JP6846001B2 - インク組成物及び記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インク組成物及び記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、インク組成物の特性等について種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、ミスト汚染及びオフセットの両方を抑制することを目的として、多価アルコールモノエチルエーテル又は多価アルコールモノプロピルエーテルと多価アルコールモノブチルエーテルとを含む、インクジェット記録用インクが開示されている。
特開2015−44954号公報
特許文献1では、実施例においてミストの除去性を評価しているが、ミストの発生抑制については何ら評価されていない。インク組成物には、初期充填性(濡れ性)やインク中に発生し得る異物の溶解性等の観点から界面活性剤が用いられるが、単に界面活性剤を用いたのでは、かえってミストの発生を助長する場合もあり得る。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、ミストが生じにくいうえ、インク保存性、異物溶解性及び初期充填性にも優れるインク組成物、及び記録方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、所定のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤を用いることにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明のインク組成物は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤として、下記式(1)で表されるヒドロキシ基を有する化合物Aと、下記式(2)で表されるアルデヒド基を有する化合物Bと、を少なくとも含み、前記化合物Aに対する前記化合物Bの質量比が、0.5×10-4〜30×10-4であり、化合物Bの含有量が、前記インク組成物全量に対して、1〜100ppmである。
R−O−(C24O)v(C36O)w(C24O)x(C36O)y−(CH2z−CH
2−OH・・・式(1)
R−O−(C24O)v(C36O)w(C24O)x(C36O)y−(CH2z−CO
H・・・式(2)
(式(1)及び(2)中、Rは、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基を表し、vは、各々独立して、1〜20を表し、wは、各々独立して、0〜20を表し、xは、各々独立して、0〜20を表し、yは、各々独立して、0〜20を表し、zは、各々独立して、1〜2を表し、5≦v+w+x+y+z≦30の関係を満たす。)
また、本発明の好ましい態様として前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤の含有量が、前記インク組成物全量に対して、0.2〜5.0質量%であること、水、浸透溶剤及び色材、をさらに含むことが挙げられる。
さらに、本発明の記録方法は、上記インク組成物を、インクジェット方式で吐出して、被記録媒体に付着させる吐出工程を有する。
よどみ点を有するヘッド構造を示す模式図である。 本実施形態に用い得る記録装置の一例を示す図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
〔インク組成物〕
本実施形態のインク組成物は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤として、下記式(1)で表されるヒドロキシ基を有する化合物Aと、下記式(2)で表されるアルデヒド基を有する化合物Bと、を少なくとも含み、前記化合物Aに対する前記化合物Bの質量比が、0.5×10-4〜30×10-4である。
R−O−(C24O)v(C36O)w(C24O)x(C36O)y−(CH2z−CH2−OH・・・式(1)
R−O−(C24O)v(C36O)w(C24O)x(C36O)y−(CH2z−COH・・・式(2)
(式(1)及び(2)中、Rは、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基を表し、vは、各々独立して、1〜20を表し、wは、各々独立して、0〜20を表し、xは、各々独立して、0〜20を表し、yは、各々独立して、0〜20を表し、zは、各々独立して、1〜2を表し、5≦v+w+x+y+z≦30の関係を満たす。)
記録装置の構成部品、例えばカートリッジやチューブ等がその構成材料として離型剤や可塑剤を含有する場合、その離型剤や可塑剤がインク組成物中に溶出し、インク組成物中の特定の金属元素と共に金属塩(例えばステアリン酸塩)を形成する場合がある。そして、その金属塩がインク組成物中に異物を析出させる要因の一つと推測される。本発明のインク組成物は、所定のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤を含むことにより、異物の溶解性が向上し、そのような異物の異物析出・固形物化を抑制することができる。特に、所定のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤を含むことにより、カートリッジやチューブなどの材料として不純物の多い汎用材料を用いた場合であっても、これら部材に含まれる可塑剤などの不純物を溶解し、異物化することを抑制することができる。
