JP2011042104A - インクジェット画像形成方法 - Google Patents

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JP2011042104A JP2009191767A JP2009191767A JP2011042104A JP 2011042104 A JP2011042104 A JP 2011042104A JP 2009191767 A JP2009191767 A JP 2009191767A JP 2009191767 A JP2009191767 A JP 2009191767A JP 2011042104 A JP2011042104 A JP 2011042104A
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克典 五井
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Abstract

【課題】インク供給時に発生するキャビテーションによるヘッドからのインク吐出の不安定化とそれによる画像欠陥、濃度低下を改善したインクジェット画像形成方法を提供。
【解決手段】水性染料、イオン交換水および有機溶剤を含有し、表面張力が45mN/m以上であり、濾過精度0.5μmの濾過材料で濾過して固体微粒子の含有量が粒子カウンターで粒径0.5μm以上のものが10000(個/10ml)個以下である、水性染料インクであるインクを、インクコンテナーからストレージタンク1に一度移し替え、液送ポンプ3でくみ上げ、該インクをそのまま、または、濾過精度0.5μmの濾過材料で濾過して、前記固体微粒子が10000(個/10ml)以下である状態で、脱気装置5を経て、インクジェットヘッド8に供給し、印刷媒体9に吐出させて、印刷媒体に画像を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット画像形成方法に関し、特には、布帛へのインクジェット画像形成方法に関する。
従来より、紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の被記録媒体に対して記録を行う方法がいくつか知られており、その中でも特に布帛に記録を行う技術を捺染と称し、この技術として、スクリーン捺染、ローラ捺染のほかにインクジェット捺染方法がある。インクジェット捺染はスクリーンや彫刻ロール等を必要としない無製版のシステムであるため、多品種少量生産に適している。このインクジェット捺染に必要とされる技術はスクリーン捺染やローラ捺染のものとは大きく異なる。
近年画像の高解像度化や高精細画像形成方法の発達によりインクジェットヘッドの高駆動周期、多ノズルを備えたヘッドで画像形成する方法が用いられている。またこのようなインクジェットプリンティングシステムに過不足なくインクを供給していくためにはインク供給用容器の大容量化が必須である。
従来からあるインク供給方法としては、脱気処理した直後にインクを密封容器に封入してその容器でインクをプリンティングシステムに供給する方法がある(特許文献1参照)。この方法によればインク中のキャビテーションは事前脱気で除去されるためそれによる画像欠陥は防止できる。しかしながら事前に脱気処理した状態を保持するのには使用するインク容器の密閉性は酸素透過率で0.1g/m・24h・40℃−90%RH以下が必要であり、1ボトルあたりの供給量は500mlと限界があるので多ノズルにインクを過不足なく供給することができない。また酸素透過率が0.1g/m・24h・40℃−90%RH以下の容器にするためにはインク容器の側壁を厚くしたり、インク容器の内層部にアルミ箔などの金属を挟み込むことをしなければならず樹脂と金属を分離して廃棄することが困難となり、廃棄処理負荷が大きい。
そこで脱気処理せずにインクを供給し、プリンターシステムのインク供給ライン内でインクを脱気処理してインク中のキャビテーションを防止する方法が考えられている。例えば、未脱気インクをインクヘッドに供給するにあたり、インクタンクとインクヘッドとの間に中空繊維束、または超音波振動子を備えた脱気装置を経てインクヘッドにインクを供給する方法がある(特許文献2、3参照)。しかしながら、この場合インク中のキャビテーションによる画像欠陥(サテライト発生によるインクはじき)が出ない程度にまでインクを脱気するためのインク条件が必要であるが、それらの条件が何一つ開示されていないため、すべてのインクに適用できるわけではない。
上記の方法以外でインク中のキャビテーションを防止する方法(インク条件)としては、カートリッジ充填前に中空糸膜および超音波による脱気処理を行い、インクの溶存酸素濃度を2ppm以下にするというインク製造方法が開示されている。これによると溶存酸素濃度は2ppm以下まで低下させればよいが、水溶性インクで色材がインク製造後に固体粒子を形成する本発明の場合には必ずしも有効な手段ではない。(特許文献4参照)。
特開平10−138507号公報 特開平11−48491号公報 特開平11−48492号公報 特開2005−263838号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、高解像度、高精細なインクジェット画像形成方法で、特に高周波駆動するインクヘッドに過不足なくインクを連続的に大量供給するために一度ストレージタンクにインクを移し替えてからインクシステムにインクを供給し画像を形成するインクジェット画像形成方法において、特に高周波駆動するインクヘッドに過不足なくインクを連続的に大量供給しながら、かつ、インク供給時に発生するキャビテーションによるインクヘッドからのインク吐出の不安定化とそれによる画像欠陥、および濃度低下を改善したインクジェット画像形成方法を提供することにある。
以上のような従来技術の課題を解決するため鋭意検討した結果、該インクジェットプリンティングシステム内にインクストレージタンクを設けて一度に大量のインクをシステム内に貯めることができるようにすることで解決できることを見出した。
ただし、インクを過不足なく供給するためストレージタンクを設けると、どうしてもインクを移し替えながらインクを注ぎ足していくことになり使用期限が間近の残インクと新インクとが混合することになる。水性インクは使用期限が間近の時間が経過した残インクでは微粒子が析出しやすくなり、さらにこの微粒子がインクをストレージタンクに移し替える際に発生するキャビテーションを保持してしまい、インクヘッドからのインクの吐出を不安定化させることになってしまう。
この対策としては、予めインク製造時にインクを精密濾過して粒子カウンターで計測される粒径0.5μm以上の微粒子を10000(個/10ml)以下にすることで微粒子の成長を防止でき、微粒子がキャビテーションを保持できなくすることで上記課題が改善されることを見出した。
また、同時にインク条件として表面張力を、高表面張力、好ましくは45mN/m以上とすることで画像を上部に留まらせることができてインク打点時のビーディングや裏抜けが防止でき、且つ、高表面張力のインクはキャビテーションが発生しやすいという不具合については、インク供給前で脱気装置を保持することで解決できることも見出した。
インク供給に使用するインク容器のインクコンテナーについては容量が5L以上と容積が大きくなると、質量も増加するために容器の輸送、振動に耐性があるものが好ましく容器としては樹脂製のものが好ましい。容器の材質は輸送、振動耐性を考慮するとポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどが好ましく、また容器側壁も酸素透過率が0.2g/m・24h・40℃−90%RHを保持できる以上には厚くしないほうがインクコンテナー容器の廃棄に際して処理負荷が小さいことから、ポリエチレン等が好ましく、厚さはしたがって上記酸素透過率と材質から1mm以下が好ましい。
