS11)。放置時間が1ヶ月以上であるか否かを判定し、放置時間が1ヶ月以上であると判定すると(ステップS12:Yes)、システムコントローラー51は切り替え手段56に対して白色インク側の弁を閉じて、洗浄液側の弁を開けるよう指示する。次に、カートリッジ11bの図示しない加圧手段を駆動させて洗浄液を液体供給路41を経由して記録ヘッド36へ供給する。そして記録ヘッド36へ供給された洗浄液は、白色インクが充填されているノズルに充填される。すなわち、それまで充填されていた白色インクは洗浄液によってノズルから押し出され、洗浄液に切り替えられる(ステップS13)。
一方、ステップS12において放置時間が1ヶ月より短いと判定した場合は(ステップS12:No)、システムコントローラー51はノズル吐出検査手段58に対してノズル吐出検査を実行するよう指示する。ノズル吐出検査手段58がノズル吐出検査を実行し(ステップS14)、検査結果に基づき白色インクが充填されていたノズルにノズル抜けがあるか否かを判定する。白色インクが充填されていたノズルにノズル抜けを発見すると(ステップS15:Yes)、白色インクから洗浄液に切り替える(ステップS13)。一方、白色インクが充填されていたノズルにノズル抜けを発見しなかった場合は(ステップS15:No)、ステップS11に戻り、計時手段57をリセットして放置時間の計時を再開する。
以上のように、白色インクと、洗浄液と、が所定の条件にしたがって、特定のノズルに選択的に充填される。したがって、長期間にわたってインクの吐出動作を実行しない場合は、特定のノズルに対して洗浄液を充填するように切り替えれば、その特定のノズルが目詰まりを起こすことがない。これにより、特定のノズルに、多色インクより粒径が大きく目詰まりを発生し易い白色インクが充填されたままで長期間放置されることを防止することができる。
また、特定のノズルに目詰まりが発生する時間として、経験的に得られる値を予め設定しておき、設定した1ヶ月と実際の放置時間とを比較するようにすれば、洗浄液への切り替えを、目詰まりを防止できる範囲内で最小限に抑えることができる。これにより、洗浄液を無駄に消費することを防止することができる。
また、放置時間が予め設定された1ヶ月より小さい場合でも、ノズル抜けが検出された場合は、洗浄液へ切り替えることができる。したがって、特定のノズルに目詰まりが発生する時間として経験的に得られた1ヶ月という値に依存することなく、ノズル抜けを検出した場合にも、洗浄液が充填されるので、さらに目詰まりが悪化することを防止することができる。
次に、プリンター20の電源がOFF状態になる前に行う切り替え処理について説明する。図4は、プリンターの電源がOFF状態になる前に行う切り替え処理の流れを説明するためのフローチャートである。システムコントローラー51は、外部からプリンター20の電源をOFFする指示があると(ステップS21:Yes)、ホストコンピューター90のプリンタードライバ91に対して電源OFF継続予定時間の入力を促すメッセージを表示するよう指示する(ステップS22)。表示されたメッセージを読んだユーザーが電源OFF継続予定時間を入力すると、入力された値がプリンター20に送信される。
システムコントローラー51は入力を検知すると(ステップS23:Yes)、プリンタードライバ91から送信された電源OFF継続予定時間が予め設定された1ヶ月以上であるか否かを判定する(ステップS24)。電源OFF継続予定時間が1ヶ月以上であると判定すると(ステップS24:Yes)、システムコントローラー51は切り替え手段56に対して白色インク側の弁を閉じて、洗浄液側の弁を開けるよう指示する。次に、カートリッジ11bの図示しない加圧手段を駆動させて洗浄液を液体供給路41を経由して記録ヘッド36へ供給する。そして、記録ヘッド36へ供給された洗浄液は白色インクが充填されているノズルに充填される。すなわち、それまで充填されていた白色インクは洗浄液によってノズルから押し出され、洗浄液に切り替えてから電源OFF処理を実行する(ステップS25、ステップS26)。
一方、ステップS24で電源OFF継続予定時間が1ヶ月より短期間であると判定すると(ステップS24:No)、白色インクを洗浄液へ切り替えることなく、そのまま電源OFF処理を実行する(ステップS26)。
以上のように、電源をOFFする指示があっても、電源OFF処理を実行する前に白色インクが充填された状態から洗浄液が充填された状態へ切り替えることができる。すなわち、電源OFF中は、白色インクのノズルに対して洗浄液を充填させておくことができる。これにより、ノズルに白色インクが充填されたままで長時間放置されることを防止することができる。一方、電源OFF継続予定時間が白色インクのノズルに目詰まりが発生する時間として経験的に得られた1ヶ月よりも短い場合は、洗浄液が充填されることなく電源がOFFされる。すなわち、目詰まりが発生する前に電源がON状態となり吐出動作が行われる予定であるため、目詰まりを発生させる可能性が低く、洗浄液を充填することなく電源をOFFする。これにより、洗浄液を無駄に消費することを防止することができる。
上述したように、プリンター20は、所定の条件のときにシステムコントローラー51からの指示に応じて、第1の充填状態から第2の充填状態へ自動的に切り替える切り替え手段56を有している。切り替え手段56が自動的に第1の充填状態から第2の充填状態へ切り替えるので、ユーザーが手動で切り替える必要がない。このため、ユーザーがプリンター20の傍にいなくても、白色インクのノズルには洗浄液が自動的に充填される。
