JP2017081056A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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【課題】インクジェット記録装置を高温低湿環境下で使用しても、固着回復性が良好な状態で維持されるインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】水性インクのそれぞれに対応する第2インク収容部202−2が、ひとつの筐体301内に区画形成されており、筐体の下流端部から第1インクに対応する記録ヘッド203の吐出口303−1までのインク流路302−1の容積V1に対する、筐体の下流端部から第2インクに対応する記録ヘッド203の吐出口303−2までのインク流路302−2の容積V2の比率V2/V1が、2.9倍以下であり、水性インクが、いずれも、温度25℃での比誘電率が34.0超の第1水溶性有機溶剤、及び温度25℃での比誘電率が34.0以下の第2水溶性有機溶剤を含有する。【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方法によれば、様々な記録媒体へ画像を記録することができる。そして、より良好な画像を得るため、例えば、光沢紙などに写真画質の画像を記録するのに適したインクや、普通紙などに文書を記録するのに適したインクなど、目的に応じた種々のインクが提案されている。
近年では、記録媒体として普通紙などを用い、文字や図表などを含むビジネス文書などの記録にもインクジェット記録方法が利用されており、このような用途への使用頻度が格段に高まってきている。また、インクジェット記録方法の技術の発展に伴い、長期間の使用に耐えるべく、インクジェット記録装置の耐久性や信頼性を高めるとともに、インクタンクの容量を増加させて高い生産性を実現することが要求されるようになっている。このような要求に対し、例えば、メインタンク、サブタンク、及びメインタンクからサブタンクにインクを供給するチューブを有し、インクの蒸発量と粘度上昇度との関係を規定したインクジェット記録装置が提案されている(特許文献1)。
特開2007−196466号公報
また、近年、インクジェット記録装置の小型化についても要求されるようになっている。このような要求に対応すべく、本発明者らは、複数のインクのそれぞれに対応するメインタンク及びサブタンクを設け、かつ、複数のサブタンクがひとつの筺体に一体的に形成されたインクジェット記録装置について検討した。検討に際しては、特許文献1で提案されたインクジェット記録装置に用いられているインクを使用した。その結果、インクの固着回復性が改善され、信頼性が高まる傾向にあることが判明した。しかし、さらなる小型化に対応すべく、複数のインクに対してひとつの吸引キャップにより回復動作を行う記録装置を使用し、より高温低湿環境下における固着回復性について検討した。その結果、インクによって固着回復性にばらつきが生じてしまい、固着回復性の低いインクについては正常に吐出できない吐出口が発生するという新たな課題が生ずることがわかった。
したがって、本発明の目的は、複数の水性インクのそれぞれに対応するメインタンク及びサブタンクを備えるとともに、複数のサブタンクがひとつの筺体に収容されたインクジェット記録装置を使用した場合に生ずる課題を解決することにある。すなわち、上記のインクジェット記録装置を高温低湿環境下で使用しても、固着回復性が良好な状態で維持されるインクジェット記録方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、第1インク及び第2インクを含む複数の水性インクと、前記水性インクのそれぞれに対応して設けられる、第1インク収容部、第2インク収容部、及び前記第1インク収容部から前記第2インク収容部へと前記水性インクを供給するチューブを含むインク供給系と、前記第2インク収容部と連通する記録ヘッドと、を備えたインクジェット記録装置を使用し、前記水性インクを前記記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、前記水性インクのそれぞれに対応する前記第2インク収容部が、ひとつの筐体内に区画形成されており、前記筐体の下流端部から前記第1インクに対応する前記記録ヘッドの吐出口までのインク流路の容積V1に対する、前記筐体の下流端部から前記第2インクに対応する前記記録ヘッドの吐出口までのインク流路の容積V2の比率V2/V1が、2.9倍以下であり、前記水性インクが、いずれも、温度25℃での比誘電率が34.0超の第1水溶性有機溶剤、及び温度25℃での比誘電率が34.0以下の第2水溶性有機溶剤を含有し、前記第1インク中の前記第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に対する前記第2水溶性有機溶剤の含有量(質量%)の比率S1と、前記第2インク中の前記第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に対する前記第2水溶性有機溶剤の含有量(質量%)の比率S2とが、S1>S2の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
