JP2007195956A - 常圧、低酸素下で滅菌性過熱水蒸気を利用した滅菌装置 - Google Patents
常圧、低酸素下で滅菌性過熱水蒸気を利用した滅菌装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】医療治療具等を滅菌するための滅菌性過熱水蒸気を利用した滅菌装置において、前記滅菌装置が、(1)被滅菌物である医療治療具等を収容する収容庫部、及び、
(2)前記収容庫部に隣接した部位に配設された滅菌性過熱水蒸気発生・供給部、とから構成されるとともに、(3)前記滅菌性過熱水蒸気発生・供給部が、水またはアルコール含有水から80〜100℃の飽和水蒸気を発生させる飽和水蒸気発生部、前記飽和水蒸気発生部からの飽和水蒸気を、過熱媒体に衝突加熱させて120〜300℃の滅菌性過熱水蒸気を発生させる滅菌性過熱水蒸気発生部、及び、前記滅菌性過熱水蒸気発生部からの滅菌性過熱水蒸気を、前記収容庫部に供給し、前記収容庫部の内部を常圧下、120〜150℃、3%以下の低酸素環境とする滅菌性過熱水蒸気供給部とから構成されている。
【選択図】図1
Description
また、本発明で「滅菌」というとき、殺菌・消毒・除菌・浄菌・抗菌とは異なり全ての微生物を死滅・除去することを意味する。
別言すれば、滅菌分野において、有効な滅菌後に生存微生物が存在する確率が100万分の1以下(10−6)であることをもって滅菌保証レベルSAL(Sterility Assurance Level)であると定義されている。
なお、従来技術において、胞子や芽胞など休眠状態のものをも死滅させるためには、一般的には高圧水蒸気滅菌(オートクレーブ法)によって実施されている。
例えば、耐熱性の強いBucillus属やClostridium属などの芽胞形成細菌を滅菌する従来より行われている高圧蒸気滅菌法(オートクレーブ滅菌法)は、次のような条件で滅菌を行っている。即ち、その条件は、圧力1.2〜1.5kgf/cm2のもとで、115〜118℃で30分;121〜124℃で15分;126〜129℃で10分;134℃で3分というものである。
なお、前記蒸気滅菌装置は、内部に過熱水蒸気発生機構を有するものであるが、ここで発生させた過熱水蒸気は直接被滅菌物に適用されるのではなく、常に空気、即ち、酸素の存在雰囲気下で操作されている。
このような条件のもとで密閉された装置内において水を加熱して飽和水蒸気を作り、密閉された装置内では空気と共存して昇温して共に1.5〜2.5kgf/cm2の高圧となり、その結果滅菌を成立させている。換言すれば,水の沸騰温度を1.5〜2.5kgf/cm2という加圧のもとで、115〜134℃にしているものであり、これは過熱水蒸気ではなく、加圧された加熱水蒸気であり、空気と飽和水蒸気の高温下での温度示唆と言わざるを得ない。
なお、前記した医療治療具等の滅菌に関する飽和水蒸気発生装置を具備する高圧蒸気滅菌装置(特許文献3〜4参照)は、滅菌室を飽和水蒸気で満たすとともに加圧することにより昇温させて被滅菌物を滅菌する、という従来の考え方から基本的には全く飛躍していない。
このオートクレーブ方式は、操作面、コスト面、安全面、効率面、時間面などから改善改良を医療現場から強く求められているが、顕著な試みは見出されていない。
なお、前記オートクレーブ方式においては、オートクレーブ釜に被滅菌物などを収容し、圧力1.2〜1.5kgf/cm2、118〜129℃の加圧水蒸気の下で10分〜30分間滅菌するという方法が指示されている。
また、本発明者は、過熱水蒸気をエチルアルコールなどのアルコールを含有した水を使用して製造するとき、極めて滅菌力に優れた滅菌性の過熱水蒸気が得られることを見出し、これをベースにして本発明の常圧下での滅菌技術を完成した。
(1).被滅菌物である医療治療具等を収容する収容庫部、及び、
(2).前記収容庫部に隣接した部位に配設された滅菌性過熱水蒸気発生・供給部、とから構成されるとともに、
(2).前記滅菌性過熱水蒸気発生・供給部が、
(2)−1.水から80〜100℃の飽和水蒸気を発生させる飽和水蒸気発生部、
