JPWO2005103186A1 - ゲル粘着組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明のゲル粘着組成物は、架橋された水溶性高分子、水、保湿剤、両親媒性高分子、粘着性を有する水不溶性高分子及び電解質塩を含むゲル粘着組成物であって、前記組成物には、前記組成物から水を除く当該組成物全量に対して、3〜20重量%の水不溶性高分子、0.05〜7.0重量%の前記両親媒性高分子が含まれている。

Description

本発明は、ゲル粘着組成物及びその製造方法、並びに該ゲル粘着組成物を用いた電極に関する。特に、生体に貼付して用いる粘着剤として好適に使用されるゲル粘着組成物である。
以下の記載は、発明者の関連技術に関する知識及び該技術内に存する問題点に関して記載しているものであって、先行技術の知識の認容と解釈されるべきではない。
従来から使用されている天然ゴムラテックスやアクリル酸エステル系の樹脂をはじめとした粘着剤は、いわゆる油性の粘着剤で、水をはじく性質が強いため、生体に長時間貼付した際、特に発汗による水分を吸収することもなく、また、透過することもなく皮膚表面と粘着テープの間に蓄積し、蒸れ、カブレの原因となる。また、発汗が多い場合は粘着力が低下することもある。また、被着物の表面が湿っている場合、そのまま貼付すると粘着面に水分が付着し、完全に粘着力が失われる。従って、完全に拭き取るか、乾燥するまで貼付することが不可能である。
また、心電図の測定や低周波、中周波などの電気刺激を用いて治療を行う際に用いる生体用電極の導電性粘着剤として油性の粘着剤を使用するのは、導電性付与が困難な事から実質不可能であるため、ハイドロゲルの粘着剤が用いられている。
しかし、従来のハイドロゲルには以下の問題点が存在する。例えば紙や綿等の親水性が高い材料に対しては、強力な粘着力を発揮するが、油性のもの、例えばオレフィン系のフィルム等に対しては粘着というよりはむしろ離型性を発現する。人皮膚表面においては、通常、皮脂が存在するため、親水性というよりは油性の性質を有しているため、親水性が高いハイドロゲルの粘着力を高めるのには限界がある。特に、貼付直後の初期のタック力が弱いため、生体に貼付した直後に貼付位置がずれたり外れたりするため、一定時間経過するまで他の粘着剤で固定する等の処置が必要であり、医療現場などでは使いにくい材料であった。
また、生体用の電極については、一対の電極が一定の間隔で配置されて用いられる場合も多い。例えば、体脂肪率測定用電極に用いる電極は、常に一定間隔に貼付できる体脂肪率測定用電極が知られている。具体的には、非導電性の基材シートの表面に導電性物質を用いて形成された一対の電極素子部と、この一対の電極素子部と一体に形成された電極端子部と、前記一対の電極素子部上にそれぞれ設けられた導電性粘着ゲル層とを備え、前記一対の電極素子部が前記基材シート上に一定間隔で形成された構成を有している(特許文献1)。
前記体脂肪率測定用電極は、人体に微弱な電流を流し、電気抵抗を測定することにより体脂肪率を測定する体脂肪率測定器において、被測定者の皮膚面に密着させて使用される。そのため、前記体脂肪率測定用電極は、10〜100mm程度に間隔が設定された一対の電極素子部のそれぞれを導電性粘着層が被覆して、電極素子部と皮膚との密着性を高める構成を備えている。また、人体皮膚面への貼付時に電極素子部間の間隔を一定に保つために、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの伸縮性がなく且つ比較的腰強度の高いフィルムが基材シートに好適に用いられる。
また、体脂肪率測定用電極以外の用途においても、ハイドロゲルの粘着性の更なる向上は求められている。例えば、初期タックを強くする方法としては、ゲルを柔らかくすることがあげられるが、十分な初期タックが得られるほど柔らかくすると、裁断等のゲルの加工性が悪くなり、加工済みの製品からゲルがはみ出し、包装袋などに付着したり、使用時には衣類に付着し、また、ゲルが千切れたり、更には、ゲル製造後に保管する際にスリット面からゲルがはみ出し、周囲に付着したり、また、ゴミなどが付着したりと、問題が多い。
ゲルを柔らかくする以外で粘着性を上げる方法として、粘着付与剤として非架橋性ポリビニルピロリドンを使用することがある(特許文献2、3)。詳細には、非揮発性アルコール類および多価アルコール類から選ばれる低分子可塑剤、該低分子可塑剤に溶解する水溶性架橋性ポリマー、非架橋性ポリビニルピロリドンからなる粘着付与剤、および、当該粘着材料に導電性を付与するのに十分量の電解質ドーパントからなることを特徴とする導電性接着材料に関する発明である。
しかし、ポリビニルピロリドンは水溶性かつ親水性のポリマーであり、皮脂等との親和性が十分でないため、貼付した直後から強力な粘着力を発現させるのは困難である。
初期タックを付与するためには、親水性高分子のマトリックスに多価アルコールと水を含むハイドロゲルに、前記の親水性ポリマーにかえて、疎水性のポリマーを添加する方法が開示されている。この疎水性ポリマーは、即ち、粘着剤であり、皮脂等に対しても良好な親和性を有し、高粘着化が可能である。例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等の合成樹脂を骨格としたマトリックスにグリセリン、水、酢酸ビニル−マレイン酸ジオクチル共重合体、サリチル酸メチルを含む粘着性ハイドロゲルの実施例が特許文献に存在する(特許文献4)。前記組成のうち、酢酸ビニル−マレイン酸ジオクチル共重合体は疎水性ポリマーであり、粘着剤である。この疎水性ポリマーは粘着力を強化すると記載されている。例えば、エアプロダクツ・アンド・ケミカルズ,Inc.(AirProducts and Chemicals,Inc.)から商標名「フレックスボンド(Flexbond)150」で販売されているものが記載されている。
更に、水と電解質と湿潤剤を含む親水性層と、実質疎水性ポリマーである粘弾性ポリマー層が分散安定化された生体電極用の導電性粘着剤が開示された特許文献が存在する(特許文献5)。詳細には、30〜60重量%の水と、5〜35重量%のラテックスエマルジョン(内ポリマー固形分50%)と、10〜30重量%の湿潤剤(グリセリン等)と、1〜10重量%の電解質と、0.2〜10重量%の水性ポリマーからなり、更に、粘着性を向上させるために粘着付与剤を添加し、フィルム加工性改良剤を添加することが記載されている。また、ラテックスエマルジョンの例として、前出の特許文献4と同様のエアプロダクツ・アンド・ケミカルズ,Inc.(AirProducts and Chemicals,Inc.)の「フレックスボンド(Flexbond)150」等が記載されている。
上記何れのハイドロゲルも、親水性マトリックスに乳化分散された疎水性ポリマーエマルジョンを添加したものであるが、親水性マトリックスの形成方法は、あらかじめ重合された合成高分子か、天然高分子とその他の配合成分を混合し、例えば金属や放射線によって架橋することが記載されている。
ポリシロキサンのネットワーク(1)とアクリルのネットワーク(2)との2つのIPN(インターペネトレーティング・ポリマー・ネットワーク)を形成する高分子材料の組成物に関して記載されている特許文献も存在する(特許文献6)。前記IPNを生成する際には(1)と(2)の双方を形成するために必要なモノマー並びに重合開始剤等の混合物を作成し、金型に注入し、反応させる。この時、(1)のネットワークが先に生成し、次いで加熱することにより(2)のネットワークが生成する。更に、アニールすることにより得られた製品の表面特性に関し、水に対する濡れ性が極めて低くなると記載されている。
なぜならば、前記製品の表面は、厚さ5nmのネットワーク(1)のポリマー層で構成されているためであり、仮に、この表面層が磨耗して取れた場合でも、一定期間経過後、または、加熱することにより短時間で初期の表面状態に回復すると記載されている。
Murayamaらは、ポリマー同士の混合物やグラフト重合物以外に、IPNにおいても、表面と内部の濃度勾配が生じると報告している(非特許文献1)。従って、特許文献6に記載されている特徴も同様の物理化学現象を証明するものである。
更に、前記の、親水性ポリマーと疎水性ポリマーの混合物においても、表面自由エネルギーがより低いであろう疎水性ポリマー層がブリードすることにより、皮脂との親和性がより強くなることが容易に推測される。更に、特許文献6等に記載されているIPNではなく、親水性ポリマーと疎水性ポリマーの混合であったり、更には、親水性ポリマーが架橋され、疎水性ポリマーは乳化分散した状態であるならば、より短期間で表面と内部の濃度勾配が生じると考えられる。
従って、ハイドロゲルが皮脂との親和性が低く、皮膚に対する、特に、初期タック力が低いという欠点は、親水性の高分子マトリックスに疎水性の粘着剤、ラテックスを含有させることにより、更には、ハイドロゲル内で乳化分散させることによりハイドロゲル本来の低刺激性や導電性という特性を損なう事なく、改善することが可能である。
また、親水性の高分子マトリックスに疎水性ポリマーを含むハイドロゲルとして、水性可塑化三次元高分子マトリックスと疎水性ポリマーとを含み、前記水性可塑化三次元高分子マトリックスが水を除いて50重量%までの範囲で可塑剤を含み、前記マトリックスが水の存在下で高分子化反応が行われ、前記マトリックス表面における前記ポリマー濃度が前記マトリックス中の前記ポリマー濃度よりも高いことを特徴とする生体接着剤組成物が開示されている(特許文献7)。ゲルの内部に比べて表面の方が、疎水性ポリマー濃度が高いことにより、生体接着剤組成物の粘着力が高くなるとされている。
特開平9−313456号公報 特開平3−26777号公報 米国特許4860754号公報 特開昭57−115253号公報 米国特許4588762号公報
特許第2641146号号公報 ムラヤマ等(Murayama, S. et al)、「ポリスチレンとポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリ酸エステル)とで構成された疎水性及び親水性相互貫入ポリマーネットワーク(IPNs):2.光重合により合成されたIPNsにおける勾配組成物」(Hydrophobic andhydrophilic interpenetrating polymer networks (IPNs) composed of polystyreneand poly(2-hydroxyethyl methacrylate): 2. Gradient composition in the IPNs synthesized byphotopolymerization")、ポリマー(Polymer) 34(18)巻、1993年 米国特許6592898号公報
前記のように、ゲル粘着組成物は、電極としての用途についても、電極以外の用途についても、粘着性の向上が求められている。
上述の体脂肪率測定用電極においては、電極素子部上に導電性粘着ゲル層が形成されているので、人体への粘着面積が前記体脂肪率測定用電極全体の面積に比べて狭い。そのため、前記体脂肪率測定用電極への粘着性を更に向上させるために、電極素子部以外の部分、即ちポリエチレンテレフタレート上にも粘着ゲル層が形成されることが考えられる。
