JP2004300147A - 受容体拮抗剤 - Google Patents

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JP2004300147A JP2004074929A JP2004074929A JP2004300147A JP 2004300147 A JP2004300147 A JP 2004300147A JP 2004074929 A JP2004074929 A JP 2004074929A JP 2004074929 A JP2004074929 A JP 2004074929A JP 2004300147 A JP2004300147 A JP 2004300147A
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Fumio Ito
文雄 伊藤
Kuniji Hinuma
州司 日沼
Naoyuki Kanzaki
直之 神崎
Nobuo Cho
展生 長
Hiromi Yoshida
博美 吉田
Hirokazu Matsumoto
寛和 松本
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】RFRP受容体機能調節作用を有する新規医薬を提供する。
【解決手段】式
【化1】


〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよい芳香環を、R、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を、nは1ないし3の整数を、XはCまたはNを、WはCまたはNを、YはS、N、NH、O、CH、CH=CH、N=CHまたはCH=Nを示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有することを特徴とするRFRP受容体機能調節剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、鎮痛剤などの医薬として有用なチエノピリジン、イミダゾピリミジン等の縮合ピリジンあるいは縮合ピリミジン骨格を有するRFRP受容体機能調節剤に関する。
RFRP−1、RFRP−2およびRFRP−3と呼ばれる分泌ペプチドおよび該分泌ペプチドが結合するG蛋白質共役型レセプター蛋白質OT7T022(以下、RFRP受容体と略記する)が知られている(特許文献1)。
RFRP−1、RFRP−2およびRFRP−3がプロラクチン分泌調節作用を有することが知られている(特許文献2)。
RFRP−1がモルヒネの鎮痛作用を抑制することが知られている(非特許文献1)。
チエノピリミジン誘導体がGnRHアンタゴニスト作用(特許文献3〜10)、エンドセリンアンタゴニスト作用(特許文献11)、プロラクチン産生阻害作用(特許文献12)を有していることが知られている。
イミダゾピリミジン誘導体がGnRHアンタゴニスト作用を有していることが知られている(特許文献13〜15)。
WO00/29441号 WO01/66134号 WO95/28405 WO96/24597 WO97/14682 WO97/14697 WO97/40846 WO97/41126 特開平9−169766 WO99/09033 WO97/07119 EP0781774A2 WO99/33831 WO00/69859 WO01/29044 Journal of Biological Chemistry, vol.276, No.40, p36961-36969, 2001
本発明は、RFRP受容体に対して優れた拮抗作用を有する合成化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、チエノピリジンやイミダゾピリミジン等の縮合ピリジンあるいは縮合ピリミジン骨格を有する化合物またはその塩がその特異的な化学構造に基づいて、予想外にも優れたRFRP受容体拮抗作用を有しており、更に安定性等の医薬品としての物性においても優れた性質を有しており、鎮痛剤等として安全でかつ有用な医薬となることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)式
〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよい芳香環を、R、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を、nは1ないし3の整数を、XはCまたはNを、WはCまたはNを、YはS、N、NH、O、CH、CH=CH、N=CHまたはCH=Nを示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有することを特徴とするRFRP受容体機能調節剤、
(2)式
〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよいベンゼン環を、他の記号は上記(1)記載と同意義を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有することを特徴とする上記(1)記載の剤、
(3)式
〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよいベンゼン環を、他の記号は上記(1)記載と同意義を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有することを特徴とする上記(1)記載の剤、
(4)式
〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよいベンゼン環を、他の記号は上記(1)記載と同意義を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有する上記(1)記載の剤、
(5)式
〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよいベンゼン環を、他の記号は上記(1)記載と同意義を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有する上記(1)記載の剤、
(6)式
〔式中、環A、環Bおよび環Cはそれぞれ置換されていてもよいベンゼン環を、R2aは式
(Rは水素原子、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す)で表される基を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有する上記(1)記載の剤、
(7)鎮痛剤、他の鎮痛薬の鎮痛作用促進剤または他の鎮痛薬による耐性回避剤である上記(1)記載の剤、
(8)式
〔式中、各記号は上記(1)記載と同意義を示す。ただし、XがC、YがS、WがNの場合を除く。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有することを特徴とするプロラクチン分泌調節剤である上記(1)記載の剤、
(9)高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫、シーハン症候群または精子形成異常の予防・治療剤である上記(8)記載の剤、
(10)膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤または尿生成抑制剤である上記(1)記載の剤、
(11)糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤である上記(1)記載の剤、
(12)膀胱収縮抑制剤である上記(1)記載の剤、
(13)尿失禁、下部尿路疾患、過活動膀胱による切迫尿意、または過活動膀胱を伴った低緊張性膀胱の予防・治療剤である上記(1)記載の剤、
(14)式
〔式中、環Bは置換されていてもよいベンゼン環を、環Dはハロゲン原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいヒドロキシ基および−S(O)mR10(R10は置換されていてもよい炭化水素基を、mは0ないし2の整数を示す)で表される基から選ばれる置換基で置換されていてもよいベンゼン環を、R2bは式
(R5aはC4−15アルキル基またはC3−10シクロアルキル基を、R6aは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、R7aは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す)で表される基を、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示し、RおよびRは互いに結合して環を形成していてもよい。〕で表される化合物またはその塩(ただし、5−(1−アセトキシエチル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、5−(1−ヒドロキシエチル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジンを除く)、
(15)R6aがC1−6アルキル基、C3−6シクロアルキル基またはC7−10アラルキル基である上記(14)記載の化合物、
(16)R7aが水素原子、C1−6アルキル基またはC1−6アルカノイル基である上記(14)記載の化合物、
(17)Rが置換されていてもよいベンジル基である上記(14)記載の化合物、
(18)式
〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよいベンゼン環を、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を、R11はヒドロキシ基で置換されたアルキル基またはヒドロキシ基で置換されたシクロアルキル基を示す。〕で表される化合物またはその塩(ただし、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−2−(4−イソブチリルアミノフェニル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−2−(4−イソブチリルアミノフェニル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジンを除く)、
(19)R11がヒドロキシ基で置換されたC1−6アルキル基またはヒドロキシ基で置換されたC3−6シクロアルキル基である上記(18)記載の化合物、
(20)式
〔式中、環Bは置換されていてもよいベンゼン環を、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を、R12は水素原子、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよい炭化水素基を示す。〕で表される化合物またはその塩(ただし、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−2−フェニル−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−フェニル−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチル、3−ベンジルアミノメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−フェニル−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルを除く)、
(21)R12がC1−6アルコキシ基である上記(29)記載の化合物、
(22)式
〔式中、環Bは置換されていてもよいベンゼン環を、環Dはハロゲン原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいヒドロキシ基、−S(O)mR10(R10は置換されていてもよい炭化水素基を、mは0ないし2の整数を示す)で表される基から選ばれる置換基で置換されていてもよいベンゼン環を、R13は水素原子、置換されていてもよいヒドロキシ基または置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、R14およびR15はそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示し、R14およびR15は互いに結合して環を形成していてもよい。〕で表される化合物またはその塩(ただし、8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル、2−(4−アセトキシフェニル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル、8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル、8−(2−フルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル、8−(2−フルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−[2−(2−ピリジル)エチル]アミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステルを除く)、
(23)環Dが無置換またはパラ置換ベンゼン環である上記(14)または上記(22)記載の化合物、
(24)R13が置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基または置換されていてもよいアミノ基である上記(22)記載の化合物、
(25)R14が置換されていてもよいベンジル基である上記(22)記載の化合物、
(26)(i)3−(N−ベンジル−N−エチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
(3−[(N−ベンジル−N−エチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル)、
(ii)3−ベンジルオキシメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
(3−ベンジルオキシメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル)、
(iii)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−(4−フルオロベンゾイル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−5−(4−フルオロベンゾイル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)、
(iv)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−N−(3−フェニルプロピル)−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−N−(3−フェニルプロピル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド)、
(v)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(4−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(4−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル)、
(vi)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(3−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(3−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル)、
(vii)[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェノキシ]酢酸メチル
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−2−(4−メトキシカルボニルメトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)、
(viii)2−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェノキシ]アセタミド
(2−(4−アミノカルボニルメトキシフェニル)−3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)、
(ix)3−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イルメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル、
(x)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸)、もしくは
(xi)N−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−(2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]]フェニル]−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド
(N−[4−(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)フェニル]−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)、またはその塩、
(27)上記(14)、(18)、(20)、(22)または(26)記載の化合物のプロドラッグ、
(28)上記(14)、(18)、(20)、(22)または(26)記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなる医薬、
(29)RFRP関連病態またはRFRPが関与する疾患の予防・治療剤である上記(28)記載の医薬、
(30)哺乳動物に対して、式
〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよい芳香環を、R、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を、nは1ないし3の整数を、XはCまたはNを、WはCまたはNを、YはS、N、NH、O、CH、CH=CH、N=CHまたはCH=Nを示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とするRFRP受容体の機能調節方法、および
(31)RFRP受容体機能調節剤を製造するための式
〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよい芳香環を、R、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を、nは1ないし3の整数を、XはCまたはNを、WはCまたはNを、YはS、N、NH、O、CH、CH=CH、N=CHまたはCH=Nを示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの使用などに関するものである。
さらに、本発明は、
(32)環Aおよび環Bがそれぞれ置換基A群から選ばれる置換基で置換されていてもよい(i)炭素数6ないし14の芳香族炭化水素環または(ii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員の芳香族複素環で、
置換基A群が、
(i)ハロゲン原子、
(ii)ニトロ基、
(iii)シアノ基、
(iv)置換基B群〔ニトロ基、ヒドロキシ基、オキソ基、シアノ基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(該アルキル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基で置換されていてもよい)、モノ−またはジ−C2−6アルケニル−カルバモイル基(該アルケニル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基で置換されていてもよい)、モノ−またはジ−フェニル−カルバモイル基、モノ−またはジ−ベンジル−カルバモイル基、C1−6アルコキシ−カルボニル−カルバモイル基、C1−6アルキルスルホニル−カルバモイル基、C1−6アルコキシ−カルバモイル基、アミノ−カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ−カルバモイル基、モノ−またはジ−フェニルアミノ−カルバモイル基、カルボキシル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、スルホ基、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、カルボキシル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシ−カルボニル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基、フェノキシ基、フェノキシ−C1−6アルキル基、フェノキシ−C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルカルボニル−オキシ基、カルバモイルオキシ基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ基、ハロゲン化されていてもよいフェニル基、ハロゲン化されていてもよいフェニル−C1−6アルキル基、ハロゲン化されていてもよいフェニル−C2−6アルケニル基、ハロゲン化されていてもよいフェノキシ基、ピリジルオキシ基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル−C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル−C1−6アルキル基、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル基、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ基、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキルチオ基、メルカプト基、チオキソ基、ベンジルオキシ基(ハロゲン原子、カルボキシル基およびC1−6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる置換基で置換されていてもよい)またはベンジルチオ基(ハロゲン原子、カルボキシル基およびC1−6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン化されていてもよいフェニルチオ基、ピリジルチオ基、フェニルチオ−C1−6アルキル基、ピリジルチオ−C1−6アルキル基、 ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、フェニルスルフィニル−C1−6アルキル基、 ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、フェニルスルホニル−C1−6アルキル基、アミノ基、アミノスルホニル基、モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノスルホニル基(該アルキル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基で置換されていてもよい)、C1−10アシル−アミノ基(該C1−10アシルはハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基で置換されていてもよい)、ベンゾイルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C6−10アリールスルホニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシカルボニルアミノ、カルバモイルアミノ基、モノ−またはジ−C1−6アルキルカルバモイルアミノ基、モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(該アルキル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基で置換されていてもよい)、モノ−またはジ−C1−6アルカノイルアミノ基(該アルカノイル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基で置換されていてもよい)、フェニルアミノ、ベンジルアミノ、C1−6アルキル(C7−16アラルキル)アミノ基、C1−6アルカノイル(C7−16アラルキル)アミノ基、4ないし6員環状アミノ基、4ないし6員環状アミノ−カルボニル基、4ないし6員環状アミノ−カルボニル−オキシ基、4ないし6員環状アミノ−カルボニル−アミノ基、4ないし6員環状アミノ−スルホニル基、4ないし6員環状アミノ−C1−6アルキル基、C1−6アシル基(ハロゲン原子、カルボキシル基およびC1−6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる置換基で置換されていてもよい)、ベンゾイル基(ハロゲン原子、カルボキシル基およびC1−6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる置換基で置換されていてもよい)、ハロゲン原子で置換されていてもよいベンゾイル基、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(該複素環基はC1−6アルキル基で置換されていてもよい)、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環−カルボニル基(該複素環基はC1−6アルキル基で置換されていてもよい)、ヒドロキシイミノ基、C1−6アルコキシイミノ基、アリール基、ハロゲン化されていてもよい直鎖状または分枝状のC1−4アルキレンジオキシ基、ウレイド基およびC1−6アルキル−ウレイド基〕から選ばれる置換基で置換されていてもよい、直鎖状または分枝状のC1−15アルキル基、C3−10シクロアルキル基、C2−18アルケニル基、C3−10シクロアルケニル基、C2−8アルキニル基、C7−16アラルキル基、C6−14アリール基、ビフェニル基またはトリル基(以下、置換されていてもよい炭化水素基)、
(v)置換基B群から選ばれる置換基で置換されていてもよい、酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし16員の芳香族複素環基、または飽和あるいは不飽和の非芳香族複素環基(以下、置換されていてもよい複素環基)、
(vi)
(a)上記の置換されていてもよい炭化水素基、
(b)RCO−、ROCO−、RSO−、RSO−またはROPO(OR)−(Rは(aa)水素原子、(bb)上記の置換されていてもよい炭化水素基または(cc)上記の置換されていてもよい複素環基を示し、Rは(aa)水素原子または(bb)上記の置換されていてもよい炭化水素基を示す)で表される基(以下、アシル基)、
(c)式−COOR(Rは(aa)水素原子、(bb)上記の置換されていてもよい炭化水素基または(cc)上記の置換されていてもよい複素環基を示す)で表される基(以下、エステル化されていてもよいカルボキシル基)、
(d)
(aa)上記の置換されていてもよい炭化水素基、
(bb)上記のアシル基、
(cc)上記のエステル化されていてもよいカルボキシル基、
(dd)C1−6アルキル基およびC6−14アリール基から選ばれる置換基1〜2個で置換されていてもよいカルバモイル基、
(ee)上記の置換されていてもよい複素環基
からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいカルバモイル基(以下、置換されていてもよいカルバモイル基)、および
(e)上記の置換されていてもよい複素環基
からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいヒドロキシ基(以下、置換されていてもよいヒドロキシ基)、
(vii)
(a)上記の置換されていてもよい炭化水素基、
(b)上記のアシル基、
(c)上記のエステル化されていてもよいカルボキシル基、
(d)上記の置換されていてもよいカルバモイル基、および
(e)上記の置換されていてもよい複素環基
からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいチオール基(以下、置換されていてもよいチオール基)、
(viii)
(a)上記の置換されていてもよいヒドロキシ基、
(b)上記の置換されていてもよいアミノ基、
(c)上記の置換されていてもよい炭化水素基、および
(d)上記の置換されていてもよい複素環基
からなる群から選ばれる置換基で置換されたスルフィニル基(以下、置換スルフィニル基)、
(ix)
(a)上記の置換されていてもよいヒドロキシ基、
(b)上記の置換されていてもよいアミノ基、
(c)上記の置換されていてもよい炭化水素基、および
(d)上記の置換されていてもよい複素環基
からなる群から選ばれる置換基で置換されたスルホニル基(以下、置換スルホニル基)、
(x)
(a)上記の置換されていてもよい炭化水素基、
(b)上記のアシル基、
(c)上記のエステル化されていてもよいカルボキシル基、
(d)上記の置換されていてもよいカルバモイル基、および
(e)上記の置換されていてもよい複素環基
からなる群から選ばれる置換基で置換されていてもよいアミノ基(以下、置換されていてもよいアミノ基)、
(xi)上記のアシル基、
(xii)上記の置換されていてもよいカルバモイル基、
(xiii)上記のエステル化されていてもよいカルボキシル基、および
(xiv)C1−3アルキレンジオキシ基からなる群で、
、RおよびRがそれぞれ
(i)水素原子、
(ii)上記の置換されていてもよい炭化水素基、
(iii)上記の置換されていてもよい複素環基、または
(iv)上記のアシル基で、
ただし、Rには、式
(R
(i)水素原子、
(ii)上記の置換されていてもよいヒドロキシ基、
(iii)上記の置換されていてもよいアミノ基、
(iv)上記の置換されていてもよい炭化水素基、または
(v)上記の置換されていてもよい複素環基を、

