JP6065622B2 - インクジェット用インクセット及びインクジェット記録システム - Google Patents

インクジェット用インクセット及びインクジェット記録システム Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット用インクセット及びインクジェット記録システムに関する。
従来、インクジェット記録方式を用いた印刷方法では、インクをプリントヘッドへ供給し、インクの小滴をプリントヘッドから吐出し飛翔させて、紙などの被記録媒体上に付着させる。インクを吐出する際、インク中に気泡が発生すること等により吐出不良が生じることがある。そこで、脱気装置などを用いてインクを脱気することにより、気泡を除去して安定的にインクを吐出させる技術が、種々提案されている。
例えば、特許文献1は、高周波駆動するインクヘッドに過不足なくインクを連続的に大量供給しながら、かつ、インク供給時に発生するキャビテーションによるインクヘッドからのインク吐出の不安定化とそれによる画像欠陥、および濃度低下を改善したインクジェット画像形成方法を提供することを目的として、水性染料、イオン交換水および有機溶剤を含有し、表面張力が45mN/m以上であり、濾過精度0.5μmの濾過材料で濾過して固体微粒子の含有量数が粒子カウンターで粒径0.5μm以上のものが10000(個/10ml)個以下である、水性染料インクであるインクを、インクコンテナーからストレージタンクに一度移し替え、液送ポンプでくみ上げ、該インクをそのまま、または、濾過精度0.5μmの濾過材料で濾過して、固体微粒子の含有量が粒子カウンターで粒径0.5μm以上の固体微粒子が10000(個/10ml)以下である状態で、脱気装置を経て、インクジェットヘッドに供給し、該インクジェットヘッドから印刷媒体に吐出させて、印刷媒体に画像を形成するインクジェット画像形成方法を開示している。
特開2011−42104号公報
しかしながら、市場に流通するインクタンクは、比較的安価であるものの、構造上インクと大気が接触してしまう。また、市場に流通するインクカートリッジとして一般的な開放系のカートリッジは、脱気したインクを充填しても、空気が当該インクに徐々に溶け込んでしまう。特許文献1が開示する脱気されたインクがこれらのインクタンクや開放系のインクカートリッジを経由すると、インク中に空気が溶け込むため、脱気が無意味となり吐出不良を生じるという問題が生じる。
また、吐出不良の原因としては、気泡だけでなく、インクを吐出するノズルの目詰まりもあるため、目詰まり性に優れるインクとすることも重要である。吐出不良が起きると、記録媒体に付着するインク滴が所望の重量とならない場合があり、結果として色再現性が低下することがある。
そこで、本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、殆ど脱気されていないインク組成物(例えば、溶存窒素量は5ppm以上)又は全く脱気されていないインク組成物(例えば、溶存窒素量は7ppm以上)であっても、初期充填性、連続印刷安定性、に優れる各インクを備え、色再現性及び目詰まり性に優れたインクジェット用インクセット、及び該インクセットを用いるインクジェット記録システムを提供することを目的の一つとする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、所定の組成のインクを備えるインクジェット用インクセットであることにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
少なくともシアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを備えるインクジェット用インクセットであって、
前記シアンインクは、C.I.アシッドブルー9又はC.I.ダイレクトブルー199の少なくともいずれかを含み、
前記マゼンタインクは、C.I.アシッドレッド249又はC.I.リアクティブレッド141の少なくともいずれかを含み、
前記イエローインクは、C.I.ダイレクトイエロー86又はC.I.ダイレクトイエロー132の少なくともいずれかを含み、且つ、
前記シアンインク、前記マゼンタインク、及び前記イエローインクは、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、を含む、
インクジェット用インクセット。
〔2〕
前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、11〜16のHLB値を有する、前項〔1〕に記載のインクジェット用インクセット。
〔3〕
主鎖の炭素数が12以上である前記アセチレングリコールの前記アルキレンオキサイド付加物が、エチレンオキサイド付加物である、前項〔1〕又は〔2〕に記載のインクジェット用インクセット。
〔4〕
前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、主鎖の炭素数が12以上である前記アセチレングリコールの前記アルキレンオキサイド付加物及び主鎖の炭素数が10以上である前記アセチレングリコールの総含有量を1として、質量比で0.10〜0.50含まれる、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のインクジェット用インクセット。
〔5〕
主鎖の炭素数が12以上である前記アセチレングリコールの前記アルキレンオキサイド付加物は、8〜15のHLB値を有する、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のインクジェット用インクセット。
〔6〕
主鎖の炭素数が10以上である前記アセチレングリコールは、7以下のHLB値を有する、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のインクジェット用インクセット。
〔7〕
前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のインクジェット用インクセットのインクを収容するインク収容容器と、
前記インクを吐出するインクジェット記録用のヘッドと、
前記インク収容容器から前記ヘッドに前記インクを供給するインク供給路と、
を有し、
前記インク収容容器は、前記インクを収容するインク収容室と、該インク収容室に収容された前記インクを介して前記インク収容室内に空気を導入する空気導入流路と、を備える、
インクジェット記録システム。
〔8〕
前記ヘッドに前記インクを供給する際における、前記インク収容室内部の水平断面の面積(A)と、
前記インク供給路の断面の面積(B)と、の比(A/B)が、300以上である、前項〔7〕に記載のインクジェット記録システム。
〔9〕
前記インク収容室に前記インクを注入する際における、前記インク収容室内部の水平断面の面積(C)と、
前記インク供給路の断面の面積(B)と、の比(C/B)が、900以上である、前項〔7〕又は〔8〕に記載のインクジェット記録システム。
〔10〕
前記ヘッドに前記インクを供給する際における、前記インク収容室内部の水平断面の面積(A)と、
前記インク収容室に前記インクを注入する際における、前記インク収容室内部の水平断面の面積(C)と、の比(C/A)が、2.5以上である、前項〔7〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録システム。
インクジェット記録システムを備えたインクジェット記録装置(以下、単に「記録装置」又は「プリンター」ともいう。)の全体構成を示すブロック図である。 インクジェット記録システムを備えたプリンターの横断面を示す概略図である。 インク収容容器の一例であるインクタンクからヘッドへのインク供給の原理を説明する概略図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面では各構成要素(部材)を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素ごとに縮尺を適宜変更しており、本実施形態は、図面に記載された、構成要素の数量、形状、及び大きさの比率、並びに各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
〔1.インクジェット用インクセット〕
本実施形態に係るインクジェット用インクセットは、少なくともシアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを備えるインクジェット用インクセットであって、シアンインクは、C.I.アシッドブルー9又はC.I.ダイレクトブルー199の少なくともいずれかを含み、マゼンタインクは、C.I.アシッドレッド249又はC.I.リアクティブレッド141の少なくともいずれかを含み、イエローインクは、C.I.ダイレクトイエロー86又はC.I.ダイレクトイエロー132の少なくともいずれかを含み、且つ、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクは、いずれも、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、を含む。このような、インクジェット用インクセットであれば、初期充填性、連続印刷安定性、に優れる上、インクセットとしての色再現性及び目詰まり性に優れる。以下、各インクに含まれる成分について、詳細に説明する。なお、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクに共通する成分を説明する場合については、単に「インクジェット用インク」として説明する。