しかし、導電性ゲル粘着層は、親水性樹脂マトリックスの中に、水と、必要に応じて保湿剤、電解質などを安定に保持させたハイドロゲルを主として含むために、カーボンを含むポリエステル系又はポリウレタン系樹脂を主成分とするペーストにより得られた電極素子部には良好な付着性を有するが、基材シートであるポリエチレンテレフタレートとの付着性が低く、皮膚面から剥がした際に、基材シート層と導電性のゲル粘着層との層間剥離が生じる。
つまり、ポリエチレンテレフタレート面及び皮膚面の両方に対して良好な粘着性を有するゲル粘着組成物を得ることは難しい。
また、体脂肪率測定用電極に限られない場合であっても、親水性の高分子マトリックス中に疎水性の高分子成分を含ませることにより、粘着性の向上が図られているのは上述の通りである。しかし、親水性の高分子マトリックスに疎水性の粘着剤、ラテックスを含有させることにより、皮脂との親和性が高く、皮膚に対する、特に、初期タック力が強いハイドロゲルの粘着剤を得る基本概念は存在するが、親水性が高いハイドロゲルに疎水性の粘着剤を均一に分散、安定化させる事は困難である。
疎水性の粘着剤を含有するハイドロゲルを生成する方法としては、既に挙げた通り、大きく2つの方法が存在する。まず、あらかじめ重合された合成高分子や、天然高分子を含有する高粘度の溶液やペーストに粘着剤を添加し、分散させた配合液をシート状に塗工、成型してから放射線照射等により架橋、ゲル生成する場合(Aの方法)と、重合前の配合液に、疎水性の粘着剤を乳化分散させ、これに光照射などを行ない、重合架橋させてゲルを生成する場合(Bの方法)である。
何れの方法においても、ゲルの原料となる配合液は親水性の成分を主としており、水を含んでいる。従って、配合液に添加する疎水性の粘着剤は、あらかじめ水中で乳化分散したエマルジョンの形態で添加するのが好ましい。Aの方法では、配合液は高粘度であり、添加したエマルジョンは経時で分離しにくいという利点が挙げられるが、高粘度の配合液に乳化分散したエマルジョンを均一に拡散させることは困難であり、ある程度の粒塊が生じることが避けられない。これら粒塊を破壊するために高せん断をかけるような攪拌方法をとれば、エマルジョン粒子を破壊するばかりか、マトリックス骨格となるべき高分子の分子鎖を破壊し、架橋後のゲル物性を悪化させる危険性がある。従って、後者を重視するならばある程度の粒塊の存在を容認し、不均一なゲルを生成させるしか方法は無い。Bの方法の場合、配合液の粘度が低いため、攪拌、分散は容易で、Aの方法において問題となる粒塊が発生する危険性は殆ど無い、反面、攪拌を停止すると添加したエマルジョンが容易に分離し、短期間で配合液の均一性が損なわれる。尚、Aについても永久に分離しないというわけではなく、あくまでもBの方法に比べて分離するまで時間を要するというだけである。
配合液が分離した状態でゲル生成させた場合、生成したゲルの部位によりエマルジョンの含有量が異なったり、エマルジョンのバラツキとともに、その他の組成も部位により不均一となるため、品質安定性が極めて低いゲル体になる。また、時間の経過とともに配合液の分離状態も変化するため、更にバラツキが大きくなる。
配合液が分離した場合、再度攪拌すれば分散化する場合もあるが、多くは、エマルジョンの粒子同士が合着し、粒径が変わったり、場合によっては凝集する等、不可逆的である場合が多い。従って、配合液を作成した直後にゲル化を実施するか、作成後からゲル化を実施するまでの間、常に攪拌を継続するか、何れかの対処が必要である。
しかし、前記のような対処を行う上でも、必要最低限の分散安定化が必要であるし、継続的に攪拌を行なう場合でも、容器の大きさ、形状や攪拌方法、速度等にかなりの工夫を要し、物理的にもコスト面においても好ましい方法とは言えない。更に、攪拌を行ないながらのゲル生成を行なうと、気泡が多量に混入したり、使用するモノマーの種類によっては溶存酸素量の変動などに起因する反応性の変化、物性変動の原因ともなる。
Bの方法に関して、分離の速度を低下させるために親水性の高分子を添加したり、保湿剤として用いる水性可塑剤の添加を増やす事により粘度調整する方法も考えられるが、これら粘度調整剤を添加する際に注意が必要な事はエマルジョンの分散を阻害し、凝集物が発生する事である。更に、導電性付与のため、塩を添加すると、更に塩析等の現象が併発し、完全に分離凝集する危険性がある。丁度、Aの方法で粒塊が生じる過程が流動性の高い配合液内では加速的に進行する事を表している。
また、前記保湿剤は、配合液の粘度調整の目的以外に、ゲルの保湿性を維持するという重要な役割がある。従って、保湿剤をある程度配合しなければ最終的に得られるゲル体は保湿性が低く、すぐに乾燥し、粘着物性が低下すると同時に、導電性を必要とする用途においてはインピーダンスの悪化が生じる。
つまり、上述の文献に記載された疎水性樹脂を親水性高分子マトリックス中に含むゲル粘着組成物は、製造段階において配合液中で疎水性樹脂が分離し易いために、常に撹拌を行わなければ粘着性の良好なゲル粘着組成物を得ることはできず、連続的なゲル粘着組成物の生産も難しい。
ここに記載する他の刊行物に開示している種々の特徴、態様、方法、装置の利点、不利点は、本願をなんら限定するものではない。実際、本願のある特徴は、ここに開示しているいくつかの、或いは全ての特徴、態様、方法、装置を保持したままで、ある不利点を克服することができる場合がある。
本発明の好ましい態様は、関連技術における上記の、及びその他の問題点を考慮して開発された。本発明の好ましい態様は、既存の方法及び/または装置を大幅に改善することができるものである。
本発明の目的は、粘着性に優れたゲル粘着組成物を提供することである。特に、本発明の目的は、ポリエチレンテレフタレート表面である基材シート表面と電極素子部であるカーボンコート面との両方に対して、良好な付着性を有するゲル粘着組成物を提供することである。また、本発明の目的は、優れた人体皮膚面への密着性をも有するゲル粘着組成物とその製造方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、これらのゲル粘着組成物を導電性ゲル粘着層として含む電極を提供することでもある。
前記課題を解決するために、本発明は、
架橋された水溶性高分子、水、保湿剤及び両親媒性高分子を含み、
上記両親媒性高分子が、水を除く当該組成物全量に対して0.05〜7.0重量%含まれているゲル粘着組成物を提供する。
本発明の態様として、粘着性を有する水不溶性高分子が、水を除く当該組成物全量に対して3重量%以上更に含まれている、ゲル粘着組成物が好ましい。
また本発明の態様として、前記架橋された水溶性高分子が、当該組成物のマトリックスを構成するゲル粘着組成物が好ましい。
本発明のゲル粘着組成物は、好ましくは次の工程を含む製造方法により得られる。
(a) 非架橋性モノマー、架橋性モノマー、保湿剤、水、水不溶性高分子及び両親媒性高分子を含む配合液を混合する工程
(b) その混合された配合液を加熱又は光照射することにより重合させる工程
本発明のゲル粘着組成物は、当該組成物中に両親媒性高分子を含むことから、カーボンコート面に対してもポリエチレンテレフタレート面に対しても付着性が良好であるために、電極表面からゲル粘着組成物が剥離することがなく、さらには繰り返し使用した場合でも人体皮膚面への密着性に優れる。また、本発明のゲル粘着組成物が、ゲル粘着組成物中に水不溶性高分子を更に含む場合には、水不溶性高分子の粒塊等がなく、各成分が組成物中で均一に分散された粘着性に優れたゲル粘着組成物を得ることができる。
なお、前記組成物に、水を除く当該組成物全量に対して50%以上の保湿剤を含有する場合には、得られたゲルは乾燥しにくく、安定性に優れる。
また、本発明の製造方法によると、粘着性を有するとともに水に不溶性の高分子を乳化分散させた前記配合液を作成してから一定期間、前記のような分離、凝集対策を実施せずともエマルジョンが安定であるため、製品の部位やロット間で物性のバラツキが極めて少なく、安定した品質のゲル粘着組成物を得ることが可能となる。また、前記配合液は、既述の通り、保存安定性に優れるため、当該配合液として保管することができ、又は輸送することができるなど、取り扱いがきわめて容易である。
また、本発明のゲル粘着組成物は、疎水性の粘着剤としての役割を持つところの水に不溶性の高分子を安定的に含有する場合には、皮脂との親和性が高く、皮膚に対する、特に、初期タック力が強く、しかも、架橋された水溶性高分子を含むことから、ハイドロゲル骨格を有する。従って、このゲル粘着組成物によれば、皮膚への刺激性が低い高性能な粘着剤が得られる。
種々の態様の上記及び/または他の側面、特徴、及び/または利点は、添付の図面とあわせ、以下の記載を考慮してさらに評価されるものである。種々の態様は、異なる側面、特徴、及び/または利点を適宜含め、及び/または含めないことができる。また、種々の態様は、他の態様の1または2以上の側面または特徴を適宜結合することができる。個々の態様の側面、特徴、及び/または利点の記載は、他の態様またはクレームを限定するものと解釈されるべきではない。
本発明の好ましい態様は、以下の添付図面において、限定ではなく一例として示されている。
図1は、本発明に係るゲル粘着組成物を用いた電極の第一の実施態様例を示した図である。図1(a)は同平面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A線断面図、図1(c)は図1(a)におけるPET領域とカーボンコート領域の各領域の関係を示すパターン図である。 図2(a)〜図2(d)は、それぞれ本発明の電極の第二乃至第五の実施態様例について示す電極端子付近の断面図である。 図3は、本発明に係るゲル粘着組成物を用いた電極の第六の実施態様例を示した図であり、図3(a)は同側面図、図3(b)はゲル粘着層側の正面図である。図3(c)は、ゲル粘着層側において、図3(b)とは異なる他の態様を示す電極の正面図である。
符号の説明
1 電極
2 電極端子
3 固定具
4 ポリエチレンテレフタレート層
5 カーボンコート層
6 ゲル粘着層
7 絶縁テープ
8 セパレーター
10 電極
11 表面基材
12 導電層
13 ゲル粘着層
14 セパレーター
20 電極
21 スナップ端子
22 表面基材
23 粘着処理面
24 エレメント
25 ゲル粘着層
30 電極
31 スナップ端子
32 表面基材
33 エレメント
34 ゲル粘着層
35 セパレーター
40 電極
41 スナップ端子
42 表面基材
43 導電層
44 アイレット
45 絶縁テープ
46 ゲル粘着層
47 セパレーター
50 電極
51 表面基材
52、52’導電性フィルム層
53、53’ゲル粘着層
以下の段落では、いくつかの好ましい態様が限定ではなく一例として示されている。これらの例示した態様に基づき、当業者にて種々の他の変更が行える旨、この記載に基づいて理解されるべきである。
本発明は、架橋された水溶性高分子、水、保湿剤及び両親媒性高分子を含み、
上記両親媒性高分子が、水を除く当該組成物全量に対して0.05〜7.0重量%含まれているゲル粘着組成物である。
また、本発明の好ましい製造方法は、次の工程を含むゲル粘着組成物の製造方法。
(a) 非架橋性モノマー、架橋性モノマー、保湿剤、水、水不溶性高分子及び両親媒性高分子を含む配合液を混合する工程