(i)水素原子、
(ii)上記の置換されていてもよい炭化水素基、または
(iii)上記の置換されていてもよい複素環基を、

(i)水素原子、
(ii)上記の置換されていてもよい炭化水素基、
(iii)上記の置換されていてもよい複素環基、または
(iv)上記のアシル基を示す)で表される基も含まれ、
nが1ないし3の整数で、
XがCまたはNで、
WがCまたはNで、
YがS、N、NH、O、CH、CH=CH、N=CHまたはCH=Nである上記(1)記載の剤、
(33)環Bが置換基A群から選ばれる置換基で置換されていてもよいベンゼン環で、
環Dがハロゲン原子、上記の置換されていてもよい炭化水素基、上記の置換されていてもよいヒドロキシ基および−S(O)mR10(R10は上記の置換されていてもよい炭化水素基を、mは0ないし2の整数を示す)で表される基から選ばれる置換基で置換されていてもよいベンゼン環で、
5aがC4−15アルキル基またはC3−10シクロアルキル基で、
6a
(i)上記の置換されていてもよい炭化水素基、または
(ii)上記の置換されていてもよい複素環基で、
7a
(i)水素原子、
(ii)上記の置換されていてもよい炭化水素基、
(iii)上記の置換されていてもよい複素環基、または
(iv)上記のアシル基で、
およびRがそれぞれ
(i)水素原子、
(ii)上記の置換されていてもよい炭化水素基、
(iii)上記の置換されていてもよい複素環基、または
(iv)上記のアシル基で、
およびRが互いに結合して、置換基B群から選ばれる置換基で置換されていてもよい、炭素原子と1個の窒素原子以外に、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を含んでいてもよい5ないし16員の含窒素環の窒素原子から水素原子を除いた基を形成していてもよい、上記(14)記載の剤、
(34)環Aおよび環Bがそれぞれ置換基A群から選ばれる置換基で置換されていてもよいベンゼン環で、
およびRがそれぞれ
(i)水素原子、
(ii)上記の置換されていてもよい炭化水素基、
(iii)上記の置換されていてもよい複素環基、または
(iv)上記のアシル基で、
11
(i)ヒドロキシ基で置換されたC1−15アルキル基、または
(ii)ヒドロキシ基で置換されたC3−10シクロアルキル基である上記(18)記載の剤、
(35)環Bが置換基A群から選ばれる置換基で置換されていてもよいベンゼン環で、
およびRがそれぞれ
(i)水素原子、
(ii)上記の置換されていてもよい炭化水素基、
(iii)上記の置換されていてもよい複素環基、または
(iv)上記のアシル基で、
12
(i)水素原子、
(ii)上記の置換されていてもよいアルコキシ基、
(iii)上記の置換されていてもよいアミノ基、または
(iv)上記の置換されていてもよい炭化水素基である上記(20)記載の剤、
(36)環Bが置換基A群から選ばれる置換基で置換されていてもよいベンゼン環で、
環Dがハロゲン原子、上記の置換されていてもよい炭化水素基、上記の置換されていてもよいヒドロキシ基、−S(O)mR10(R10は上記の置換されていてもよい炭化水素基を、mは0ないし2の整数を示す)で表される基から選ばれる置換基で置換されていてもよいベンゼン環で、
13
(i)水素原子、
(ii)上記の置換されていてもよいヒドロキシ基、
(iii)上記の置換されていてもよいアミノ基、
(iv)上記の置換されていてもよい炭化水素基、または
(v)上記の置換されていてもよい複素環基で、
14およびR15がそれぞれ
(i)水素原子、
(ii)上記の置換されていてもよい炭化水素基、
(iii)上記の置換されていてもよい複素環基、または
(iv)上記のアシル基で、
14およびR15が互いに結合して、置換基B群から選ばれる置換基で置換されていてもよい、炭素原子と1個の窒素原子以外に、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を含んでいてもよい5ないし16員の含窒素環の窒素原子から水素原子を除いた基を形成していてもよい、上記(22)記載の剤などに関するものである。
前記式中、環Aおよび環Bは置換されていてもよい芳香環を示す。
環Aで示される芳香環としては、芳香族炭化水素環または芳香族複素環が用いられる。
芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環などの炭素数6ないし14の芳香族炭化水素環が用いられ、なかでもベンゼン環が好ましく用いられる。
芳香族複素環としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(単環、2環または3環式)、好ましくは5ないし10員、より好ましくは5または6員の芳香族複素環が用いられる。上記「5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環」としては、例えば、チオフェン、フラン、オキサゾール、ベンゾ[b]チオフェン、ベンゾ[b]フラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジンなどの芳香族複素環、またはこれらの環(好ましくは単環)が1ないし複数個(好ましくは1または2個)の芳香環(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環等が用いられる。なかでも、単環性芳香族複素環が好ましく、例えば、チオフェン、オキサゾール、フラン、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、チアジアゾール、トリアゾール、チアゾール、イソチアゾール、イソオキサゾールなどが用いられる。
環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよいベンゼン環を示す。
環A、環B、環Aおよび環Bが有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ニトロ基、シアノ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいチオール基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、置換されていてもよいアミノ基、アシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、エステル化されていてもよいカルボキシル基またはC1−3アルキレンジオキシ基(以下、置換基A群)などが挙げられる。
環A、環B、環Aおよび環Bが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えばアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基などが挙げられる。
該「アルキル基」としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシルなどの「直鎖状または分枝状のC1−15アルキル基」など、好ましくはC1−8アルキル基が用いられ、より好ましくはC1−6アルキル基が用いられ、さらに好ましくはC1−4アルキル基が用いられる。
該「シクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチルなどの「C3−10シクロアルキル基」などが用いられ、より好ましくはC3−8シクロアルキル基が用いられ、さらに好ましくはC5−7シクロアルキル基が用いられる。
該「アルケニル基」としては、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、3−ブテニル、3−オクテニル、9−オクタデセニルなどの「C2−18アルケニル基」などが用いられ、より好ましくはC2−6アルケニル基が用いられ、さらに好ましくはC2−4アルケニル基が用いられる。
該「シクロアルケニル基」としては、例えばシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルなどの「C3−10シクロアルケニル基」などが用いられ、より好ましくはC3−8シクロアルケニル基が用いられ、さらに好ましくはC5−7シクロアルケニル基が用いられる。
該「アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、プロパルギル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニルなどの「C2−8アルキニル基」などが用いられ、より好ましくはC2−6アルキニル基が用いられ、さらに好ましくはC2−4アルキニル基が用いられる。
該「アラルキル基」としては、C7−16アラルキル基などが用いられ、具体的には、例えばベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチルなどのフェニル−C1−6アルキル基および、例えば(1−ナフチル)メチル、2−(1−ナフチル)エチル、2−(2−ナフチル)エチルなどのナフチル−C1−6アルキル基などが用いられる。
該「アリール基」としては、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、フェナントリル、アントリル(anthryl)などの芳香族単環式、2環式または3環式のC6−14アリール基、ビフェニル基、トリル基などが用いられ、好ましくは、フェニル、ナフチルなどのC6−10アリール基、より好ましくはフェニルが用いられる。
環A、環B、環Aおよび環Bが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基としては、例えば、
(i)ニトロ基、(ii)ヒドロキシ基、オキソ基、(iii)シアノ基、(iv)カルバモイル基、(v)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例えば、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイルなど;該アルキル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基などで置換されていてもよい)、モノ−またはジ−C2−6アルケニル−カルバモイル基(例えば、N−アリルカルバモイルなど;該アルケニル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基などで置換されていてもよい)、モノ−またはジ−フェニル−カルバモイル基、モノ−またはジ−ベンジル−カルバモイル基、C1−6アルコキシ−カルボニル−カルバモイル基、C1−6アルキルスルホニル−カルバモイル基、C1−6アルコキシ−カルバモイル基、アミノ−カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ−カルバモイル基、モノ−またはジ−フェニルアミノ−カルバモイル基、(vi)カルボキシル基、(vii)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルなど)、(viii)スルホ基、(ix)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、(x)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなど)、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、カルボキシル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシ−カルボニル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基、(xi)フェノキシ基、フェノキシ−C1−6アルキル基、フェノキシ−C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルカルボニル−オキシ基、カルバモイルオキシ基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ基、(xii)ハロゲン化されていてもよいフェニル基、ハロゲン化されていてもよいフェニル−C1−6アルキル基、ハロゲン化されていてもよいフェニル−C2−6アルケニル基、ハロゲン化されていてもよいフェノキシ基(例えば、o−,m−またはp−クロロフェノキシ、o−,m−またはp−ブロモフェノキシなど)、ピリジルオキシ基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルキル−C1−6アルコキシ基、C3−10シクロアルキル−C1−6アルキル基、(xiii)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなど)、ハロゲン化されていてもよいC2−6アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニルなど)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオなど)、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキルチオ基、(xiv)メルカプト基、チオキソ基、(xv)ハロゲン原子、カルボキシル基およびC1−6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる置換基でそれぞれ置換されていてもよいベンジルオキシ基またはベンジルチオ基、(xvi)ハロゲン化されていてもよいフェニルチオ基、ピリジルチオ基、フェニルチオ−C1−6アルキル基、ピリジルチオ−C1−6アルキル基、(xvii) ハロゲン化されていてもよいC1−4アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニルなど)、フェニルスルフィニル基、フェニルスルフィニル−C1−6アルキル基、(xviii) ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニルなど)、フェニルスルホニル基、フェニルスルホニル−C1−6アルキル基、(xix)アミノ基、アミノスルホニル基、モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノスルホニル基(例えば、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、N,N−ジメチルアミノスルホニル、N,N−ジエチルアミノスルホニルなど;該アルキル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基などで置換されていてもよい)、(xx)C1−10アシル−アミノ基(例えば、C1−6アルカノイルアミノ(例、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、トリフルオロアセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ピバロイルアミノ等)、ベンゾイルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ(例、メタンスルホニルアミノ、トリフルオロメタンスルホニルアミノ等)、C6−10アリールスルホニルアミノ(例、ベンゼンスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ等);C1−10アシルはハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基などで置換されていてもよい)、ベンジルオキシカルボニルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシカルボニルアミノ、カルバモイルアミノ基、モノ−またはジ−C1−6アルキルカルバモイルアミノ基、(xxi)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなど;該アルキル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基などで置換されていてもよい)、モノ−またはジ−C1−6アルカノイルアミノ基(例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノなど;該アルカノイル基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基などで置換されていてもよい)、フェニルアミノ、ベンジルアミノ、C1−6アルキル(C7−16アラルキル)アミノ基(例、C1−6アルキル(ベンジル)アミノ)、C1−6アルカノイル(C7−16アラルキル)アミノ基(例、C1−6アルカノイル(ベンジル)アミノ)、(xxii)4ないし6員環状アミノ基(例えば、1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、1−ピペラジニルなど)、4ないし6員環状アミノ−カルボニル基(例えば、1−アゼチジニルカルボニル、1−ピロリジニルカルボニル、ピペリジノカルボニル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、1−ピペラジニルカルボニルなど)、4ないし6員環状アミノ−カルボニル−オキシ基(例えば、1−ピロリジニルカルボニルオキシ、ピペリジノカルボニルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、チオモルホリノカルボニルオキシ、1−ピペラジニルカルボニルオキシなど)、4ないし6員環状アミノ−カルボニル−アミノ基(例えば、1−ピロリジニルカルボニルアミノ、ピペリジノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、チオモルホリノカルボニルアミノ、1−ピペラジニルカルボニルアミノなど)、4ないし6員環状アミノ−スルホニル基(例えば、1−ピロリジニルスルホニル、ピペリジノスルホニル、モルホリノスルホニル、チオモルホリノスルホニル、1−ピペラジニルスルホニルなど)、4ないし6員環状アミノ−C1−6アルキル基、(xxiii)ハロゲン原子、カルボキシル基およびC1−6アルコキシ−カルボニル基から選ばれる置換基でそれぞれ置換されていてもよいC1−6アシル基(例えば、ホルミル、アセチルなどのハロゲン化されていてもよいC2−6アルカノイルなど)またはベンゾイル基、(xxiv)ハロゲン原子で置換されていてもよいベンゾイル基、(xxv)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む5ないし10員複素環基(例えば、2−または3−チエニル、2−または3−フリル、3−,4−または5−ピラゾリル、2−,4−または5−チアゾリル、3−,4−または5−イソチアゾリル、2−,4−または5−オキサゾリル、1,2,3−または1,2,4−トリアゾリル、1H−または2H−テトラゾリル、2−,3−または4−ピリジル、2−,4−または5−ピリミジル、3−または4−ピリダジニル、キノリル、イソキノリル、インドリルなど;該複素環基はC1−6アルキル基などで置換されていてもよい)、(xxvi)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む5ないし10員複素環−カルボニル基(例えば、2−または3−チエニルカルボニル、2−または3−フリルカルボニル、3−,4−または5−ピラゾリルカルボニル、2−,4−または5−チアゾリルカルボニル、3−,4−または5−イソチアゾリルカルボニル、2−,4−または5−オキサゾリルカルボニル、1,2,3−または1,2,4−トリアゾリルカルボニル、1H−または2H−テトラゾリルカルボニル、2−,3−または4−ピリジルカルボニル、2−,4−または5−ピリミジルカルボニル、3−または4−ピリダジニルカルボニル、キノリルカルボニル、イソキノリルカルボニル、インドリルカルボニルなど;該複素環基はC1−6アルキル基などで置換されていてもよい)、(xxvii)ヒドロキシイミノ基、C1−6アルコキシイミノ基、アリール基(例えば、1−または2−ナフチルなど)、(xxviii)ハロゲン化されていてもよい直鎖状または分枝状のC1−4アルキレンジオキシ基(例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ、テトラフルオロエチレンジオキシなど)、(xxix)ウレイド基および(xxx)C1−6アルキル−ウレイド基(例えば、メチルウレイド、エチルウレイドなど)(以下、置換基B群)などが用いられる。該「炭化水素基」は、置換可能な位置に、これらの置換基を1ないし5個有していてもよく、2個以上を有する場合、置換基は同一でも異なっていてもよい。
環A、環B、環Aおよび環Bが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい複素環基」の「複素環基」としては、例えば、環系を構成する原子(環原子)として、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む5ないし16員の芳香族複素環基、飽和あるいは不飽和の非芳香族複素環基(脂肪族複素環基)等が挙げられる。
該「芳香族複素環基」としては、例えばフリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル等の5または6員の芳香族単環式複素環基、および例えばベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、ブテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニル、ベンゾ〔1,2,5〕チアジアゾリル、ベンゾ〔1,2,5〕オキサジアゾリル等の8〜16員(好ましくは、8〜12員)の芳香族縮合複素環基(好ましくは、前記した5または6員の芳香族単環式複素環基1〜2個(好ましくは、1個)がベンゼン環1〜2個(好ましくは、1個)と縮合した複素環または前記した5または6員の芳香族単環式複素環基の同一または異なった複素環2〜3個(好ましくは、2個)が縮合した複素環、より好ましくは前記した5または6員の芳香族単環式複素環基がベンゼン環と縮合した複素環)等が挙げられる。
該「非芳香族複素環基」としては、例えばオキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル(好ましくは、1−ピロリジニル)、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジニル(好ましくは、1−ピペリジニルまたは4−ピペリジニル)、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等の3〜8員(好ましくは5〜6員)の飽和あるいは不飽和(好ましくは飽和)の非芳香族単環式複素環基(脂肪族単環式複素環基)、2,3−ジヒドロインドリル、1,3−ジヒドロイソインドリル等のように前記した非芳香族単環式複素環基1〜2個(好ましくは1個)がベンゼン環1〜2個(好ましくは1個)と縮合した複素環基、前記した非芳香族単環式複素環基1〜2個(好ましくは1個)が前記した5ないし6員の芳香族単環式複素環基の複素環1〜2個(好ましくは1個)と縮合した複素環基、あるいは1,2,3,4−テトラヒドロキノリル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリルなどのように前記した芳香族単環式複素環基または芳香族縮合複素環基の一部または全部の二重結合が飽和した非芳香族複素環基等が挙げられる。
該「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」としては、5または6員の芳香族単環式複素環基などが好ましい。
該「複素環基」が有していてもよい置換基としては、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基(置換基B群)と同様の数の同様な基などが用いられる。
環A、環B、環Aおよび環Bが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよいアミノ基」、「置換されていてもよいヒドロキシ基」および「置換されていてもよいチオール基」としては、それぞれ、置換されていてもよい炭化水素基、アシル基、エステル化されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基または置換されていてもよい複素環基などの置換基を有していてもよい「アミノ基」、「ヒドロキシ基」および「チオール基」などが挙げられる。
該「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」としては、それぞれ、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」と同様の基などが用いられる。また、該「置換されていてもよい炭化水素基」および該「置換されていてもよい複素環基」における置換基としては、それぞれ、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」における置換基(置換基B群)と同様の数の同様な基などが用いられる。
該「アシル基」および「エステル化されていてもよいカルボキシル基」としては、それぞれ、後述の環Aが有していてもよい置換基としての「アシル基」および「エステル化されていてもよいカルボキシル基」と同様の基などが用いられる。
該「置換されていてもよいカルバモイル基」としては、後述の環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよいカルバモイル基」と同様の基などが用いられる。
具体的には、環A、環B、環Aおよび環Bが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよいアミノ基」、「置換されていてもよいヒドロキシ基」および「置換されていてもよいチオール基」としては、(i)ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、トリクロロメトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ等)、置換されていてもよいフェニル(好ましくは、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、カルボキシル基およびハロゲン原子から選ばれる置換基で置換されていてもよいフェニルなど)および酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む5ないし10員複素環基(例、2−または3−チエニル、2−または3−フリル、3−,4−または5−ピラゾリル、2−,4−または5−チアゾリル、3−,4−または5−イソチアゾリル、2−,4−または5−オキサゾリル、1,2,3−または1,2,4−トリアゾリル、1H−または2H−テトラゾリル、2−,3−または4−ピリジル、2−,4−または5−ピリミジル、3−または4−ピリダジニル、キノリル、イソキノリル、インドリルなど;該複素環基はC1−6アルキル基などで置換されていてもよい)から選ばれた置換基で置換されていてもよい低級アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1−6アルキル等)、(ii)アシル(例えばC1−6アルカノイル(例、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル等)、ベンゾイル、C1−6アルキルスルホニル(例、メタンスルホニル等)、ベンゼンスルホニル等)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシカルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、トリフルオロメトキシカルボニル、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル、トリクロロメトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル等)、フェニルで置換されていてもよいC1−6アルコキシカルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル等)、置換されていてもよいカルバモイル基(例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等の低級(C1−6)アルキル基、C6−14アリール基(例、フェニル基)などの置換基1〜2個で置換されていてもよいカルバモイル基など)、(iii)複素環基(環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」と同様の基など)、(iv)ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、トリクロロメトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ等)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル(例えばメチル、エチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリクロロエチル等)等の置換基で置換されていてもよいアリール基(環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」における「アリール基」と同様の基など)等の置換基を有していてもよい「アミノ基」、「ヒドロキシ基」および「チオール基」などが好ましい例として挙げられる。また、N,N−ジ置換アミノにおける2個の置換基が窒素原子と一緒になって「環状アミノ基」を形成してもよく、該「環状アミノ基」としては、例えば1−アゼチジニル、1−ピロリジニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ(硫黄原子は酸化されていてもよい)、1−ピペラジニルおよび4位に低級アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1−6アルキル等)、アラルキル(例、ベンジル、フェネチル等のC7−10アラルキル等)、アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等のC6−10アリール等)等を有していてもよい1−ピペラジニル等の3〜8員(好ましくは5〜6員)の環状アミノ基などが用いられる。
環A、環B、環Aおよび環Bが有していてもよい置換基としての「置換スルフィニル基」および「置換スルホニル基」は、それぞれ「置換されていてもよいヒドロキシ基」、「置換されていてもよいアミノ基」、「置換されていてもよい炭化水素基」または「置換されていてもよい複素環基」などの置換基で置換されたスルフィニル基またはスルホニル基を表す。該「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」としては、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」と同様な基などが用いられる。該「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」としては、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」と同様な基などが用いられる。また「置換スルフィニル基」および「置換スルホニル基」の置換基であるヒドロキシ基およびアミノ基に置換していてもよい置換基としては、それぞれ、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよいヒドロキシ基」における「ヒドロキシ基」および「置換されていてもよいアミノ基」における「アミノ基」が有していてもよい置換基と同様の基などが用いられ、好ましくは、例えば、C1−6アルキル基、C3−8シクロアルキル基、C2−4アルケニル基、C6−10アリール基、アシル基、アミノ基、複素環基(環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」と同様の基など)などが挙げられる。また「置換スルフィニル基」および「置換スルホニル基」の置換基である「置換されていてもよい炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」における置換基としては、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」における置換基(置換基B群)と同様の基などが同様の数用いられる。
環A、環B、環Aおよび環Bが有していてもよい置換基としての「アシル基」としては、例えばRCOOHなどのカルボン酸、例えばRSOHなどのスルホン酸、例えばRSOHなどのスルフィン酸、または、例えばROPO(OR)OHなどのリン酸(Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示し、Rは水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を示す)などからOH基を除いて得られるアシル基が用いられ、具体的にはRCO、ROCO、RSO、RSO、ROPO(OR)(式中の記号は前記と同意義を示す)などが用いられる。
(およびR)で示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」ならびに「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」としては、それぞれ、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」と同様の基などが用いられる。また、該「置換されていてもよい炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」における置換基としては、それぞれ、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」における置換基(置換基B群)と同様の基などが同様の数用いられる。
COとしては、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、クロトニル、ベンゾイル、ニコチノイル、イソニコチノイル、トリフルオロアセチルなどが挙げられ、なかでも、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリルなどのRが低級(C1−6)アルキル基であるRCOなどがより好ましい。
OCOとしては、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなどが挙げられ、なかでも、tert−ブトキシカルボニルなどのRが低級(C1−6)アルキル基であるROCOなどがより好ましい。
環A、環B、環Aおよび環Bが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよいカルバモイル基」としては、無置換のカルバモイルのほか、N−モノ置換カルバモイルおよびN,N−ジ置換カルバモイルが挙げられる。
該「置換されていてもよいカルバモイル基」における「カルバモイル基」が有していてもよい置換基としては、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよいアミノ基」の「アミノ基」の置換基と同様の基(「置換されていてもよい炭化水素基」、「アシル基」、「エステル化されていてもよいカルボキシル基」、「置換されていてもよいカルバモイル基」(好ましくは、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等の低級(C1−6)アルキル基、C6−14アリール基(例、フェニル基)などの置換基1〜2個で置換されていてもよいカルバモイル基など)、「置換されていてもよい複素環基」など)などが挙げられるが、前記「置換されていてもよいアミノ基」を有する「カルバモイル基」(すなわち、「置換されていてもよいカルバゾイル基」)、前記「置換されていてもよいヒドロキシ基」を有する「カルバモイル基」(すなわち、「置換されていてもよいN−ヒドロキシカルバモイル基」)などであってもよい。また、N,N−ジ置換カルバモイルにおける2個の置換基が窒素原子と一緒になって環状アミノを形成してもよく、この様な場合の環状アミノカルボニルとしては、例えば1−アゼチジニルカルボニル、1−ピロリジニルカルボニル、ピペリジノカルボニル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル(硫黄原子は酸化されていてもよい)、1−ピペラジニルカルボニルおよび4位に低級アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1−6アルキル等)、アラルキル(例、ベンジル、フェネチル等のC7−10アラルキル等)、アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等のC6−10アリール等)、アシル基(例、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、メトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、メチルスルホニル等)等を有していてもよい1−ピペラジニルカルボニル等の3〜8員(好ましくは5〜6員)の環状アミノカルボニルなどが用いられる。
環A、環B、環Aおよび環Bが有していてもよい置換基としての「エステル化されていてもよいカルボキシル基」としては、式−COOR(Rは水素原子または置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示す)で表される基などが挙げられるが、なかでも、遊離のカルボキシル、低級アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、複素環オキシカルボニル、複素環メチルオキシカルボニル等が好ましく用いられる。
で示される「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」ならびに「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」としては、それぞれ、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」と同様の基などが用いられる。また、該「炭化水素基」、「複素環基」が置換していてもよい置換基としては、それぞれ、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」および「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」が有していてもよい置換基(置換基B群)と同様の基などが同様の数用いられる。
「低級アルコキシカルボニル」としては、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル等のC1−6アルコキシカルボニル等が挙げられ、中でもメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル等のC1−3アルコキシカルボニル等が好ましい。
該「低級アルコキシカルボニル」は「低級アルコキシ」の「低級アルキル」部分に置換基を有していてもよく、その置換基としては、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基として挙げた基(置換基B群)と同様の基などが同様な数用いられる。
「アリールオキシカルボニル」としては、例えばフェノキシカルボニル、1−ナフトキシカルボニル、2−ナフトキシカルボニル等のC7−12アリールオキシカルボニル等が好ましい。
「アラルキルオキシカルボニル」としては、例えばベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル等のC7−15アラルキルオキシカルボニル等(好ましくは、C6−10アリール−C1−6アルコキシ−カルボニルなど)が好ましい。
「複素環オキシカルボニル」および「複素環メチルオキシカルボニル」における複素環としては、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい複素環基」における「複素環」と同様のものなどが用いられ、例えば、ピリジル、キノリル、インドリル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル等が好ましく用いられる。
該「アリールオキシカルボニル」、「アラルキルオキシカルボニル」および「複素環オキシカルボニル」はそれぞれ置換基を有していてもよく、それらの置換基としては、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基として挙げた基(置換基B群)と同様の基などが同様な数用いられる。
環A、環B、環Aおよび環Bが有していてもよい置換基としての「C1−3アルキレンジオキシ基」としては、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなどが用いられる。
環Aおよび環Aが有していてもよい置換基としては、例えば、(i)C3−10シクロアルキル(例、シクロプロピル)、カルバモイル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル)および酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む5ないし10員複素環基(例、フリルなどの5または6員複素環基)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなどのC1−6アルコキシ;シクロプロピルメトキシ、シクロプロピルエトキシなどのC3−8シクロアルキル−C1−6アルコキシ;フリルメトキシ)、(ii)アミノ、(iii)ハロゲン原子(例、フッ素)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ)またはヒドロキシで置換されていてもよいC1−10アシル−アミノ(例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、イソブチリルアミノ、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニルアミノ、3−メトキシ−2−メチルプロピオニルアミノ、トリフルオロアセチルアミノなどのハロゲン化されていてもよいC1−6アルカノイルアミノ)、(iv)C1−6アルキルで置換されていてもよいウレイド(例、ウレイド、メチルウレイド)、(v)ニトロなどが好ましく用いられる。
環Bおよび環Bが有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ)などが好ましく用いられる。
前記式中、環Aおよび環Aとしては、式
(式中、R16は(i)C3−10シクロアルキル(例、シクロプロピル)、カルバモイル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル)および酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、フリルなどの5または6員複素環基)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、(ii)アミノ基、(iii)ハロゲン原子、C1−6アルコキシ(例、メトキシ)またはヒドロキシで置換されていてもよいC1−10アシル−アミノ基、(iv)C1−6アルキル−ウレイド基(例、メチルウレイド)または(v)ニトロ基を示す。)で表されるベンゼン環が好ましく用いられる。
前記式中、環Bおよび環Bとしては、式
(式中、R17、R18およびR19はそれぞれハロゲン原子(例、フッ素)またはC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)を示す。)で表されるベンゼン環が好ましく用いられる。
特に、R17およびR18がともにフッ素原子などのハロゲン原子である場合が好ましい。
nは1ないし3の整数を示し、特に1が好ましい。
環Aまたは環AおよびR
への置換の位置は特に限定されないが、例えば、
で示される位置が好ましい。
前記式中、R、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す。
、RおよびRで示される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。
、RおよびRで示される「置換されていてもよい複素環基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい複素環基」と同様のものが用いられる。
該「炭化水素基」および該「複素環基」は、それぞれ置換可能な位置に、置換基を1ないし5個(好ましくは1ないし3個)有していてもよく、2個以上を有する場合、置換基は同一でも異なっていてもよい。
、RおよびRで示される「アシル基」としては、環Aが有していてもよい置換基としての「アシル基」と同様のものが用いられる。
には、後述する式
(Rは水素原子、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す)で表される基も含まれる。
としては、(i)モノ又はジ−C1−6アルキルアミノを有していてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ジエチルアミノメチル)、(ii)C6−14アリール基(例、フェニル)、(iii)C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)を有していてもよいC6−14アリールスルホニル−C1−6アルキル基(例、p−メチルフェニルスルホニルメチル)、(iv)C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)を有していてもよいC7−11アラルキルオキシ−C1−6アルキル基(例、ベンジルオキシメチル)、(v)C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)を有していてもよいフェニルアミノC1−6アルキル基(例、フェニルアミノメチル、N−メチル−N−フェニルアミノメチル)、(vi)C1−6アルキル(例、メチル)、C7−15アラルキル(例、ベンジル)および5ないし8員の環状アミノ(例、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノなどの6員環状アミノ)から選ばれる置換基を有していてもよい5ないし8員の環状アミノC1−6アルキル基(例、ピペリジノメチル、4−ピペリジノピペリジノメチル、4−ベンジルピペリジノメチル、モルホリノメチル、4−メチルピペラジノメチル)、(vii)式
(環Cは置換されていてもよいベンゼン環を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を、Alkは置換されていてもよいC1−6アルキレン基を示す)で表される基、(viii)式
(環Eは置換されていてもよい酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、ピリジル、フリル)を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す)で表される基、(ix)式
で表される基、(x)式
で表される基などが好ましく用いられ、なかでも、
(環Cは置換されていてもよいベンゼン環を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す)で表される基が好ましく、特に式
(R4aは水素原子またはC1−4アルキル基(例、メチル、エチル)を、他の記号は前記と同意義を示す)で表される基が好ましい。
環Cは置換されていてもよいベンゼン環を示し、前記した環Aで示される「置換されていてもよいベンゼン環」と同様のものが用いられる。
環Cの置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素)などが好ましいが、環Cは無置換が特に好ましい。
環Eの置換基としては、環Aが有していてもよい置換基と同様のものが用いられるが、環Eは無置換が好ましい。
で示される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。
で示される「置換されていてもよい複素環基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい複素環基」と同様のものが用いられる。
該「炭化水素基」および該「複素環基」は、それぞれ置換可能な位置に、置換基を1ないし5個(好ましくは1ないし3個)有していてもよく、2個以上を有する場合、置換基は同一でも異なっていてもよい。
で示される「アシル基」としては、環Aが有していてもよい置換基としての「アシル基」と同様のものが用いられる。
としては、例えば、水素原子、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)、C6−14アリール基(例、フェニル)、C1−6アルカノイル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル)などが好ましい。
Alkで示される「置換されていてもよいC1−6アルキレン基」の「C1−6アルキレン基」としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのC1−6アルキレン基などが用いられ、なかでもメチレン、エチレン、プロピレンなどのC1−3アルキレン基が好ましい。
Alkで示される「C1−6アルキレン基」の置換基としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」の「置換基」(置換基B群)と同様のものが用いられるが、なかでもC1−6アルキル基(例、メチル、エチルなど)などが好ましい。
具体的には、Alkとしては、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)−、−C(CH)(CH)−などが用いられ、特に−CH−が好ましい。
としては、(i)式
(Rは水素原子、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す)で表される基、(ii)C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシなどのC1−6アルコキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)などが好ましく、特に式
(R、RおよびRは前記と同意義を示す)で表される基が好ましい。
、RおよびRで示される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。
、RおよびRで示される「置換されていてもよい複素環基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい複素環基」と同様のものが用いられる。
該「炭化水素基」および該「複素環基」は、それぞれ置換可能な位置に、置換基を1ないし5個(好ましくは1ないし3個)有していてもよく、2個以上を有する場合、置換基は同一でも異なっていてもよい。
で示される「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよいヒドロキシ基」と同様のものが用いられる。
で示される「置換されていてもよいアミノ基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよいアミノ基」と同様のものが用いられる。