なお、上記実施形態では、いわゆるオフキャリッジタイプのインクジェットプリンターを前提として説明したが、本発明ではいわゆるオンキャリッジタイプのインクジェットプリンターを適用することもできる。この場合は、図3のステップS13および図4のステップ25において、白色インクを収容するカートリッジから洗浄液を収容するカートリッジに交換するようユーザーに通知するよう構成すればよい。すなわち、システムコントローラー51が表示手段55(通知手段)にカートリッジの交換を促すメッセージを表示するようにすればよい。
1.2.第1のインクおよび第2のインク
1.2.1.保湿剤
第1のインクおよび第2のインクは、インクの乾燥によるノズルの目詰まりを防止する観点から、少なくとも保湿剤を含有する。ここで、第1のインクおよび第2のインクの保湿剤は、第1のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数と第2のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数との差が1.5以下となるように選定する。このように保湿剤を選定することで、上述したような同一のノズルから少なくとも第1のインクおよび第2のインクをそれぞれ吐出させるための切り替え手段を備えた液滴吐出装置において、それぞれのインクの切り替えを効率良く行うことができる。すなわち、インクの切り替えに要するインク量および時間を低減させることができる。なお、本願発明においては、オクタノール/水分配係数は、含有されている保湿剤で議論するが、第1のインクおよび第2のインク全体のオクタノール/水分配係数で議論をしてもよい。具体的には、溶媒、顔料、界面活性剤、浸透性有機溶媒等の種類、およびそれらの添加量を考慮して、第1のインクおよび第2のインク全体のオクタノール/水分配係数を議論してもよい。
本明細書において、「オクタノール/水分配係数」とは、1−オクタノールと水の2つの溶媒相中に化学物質を添加して平衡状態となったときの、その2相における化学物質の濃度比のことをいう。オクタノール/水分配係数の測定方法は、日本工業規格Z7260−107(2000)「分配係数(1−オクタノール/水)の測定−フラスコ振とう法」に準ずる。
第1のインクおよび第2のインクに添加し得る保湿剤としては、前記の条件を満たすように選定すれば特に制限されないが、オクタノール/水分配係数が−3.0以上0以下となる保湿剤が好ましく、−3.0以上−1.0以下となる保湿剤がより好ましい。オクタノール/水分配係数が前記範囲内の保湿剤を用いると、インクの保湿性が良好となりノズルの目詰まりを防止しやすくなる。
このような保湿剤としては、例えば、グリセリン(−1.8)、トリメチロールプロパン(−0.5)、プロピレングリコール(−0.9)、ポリエチレングリコール[平均分子量400](−1.0)、テトラエチレングリコール(−1.4)、N−メチル−2−ピロリドン(−0.54)、1,6−ヘキサンジオール(−0.11)、ジエチレングリコール(−1.47)、エチレングリコールモノメチルエーテル(−0.503)、エチレングリコールモノエチルエーテル(−0.32)等が挙げられる。但し、前記例示した保湿剤の括弧内の数字は、オクタノール/水分配係数を表す。第1のインクおよび第2のインクは、前記例示した保湿剤を1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いることもできる。
前記第1のインク中に含まれる保湿剤の含有量は、インクの乾燥によるノズルの目詰まりを防止する観点から、5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
同様に、前記第2のインク中に含まれる保湿剤の含有量は、インクの乾燥によるノズルの目詰まりを防止する観点から、5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
第1のインクおよび/または第2のインクにおいて、保湿剤を2種以上混合して用いる場合には、第1のインク中に含まれる保湿剤から選択される1種(以下、「第1のインクの特定保湿剤」という。)のオクタノール/水分配係数と、第2のインク中に含まれる保湿剤から選択される1種(以下、「第2のインクの特定保湿剤」という。)のオクタノール/水分配係数と、の差が1.5以下となるようにすればよい。すなわち、第1のインク中に含まれる全ての保湿剤のオクタノール/水分配係数と第2のインク中に含まれる全ての保湿剤のオクタノール/水分配係数とが前記の関係を満たす必要はなく、少なくとも第1のインク中に含まれる保湿剤の1種と第2のインク中に含まれる保湿剤の1種とが前記の関係を満たせばよいということである。
第1のインク中における第1のインクの特定保湿剤の含有量(W)と第2のインク中における第2のインクの特定保湿剤の含有量(W)との量比(W/W)は、好ましくは0.3〜2.0、より好ましくは0.5〜1.5である。量比(W/W)が前記範囲内にあると、それぞれのインクの切り替えを効率良く行うことができる。
1.2.2.着色剤
本実施の形態に係るインクセットにおいて、少なくとも第1のインクには着色剤が添加されていることが好ましい。一方、第2のインクには、着色剤を添加してもよいし、添加しなくてもよい。
