JP6811993B2 - 食品乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、食品の乾燥工程に用いられる食品乾燥装置に関する。
従来、食品の乾燥工程にて用いられていた乾燥装置としては、様々な方法が知られている。例えば、天日乾燥、熱風乾燥などの他、常温(恒温)の空気を循環させる方法が知られている(特許文献1、2)。
食肉、例えば生ハムなどを、熱風乾燥装置や冷風乾燥装置あるいは常温(恒温)の空気を循環させる乾燥装置を用いて製造すると、乾燥の初期段階では急速に乾燥が進む。
しかし、一定時間を経過したあたりから乾燥スピードが遅くなり、ゆっくりとした乾燥が進んでいく。これは、食肉の表面が先に乾燥して食肉内部の水分を閉じ込めてしまう状況を招くことが要因である。
このような状況では、乾燥前に十分に殺菌されていない場合、乾燥処理工程途中で真菌(かび)が発生して食肉の表面を白く覆ってしまうことが多く商品価値の低下を招く虞があった。また、乾燥時間が長いことから生産コストの高騰化も招いていた。
特開平9‐75048号公報 特許第4448008号公報
本発明の目的は、食品の商品価値の低下や劣化を招くことなく、安全な乾燥製品(乾燥食品)の提供がなし得るとともに、乾燥時間の短縮化が図れ、生産コストを抑えることが可能な食品の乾燥装置を提供することである。
上記課題を達成するために、第一の本発明がなした技術的手段は、露点飽和空気発生機構と乾燥庫とで構成され、
前記露点飽和空気発生機構は、
所定水温に管理可能に構成された水槽部と、
前記水槽部と連通して備えられ、鉛直方向に立ち上げられた筒部と、
送風ダクトが前記筒部の下方に連結し、前記筒部内に向けて空気を導入する空気送出部と、
前記筒部内に備えられ、前記水槽部にて所定温度に管理された水を筒内壁方向に向けて霧状に高圧散水し、前記空気送出部から導入された空気によって所定温度の微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を形成可能に構成された高圧散水部と、を少なくとも含み、
前記乾燥庫は、
前記筒部と連絡し、前記筒部より送られてきた微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を、さらに所定温度に再加熱して庫内を所定温度・所定湿度とすることで庫内に収容した対象食品を所定の含水率になるまで乾燥処理させ、
前記乾燥庫は、空気導入部と空気排出部とを備えると共に、前記乾燥庫内は、再加熱領域と、乾燥対象食品を収容可能に構成した収容領域と、に少なくとも区画され、
前記空気導入部は、前記筒部と前記再加熱領域との間に架け渡されており、
前記再加熱領域には、前記空気導入部を介して前記筒部から送られてきた微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を所定温度に再加熱する再加熱部が備えられ、
前記空気導入部から離間した位置で前記再加熱領域と前記乾燥対象食品の収容領域との間には、前記双方の領域を連通する連通領域を備え、
前記連通領域あるいは前記連通領域の近傍には、前記再加熱領域にて所定温度・所定湿度に制御された微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を前記乾燥対象食品の収容領域へと送り込む循環ファンを備え、
前記乾燥対象食品の収容領域における前記連通領域と反対側には、前記乾燥対象食品の収容領域内の雰囲気を調整可能な庫内雰囲気調整部を備えていることを特徴とする食品乾燥装置としたことである。
第二の本発明は、第一の本発明において、前記空気送出部は、前記送風ダクトの空気送出口の下端が、前記水槽部内に溜められている水の水面から鉛直方向で所定高さ離れた位置に設けられていることを特徴とする食品乾燥装置としたことである。
第三の本発明は第一の本発明又は第二の本発明において、前記空気送出口は、前記筒部の筒軸中心から左右いずれかの方向にずれた位置にて前記筒部と連通していることを特徴とする食品乾燥装置としたことである。
第四の本発明は、第一の本発明乃至第三の本発明のいずれかにおいて、前記筒部と前記乾燥庫との間に備えられ、前記筒部内で形成されて送られてきた微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を導入し、前記微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気からさらに大径の水滴を除去して前記乾燥庫へと送る気水分岐部を備えたことを特徴とする食品乾燥装置としたことである。
第五の本発明は、第一の本発明乃至第四の本発明のいずれかにおいて、前記収容領域において、前記連通領域の下位には、前記循環ファンによって前記収容領域へと送られてきた前記所定温度・所定湿度に制御されたミスト状の露点飽和空気が、前記収容領域内に入れられた乾燥対象食品へと満遍なく行き渡るように調整可能な空気流動調整部を備えたことを特徴とする食品乾燥装置としたことである。
第六の本発明は、第五の本発明において、空気流動調整部は、連通領域の開口近くに上端を位置させて庫内中央方向に向かって下り傾斜状に配設された斜流部と、前記斜流部の長さ方向に設けられ、所定間隔をあけて複数個備えられる整流部と、鉛直方向で前記斜流部の上方に備えられる風向制御部と、で構成されていることを特徴とする食品乾燥装置としたことである。
第七の本発明は、第一の本発明乃至第六の本発明のいずれかにおいて、前記水槽部内の水温は、7℃乃至30℃に設定されており、
前記乾燥庫内は、庫内温度が10℃乃至60℃、庫内湿度が5%乃至95%の雰囲気に設定されていることを特徴とする食品乾燥装置としたことである。
第八の本発明は、第一の本発明乃至第七の本発明のいずれかにおいて、前記乾燥庫内の温度と相対湿度を、所定時間毎に所定の範囲内で交互に繰り返し変化させることを特徴とする食品乾燥装置としたことである。
