JP2011135904A - 乳癌及び/又は乳腺炎治療用イオントフォレシス製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】前記乳癌又は乳腺炎治療用のイオントフォレシス製剤の治療効果をさらに増大させる手段を提供する。
【解決手段】非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤を有効成分とし、乳頭部にドナーを貼付し、通電により乳頭部から乳腺内へ電解質を局所投与し、次いで通電により乳頭部から乳腺内へ当該有効成分を局所投与するための乳癌及び/又は乳腺炎治療用イオントフォレシス製剤。
【選択図】なし
【解決手段】非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤を有効成分とし、乳頭部にドナーを貼付し、通電により乳頭部から乳腺内へ電解質を局所投与し、次いで通電により乳頭部から乳腺内へ当該有効成分を局所投与するための乳癌及び/又は乳腺炎治療用イオントフォレシス製剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、乳癌及び/又は乳腺炎治療用イオントフォレシス製剤に関する。
乳癌とは乳腺組織に発生する癌で、腺房から発生する少葉癌と乳管から発生する乳管癌に区分される。また、癌が少葉や乳管内に限られていて、周囲に広がっていない状態を非浸潤癌と呼び、乳管の中で増えた癌細胞が基底膜を破壊して周囲の組織に転移していく状態を浸潤癌と呼ぶ。乳癌の治療法としては、手術なしに又は手術により患部を切除後、抗癌剤を点滴投与する補助化学療法が一般的である。しかし、多くの抗癌剤には、点滴投与した場合、吐き気、食欲低下及び脱毛等の副作用が起こるという問題がある。
また、乳腺炎はうっ滞性乳腺炎と急性化膿性乳腺炎に区分される。うっ滞性乳腺炎は、乳管内に乳汁がうっ滞した状態で、産褥直後に発症する。一方急性化膿性乳腺炎は、ブドウ球菌、大腸菌、レンサ球菌等の細菌感染により発症する。このうち、急性化膿性乳腺炎に関しては、消炎鎮痛剤を用いた治療が行われている。
しかしながら、乳癌や乳腺炎は乳房内で発現又は発症するため、非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤を局所的に投与できないという問題があった。
しかしながら、乳癌や乳腺炎は乳房内で発現又は発症するため、非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤を局所的に投与できないという問題があった。
そこで本発明者らは、経皮吸収促進手段として知られているイオントフォレシスに着目して検討し、非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤を含有するイオントフォレシス製剤のドナーを、乳頭部に貼付して通電させれば、これらの有効成分の乳腺への移行率が、乳房部等の通常の皮膚に貼付して通電した場合に比べて飛躍的に向上し、乳癌及び/又は乳腺炎の局所投与による治療手段として有用であることを見出し、先に特許出願した(特許文献1)。
特許第4000185号公報
薬剤学 Vol 57, April 1997 Supplement, p206-207
本発明の目的は、前記乳癌又は乳腺炎治療用のイオントフォレシス製剤の治療効果をさらに増大させる手段を提供することにある。
本発明者は、前記イオントフォレシス製剤を用いて乳頭部から乳腺への有効成分の移行率を高めるべく種々検討したところ、まず電解質を乳頭部から通電により乳腺内へ局所投与し、次いで有効成分を乳頭部から通電により乳腺内へ局所投与することにより、直接有効成分を乳頭部から通電により乳腺内へ局所投与する場合に比べて有効成分の乳腺内への移行率が顕著に増大し、かつその速度も増強されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤を有効成分とし、乳頭部にドナーを貼付し、通電により乳頭部から乳腺内へ電解質を局所投与し、次いで通電により乳頭部から乳腺内へ当該有効成分を局所投与するための乳癌及び/又は乳腺炎治療用イオントフォレシス製剤を提供するものである。
また、本発明は、電解質と非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤とを含有するドナー、又は電解質を含有するドナーと非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤を含有するドナーを乳頭部に貼付し、通電により乳頭部から乳腺内へ電解質を局所投与し、次いで通電により乳頭部から乳腺内へ当該有効成分を局所投与することを特徴とする乳癌及び/又は乳腺炎のイオントフォレシス治療法を提供するものである。