インクセットの第1の態様としては、前記第1のインクは着色剤を添加した着色インクとし、前記第2のインクは着色剤を添加せずに洗浄液とする態様が挙げられる。かかる態様によれば、着色インクと、洗浄液と、が特定のノズルに選択的に充填されるので、長期間にわたってインクの吐出動作を実行しない場合は、特定のノズルに対して洗浄液を充填するように切り替えることで、その特定のノズルが目詰まりを起こすことがない。これにより、粒径が大きく目詰まりを発生し易いような着色剤が含まれる着色インクを用いる場合には、該着色インクが特定のノズルに充填されたままで長期間放置されることを防止することができる。
また、インクセットの第2の態様としては、前記第1のインクおよび前記第2のインクの双方にそれぞれ異なる着色剤を添加した着色インクとする態様が挙げられる。かかる態様の具体例としては、(1)第1のインクをフォトブラックとし、第2のインクをマットブラックとしたインクセット、(2)第1のインクを、二酸化チタン粒子を含有する白色インクとし、第2のインクを、中空構造を有する有機粒子を含有する白色インクとしたインクセット、等が挙げられる。このような態様によれば、用途に応じて第1のインクと第2のインクをそれぞれ使い分けることができ、また記録ヘッドのノズルを増加させずに同一のノズルから2種類のインクを吐出させることができる。
前記第1のインクおよび前記第2のインクに添加し得る着色剤としては、例えば、顔料、染料、金属酸化物粒子、中空構造を有する有機粒子等が挙げられる。インク中における着色剤の添加量は、インク全質量に対して、好ましくは1質量%以上20質量%以下、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
1.2.2.1.顔料
本実施の形態において使用可能な顔料としては、特に制限されないが、無機顔料や有機顔料が挙げられる。
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
また、有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。上記顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
更に詳しくは、ブラック用として使用される無機顔料としては、以下のカーボンブラック、例えば、三菱化学製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、又はNo2200B等;コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、又はRaven700等;キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、またはMonarch 1400等;あるいは、デグッサ社製のColor Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、またはSpecial Black 4等が挙げられる。
イエロー有機顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
マゼンタ有機顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、またはC.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
シアン有機顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バットブルー4、60等が挙げられる。
また、マゼンタ、シアンおよびイエロー以外の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、10、C.I.ピグメントブラウン3、5、25、26、C.I.ピグメントオレンジ2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63等が挙げられる。
1.2.2.2.染料
染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料等の通常インクジェット記録に使用する各種染料を使用することができる。
イエロー系染料としては、C.I.アシッドイエロー1、3、11、17、19、23、25、29、36、38、40、42、44、49、59、61、70、72、75、76、78、79、98、99、110、111、127、131、135、142、162、164、165、C.I.ダイレクトイエロー1、8、11、12、24、26、27、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、110、132、142、144、C.I.リアクティブイエロー1、2、3、4、6、7、11、12、13、14、15、16、17、18、22、23、24、25、26、27、37、42、C.I.フードイエロー3、4、C.I.ソルベントイエロー15、19、21、30、109等が挙げられる。