(b) その混合された配合液を加熱又は光照射することにより重合させる工程
(架橋された水溶性高分子)
本発明で使用される架橋された水溶性高分子は、架橋部を含む水溶性高分子であれば特に限定されるものではない。水溶性高分子としては、非架橋性モノマーと架橋性モノマーとの共重合体により得ることができる。例えば、水溶性の(メタ)アクリル系モノマーと2以上のアルケニル基を有する架橋性モノマーとの共重合体を用いることができる。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル変成(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル変成(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系モノマーを例示できる。また、N−ビニルアミド等の水溶性のモノマーを例示することができる。
2以上のアルケニル基を有する架橋性モノマーとしては、多官能アクリレート、多官能アクリルアミド等の架橋性モノマーを例示することができる。
本発明におけるゲル粘着組成物は、この架橋された水溶性高分子によって、水溶性高分子のマトリックスを構成することができる。すなわち、架橋された水溶性高分子、水、保湿剤及び両親媒性高分子が含まれるゲル粘着組成物であって、前記の水、保湿剤及び両親媒性高分子がこの水溶性高分子のマトリックス内に含まれるゲル粘着組成物を得ることができる。
水溶性高分子を構成する非架橋性モノマーの具体例を更に詳述すると、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の非電解質系アクリルアミド誘導体、ターシャルブチルアクリルアミドスルホン酸(TBAS)及び(又は)その塩、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド(DMAEAA)塩酸塩、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)塩酸塩等の電解質系アクリルアミド誘導体、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、スルホプロピルメタクリレート(SPM)及び(又は)その塩、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(QDM)等の電解質系アクリル誘導体、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の非電解質系アクリル誘導体が挙げられる。
架橋性モノマーの具体例としては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明のゲル粘着組成物中における架橋された水溶性高分子の含有量は、非架橋性モノマーと架橋性モノマーを含む前記配合液を作成する際、当該非架橋性モノマーと当該架橋性モノマーが均一に溶解していれば、特に限定されるものではない。
前記架橋された水溶性高分子は、好ましくは、得られるゲル体のゲル強度を維持し、保型性、加工性を高めるために、水を除くゲル粘着組成物全量に対して15重量%以上であり、18重量%以上であることが更に好ましい。
また、架橋された水溶性高分子をゲル粘着組成物のマトリックスとして形成するためには、非架橋性モノマーを用いるが、当該非架橋性モノマーは、主として水溶性であり、水への溶解度が十分高く、特に、常温で液体のモノマーの場合は任意の割合で水と溶解するモノマーが好ましい。反面、当該ゲル粘着組成物には、水とモノマー以外にも保湿剤や、必要に応じて、電解質塩、重合開始剤等の添加剤も溶解させる必要がある場合があり、この場合は、このゲル粘着組成物中における架橋された水溶性高分子の濃度は、水を除くゲル粘着組成物全量に対して35重量%以下に設定することが好ましく、30重量%以下に設定することが更に好ましい。
前記架橋性モノマーのゲル粘着組成物全量に対する含有量は、前記非架橋性モノマーあるいは当該架橋性モノマーの分子量や化学的、物理的特性に応じて適宜設定するべきであるが、得られるゲル体の保型性を高めるためには0.01重量%以上に設定することが好ましく、0.05重量%以上に設定することが更に好ましい。逆に、保型性を損なわない程度に柔軟性を有している方が、粘着剤として使用する際の初期タックが得やすい事から、1.0重量%以下に設定することが好ましく、0.6重量%以下に設定することが更に好ましい。
前記の様に、前記非架橋性モノマーはマトリックスの大部分を占めるため、水溶性が高い方が好ましい。例えば溶解度においては少なくとも20以上であることが好ましく、更に好ましくは50以上であり、最も好ましくは65以上である。
前記架橋性モノマーは、マトリックスの一部を構成するため、必ずしも水溶性のものを使用しなくてもマトリックス全体の親水性が損なわれることはない。水溶性が低い架橋性モノマーを前記配合液に溶解させる方法としては、例えば架橋性モノマーが液体の場合は非架橋性モノマーに溶解させる方法があり、非架橋性モノマー以外に多価アルコールに溶解して添加する方法もある。
本発明のゲル粘着組成物は、保湿性、可塑性を向上させるために保湿剤を含有することが好ましい。保湿剤としては、多価アルコールをゲル粘着組成物中に含有させることが好ましい。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどのジオールの他、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン等の多価アルコール縮合体、ポリオキシエチレングリセリン等の多価アルコール変成体等が使用可能である。なお、保湿剤としては、常温(好ましくは氷点下10℃以上で)で液状、詳細には、ゲル体を実際に使用する温度領域(例えば室内で使用する場合は20℃前後)で液状の多価アルコールを使用することが好ましい。
本発明のゲル粘着組成物は、水を含むため、保湿剤無くしては短時間で水分が蒸発及び/又は乾燥し易く、可塑性が損なわれるとともに粘着性、特に初期タック力が著しく低下し易い。また、本発明のゲル粘着組成物を生体電極など導電性を必要とする用途に用いる場合は、水分が蒸発すると、電極のインピーダンスが高くなり、さらに電極が特定のインピーダンスを超えた場合には使用不可能になる。従って、保湿剤は、ゲル粘着組成物に添加することにより、水分が一定以上蒸発するのを防止すると同時に、当該保湿剤が常温で液状であれば、保湿剤自体が可塑剤としての機能をも有する。
ゲル粘着組成物中の保湿剤の濃度は、保湿性、可塑性を維持し、優れた安定性を発現するために、水を除く該ゲル粘着組成物全量に対して50重量%以上であることが好ましく、更に、55重量%以上であることがより好ましい。また、この保湿剤の量は、得られるゲル体の腰強度、粘着力を確保する意味において、一定以上の樹脂固形分の含有量を確保するため、水を除く該ゲル粘着組成物全量に対して80重量%以下であることが好ましく、75重量%以下で有ることがより好ましい。
(水)
ゲル粘着組成物に含まれる水の濃度は、粘着性を有する水不溶性の高分子を安定的に分散させるためには前記配合液中に13重量%以上、つまり該ゲル粘着組成物全量に対して13重量%以上であることが好ましく、18重量%以上であることが更に好ましい。また、蒸発、乾燥によるゲル物性の変動を抑え、ゲル物性を安定化するためには該ゲル粘着組成物全量に対して40重量%以下であることが好ましく、30重量%以下に設定するのが更に好ましい。例えば、グリセリンの場合、相対湿度がおおむね50%〜70%の範囲で、自重の約20〜約40重量%の水分を保持する性質(保湿性)を有している。更に、発明者らが各種保湿剤を含有するハイドロゲルを作成し、相対湿度60%での保湿性を求めた結果、例えばグリセリンの保湿性は約30重量%であり、乳酸ナトリウムでは約80重量%であった。
以上からわかるように、保湿剤の保湿性は相対湿度に依存し、保湿剤を使用したハイドロゲルの保湿性も同じく相対湿度に依存する。保湿力の異なる保湿剤を組み合せて使用することにより、一定湿度におけるゲルの保湿性を制御する事は可能であるが、相対湿度依存性は保湿剤固有の性質であるため実質制御不可能である。以上より、理想的には保湿性が低い保湿剤(更に理想的には常温で液体であること)を高濃度で使用し、ゲルの設計上の含水率を低く設定することで、ゲルの保湿性の相対湿度依存性を見かけ上低くする事は可能であるが、ゲル粘着組成物では、粘着性を有する水不溶性の高分子を安定的に分散させるため、上記の濃度以上の水分量を保持することが好ましい。
(水不溶性高分子)
粘着性を有する水不溶性の高分子としては、(メタ)アクリルエステル、酢酸ビニル、マレイン酸エステル等の疎水性モノマーの単独または複数を重合させたものが挙げられる。具体的には、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、マレイン酸ジオクチル等の疎水性モノマーの単独若しくは共重合体である。前記以外にエチレン、プロピレン、ブチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の疎水性モノマーの何れか一つ、又は、複数が更に共重合されていても良い。また、シリコーン粘着剤や天然ゴム系や合成ゴム系の粘着剤を使用する事も可能である。これらの中で、アクリルエステル共重合体は改良が重ねられており、高粘着であるとともに低皮膚刺激である事から好適に使用される。
粘着性を有する水不溶性の高分子をハイドロゲル中に分散させるためには、前記高分子を乳化分散させたエマルジョンを使用することが好ましい。通常、前記エマルジョンの固形分は30〜60重量%であり、残りの大部分は水である。
例えば、アクリルエステル系共重合樹脂のエマルジョンとして、昭和高分子株式会社製の商品名「ポリゾールPSA SE−1730」、日信化学工業株式会社の商品名「ビニブランADH−1048」等が好適に用いられる。
ゲル粘着組成物中における、粘着性を有する水不溶性高分子の含有量は、最終製品に期待する効果に応じて調節すれば良いが、人間の触感による違いが判別可能な程度の効果を得るためには、水を除く前記ゲル粘着組成物全量に対して3重量%以上添加されることが好ましい。また、これらの高分子は単独でも粘着剤としての機能を有するものであるため、添加量は多くとも差し支えないが、ゲル粘着組成物とするためには他の親水性成分とのバランスを考慮すると、水を除く前記ゲル粘着組成物全量に対して20重量%以下であることが好ましく、15重量%以下であることがより好ましい。
更に、粘着性を有する水不溶性の高分子は、前記疎水性モノマーと、親水性モノマーの共重合体であることが好ましい。疎水性モノマーに対して親水性モノマーを共重合する事で、水に不溶性の高分子の分散安定性が高くなり、分散剤や界面活性剤等の添加を少なくできる利点を有する。
粘着性を有する水不溶性の高分子が、疎水性モノマーと親水性モノマーの共重合体である場合、当該共重合体における親水性モノマーの共重合比率が0.1重量%以上の場合に分散安定化の効果を発現する。また、当該共重合比率が5重量%より多い場合は前記高分子の生成が困難になることが特開2002−80809および特開2003−336024、特開2003−335805に記載されている。従って、前記水不溶性高分子として、疎水性モノマーと親水性モノマーの共重合体であって当該親水性モノマーの共重合比率が0.1〜5重量%である共重合体を用いることが好ましい。
