JP3865542B2 - 過熱水蒸気を用いた食品の調理設備 - Google Patents

過熱水蒸気を用いた食品の調理設備 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、過熱水蒸気を用いて食品の焼成、脱脂、殺菌、乾燥を効率的に行うことが可能な過熱水蒸気を用いた食品の調理設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食材をフライングして、過剰油の存在しない空揚げ、衣揚げ、フライ等揚げ物を調理したり、あるいは沸騰油中でプリフライされた空揚げ、衣揚げ、フライ、スナック菓子、即席麺等から余分な油分を脱脂するために、過熱水蒸気が使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の過熱水蒸気を使用した調理設備では、(1)過熱水蒸気の噴射方向が被調理品に対して上面側の一面のみであることから、被調理品の加熱に不均一が生じること、(2)過熱水蒸気の噴射ノズルの取付け位置が固定されているため、被調理品のサイズや形状によって被調理品と噴射ノズルの距離が大きくなると加熱効率が低下すること等のために被調理品の形状や、大きさの変化に応じて調理時間をその都度調節する必要が生じ、調理の効率化を妨げると共に、調理の自動化の障害にもなっていた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、安定した品質の調理が効率的に行え、調理の自動化が可能な、過熱水蒸気を用いた食品の調理設備を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る過熱水蒸気を用いた食品の調理設備は、搭載部が通気自在となって被調理品を搬送するコンベアと、
前記コンベアによって搬送される前記被調理品に上下から過熱水蒸気を吹き付ける上ノズル部及び下ノズル部と、
前記コンベアの入口部及び出口部を除く部分及び前記上、下ノズル部を覆い、周囲が断熱材で覆われた高温加熱室とを有し、
前記高温加熱室には過熱水蒸気及び前記被調理品からの発煙物を外部に排気するための排気口が設けられ、
前記上ノズル部は箱状構造となって、前記被調理品側に形成された該上ノズル部の蒸気噴射部は、(1)前記コンベアの幅方向全体にわたって形成された幅0.1〜2mmの複数のスリット、又は(2)幅方向にそれぞれ長い、幅0.1〜2mm、長さ10〜60mmの複数の千鳥足状に配置されたスリットからなって、
前記下ノズル部は端封した丸パイプを隙間を設けて並べた丸パイプ構造であって、前記被調理品側に形成された前記下ノズル部の蒸気噴射部は、直径が0.1〜4mmの複数の小孔からなって、該各小孔は全体として千鳥足状に配置され、
前記上ノズル部及び前記下ノズル部には昇降機構が設けられていると共に、前記下ノズル部の下方に前記被調理品からの流出物を受け止めて回収する受けパンが取付けられ、しかも、前記下ノズル部と前記受けパンとは一体となって、前記下ノズル部の昇降機構は前記受けパンと前記高温加熱室の内殻底面との間に配置されている。
【0005】
【0006】
【0007】
前記目的に沿う第の発明に係る過熱水蒸気を用いた食品の調理設備は、第の発明に係る過熱水蒸気を用いた食品の調理設備において、前記コンベアの入口部の上部に前記被調理品の高さを検知するセンサーが設けられ、該センサーの出力によって前記昇降機構が駆動され、前記被調理品の高さ変化に応じて前記上ノズル部の位置を設定する
【0008】
【0009】
前記目的に沿う第の発明に係る過熱水蒸気を用いた食品の調理設備は、第1及び第2の発明のいずれかに係る過熱水蒸気を用いた食品の調理設備において、前記被調理品の上面と前記上ノズル部との直線距離及び前記被調理品の下面と前記下ノズル部との直線距離を、5〜200mmの範囲とし、手動又は自動で調整してもよい。これによって、被調理品の種類、サイズ、形状、及び調理内容の違いを考慮して、最適な条件で調理をすることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る過熱水蒸気を用いた食品の調理設備の構成図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は同調理設備の上、下ノズル部の概念図、図4は同調理設備の変形例に係る上、下ノズル部の概念図、図5は同調理設備の他の変形例に係る上、下ノズル部の概念図、図6は同調理設備の上ノズル部の昇降機構の概念図、図7は同調理設備の下ノズル部の昇降機構の概念図、図8は同調理設備の他の変形例に係る上、下ノズル部の概念図である。