マゼンタ系染料としては、C.I.アシッドレッド1、6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、37、42、51、52、57、75、77、80、82、85、87、88、89、92、94、97、106、111、114、115、117、118、119、129、130、131、133、134、138、143、145、154、155、158、168、180、183、184、186、194、198、209、211、215、219、249、252、254、262、265、274、282、289、303、317、320、321、322、C.I.ダイレクトレッド1、2、4、9、11、13、17、20、23、24、28、31、33、37、39、44、46、62、63、75、79、80、81、83、84、89、95、99、113、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230、231、C.I.リアクティブレッド1、2、3、4、5、6、7、8、11、12、13、15、16、17、19、20、21、22、23、24、28、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、46、49、50、58、59、63、64、C.I.ソルビライズレッド1、C.I.フードレッド7、9、14等が挙げられる。
シアン系染料としては、C.I.アシッドブルー1、7、9、15、22、23、25、27、29、40、41、43、45、54、59、60、62、72、74、78、80、82、83、90、92、93、100、102、103、104、112、113、117、120、126、127、129、130、131、138、140、142、143、151、154、158、161、166、167、168、170、171、182、183、184、187、192、199、203、204、205、229、234、236、249、C.I.ダイレクトブルー1、2、6、15、22、25、41、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、120、123、158、160、163、165、168、192、193、194、195、196、199、200、201、202、203、207、225、226、236、237、246、248、249、C.I.リアクティブブルー1、2、3、4、5、7、8、9、13、14、15、17、18、19、20、21、25、26、27、28、29、31、32、33、34、37、38、39、40、41、43、44、46、C.I.ソルビライズバットブルー1、5、41、C.I.バットブルー4、29、60、C.I.フードブルー1、2、C.I.ベイシックブルー9、25、28、29、44等が挙げられる。
また、マゼンタ、シアンおよびイエロー以外の染料としては、例えば、C.I.アシッドグリーン7、12、25、27、35、36、40、43、44、65、79、C.I.ダイレクトグリーン1、6、8、26、28、30、31、37、59、63、64、C.I.リアクティブグリーン6、7、C.I.アシッドバイオレット15、43、66、78、106、C.I.ダイレクトバイオレット2、48、63、90、C.I.リアクティブバイオレット1、5、9、10、C.I.ダイレクトブラック154等が挙げられる。
1.2.2.3.金属酸化物粒子
金属酸化物粒子としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウム等の粒子が挙げられる。
金属酸化物粒子の平均粒子径(d50)は、好ましくは30nm以上600nm以下であり、より好ましくは200nm以上400nm以下である。平均粒子径が前記範囲を超えると、インク組成物中で粒子が沈降するなどして分散安定性を損なうことがあり、また記録ヘッドの目詰まり等信頼性を損なうことがある。一方、平均粒子径が前記範囲未満であると、白色度が不足する傾向にある。
なお、本明細書における平均粒子径d50は、粒径加積曲線を用いて測定することができる。粒径加積曲線とは、水等の分散媒に分散された粒子について、粒子の直径、および当該粒子の存在数を求めることができる測定を行った結果を、統計的に処理して得られる曲線の一種である。本明細書における粒径加積曲線は、粒子の直径を横軸にとり、粒子の質量(粒子を球と見なしたときの体積、粒子の密度および数の積)について、直径の小さい粒子から大きい粒子に向かって積算した値(積分値)を縦軸にとったものである。そして、粒径d50とは、粒径加積曲線において、縦軸を規格化(測定された粒子の総質量を1と)したときに、縦軸の値が50%(0.50)となるときの、横軸の値すなわち粒子の直径のことをいう。
粒径加積曲線は、例えば、動的光散乱法に基づく粒子径分布測定装置を使用することによって求めることができる。動的光散乱法は、分散している有機粒子にレーザー光を照射し、その散乱光を光子検出器で観測するものである。一般に分散している粒子は、通常ブラウン運動をしている。粒子の運動の速度は、粒子直径の大きな粒子ほど大きく、粒子直径の小さな粒子ほど小さい。ブラウン運動をしている粒子にレーザー光を照射すると、散乱光において、各粒子のブラウン運動に対応した揺らぎが観測される。この揺らぎを測定し、光子相関法等により自己相関関数を求め、キュムラント法およびヒストグラム法解析等を用いることで粒子の直径や、直径に対応した粒子の頻度(個数)を求めることができる。本実施の形態に用いられる金属酸化物粒子のようにサブミクロンサイズの粒子を含む試料に対しては、動的光散乱法が適しており、動的光散乱法により比較的容易に粒径加積曲線を得ることができる。動的光散乱法に基づく粒子径分布測定装置としては、例えばナノトラックUPA−EX150(日機装株式会社製)、ELSZ−2、DLS−8000(以上、大塚電子株式会社製)、LB−550(株式会社堀場製作所製)等が挙げられる。