前記親水性モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ターシャルブチルアクリルアミドスルホン酸(TBAS)及び(又は)その塩、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド(DMAEAA)塩酸塩、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)塩酸塩、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、スルホプロピルメタクリレート(SPM)及び(又は)その塩、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(QDM)等の水溶性モノマーが挙げられる。これらの中で、少なくとも1種のカルボキシル基を含有する水溶性モノマーを含む事が望ましく、特に、(メタ)アクリル酸及び(又は)その塩は汎用モノマーであり、好適に使用され、中でもアクリル酸アルキルエステルが好ましい。
(pH調製剤)
本発明のゲル粘着組成物は、少なくともモノマー、架橋性モノマー、保湿剤、水、両親媒性高分子、及び重合開始剤とを含む配合液を加熱又は光照射することにより重合反応させて得ることが出来る。すなわち、本発明は次の工程を含むゲル粘着組成物の製造方法であることは既述の通りである。
(a) 非架橋性モノマー、架橋性モノマー、保湿剤、水、水不溶性高分子及び両親媒性高分子を含む配合液を混合する工程
(b) その混合された配合液を加熱又は光照射することにより重合させる工程
前記重合反応により架橋を有する水溶性高分子マトリックスが形成され、前記ゲル粘着組成物が得られる。また、上記配合液には、前記ゲル粘着組成物の所望の性能に応じて、さらに、前記保湿剤を、水を除く前記ゲル粘着組成物全量に対して50〜80重量%含むことができ、粘着性を有する水不溶性の高分子を含むこともできる。また、前記ゲル粘着組成物は、前記配合液のpHが4〜7の範囲において加熱又は光照射することにより重合反応させて得ることもできる。すなわち、前記工程(a)において、前記配合液をpH4〜7に調整する工程を含むゲル粘着組成物の製造方法が好ましい。
もともと、水溶性のアクリルエステルやアクリルアミド誘導体は、モノマーであれポリマーであれ、アルカリ性の水溶液中で保管すると、エステル基やアミド基の加水分解が進行する。逆に、pHが酸性に傾きすぎても同様に加水分解が進行する。従って、pHを4〜7に調整することにより、アクリルモノマーの加水分解を抑制することが可能となり、配合液の保管性とともに、ゲル生成後の長期保存安定性も向上する。
一定量の鉱酸や有機酸を前記配合液に添加することによりpHを4〜7に調整することが可能である。この場合、多官能の鉱酸又は(及び)有機酸を使用することが好ましい。更には、これら多官能の酸とその塩を混合して用いることが、pH緩衝性が発現し、よりpHを安定化させることが可能であるために、好ましい。
多官能の酸の例としては、鉱酸としては、硫酸、リン酸、炭酸等が挙げられる。また、有機酸としては、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、酒石酸、等の多官能カルボン酸が挙げられる。pH調整剤である前記鉱酸、前記有機酸、及びこれらの塩について、配合液に対する添加量は、特に限定されるものではなく、pH調整剤の能力に応じて添加することができる。
(両親媒性高分子)
本発明のゲル粘着組成物は、両親媒性の高分子共重合体を含有させるため、ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に対しても付着性が良好であり、さらにグラファイトを含有するポリエステル系又はポリウレタン系樹脂を主成分とするペーストにより形成された電極素子部であるカーボンコート面に対しても付着性が良好である。また、本発明のゲル粘着組成物は、両親媒性の高分子を含有し、粘着性を有する水不溶性高分子も含む場合には、前記水不溶性高分子の分散安定性が良好になる。特に、前記配合液作成時に前記水不溶性高分子の分散安定性が良好になるために、より均一で品質安定性が高い良好なゲル粘着組成物が得られる。
両親媒性高分子としては、親水性モノマーと疎水性モノマーの共重合体が挙げられる。当該親水性モノマーとしては、例えばビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/アクリル酸アルキル共重合体、低ケン化ポリビニルアルコール等が挙げられる。前記両親媒性高分子としては、共重合しなくとも両親媒性の性質を有する高分子重合体も使用できるが、共重合体の方が、共重合比率を変更することにより、親水基と疎水基の調整を行うことができるなど実用上の利点があるため好ましい。尚、当該共重合体中の親水基と疎水基の比率は、モル比で1:1〜3:1の範囲であることが、最も好ましい。
本発明において、両親媒性とは、少なくとも有機溶媒と水の混合溶媒に溶解し、好ましくは、水と、極性有機溶媒の双方に溶解可能であることを意味する。有機溶媒と水の混合溶媒の例としては、エタノール/水=60/40の混合溶媒が挙げられる。従って、前記両親媒性高分子は、室温下において、エタノール/水=60/40の混合溶媒に対しても溶解する高分子が該当する。
前記両親媒性高分子の中でも、ケン化度50〜75%のポリビニルアルコールが特に好ましい。ケン化度50%未満では、水溶化が不可能ではないが困難になり、製造時のハンドリング性が低下する。また、75%を超える場合は、水溶性が高くなる反面、塩析の傾向が強くなり、電解質などイオン性の添加剤を多く使用する場合には適さない場合がある。尚、ポリビニルアルコールのケン化度については、ケン化度98%以上を完全ケン化と呼び、98%〜80%程度を部分ケン化と呼び、それ以下を低ケン化と呼ぶ。部分ケン化に関しては、より詳細に区別する場合は、ケン化度95%前後のものを中間ケン化と呼び、概ね95%〜80%程度のものを部分ケン化と呼ぶ場合もある。また、ケン化度とは、以下の式で算出される百分率である。
ケン化度=ポリビニルアルコールユニット/(酢酸ビニルユニット
+ポリビニルアルコールユニット)×100
※ 各ユニットの物質量(モル数)を上式に代入して計算する。
前記両親媒性高分子の具体例として、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体は、BASF JAPAN LTD.より販売されている商品名「ルビスコールVA73W」(共重合モル比率:ビニルピロリドン/酢酸ビニル=7/3)、商品名「ルビスコールVA64W」(共重合モル比率:ビニルピロリドン/酢酸ビニル=6/4)等が挙げられる。また、低ケン化ポリビニルアルコールとしては、日本酢ビポバール株式会社の商品名「JポバールJMR−10M」(ケン化度65%)、日本合成化学工業株式会社の商品名「ゴーセファイマーLW−300」(ケン化度53〜60%)、電気化学工業株式会社の商品名「デンカポバールMP−10」(ケン化度70%)等が挙げられる。
前記両親媒性高分子の使用量は、特に制限を設けないが、添加による配合液の分散安定性向上の効果を得るためには、水を除く前記ゲル粘着組成物全量に対して0.05重量%以上添加することが好ましく、0.1重量%以上がより好ましい。また、添加量が多すぎると、配合液の粘度が上昇するために配合作成時に混入した気泡が抜けるのに時間がかかったり、電解質の添加が多い場合には水に不溶性の高分子が凝集しやすくなる傾向が出る。従って、前記両親媒性高分子の添加量は、水を除く前記ゲル粘着組成物全量に対して7.0重量%以下であることが好ましく、4.0重量%以下がより好ましい。また、分散安定性向上のためには、この程度の添加量で効果は十分に得られる。
(電解質)
心電図(ECG)、脳波、眼振、筋電等に使用する生体電位測定用電極や、TENS、低周波治療等に使用する電気刺激用電極、電気メス用対極板や、イオントフォレシス用電極などの電極に用いる導電性粘着剤として使用する場合は、電解質塩を添加することにより導電性能を向上させることが出来る。電解質塩としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物が好ましい。
電解質塩の好ましい例として、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの塩化物が挙げられる。これらの何れか一つ、又は、複数を使用しても良い。
導電性付与を目的として電解質塩を添加する場合は、水を除く前記ゲル粘着組成物全量に対して少なくとも0.5重量%以上であることが好ましい。また、電解質を多く添加すれば、導電性が向上するが、多すぎると水に不溶性の高分子の凝集傾向が高くなると同時に、一定以上添加量を増やした場合、導電性向上のメリットよりも前記の凝集性の点や、配合液作成時の溶解時間が長くなるなどのデメリットが大きくなるため、添加量は、水を除く前記ゲル粘着組成物全量に対して6.0重量%以下であることが好ましく、より好ましくは4.0重量%以下である。
(界面活性剤)
本発明のゲル粘着組成物を製造する際、前記配合液に界面活性剤を添加することにより、水に不溶性の高分子や両親媒性の高分子共重合体の塩析による凝集傾向を低減させることが可能となるため、pH緩衝剤の添加量を多くすることが可能である。特に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル基を有する界面活性剤が好ましい。好ましい例として、例えば(式1)〜(式6)の構造を有するものが挙げられる。

Figure 2005103186

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式中、Rはアルキル基、Mはアンモニウム塩又はアルカリ金属塩、AOはアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド)を表し、nは1〜50の整数を表す。
(式1)の構造を有するものとしては、アクアロンKH−05、KH−10(第一工業製薬株式会社製)、(式2)の構造を有するものとしては、エレミノールRS−30(三洋化成株式会社製)、(式3)の構造を有するものとしては、エレミノールJS−2(三洋化成株式会社製)、(式4)の構造を有するものとしては、ラテムルS−180A、S−180(花王株式会社製)、(式5)の構造を有するものとしては、エマールD−3−D、ラテムルE−118B、E−150、レベノールWX(花王株式会社製)、ハイテノール08E、18E、LAシリーズ(第一工業製薬株式会社製)、(式6)の構造を有するものとしては、ニューコール293、RA544(日本乳化剤株式会社製)等がある。
これら界面活性剤の添加による効果を得るためには、前記配合液に対して0.1重量%以上の添加が好ましく、また、粘着性や他の性能への影響を考慮した場合、前記配合液に対して2.0重量%以下の添加が好ましい。界面活性剤の添加方法は特に限定されない。