インクカートリッジ等のインク収容容器の大容量化に伴い、その構成材料とのインク接触機会も増加しており、異物化するリスクが増加している。
また、ヘッド内流路等のインク流路等に対するインク組成物の濡れ性が悪い場合、初期充填の際にインク流路内にインクが行き渡らず気泡が残留しやすい。特に、図1に示すようなよどみ点Yを有する複雑な構造を持つヘッドにおいては、インクの流れが遅く又は無いため、よどみ点に気泡が残留しやすい。ここで、よどみ点とは、ヘッド内流路等のインク流路等に流れるインク流速に比べて、流速が遅い又は流れが無い箇所のことを指す。例えば、図1のよどみ点Yがあげられる。なお、よどみ点Yの位置は、図1の位置に限定されず、図1のようにノズル孔近くに存在してもよいし、ピエゾなどの駆動部付近(例えば、駆動部から1mmの範囲内)に存在してもよい。ピエゾなどの駆動部付近によどみ点が存在する場合、気泡がクッションのような働きをしてインク組成物に圧力がかかりにくくなり吐出不良(初期充填不良)につながる恐れがある。また、インク流路中に発生した気泡は、印刷操作の経過とともにノズルNへ移動し、結果として吐出不良(初期充填不良)を引きおこす恐れもある。そのため、インク流路等に対するインク組成物の濡れ性(インク接触角)は良い方が好ましい。本発明のインク組成物は、所定のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤を含むことにより、インク流路等に対するインク組成物の濡れ性が向上し、初期充填不良をより抑制することができる。特に、所定のポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤を含むことにより、小型のヘッド(流路が狭いヘッド)でも良好なインク充填性が得られる。
さらに、インクジェットヘッドのノズルから吐出されたインク滴は、その吐出条件やインク組成物の表面張力及び粘度等に応じて様々な形状を取り得る。例えば、球状や、サテライトと呼ばれる小球を伴う液滴、吐出方向に長く尾を引く液滴などがある。このなかでも、ノズルから吐出されたインク滴が尾引いたりサテライトが生じたりした場合には、記録装置内でインク組成物がミスト化する。インクミストは、機装汚れ、画質の劣化、ノズル面に付着することによる吐出不良、エンコーダー読み取り不良を引き起こす原因となる。そのため、記録装置内でミスト化をしないという観点からは球状のインク滴が好ましい。インク組成物がポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤を含む場合、インク滴が吐出方向に長く尾を引く細長い形状の液滴となりやすい。細長い形状の液滴は、被記録媒体に到達するまでに千切れ、細かいインク滴になり、ミストが発生しやすいという問題がある。この点、本発明は上記式(1)で表されるヒドロキシ基を有する化合物Aに対する上記式(2)で表されるアルデヒド基を有する化合物Bの質量比が所定範囲であることにより、飛翔形状を球状に制御し、ミストを抑制することができる。特に、インクミストによる悪影響はプリンタが小型化するほど飛散する範囲が縮まるため悪化する傾向にあるが、本発明のインク組成物は、小型ヘッドの充填性、プリンタ材料への高い汎用性、小型機体での信頼性といった特にプリンタの小型化・細密化を実施する際に、格別な効果がある。また、本発明のインク組成物は、インクジェット記録方法に限らず、例えば、ローラ塗布、スプレー塗布等で記録する場合においても、ミストを生じないため、インクの大気拡散による作業環境汚染や、印刷装置及び記録媒体の汚染等を抑制できる優れた効果がある。
以下、本実施形態のインク組成物の各成分について説明する。
〔ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤〕
本実施形態のインク組成物は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤として、上記式(1)で表されるヒドロキシ基を有する化合物Aと、上記式(2)で表されるアルデヒド基を有する化合物Bと、を少なくとも含む。ヒドロキシ基を有する化合物Aは、主に動的表面張力を低下させる方向に作用し、アルデヒド基を有する化合物Bは、主に動的表面張力を向上させる方向に作用し得るがこれに限定されない。
上記化合物Aに対する上記化合物Bの質量比は、0.5×10-4〜30×10-4であり、好ましくは1×10-4〜20×10-4であり、より好ましくは2×10-4〜15×10-4である。化合物Aに対する化合物Bの質量比が上記範囲内であることにより、ミストがより抑制される。