さらに、精密濾過には珪藻土、またはセラミックフィルターが好ましいことも見出した。これは、これらのフィルターは従来の限外濾過方法とは異なり、吸着濾過により常にろ材の表面に微粒子物を濾過捕捉ができることが特徴であり、この方法を取ることで微粒子に付着したキャビテーションをインク中に再溶解させずに系外に排出できるものと推測される。該フィルターの濾過精度は1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下であることが好ましいことを見出した。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.水性染料、イオン交換水および有機溶剤を含有し、表面張力が45mN/m以上であり、濾過精度0.5μmの濾過材料で濾過して固体微粒子の含有量数が粒子カウンターで粒径0.5μm以上のものが10000(個/10ml)個以下である、水性染料インクであるインクを、
インクコンテナーからストレージタンクに一度移し替え、
液送ポンプでくみ上げ、該インクをそのまま、または、濾過精度0.5μmの濾過材料で濾過して、固体微粒子の含有量が粒子カウンターで粒径0.5μm以上の固体微粒子が10000(個/10ml)以下である状態で、
脱気装置を経て、
インクジェットヘッドに供給し、該インクジェットヘッドから印刷媒体に吐出させて、印刷媒体に画像を形成することを特徴とするインクジェット画像形成方法。
2.前記インクジェットヘッドはノズル径50μm以下の多ノズルを配置し、駆動周波数10kHz以上で駆動しながら、画像を形成することを特徴とする前記1に記載のインクジェット画像形成方法。
3.前記インクは脱気装置からインクジェットヘッドへ供給される時にインク中の溶存酸素量が2ppm以下まで脱気された状態であることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット画像形成方法。
4.前記インクは珪藻土フィルター、またはセラミックフィルターで濾過されたものであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
本発明によれば、高解像度、高精細なインクジェット画像形成方法で、特に高周波駆動するインクヘッドに過不足なくインクを連続的に大量供給するために一度ストレージタンクにインクを移し替えてからインクシステムにインクを供給し画像を形成するインクジェット画像形成方法において、特に高周波駆動するインクヘッドに過不足なくインクを連続的に大量供給しながら、かつ、インク供給時に発生するキャビテーションによるインクヘッドからのインク吐出の不安定化とそれによる画像欠陥、特に画像濃度低下、画像滲み、を改善したインクジェット画像形成方法を提供することができる。
本発明のインクジェット画像形成方法に用いられる脱気システムの概要の一例を示す図である。 本発明のインクジェット画像形成方法に用いられる脱気システムの概要の別の一例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明のインクジェット画像形成方法は、
水性染料、イオン交換水および有機溶剤を含有し、表面張力が45mN/m以上であり、濾過精度0.5μmの濾過材料で濾過して固体微粒子の含有量数が粒子カウンターで粒径0.5μm以上の固体微粒子が10000(個/10ml)個以下である、水性染料インクであるインクを、インクコンテナーからストレージタンクに一度移し替え、液送ポンプでくみ上げ、該インクをそのまま、または、濾過精度0.5μmの濾過材料で濾過して、固体微粒子の含有量が粒子カウンターで粒径0.5μm以上の固体微粒子が10000(個/10ml)以下である状態で、脱気装置を経て、インクジェットヘッドに供給し、該インクジェットヘッドから印刷媒体に吐出させて、印刷媒体に画像を形成することを特徴とする。
本発明においては、特に水性染料、イオン交換水および有機溶剤を含有し、表面張力が45mN/m以上であり、濾過精度0.5μmの濾過材料で濾過して0.5μm以上の固体微粒子の数が粒子カウンターで10000(個/10ml)個以下である、水性染料インクであるインクを、インクコンテナーからストレージタンクに一度移し替えて(インクの過不足無く連続的な大量供給には好適であるが、経時で沈殿が発生することがある。)、該インクをそのまま、または、濾過精度0.5μmの濾過材料で濾過して、固体微粒子の含有量が粒子カウンターで粒径0.5μm以上の固体微粒子が10000(個/10ml)以下である状態で、液送ポンプでくみ上げ、脱気装置を経て、インクジェットヘッドから印刷媒体に吐出させて、印刷媒体に画像を形成することで、特に高周波駆動するインクヘッドに過不足なくインクを連続的に大量供給しながら、かつ、インク供給時に発生するキャビテーションによるヘッドからのインク吐出の不安定化とそれによる画像欠陥、特に画像濃度低下、画像滲み、を改善したインクジェット画像が得られる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための最良の形態・態様等について詳細に説明をする。
《インク》
本発明に係るインクは、水性染料、イオン交換水および有機溶剤を含有する水性染料インクである。その他添加剤も含有することができる。
布帛が綿、絹等の素材の場合は反応染料及び水性媒体から構成される水性染料インクが好ましく用いられ、ナイロン、羊毛、絹、レーヨン等の素材の場合は酸性染料、直接染料等と水性媒体から構成される水性染料インクが好ましく用いられる。又、布帛がポリエステル素材の場合は分散染料と水性媒体から構成される水性染料インクが好ましく用いられる。
(染料(水性染料))
本発明に係るインクに用いられる染料(色材)としては水性染料である。例えば上記、分散染料、反応染料、酸性染料、直接染料などを挙げることができる。本発明に好ましい色材の具体的化合物を以下に示す。ただし、これらに例示した化合物に限定されるものではない。
(分散染料)
分散染料は、スルホン酸、カルボキシ基などのイオン性の水溶性基をもたない非イオン性染料であり、水への溶解度が小さいため微粉状とし、通常分散剤によって水に分散して合成繊維の染色に用いる。
顔料と異なり、アセトンやジメチルホルムアミドなどの有機溶媒に可溶である。また、合成繊維中に分子状で拡散し着色することが可能である。
本発明に好ましい分散染料としては、
C.I.Disperse Yellow 3,4,5,7,9,13,23,24,30,33,34,42,44,49,50,51,54,56,58,60,63,64,66,68,71,74,76,79,82,83,85,86,88,90,91,93,98,99,100,104,108,114,116,118,119,122,124,126,135,140,141,149,160,162,163,164,165,179,180,182,183,184,186,192,198,199,202,204,210,211,215,216,218,224,227,231,232、
C.I.Disperse Orange 1,3,5,7,11,13,17,20,21,25,29,30,31,32,33,37,38,42,43,44,45,46,47,48,49,50,53,54,55,56,57,58,59,61,66,71,73,76,78,80,89,90,91,93,96,97,119,127,130,139,142、
C.I.Disperse Red 1,4,5,7,11,12,13,15,17,27,43,44,50,52,53,54,55,56,58,59,60,65,72,73,74,75,76,78,81,82,86,88,90,91,92,93,96,103,105,106,107,108,110,111,113,117,118,121,122,126,127,128,131,132,134,135,137,143,145,146,151,152,153,154,157,159,164,167,169,177,179,181,183,184,185,188,189,190,191,192,200,201,202,203,205,206,207,210,221,224,225,227,229,239,240,257,258,277,278,279,281,288,298,302,303,310,311,312,320,324,328、