本発明によれば、食品の商品価値の低下や劣化を招くことなく、安全な乾燥製品(乾燥食品)の提供がなし得るとともに、乾燥時間の短縮化が図れ、生産コストを抑えることが可能な食品の乾燥装置を提供することができた。
本発明乾燥装置の第一実施形態を示す概略平面図である。 本発明乾燥装置の第一実施形態を示す概略縦断面図である。 本発明乾燥装置の第一実施形態を構成する露点飽和空気発生機構を部分的に切り欠いて示す概略拡大図である。 本発明乾燥装置の第一実施形態を構成する露点飽和空気発生機構を示す概略側面図である。 本発明乾燥装置の第一実施形態を構成する露点飽和空気発生機構を示す概略平面図である。 露点飽和空気発生機構を構成する散水ノズル構造の一実施形態を示す概略正面図である。 図6の部分端面図で、(a)はa−a線端面図、(b)はb−b線端面図、(c)はc−c線端面図である。 本発明乾燥装置の一実施形態を構成する乾燥庫内に配設される再加熱ヒーターを示す概略側面図である。 図8に示す再加熱ヒーターを構成する構成部材であって、(a)は外方ヒーター部の概略全体図、(b)は外方ヒーター部内に収容される内方ヒーター部の概略全体図である。 (a)は風向制御部の一実施形態を示す概略側面図で、(b)はそれぞれの羽根板部のボルト止め位置を示す部分概略斜視図である。 連通領域あたりを部分的に拡大し、再加熱ヒーターと循環ファンと空気流動調整部との位置関係を示す部分概略側面図である。 図1のXII−XII線断面図である。 本発明乾燥装置の第二実施形態を構成する露点飽和空気発生機構を示す概略側面図である。 第二実施形態の露点飽和空気発生機構を構成する筒部内を示す概略縦断面図である。 図14に示す筒部の横断平面図である。 第一実施形態の乾燥装置をロース原木(検体)の乾燥に用いた実施例であって、乾燥中の乾燥庫内温度・湿度のチャートを示す図である。 ロース原木(検体)の相対湿度変化による脱水重量を示す図である。 第一実施形態の乾燥装置を鮭とばの乾燥に用いた実施例である。 従来の乾燥装置(冷風乾燥装置)を用いた場合と、第一実施形態の乾燥装置を用いた場合との重量変化と時間との関係を示す図である。 従来の乾燥装置(冷風乾燥装置)を用いた場合と、第一実施形態の乾燥装置を用いた場合との時間当たりの乾燥速度(重量の減量速度)を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る乾燥装置について、添付図面に基づいて説明する。なお、本実施形態は本発明の一実施形態にすぎず、何等これらに限定して解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計可能である。
「第一実施形態」
「本実施形態の乾燥装置の構成」
本実施形態の乾燥装置は、図1乃至図2に示すように、大きく分けて、露点飽和空気発生機構1と乾燥庫35との二つのブロックにて構成されており、本実施形態では生ハムの乾燥装置として使用する実施の一形態を説明する。また、本実施形態では、1つの乾燥庫35に対して3つの露点飽和空気発生機構1を備えた実施の一形態である。なお、乾燥庫35の大きさ(容量)に応じて備える露点飽和空気発生機構1の数量は設計変更される。
露点飽和空気発生機構1は、所定水温に管理可能に構成された水槽部3と、前記水槽部3と連通して備えられ、鉛直方向に立ち上げられた筒部11と、前記筒部11の下方に連結して前記筒部11内に向けて空気を導入する空気送出部23と、前記筒部11内に備えられ、前記水槽部3にて所定温度に管理された水を筒内壁方向に向けて霧状に散水し、前記空気送出部23から導入された空気によって微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を形成可能に構成された高圧散水部13と、筒部11内で形成されて送られてきた微細水滴を含む所定温度のミスト状の露点飽和空気を導入し、微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気からさらに大径の水滴を除去して乾燥庫35へと送る気水分岐部29と、で構成されている(図2参照。)。
水槽部3は、所定大きさで所定量の水を貯留するとともに、所定水温に管理可能に構成されており、上端に設けられている開口(上端開口)5鉛直方向において筒部11の下端と連通している(図3参照。)。
本実施形態において水槽部3は、ヒーター8と図示しないチラーユニットと連絡されて水槽部3内の水を所定水温に維持できるように設定管理されている。水槽部3内の水温は、例えば、7℃乃至30℃に設定管理されており、本実施形態では16℃に設定管理されている。
水槽部3は、その深さ方向(鉛直方向)の下方位置にて、水槽部3内の水を筒部11内へと送るための給水管7の一端(上流側端部)7aが連結されている(図3乃至図5参照。)。
給水管7は、中途部位にポンプ9を備え、他端(下流側端部)7bは、高圧散水部13の上端に連絡されている。
また、本実施形態では、図示はしないが、水槽部3内には、水面位置を一定に保つべく、水面位置維持部を備えている。水面位置維持部は、例えば、ボールタップ構造などが想定される。さらに、水槽部3には濾過・除菌機能(図示省略)を備えており、水中に含まれる真菌などの不純物を濾過・除去する。
筒部11は、上端を封鎖し、かつ下端を開口してなる所定径(本実施形態では650mm)の円筒状に形成され、下端開口11aが水槽部3の上端開口5と鉛直方向で同軸上に連通するようにして水槽部3の上端に一体に立ち上げ形成されている。また、筒部11の下方側面には、空気送出部23の送風ダクトの空気送出口27aと連結可能な側面開口部(空気導入口)11bが形成されている。