本発明によれば、複数の水性インクのそれぞれに対応するメインタンク及びサブタンクを備えるとともに、複数のサブタンクがひとつの筺体に収容されたインクジェット記録装置を使用した場合に生ずる課題を解決することができる。すなわち、上記のインクジェット記録装置を高温低湿環境下で使用しても、固着回復性が良好な状態で維持されるインクジェット記録方法を提供することができる。また、本発明によれば、このインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明のインクジェット記録装置の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 インク供給系の一例を示す模式図である。 記録ヘッド内におけるインク流路の一例を示す模式図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを「インク」、第1インク収容部のことを「メインタンク」、第2インク収容部のことを「サブタンク」と記載することがある。さらに、第2インク収容部の筺体の下流端部から記録ヘッドの吐出口までのインク流路の容積のことを「インク流路容積」と記載することがある。また、物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値とする。
まず、本発明者らは、複数のインクに対してひとつの吸引キャップにより回復動作を行うインクジェット記録装置を使用し、より高温低湿な環境下での固着回復性について検討を行った。具体的には、調製したインクをインクジェット記録装置に搭載して長期間放置した後、正常な吐出が可能となるまでの回復性について検討した。その結果、回復動作の際、各インクの吐出口列に対する吸引圧にバラツキがあることが判明した。これは、メインタンク及びサブタンクと、これらのタンクを連結するインク供給チューブとの連結部などからインク供給チューブ内に泡が混入したためであると推測される。すなわち、インクにより泡の混入量が異なるとともに、泡の緩衝作用により回復動作時の吸引圧が低下するので、吸引圧にバラツキが生じたと考えられる。
回復動作時に生ずる吸引圧のバラツキを解消すべく、本発明者らは、インク供給チューブ内の泡を減少させること、すなわちインク中の溶存空気量を増加させることについて検討した。溶存空気量(気体の溶解度)は、水よりも水溶性有機溶剤の方が高いことが知られている。また、窒素や酸素の溶解度は、より誘電率の低い水溶性有機溶剤の方が高いことが知られている。そこで、誘電率の低い水溶性有機溶剤に着目し、温度25℃での比誘電率が34.0以下の水溶性有機溶剤を含有するインクを調製して検討したところ、低誘電率の水溶性有機溶剤をインクに添加したことで、インク供給チューブ内の泡が減少することがわかった。しかし、インク中の低誘電率の水溶性有機溶剤の比率が高くなると色材が水和水を失いやすくなり、吐出口の近傍で色材が析出して固着回復性が低下するインクが発生することも判明した。さらに、複数のサブタンクが区画形成された筺体の下流端部から記録ヘッドの吐出口までのインク流路の容積が大きいと、回復動作時の吸引圧が低下する傾向にあるため、固着回復性が低下する。一方、インク流路の容積が小さいほど回復動作時の吸引圧が低下しにくい傾向にあるため、固着回復性が良好な状態で維持される。
以上の内容を考慮し、本発明者らは、容積が大きいインク流路中のインクに用いる低誘電率の水溶性有機溶剤の比率を低下させ、かつ、容積が小さいインク流路中のインクに用いる低誘電率の水溶性有機溶剤の比率を高めることについて検討した。これにより、それぞれのインクに対する回復動作時の吸引圧が揃い、複数のインクを用いた場合であっても、全てのインクで良好な固着回復性が得られことが判明した。より具体的には、以下に示す(i)及び(ii)の要件を満たすことが重要であることを見出した。
(i)第1インク及び第2インクを含む複数の水性インクが、いずれも、温度25℃での比誘電率が34.0超の第1水溶性有機溶剤、及び温度25℃での比誘電率が34.0以下の第2水溶性有機溶剤を含有すること。
(ii)第1インク中の第1水溶性有機溶剤の含有量に対する第2水溶性有機溶剤の含有量の比率S1と、第2インク中の第1水溶性有機溶剤の含有量に対する第2水溶性有機溶剤の含有量の比率S2とが、S1>S2の関係を満たすこと。
さらに、複数のインク流路の容積の関係について詳細に検討した。その結果、以下に示す(iii)の要件を満たすことが重要であることを見出した。
(iii)筐体の下流端部から第1インクに対応する記録ヘッドの吐出口までのインク流路の容積をV1とし、筐体の下流端部から第2インクに対応する記録ヘッドの吐出口までのインク流路の容積をV2とする。この場合、インク流路の容積V1に対する、インク流路の容積V2の比率V2/V1が、2.9倍以下であること。
上記の比率V2/V1が2.9倍超であると、第1インクと第2インクとの吸引圧差が大きくなりすぎてしまう。このため、各インク中の低誘電率の水溶性有機溶剤の含有比率を調整しても、両方のインクの固着回復性を確保することができない。
上述の通り、上記(i)〜(iii)の要件を満たすことで、それぞれのインクに対する回復動作時の吸引圧が揃い、複数の水性インクを用いる場合であっても、全ての水性インクで良好な固着回復性が得られることがわかった。