で示される「アシル基」としては、環Aが有していてもよい置換基としての「アシル基」と同様のものが用いられる。
としては、例えば、(i)ヒドロキシ基、(ii)ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル)、(iii)ヒドロキシ基で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、(iv)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、(v)ハロゲン原子(例、フッ素)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)、(vi)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、1−ピペリジノ、4−ピペリジノ、1−ピペラジノ、モルホリノ)、(vii)式−NR20(R21)(R20は水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)を、R21は(a)水素原子、(b)C1−6アルキル基(例、メチル、エチル)、(c)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環−C1−6アルキル基(例、イミダゾリルプロピル)、(d)アミノまたはモノ又はジ−C1−6アルキルアミノで置換されたC1−6アルキル基(例、ジメチルアミノプロピル)、(e)C7−16アラルキル基(例、フェニルプロピル)、(f)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、(g)C1−6アルカノイル基(例、アセチル)または(h)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、ピリジル)を示す)で表される基、(viii)水素原子などが好ましく用いられる。
としては、例えば、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)またはC7−16アラルキル基(例、ベンジル)などが好ましく用いられ、なかでもヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基がより好ましい。
としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子など)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、トリフルオロメチル)、C7−10アラルキル基またはC1−6アルカノイル基(例、アセチル)などが好ましく用いられる。
としては、水素原子が好ましい。
XはCまたはNを、WはCまたはNを、YはS、N、NH、O、CH、CH=CH、N=CHまたはCH=Nを示す。
で表される骨格としては、例えば、
などが用いられ、なかでも、
が好ましい。
上記式(I)で表される化合物としては、例えば、以下の化合物(Ia)、(II)、(III)、(IV)または(V)などが好ましい。
(1)式
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物。
各記号の好ましい基は前記と同様である。
(2)式
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物。
各記号の好ましい基は前記と同様である。
(3)式
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物。
環Aが有していてもよい置換基としては、例えば、(i)カルバモイル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル)および酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む5ないし10員複素環基から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなどのC1−6アルコキシ;シクロプロピルメトキシ、シクロプロピルエトキシなどのC3−8シクロアルキル−C1−6アルコキシ;フリルメトキシ)、(ii)アミノ、(iii)ハロゲン原子(例、フッ素)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ)またはヒドロキシで置換されていてもよいC1−10アシル−アミノ(例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、イソブチリルアミノ、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニルアミノ、3−メトキシ−2−メチルプロピオニルアミノ、トリフルオロアセチルアミノなどのハロゲン化されたC2−6アルカノイルアミノ)、(iv)C1−6アルキル基で置換されていてもよいウレイド(例、ウレイド、メチルウレイド)、(v)ニトロなどが好ましく用いられる。
環Bが有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ)などが好ましく用いられる。
環Aとしては、式
(式中、R16aは(i)カルバモイル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル)および酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、フリルなどの5または6員複素環基)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、(ii)アミノ基、(iii)ハロゲン原子、C1−6アルコキシ(例、メトキシ)またはヒドロキシで置換されていてもよいC1−10アシル−アミノ基、(iv)C1−6アルキル−ウレイド基(例、メチルウレイド)または(v)ニトロ基を示す。)で表されるベンゼン環が好ましく用いられる。
環Bとしては、式
(式中、R17、R18およびR19はそれぞれハロゲン原子(例、フッ素)またはC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)を示す。)で表されるベンゼン環が好ましく用いられる。
特に、R17およびR18がともにフッ素原子などのハロゲン原子である場合が好ましい。
としては、(i)モノ又はジ−C1−6アルキルアミノを有していてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ジエチルアミノメチル)、(ii)C6−14アリール基(例、フェニル)、(iii)C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)を有していてもよいC6−14アリールスルホニル−C1−6アルキル基(例、p−メチルフェニルスルホニルメチル)、(iv)C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)を有していてもよいC7−11アラルキルオキシ−C1−6アルキル基(例、ベンジルオキシメチル)、(v)C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)を有していてもよいフェニルアミノC1−6アルキル基(例、フェニルアミノメチル、N−メチル−N−フェニルアミノメチル)、(vi)C1−6アルキル(例、メチル)、C7−15アラルキル(例、ベンジル)および5ないし8員の環状アミノ(例、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノなどの6員環状アミノ)から選ばれる置換基を有していてもよい5ないし8員の環状アミノC1−6アルキル基(例、ピペリジノメチル、4−ピペリジノピペリジノメチル、4−ベンジルピペリジノメチル、モルホリノメチル、4−メチルピペラジノメチル)、(vii)式
(環Cは置換されていてもよいベンゼン環を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を、Alkは置換されていてもよいC1−6アルキレン基を示す)で表される基、(viii)式
(環Eは置換されていてもよい酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、ピリジル、フリル)を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す)で表される基、(ix)式
で表される基、(x)式
で表される基などが好ましく用いられ、なかでも、式
(環Cは置換されていてもよいベンゼン環を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す)で表される基が好ましく、特に、
(R4aは水素原子またはC1−4アルキル基を、他の記号は前記と同意義を示す)で表される基が特に好ましい。
環Cの置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素)などが好ましいが、環Cは無置換が好ましい。
環Eの置換基としては、環Aが有していてもよい置換基(置換基A群)と同様のものが用いられるが、環Dは無置換が好ましい。
としては、例えば、水素原子、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)、C6−14アリール基(例、フェニル)、C1−6アルカノイル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル)などが好ましい。
としては、(i)式
(Rは水素原子、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す)で表される基、(ii)C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシなどのC1−6アルコキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)などが好ましく、特に、式
(R、RおよびRは前記と同意義を示す)で表される基が好ましい。
としては、例えば、(i)ヒドロキシ基、(ii)ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル)、(iii)ヒドロキシ基で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、(iv)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、(v)ハロゲン原子(例、フッ素)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)、(vi)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、1−ピペリジノ、4−ピペリジノ、1−ピペラジノ)、(vii)式−NR20a(R21a)(R20aは水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)を、R21aは(a)水素原子、(b)C1−6アルキル基(例、メチル、エチル)、(c)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環−C1−6アルキル基(例、イミダゾリルプロピル)、(d)アミノまたはモノ又はジ−C1−6アルキルアミノで置換されたC1−6アルキル基(例、ジメチルアミノプロピル)、(e)C7−16アラルキル基(例、フェニルプロピル)、(f)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)または(g)C1−6アルカノイル基(例、アセチル)を示す)で表される基、(viii)水素原子などが好ましく用いられる。
としては、例えば、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)またはC7−16アラルキル基(例、ベンジル)などが好ましく用いられ、なかでもヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基がより好ましい。
としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子など)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、トリフルオロメチル)、C7−10アラルキル基(例、ベンジル)またはC1−6アルカノイル基(例、アセチル)などが用いられ、なかでも水素原子またはC1−6アルカノイル基(例、アセチル)などが好ましく用いられる。
としては、水素原子が好ましい。
(4)式
〔式中、各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物。
環Aが有していてもよい置換基としては、例えば、C3−10シクロアルキルおよび酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む5ないし10員複素環基(例、フリル)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシなどのC1−6アルコキシ;シクロプロピルメトキシ、シクロプロピルエトキシなどのC3−8シクロアルキル−C1−6アルコキシ;フリルメトキシ)などが好ましく用いられる。
環Bが有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)などが好ましく用いられる。
環Aとしては、式
(式中、R16bはC3−10シクロアルキル(例、シクロプロピル)および酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、フリルなどの5または6員複素環基)から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を示す。)で表されるベンゼン環が好ましく用いられる。
環Bとしては、式
(式中、R17a、R18aおよびR19aはそれぞれハロゲン原子(例、フッ素)を示す。)で表されるベンゼン環が好ましく用いられる。
特に、R17aおよびR18aがともにフッ素原子である場合が好ましい。
としては、式
(各記号は前記と同意義を示す)で表される基などが好ましく用いられる。
環Cの置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素)などが好ましいが、環Cは無置換が好ましい。
としては、例えば、水素原子、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)などが好ましい。
としては、(i)式
(Rは水素原子、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を示す)で表される基、(ii)C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシなどのC1−6アルコキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)などが好ましく、特に式
(Rは前記と同意義を示す)で表される基が好ましい。
としては、例えば、(i)ヒドロキシ基、(ii)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、(iii)ハロゲン原子(例、フッ素)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)、(iv)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、1−ピペリジノ、4−ピペリジニル、1−ピペラジノ、1−チオモルホリノ)、(v)式−NR20b(R21b)(R20bは水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)を、R21bは(a)水素原子、(b)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環−C1−6アルキル基(例、イミダゾリルプロピル)、(c)アミノまたはモノ又はジ−C1−6アルキルアミノで置換されたC1−6アルキル基(例、ジメチルアミノプロピル)、(d)C7−16アラルキル基(例、フェニルプロピル)、(e)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)または(f)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、ピリジル)を示す)で表される基などが好ましく用いられ、なかでも、(i)ヒドロキシ基、(ii)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、(iii)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、1−ピペリジノ、4−ピペリジニル、1−ピペラジノ、1−チオモルホリノ)、(iv)式−NR20bb(R21bb)(R20bbは水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)を、R21bbは(a)水素原子、(b)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環−C1−6アルキル基(例、イミダゾリルプロピル)、(c)アミノまたはモノ又はジ−C1−6アルキルアミノで置換されたC1−6アルキル基(例、ジメチルアミノプロピル)を示す)で表される基などが好ましく用いられる。
としては、水素原子が好ましい。
(5)式
〔式中、R2aは式
(R、RおよびRはそれぞれ前記と同意義を示す)で表される基を、他の記号は前記と同意義を示す。〕で表される化合物。
環Aが有していてもよい置換基としては、例えば、(i)カルバモイル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル)および酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む5ないし10員複素環基から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなどのC1−6アルコキシ;シクロプロピルメトキシ、シクロプロピルエトキシなどのC3−8シクロアルキル−C1−6アルコキシ;フリルメトキシ)、(ii)アミノ、(iii)ハロゲン原子(例、フッ素)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ)またはヒドロキシで置換されていてもよいC1−10アシル−アミノ(例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ピバロイルアミノ、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニルアミノ、3−メトキシ−2−メチルプロピオニルアミノトリフルオロアセチルアミノなどのハロゲン化されたC2−6アルカノイルアミノ)、(iv)C1−6アルキル基で置換されていてもよいウレイド(例、ウレイド、メチルウレイド)、(v)ニトロなどが好ましく用いられる。
環Bが有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ)などが好ましく用いられる。
環Aとしては、式
(式中、R16aは(i)カルバモイル、C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル)および酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、(ii)アミノ基、(iii)ハロゲン原子、C1−6アルコキシ(例、メトキシ)またはヒドロキシで置換されていてもよいC1−10アシル−アミノ基または(iv)C1−6アルキル−ウレイド基を示す。)で表されるベンゼン環が好ましく用いられる。
環Bとしては、式
(式中、R17、R18およびR19はそれぞれハロゲン原子(例、フッ素)またはC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)を示す。)で表されるベンゼン環が好ましく用いられる。
特に、R17およびR18がともにフッ素原子などのハロゲン原子である場合が好ましい。
環Cの置換基としては、環Aが有していてもよい置換基(置換基A群)と同様のものが用いられるが、環Cは無置換が好ましい。
としては、例えば、水素原子、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)、C6−14アリール基(例、フェニル)、C1−6アルカノイル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル)などが好ましい。
としては、例えば、(i)ヒドロキシ基、(ii)ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル)、(iii)ヒドロキシ基で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、(iv)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、(v)ハロゲン原子(例、フッ素)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)、(vi)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、1−ピペリジノ、4−ピペリジノ、1−ピペラジノ)、(vii)式−NR20a(R21a)(R20aは水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)を、R21aは(a)水素原子、(b)C1−6アルキル基(例、メチル、エチル)、(c)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環−C1−6アルキル基(例、イミダゾリルプロピル)、(d)アミノまたはモノ又はジ−C1−6アルキルアミノで置換されたC1−6アルキル基(例、ジメチルアミノプロピル)、(e)C7−16アラルキル基(例、フェニルプロピル)、(f)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)または(g)C1−6アルカノイル基(例、アセチル)を示す)で表される基、(viii)水素原子などが好ましく用いられる。
としては、例えば、ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)またはC7−16アラルキル基(例、ベンジル)などが好ましく用いられる。
としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子など)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、トリフルオロメチル)またはC1−6アルカノイル基(例、アセチル)などが好ましく用いられ、なかでも水素原子またはC1−6アルカノイル基(例、アセチル)が好ましい。
上記式(I)で表される化合物としては、具体的には、後述する参考例1〜19、実施例1〜57で製造される化合物などが好ましい。
上記式(I)で表される化合物のうち、化合物(VI)〜(IX)は新規な化合物である。
(1)化合物(VI)
〔式中、環Bは前記と同意義を、環Dはハロゲン原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいヒドロキシ基および−S(O)mR10(R10は置換されていてもよい炭化水素基を、mは0ないし2の整数を示す)で表される基から選ばれる置換基で置換されていてもよいベンゼン環を、R2bは式
(R5aはC4−15アルキル基またはC3−10シクロアルキル基を、R6aは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、R7aは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す)で表される基を、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示し、RおよびRは互いに結合して環を形成していてもよい。〕で表される化合物またはその塩(ただし、5−(1−アセトキシエチル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、5−(1−ヒドロキシエチル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジンを除く)。
環Bとしては、前記と同様のものが用いられ、なかでも、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ)などで置換されていてもよいベンゼン環が好ましく用いられる。
環Dで示される「ベンゼン環」の置換基である「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が用いられる。
環Dで示される「ベンゼン環」の置換基である「置換されていてもよい炭化水素基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。
環Dで示される「ベンゼン環」の置換基である「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよいヒドロキシ基」と同様のものが用いられ、なかでも、例えば、C3−10シクロアルキル、カルバモイルおよび酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を少なくとも1個(好ましくは1ないし4個、さらに好ましくは1ないし2個)含む5ないし10員複素環基から選ばれる置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシなどのC1−6アルコキシ;シクロプロピルメトキシ、シクロプロピルエトキシなどのC3−8シクロアルキル−C1−6アルコキシ;フリルメトキシ)などが好ましい。
10で示される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。
mは0ないし2の整数を示し、特に0が好ましい。
2bは式
(各記号は前記と同意義を示す)で表される基であるが、なかでも
(各記号は前記と同意義を示す)で表される基が好ましい。
5aで示されるC4−15アルキル基としては、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシルなどの直鎖状または分枝状のC4−15アルキル基が用いられ、なかでもブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどのC4−8アルキル基が好ましく用いられる。
5aで示されるC3−10シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチルなどが用いられる。
5aとしては、上記したC4−15アルキル基が好ましい。
6aで示される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。
6aで示される「置換されていてもよい複素環基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい複素環基」と同様のものが用いられる。
6aとしては、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)、C3−6シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクトペンチル、シクロヘキシル)、C7−10アラルキル基(例、ベンジル)などが好ましく、なかでもC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)またはC7−16アラルキル基(例、ベンジル)などが好ましく、特にC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)が好ましい。
7aで示される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。
7aで示される「置換されていてもよい複素環基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい複素環基」と同様のものが用いられる。
7aで示される「アシル基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「アシル基」と同様のものが用いられる。
7aとしては、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)、C1−6アルカノイル基(例、アセチル)などが好ましく、特に水素原子またはC1−6アルカノイル基(例、アセチル)などが好ましい。
およびRで示される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。
およびRで示される「置換されていてもよい複素環基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい複素環基」と同様のものが用いられる。
およびRで示される「アシル基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「アシル基」と同様のものが用いられる。
としては、置換されていてもよいC7−15アラルキル基、特に置換されていてもよいベンジル基が好ましい。「ベンジル基」の置換基としては、前記した環Aで示される「ベンゼン環」の「置換基」(置換基A群)と同様のものが用いられ、なかでもハロゲン原子(例、フッ素)などが好ましく用いられる。
としては、例えば、水素原子、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)、C6−14アリール基(例、フェニル)、C1−6アルカノイル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル)などが好ましく、特に水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)が好ましい。
およびRが互いに結合して形成する環としては、炭素原子と1個の窒素原子以外に、酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種(好ましくは1ないし2種)を含んでいてもよい5ないし16員の含窒素環の窒素原子から水素原子を除いた基が用いられる。具体的には、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリジニル、アゼチジニル、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−イルなどが用いられる。
およびRが互いに結合して形成する環は置換基を有していてもよく、該置換基としては、環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」が有していてもよい置換基と同様のものが用いられる。
およびRが互いに結合して形成する環としては、特に、式
で表される基、式
で表される基などが好ましく用いられる。
(2)化合物(VII)
〔式中、環A、環B、RおよびRは前記と同意義を、R11はヒドロキシ基で置換されたアルキル基またはヒドロキシ基で置換されたシクロアルキル基を示す。〕で表される化合物またはその塩(ただし、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−2−(4−イソブチリルアミノフェニル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−2−(4−イソブチリルアミノフェニル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジンを除く)。
環A、環B、RおよびRとしては、前記と同様のものが用いられる。
11で示される「ヒドロキシ基で置換されたアルキル基」の「アルキル基」としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシルなどの直鎖状または分枝状のC1−15アルキル基が用いられ、なかでも、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなどのC1−6アルキル基が好ましく用いられる。
11で示される「ヒドロキシ基で置換されたシクロアルキル基」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチルなどのC3−10シクロアルキル基などが用いられ、なかでもシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−6シクロアルキル基が好ましい。
11としては、ヒドロキシ基で置換されたC1−6アルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC3−6シクロアルキル基などが好ましく、特にヒドロキシ基で置換されたC1−6アルキル基が好ましい。
(3)化合物(VIII)
〔式中、環B、RおよびRは前記と同意義を、R12は水素原子、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよい炭化水素基を示す。〕で表される化合物またはその塩(ただし、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−2−フェニル−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−フェニル−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチル、3−ベンジルアミノメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−フェニル−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルを除く)。
環B、RおよびRとしては、前記と同様のものが用いられる。
12で示される「置換されていてもよいアルコキシ基」の「アルコキシ基」としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、プロポキシなどのC1−6アルコキシ基などが用いられ、なかでもメトキシ、エトキシ、ブトキシ、プロポキシなどのC1−4アルコキシ基が好ましい。
「アルコキシ基」の置換基としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」の「置換基」(置換基B群)と同様のものが用いられる。
12で示される「置換されていてもよいアミノ基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよいアミノ基」と同様のものが用いられ、なかでも式−NR20a(R21a)(R20aは水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)を、R21aは(i)水素原子、(ii)C1−6アルキル基(例、メチル、エチル)、(iii)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環−C1−6アルキル基、(iv)アミノまたはモノ又はジ−C1−6アルキルアミノで置換されたC1−6アルキル基(例、ジメチルアミノプロピル)、(v)C7−16アラルキル基(例、フェニルプロピル)、(vi)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)または(vii)C1−6アルカノイル基(例、アセチル)を示す)で表される基などが好ましく用いられる。
12で示される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられ、なかでも(i)ヒドロキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)、(ii)ヒドロキシ基で置換されていてもよいC3−8シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、(iii)ハロゲン原子(例、フッ素)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)などが好ましい。
12としては、C1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)などが好ましい。
(4)化合物(IX)
〔式中、環Bおよび環Dは前記と同意義を、R13は水素原子、置換されていてもよいヒドロキシ基または置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、R14およびR15はそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示し、R14およびR15は互いに結合して環を形成していてもよい。〕で表される化合物またはその塩(ただし、8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル、2−(4−アセトキシフェニル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル、8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル、8−(2−フルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル、8−(2−フルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−[2−(2−ピリジル)エチル]アミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステルを除く)。
環Bおよび環Dとしては、前記と同様のものが用いられる。
13で示される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。
13で示される「置換されていてもよい複素環基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい複素環基」と同様のものが用いられる。
13で示される「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよいヒドロキシ基」と同様のものが用いられる。
13で示される「置換されていてもよいアミノ基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよいアミノ基」と同様のものが用いられる。
14およびR15で示される「置換されていてもよい炭化水素基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい炭化水素基」と同様のものが用いられる。
14およびR15で示される「置換されていてもよい複素環基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「置換されていてもよい複素環基」と同様のものが用いられる。
14およびR15で示される「アシル基」としては、前記した環Aが有していてもよい置換基としての「アシル基」と同様のものが用いられる。
14およびR15が互いに結合して形成する環としては、前記したRおよびRが互いに結合して形成する環と同様のものが用いられる。
環Dとしては、無置換またはパラ置換ベンゼン環が好ましい。
13としては、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、ヒドロキシ基または置換されていてもよいアミノ基などが好ましく、なかでも(i)ヒドロシキで置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)、(ii)C3−8シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、(iii)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、(iv)ハロゲン原子(例、フッ素)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)、(v)ヒドロキシ基、(vi)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、1−ピペリジノ、4−ピペリジノ、1−ピペラジノ、1−チオモルホリノ)、(vii)式−NR20a(R21a)(R20aは水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)を、R21aは(a)水素原子、(b)C1−6アルキル基(例、メチル、エチル)、(c)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環−C1−6アルキル基(例、イミダゾリルプロピル)、(d)アミノまたはモノ又はジ−C1−6アルキルアミノで置換されたC1−6アルキル基(例、ジメチルアミノプロピル)、(e)C7−16アラルキル基(例、フェニルプロピル)、(f)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)または(g)C1−6アルカノイル基(例、アセチル)を示す)で表される基などが好ましく、特に(i)ヒドロキシ基、(ii)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、(iii)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環基(例、1−ピペリジノ、4−ピペリジノ、1−ピペラジノ、1−チオモルホリノ)、(iv)式−NR20aa(R21aa)(R20aaは水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)を、R21aaは(a)水素原子、(b)酸素原子、硫黄原子および窒素原子等から選ばれたヘテロ原子1ないし3種を少なくとも1個含む5ないし10員複素環−C1−6アルキル基(例、イミダゾリルプロピル)、(c)アミノまたはモノ又はジ−C1−6アルキルアミノで置換されたC1−6アルキル基(例、ジメチルアミノプロピル)を示す)で表される基などが好ましく用いられる。
14としては、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、アシル基などが好ましく、例えば水素原子、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル)、C6−14アリール基(例、フェニル)、C1−6アルカノイル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル)などが用いられる。なかでもR14としては、水素原子または置換されていてもよい炭化水素基が好ましく、特に水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル)が好ましい。
15としては、置換されていてもよいベンジル基などが好ましい。「ベンジル基」の置換基としては、前記した環Aで示される「ベンゼン環」の「置換基」と同様のものが用いられ、なかでもハロゲン原子(例、フッ素)などが好ましく用いられる。R15としては、特に無置換のベンジル基が好ましい。
さらに、上記式(I)で表される化合物のうち、以下の化合物も新規である。
(i)3−(N−ベンジル−N−エチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルまたはその塩(特に、しゅう酸塩)
(3−[(N−ベンジル−N−エチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルまたはその塩)、
(ii)3−ベンジルオキシメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルまたはその塩
(3−ベンジルオキシメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルまたはその塩)、
(iii)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−(4−フルオロベンゾイル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オンまたはその塩(特に、塩酸塩)
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−5−(4−フルオロベンゾイル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジンまたはその塩)、
(iv)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−N−(3−フェニルプロピル)−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミドまたはその塩(特に、塩酸塩)
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−N−(3−フェニルプロピル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミドまたはその塩)、
(v)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(4−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルまたはその塩(特に、塩酸塩)
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(4−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルまたはその塩)、
(vi)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(3−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルまたはその塩(特に、塩酸塩)
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(3−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルまたはその塩)、
(vii)[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェノキシ]酢酸メチル
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−2−(4−メトキシカルボニルメトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジンまたはその塩)、
(viii)2−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェノキシ]アセタミドまたはその塩
(2−(4−アミノカルボニルメトキシフェニル)−3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジンまたはその塩)、
(ix)3−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イルメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルまたはその塩(特に、塩酸塩)、
(x)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸またはその塩
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸またはその塩)、または
(xi)N−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−(2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]]フェニル]−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミドまたはその塩
(N−[4−(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)フェニル]−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミドまたはその塩)。
上記式(I)で表される化合物またはその塩〔以下、化合物(I)と称することがある〕のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物(I)に変化する化合物をいう。化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例えば、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など)、化合物(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例えば、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など)、あるいは、化合物(I)のカルボキシル基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、化合物(I)のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチ、ルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。
また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
化合物(I)の塩としては、例えば金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する場合にはアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)等の無機塩、アンモニウム塩等、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等無機酸との塩、または酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。
化合物(I)の光学的に活性な形態が必要とされる場合、例えば、光学的に活性な出発物質を使用して、あるいは自体公知の方法を使用する該化合物のラセミ形態の分割によって得ることができる。
上記の新規化合物を含む化合物(I)またはその塩は、例えば、WO95/28405(特開平8−295693)、WO96/24597、WO97/14682、WO97/14697、WO97/40846、WO97/41126、特開平9−169766、WO99/09033、WO97/07119、EP0781774A2、WO99/33831(特開平11−315079)、WO00/69859、WO01/29044、特にWO95/28405(特開平8−295693)、WO99/33831(特開平11−315079)に記載の方法あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。
化合物(I)は水和物であってもよく、水和物及び非水和物のいずれも本発明の範囲に包含されるものである。また、化合物(I)は同位元素(例、3H, 14C, 35S,125Iなど)などで標識されていてもよい。