また、筒部11の上方側面には、気水分岐部29の上方側面から突設された空気導入管29aに連結(連通)可能な空気送出管11cが突設されており、空気送出管11cは筒部11の内部空間と連通するとともに、空気導入管29aと連結される先端を開口している。本実施形態では、筒部11の一実施形態として円筒状の筒部をもって説明したが、本発明の範囲内であれば各筒状など他の形態であってもよい。
高圧散水部13は、所定形状に構成された散水ノズルユニット15で、本実施形態では、上端側が筒部11の上面にて給水管7と連結されて筒部11の内部中心にて鉛直方向に吊り下げ支持(固定)されている(図2−図5参照。)。
散水ノズルユニット15は、多数個の散水ノズル19が設けられており、本実施形態では、給水管7と連結される円管部17と、円管部17の周方向所定間隔毎に同一のピッチ円上に複数個(本実施形態では4個)配設され、円環部内と連通する散水ノズル19からなるノズル群からなり、本実施形態では、ノズル群が、円管部17の長さ方向(鉛直方向)で、鉛直方向に所定間隔をあけて複数配設されている(図3、図6等参照。)。
各散水ノズル19は、水平方向で同一の方向(図6で向かって右方向、図7で反時計回り方向)に散水口(噴出口)19aを向けて配設されている。
また、本実施形態では、鉛直方向に配されている各散水ノズル群は、ノズル配設位置を異にしている。例えば、本実施形態では、第一の散水ノズル群15a(図7(a))と、第二の散水ノズル群15b(図7(b))と、第三のノズル群15c(図7(c))と、が鉛直方向で繰り返し配設されており、それぞれの群毎に30度ずつずれるように構成されている(図6及び図7参照)。
また、本実施形態では、散水ノズルユニット15の下端21は、筒部11の下方に一体に配設されている水槽部3の水面から所定距離離れて位置し、側面開口部(空気導入口)11bと対向して位置している(図3参照。)。
このように形成された散水ノズルユニット15の各散水ノズル19からは、ミスト状に水が散水され、散水された水は筒部11の内壁面にぶつかってさらに細かいミスト状の微細水滴と大径の水滴に分離される。
空気送出部23は、送風ファンと、送風ファンと連絡されて筒部11の下方側面の連絡口に連結される送風ダクトとで構成されている。
本実施形態において、筒部11の側面開口部(空気導入口)11bは、筒部11の筒軸中心から左右いずれかの方向にずれた位置に形成されており、送風ダクトは、その空気送出口27aが、筒部11の筒軸中心から横方向にずれて連結されている。
このように構成されていることにより、本実施形態では、送風ダクトから送出されてきた空気は、円筒状の筒部11の内面に沿って送り出され、円筒状の筒部11の内面に沿って回りながら上昇していく。そして、散水ノズルユニット15によりミスト状に微細水滴が散水され、空気送出部23から筒部11内に送り出された(導入された)空気が、ミスト状の微細水滴を含んで筒部11外へと送り出されるが、大部分の水は、水槽部3内へと落下する。この落下する水には、空気が接触する際に、空気中に含まれる真菌などの不純物が取り込まれており、この不純物を取り込んだ水は下方にある水槽部3内に取り込まれる。
空気送出部23は、送風ダクトの空気送出口27aの下端が、水槽部3内に溜められている水の水面から鉛直方向で所定高さ離れた位置に設けられている(図3参照。)。
また、本実施形態において空気送出部23は、送風ダクトの空気送出口27aの下端が、水槽部3内に溜められている水の水面から鉛直方向で100mm−200mm程度離れた位置(距離L1で示す)に備えられている。本実施形態では130mmとしている。
空気送出口27aと水面との距離は、遠すぎても近すぎても効果が発揮されない。すなわち、空気送出口27aと水面との距離が近すぎると、空気送出口27aから送り出されてきた空気が粗い水の粒子を取り込んでいってしまうため、気水分岐部29で粗い粒子の水滴(大径の水滴)を除去しようとしても追いつかない場合がある。そうすると、気水分岐部29から乾燥庫35内へと送り出された露点飽和空気内には粗い粒子の水滴(大径の水滴)が含まれたままであるため、庫内の湿度が上がってしまい、結露を招く虞がある。また、空気送出口27aと水面との距離が遠すぎると、水の取り込みが少なく露点飽和空気の形成に支障を来たす虞もある。
この空気送出口27aと水面との距離は、筒部11の径によって最適の距離を設定する。
また、本実施形態では、筒部11内で形成されて送られてきた微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を導入し、微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気から、さらに大径の水滴を除去して乾燥庫35へと送る気水分岐部29を、筒部11と乾燥庫35との間に備えている。
気水分岐部29は、上方側面に突設され、内部空間と連通する空気導入管29aを有し、筒部11の空気送出管11cと連結される空気導入管29aの先端は開口されている。そして、筒部11内で形成され、空気導入管29aと連結(連通)される空気送出管11cを介して送られてきたミスト状の露点飽和空気内から、気水接触処理によって、さらに大径の水滴を除き、ミスト状の微細水滴のみを含む露点飽和空気を乾燥庫35へと送り出すもので、例えばサイクロンセパレータやエリミネータなどが採用可能である。
また、気水分岐部29は、上端に連通して設けられている送気ダクト31を有し、送気ダクト31は、乾燥庫35の再加熱領域49との間にわたって架け渡されている。
乾燥庫35は、空気導入部(導入部)37と空気排出部(排出部)39とを一側壁35a側に備え、乾燥対象食品を収容可能な大きさ(容量)の収容領域43を有する所定形状のボックス状に形成されている。
収容領域43は、乾燥庫35の天井面35cとの間に所定の空間を形成するように、天井面35cとの間に所定の間隔をあけて庫内の所定位置に立設される所定高さの縦方向仕切板45と、縦方向仕切板45の上端から、前記空気導入部(導入部)37と空気排出部(排出部)39とを備えた一側壁35a側と対向する他側壁35b方向に向けて水平方向に配設される水平方向仕切板(中間天井パネル)47とによって形成されている(図1及び図2参照。)。
