JPWO2006009150A1 - 革新的殺菌方法とその用途および装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、気体水による加熱・殺菌方法及びその装置を提供するものであり、本発明は 被処理材料を加熱・殺菌する方法であって、次の工程;100℃以上に加熱された熱水及び/又は水蒸気を、これと同温度以上に加熱された準密閉空間の加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させる、上記微細水滴と湿熱水蒸気で上記加熱室内の空気を置換させて、湿度95%以上及び酸素濃度1%以下の組成を有し、90〜180℃の温度領域に保持されたガス成分で満たす、及び上記微細水滴と湿熱水蒸気で被処理材料に上記温度領域で少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して加熱・殺菌処理する、ことにより被処理材料を加熱・殺菌することを特徴とする被処理材料の加熱方法、及びその装置、に関する。

Description

本発明は、水の気体(気体水)を利用した気体水による加熱・殺菌方法及びその装置に関するものであり、更に詳しくは、加熱室を気体水で置換して形成した気体水雰囲気で被処理材料を加熱する気体水による加熱・殺菌方法、該方法による加熱・殺菌処理製品の製造方法及び該方法に使用するための気体水による加熱・殺菌装置に関するものである。
一般に、加熱水蒸気を利用した加熱方法として、例えば、飽和水蒸気を用いたいわゆるスチーム加熱(蒸煮)、ボイラーから発生させた高圧水蒸気を用いた高圧水蒸気加熱が知られており、また、ボイラーから発生させた高圧水蒸気を更に高温に加熱して形成した高温高圧の過熱水蒸気(過熱蒸気)を用いた過熱水蒸気加熱が知られている。これらのうち、上記スチーム加熱は、水を100〜120℃程度に加熱して生成した水蒸気を加熱室内に充満させて、いわゆる「蒸し」により被処理材料を加熱処理する方法である。また、ボイラーの高圧水蒸気を用いた高圧水蒸気加熱は、加圧して高温化した飽和水蒸気を熱源に用いて被処理材料を加熱処理する方法である。
一方、上記過熱水蒸気加熱は、ボイラーから発生させた高圧水蒸気を更に加熱して140℃以上に高温化した、熱エネルギー的に準安定な過熱水蒸気を加熱室内に噴射し、充満させて、被処理材料を加熱処理する方法である。この方法では、過熱水蒸気による乾燥した高温高圧雰囲気が形成されるので、この加熱方法は、焼成に近い加熱手段として利用されている。上記過熱水蒸気加熱は、高温高圧で、高カロリーで、しかも、熱エネルギー的に準安定な乾燥水蒸気を利用できるため、例えば、食品の加熱焼成手段、農畜産物系廃棄物の焼成手段、木材等の炭化手段、金属材料表面等の洗浄手段等として、広くその応用技術が提案されている(特許文献1〜5参照)。
しかしながら、この種の加熱方法では、例えば、高温高圧水蒸気を発生させるボイラー、及びボイラーからの高温高圧水蒸気を更に加熱する高温加熱手段が必要とされること、設備が大型になること、加熱室に高温高圧の過熱水蒸気を噴射するため、エネルギーロスが大きく、既存の焼成方法と比べて効率的でないこと、いわゆる通常の水蒸気加熱で十分な場合が多く、あえて過熱水蒸気加熱を利用する必要性が少ないこと、少量処理には不向きであること、焼成効果が未だ十分に検証されていないために実用化に距離があること、等の問題があり、しかも、それらの問題は、いまだ解決されていない。
特開平06−090677号公報 特開2001−061655号公報 特開2001−214177号公報 特開2001−323085号公報 特開2002−194362号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記通常の水蒸気加熱や上記過熱水蒸気加熱とは別異の、全く新しい水蒸気による加熱・殺菌方式を開発すべく鋭意研究及び検討を積み重ねた結果、従来法では水の気体としての特性を必ずしも十分に活用していないこと、加熱室を水の気体で置換して、「気体水」雰囲気を形成することで水の気体としての特性を十分に活用できること、それにより、従来法とは本質的に異なる新しい水蒸気を利用した加熱・殺菌方式を実現できること、を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、従来の水蒸気加熱や過熱水蒸気加熱とは全く別異の、新しい「気体水」による加熱・殺菌方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、上記「気体水」加熱・殺菌方法で使用する「気体水」の発生装置及び「気体水」による加熱・殺菌装置を提供することを目的とするものである。
更に、本発明は、加熱室を水の気体で置換し、湿度99.0%以上、酸素濃度を1.0%以下のガス成分(気体水)を形成する方法、及び該方法で形成した「気体水」雰囲気で被処理材料を加熱・殺菌する方法、該方法により加熱・殺菌処理製品を製造する方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)被処理材料を加熱・殺菌する方法であって、次の工程;
1)100℃以上に加熱された熱水及び/又は水蒸気を、これと同温度以上に加熱された準密閉空間の加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させる、
2)上記微細水滴と湿熱水蒸気で上記加熱室内の空気を置換させて、湿度95%以上及び酸素濃度1%以下の組成を有し、90〜180℃の温度領域に保持されたガス成分で満たす、
3)上記微細水滴と湿熱水蒸気で被加熱・殺菌材料に上記温度領域で少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して加熱・殺菌処理する、
ことにより被処理材料を加熱・殺菌することを特徴とする被処理材料の加熱・殺菌方法。(2)上記微細水滴と湿熱水蒸気で上記加熱室内の空気を置換させて、湿度99%以上及び酸素濃度1%以下の組成を有し、95〜150℃の温度領域に保持されたガス成分で満たすことを特徴とする、前記(1)に記載の加熱・殺菌方法。
(3)熱水及び/又は水蒸気の温度と、準密閉空間の加熱室内の温度を調節することにより、微細水滴と湿熱水蒸気、及び乾熱水蒸気を発生させ、これらの三者を任意に組み合わせて、被処理材料を加熱・殺菌処理することを特徴とする、前記(1)に記載の加熱・殺菌方法。