〔1.1.着色剤〕
(1.1.1.シアンインクに含まれる着色剤)
本実施形態に係るシアンインクは、C.I.アシッドブルー9又はC.I.ダイレクトブルー199の少なくともいずれかを含むものである。シアンインクが、C.I.アシッドブルー9又はC.I.ダイレクトブルー199の少なくともいずれかを含むことにより、特に目詰まり性がより向上する。また、シアンインクは、本発明の目的を達成できる限りにおいて、上記以外の着色剤を含んでもよい。
(1.1.2.マゼンタインクに含まれる着色剤)
本実施形態に係るマゼンタインクは、C.I.アシッドレッド249又はC.I.リアクティブレッド141の少なくともいずれかを含むものである。マゼンタインクが、C.I.アシッドレッド249又はC.I.リアクティブレッド141の少なくともいずれかを含むことにより、特に色再現性がより向上する。また、マゼンタインクは、本発明の目的を達成できる限りにおいて、上記以外の着色剤を含んでもよい。
(1.1.3.イエローインクに含まれる着色剤)
本実施形態に係るイエローインクは、C.I.ダイレクトイエロー86又はC.I.ダイレクトイエロー132の少なくともいずれかを含むものである。イエローインクが、C.I.ダイレクトイエロー86又はC.I.ダイレクトイエロー132の少なくともいずれかを含むことにより、特に色再現性及び耐湿性がより向上する。また、イエローインクは、本発明の目的を達成できる限りにおいて、上記以外の着色剤を含んでもよい。
本実施形態のインクジェット用インクセットは、少なくともシアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを備えるものであれば特に制限されず、他の色材を含むインクをさらに備えてもよい。なお、以下の説明において「インクジェット用インク」は、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクのそれぞれを指すものとする。ただし、インクジェット用インクセットが、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインク以外の他の色材を含むインクを備える場合、他の色材を含むインクは、「インクジェット用インク」に該当するインクであってもよく、該当しないインクであってもよい。
〔1.2.主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物〕
本実施形態で用いるインクジェット用インクは、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物(以下、単に「AO付加物」ともいう。)を含む。なお、本明細書における「主鎖」とは、IUPAC命名法に基づいて決定される、アセチレングリコールの主鎖を意味する。
AO付加物は、インクジェット用インクに、インク流路を構成するゴムやプラスチック等の高分子部材及びインクにおける気泡発生の一因となり得る異物に対する濡れ性を付与する。そのため、AO付加物を含むインクジェット用インクを用いることにより、インク充填時に、発生した気泡が残留するのを抑制することができる。これにより、インクの初期充填性が向上し、残留した気泡の成長、及び流路面に付着していた気泡の離脱に起因するドット抜けを共に防止できることから、連続印刷安定性が向上する。
AO付加物は、インクジェット用インク中での溶解性に優れる。また、後述する主鎖の炭素数10以上であるアセチレングリコールのインクジェット用インク中での溶解性も向上させる。これにより、本実施形態で用いるインクジェット用インクであれば、溶解性と消泡性の両立が達成される。
AO付加物のHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値は、8〜15であることが好ましく、10〜13であることがより好ましい。HLB値が上記範囲であることにより、気泡発生の一因となり得る異物に対する濡れ性が一層優れたものとなる傾向にある。なお、本明細書におけるHLB値は、グリフィン法で定義される。
AO付加物としては、特に限定されないが、具体的には、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
上記式(1)中、R、R1’、R、及びR2’は、互いに独立して、直鎖状又は分岐状の、炭素数1〜5のアルキル基を表す。また、式(1)で表されるAO付加物のアセチレングリコール主鎖の炭素数は12以上であり、好ましくは12以上14以下である。式(1)中、−OR及び−OR3’は、互いに独立して、−OH、又は−O(C2mO)Hを表す。ただし、−OR及び−OR3’が共に−OHである場合を除く。ここで、mは1〜5の整数を示す。また、nは0.5〜25の小数を含む値であり、付加したアルキレンオキサイド(C2mO)の平均重合度を表す。
アルキレンオキサイド単位の付加モル数の総数(R及びR3’の合計)は2〜40モルであることが好ましい。上記好ましい範囲であることにより、静的及び動的表面張力を小さくすることができ、初期充填性がより良好となる傾向にある。
AO付加物としては、特に限定されないが、具体的には、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのエトキシル化物、5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールのエトキシル化物、オルフィンEXP4300(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名、炭素数12、エチレンオキサイド付加物)が挙げられる。
本実施形態で用いるインクジェット用インクは、上記AO付加物として、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物を含むことが好ましく、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を含むことがより好ましい。主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物は、インクジェット用インク中により安定に存在でき、気泡発生の一因となり得る異物に対する濡れ性がより優れたものとなる傾向にある。そのため、インクジェット用インクの初期充填性がより優れる傾向にある。
AO付加物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。AO付加物の含有量は、インクジェット用インクの総質量(100質量%)に対して、0.05〜0.30質量%であることが好ましく、0.15〜0.30質量%であることがより好ましい。含有量が上記範囲であることにより、初期充填性がより良好となる傾向にある。
〔1.3.主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコール〕
本実施形態で用いるインクジェット用インクは、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールを含む。主鎖の炭素数10以上であるアセチレングリコールは、消泡性に優れ、インク収容容器等へのインク導入中に発生した気泡を効果的に消泡させることができる。これにより、初期充填性及び連続印刷安定性が向上する。
主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールのHLB値は、7以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、4以下であることがさらに好ましい。また下限値としては3以上であることが好ましい。HLB値が上記範囲であることにより、消泡性により優れる傾向にある。
主鎖の炭素数10以上であるアセチレングリコールとしては、特に限定されないが、具体的には、下記式(2)で表されるアセチレングリコールが挙げられる。
上記式(2)中、R、R4’、R、及びR5’は、互いに独立して、直鎖状又は分岐状の、炭素数1〜5のアルキル基を表す。また、アセチレングリコールの主鎖の炭素数は10以上であり、好ましくは10以上14以下である。
主鎖の炭素数10以上であるアセチレングリコールとしては、特に限定されないが、具体的には、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール(エアプロダクツ社製;サーフィノールDF110D)、5,8−ジメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール(エアプロダクツ社製;サーフィノール104PG50)、及び4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオールが好ましく挙げられる。
主鎖の炭素数10以上であるアセチレングリコールは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。主鎖の炭素数10以上であるアセチレングリコールの含有量は、インクジェット用インクの総質量(100質量%)に対して、例えば0.05〜0.30質量%であることが好ましく、0.10〜0.20質量%であることがより好ましい。含有量が上記範囲であることにより、連続印刷安定性により優れる傾向にある。