また、本発明は、ドナーを乳頭部に貼付し、通電により乳頭部から乳腺内へ電解質を局所投与し、次いで通電により乳頭部から乳腺内へ有効成分を局所投与するための乳癌及び/又は乳腺炎のイオントフォレシス製剤製造のための、電解質と非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤との組み合せの使用を提供するものである。
また、本発明は、電解質と非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤とを含有するドナー、又は電解質を含有するドナーと非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤を含有するドナーを乳頭部に貼付し、通電により乳頭部から乳腺内へ電解質を局所投与し、次いで通電により乳頭部から乳腺内へ当該有効成分を局所投与することを特徴とする乳癌及び/又は乳腺炎のイオントフォレシス治療法を提供するものである。
また、本発明は、ドナーを乳頭部に貼付し、通電により乳頭部から乳腺内へ電解質を局所投与し、次いで通電により乳頭部から乳腺内へ有効成分を局所投与するための乳癌及び/又は乳腺炎のイオントフォレシス製剤製造のための、電解質と非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤との組み合せの使用を提供するものである。
本発明によれば、直接通電により乳腺内に移行させる場合に比べて、さらに多量にかつ速やかに有効成分である非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤を乳腺内に特異的に吸収させることができるので、従来よりも少ない用量で乳癌及び/又は乳腺炎治療が可能となり、副作用が軽減できる。
本発明の乳癌及び/又は乳腺炎治療用イオントフォレシス製剤は、ドナーを乳頭部に貼付し、通電により乳頭部から乳腺内へ電解質を局所投与し、次いで通電により乳頭部から乳腺内へ有効成分を局所投与するものである。ここで、有効成分を乳頭部から通電により投与する前に、電解質を乳頭部から通電により投与することにより、有効成分の乳頭部から乳腺への移行率及び移行速度が顕著に増強することは全く予想外であった。すなわち、通常の皮膚において、有効成分を通電により投与する前に、生理食塩水を通電により投与しておくと、有効成分の膜透過が促進されることは知られているが、その膜透過率は非通電の場合に比べて低いことが知られている(非特許文献1)。これに対し、本発明によれば、電解質を乳頭部から通電により投与した後に、有効成分を乳頭部から通電により投与すると、その有効成分移行率は、非通電の場合に比べて格段に向上する。
本発明において有効成分投与に先立って、乳頭部から通電により乳腺内に投与される電解質としては、陽イオンでも陰イオンでもよい。陽イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、両性イオン等が挙げられ、このうち、アルカリ金属イオンがより好ましく、Naイオン又はLiイオンが特に好ましい。陰イオンとしては、炭酸イオン、リン酸イオン、ハロゲンイオン、両性イオン等が挙げられ、このうちハロゲンイオンがより好ましく、Clイオン、Brイオン、Iイオンが特に好ましい。これらの電解質のうちアルカリ金属ハロゲン化物又はアルカリ土類金属ハロゲン化物、例えばNaCl、LiCl、KCl、NaBr、LiBr、KBr、CaCl2、CaBr2等の水溶液が、陽イオンとしても陰イオンとしても作用するので特に好ましい。
本発明の乳癌及び/又は乳腺炎治療薬の有効成分である非ステロイド系消炎鎮痛剤としては、インドメタシン、アセメタシン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、アセトアミノフェン、ジクロフェナックナトリウム、アンフェナクナトリウム、イブプロフェン、スリンダック、ナプロキセン、ケトプロフェン、フルフェナム酸、イブフェナック、フェンブフェン、アルクロフェナック、フェニルブタゾン、メフェナム酸、ベンザダック、ピロキシカム、フルルビプロフェン、ペンタゾシン、塩酸ブプレノフィン、酒石酸ブトルファノール、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、パレコキシブNa、エトドラク、NS−398、メロキシカム等が挙げられる。このうち、インドメタシン、セレコキシブが乳頭部から乳腺内への吸収効率の点で好ましく、特にインドメタシンが好ましい。