化合物(I)もしくはその塩またはそのプロドラッグ(以下、本発明の化合物(I)と略記する)を含有するRFRP受容体機能調節剤は、毒性が低く、かつ、副作用も少ないため、安全な医薬品として有用である。
RFRP受容体は、RFアミド構造を有するペプチド(例えば、WO00/29441号に記載のRFRP−1、RFRP−2、RFRP−3などのRFRP)が結合し得る受容体であり、例えば、WO00/29441号に記載されているG蛋白質共役型レセプター蛋白質OT7T022(例えば、配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するウシRFRP受容体、配列番号:2で表されるアミノ酸配列を有するラットRFRP受容体)などが挙げられる。
機能調節とは、RFRP受容体の機能を阻害する作用(例えば、RFRP受容体拮抗作用、RFRP受容体アンタゴニスト作用)と促進する作用(例えば、RFRP受容体作動作用、RFRP受容体アゴニスト作用)の両方を指すが、本発明ではRFRP受容体の機能を阻害する作用、なかでもRFRP受容体アンタゴニスト作用がより好ましい。
RFRP受容体の機能調節作用、RFRP受容体アゴニスト作用、RFRP受容体アンタゴニスト作用などは、WO00/29441号に記載されているRFRPとOT7T022との結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法などを用いて測定することができる。
本発明のRFRP受容体機能調節剤は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、優れたRFRP受容体の機能調節作用、特にRFRP受容体拮抗作用(RFRP受容体アンタゴニスト作用)を示し、(経口)吸収性、(代謝)安定性等にも優れるため、RFアミド構造を有するペプチドRFRP関連病態またはRFRPが関与する疾患の予防・治療剤として有用である。
また、本発明のRFRP受容体機能調節剤は、鎮痛剤、他の鎮痛薬(例、モルヒネ、コデイン、ジヒドロコデイン、エチルモルヒネ、オキシコドン、ヘロインまたはその塩などのモルヒネ系の麻酔性鎮痛薬)の鎮痛作用促進剤、他の鎮痛薬(例、モルヒネ、コデイン、ジヒドロコデイン、エチルモルヒネ、オキシコドン、ヘロインまたはその塩などのモルヒネ系の麻酔性鎮痛薬)による耐性回避剤などとして有用である。
さらに、本発明のRFRP受容体機能調節剤は、プロラクチン分泌調節剤、好ましくはプロラクチン分泌抑制剤としても有用であり、例えば、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫、シーハン症候群、精子形成異常などの予防・治療剤として有用である。
なお、本発明のRFRP受容体機能調節剤をプロラクチン分泌調節剤として用いる場合、上記式(I)においてXがC、YがS、WがNの場合を除いた化合物(Ib)が用いられる。
さらに、本発明のRFRP受容体機能調節剤は、例えば、筋疾患、副腎機能障害、痙攣、攻撃性行動、歩行異常、体温上昇、白血球数減少、血小板数減少、自発行動量の増加または筋力低下などの予防・治療・改善剤として有用である。
さらに、本発明のRFRP受容体機能調節剤は、男性ホルモン分泌調節剤、好ましくは男性ホルモン分泌阻害剤(男性ホルモン分泌抑制剤)として有用である。具体的には、本発明のRFRP受容体機能調節剤は、例えば、男性性腺機能不全、造精機能障害に伴う男子不妊症、再生不良性貧血、骨髄線維症、腎性貧血、末期女性性器癌の疼痛緩和、乳癌(例、手術不能乳癌)、乳腺症、乳腺腫瘍、女性化乳房などの予防・治療剤として有用である。
さらに、本発明のRFRP受容体機能調節剤は、例えば、膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、記憶学習低下抑制剤(記憶低下抑制剤)として有用であり、例えば、糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良、記憶学習障害などの予防・治療剤として有用である。
さらに、本発明のRFRP受容体機能調節剤は、例えば、膀胱収縮抑制剤として有用であり、例えば、尿失禁、下部尿路疾患、過活動膀胱による切迫尿意、頻尿、過活動膀胱を伴った低緊張性膀胱などの予防・治療剤として有用である。
特に、本発明のRFRP受容体機能調節剤は、鎮痛剤、記憶学習障害の予防・治療剤として有用である。
本発明の化合物(I)を上記各疾患に適用する際には、それら疾患に通常用いられる薬剤または治療法と適宜併用することが可能である。
さらに、本発明の化合物(I)を上記各疾患に適用する際に、生物製剤(例:抗体、ワクチン製剤など)と併用することも可能であり、また、遺伝子治療法などと組み合わせて、併用療法として適用することも可能である。
本発明の化合物(I)はそのままあるいは薬理学的に許容される担体を配合し、経口的または非経口的に投与することができる。
本発明のRFRP受容体機能調節剤は、経口投与する場合の剤形としては、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等が挙げられ、また、非経口投与する場合の剤形としては、例えば注射剤、注入剤、点滴剤、坐剤等が挙げられる。また、適当な基剤(例、酪酸の重合体、グリコール酸の重合体、酪酸-グリコール酸の共重合体、酪酸の重合体とグリコール酸の重合体との混合物、ポリグリセロール脂肪酸エステル等)と組み合わせ徐放性製剤とすることも有効である。
本発明製剤中の本発明の化合物(I)の含有量は、製剤の形態に応じて相違するが、通常、製剤全体に対して約0.01ないし100重量%、好ましくは約2ないし85重量%、さらに好ましくは約5ないし70重量%である。
本発明の化合物(I)を上記の剤形に製造する方法としては、当該分野で一般的に用いられている公知の製造方法を適用することができる。また、上記の剤形に製造する場合には、必要に応じて、その剤形に製する際に製剤分野において通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤等を適宜、適量含有させて製造することができる。
例えば、本発明の化合物(I)を錠剤に製する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を含有させて製造することができ、丸剤及び顆粒剤に製する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤等を含有させて製造することができる。また、散剤及びカプセル剤に製する場合には賦形剤等を、シロップ剤に製する場合には甘味剤等を、乳剤または懸濁剤に製する場合には懸濁化剤、界面活性剤、乳化剤等を含有させて製造することができる。
賦形剤の例としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、でんぷん、蔗糖、微結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
結合剤の例としては、5ないし10重量%デンプンのり液、10ないし20重量%アラビアゴム液またはゼラチン液、1ないし5重量%トラガント液、カルボキシメチルセルロース液、アルギン酸ナトリウム液、グリセリン等が挙げられる。
崩壊剤の例としては、でんぷん、炭酸カルシウム等が挙げられる。
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製タルク等が挙げられる。
甘味剤の例としては、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、単シロップ等が挙げられる。
界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40等が挙げられる。
懸濁化剤の例としては、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ベントナイト等が挙げられる。
乳化剤の例としては、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、ポリソルベート80等が挙げられる。
更に、本発明の化合物(I)を上記の剤形に製造する場合には、所望により、精製分野において通常用いられる着色剤、保存剤、芳香剤、矯味剤、安定剤、粘稠剤等を適量、適量添加することができる。
本発明のRFRP受容体機能調節剤は、安定かつ低毒性で安全に使用することができる。その1日の投与量は患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なるが、例えば、鎮痛目的で患者に経口投与する場合には、成人(体重約60kg)1日当りの投与量は有効成分(本発明の化合物(I))として約1ないし1000mg、好ましくは約3ないし300mg、さらに好ましくは約10ないし200mgであり、これらを1回または2ないし3回に分けて投与することができる。
本発明の化合物(I)を非経口的に投与する場合は、通常、液剤(例えば注射剤)の形で投与する。その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば注射剤の形にして、通常体重1kgあたり約0.01mg〜約100mg、好ましくは約0.01〜約50mg、より好ましくは約0.01〜約20mgを静脈注射により投与するのが好都合である。注射剤としては、静脈注射剤のほか、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤などが含まれ、また持続性製剤としては、イオントフォレシス経皮剤などが含まれる。かかる注射剤は自体公知の方法、すなわち、本発明の化合物(I)を無菌の水性液もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製される。注射用の水性液としては生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール(例えばエタノール)、ポリアルコール(例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例えばポリソルベート80、HCO−50)などと併用してもよい。油性液としては、ゴマ油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)などと配合してもよい。調製された注射液は、通常、アンプルに充填される。
本発明の化合物(I)と併用し得る薬物(以下、併用薬物と略記する場合がある)としては、例えば、他の糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、高脂血症治療剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤、化学療法剤、免疫療法剤、免疫調節薬、抗炎症薬、抗血栓剤、骨粗鬆症治療剤、抗菌薬、抗真菌薬、抗原虫薬、抗生物質、鎮咳・去たん薬、鎮静薬、麻酔薬、抗潰瘍薬、精神安定薬、抗精神病薬、抗腫瘍薬、筋弛緩薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗アレルギー薬、強心薬、抗不整脈薬、血管拡張薬、血管収縮薬、麻薬拮抗薬、ビタミン薬、ビタミン誘導体、抗喘息薬、抗痴呆薬、頻尿・尿失禁治療薬、排尿困難治療剤、アトピー性皮膚炎治療薬、アレルギー性鼻炎治療薬、昇圧薬、エンドトキシン拮抗薬あるいは抗体、シグナル伝達阻害薬、炎症性メディエーター作用抑制薬、炎症性メディエーター作用抑制抗体、抗炎症性メディエーター作用抑制薬、抗炎症性メディエーター作用抑制抗体などが挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。
他の糖尿病治療剤としては、インスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌、イーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤;インスリン亜鉛;プロタミンインスリン亜鉛;インスリンのフラグメントまたは誘導体(例、INS−1等)、経口インスリン製剤など)、インスリン感受性増強剤(例、ピオグリタゾンまたはその塩(好ましくは塩酸塩)、トログリタゾン、ロシグリタゾンまたはその塩(好ましくはマレイン酸塩)、レグリキサン(Reglixane)(JTT−501)、ネトグリタゾン(Netoglitazone)(MCC−555)、YM−440、GI−262570、KRP−297、FK−614、CS−011、(γE)-γ-[[[4-[(5-メチル-2-フェニル-4-オキサゾリル)メトキシ]フェニル]メトキシ]イミノ]ベンゼンブタン酸等、WO99/58510に記載の化合物(例えば(E)-4-[4-(5-メチル-2-フェニル-4-オキサゾリルメトキシ)ベンジルオキシイミノ]-4-フェニル酪酸)、WO01/38325に記載の化合物、テサグリタザール(Tesaglitazar)(AZ−242)、ラガグリタザール(Ragaglitazar)(NN-622)、BMS-298585、ONO-5816、BM-13-1258、LM-4156、MBX-102、LY-519818、MX-6054、LY-510929、バラグリタゾン(Balaglitazone)(NN-2344)、T-131またはその塩、THR-0921)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート等)、ビグアナイド剤(例、フェンホルミン、メトホルミン、ブホルミン等)、インスリン分泌促進剤[スルホニルウレア剤(例、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド等)、レパグリニド、セナグリニド、ミチグリニドまたはそのカルシウム塩水和物、ナテグリニド等]、GLP−1受容体アゴニスト[例、GLP-1、GLP-1MR剤、NN-2211、AC-2993(exendin-4)、BIM-51077、Aib(8,35)hGLP-1(7,37)NH2、CJC-1131等]、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(例、NVP−DPP−278、PT−100、P32/98、P93/01、NVP-DPP-728、LAF237、TS-021等)、β3アゴニスト(例、CL−316243、SR−58611−A、UL−TG−307、AJ−9677、AZ40140等)、アミリンアゴニスト(例、プラムリンチド等)、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸等)、糖新生阻害剤(例、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤等)、SGLT(sodium-glucose cotransporter)阻害剤(例、T−1095等)、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬(例、BVT-3498等)、アジポネクチンまたはその作動薬、IKK阻害薬(例、AS-2868等)、レプチン抵抗性改善薬、ソマトスタチン受容体作動薬(WO01/25228、WO03/42204記載の化合物、WO98/44921、WO98/45285、WO99/22735記載の化合物等)、グルコキナーゼ活性化薬(例、Ro-28-1675)等が挙げられる。
糖尿病性合併症治療剤としては、アルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、フィダレスタット(SNK−860)、ミナルレスタット(ARI−509)、CT−112等)、神経栄養因子およびその増加薬(例、NGF、NT−3、BDNF、WO01/14372に記載のニューロトロフィン産生・分泌促進剤(例えば4-(4-クロロフェニル)-2-(2-メチル-1-イミダゾリル)-5-[3-(2-メチルフェノキシ)プロピル]オキサゾールなど)等)、プロテインキナーゼC(PKC)阻害薬(例、LY−333531等)、AGE阻害剤(例、ALT−945、ピマゲジン、ピラトキサチン、N−フェナシルチアゾリウムブロミド(ALT−766)、EXO−226、ALT-711、ピリドリン(Pyridorin)、ピリドキサミン等)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸等)、脳血管拡張剤(例、チオプリド等)、ソマトスタチン受容体作動薬(BIM23190)、アポトーシスシグナルレギュレーティングキナーゼ-1(ASK-1)阻害薬等が挙げられる。
高脂血治療剤としては、コレステロール合成阻害剤であるスタチン系化合物(例、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチンまたはそれらの塩(例、ナトリウム塩等)等)、スクアレン合成酵素阻害剤(例、WO97/10224に記載の化合物、例えばN−[[(3R,5S)-1-(3-アセトキシ-2,2-ジメチルプロピル)-7-クロロ-5-(2,3-ジメトキシフェニル)-2-オキソ-1,2,3,5-テトラヒドロ-4,1-ベンゾオキサゼピン-3-イル]アセチル]ピペリジン-4-酢酸など)、フィブラート系化合物(例、ベザフィブラート、クロフィブラート、シムフィブラート、クリノフィブラート等)、抗酸化剤(例、リポ酸、プロブコール)等が挙げられる。
降圧剤としては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、エナラプリル、デラプリル等)、アンジオテンシンII拮抗剤(例、ロサルタン、カンデサルタン シレキセチル、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン、1-[[2'-(2,5-ジヒドロ-5-オキソ-4H-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ビフェニル-4-イル]メチル]-2-エトキシ-1H-ベンズイミダゾール-7-カルボン酸等)、カルシウム拮抗剤(例、マニジピン、ニフェジピン、アムロジピン、エホニジピン、ニカルジピン等)、クロニジン等が挙げられる。
抗肥満剤としては、例えば中枢性抗肥満薬(例、デキスフェンフルアミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス;MCH受容体拮抗薬(例、SB-568849;SNAP-7941;WO01/82925およびWO01/87834に含まれる化合物等);ニューロペプチドY拮抗薬(例、CP-422935等);カンナビノイド受容体拮抗薬(例、SR-141716、SR-147778等);グレリン拮抗薬;11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬(例、BVT-3498等)等)、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット、ATL−962等)、β3アゴニスト(例、CL−316243、SR−58611−A、UL−TG−307、AJ−9677、AZ40140等)、ペプチド性食欲抑制薬(例、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)等)、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチトリプト、FPL−15849等)、摂食抑制薬(例、P-57等)等が挙げられる。
利尿剤としては、例えばキサンチン誘導体(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン等)、チアジド系製剤(例、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンジルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド等)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラクトン、トリアムテレン等)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド等)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド等)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等が挙げられる。
化学療法剤としては、例えばアルキル化剤(例、サイクロフォスファミド、イフォスファミド等)、代謝拮抗剤(例、メソトレキセート、5−フルオロウラシル等)、抗癌性抗生物質(例、マイトマイシン、アドリアマイシン等)、植物由来抗癌剤(例、ビンクリスチン、ビンデシン、タキソール等)、シスプラチン、カルボプラチン、エトポキシドなどが挙げられる。なかでも5−フルオロウラシル誘導体であるフルツロンあるいはネオフルツロンなどが好ましい。
免疫療法剤としては、例えば微生物または細菌成分(例、ムラミルジペプチド誘導体、ピシバニール等)、免疫増強活性のある多糖類(例、レンチナン、シゾフィラン、クレスチン等)、遺伝子工学的手法で得られるサイトカイン(例、インターフェロン、インターロイキン(IL)等)、コロニー刺激因子(例、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポエチン等)などが挙げられ、なかでもIL−1、IL−2、IL−12などのインターロイキン類が好ましい。
抗炎症薬としては、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、インドメタシンなどの非ステロイド抗炎症薬等が挙げられる。
抗血栓剤としては、例えばヘパリン(例、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ダルテパリンナトリウム(dalteparin sodium)など)、ワルファリン(例、ワルファリンカリウムなど)、抗トロンビン薬(例、アルガトロバン(aragatroban)など)、血栓溶解薬(例、ウロキナーゼ(urokinase)、チソキナーゼ(tisokinase)、アルテプラーゼ(alteplase)、ナテプラーゼ(nateplase)、モンテプラーゼ(monteplase)、パミテプラーゼ(pamiteplase)など)、血小板凝集抑制薬(例、塩酸チクロピジン(ticlopidine hydrochloride)、シロスタゾール(cilostazol)、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム(beraprost sodium)、塩酸サルポグレラート(sarpogrelate hydrochloride)など)などが挙げられる。
骨粗鬆症治療剤としては、例えばアルファカルシドール(alfacalcidol)、カルシトリオール(calcitriol)、エルカトニン(elcatonin)、サケカルシトニン(calcitonin salmon)、エストリオール(estriol)、イプリフラボン(ipriflavone)、パミドロン酸二ナトリウム(pamidronate disodium)、アレンドロン酸ナトリウム水和物(alendronate sodium hydrate)、インカドロン酸二ナトリウム(incadronate disodium)等が挙げられる。
ビタミン薬としては、例えばビタミンB1、ビタミンB12等が挙げられる。
抗痴呆剤としては、例えばタクリン(tacrine)、ドネペジル(donepezil)、リバスチグミン(rivastigmine)、ガランタミン(galantamine)等が挙げられる。
頻尿・尿失禁治療薬としては、例えば塩酸フラボキサート(flavoxate hydrochloride)、塩酸オキシブチニン(oxybutynin hydrochloride)、塩酸プロピベリン(propiverine hydrochloride)等が挙げられる。
排尿困難治療剤としては、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(例、ジスチグミン)等が挙げられる。
さらに、動物モデルや臨床で悪液質改善作用が認められている薬剤、すなわち、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例、インドメタシン等)〔キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、第49巻、5935〜5939頁、1989年〕、プロゲステロン誘導体(例、メゲステロールアセテート)〔ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(Journal of Clinical Oncology)、第12巻、213〜225頁、1994年〕、糖質ステロイド(例、デキサメサゾン等)、メトクロプラミド系薬剤、テトラヒドロカンナビノール系薬剤(文献はいずれも上記と同様)、脂肪代謝改善剤(例、エイコサペンタエン酸等)〔ブリティシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー(British Journal of Cancer)、第68巻、314〜318頁、1993年〕、成長ホルモン、IGF−1、あるいは悪液質を誘導する因子であるTNF−α、LIF、IL−6、オンコスタチンMに対する抗体なども本発明の化合物(I)と併用することができる。
さらに、糖化阻害剤(例、ALT-711等)、神経再生促進薬(例、Y-128、VX853、prosaptide等)、抗うつ薬(例、デシプラミン、アミトリプチリン、イミプラミン)、抗てんかん薬(例、ラモトリジン、トリレプタル(Trileptal)、ケプラ(Keppra)、ゾネグラン(Zonegran)、プレギャバリン(Pregabalin)、ハーコセライド(Harkoseride)、カルバマゼピン)、抗不整脈薬(例、メキシレチン)、アセチルコリン受容体リガンド(例、ABT-594)、エンドセリン受容体拮抗薬(例、ABT-627)、モノアミン取り込み阻害薬(例、トラマドル)、麻薬性鎮痛薬(例、モルヒネ)、GABA受容体作動薬(例、ギャバペンチン、ギャバペンチンMR剤)、α2受容体作動薬(例、クロニジン)、局所鎮痛薬(例、カプサイシン)、抗不安薬(例、ベンゾチアゼピン)、ホスホジエステラーゼ阻害薬(例、シルデナフィル)、ドーパミン受容体作動薬(例、アポモルフィン)なども本発明の化合物(I)と併用することができる。
本発明の化合物(I)と併用薬物とを組み合わせることにより、
(1)本発明の化合物(I)または併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症など)に応じて、本発明の化合物(I)と併用する薬物を選択することができる、
(3)本発明の化合物(I)と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定することができる、
(4)本発明の化合物(I)と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、
(5)本発明の化合物(I)と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる、などの優れた効果を得ることができる。
以下、本発明の化合物(I)と併用薬物を併用して使用することを「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明の化合物(I)と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物(I)と併用薬物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物(I)と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明の化合物(I)と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明の化合物(I)と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明の化合物(I)と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明の化合物(I)と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明の化合物(I)と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物(I);併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。
本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、本発明の化合物(I)または(および)上記併用薬物を自体公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤、(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等とした後に、経口的又は非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。注射剤は、静脈内、筋肉内、皮下または臓器内投与あるいは直接病巣に投与することができる。
本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、前記した本発明の医薬の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体と同様のものがあげられる。また、更に必要に応じ、前記した本発明の医薬の製造に用いられてもよい防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。
本発明の併用剤における本発明の化合物(I)と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明の化合物(I)の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし100重量%、好ましくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし90重量%、好ましくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1ないし99.99重量%、好ましくは約10ないし90重量%程度である。
また、本発明の化合物(I)および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
これらの製剤は、製剤工程において通常一般に用いられる自体公知の方法により製造することができる。
例えば、本発明の化合物(I)または併用薬物は、分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国)、HCO 60(日光ケミカルズ製)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリンなど)、安定化剤(例、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、界面活性剤(例、ポリソルベート80、マクロゴール等)、可溶剤(例、グリセリン、エタノール等)、緩衝剤(例、リン酸及びそのアルカリ金属塩、クエン酸及びそのアルカリ金属塩等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)、pH調節剤(例、塩酸、水酸化ナトリウム等)、保存剤(例、パラオキシ安息香酸エチル、安息香酸、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール等)、溶解剤(例、濃グリセリン、メグルミン等)、溶解補助剤(例、プロピレングリコール、白糖等)、無痛化剤(例、ブドウ糖、ベンジルアルコール等)などと共に水性注射剤に、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油などの植物油、プロピレングリコールなどの溶解補助剤に溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形し、注射剤とすることができる。
また、自体公知の方法に従い、本発明の化合物(I)または併用薬物に、例えば、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプンなど)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウムなど)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースなど)又は滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール 6000など)などを添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより経口投与製剤とすることができる。コーティングに用いられるコーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、ツイーン 80、プルロニック F68、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、オイドラギット(ローム社製、ドイツ,メタアクリル酸・アクリル酸共重合)および色素(例、ベンガラ,二酸化チタン等)などが用いられる。経口投与用製剤は速放性製剤、徐放性製剤のいずれであってもよい。
さらに、自体公知の方法に従い、本発明の化合物(I)または併用薬物を、油性基剤、水性基剤または水性ゲル基剤と混合することにより、油性又は水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤とすることができる。上記油性基剤としては、例えば、高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製,ドイツ)など〕、中級脂肪酸〔例、ミグリオール類(ダイナマイトノーベル社製,ドイツ)など〕、あるいは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが挙げられる。また、水性基剤としては、例えばポリエチレングリコール類、プロピレングリコールなどが挙げられる。水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。
上記徐放性製剤としては、徐放性マイクロカプセル剤などが挙げられる。該徐放性マイクロカプセル剤は、自体公知の方法、例えば、下記〔2〕に示す方法にしたがって製造される。
本発明の化合物(I)は、固形製剤(例、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤)などの経口投与用製剤に成型するか、坐剤などの直腸投与用製剤に成型するのが好ましい。特に経口投与用製剤が好ましい。
併用薬物は、薬物の種類に応じて上記した剤形とすることができる。
以下に、〔1〕本発明の化合物(I)または併用薬物の注射剤およびその調製、〔2〕本発明の化合物(I)または併用薬物の徐放性製剤又は速放性製剤およびその調製、〔3〕本発明の化合物(I)または併用薬物の舌下錠、バッカル又は口腔内速崩壊剤およびその調製について具体的に示す。
〔1〕注射剤およびその調製
本発明の化合物(I)または併用薬物を水に溶解してなる注射剤が好ましい。該注射剤には安息香酸塩又は/およびサリチル酸塩を含有させてもよい。
該注射剤は、本発明の化合物(I)または併用薬物と所望により安息香酸塩又は/およびサリチル酸塩の双方を水に溶解することにより得られる。
上記安息香酸、サリチル酸の塩としては、例えばナトリウム,カリウムなどのアルカリ金属塩、カルシウム,マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、メグルミン塩、その他トロメタモールなどの有機酸塩などが挙げられる。
注射剤中の本発明の化合物(I)または併用薬物の濃度は0.5〜50w/v%、好ましくは3〜20w/v%程度である。また安息香酸塩又は/およびサリチル酸塩の濃度は0.5〜50w/v%、好ましくは3〜20w/v%程度である。
また、本注射剤には一般に注射剤に使用される添加剤、例えば安定化剤(例、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、界面活性剤(例、ポリソルベート80、マクロゴール等)、可溶剤(例、グリセリン、エタノール等)、緩衝剤(例、リン酸及びそのアルカリ金属塩、クエン酸及びそのアルカリ金属塩等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、塩化カリウム等)、分散剤(例、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリン)、pH調節剤(例、塩酸、水酸化ナトリウム等)、保存剤(例、パラオキシ安息香酸エチル、安息香酸等)、溶解剤(例、濃グリセリン、メグルミン等)、溶解補助剤(例、プロピレングリコール、白糖等)、無痛化剤(例、ブドウ糖、ベンジルアルコール等)などを適宜配合することができる。これらの添加剤は一般に注射剤に通常用いられる割合で配合される。
注射剤は、pH調節剤の添加により、pH2〜12好ましくはpH2.5〜8.0に調整するのがよい。
注射剤は本発明の化合物(I)または併用薬物と所望により安息香酸塩又は/およびサリチル酸塩の双方を、また必要により上記添加剤を水に溶解することにより得られる。これらの溶解はどのような順序で行ってもよく、従来の注射剤の製法と同様に適宜行うことができる。
注射用水溶液は加温するのがよく、また通常の注射剤と同様にたとえば濾過滅菌,高圧加熱滅菌などを行うことにより注射剤として供することができる。
注射用水溶液は、例えば100〜121℃の条件で5〜30分高圧加熱滅菌するのがよい。
さらに多回分割投与製剤として使用できるように、溶液の抗菌性を付与した製剤としてもよい。
〔2〕徐放性製剤又は速放性製剤およびその調製
本発明の化合物(I)または併用薬物を含んでなる核を所望により水不溶性物質や膨潤性ポリマーなどの被膜剤で被覆してなる徐放性製剤が好ましい。例えば、1日1回投与型の経口投与用徐放性製剤が好ましい。
被膜剤に用いられる水不溶性物質としては、例えばエチルセルロース、ブチルセルロースなどのセルロースエーテル類、セルロースアセテート、セルロースプロピオネートなどのセルロースエステル類、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチレートなどのポリビニルエステル類、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート共重合体、エトキシエチルメタクリレート/シンナモエチルメタクリレート/アミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、メタクリル酸アルキルアミド共重合体、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリメタクリレート、ポリメタクリルアミド、アミノアルキルメタクリレート共重合体、ポリ(メタクリル酸アンヒドリド)、グリシジルメタクリレート共重合体、とりわけオイドラギットRS−100,RL−100,RS−30D,RL−30D,RL−PO,RS−PO(アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸塩化トリメチル・アンモニウムエチル共重合体)、オイドラギットNE−30D(メタアクリル酸メチル・アクリル酸エチル共重合体)などのオイドラギット類(ローム・ファーマ社)などのアクリル酸系ポリマー、硬化ヒマシ油(例、ラブリーワックス(フロイント産業)など)などの硬化油、カルナバワックス、脂肪酸グリセリンエステル、パラフィンなどのワックス類、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
膨潤性ポリマーとしては、酸性の解離基を有し、pH依存性の膨潤を示すポリマーが好ましく、胃内のような酸性領域では膨潤が少なく、小腸や大腸などの中性領域で膨潤が大きくなる酸性の解離基を有するポリマーが好ましい。
このような酸性の解離基を有し,pH依存性の膨潤を示すポリマーとしては、例えばカーボマー(Carbomer)934P、940、941、974P、980、1342等、ポリカーボフィル(polycarbophil)、カルシウムポリカボーフィル(carcium polycarbophil)(前記はいずれもBFグッドリッチ社製)、ハイビスワコー103、104、105、304(いずれも和光純薬(株)製)などの架橋型ポリアクリル酸重合体が挙げられる。
徐放性製剤に用いられる被膜剤は親水性物質をさらに含んでいてもよい。
該親水性物質としては、例えばプルラン、デキストリン、アルギン酸アルカリ金属塩などの硫酸基を有していてもよい多糖類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル基を有する多糖類、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
徐放性製剤の被膜剤における水不溶性物質の含有率は約30ないし約90%(w/w)、好ましくは約35ないし約80%(w/w)、さらに好ましくは約40ないし75%(w/w)、膨潤性ポリマーの含有率は約3ないし約30%(w/w)、好ましくは約3ないし約15%(w/w)である。被膜剤は親水性物質をさらに含んでいてもよく、その場合被膜剤における親水性物質の含有率は約50%(w/w)以下、好ましくは約5〜約40%(w/w)、さらに好ましくは約5〜約35%(w/w)である。ここで上記%(w/w)は被膜剤液から溶媒(例、水、メタノール、エタノール等の低級アルコール等)を除いた被膜剤組成物に対する重量%を示す。
徐放性製剤は、以下に例示するように薬物を含む核を調製し、次いで得られた核を、水不溶性物質や膨潤性ポリマーなどを加熱溶解あるいは溶媒に溶解又は分散させた被膜剤液で被覆することにより製造される。
I.薬剤を含む核の調製。
被膜剤で被覆される薬物を含む核(以下、単に核と称することがある)の形態は特に制限されないが、好ましくは顆粒あるいは細粒などの粒子状に形成される。
核が顆粒又は細粒の場合、その平均粒子径は、好ましくは約150ないし2,000μm、さらに好ましくは約500ないし約1,400μmである。
核の調製は通常の製造方法で実施することができる。例えば、薬物に適当な賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定化剤等を混合し、湿式押し出し造粒法、流動層造粒法などにより調製する。
核の薬物含量は、約0.5ないし約95%(w/w)、好ましくは約5.0ないし約80%(w/w)、さらに好ましくは約30ないし約70%(w/w)である。
核に含まれる賦形剤としては、例えば白糖、乳糖、マンニトール、グルコースなどの糖類、澱粉、結晶セルロース、リン酸カルシウム、コーンスターチなどが用いられる。中でも、結晶セルロース、コーンスターチが好ましい。
結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、プルロニックF68、アラビアゴム、ゼラチン、澱粉などが用いられる。崩壊剤としては、例えばカルボキシメチルセルロースカルシウム(ECG505)、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol)、架橋型ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)などが用いられる。中でも、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。滑沢剤、凝集防止剤としては例えばタルク、ステアリン酸マグネシウムおよびその無機塩、また潤滑剤としてポリエチレングリコールなどが用いられる。安定化剤としては酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸などの酸が用いられる。
核は上記製造法以外にも、例えば核の中心となる不活性担体粒子上に水、低級アルコール(例、メタノール、エタノールなど)等の適当な溶媒に溶解した結合剤をスプレーしながら、薬物あるいはこれと賦形剤、滑沢剤などとの混合物を少量づつ添加して行なう転動造粒法、パンコーティング法、流動層コーティング法や溶融造粒法によっても調製することができる。不活性担体粒子としては、例えば白糖、乳糖、澱粉、結晶セルロース、ワックス類で製造されたものが使用でき、その平均粒子径は約100μmないし約1,500μmであるものが好ましい。
核に含まれる薬物と被膜剤とを分離するために、防護剤で核の表面を被覆してもよい。防護剤としては、例えば前記親水性物質や、水不溶性物質等が用いられる。防護剤は、好ましくはポリエチレングリコールやヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル基を有する多糖類、より好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが用いられる。該防護剤には安定化剤として酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸等の酸や、タルクなどの滑沢剤を含んでいてもよい。防護剤を用いる場合、その被覆量は核に対して約1ないし約15%(w/w)、好ましくは約1ないし約10%(w/w)、さらに好ましくは約2ないし約8%(w/w)である。
防護剤は通常のコーティング法により被覆することができ、具体的には、防護剤を例えば流動層コーティング法、パンコーティング法等により核にスプレーコーティングすることで被覆することができる。
II.核の被膜剤による被覆
前記Iで得られた核を、前記水不溶性物質及び pH依存性の膨潤性ポリマー、および親水性物質を加熱溶解あるいは溶媒に溶解又は分散させた被膜剤液により被覆することにより徐放性製剤が製造される。
核の被膜剤液による被覆方法として、例えば噴霧コーティングする方法などが挙げられる。
被膜剤液中の水不溶性物質、膨潤性ポリマー又は親水性物質の組成比は、被膜中の各成分の含有率がそれぞれ前記含有率となるように適宜選ばれる。
被膜剤の被覆量は、核(防護剤の被覆量を含まない)に対して約1ないし約90%(w/w)、好ましくは約5ないし約50%(w/w)、さらに好ましくは約5ないし35%(w/w)である。
被膜剤液の溶媒としては水又は有機溶媒を単独であるいは両者の混液を用いることができる。混液を用いる際の水と有機溶媒との混合比(水/有機溶媒:重量比)は、1ないし100%の範囲で変化させることができ、好ましくは1ないし約30%である。該有機溶媒としては、水不溶性物質を溶解するものであれば特に限定されないが、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール等の低級アルコール、アセトンなどの低級アルカノン、アセトニトリル、クロロホルム、メチレンクロライドなどが用いられる。このうち低級アルコールが好ましく、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが特に好ましい。水及び水と有機溶媒との混液が被膜剤の溶媒として好ましく用いられる。この時、必要であれば被膜剤液中に被膜剤液安定化のために酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸などの酸を加えてもよい。
噴霧コーティングにより被覆する場合の操作は通常のコーティング法により実施することができ、具体的には、被膜剤液を例えば流動層コーティング法、パンコーティング法等により核にスプレーコーティングすることで実施することができる。この時必要であれば、タルク、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸などを滑沢剤として、グリセリン脂肪酸エステル、硬化ヒマシ油、クエン酸トリエチル、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどを可塑剤として添加してもよい。
被膜剤による被膜後、必要に応じてタルクなどの帯電防止剤を混合してもよい。
速放性製剤は、液状(溶液、懸濁液、乳化物など)であっても固形状(粒子状、丸剤、錠剤など)であってもよい。速放性製剤としては、経口投与剤、注射剤など非経口投与剤が用いられるが、経口投与剤が好ましい。
速放性製剤は、通常、活性成分である薬物に加えて、製剤分野で慣用される担体、添加剤や賦形剤(以下、賦形剤と略称することがある)を含んでいてもよい。用いられる賦形剤は、製剤賦形剤として常用される賦形剤であれば特に限定されない。例えば経口固形製剤用の賦形剤としては、乳糖、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース(旭化成(株)製、アビセルPH101など)、粉糖、グラニュウ糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、L−システインなどが挙げられ、好ましくはコーンスターチおよびマンニトールなどが挙げられる。これらの賦形剤は一種又は二種以上を組み合わせて使用できる。賦形剤の含有量は速放性製剤全量に対して、例えば約4.5〜約99.4w/w%、好ましくは約20〜約98.5w/w%、さらに好ましくは約30〜約97w/w%である。
速放性製剤における薬物の含量は、速放性製剤全量に対して、約0.5〜約95%、好ましくは約1〜約60%の範囲から適宜選択することができる。
速放性製剤が経口固型製剤の場合、通常上記成分に加えて、崩壊剤を含有する。このような崩壊剤としては、例えばカルボキシメチルセルロースカルシウム(五徳薬品製、ECG−505)、クロスカルメロースナトリウム(例えば、旭化成(株)製、アクジゾル)、クロスポビドン(例えば、BASF社製、コリドンCL)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学(株))、カルボキシメチルスターチ(松谷化学(株)、カルボキシメチルスターチナトリウム(木村産業製、エキスプロタブ)、部分α化デンプン(旭化成(株)製、PCS)などが用いられ、例えば水と接触して吸水、膨潤、あるいは核を構成している有効成分と賦形剤との間にチャネルを作るなどにより顆粒を崩壊させるものを用いることができる。これらの崩壊剤は、一種又は二種以上を組み合わせて使用できる。崩壊剤の配合量は、用いる薬物の種類や配合量、放出性の製剤設計などにより適宜選択されるが、速放性製剤全量に対して、例えば約0.05〜約30w/w%、好ましくは約0.5〜約15w/w%である。
速放性製剤が経口固型製剤である場合、経口固型製剤の場合には上記の組成に加えて、所望により固型製剤において慣用の添加剤をさらに含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば結合剤(例えば、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリンなど)、滑沢剤(例えば、ポリエチレングリコール、ステアリン酸マグネシウム、タルク、軽質無水ケイ酸(例えば、アエロジル(日本アエロジル))、界面活性剤(例えば、アルキル硫酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体等の非イオン系界面活性剤など)、着色剤(例えば、タール系色素、カラメル、ベンガラ、酸化チタン、リボフラビン類)、必要ならば、矯味剤(例えば、甘味剤、香料など)、吸着剤、防腐剤、湿潤剤、帯電防止剤などが用いられる。また、安定化剤として酒石酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸などの有機酸を加えてもよい。
上記結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコールおよびポリビニルピロリドンなどが好ましく用いられる。