C.I.Disperse Violet 1,4,8,23,26,27,28,31,33,35,36,38,40,43,46,48,50,51,52,56,57,59,61,63,69,77、
C.I.Disperse Green 9、
C.I.Disperse Brown 1,2,4,9,13,19
C.I.Disperse Blue 3,7,9,14,16,19,20,26,27,35,43,44,54,55,56,58,60,62,64,71,72,73,75,79,81,82,83,87,91,93,94,95,96,102,106,108,112,113,115,118,120,122,125,128,130,139,141,142,143,146,148,149,153,154,158,165,167,171,173,174,176,181,183,185,186,187,189,197,198,200,201,205,207,211,214,224,225,257,259,267,268,270,284,285,287,288,291,293,295,297,301,315,330,333、
C.I.Disperse Black 1,3,10,24等が挙げられる。分散染料を用いた捺染において高温処理で発色させる場合は、機械や布地の白場に染料が昇華することで汚染の原因とならないために、昇華堅牢度のよい分散染料を選定することが好ましい。
(反応染料)
本発明に好ましい反応染料としては、
C.I.Reactive Yellow 2,3,7,15,17,18,22,23,24,25,27,37,39,42,57,69,76,81,84,85,86,87,92,95,102,105,111,125,135,136,137,142,143,145,151,160,161,165,167,168,175,176、
C.I.Reactive Orange 1,4,5,7,11,12,13,15,16,20,30,35,56,64,67,69,70,72,74,82,84,86,87,91,92,93,95,107、
C.I.Reactive Red 2,3,3:1,5,8,11,21,22,23,24,28,29,31,33,35,43,45,49,55,56,58,65,66,78,83,84,106,111,112,113,114,116,120,123,124,128,130,136,141,147,158,159,171,174,180,183,184,187,190,193,194,195,198,218,220,222,223,226,228,235、
C.I.Reactive Violet 1,2,4,5,6,22,23,33,36,38、
C.I.Reactive Blue 2,3,4,7,13,14,15,19,21,25,27,28,29,38,39,41,49,50,52,63,69,71,72,77,79,89,104,109,112,113,114,116,119,120,122,137,140,143,147,160,161,162,163,168,171,176,182,184,191,194,195,198,203,204,207,209,211,214,220,221,222,231,235,236、
C.I.Reactive Green 8,12,15,19,21、
C.I.Reactive Brown 2,7,9,10,11,17,18,19,21,23,31,37,43,46、
C.I.Reactive Black 5,8,13,14,31,34,39等が挙げられる。
(酸性染料)
本発明に好ましい酸性染料としては、
C.I.Acid Yellow 1,3,11,17,18,19,23,25,36,38,40,40:1,42,44,49,59,59:1,61,65,67,72,73,79,99,104,159,169,176,184,193,200,204,207,215,219219:1,220,230,232,235,241,242,246、
C.I.Acid Orange 3,7,8,10,19,22,24,51,51S,56,67,74,80,86,87,88,89,94,95,107,108,116,122,127,140,142,144,149,152,156,162,166,168、
C.I.Acid Red 1,6,8,9,13,18,27,35,37,52,54,57,73,82,88,97,97:1,106,111,114,118,119,127,131,138,143,145,151,183,195,198,211,215,217,225,226,249,251,254,256,257,260,261,265,266,274,276,277,289,296,299,315,318,336,337,357,359,361,362,364,366,399,407,415,447、
C.I.Acid Vioret 17,19,21,42,43,47,48,49,54,66,78,90,97,102,109,126、
C.I.Acid Blue 1,7,9,15,23,25,40,61:1,62,72,74,80,83,90,92,103,104,112,113,114,120,127,127:1,128,129,138,140,142,156,158,171,182,185,193,199,201,203,204,205,207,209,220,221,224,225,229,230,239,258,260,264,277:1,278,279,280,284,290,296,298,300,317,324,333,335,338,342,350、
C.I.Acid Green 9,12,16,19,20,25,27,28,40,43,56,73,81,84,104,108,109、
C.I.Acid Brown 2,4,13,14,19,28,44,123,224,226,227,248,282,283,289,294,297,298,301,355,357,413、
C.I.Acid Black 1,2,3,24,24:1,26,31,50,52,52:1,58,60,63,63S,107,109,112,119,132,140,155,172,187,188,194,207,222、等が挙げられる。
(直接染料)
本発明に好ましい直接染料としては、
C.I.Direct Yellow 8,9,10,11,12,22,27,28,39,44,50,58,86,87,98,105,106,130,137,142,147,153、
C.I.Direct Orange 6,26,27,34,39,40,46,102,105,107,118、
C.I.Direct Red 2,4,9,23,24,31,54,62,69,79,80,81,83,84,89,95,212,224,225,226,227,239,242,243,254
C.I.Direct Violet 9,35,51,66,94,95、
C.I.Direct Blue 1,15,71,76,77,78,80,86,87,90,98,106,108,160,168,189,192,193,199,200,201,202,203,218,225,229,237,244,248,251,270,273,274,290,291、
C.I.Direct Green 26,28,59,80,85、
C.I.Direct Brown 44,44:1,106,115,195,209,210,212:1,222,223、
C.I.Direct Black 17,19,22,32,51,62,108,112,113,117,118,132,146,154,159,169、等が挙げられる。
上記染料の含有量としては0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜13質量%がより好ましい。