主鎖の炭素数10以上であるアセチレングリコール及び上述したAO付加物(以下、まとめて「アセチレングリコール系化合物」ともいう。)の総含有量は、0.1〜0.6質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がより好ましい。含有量が上記範囲であることにより、水への溶解性がより良好となり、これらのアセチレングリコールを配合した際に凝集物が発生するのをより効果的に防止できる傾向にある。
また、主鎖の炭素数10以上であるアセチレングリコールの含有量と、上述したAO付加物の含有量との質量比は、AO付加物の含有量1に対し、主鎖の炭素数10以上であるアセチレングリコールの含有量が0.5〜2.5であることが好ましく、0.5〜2.0であることがより好ましく、0.5〜1.5であることがさらに好ましい。質量比が上記範囲であることにより、初期充填性及び連続印刷安定性により優れる傾向にある。
〔1.4.ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〕
本実施形態で用いるインクジェット用インクは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、上記したAO付加物と主鎖の炭素数10以上であるアセチレングリコールを、インクジェット用インク中に溶解、又は分散させる可溶化剤として作用する。上記のアセチレングリコール系化合物はいずれも動的表面張力が低く、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルはこの低い動的表面張力に影響を及ぼさない可溶化剤ということができる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのHLB値は、11〜16が好ましく、12〜16がより好ましく、12〜15がさらに好ましい。HLB値が上記範囲であることにより、初期充填性及び連続印刷安定性がより優れる傾向にある。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、特に限定されないが、具体的には、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
O(CO)(CO)(CO)(CO)H・・・(3)
上記式(3)中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表し、好ましくは炭素数5〜15のアルキル基を表し、より好ましくは炭素数10〜15のアルキル基を表す。また、wは1〜20の値であり、x、y、及びzは互いに独立して0又は1〜20の値である。さらに、w、x、y、及びzは、5≦w+x+y+z≦30を満たし、好ましくは5≦w+x+y+z≦25を満たす。上記のようなポリオキシアルキレンアルキルエーテルを用いることにより、保存安定性及び連続印刷安定性により優れる傾向にある。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、特に限定されないが、具体的には、
1225O(CO)(CO)(CO)(CO)H、
1327O(CO)(CO)(CO)(CO)H、
1225O(CO)(CO)(CO)(CO)
(ここで、w+y=15、x+z=4)、
1327O(CO)(CO)(CO)(CO)
(ここで、w+y=15、x+z=4)、
1225O(CO)(CO)(CO)H、
1327O(CO)(CO)(CO)H、
1225O(CO)12(CO)(CO)12H、
1327O(CO)12(CO)(CO)12H、
CH(CH(CH)CHO(CO)(CO)4.5H、
CH(CH11(CH)CHO(CO)(CO)4.5H、
CH(CH(CH)CHO(CO)(CO)3.5H、
CH(CH11(CH)CHO(CO)(CO)3.5H、
1429O(CO)14(CO)H、
1123O(CO)H、
1021O(CO)11H、及び
1225O(CO)15Hが挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの市販品としては、特に限定されないが、具体的には、
ノイゲンDL−0415(RO(CO)(CO)(CO)(CO)H、「R」:炭素数12,13のアルキル、w+y=15、x+z=4、HLB値15.0)、
ノイゲンET−116B(RO(CO)(CO)4.5H、「R」:炭素数12,14のアルキル、HLB値12.0)、
ノイゲンET−106A(RO(CO)(CO)3.5H、「R」:炭素数12,14のアルキル、HLB値10.9)、
ノイゲンDH−0300(RO(CO)H、「R」:炭素数14のアルキル、HLB値4.0)、
ノイゲンYX−400(RO(CO)40H、「R」:炭素数12のアルキル、HLB値18.1)、
ノイゲンEA−160(C19O(CO)16.8H、HLB値15.4)(以上、第一工業製薬社製)、及び
エマルゲン1108(花王社製商品名、RO(CO)H、「R」:炭素数11のアルキル、HLB値13.4)が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量は、インクジェット用インクの総質量(100質量%)に対し、0.01〜0.50質量%であることが好ましく、0.05〜0.30質量%であることがより好ましい。含有量が上記範囲であることにより、保存安定性及び連続印刷安定性により優れる傾向にある。
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、AO付加物の含有量を1として、質量比で0.10〜1.0含まれることが好ましく、0.30〜0.70含まれることがより好ましい。質量比が上記範囲であることにより、AO付加物のインクジェット用インクへの可溶性がより向上する傾向にある。これにより、AO付加物を配合した際に生じうる凝集物の発生がより抑制され、溶解安定性及び保存安定性がより優れる傾向にある。
また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物及び主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールの総含有量を1として、質量比で0.10〜1.0含まれることが好ましく、0.10〜0.40含まれることがより好ましい。質量比が上記範囲であることにより、アセチレングリコール系化合物のインクジェット用インクへの可溶性がより良好となる傾向にある。これにより、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びアセチレングリコール系化合物を配合した際に生じうる凝集物の発生がより抑制され、溶解安定性及び保存安定性により優れる傾向にある。
〔1.5.その他の成分〕
本実施形態で用いるシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及び他の色材を含むインクは、上記以外の成分を含有してもよい。このような成分としては、例えば、水、有機溶剤、防腐剤、防かび剤、pH調整剤、キレート化剤等が挙げられる。
(1.5.1.水)
本実施形態に用いるインクジェット用インクは水を含有しうる。水としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加などによって滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる傾向にある。
(1.5.2.有機溶剤)
有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、1,2−アルカンジオール類、グリコールエーテル類、多価アルコール類、ピロリドン誘導体が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
1,2−アルカンジオール類としては、特に限定されないが、例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールが挙げられる。1,2−アルカンジオール類は、記録媒体に対するインクの濡れ性を高めて均一に濡らす作用に優れているため、記録媒体上に優れた画像を形成することができる。1,2−アルカンジオール類を含有する場合には、その含有量が、インクジェット用インクの全質量に対して、1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
グリコールエーテル類としては、例えば、アルキレングリコールモノエーテルや、アルキレングリコールジエーテル等が挙げられる。
アルキレングリコールモノエーテルとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
アルキレングリコールジエーテルとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルが挙げられる。
グリコールエーテル類は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して使用することもできる。グリコールエーテル類は、インクの記録媒体に対する濡れ性や浸透速度を制御することできる。そのため、濃淡ムラが少ない鮮明な画像を記録することができる。グリコールエーテル類を含有する場合には、その含有量は、記録媒体への濡れ性及び浸透性を良好にして濃淡ムラを低減させたり、インクの保存安定性及び吐出信頼性を良好にしたりする等の観点から、インクジェット用インク全質量に対して、0.05質量%以上6質量%以下であることが好ましい。