なお、図2中、符号Dは、乾燥対象食品を収容して収容領域43内に収容可能な台車を示す。台車Dは、図2に示す本実施形態のように、ロース原木Rを吊り下げ収容する形態ではなく、複数枚のトレーを多段状に有する形態の台車などであってもよく、本発明の範囲内で他の形態の台車が採用可能である。また、台車は本発明において必須の構成要素ではないため、台車を用いることなく乾燥対象食品を収容することも本発明の範囲内である。
収容領域43と乾燥庫35の天井面35cとの間には、気水分岐部29から送気ダクト31を介して送られてきた所定温度に制御されたミスト状の露点飽和空気を、さらに所定温度まで加熱する再加熱領域49を形成している(図2参照。)。また、乾燥庫35は、前記他側壁35bと、他側壁35bと対向する水平方向仕切板47の端縁47aとの間に、再加熱領域49と乾燥対象食品の収容領域43との双方の領域を連通する連通領域(開口領域)57を備えている(図2参照。)。
すなわち、乾燥対象食品の収容領域43は、再加熱領域49から送られた再加熱後の所定温度・所定湿度のミスト状の露点飽和空気が送り込まれ、所定温度・所定湿度に制御されたミスト状の露点飽和空気が満たされている雰囲気となっている状態で、所定の庫内温度と庫内湿度を、所定の範囲内、例えば庫内温度を10℃−60℃、庫内湿度を5%−95%(本実施形態では庫内温度20℃で庫内湿度60%−80%)で所定時間毎(例えば6時間毎)に交互に変化させることにより、乾燥対象食品の乾燥処理がなされる。
そして、鉛直方向仕切板で仕切られた収容領域43の反対の領域(図2で向かって右側の領域)は、収容領域43内の雰囲気を調整するために排出された空気を排出する排出領域97として機能する。この排出領域97は乾燥庫35内の上方で再加熱領域49と連通している。
空気導入部(導入部)37は、再加熱領域49における連通領域57位置と反対側に位置する一側壁面に開口して設けられており、気水分岐部29の上端に連通して設けられている送気ダクト31の他端(下流側端部)31aが連結されている(図2参照。)。そして、空気導入部(導入部)37には、送気ダクト31と連絡されて、所定温度・所定湿度に制御されたミスト状の露点飽和空気を再加熱領域49内に送り込む長尺管状の案内ダクト33が備えられている。本実施形態では、後述する再加熱部(再加熱ヒーター)51の近傍に向けて延出されている(図2参照。)。
空気排出部(排出部)39は、前記空気導入部(導入部)37が設けられている一側壁面に水平方向で並んで設けられており、空気送出部23に連通して設けられている回収ダクト41の他端(下流側端部)41aが連結されている。
再加熱領域49には、空気導入部(導入部)37を介して筒部11から送られてきた所定温度・所定湿度に制御された微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を、さらに所定温度に再加熱する再加熱部51が備えられている。本実施形態では、この再加熱領域49によって、収容領域43内を含む庫内全域が20℃になるように設定されている。
本実施形態では、図1、図8、図9及び図12に示す再加熱ヒーター(庫内ヒーター)51が採用されている。
再加熱ヒーター(庫内ヒーター)51は、例えば、本実施形態では、大径のコイル状に構成した外方ヒーター部53と、小径のコイル状に構成され、外方ヒーター部53内に内装される内方ヒーター部55とで構成されているものが採用されている(図8及び図9参照。)。
本実施形態の外方ヒーター部53は、二本の管状発熱体からなる同一径の二つのコイル状ヒーター53a,53aを組み合わせて構成されており、それぞれのヒーター53a,53aのピッチは、ずらして組み合わせることとしている(図8及び図9参照。)。
このように外方ヒーター部53を構成するとともに、内方ヒーター部55を組み合わせることにより形成された、再加熱ヒーター(庫内ヒーター)51を、本実施形態では、乾燥庫35の横方向に6個同一軸上に備えて並設している。隣り合う再加熱ヒーター51同士は、所定の間隔をもって並設されている。また、本実施形態においてこれら再加熱ヒーター51は、連通領域57の近傍に備えるものとしている(図2参照。)。
従って、再加熱領域49に送り出されてくる所定温度・所定湿度に制御された微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気は、再加熱ヒーター(庫内ヒーター)51の近傍まで延出されている案内ダクト33から再加熱ヒーター(庫内ヒーター)51に向けて送り出される。このとき、再加熱ヒーター(庫内ヒーター)51が上記多重構成であるため、再加熱ヒーター(庫内ヒーター)51を通過していく際に、ヒーターへの接触面積が多く効率よく再加熱可能である。
なお、再加熱部51は、本実施形態に何等限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
連通領域57は、他側壁35bと水平方向仕切板47の端縁47aとの間の連通空間を遮蔽する遮蔽板59と、遮蔽板59の所定位置に開口されている所定形状の開口61と、開口61に備えられ、前記再加熱領域49にて所定温度に再加熱された微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を前記乾燥対象食品の収容領域43へと送り込む循環ファン63とで構成されている(図1、図2及び図11参照。)。この循環ファン63は、開口61の近傍に備えても良い。本実施形態では、乾燥庫35の横方向に六箇所の開口61を形成するとともに、それぞれの開口61に六基の循環ファン63を備えて並設している(図1参照。)。図中、符号65は再加熱領域49内に突設されているファンフードで、循環ファン63はこのファンフード65に囲まれた内部に備えられている。再加熱領域49内に突設したファンフード65内に循環ファン63を備えるものとしたことにより、ミスト状の露点飽和空気は再加熱領域49内にいる時間が長くなるため再加熱効率が良い。