(4)前記(1)から(3)のいずれかに記載の加熱・殺菌方法により被処理材料を加熱・殺菌することにより加熱・殺菌処理製品を製造することを特徴とする加熱・殺菌処理製品の製造方法。
(5)被処理材料が、食材又は食品である、前記(4)に記載の加熱・殺菌処理製品の製造方法。
(6)前記(1)から(5)のいずれかに記載の方法に使用する装置であって、少なくとも、被処理材料を外気と遮断して加熱する準密閉状態の加熱室、該加熱室を100℃を越える所定の温度に加熱する加熱手段、100℃以上に加熱された熱水及び/又は水蒸気を上記加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させて所定の方向に移送する水蒸気発生手段、を構成要素として含み、100℃以上に加熱された熱水及び/又は水蒸気を上記加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させ、加熱室内部を常圧状態のまま微細水滴と水蒸気で充満させ、湿度95%以上、酸素濃度1.0%以下の組成を有し、90〜180℃の温度領域に保持されたガス成分で加熱室内部の空気を置換し、該微細水滴と湿熱水蒸気で加熱室内の被処理材料に上記温度領域で少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して加熱・殺菌処理するようにしたことを特徴とする気体水による加熱・殺菌装置。
(7)水蒸気発生手段として、給水タンク、該給水タンクの水を加熱室へ給水する給水ポンプ、該給水された水を100℃以上に加熱するための外部ヒーターを配設した給水用細管、その先端に設置された噴射ノズル、該噴射ノズルから噴射された高温水蒸気を微細化して所定の方向に移送する回転可能な循環ファンを有することを特徴とする、前記(6)に記載の加熱・殺菌装置。
(8)加熱室を100℃を超える所定の温度に加熱する加熱手段として、加熱室内で発生させた微細水滴と湿熱水蒸気と接触する位置に、シーズヒーターをヘアピン状に複数設置したことを特徴とする、前記(6)に記載の加熱・殺菌装置。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の加熱・殺菌方法(以下、「加熱・殺菌」を単に「加熱」と記載することがある。)は、(1)100℃以上に加熱された熱水及び/又は水蒸気を、これと同温度以上に加熱された準密閉空間の加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させる、(2)上記微細水滴と湿熱水蒸気で上記加熱室内の空気を置換させて、湿度95%以上及び酸素濃度1%以下の組成を有し、90〜180℃の温度領域に保持されたガス成分で満たす、(3)上記微細水滴と湿熱水蒸気で被処理材料に上記温度領域で少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して加熱処理する、ことを特徴とするものである。本発明において、微細水滴と湿熱水蒸気とは、高湿度の湿熱水蒸気とその凝縮により部分的に生成する微細水滴との混合系を意味し、乾熱水蒸気とは、上記湿熱水蒸気の乾燥により部分的に生成する高乾燥水蒸気を意味する。本発明では、上記微細水滴と湿熱水蒸気で被処理材料に90〜180℃の温度領域で少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して加熱処理するが、ここで、少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱とは、90〜180℃の温度範囲において、短時間に10℃を上回る温度差の振幅で連続的に加熱することを意味する。本発明では、例えば、10〜50℃の温度差の振幅で連続的に被処理材料を加熱することができる。本発明では、上記微細水滴と湿熱水蒸気の混合状態を気体水(アクアガスと(登録商標))と称する。
本発明では、加熱室を100℃を越える所定の温度に加熱すると共に、該加熱室に熱水及び/又は水蒸気を導入し、該加熱室を水の気体(気体水)で置換し、酸素濃度を1.0%以下に低下させることにより形成した気体水雰囲気で被加熱材料を加熱する。本発明において、上記加熱室は、被加熱材料を外気と遮断して加熱することができる所定の準閉鎖系空間で構成され、好適には、例えば、被加熱材料を載せるためのプレート、一部にガラス窓部を形成した開閉可能なドア部を有する準密閉空間が例示される。加熱室は、好適には、ステンレス製の素材で形成される。本発明では、上記加熱室を100℃を越える所定の温度に加熱するが、この場合、好適には、該加熱室に導入する熱水及び/又は水蒸気の温度と同等又はそれ以上に加熱する。
本発明では、上記のように、加熱室を所定の温度に加熱すると共に、該加熱室で微細水滴と湿熱水蒸気を発生させ、該加熱室内の空気を水の気体で置換する。この場合、上記微細水滴と湿熱水蒸気は、例えば、細管を通して所定の流速で送水された水を細管の外部からヒータで加熱し、細管の端部に設けられたノズルを介して加熱室に導入することで生成される。上記微細水滴と湿熱水蒸気は、100〜180℃、より好適には、95〜150℃に加熱された高温常圧のガス成分であり、被処理材料を高いエネルギー効率で加熱する作用を有する。加熱された水は、加熱室内にノズルを介して噴霧される。加熱室内は常圧状態で100℃以上の所定の温度に加熱制御されており、噴霧された水滴は気化して、加熱室内を微細水滴と湿熱水蒸気の混合状態にする。その際に、噴霧される水量及び水滴径を調整することで、水蒸気雰囲気に一部微細水滴を混合させる状態を作り出すことができ、このような状態をアクアガスと呼ぶ。
本発明では、給水タンクの水を給水ポンプで汲み上げ、細管からなる導管を通して水蒸気発生蓄熱パネルに供給し、加熱ヒーターにより、例えば、105〜200℃の所定の温度に加熱し、そのまま、細管の先端に設置した水蒸気噴射ノズルから高速で熱水及び/又は水蒸気を噴射させる。この場合、水蒸気ノズルとしては、先端に微細噴射孔を形成してなる、熱水及び/又は水蒸気を微細化して噴出する機能を有するものであれば、適宜のものが用いられる。微細噴射孔の孔径、孔数、孔の穿設位置等は任意に設定できる。水蒸気噴射ノズルからの熱水及び/又は水蒸気の噴射速度は、好適には、噴射ノズル先端において160〜200/s程度であるが、これらに制限されるものではなく、装置の大きさ、種類及び使用目的等に応じて、例えば、微細噴射孔の孔径、孔数等を変更することにより任意に設定することができる。