多価アルコール類としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。多価アルコール類は、ヘッドのノズル面におけるインクの乾燥固化を抑制して目詰まりや吐出不良等を低減できるという観点から好ましく用いることができる。多価アルコール類を含有する場合には、その含有量が、インクジェット用インクの全質量に対して、2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
ピロリドン誘導体としては、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。ピロリドン誘導体は、保存安定性という観点から好ましく用いることができる。これらは、1種単独か又は2種以上を混合して使用することができる。ピロリドン誘導体を含有する場合には、その含有量が、インクの全質量に対して、0.5質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
(1.5.3.防腐剤・防かび剤)
防腐剤・防かび剤としては、特に限定されないが、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジンチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBND、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)が挙げられる。
(1.5.4.pH調整剤)
pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。
(1.5.5.キレート化剤)
キレート化剤としては、特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン四酢酸およびこれの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩等)が挙げられる。
〔1.6.インクの調製方法〕
本実施形態に用いるインクジェット用インクは、前述した成分を任意な順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
〔1.7.インクの物性〕
(表面張力)
本実施形態に用いるインクジェット用インクは、画像品質とインクジェット記録用インクとしての信頼性とのバランスの観点から、20℃における表面張力が20mN/m以上50mN/mであることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることがより好ましい。なお、表面張力の測定は、例えば、自動表面張力計CBVP−Z(商品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、20℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
(粘度)
また、同様の観点から、本実施形態に用いるインクジェット用インクの20℃における粘度は、2mPa・s以上15mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s以上10mPa・s以下であることがより好ましい。なお、粘度の測定は、例えば、粘弾性試験機MCR−300(商品名、Pysica社製)を用いて、20℃の環境下での粘度を測定することができる。
(溶存酸素量、溶存窒素量)
本実施形態に用いるインクジェット用インクは、殆ど脱気されていないインク(例えば、溶存酸素量又は溶存窒素量は5ppm以上)であっても、全く脱気されていないインク(例えば、溶存酸素量又は溶存窒素量は7ppm以上)であってもよい。このように脱気されていないインクジェット用インクを用いたとしても、初期充填性、連続印刷安定性、に優れるため、本発明を適用するのに適している。なお、溶存酸素量、溶存窒素量は実施例に記載の方法により測定することができる。
〔2.インクジェット記録システム〕
本実施形態のインクジェット記録システムは、上述のインクジェット用インクセットのインクを収容するインク収容容器と、インクを吐出するインクジェット記録用のヘッドと、インク収容容器からヘッドにインクを供給するインク供給路と、を有し、インク収容容器は、インクを収容するインク収容室と、該インク収容室に収容されたインクを介してインク収容室内に空気を導入する空気導入流路と、を備える。
本実施形態に係るインクジェット記録システムは、インクジェット記録装置を用いて実施できる。具体的にいえば、インクジェット記録システムは、インクジェット記録装置内に備えられ、インク収容容器からヘッドに供給されるインクを、ヘッドから記録媒体に向けて吐出し記録を行うものである。
以下、本実施形態のインクジェット記録システムについて、インクジェット記録装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
〔2.1.インクジェット記録装置〕
インクジェット記録システムを備えた記録装置は、記録装置の方式及びインクの供給方式によっていくつかの型に分類することができる。記録装置の方式の型として、例えば、ラインプリンター及びシリアルプリンターが挙げられる。「ラインプリンター」とは、記録媒体の幅に相当する長さのラインヘッドを備えるものであり、ヘッドが(ほぼ)移動せずに固定されて、1パス(シングルパス)で印刷が行われるものである。一方、「シリアルプリンター」とは、ヘッドが被記録媒体の搬送方向と直交した方向に往復移動(シャトル移動)しながら、通常2パス以上(マルチパス)で印刷が行われるものである。また、インクの供給方式の型として、例えば、オンキャリッジタイプのシリアルプリンター及びオフキャリッジタイプのシリアルプリンターが挙げられる。
以下では、これらの型のうちオフキャリッジタイプのシリアルプリンターを例示し、図を参照しつつ、インクジェット記録システム及びこれを備えた記録装置について説明する。ここで、「オフキャリッジタイプのシリアルプリンター」とは、インクタンクやインクカートリッジ等のインク収容容器とキャリッジのヘッドとを、チューブ等のインク供給路で繋いだものをいう。
〔2.1.1.記録装置の構成〕
図1は、インクジェット記録システムを備えたインクジェット記録装置(プリンター1)の全体構成を示すブロック図である。図2は、インクジェット記録システムを備えたプリンター1の横断面を示す概略図である。
本実施形態におけるプリンター1は、紙などの記録媒体に向けて、インクを吐出することで、記録媒体の被記録面に画像を形成する装置である。
プリンター1は、搬送ユニット10、キャリッジユニット20、ヘッドユニット30、インク収容ユニット40、検出器群50、及びコントローラー60を有する。外部装置であるコンピューター110から印刷データを受信したプリンター1は、コントローラー60によって各ユニット(搬送ユニット10、キャリッジユニット20、ヘッドユニット30、インク収容ユニット40)を制御する。コントローラー60は、コンピューター110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、記録媒体に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット10は、記録媒体を所定の方向(以下、「搬送方向」又は「副走査方向」という。)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット10は、給紙ローラー11と、搬送モーター(不図示)と、搬送ローラー13と、プラテン14と、排紙ローラー15と、を有する。給紙ローラー11は、紙挿入口に挿入された記録媒体をプリンター1内に給紙するためのローラーである。搬送ローラー13は、給紙ローラー11によって給紙された記録媒体を印刷可能な領域まで搬送するローラーであり、搬送モーターによって駆動される。プラテン14は、印刷中の記録媒体を支持する。排紙ローラー15は、記録媒体をプリンター1の外部に排出するローラーであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。
キャリッジユニット20は、ヘッド31を、記録領域に静止させた記録媒体に対して、インクを吐出しながら上記搬送方向(副走査方向)と交差する方向(以下、「移動方向」又は「主走査方向」という。)に移動、即ち走査させる移動機構である。キャリッジユニット20は、キャリッジ21と、キャリッジモーター(不図示)と、サブタンク(サブインクタンク)22と、を有する。キャリッジ21はサブタンク22及びヘッド31を備え、タイミングベルト(不図示)を介して、キャリッジモーター(不図示)に連結されたものである。そして、キャリッジ21は、後述する搬送方向と交差したガイド軸24に支持された状態で、キャリッジモーターによりガイド軸24に沿って往復移動する。ガイド軸24は、キャリッジ21がガイド軸24の軸線方向に往復移動可能に支持されたものである。サブタンク22は、キャリッジ21の往復運動に起因して生じ得る、ヘッド31の内部におけるインクの圧力変動を抑制するためのものである。
図示していないが、サブタンク22は、例えば4つのサブタンクを有し、それぞれ色の異なるインクをそれぞれ収容してもよい。
なお、キャリッジユニット20はサブタンク22を備えていなくてもよく、この場合にはインク収容容器41及びヘッド31がインク供給路42を介して接続される。サブタンク22については、後述の図3においてより詳細に説明する。また、オンキャリッジタイプのシリアルプリンターを用いる場合には、サブタンク22に代えてインクカートリッジを用いてもよい。