本実施形態では、これら六基の循環ファン63を全て同一性能の循環ファンとしているが、一個乃至複数個が異なる性能の循環ファンとすることも可能で本発明の範囲内である。
本実施形態では、収容領域43において、連通領域57の下位には、循環ファン63によって収容領域43へと送られてきた再加熱後のミスト状の露点飽和空気が、収容領域43内に入れられた乾燥対象食品へと満遍なく行き渡るように調整可能な空気流動調整部67を備えている(図2、図10乃至図12参照。)。
空気流動調整部67は、連通領域57の開口61近くに上端を位置させて庫内中央方向に向かって下り傾斜状に配設されたガイド部(斜流板)69と、ガイド部(斜流板)69の長さ方向に設けられ、所定間隔をあけて複数個備えられる整流部(整流板)71と、鉛直方向で前記ガイド部(斜流板)69の上方に備えられる風向制御部(風向ダンパ)73と、で構成されている(図10乃至図12参照。)
ガイド部(斜流板)69は、所定の幅で所定の長さをもって形成された矩形状の板材で、連通領域57の循環ファン63の下位に上端69aを位置させるとともに、下端69b側を収容領域43の中央方向に向けて下り傾斜状となるように配されている(図11及び図12参照。)。ガイド部(斜流板)69は、循環ファン63から送られてきた再加熱後のミスト状の露点飽和空気を乾燥対象食品が収容されている領域まで案内するものであり、本実施形態では所定角度に固定されているが、食品の乾燥状態により傾斜状態を緩急調整することも可能である。
また、ガイド部(斜流板)69は、下端69bが収容領域43の底面35dから所定距離離れるように構成されている(図11参照。)。本実施形態では、それぞれの循環ファン63の下位にガイド部(斜流板)69が配設されており、隣り合うそれぞれのガイド部(斜流板)69同士は離れないように連結されている(図12参照。)。
整流部(整流板)71は、断面視三角形状に形成された山型の長尺板材で、ガイド部(斜流板)69の表面に平行して2本備えられている(図11及び図12参照。)。整流部(整流板)71は、循環ファン63から送られてきてガイド部(斜流板)69に届いた再加熱後のミスト状の露点飽和空気の流れを整えるためのものである。
それぞれの整流部(整流板)71の並設間隔、並設本数などは本発明の範囲内で適宜最適な間隔が採用される。また、平行して設けられているものに限らず、並行して設けられていない場合も本発明の範囲内である。
風向制御部(風向ダンパ)73は、循環ファン63から送られてきた再加熱後のミスト状の露点飽和空気の落下方向(風向き)を調整する機能を有している。
本実施形態では、所定間隔をあけて並設させた所定長さの一対の棒状支持部材75,75と、一対の棒状支持部材75,75間にわたって回動可能に架け渡されているダンパ部材77と、ダンパ部材77を回動させる回動機構87とで構成されている。本実施形態では、一対の棒状支持部材75,75の間に、棒状支持部材75の長さ方向で所定間隔をあけて3個のダンパ部材77が備えられている(図10及び図11参照。)。
ダンパ部材77は、所定長さの平板状に形成されたベース部本体79aと、ベース部本体79aから一体に突出する軸部79bとで構成され、一対の棒状支持部材75,75に同軸状に設けられた一対の軸着孔に、軸部79bが回動可能に軸着される一対のベース部79と、一対のベース部本体79aにわたって架け渡されると共に、ベース部本体79aの所定位置に取付固定される羽根板部81と、で構成されている。また、本実施形態では、羽根板部81の鉛直方向で上端縁に取り込みガイド片(上端部)81aを、他側壁35b方向(図11にて向かって右方向)に向けて昇り傾斜状に一体に備え、鉛直方向で下端縁には、放出ガイド片(先端部)81bを収容領域43の中央方向(図11にて向かって左方向)に向けて下り傾斜状に一体に備えている(図10参照。)。
本実施形態では、3個のダンパ部材77の向き(配設角度)を異にするように構成している(図10(a)参照。)。
例えば、一番奥側(図11にて向かって右側の他側壁35b寄り)に配設されているダンパ部材77を第一のダンパ部材77aとし、その手前側に配設されるダンパ部材77を第二のダンパ部材77bとし、さらにその手前側に配設されるダンパ部材77を第三のダンパ部材77cとし、第一のダンパ部材77aを鉛直方向で棒状支持部材75,75と直交するように軸着し、第二のダンパ部材77bは、第一のダンパ部材77aの放出ガイド片(先端部)81bと第二のダンパ部材77bの放出ガイド片(先端部)81bとの間隔L2が270mmとなるようにし、第二のダンパ部材77bの放出ガイド片(先端部)81bと第三のダンパ部材77cの放出ガイド片(先端部)81bとの間隔L3が220mmとなるように取付制御している(図10(a)参照。)。
また、本実施形態のダンパ部材77は、羽根板部81の両端に、鉛直方向に長尺状に設けられた長孔83が形成されており、この長孔83の任意位置を選択すると共にボルト85でベース部本体79aに羽根板部81を取り付ける構成としている。すなわち、長孔83のどの位置を選択してベース部本体79aにボルト止めするかにより羽根板部81の鉛直方向の高さ位置が決まる構成とし、本実施形態では、各ダンパ部材77の高さ位置を異にする構成を採用している。
例えば、第一のダンパ部材77aは、長孔83の鉛直方向における最下位置を選択してボルト止めすることで最上位置に取り付け配置し、第二のダンパ部材77bは、長孔83の鉛直方向における最上位置を選択してボルト止めすることで最下位置に取り付け配置し、第三のダンパ部材77cは、長孔83の鉛直方向における中間位置を選択してボルト止めすることで、第一のダンパ部材77aと第二のダンパ部材77bとの中間位置に取り付け配置している(図10(b)参照。)。