染料は市販品のまま使用してもよいが、精製処理を行うことが好ましい。精製方法としては公知の再結晶方法、洗浄等を用いることができる。精製方法及び精製処理に用いる有機溶媒は染料の種類に応じて、適宜選択することが好ましい。
(イオン交換水)
本発明に係るインクに用いられるイオン交換水としては、イオン交換樹脂塔に通された水に元々含まれていた、鉄、ニッケル、カルシウムなど、金属のイオンが水素イオンと置き換わり、また塩素イオン、炭酸イオン、ホウ酸イオンなどのアルカリ成分が水酸イオンと置き換わり、これら不純物が除かれると同時に水に置き換わることによって生成される純水が挙げられる。イオン交換水の使用量としては全インク質量に対して50〜70質量%であることが好ましい。
(有機溶剤)
本発明に係るインクに用いられる有機溶剤としては、水溶性有機溶剤を主体とし、その他有機溶剤も挙げられる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、グリセリン、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール等)、一価アルコール類(例えばメタノール、エタノール、ブタノール等)、多価アルコールのアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、2,2′−チオジエタノール、アミド類(例えばN,N−ジメチルホルムアミド等)、複素環類(2−ピロリドン等)、アセトニトリル等が挙げられる。
水溶性有機溶剤の使用量としては全インク質量に対して10〜40質量%であることが好ましい。
(その他添加剤)
金属塩
本発明に係る水性染料インクは、インクの粘度や染料を安定に保つため発色をよくするために、インク中に水溶性金属塩を添加してもかまわない。
水溶性金属塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物のように、典型的なイオン結晶を作るものであって、pH4〜10である化合物が挙げられる。かかる化合物の代表的な例としては、例えば、アルカリ金属では、NaCl、NaSO、KCl及びCHCOONa等が挙げられ、又、アルカリ土類金属としては、CaCl及びMgCl等が挙げられる。中でもNa、K及びCaの塩類が好ましい。水溶性金属塩は布帛に対して0.1〜30質量%、より好ましくは1〜10質量%付与することが好ましい。又、尿素、チオ尿素も滲みの防止や、発色性の向上に非常に効果的であり、特に水溶性塩との併用は相乗効果があり、好ましい。付与量は布帛に対して0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
界面活性剤
本発明に係る水性染料インクは界面活性剤を含有することが好ましい。インクの表面張力を調整する観点からも界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤として、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれも用いることが出来る。陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(たとえば、エマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(たとえば、ニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの界面活性剤を使用する場合、単独又は2種類以上を混合して用いることが出来、インク全量に対して、0.001〜1.0質量%の範囲で添加することにより、インクの表面張力を任意に調整することができ好ましい。
本発明に係るインクは表面張力が45mN/m以上であり、好ましくは45〜65mN/mであり、より好ましくは48〜55mN/mである。界面活性剤等を用いることにより調整することができる。
インク条件として表面張力を、高表面張力、好ましくは45mN/m以上とすることで画像を上部に留まらせることができてインク打点時のビーディングや裏抜けが防止できる。
防腐剤
インクの長期保存安定性を保つため、防腐剤、防黴剤をインク中に添加してもかまわない。防腐剤・防黴剤としては、芳香族ハロゲン化合物(たとえばPreventol CMK)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(例えば、PROXEL GXL)などが挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではない。
キレート剤
インク中の不純物として存在する金属イオンを捕捉し、析出防止のため、キレート剤をインク中に添加することができる。
本発明におけるキレート剤は金属イオンと反応してキレート環をつくる。環形成は、共有結合あるいは配位結合またはその双方の生成によって起こる。
キレート剤の具体例としては二つの酸性基をもった配位子としては、例えば、マロン酸、シュウ酸、フタル酸、グリコール酸、サリチル酸がある。一つの酸性基と一つの非酸性配位基をもった配位子として、例えば、8−キノリノール、アセチルアセトン、トリフルオロアセトン、ジメチルグリオキシム、ジチゾン、サリチルアルデヒドがある。二つの非酸性配位基をもった配位子としてエチレンジアミン、2,2′−ビピリジン、1,10−フェナントロリンがある。アミノポリカルボン酸としてエチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ブチレンジアミン四酢酸、ペンチレンジアミン四酢酸及びこれらのナトリウム塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。キレート剤を用いる質量比率は全インク質量に対して0.01〜5質量%であり、好ましくは0.1〜1質量%である。
染色助剤
本発明で使用するインクは、高温蒸熱法で染色する際に用いる捺染用インクジェットインクとしての場合には、染着助剤が含まれていることが好ましい。染着助剤は捺染布を蒸熱する際に、布状に凝縮した水と共融混合物を作り、再蒸発する水分の量を抑え、昇温時間を短縮する作用がある。さらに、この共融混合物は、繊維上の染料を溶解し染料の繊維への拡散速度を助長する作用がある。染着助剤としては尿素が挙げられる。
(分散)
本発明で使用するインクは、水不溶性や水難溶性の染料(分散染料等)を用いる場合には、染料、分散剤、湿潤剤、媒体および任意の添加剤を混合し分散機を用いることによって分散することができる。分散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。
分散染料等の粒径としては平均粒径として300nm以下、最大粒径として900nm以下が好ましい。平均粒径、最大粒径が上記範囲であると、微細なノズルより出射するインクジェット捺染方法において、目詰まりの発生抑制、安定出射の観点から好ましい。平均粒子径は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機により求めることができる。具体的粒径測定装置としては、例えばマルバーン社製ゼーターサイザー1000等を挙げることができる。
分散剤としては、例えば、クレオソート油スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(たとえばデモールC)、クレゾールスルホン酸ナトリウムと2−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、フェノールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β−ナフトールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、β−ナフタリンスルホン酸ナトリウム(たとえばデモールN)とβ−ナフトールスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩(たとえばバニレックスRN)、パラフィンスルホン酸ナトリウム(たとえばエフコール214)、α−オレフィンと無水マレイン酸の共重合物(たとえばフローレンG−700)等が挙げられる。