ヘッドユニット30は、記録媒体に対してインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット30は、複数のノズルを有するヘッド31を備える。このインクジェット記録用のヘッド31はインクを吐出するものである。ヘッド31はキャリッジ21に設けられているため、キャリッジ21が移動方向に移動すると、ヘッド31も移動方向に移動する。そして、ヘッド31が移動方向に移動中にインクを吐出することによって、画像が記録媒体の被記録面に形成される。
図示していないが、例えば4つのヘッド31が、上記4つのサブタンク22が収容する色に対応したインクを吐出するとよい。
インク収容ユニット40は、インクを収容するものであるとともに、インク供給路を介して、収容されているインクをヘッド31へ供給するものである。インク収容ユニット40は、インク収容容器41と、インク供給路42と、フィルター43(図3参照)と、を有する。
インク収容容器41は、キャリッジ21と別の場所に載置されたものであり、プリンター1本体の外側(キャリッジ21の移動範囲の外側)に設けられたインク収容容器収納部(不図示)に収納されている。インク収容容器41とヘッド31(キャリッジ21)との間は、インク供給路42で接続される。この場合、インク収容容器41は動かない。
インク収容容器41は、インクジェット用インクセットのインクを収容するものであり、インクを収容するインク収容室と、該インク収容室に収容されたインクを介してインク収容室内に空気を導入する空気導入流路と、を備える。言い換えると、インク収容室に収容されたインク中に空気導入口から空気が導入されることでインク中に気泡が発生するインク収容容器ともいえる。インク収容容器41は大気及びインクが接触可能な構造を有し、上記実施形態のインクジェット記録システムは、インク収容容器41に収容されたインクが気泡を含むことを許容するものである。したがって、当該インクジェット記録システム及びこれを備えた本実施形態における記録装置によれば、脱気処理を行うか否かによらず、気泡を含む溶存窒素量の高いインクをインク収容容器41に収容することができる。さらに、インク収容容器41は、インクをさらに供給(補充、リフィル)することを容易にするものである。このようなインク収容容器41としては、従来公知のインクを収容可能な容器であれば特に限定されないが、例えば、(容量の大きな)インクタンク及び開放系のインクカートリッジが挙げられる。
図示していないが、4つのインク収容容器41は、4つのサブタンク22が収容する色に対応したインクを収容するとよい。各インク収容容器41は、所定の部分からインクの液面を外部から確認することができる。なお、インク収容容器41は、プリンター1の一構成要素であるが、プリンター1本体の外側に設けられることから空間的な制約がより小さいため、サブタンク22よりも多くの量のインクを収容することができる。
インク供給路42は、インク収容容器41及びヘッド31を接続し、インク収容容器41からヘッド31にインクを供給するためのものである。インク供給路42は、各色のインクを収容可能なインク収容容器41と、対応した色のインクを収容するためのサブタンク22と、を接続することができる。インク供給路42は、合成ゴム等の可撓性を有する部材で形成することができ、ホース又はチューブということができる。ヘッド31からインクが吐出されサブタンク22のインクが消費されると、インク供給路42を介してインク収容容器41内のインクがサブタンク22に供給される。これにより、プリンター1は、長時間に亘って中断動作なしに連続して印刷を続けることができる。
なお、インク収容容器41及びインク供給路42については、後述の図3においてより詳細に説明する。
フィルター43は、インク供給路42の流路中に設けられうるものである。フィルター43は、インク供給路42を流れるインクが気泡を含む場合に、その気泡を捕捉することでヘッドへの気泡の流入を防止することができる。これにより、ヘッド31におけるインクの充填及びヘッド31からのインクの吐出が共に優れ、初期充填性及び連続印刷安定性が共に優れたものとなる。
フィルター43の設置場所は特に限定されず、例えば、インク収容容器41の出口付近(液体導出部306)に設けてもよい。
検出器群50には、リニア式エンコーダー(不図示)、ロータリー式エンコーダー(不図示)、紙検出センサー53、及び光学センサー54等が含まれる。リニア式エンコーダーは、キャリッジ21の移動方向の位置を検出するものである。ロータリー式エンコーダーは、搬送ローラー13の回転量を検出するものである。紙検出センサー53は、給紙中の紙などの記録媒体の先端の位置を検出するものである。光学センサー54は、キャリッジ21に取付けられている発光部と受光部により、被記録媒体の有無を検出するものである。そして、光学センサー54は、キャリッジ21によって移動しながら記録媒体の端部の位置を検出し、被記録媒体の幅を検出することができる。また、光学センサー54は、状況に応じて、被記録媒体の先端(搬送方向下流側の端部であって「上端」ともいう。)や後端(搬送方向上流側の端部であって「下端」ともいう。)も検出できる。
コントローラー60は、プリンター1の制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラー60は、インターフェイス部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64と、を有する。インターフェイス部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
記録を行う場合、コントローラー60の制御により、後述するように移動方向に移動中のヘッド31からインクを吐出させるドット形成動作と、搬送方向に記録媒体を搬送する搬送動作と、が交互に繰り返され、複数のドットから構成される画像を被記録媒体に印刷することができる。
このように、上記のインクジェット記録システムを備えた本実施形態におけるインクジェット記録装置は、記録媒体のヘッド31と対向する領域に画像を形成するものである。
〔2.1.2.記録装置の動作〕
本実施形態における記録装置の動作としては、記録媒体にインクを付着させて画像を形成する記録動作と、記録媒体を搬送する搬送動作と、が挙げられる。本実施形態における記録装置は、記録動作及び搬送動作を交互に行うことにより、記録を行うものである。記録の際、記録媒体は搬送されず、記録領域に位置するプラテン14に保持された状態となっている。上記の記録動作としては、以下に限定されないが、例えば、インク収容容器41からヘッド31までインクを供給するインク供給動作と、インクタンク44からヘッド31に安定してインクを供給する目的でインク収容容器41に大気(空気)を導入する空気導入動作と、ヘッド31からインクを記録媒体に向けて吐出する吐出動作と、が挙げられる。このような記録装置の動作により、記録媒体におけるヘッド31と対向する領域に所望の画像を形成することができる。
なお、上記のインク供給動作は、供給されて減少した分のインクをインク収容容器41にさらに供給する(補充する)動作を含む。また、本実施形態における記録装置の動作は、インクジェット記録システムを利用したインクジェット記録方法と換言することができ、上述した記録装置の動作に含まれる各々の動作は、「工程」と換言することができる。
以下、本実施形態における記録動作に用いられる記録媒体を説明し、続いて当該記録動作の一例を説明する。
(記録媒体)
記録媒体として、特に限定されないが、例えば、インク吸収性の記録媒体が挙げられる。インク吸収性の記録媒体としては、特に限定されないが、例えば、水性インクの浸透性が高い電子写真用紙などの普通紙、インクジェット用紙(シリカ粒子やアルミナ粒子から構成されたインク吸収層、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)等の親水性ポリマーから構成されたインク吸収層を備えたインクジェット専用紙)から、水性インクの浸透性が比較的低い一般のオフセット印刷に用いられるアート紙、コート紙、キャスト紙等が挙げられる。
(インク供給動作)
本実施形態における記録動作は、インク供給動作を含む。インク供給動作はインク収容容器41からヘッド31までインクを供給するものであり、上記実施形態のインクジェット記録システムを利用することができる。インク供給動作については後で詳細に説明する。
(空気導入動作)
本実施形態における記録動作は、空気導入動作をさらに含んでもよい。当該空気導入動作は、上記インク供給動作を補助するものであり、上記実施形態のインクジェット記録システムを利用することができる。例えば、上述したように、空気を導入するための空気導入流路を有し、インク中で気泡を発生させる構造を有するインク収容容器を備えるインクジェット記録システムを利用した記録動作において、空気導入動作が行われる。当該空気導入動作は、インクタンク44からヘッド31に安定してインクを供給する目的でインク収容容器41に大気(空気)を導入するものである。なお、空気導入動作については後で詳細に説明する。
(吐出動作)