【0011】
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る過熱水蒸気を用いた食品の調理設備10は、上流側に入口部21、下流側に出口部22を設けて、被調理品を搬送するコンベア11を有し、過熱水蒸気が噴射されて被調理品の加熱が行われる高温処理室23を、所定の個数連結して構成される高温加熱室20を、コンベア11の入口部21と出口部22の間に備えている。
【0012】
各高温処理室23内には、コンベア11に搭載されて入口部21から出口部22の方向に移動する被調理品の上面に過熱水蒸気を噴射する上ノズル部12と、下面に過熱水蒸気を噴射する下ノズル部14が設置され、過熱水蒸気や被調理品からの発煙物を高温処理室23内部から外部に排気するためのダンパーを含む排気口16と、下ノズル部14の下方に被調理品からの流出物を受け止めて回収するための受けパン17とが取付けられている。更に、高温処理室23内を保温するために高温加熱室20の周囲は断熱材19で覆われている。また、上ノズル部12と下ノズル部14には、それぞれ過熱水蒸気を導入するための過熱水蒸気流入配管13、15が、受けパン17には高温処理室23の内部から外部に通じる、流出物の排出用のドレン配管18が設けられている。
【0013】
被調理品を搬送するコンベア11は、例えば、2組のホーローピンチェーンと、それらの上に網や棒等により構成された通気性自在なパレット状の搭載部11aと、ホーローピンチェーンを移動させるための速度調整が可能な駆動装置24とを有している。搭載部11aを通気性自在とすることによって、下ノズル部14より噴射される過熱水蒸気を被調理品の下面まで到達させることができ、被調理品を下面から効率的に加熱することが可能となり、さらに調理中に被調理品より発生した流出物を直ちに落下させることができ、流出物と被調理品との接触時間の短縮を図ることができる。
【0014】
高温加熱室20は、ステンレス製の内殻と外殻を有する二重構造としており、内殻と外殻の隙間に断熱材19として、厚さ100〜120mmのロックウール等を充填している。また、高温加熱室20及び入口部21、出口部22の下面にはレベリングパッドを有する設置用の脚26が取付けられており、更に各高温処理室23の側面の一つには、内部に断熱材が充填された二重構造の開閉可能な、主としてメンテナンス用の扉27が設けられている。
【0015】
図3に示すように過熱水蒸気を噴射する上ノズル部12及び下ノズル部14の蒸気噴射部は、ステンレス製の丸パイプを数本〜数十本組み合わせた端封構造で、各丸パイプの被調理品側に、コンベア11の幅方向全体にわたった幅0.1〜2mmのスリット12d、14dを設け、パイプの開口側に過熱水蒸気流入配管13、15を接続した丸パイプ構造となっている。
なお、上、下ノズル部としては、図4に示す上ノズル部12a、下ノズル部14aのように、蒸気噴射部をステンレス製の丸パイプを数本〜数十本組み合わせた端封構造で、各丸パイプの被調理品側に、コンベア11の幅方向にそれぞれ長い幅0.1〜2mm、長さ10〜60mmの複数のスリット12e、14eを千鳥足状に設け、パイプの開口側に過熱水蒸気流入配管13、15を接続した丸パイプ構造とすることもできる。
さらには、図5に示す上及び下ノズル部12b、14bのように、蒸気噴射部の一面(被調理品側)に、コンベア11の幅方向にそれぞれ長い幅0.1〜2mm、長さ10〜60mmの複数のスリット12f、14fを千鳥足状に設けたステンレス製箱型容器に過熱水蒸気流入配管13、15が接続された箱状構造とすることもできる。