1.2.2.4.中空構造を有する有機粒子
中空構造を有する有機粒子は、特に限定されず、スチレン−アクリル樹脂から形成されるものなど公知のものを用いることができる。例えば、米国特許第4,880,465号や特許第3,562,754号等の明細書に記載されている有機粒子(樹脂粒子)を好ましく用いることができる。
ここで、中空構造とは、粒子に少なくとも屈折率の異なる物質が内包される構造のことを指し、例えば、いわゆるコア・シェル構造、すなわち空間がシェル(殻)によって取り囲まれた構造のことを指す。また、中空構造のコア(殻によって取り囲まれた内側)の物質は、液体でも気体でもよい。中空構造を有する粒子は、コアとシェルとの間に屈折率差が生じることで光を散乱させることができる。これにより、中空構造を有する粒子は、記録媒体上に付着されたときに、白色のような無彩色を呈することができる。
中空構造を有する有機粒子の調製方法は、特に限定されず、例えば以下のような公知の方法を適用することができる。中空構造を有する有機粒子の調製方法としては、例えば、ビニルモノマー、界面活性剤、重合開始剤、および水系分散媒を窒素雰囲気下で加熱しながら撹拌することにより中空構造を有する有機粒子エマルジョンを形成する、いわゆる乳化重合法を適用することができる。
乳化重合法に用いるビニルモノマーとしては、非イオン性モノエチレン不飽和モノマーが挙げられ、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、乳化重合法に用いるビニルモノマーとしては、二官能ビニルモノマーを用いることもできる。二官能ビニルモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタン−ジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。前記単官能ビニルモノマーと前記二官能ビニルモノマーとを共重合させて高度に架橋することにより、粒子の光散乱特性だけでなく、耐熱性、耐溶剤性、溶剤分散性等の特性を兼ね備えた中空構造を有する有機粒子を得ることができる。
乳化重合法に用いる界面活性剤としては、水中でミセル等の分子集合体を形成するものであればよく、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。また、乳化重合法に用いる重合開始剤としては、水に可溶な公知の化合物を用いることができ、例えば、過酸化水素、過硫酸塩等が挙げられる。この際の水系分散媒としては、例えば、水、親水性有機溶媒を含有する水などが挙げられる。
中空構造を有する有機粒子の平均粒子径(d50:上述したシェルの外径)は、好ましくは200nm以上1,000nm以下であり、より好ましくは400nm以上800nm以下である。中空構造を有する有機粒子の外径がこのような範囲にあれば、インク組成物中の分散を良好に保つことができ、また、記録媒体に付着された際に、所望の色を呈することができる。また、外径が1,000nmを超えると、有機粒子が沈降するなどして分散安定性を損なうことがあり、記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、外径が200nm未満であると、所望の色が得られない場合がある。また、中空構造を有する有機粒子の内径(すなわち、上述したコアの外径)は、100nm以上800nm以下程度が適当である。
前記第1のインクおよび/または前記第2のインクが着色剤として中空構造を有する有機粒子を含有する場合には、前記第1のインクおよび/または前記第2のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数は、−1.0以上0以下であることより好ましい。オクタノール/水分配係数が前記範囲内の保湿剤を用いることで、記録媒体上に記録された白色画像が透明化することを防止することができる。
このような保湿剤の中でも、トリメチロールプロパンであることが特に好ましい。トリメチロールプロパンを添加することで、記録媒体上に記録された白色画像は、長時間保存下あるいは高湿度環境下でも中空構造を有する有機粒子の透明化が防止されるため、長時間に亘って高品位な画像を保持することが可能となる。
1.2.3.浸透性有機溶媒
第1のインクおよび第2のインクには、前記成分に加えて、アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を添加してもよい。アルカンジオールやグリコールエーテルは、記録媒体等の被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アルカンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール等の炭素数が4〜8の1,2−アルカンジオールであることが好ましい。この中でも炭素数が6〜8の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールは、記録媒体への浸透性が特に高いため、より好ましい。
グリコールエーテルとしては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルが挙げられる。これらの中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると良好な記録品質を得ることができる。
これらのアルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種の添加量は、インクの全質量に対して、好ましくは1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
1.2.4.界面活性剤
第1のインクおよび第2のインクには、インクの記録媒体への濡れ性を高めて浸透性を向上させる観点から、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリシロキサン系界面活性剤等が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オール等が挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えばオルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学株式会社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348BYK−UV3500(ビックケミー・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。さらに、本実施の形態に係る水系インク組成物には、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等のその他の界面活性剤を別途添加してもよい。
前記界面活性剤の添加量は、インクの全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上5質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上2質量%以下である。
1.2.5.溶剤
第1のインクおよび第2のインクは、通常溶媒として水または有機溶媒を含有する。前記水としては、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
前記有機溶媒としては、特に限定されないが、極性有機溶媒、例えば、アルコール類(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、フッ化アルコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等)、またはエーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)の他、2−ピロリドン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等を用いることができる。
1.2.6.その他の添加剤
第1のインクおよび第2のインクには、第三級アミンを添加してもよい。第三級アミンは、pH調整剤としての機能を有し、第1のインクおよび第2のインクのpHを容易に調整することができる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン等が挙げられる。
前記第三級アミンの添加量は、インクの全質量に対して、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上2質量%以下である。
第1のインクおよび/または第2のインクが中空構造を有する有機粒子を含有する場合には、記録媒体に定着させるための樹脂を添加してもよい。前記樹脂としては、アクリル系樹脂(例えば、アルマテックス(三井化学社製))、ウレタン系樹脂(例えば、WBR−022U(大成ファインケミカル社製)が挙げられる。
前記樹脂の添加量は、インクの全質量に対して、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上3.0質量%以下である。
2.実施例
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
2.1.第1のインクの調製
表1に示す配合量で、着色剤、保湿剤、pH調整剤、界面活性剤、有機溶媒およびイオン交換水を混合撹拌し、孔径5μmの金属フィルターにてろ過し、真空ポンプを用いて脱気処理をした。このようにして、着色剤を含有する第1のインクをそれぞれ調製した。なお、表1に記載されている濃度の単位は質量%であり、粒子の欄については固形分換算濃度である。
2.2.第2のインクの調製
表2に示す配合量で、保湿剤、pH調整剤、界面活性剤、有機溶剤およびイオン交換水を混合撹拌し、孔径5μmの金属フィルターにてろ過し、真空ポンプを用いて脱気処理をした。このようにして、着色剤を含有しない第2のインクをそれぞれ調製した。なお、表2に記載されている濃度の単位は質量%である。
Figure 2012031327
Figure 2012031327
表1〜表2に示した各成分は、以下の通りである。
・シアン染料(C.I.ダイレクトブルー199)
・マゼンタ染料(C.I.ダイレクトレッド83)
・イエロー染料(C.I.ダイレクトイエロー132)
・ブラック染料(C.I.ダイレクトブラック154)
・シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントバイオレット19)
・イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74)
・ブラック顔料(カーボンブラック)
・中空構造を有する有機粒子(JSR株式会社製、商品名「SX8782(D)」、中空構造を有するスチレン−アクリル樹脂粒子の水分散タイプ、外径1,000nm、内径800nm、固形分濃度28%)
・二酸化チタン粒子(シーアイ化成株式会社製、商品名「NanoTek(R) Slurry」、固形分濃度15%、平均粒子径300nm)
・グリセリン(関東化学株式会社製、保湿剤、オクタノール/水分配係数:−1.8)
・ヘキシレングリコール(関東化学株式会社製、保湿剤、オクタノール/水分配係数:0.9)
・トリメチロールプロパン(関東化学株式会社製、保湿剤、オクタノール/水分配係数:−0.5)
・プロピレングリコール(関東化学株式会社製、保湿剤、オクタノール/水分配係数:−0.9)
・ポリエチレングリコール((関東化学株式会社製、保湿剤、平均分子量400、オクタノール/水分配係数:−1.0)
・テトラエチレングリコール(関東化学株式会社製、保湿剤、オクタノール/水分配係数:−1.4)
・1,2−ヘキサンジオール(三菱ガス化学株式会社製、浸透性有機溶剤)
・トリエタノールアミン(ナカライテスク株式会社製、pH調整剤)
・BYK−348(ビックケミー・ジャパン株式会社製、ポリシロキサン系界面活性剤)
2.3.インクの置換試験
図1に示すような切り替え手段56を備えたインクジェットプリンターを用意した。カートリッジ11aには着色剤を含有する第1のインクを充填し、カートリッジ11bには着色剤を含有しない第2のインクを充填した。まず、切り替え手段56により、第2のインクを記録ヘッド36へ供給できるようにし、記録ヘッド36、供給路41および切り替え手段56を第2のインクで満たした。次いで、切り替え手段56により、第1のインクを記録ヘッド36へ供給できるようにし、第2のインクを第1のインクで置換する操作を行った。記録ヘッド36、供給路41および切り替え手段56の内容量の合計を100とした時に、置換するのに必要な第1のインクの量を測定した。なお、使用した第1のインクと第2のインクとの関係を表3〜5に示す。
具体的には、第1のインクの供給量が150、200、250となる時に記録ヘッド36から吐出される液体で、PETフィルム(商品名「ルミラー」、東レ株式会社製)上に記録することにより評価用試料を作製した。なお、記録は1440×720dpiの解像度で行い、記録パターンは100%dutyベタパターンとした。なお、「duty」とは、下式(1)で算出される値である。
duty(%)=実印字ドット数/(縦解像度×横解像度)×100 …(1)
(式中、「実印字ドット数」は単位面積当たりの実印字ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。)
一方、第2のインクをPETフィルム(商品名「ルミラー」、東レ株式会社製)に対して記録することにより記録物(リファレンス)を得た。なお、記録は1440×720dpiの解像度で行い、記録パターンは100%dutyベタパターンとした。
得られた評価用試料およびリファレンスのそれぞれについて、Gretag Macbeth SpetroscanおよびSpectrolino(X−Rite社製)を用いてL値を測定した。評価用試料のL値とリファレンスのL値との差ΔE(色差)が3以下となった時にインクの置換が完了したものとみなした。なお、インクの置換の容易性を示す評価基準は、以下の通りである。評価結果を表3〜5に併せて示す。
A:必要なインク量が150未満
B:必要なインク量が150以上、200未満
C:必要なインク量が200以上、250未満
D:必要なインク量が250以上
さらに、切り替え手段56により第1のインクを記録ヘッド36へ供給できるようにし、第1のインクを第2のインクで置換する操作を行った。これ以降は、上記と全く同様にして、第1のインクを第2のインクで置換する時の容易性を評価した。評価結果を表3〜5に併せて示す。
Figure 2012031327
Figure 2012031327
Figure 2012031327
2.4.評価結果
表3に示す実施例1〜10は、第1のインクおよび第2のインクに含まれる保湿剤が共にグリセリンであるため、第1のインクに含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数と第2のインクに含まれる保湿剤のオクタノール水分配係数との差が0となる例である。なお、第1のインクおよび第2のインクのグリセリンの含有量は、共に10質量%である。実施例1〜10によれば、着色剤として白色を呈する中空構造を有する有機粒子や二酸化チタン粒子を用いると、他の顔料や染料を用いた場合に比べて置換に要するインク量が増えることが判った。さらに、染料を用いた場合よりも顔料を用いた場合の方が置換に要するインク量が増えることが判った。
表4に示す実施例11〜14、16〜19は、第1のインクと第2のインクに含まれる保湿剤が互いに異なっており、第1のインクに含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数と第2のインクに含まれる保湿剤のオクタノール水分配係数との差が1.5以下となる例である。なお、第1のインクおよび第2のインクの保湿剤の含有量は、共に10質量%である。実施例11〜14、16〜19によれば、第1のインクに含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数と第2のインクに含まれる保湿剤のオクタノール水分配係数との差が大きいほど、置換に要するインク量が増えることが判った。