化合物Bは、化合物Aから調製することができ、化合物Aに対する化合物Bの質量比は、この調製条件により調整することができる。具体的には、化合物Aを加温条件下でエージング(保持)することにより、化合物Aのヒドロキシ基の一部がアルデヒド基に酸化することで、アルデヒド基を有する化合物Bへと調整することができる。このエージング時間を長時間化する又は加熱温度を高温化することにより化合物Bをより多く精製できかつ、結果として化合物Aに対する化合物Bの質量比が増加する傾向にある。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤の含有量は、インク組成物全量に対して、より好ましくは0.2〜5.0質量%であり、さらに好ましくは0.5〜4.0質量%である。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤はインク組成物中で相分離しやすく、経時的な粘度上昇が生じやすい傾向にあるが、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、異物溶解性、初期充填性、及びインク保存性がより向上し、ミストの発生がより抑制される傾向にある。
〔化合物A〕
化合物Aは式(1)で表されるヒドロキシ基を有する化合物である。
R−O−(C24O)v(C36O)w(C24O)x(C36O)y−(CH2z−CH2−OH・・・式(1)
(式(1)中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表し、vは、1〜20を表し、wは、0〜20を表し、xは、0〜20を表し、yは、0〜20を表し、zは、1〜2を表し、5≦v+w+x+y+z≦30の関係を満たす。)
Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表し、好ましくは炭素数5〜15のアルキル基を表す。vは、1〜20を表し、好ましくは1〜15を表し、より好ましくは1〜10を表す。wは、0〜20を表し、好ましくは0〜15を表し、より好ましくは0〜10を表す。xは、0〜20を表し、好ましくは0〜15を表し、より好ましくは0〜10を表す。yは、0〜20を表し、好ましくは0〜15を表し、より好ましくは0〜10を表す。zは、1〜2を表す。v+w+x+y+zは、5〜30であり、好ましくは5〜25であり、より好ましくは5〜20である。
以下、化合物Aの具体例について列記するが、化合物Aは以下に限定されない。
817O(C24O)v
(ここで、v≧1)
1225O(C24O)6(C36O)2(C24O)6(C36O)8
1327O(C24O)6(C36O)2(C24O)6(C36O)8
1225O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)z
(ここで、w+y=15、x+z=4)
1327O(C24O)w(C36O)x(C24O)y(C36O)z
(ここで、w+y=15、x+z=4)
1225O(C24O)8(C36O)2(C24O)6
1327O(C24O)8(C36O)2(C24O)6
1225O(C24O)12(C36O)2(C24O)12
1327O(C24O)12(C36O)2(C24O)12
CH3(CH29(CH3)CHO(C24O)7(C36O)4.5
CH3(CH211(CH3)CHO(C24O)7(C36O)4.5
CH3(CH29(CH3)CHO(C24O)5(C36O)3.5
CH3(CH211(CH3)CHO(C24O)5(C36O)3.5
1429O(C24O)14(C36O)2H、
1123O(C24O)8
1021O(C24O)11
1225O(C24O)15
化合物Aの市販品としては、特に限定されないが、具体的には、ニューコール1004、1006、1008、1020(C817−O−(CH2CH2O)n−H)、1203、1204、1210(C1835−O−(CH2CH2O)n−H)、1305、1310(C1327−O−(CH2CH2O)n−H)、1525、1533、1545、1500−S(Castor oil−O−(CH2CH2O)n−H)、1606、1607(C1633−O−(CH2CH2O)n−H)、1807、1820、1860(C1837−O−(CH2CH2O)n−H)、2502−A、3504−C、3520−C(R−O−(CH2CH2O)n−H)(以上全て日本乳化剤株式会社製);ノイゲンDL−0415(R6O(C24O)W(C36O)x(C24O)y(C36O)zH、「R6」:炭素数12,13のアルキル、w+y=15、x+z=4、HLB値15.0)、ノイゲンET−116B(R6O(C24O)7(C36O)4.5H、「R6」:炭素数12,14のアルキル、HLB値12.0)、ノイゲンET−106A(R6O(C24O)5(C36O)3.5H、「R6」:炭素数12,14のアルキル、HLB値10.9)、ノイゲンDH−0300(R6O(C24O)2H、「R6」:炭素数14のアルキル、HLB値4.0)、ノイゲンYX−400(R6O(C24O)40H、「R6」:炭素数12のアルキル、HLB値18.1)、ノイゲンEA−160(C91964O(C24O)16.8H、HLB値15.4)(以上、第一工業製薬社製)、エマルゲン1108(花王社製商品名、R6O(C24O)8H、「R6」:炭素数11のアルキル、HLB値13.4)が挙げられる。