上ノズル部、下ノズル部には、丸パイプ構造と箱型構造のものを、任意に組み合わせて使用することも可能であるが、調理中に被調理品より流出物が発生する場合は、流出物を受けパン17に流れ落ち易くするため、下ノズル部の構造としては、パイプ間に隙間が形成される丸パイプ構造が好ましい。
なお、図示していないが、上ノズル部12と下ノズル部14内には、過熱水蒸気の温度を測定するための熱電対等の温度計を、また上、下ノズル部12、14の先端付近には雰囲気温度を測定するための熱電対、抵抗測温体等の温度計を設けている。更に、過熱水蒸気流入配管13、15には、図示していない過熱水蒸気用の圧力調整器と流量計を設けている。
【0016】
過熱水蒸気を噴射させて被調理品を加熱する場合、加熱効率を大きく左右するのは過熱水蒸気の噴射の密度と圧力であり、過熱水蒸気の噴射口の個数を多くして、圧力を高くするほど加熱効率は向上する。過熱水蒸気の噴射密度は、上ノズル部及び下ノズル部に設けられた蒸気噴射口の個数に比例する。また、噴射圧力は蒸気噴射口の幅に反比例するので、蒸気噴射口の開口面積が一定の条件では、蒸気噴射口の形状は、小孔形状よりもスリット形状の方が好ましい。更に、スリット形状においては、図3に示すようなコンベアの幅方向全体にわたって複数設けたスリットよりも、図4に示すようなスリット長さを短くして千鳥足状に複数配置した場合の方が、スリット間隔を狭くできるため、過熱水蒸気の攪拌効果が向上し、急速・均一加熱が可能となる。
具体的に蒸気噴射口は、実験より図3に示すようなコンベアの幅方向全体にわたって幅が0.1〜2mmの複数のスリット12d、14d、図4に示すような幅が0.1〜2mm、長さが10〜60mmの複数のスリット12e、14eや、図8に示す上、下ノズル部12c、14cのような、丸パイプ構造の蒸気噴射部に、直径が0.1〜4mmの千鳥足状に配置された複数の小孔12g、14gで構成することが好ましいことが判明した。
【0017】
また、蒸気噴射口の個数を多くするには、上ノズル部及び下ノズル部の大きさが同一であれば、丸パイプ構造よりも、箱状構造の方が有利である。したがって、被調理品を効率的に加熱するには、上ノズル部としては、過熱水蒸気の噴射の密度と圧力を高くすることが可能な箱状構造とし、スリットを設けるのが好ましい。また、移動する被調理品に対して上下面全体に均一に過熱水蒸気を直接噴射することができるように、スリットや小孔は、千鳥足状に配置するのがよい。なお、下ノズル部の形状は、流出物を受けパン17に流れ落ち易くするため、隙間が存在する丸パイプ構造の方が好ましい。
【0018】
上ノズル部12、下ノズル部14は、コンベア11上を移動する被調理品を、上下方向からはさむように配置しており、しかも、上ノズル部12及び下ノズル部14の位置は可変としている。図6、図7に示すように上、下ノズル12、14にそれぞれ設けた昇降機構27a、27bにより調節し、被調理品の上面と上ノズル部12との直線距離H及び、被調理品の下面と下ノズル部14との直線距離L(図2参照)は、5〜200mmの範囲内で、任意に調整できる。なお、被調理品の表面と上、下ノズル部12、14との直線距離H、Lを5mm未満とすると、被調理品の表面に焦げつきが発生し始め、200mmを超えると急激に加熱効率が急速に低下してしまうので、被調理品の表面と上及び下ノズル部12、14との直線距離H、Lを、5〜200mmの範囲とした。
【0019】
上ノズル部12の昇降機構27aは、電動シリンダー28aとクランク機構29aを有しており、上ノズル部12は、クランク機構29aを介して、高温処理室23の内殻天井31に取付けられている。電動シリンダー28aが作動して、左右のピストン棒30aが押し出されると、上ノズル部12は被調理品の上面から離れ、左右のピストン棒30aが引き込まれると、上ノズル部12は被調理品の上面に近づく。すなわち、電動シリンダー28aのピストン棒30aの移動距離に応じてクランク機構29aが回転し、上ノズル部12と被調理品上面との距離の調整が可能となる。なお、符号28bは電動シリンダーを、29bはクランク機構、30bはピストン棒を示している。
【0020】