本発明では、例えば、上記微細噴射ノズルから噴射された水蒸気を加熱室に導入するが、その際に、噴射ノズルの先端に近接して設置した循環ファンに水蒸気を噴射して、循環ファンの回転による衝撃力と風力により所定の風向に水蒸気を移送すると共に、それらの風向に合わせて設置された加熱ヒーターに水蒸気を接触させて、水蒸気をその温度を低下させずに加熱室全体に導入し、該加熱室を所定の温度に保持された水の気体で置換し、湿度95%以上、酸素濃度1.0%以下、より好適には、湿度99.0%以上、酸素濃度1.0%以下のガス成分で加熱室を満たすことにより加熱室内に気体水雰囲気を形成することができる。微細噴射口から噴射された熱水及び/又は水蒸気は、循環ファンに衝突することで更に微細化する。また、循環ファンにより形成された風向の風下に設置された加熱ヒーターは、その表面が噴射された熱水及び/又は水蒸気に直接的に、かつ広面積で接触するように、好適には、噴射された熱水及び/又は水蒸気をなるべく遮るような位置及び方向に設置する。それにより、加熱ヒーターによる熱を噴射された熱水及び/又は水蒸気に効率良く伝達し、噴射された熱水及び/又は水蒸気の温度低下を確実に防止することが可能となる。
上記循環ファンは、例えば、加熱室内部の後面側の中央に設置され、噴射された熱水及び/又は水蒸気を、加熱室内部の左側面部及び右側面部に位置するダクト内に設置された加熱ヒーターに直接接触するように移送する機能を有するものが例示されるが、これらに制限されるものではない。また、上記加熱ヒーターは、好適には、例えば、シーズヒーター等をヘアピン状に多数設置して、噴射された熱水及び/又は水蒸気との接触面積が増えるようにしたものが例示されるが、これらに制限されるものではなく、同様の機能を有するものであれば同様に使用することができる。上記循環ファンの回転数及び回転方向は、装置の大きさ、ダクトの位置、形状、加熱ヒーターの形状、設置位置等を考慮して、噴射された熱水及び/又は水蒸気がダクト内に循環風として循環し得るように設定される。
加熱室は気体水で置換された段階で、被処理材料を加熱室に導入し、上記気体水を熱媒体として利用して、所定の加熱処理を行う。ここで言う加熱処理とは、上記気体水を熱源として利用するあらゆる種類の加熱処理を含むものであり、好適には、例えば、凍結材料の加熱による解凍処理、材料の加熱加工、材料の加熱による乾燥加工、材料の加熱による溶融又は焼成加工、水を含む液体の加熱処理等が例示される。本発明において、被処理材料は、特に制限されるものではないが、好適には、例えば、凍結品、植物製品、有機物、無機物、農産物、食料品、木材、金属、セラミックス、プラスチック等が例示されるが、本発明は、これらに制限されるものではなく、その他、乾燥、加熱、殺菌、焼成、解凍、調理などの加熱処理が適用されるあらゆる種類の被処理材料に適用され得るものである。
加熱室に導入した被処理材料は、所定の加熱処理を施した後、適宜のタイミングで加熱室の外に搬出され、被処理材料に接触した気体水は、気体水排出口から系外に排出される。加熱室内に噴射された熱水及び/又は水蒸気は、まず、循環ファンに衝突し、微細化され、ダクトに移送され、ダクト内に設置した加熱ヒーターに接触し、所定の温度に加熱された後、加熱室内に導入された被処理材料に接触し、熱媒体として利用された後、系外に排出される。熱媒体としての気体水の熱エネルギーは、被処理材料の加熱処理の熱源として利用されるが、本発明では、噴射された熱水及び/又は水蒸気は、そのまま、被処理材料に接触するのではなく、一旦、ダクト内に設置された加熱ヒーターにより加熱された後に、被処理材料に接触し、噴射された熱水及び/又は水蒸気の熱量を低下させることなく、被処理材料を加熱するので、被処理材料を効率よく加熱することが可能となる。
また、噴射された熱水及び/又は水蒸気は、例えば、高速で循環ファンに衝突し、その衝突により衝撃で水滴が分割されて、更に、微細化されると共に、更に、加熱ヒーターで加熱されるので、この微細化された高温の気体水は、肉眼観察で完全に透明な高熱伝導率の高温の水粒子からなり、被処理材料の内部への浸透性が高く、一旦、被処理材料の内部へ浸透して熱交換を行った気体水に対し、後続の高温の気体水が熱エネルギーをたえず供給するので、高熱伝導率を有する熱が連続的に内部へ移動し、気体水が、効率よく被処理材料の内部へ浸透し、短時間で被処理材料を加熱することができる。
本発明において、上記噴出された熱水及び/又は水蒸気の水滴は、必要により、循環ファンに衝突することで更に微細化され、殺菌性の微細な水粒子として加熱室に充満する。実験の結果、給水タンクから採取された水のpHは約6.9〜7.1であったが、この殺菌性微細水粒子のpHは、約5.2〜5.8であり、105℃以上の高温条件と協動して、加熱室内で高殺菌性気体水雰囲気を形成する。したがって、本発明を、例えば、農産物、食料品に適用した場合には、高殺菌性雰囲気下で被処理材料を加熱処理することができるので、加熱と同時に高殺菌効果を付与できる。
次に、本発明の気体水による加熱装置の一実施の形態を図に基づいて具体的に説明する。ただし、図は、本発明の装置の一例を示すものであり、本発明は、これに制限されるものではなく、また、各構成要素は、同様の機能を有する同様の手段に置換することが可能であり、更に、公知の手段を任意に付加することができる。図1は、本発明の加熱装置の正面図であり、被処理材料を外気と遮断して加熱するための加熱室1、その正面に設置された開閉可能なドア部2、そのハンドル3及び窓4、操作パネル5、及び供給水の加熱装置15を構成要素として含むバッチ式の装置を示す。加熱室1は、被処理材料(図示せず)をその内部に収容して加熱処理し得る所定の空間を形成する。加熱室1の正面に設置されたドア部2は、ハンドル3を操作して適宜開閉し得る構造を有し、窓4は、被処理材料の加熱状況を確認するために設置される。尚、加熱室は、単一又は複数であっても良く、例えば、連続式の装置では、処理温度の異なる複数の加熱室を設けることが可能であり、その場合、ドア部は省略することができる。