化合物Aの含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは0.05〜10.0質量%であり、より好ましくは0.2〜5.0質量%であり、さらに好ましくは0.5〜4.0質量%である。化合物Aの含有量が上記範囲内であることにより、異物溶解性、初期充填性、及びインク保存性がより向上し、ミストの発生がより抑制される傾向にある。化合物Aの含有量は、下記式(3)で算出することができる。
エージング後の化合物Aの含有量=(エージング前の化合物Aのモル量−エージング後の化合物Bのモル量)×化合物Aの分子量 ・・・式(3)
なお、エージング前のポリオキシアルキレンアルキルエーテルがヒドロキシ基を有する化合物Aを100質量%含む場合は、エージング前の化合物Aの含有量から、得られたアルデヒド基を有する化合物の含有量を差し引くことで、エージング後の化合物Aの含有量を算出することができる。
〔化合物B〕
化合物Bは式(2)で表されるアルデヒド基を有する化合物である。
R−O−(C24O)v(C36O)w(C24O)x(C36O)y−(CH2z−COH・・・式(2)
(式(2)中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表し、vは、1〜20を表し、wは、0〜20を表し、xは、0〜20を表し、yは、0〜20を表し、zは、1〜2を表し、5≦v+w+x+y+z≦30の関係を満たす。)
化合物Bとしては、式(2)で表される化合物であれば制限されないが、具体的には化合物Aにおいて例示した化合物のOH基がCOH基に酸化された化合物が挙げられる。
化合物Bの含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは1〜100ppmであり、より好ましくは10〜100ppmであり、さらに好ましくは30〜70ppmである。化合物Bの含有量が上記範囲内であることにより、ミストがより抑制される。なお、本明細書において、ppmは質量ppmを示す。

化合物Bの含有量は、特に限定はしないが、アセチルアセトン吸光光度法、パックテストMBTH法、MBTH吸光光度法(塩酸3メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン吸光光度法ともいう)、AHMT吸光光度法(4−アミノ−3−ヒドラジノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール吸光光度法ともいう)、告示法(平成15年厚生労働省告示第261号別表第19;ガスクロマトグラフを用いた質量分析法である)等を用いて算出することができる。好ましくは、分光光度計を用いたMBTH吸光光度法やGC/MSを用いた告示法が1ppmの精度で測定できるため好ましい。例えば、MBTH法の具体的な測定方法を説明すると、試料に過剰のMBTHを添加し、試料中に含まれるアルデヒドをアジンに変え、次に塩化第2鉄溶液を加えて、MBTHを反応性のカチオンに酸化する。そして、反応性カチオンとなったMBTHをアジンと反応させる。この際得られる反応物は青色を呈する。そして、分光光度計により、上記試料の吸収度を測定する。また、別途、質量が既知である化合物Bの標準液の吸光度を上記と同条件で測定し、化合物Bと吸光度の検量線を作成しておく。そして、試料の吸収度とこの検量線より、試料中の化合物Bの含有量を算出する。
化合物Bは、この調整条件により、化合物Aから調製することができる。具体的には、化合物Aを加温条件下でエージング(保持)することにより、化合物Aのヒドロキシ基の一部がアルデヒド基に酸化することで、アルデヒド基を有する化合物Bへと調整される。このエージング時間を長時間化する又は加熱温度を高温化することにより化合物Bをより多く精製できかつ、結果として化合物Aに対する化合物Bの質量比が増加する傾向にある。
〔水〕
本実施形態のインク組成物は、必要に応じて、水を含んでいてもよい。
水の含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは50〜80質量%であり、より好ましくは55〜75質量%であり、さらに好ましくは60〜75質量%である。
〔浸透溶剤〕
本実施形態のインク組成物は、必要に応じて、浸透溶剤を含んでいてもよい。