(2)−2.前記飽和水蒸気発生部からの飽和水蒸気を、過熱媒体に衝突加熱させて120〜300℃の滅菌性過熱水蒸気を発生させる滅菌性過熱水蒸気発生部、及び、
(2)−3.前記滅菌性過熱水蒸気発生部からの滅菌性過熱水蒸気を、前記収容庫部に供給し、前記収容庫部の内部を常圧下、120〜150℃、3%以下の低酸素環境とする滅菌性過熱水蒸気供給部、
とからなることを特徴とする滅菌性過熱水蒸気を利用した滅菌装置に関するものである。
即ち、本発明の滅菌性過熱水蒸気を利用した医療治療具等の滅菌装置は、滅菌操作が極めて簡便であり滅菌後も比較的早く被滅菌物を乾燥した状態で取り出せ、しかも細菌、カビ、胞子、ウィルスはもとより滅菌が非常に困難とされている耐熱性芽胞形成細菌、Bacillus stearothermophilusをも短時間で完全に滅菌することができる。
更にまた、本発明において、滅菌性過熱水蒸気をアルコール含有水から製造することにより、顕著な滅菌保証レベル・SAL(100万分の1以下)を享受することができる。
この点について、以下、詳しく説明する。
また、その際、前記した過熱水蒸気を得る方法として、80〜100℃の飽和水蒸気を好適には例えば600〜700℃の高熱表面を有する電気抵抗加熱体ヒーターの加熱面に対して所望の流速(例えば、2m/sec〜4m/sec)でランダムに衝突させることにより120〜300℃の過熱水蒸気を発生させた場合、このものが被滅菌物に対して常圧、低酸素雰囲気下で優れた滅菌能力を有することを見出した。
80〜100℃の飽和水蒸気を600〜700℃の電気抵抗ヒーターの加熱面に衝突させるとき、飽和水蒸気の大きな蒸気粒子が瞬時に爆発的にH2O分子の1〜10個と共に極少数のH2とOに超微細な1.5〜2.0オングストロームの過熱水蒸気粒に変換される。
このときH2O分子の体積は約1600倍に体積膨張すると推定する。
水蒸気の性状は、特に水蒸気粒の大きさから見ると、80℃の水蒸気粒は1ミクロン以下(白色水蒸気といわれている。)、100℃では1ミクロン〜300ナノメートル(青色水蒸気といわれている。)、120〜150℃では300ナノメートル〜400ナノメートル(透明水蒸気といわれている。)であり、本発明の過熱水蒸気は、主体的には透明水蒸気で構成されるが、これら三者が含まれていると考えるべきである。
そして,このように超微粒子化(単分子化した)過熱水蒸気は、常圧下において細胞、ウィルス、カビ、胞子、芽胞などの微生物の体内に浸透、侵入する能力に優れ、これにより優れた滅菌特性が得られる。前記したことに鑑み、本発明の滅菌に適する特定の過熱水蒸気は、滅菌性過熱水蒸気と呼んでいる由縁である。
しかしながら、飽和水蒸気を製造するとき、エチルアルコールなどのアルコールを含有した水から飽和水蒸気を製造し、これを過熱水蒸気とするとき、被滅菌物に対して顕著な滅菌力を発揮する。
アルコール含有水において、アルコール成分は、前記水分子(水素結合を介した多分子構造)の超微細化、超細分化に大きく寄与する。そして、アルコールにより更に超微細化、超細分化した水蒸気粒が微生物の体を構成する蛋白質の凝固に強力に作用し、優れた滅菌性を発現させる。
本発明において、アルコール含有水のアルコール成分の濃度は、所望に設定すればよいが、極めて低濃度(微量)でもよく、例えば、0.1〜5%でも十分な効果を発現する。このことは、一般の高い濃度60〜70%のアルコール液を使用する「アルコール消毒」とは別異の滅菌メカニズムが作用していることを示しており、本発明者はそのメカニズムを前記のように推察している。
本発明の滅菌装置において、特に滅菌性過熱水蒸気発生部を前記した特定の過熱水蒸気が得られるように構成する以外は、従来公知の過熱水蒸気を利用した各種の応用機器のハード構成を利用すればよい。
この種の従来の過熱水蒸気を利用した機器のハード構成はよく知られているので、詳しい説明は省略する。
図1に示されているように、本発明の滅菌装置(A)は、被滅菌物である医療治療具等を収容する収容庫部(1)、前記収容庫部(1)に前記した特定の滅菌性過熱水蒸気を発生かつ供給する滅菌性過熱水蒸気発生・供給部(2)、とから構成される。
前記収容庫部(1)には、滅菌性過熱水蒸気が充満されると自動的に過熱水蒸気を排出する排出孔などが配設される。