図2は、上記装置の縦断平面図であり、水蒸気発生蓄熱パネル6を通して加熱された水は、高温水蒸気として微細水蒸気噴出ノズルを介して加熱室内に噴出され、回転する循環ファン7に衝突して微細化されると共に、左右に設置されたダクト8、8′に移送され、ダクト内8、8′内に設置された加熱ヒーター9に接触して、所定の温度に加熱され、循環風向10として被処理材料(図示せず)に接触し、被処理材料を加熱する。熱源として利用された気体水は、排出口11から系外に排出される。加熱室内に噴射された水蒸気は、循環ファン7により、装置の左側面部及び右側面部に設けられたダクト8、8′に移送され、加熱ヒーター9により加熱される。
本発明では、加熱ヒーター9の温度条件は、好適には、噴射された熱水及び/又は水蒸気の温度レベルに合わせるか、それ以上の温度に設定することが重要である。それにより、噴射された熱水及び/又は水蒸気の温度レベルを低下させることなく、噴射された熱水及び/又は水蒸気の温度レベルを維持した気体水で加熱室を満たすことが可能となるが、仮に、加熱ヒーターを設置しない場合には、このような気体水雰囲気を形成することはできない。また、加熱室内及び噴射された熱水及び/又は水蒸気を加熱するための加熱ヒーターと、供給された水を加熱して所定の温度の高温水蒸気を発生させるための加熱手段とを独立して設置し、これらを併用することにより、噴射される熱水及び/又は水蒸気の温度と、加熱室内の温度を独立して制御することが可能となり、それにより、噴射された熱水及び/又は水蒸気の熱量を過度にロスすることなく、省エネルギーで気体水による被処理材料の加熱処理を実施することができる。
図3は、図2の水蒸気発生高熱パネルの一実施例であり、給水タンクから給水ポンプを介して供給される水を、ヒーター線を配設した細管を経由して水を加熱すると共に、その先端に設置された噴射ノズル11から、微細水粒子12を噴出する。図3には、U字状の細管を多数組み合わせた水蒸気発生蓄熱パネル6の一例を示したが、これに制限されるものではなく、同様の機能を有するものであれば同様に使用することができる。本発明では、上記水蒸気発生蓄熱パネルにより、水を、好適には、105〜200℃に加熱するが、高効率の加熱をするには、水を約108〜115℃に加熱して噴出させることが好ましい。本発明において、熱媒体としての気体水を最も効率よく利用するには、約108〜115℃に設定された加熱室に約108〜115℃に加熱された熱水及び/又は水蒸気を噴出することが好適なものとして例示されるが、被処理材料の性質、加熱処理の種類及び本発明の装置の使用目的等に応じてこれらの温度条件を任意に設定することができる。
本発明において、気体水(アクアガス(登録商標)、AQGと記載することがある。)とは、開放管等の開放系の中で外部ヒータにより100℃以上に加熱された熱水及び/又は水蒸気を、圧力を生じさせないように開放系の準密閉状態で熱水及び/又は水蒸気温度と同温度以上に安定的に加熱された加熱室内で、連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させ、加熱室内部を常圧状態のまま水蒸気で充満させ、空気との置換により、湿度90%以上、酸素濃度1.0%以下、より好ましくは、湿度99.0%以上、酸素濃度1.0%以下にしたガス成分として定義される。上記加熱室内で発生させたガス成分(気体水)は、水蒸気温度と同温度以上に安定的に加熱された加熱室内では、温度低下を起こさないことから、凝縮が少なく、水蒸気の有する高い潜熱と吐出された水蒸気の密度が安定的に維持されるので、熱エネルギーのロスが少なく、高熱量の熱媒体として作用し、非酸化状態での省エネ加熱を可能とすることができる。気体水は、上記開放系の外部ヒータ(パネルヒータ)及び加熱室内の加熱ヒータの容量を選択することにより、好適には、例えば、100〜180℃の温度に維持できるが、これらに制限されるものではなく、その使用目的等に応じて、適宜の温度条件に選定できる。気体水は、水蒸気及び過熱水蒸気と比べて、より高い熱の伝導性を持ち、例えば、加工食品の歩留まりを向上させるような初期凝縮期間の調整を可能とするような、湿熱水蒸気及び微細水滴を用いた加熱媒体「アクアガス」として、特に、食品の加熱・殺菌加工に好適に用いられる。
従来、通常の蒸気による加熱方式、高温高圧水蒸気による加熱方式、スチームコンベクションオーブンによる加熱方式等が存在するが、これらの加熱方式の内、高温高圧水蒸気による加熱方法では、高温高圧水蒸気を減圧し、低圧水蒸気の状態で、圧力を生じないように開放管を設けて準密閉状態にした加熱室へ連続的に導入した場合、加熱室及び被加熱材料は、低圧水蒸気の熱エネルギーで加熱されることから、加熱室内の温度は、導入される水蒸気の温度よりも低くなり、そのために、水蒸気は常に凝縮し、液化され、潜熱量は低下し、エネルギーのロスがきわめて大きくなる。また、加熱室内部を低圧水蒸気で充満させ、残留する酸素濃度を1.0%以下に維持するためには、大量の水蒸気と熱エネルギーが必要となる。
この加熱方式で被処理材料を加熱する場合、導入される水蒸気より温度の低い加熱室内には、常に大量の低圧水蒸気が送り込まれ、熱交換による凝縮が発生する。そのため、例えば、130℃以下では、被処理材料は、その凝縮の影響により蒸しの状態での加熱となる。他方、スチームコンベクションオーブンによる加熱方式では、加熱室内は一定温度に加熱された状態であり、水蒸気は常に気化温度での水の蒸発により発生し、水蒸気の温度は、加熱室内部の温度の上昇により上昇する。水蒸気は加熱室内では温度上昇過程にあり、十分な密度及び潜熱量を保つことができない。この加熱方式で被処理材料を加熱する場合、充満した水蒸気による加熱ではなく、乾燥空気が含まれた水蒸気による加熱となり、その潜熱量は小さくなる。
これらの加熱方式に対して、本発明の加熱方式では、開放管等の開放系の中で外部ヒータにより100℃以上に加熱された水蒸気を、圧力を生じさせないように開放管を設けた準密閉状態で、かつ水蒸気温度と同温度以上に安定的に加熱された加熱室内で、連続的に熱水及び/又は水蒸気を噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させるので、加熱室の内部は常圧状態のまま水蒸気で充満され、空気との置換が行われ、例えば、湿度99.0%以上、酸素濃度1.0%以下のガス成分の状態となり、発生した水蒸気は温度低下を起こさないことから高い潜熱量の維持が可能となる。この加熱方式で被処理材料を加熱する場合、加熱室内での温度低下が起こらず、水蒸気の凝縮が少なく、また、高い潜熱量を維持して、非酸化的な加熱が可能となると共に、被処理材料に90〜180℃の温度領域で少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施すことが可能となる。このように、本発明の加熱方式は、高潜熱量での省エネルギー加熱、凝縮の影響のない加熱及び非酸化状態での加熱を実現するものである。表1に、これらの加熱方式の特徴的部分を比較して示す。