回動機構87は、それぞれのダンパ部材77のベース部本体79aと一体に取り付けられて鉛直方向で上方に突設された各クランクアーム89と、各クランクアーム89の上端(ベース部本体79aに固定される側と反対側の端部)間にわたって架け渡され、各クランクアーム89の上端を回動可能に軸着する棒状連動部材91と、棒状連動部材91を前後移動させる図示しない移動機構を備えた駆動源(モータ)93とで構成されている。
従って、駆動源93のON操作によって図示しない移動機構を介して棒状連動部材91を前後方向に移動させると、各クランクアーム89と連結された第一のダンパ部材77a、第二のダンパ部材77b、第三のダンパ部材77cの各ダンパ部材が前記後方向に揺動し、循環ファン63から送られてくる再加熱後のミスト状の露点飽和空気の収容領域43への風向調整を制御する。
また、収容領域43に収容される乾燥対象食品の乾燥状態を観察し、下方に収容されている乾燥対象食品の乾燥が悪い場合はダンパ部材77の向き(角度)を下向きにし、上方に収容されている乾燥対象食品の乾燥が悪い場合はダンパ部材77の向き(角度)を上向きにして調整することも可能である。
縦方向仕切板45には、乾燥対象食品の収容領域43内の雰囲気を調整可能な庫内雰囲気調整部(風量調整部)95を備えている。
庫内雰囲気調整部の外側には、収容領域43内から排出された空気が排出される排出領域97が形成されている。排出領域97には、空気排出部(排出部)39が連通状に設けられ、回収ダクト41の他端(下流側端部)41aが連結されて空気送出部23に架け渡されており、空気送出部23の送風ファンによって排出領域97の排出空気が回収され筒部11内へと送り出される。
庫内雰囲気調整部(風量調整部)95は、本実施形態では、縦方向仕切板45における乾燥庫35の幅方向にわたって複数枚(本実施形態では長尺矩形状の板材)の開閉板95aを並設させて構成されており、それぞれの開閉板95aは、乾燥庫35の幅方向にわたって回動可能に架け渡された1本の長尺棒状部95bに固定されて開閉機構を構成し、長尺棒状部95bを回動させて開閉板95aを上下動させることで開閉調整可能としている。
本実施形態では、この開閉機構が鉛直方向にわたって複数個備えられている。
すなわち、本実施形態の縦方向仕切板45は、これら複数個の開閉機構によってその略全面が通風可能に構成されており、開閉機構の開閉調整次第で、収容領域43内の風量調整(雰囲気調整)が任意に行なえる。
この開閉機構は本実施形態では手動によって行なうように構成しているが、自動調整可能に構成することも当然に可能で本発明の範囲内である。また、開閉機構の配設数も一個又は複数個の範囲で自由に設定可能で限定されない。
「本実施形態の乾燥装置の作用効果」
本実施形態の乾燥装置の作動及び作用効果について説明する。
まず、水槽部3から給水管7を介してポンプ9によって汲み上げられた所定温度に制御された水は、筒部11内に吊り下げ支持されている散水ノズルユニット15へと送り込まれる。
そして、散水ノズルユニット15に備えられた各散水ノズル19から所定温度(例えば、本実施形態では16℃)に制御されたミスト状の散水が筒部11内に向けてなされる。このとき、ミスト状に散水された水は、各散水ノズル19から同一方向、すなわち、筒部11の内周に向けて同一方向(円周方向)に散水されるとともに、筒部11の内壁面に衝突してさらに微細水滴と大径の水滴とに分裂される。すなわち、円筒状の筒部11の円周方向に渦状に噴射される。
そして、円筒状の筒部11の下方から内周面に沿って回りながら上昇してくる空気が、微細水滴を含み、所定温度に制御されたミスト状の露点飽和空気として筒部11から、隣設された気水分岐部29へと送られる。また、仮に、筒部11内に真菌などの不純物が浮遊していたとしても、筒部11内にて大径の水滴などと共に下方の水槽部3へと落下する。
そして次に、気水分岐部29によってさらに大径の水滴を分離回収して、送気ダクト31を介して不純物などが除去された所定温度に制御されたミスト状の微細水滴を含む露点飽和空気が乾燥庫35へと送られる。
そして、送気ダクト31を介して乾燥庫35に送られた所定温度に制御されたミスト状の微細水滴を含む露点飽和空気を、乾燥庫35の再加熱領域49にて所定温度(20℃)まで再加熱すると、相対湿度が80%から60%の所定湿度雰囲気となる。そして、所定時間毎(6時間毎)に、相対湿度を80%と60%と交互に繰り返し制御する。
そして、所定温度・所定湿度のミスト状の微細水滴を含む露点飽和空気を、循環ファン63によって、再加熱領域49の下位の収容領域43へと送り込み、収容領域43へと送り込まれた所定温度・所定湿度のミスト状の微細水滴を含む露点飽和空気で収容領域43を満たし、収容領域43に収容された乾燥対象食品を所定の乾燥状態(所定の含水率)となるまで乾燥させる。
「実施例」
図16及び図17は、本実施形態の乾燥装置を生ハム(ロース原木)の乾燥に用いた実施例である。
図16は、生ハム(ロース原木)Rの乾燥中の乾燥庫内温度・湿度のチャートを示す図である。庫内温度は20℃に制御し、庫内湿度は60%−80%、水槽部3内の水の水温は12℃−16℃を6時間毎に変えるように制御している。図中符号T1は庫内温度を示し、符合H1は庫内湿度を示し、符合WH1は水槽部3内の水の水温を示す。
図17は、生ハム(ロース原木)Rの相対湿度変化による脱水重量の変化を示す図である。図中符号T2は庫内湿度を示し、符合W1はロース原木Rの重量を示す。
この図からわかるように、相対湿度60%に落とした時間帯では、80%とした時間帯と比して乾燥速度が速くなる(重量変化が大きくなる。)。このように相対湿度を所定時間ごとに80%と60%に繰り返し変化させることにより、乾燥が急速に進むことで発生する表面硬化を抑制し、内部水分の表面への移動を促進させ、その結果、乾燥速度が速くなったり遅くなったりすることで、均一に所定の含水率まで変化した乾燥食品を短時間で提供し得る。