以下、本発明のインクジェット記録方法、並びに本発明のインクジェット記録方法で好適に用いることができるインクジェット記録装置、記録ヘッド、及び水性インクなどについてそれぞれ説明する。
<インクジェット記録装置の概略構成>
本発明のインクジェット記録方法は、第1インク及び第2インクを含む複数の水性インクと、水性インクのそれぞれに対応して設けられるインク供給系と、水性インクを吐出する記録ヘッドとを備えたインクジェット記録装置を使用する記録方法である。インク供給系は、第1インク収容部、第2インク収容部、及び第1インク収容部から第2インク収容部へと水性インクを供給するチューブを含む。以下、本発明のインクジェット記録方法及びそれに用いるインクジェット記録装置の詳細について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一実施形態を模式的に示す斜視図である。図1に示す実施形態のインクジェット記録装置は、X方向(主走査方向)に記録ヘッドを往復走査させて記録動作を行う、いわゆるシリアル方式のインクジェット記録装置である。記録媒体101は、搬送ローラ107によってY方向(副走査方向)へと間欠的に搬送される。キャリッジ103に搭載された記録ユニット102は、記録媒体101の搬送方向であるY方向と直交するX方向(主走査方向)に往復走査される。そして、記録媒体101のY方向への搬送と、記録ユニット102のX方向への往復走査によって、記録動作が行われる。
図2は、インク供給系の一例を示す模式図である。図2に示すように、記録ユニット102は、供給されるインクを複数の吐出口から吐出するインクジェット方式の記録ヘッド203と、第2インク収容部としてのサブタンク202とで構成されている。この記録ユニット102は、図1に示すようにキャリッジ103に搭載されている。キャリッジ103は、X方向に沿って配置されたガイドレール105に沿って移動可能に支持されており、ガイドレール105と並行に移動する無端ベルト106に固定されている。無端ベルト106は、モータの駆動力によって往復運動する。無端ベルト106の往復運動によって、キャリッジ103がX方向に往復走査される。
メインタンク収容部108の内部には、第1インク収容部としてのメインタンク201(図2)が収納される。メインタンク収容部108に収納されたメインタンク201と、記録ユニット102のサブタンク202とは、インク供給チューブ104によって接続される。インクは、メインタンク201からインク供給チューブ104を介してサブタンク202に供給された後、記録ヘッド203の吐出口から吐出されるが、これらの部材はいずれもインクの種類に対応した数で設けられる。
メインタンク201内に収容されたインク(ハッチングで示す)は、インク供給チューブ104を介してサブタンク202に供給された後、記録ヘッド203へと供給される。メインタンク201には、大気連通部としての気体導入チューブ204が接続されている。画像記録によってインクが消費されると、メインタンク201からサブタンク202へとインクが供給され、メインタンク201内のインクが減少する。そして、メインタンク201内のインクの減少に伴い、その一端が大気に開放されている気体導入チューブ204からメインタンク201内に空気が導入されることにより、インク供給系においてインクを保持するための内部負圧が略一定に保たれる。
図3は、インク流路の一例を示す模式図である。図3に示すように、水性インクのそれぞれに対応する複数のサブタンク202−1、202−2、202−3は、ひとつの筐体301内に区画形成されている。サブタンク202−1に収容された第1インクは、筺体301の下流端部からインク流路302−1(ドット柄で示す)内を経由して記録ヘッド203の吐出口303−1に供給される。また、サブタンク202−2に収容された第2インクは、筺体301の下流端部からインク流路302−2(格子柄で示す)内を経由して記録ヘッド203の吐出口303−2に供給される。さらに、サブタンク202−3に収容された第3インクは、筺体301の下流端部からインク流路302−3(ハッチングで示す)内を経由して記録ヘッド203の吐出口303−3に供給される。
図3に示すように、筐体301の下流端部から吐出口303−1までのインク流路302−1の容積V1に対する、筐体301の下流端部から吐出口303−2までのインク流路302−2の容積V2の比率V2/V1は、2.9倍以下である。上記の比率V2/V1を上記の範囲とすることで、それぞれのインクに対する回復動作時の吸引圧が揃い、複数の水性インクを用いる場合であっても、全ての水性インクで良好な固着回復性を得ることができる。但し、上記の比率V2/V1が小さすぎると、第1インクと第2インクとの吸引圧差が小さく、固着回復性に偏りが生じやすくなり、両方のインクの固着回復性がやや低下する場合がある。したがって、上記の比率V2/V1は、1.5倍以上であることが好ましく、2.6倍以上であることがさらに好ましい。