本発明により、1)被処理材料に90〜180℃の温度領域で少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して加熱・殺菌処理することができる、2)被処理材料を外界と遮断して加熱するための加熱室を、水の気体で置換し、湿度99.0%以上、酸素濃度を0.1%以下のガス成分(気体水雰囲気)にすることができる、3)上記気体水で被処理材料を短時間で効率よく低侵襲的に加熱・殺菌することができる、4)凍結品の解凍、農産物、食料品の加熱・殺菌調理、木材、金属、セラミック材料等の加熱、乾燥、焼成に適用できる、5)気体水を生成させ、それを熱媒体として利用する気体水による加熱・殺菌装置を提供することができる、等の効果が奏される。
次に、試験例及び実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
試験例1
本試験例では、図1に示すアクアガス発生装置を用いて、アクアガスの発生試験を実施した。アクアガス発生装置の運転を開始し、準密閉状態の加熱室(加熱チャンバー)を水蒸気温度と同温度に加熱し、次いで、該チャンバーに300℃に加熱された水蒸気を連続的に噴射させて、チャンバーの内部を常圧状態のまま水蒸気で充満させた。運転開始から25分経過後に微細水滴と湿熱水蒸気の混合状態を作り出し、約7分後に湿度99.9%、酸素濃度0.01%の「気体水」の状態に達した。上記アクアガス発生装置による気体水生成過程におけるチャンバー内の温度、湿度、酸素濃度、排気温度を測定した結果を図4に示す。図中で、25分経過後に、チャンバー内の酸素濃度の急激な低下及び湿度の急激な上昇を経て、気体水が生成されることが分かる。
試験例2
本試験例では、図1に示す装置において、水蒸気発生用パネルヒータ(2kw)、加熱室内の加熱ヒータ(10kw)を用いて、アクアガス発生装置の運転時の100℃から300℃までの水蒸気吐出温度と、装置内温度、装置内湿度、及び装置内酸素濃度との関係を調べた。その結果を図5に示す。上記パネルヒータは100℃以上において、連続最大運転とし、上記加熱ヒータは110℃以上において、連続最大運転とした。ただし、100℃以下においては、その設定温度に設定した。図に示されるように、約100〜115℃の気化発生期の水蒸気では、温度上昇に時間を要し、約120℃以上の水蒸気は装置内温度に連動して短時間、かつ安定な温度上昇を示し、装置内温度と水蒸気温度がきわめて安定に制御し得ることが分かった。他方、115℃前後の水蒸気は、準安定状態ではあるが、高密度で高い潜熱量を有する熱媒体として利用し得ると考えられる。これにより、本発明では、これらの準安定及び安定状態の気体水を、その特性を生かして、被加熱材料の種類、加熱加工の目的等に応じて任意に選択し、使用することが可能であることが分かった。
試験例3
本試験例では、図1に示す装置を用いて、気体水発生時における水蒸気及び微細水滴噴射ノズル付近の温度変化を調べた。その結果を図6に示す。図に示されるように、約95〜150℃の温度領域で約10〜40℃の温度差の振幅で連続的かつ短時間の温度変化が生起することが分かった。また、上記温度差の振幅と、微細水滴と湿熱水蒸気及び乾熱水蒸気の組成は、噴射する水蒸気の温度と装置内温度を調節することにより、変化させ得ることが分かった。また、気体水発生時における装置内温度と気体水温度を比較した。供給水を加熱装置15で余熱し、供給水量は定量ポンプ115spm(3.62l/h)とした。その結果を図7に示す。図に示されるように、装置内温度を約120〜150℃の温度範囲で調節することにより、気体水の約20〜50℃の温度差の振幅の条件で連続振幅加熱できることが分かった。
また、上記と同様にして、気体水発生時における装置内温度と気体水温度を比較した。その結果を図8に示す。図に示されるように、装置内温度を約115〜165℃の温度範囲で調節することにより、気体水の約20〜50℃の温度差の振幅の条件で連続振幅加熱できることが分かった。更に、約115〜165℃の温度範囲の気体水を用いて、水道水(100cc)を80℃に加熱するための加熱時間を比較した。その結果を図9に示す。図に示されるように、約115℃の温度条件の気体水を用いたとき、最も加熱時間が短く、高いエネルギー効率を示すことが分かった。
試験例4
上記試験例3と同様にして作り出したアクアガスの温度と時間の関係を調べた。図10に、115℃のアクアガスの温度時間曲線(庫内)、図11に、115℃のアクアガスの温度時間曲線(噴射ノズル部)を示す。比較例として、過熱水蒸気及び飽和水蒸気の温度時間曲線(庫内及び噴射ノズル部)を図12及び図13に示す。アクアガスの温度時間曲線は、過熱水蒸気及び飽和水蒸気の温度時間曲線と本質的に相違していることが分かる。
本実施例では、各食品をアクアガス加熱・殺菌処理した。
1)一般生菌数に対する効果
アクアガス処理を、以下の条件で各食品に施した。
キュウリ3分間、ホウレン草10秒間、イチゴ10秒間、ジャガイモ(ラウンド、芯温75℃到達)16分間、大豆(24時間アルカリイオン水に浸漬)20分間、金時豆(24時間アルカリイオン水に浸漬)20分間、黒大豆(24時間アルカリイオン水に浸漬)20分間、及び米(アルカリイオン水に40分間浸漬後、25分間アクアガスで加熱炊飯)。その結果を表2に示す。表2から、アクアガス処理は、ホウレン草以外の野菜類及び穀類に対して顕著な殺菌効果を示すことが分かる。
2)大腸菌群に対する効果
アクアガス処理を、表3に示す条件で各食品に施して、大腸菌群に対する殺菌効果を調べた。その結果を表3に示す。表から、アクアガス処理は、従来加熱に比べて顕著な殺菌効果を示すことが分かる。
3)カビ酵母に対する効果