速放性製剤は、通常の製剤の製造技術に基づき、前記各成分を混合し、必要により、さらに練合し、成型することにより調製することができる。上記混合は、一般に用いられる方法、例えば、混合、練合などにより行われる。具体的には、例えば速放性製剤を粒子状に形成する場合、前記徐放性製剤の核の調製法と同様の手法により、バーチカルグラニュレーター、万能練合機(畑鉄工所製)、流動層造粒機FD−5S(パウレック社製)等を用いて混合しその後、湿式押し出し造粒法、流動層造粒法などにより造粒することにより調製することができる。
このようにして得られた速放性製剤と徐放性製剤とは、そのままあるいは適宜、製剤賦形剤等と共に常法により別々に製剤化後、同時あるいは任意の投与間隔を挟んで組み合わせて投与する製剤としてもよく、また両者をそのままあるいは適宜、製剤賦形剤等と共に一つの経口投与製剤(例、顆粒剤、細粒剤、錠剤、カプセル等)に製剤化してもよい。両製剤を顆粒あるいは細粒に製して、同一のカプセル等に充填して経口投与用製剤としてもよい。
〔3〕舌下錠、バッカル又は口腔内速崩壊剤およびその調製
舌下錠、バッカル製剤、口腔内速崩壊剤は錠剤などの固形製剤であってもよいし、口腔粘膜貼付錠(フィルム)であってもよい。
舌下錠、バッカル又は口腔内速崩壊剤としては、本発明の化合物(I)または併用薬物と賦形剤とを含有する製剤が好ましい。また、滑沢剤、等張化剤、親水性担体、水分散性ポリマー、安定化剤などの補助剤を含有していてもよい。また、吸収を容易にし、生体内利用率を高めるためにβ−シクロデキストリン又はβ−シクロデキストリン誘導体(例、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンなど)などを含有していてもよい。
上記賦形剤としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられ、特に、ステアリン酸マグネシウムやコロイドシリカが好ましい。等張化剤としては塩化ナトリウム、グルコース、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、サッカロース、グリセリン、尿素などが挙げられ、特にマンニトールが好ましい。親水性担体としては結晶セルロース、エチルセルロース、架橋性ポリビニルピロリドン、軽質無水珪酸、珪酸、リン酸二カルシウム、炭酸カルシウムなどの膨潤性親水性担体が挙げられ、特に結晶セルロース(例、微結晶セルロースなど)が好ましい。水分散性ポリマーとしてはガム(例、トラガカントガム、アカシアガム、グアーガム)、アルギン酸塩(例、アルギン酸ナトリウム)、セルロース誘導体(例、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ゼラチン、水溶性デンプン、ポリアクリル酸(例、カーボマー)、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリカーボフィル、アスコルビン酸パルミチン酸塩などが挙げられ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、アルギン酸塩、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどが好ましい。特にヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。安定化剤としては、システイン、チオソルビトール、酒石酸、クエン酸、炭酸ナトリウム、アスコルビン酸、グリシン、亜硫酸ナトリウムなどが挙げられ、特に、クエン酸やアスコルビン酸が好ましい。
舌下錠、バッカル又は口腔内速崩壊剤は、本発明の化合物(I)または併用薬物と賦形剤とを自体公知の方法により混合することにより製造することができる。さらに、所望により上記した滑沢剤、等張化剤、親水性担体、水分散性ポリマー、安定化剤、着色剤、甘味剤、防腐剤などの補助剤を混合してもよい。上記成分を同時に若しくは時間差をおいて混合した後、加圧打錠成形することにより舌下錠、バッカル錠又は口腔内速崩壊錠が得られる。適度な硬度を得るため、打錠成形の過程の前後において必要に応じ水やアルコールなどの溶媒を用いて加湿・湿潤させ、成形後、乾燥させて製造してもよい。
粘膜貼付錠(フィルム)に成型する場合は、本発明の化合物(I)または併用薬物および上記した水分散性ポリマー(好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、賦形剤などを水などの溶媒に溶解させ、得られる溶液を流延させて(cast)フィルムとする。さらに、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、保存剤、着色剤、緩衝剤、甘味剤などの添加物を加えてもよい。フィルムに適度の弾性を与えるためポリエチレングリコールやプロピレングリコールなどのグリコール類を含有させたり、口腔の粘膜ライニングへのフィルムの接着を高めるため生物接着性ポリマー(例、ポリカルボフィル、カルボポール)を含有させてもよい。流延は、非接着性表面に溶液を注ぎ、ドクターブレードなどの塗布用具で均一な厚さ(好ましくは10〜1000ミクロン程度)にそれを広げ、次いで溶液を乾燥してフィルムを形成することにより達成される。このように形成されたフィルムは室温若しくは加温下乾燥させ、所望の表面積に切断すればよい。
好ましい口腔内速崩壊剤としては、本発明の化合物(I)または併用薬物と、本発明の化合物(I)または併用薬物とは不活性である水溶性若しくは水拡散性キャリヤーとの網状体からなる固体状の急速拡散投与剤が挙げられる。該網状体は、本発明の化合物(I)または併用薬物を適当な溶媒に溶解した溶液とから構成されている固体状の該組成物から溶媒を昇華することによって得られる。
該口腔内速崩壊剤の組成物中には、本発明の化合物(I)または併用薬物に加えて、マトリックス形成剤と二次成分とを含んでいるのが好ましい。
該マトリックス形成剤としてはゼラチン類、デキストリン類ならびに大豆、小麦ならびにオオバコ(psyllium)種子蛋白などの動物性蛋白類若しくは植物性タンパク類;アラビアゴム、グアーガム、寒天ならびにキサンタンなどのゴム質物質;多糖類;アルギン酸類;カルボキシメチルセルロース類;カラゲナン類;デキストラン類;ペクチン類;ポリビニルピロリドンなどの合成ポリマー類;ゼラチン−アラビアゴムコンプレックスなどから誘導される物質が含まれる。さらに、マンニトール、デキストロース、ラクトース、ガラクトースならびにトレハロースなどの糖類;シクロデキストリンなどの環状糖類;リン酸ナトリウム、塩化ナトリウムならびにケイ酸アルミニウムなどの無機塩類;グリシン、L−アラニン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L−ヒドロシキプロリン、L−イソロイシン、L−ロイシンならびにL−フェニルアラニンなどの炭素原子数が2から12までのアミノ酸などが含まれる。
マトリックス形成剤は、その1種若しくはそれ以上を、固形化の前に、溶液又は懸濁液中に導入することができる。かかるマトリックス形成剤は、界面活性剤に加えて存在していてもよく、また界面活性剤が排除されて存在していてもよい。マトリックス形成剤はそのマトリックスを形成することに加えて、本発明の化合物(I)または併用薬物の拡散状態をその溶液又は懸濁液中に維持する助けをすることができる。
保存剤、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、着色剤、pH調整剤、香味料、甘味料若しくは食味マスキング剤などの二次成分を組成物中に含有していてよい。適当な着色剤としては、赤色、黒色ならびに黄色酸化鉄類およびエリス・アンド・エベラールド社のFD&Cブルー2号ならびにFD&Cレッド40号などのFD&C染料が挙げられる。適当な香味料には、ミント、ラスベリー、甘草、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、カラメル、バニラ、チェリーならびにグレープフレーバーおよびこれらを組合せたものが含まれる。適当なpH調整剤には、クエン酸、酒石酸、リン酸、塩酸およびマレイン酸が含まれる。適当な甘味料としてはアスパルテーム、アセスルフェームKならびにタウマチンなどが含まれる。適当な食味マスキング剤としては、重炭酸ナトリウム、イオン交換樹脂、シクロデキストリン包接化合物、吸着質物質ならびにマイクロカプセル化アポモルフィンが含まれる。
製剤には通常約0.1〜約50重量%、好ましくは約0.1〜約30重量%の本発明の化合物(I)または併用薬物を含み、約1分〜約60分の間、好ましくは約1分〜約15分の間、より好ましくは約2分〜約5分の間に(水に)本発明の化合物(I)または併用薬物の90%以上を溶解させることが可能な製剤(上記、舌下錠、バッカルなど)や、口腔内に入れられて1ないし60秒以内に、好ましくは1ないし30秒以内に、さらに好ましくは1ないし10秒以内に崩壊する口腔内速崩壊剤が好ましい。
上記賦形剤の製剤全体に対する含有量は、約10〜約99重量%、好ましくは約30〜約90重量%である。β−シクロデキストリン又はβ−シクロデキストリン誘導体の製剤全体に対する含有量は0〜約30重量%である。滑沢剤の製剤全体に対する含有量は、約0.01〜約10重量%、好ましくは約1〜約5重量%である。等張化剤の製剤全体に対する含有量は、約0.1〜約90重量%、好ましくは、約10〜約70重量%である。親水性担体の製剤全体に対する含有量は約0.1〜約50重量%、好ましくは約10〜約30重量%である。水分散性ポリマーの製剤全体に対する含有量は、約0.1〜約30重量%、好ましくは約10〜約25重量%である。安定化剤の製剤全体に対する含有量は約0.1〜約10重量%、好ましくは約1〜約5重量%である。上記製剤はさらに、着色剤、甘味剤、防腐剤などの添加剤を必要に応じ含有していてもよい。
本発明の併用剤の投与量は、本発明の化合物(I)の種類、年齢、体重、症状、剤形、投与方法、投与期間などにより異なるが、例えば、糖尿病患者(成人、体重約60kg)一人あたり、通常、本発明の化合物(I)および併用薬物として、それぞれ1日約0.01〜約1000mg/kg、好ましくは約0.01〜約100mg/kg、より好ましくは約0.1〜約100mg/kg、とりわけ約0.1〜約50mg/kgを、なかでも約1.5〜約30mg/kgを1日1回から数回に分けて静脈投与される。もちろん、前記したように投与量は種々の条件で変動するので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
併用薬物は、副作用が問題とならない範囲でどのような量を設定することも可能である。併用薬物としての一日投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、感受性差、投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類、有効成分の種類などによって異なり、特に限定されないが、薬物の量として通常、たとえば経口投与で哺乳動物1kg体重あたり約0.001〜2000mg、好ましくは約0.01〜500mg、さらに好ましくは、約0.1〜100mg程度であり、これを通常1日1〜4回に分けて投与する。
本発明の併用剤を投与するに際しては、本発明の化合物(I)と併用薬物とを同時期に投与してもよいが、併用薬物を先に投与した後、本発明の化合物(I)を投与してもよいし、本発明の化合物(I)を先に投与し、その後で併用薬物を投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分〜3日以内、好ましくは10分〜1日以内、より好ましくは15分〜1時間以内に本発明の化合物(I)を投与する方法が挙げられる。本発明の化合物(I)を先に投与する場合、本発明の化合物(I)を投与した後、1分〜1日以内、好ましくは10分〜6時間以内、より好ましくは15分から1時間以内に併用薬物を投与する方法が挙げられる。
好ましい投与方法としては、例えば、経口投与製剤に製形された併用薬物約0.001〜200mg/kgを経口投与し、約15分後に経口投与製剤に製形された本発明の化合物(I) 約0.005〜100mg/kgを1日量として経口投与する。
本発明の化合物(I)もしくはその塩またはそのプロドラッグは、優れたRFRP受容体機能調節作用を有し、優れた経口吸収性を示すことから、安全かつ有効な医薬として、鎮痛剤、モルヒネ等の鎮痛作用促進剤、モルヒネ等による耐性回避剤、プロラクチン分泌調節剤、膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤、尿生成抑制剤、膀胱収縮抑制剤などとして用いられる。
本発明はさらに下記の参考例、実施例、製剤例及び試験例で詳しく説明されるが、これらの例は単なる実例であって本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
参考例、実施例のカラムクロマトグラフィーにおける溶出はTLC(Thin Layer Chromatography,薄層クロマトグラフィー)による観察下に行なわれた。TLC観察においては、TLCプレートとしてメルク(Merck)社製の60F254または富士シリシア化学社製のNHを、展開溶媒としてはカラムクロマトグラフィーで溶出溶媒として用いられた溶媒を、検出法としてUV検出器を採用した。カラム用シリカゲルは同じくメルク社製のキーゼルゲル60(70ないし230メッシュ)またはキーゼルゲル60(230ないし400メッシュ)を用いた。NMRスペクトルは内部又は外部基準としてテトラメチルシランを用いてバリアンGemini 200型、バリアンMercury300型またはブルッカDPX−300型スペクトロメーターで測定し、化学シフトをδ値で、カップリング定数をHzで示した。IRスペクトルは島津FTIR−8200型スペクトロメーターで測定した。
参考例、実施例において、HPLCは以下の条件により測定し、純度等を決定した。
測定機器:島津製作所 LC-10Avpシステム(特記なき場合)またはアジレント1100システム
カラム:CAPSEL PAK C18UG120 S-3 μm, 2.0 X 50mm
溶媒:A液; 0.1% トリフルオロ酢酸 含有水、
B液; 0.1% トリフルオロ酢酸 含有アセトニトリル
グラジエントサイクル:(A法): 0.00分(A液/B液=90/10), 2.00分(A液/B液=5/95), 2.75分(A液/B液=5/95), 2.76分(A液/B液=90/10), 3.45分(A液/B液=90/10)、または(B法): 0.00分(A液/B液=90/10), 4.00分(A液/B液=5/95), 5.50分(A液/B液=5/95), 5.51分(A液/B液=90/10), 8.00分(A液/B液=90/10)
注入量:10 μl、流速:0.5 ml/min、検出法:UV 220nm
参考例、実施例において、マススペクトル(MS)は以下の条件により測定した。
測定機器:マイクロマス社 プラットフォームII、ウオーターズ社 ZQ、ウオーターズ社 ZMD、または日本電子株式会社 JMS-AX505W
イオン化法:大気圧化学イオン化法(Atmospheric Pressure Chemical Ionization: APCI)、電子衝撃イオン化法(Electron Spray Ionization : ESI)、または高速原子衝突イオン化法(Fast Atom Bombardment : FAB)
参考例、実施例における化合物の精製はカラムクロマトグラフィーの他、以下に記した分取HPLC機器あるいは中圧分取LC機器を用いた。
1)分取HPLC機器:ギルソン社ハイスループット精製システム
カラム:YMC Combiprep ODS-A S-5 μm, 50 X 20 mm
溶媒:A液; 0.1% トリフルオロ酢酸 含有水、
B液; 0.1% トリフルオロ酢酸 含有アセトニトリル
グラジエントサイクル: 0.00分(A液/B液=90/10), 1.20分(A液/B液=90/10), 4.75分(A液/B液=0/100), 7.30分(A液/B液=0/100), 7.40分(A液/B液=90/10), 7.50分(A液/B液=90/10)
流速:25 ml/min、検出法:UV 220nm
2)中圧分取LC機器:モリテックス社ハイスループット精製システム(purif 8)
カラム:山善株式会社 HI-FLASHTMCOLUMN (シリカゲル:40μm、60Å)、26 x 100 mmまたは20 x 65 mm
流速:20 ml/分
検出法:UV 254nm 混合溶媒において( )内に示した数値は各溶媒の容量混合比である。また溶液における%は溶液100ml中のg数を表わす。
また、参考例、実施例中の記号は次のような意味である。
s :シングレット(singlet)
d :ダブレット(doublet)
t :トリプレット(triplet)
q :クワルテット(quartet)
dd :ダブルダブレット(double doublet)
m :マルチプレット(multiplet)
br :ブロード(broad)
brs :ブロード シングレット(broad singlet)
J :カップリング定数(coupling constant)
CDCl3 :重クロロホルム
DMSO-d6 :重ジメチルスルホキシド
1H-NMR :プロトン核磁気共鳴
WSC :水溶性カルボジイミド
THF :テトラヒドロフラン
DMF :ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
本明細書において、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸
cDNA :相補的デオキシリボ核酸
A :アデニン
T :チミン
G :グアニン
C :シトシン
Gly :グリシン
Ala :アラニン
Val :バリン
Leu :ロイシン
Ile :イソロイシン
Ser :セリン
Thr :スレオニン
Cys :システイン
Met :メチオニン
Glu :グルタミン酸
Asp :アスパラギン酸
Lys :リジン
Arg :アルギニン
His :ヒスチジン
Phe :フェニルアラニン
Tyr :チロシン
Trp :トリプトファン
Pro :プロリン
Asn :アスパラギン
Gln :グルタミン
本明細書の配列表の配列番号は、以下の配列を示す。
〔配列番号:1〕
ヒト型RFRP受容体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:2〕
ラット型RFRP受容体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:3〕
ヒトRFRPのアミノ酸配列を示す。
参考例1
3−ベンジルアミノメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
(3−ベンジルアミノメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩)
特開平8−295693の実施例8に記載の方法により得た。
参考例2
3−アニリノメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
(3−アニリノメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル)
特開平8−295693の実施例9−1に記載の方法により得た。
参考例3
7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−3−(3−フェニルプロピルアミノメチル)−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 二塩酸塩
(4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−(3−フェニルプロピルアミノメチル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 二塩酸塩)
特開平8−295693の実施例9−3に記載の方法により得た。
参考例4
3−(N−ベンジル−N−プロピルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
(3−(N−ベンジル−N−プロピルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩)
特開平8−295693の実施例9−39に記載の方法により得た。
参考例5
2−ベンジルアミノメチル−7−(2−メトキシベンジル)−4−オキソ−3−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル しゅう酸塩
(2−ベンジルアミノメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−3−フェニル−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル しゅう酸塩)
特開平8−295693の実施例10−5に記載の方法により得た。
参考例6
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド 塩酸塩
(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド)
特開平8−295693の実施例17に記載の方法により得た。
参考例7
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−N,N−ジメチル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド 塩酸塩
(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−N,N−ジメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド)
特開平8−295693の実施例18−1に記載の方法により得た。
参考例8
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−(1−ピペリジニルカルボニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−5−ピペリジノカルボニルチエノ[2,3−b]ピリジン)
特開平8−295693の実施例18−3に記載の方法により得た。
参考例9
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボアルデヒド
(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−5−ホルミル−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)
特開平8−295693の実施例22に記載の方法により得た。
参考例10
5−アセチル−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(5−アセチル−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)
特開平8−295693の実施例36−1に記載の方法により得た。
参考例11
5−アセチル−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(5−アセチル−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)
特開平8−295693の実施例35に記載の方法により得た。
参考例12
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−プロピオニルチエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−5−プロピオニルチエノ[2,3−b]ピリジン)
特開平8−295693の実施例36−2に記載の方法により得た。
参考例13
N−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェニル]プロパンアミド 塩酸塩
(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−2−(4−プロピオニルアミノフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)
特開平8−295693の実施例57−2に記載の方法により得た。
参考例14
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−N−メトキシ−N−メチル−2−(4−メチルウレイドフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド
(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−N,O−ジメチル−2−(4−メチルウレイドフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−ヒドロキサム酸)
特開平8−295693の実施例51−2に記載の方法により得た。
参考例15
N−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェニル]−2−メチルプロパンアミド
(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−2−(4−イソブチリルアミノフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)
特開平8−295693の実施例57−10に記載の方法により得た。
参考例16
N−[4−[7−(2,6−ジフルオロベンジル)−3−[N−(2−フルオロベンジル)−N−メチルアミノメチル]−5−イソブチリル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェニル]−2−メチルプロパンアミド 塩酸塩
(7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−3−[N−(2−フルオロベンジル)−N−メチルアミノメチル]−5−イソブチリル−2−(4−イソブチリルアミノフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)
特開平10−45625の参考例3−18(1)に記載の方法により得た。
参考例17
N−[4−[5−ベンゾイル−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェニル]−2,2,2−トリフルオロアセタミド
(5−ベンゾイル−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−2−(4−トリフルオロアセチルアミノフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)
特開平10−45625の参考例3−19に記載の方法により得た。
参考例18
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−2−(4−イソプロポキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン塩酸塩
(3−([N−ベンジル−N−メチルアミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−2−(4−イソプロポキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)
特開平10−45625の参考例5−5(2)に記載の方法により得た。
参考例19
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−2−[4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン塩酸塩
(3−([N−ベンジル−N−メチルアミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−4−オキソ−2−[4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル]チエノ[2,3−b]ピリジン)
特開平10−45625の参考例5−5(6)に記載の方法により得た。
実施例1
3−(N−ベンジル−N−エチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル しゅう酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−エチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル しゅう酸塩)
特開平8−295693の実施例6に記載されている3−ブロモメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(0.40g,0.737mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.19mL,1.09mmol)のDMF(8mL)溶液に、N−ベンジルエチルアミン(0.14mL,0.941mmol)を加えた。反応液を室温で1時間半撹拌した後、反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(クロロホルム−メタノール,3%〜20%で溶出)、得られた油状物を酢酸エチル−イソプロピルエーテルで結晶化させ、フリーアミンを0.282g(収率64%)得た。さらに、フリーアミン(0.275g)をアセトン(10mL)に加温して溶解させ、この溶液にしゅう酸(42mg)のアセトン(4mL)溶液を加えた。室温で5分間撹拌した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をアセトン−エーテルで洗浄して、表題化合物を淡黄色結晶として0.275g得た。
融点[しゅう酸塩]:87−91℃
H−NMR[フリーアミン](200MHz;CDCl)δ:0.97(3H,t,J=7.1Hz),1.39(3H,t,J=7.1Hz),2.66(2H,br),3.80(2H,br),3.86(3H,s),3.87(3H,s),4.29(2H,brs),4.39(2H,q,J=7.1Hz),5.17(2H,s),6.93−7.01(4H,m),7.10−7.42(6H,m),7.79(2H,d,J=8.4Hz),8.41(1H,s).
IR[しゅう酸塩](KBr)ν:3422,2980,1725,1605,1502,1460 cm−1
元素分析値(C3536S・C・1.5HO)
計算値:C,62.26;H,5.79;N,3.92
実測値:C,62.09;H,5.73;N,4.08
実施例2
3−ベンジルオキシメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
(3−ベンジルオキシメチル−4,7−ジヒドロ−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル)
水素化ナトリウム[60%油状物](55mg,1.38mmol)のDMF(1mL)けんだく液に、氷冷窒素気流下、ベンジルアルコール(0.12g,1.11mmol)のDMF(1mL)溶液を加えた。同温度で30分間撹拌後、これに特開平8−295693の実施例6に記載されている3−ブロモメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(0.40g,0.737mmol)のDMF(6mL)溶液を加えた。氷浴をはずし室温に昇温しながら反応液を3時間撹拌した。反応後、反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム水溶液で分配した。水層を酢酸エチルで抽出した後、酢酸エチル抽出層をあわせて飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(クロロホルム−メタノール,1%〜2%で溶出)、表題化合物を、淡黄色油状物として0.131g(収率31%)得た。この油状物(96mg)を酢酸エチル−イソプロピルエーテルで結晶化させ、白色結晶を61mg得た。
融点:153−154℃
H−NMR(200MHz;CDCl)δ:1.40(3H,t,J=7.1Hz),3.83(3H,s),3.86(3H,s),4.40(2H,q,J=7.1Hz),4.77(2H,s),4.94(2H,s),5.17(2H,s),6.86−6.99(4H,m),7.20−7.41(7H,m),7.50(2H,d,J=8.8Hz),8.42(1H,s).
IR(KBr)ν:2962,1725,1609,1595,1499,1462 cm−1
元素分析値(C3331NOS)
計算値:C,69.58;H,5.48;N,2.46
実測値:C,69.31;H,5.40;N,2.44
実施例3
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−5−ヘプタノイル−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−5−(n−ヘキシルカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン 塩酸塩)
特開平8−295693の実施例7の化合物22として記載されている3−ブロモメチル−7−(2−フルオロベンジル)−5−ヘプタノイル−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(0.14g,0.24mmol)とN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.050mL,0.29mmol)のDMF(15mL)溶液に、N−ベンジルメチルアミン(0.037mL,0.29mmol)を加えた。反応液を室温で1時間半撹拌した後、反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(クロロホルム−メタノール,5%〜10%で溶出)、固体を0.128g(収率86%)得た。さらに、フリーアミン(0.12g)をジクロロメタン(8mL)に溶解させ、この溶液に1Mエーテル性塩酸(0.38mL)を氷冷下加えた。溶媒を減圧下留去した後、エーテルで洗浄して、表題化合物を白色固体として0.09g得た。
融点[塩酸塩]:160−172℃
H−NMR[フリーアミン](300MHz;CDCl)δ:0.89(3H,t,J=6.8Hz),1.30−1.44(6H,m),1.65−1.74(2H,m),2.10−2.40(3H,br),3.27(2H,t,J=7.4Hz),3.86(5H,s),4.26(2H,brs),5.27(2H,s),6.96(2H,d,J=8.7Hz),7.11−7.42(9H,m),7.64(2H,d,J=8.1Hz),8.36(1H,s).
元素分析値(C3739SF・HCl・2.0HO)
計算値:C,65.04;H,6.19;N,4.10
実測値:C,65.20;H,6.11;N,4.36
実施例4
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−シクロヘキシルカルボニル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−5−シクロヘキシルカルボニル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン 塩酸塩)
実施例3と同様にして、特開平8−295693の実施例34の化合物13として記載されている3−ブロモメチル−5−シクロヘキシルカルボニル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(0.26g,0.46mmol)から表題化合物を、白色固体として0.255g(収率92%)得た。
融点:165−172℃
H−NMR[フリーアミン](300MHz;CDCl)δ:1.33−1.49(6H,m),1.74−1.82(2H,m),2.01(2H,brd),2.10−2.30(3H,br),3.60−3.80(1H,br),3.88(3H,s),3.91(2H,brs),4.25(2H,brs),5.26(2H,s),6.96(2H,d,J=8.6Hz),7.11−7.40(9H,m),7.63(2H,d,J=8.0Hz),8.26(1H,s).
元素分析値(C3737SF・HCl・1.5HO)
計算値:C,66.11;H,6.15;N,4.17
実測値:C,66.40;H,6.08;N,4.18
実施例5
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−(2,2−ジメチルプロパノイル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−5−(tert−ブチルカルボニル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン 塩酸塩)
実施例3と同様にして、特開平8−295693の実施例34の化合物8として記載されている3−ブロモメチル−5−(2,2−ジメチルプロパノイル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(0.15g,0.28mmol)から表題化合物を、白色固体として0.13g(収率92%)得た。
融点:195−200℃
H−NMR[フリーアミン](300MHz;CDCl)δ:1.32(9H,s),2.28−2.34(3H,br),3.86(5H,s),4.25(2H,brs),5.24(2H,s),6.96(2H,d,J=8.8Hz),7.11−7.41(9H,m),7.56(1H,brs)7.63(2H,brd,J=7.5Hz).
元素分析値(C3535SF・HCl・1.0HO)
計算値:C,65.97;H,6.01;N,4.40
実測値:C,65.72;H,5.78;N,4.26
実施例6
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−5−ヘキサノイル−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−5−(n−ペンチルカルボニル)チエノ[2,3−b]ピリジン 塩酸塩)
実施例3と同様にして、特開平8−295693の実施例7の化合物20として記載されている3−ブロモメチル−7−(2−フルオロベンジル)−5−ヘキサノイル−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(0.20g,0.36mmol)から表題化合物を、白色固体として0.18g(収率88%)得た。
融点:165−171℃
H−NMR[フリーアミン](300MHz;CDCl)δ:0.91(3H,t,J=7.0Hz),1.34−1.41(4H,br),1.70(2H,m),2.00−2.50(3H,br),3.26(2H,t,J=7.4Hz),3.86(5H,brs),4.29(2H,brs),5.29(2H,s),6.96(2H,d,J=8.6Hz),7.11−7.41(9H,m),7.62(2H,brd)8.37(1H,s).
元素分析値(C3637SF・HCl・0.9HO)
計算値:C,66.58;H,6.19;N,4.30
実測値:C,66.88;H,6.18;N,4.31
実施例7
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−(4−フルオロベンゾイル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−5−(4−フルオロベンゾイル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン 塩酸塩)
実施例3と同様にして、特開平8−295693の実施例34の化合物14として記載されている3−ブロモメチル−5−(4−フルオロベンゾイル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(0.48g,0.83mmol)から表題化合物を、白色固体として0.46g(収率89%)得た。
融点:154−160℃
H−NMR[フリーアミン](300MHz;CDCl)δ:2.10−2.20(3H,br),3.64(2H,br),3.86(3H,s),4.14(2H,brs),5.28(2H,s),6.94(2H,d,J=8.4Hz),7.01−7.41(11H,m),7.80(2H,brd)7.91−7.98(3H,m).
元素分析値(C3730SF・HCl・1.0HO)
計算値:C,65.82;H,4.93;N,4.15
実測値:C,65.72;H,4.79;N,4.00
実施例8
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−(2−メチルブタノイル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−メチルプロピルカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン 塩酸塩)
実施例3と同様にして、特開平8−295693の実施例34の化合物7として記載されている3−ブロモメチル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−(2−メチルブタノイル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(0.20g,0.37mmol)から表題化合物を、白色固体として0.17g(収率71%)得た。
融点:124−129℃
H−NMR[フリーアミン](300MHz;CDCl)δ:0.94(3H,t,J=7.4Hz),1.17(3H,d,J=6.8Hz),1.39−1.49(1H,m),1.79−1.89(1H,m),2.10−2.60(3H,br),3.86(3H,s),3.90−4.10(2H,br),4.42(2H,brs),5.35(2H,s),6.99(2H,d,J=8.4Hz),7.01−7.38(9H,m),7.57(2H,brd),8.40(1H,brs).
元素分析値(C3535SF・HCl・1.5HO・0.5CHCl
計算値:C,61.91;H,5.78;N,4.07
実測値:C,61.62;H,5.36;N,4.02
実施例9
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−N−(3−フェニルプロピル)−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド 塩酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−N−(3−フェニルプロピル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド 塩酸塩)
3−フェニルプロピルアミン(0.19ml)、塩化ジメチルアルミニウム(1M ヘキサン溶液、0.62ml)およびジクロロメタン(5ml)の混合物を氷冷下30分撹拌後、特開平8−295693の実施例21の化合物3として記載されている3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(0.18g)のジクロロメタン(3ml)溶液を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(クロロホルム−メタノール,3%〜20%で溶出)。残渣をヘキサン−酢酸エチルから再結晶して、表題化合物のフリーアミン0.12gを得た。さらに、フリーアミン(0.12g)をジクロロメタン(8mL)に溶解させ、この溶液に1Mエーテル性塩酸(0.38mL)を氷冷下加えた。溶媒を減圧下留去した後、エーテルで洗浄して、表題化合物を白色固体として0.09g得た。
融点:109−116℃
H−NMR[フリーアミン](300MHz;CDCl)δ:1.94−2.04(2H,m),2.16(3H,brs),2.75(2H,t,J=7.7Hz),3.49(2H,q,J=6.8Hz),3.68−3.74(2H,br),3.85(3H,s),4.18(2H,brs),5.34(2H,s),6.95(2H,d,J=8.7Hz),7.01−7.38(14H,m),7.64(2H,d,J=8.1Hz),8.73(1H,s),10.37(1H,brs).
元素分析値(C4038SF・HCl・2.0HO)
計算値:C,65.60;H,5.64;N,5.74
実測値:C,65.96;H,5.74;N,5.81
実施例10
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−(3−メチルブタノイル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−エチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−5−(2−メチルプロパン)カルボニル−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン 塩酸塩)
実施例3と同様にして、特開平8−295693の実施例7の化合物23として記載されている3−ブロモメチル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−(3−メチルブタノイル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(0.20g,0.37mmol)から表題化合物を、白色固体として0.14g(収率56%)得た。
融点:174−180℃
H−NMR[フリーアミン](300MHz;CDCl)δ:0.99(6H,d,J=6.4Hz),2.00−2.20(3H,br),2.20−2,33(1H,m),3.16(2H,d,J=6.7Hz),3.60−3.75(2H,br),3.85(3H,s),4.10−4.30(2H,br),5.27(2H,s),6.96(2H,d,J=8.4Hz),7.11−7.42(9H,m),7.63(2H,brs),8.33(1H,s).
元素分析値(C3535SF・HCl・0.5HO)
計算値:C,67.11;H,5.92;N,4.47
実測値:C,67.10;H,5.63;N,4.52
実施例11
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−シクロペンチルカルボニル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−エチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−5−シクロペンタンカルボニル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン 塩酸塩)
実施例3と同様にして、特開平8−295693の実施例34の化合物11として記載されている3−ブロモメチル−5−シクロペンチルカルボニル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(0.10g,0.18mmol)から表題化合物を、白色固体として0.07g(収率72%)得た。
融点:120−125℃
H−NMR[フリーアミン](300MHz;CDCl)δ:1.66−2.15(11H,m),3.55−3.75(1H,br),3.86(3H,s),4.10−4.50(4H,m),5.28(2H,s),6.97(2H,d,J=7.3Hz),7.12−7.40(9H,m),7.50−7.70(2H,br),8.31(1H,brs).
元素分析値(C3635SF・HCl・2.0HO)
計算値:C,64.80;H,6.04;N,4.20
実測値:C,64.80;H,5.68;N,4.47
実施例12
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(4−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(4−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩)
特開平8−295693の参考例18に記載されている3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(4−フルオロベンジル)−4−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(0.15g,0.32mmol)、炭酸カリウム(88mg、0.64mmol)およびよう化カリウム(10mg、0.06mmol)のDMF(3mL)溶液に、4−フルオロベンジルクロリド(0.057mL,0.48mmol)を加えた。反応液を50℃で1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製(クロロホルム−メタノール,3%〜20%で溶出)した。得られた油状物に1N 塩酸(ジエチルエーテル溶液、0.40ml)を加え、室温で5分間撹拌した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をヘキサン−エーテルで洗浄して、表題化合物を無色結晶として0.068g得た。
融点[塩酸塩]:227−230℃
H−NMR[塩酸塩](200MHz;CDCl)δ:1.47(3H,t,J=7.2Hz),2.90(3H,s),3.87(3H,s),4.33−4.85(6H,m),5.41(2H,s),6.96−7.47(13H,m),8.60(1H,s).
実施例13
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(3−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(3−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩)
実施例12と同様の方法で、表題化合物を白色結晶として0.21g得た。
融点[塩酸塩]:180−183℃
H−NMR[塩酸塩](200MHz;CDCl)δ:1.42(3H,t,J=7.2Hz),2.90(3H,s),3.86(3H,s),4.32−4.74(6H,m),5.47(2H,s),7.01−7.16(5H,m),7.33−7.57(8H,m),8.63(1H,s).
実施例14
[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェノキシ]酢酸メチル
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−2−(4−メトキシカルボニルメトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)
工程1:
N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.49g、25.5mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.30ml、25.1mmol)およびジクロロメタン(20ml)の氷冷混合物に、トリメチルアルミニウム(1.5M トルエン溶液、4.11ml、6.16mmol)を加えた。氷冷下30分、室温で30分撹拌後、特開平8−295693の実施例3の化合物10として記載されている7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(2.41g、5.13mmol)を氷冷下加えた。反応混合物を氷冷下2時間撹拌後、水(10ml)を加えて反応を止め、ジクロロメタンで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(クロロホルム−メタノール,1%〜15%で溶出)、得られた結晶性残渣を酢酸エチル−イソプロピルエーテルから再結晶し、7−(2,6−ジフルオロベンジル)−3,N−ジメチル−N−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボミサミドを無色結晶として2.26g得た。