抗癌剤としては、イホスファミド、シクロフォスファミド等のアルキル化剤;カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン等の白金化合物;塩酸イリノテカン、エトポシド、ドセキタクセル水和物、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、パクリタキセル、酒石酸ビノレルビン等の植物性抗癌剤;クエン酸タモキシフェン、塩酸ファドロゾール水和物、フルタミド、酢酸メドロキシプロゲステロン、リン酸ミプロキシフェン等のホルモン類;塩酸ドキソルビシン、塩酸イダルビシン、ジノスタチンスチマラマー、塩酸ダウノルビシン、塩酸プレオマイシン、塩酸エピルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸ピラルビシン、マイトマイシンC等の抗腫瘍性抗生物質;カルモフール、シタラビン、ドキシフルリジン、ヒドロキシカルバミド、メトトレキサート、メルカプトプリン、塩酸ゲムシタビン、フルオロウラシル、カペシタピン等の代謝拮抗剤;ラクトン型シクロヘプタペプチド構造の直鎖状サーファクチン、トラスツズマム等のモノクローナル抗体等が挙げられる。このうち、シクロフォスファミド等のアルキル化剤、フルオロウラシル等の代謝拮抗剤、クエン酸タモキシフェン、リン酸ミプロキシフェン等のホルモン類(抗エストロゲン剤)が、乳頭部から乳腺内への吸収効率の点で好ましく、特にシクロフォスファミド、フルオロウラシル(特に5−フルオロウラシル)、リン酸ミプロキシフェンが好ましい。
イオントフォレシス製剤は、通常ドナーとレセプターとから構成されるが、本発明の乳癌及び/又は乳腺炎治療用イオントフォレシス製剤としては、少なくともドナーが乳頭部に貼付されるものである。イオントフォレシス製剤は一般的に、電源、アノード(電極、パッド)及びカソード(電極、パッド)から構成される。電極形状としては、アノードとカソードが対型構造をなすもの、アノード及び/又はカソードが内側で、カソード及び/又はアノードが外側の囲繞型構造をなすものが挙げられる(Biological Pharmaceutical Bulletin、26(4),518−522,2003)。ここで、陰イオン性薬物はカソード、陽イオン性薬物はアノードがドナーとして用いられ、非イオン性薬物は電気浸透の原理を利用して、アノードがドナーとして用いられる(Biological Pharmaceutical Bulletin,24,278−283,2001;Biological Pharmaceutical Bulletin,24,671−677,2001;Pharmaceutical Research,18,1701−1708,2001)。
まずドナーについて説明する。ドナーは、基本的に図1のように、支持体1、電極2、パッド3及びライナー4で構成される。支持体としては、コットン、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、ポリオレフィン、ポリエチレン、ビニロン、アセテート、ポリプロピレン、ポリウレタン、シリーコンゴム等が挙げられる。電極としては、炭素、アルミニウム(酸化アルミニウムを含む)、ステンレス、金、銀、銅、塩化銀、白金、白金黒等が挙げられる。パッドには、電解質のみを含有、有効成分のみを含有、又は有効成分と電解質の両方を含有する形態が挙げられる。
本発明においては、電解質をまず通電により乳頭部から乳腺内に投与し、次いで有効成分を通電により乳頭部から乳腺内に投与する。そのためには、一つのパッド内に電解質と有効成分とを含有する層を設ける手段と、電解質含有層と有効成分含有層とを別個のパッドとして形成する手段とがある。
前者の場合には、最初から電解質と有効成分がパッド内に含有している形態と、最初は電解質のみを含有し、電解質を通電後に有効成分をパッド内に含有、または表面に塗布して用いる形態がある。また、有効成分をパッド内または表面ではなく、乳頭部に直接塗布して通電する場合も本発明の形態に含まれる。
更に有効成分が陽イオン性物質のときには電解質として陰イオンが採用され、有効成分が陰イオン性物質のときには電解質として陽イオンが採用される。この場合には、ドナー例をカソード、レセプター例をアノードとして通電すれば、まず陽イオンが乳頭から乳腺内に移行し、次いでドナー例をアノード、レセプター例をカソードとして通電すれば陰イオンが乳頭から乳腺内に移行するので、最初に電解質を乳腺内に移行させ、次いで有効成分を乳腺内に移行させることができる。
前者の場合には、最初から電解質と有効成分がパッド内に含有している形態と、最初は電解質のみを含有し、電解質を通電後に有効成分をパッド内に含有、または表面に塗布して用いる形態がある。また、有効成分をパッド内または表面ではなく、乳頭部に直接塗布して通電する場合も本発明の形態に含まれる。