アクアガス処理を、実施例1と同様にして、各食品に施してカビ酵母に対する殺菌効果を調べた。その結果を表4に示す。表から、アクアガス処理野菜類及び穀類のカビ酵母数は、顕著に少ないことが分かる。
4)耐熱性芽胞菌に対する効果
アクアガス処理を、枯草菌、野菜及び穀類に施して耐熱性芽胞菌に対する殺菌効果を調べた。その結果を表5に示す。表から、普通寒天培地に塗末した枯草菌の胞子105 CFU/mlはアクアガスの短時間、60秒間、で速やかに殺菌されること、及びアクアガス処理をした穀類及び芋は、顕著に殺菌されること、が分かった。
本実施例では、各食品をアクアガス加熱・殺菌処理すると共に、殺菌食材等の保存安定性について調べた。
1)野菜類
(1)前処理法
春大根 :皮むき後、3cmの厚輪切りで供した。
新玉葱 :皮を剥き3mmにスライスして供した。
新筍 :皮を剥き5mmにスライスして供した。
新胡瓜 :3mmスライスで供した。
春キャベツ :芯取り、乱切りで供した。
新ブロッコリー:茎をカットして供した。
人参 :皮むき、3mm銀杏切り
新玉蜀黍 :一枚残しで皮を剥き芯付で供した。
男爵いも :そのまま、水道流水で洗浄して供試した。
男爵いも皮なしカット:皮むきいもを一口大にカット後、水道流水で洗浄して供試した 。
(2)アクアガス加熱・殺菌試験
前処理野菜類を所定のトレーに乗せ、一個の検体の中心部に温度センサーを挿入して芯温を測定出来る様にセットした。加熱終了後、検体を無菌袋に入れて冷流水で徐熱した。「茹で」と「蒸し」処理を対照とした。その結果を表6に示す。
本実施例では、アクアガス殺菌野菜類を作製し、惣菜類の日持ち性について調べた。
1)たっぷり野菜入りポテトサラダ
AQG男爵芋 :46.4%(上記実施例2で調製したものを破砕して使用)
AQG人参 :10%(上記実施例2で調製したものを使用)
AQGキャベツ:10%(上記実施例2で調製したものを使用)
AQG胡瓜 :10%(上記実施例2で調製したものを使用)
AQG玉葱 :7.1%(上記実施例2で調製したものを使用)
マヨネーズ :15%
上白糖 :1%
生クリーム :0.4%
食塩 :0.1%
胡椒 :0.01%
以上の処方で試作した「たっぷり野菜入りポテトサラダ」の初発一般生菌数は300以下、10℃で4日間保存後も300以下であった。通常の熱処理した食材で試作した「たっぷり野菜入りポテトサラダ」の初発一般生菌数は15×103 、10℃で4日間保存後では90×105 となった。
2)南瓜煮
冷凍カット南瓜:1kg
調味液(噴霧):10g(調味液;醤油14.2%、合せ出汁14.2%、水71.6%)
上白糖(まぶす):80g
上記処方をアクアガスで11分間加熱した「南瓜煮」は、初発一般生菌数及び10℃4日間保存後が共に300以下であった。蒸し加熱で11分間加熱調理した対照は、初発は300以下であるが、10℃4日間保存後は11×104 となった。
3)大根煮
AQG大根 :48%(上記実施例2で調製したものを半割にして使用)
醤油 :3.94%
上白糖 :5.91%
風味だし :1.75%(顆粒)
鶏がらスープ:0.88%(顆粒)
水 :39.6%
上記処方で常法で調製した「大根煮」は、初発及び10℃4日間保存後の一般生菌数は、共に300以下であった。一方、水から40分間茹でた大根で調理した対照品は、初発が300以下で10℃4日間保存後の一般生菌数は56×103 となった。
4)新筍土佐煮
AQG新筍 :49.5%(上記実施例2で調製したものを銀杏切にして使用)
醤油 :4.94%
みりん :4%
上白糖 :3.2%
風味だし :0.82%(顆粒)
鶏がらスープ:0.16%(顆粒)
こく味調味料:0.16%
鰹節破片 :0.2%
水 :37%
上記処方で常法で調理した「新筍土佐煮」は、初発及び10℃4日間保存後の一般生菌数は、共に、300以下であった。一方、市販の「水煮筍」から調理した「筍土佐煮」も初発及び10℃4日間保存後の一般生菌数は同じく300以下であるものの、風味と食感及び香は、遥かにAQG処方が優れていた。
本実施例では、生乳のアクアガス加熱及びそれによる低侵襲性殺菌試験を行った。
市販品(山川牧場特濃牛乳(北海道亀田群七飯町字大沼町628))の原料となるフレッシュな生乳(当日搾乳)を同牧場から特別に調達し、下記の所定の前処理後、これらを所定の条件で気体水殺菌装置で加熱処理し、所定の後処理を行って、所定の一般生菌数検査を行った。
(1)前処理方法
クリーンベンチでステンレスボウルに数百g(液深30〜35mm)の生乳を取り、液中心部に温度センサーを固定した。
(2)アクアガス加熱殺菌試験
上記ボウルをアクアガス殺菌装置にセットし、所定温度まで加熱した。クリーンベンチで徐熱し、生菌数検査に供した。
(3)初発一般生菌数検査結果
標準寒天平板培養法で測定した結果を表3に示す。芯温95℃/1分間保持と芯温85℃到達、何れも有効な殺菌効果を示した。一次的官能性評価の結果も良好であり、形状変化も無く、特有の“乳臭さ”が抜け、滑らかで飲み易いと好評であった。
(4)保存試験
冷蔵(3〜5℃)保存性試験及び室温(平均25℃)放置試験を行った。所定時間毎に一般生菌数を測定した。その結果を、表7、表8に示す。対照には山川牧場特濃牛乳(75℃15分間殺菌のノンホモゲナイズド無添加無調整品;消費期限10℃以下保存で5日間以内)を供した。冷蔵保存条件下では、95℃/1分、85℃、何れも3週間及び1ヶ月経過後も生菌数はゼロであった。室温保存条件では、95℃/1分は7日経過後で生菌数ゼロ、12日後に分離が始った。一方、85℃品は、5日経過時に生菌数が106 以上となった。市販品は5日経過時の生菌数がゼロで、7日目では10以上となった。これらのバッチ式実験結果は、連続式(細管型や薄膜型)での有効性を示唆するものである。
本実施例では、米穀・雑穀をアクアガス加熱・殺菌処理した。
(米の殺菌試験)
市販米(こしひかり)をそのままアクアガス殺菌に供した。初発菌数及の定法による測定結果を表9に示す。
(アクアガス炊飯の日持ちと呈味性評価)
市販米(こしひかり)を水道水で研ぎ、ざるに上げて水切後、ステンレスボウルに移し、1.2倍量(容量)の水を加えて、冷蔵庫で90分間浸漬した後に、35分間アクアガス加熱炊飯を行った。15分間蒸らして、冷まし一次官能性評価、初発菌数の測定と蓋付き透明プラスチック容器に入れて日持ち試験に供した。また、市販米(こしひかり)を水道水で研ぎ、ざるに上げて水切後、ステンレスボウルに移し、1.1倍量(容量)の水を加えて、冷蔵庫で40分間浸漬した後に、30分間アクアガス加熱炊飯を行った。10分間蒸らして、冷まし一次官能性評価、初発菌数の測定と蓋付き透明プラスチック容器に入れて日持ち試験に供した。これらの結果を表10に示した。