図1に示される滅菌装置(A)は、前記収容庫部(1)と滅菌性過熱水蒸気発生・供給部(2)を一体化し、全体を筐体としている。
本発明の滅菌装置(A)は、図示しないが、滅菌処理後の滅菌性過熱水蒸気を、所望により二次汚染の発生が出ないようにドレインを介して外部へ放出させたり、あるいは、その一部を熱効率の観点から再利用してもよい。なお、再利用の場合、死滅しない細菌等の循環阻止などの観点から滅菌装置の構成に十分配慮しなければならないことはいうまでもないことである。
また、前記収容庫部(1)は、庫内に収容された被滅菌物(医療治療具等)が滅菌性過熱水蒸気発生・供給部(2)から供給・吐出される高温の過熱水蒸気によるダメージを防止するために、特にその吐出孔(滅菌性過熱水蒸気供給部)に被滅菌物(医療治療具等)が直接接触しないようにする手段が配設されてもよい。なお、前記した手段により、被滅菌物(医療治療具等)を吐出孔の端部から2〜3cm離れるように収容すれば、前記したダメージをほとんど防止することができる。
図1には、ハード構成として、飽和水蒸気発生部(21)、滅菌性過熱水蒸気発生部(22)、及び、滅菌性過熱水蒸気を収容庫部(1)に供給、吐出する滅菌性過熱水蒸気供給部(吐出孔)(23)、が概略的に示されているが、前記した条件を組み込むと共にこれらを所望に応じて構成すればよい。
本発明において、滅菌性過熱水蒸気の滅菌性能を更に向上させるために、滅菌性過熱水蒸気をアルコール含有水を利用した飽和水蒸気から製造する場合がある。このため、前記飽和水蒸気発生部(21)にアルコール添加機構を配設してもよい。
例えば、被滅菌物である医療治療具等の全体的かつ完全な滅菌という観点から、図1に示されるように医療治療具等の全面に均等温度の滅菌性過熱水蒸気が噴射されるように滅菌性過熱水蒸気供給部(吐出孔)(23)を滅菌性過熱水蒸気が収容庫部(1)の天井、左右両側の3方向から噴射されるように構成すればよい。
この滅菌装置(A)は、収容庫部(1)と滅菌性過熱水蒸気発生・供給部(2)を別体の構成にしている。なお、前記滅菌性過熱水蒸気発生・供給部(2)は、前記第1実施例と同様に飽和水蒸気発生部(21)と滅菌性過熱水蒸気発生(22)とから構成されている。
なお、実験にあたり、このAX−HC1の操作条件を設定するために、この機器の操作パネルの「手動蒸し及び手動加熱・ウォーターオーブン−ロースト」のメニューを利用した。
予め、AX−HC1庫内にクロメルアルメル熱電対Φ0.2mmを中央、左右(庫壁より3cm)の12ケ所に配置し、庫内温度の分布を測定した。その結果、「ウォーターオーブン−ロースト、予熱あり、130℃、15分」の設定で130〜140℃の温度分布の滅菌性過熱水蒸気が13分間得られた。
これは、本発明が特定している滅菌性過熱水蒸気が、安定的に製造されることを示している。もとより、前記スチーム調理器において、その利用形態(応用分野)として、本発明に係る滅菌法及び滅菌装置については、全く知られていないものである。
なお、コントロール(比較対照群)は、AX−HC1庫内に配備せず、37℃恒温槽内に配備し、所定時間、培養した。
実験群は、AX−HC1を「ウォーターオーブン−ロースト130℃、20分」の条件で作動させ、滅菌終了後、2本の実験ブイヨン液を37℃恒温槽内に配備し、所定時間、培養した。
24時間後、コントロール(比較対照群)では、一般細菌である口腔内常住細菌の発育像が認められ、もちろんCI(Chemical Indicator)レサズリンテストでも陽性であった。しかし、実験群では陰性であった。
48時間後では、コントロール(比較対照群)のブイヨン液面に増殖像が認められたが、実験群のブイヨン液は透明陰性であった。
前記実験により、前記滅菌装置は芽胞形成菌(枯草菌)まで死滅させることが立証された。
このため、例えば、歯科用診療基本セットや歯科切削用ハンドピースなどをAX−HC1庫内の同位置に配備して、滅菌が有効に実施されるか否かを調べた。
なお、コントロール(比較対照群)は、庫内に配備せず、37℃恒温槽内に配備し、所定時間、培養した。