第1インクに対応する、筐体の下流端部から吐出口までのインク流路の容積V1は、50mm3以上120mm3以下であることが好ましく、60mm3以上100mm3以下であることがさらに好ましい。また、第2インク及び第3インクのそれぞれに対応する、筐体の下流端部から吐出口までのインク流路の容積V2及びV3は、それぞれ、70mm3以上340mm3以下であることが好ましく、150mm3以上300mm3以下であることがさらに好ましい。1のインクに対応する吐出口列は多数の吐出口で形成される。各吐出口に対応するノズルの体積は、各ノズルが連通する共通液室の体積に比して極めて小さい。したがって、容積V1や容積V2は、吐出口(ノズル)の数ではなく、実質的には、筺体の下流端部から共通液室までの容積に依存する。
本発明においては、水性インクが、さらに第3インクを含み、筐体の下流端部から第3インクに対応する記録ヘッドの吐出口までのインク流路の容積V3、容積V1、及び容積V2が、V1<V2及びV1<V3の関係を満たすことが好ましい。また、第3インク中の第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に対する第2水溶性有機溶剤の含有量(質量%)の比率を比率S3とする。この場合、比率S3、前述の比率S1及び比率S2が、S1>S2及びS1>S3の関係を満たすことが好ましい。第1インク、第2インク、及び第3インクを含む、上記特定の関係を有する3種のインクセットとすることで、それぞれのインクに対する回復動作時の吸引圧が揃い、全ての水性インクで良好な固着回復性を得ることができる。V2/V1と同様に定義されるV3/V1についても、上限は2.9倍以下であることが好ましく、下限は1.5倍以上であることが好ましく、2.6倍以上であることがさらに好ましい。
また、第1インクがマゼンタインクであることが好ましい。明度及び色相が最も異なるイエローインクとシアンインクとのブリーディングを抑制すべく、これらのインクの吐出口が隣接しないように配置するには、マゼンタインクの吐出口列を筺体の中心付近の直下に配置する必要がある。このため、筐体の下流端部から吐出口までの距離が最も短く、容積が最も小さいインク流路を流れる第1インクをマゼンタインクとすることで、固着回復性をより高めることができるとともに、インク流路の構造が複雑化するのを抑制することができる。
第1インク収容部及び第2インク収容部(筺体)は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテルなどの熱可塑性樹脂;これらの熱可塑性樹脂の混合物や改質物などで形成することができる。筺体の内部には、インクを保持するための負圧を発生しうるインク吸収体を配設してもよい。インク吸収体としては、ポリプロピレンやポリウレタンなどの樹脂製の繊維を圧縮したものが好ましい。また、筐体の内部にインク吸収体を配設せず、筺体の内部にインクを直接収容してもよい。
図2に示す実施形態の記録ユニット102は、記録ヘッド203とサブタンク202で構成されている。サブタンクが装着され、かつ、記録ヘッドが組み込まれたヘッドカートリッジである記録ユニットがキャリッジに装着されていてもよい。また、サブタンクと記録ヘッドが一体的に構成された記録ユニットがキャリッジに装着されていてもよい。本発明においては、図1及び2に示すように、第2インク収容部であるサブタンク202と記録ヘッド203が一体的に構成されたカートリッジ形態の記録ユニット102が、キャリッジ103に装着されていることが好ましい。なかでも、第2インク収容部であるサブタンクが熱可塑性樹脂で形成された筺体であるとともに、記録ヘッドを備えた記録素子基板が、他の部材を介在させることなくサブタンクに直接貼り合わされていることが好ましい。
記録ヘッドのインク吐出方式としては、ピエゾ素子などにより力学的エネルギーをインクに付与して吐出する方式や、電気熱変換体などにより熱エネルギーをインクに付与して吐出する方式などがある。本発明においては、熱エネルギーをインクに付与して吐出する方式を採用することが好ましい。
<水性インク>
本発明のインクジェット記録方法では、第1インク及び第2インクを含む複数の水性インクを備えたインクジェット記録装置を使用する。そして、このインクジェット記録装置を使用し、水性インクを記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する。以下、第1インク及び第2インクを含む複数の水性インクの詳細について説明する。
(色材)
色材としては染料を用いることが好ましい。染料の種類は特に限定されない。染料の具体例としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料、食用染料などを挙げることができる。なかでも、アニオン性基を有する染料を用いることが好ましい。染料骨格の具体例としては、アゾ、トリフェニルメタン、フタロシアニン、アザフタロシアニン、キサンテン、アントラピリドンなどを挙げることができる。水性インク中の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
また、染料としては、アゾ染料やフタロシアニン染料を用いることが好ましい。これらの染料を用いると、普通紙などの記録媒体に発色性に優れた画像を記録することができるとともに、インクの信頼性も良好となるために好ましい。アゾ染料としては、C.I.アシッドレッド249、C.I.ダイレクトイエロー132、下記式(1)で表される化合物(遊離酸型で表記)などが好ましい。また、アントラピリドン染料としては、下記式(2)で表される化合物(遊離酸型で表記)、下記式(3)で表される化合物(遊離酸型で表記)などが好ましい。また、フタロシアニン染料としては、C.I.ダイレクトブルー199などが好ましい。