融点:210−212℃
H−NMR (200MHz;CDCl)δ:2.66(3H,s),3.34(3H,s),3.75(3H,s),3.85(3H,s),5.21(2H,s),6.95−7.01(4H,m),7.33−7.45(3H,m),7.76(1H,s).
工程2:
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−3,N−ジメチル−N−メトキシ−2−(4−メトキシフェニル)4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボミサミド(2.22g、4.58mmol)、THF(30ml)およびジクロロメタン(20ml)の混合物に2M イソプロピルマグネシウムクロリド(3.44ml、6.87mmol)を氷冷下加えた。反応混合物を氷冷下で2時間撹拌後、0.1N HCl(50ml)加え、酢酸エチル−飽和食塩水で分配し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮後残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(クロロホルム−メタノール,1%〜15%で溶出)た。得られた残渣を酢酸エチル−イソプロピルエーテルから再結晶し、7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチルチエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オンを無色結晶として1.07g得た。
融点:181−183℃
H−NMR (200MHz;CDCl)δ:1.17(6H,d,J=6.8Hz),2.65(3H,s),3.85(3H,s),4.07−4.20(1H,m),5.26(2H,s),6.95−7.01(4H,m),7.33−7.45(3H,m)、8.29(1H,s).
工程3:
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチルチエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(1.00g、2.14mmol)のジクロロメタン(20ml)溶液に、氷冷下、塩化アルニミウム(1.43g、10.7mmol)とジメチルスルフィド(0.96ml、10.7mmol)を加え、氷冷下で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(クロロホルム−メタノール,3%〜15%で溶出)した。残渣をメタノール−酢酸エチルーイソプロピルエーテルで再結晶し、7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−イソブチリル−3−メチルチエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オンを無色結晶として0.50g得た。
融点:238−239℃
H−NMR(200MHz;CDCl)δ:1.17(6H,d,J=6.6Hz),2.64(3H,s),4.09−4.18(1H,m),5.26(2H,s),6.91(2H、t,J=8.1Hz),7.29(2H、d,J=8.7Hz)、7.36−7.45(1H,m),8.29(1H,s).
工程4:
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−イソブチリル−3−メチルチエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(0.48g、1.06mmol)のDMF(10ml)溶液に、氷冷下水素化ナトリウム(0.05mg、1.17mmol)を加えた。30分後、メトキシメチルクロリド(0.20ml、2.65mmol)を加え、氷冷下4時間撹拌した。エタノール(5ml)を加えた後、反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール(1%〜10%)で溶出した。残渣を四塩化炭素(20ml)に懸濁し、N−ブロモこはく酸イミド(0.18g、1.00mmol)とα、α’−アゾビスイソブチロニトリル(0.03g、0.20mmol)を加えた。反応混合物を2時間還流し、冷後、酢酸エチルと飽和重曹水で分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣に、DMF(10ml)、ジイソプロピルエチルアミン(0.17ml、1.00mmol)およびN,N−ベンジルエチルアミン(0.13g、1mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと飽和重曹水で分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をTHF(20ml)に懸濁し、濃塩酸(2ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を飽和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルと飽和重曹水で分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣にDMF(10ml)、炭酸カリウム(0.12g、0.83mmol)、よう化カリウム(0.01g、0.08mmol)、およびブロモ酢酸メチル(0.08ml、0.83mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール,3%〜20%で溶出)により精製し、アモルファス状の表題化合物を0.37g得た。
H−NMR(200MHz;CDCl)δ:1.80(3H,s)、2.78(3H,s),3.84(3H,s),3.92−4.00(1H,m)、4.37(2H,s),4.62(2H,s),4.74(2H,s)、5.42(2H,s),6.99−7.08(4H,m),7.27−7.46(8H,m),8.49(1H,s).
実施例15
2−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェノキシ]アセタミド
(2−(4−アミノカルボニルメトキシフェニル)−3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロ−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)
[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェノキシ]酢酸メチル(0.31g、0.48mmol)のメタノール(10ml)溶液に、メタノール性アンモニア(5ml)を加え、室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた結晶性残渣を酢酸エチルーイソプロピルエーテルから再結晶し、表題化合物を無色結晶として0.24g得た。
融点:163−165℃
H−NMR(200MHz;CDCl)δ:1.18(6H,d,J=6.6Hz),2.15(3H,s),3.68(2H,s),4.19(3H,s),4.56(2H、s),5.27(2H,s),5.67(1H,s),6.59(1H,s),6.98−7.03(4H,m),7.18−7.25(5H,m),7.37−7.46(1H,m),7.77(2H,d,J=8.3Hz),8.30(1H,s).
実施例16
3−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イルメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
実施例1と同様の方法で、特開平8−295693の実施例6に記載されている3−ブロモメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルとテトラヒドロイソキノリンより合成した3-(3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イルメチル)-7-(2-メトキシベンジル)-2-(4-メトキシフェニル)-4-オキソ-4,7-ジヒドロチエノ[2,3-b]ピリジン-5-カルボン酸エチル(0.22g)のエタノール溶液に10N塩酸―エタノール(1mL)を加えた。室温で5分間撹拌した後、溶媒を減圧下留去した。残渣を塩化メチレン−酢酸エチルで洗浄して、表題化合物を茶色結晶として0.10g得た。
H−NMR[塩酸塩](200MHz;CDCl)δ:1.38 (3H,t,J=7.2Hz),2.93−3.73(6H,m),3.82(3H,s),3.87(3H,s),4.21(2H,s),4.35(2H,q,J=7.2Hz),5.34(2H,s),6.81−7.46(13H,m),8.67(1H,m).
IR[塩酸塩](KBr)ν:3424,2978,1719,1605,1502,1441,1386,1294,1253,1180,1127,1025
元素分析値(C3534S・HCl・3HO)
計算値:C,61.35;H,6.03;N,4.09
実測値:C,61.28;H,5.56;N,4.59
FAB-MS m/e 595.2 (MH+).
実施例17
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸)
特開平8−295693の実施例9の化合物15として記載されている3-(N-ベンジル-N-メチルアミノメチル)-7-(2-メトキシベンジル)-2-(4-メトキシフェニル)-4-オキソ-4,7-ジヒドロチエノ[2,3-b]ピリジン-5-カルボン酸エチルエステル(0.15g,0.26mmol)のTHF(10mL)溶液に、1N−水酸化ナトリウムを加えた。反応液を室温で15時間撹拌した後、反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残さを酢酸エチルと飽和重曹水で分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた油状物をエーテルで結晶化させ、表題化合物を淡茶色結晶として0.10g(収率67%)得た。
融点:188−190℃
H−NMR(200MHz;CDCl)δ:2.07(3H,s),3.63(2H,s),3.86(3H,s),3.87(3H,s),4.08(2H,s),5.28(2H,s),6.93−7.03(4H,m),7.15−7.45(8H,m),7.70(2H,d,J=8.5Hz),8.74(1H,s).
IR(KBr)ν:3406,2942,2842,1729,1605,1477,1294,1253,1222,1178,1141,1118,1025 cm−1
元素分析値(C3230S・3HO)
計算値:C,63.10;H,6.12;N,4.60
実測値:C,63.45;H,5.41;N,4.56
FAB-MS m/e 554.3 (M+).
実施例18
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−2−(4−ニトロフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン
(2−(4−ニトロフェニル)−3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン)
特開平8−295693の実施例47の化合物2として記載されている3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−メチルプロパノイル)−2−(4−ニトロフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(0.48g)をジクロロメタン(15ml)に溶解させ、室温下47%臭化水素酸(0.35ml,)を1分かけて滴下し、更に10分間攪拌した。この反応液に臭素(39μl)を滴下し、更に24時間室温下攪拌した。反応液をジクロロメタン(30ml)と重曹水(飽和, 60ml)とに分配し、有機層は再度飽和食塩水(100ml)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去し、褐色アモルファス晶(0.53g)を得た。得られた化合物をジメチルホルムアミド (30ml)に溶解させ、室温下酢酸カリウム(2.0g)を加えて100℃で20時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(30ml)と水(30ml)とに分配し、水層は再度酢酸エチル(10ml)で抽出した。有機層を合せ再度飽和食塩水(30ml)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラムで精製して、メタノールから再結晶して黄色結晶の表題化合物(0.17g)を得た。
H−NMR(300MHz;CDCl)δ:1.49(6H,s),2.17(3H,s),3.64(2H,s),4.18(2H,s),5.35(2H,s),7.00(2H,t,J=8.1Hz),7.15−7.48(6H,m),7.68(1H,s),8.05(2H,J=8.7Hz),8.26(2H,J=8.7Hz),8.37(1H,s).
実施例19
2−(4−アミノフェニル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン
(2−(4−アミノフェニル)−3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン)
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−2−(4−ニトロフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(1.5g)のメタノール(5ml)溶液に、鉄粉(0.7g)および濃塩酸(6 ml)を氷冷下滴下しながら加えた。滴下終了後、1時間室温で撹拌し、セライト濾過した。少量の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(60ml)を加え、塩化メチレンで抽出(30mlX3)した。抽出液をあわせて食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、黄色結晶の表題化合物(1.4g)を得た。
融点:160−165℃
H−NMR(300MHz;CDCl)δ:1.49(6H,s),2.07(3H,s),3.61(2H,s),3.86(2H,s),4.12(2H,s),5.31(2H,s),6.74(2H,d,J=8.6Hz),7.00(2H,t,J=8.1Hz),7.14−7.47(6H,m),7.57(2H,J=8.6Hz),8.08(1H,s).
IR(KBr)ν:4414, 3370, 2364, 1671, 1593, 1499, 1475, 1301, 1241, 1185, 1077, 1038 cm−1
元素分析値(C3331SF
計算値:C,67.44;H,5.32;N,7.15
実測値:C,67.24;H,5.41;N,7.62
FAB-MS m/e 588.2 (MH+).
実施例20
N−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−(2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]]フェニル]−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド
(N−[4−(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)フェニル]−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)
特開平8−295693の実施例55記載の方法で得られる2−(4−アミノフェニル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−メチルプロパノイル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン (0.14g)を無水塩化メチレン(2ml)に溶解させ、氷冷下(0℃)トリエチルアミン(0.038ml)を加えた。しばらく撹拌後、この溶液に塩化3-メトキシ-2-メチルプロピオニル(0.021ml)を加えた。滴下後氷冷下(0℃)で更に、40分間撹拌した。反応液を塩化メチレン(25ml)と極薄い重層水(10ml)とに分配し、水層は再度塩化メチレン(25ml)で抽出した。有機層をあわせて食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO)後、 溶媒を減圧下に留去した。 得られた固体を酢酸エチル−イソプロピルエーテルで再結晶して、薄茶色結晶の表題化合物 (0.32g)を得た。
融点:99−101℃
H−NMR(300MHz;CDCl)δ:1.18(6H,d,J=6.9Hz),1.25(3H,d,J=6.9Hz),2.74−2.84(1H,m),3.21-4.08(8H,m),3.44(3H,s),4.08−4.18(1H,m),4.27(2H,brs),5.29(2H,s),7.00(2H,t,J=8.1Hz),7.21−7.47(6H,m),7.69(4H,m),8.32(1H,s).
IR(KBr)ν:4596,3452,2976,1673,1599,1524,1495,1473,1381,1311 cm−1
元素分析値(C3839SF・1HO)
計算値:C,66.17;H,5.99;N,6.09
実測値:C,66.43;H,5.79;N,5.76
FAB-MS m/e 672.2 (MH+).
実施例21
N−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェニル])−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド
N−(4−(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)フェニル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド
N−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェニル]−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド(0.48g, 0.75mmol)をジクロロメタン(15ml)に溶解させ、室温下47%臭化水素酸(0.35ml, 3.0mmol)を1分かけて滴下し、更に10分間攪拌した。この反応液に臭素(39μl,0.75mmol)を滴下し、更に24時間室温下攪拌した。反応液をジクロロメタン(30ml)と重曹水(飽和, 60ml)とに分配し、有機層は再度飽和食塩水(100ml)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去し、褐色アモルファス晶(0.53g)を得た。得られた化合物をジメチルホルムアミド (30ml)に溶解させ、室温下酢酸カリウム(2.0g, 20mmol)を加えて100℃で20時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(30ml)と水(30ml)とに分配し、水層は再度酢酸エチル(10ml)で抽出した。有機層を合せ再度飽和食塩水(30ml)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラムで精製して、メタノールから再結晶して黄色結晶の表題化合物(0.20g)を得た。
融点:97−102℃
H−NMR(300MHz;CDCl)δ:1.25(3H,d,J=7.2Hz),1.44(6H,s),2.03(3H,s),2.67−2.76(1H,m),3.47(3H,s),3.57(2H,d,J=6.1Hz),3.61(2H,s),4.13(2H,s),5.32(2H,s),7.01(2H,t,J=8.1Hz),7.15−7.21(5H,m),7.37−7.47(1H,m),7.60(2H,d,J=8.7Hz),7.73(2H,d,J=8.7Hz),8.35(1H,s),8.46(1H,s).
IR(KBr)ν:4456,3428,3066,2980,2936,2370,1673,1628,1593,1526,1497,1475,1408,1375,1313,1241,1193,1108 cm−1
元素分析値(C3839SF・0.5HO)
計算値:C,65.50;H,5.79;N,6.03
実測値:C,65.58;H,5.61;N,6.03
FAB-MS m/e 688.2 (MH+).
実施例22
N−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェニル])−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド
(N−(4−(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)フェニル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)
実施例21の方法で副生してくるN−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(メタクリロイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェニル]−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミドをシリカゲルカラムクロマトで単離し、トリフルオロ酢酸(10ml)に溶解させて室温で1時間攪拌した。反応液減圧下濃縮乾固し、得られた残渣をジクロロメタン(30ml)と飽和重曹水(60ml)とに分配し、水層は再度ジクロロメタン(10ml)で抽出した。有機層を合せ再度飽和食塩水(30ml)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して白色結晶の表題化合物(0.03g)を合成した。
融点:90−92℃
H−NMR(300MHz;CDCl)δ:1.16(3H,d,J=6.8Hz),1.25(3H,d,J=6.7Hz),2.15(3H,s),2.71−2.80(1H,m),3.47(3H,s),3.58(2H,d,J=6.0Hz),3.69−3.84(2H,m),3.91(1H,dd,J=10.2Hz,4.5Hz)、4.09−4.36(3H,m),5.29(2H,s),7.01(2H,t,J=8.1Hz),7.17−7.24(5H,m),7.37−7.47(1H,m),7.63(2H,d,J=8.7Hz),7.68(2H,d,J=8.7Hz),8.33(1H,s),8.53(1H,s).
IR(KBr)ν:4544,3856,3748,3430,3088,2978,2936,2880,2364,1673,1597,1526,1495,1473,1408,1371,1313,1241,1193 cm−1
FAB-MS m/e 688.2 (MH+).
実施例23
N−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェニル])−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド
(N−(4−(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)フェニル)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド)
N−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェニル]−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド(0.15g,0.22mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液に三臭化ほう素の1M塩化メチレン溶液(0.5mL,0.5mmol)を氷冷下、加えた。反応液を0.5時間撹拌した後、反応混合物を塩化メチレンと飽和重曹水で分配し、水層を塩化メチレンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣を分取HPLCで精製し、ヘキサン−クロロホルムで結晶化させ、白色結晶の表題化合物0.07g(収率43%)得た。
融点:101−103℃
H−NMR(300MHz;CDCl)δ:1.23(3H,d,J=7.1Hz),1.49(6H,s),2.06(3H,s),3.75−3.86(2H,m),4.11(2H,s),5.31(2H,s),7.00(2H,t,J=8.1Hz),7.13−7.20(5H,m),7.37−7.47(1H,m),7.62(2H,d,J=8.7Hz),7.65(2H,d,J=8.7Hz),8.15(1H,s),8.36(1H,s),8.55(1H,s).
IR(KBr)ν:4558,3856,3750,3428,2980,2938,2362,1673,1630,1591,1528,1499,1475,1408,1377,1313,1241,1193,1077,1036 cm−1
FAB-MS m/e 674.3 (MH+).
実施例24
N−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェニル])−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド
(N−(4−(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)フェニル)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド)
実施例23と同様の方法で、N−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェニル]−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミドより、白茶色結晶の表題化合物(0.04g)を合成した。
融点:100−102℃
H−NMR(300MHz;CDCl)δ:1.15(3H,d,J=7.0Hz),1.23(3H,d,J=7.0Hz),2.10(3H,s),2.67-2.75(1H,m),3.64−4.37(9H,m),5.25(2H,s),7.00(2H,t,J=8.1Hz),7.16−7.22(5H,m),7.36−7.46(1H,m),7.53−7.63(4H,m),8.32(1H,s),8.70(1H,s).
IR(KBr)ν:4570,3856,3748,3450,2938,2880,2354,1671,1597,1526,1497,1473,1408,1375,1313,1241,1077,1036 cm−1
FAB-MS m/e 674.2 (MH+).
実施例25
4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェニルホルムアミド
(4−(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)フェニルホルムアミド)
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノイル)−2−(4−ニトロフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン (0.12g、0.19mmol)をぎ酸(5ml)に溶解させ、パラジウム−カーボン(0.08g)とともに水素気流下、室温下1時間攪拌した。反応運溶液をろ過して触媒を除いた後、ろ液をジクロロメタン(30ml)と飽和重曹水(30ml)とに分配し、水層は再度ジクロロメタン(10ml)で抽出した。有機層を合せて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、残留物を分取HPLCで精製し、ヘキサン−クロロホルムで結晶化させ、白色結晶を0.01g(収率8%)得た。
融点:100−102℃
H−NMR(300MHz;CDCl)δ:1.50(6H,s)1.71(1H,brs),2.10(3H,s),3.64(2H,s),4.15(2H,s),5.33(2H,s),7.02(2H,t,J=8.1Hz),7.13−7.21(5H,m),7.39−7.48(1H,m),7.65(2H,d,J=8.4Hz),7.73(2H,d,J=8.4Hz),8.36(1H,s),8.43.
IR(KBr)ν:3906,3856,3738,3450,2984,2366,1678,1630,1591,1499,1475,1408,1315,1241,1193,1077 cm−1
FAB-MS m/e 616.3. (MH+).
実施例26
5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ− 4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン
(5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)− 4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)
工程1:
PCT国際公開WO95/28405公報(特開平8−295693)の実施例30の方法で得られた7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン(4.8 g)、無水酢酸(21.6 g)および4-ジメチルアミノピリジン(122 mg)のピリジン(150 ml)溶液を室温で15時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残さに酢酸エチルを加えた。混合液を1規定塩酸、水およびブラインで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン(4.5 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.91 (3H, d, J=6.9 Hz), 0.98 (3H, d, J=6.9 Hz), 2.08 (3H, s), 2.40-2.50 (1H, m), 2.65 (3H, s), 3.84 (3H, s), 5.18 (2H, s), 5.89 (1H, d, J=5.1 Hz), 6.86-6.96 (2H, m), 7.10-7.22 (3H, m), 7.25-7.40 (3H, m), 7.44 (1H, s).
工程2:
5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン(4.5 g)、N−ブロモスクシンイミド(1.7 g)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(149 mg)を四塩化炭素(300 ml)に懸濁させ、混合液を加熱還流下2時間撹拌した。室温で放冷後、クロロホルムを加え、混合液を飽和重曹水とブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−3−ブロモメチル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン(2.9 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.90 (3H, d, J=6.9 Hz), 0.98 (3H, d, J=6.9 Hz), 2.09 (3H, s), 2.40-2.53 (1H, m), 3.86 (3H, s), 5.03 (2H, s), 5.19 (2H, s), 5.92 (1H, d, J=5.1 Hz), 6.90-7.00 (2H, m), 7.10-7.29 (3H, m), 7.31-7.40 (1H, m), 7.45 (1H, s), 7.50-7.60 (2H, m).
工程3:
5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−3−ブロモメチル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン(1.9 g)、N−メチルベンジルアミン (0.48 g) およびエチルジイソプロピルアミン(0.52 g)のN,N−ジメチルホルムアミド(70 ml) 溶液を室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮した後、残さに酢酸エチルを加えた。混合液を飽和重曹水、水およびブラインで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(1.8 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.92 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.97 (3H, d, J=6.8 Hz), 2.08 (3H, s), 2.14 (3H, s), 2.38-2.49 (1H, m), 3.66 (2H, s), 3.84 (3H, s), 4.07-4.24 (m, 2H), 5.19 (2H, s), 5.93 (1H, d, J=5.7 Hz), 6.89-6.97 (2H, m), 7.09-7.28 (8H, m), 7.30-7.40 (1H, m), 7.43 (1H, s), 7.70-7.80 (2H, m).
実施例27
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−(メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン塩酸塩)
5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン(1.8 g)のメタノール溶液(70 ml)に1規定水酸化ナトリウム水溶液(5.7 ml)を加え、室温で15時間撹拌した。反応液を濃縮後、残さに水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水とブラインで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残留物をアルミナカラムクロマトグラフィーで精製して、無色油状物(1.6 g)を得た。この油状物(1.2 g)の塩化メチレン溶液(35 ml)に、1規定エーテル性塩酸(3.5 ml)を加え、0℃で5分間撹拌した。反応液を減圧下濃縮して得られた残さを塩化メチレン−エーテルから結晶化させて、表題化合物 (1.2 g)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:0.72-0.87 (3H, m), 0.93-1.07 (3H, m), 2.00-2.16 (1H, m), 2.59-2.71 (3H, m), 3.84 (3H, s), 4.07-4.28 (1H, m), 4.30-4.50 (3H, m), 4.76-4.83 (1H, m), 5.30 (1H, brs), 5.58-5.79 (2H, m), 7.13 (2H, d, J=8.7Hz), 7.20-7.34 (7H, m), 7.35-7.50 (4H, m), 8.32 (1H, s), 13.06 (1H, brs).
実施例28
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−[4−(2−フルフリルメトキシ)フェニル]−5−オキソ−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
(8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−フルフリルオキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル)
特開平11−315079(実施例36化合物55)記載の3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル(0.39g、0.70mmol)のTHF(10ml)溶液にトリフェニルホスフィン(0.39g、1.47mmol)、アゾジカルボン酸ジエチル(0.26g、1.47mmol)およびフルフリルアルコール(0.14g、1.47mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。残渣を酢酸エチルと水で分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン−酢酸エチル,20%〜40%で溶出)した。得られた油状物に1N塩酸(ジエチルエーテル溶液、1.00ml)を加え、室温で5分間撹拌した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をヘキサン−エーテルで洗浄して、表題化合物を無色結晶として0.21g得た。
融点[塩酸塩]:124−127℃.
H−NMR[塩酸塩](300MHz;CDCl)δ:1.38(3H,t,J=6.9Hz),2.62(3H,s),3.66(2H,s),4.30(2H,s),4.36(2H,q,J=6.9Hz),4.92(2H,s),5.57(2H,s),6.51(1H,s),6.98−7.08(5H,m),7.27−7.53(7H,m),7.68−7.70(2H,m),8.48(1H,s),12.2(1H,s).
実施例29
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸 塩酸塩
(8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸)
特開平11−315079(実施例10化合物22)記載の3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル(1.00g、1.75mmol)のTHF(10ml)溶液に2N 水酸化ナトリウム水溶液(10ml)を加え、70℃で3時間撹拌した。冷後、2N HClで酸性とし、生じた沈殿をろ取した後、水洗し、減圧下乾燥し、表題化合物を白色粉末として0.79g得た。
融点 [塩酸塩]:276−279℃.
H−NMR [塩酸塩](300MHz;DMSO-d6)δ:2.50(3H,s),3.82(2H,s),4.50(2H,s),5.08(2H,s),5.67(2H,s),7.03(2H,d,J=8.8Hz),7.17(2H,t,J=8.3Hz),7.40−7.65(8H,m),9.03(1H,s),9.07(1H,brs).
実施例30
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−N−(3−ジメチルアミノプロピル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボキサミド 2塩酸塩
(8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−[N−(3−ジメチルアミノプロピル)]カルボキサミド)
3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン(0.19ml、1.55mmol)、塩化ジメチルアルミニウム(1M ヘキサン溶液、0.62ml、0.62mmol)およびジクロロメタン(5ml)の混合物を氷冷下30分撹拌後、特開平11−315079(実施例10化合物22)記載の3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル(0.18g、0.31mmol)のジクロロメタン(3ml)溶液を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(クロロホルム−メタノール,3%〜20%で溶出)。残渣に1N 塩酸(ジエチルエーテル溶液、1.00ml)を加え、室温で5分間かくはんした後、溶媒を減圧下留去した。残渣をヘキサン−エーテルで洗浄して、表題化合物を無色結晶として0.12g得た。
融点 [塩酸塩]:164−166℃.
H−NMR(300MHz;CDCl)δ:1.75−1.85(2H,m),2.17(3H,s),2.26(3H,s),2.40(2H,t,J=7.1Hz),2.95(3H,s),3.48(2H,q,J=6.8Hz),3.63(2H,s),3.87(3H,s),4.30(2H,s),5.54(2H,s),6.94−7.01(4H,m),7.14−7.26(5H,m),7.32−7.43(1H,m),7.93(2H,d,J=8.8Hz),8.58(1H,s),9.11(1H,s).
実施例31
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−])]]カルボキサミド 塩酸塩
(8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−[N−(3−イミダゾリルプロピル)]カルボキサミド)
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸(0.20g、0.37mmol)とジクロロメタン(10ml)の混合物に塩化チオニル(0.03ml、0.44mmol)とDMF(1滴)を加え、3時間還流した。反応混合物を氷冷し、トリエチルアミン(0.52ml、3.73mmol)と1−(3−アミノプロピル)イミダゾール(0.44ml、3.70mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(クロロホルム−メタノール,3%〜20%で溶出)した。得られた油状物に1N 塩酸(ジエチルエーテル溶液、1.00ml)を加え、室温で5分間撹拌した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をヘキサン−エーテルで洗浄して、表題化合物を無色結晶として0.22g得た。
融点[塩酸塩]:139−141℃
H−NMR[塩酸塩](300MHz;CDCl)δ:1.73−1.84(2H,m),2.35(2H,t,J=7.1Hz),2.85(3H,s),3.43(2H,q,J=6.8Hz),3.64(2H,s),3.89(3H,s),4.20(2H,s),5.51(2H,s),6.95−7.10(4H,m),7.14−7.26(5H,m),7.32−7.43(1H,m),7.93(2H,d,J=8.8Hz),8.58(1H,s),8.86(1H,s),9.70(1H,s),10.7(1H,s),12.5(1H,s).
実施例32
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−6−(チオモルホリニル−4−カルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(8H)−オン 塩酸塩
(8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−(N−チオモルホリノ)カルボキサミド)
実施例31と同様の方法で、表題化合物を無色結晶として0.16g得た。
融点[塩酸塩]:141−143℃
H−NMR[塩酸塩](300MHz;CDCl)δ:2.66(3H,s),2.73−2.94(4H,m),3.66(2H,s),3.86(3H,s),4.03−4.27(4H,m),4.20(2H,s),5.51(2H,s),6.95−7.01(4H,m),7.12−7.29(5H,m),7.33−7.45(1H,m),8.01(2H,d,J=9.0Hz),8.41(1H,s).
実施例33
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−6−(1−ピペラジニルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−5(8H)−オン 2塩酸塩
(8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−(N−モルホリノ)カルボキサミド)
実施例31と同様の方法で、表題化合物を無色結晶として0.18g得た。
融点[塩酸塩]:174−176℃
H−NMR[塩酸塩](300MHz;CDCl)δ:2.57(3H,s),2.74−2.91(4H,m),3.60(2H,s),3.89(3H,s),3.95−4.20(4H,m),4.22(2H,s),5.50(2H,s),6.96−7.04(4H,m),7.13−7.31(6H,m),7.33−7.41(1H,m),8.07(2H,d,J=9.0Hz),8.33(1H,s).
実施例34
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−2−(4−シクロプロピルメトキシフェニル)−8−(2,6−フルオロベンジル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−2−(4−シクロプロピルメチルオキシフェニル)−5,8−ジヒドロ−8−(2,6−フルオロベンジル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩)
特開平11−315079(実施例36化合物55)記載の3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル(0.39g、0.70mmol)のTHF(10ml)溶液にトリフェニルホスフィン(0.39g、1.47mmol)、アゾジカルボン酸ジエチル(0.26g、1.47mmol)およびシクロプロピルメチルアルコール(0.10g、1.4mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。残渣を酢酸エチルと水で分配し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(ヘキサン−酢酸エチル,20%〜40%で溶出)した。得られた油状物に1N塩酸(ジエチルエーテル溶液、1.00ml)を加え、室温で5分間撹拌した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をヘキサン−エーテルで洗浄して、表題化合物を無色結晶として0.18g得た。
H−NMR[フリーアミン](300MHz;CDCl)δ: 0.36−0.40(2H,m),0.63−0.69(2H,m),1.27−1.31(1H,m),1.38(3H,t,J=7.1Hz),2.18(2H,s),3.65(2H,s),3.85(2H,d,J=7.1Hz),4.32(2H,s),4.38(2H,q,J=7.1Hz),5.48(2H,s),6.95−7.00(4H,m),7.13−7.27(5H,m),7.31−7.38(1H,m),7.97(2H,d,J=8.5Hz),8.39(1H,s).
融点[塩酸塩]:155−160℃
元素分析(C3534・HCl・0.5HO)
計算値:C, 63.87; H, 5.51; N, 8.51; Cl, 5.39
実測値:C, 64.05; H, 5.37; N, 8.44; Cl, 5.25
実施例35
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−2−(4−シクロプロピルメトキシフェニル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−N−メチル−5−オキソ−N−(2−ピリジニル)−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボキサミド 塩酸塩
(N−メチル−N−(2−ピリジル)−3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−2−(4−シクロプロピルメチルオキシフェニル)−5,8−ジヒドロ−8−(2,6−フルオロベンジル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボキサミド 塩酸塩)
2−(メチルアミノ)ピリジン(138mg,1.32mmol)のジクロロメタン(7mL)溶液に、トリメチルアルミニウムの15%ヘキサン溶液(550μL,1.76mmol)を氷冷下加え、反応液を室温で1時間半撹拌した後、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−2−(4−シクロプロピルメトキシフェニル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル(90mg,0.14mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液を氷冷下加えた。反応液を室温で三日間撹拌した後、反応混合物を水で希釈し、セライトでろ過し、残渣をジクロロメタンで洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせ、ジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル−ヘキサン,50%〜酢酸エチル100%で溶出)、非晶状固体を60mg(収率64%)得た。さらに、このフリーアミンをジクロロメタン(5mL)に溶解させ、この溶液に1Mエーテル性塩酸(0.22mL)を氷冷下加えた。溶媒を減圧下留去した後、エタノール−酢酸エチル−エーテルから再沈殿精製して、表題化合物を白色粉末として42mg得た。
融点[塩酸塩]:122−126℃
H−NMR[フリーアミン](300MHz;CDCl)δ:0.33−0.39(2H,m),0.62−0.68(2H,m),1.23−1.30(2H,m),1.94(3H,s),3.37(2H,s),3.57(3H,s),3.84(2H,d,J=7.2Hz),4.11(2H,s),5.49(2H,s),6.85−7.01(5H,m),7.18−7.27(5H,m),7.33−7.43(1H,m),7.48−7.54(1H,m),7.92(1H,s),7.98(2H,d,J=8.7Hz),8.23(1H,d,J=5.1Hz).
元素分析値(C3936SF・1.2HCl・1.3HO)
計算値:C,63.14;H,5.41;N,11.33
実測値:C,63.20;H,5.39;N,11.44
実施例36
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−2−(4−シクロプロピルメトキシフェニル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸ブチルエステル 塩酸塩
(3−[(N−ベンジル−N−メチル)アミノメチル]−2−(4−シクロプロピルメチルオキシフェニル)−5,8−ジヒドロ−8−(2,6−フルオロベンジル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸n-ブチルエステル 塩酸塩)
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−2−(4−シクロプロピルメトキシフェニル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−オキソ−5,8−ジヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル(100mg,0.16mmol)およびチタンテトラブトキシド(54mg)のブタノール(4mL)溶液を100℃で4時間撹拌した。冷却後、クロロホルムと水を加えセライトでろ過し、残渣をクロロホルムで洗浄した。ろ液と洗浄液を合わせ、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(30%酢酸エチル−ヘキサンで溶出)、非晶状固体を90mg(収率88%)得た。さらに、このフリーアミンをジクロロメタン(5mL)に溶解させ、この溶液に1Mエーテル性塩酸(0.21mL)を氷冷下加えた。溶媒を減圧下留去した後、ジクロロメタン−酢酸エチル−エーテルから再沈殿精製して、表題化合物を白色粉末として76mg得た。