表4に示す実施例15は、第1のインクおよび第2のインクに含まれる保湿剤が共にヘキシレングリコールであるため、第1のインクに含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数と第2のインクに含まれる保湿剤のオクタノール水分配係数との差が0となる例である。なお、第1のインクおよび第2のインクのヘキシレングリコールの含有量は、共に10質量%である。実施例15によれば、第1のインクに含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数と第2のインクに含まれる保湿剤のオクタノール水分配係数との差が0となるにも拘わらず、置換に要するインク量が「C」となることが判った。この理由は、ヘキシレングリコールのオクタノール/水分配係数が0.9であるから、ヘキシレングリコールの親油性が比較的高いため、水性インク同士では置換効率が低下するものと考えられる。
表4に示す実施例20、表5に示す実施例21〜25によれば、第2のインクに含まれる保湿剤の含有量を変更したり、2種類の保湿剤を組み合わせたりすることで、置換に要するインク量が変化することが判った。
表5に示す比較例1〜4は、第1のインクと第2のインクに含まれる保湿剤が互いに異なっており、第1のインクに含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数と第2のインクに含まれる保湿剤のオクタノール水分配係数との差が1.5を超える例である。比較例1〜4によれば、実施例1〜25に比べて置換に要するインク量が増えることが判った。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
11a、11b、12、13、14、15…カートリッジ、20…プリンター、22…用紙スタッカー、24…紙送りローラー、26…プラテン、28…キャリッジ、30…キャリッジモーター、31…紙送りモーター、32…牽引ベルト、34…ガイドレール、36…記録ヘッド、41、42、43、44、45…液体供給路、50…受信バッファメモリー、51…システムコントローラー、52…メインメモリー、53…EEPROM、54…イメージバッファー、55…表示手段、56…切り替え手段、57…計時手段、58…ノズル検査手段、61…主走査駆動回路、62…副走査駆動回路、63…ヘッド駆動回路、90…ホストコンピューター、91…プリンタードライバ、P…記録媒体

Claims (8)

  1. 同一のノズルから第1のインクおよび第2のインクをそれぞれ吐出させるための切り替え手段を備えた液滴吐出装置に用いられる、前記第1のインクと前記第2のインクとを含むインクセットであって、
    前記第1のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数と前記第2のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数との差が1.5以下であることを特徴とする、インクセット。
  2. 前記第1のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数および前記第2のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数の双方が−3.0以上0以下であることを特徴とする、請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記第1のインクは、顔料、染料、金属酸化物および中空構造を有する有機粒子から選択される着色剤を含有する、請求項1または請求項2に記載のインクセット。
  4. 前記着色剤の含有量が1質量%以上20質量%以下である、請求項3に記載のインクセット。
  5. 前記第1のインクが中空構造を有する有機粒子を含有する場合において、前記第1のインク中に含まれる保湿剤のオクタノール/水分配係数が−1.0以上0以下であることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載のインクセット。
  6. 前記第1のインク中に含まれる保湿剤がトリメチロールプロパンである、請求項5に記載のインクセット。
  7. 前記第1のインク中に含まれる保湿剤の含有量が5質量%以上20質量%以下である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のインクセット。
  8. 前記第2のインク中に含まれる保湿剤の含有量が5質量%以上20質量%以下である、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のインクセット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018100341A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット記録用インクセット、カートリッジ、及び画像形成方法

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