図18乃至図20は、本実施形態の乾燥装置を鮭とばの乾燥に用いた実施例である。
図18では、検体となる鮭をフィレ状態で24時間乾燥し、その後スリット状態として乾燥した。
本実施形態では、水槽部3内の水の水温は10℃−20℃の範囲内で制御した。
そして、乾燥庫内の庫内温度は20℃−25℃の範囲に制御し、庫内湿度は35%−65%の範囲で3時間毎に35%と65%を交互に変化させるように制御した。図中符号R1は第一検体(乾燥前重量1.7kg)を示し、符合R2は第二検体(乾燥前重量1.8kg)を示し、符号T3は庫内温度を示し、符合H3は庫内湿度を示し、符合WH2は水槽部3内の水の水温を示す。この結果、54時間程度で目的の含水率28%,W.B.となった。
図19は、従来の乾燥装置(冷風乾燥装置)を用いた場合と、本実施形態の乾燥装置を用いた場合との重量変化と時間との関係を示す図である。図中、「ACDS」は従来技術、「LeD」は本実施形態を示す。
この結果、従来の乾燥装置の場合、乾燥開始から急激に乾燥が進み、本実施形態の乾燥装置と差が生じるが、30時間を越えたあたりから次第に速度が遅くなり、結果的には同じ程度の乾燥時間となった。
図20は、従来の乾燥装置(冷風乾燥装置)を用いた場合と、本実施形態の乾燥装置を用いた場合との時間当たりの乾燥速度(重量の減量速度)を示す図である。図中、「ACDS」は従来技術、「LeD」は本実施形態を示す。
これによれば、開始から6時間経過する以前までは従来の乾燥装置のほうが重量の減量速度が速いが、6時間経過するあたりから重量の減量速度に大差ないことがわかる。すなわち。従来の乾燥装置は、ある一定時間から減量速度が極端に遅くなることがわかる。なお、24時間経過後、一旦、従来の乾燥装置を用いた場合の重量の減量速度が速まったが、これは、24時間経過後、フィレ状態の検体を細かくスリット状にしたためである。30時間経過するあたりからその速度が逆転していることがわかる。
「第二実施形態」
図13乃至図15は、本発明乾燥装置の第二実施形態を示し、装置全体が大型化した実施の一形態である。なお、装置全体を大型化するにあたって、一部異なる構成を採用している箇所がある以外、必要箇所を単純に大型化したものがほとんどであり、基本的な構成及び作用効果は第一実施形態と同一である。例えば、筒部11と、筒部11内に配設される高圧散水部13の構成が第一実施形態の高圧散水部13と構成が異なっている。従って、本実施形態では、高圧散水部13の説明に留まり、その他の構成及び作用効果については第一実施形態の説明を援用する。
筒部11は、第一実施形態の筒部11と比して大径に形成されるとともに、その内周面には熱交換器107が配設されている。本実施形態では、筒部11外にて図示しない温水ボイラーと連絡されたコイル式の熱交換パイプ107aを内周面に張り巡らせており、筒部11内を所定温度に制御可能とする。図13及び図14中、符号99は、温水ボイラーに連絡される入水側継手、符号101は、循環ポンプを介して温水ボイラーに連絡される排水側継手を示す。
なお、熱交換器107は図示形態に限定解釈されるものではなく、筒部11内を所定温度に制御可能であれば本発明の範囲内で設計変更可能である。
また、本実施形態において空気送出部23は、送風ダクト27の空気送出口27a下端が、水槽部3内に溜められている水の水面から鉛直方向で100mm−200mm程度離れた位置(距離L1で示す)に備えられている。本実施形態では150mmとしている。
高圧散水部13は、図14及び図15に示すように、大径に形成される筒部11内に向けて散水可能な散水ノズルユニット15が複数本吊り下げ保持されて構成されている。
本実施形態では、筒部11の内周面との間に所定間隔をあけるとともに、それぞれの間も所定間隔をあけて6本の散水ノズルユニット15が鉛直方向に吊り下げ支持(固定)されている。
また、本実施形態では、それぞれの散水ノズルユニット15は、同一のピッチ円上に配設されている。そして、隣り合う各散水ノズルユニット15の上端間は、それぞれ連絡管103にて周方向に連通しており、そのうちの一つの連絡管103には、筒部11の上面寄りの側面所定位置にて、水槽部3と連絡して鉛直方向に立ち上げられた給水管7の上端側が連絡されている。すなわち、本実施形態によれば、図15に示すように、6本の散水ノズルユニット15とそれぞれの連絡管103によって、平面視で略六角形状を構成している。さらに、本実施形態では、隣り合う各散水ノズルユニット15の下端間にも、それぞれの散水ノズルユニット15を周方向に連通する各連絡管103が設けられている。
図14にて、符号105は給水管7の上端側が連絡される継手である。
散水ノズルユニット15は、多数個の散水ノズル19が設けられており、本実施形態では、鉛直方向で同一線上にそれぞれの散水ノズル19が配設されており、また、各散水ノズルユニット15に配設されている各散水ノズル19が、水平方向に散水口(噴出口)19aを向けて配設されている。また、各散水ノズルユニット15に配設されている各散水ノズル19は同一方向に散水口(噴射口)19aを向けている。
また、本実施形態では、各散水ノズルユニット15の散水ノズル19は、それぞれ同一のピッチ円上に配設されており、かつそれぞれが水平方向で同一の方向(図14で向かって右方向、図15で反時計回り方向)に散水口(噴射口)19aを向けている。
従って、本実施形態によれば、給水管7から送られてきた所定温度に制御された水は、各連絡管を通ってそれぞれの散水ノズルユニット15へと送り込まれ、それぞれの散水ノズルユニット15に備えられた各散水ノズル19から所定温度に制御されたミスト状の散水がなされる。
