WO2004076487A1 - 抗体およびその用途 - Google Patents

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Abstract

本発明の、TGR23-2リガンドのN端側またはC末端の部分ペプチドに特異的に反応する抗体は、TGR23-2リガンドの検出・定量に有用であり、さらに、癌の予防・治療剤および診断薬等としても有用である。

Description

明 細 書 抗体およびその用途 技術分野
本発明は、 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミ ノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩に結合特異性を有する新規な抗 体に関する。 更に詳しくは、 抗原抗体反応に基づく該ポリペプチドまたはその 塩の定量法、 中和活性を利用する該ポリぺプチドまたはその塩が関与する疾患 (例、 癌など) の診断および予防 ·治療剤の開発に有用な抗体などに関する。 背景技術
現在、 創薬のターゲットとなっている遺伝子の約半数が 7回膜貫通構造を特徴 とする Gタンパク質共役型レセプター (GPCR) である。 Gタンパク質共役型レセ プター TGR23は、 ヒト結腸癌細胞 LS 174T、 LS 180、 SW 403およびヒト胃癌細胞 KATO 111などの癌細胞株および大腸癌組織において発現が亢進しているレセプ夕 —であり、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド (以下、 ヒト TGR23-2リガンドと称することもある) 、 配列番号: 2で表されるアミノ酸 配列を有するポリペプチド (以下、 ラット TGR23-2リガンドと称することもあ る) 、 および配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド (以 下、 マウス TGR23-2リガンドと称することもある) などが、 そのリガンドぺプチ ドとして見出された (W0 02/31145号公報) 。
ヒト TGR23- 2リガンドの生理機能をさらに明らかにするために、 ヒト TGR23-2 リガンド、 ラット TGR23- 2リガンドまたはマウス TGR23- 2リガンドの中和抗体、 これら TGR23- 2リガンドを簡便かつ高感度に検出 ·定量する測定系が切望されて いた。 発明の開示
本発明者らは、 上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、 ヒト TG 23-2リガンド、 ラット TGR23- 2リガンドまたはマウス TGR23- 2リガンドの N端 側および C端側を特異的に認識する複数のモノクローナル抗体を作製し、 これら 抗体を用いることにより血液、 脳脊髄液、 尿などの生体成分中の TGR23- 2リガン ドの変動を簡便に、 高感度に検出 ·定量できることを見出し、 さらに.、 これら 抗体が、 TGR23- 2リガンドの活性を中和することも見出し、 本発明を完成するに 至った。
すなわち、 本発明は、
( 1 ) 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸 配列を含有するポリぺプチドまたはその塩の N端側の部分べプチドに特異的に 反応する抗体、
( 2 ) 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸 配列の第 1〜 7番目のアミノ酸配列を有するぺプチドに特異的に反応する上記
( 1 ) 記載の抗体、
( 3 ) 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸 配列の第 1〜3番目、 第 1〜4番目、 第 1〜5番目、 第 1〜6番目、 第 1〜7 番目、 第 2〜4番目、 第 2〜5番目、 第 2〜6番目、 第 2〜7番目、 第 3〜5 番目、 第 3〜6番目、 第 3〜7番目、 第 4〜6番目、 第 4〜7番目または第 5 〜 7番目のアミノ酸配列を有するペプチドに特異的に反応する上記 (1 ) 記載 の抗体、
( 3 a ) 配列番号: 2で表されるアミノ酸配列の第 1〜8番目のアミノ酸配 列を有するペプチドに特異的に反応する上記 (1 ) 記載の抗体、
( 3 b ) 配列番号: 5で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドもしく はそのアミド体またはその塩に特異的に反応する上記 (1 ) 記載の抗体、
( 4) 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸 配列を含有するポリぺプチドまたはその塩の C端側の部分べプチドを認識しな い上記 (1 ) 記載の抗体、
( 5 ) 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸 配列を含有するペプチドに対して中和活性を有する上記 (1 ) 記載の抗体、
( 6 ) 標識化された上記 (1 ) 記載の抗体、 (7) モノクロ一ナル抗体である上記 (1) 記載の抗体、
(8) 23 L- 1 N (FERM B P— 8302 ) で標示されるハイブリド 一マ細胞から産生され得る 23 L— IN aで標示される上記 (7) 記載のモノ クローナル抗体、
(9) 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有する ポリペプチドまたはその塩の C端側の部分ペプチドに特異的に反応する抗体、 (10) 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列の第 15 〜18番目のアミノ酸配列を有するペプチドに特異的に反応する上記 (9) 記 載の抗体、
(11) 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列の第 12 〜14番目、 第 12〜15番目、 第 12〜16番目、 第 12〜17番目、 第 1 2〜18番目、 第 13〜15番目、 第 13〜16番目、 第 13〜17番目、 第 13〜18番目、 第 14〜16番目、 第 14〜17番目、 第 14〜18番目、 第 15〜17番目、 第 15〜18番目または第 16〜18番目のアミノ酸配列 を有するペプチドに特異的に反応する上記 (9) 記載の抗体、
(12) 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有す るポリぺプチドまたはその塩の N端側の部分べプチドを認識しない上記 ( 9 ) 記載の抗体、
(13) 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有す るペプチドに対して中和活性を有する上記 (9) 記載の抗体、