融点:143−149℃
H−NMR[フリーアミン](300MHz;CDCl)δ:0.35−0.40(2H,m),0.63−0.69(2H,m),0.97(3H,t,J=7.3Hz),1.23−1.31(1H,m),1.38−1.50(2H,m),1.68−1.78(2H,m),2.17(3H,s),3.65(2H,s),3.86(2H,d,J=6.8Hz),4.28−4.33(4H,m),5.50(2H,s),6.96−7.02(4H,m),7.13−7.27(5H,m),7.33−7.43(1H,m),7.97(2H,d,J=8.8Hz),8.35(1H,d,J=5.1Hz).
元素分析値(C3738・HCl・1.0HO)
計算値:C,63.92;H,5.94;N,8.06
実測値:C,64.21;H,5.92;N,8.17
実施例37
5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−3−(ジエチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン
(5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−3−(ジエチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)
5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−3−ブロモメチル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(370 mg)とジエチルアミン(71 mg)より、実施例26と同様の方法で、表題化合物 (260 mg)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.80-0.90 (9H, m), 0.96 (3H, d, J=6.8 Hz), 2.08 (3H, s), 2.38-2.48 (1H, m), 2.52-2.66 (4H, m), 3.84 (3H, s), 4.03 (1H, d, J=12.1 Hz), 4.19 (1H, d, J=12.1 Hz), 5.19 (2H, s), 5.91 (1H, d, J=5.5 Hz), 6.92 (2H, d, J=8.7 Hz), 7.10-7.28 (3H, m), 7.33-7.40 (1H, m), 7.41 (1H, s), 7.69 (2H, d, J=8.7Hz).
実施例38
5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−(4−メチル−1−ピペラジニルメチル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン
(5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(メトキシフェニル)−3−(4−メチル−1−ピペラジニルメチル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)
5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−3−ブロモメチル−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(200 mg)とN−メチルピペラジン(42 mg)より、実施例26と同様の方法で、表題化合物 (100 mg)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.91 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.95 (3H, d, J=6.8 Hz), 2.08 (3H, s), 2.19 (3H, s), 2.20-2.60 (9H, m), 3.84 (3H, s), 4.05-4.28 (m, 2H), 5.18 (2H, s), 5.88 (1H, d, J=5.7 Hz), 6.86-6.97 (2H, m), 7.10-7.27 (3H, m), 7.30-7.40 (1H, m), 7.42 (1H, s), 7.50-7.60 (2H, m).
実施例39
3−(ジエチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−(ジエチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−(メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン塩酸塩)
5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−3−(ジエチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(260 mg)より、実施例27と同様の方法で、表題化合物 (90 mg)を無色油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:0.82 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.01 (3H, d, J=6.8 Hz), 1.03-1.22 (6H, m), 2.02-2.18 (1H, m), 3.01-3.21 (4H, m), 3.87 (3H, s), 4.28-4.50 (2H, m), 4.82 (0.75H, d, J=3.9 Hz), 5.30 (1H, brs), 5.32 (0.25H, d, J=7.6 Hz), 5.64-5.82 (2H, m), 7.14 (2H, d, J=8.7Hz), 7.27-7.38 (2H, m), 7.41-7.57 (4H, m), 8.36 (0.75H, s), 8.71 (0.25H, s), 11.30 (0.25H, brs), 12.25 (0.75H, brs).
実施例40
7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−(4−メチル−1−ピペラジニルメチル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 2塩酸塩
(4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−(メトキシフェニル)−3−(4−メチル−1−ピペラジニルメチル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン2塩酸塩)
5−(1−アセトキシ−2−メチルプロピル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−3−(4−メチル−1−ピペラジニルメチル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン(100 mg)より、実施例27と同様の方法で、表題化合物 (57 mg)を無色油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:0.80 (3H, d, J=6.7 Hz), 0.98 (3H, d, J=6.7 Hz), 2.00-2.12 (1H, m), 2.79 (3H, s), 3.00-3.90 (11H, m), 4.30-4.52 (2H, m), 4.81 (0.75H, d, J=3.8 Hz), 5.33 (0.25H, d, J=7.1 Hz), 5.55 (1H, brs), 5.62-5.82 (2H, m), 7.06-7.14 (2H, m), 7.22-7.55 (6H, m), 8.39 (0.75H, s), 8.62 (0.25H, s), 11.80 (1H, brs), 14.20 (1H, brs).
実施例41
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル塩酸塩)
特開平11−116578号公報の実施例1の方法で得られた3−ブロモメチル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル (250 mg)、N−メチルベンジルアミン (73 mg) およびジイソプロピルエチルアミン(180 mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(3 ml) 溶液を室温で2時間撹拌した。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液をブラインで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残留物をアルミナカラムクロマトグラフィーで精製して無色油状物を得た。この油状物の塩化メチレン溶液(2 ml)に、1規定エーテル性塩酸(0.5 ml)を加え、室温で5分間撹拌した。反応液を減圧下濃縮して得られた残さを塩化メチレン−エーテルから結晶化させて、表題化合物 (40 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:1.36 (3H, s, J=7.1 Hz), 2.58 (3H, d, J=4.7 Hz), 4.24-4.40 (4H, m), 4.45 (1H, dd, J=3.9, 12.8 Hz), 4.61 (1H, dd, J=4.1, 14.0 Hz), 5.75 (2H, s), 7.19-7.38 (m, 7H), 7.40-7.61 (6H, m), 8.99 (1H, s), 11.08 (1H, brs).
実施例42
3−(ベンジルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
(3−(ベンジルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル塩酸塩)
3−ブロモメチル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(300 mg)とベンジルアミン(78 mg)より、実施例41と同様の方法で、表題化合物 (30 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.33 (3H, t, J=7.1 Hz), 4.15-4.25 (4H, m), 4.31 (2H, q, J=7.1 Hz), 5.75 (2H, s),7.17-7.28 (2H, m), 7.32-7.60 (11H, m), 8.96 (1H, s), 9.58 (2H, brs).
実施例43
3−(ジエチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
(3−(ジエチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル塩酸塩)
3−ブロモメチル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル (300 mg)とジエチルアミン(53 mg)より、実施例41と同様の方法で、表題化合物 (130 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:0.99 (6H, t, J=7.2 Hz), 1.32 (3H, t, J=7.1 Hz), 2.90-3.02 (2H, m), 3.05-3.19 (2H, m), 4.30 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.41 (2H, d, J=5.4 Hz), 5.76 (2H, s),7.17-7.28 (2H, m), 7.46-7.61 (6H, m), 8.97 (1H, s), 10.02 (1H, brs).
実施例44
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−3−(4−モルホリニルメチル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
(7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−3−(4−モルホリニルメチル)−4−オキソ−2−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル塩酸塩)
3−ブロモメチル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル (250 mg)とモルホリン(52 mg)より、実施例41と同様の方法で、表題化合物 (40 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.32 (3H, t, J=7.1 Hz), 3.00-3.12 (2H, m), 3.28-3.40 (2H, m), 3.53-3.68 (2H, m), 3.80-3.91 (2H, m), 4.31 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.50 (2H, d, J=3.7 Hz), 5.76 (2H, s),7.18-7.29 (2H, m), 7.42-7.62 (6H, m), 8.97 (1H, s), 10.65 (1H, brs).
実施例45
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−3−(4−メチル−1−ピペラジニルメチル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 2塩酸塩
(7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−3−(4−メチル−1−ピペラジニルメチル)−4−オキソ−2−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル2塩酸塩)
3−ブロモメチル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル (250 mg)とN-メチルピペラジン(60 mg)より、実施例41と同様の方法で、表題化合物 (150 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.32 (3H, t, J=7.1 Hz), 2.75 (3H, s), 3.03-3.4.09 (8H, m), 4.30 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.48 (2H, brs), 5.74 (2H, s), 7.20-7.31 (2H, m), 7.43-7.62 (6H, m), 8.94 (1H, s), 11.58 (1H, brs).
実施例46
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−3−[4−(1−ピペリジニル)ピペリジン−1−イルメチル]−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 2塩酸塩
(7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−フェニル−3−[4−(1−ピペリジニル)ピペリジン−1−イル]チエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル2塩酸塩)
3−ブロモメチル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル (250 mg)と4-ピペリジノピペリジン(101 mg)より、実施例41と同様の方法で、表題化合物 (165 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.32 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.62-2.02 (8H, m), 2.02-2.32 (2H, m), 2.72-3.42 (9H, m), 4.30 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.43 (2H, d, J=3.1 Hz), 5.75 (2H, s), 7.20-7.31 (2H, m), 7.42-7.62 (6H, m), 8.96 (1H, s), 9.85 (1H, brs), 10.92 (1H, brs).
実施例47
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−3−[(2−フリルメチル)アミノメチル]−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
(7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−3−[(2−フリルメチル)アミノメチル]−4−オキソ−2−フェニルチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル塩酸塩)
3−ブロモメチル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル(250 mg)と2−(アミノメチル)フラン(71 mg)より、実施例41と同様の方法で、表題化合物 (30 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.32 (3H, t, J=7.1 Hz), 4.20 (2H, brs), 4.26-4.37 (4H, m), 5.75 (2H, s), 6.37-6.45 (2H, m), 7.17-7.27 (2H, m), 7.40-7.60 (6H, m), 7.64 (1H, d, J=1.1 Hz), 8.95 (1H, s), 9.57 (2H, brs).
実施例48
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−3−(1−ピロリジニルメチル)−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
(7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−フェニル−3−(1−ピロリジニルメチル)チエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル塩酸塩)
3−ブロモメチル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル (300 mg)とピロリジン(52 mg)より、実施例41と同様の方法で、表題化合物 (160 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.32 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.73-1.86 (4H, m), 2.80-2.97 (2H, m), 3.36-3.52 (2H, m), 4.30 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.49 (2H, d, J=5.3 Hz), 5.74 (2H, s), 7.17-7.28 (2H, m), 7.43-7.61 (6H, m), 8.95 (1H, s), 9.86 (1H, brs).
実施例49
3−(4−ベンジル−1−ピペリジニルメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
(3−(4−ベンジル−1−ピペリジニルメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−フェニル−チエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル塩酸塩)
3−ブロモメチル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル (300 mg)と4−ベンジルピペリジン(128 mg)より、実施例41と同様の方法で、表題化合物 (168 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.20-1.52 (5H, m), 1.60-1.81 (3H, m), 2.35-3.15 (4H, m), 3.30-3.41 (2H, m), 4.31 (2H, q, J=7.2 Hz), 4.36 (1.6H, d, J=4.7 Hz), 4.50 (0.4H, d, J=4.6 Hz), 5.75 (2H, s), 7.00-7.32 (7H, m), 7.40-7.63 (6H, m), 8.95 (0.2H, s), 8.97 (0.8H, s), 9.60 (0.2H, brs), 10.16 (0.8H, brs).
実施例50
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−(1−ブトキシ−2−メチルプロピル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−(1−ブトキシ−2−メチルプロピル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−2−(メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン塩酸塩)
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン塩酸塩(110 mg)のブタノール溶液(4 ml)に濃塩酸(70 mg)を加え、60℃で15時間撹拌した。反応液を濃縮後、残さに飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水とブラインで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残留物をアルミナカラムクロマトグラフィーで精製して、無色油状物を得た。この油状物の塩化メチレン溶液(3 ml)溶液に、1規定エーテル性塩酸(0.2 ml)を加え、室温で5分間撹拌した。反応液を減圧下濃縮して得られた残さを塩化メチレン−エーテルから結晶化させて、表題化合物 (95 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:0.82-1.02 (9H, m), 1.23-1.59 (4H, m), 1.90-2.10 (1H, m), 2.69-2.71 (3H, m), 3.20-3.42 (2H, m), 3.85 (3H, s), 4.10-4.23 (1H, m), 4.26-4.39 (1H, m), 4.40-4.52 (3H, m), 5.59-5.76 (2H, m), 7.07-7.18 (2H, m), 7.21-7.38 (7H, m), 7.39-7.56 (4H, m), 8.22 (1H, s), 12.88 (1H, brs).
実施例51
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−エトキシ−2−メチルプロピル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−エトキシ−2−メチルプロピル)−2−(メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン塩酸塩)
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン塩酸塩(100 mg)とエタノール(4 ml)より、実施例50と同様の方法で、表題化合物(95 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:0.83-1.03 (6H, m), 1.09-1.21 (3H, m), 1.90-2.10 (1H, m), 2.69-2.73 (3H, m), 3.30-3.50 (2H, m), 3.84 (3H, s), 4.10-4.22 (1H, m), 4.25-4.38 (1H, m), 4.40-4.53 (3H, m), 5.69 (2H, s), 7.13 (2H, d, J=7.1Hz), 7.20-7.50 (11H, m), 8.26 (1H, s), 12.87 (1H, brs).
実施例52
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−(1−ベンジルオキシ−2−メチルプロピル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン 塩酸塩
(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−(1−ベンジルオキシ−2−メチルプロピル)−7−(2−フルオロベンジル)−4,7−ジヒドロ−2−(メトキシフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン塩酸塩)
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン塩酸塩(100 mg)とベンジルアルコール(52 mg)のジクロロエタン溶液(5 ml)に濃塩酸(70 mg)を加え、80℃で15時間撹拌した。反応液を飽和重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水とブラインで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残留物をアルミナカラムクロマトグラフィーで精製して、無色油状物を得た。この油状物の塩化メチレン溶液(3 ml)溶液に、1規定エーテル性塩酸(0.2 ml)を加え、室温で5分間撹拌した。反応液を減圧下濃縮して得られた残さを塩化メチレン−エーテルから結晶化させて、表題化合物 (80 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:0.88-1.00 (6H, m), 2.00-2.15 (1H, m), 2.68-2.79 (3H, m), 3.85 (s, 3H), 4.10-4.23 (1H, m), 4.30-4.53 (5H, m), 4.64-4.71 (1H, m), 5.70 (2H, s), 7.14 (2H, d, J=8.4 Hz), 7.22-7.53 (16H, m), 8.36 (1H, d, J=5.3 Hz), 12.84 (1H, brs).
実施例53
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−3−[(2−フェニルエチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル 塩酸塩
3−ブロモメチル−7−(2,6−ジフルオロベンジル) −4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル (300 mg)と2−フェニルエチルアミン(88 mg)より、実施例41と同様の方法で、表題化合物 (60 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.33 (3H, t, J=7.1 Hz), 2.81-2.91 (2H, m), 3.14-3.26 (2H, m), 4.25-4.40 (4H, m), 5.75 (2H, s), 7.12-7.32 (7H, m), 7.50-7.61 (6H, m), 8.94 (1H, s), 9.15 (2H, brs).
実施例54
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−3−[(3−フェニルプロピル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル塩酸塩
3−ブロモメチル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル (330 mg)と3−フェニルプロピルアミン(260 mg)より、実施例41と同様の方法で、表題化合物 (30 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.31 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.76-1.88 (2H, m), 2.52-2.62 (2H, m), 2.88-2.99 (2H, m), 4.18-4.37 (4H, m), 5.76 (2H, s), 7.12-7.32 (7H, m), 7.48-7.61 (6H, m), 8.95 (1H, s), 9.01 (2H, brs).
実施例55
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−3−[(1−メチル−1−フェニルエチル)アミノメチル]−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル塩酸塩
3−ブロモメチル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル (400 mg)とクミルアミン(125 mg)より、実施例41と同様の方法で、表題化合物 (150 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.35 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.75 (6H, s), 3.92 (2H, s), 4.32 (2H, q, J=7.1 Hz), 5.76 (2H, s), 7.14-7.60 (13H, m), 8.98 (1H, s), 9.75 (2H, brs).
実施例56
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−3−[(1−フェニルエチル)アミノメチル]−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル塩酸塩
3−ブロモメチル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4−オキソ−2−フェニル−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル (400 mg)と1−フェニルエチルアミン(113 mg)より、実施例41と同様の方法で、表題化合物 (153 mg)を無色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.34 (3H, t, J=7.1 Hz), 1.55 (3H, d, J=6.8 Hz), 3.92-4.20 (2H, m), 4.31 (2H, q, J=7.1 Hz), 4.40-4.54 (1H, m), 5.75 (2H, s), 7.16-7.60 (13H, m), 8.96 (1H, s), 9.73 (1H, brs), 9.84 (1H, brs).
実施例57
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−[2−メチル−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロピル]チエノ[2,3−b]ピリジン−4−(7H)−オン 塩酸塩
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−5−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4−(7H)−オン塩酸塩(100 mg)の2,2,2,−トリフルオロエタノール溶液(4 ml)に濃塩酸(70 mg)を加え、50℃で1時間撹拌した。反応液を濃縮後、残さに飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。 抽出液を水とブラインで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残留物をアルミナカラムクロマトグラフィーで精製して、無色油状物を得た。この油状物の塩化メチレン溶液(3 ml)溶液に、1規定エーテル性塩酸(0.1 ml)を加え、室温で5分間撹拌した。 反応液を減圧下濃縮して得られた残さを塩化メチレン−エーテルから結晶化させて、表題化合物 (50 mg)を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:0.86-1.00 (6H, m), 2.02-2.20 (1H, m), 2.63-2.74 (3H, m), 3.84 (3H, s), 3.92-4.08 (2H, m), 4.10-4.23 (1H, m), 4.28-4.38 (1H, m), 4.40-4.52 (2H, m), 4.70-4.78 (1H, m), 5.66 (0.8H, s), 5.68 (1.2H, s), 7.13 (2H, d, J=8.6 Hz), 7.21-7.53 (11H, m), 8.33 (0.6H, s), 8.35 (0.4H, s), 12.58 (1H, brs).
製剤例1
本発明における式(I)で表される化合物またはその塩を有効成分として含有するRFRP受容体機能調節剤は、例えば次のような処方によって製造することができる。
1.カプセル剤
(1)参考例1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 70mg
(3)微結晶セルロース 9mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1カプセル 120mg
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
2.カプセル剤
(1)実施例27で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 70mg
(3)微結晶セルロース 9mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1カプセル 120mg
(1)、(2)と(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
3.錠剤
(1)参考例1で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 58mg
(3)コーンスターチ 18mg
(4)微結晶セルロース 3.5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
1錠 120mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
4.錠剤
(1)実施例27で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 58mg
(3)コーンスターチ 18mg
(4)微結晶セルロース 3.5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
1錠 120mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
製剤例2
1.日局注射用蒸留水50mlに参考例1で得られた化合物50mgを溶解した後、日局注射用蒸留水を加えて100mlとする。この溶液を滅菌条件下でろ過し、次にこの溶液1mlずつを取り、滅菌条件下、注射用バイアルに充填し、凍結乾燥して密閉する。
2.日局注射用蒸留水50mlに実施例27で得られた化合物50mgを溶解した後、日局注射用蒸留水を加えて100mlとする。この溶液を滅菌条件下でろ過し、次にこの溶液1mlずつを取り、滅菌条件下、注射用バイアルに充填し、凍結乾燥して密閉する。
試験例1 ヒト型OT7T022発現CHO細胞を用いた試験化合物の結合阻害活性評価
(1)ヒト型RFRP−3のヨード標識体(Y−RFRP−3)の作成
ヒト型OT7T022発現CHO細胞に対して内因性ヒト型RFRP−3(hRFRP−3−28)と同等の結合阻害活性を有するhRFRP−3−8(配列:Val−Pro−Asn−Leu−Pro−Gln−Arg−Phe−amide)のN末端にTyr残基を付加したペプチド(Y−RFRP−3)(配列:Tyr−Val−Pro−Asn−Leu−Pro−Gln−Arg−Phe−amide)(0.1mM)20μlと蒸留水10μlを混合、そこにラクトペルオキシダーゼ液(シグマ、10μg/mLに0.1M HEPES−NaOH、pH7.0を用いて調製)20μl、Idoine−125(アマシャム、IMS−30、74MBq)10μl、0.005% 過酸化水素(和光純薬)20μlを順次混合、室温で10分静置した後、0.1% TFA−水 600μlを添加して逆相HPLCにて分離、ラベル化されたもののピークを分取して、等量の結合実験用バッファー(50mM TrisHCl(pH7.5),0.1% BSA,5mM EDTA,0.5mM PMSF,20μg/mL leupeptin,0.1μg/mL pepstatin A,4μ/mL E−64)を添加し、直ちに氷上に保管した。一部を1/100希釈してγ−カウンターで放射活性を測定し、残りの標品は分注して−30℃にて保存した。
(2)結合阻害活性評価
96ウェルマイクロプレートに反応バッファー(50mM Tris−HCl,5mM EDTA,0.1% BSA,0.5mM PMSF,20μg/ml leupeptin,0.1μg/ml pepstatin A,4μg/ml E−64,10mM MgCl, pH7.5)で希釈した1μg膜画分、化合物および125Iにてラベル化したY−RFRP−3を100pMになるように添加し、室温で1.5時間反応させた。非特異的な結合の測定には、さらに非標識のY−RFRP−3を100pMになるように添加した。
次に、セルハーベスター(パーキンエルマー)を使用して反応液を濾過することで膜画分をユニフィルターGF/C(パーキンエルマー)に移し、冷却した50mM Trisバッファー(pH7.5)で5回洗浄した。フィルターを乾燥後、マイクロシンチ0(パッカード)をフィルターに加え、トップカウント(パッカード)で放射活性を計測した。
ヒト型OT7T022に対する試験化合物の結合阻害活性(IC50値)を〔表1〕に示す。
〔表1〕
試験化合物 IC50
参考例1 <1μM
参考例3 <1μM
実施例5 <1μM
実施例9 <1μM
実施例27 <1μM
実施例36 <1μM
これより、本発明の化合物(I)は優れたRFRP受容体拮抗作用を有することがわかる。
試験例2 ヒト型OT7T022発現CHO細胞を用いたcAMP産生抑制試験系での化合物のアンタゴニスト活性試験
試料化合物のアンタゴニスト活性を、ヒト型OT7T022を発現させたCHO細胞の細胞内cAMP産生抑制試験系で測定した。cAMP産生抑制試験では、アッセイバッファーとしてHanks’ balanced salt solution(ギブコ)に20mM HEPES pH7.4、0.1% ウシ血清アルブミン、0.2mM 3−isobutyl−1−methylxanthine(シグマ)添加したものを用いた。試料化合物は、アッセイバッファーで、終濃度10−5M、10−6M、10−7M、10−8M、10−10Mとなる様調製した。アゴニスト:ヒト型RFRP−3−8(Val−Pro−Asn−Leu−Pro−Gln−Arg−Phe−amide)は、40nM(終濃度20nM)に、フォルスコリンを4μM(終濃度2μM)添加したアッセイバッファーで希釈した。ヒト型OT7T022発現CHO細胞を96穴プレートに4X10個/wellで継代し、37℃、5%CO、95%airで一日培養した。一日培養したプレートは、アッセイバッファー(150μl)で2回洗浄後30分、37℃、100%airで30分培養した。アッセイバッファー(150μl)で2回洗浄後、試料化合物溶液50μl、次いでアゴニスト+フォルスコリン溶液50μlを添加して、よく攪拌した後30分、37℃、100%airで30分培養した。細胞内cAMP量は、cAMP−ScreenTM System(ABI)を用い、本キットのプロトコルに従い測定した。
試験化合物のアンタゴニスト活性を〔表2〕に示す。
〔表2〕
試験化合物 IC50
実施例27 <5μM
これより、本発明の化合物(I)は優れたRFRP受容体アンタゴニスト活性を有することがわかる。
試験例3 ラット型OT7T022発現CHO細胞を用いた試験化合物の結合阻害活性評価
(1)ラット型OT7T022発現CHO細胞膜画分の調製
ラット型OT7T022発現CHO細胞を培養したフラスコを5mM EDTA/PBSで洗浄、5mM EDTA/PBSで細胞を剥がし、遠心して細胞を回収、25mLの 膜画分調製用バッファー(50mM Tris−HCl,pH7.5、5mM EDTA、0.5mM PMSF(和光純薬社製)、20μg/mL leupeptin(ペプチド研究所製)、0.1μg/mL pepstatinA(ペプチド研究所製)、4μg/mL E−64(ペプチド研究所製))に懸濁、ポリトロンを用い氷上でホモジナイズした(12,000rpm、15秒×3回)。これを、高速冷却遠心機にて4℃、1,000g、10分遠心し、上清を回収した。沈殿に25mLの膜画分調製用バッファーを加え、同様の操作で上清を回収した。これら上清をまとめ、セルストレーナーにかけた後、超遠心機用チューブに分注し、4℃、100,000g、1時間遠心した。ペレットを少量の膜画分調製用バッファーに懸濁し、テフロン(登録商標)ホモジナイザーを用いて懸濁した後、一部を用いて蛋白量を測定し、残りを分注して−80℃にて保存した。
(2)ラット型OT7T022発現CHO細胞膜画分に対する試料化合物の結合阻害実験
アッセイ用バッファー(50mM Tris−HCl,pH7.5、5mM EDTA、0.5mM PMSF、 20μg/mL leupeptin、0.1μg/mL pepstatinA、4μg/mL E−64、0.1% ウシ血清アルブミン、10mM MgCl)を用いて、ラット型OT7T022発現CHO細胞の膜画分は終濃度0.75μg/well、Y−RFRP−3ヨード標識体は終濃度100pMとなるよう希釈した。試料化合物は、10−2M又は10−3Mのストック溶液を、終濃度が10−5M、10−6M、10−7M、10−8M、10−9M、10−10M、10−11Mとなるようアッセイ用バッファーで希釈した。非特異的結合用として終濃度10−5MのhRFRP−3−8を調製した。ポリプロピレン製96穴プレートを用いて、調製した試料溶液、非特異的結合用液、全結合用としてアッセイバファーを50μl分注し、ヨード標識体希釈液25μlを添加して攪拌後、ラット型OT7T022発現CHO細胞膜画分溶液25μlを分注して攪拌、室温1時間半インキュベートした。これを、96穴プレート用セルハーベスター(パッカード)を用いて、洗浄用バッファー(50mM Tris−HCl,pH7.5)で予め湿らせたユニフィルター(パーキンエルマー)に移し、6回洗浄用緩衝液で洗浄した後、充分に乾燥させた。マイクロシンチO(パッカード)を50μl分注してトップカウント(パッカード)で放射活性を測定し、3連でデータを解析した。ラット型OT7T022に対する試験化合物の結合阻害活性(IC50値)を〔表3〕に示す。
〔表3〕
試験化合物 IC50
実施例27 <1μM
これより、本発明の化合物(I)はラット型RFRP受容体に対しても優れた拮抗作用を有することがわかる。
試験例4 RFRPの血糖上昇作用
RFRPとして、配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第56番目(Ser)〜第92番目(Phe)のアミノ酸配列からなるヒトRFRP−1(37アミノ酸)を用いた。以下、このペプチドをRFRP−1と略記する。
RFRP−1の末梢投与による血糖値に及ぼす影響を検討するため、自由行動下採血用の手術を行った。成熟Wistar系雄性ラット(手術時体重310〜350g)をペントバルビタール50mg/kgの腹腔内投与にて麻酔した。解剖用パッドの上に背位に固定し、左側の頚静脈を露出させた。ポリエチレンチューブSP35(内径0.5mm、外径0.9mm、夏目製作所)を約30cmの長さに切り、200単位/mlのヘパリン含有生理食塩水で満たした後、頚静脈に約4.5cm挿入し固定した。チューブのもう一端は背側の皮下を通して頚部(背側)より露出させた。
術後一晩待ってから、RFRP−1投与前に用量1mlのツベルクリン用注射筒と25ゲージ注射針(いずれもテルモ社)を用いて300μlの血液を採取した。血液凝固を防止するため、注射筒には予め3mg/ml EDTAを含む300KIU/ml aprotinin溶液を3μl入れておいた。大塚生理食塩水またはRFRP−1((株)ペプチド研究所) (17,80,170nmol))の1mL生理食塩水溶解液をチューブより1mL/Kgで静脈投与した。静脈投与の開始時点から0、5、15、30、60分後に頚静脈より300μlずつ採血した。採血した血液は微量高速冷却遠心機(MR‐150、トミー精工)を用いて遠心(13,000 rpm、5分間)し、上清(血漿)を回収した。血中グルコース濃度は、フジドライケム3500(FUJIFILM社)を用いて測定した。図1に示すごとくRFRP−1 10nmol/kg投与群は生理食塩水投与群に比し、静脈投与5分および15分後に有意な(p<0.05,n=4)血中グルコース濃度の上昇作用を示した。
試験例5 RFRPの膵グルカゴン分泌促進作用
RFRP−1の血中グルコース濃度上昇作用についてそのメカニズムを検討するため、血中グルコース濃度に変動を与えるホルモンとして知られている血中グルカゴンおよびインスリン濃度に対するRFRP−1の影響について検討した。成熟Wistar系雄性ラット(手術時体重310〜350g)に対し自由行動下採血用の手術を行った。術後一晩待ってから、RFRP−1投与前に用量1mlのツベルクリン用注射筒と25ゲージ注射針(いずれもテルモ社)を用いて300μlの血液を採取した。血液凝固を防止するため、注射筒には予め3mg/ml EDTAを含む300KIU/ml aprotinin溶液を3μl入れておいた。大塚生理食塩水またはRFRP−1の生理食塩水溶解液(80nmol/mL)をチューブより1mL/Kgで静脈投与した。静脈投与の開始時点から1、3、5、15分後に頚静脈より300μlずつ採血した。採血した血液は微量高速冷却遠心機(MR−150、トミー精工)を用いて遠心(13,000rpm、5分間)し、上清(血漿)を回収した。血中グルカゴン濃度はグルカゴンキット「第一」(第一ラジオアイソトープ研究所)、血中インスリン濃度はラットインスリン[125I]、アッセイシステム(Amersham Biosciences)を用いて測定した。図2に示すごとくRFRP−1投与群は生理食塩水投与群に比し、投与2分後で有意(p<0.01)な血中グルカゴン濃度の上昇が認められ、投与5分後においても有意(P<0.01)な上昇は持続した。一方、血中インスリン濃度はRFRP−1投与による変動は認められなかった(図3)。これらの結果およびRFRP−1投与群では、血中グルカゴン濃度の上昇の後に血中グルコース濃度の上昇が見られることから、RFRP−1静脈投与による血中グルコース濃度の上昇作用は、RFRP−1によるグルカゴン分泌刺激によって引き起こされるものと考えられた。
試験例6 RFRPの記憶消去促進作用
RFRP神経が扁桃体に投射していることから、RFRPの扁桃体依存性の記憶・学習能力への関与を検討するため、RFRP−1の脳室内投与による音手がかり試験(cued fear conditioning)での影響を検討した。成熟Wistar系雄性ラット(手術時体重280〜320g)をペントバルビタール50mg/kgの腹腔内投与にて麻酔し、ラット脳定位固定装置に固定した。切歯用バーはインターオーラルラインから3.3mm低くした。頭蓋骨を露出し、脳室内にガイドカニューレAG−12(内径0.4mm、外径0.5mm、エイコム)を埋め込むために歯科用ドリルを用いて骨に穴を開けた。また、その周囲4箇所にアンカービスを埋めた。ステンレス製ガイドカニューレ、AG−12を、その先端が側脳室の上部に位置するように挿入した。定位座標は、PaxinosとWatson(1986)のアトラスに従い、ブレグマより、AP:−0.8mm、L:1.5mm、H:4.5mmとした。ガイドカニューレは瞬間接着剤と歯科用セメントおよびアンカービスで頭蓋骨に固定した。ガイドカニューレにはステンレス製ダミーカニューレ、AD−12(外径0.35mm、エイコム社)を挿入し、キャプナイト(エイコム社)で固定した。術後、ラットは個別のケージで飼育した。回復期間を術後1週間とし、その間十分ハンドリングを行った。
音手がかり試験は、まずトレーニングセッションとしてラットをショックチャンバーに入れ2分間馴化した後、30秒間の音刺激を与えた直後に電気刺激2.5mAを2秒間与え28秒間の休息を与えるサイクルを5回繰り返した(計5分間)。試験後、2分間チャンバー内に放置した後、元のケージに戻した。次にテストセッションとして上記トレーニングの24時間後(1日目)および48時間後(2日目)に、ラットをトレーニング時と同じチャンバーに入れて30秒間の音刺激を5回トレーニング時と同じタイミングで与え、チャンバーに入れてから5分間の行動を観察した。行動解析は、解析ソフトFreezeFrame(Actimetric社)を用いて行った。音刺激により変化率15以下の行動が観察された場合をフリージングと定義した。RFRP−1(3nmol)および生理食塩水(大塚製薬)をトレーニング前後およびテスト前に脳室内へ投与した。実験匹数は、各群とも12匹づつで行った。本試験の条件として、実験室に試験動物を連れてくる際の道順を毎回変更し、実験動物は実験を行う部屋と別の部屋に待機させた。図4に示すごとくRFRP−1投与群は生理食塩水投与群に比し、フリージングの割合が2日目において顕著に低下した(生理食塩水投与群;46.5%、RFRP投与群;35.5%)。これらの結果から、RFRP−1は記憶消去促進作用を示すことが分かった。
RFRP−1を無麻酔下のラットに静脈投与した際の血中グルコース濃度の変動を調べた結果を示す。図中、(−○−)は生理食塩水投与群、(−▲−)はRFRP−1 1nmol/kg投与群および(−■−)はRFRP−1 10nmol/kg投与群の血中グルコース濃度を表す。値は平均値±標準偏差(mean±SE)(n=4)を示す。*は生理食塩水投与群に比べて、P値が0.05以下であることを示す。 RFRP−1を無麻酔下のラットに静脈投与した際の血中グルカゴン濃度の変動を調べた結果を示す。図中、(−○−)は生理食塩水投与群、(−▲−)はRFRP−1 1nmol/kg投与群および(−■−)はRFRP−1 10nmol/kg投与群の血中グルカゴン濃度を表す。値は平均値±標準偏差(mean±SE)(n=4)を示す。**は生理食塩水投与群に比べて、P値が0.01以下であることを示す。 RFRP−1を無麻酔下のラットに静脈投与した際の血中インスリン濃度の変動を調べた結果を示す。図中、((−○−)は生理食塩水投与群、(−▲−)はRFRP−1 1nmol/kg投与群および(−■−)はRFRP−1 10nmol/kg投与群の血中インスリン濃度を表す。値は平均値±標準偏差(mean±SE)(n=4)を示す。 RFRP−1(◆)および生理食塩水(○)を脳室内に投与した時の音手がかり試験におけるフリージングの割合を示す。縦軸は投与後1日目および2日目のそれぞれのフリージング(%)を平均値±標準誤差で示したものである。