Figure 2017081056
前述の通り、第1インクはマゼンタインクであることが好ましい。また、マゼンタインクは、ヘテロ環を有しないアゾ染料を含有することが好ましい。第1インクとしてマゼンタインク、好ましくはヘテロ環を有しないアゾ染料を含有するマゼンタインクを用いることで、固着回復性をより高めることができる。このような効果が得られる理由について、本発明者らは以下のように推測している。吐出口の近傍に存在するインク中の水分が蒸発すると、低誘電率の水溶性有機溶剤である第2水溶性有機溶剤は疎水性相互作用によって染料の近傍に集まる。その結果、染料の水和水が減少し、染料が不安定化して析出することになる。ヘテロ環を有しないアゾ染料は比較的極性が低いために分子間相互作用が弱い。このため、染料の析出物が吸引動作時のインクの流れにより破壊されやすくなり、より少ない回復動作で正常にインクを吐出させることができるようになると考えられる。
(第1水溶性有機溶剤及び第2水溶性有機溶剤)
水性インクは、温度25℃での比誘電率が34.0超の第1水溶性有機溶剤、及び温度25℃での比誘電率が34.0以下の第2水溶性有機溶剤を含有する。
水溶性有機溶剤の比誘電率は、誘電率計(例えば、商品名「BI−870」(BROOKHAVEN INSTRUMENTS CORPORATION製)など)を用いて測定することができる。なお、温度25℃で固体の水溶性有機溶剤の比誘電率は、50質量%水溶液の比誘電率を測定し、下記式(1)から算出した値とする。通常「水溶性有機溶剤」とは液体を意味するが、本発明においては、25℃(常温)で固体であるものも水溶性有機溶剤に含めることとする。
εsol=2ε50%−εwater ・・・(1)
εsol:25℃で固体の水溶性有機溶剤の比誘電率
ε50%:25℃で固体の水溶性有機溶剤の50質量%水溶液の比誘電率
εwater:水の比誘電率
第1水溶性有機溶剤の具体例としては、尿素(110.3)、エチレン尿素(49.7)、ジメチルスルホキシド(48.9)、グリセリン(42.3)、γ−ブチロラクトン(41.9)、エチレングリコール(40.4)、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン(37.6)などを挙げることができる(括弧内の数値は25℃における比誘電率である)。第1水溶性有機溶剤の25℃における蒸気圧は水よりも低いことが好ましい。固着回復性は、インク中における色材の存在状態を安定化させやすい性質を有する高誘電率の水溶性有機溶剤によっても向上しうる。このため、インクには第1水溶性有機溶剤を含有させる。インク中の第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上25.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上20.0質量%以下であることがさらに好ましい。
第2水溶性有機溶剤の具体例としては、トリメチロールプロパン(33.7)、メタノール(33.1)、N−メチル−2−ピロリドン(32.0)、トリエタノールアミン(31.9)、ジエチレングリコール(31.7)、1,4−ブタンジオール(31.1)、1,3−ブタンジオール(30.0)、1,2−プロパンジオール(28.8)、1,2,6−ヘキサントリオール(28.5)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(28.3)、2−ピロリドン(28.0)、1,5−ペンタンジオール(27.0)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(24.0)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(23.9)、エタノール(23.8)、1−(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルヒダントイン(23.7)、トリエチレングリコール(22.7)、数平均分子量200のポリエチレングリコール(18.9)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(18.5)、イソプロピルアルコール(18.3)、1,2−ヘキサンジオール(14.8)、n−プロパノール(12.0)、数平均分子量600のポリエチレングリコール(11.4)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(9.8)、1,6−ヘキサンジオール(7.1)、数平均分子量1,000のポリエチレングリコール(4.6)などを挙げることができる(括弧内の数値は25℃における比誘電率である)。第2水溶性有機溶剤の25℃における蒸気圧は水よりも低いことが好ましい。上述の通り、比誘電率の低い第2水溶性有機溶剤は、インク中の溶存空気量を増加させることができる。インク中の第2水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上25.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上20.0質量%以下であることがさらに好ましい。