浸透溶剤としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノ(ジ)メチルエーテル、エチレングリコールモノ(ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノ(ジ)プロピルエーテル、エチレングリコールモノ(ジ)ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ(ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコールモノ(ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノ(ジ)プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ(ジ)ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ(ジ)メチルエーテル、トリエチレングリコールモノ(ジ)エチルエーテル、トリエチレングリコールモノ(ジ)プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノ(ジ)ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ(ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノ(ジ)エチルエーテル、プロピレングリコールモノ(ジ)プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ(ジ)ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(ジ)メチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(ジ)エチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(ジ)プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(ジ)ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ(ジ)メチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ(ジ)エチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ(ジ)プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノ(ジ)ブチルエーテルのようなグリコールエーテル系化合物;グリセリン、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールのようなアルキルポリオール系化合物が挙げられる。浸透溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
浸透溶剤の含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは5〜25質量%であり、より好ましくは5〜20質量%であり、さらに好ましくは5〜15質量%である。浸透溶剤の含有量が5質量%以上であることにより、メディアへの浸透性がより良好となり、印刷物の乾燥性がより向上する傾向にある。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤のインクへの溶解性がより向上する傾向にある。また、浸透溶剤の含有量が25質量%以下であることにより、動的表面張力低下による吐出不良がより抑制される傾向にある。
〔ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤以外の界面活性剤〕
本実施形態のインク組成物は、必要に応じて、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤以外の界面活性剤を含んでいてもよい。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤以外の界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。このなかでも、アセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のオルフィンEシリーズ(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)、PD−001DやPD−002W等のオルフィンPDシリーズ(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)、EXP4001やEXP4300等のオルフィンEXPシリーズ(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)、サーフィノール465やサーフィノール61、サーフィノールDF−110D等のサーフィノールシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製商品名)などが挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、S−144、S−145(旭硝子株式会社製);FC−170C、FC−430、フロラード−FC4430(住友スリーエム株式会社製);FSO、FSO−100、FSN、FSN−100、FS−300(Dupont社製);FT−250、251(株式会社ネオス製)などが挙げられる。