Claims (31)



  1. 〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよい芳香環を、R、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を、nは1ないし3の整数を、XはCまたはNを、WはCまたはNを、YはS、N、NH、O、CH、CH=CH、N=CHまたはCH=Nを示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有することを特徴とするRFRP受容体機能調節剤。


  2. 〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよいベンゼン環を、他の記号は請求項1記載と同意義を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有することを特徴とする請求項1記載の剤。


  3. 〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよいベンゼン環を、他の記号は請求項1記載と同意義を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有することを特徴とする請求項1記載の剤。


  4. 〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよいベンゼン環を、他の記号は請求項1記載と同意義を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有する請求項1記載の剤。


  5. 〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよいベンゼン環を、他の記号は請求項1記載と同意義を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有する請求項1記載の剤。


  6. 〔式中、環A、環Bおよび環Cはそれぞれ置換されていてもよいベンゼン環を、R2aは式

    (Rは水素原子、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す)で表される基を、Rは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有する請求項1記載の剤。
  7. 鎮痛剤、他の鎮痛薬の鎮痛作用促進剤または他の鎮痛薬による耐性回避剤である請求項1記載の剤。


  8. 〔式中、各記号は請求項1記載と同意義を示す。ただし、XがC、YがS、WがNの場合を除く。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有することを特徴とするプロラクチン分泌調節剤である請求項1記載の剤。
  9. 高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫、シーハン症候群または精子形成異常の予防・治療剤である請求項8記載の剤。
  10. 膵グルカゴン分泌抑制剤、血糖低下剤または尿生成抑制剤である請求項1記載の剤。
  11. 糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤である請求項1記載の剤。
  12. 膀胱収縮抑制剤である請求項1記載の剤。
  13. 尿失禁、下部尿路疾患、過活動膀胱による切迫尿意、または過活動膀胱を伴った低緊張性膀胱の予防・治療剤である請求項1記載の剤。


  14. 〔式中、環Bは置換されていてもよいベンゼン環を、環Dはハロゲン原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいヒドロキシ基および−S(O)mR10(R10は置換されていてもよい炭化水素基を、mは0ないし2の整数を示す)で表される基から選ばれる置換基で置換されていてもよいベンゼン環を、R2bは式

    (R5aはC4−15アルキル基またはC3−10シクロアルキル基を、R6aは置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、R7aは水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示す)で表される基を、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示し、RおよびRは互いに結合して環を形成していてもよい。〕で表される化合物またはその塩(ただし、5−(1−アセトキシエチル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、5−(1−ヒドロキシエチル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジンを除く)。
  15. 6aがC1−6アルキル基、C3−6シクロアルキル基またはC7−10アラルキル基である請求項14記載の化合物。
  16. 7aが水素原子、C1−6アルキル基またはC1−6アルカノイル基である請求項14記載の化合物。
  17. が置換されていてもよいベンジル基である請求項10記載の化合物。


  18. 〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよいベンゼン環を、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を、R11はヒドロキシ基で置換されたアルキル基またはヒドロキシ基で置換されたシクロアルキル基を示す。〕で表される化合物またはその塩(ただし、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−2−(4−イソブチリルアミノフェニル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−2−(4−イソブチリルアミノフェニル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジンを除く)。
  19. 11がヒドロキシ基で置換されたC1−6アルキル基またはヒドロキシ基で置換されたC3−6シクロアルキル基である請求項18記載の化合物。


  20. 〔式中、環Bは置換されていてもよいベンゼン環を、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を、R12は水素原子、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基または置換されていてもよい炭化水素基を示す。〕で表される化合物またはその塩(ただし、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−2−フェニル−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−フェニル−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチル、3−ベンジルアミノメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−フェニル−4,7−ジヒドロ−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルを除く)。
  21. 12がC1−6アルコキシ基である請求項20記載の化合物。


  22. 〔式中、環Bは置換されていてもよいベンゼン環を、環Dはハロゲン原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいヒドロキシ基、−S(O)mR10(R10は置換されていてもよい炭化水素基を、mは0ないし2の整数を示す)で表される基から選ばれる置換基で置換されていてもよいベンゼン環を、R13は水素原子、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよい複素環基を、R14およびR15はそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を示し、R14およびR15は互いに結合して環を形成していてもよい。〕で表される化合物またはその塩(ただし、8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル、2−(4−アセトキシフェニル)−8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル、8−(2,6−ジフルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル、8−(2−フルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−ベンジルアミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステル、8−(2−フルオロベンジル)−5,8−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−3−(N−メチル−N−[2−(2−ピリジル)エチル]アミノメチル)−5−オキソイミダゾ[1,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸エチルエステルを除く)。
  23. 環Dが無置換またはパラ置換ベンゼン環である請求項14または請求項22記載の化合物。
  24. 13が置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基または置換されていてもよいアミノ基である請求項22記載の化合物。
  25. 14が置換されていてもよいベンジル基である請求項22記載の化合物。
  26. (i)3−(N−ベンジル−N−エチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル、(ii)3−ベンジルオキシメチル−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル、(iii)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−(4−フルオロベンゾイル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)チエノ[2,3−b]ピリジン−4(7H)−オン、(iv)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−N−(3−フェニルプロピル)−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド、(v)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(4−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル、(vi)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(3−フルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル、(vii)[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェノキシ]酢酸メチル、(viii)2−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−イソブチリル−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]フェノキシ]アセタミド、(ix)3−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イルメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル、(x)3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2−メトキシベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸もしくは(xi)N−[4−[3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−(4−メトキシフェニル)−5−(2−メチルプロパノイル)−4−オキソ−4,7−ジヒドロチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル]]フェニル]−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド、またはその塩。
  27. 請求項14、18、20、22または26記載の化合物のプロドラッグ。
  28. 請求項14、18、20、22または26記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなる医薬。
  29. RFRP関連病態またはRFRPが関与する疾患の予防・治療剤である請求項28記載の医薬。
  30. 哺乳動物に対して、式

    〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよい芳香環を、R、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を、nは1ないし3の整数を、XはCまたはNを、WはCまたはNを、YはS、N、NH、O、CH、CH=CH、N=CHまたはCH=Nを示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とするRFRP受容体の機能調節方法。
  31. RFRP受容体機能調節剤を製造するための式

    〔式中、環Aおよび環Bはそれぞれ置換されていてもよい芳香環を、R、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基またはアシル基を、nは1ないし3の整数を、XはCまたはNを、WはCまたはNを、YはS、N、NH、O、CH、CH=CH、N=CHまたはCH=Nを示す。〕で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの使用。
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