なお、下ノズル部14に昇降機構27bを取付ける場合、被調理品から発生する流出物から昇降機構27bを保護する必要がある。流出物から昇降機構27bを保護する方法の一例として、下ノズル部14と受けパン17を連結して一体構造とし、昇降機構27bを受けパン17と内殻底面33との間に取付け、受けパン17を介して下ノズル部14を昇降させる方法が利用できる。この場合、受けパン17とドレン配管18との接続には、伸縮性を有する継手機構の一例であるベローズ32を使用して接続する。
また、図1に示すようにコンベア11の入口部21の上部に被調理品の最大高さを検知するため、半導体レーザーとCCD素子等を使用した光センサーを高さセンサー25として設けている。高さセンサー25により被調理品の最大高さを検知し、高さセンサー25の出力を昇降機構27aに入力することで、被調理品に対して最適な上ノズル部12の位置を調整することが可能となる。
【0021】
なお、過熱水蒸気の温度、圧力、流量、及び蒸気噴射口からの位置を変量としたときの、各変量間と雰囲気温度の関係、各種食材における調理内容、被調理品の上面及び下面の雰囲気温度、及び調理時間との関係等に関してのデータベースを整備し、コンベア11に搬送速度設定の自動制御機能を、過熱水蒸気を供給する過熱水蒸気発生器に温度、流量、圧力の自動制御機能を、上ノズル部12及び下ノズル部14用の過熱水蒸気流入配管13、15に過熱水蒸気の流量計と圧力の自動制御機能を、上ノズル部12の昇降機構27aに高さセンサー25及び被調理品の上面の雰囲気温度と連動した位置決めの自動制御機能を、下ノズル部14の昇降機構27bに被調理品の下面の雰囲気温度と連動した位置決めの自動制御機能をそれぞれ設けると、高さセンサー25により昇降機構27aを駆動させて上ノズル部12の位置を設定し、被調理品の上面、下面の雰囲気温度を測定して、食材の種類と調理内容から決定される雰囲気温度と調理時間となるように、過熱水蒸気の温度、圧力、流量及びコンベア11の搬送速度を、データベースに基づいてコンピュータにより制御すれば、完全自動化調理が可能となる。
【0022】
次に、本発明の一実施の形態に係る過熱水蒸気を用いた食品の調理設備10を適用した調理方法について述べる。
被調理品を入口部21でコンベア11上の搭載部11aに載せて、駆動装置24を起動させて、被調理品を高温熱室20内に搬送する。被調理品が高さセンサー25の検出位置に達すると、被調理品の最大高さが計測され、最大高さの値に基づいて上ノズル部12の上昇機構27aが作動して、上ノズル部12の位置が調整され、上ノズル部12から被調理品までの直線距離Hが実質的に一定になるようにする。被調理品下面と下ノズル部14との間の直線距離L、コンベア11の搬送速度と高温加熱室20を構成する各高温処理室23内の雰囲気温度は、調理の条件に応じて予め設定しておき、被調理品が徐々に加熱されながら調理され、調理終了後は徐々に冷却されて、出口部22まで搬送されるようにしておく。なお、上ノズル部12と下ノズル部14の形状が異なることによる、加熱効率の違いは、過熱水蒸気の温度、流量、圧力、被調理品の表面と蒸気噴射部との距離を調整することで解消できる。
【0023】
調理中は各高温処理室23毎に、上ノズル部12、下ノズル部14の蒸気噴射部の先端付近に設けられた温度計で雰囲気温度を測定し、この温度が予め設定された温度となるように、過熱水蒸気発生器の温度と上ノズル部12及び下ノズル部14用の過熱水蒸気流入配管13、15に設けられた圧力調整器と流量計により圧力と流量を、各高温処理室23毎に調整する。
調理中に被調理品から発生する発煙物は、各高温処理室23に設けられた排気口16から外部に排出され、被調理品から発生する流出物は、搭載部11aが通気性自在のため、直ちに落下し、下ノズル部14の開口部を通過して受けパン17で集められ、ドレン配管18から外部に排出される。
出口部22に搬送された被調理品は、温度が適温まで冷却されているので、直ちに配膳等の作業に移ることができる。
【0024】
【実施例】
(実施例1)