第2水溶性有機溶剤としては、主鎖の両末端にヒドロキシ基を有するアルカンジオールが好ましく、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(23.9)がさらに好ましい。3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどの主鎖の両末端にヒドロキシ基を有するアルカンジオールが好ましい理由を、本発明者らは以下のように推測している。前述の通り、吐出口の近傍に存在するインク中の水分が蒸発すると、低誘電率の水溶性有機溶剤である第2水溶性有機溶剤は疎水性相互作用によって色材の近傍に集まる。その結果、色材の水和水が減少し、色材が不安定化して凝集することになる。主鎖の両末端にヒドロキシ基を有するアルカンジオールは、凝集した色材に疑似的に親水基であるヒドロキシ基を付与する。このため、吐出口の近傍で凝集した色材の付着力を低下させることができ、より少ない回復動作で正常にインクを吐出させることができるようになる。さらに、第2水溶性有機溶剤として3−メチル−1,5−ペンタンジオールを用いると、凝集した色材への疑似的なヒドロキシ基の付与がより効率的に行われるため、さらに少ない回復動作で正常にインクを吐出させることができるようになると考えられる。
また、第1水溶性有機溶剤と第2水溶性有機溶剤の比誘電率の差が大きいことが好ましい。この場合、高誘電率の水溶性有機溶剤による色材の存在状態の安定化作用、及び、低誘電率の水溶性有機溶剤による溶存空気量の増加作用、の両者の作用を効率よく生じさせることができ、固着回復性をさらに向上することができる。第1水溶性有機溶剤のうち温度25℃での比誘電率が最も小さい水溶性有機溶剤、及び、第2水溶性有機溶剤のうち温度25℃での比誘電率が最も大きい水溶性有機溶剤、の比誘電率の差は、10.0以上であることが好ましい。この比誘電率の差は、14.0以上であることが好ましく、また、20.0以下であることが好ましい。
(水性媒体)
水性インクには、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。水性インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、少なくとも第1水溶性有機溶剤及び第2水溶性有機溶剤を用いる。水性インク中の水溶性有機溶剤(第1水溶性有機溶剤及び第2水溶性有機溶剤を含む)の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤の具体例(第1水溶性有機溶剤及び第2水溶性有機溶剤の具体例を含む)としては、メチルアルコール(33.1)、エチルアルコール(23.8)、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール(18.3)、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数1乃至4の1価アルコール類;1,2−プロパンジオール(28.8)、1,3−ブタンジオール(30.0)、1,4−ブタンジオール(31.1)、1,5−ペンタンジオール(27.0)、1,2−ヘキサンジオール(14.8)、1,6−ヘキサンジオール(7.1)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(28.3)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(24.0)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(23.9)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(18.5)などの2価アルコール類;1,2,6−ヘキサントリオール(28.5)、グリセリン(42.3)、トリメチロールプロパン(33.7)、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類;エチレングリコール(40.4)、ジエチレングリコール(31.7)、トリエチレングリコール(22.7)、テトラエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、チオジグリコールなどのアルキレングリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(9.8)などのグリコールエーテル類;数平均分子量200のポリエチレングリコール(18.9)、同600のポリエチレングリコール(11.4)、同1,000のポリエチレングリコール(4.6)、ポリプロピレングリコールなどの数平均分子量200乃至1,000のポリアルキレングリコール類;2−ピロリドン(28.0)、N−メチル−2−ピロリドン(32.0)、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン(37.6)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルモルホリン、尿素(110.3)、エチレン尿素(49.7)、トリエタノールアミン(31.9)、1−ヒドロキシメチル−5,5−ジメチルヒダントイン(23.7)などの含窒素化合物類;ジメチルスルホキシド(48.9)、ビス(2−ヒドロキシエチルスルホン)などの含硫黄化合物類;γ−ブチロラクトン(41.9)などの環状エーテル類などを挙げることができる(括弧内の数値は25℃における比誘電率である)。水溶性有機溶剤の比誘電率は、3.0以上であることが好ましい。水溶性有機溶剤の25℃における蒸気圧は水よりも低いことが好ましい。