更に有効成分が陽イオン性物質のときには電解質として陰イオンが採用され、有効成分が陰イオン性物質のときには電解質として陽イオンが採用される。この場合には、ドナー例をカソード、レセプター例をアノードとして通電すれば、まず陽イオンが乳頭から乳腺内に移行し、次いでドナー例をアノード、レセプター例をカソードとして通電すれば陰イオンが乳頭から乳腺内に移行するので、最初に電解質を乳腺内に移行させ、次いで有効成分を乳腺内に移行させることができる。
一方、電解質含有層と有効成分含有層とを別個のパッドとして形成する場合には、まず電解質含有パッドを乳頭部に貼付して通電し、次いで有効成分含有パッドを乳頭部に貼付して通電するのが好ましい。
また、有効成分を含有するパッドは、有効成分、溶媒、粘着性基剤及びさらに必要によっては電解質を含有する。さらに、ライナーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック系のライナー、セルロース系のライナー及びシリコーン系剥離剤を表面にコーティングした上記ライナー、紙シート等が挙げられる。
本発明においてパッドを構成する溶媒としては、水;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコールポリエチレングリコール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、ポリプロピレングリコール2000、ポリプロピレングリコール、(濃)グリセリン、バチルアルコール、ペンタエリトリトール、D−ソルビトール液等の多価アルコール;エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール等のアルコール;アジピン酸ジイソプロピル、トリアセチン、セバシン酸ジイソプロピル、トリイソオクタン酸、炭素数が6−12の中鎖脂肪酸トリグリセリド等のエステル類;クロタミトン等のケトン類等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においてパッドを構成する粘着性基剤としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸部分中和物、N−ビニルアセトアミド−アクリル酸共重合体等の水溶性粘着性基剤、エステルガム、脂環族飽和炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ポリブテン、ロジン等の疎水性粘着性基剤が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、パッド中には、基剤、粘稠剤、保存剤、pH調整剤、油成分、芳香剤、安定化剤、界面活性剤、硬化剤及び吸収促進剤を添加することも可能である。
基剤としては、アルギン酸ナトリウム、エチルセルロース、カラギーナン、カルメロースナトリウム、カンテン、キサンタンガム、ゼラチン、カオリン、ベントナイト、モンモリナイト、酸化亜鉛、酸化チタン、無水ケイ酸、D−ソルビトール、タルク、テルペン樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
粘稠剤としては、カルボキシビニルポリマー、尿素、ポリビニルアルコール、メタリン酸ナトリウム等が挙げられる。
保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、フェノール、クレゾール等のフェノール性物質、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール等の中性物質、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等の逆性石鹸、安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酸、サリチル酸等の酸性物質が挙げられる。
pH調整剤としては、クエン酸、クエン酸ナトリウム、塩酸、グリシン、コハク酸、酢酸、ジイソプロパノールアミン、酒石酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、乳酸、ホウ酸、リンゴ酸、燐酸等が挙げられる。
油成分としては、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ油、サフラワー油、ヒマワリ油、サザンカ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、ヤシ油、パーム油、チョウジ油等が挙げられる。
芳香剤としては、ウイキョウ油、ケイヒ油、チョウジ油、ハッカ油等が挙げられる。
芳香剤としては、ウイキョウ油、ケイヒ油、チョウジ油、ハッカ油等が挙げられる。
安定化剤としては、ビタミンE、ブチルヒドロキシアニソール等の抗酸化剤、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、レシチン、EDTA等の相乗化剤等が挙げられる。