4室の高温処理室23(入口部側から順に第1室、第2室、第3室、第4室と呼ぶ)からなる高温加熱室20を有する、過熱水蒸気を用いた食品の調理設備10を使用して、手羽元1〜3の照り焼きを行った。
上ノズル部と下ノズル部は同一構造で、外径20mmのステンレス製パイプから構成される、幅が600mm、長さが900mmの丸パイプ構造で、幅0.7mm、長さ50mmのスリットを有し、過熱水蒸気の噴射が被調理品に直接噴射されるように、被調理品の移動方向に対して本質的に直交して配置された16本のパイプの長さ方向に1列にわたって、50mm間隔で、しかも、前後のパイプのスリットと千鳥足状に配置されるように設けられているもの(図4参照)を使用した。
【0025】
手羽元の照り焼きは、上ノズル部と被調理品上面との距離を65mm、下ノズル部と被調理品下面との距離を10mmに設定して行った。表1〜表3に、主要調理室部分となる高温処理室23の第2室及び第3室における過熱水蒸気の条件と、照射時間、最終温度(被調理品が第4室を通過して、出口部22に到達したときの温度)、被調理品の調理前後の重量(g)、重量減少率(%)、歩留(%)の関係を示す。ここで、歩留とは、調理前重量に対する、調理後重量の割合を%で示した値である。
【0026】
【表1】
Figure 0003865542
【0027】
【表2】
Figure 0003865542
【0028】
【表3】
Figure 0003865542
【0029】
本発明の過熱水蒸気を用いた食品の調理設備10を使用した手羽元の照り焼きは、従来の調理方法と比較すると、調理時間が約半分に短縮され、歩留は10%向上した。さらに、手羽元の照り焼きの食感も従来の調理方法と比較して、柔らかくなっていることが確認できた。
【0030】
(実施例2)
実施例1と同じ4室の高温処理室23からなる高温加熱室20を有する、過熱水蒸気を用いた食品の調理設備10を使用して、チキンカツ1〜5、フライパンチキン、空揚げを調理した。
下ノズル部は、実施例1と同一の丸パイプ構造のものを使用した。上ノズル部には、幅が600mm、長さが1000mm、厚さが40mmのステンレス製の箱型容器に過熱水蒸気流入配管13が接続された箱状構造で、幅0.7mm、長さ50mmのスリットが、過熱水蒸気の噴射が被調理品に直接噴射されるように、被調理品の移動方向に対して本質的に直交して、箱型容器の幅方向に50mm間隔で設けられ、しかも、前後の列のスリット位置に対して、千鳥足状に配置されているもの(図5参照)を使用した。
【0031】
過熱水蒸気による調理は、上ノズル部と被調理品上面との距離を90mm、下ノズル部と被調理品下面との距離を10mmに設定して行った。表4〜表6に、主要調理室部分となる高温処理室23の第2室及び第3室における過熱水蒸気の条件と、最終温度、被調理品の調理前後の重量(g)、重量減少率(%)、歩留(%)の関係を示す。
【0032】
【表4】
Figure 0003865542
【0033】
【表5】
Figure 0003865542
【0034】
【表6】
Figure 0003865542
【0035】
本発明の過熱水蒸気を用いた食品の調理設備10を使用したチキンカツの調理は、従来の調理方法と比較すると、調理時間が約半分に短縮され、歩留は10%向上した。さらに、チキンカツの食感も従来の調理方法と比較して、表面のパン粉部分にはサクサク感があり、肉質も柔らかくなっていることが確認できた。
【0036】
(実施例3)
実施例1と同じ4室の高温処理室23からなる高温加熱室20を有する、過熱水蒸気を用いた食品の調理設備10を使用して、焼きとり1、2を調理した。
上ノズル部と下ノズル部は同一構造で、外径20mmのステンレス製パイプから構成される、幅が600mm、長さが900mmの丸パイプ構造で、過熱水蒸気噴射口は、直径1mmの小孔で、過熱水蒸気の噴射が被調理品に直接噴射されるように、被調理品の移動方向に本質的に垂直に配置された16本のパイプの長さ方向に1列にわたって、10mm間隔で、しかも、前後のパイプの小孔と千鳥足状に配置されるように設けられているもの(図8参照)を使用した。