(赤飯)
ささげ豆を洗豆後、3倍量の水に浸漬して、10分間アクアガス加熱し、煮汁を切り、3倍量の水で再度10分間アクアガス加熱した。次に、もち米を洗米後、ささげ豆煮汁に1時間浸漬し、水切りした。これを20分間アクアガス加熱後、2.4%塩水を打ち5秒後に再度10分間アクアガスで加熱した。該AQG赤飯は、初発及び25℃48時間保存後も一般生菌数は300以下であった。これに対し、常法の蒸篭蒸しの赤飯は、初発は300以下であったが、25℃48時間保存後は一般生菌数が50×105 となった。
本実施例では、豆類をアクアガス加熱・殺菌処理した。
大正金時と小豆を4倍量のアルカリイオン水に38時間冷蔵庫内で浸漬し水切しトレーに敷き詰めて、アクアガス加熱・殺菌を行った。大正金時は40分間、小豆は20分間、各々加熱し、放熱後、一次官能性評価、初発菌数測定に供した。その結果を表11に示した。
本実施例では、魚介類をアクアガス加熱・殺菌処理した。
(ウニの保蔵性・呈味性)
市販の筏品を一粒づつアルミホイル上に並べ、その一粒の芯部に温度センサーをセットしてアクアガス加熱殺菌を行った。放熱後、歩留まり測定、官能性評価、初発菌数測定と脱酸素剤同封の真空パックにして冷蔵保蔵験に供した。その結果を表12に示した。
(タラコ(真子)の保蔵性・呈味性)
市販の生タラコ(真子)を金網に並べ、アクアガス加熱殺菌試験に供した。放熱後、歩留まり測定、官能性評価、初発菌数測定と脱酸素剤同封真空パックにして冷蔵保蔵試験に供した。その結果を表13に示した。
(塩蔵タラコの加熱調理性・呈味性・保蔵性)
市販の冷凍塩蔵タラコをそのまま金網に並べ、アクアガス加熱殺菌試験に供した。放熱後、歩留まり測定、一次官能性評価、初発菌数測定と脱酸素剤同封真空パックにして冷蔵保蔵試験に供した。その結果を表14に示した。
本実施例では、アクアガス加熱殺菌食材類の長期保存安定性の向上効果(波及効果)について調べた。その結果を以下に示す。
1)魚介類
アクアガス殺菌「生ウニ」は、脱酸素剤入り密封包装冷蔵保管で、6ヶ月後の一般細菌数が300以下であった。また、アクアガス加熱殺菌「ホタテ貝柱」は、脱酸素剤入り密封包装冷蔵保管で、7ヶ月後の一般細菌数が300以下であった。また、アクアガス加熱殺菌「牡蠣剥き身」は、脱酸素剤入り密封包装冷蔵保管で、3ヶ月経過後も変色やドリップの発生がなく、保形性も維持されていた。更に、アクアガス加熱殺菌「生タラコ」は、脱酸素剤入り密封包装冷蔵保管で、3ヶ月経過後も彩が良く、ドリップの発生もなく、保存状態は良好であった。
2)農産物
アクアガス加熱済み「皮むきカット男爵いも」は、密封包装で蛍光灯照射下冷蔵で6ヶ月経過後も、変色やドリップの発生がなく、ビタミンC残存率85%で、保形性も良好であった。一般生菌数も300以下であった。ポテトフライとして調理・試食可能であった。また、アクアガス加熱処理「ラウンド男爵いも」は、密封包装で12ヶ月間冷蔵保存可能であった。ポテトフライとして調理・試食可能であった。ビタミンC残存率35%で、一般生菌数は300以下であった。更に、アクアガス加熱殺菌「コーン(芯付き)」は、脱酸素剤入り密封包装冷蔵保管で、6ヶ月後の一般生菌数が300以下であった。
本実施例では、高速度カメラを用いてアクアガスの微細水滴の存在を調べた。使用したノズルは口径1.9mmで、水量は50ml/分、温度は115℃で、通常のアクアガス処理している条件とした。高速度カメラ(Photron、FASTCAM−APX RS 250K)を用いて微細水滴の撮影を行った。撮影速度は5000fpsとし、露光時間は1/258000秒とした。撮影部位はノズル噴射口近傍から80mmまで、ならびに220mmの位置とした。
撮影された画像を解析し、微小水滴のザウター平均粒径(SMD)を算出した。その結果を図15に示す。ノズルから噴霧された水滴の粒径が蒸発により減少するが、粒径減少速度は水滴がノズルから遠ざかるに従って小さくなることが確認された。更に、ノズルから220mmの位置で撮影された画像においても水滴が確認され、水滴の一部は、液体として加熱媒体中に存在していることが確認された。
本実施例では、アクアガスの熱伝達性の優位性について調べた。センサ面の温度制御が可能な熱流センサをアクアガス中に設置し、センサ面温度を60〜100℃の間で変化させ、熱流測定を行った。更に、アクアガス中の微細水滴量が熱伝達性に与える影響を調べるため、過熱水蒸気約180L中に噴霧する水量を35ml/minならびに50ml/minと変化させ、熱流測定を行い、熱伝達係数を算出した。その結果を図16に示す。
熱伝達係数に熱伝達面温度依存性ならびに微細水滴量依存性が確認され、これは微細水滴の熱伝達に対する効果によるもの考えられた。図での熱伝達係数の値について、△のものは水量が少なく過熱水蒸気と考えられる。●は通常条件でのアクアガスである。食材の加熱初期(60−70℃)において、伝達係数が高く、表面への微細水滴の付着などによる熱伝達性の向上が認められる。
本実施例では、アクアガスの熱伝達性の優位性(殺菌効果)を調べた。B.subtilisの胞子(10〜10CFU/plate)を塗末した標準寒天培地を用いた。アクアガス試作一号機(VT2−7SB)を用いて、処理温度(110、115、120、130、140°C)及び処理時間(0、10、20、30s)を変化させて、処理を行った。なお、吐出水量は51ml/min(装置初期設定)とした。処理後の寒天培地をシャーレから掻き取り、ストマッカ袋に入れ、滅菌生理食塩水50 mlを加えて、ストマッカにて1分間摩砕処理を行った。寒天懸濁液10mlを80℃で20分間加熱処理した後、試料液の1mlを滅菌シャーレに取り標準寒天培地で混釈し、37℃にて48±3時間培養した後、発生したコロニー数を測定した。その結果を図17に示す。
処理時間の延長に伴い殺菌効果は向上した。また、処理温度が110〜120℃の場合、温度上昇に伴い殺菌効果は低下した。これは庫内雰囲気(水/水蒸気)が影響しているものと考えられる。図では、110℃(アクアガス状態)から120、130℃と温度を上昇させると殺菌効果が減少している。これは、水量を一定としているので、温度を上昇すると微細水滴が減少して、過熱水蒸気雰囲気になっている状況で、その際には、熱伝達性が低下して、殺菌効果が減少すると考えられる。