筒部11の下方から内周面に沿って回りながら上昇してくる空気が、散水ノズル19から散水(噴出)される所定温度に制御されたミスト状の微細水滴を含みつつ、さらに筒部11内で所定温度に制御されたミスト状の露点飽和空気として上部ダクトから気水分岐部29へと送られる。
散水ノズルユニット15の配設本数は本実施形態に限定解釈されるものではなく、筒部11内に十分な散水が可能な個数が選択され、筒部11の径に合わせて本発明の範囲内で任意である。また、各散水ノズルユニット15に配設される散水ノズル19の散水口(噴射口)19aの配設数や向きなどは本発明の範囲内で設計変更可能である。散水ノズル19は、それぞれの散水ノズルユニット15において、その配設数量や散水口(噴射口)19aの向きなどが異なっているものであってもよい。
本発明は、乾燥工程の必要な全ての食品に利用可能であり、食肉、魚介類、野菜、果実などの乾燥にも利用可能である。
1 露点飽和空気発生機構
3 水槽部
11 筒部
13 高圧散水部
23 空気送出部
27 送風ダクト
35 乾燥庫
43 収容領域
49 再加熱領域
51 再加熱部(再加熱ヒーター)
63 循環ファン
69 ガイド部(斜流板)
71 整流部(整流板)
73 風向制御部(風向ダンパ)

Claims (8)

  1. 露点飽和空気発生機構と乾燥庫とで構成され、
    前記露点飽和空気発生機構は、
    所定水温に管理可能に構成された水槽部と、
    前記水槽部と連通して備えられ、鉛直方向に立ち上げられた筒部と、
    送風ダクトが前記筒部の下方に連結し、前記筒部内に向けて空気を導入する空気送出部と、
    前記筒部内に備えられ、前記水槽部にて所定温度に管理された水を筒内壁方向に向けて霧状に高圧散水し、前記空気送出部から導入された空気によって所定温度の微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を形成可能に構成された高圧散水部と、を少なくとも含み、
    前記乾燥庫は、
    前記筒部と連絡し、前記筒部より送られてきた微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を、さらに所定温度に再加熱して庫内を所定温度・所定湿度とすることで庫内に収容した対象食品を所定の含水率になるまで乾燥処理させ
    前記乾燥庫は、空気導入部と空気排出部とを備えると共に、前記乾燥庫内は、再加熱領域と、乾燥対象食品を収容可能に構成した収容領域と、に少なくとも区画され、
    前記空気導入部は、前記筒部と前記再加熱領域との間に架け渡されており、
    前記再加熱領域には、前記空気導入部を介して前記筒部から送られてきた微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を所定温度に再加熱する再加熱部が備えられ、
    前記空気導入部から離間した位置で前記再加熱領域と前記乾燥対象食品の収容領域との間には、前記双方の領域を連通する連通領域を備え、
    前記連通領域あるいは前記連通領域の近傍には、前記再加熱領域にて所定温度・所定湿度に制御された微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を前記乾燥対象食品の収容領域へと送り込む循環ファンを備え、
    前記乾燥対象食品の収容領域における前記連通領域と反対側には、前記乾燥対象食品の収容領域内の雰囲気を調整可能な庫内雰囲気調整部を備えていることを特徴とする食品乾燥装置。
  2. 前記空気送出部は、前記送風ダクトの空気送出口の下端が、前記水槽部内に溜められている水の水面から鉛直方向で所定高さ離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の食品乾燥装置。
  3. 前記空気送出口は、前記筒部の筒軸中心から左右いずれかの方向にずれた位置にて前記筒部と連通していることを特徴とする請求項1又は2に記載の食品乾燥装置。
  4. 前記筒部と前記乾燥庫との間に備えられ、前記筒部内で形成されて送られてきた微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気を導入し、前記微細水滴を含むミスト状の露点飽和空気からさらに大径の水滴を除去して前記乾燥庫へと送る気水分岐部を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の食品乾燥装置。
  5. 前記収容領域において、前記連通領域の下位には、前記循環ファンによって前記収容領域へと送られてきた前記所定温度・所定湿度に制御されたミスト状の露点飽和空気が、前記収容領域内に入れられた乾燥対象食品へと満遍なく行き渡るように調整可能な空気流動調整部を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の食品乾燥装置。
  6. 空気流動調整部は、連通領域の開口近くに上端を位置させて庫内中央方向に向かって下り傾斜状に配設された斜流部と、前記斜流部の長さ方向に設けられ、所定間隔をあけて複数個備えられる整流部と、鉛直方向で前記斜流部の上方に備えられる風向制御部と、で構成されていることを特徴とする請求項5に記載の食品乾燥装置。
  7. 前記水槽部内の水温は、7℃乃至30℃に設定されており、
    前記乾燥庫内は、庫内温度が10℃乃至60℃、庫内湿度が5%乃至95%の雰囲気に設定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の食品乾燥装置。
  8. 前記乾燥庫内の温度と相対湿度を、所定時間毎に所定の範囲内で交互に繰り返し変化させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の食品乾燥装置。
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