分散剤の使用量は、染料に対して、20〜200質量%が好ましい。分散剤が20質量%以上であると微粒子化や分散安定性の観点から好ましく、分散剤が200質量%以下であると、微粒子化や分散安定性、粘度の観点から好ましい。これらの分散剤は単独で使用してもよいが、併用しても良い。
湿潤剤として分散に好ましく用いられるものとしては、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、2−エチルヘキシルスルホ琥珀酸ソーダ、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、フェノールの酸化エチレン付加物、アセチレンジオールの酸化エチレン付加物等が挙げられる。
分散剤の選択には、使用する分散染料等の構造により、分散中に、発泡したり、ゲル化したり、流動性が悪くなる事が有るので、分散剤や湿潤剤は、湿潤能力や微粒子化能力や分散安定性の他、分散時の発泡、分散液のゲル化、分散液の流動性等を考慮して選定する必要がある。また、分散剤や湿潤剤は、布帛への染色性、染着率、均染性、移染性、色の冴え、堅牢度などに及ぼす影響や、高温で発色させる際には分散剤や湿潤剤のタール化により染色が不均一になること等も考慮して選定されることが好ましい。上記の要求を全て満たす分散剤は無いので、分散する染料に合わせて、最適な分散剤を選定して、必要に応じて、消泡剤等を添加する必要がある。
(インク中の固体微粒子の含有量)
本発明において、固体微粒子とは反応性染料、酸性染料、分散染料に含まれている不純物を通常、活性炭で除去するがその際微小の活性炭が除去できない場合があり、それが固体微粒子となっている場合がある。さらに水不溶性色材である分散染料は分散剤が剥がれて、あるいはうまく分散剤が吸着できなかった分散染料が残存する場合もそれに相当する。また反応性染料、酸性染料などの水溶性色材はインク界面にある水溶性染料が空気と接するため、水溶性基が損失してしまい、水溶性でなくなってしまうことにより固体微粒子となってインク中に存在するものがある。
本発明に係るインクは、固体微粒子の含有量が粒子カウンターで粒径0.5μm以上の固体微粒子が10000(個/10ml)以下であるインクである。粒径0.5μm以上の微粒子が7000〜500(個/10ml)であることが好ましく、5000〜500(個/10ml)であることがより好ましい。
本発明において、インクの粒径0.5μm以上のものの固体微粒子の含有量(数)(個/10ml)は、測定機器として(株)リオン製粒子カウンター、KS−42Cを使用して、測定した。
但し、本発明においては、正確には測定に際して、インクを5000倍に希釈し、その希釈水溶液試料の10mlあたりの固体微粒子のカウント数(個/10ml)をもって固体微粒子の含有量として示す。
尚、本発明において、粒径とは測定サンプルインク(希釈したもの)に光を当てて投影しその投影形状の最大長さを粒径(粒子径)として測定する。
本発明に係るインクは、予めインク製造時にインクを精密濾過して粒子カウンターで計測される粒径0.5μm以上の微粒子を10000(個/10ml)以下にすることで微粒子の成長を防止でき、微粒子がキャビテーションを保持できなくすることができる。
精密濾過には珪藻土、またはセラミックフィルターを用いることが好ましい。これは、これらのフィルターは従来の限外濾過方法とは異なり、吸着濾過により常にろ材の表面に微粒子物を濾過捕捉ができることが特徴で、この方法を取ることで微粒子に付着したキャビテーションをインク中に再溶解させずに系外に排出できるものと推測される。該フィルターの精度は1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下が好ましい。
《インクジェット画像形成方法》
本発明のインクジェット画像形成方法は、本発明に係るインクを、インクコンテナーからストレージタンクに一度移し替え、該インクを該ストレージタンクから液送ポンプでくみ上げ、脱気装置を経て、インクジェットヘッドに供給し、該インクジェットヘッドから印刷媒体に吐出させて、印刷媒体に画像を形成することを特徴とする。
(インクコンテナー)
インク供給に使用するインク容器であるインクコンテナーについては容量が5L以上と容積が大きくなると、質量も増加するために容器の輸送、振動に耐性があるものが好ましく、容器としては樹脂製のものが好ましい。容器の材質は輸送、振動耐性を考慮するとポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどが好ましく、また容器側壁も酸素透過率が0.2g/m・24h・40℃−90%RHを保持できる以上には厚くしないほうが容器の廃棄に際して処理負荷が小さいことから、ポリエチレンが好ましく、容器の厚さはしたがって上記酸素透過率と材質から1mm以下のインクコンテナーが好ましい。
(ストレージタンク)
ストレージタンクはインクヘッドから吐出量とインクを負荷なく一定時間内に供給する両方の観点から10L以上であることが好ましい。
ストレージタンクが10L以上であるとインクのストレージタンクへの投入回数の軽減、作業の効率化の観点から好ましい。
(液送ポンプ)
ストレージタンクからインクをくみ上げて、中間タンクに移動させるために液送ポンプは回転部分がない液送ポンプが好適である。特に水不溶性インクの場合でも、固体物が回転部分に挟まってしまうことによるインク供給の不具合を回避できるという観点から好ましい。たとえば、渦巻きポンプ、ダイアフラム式ポンプなどが好適である。
(インク中の固体微粒子数)
精密濾過
本発明に係るインクは、予めインク製造時にインクを精密濾過して粒子カウンターで計測される粒径0.5μm以上の微粒子を10000(個/10ml)以下にすることで微粒子の成長を防止でき、微粒子がキャビテーションを保持できなくすることができるが、また、ストレージタンクから液送ポンプでくみ上げ、脱気装置へ届く前までの間に、(あるいは、予めインク製造時にでも良いが)、インクを精密濾過して粒子カウンターで計測される粒径0.5μm以上の微粒子を10000(個/10ml)以下にすることで微粒子の成長を防止でき、微粒子がキャビテーションを保持できなくすることもできる。
精密濾過には珪藻土、またはセラミックフィルターを用いることが好ましい。これは、これらのフィルターは従来の限外濾過方法とは異なり、吸着濾過により常にろ材の表面に微粒子物を濾過捕捉ができることが特徴で、この方法を取ることで微粒子に付着したキャビテーションをインク中に再溶解させずに系外に排出できるものと推測される。該フィルターの濾過精度は1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下が好ましい。
(脱気装置)
脱気、膜脱気
ストレージタンクから液送ポンプでくみ上げ、脱気装置へ届く前までの間に、(予めインク製造時にでも良いが)、インクを精密濾過して粒子カウンターで計測される粒径0.5μm以上の微粒子が10000(個/10ml)以下である本発明のインクは、脱気装置により脱気される。
ジェットインクプリンターに利用される本発明に係るインクにおいては、インク中に含まれる溶存気体が、その印刷物の解像度や鮮明さを損なったり、微細な気泡発生を引き起こす要因となる。インク中から溶存気体を脱気する方法としては、大きく分けて、煮沸や減圧等の物理的方法により脱気する方法と、吸収剤をインク中に混入させる化学的方法とがある。本発明においては、いかなる手段にて脱気を行うことは可能である。特に、気体透過性のある中空糸膜内にインクを通液し、中空糸膜の外表面側を減圧することにより、インク中の溶存気体を透過、除去する方法は、インクの物性に悪影響を与えずに効率よくインク中の溶存気体を除去することができ、好ましい。
インク供給前で脱気装置を保持することで、高い表面張力の本発明に係るインクはキャビテーションが発生しやすいという不具合について解消することができる。
超音波脱気(US脱気)