(過酸化物)
本発明のゲル粘着組成物を製造する際、前記配合液に少なくとも0.003重量%の過酸化物を添加することにより、重合後のゲルの黄変を防止することが可能である。逆に、前記配合液に0.3重量%以上添加しても、黄変防止効果に大差が生じないばかりか、ゲル中に残留する過酸化物が多くなり、例えば生体電極として使用した場合、エレメントを腐食させる危険性が高い。ゲルに残留した過酸化物は、ゲル生成後一定期間熟成することにより減少する。熟成とは一定の温度条件でゲルを静置して前記の過酸化物等の分解を促進することを指す。過酸化物の分解を促進するためには、熟成の温度を30℃以上に設定することが好ましい。また、熟成の温度が高すぎると、ゲルマトリックス等が分解、劣化する危険性があり、ゲルに貼付した保護フィルム等の収縮が発生し、皺が入ったり、変形したりする危険性もあるため60℃以下に設定するのが好ましい。熟成の温度として最も好ましいのは35〜45℃である。
前記の過酸化物として、過酸化水素、過炭酸ソーダ、過ホウ酸ナトリウム、過酢酸、二酸化塩素等が挙げられる。これらの過酸化物は、水で10%以下まで希釈してから前記配合液に添加するのが好ましい。また、一旦、前記配合液に添加したら、その配合液は24時間以内に使用するべきである。これらの過酸化物を添加してから長期間経過すると、重合反応が開始し、意図せぬところでゲルを生成する可能性がある。
(本発明の製造方法)
本発明は、水溶性高分子のマトリックスを形成するためのモノマー、架橋性モノマー、保湿剤、水、水不溶性高分子、及び両親媒性高分子を含む配合液を混合し、混合された配合液を加熱又は光照射することにより重合させてなるゲル粘着組成物の製造方法でもある。
本発明のゲル粘着組成物を製造する方法は、上記にも記載したように、次の工程を含むゲル粘着組成物の製造方法である。
(a) 非架橋性モノマー、架橋性モノマー、保湿剤、水、水不溶性高分子及び両親媒性高分子を含む配合液を混合する工程
(b) その混合された配合液を加熱又は光照射することにより重合させる工程
より詳細には、以下の工程を取ることが好ましい。
(1)配合液の作成
(i)あらかじめ水に溶解させた両親媒性の高分子を必要に応じて、更に水で希釈して均一に攪拌した溶液に、水に不溶性の高分子のエマルジョンを添加し、均一分散させる。次に、保湿剤を投入し、均一に分散するまで攪拌する。これを〔液1〕とする。尚、あらかじめ両親媒性の高分子を水に溶解させる場合、〔液1〕を作成する際の配合量を基に適宜設定すれば良い。
(ii)〔液1〕にモノマーを投入し攪拌する。モノマーの種類によっては、溶解時に吸熱又は発熱する場合があるので、吸熱する場合は加温し、発熱する場合は冷却することが好ましい。加温又は冷却する場合、〔液1〕の温度が10℃〜50℃の範囲になるように設定することが好ましく、20℃〜40℃であることがより好ましい。温度が低すぎるとモノマー自体の溶解に、特に固体のモノマーの場合に時間がかかるとともに、モノマー以外の添加成分の溶解にも時間を要する。添加する成分によっては、温度が低すぎると溶解しない場合もある。また、極端に温度が低下すると、エマルジョンやその他の高分子成分が凝集する場合もある。また、温度が高すぎると、同じくエマルジョンの分散不良が生じたり、反応性が高い成分が含まれる場合は、反応開始又は暴走したり、更に、配合液中の揮発成分が蒸発し、設計通りの配合液が得られない場合もある。
(iii) 電解質を必要とする場合は、(ii)の工程の次に投入するのが好ましい。電解質を投入すると、塩析によりエマルジョンやその他の高分子成分が凝集する場合もあるが、先にモノマーを溶解することにより凝集を抑制する効果が得られる。これは、モノマー自体が界面活性剤的な働きをしているものと推察されるが詳しい機構は不明である。
(iv) 次に、上記以外の必要成分と、重合開始剤を添加し、全ての成分が完全に溶解するまで攪拌、混合することにより、配合液が得られる。
なお、前記両親媒性高分子は、前記配合液に、水を除く前記配合液全量に対して0.05〜7.0重量%となるように加えることが好ましい。また、界面活性剤を前記配合液に加える場合は、前記配合液に前記配合液全量に対して0.1〜2.0重量%となるように加えることが好ましい。また前記過酸化物は、前記混合された配合液に0.003〜0.3重量%を更に添加し、混合して溶解した後に、重合することが好ましい。前記水不溶性高分子は、水を分散媒とするエマルジョンであることが好ましい。
なお、かかる配合液が、水不溶性高分子及び両親媒性高分子を含む配合液の場合、分散安定したゲル粘着組成物用配合液として使用することができる。すなわち、非架橋性モノマー、架橋性モノマー、保湿剤、水、水不溶性高分子及び両親媒性高分子を含むゲル粘着組成物用配合液であって、
前記両親媒性高分子が、水を除く当該配合液全量に対して0.05〜7.0重量%含まれているゲル粘着組成物用配合液である。
なお、本発明では、前記水不溶性高分子が、水を除く当該組成物全量に対して3〜20重量%含まれているゲル粘着組成物用配合液がより好ましい。
(2)配合液の保管
配合液の保管については、添加するエマルジョンやその他の成分が安定であれば特に制限されないが、0℃〜50℃の範囲で保管するのが好ましく、5℃〜40℃の範囲で保管することが更に好ましい。
(3)ゲル生成
樹脂フィルム等(ベースフィルム)の上に上記配合液を滴下し、その上面に離型処理した樹脂フィルム等(トップフィルム)を被せて液を押し広げ、一定の厚みに制御した状態で熱又は光(紫外線)照射により当該配合液を重合架橋させて一定の厚みのゲル粘着組成物からなるゲル体を得る。ベースフィルムは、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、紙又は樹脂フィルムをラミネートした紙等を使用することが出来る。
ベースフィルムを離型紙として使用する場合は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、紙又は樹脂フィルムをラミネートした紙等の表面に離型処理を施したものが好適に用いられる。特に、二軸延伸したPETフィルムや、OPP等が好ましい。離型処理の方法としては、シリコーンコーティングが挙げられる、特に、熱又は紫外線で架橋、硬化反応させる焼き付け型のシリコーンコーティングが好ましい。
ベースフィルムを離型紙でなく、粘着剤のバッキング材として使用する場合は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン等の樹脂フィルムを離型処理せずに使用する。特に、ポリウレタンは柔軟性があり、水蒸気透過性を有するものも存在する事から特に好ましい。ポリウレタンは、通常単独では柔らかすぎ、製造工程での取扱が困難なため、キャリアとしてポリオレフィンや紙などがラミネートされている。これらキャリアフィルムをつけたままゲル生成工程に使用する必要がある。
トップフィルムとしては、基本的にベースフィルムと同じ材質のものを使用することが可能であるが、光照射によりゲル生成する場合は、光を遮蔽しない材質を選択する必要がある。また、前記のバッキングに使用するフィルムは、トップフィルムとして使用しない方が良い。特に、紫外線などの照射により劣化の可能性がある場合は、直に紫外線が照射される側に配置することになるためより好ましくない。
ゲルを連続的に重合架橋させ、生成したゲル粘着組成物のゲル体をロール状に巻き取る場合は、ベースフィルムかトップフィルムかの何れかに柔軟性が要求される。柔軟性が無いフィルムを両面に使用する場合、巻皺が発生する危険性が高い。柔軟性を有するフィルムは、ロールの巻の内面、外面何れに使用しても良いが、外側に配置することがより好ましい。
本発明のゲル粘着組成物は、シート状に成形される際、必要に応じて中間基材として不織布又は織布を埋設することも可能である。これら中間基材は、ゲルの補強、裁断時の保形性を改善するために用いられる。例えば、ゲル粘着組成物を加工用の中間素材として流通させる場合、これら中間基材は、末端の加工業者での取り扱いを容易にするために必要である。不織布および織布の材質は、セルロース、絹、麻等の天然繊維やポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン等の合成繊維、または、それらの混紡が使用可能である。また、必要に応じて更にバインダーが用いられる。また更に、着色される場合がある。
本発明のゲル粘着組成物が、水溶性高分子の非架橋性モノマー、架橋性モノマー、保湿剤、水、及び、粘着性を有する水不溶性高分子に加えて、両親媒性高分子をも含有する場合には、これらを含む配合液において、前記水不溶性高分子の分散安定性が良好になる。そのために、当該配合液を攪拌する必要がなくなるため、当該配合液の保管は容易である。また、前記配合液作成からベースフィルム上にゲルを形成するまでを連続して行わなくてもよい。
また、本発明のゲル粘着組成物を製造する場合は、pH調整剤、水不溶性高分子、両親媒性高分子、界面活性剤、及び過酸化物の成分についてそれぞれの項で既述したように、各成分が所望の効果を発揮するように、各成分を上述の組成及び/または上述の添加量で用いることが好ましい。
本発明のゲル粘着組成物は、更に、配合液段階でのエマルジョンの分散性を悪化させない程度に、タッキファイヤーとして親水性の高分子を含有させても良い。例えば、ポリアクリル酸とその塩、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール(両親媒性でないもの)、ポリエチレンオキサイド等を使用することが可能である。また、エマルジョンのタッキファイヤーとして、ロジン系の樹脂などを添加しても良い。
本発明におけるゲル粘着組成物は、必要に応じて防腐剤、殺菌剤、防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、安定剤、香料、着色剤等や、抗炎症剤、ビタミン剤、美白剤その他の薬効成分を適宜添加してもよい。
なお、上記により、本発明における好ましい態様としては、次のゲル粘着組成物を挙げることができる。
すなわち、架橋された水溶性高分子、水、保湿剤、両親媒性高分子、粘着性を有する水不溶性高分子及び電解質塩を含むゲル粘着組成物であって、
前記組成物には水が13〜40重量%含まれ、
かつ、前記組成物から水を除く当該組成物全量に対して、
15〜35重量%の前記架橋された水溶性高分子、
3〜20重量%の水不溶性高分子、
0.05〜7.0重量%の前記両親媒性高分子、
50〜80重量%の前記保湿剤、
0.5〜6.0重量%の前記電解質塩、
が含まれるゲル粘着組成物である。
(電極)
本発明は、ゲル粘着層を備えた電極であって、当該ゲル粘着層がゲル粘着組成物を含む電極でもある。
このゲル粘着組成物としては、架橋された水溶性高分子、水、保湿剤及び両親媒性高分子を含み、上記両親媒性高分子が、水を除く当該組成物全量に対して0.05〜7.0重量%含まれているゲル粘着組成物が好ましい。
このゲル粘着層は、ポリエチレンテレフタレート層の表面に対しても良好に付着することができ、ポリエステル系又はポリウレタン系樹脂をバインダーとして含むカーボンペーストにより形成されたカーボンコート層に対しても良好な付着性を示すことができる。そのため、前記電極は、ゲル粘着層に電解質を含ませる等の公知の方法により導電性を付与することにより、前記ゲル粘着層がカーボンコート層との界面を有し、さらにポリエチレンテレフタレート層との界面をも有する電極として構成することができる。