実験群は、AX−HC1を「ウォーターオーブン−ロースト130℃、30分」の条件で作動させ、水道水または精製水を利用して発生させた80〜100℃の飽和水蒸気を加熱ヒーターの600〜700℃に加熱された加熱面に衝突させて常圧下、120〜150℃(130±10〜20℃)滅菌性過熱水蒸気を発生させるとともにこれを滅菌庫内に充満するように調整し、これにより低酸素3%以下の環境が作られた。滅菌終了後、2本の実験ブイオンを37℃恒温槽内に配備し、所定時間、培養した。
24時間後、コントロール(比較対照群)では、口腔内常住細菌の発育像が認められ、もちろんレサズリンテストも陽性であった。しかし、実験群では陰性であった。
48時間後では、コントロール(比較対照群)のブイヨン液面に増殖像が引き続き認められたが、実験群のブイヨン液は透明陰性で変化はなかった。
実験結果を、下記の表1にまとめる。
表1及びその他の表において、(−)は陰性、(+)は陽性、(++)は強い陽性、を示す。
表1は、滅菌性過熱水蒸気による滅菌の必要温度と時間の間の滅菌成績を示している。
滅菌条件が100〜110℃、15分においては、一般細菌(口腔内常住細菌)は24時間後に陽性反応(+)を示し、枯草菌(芽胞形成菌)は46時間後に陽性反応(+)を示した。
一方、滅菌条件が120〜140℃、15分においては、全てが陰性反応(−)をしめした。これは、本発明の滅菌性過熱水蒸気による滅菌法が優れていることを示すものである。
本発明により、エコロジカルな経済的、効率的、小型軽量タイプの特定の滅菌性過熱水蒸気を利用した滅菌装置が、提供される。
(1).蒸気滅菌法では、Bacillus steathermophilus 104(ATCC#7953),
(2).乾熱滅菌法では、Bacillus subtilis 105(枯草菌、ATCC#9372)、
(3).放射線滅菌法では、Bacillus pumilus 105(ATCC#27142)、
をそれぞれ濾紙を担体とした指標菌の休止芽胞を市販している。
なお、前記「ATCC」は、American Type Culture Collection(米国)の略称である。
本実施例では、AX−HC1を使用して、前記(1)、(2)、(3)、及び、(4)の担体として60歳(男性)の唾液に浸漬した濾紙、各8枚の担体(合計32枚)をAX−HC1内にそれぞれ配備し、水道水を利用して滅菌性過熱水蒸気を発生させ、120~140℃、20~40分、及び、120〜150℃、30分の条件で滅菌処理した。
その後、実験群(1)、(2)、(3)、(4)の担体を、通常の無菌操作の下でそれぞれの培養ブイヨン液管に挿入し、37℃及び56℃の2つの恒温槽内に配備し、所定時間、培養した。
一方、コントロール(比較対照群)は、無菌操作の下で直接、(1)、(2)、(3)、(4)の担体を、それぞれの培養ブイヨン液管に挿入し、実験群と同様に37℃及び56℃の2つの恒温槽内に配備し、所定時間、培養した。
一方、コントロール(比較対照群)において、(1)は陰性(−)を示したが、他の(2)〜(4)は陽性(+)を示している。
また、表2−2(56℃・培養)に示されるように、滅菌条件が120〜140℃、20〜30分において、前記実験群(2)〜(4)及びコントロール(比較対照群)の(2)〜(4)は陽性(+)を示している。
しかしながら、実験群の(1)は滅菌条件が120〜140℃、20〜40分では陽性(+)を示すが、滅菌条件が120〜150℃、30分になると陰性(−)を示す。
なお、コントロール(比較対照群)において、(1)は陽性(+)を示し、他の(2)〜(4)は陰性(−)をしめしており、これは(1)が好熱性であることによるものである。
前記したことは、好熱性芽胞菌であるBacillus steathermophilusに対して完全な滅菌効果を得るためには滅菌条件を工夫しなければならないことを示している。
例えば、滅菌の温度をたかめたり処理時間を長くしたり、あるいは、滅菌性過熱水蒸気の白色、青色、透明水蒸気の組成比率の調整などの工夫が必要であることを示している。なお、本発明は、これを次の実施例5で示すように過熱水蒸気をアルコール含有水により発生させる、という簡便法より解決し、完全滅菌を達成しようとするものである。