水不溶性染料を用いた水性染料インクの場合、染料粒子が固体物としてインク中に存在し、そのためこの固体物に気泡が付着している場合がある。このような場合は膜脱気処理だけでは気泡を完全に除去することは困難である。このためインクに外部から超音波を照射する超音波脱気(US脱気)を行うことで固体物に付着した気泡を除去することができる。超音波(US)は周波数10kHz〜30kHzで出力300W以上の高周波を当てることが好ましく、照射は連続でも滞留でもよいが、2sec以上当てることが好ましい。
超音波照射装置としては、たとえば(株)日本精機製作所製 超音波ホモジナイザーUS−300T型(出力300W)などが挙げられる。
(溶存酸素量)
本発明においては、本発明のインクが、脱気装置からインクジェットヘッドへ供給される時にインク中の溶存酸素量が2ppm以下まで脱気された状態であることが、インクヘッドからのインク吐出の安定性の観点から好ましい。2ppm以下であることが好ましく、1.5〜0.7ppmであることがより好ましい。
溶存酸素濃度は、オストワルド法(実験化学講座1基本操作[I]、241頁、1975年、丸善)や、マススペクトル法で測定することができるし、ガルバニ電池型やポーラログラフ型などの簡便な酸素濃度計や比色分析法で測定することができる。
本発明においては、溶存酸素は市販の溶存酸素濃度計(東亜電波工業(株)製DO−30A型)を用いて、25℃、1気圧にて測定した。
インク中の、溶存空気濃度は、溶存酸素濃度を測定し、空気中の酸素の割合を基にして求めることができる。
(インクジェットプリンター)
本発明のインクジェット画像形成方法による捺染は、インク滴発生手段によりインク滴を布帛に吐出させ、このインク滴が付着した布帛を加熱することでインク中の染料を繊維に固着させる方式のものである。インク滴発生手段としては連続噴射方式、機械的加圧パルス方式(ピエゾ)、静電吸引方式、電気熱変換体による膜沸騰方式(バブルジェット(登録商標))等がある。
本発明に用いられるインクジェットプリンターは、少なくとも、ストレージタンク、液送ポンプ、脱気装置、インクジェットヘッド、を有すること、あるいは、利用することができること、が好ましい。そのことにより、本発明に係るインクを、インクコンテナーからストレージタンクに一度移し替え、液送ポンプでくみ上げ、脱気装置を経て、インクジェットヘッドに供給し、該インクジェットヘッドから印刷媒体に吐出させて、印刷媒体に画像を形成することができる。
(インクジェットヘッド)
本発明のインクジェット画像形成方法に用いられるインクジェット記録ヘッドであるインクジェットヘッドとしては、特に制限はなく、サーマル型、ピエゾ型のいずれも用いることができる。
インクジェットヘッドはノズル径50μm以下の多ノズルを配置し、駆動周波数10kHz以上で駆動しながら、画像を形成することが好ましい。
高精細な画像を得るためにノズル径が10μm〜50μmのインクジェットヘッドを用いて記録することが好ましい。粒状性の観点から50μm以下であることが好ましく、液滴体積が小さくなりすぎず気流の影響を受けない観点から10μm以上であることが好ましい。
駆動周波数は、10kHz以上で駆動することがインクジェット液滴の大きさを小さくしてより高解像度の画像を形成する観点から好ましく、13〜25kHzで駆動することがより好ましい。たとえば代表的な例としてコニカミノルタIJ(株)製KM512などが挙げられる。
(印刷媒体)
本発明に係る印刷媒体としては、普通紙、布帛、プラスチックシート等の被記録媒体が挙げられるが、その中でも特に布帛が好ましい。
布帛は特に限定されるものではなく、綿、絹、羊毛、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、アクリル系繊維等種々の繊維素材が挙げられ、又、これらの混紡、交織物、不織布等のものであってもよい。本発明において用いる布帛に品質的に期待する性能としては、(1)インクを十分な濃度に発色させ得ること、(2)インクの染着率が高いこと、(3)インクが布帛上で速やかに乾燥すること、(4)布帛上での不規則なインクの滲みの発生が少ないこと、(5)装置内での搬送性に優れていること、等の性能を持っているものがより好ましい。
本発明のインクジェット捺染方法の場合、均一な染色物を得るために、水溶性高分子類を布帛に前処理する前に、布帛繊維に付着した天然不純物(油脂、ロウ、ペクチン質、天然色素等)、布帛製造過程で用いた薬剤の残留分(のり剤等)、よごれなどを洗浄しておくことが望ましい。洗浄に用いられる洗浄剤としては水酸化ナトリウム,炭酸ナトリウムといったアルカリ、陰イオン性界面活性剤,非イオン性界面活性剤といった界面活性剤、酵素等が用いられる。
本発明のインクジェット捺染用インクによる捺染処理方法は、従来の公知の布帛の捺染方法により実現可能である。
本発明の捺染方法においては、にじみ防止効果のため、前処理剤をパッド法、コーティング法、スプレー法などで付与せしめるのが好ましい(前処理工程)。その後、水性染料インクで染色することが可能な繊維が含有されている布帛上に、本発明に係るインクを用いてインクジェット記録方式で画像を形成した後(インク付与工程)、インクが付与されている布帛を熱処理し(発色工程)、更に熱処理された布帛を洗浄すること(洗浄工程)によって布帛への捺染が完了し、捺染物が得られる。
本発明において用いる布帛に品質的に期待する性能としては、(1)インクを十分な濃度に発色させ得ること、(2)インクの染着率が高いこと、(3)インクが布帛上で速やかに乾燥すること、(4)布帛上での不規則なインクの滲みの発生が少ないこと、(5)装置内での搬送性に優れていること、等の性能を持っているものがより好ましい。これらの要求性能を満足させるために、本発明において、必要に応じて布帛に対し、あらかじめ前処理を施しておくことができる。
例えば、特開昭62−53492号公報においてはインク受容層を有する布帛類が開示され、又、特公平3−46589号公報においては還元防止剤やアルカリ性物質を含有させた布帛の提案がなされている。このような前処理の例としては、布帛に、アルカリ性物質、水溶性高分子、水溶性金属塩、尿素及びチオ尿素、撥水剤、界面活性剤から選ばれる物質を含有させる処理を挙げることができる。
水溶性高分子
水溶性高分子としては、トウモロコシ、小麦等のデンプン物質、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系物質、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ローカスイトビーンガム、トラガントガム、グアガム、タマリンド種子等の多糖類、ゼラチン、カゼイン等の蛋白質物質、タンニン系物質、リグニン系物質等の天然水溶性高分子や、合成高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール系化合物、ポリエチレンオキサイド系化合物、アクリル酸系水溶性高分子、無水マレイン酸系水溶性高分子等が挙げられる。これらの中でも分子量としては10万〜400万、より好ましくは50万〜250万のものが好ましい。かかる水溶性高分子の中でもとりわけポリエチレンオキサイドが滲みを抑えるという点で好ましい。水溶性高分子は布帛に対して0.1〜30質量%付与することが好ましい。
アルカリ性物質
アルカリ性物質は特に反応性染料を用いたときにセルロース繊維を染着させるのに必要であるため、あらかじめ布帛に含有させておくのが好ましい。アルカリ性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、モノ,ジ,トリエタノールアミン等のアミン類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等の炭酸若しくは重炭酸アルカリ金属塩等が挙げられる。更に酢酸カルシウム、酢酸バリウム等の有機酸金属塩やアンモニア及びアンモニア化合物等がある。又、スチーミング及び乾熱下でアルカリ物質となるトリクロロ酢酸ナトリウム等も用い得る。特に好ましいアルカリ性物質としては、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムがある。アルカリは布帛に対して0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%付与することが好ましい。