例えば、下記の電極を採用することができる。すなわち、
シート状の表面基材を構成するポリエチレンテレフタレート層と、
このポリエチレンテレフタレート層の背面に間隔をあけて配され、それぞれ一対の電極端子につながった電極素子部を構成する一対のカーボンコート層と、
前記一対のカーボンコート層の背面と、当該一対のカーボンコート層の間に位置するポリエチレンテレフタレート層の背面にそれぞれ跨って配されたゲル粘着層を有する電極であって、
上記ゲル粘着層が、ゲル粘着組成物を含み、
当該ゲル粘着組成物は、架橋された水溶性高分子、水、保湿剤及び両親媒性高分子を含み、上記両親媒性高分子が、水を除く当該組成物全量に対して0.05〜7.0重量%含まれているゲル粘着組成物である、
電極である。
前記ゲル粘着層に前記ゲル粘着組成物が含まれる電極の場合、前記ゲル粘着層がカーボンコート層とポリエチレンテレフタレート層との両方に良好に粘着することから、両層とも層間剥離を生じることなく、人体皮膚面に対しても良好な付着性を示す。
従って、本発明の電極は、心電図測定用電極、低周波治療用電極、体脂肪率測定用電極等として好適に用いることができる。また、本発明の電極は、水不溶性高分子を含むことにより、優れた粘着性を示すこともできる。
図1は、本発明の電極の第一の実施態様例を示した図である。前記実施態様例は、前記ゲル粘着層がカーボンコート層との界面を有し、さらにポリエチレンテレフタレート層との界面をも有する電極の実施態様例である。図1(a)は、本発明の電極の表面を示す図である。図1(b)は、図1(a)の電極におけるA−A断面図である。図1(c)は、図1(a)の電極における裏面を示す図である。
図1(a)に示すように、本発明の電極1には一対の電極端子2を備えている。前記電極端子2は、図1(b)に示すように、ポリエチレンテレフタレート層である表面基材4及びカーボンコート層5を挟んで固定具3と嵌合することにより、電極1の所定の位置に設置されている。固定具3は、電極層として機能するカーボンコート層5上に現れている部分が絶縁テープ7で被覆されている。更に、ゲル粘着層6が、前記ゲル粘着層と前記カーボンコート層との界面と、前記ゲル粘着層とポリエチレンテレフタレート層との界面とが、前記ゲル粘着層の片方の面上に存在するように形成されている。電極1は、上記のように、ゲル粘着層6が形成され、表面基材4と反対の表面にセパレータ8が形成される。前記電極の使用時において、セパレータ8が剥がされて、表出したゲル粘着層6の表面が、人体皮膚面に粘着することとなる。
前記電極は、上記の積層構造を有するが、表面基材4とカーボンコート層5との積層構造においては、図1(c)に示すように、PET領域が2つのカーボンコート領域に挟まれたパターンを有する。しかし、本発明の電極は、ゲル粘着層に含まれるゲル粘着組成物がポリエチレンテレフタレート表面とカーボンコート面との両方に良好な付着性を示すことから、皮膚面から剥がした際に、基材シート層と導電性のゲル粘着層との層間剥離が生じることがなく、心電図測定用電極、低周波治療用電極、体脂肪率測定用電極等として好適に用いることができる。
また、本発明の電極は、粘着性に優れていることから、他の形態の電極にも好適に用いることができる。図2(a)〜図2(d)は、本発明の電極の第二乃至第五の実施態様例について電極端子付近の断面図である。また、図3は、本発明の電極の第六の実施態様例についての側面図並びゲル粘着層側の正面図である。
図2(a)は、本発明の電極における第二の実施態様例の断面図である。本実施態様例の電極は、心電図検査用電極等として好適に用いることができる。
電極10は、表面基材11である樹脂フィルム上にAg、Ag/AgCl等の金属やカーボン等を含む導電性インクを印刷コーティングして、導電層12を形成し、又は、表面基材11である樹脂フィルム上に金属箔(アルミ、ステンレス、Ag等)、若しくはカーボン等を練り込んだ導電性フィルムをラミネートして導電層12を形成して、片面に導電層を備えた片面導電性フィルムを形成する。電極10は、導電層12上に上述のゲル粘着組成物を貼付させてなり、片面導電性フィルムにゲル粘着層13が形成されただけの簡易な電極である。電極10の使用時においては、ゲル面の保護の為にゲル粘着層13上に形成されたセパレーター14が剥離され、片面導電性フィルムのゲルが形成されていない部分が鰐口クリップ等で挟まれてリード線と接続される。かくして、電極10は、セパレーター14が剥離されることにより現れたゲル粘着層表面が人体皮膚面等に貼付された電極として用いられる。
表面基材11としての樹脂フィルムの厚みは5〜150μm程度が良い。前記樹脂フィルムの材質は、特に制限されないが、印刷に適した合成紙(ポリプロピレンに無機フィラーを添加したもの)、PET、OPPフィルム等が好ましい。又、外観を向上させるために、表面基材における導電インクのコーティング面と逆の面に対して、化粧印刷を施したり、柔軟性を損なわない程度に、紙、不織布、発泡体(ポリエチレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリウレタン等の軟質の発泡シート)、ポリウレタン等のフィルム若しくはシートがラミネートされていれも良い。導電性インクは、公知の導電性インクを用いることができるが、複数種を組み合せて多層コーティングしても良い。
図2(b)は、本発明の電極における第三の実施態様例の断面図である。本実施態様例の電極は、一般用またはオペ室用等の心電図電極として好適に用いることができる。
電極20は、スナップ端子21とエレメント24のカシメ構造を有する電極エレメントとゲルの組み合せを基本的な電極構造として有する電極である。表面基材22の面積がゲル粘着層25より大きくなっており、はみ出した部分には、粘着剤がコーティングされて、粘着処理面23が形成されている。電極20は、ゲル粘着層25に含まれるゲルの粘着のみでは粘着性が不充分なため、粘着の枠として粘着処理面23を設けた構造を備えている。電極エレメント24は、樹脂の成型品にAg/AgCl等の金属をコーティングしたものを用いることができる。スナップ端子21は、通電性を有する公知のものを用いることができるが、ステンレス等の金属の場合と、カーボンを練り込んだ樹脂成型品の場合が有る。表面基材22としては、不織布、発泡体(ポリエチレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリウレタン等の軟質の発泡シート)ポリウレタン、PET、PVC等が使用可能である。これらの表面基材は単独でも複数を組み合わせても良い。通常は、これらの表面基材の片面に粘着処理したものを用いる。電極20は、上述のゲル粘着組成物を用いているために、粘着処理面とともに粘着が人体皮膚面等に対して粘着するので、粘着性に優れている。なお、図2(b)においてはセパレーターを図示していないが、電極の使用時においては前記の第二の実施態様例と同様に、セパレーターが剥離されて、使用されることとなる。
図2(c)は、本発明の電極における第四の実施態様例の断面図である。本実施態様例の電極は、一般用または乳児用等の心電図電極として好適に用いることができる。
電極30は、上記第三の実施態様例と同様にスナップ端子31とエレメント33のカシメ構造を有する電極である。表面基材32の全面にゲル粘着層34が形成され、ゲル粘着層35における表面基材32と反対の面にセパレーター35が形成されている。電極30は、電極20の構造と基本的には同じであるが、粘着の枠が無く、ゲルだけの粘着力で皮膚に貼付する。全面ゲルなので皮膚がかぶれにくい。表面基材32は電極構造2と同じものが使用可能であるが、本構造に用いる表面基材は粘着処理を必要としない。
図2(d)は、本発明の電極における第五の実施態様例の断面図である。本実施態様例の電極は、電気治療、TENS、EMS及びイオントフォレシス等の電極として好適に用いることができる。
電極40は、表面基材42の全面に、上記第二の実施態様例と同様の導電インクがコーティングされて電極層43が形成されている。スナップ端子41には金属製のスナップが用いられ、スナップを固定するために金属製のアイレット44でカシメられている。金属であるアイレット44とゲルが直接接触すると、電気がアイレット部分に集中するため、絶縁テープ45を設けて、導電層43上及びアイレット44上にゲル粘着層46を設けて、アイレットとゲルが直接接触しないようになされている。表面基材42は、上記第二の実施態様例と同じものが使用可能である。スナップ端子及びアイレットはそれぞれ金属が用いられるが、腐食を防ぐためにはステンレスが好ましく、例えば、低腐食性と強度を兼ね備えたSUS316L等が挙げられる。絶縁テープには、片面を粘着処理した樹脂フィルムが使用される。また、電極40には、ゲル粘着層46における表面基材43と反対の面にセパレーター47が形成されて、上記の実施態様例と同様に、電極の使用時に剥離されて用いられる。
図3は、本発明の電極における第六の実施態様例を示した図である。本実施態様例の電極は、電気メスアース(対極板)等として好適に用いることができる。
図3(a)は、第六の実施態様例である電極50の側面図である。電極50は、図2(a)における第二の実施態様例の構造における片側電極フィルムの表面基材上に、更に表面基材を貼付した構造を有する。最上層の表面基材である表面基材51上に、表面基材を含む導電性フィルム層52が形成され、導電性フィルム層52上にゲル粘着層53が形成されている。表面基材51と導電性フィルム層52との間には粘着処理がなされる。導電性フィルム層52は、導電層がゲル粘着層53側となるように表面基材51と積層される。電極50は、上述のゲル粘着組成物を含むゲル粘着層53が形成されており、皮膚に強固に粘着する。
導電性フィルム層52は、表面基材の片面だけに導電性処理が為され、図2(a)における第二の実施態様例における表面基材11と導電層12との積層構造と同様の構造を有している。導電フィルム層52の構造は、電極構造11に準じるが、電気メスのアースとして使用する場合は、高周波電流を滞りなく流す必要があるので、樹脂フィルム上に電気導電性が高い金属泊をラミネートするのが好ましい。金属泊としてはアルミニウム、ステンレス、銅、ニッケル等の金属泊等を使用できる。その中でもアルミニウム箔は柔軟で、かつ電気導電性が高く、腐敗しにくいため特に好ましい。本構造の表面基材51は、不織布、発泡体(ポリエチレン、ポリエチレンビニルアセテート、ポリウレタン等の軟質の発泡シート)ポリウレタン等が使用可能である。
また、図3(a)に示した電極50は、図3(b)に示す第一形態と図3(c)に示す第二形態との2つの形態を採用することができる。図3(b)の形態においては、導電性フィルム層52と導電性フィルム層52’と、並びにゲル粘着層53とゲル粘着層53とが絶縁溝54を介して絶縁された状態である。電気メスアース用電極は電気メス装置とメス先電極と共に使用され、電気メスアース用電極の一部が剥がれて接触面積が減少すると熱傷が発生するため、電気メス装置に接触状態を監視する回路が組み込まれているものが多い。一般には絶縁された2つの電極部分(実施様態では、52と53、並びに52’と53’)の抵抗値を監視し、剥がれ等により設定値をこえる抵抗値の変化が発生すると、自動的に装置の出力をカットして熱傷を防止する仕組みになっている。よって、本実施様態を用いれば、該接触状態監視回路が使用できる。