界面活性剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の陽イオン性界面活性剤、モノステアリン酸グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
硬化剤としては、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロサルタイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート等が挙げられる。
吸収促進剤としては、モノステアリン酸グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、カルボン酸等の水溶性高分子化合物、サリチル酸及びその誘導体等の芳香族カルボン酸化合物、カプリン酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸化合物、L−メントール等のテルペン類、イソプロピルミリステート、ジエチルセバケート等のエステル類、胆汁酸塩、水素添加ラノリン、エイゾン等が挙げられる。
パッド中の有効成分の含有量は、0.01〜20質量%、さらに0.1〜10質量%であるのが、有効成分の乳頭から乳腺への移行性の点から好ましい。
パッド中の電解質濃度は、有効成分の移行性向上効果及び安全性の点から0.01〜10.0質量%が好ましく、さらに0.05〜5.0質量%が好ましく、特に0.1〜1.0質量%が好ましい。
また、本発明の乳癌及び/又は乳腺炎治療用イオントフォレシス製剤のレセプターも、基本的に図1のように、支持体1、電極2、パッド3及びライナー4で構成される。支持体、電極及びライナーはドナーと同様なものを用い、パッド中には有効成分は含まれず、電解質が含有される。
さらに、WO 98/35722のように、電源、ドナー及びレセプターが一体化した囲繞構造をなすものでもよいし、電源、ドナー及びレセプターが別に対型構造となった形態でもよい。
本発明においては、ドナーを乳頭部に貼付し、レセプターを乳房部に設けるのが、非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤を乳頭部から乳腺内に選択的かつ効率良く移行させる点で好ましい。この場合、ドナーは乳頭部全体を覆う大きさのドナーであるのが好ましい。一方、レセプターは、少なくとも乳房の患部を覆う大きさのレセプターであるのが好ましい。またドナーの形状は限定されないが、乳頭を覆う点から円形又は楕円形が好ましく、レセプターは少なくとも乳房の患部を覆う点から、円形、楕円形、円盤状又は楕円盤状が好ましい(図2及び図3)。特に好ましいレセプターは、乳頭部を除く乳房全体を覆う形態、例えば円盤状又は楕円盤状(図3)である。
本発明の乳癌及び/又は乳腺炎治療用イオントフォレシス製剤の一形態は、ドナーとして電極と有効成分及び電解質とを含むパッドを有し、レセプターとして電極及び電解質含有パッドを有するものである。この形態において、有効成分がインドメタシンのような陰イオン性薬物の場合、電解質としてNaイオンのような陽イオンを配合する。ドナーを乳頭部にレセプターを乳房部にそれぞれ貼付した後、ドナーをアノードとしレセプターをカソードとして通電することにより、ドナー(アノード)からレセプター(カソード)への電子の流れが発生し、この流れによりドナー中の陽イオンが乳腺中へ移行する。次いで、ドナーをカソードとしレセプターをアノードとして通電すれば、有効成分であるインドメタシンのような陰イオン性薬物が、ドナー(カソード)からレセプター(アノード)への陽イオンの移行に伴う水の流れによりドナー中の陰イオン性薬物(インドメタシン)は乳腺へ吸収される。有効成分が、陽イオン性薬物の場合及び非イオン性薬物の場合は、この逆にすればよい。
また本発明のイオントフォレシス製剤の他の形態は、ドナーとして電極と電解質を含有するパッドと、電極と有効成分を含有するパッドを有し、さらにレセプターとして電極及び電解質含有パッドを有するものである。この形態においては、まず、電解質を含有するパッドを有するドナーを乳頭部に、レセプターを乳房部にそれぞれ貼付した後通電し、次いで乳頭部のパッドを有効成分を含有するパッドに貼りかえ、再度通電すればよい。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
乳頭部にドナーを貼付し、通電により乳頭部から乳腺内の非ステロイド系消炎鎮痛剤又は抗癌剤を局所投与すれば、乳腺内への該有効成分の移行量が顕著に増大することは、特許第4000185号に記載されているので、ここでは電解質を通電により乳頭部から乳腺内に局所投与した後、前記有効成分を同様の手段で局所投与した場合の、有効成分の移行性について検討した。
実施例1