過熱水蒸気による調理は、上ノズル部と被調理品上面との距離を50mm、下ノズル部と被調理品下面との距離を10mmに設定して行った。表7〜表9に、主要調理室部分となる高温処理室23の第2室及び第3室における過熱水蒸気の条件と、最終温度、被調理品の調理前後の重量(g)、重量減少率(%)、歩留(%)の関係を示す。
【0037】
【表7】
Figure 0003865542
【0038】
【表8】
Figure 0003865542
【0039】
【表9】
Figure 0003865542
【0040】
本発明の過熱水蒸気を用いた食品の調理設備10を使用した焼きとりは、従来の調理方法と比較すると、調理時間が約1/3に短縮され、歩留は10%向上した。さらに、焼きとりの食感も従来の調理方法と比較して、表面のギタギタ感がなく、肉質も柔らかくなっていることが確認できた。
【0041】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、例えば、上ノズル部の蒸気噴射部をスリット有する丸パイプ構造とし下ノズル部の蒸気噴射部を小孔を有する丸パイプ構造としたもの、上ノズル部を小孔を有する丸パイプ構造として下ノズル部をスリットを有する丸パイプ構造としたもの、上ノズル部をスリットを有する箱状構造として下ノズル部を小孔を有する丸パイプ構造としたもの、上ノズル部を小孔を有する箱状構造として下ノズル部を小孔を有する丸パイプ構造としたもの、上ノズル部を小孔を有する箱状構造として下ノズル部をスリットを有する丸パイプ構造としたもの等の組み合わせも可能である。
【0042】
また、本実施の形態においては、被料理品をコンベアの搭載部に載せて高温過熱室内を移動させながら調理を行う連続式の過熱水蒸気を用いた食品の調理設備の場合について説明したが、一つの高温処理室で構成される高温加熱室内に被調理品を挿入して調理を行うバッチ式の過熱水蒸気を用いた食品の調理設備とすることも可能である。バッチ式とした場合も、過熱水蒸気を噴射するノズル部は、丸パイプ構造や、箱状構造とすることができ、被調理品上面から上ノズル部までの距離、被調理品下面から下ノズル部までの距離は、各ノズル部に昇降機構を設けて、それぞれ調整可能とする方がよい。さらに、調理の効率化を図るためには、被調理品は調理中に静置するよりは、ノズル部に設けられた過熱水蒸気の噴射口の列に対して本質的に垂直方向に往復移動をさせながら調理を行うのがよい。なお、バッチ式の場合では、調理内容に応じて、噴射させる過熱水蒸気の温度、流量、圧力を調理時間に対して、段階的に調整する必要がある。さらに、本発明の過熱水蒸気を用いた食品の調理設備は、過熱水蒸気の条件、搬送速度等を変えることで、プリフライ品及びフライ品からの余分な油分の脱脂、食品の乾燥や殺菌等にも適用することができる。なお、本実施の形態においては、上、下ノズル部に昇降機構を設けて上、下ノズル部と被調理品の上、下面との距離をそれぞれ自動で調整するようにしたが、手動で調整することも可能である。
【0043】
【発明の効果】
請求項1〜記載の過熱水蒸気を用いた食品の調理設備においては、搭載部が通気自在となって被調理品を搬送するコンベアと、コンベアによって搬送される被調理品に上下から過熱水蒸気を吹き付ける上ノズル部及び下ノズル部と、コンベアの入口部及び出口部を除く部分及びノズル部を覆い、周囲が断熱材で覆われた高温加熱室とを有しているので、被調理品を均一に加熱することができ、調理の歩留を向上させることができる。
【0044】
【0045】
【0046】
そして、上ノズル部が箱状となっているので、過熱水蒸気の噴射密度を高くすることが可能で、急加熱調理や大型品の調理効率を高めることができる。
【0047】
更に、昇降機構を設けているので、過熱水蒸気の噴射ノズルと被調理品との距離が一定となり、被調理品の加熱効率を常に一定に保つことができる。
請求項記載の過熱水蒸気を用いた食品の調理設備においては、コンベアの入口部上部に被調理品の高さを検知するセンサーが設けられ、センサーの出力によって昇降機構が駆動されるので、被調理品の高さ変化に応じて上ノズル位置が設定可能となり、調理の安定化、効率化が可能となる。
【0048】