(PVA溶液の調製)
はじめに、両親媒性の高分子として低ケン化度PVA(JMR−10M(ケン化度65%):日本酢ビ・ポバール株式会社)20%水溶液(PVA溶液1)と、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA73(共重合モル比率:ビニルピロリドン/酢酸ビニル=7/3):BASF JAPAN LTD)の20%水溶液(VA溶液)を作成した。
(実施例1及び2)
温度が30〜40℃の範囲に制御された攪拌・混合容器を使用して、PVA溶液1をA1重量部、イオン交換水をB重量部を混合し、撹拌して均一に溶解した後に、保湿剤としてグリセリンをD重量部添加し、前記と同様に均一になるまで攪拌した。次に、前記容器に、モノマーとしてアクリルアミドをE重量部添加し、数分間攪拌した後、電解質として塩化ナトリウムをF重量部添加し、架橋製モノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレート(ブレンマーPDE−400:日本油脂株式会社)をG重量部添加し、完全に溶解するまで攪拌した。得られた混合液3を100重量部として、重合開始剤として、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(イルガキュア2959:チバスペシャリティーケミカルス)を0.15重量部添加して乳白色の配合液4を得た。得られた配合液4をシリコーンコーティングされたPETフィルム上に滴下し、その上から同じくシリコーンコーティングされたPETフィルムを被せて、液が均一に押し広げられ、厚さが0.5mmになる様に固定した。これにメタルハライドランプを使用してエネルギー量3000mJ/cmの紫外線照射することにより厚さ0.5mmである実施例1及び実施例2のゲル粘着組成物をそれぞれ得た。配合量の詳細は表1に示す。
(実施例3〜10、12、及び13)
温度が30〜40℃の範囲に制御された攪拌・混合容器を使用して、PVA溶液1をA1重量部、又は、VA溶液をA2重量部と、イオン交換水をB重量部を混合し、均一に溶解した後、水不溶性高分子としてアクリル酸エステル共重合体のエマルジョン(固形分50重量%、商品名「ポリゾールPSA SE−1730」、昭和高分子株式会社製)をC1重量部、又は、アクリル酸エステル共重合体のエマルジョン(固形分50重量%、商品名「ビニブランADH−1048」、日信化学工業株式会社製)をC2重量部、又は、アクリル酸エステル共重合体のエマルジョン(固形分60重量%、商品名「ビニブランADH−893T」、日信化学工業株式会社製)をC3重量部添加し、分散が均一になるまで攪拌した。(目視にて白濁のムラがなくなった時点で均一と判断した。)次に、保湿剤としてグリセリンをD重量部添加し、前記と同様に均一になるまで攪拌した。次に、モノマーとしてアクリルアミドをE重量部添加し、数分間攪拌した後、電解質として塩化ナトリウムをF重量部添加し、架橋性モノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレート(商品名「ブレンマーPDE−400」、日本油脂株式会社製)をG重量部添加し、完全に溶解するまで攪拌した。得られた混合液3を100重量部として、重合開始剤として、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(商品名「イルガキュア2959」、チバスペシャリティーケミカルス製)を0.15重量部添加して乳白色の配合液4を得た。得られた配合液4をシリコーンコーティングされたPETフィルム上に滴下し、その上から同じくシリコーンコーティングされたPETフィルムを被せて、液が均一に押し広げられ、厚さが0.5mmになる様に固定した。これにメタルハライドランプを使用してエネルギー量3000mJ/cmの紫外線照射することにより厚さ0.5mmのゲル粘着組成物を得た。配合量の詳細は表1及び表2に示す。
(実施例11、及び14〜18)
20%クエン酸水溶液をH重量部と、20%クエン酸3ナトリウム水溶液をI重量部と、6%過酸化水素水をJ重量部を混合してから配合液4に添加して10分間攪拌し、均一溶解させた(配合液5)。得られた配合液5をシリコーンコーティングされたPETフィルム上に滴下し、その上から同じくシリコーンコーティングされたPETフィルムを被せて、液が均一に押し広げられ、厚さが0.5mmになる様に固定した。これにメタルハライドランプを使用してエネルギー量3000mJ/cmの紫外線照射することにより厚さ0.5mmのゲル粘着組成物を得た。配合量の詳細は表2及び表3に示す。
(実施例19及び20)
配合液4に20%クエン酸水溶液をH重量部、20%クエン酸3ナトリウム水溶液をI重量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(商品名「アクアロンKH−10」、第一工業製薬株式会社製)をK重量部添加して20分間攪拌し、均一溶解させた(配合液6)。得られた配合液6をシリコーンコーティングされたPETフィルム上に滴下し、その上から同じくシリコーンコーティングされたPETフィルムを被せて、液が均一に押し広げられ、厚さが0.5mmになる様に固定した。これにメタルハライドランプを使用してエネルギー量3000mJ/cmの紫外線照射することにより厚さ0.5mmのゲル粘着組成物を得た。配合量の詳細は表3に示す。
(比較例1〜2)
温度が30〜40℃の範囲に制御された攪拌・混合容器を使用して、イオン交換水B重量部に保湿剤としてグリセリンをD重量部添加し、次に、モノマーとしてアクリルアミドをE重量部添加し、数分間攪拌した後、電解質として塩化ナトリウムをF重量部添加し、架橋性モノマーとしてポリエチレングリコールジアクリレートをG重量部添加し、完全に溶解するまで攪拌した。得られた混合液3を100重量部として、重合開始剤として、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(商品名「イルガキュア2959」、チバスペシャリティーケミカルス製)を0.2重量部添加して無色透明の配合液4を得た。得られた配合液4をシリコーンコーティングされたPETフィルム上に滴下し、その上から同じくシリコーンコーティングされたPETフィルムを被せて、液が均一に押し広げられ、厚さが0.5mmになる様に固定した。これにメタルハライドランプを使用してエネルギー量3000mJ/cmの紫外線照射することにより厚さ0.5mmのゲル粘着組成物を得た。配合量の詳細は表4に示す。
(比較例3)
水不溶性高分子としてアクリル酸エステル共重合体のエマルジョン(商品名「ビニブランADH−893T」、日信化学工業株式会社製)をC3重量部添加した以外は比較例1〜2と同様にして配合液4を得た。製造する際の配合の順序、方法は実施例に倣ったが、攪拌を停止するとエマルジョンの分離が進行し、均一なゲルが得られなかった。配合量の詳細は表4に示す。
(比較例4〜5)
両親媒性の高分子共重合体の代わりに、水溶性高分子のPVA(商品名「JMR−10HH」(ケン化度98.5%)、日本酢ビ・ポバール株式会社製)又はポリアクリル酸(商品名「AC−16H」、日本純薬株式会社製)の各々20%水溶液を使用した以外は実施例1〜7と同様にして配合液4を得ようとしたが、何れも攪拌中に凝集して、ババロア状にゲル化し、配合液4が得られなかった。配合量の詳細は表4に示す。
(比較例6)
両親媒性の高分子共重合体の代わりに、酢酸ビニル共重合体エマルジョン(固形分40重量%、商品名「ビニブラン1245L」、日信化学工業株式会社製)を使用した以外は実施例3と同様にして配合液4を得ようとしたところ、攪拌を停止するとエマルジョンの分離が進行し、分離傾向が認められた。撹拌停止後1時間以内の配合液4を用いて、実施例3と同様の方法により、厚さ0.5mmのゲル粘着組成物を得た。配合量の詳細は表4に示す。
(粘着力の測定)
実施例と比較例で得られたゲルの粘着力を測定した。
実施例1〜20、並びに比較例1、2及び6で得られたゲル粘着組成物の片面のPETフィルムをそれぞれ剥離し、代わりに片面に無機フィラーをコーティングした合成紙を貼付した後、長さ120mm、幅20mmに切り出して試験片を得た。
得られた試験片のゲル面に残されたPETフィルムを剥離して、厚さ38μmのPETフィルムに貼付し、30分静置した後に引っ張り試験機を使用してT型剥離試験を行なった(引張速度300mm)。結果を表5及び表6に示す。なお、PETフィルムとしては、蒸留水との接触角が70〜80度であるPETフィルムを用いた。
(皮膚粘着力)
粘着力測定で使用した試験片を作成するのと同じ要領で、実施例1〜20、並びに比較例1、2及び6で得られたゲル粘着組成物について、それぞれ40mm×20mmの試験片を人数分作成し、6人の被験者に貼付して体感による評価を行なった。試験方法は、腕の外側に試験片を貼付して、直後に剥がした際の皮膚への付着力を以下の基準で、官能にて5段階評価した。尚、概ね( )内に示した測定値(90度剥離荷重)の時に左記の体感が得られる。
5:皮膚剥離時に痛みを覚える。(剥離荷重450g/20mm程度以上)
4:十分な強度で粘着している。(剥離荷重350g/20mm程度以上)
3:実用可能な粘着レベル。(剥離荷重250g/20mm程度以上)
2:粘着しているが頼りなく感じる。(剥離荷重200g/20mm程度以下)
1:実用に耐えない。(剥離荷重100g/20mm程度以下)
以上の基準で6名が各サンプルを採点した平均点数を持って皮膚粘着力とした。結果を表5及び表6に示す。
(圧縮強度)
実施例1〜20、並びに比較例1、2及び6で得られたゲル粘着組成物をそれぞれ20mm角に切り出し、6枚を貼り合せて厚み3mmの試験片とした。この試験片をレオメーターにセットし、12Φのステンレス製円柱測定冶具を300mm/分の速度で0.6mm圧縮を行った。3点の試験片について行い、これらの平均の最大応力を圧縮応力とした。測定結果を表5及び表6に示す。
(インピーダンス測定)
電解質を添加した実施例及び比較例で得られたゲル粘着組成物について、電極作成時の電気性能の測定を行なった。75μmPETフィルムの片面にAg/AgClインクをスクリーン印刷にてコーティングした電極エレメントに、得られたゲル粘着組成物をそれぞれ貼付し、ゲル貼付部分の面積が4cm、ゲルが貼付されていない部分の面積が2cmになる様に切り出して電極を得た。
得られた電極2つを1対とし、ゲル面同士を貼り合せて電極対を作成。電極対インピーダンスを測定した。測定方法はAAMI(Association for the Advancement of Medical Instrumentation)EC12 Disposable ECG electrodes に準じて実施した。結果を表5及び表6に示す。
(配合液安定性)
実施例及び比較例に記載されている配合液4〜配合液6を採取し、直径20mm、深さ120mmの試験管にそれぞれ約25mlずつサンプリングし、常温で保管し、24時間後、及び48時間後の分離の発生を目視にて確認した。結果を表5及び表6に示す。