フッ素系界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤の市販品としては、特に限定されないが、具体的には、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−96−2cs、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤以外の界面活性剤の含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは0.1〜5.0質量%であり、より好ましくは0.5〜2.5質量%であり、さらに好ましくは0.1〜2.0質量%である。0.1質量%未満であると、インク濡れ性不足による初期充填不良の恐れがあり、2.0質量%超であると、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤の溶解不良が発生する恐れがある。
〔色材〕
本実施形態のインク組成物は、必要に応じて、色材を含んでいてもよい。色材としては、特に限定されないが、例えば、染料及び顔料が挙げられる。
染料としては、特に限定されないが、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。このような染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。上記染料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
顔料としては、特に限定されないが、例えば、無機顔料及び有機顔料が使用可能である。無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンが挙げられる。有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及びアゾ系顔料等が挙げられる。顔料は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
色材の含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは0.1〜15.0質量%であり、より好ましくは1〜12.5質量%であり、さらに好ましくは2.0〜8.0質量%である。0.1質量%未満であると印刷物の発色性が劣る場合があり、15.0質量%超であると、インク粘度増加に伴う吐出不良や、色材の溶解不良、ヘッド目詰まり回復性が劣る場合がある。
〔pH調整剤〕
本実施形態のインク組成物は、pH調整剤を含んでもよい。pH調整剤は、インクのpH値の調整を容易にすることができる。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸等)、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリプロパノールアミン)、有機酸(例えば、アジピン酸、クエン酸、コハク酸等)等が挙げられる。pH調整剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
〔その他の成分〕
本実施形態のインク組成物は、その保存安定性及びヘッドからの吐出安定性を良好に維持するため、目詰まり改善のため、又はインクの劣化を防止するため、溶解助剤、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。
〔記録方法〕
本実施形態の記録方法は、上記インク組成物を、インクジェット方式で吐出して、被記録媒体に付着させる吐出工程を有する。記録装置としては、従来公知のインクジェットプリンタ(記録装置)を用いることができる。図2に、本実施形態の記録方法を実施するために用いる記録装置の一例を示す。
図2は、プリンタ1の構成を示す斜視図である。図2に示すように、プリンタ1は、インクジェット式記録ヘッド2を搭載すると共にインクカートリッジ3を着脱可能に装着するキャリッジ4と、キャリッジ4を被記録媒体5の媒体幅方向(主走査方向S)に移動させるキャリッジ移動機構6と、被記録媒体5を媒体送り方向に搬送する媒体送り機構7と、を有するものである。加えて、プリンタ1は、当該プリンタ1全体の動作を制御する制御部を有している。
記録ヘッド2は、収容したインク組成物をノズルから吐出させるキャビティーと、当該キャビティー毎に設けられた、インクに吐出の駆動力を付与する吐出駆動部と、当該キャビティー毎に設けられた、ヘッドの外へインク組成物を吐出するノズルと、を有する。キャビティー、並びにキャビティー毎に設けられる吐出駆動部及びノズルは、それぞれ互いに独立して、一のヘッドに複数個設けられていてもよい。吐出駆動部は、機械的な変形によりキャビティーの容積を変化させる圧電素子などの電気機械変換素子や、熱を発することによりインクに気泡を発生させ吐出させる電子熱変換素子などを用いて形成することができる。プリンタ1は、1色のインクにつきヘッドを1個設けていても複数個設けていてもよい。本発明のインク組成物を用いて記録する場合、図1のようなよどみ点Yを持つ記録ヘッドを用いてもよい。よどみ点Yの位置は、図1の位置に限定されず、図1のようにノズル孔近くに存在してもよいし、ピエゾなどの駆動部付近(例えば、駆動部から1mmの範囲内)に存在してもよい。