撥水剤
撥水剤としては、例えばパラフィン系、フッ素系化合物、ピリジニウム塩類、N−メチロールアルキルアミド、アルキルエチレン尿素、オキザリン誘導体、シリコーン系化合物、トリアジン系化合物、ジルコニウム系化合物、或はこれらの混合物が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらの撥水剤の中でも、パラフィン系及びフッ素系撥水剤は、滲み防止、濃度の点において特に好ましい。撥水剤は布帛に対して0.05〜40質量%付与することが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%の範囲である。これは、0.05質量%未満ではインクの過度の浸透を防止する効果が少なく、40質量%を超えて含有させても性能的に大きな変化がないからである。界面活性剤としては、アニオン系、非イオン系や両性界面活性剤等が使用できる。
界面活性剤
界面活性剤としてはアニオン活性剤、ノニオン活性剤、ベタイン活性剤等が挙げられる。
アニオン活性剤
アニオン系の界面活性剤としては、スルホン酸型、カルボン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型等が挙げられ、スルホン酸型としては、アルキルスルホネート系、アルキルアリルスルホネートエステル系のスルホネート系界面活性剤等、カルボン酸型としては、石鹸、脂肪蛋白質縮合物等、硫酸エステル型としては、高級アルコール硫酸エステル、高級アルコールEO付加物硫酸エステル、オレフィンの硫酸エステル、脂肪酸の硫酸エステル等、リン酸エステル型としては、高級アルコールリン酸エステル、高級アルコールEO付加物リン酸エステル等が挙げられる。
ノニオン活性剤
非イオン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、アセチレングリコール等のエーテル型や、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル等のエステル型、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のアミノエーテル型、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のエーテルエステル型等を使用することができる。特にHLB12.5以上、好ましくは14以上の非イオン系界面活性剤を用いることが好ましい。
ベタイン活性剤
両性界面活性剤としてはベタイン型等を使用することができる。界面活性剤は布帛に対して0.01〜30質量%付与することが好ましい。更に、使用する染料の特性等に応じて還元防止剤、酸化防止剤、均染剤、濃染剤、キャリヤー、還元剤、酸化剤といった添加剤を入れることが好ましい。
前処理において上記物質等を布帛に含有させる方法は、特に制限されないが、通常行われる浸漬法、パッド法、コーティング法、スプレー法、インクジェット法等を挙げることができる。
《インクジェット画像形成方法の具体例》
本発明のインクジェット画像形成方法について、図1を用いて具体例に説明する。
図1は、本発明のインクジェット画像形成方法に用いられる脱気システムの概要の一例を示す図である。
図1中、1:ストレージタンク、2:フィルター、3:液送ポンプ、4:真空ポンプ、5:膜脱気モジュール(外部還流型)、7:中間タンク、8:インクジェットヘッド、9:布帛を示す。
図1において、水溶性染料、イオン交換水、有機溶剤を含有し、表面張力が45mN/m以上であり、固体微粒子数が粒子カウンターで0.5μm以上のものが10000(個/10ml)以下である水溶性染料インクである本発明に係るインクを、インクコンテナー(図示せず。)からストレージタンク1(10L以上であることが好ましい。)に一度移し替え、液送ポンプ3でフィルター2を経由してくみ上げ、脱気装置5(好ましくは膜脱気モジュール(外部還流型))を経て、次ぎに中間タンク7を経て、インクジェットヘッド8に供給し、該インクジェットヘッド8から布帛9(印刷媒体)に吐出させて、布帛(印刷媒体)9に画像を形成する。
本発明のインクジェット画像形成方法について、更に、図2を用いて具体例に説明する。
図2は、本発明のインクジェット画像形成方法に用いられる脱気システムの概要の別の一例を示す図である。
図2中、1:ストレージタンク、2:フィルター、3:液送ポンプ、4:真空ポンプ、5:膜脱気モジュール(外部還流型)、6:超音波ホモジナイザー、7:中間タンク、8:インクジェットヘッド、9:布帛(印刷媒体)を示す。
図2において、水溶性染料、イオン交換水、有機溶剤を含有し、表面張力が45mN/m以上であり、固体微粒子数が粒子カウンターで0.5μm以上のものが10000(個/10ml)以下である水溶性染料インクである本発明に係るインクを、インクコンテナー(図示せず。)からストレージタンク1(10L以上であることが好ましい。)に一度移し替え、液送ポンプ3でフィルター2を経由してくみ上げ、脱気装置5(好ましくは膜脱気モジュール(外部還流型))を経て、次ぎに超音波ホモジナイザー6を経て、次ぎに中間タンク7を経て、インクジェットヘッド8に供給し、該インクジェットヘッド8から布帛9(印刷媒体)に吐出させて、布帛(印刷媒体)9に画像を形成する。
(印字後の後処理)
巻き取り布帛に印字を行うインクジェット捺染方法は、インク出射後印字された布帛を巻き取り、加熱により発色し、布帛を洗浄、乾燥させることが望ましい。インクジェット捺染において、インクを布帛に印字し、ただ放置しておくだけではうまく染着しない。また長尺の布帛に長時間印字し続ける場合などは、布帛が延々と出てくるため、床などに印字した布帛が重なっていき場所をとるし、それは不安全でありまた予期せず汚れてしまう場合がある。そのために印字後、巻き取る操作が必要となる。この操作時に布帛と布帛の間に紙や布、ビニル等の印字に関わらない媒体を挟んでもかまわない。ただし途中で切断する場合や短い布帛に対しては必ずしも巻き取る必要はない。
予備乾燥
インク組成物の付着を受けた布帛は、好ましくは後処理に付され、染料の繊維への定着を促進させ、その後定着しなかった着色剤、その他のインク成分、前処理剤を十分除去することが好ましい。本発明の好ましい態様によれば、後処理はいくつかの工程に別れる。まず、インク組成物を布帛に付着させた後、この布帛を常温〜150℃に0.5〜30分放置し、インク組成物を予備乾燥することが好ましい。この予備乾燥により印捺濃度を向上させ、かつ滲みを有効に防止出来る。なお、この予備乾燥とはインク組成物が布帛中に浸透することも含む。
乾燥
本発明の好ましい態様によれば、前記予備乾燥を連続工程で加熱乾燥することも可能である。布帛をロール状にしてインクジェット印捺機に供給し、印捺し、その後印捺布を巻き取る以前に乾燥工程を通す。乾燥機は印捺機に直結してもよく、分離したものであってもよい。乾燥機における乾燥は150℃以下で0.5〜30分行われることが好ましい。また、好ましい乾燥方法としては、空気対流方式、加熱ロール直付け方式、照射方式等が挙げられる。
発色
プリント後布帛表面に付着したのみで、十分布帛に吸着・固着されていないインク中の染料を布帛に吸着・固着させることによりそのインク本来の色相を発現させる発色工程を設けることが好ましい。その方法としては、蒸気によるスチーミング、乾熱によるベーキング、サーモゾル、過熱蒸気によるHTスチーマー、加圧蒸気によるHPスチーマーなどが利用される。それらはプリントする素材、インクなどにより適宜選択される。また、印字された布帛は直ちに加熱処理しても、しばらくおいてから加熱処理しても用途に合わせて乾燥・発色処理すればよく、本発明においてはいずれの方法を用いてもよい。