以上詳述したように、本発明は、気体水による加熱・殺菌方法及び加熱・殺菌装置に係るものであり、本発明により、被処理材料に90〜180℃の温度領域で少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して加熱・殺菌処理することができる。被処理材料を外界と遮断して加熱するための加熱室を、水の気体で置換し、湿度99.0%以上、酸素濃度を0.1%以下のガス成分(気体水雰囲気)にすることができる。上記気体水で被処理材料を短時間で効率よく低侵襲的に加熱・殺菌することができる。凍結品の解凍、農産物、食料品の加熱・殺菌調理、木材、金属、セラミック材料等の加熱、乾燥、焼成に適用できる。気体水を生成させ、それを熱媒体として利用する気体水による加熱・殺菌装置を提供することができる。
図1は、本発明の装置の一実施例の正面図である。 図2は、上記装置の縦断平面図である。 図3は、水蒸気発生蓄熱パネルの一例の概念図である。 図4は、水蒸気発生装置による気体水生成過程におけるチャンバー内の温度、湿度、酸素濃度、排気温度を測定した結果を示す。 図5は、水蒸気発生装置において、水蒸気発生用パネルヒータ(2kw)、加熱室内の加熱ヒータ(10kw)を用いて、水蒸気発生装置の運転時の100℃から300℃までの水蒸気吐出温度と、装置内温度、装置内湿度、及び装置内酸素濃度との関係を示す。 図6は、水蒸気(アクアガス)噴射ノズル付近の温度変化を示す。 図7は、装置内温度/水蒸気(アクアガス)温度の比較を示す。 図8は、装置内温度/水蒸気(アクアガス)温度の比較を示す。 図9は、水道水(100cc)を80℃に加熱するための加熱時間の比較テストの結果を示す。 115℃のアクアガスの温度時間曲線(庫内)を示す。 115℃のアクアガスの温度時間曲線(噴射ノズル部)を示す。 115℃の過熱水蒸気状態の温度の時間曲線(庫内及び噴射ノズル部)を示す。 115℃の飽和水蒸気状態の温度の時間曲線(庫内及び噴射ノズル部)を示す。 アクアガスによる寒天平板状の枯草菌胞子数の変化を示す。 水滴の流径と噴霧した場所(ノズル)からの距離との関係を示す。 熱流センサー面の温度と熱伝達係数との関係を示す。 アクアガス(110℃)の殺菌効果を示す説明図である。
符号の説明
1 加熱室
2 ドア部
3 ハンドル
4 窓
5 操作パネル
6 水蒸気発生蓄熱パネル
7 循環ファン
8 ダクト
8′ダクト
9 加熱ヒーター
10 循環風向
11 排出口
12 給水パネル
13 微細水蒸気噴出ノズル
14 噴出した微細水粒子
15 供給水の加熱装置

Claims (8)

  1. 被処理材料を加熱・殺菌する方法であって、次の工程;
    (1)100℃以上に加熱された熱水及び/又は水蒸気を、これと同温度以上に加熱された準密閉空間の加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させる、
    (2)上記微細水滴と湿熱水蒸気で上記加熱室内の空気を置換させて、湿度95%以上及び酸素濃度1%以下の組成を有し、90〜180℃の温度領域に保持されたガス成分で満たす、
    (3)上記微細水滴と湿熱水蒸気で被加熱・殺菌材料に上記温度領域で少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して加熱・殺菌処理する、
    ことにより被処理材料を加熱・殺菌することを特徴とする被処理材料の加熱・殺菌方法。
  2. 上記微細水滴と湿熱水蒸気で上記加熱室内の空気を置換させて、湿度99%以上及び酸素濃度1%以下の組成を有し、95〜150℃の温度領域に保持されたガス成分で満たすことを特徴とする、請求項1に記載の加熱・殺菌方法。
  3. 熱水及び/又は水蒸気の温度と、準密閉空間の加熱室内の温度を調節することにより、微細水滴と湿熱水蒸気、及び乾熱水蒸気を発生させ、これらの三者を任意に組み合わせて、被処理材料を加熱・殺菌処理することを特徴とする、請求項1に記載の加熱・殺菌方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の加熱・殺菌方法により被処理材料を加熱・殺菌することにより加熱・殺菌処理製品を製造することを特徴とする加熱・殺菌処理製品の製造方法。
  5. 被処理材料が、食材又は食品である、請求項4に記載の加熱・殺菌処理製品の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の方法に使用する装置であって、少なくとも、被処理材料を外気と遮断して加熱する準密閉状態の加熱室、該加熱室を100℃を越える所定の温度に加熱する加熱手段、100℃以上に加熱された熱水及び/又は水蒸気を上記加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させて所定の方向に移送する水蒸気発生手段、を構成要素として含み、100℃以上に加熱された熱水及び/又は水蒸気を上記加熱室内に連続的に噴射させ、微細水滴と湿熱水蒸気を発生させ、加熱室内部を常圧状態のまま微細水滴と水蒸気で充満させ、湿度95%以上、酸素濃度1.0%以下の組成を有し、90〜180℃の温度領域に保持されたガス成分で加熱室内部の空気を置換し、該微細水滴と湿熱水蒸気で加熱室内の被処理材料に上記温度領域で少なくとも10℃の温度差の連続振幅加熱を施して加熱・殺菌処理するようにしたことを特徴とする気体水による加熱・殺菌装置。
  7. 水蒸気発生手段として、給水タンク、該給水タンクの水を加熱室へ給水する給水ポンプ、該給水された水を100℃以上に加熱するための外部ヒーターを配設した給水用細管、その先端に設置された噴射ノズル、該噴射ノズルから噴射された高温水蒸気を微細化して所定の方向に移送する回転可能な循環ファンを有することを特徴とする、請求項6に記載の加熱・殺菌装置。
  8. 加熱室を100℃を超える所定の温度に加熱する加熱手段として、加熱室内で発生させた微細水滴と湿熱水蒸気と接触する位置に、シーズヒーターをヘアピン状に複数設置したことを特徴とする、請求項6に記載の加熱・殺菌装置。
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