インクカートリッジ3は、独立した複数のカートリッジからなり、カートリッジ毎に上述したインク組成物が充填されている。プリンタ1としては、インクカートリッジ3をキャリッジ4に搭載した、いわゆるオンキャリッジタイプのプリンタを例示したが、これに限定されるものではない。例えば、インク組成物が充填されたインク収容体(例えば、インクパック、インクカートリッジ等)をプリンタ1の筐体等に装着して、インク供給チューブを介してヘッド2に供給する、いわゆるオフキャリッジタイプのプリンタであってもよい。
インクタンクを形成するプラスティックにはステアリン酸系の離型剤が含まれる場合がある。このようなインクタンクをインク収容容器として使用する場合、インクカートリッジよりインク接触面積が広いため、より多くの離型剤がインクに溶出しやすく、インク中のカウンターイオンと結合して、水に難溶なステアリン酸塩を形成することで、ノズル目詰まりや、フィルター目詰まりを生じ、吐出の阻害要因となる場合がある。
大気解放されたインク収容容器のため、気液界面から空気を溶存しやすいためインクは飽和しやすく、また、別のインク容器からインク収容容器にインクを継ぎ足すため気泡の巻き込みも生じやすく、これらの気体が、プリンタ流路を閉塞してヘッドへのインク充填を阻害したり、または、プリンタ流路を経由してヘッド内に達し、ヘッドよどみ点に気泡が滞ることで、クリーニングシーケンスを繰り返しても、気泡除去できず、ピエゾ圧力損失が生じて、吐出不良を引き起こす原因となる場合がある。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[インク組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔色材〕
Direct Blue 87
〔化合物〕
POAAE1
POAAE2
POAAE3
POAAE4
POAAE5
POAAE6
POAAE7
〔界面活性剤〕
オルフィンE1010(アセチレングリコール系界面活性剤、日信化学工業社製)
BYK348(シリコーン系界面活性剤、ビックケミー・ジャパン社製)
FS−300(フッ素系界面活性剤、Dupont社製)
〔溶剤〕
トリエチレングリコールモノブチルエーテル
グリセリン
〔pH調整剤〕
トリエタノールアミン
〔POAAE1〜POAAE7の調製〕
日本乳化剤株式会社製のニューコール1006を70℃放置でエージング(保持)することで、POAAE1〜POAAE7を調製した。具体的には、70℃放置しているニューコール1006中のアルデヒド基を有する化合物Aの量を適宜測定し、アルデヒド基を有する化合物Aに対するヒドロキシ基を有する化合物Bの質量比が狙いの値となったところで放置を終了し、所定のPOAAE1〜POAAE7を得た。得られたPOAAE1〜POAAE7はそれぞれヒドロキシ基を有する化合物Aとアルデヒド基を有する化合物Bを含むものであった。
得られたPOAAE1〜POAAE7について、MBTH法によりアルデヒド基を有する化合物の含有量を測定した。また、エージング前のニューコール1006がヒドロキシ基を有する化合物Aを100質量%含むとして、エージング前の化合物Aの含有量から、得られた(変換された)アルデヒド基を有する化合物の含有量を差し引くことで、エージング後の化合物Aの含有量を算出した。
MBTH法によるアルデヒド基を有する化合物Bの含有量測定では、試料(POAAE1〜POAAE7)に過剰のMBTHを添加し、試料中に含まれるアルデヒドをアジンに変え、次に塩化第2鉄溶液を加えて、MBTHを反応性のカチオンに酸化した。そして、反応性カチオンとなったMBTHをアジンと反応させた。そして、分光光度計により、波長635nmにおける上記試料の吸収度を測定した。また、別途、質量が既知である化合物Bの標準液の吸光度を、上記と同じ条件で測定し、化合物Bの質量と波長365nmにおける吸光度の検量線を作成した。そして、試料の吸収度とこの検量線より、試料中の化合物Bの含有量を算出した。そして、エージング前の化合物Aの質量から、エーイング後の化合物Bの質量を引いた差分として、化合物Aの含有量を計算し、化合物Aに対する化合物Bの質量比を算出した。結果を以下に示す。
Figure 0006846001
[インク組成物の調製]
各材料を下記の表2に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各インク組成物を得た。具体的には、各材料を均一に混合し、1μmのメンブレンフィルタ(メルクミリポア社製1.0μm JA)で不溶解物を除去することにより、各インクを調製した。なお、下記の表2中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
Figure 0006846001
〔異物溶解性〕
インク組成物をインクカートリッジに収容後、密閉し、60℃で1週間保存した。保存後のインクカートリッジ内のインク組成物2mLを、孔径10μmのフィルター(メルクミリポア社製フィルター φ10μm)でろ過し、光学顕微鏡(キーエンス社製VHX−5000)を用いてそのフィルターにろ集された粒子の個数を計数した。