スチーミングに付される条件としては布帛の種類などを勘案して決定されてよいが、湿度50〜100%(より好ましくは湿度80〜100%)および温度90〜120℃(好ましくは95〜105℃)の環境に、3〜120分(好ましくは5〜40分)置かれることが好ましい。更にその後、界面活性剤(好ましくはノニオン系界面活性剤)を含む温水により洗浄することが好ましい。このような後処理が行われた印捺布は発色、堅牢性に優れ、インク滲みが少なくなる。
キャリア発色
分散染料を用いた染色の際は、高温で発色させる方法だけではなく、キャリヤーを用いてもよい。キャリヤーとして用いられる化合物は、染色促進が大きい、使用法が簡便、安定、人体や環境に対して負荷が少ない、繊維からの除去が簡単、染色堅牢度に影響しないといった特徴を持つものが好ましい。キャリヤーの例としてはo−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、メチルナフタリン、安息香酸アルキル、サリチル酸アルキル、クロロベンゼン、ジフェニルといったフェノール類、エーテル類、有機酸類、炭化水素類などを挙げることができる。これらは、ポリエステルのように100℃前後の温度での染色が難しい難染性繊維の膨潤と可塑化を促進し、分散染料を繊維内に入りやすくする。キャリヤーは、インクジェットプリントに使用する布帛の繊維にあらかじめ吸着させておいてもよいし、インクジェットインク中に含まれていてもよい。
洗浄
加熱処理後は洗浄工程が必要である。なぜなら染着に関与しなかった染料が残留することで、色の安定性が悪くなり堅牢度が低下するからである。また、布帛に施した前処理物を除去することも必要である。そのままにしておくと堅牢性の低下ばかりでなく布帛が変色する。そのため除去対象物や目的に応じた洗浄が必須である。その方法は、プリントする素材、インクにより選択される。その方法は、通常オープンソーパーなどの連続型や液流染色機などによるバッチ型で実施されるもので、本発明においてはいずれの方法を用いてもよい。従来公知の洗浄方法が採用でき、数10℃から100℃のお湯を使用したり、アニオン、ノニオン系のソーピング剤を使用することが好ましい。未固着の色材が完全に除去されていると、洗濯堅牢性、耐水堅牢性、耐汗堅牢性において良好な結果が得られて好ましい。
乾燥
洗浄後は乾燥が必要である。洗浄した布帛を絞ったり脱水した後、干したりあるいは乾燥機、ヒートロール、アイロン等を使用して乾燥させる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断りない限り、実施例中の「部」あるいは「%」の表示は、「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
(インク1、2〜5の作製)
反応性水溶性染料(C.I number ;Reactive Blue 72)
13質量%
イオン交換水 60質量%
エチレングリコール 23.7質量%
界面活性剤(オルフィンE1010:アセチレングリコール系界面活性剤、日信化学(株)製) 0.3質量%
防黴剤(プロキセルGXL−S、アーチケミカルジャパン(株)製) 2質量%
以上の組成のCyanインクを製造し、製造したインクを珪藻土フィルター((株)ロキテクノ製 ポリアース、濾過精度0.5μm)で濾過処理したのちに5L容積のポリエチレン製キュビテナー容器に入れて、インク1を作製した。その後容器に入れたインクの粒子カウント数を測定した。測定機器は(株)リオン製粒子カウンター、KS−42C(粒径0.5〜20.0μmの粒子をカウントすることができる。)を使用して、粒径0.5μm以上の粒子カウント数を測定しその数値を表1に示す。
インク1の作製において、界面活性剤量を調整して表面張力を表1記載のように変更した他は同様にして、インク2〜5を作製した。
(インク6、7〜15の作製)
インク1の作製において、界面活性剤オルフィンE1010を0.5質量%と増加させたこと、かつ、製造したインクを珪藻土フィルター((株)ロキテクノ製 ポリアース、濾過精度0.5μm)で濾過処理しなかったこと、の他は同様にしてインク6を作製した。
インク6の作製において、界面活性剤量を減少させたことの他は同様にして、インク7〜15を作製した。
印刷方法:
上記インク5Lを一度にストレージタンク1(10L〜)にすべて移し替え、そのタンクから液送ポンプ3でインクを100ml/分で(但し、フィルター2で濾過処理することなしに)膜脱気モジュール(外部還流型)5(DIC(株)製 EF−G3)にインクを送液した。膜脱気モジュールの空気減圧度は−90kPaで、モジュール出口でのインクの溶存酸素量は1.86ppm(20℃)であった。
その後、中間タンク7を介してインクヘッド8にインクを供給した。(図1参照)
使用したインクヘッドはコニカミノルタ製インクジェットヘッド(KM512、ノズル径20μm〜45μm、ノズル数512)で、駆動周波数10kHz、駆動電圧8Vで解像度540×720dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。)にてベタ画像(大きさA4サイズ)を布帛9に作製した。
印刷には綿布帛を使用した。印刷後、発色機(加熱温度80℃)で5分間発色させた後に、手洗いで水洗して乾燥、アイロンかけして印刷物を作製した。
《評価方法》
(印字濃度)
ベタ画像で印刷した印刷物の周囲、中央の12箇所の濃度をX−rite濃度測定器で測色した。比較として標本となる印字濃度の色濃度=0とした時との差(色差)で示した。色差(ΔE)>1.5の場合は色が薄くなっている(画欠がある)ことを示す。
具体的には、CIE 1976(L,a,b)color space(CIELAB)規格に基づき、測色機でL,a,bの値を測定する。次にその値の測定点12箇所のL,a,bの各値の平均値L,a,bを求める。
次にブランクとして作成してある布帛上の印刷物の同色のL,a,bの平均値をLs,as,bsとすると、下記の計算式から色差ΔEを求める。
色差ΔE=((L−Ls)+(a−as)+(b−bs)0.5
(滲み)
比較標本と目視で比較観察し、滲みの有無を判定した。
結果を表1に示す。
Figure 2011042104
表1から明らかなように、本発明の場合には、印字濃度に優れ、滲みがない画像が得られることがわかる。
1 ストレージタンク
2 フィルター
3 液送ポンプ
4 真空ポンプ
5 膜脱気モジュール(外部還流型)
6 超音波ホモジナイザー
7 中間タンク
8 インクヘッド
9 布帛(印刷媒体)

Claims (4)

  1. 水性染料、イオン交換水および有機溶剤を含有し、表面張力が45mN/m以上であり、濾過精度0.5μmの濾過材料で濾過して固体微粒子の含有量数が粒子カウンターで粒径0.5μm以上のものが10000(個/10ml)個以下である、水性染料インクであるインクを、
    インクコンテナーからストレージタンクに一度移し替え、
    液送ポンプでくみ上げ、該インクをそのまま、または、濾過精度0.5μmの濾過材料で濾過して、固体微粒子の含有量が粒子カウンターで粒径0.5μm以上の固体微粒子が10000(個/10ml)以下である状態で、
    脱気装置を経て、
    インクジェットヘッドに供給し、該インクジェットヘッドから印刷媒体に吐出させて、印刷媒体に画像を形成することを特徴とするインクジェット画像形成方法。
  2. 前記インクジェットヘッドはノズル径50μm以下の多ノズルを配置し、駆動周波数10kHz以上で駆動しながら、画像を形成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット画像形成方法。
  3. 前記インクは脱気装置からインクジェットヘッドへ供給される時にインク中の溶存酸素量が2ppm以下まで脱気された状態であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット画像形成方法。
  4. 前記インクは珪藻土フィルター、またはセラミックフィルターで濾過されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット画像形成方法。
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