本実施形態における記録動作は、吐出動作を含む。当該吐出動作は、インクジェット記録方式で、記録媒体上にインクの液滴を吐出して、画像を形成するものである。吐出の方式としては、従来公知の方式を使用でき、中でも圧電素子の振動を利用してノズルから液滴を吐出させる方式(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するヘッドを用いた記録方式)、又は発熱体を用いてヘッド内に気泡を生じさせてノズルからインクを吐出する方式を用いると、優れた記録を行うことができる。なお、吐出の温度及び時間並びに吐出されるインクの粘度など、各種の吐出条件については、特に制限されない。
以下、本実施形態における記録動作のうち、主にインク供給動作及び空気導入動作について詳細に説明する。
図3は、インク収容容器41の一例であるインクタンク44から、ヘッド31へのインク供給の原理について説明するための概略図である。図3に示すインク供給の手法は、簡潔に言えばマリオット瓶の原理を利用するものであり、ヘッド31及びインクタンク44が、キャリッジ21内に設けられたサブタンク22及びインク供給路42を介して接続され、サブタンク22内部で負圧を発生させることで、インクタンク44からヘッド31へインクを吸引し供給するというものである。図3は、主にインクタンク44、インク供給路42、及びサブタンク22の内部を模式的に示している。
プリンター1は、所定の水平面sf上に設置されている。インクタンク44の液体導出部306とサブタンク22の液体受入部202とは、インク供給路42を介して接続されている。
サブタンク22は、ポリスチレンやポリエチレン等の合成樹脂により成形されている。サブタンク22は、インク貯留室204と、インク流動路208と、フィルター206と、を備える。インク流動路208には、キャリッジ21のインク供給針21aが挿入されている。フィルター206は、インク流動路206を流れるインクに異物等の不純物が混入している場合に、その不純物を捕捉することでヘッド31への不純物の流入を防止する。インク貯留室204のインクは、ヘッド31からの吸引によって、インク流動路208、インク供給針21aを流れて、ヘッド31に供給される。ヘッド31に供給されたインクは、ノズルを介して記録媒体に向けて吐出され付着することにより、画像を形成する(上述の吐出動作)。
ここで、本実施形態のように、インク収容容器41とヘッド31との間にサブタンク22が設けられる場合でも、インク供給路42はインク収容容器41とヘッド31とを接続するものであるため、サブタンク22内もインク供給路42が存在する。そのため、上記の場合、フィルター43及びフィルター206はいずれもインク供給路42に設けられるフィルターに相当する。
インクタンク44は、マリオット瓶の原理を利用してインクをプリンター1のヘッド31に供給するものである。インクタンク44の外面は、第1の壁370C1と、第2の壁(上面壁)370C2と、底面壁370C3と、からなる。インクタンク44は、その内部に、空気導入流路及びインク流路を有する。当該空気導入流路は、大気開放口317から、図示しない大気流路を介して大気導入口318を通り、インク収容室340へ空気を導入するための流路である。当該インク流路は、液体注入路304からインク収容室340を通って液体導出部306へインクの注入(「補充」を含む。以下同じ。)を行うための流路である。
まず、上記の空気導入流路は、上述の空気導入動作において用いられる流路である。空気導入流路は、外部(大気)に向かって開口する大気開放口317と、大気導入口318を一端とし且つ空気室側開口351を他端とする空気収容室330と、空気室側開口351を一端とし且つ空気導入口352を他端とする液体室連通路350と、で構成される。大気開放口317は大気に連通し、空気収容室330は一端である大気導入口318で開口し、大気開放口317及び大気導入口318は図示しない流路を介して連通している。つまり、空気収容室330は外部(大気)と連通している。液体室連通路350は、一端である空気室側開口351が空気収容室330で開口し、他端である空気導入口352がインク収容室340で開口している。つまり、空気収容室330はインク収容室340と連通している。なお、液体室連通路350は、メニスカス(液面架橋)を形成可能な程度に流路断面積が小さいことが好ましい。
このように、上記の空気導入流路は、一端である空気導入口352がインク収容室340で開口し、他端である大気開放口317が外部に向かって開口している。つまり、後述するインクタンク44の使用状態において、液体室連通路350(詳細には、空気導入口352近傍)には、大気と直接に接する液面が形成され、空気導入口352からインク収容室340のインク中に空気(気泡)を導入することでインク収容室340に空気(気泡G)を導入するものである。言い換えれば、空気は、空気導入流路からインクを介してインク収容室340内に導入される。これにより、後述するように、インクタンク44からヘッド31へ安定してインクを供給することができる。つまり、これまで説明してきた空気導入動作は、後述のインク供給動作を安定化する目的で行われるものである。
一方、上記のインク流路は、上述のインク供給動作において用いられる。これらインク供給動作は、ヘッド31からの吐出動作に起因したインクタンク44のインク貯蔵量の減少に伴って行われるとともに、上記の空気導入動作により安定的に行われる。
ここで、インクタンク44には、使用状態と注入状態とがある。「使用状態」とは、プリンター1のヘッド31にインクを供給する際の水平面に設置されたインクタンク44の状態である。言い換えると、使用状態では、液体注入路304が水平方向に向かって開口している(ただし、開口は栓部材302によって塞がれている。)。図3は、使用状態におけるインクタンク44を示している。また、使用状態においては、インク収容室340と空気収容室330とが水平方向に並んでいる。さらに、使用状態においては、空気導入口352が、インク収容室340に収容された液体の液面より下方に位置する。一方、「注入状態」とは、インクタンク44にインクが注入される際の水平面に設置されたインクタンク44の状態である。言い換えると、注入状態では、液体注入路304が上方に向かって開口している。また、注入状態においては、インク収容室340と空気収容室330とが鉛直方向に並んでいる。さらに、注入状態においては、空気導入口352が、使用状態においてインク収容室340に収容された液体の液面が直線LM1(「第1の状態表示線LM1」)にあるときの液量がインク収容室340に収容されている場合に、インク収容室340に収容された液体の液面より上方に位置している。
上述の注入状態において、利用者は、インク液面が注入状態において水平となる直線LM2(「第2の状態表示線LM2」)の近傍に到達した場合に、インクの補充を停止すればよい。このようにして、液体注入路304からインク収容室340にインクが注入された後に、液体注入路304を栓部材302で密封する。さらに、ヘッド31からインク収容室340のインクが吸引されることでインク収容室340は負圧に維持されている。
上述の使用状態において、空気導入口352は、第1の状態表示線LM1よりも下側に位置する。図3において空気導入口352は、インク収容室340を区画形成する容器本体45のうち、使用状態においてインク収容室340を挟んで下側に位置する底面壁370C3に形成されている。これにより、インク収容室340のインクが消費され、インク収容室340の液面が低下しても、大気と接する液面(大気接触液面)LAが長時間(インク液面が第1の状態表示線LM1に達する程度の時間)に亘り一定の高さに維持される。また、使用状態において、空気導入口352は、ヘッド31よりも低い位置になるように配置される。これにより、水頭差d1が発生する。なお、使用状態において、液体室連通路350の空気導入口352近傍にメニスカスである大気接触液面LAが形成された状態での水頭差d1を、以下では「定常時水頭差d1」ともいう。
インク貯留室204のインクがヘッド31によって吸引されることで、インク貯留室204は所定の負圧以上となる。インク貯留室204が所定の負圧以上になると、インク収容室340のインクがインク供給路42を介してインク貯留室204に供給される。つまり、インク貯留室204には、ヘッド31に流出した量のインクがインク収容室340から自動的にさらに供給(補充)されることになる。言い換えれば、インクタンク44内の空気収容室330、即ち大気と接する大気接触液面(インク液面)LAと、ヘッド31のノズル面と、の鉛直方向の高さの差によって発生する水頭差d1よりも、ヘッド31側からの吸引力(負圧)の方がある程度大きくなることで、インクがインク収容室340からインク貯留室204へ供給される。
ここで、一般的に、インク収容室に収容されたインクの液面(図3のインク液面LF)が十分に広い場合、インクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。例えば、上述の使用状態(ヘッドに前記インクを供給する状態)におけるインク収容室340内部の水平断面の面積(A)と、ヘッド31にインクを供給するインク供給路42の断面の面積(B)と、の比(A/B)が、300以上であるとインク吐出安定性が低下しやすい傾向にある。しかしながら、このような場合であっても、上述のインクジェット用インクを用いる本実施形態に係るインクジェット記録システムであれば、凝集物の発生を抑制でき、仮に凝集物が発生しても容易に再分散できる。なお、前記比(A/B)が大きくなるほど、インクの吐出安定性が十分に得られにくくなる傾向にある。これは、一定の割合で凝集物が発生しても、面積(A)が大きくなるほど発生する異物の量が多くなるためである。従って、A/Bが300以上となるような場合において、本実施形態に係るインクジェット記録システムをより有効に用いることができる。