(評価基準)
A:10μm以上の粒子の個数が10個未満である。
B:10μm以上の粒子の個数が10個以上20個未満である。
C:10μm以上の粒子の個数が20個以上である。
〔初期充填性〕
インク組成物を、記録装置(セイコーエプソン社製インクジェットプリンタEP−805A)のインクカートリッジに充填した。使用するプリンターに搭載するヘッドには図1で示すようなよどみ点が含まれている。そして、記録装置の定める初期充填シーケンスに従い、ヘッドへの初期充填動作を行った。この後、ヘッドの全ノズルからインク組成物が吐出できるかどうかを確認するため、ノズルチェックを実施した。インク組成物が吐出できないノズルがある場合には、ヘッドのクリーニング(ノズル内のインクの吸引)を行い、その後再度ノズルチェックを実施した。全ノズルからインクが吐出できるまでに要したクリーニングの回数に基づき、以下の評価基準により初期充填性を評価した。
(評価基準)
A:初期充填シーケンスのみで全ノズルから吐出した。
B:全ノズルからインクが吐出できるまでに要したクリーニング回数が1回であった。
C:全ノズルからインクが吐出できるまでに要したクリーニング回数が2回以上であっ
た。
〔ミスト〕
記録装置(セイコーエプソン社製インクジェットプリンタEP−805A)を用いて、被記録媒体に対しインク組成物を吐出し、10分間連続して連続印刷を行った。その際、同記録装置内部に飛散するインクミストを確認するため、キャリッジ走査範囲中心部のキャリッジエンコーダー付近に、写真用紙<光沢>(セイコーエプソン社製)を3cm角に切り出したパッチを貼付した。印刷操作終了後、上記パッチを取り外して、グレタグマクベス社製eye−oneを用いて、パッチのOD値を計測した。その測定結果に基づいて、下記評価基準により、ミストを評価した。
(評価基準)
A:OD値が0.05以下である
B:OD値が0.05超0.1以下である
C:OD値が0.1超である
〔インク保存性〕
インク組成物をガラス瓶に収容後、ガラス瓶を密封し、60℃で1週間保存した。保存前後のインク組成物の20℃での粘度を、Anton Paar社製粘弾性測定装置 Physica MCR301を用いて、20℃、せん断速度200の時のインク粘度を測定し、保存前後の変化率を算出した。保存前のインク組成物の粘度に対して保存後のインク組成物の粘度が何%上昇したか、すなわち何%増粘したかを算出した。また、目視にてインク組成物に相分離が生じているか否かについて確認した。その結果に基づいて下記の評価基準でインク保存性を評価した。
(評価基準)
A:増粘が5%未満であり、インク組成物の相分離が確認されない。
B:増粘が5%以上10%未満であり、インク組成物の相分離が確認される。
C:増粘が10%以上15%未満であり、インク組成物の相分離が確認される。
1…プリンタ、2…インクジェット式記録ヘッド、3…インクカートリッジ、4…キャリッジ、5…被記録媒体、6…キャリッジ移動機構、7…媒体送り機構

Claims (4)

  1. ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤として、下記式(1)で表されるヒドロキシ基を有する化合物Aと、下記式(2)で表されるアルデヒド基を有する化合物Bと、を少なくとも含み、
    前記化合物Aに対する前記化合物Bの質量比が、0.5×10-4〜30×10-4であり、
    前記化合物Bの含有量が、前記インク組成物全量に対して、1〜100ppmである、
    インク組成物。
    R−O−(C24O)v(C36O)w(C24O)x(C36O)y−(CH2z−CH2−OH・・・式(1)
    R−O−(C24O)v(C36O)w(C24O)x(C36O)y−(CH2z−COH・・・式(2)
    (式(1)及び(2)中、Rは、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基を表し、vは、各々独立して、1〜20を表し、wは、各々独立して、0〜20を表し、xは、各々独立して、0〜20を表し、yは、各々独立して、0〜20を表し、zは、各々独立して、1〜2を表し、5≦v+w+x+y+z≦30の関係を満たす。)
  2. 前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型界面活性剤の含有量が、前記インク組成物全量に対して、0.2〜5.0質量%である、
    請求項に記載のインク組成物。
  3. 水と、浸透溶剤と、色材と、アセチレングリコール型界面活性剤、ポリシロキサン型界面活性剤、フッ素型界面活性剤、の群から選ばれる少なくとも一つと、をさらに含む、
    請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のインク組成物を、インクジェット方式で吐出して、被記録媒体に付着させる吐出工程を有する、
    記録方法。
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