(その他の成分)
水性インクには、所望の物性値とするために、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤などの種々の添加剤を含有させてもよい。これらの添加剤は、一般的にインク中の含有量もかなり少なく、本発明の効果への影響も小さい。このため、本発明においては、これらの添加剤は「水溶性有機溶剤」に含めず、比誘電率を算出する対象としない。
(インクの物性)
水性インクの25℃での粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましく、1.0mPa・s以上3.0mPa・s以下であることがさらに好ましい。インクの25℃での静的表面張力は、25mN/m以上45mN/m以下であることが好ましい。また、インクの25℃でのpHは、5以上9以下であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<色材の合成>
(化合物A)
特開平11−209673号公報の「No.(1)で示される色素」の製造方法の記載を参考にして、遊離酸型として下記式(1)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物Aを得た。
Figure 2017081056
(化合物B)
国際公開第2009/093433号の「実施例1」の記載を参考にして、遊離酸型として下記式(3)で表される化合物を合成した。その後、常法にしたがってイオン交換を行い、ナトリウム塩型の化合物Bを得た。
Figure 2017081056
<インクの調製>
表1−1〜1−3の上段に示す各成分(単位:%)を混合して十分に撹拌した後、ポアサイズ0.20μmのフィルターにて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。表1−1〜1−3中の「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製の界面活性剤(アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物)の商品名である。表1−1〜1−3の下段には、インク中の第1水溶性有機溶剤の含有量A(%)、第2水溶性有機溶剤の含有量B(%)、及びB/Aの値S(倍)を示した。さらに、第1水溶性有機溶剤のうち温度25℃での比誘電率が最も小さい水溶性有機溶剤、及び、前記第2水溶性有機溶剤のうち温度25℃での比誘電率が最も大きい水溶性有機溶剤、の「比誘電率の差」を示した。
Figure 2017081056
Figure 2017081056
Figure 2017081056
<評価>
図1に示す主要部の構成を有するとともに、図2に示す構成のインク供給系を組み込んだインクジェット記録装置を用意した。サブタンク202は、熱可塑性樹脂で形成された筺体に、熱エネルギーを付与してインクを吐出する記録ヘッド203を備えた記録素子基板を貼り合わせた形態とした。また、第1インク、第2インク、及び第3インクをそれぞれ収容したサブタンクは、図3に示すようにひとつの筐体内に区画形成される構成とした。各サブタンクを収容した筺体の下流端部から記録ヘッドの吐出口までのインク流路の容積(「インク流路の容積V1、V2、V3(mm3)」と表記)を、それぞれ表2に示す値とした。また、表2には、各水性インク中の第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に対する第2水溶性有機溶剤の含有量(質量%)の比率(「比率S1、S2、S3」と表記)を示した。
各インクをメインタンクからインク供給チューブを通じてサブタンク及び記録ヘッドの吐出口まで充填した後、温度35℃、相対湿度10%の環境に3ヶ月間載置した。そして、回復操作を所定の回数行った後のインクの吐出状態を確認し、以下に示す評価基準にしたがって耐固着性を評価した。なお、回復操作は、インクジェット記録装置の「プリントヘッドのクリーニング」のことである。本発明においては、以下に示す評価基準で、「AA」、「A」及び「B」を許容できるレベルとし、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表2の右側に示す。
AA:2回以下の回復操作で全ての吐出口が正常に吐出できる状態に回復した。
A:3〜4回の回復操作で全ての吐出口が正常に吐出できる状態に回復した。
B:5回の回復操作で全ての吐出口が正常に吐出できる状態に回復した。
C:6回以上の回復操作を行っても正常に吐出できない吐出口があった。