また、異物の発生には、インクタンクの使用態様も影響する。例えば、上述の注入状態があるインクタンクにおいて、注入状態におけるインク収容室340内部の水平断面の面積(C)と、ヘッド31にインクを供給するインク供給路42の断面の面積(B)と、の比(C/B)が大きいと、上述の内容と同様の理由で吐出安定性が十分に得られない場合がある。例えば、前記の比(C/B)が900以上であるとインク吐出安定性が低下しやすい傾向にある。しかしながら、このような場合であっても、本願発明に係るインクジェット用インクを用いる本実施形態に係るインクジェット記録システムであれば、十分な吐出安定性を得ることができる。したがって、前述の比(C/B)が900以上となるような場合において、本実施形態に係るインクジェット記録システムをより有効に用いることができる。
また、上述の注入状態及び使用状態を有するインクタンクにおいて、前記面積(A)と前記面積(C)との面積比(C/A)が2.5以上であることがより好ましい。面積比(C/A)が上記範囲であることにより、注入状態におけるインクタンクが倒れにくくなり、利用者は安定にインクを注入することができる。さらに、使用状態における設置面積を小さくすることができるので狭いスペースにも設置することができるものとなる。前記面積比(C/A)が2.5以上となるインクタンクを備えるインクジェット記録システムであっても、本願発明に係るインクジェット記録システムであれば、十分な吐出安定性を得ることができる。
なお、インク収容室340内部の水平断面とは、インク収容室340内部の水平断面のうち、最も面積の大きいものを指す。また、インク供給路42の断面とは、インク供給路を通過するインクの流通方向に直交するインク供給路42の断面のうち、最も面積の大きいものを指す。
インク収容室340のインクが消費されると、空気収容室330の空気が液体室連通路350を介してインク収容室340に気泡Gとして導入される。つまり、インクタンク44のインク収容室340において、上記の空気導入流路を通って導入された大気が、上記のインク流路を通って注入されたインクと接触する。これによりインク収容室340のインク液面LFは低下する。一方、大気と接する大気接触液面LAの高さは一定に維持されていることから、水頭差d1は一定に維持される。つまり、ヘッド31の所定の吸引力により、インク量の観点でインクタンク44からヘッド31に安定してインクを供給することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[1.使用材料]
下記の実施例及び比較例において使用した主な材料は、以下の通りである。
〔色材〕
(シアン)
AB9 :C.I.アシッドブルー9
DB199:C.I.ダイレクトブルー199
DB86 :C.I.ダイレクトブルー86
(マゼンタ)
AR249:C.I.アシッドレッド249
RR141:C.I.リアクティブレッド141
DR227:C.I.ダイレクトレッド227
(イエロー)
DY23 :C.I.ダイレクトイエロー23
DY86 :C.I.ダイレクトイエロー86
DY132:C.I.ダイレクトイエロー132
〔界面活性剤〕
(1.主鎖の炭素数12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物)
・SAA1:日信化学工業社製;オルフィンEXP4300:主鎖の炭素数12、エチレンオキサイドの付加あり、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオールエトキシレート
(2.主鎖の炭素数10以上であるアセチレングリコール)
・SAA2:エアプロダクツ社製;サーフィノールDF110D:主鎖の炭素数12、エチレンオキサイドの付加なし、2,5,8,11−テトラメチル−6−ドデシン−5,8−ジオール
・SAA3;エアプロダクツ社製;サーフィノール104PG50:主鎖の炭素数10、エチレンオキサイドの付加なし、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール
(3.その他のアセチレングリコール系化合物)
・SAA4:日信化学工業社製;オルフィンE1010:主鎖の炭素数10、エチレンオキサイドの付加モル数10、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエトキシレート
・SAA5:日信化学工業社製;オルフィンE1004:主鎖の炭素数10、エチレンオキサイド付加モル数4、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのエトキシレート
・SAA6:日信化学工業社製;オルフィン82W:主鎖の炭素数8、エチレンオキサイドの付加なし、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール
〔ポリオキシアルキレンアルキルエーテル〕
・POAAE1(HLB値15.0):第一工業製薬社製;ノイゲンDL−0415
POAAE1は下記一般式(A)で示される。式中、Rは炭素数12のアルキル、w、y、x、及びzは、w+y=15、x+z=4を満たす数である。
RO(CO)(CO)(CO)(CO)H (A)
・POAAE2(HLB値12.0):第一工業製薬社製;ノイゲンET−116B
POAAE2は下記一般式(B)で示される。式中、Rは炭素数12のアルキルである。
RO(CO)(CO)H (B)
・POAAE3(HLB値10.9):第一工業製薬社製;ノイゲンET−106A
POAAE3は下記一般式(C)で示される。式中、Rは炭素数12のアルキルである。
RO(CO)(CO)H (C)
〔有機溶剤〕
・トリエチレングリコール
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル(以下「TEGmBE」とも表記する。)
・プロピレングリコール
・ジプロピレングリコール
・グリセリン
・トリエタノールアミン
[実施例1〜16、比較例1〜11]
〔2.インクセットの調製〕
下記の表1及び表2に示す材料及び組成のシアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクを備える、各インクセットを調製した。具体的には50℃に加温したSAA1、SAA2、SAA3を攪拌機付容器に投入し、そこに更にシアンインクであればC色材、マゼンタインクであればM色材、イエローインクであればY色材を投入後、攪拌しながらポリオキシアルキレンアルキルエーテルを徐々に投入混合し、2時間連続攪拌後、室温まで冷却した。冷却後、200メッシュ濾布にて濾過することにより、各インクを調製した。なお、下記の表1及び表2中、数値(表2においては括弧内の数値)の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
[3.測定及び評価の方法]
〔3.1.インクの溶存窒素量の測定〕
Agilent Technologies製の6890N ネットワークGCを用いて、各インクセットのインクの溶存窒素量を測定した。測定結果を下記表3に示す。なお、下記表3中の「溶存窒素量」は、インク組成物中に溶存する窒素の量を表し、単位はppmである。
〔3.2.溶解安定性の評価〕
シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクそれぞれについて、材料成分が均一に溶解(分散)できているかどうか、目視観察を行った。評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表3に示す。
(評価基準)
○:全インクにおいて、原料成分が均一に溶解(分散)しており、溶け残った浮遊物は観察されなかった。
×:少なくとも一つのインクにおいて、原料成分が溶解(分散)せずに、溶け残りが浮遊物として観察された。
〔3.3.保存安定性の評価〕
シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクそれぞれを、20mL容の蓋付きガラス瓶に取り分け、70℃で1週間放置した。インクの液面を観察し、浮遊物の有無を目視で確認した。さらに、放置後のインクを孔径10μmのフィルターでろ過したときに、捕集物(ろ集物)の有無を確認した。評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表3に示す。
(評価基準)
○:全インクでインク成分由来の浮遊物は観察されず、捕集物も得られなかった。
△:少なくとも一つのインクでインク成分由来の浮遊物が観察されたが、捕集物は得られなかった(実用上の問題なし)。
×:少なくとも一つのインクで捕集物が得られた。
〔3.4.初期充填性の評価〕
調製した各インクセットを、インクジェットプリンター(L100〔製品名〕、セイコーエプソン社製)のインクタンクに充填した。L100の定める初期充填シーケンスに従い、ヘッドへの初期充填動作を行った。この後、ヘッドの全ノズルからインクが吐出できるかどうかを確認するため、ノズルチェックを実施した。インクが吐出できないノズルがある場合には、ヘッドのクリーニング(ノズル内のインクの吸引)を行い、その後再度ノズルチェックを実施した。全ノズルからインクが吐出できるまでに要したクリーニングの回数に基づき、以下の評価基準により初期充填性を評価した。評価結果を下記表3に示す。
(評価基準)
○:初期充填シーケンスのみで全ノズルから吐出した。