(PET付着性)
実施例1〜20、並びに比較例1、2及び6で得られた粘着剤の片面のPETフィルムをそれぞれ剥離し、替わりに片面に無機フィーラーをコーティングした合成紙を貼付した、長さ120mm、幅20mmに切り出して試験片を得た。得られた試験片のゲル面に残されたPETフィルムを剥離して、市販の白色PETフィルム(商品名「メリネックス339」、帝人デュポンフィルム株式会社製)に貼付して48時間室温で保管した後、粘着力と同様にT型剥離試験を行った(引張速度300mm/分)。結果を表5及び表6に示す。
(カーボン面付着性)
市販の白色PETフィルム(商品名「メリネックス339」、帝人デュポンフィルム株式会社製)の表面にスクリーン印刷によりカーボンペーストをコーティングし、カーボンコーティングフィルムを得た。PET付着性の時に使用した白色PETフィルム(商品名「メリネックス339」、帝人デュポンフィルム株式会社製)の代わりに前記カーボンコーティングフィルムを使用(カーボン面にゲル粘着組成物を貼付)した以外はPET付着性と同様にしてカーボン面付着性を測定した。結果を表5及び表6に示す。なお、前記カーボンペーストとしては、通電性を有するカーボンコーティング層を形成することができれば組成は任意であるが、本評価においては、ポリエステル系バインダーを含有するカーボンペースト(商品名「Electrodag 423SS」、日本アチソン株式会社製)を用いた。
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実施例1及び2は、架橋された水溶性高分子のマトリックス中に両親媒性高分子を含むことからPET付着性及びカーボン面付着性も良好であった。同様に、実施例3〜20においても、得られたゲル粘着組成物は、両親媒性高分子を含むことからPET付着性及びカーボン面付着性も良好であった。これに対して、比較例1、2及び6は、PET付着性及びカーボン面付着性は、各実施例の値に比べて極めて低い値であった。
実施例1〜20は、粘着力測定において、248〜352(g/20mm)と、良好な数値を示した。また、体感評価においても実用レベル以上の評価を得た。
比較例1は絶対的な粘着力が低いため体感評価も低い結果となっている。比較例2は、粘着力測定においては実施例2とほぼ同等の測定値を示したが、皮膚粘着の体感評価では粘着が頼りないと感じる被験者が多かった。また、比較例2は、実施例2に対して圧縮強度が58kPaと、比較して低い。これは、ゲルが柔らかく、かつ、変形しやすく取扱にくいと同時に、加工性も悪いことを表している。比較例6においても、得られたゲル粘着組成物は体感評価も低い結果となった。
インピーダンス測定結果からは、塩を添加することにより、生体電極、特に低インピーダンスが要求される心電図電極に要求される十分なレベルの導電性付与が可能であることがわかる。尚、AAMIの規格では、電極対インピーダンスの平均値が2kΩ以下であることが必要とされている。
配合液の安定性は、実施例1〜20の何れの配合も24時間経過時点までは良好に分散しており、生産に十分耐え得る。また、実施例17〜20ではpH緩衝剤の添加量を増量してエマルジョンの塩析による凝集傾向が生じていたが、実施例19および20より、界面活性剤を添加することにより分散安定化できることがわかった。これに対して、比較例においては、比較例3の配合液では24時間後に分離が生じ、比較例4及び5においては、ババロア状のゲル化が生じた。比較例6については、配合直後〜4時間程度では分離が見られなかったが、24時間後に分離の傾向が目視により認識されたが、48時間後には目視により配合液が分離したことが認められた。比較例3〜6については、配合液安定性は、いずれも不良であった。
本発明のゲル粘着組成物は、生体に貼付するサージカルテープ、カテーテルや点滴などのチューブ等、心電図電極その他センサー類の固定用テープ、湿布剤や、創傷被覆剤、人工肛門等の固定用テープや、心電図電極やその他のセンサー類や電気治療器用導子に使用する、電極エレメントを生体に貼付すると同時に、電気的に接合するための導電性粘着剤、磁気治療器固定用粘着材、経皮吸収剤の担体兼粘着材など、生体に貼付して用いる粘着材として好適に使用される。その他、建材、電子材料など工業用粘着材としても使用可能である。
また、本発明の電極は、種々の形態の電極構造を採用することができ、例えば、心電図検査電極、一般用途用、乳幼児用、若しくはオペ室用の心電図電極、電気治療用、TENS用、EMS用、イオントフォレシス用の電極、電気メスアース用電極または体脂肪率測定用電極として好適に使用できる。
本願は2004年4月22日に出願した日本国特願2004−127424を優先権主張するものであって、その開示の全内容がこの全体中に引用して包含されている。
本発明は、多くの異なる態様をとり得るが、多くの例示的な態様が、開示内容が本発明の原理の一例を提供しており、この開示内容により本願がここに記載の、及び/またはここに例示の好ましい態様に限定されるものではない、との理解をともなって、記載されている。
発明の例示的な態様が記載されたが、本願発明は、ここに記載した種々の好ましい態様に限定されるものではなく、この開示内容に基づいて当業者が評価しうる程度に均等な要素、修正、省略、(例えば種々の態様の側面の)結合、翻案、及び/または改変を有するいかなる態様及び全ての態様をも含むものである。クレームにおける限定は、クレーム中用いられた文言に基づいて広く解釈されるべきものであり、本明細書または出願審査中の記載の例示に限定されるものではない。この例示は非排他的なものとして解釈されるべきものであるからである。例えば、本願の開示において、「好ましく」の語は、非排他的で、「好ましいが、これに限定されない」意である。この開示内容において、また本願の審査において、「本発明」または「発明」なる用語は、この開示内容中の1または2以上の引用として使用されることができる。用語本発明または用語発明は、臨界性の同定との不適切な解釈をしてはならず、全側面、全態様に適用されるとの不適切な解釈をしてはならず(即ち、本発明は多くの側面及び態様を有すると理解されるべきである。)、出願またはクレームの範囲を限定するとの不適切な解釈をしてはならない。本願の開示内容及び本願審査において、用語「態様」は、そのいかなる側面、特徴、プロセス乃至ステップ、その結合、及びまたはその部分などを記載するものとして使用できる。いくつかの例においては、種々の態様は重複する特徴を含むことができる。

Claims (19)

  1. 架橋された水溶性高分子、水、保湿剤及び両親媒性高分子を含み、
    上記両親媒性高分子が、水を除く当該組成物全量に対して0.05〜7.0重量%含まれているゲル粘着組成物。
  2. 粘着性を有する水不溶性高分子が、水を除く当該組成物全量に対して3重量%以上更に含まれている、請求の範囲第1項に記載のゲル粘着組成物。
  3. 前記保湿剤が、水を除く当該組成物全量に対して50〜80重量%含まれている請求の範囲第1項に記載のゲル粘着組成物。
  4. 電解質塩が、水を除く当該組成物全量に対して0.5重量%以上更に含まれている請求の範囲第1項に記載のゲル粘着組成物。
  5. 前記架橋された水溶性高分子が、当該組成物のマトリックスを構成する請求の範囲第1項に記載のゲル粘着組成物。
  6. 架橋された水溶性高分子、水、保湿剤、両親媒性高分子、粘着性を有する水不溶性高分子及び電解質塩を含むゲル粘着組成物であって、
    前記組成物には水が13〜40重量%含まれ、
    かつ、前記組成物から水を除く当該組成物全量に対して、
    15〜35重量%の前記架橋された水溶性高分子、
    3〜20重量%の水不溶性高分子、
    0.05〜7.0重量%の前記両親媒性高分子、
    50〜80重量%の前記保湿剤、
    0.5〜6.0重量%の前記電解質塩、
    が含まれているゲル粘着組成物。
  7. 次の工程を含むゲル粘着組成物の製造方法。
    (a) 非架橋性モノマー、架橋性モノマー、保湿剤、水、水不溶性高分子及び両親媒性高分子を含む配合液を混合する工程
    (b) その混合された配合液を加熱又は光照射することにより重合させる工程
  8. 前記工程(a)において、前記配合液をpH4〜7に調整する工程を含む請求の範囲第7項に記載のゲル粘着組成物の製造方法。
  9. 前記水不溶性高分子として、疎水性モノマーと親水性モノマーの共重合体であって当該親水性モノマーの共重合比率が0.1〜5重量%である共重合体を用いる、請求の範囲第7項に記載のゲル粘着組成物の製造方法。
  10. 前記親水性モノマーが、アクリル酸アルキルエステルである請求の範囲第9項記載のゲル粘着組成物の製造方法。
  11. 前記両親媒性高分子が、ケン化度50〜75%のポリビニルアルコールである請求の範囲第7項に記載のゲル粘着組成物の製造方法。
  12. 前記配合液に、両親媒性高分子を、水を除く前記配合液全量に対して0.05〜7.0重量%となるように加える請求の範囲第7項に記載のゲル粘着組成物の製造方法。
  13. 前記配合液に、更に界面活性剤を、前記配合液全量に対して0.1〜2.0重量%となるように加える請求の範囲第7項に記載のゲル粘着組成物の製造方法。
  14. 前記混合された配合液に、0.003〜0.3重量%の過酸化物を更に添加し、混合して溶解した後に、重合する請求の範囲第7項に記載のゲル粘着組成物の製造方法。
  15. 前記水不溶性高分子が、水を分散媒とするエマルジョンである請求の範囲第7項に記載のゲル粘着組成物の製造方法。
  16. 非架橋性モノマー、架橋性モノマー、保湿剤、水、水不溶性高分子及び両親媒性高分子を含むゲル粘着組成物用配合液であって、
    前記両親媒性高分子が、水を除く当該配合液全量に対して0.05〜7.0重量%含まれているゲル粘着組成物用配合液。
  17. 前記水不溶性高分子が、水を除く当該組成物全量に対して3〜20重量%含まれている請求の範囲第16項記載のゲル粘着組成物用配合液。
  18. ゲル粘着層を備えた電極であって、
    前記ゲル粘着層は、ゲル粘着組成物を含み、
    前記ゲル粘着組成物は、架橋された水溶性高分子、水、保湿剤及び両親媒性高分子を含み、上記両親媒性高分子が、水を除く当該組成物全量に対して0.05〜7.0重量%含まれているゲル粘着組成物である、電極。
  19. シート状の表面基材を構成するポリエチレンテレフタレート層と、
    このポリエチレンテレフタレート層の背面に間隔をあけて配され、それぞれ一対の電極端子につながった電極素子部を構成する一対のカーボンコート層と、
    前記一対のカーボンコート層の背面と、当該一対のカーボンコート層の間に位置するポリエチレンテレフタレート層の背面にそれぞれ跨って配されたゲル粘着層を有する電極であって、
    上記ゲル粘着層が、ゲル粘着組成物を含み、
    当該ゲル粘着組成物は、架橋された水溶性高分子、水、保湿剤及び両親媒性高分子を含み、上記両親媒性高分子が、水を除く当該組成物全量に対して0.05〜7.0重量%含まれているゲル粘着組成物である、電極。



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