Figure 2017081056

Claims (9)

  1. 第1インク及び第2インクを含む複数の水性インクと、前記水性インクのそれぞれに対応して設けられる、第1インク収容部、第2インク収容部、及び前記第1インク収容部から前記第2インク収容部へと前記水性インクを供給するチューブを含むインク供給系と、前記第2インク収容部と連通する記録ヘッドと、を備えたインクジェット記録装置を使用し、前記水性インクを前記記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記水性インクのそれぞれに対応する前記第2インク収容部が、ひとつの筐体内に区画形成されており、
    前記筐体の下流端部から前記第1インクに対応する前記記録ヘッドの吐出口までのインク流路の容積V1に対する、前記筐体の下流端部から前記第2インクに対応する前記記録ヘッドの吐出口までのインク流路の容積V2の比率V2/V1が、2.9倍以下であり、
    前記水性インクが、いずれも、温度25℃での比誘電率が34.0超の第1水溶性有機溶剤、及び温度25℃での比誘電率が34.0以下の第2水溶性有機溶剤を含有し、
    前記第1インク中の前記第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に対する前記第2水溶性有機溶剤の含有量(質量%)の比率S1と、前記第2インク中の前記第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に対する前記第2水溶性有機溶剤の含有量(質量%)の比率S2とが、S1>S2の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記比率V2/V1が、1.5倍以上である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記比率V2/V1が、2.6倍以上である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記第1インク及び前記第2インクにおける、前記第1水溶性有機溶剤のうち温度25℃での比誘電率が最も小さい水溶性有機溶剤、及び、前記第2水溶性有機溶剤のうち温度25℃での比誘電率が最も大きい水溶性有機溶剤、の比誘電率の差が、10.0以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記第2水溶性有機溶剤が、主鎖の両末端にヒドロキシ基を有するアルカンジオールを含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記第1インクが、マゼンタインクである請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記マゼンタインクが、ヘテロ環を有しないアゾ染料を含有する請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記水性インクが、さらに第3インクを含み、
    前記筐体の下流端部から前記第3インクに対応する前記記録ヘッドの吐出口までのインク流路の容積V3、前記容積V1、及び前記容積V2が、V1<V2及びV1<V3の関係を満たし、
    前記第3インク中の前記第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に対する前記第2水溶性有機溶剤の含有量(質量%)の比率S3、前記比率S1、及び前記比率S2が、S1>S2及びS1>S3の関係を満たす請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置であって、
    第1インク及び第2インクを含む複数の水性インクと、前記水性インクのそれぞれに対応して設けられる、第1インク収容部、第2インク収容部、及び前記第1インク収容部から前記第2インク収容部へと前記水性インクを供給するチューブを含むインク供給系と、前記第2インク収容部と連通する記録ヘッドと、を備え、
    前記水性インクのそれぞれに対応する前記第2インク収容部が、ひとつの筐体内に区画形成されており、
    前記筐体の下流端部から前記第1インクに対応する前記記録ヘッドの吐出口までのインク流路の容積V1に対する、前記筐体の下流端部から前記第2インクに対応する前記記録ヘッドの吐出口までのインク流路の容積V2の比率V2/V1が、2.9倍以下であり、
    前記水性インクが、いずれも、温度25℃での比誘電率が34.0超の第1水溶性有機溶剤、及び温度25℃での比誘電率が34.0以下の第2水溶性有機溶剤を含有し、
    前記第1インク中の前記第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に対する前記第2水溶性有機溶剤の含有量(質量%)の比率S1と、前記第2インク中の前記第1水溶性有機溶剤の含有量(質量%)に対する前記第2水溶性有機溶剤の含有量(質量%)の比率S2とが、S1>S2の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置。
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