請求項記載の過熱水蒸気を用いた食品の調理設備においては、被調理品の上面と上ノズル部との直線距離及び被調理品の下面と下ノズル部との直線距離が、5〜200mmの範囲で、手動又は自動で調整できるので、被調理品の食材の違いや高さの違いを考慮して、最適な条件で調理をすることが可能となり、調理の効率化、調理の安定化が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る過熱水蒸気を用いた食品の調理設備の構成図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】同調理設備の上、下ノズル部の概念図である。
【図4】同調理設備の変形例に係る上、下ノズル部の概念図である。
【図5】同調理設備の他の変形例に係る上、下ノズル部の概念図である。
【図6】同調理設備の上ノズル部の昇降機構の概念図である。
【図7】同調理設備の下ノズル部の昇降機構の概念図である。
【図8】同調理設備の他の変形例に係る、上、下ノズル部の概念図である。
【符号の説明】
10:過熱水蒸気を用いた食品の調理設備、11:コンベア、11a:搭載部、12、12a、12b、12c:上ノズル部、12d、12e、12f:スリット、12g:小孔、13:過熱水蒸気流入配管、14、14a、14b、14c:下ノズル部、14d、14e、14f:スリット、14g:小孔、15:過熱水蒸気流入配管、16:排気口、17:受けパン、18:ドレン配管、19:断熱材、20:高温加熱室、21:入口部、22:出口部、23:高温処理室、24:駆動装置、25:高さセンサー、26:設置用の脚、27:扉、27a、27b:昇降機構、28a、28b:電動シリンダー、29a、29b:クランク機構、30a、30b:ピストン棒、31:内殻天井、32:ベローズ、33:内殻底面

Claims (3)

  1. 搭載部が通気自在となって被調理品を搬送するコンベアと、
    前記コンベアによって搬送される前記被調理品に上下から過熱水蒸気を吹き付ける上ノズル部及び下ノズル部と、
    前記コンベアの入口部及び出口部を除く部分及び前記上、下ノズル部を覆い、周囲が断熱材で覆われた高温加熱室とを有し、
    前記高温加熱室には過熱水蒸気及び前記被調理品からの発煙物を外部に排気するための排気口が設けられ、
    前記上ノズル部は箱状構造となって、前記被調理品側に形成された該上ノズル部の蒸気噴射部は、(1)前記コンベアの幅方向全体にわたって形成された幅0.1〜2mmの複数のスリット、又は(2)幅方向にそれぞれ長い、幅0.1〜2mm、長さ10〜60mmの複数の千鳥足状に配置されたスリットからなって、
    前記下ノズル部は端封した丸パイプを隙間を設けて並べた丸パイプ構造であって、前記被調理品側に形成された前記下ノズル部の蒸気噴射部は、直径が0.1〜4mmの複数の小孔からなって、該各小孔は全体として千鳥足状に配置され、
    前記上ノズル部及び前記下ノズル部には昇降機構が設けられていると共に、前記下ノズル部の下方に前記被調理品からの流出物を受け止めて回収する受けパンが取付けられ、しかも、前記下ノズル部と前記受けパンとは一体となって、前記下ノズル部の昇降機構は前記受けパンと前記高温加熱室の内殻底面との間に配置されていることを特徴とする過熱水蒸気を用いた食品の調理設備。
  2. 請求項記載の過熱水蒸気を用いた食品の調理設備において、前記コンベアの入口部の上部に前記被調理品の高さを検知するセンサーが設けられ、該センサーの出力によって前記昇降機構が駆動され、前記被調理品の高さ変化に応じて前記上ノズル部の位置を設定することを特徴とする過熱水蒸気を用いた食品の調理設備。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の過熱水蒸気を用いた食品の調理設備において、前記被調理品の上面と前記上ノズル部との直線距離及び前記被調理品の下面と前記下ノズル部との直線距離が、5〜200mmの範囲で、手動又は自動で調整できることを特徴とする過熱水蒸気を用いた食品の調理設備。
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