即ち、AX−HC1の作動条件として、滅菌性過熱水蒸気を1%のエチルアルコールを含有した水を使用して滅菌性過熱水蒸気を製造するように変更した。
結果を、下記の表3−1、表3−2に示す。
表3−1は、AX−HC1による滅菌条件を120〜140℃、20~40分、及び、120〜150℃、25〜30分としたものの37℃培養の結果である。
表3−2は、AX−HC1による滅菌条件は前記表3−1と同条件としが、56℃培養の結果である。
また、表3−2(56℃・培養)に示されるように、AX−HC1による滅菌条件が120〜140℃、20~40分、及び、120〜150℃、25〜30分において、全てが陰性反応(−)を示している。
前記したことからエチルアルコール含有水から製造した滅菌性過熱水蒸気により、120〜140℃、20~40分の滅菌条件において微生物が存在する確率が100万分の1(10−6)という極めて高い滅菌レベル(超滅菌レベル)、別言すれば、SAL(Sterility Assurance Level)の完全滅菌を達成することができる。
1・・・・・・・収容庫部
2・・・・・・・滅菌性過熱水蒸気発生・供給部
21・・・・・・飽和水蒸気発生部
22・・・・・・滅菌性過熱水蒸気発生部
23・・・・・・滅菌性過熱水蒸気供給部(吐出孔)
Claims (7)
- 細菌付着物を滅菌するための滅菌装置において、前記滅菌装置が、
(1)被滅菌物である医療治療具等を収容する収容庫部、及び、
(2)前記収容庫部に隣接した部位に配設された滅菌性過熱水蒸気発生・供給部、とから構成されるとともに、
(3)前記滅菌性過熱水蒸気発生・供給部が、
a)水から80〜100℃の飽和水蒸気を発生させる飽和水蒸気発生部、
b)前記飽和水蒸気発生部からの飽和水蒸気を、過熱媒体に衝突加熱させて120〜300℃の滅菌性過熱水蒸気を発生させる滅菌性過熱水蒸気発生部、及び、
c)前記滅菌性過熱水蒸気発生部からの滅菌性過熱水蒸気を、前記収容庫部に供給し、前記収容庫部の内部を常圧下、120〜150℃、3%以下の低酸素環境とする滅菌性過熱水蒸気供給部、
とからなることを特徴とする滅菌性過熱水蒸気を利用した滅菌装置。 - 飽和水蒸気発生部が、アルコール含有水を用いて飽和水蒸気を発生させるものである請求項1に記載の滅菌性過熱水蒸気を利用した滅菌装置。
- 滅菌性過熱水蒸気発生・供給部が、先ず噴霧した霧状水をボイラーに通過させて80〜100℃の飽和水蒸気を発生させ、次に600〜700℃の高熱表面を持つ電気抵抗加熱体ヒーターに前記飽和水蒸気を加速通風して衝突接触させ、120〜300℃の過熱水蒸気を発生させ、これを収容庫部の内部に送風し、常圧下、120〜150℃の滅菌性過熱水蒸気で充満させるとともに3%以下の酸素雰囲気を構成するものである請求項1に記載の滅菌性過熱水蒸気を利用した滅菌装置。
- 滅菌性過熱水蒸気発生・供給部が、80〜100℃の飽和水蒸気を発生させるとともに、これを高熱ヒーターの高熱面に所望の流速下で衝突させてH2Oの水蒸気粒が水の分子(H2O)の1〜10からなるものを含む120〜300℃の滅菌性過熱水蒸気を発生させるものである請求項1に記載の滅菌性過熱水蒸気を利用した滅菌装置。
- 滅菌性過熱水蒸気発生・供給部が、滅菌性過熱水蒸気を被滅菌物が収容されている収容庫部に噴射する吐出孔を有し、前記滅菌性過熱水蒸気の噴射速度と噴射量によって前記収容庫部の内部を常圧下、120〜150℃の滅菌性過熱水蒸気を充満させるとともに3%以下の酸素雰囲気を構成するものである請求項1に記載の滅菌性過熱水蒸気を利用した滅菌装置。
- 収容庫部が、収容されている被滅菌物である医療治療具等と、吐出孔から噴射される滅菌性過熱水蒸気とが、吐出孔の端部において直接接触するのを防止する手段を内設しているものである請求項5に記載の滅菌性過熱水蒸気を利用した滅菌装置。
- 吐出孔の端部と、収容されている被滅菌物である医療治療具等との間の距離が、2cm〜3cmはなれているものである請求項6に記載の滅菌性過熱水蒸気を利用した滅菌装置。
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