塩化リチウム水溶液をプレトリートメントした後、陽イオン性色素であるトルイジンブルー溶液を用い、イオントフォレシスによるビーグル犬を介した通電吸収実験(in vivo)を行った。
塩化リチウム水溶液をプレトリートメントした後、陽イオン性色素であるトルイジンブルー溶液を用い、イオントフォレシスによるビーグル犬を介した通電吸収実験(in vivo)を行った。
具体的にはビーグル犬(経産犬、3才)の腹部を脱毛処理した後、乳頭部に直径1cm、乳頭の周辺部にドーナツ型(内径2cm、外径5cm)に不織布を配置し、同サイズのアルミニウム箔電極を積層し、それぞれドナー及びレセプターとした。プレトリートメント処理では、ドナー溶液は154mM塩化リチウム(和光純薬株式会社製、ロット番号PKH3733)水溶液を200μL使用し、不織布に染み込ませた。レセプター溶液は、生理食塩水(大塚製薬株式会社製、ロット番号7D88)を2mL用いた。定電流発生装置(ADVANTEST社製、R6144)を使用し、0.1mA定電流下にて5分間の通電(ドナー:+極)によりプレトリートメントを実施した。その後、ドナーに用いた不織布を除去し、新たに配置した不織布に0.5%トルイジンブルーO(Chroma社製、ロット番号281719)を含む生理食塩水溶液を200μL使用し、不織布に染み込ませ、同様に0.1mA定電流下にて120分間(ドナー:+極)通電した。放血により致死後、乳頭部皮膚を採取し、ホルマリン固定後、切り出し、包埋及び薄切工程を経て標本を得た。標本はデジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製、VHX−600)を使用し、画像解析により色素の到達深度を評価した。
実施例2
実施例1の154mM塩化リチウム(和光純薬株式会社製、ロット番号PKH3733)を生理食塩水(大塚製薬株式会社製、ロット番号7D88)に変えたほかは実施例1と同様にして評価した。
実施例1の154mM塩化リチウム(和光純薬株式会社製、ロット番号PKH3733)を生理食塩水(大塚製薬株式会社製、ロット番号7D88)に変えたほかは実施例1と同様にして評価した。
実施例3(一体型プレトリートメント)
陽イオン性色素であるトルイジンブルーを配合した塩化ナトリウム水溶液を用いて同一ドナー溶液中で電流方向のスイッチングを行いプレトリートメントした後、イオントフォレシスによるビーグル犬を介した通電吸収実験(in vivo)を行った。
ビーグル犬(経産犬、3才)の腹部を脱毛処理した後、乳頭部に直径1cm、乳頭の周辺部にドーナツ型(内径2cm、外径5cm)に不織布を配置し、同サイズのアルミニウム箔電極を積層し、それぞれドナー及びレセプターとした。ドナー溶液は0.5%トルイジンブルーO(Chroma社製、ロット番号281719)を含む生理食塩水溶液を200μLを使用し、不織布に染み込ませた。レセプター溶液は、生理食塩水(大塚製薬株式会社製、ロット番号7D88)を2mL用いた。定電流発生装置(ADVANTEST社製、R6144)を使用し、0.1mA定電流下にて5分間の通電(ドナー:−極)によりプレトリートメントを実施した。その後、ドナー不織布を貼り替えることなく通電方向のスイッチングを行い、同様に0.1mA定電流下にて120分間通電(ドナー:+極)した。放血により致死後、乳頭部皮膚を採取し、ホルマリン固定後、切り出し、包埋及び薄切工程を経て標本を得た。標本はデジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製、VHX−600)を使用し、画像解析により色素の到達深度を評価した。
陽イオン性色素であるトルイジンブルーを配合した塩化ナトリウム水溶液を用いて同一ドナー溶液中で電流方向のスイッチングを行いプレトリートメントした後、イオントフォレシスによるビーグル犬を介した通電吸収実験(in vivo)を行った。
ビーグル犬(経産犬、3才)の腹部を脱毛処理した後、乳頭部に直径1cm、乳頭の周辺部にドーナツ型(内径2cm、外径5cm)に不織布を配置し、同サイズのアルミニウム箔電極を積層し、それぞれドナー及びレセプターとした。ドナー溶液は0.5%トルイジンブルーO(Chroma社製、ロット番号281719)を含む生理食塩水溶液を200μLを使用し、不織布に染み込ませた。レセプター溶液は、生理食塩水(大塚製薬株式会社製、ロット番号7D88)を2mL用いた。定電流発生装置(ADVANTEST社製、R6144)を使用し、0.1mA定電流下にて5分間の通電(ドナー:−極)によりプレトリートメントを実施した。その後、ドナー不織布を貼り替えることなく通電方向のスイッチングを行い、同様に0.1mA定電流下にて120分間通電(ドナー:+極)した。放血により致死後、乳頭部皮膚を採取し、ホルマリン固定後、切り出し、包埋及び薄切工程を経て標本を得た。標本はデジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製、VHX−600)を使用し、画像解析により色素の到達深度を評価した。