△:全ノズルからインクが吐出できるまでに要したクリーニング回数が1回であった。
×:全ノズルからインクが吐出できるまでに要したクリーニング回数が2回以上であった。
〔3.5.連続印刷安定性の評価〕
上記「初期充填性の評価」によって、ヘッドの全ノズルからインクが吐出できることを確認した後、各インク組成物及びA4サイズの普通紙(P紙〔製品名〕、富士ゼロックス社製)を用いて、70%Dutyの画像を印刷することにより、連続印刷安定性の評価を行った。印刷枚数は、500枚の連続印刷を2回行い、合計で1,000枚とした。その後、ノズルチェックを実施し、ノズル抜けの本数に基づき、以下の評価基準により連続印刷安定性を評価した。評価結果を下記表3に示す。
(評価基準)
○:ノズル抜けが発生した回数が1本以下であった。
△:ノズル抜けが発生した回数が2本であった。
×:ノズル抜けが発生した回数が3本以上であった。
〔3.6.色再現性の評価〕
調製した各インクセットを、インクジェットプリンター(L100〔製品名〕、セイコーエプソン社製)のインクタンクに充填し、記録媒体(写真用紙(光沢)、型番「KA420PSK」、セイコーエプソン株式会社製)にカラーチャート画像を印刷した。得られた基準カラーチャート画像を測色器(商品名「Xrite i1」、Xrite社製)を用いて、L値、a値、b値を測定した。これらの値から、各インクセットのL色再現範囲体積の値(ガマット値)を算出した。
(評価基準)
○:ガマット値が、11,000以上であった。
△:ガマット値が、10,000以上11,000未満であった。
×:ガマット値が、10,000未満であった。
〔3.7.目詰まりの評価〕
調製した各インクセットを、それぞれ、インクジェットプリンターPM−G800(セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジ(Magenta室)に充填し、インクジェット専用記録媒体(写真用紙<光沢>;セイコーエプソン株式会社製、型番:KA420PSKR)に対し、10分間連続してベタ画像を記録し、全てのノズルが正常に吐出していることを確認後、インクカートリッジを装着したまま、ノズルでの乾燥状態を加速するために、記録ヘッドをヘッドキャップから外した状態で、40℃の環境に2週間放置した。そして、放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、以下の判断基準により、回復しやすさを評価し、評価結果を下記表3に示す。
(評価基準)
○:1〜7回のクリーニング操作でカスレ、抜けの記録不良がなくなった。
×:8回以上のクリーニング操作でもカスレ、抜けの記録不良がなくならなかった。
〔3.8.耐湿性の評価〕
上記のプリンター、カートリッジ及び記録媒体を用い、それぞれのインク組成物に対し、白抜き文字(インクで文字以外の領域を記録することで白抜き文字として形成したもの;フォトンサイズ:14及び18pt、フォントタイプ:MSゴシック)の記録を行った。得られた画像について、40℃、85%RHの環境下に3日間放置し、下記判断基準により耐湿性を評価した。評価結果を下記表3に示す。
(評価基準)
○:各インクで文字の輪郭部の崩れ(滲み)及び白抜き部の着色が観察されなかった。
△:各インクで白抜き部の着色は観察されないが、文字の輪郭部の崩れ(滲み)が観察された。
×:各インクで文字の輪郭部の崩れ(滲み)及び白抜き部の着色の双方が観察された。
以上の結果より、本発明のインクジェット用インクセットは、初期充填性、連続印刷安定性、色再現性、及び目詰まり性に優れることが示された。一方で、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコール、及びポリオキシアルキレンアルキルエーテルの少なくともいずれかを含まない比較例4〜11は初期充填性、連続印刷安定性に劣っていた。また、本発明に規定する色材を含まない比較例1〜3は目詰まり性、又は色再現性に劣っていた。
1…プリンター、10…搬送ユニット、11…給紙ローラー、13…搬送ローラー、14…プラテン、15…排紙ローラー、20…キャリッジユニット、21…キャリッジ、21a…インク供給針、22…サブタンク、24…ガイド軸、30…ヘッドユニット、31…ヘッド、40…インク収容ユニット、41…インク収容容器、42…インク供給路、43…フィルター、44…インクタンク、45…容器本体、50…検出器群、53…紙検出センサー、54…光学センサー、60…コントローラー、61…インターフェイス部、62…CPU、63…メモリー、64…ユニット制御回路、110…コンピューター、202…液体受入部、204…インク貯留室、206…フィルター、208…インク流動路、302…栓部材、304…液体注入路、306…液体導出部、317…大気開放口、318…大気導入口、330…空気収容室、340…インク収容室、350…液体室連通路、351…空気室側開口、352…空気導入口、370C1…第1の壁、370C2…第2の壁(上面壁)、370C3…底面壁、d1…(定常時)水頭差、G…気泡、LA…大気接触液面(インク液面)、LF…インク液面、LM1…第1の状態表示線、LM2…第2の状態表示線、sf…水平面

Claims (10)

  1. 少なくとも水性シアンインク、水性マゼンタインク、及び水性イエローインクを備えるインクジェット用インクセットであって、
    前記水性シアンインクは、C.I.アシッドブルー9又はC.I.ダイレクトブルー199の少なくともいずれかを含み、
    前記水性マゼンタインクは、C.I.アシッドレッド249又はC.I.リアクティブレッド141の少なくともいずれかを含み、
    前記水性イエローインクは、C.I.ダイレクトイエロー86又はC.I.ダイレクトイエロー132の少なくともいずれかを含み、且つ、
    前記水性シアンインク、前記水性マゼンタインク、及び前記水性イエローインクは、いずれも、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物と、主鎖の炭素数が10以上であるアセチレングリコールと、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルと、を含む、
    インクジェット用インクセット。
  2. 前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、11〜16のHLB値を有する、請求項1に記載のインクジェット用インクセット。
  3. 主鎖の炭素数が12以上である前記アセチレングリコールの前記アルキレンオキサイド付加物が、主鎖の炭素数が12以上であるアセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を含む、請求項1又は2に記載のインクジェット用インクセット。
  4. 前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、主鎖の炭素数が12以上である前記アセチレングリコールの前記アルキレンオキサイド付加物及び主鎖の炭素数が10以上である前記アセチレングリコールの総含有量を1として、質量比で0.10〜0.50含まれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用インクセット。
  5. 主鎖の炭素数が12以上である前記アセチレングリコールの前記アルキレンオキサイド
    付加物は、8〜15のHLB値を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジ
    ェット用インクセット。
  6. 主鎖の炭素数が10以上である前記アセチレングリコールは、7以下のHLB値を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用インクセット。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用インクセットのインクを収容するインク収容容器と、
    前記インクを吐出するインクジェット記録用のヘッドと、
    前記インク収容容器から前記ヘッドに前記インクを供給するインク供給路と、
    を有し、
    前記インク収容容器は、前記インクを収容するインク収容室と、該インク収容室に収容された前記インクを介して前記インク収容室内に空気を導入する空気導入流路と、を備える、
    インクジェット記録システム。
  8. 前記ヘッドに前記インクを供給する際における、前記インク収容室内部の水平断面の面積(A)と、
    前記インク供給路の断面の面積(B)と、の比(A/B)が、300以上である、請求項7に記載のインクジェット記録システム。
  9. 前記インク収容室に前記インクを注入する際における、前記インク収容室内部の水平断面の面積(C)と、
    前記インク供給路の断面の面積(B)と、の比(C/B)が、900以上である、請求項7又は8に記載のインクジェット記録システム。
  10. 前記インク収容室に前記インクを注入する際における、前記インク収容室内部の水平断面の面積(C)と、
    前記ヘッドに前記インクを供給する際における、前記インク収容室内部の水平断面の面積(A)と、の比(C/A)が、2.5以上である、請求項7〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録システム。
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