比較例1(プレトリートメント及びイオントフォレシスなし)
電解質水溶液をプレトリートメントすることなく、陽イオン性色素であるトルイジンブルー溶液を用い、イオントフォレシスを行わずにビーグル犬を介した通電吸収実験(in vivo)を行った。
ビーグル犬(経産犬、3才)の腹部を脱毛処理した後、乳頭部に直径1cm、乳頭の周辺部にドーナツ型(内径2cm、外径5cm)に不織布を配置し、同サイズのアルミニウム箔電極を積層し、それぞれドナー及びレセプターとした。不織布に0.5%トルイジンブルーO(Chroma社製、ロット番号281719)を含む生理食塩水溶液を200μL使用し、不織布に染み込ませ、通電なしに120分間貼付した。放血により致死後、乳頭部皮膚を採取し、ホルマリン固定後、切り出し、包埋及び薄切工程を経て標本を得た。標本はデジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製、VHX−600)を使用し、画像解析により色素の到達深度を評価した。
電解質水溶液をプレトリートメントすることなく、陽イオン性色素であるトルイジンブルー溶液を用い、イオントフォレシスを行わずにビーグル犬を介した通電吸収実験(in vivo)を行った。
ビーグル犬(経産犬、3才)の腹部を脱毛処理した後、乳頭部に直径1cm、乳頭の周辺部にドーナツ型(内径2cm、外径5cm)に不織布を配置し、同サイズのアルミニウム箔電極を積層し、それぞれドナー及びレセプターとした。不織布に0.5%トルイジンブルーO(Chroma社製、ロット番号281719)を含む生理食塩水溶液を200μL使用し、不織布に染み込ませ、通電なしに120分間貼付した。放血により致死後、乳頭部皮膚を採取し、ホルマリン固定後、切り出し、包埋及び薄切工程を経て標本を得た。標本はデジタルマイクロスコープ(KEYENCE社製、VHX−600)を使用し、画像解析により色素の到達深度を評価した。
比較例2(プレトリートメント処理なし)
電解質水溶液をプレトリートメントすることなく、陽イオン性色素であるトルイジンブルー溶液を用い、イオントフォレシスによるビーグル犬を介した通電吸収実験(in vivo)を行った。
120分間貼付する際に0.1mA定電流下にて通電(ドナー:+極)したほかは比較例1と同様にして評価した。
電解質水溶液をプレトリートメントすることなく、陽イオン性色素であるトルイジンブルー溶液を用い、イオントフォレシスによるビーグル犬を介した通電吸収実験(in vivo)を行った。
120分間貼付する際に0.1mA定電流下にて通電(ドナー:+極)したほかは比較例1と同様にして評価した。
比較例3(イオントフォレシスなし)
実施例2と同様にしてプレトリートメント処理を行った後、比較例1と同様にして120分間貼付して評価した。
実施例2と同様にしてプレトリートメント処理を行った後、比較例1と同様にして120分間貼付して評価した。
実施例1〜3及び比較例1〜3の結果を表1に示す。
表1の結果より、通電により乳頭部から電解質を乳腺内へ局所投与した(プレトリートメント)後に、有効成分を同様にして乳頭部から乳腺内に局所投与すれば、プレトリートメントしない場合に比べて有効成分が乳腺内の深部へ速やかに、かつ顕著に到達することが判明した。
1:支持体
2:電極
3:パッド
4:ライナー
2:電極
3:パッド
4:ライナー
Claims (7)
- 非ステロイド系消炎鎮痛剤及び/又は抗癌剤を有効成分とし、乳頭部にドナーを貼付し、通電により乳頭部から乳腺内へ電解質を局所投与し、次いで通電により乳頭部から乳腺内へ当該有効成分を局所投与するための乳癌及び/又は乳腺炎治療用イオントフォレシス製剤。
- イオントフォレシス製剤のドナーが、電極と、電解質含有パッドと、有効成分含有パッドとを含むものである請求項1記載の製剤。
- イオントフォレシス製剤のドナーが、電極と、電解質及び有効成分を含有するパッドとを含むものである請求項1記載の製剤。
- 乳房部にレセプターを貼付するものである請求項1〜3のいずれか1項記載の製剤。
- イオントフォレシス製剤が、乳頭部にドナーを、乳房部にレセプターを貼付するものであり、ドナーが乳頭を覆う大きさであり、レセプターが少なくとも乳房の患部を覆う大きさである請求項2〜4のいずれか1項記載の製剤。
- レセプターが乳頭部を除く乳房全体を覆う円盤状又は楕円盤状である請求項5記載の製剤。
- 抗癌剤が、アルキル化剤、代謝拮抗剤及びホルモン類から選ばれるものである請求項1〜6のいずれか1項記載の製剤。
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