(14) 標識化された上記 (9) 記載の抗体、
(15) モノクローナル抗体である上記 (9) 記載の抗体、
(16) 23 L- 2 C (FERM B P— 8303 ) で標示されるハイプリ ドーマ細胞から産生され得る 23 L— 2 C aで標示される上記 (15) 記載の モノクローナル抗体、
(17) 上記 (1) または上記 (9) 記載の抗体を含有してなる医薬、
(18) 癌または拒食症の予防 ·治療剤である上記 (17) 記載の医薬、
(19) 上記 (1) または/および上記 (9) 記載の抗体を含有してなる診 断薬、 (20) 上記 (1) 記載の抗体を用いることを特徴とする配列番号: 1、 配 列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリべプチ ドまたはその塩の定量法、 .
(21) さらに上記 (9) 記載の抗体を用いることを特徴とする上記 (2 0) 記載の定量法、
(22) 上記 (1) 記載の抗体を用いることを特徴とする配列番号: 1、 配 列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリべプチ ドまたはその塩が関与する疾患の診断法、
(23) 上記 (1) 記載の抗体を用いることを特徴とする癌の診断法、
(24) さらに上記 (9) 記載の抗体を用いることを特徴とする上記 (2, 2) または上記 (23) 記載の診断法、 '
(25) 上記 (9) 記載の抗体を用いることを特徴とする配列番号: 2また は配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩 の定量法、
(26) 上記 (1) 記載の抗体と、 被検波および標識化された配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリぺプ チドまたはその塩とを競合的に反応させ、 上記抗体に結合した上記標識化され たポリペプチドまたはその塩の割合を測定することを特徴とする、 被検液中の 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含 有するポリペプチドまたはその塩の定量法、
(27) 上記 (9) 記載の抗体と、 被検波および標識化された配列番号: 2 または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはそ の塩とを競合的に反応させ、 上記抗体に結合した上記標識化されたポリべプチ ドまたはその塩の割合を測定することを特徴とする、 被検液中の配列番号: 2 または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはそ の塩の定量法、 .
(28) (i) 担体上に不溶化した上記 (1) 記載の抗体、 標識化された上記 (9) 記載の抗体および被検波を反応させた後、 標識剤の活性を測定する、 ま たは、 (ii) 担体上に不溶化した上記 (9) 言載の抗体、 標識化された上記 (1) 記 載の抗体および被検液を反応させた後、 標識剤の活性を測定することを特徴と する被検液中の配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を有 するポリぺプチドまたはその塩の定量法、
(29) 上記 (7) 記載のモノクローナル抗体を産生するハイプリドーマ細 胞、
(30) 23 L- 1 N (FERM Β Ρ— 8302 ) で標示される上記 ( 2 9) 記載のハイプリドーマ細胞、
(31) 上記 (29) 記載の八イブリドーマ細胞を生体内又は生体外で培養 し、 その体液または培養物から上記 (7) 記載のモノクローナル抗体を採取す ることを特徴とする上記 (7) 記載のモノクローナル抗体の製造法、
(32) 上記 (15) 記載のモノクローナル抗体を産生するハイプリドーマ 細胞、
(33) 23 L- 2 C (FERM BP- 8303) で標示される上記 (3 2) 記載のハイプリドーマ細胞、
(34) 上記 (32) 記載のハイプリドーマ細胞を生体内又は生体外で培養 し、 その体液または培養物から上記 (15) 記載のモノクロ一ナル抗体を採取 することを特徴とする上記 (15) 記載のモノクローナル抗体の製造法、
(35) 配列番号: 5で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドもしく はそのアミド体またはその塩、
(36) 哺乳動物に対して、 上記 (1) または上記 (9) 記載の抗体の有効 量を投与することを特徴とする、 癌または拒食症の予防 ·治療法、
(37) 癌または拒食症の予防 ·治療剤を製造するための上記 (1) または 上記 (9) 記載の抗体の使用などに関する。 図面の簡単な説明
図 1は、 [Cys19- NH2] ラット TGR23- 2リガンド (卜 19) - BTG複合体を免疫した マウスの抗血清中の抗体価の測定結果を表す。 図中、 —◊一はマウス No.l、 一 ローはマウス No.2、 一はマウス No.3、 —〇一はマウス No, 4、 —♦一はマウ ス No. 5、 —■一はマウス No. 6、 —▲一はマウス No. 7、 —書—はマウス No. 8を表 す。
図 2は、 [Cys19-NH2] ラット TGR23- 2リガンド (1-19) - BTG複合体を免疫した マウス由来の八イブリドーマが、 抗体を産生している状態 (吸光分析の結果) を表す。
図 3は、 [Cys19-NH2] ラット TGR23- 2リガンド (1-19) -BTG複合体を免疫した マウス由来のハイプリドーマが、 抗体を産生している状態 (吸光分析の結果) を表す。
図 4は、 [Cys19- NH2] ラット TGR23- 2リガンド (1-19) - BTG複合体を免疫した マウス由来の八イブリドーマが、 抗体を産生している状態 (吸光分析の結果) を表す。
図 5は、 23L_lNaの競合法- EIAの結果を表す。 図中、 ー秦—はヒト TGR23 - 2リ ガンドとの反応性を、 一〇一はラット TGR23-2リガンドとの反応性を、 —騸—は マウス TGR23-2リガンドとの反応性を表す。
図 6は、 23L_lCaの競合法- EIAの結果を表す。 図中、 ー秦一はヒト TGR23 - 2リ ガンドとの反応性を、 ー〇_はラット TGR23-2リガンドとの反応性を、 —讕—は マウス TGR23- 2リガンドとの反応性'を表す。
図 7は、 23L_2Caの競合法- EIAの結果を表す。 図中、 —⑩一はヒト TGR23 - 2リ ガンドとの反応性を、 一〇_はラット TGR23- 2リガンドとの反応性を、 —園一は マウス TGR23- 2リガンドとの反応性を表す。
図 8は、 23L- INaおよび 23L- 2Ca- HRPを用いたサンドィツチ法 EIAの結果を表す。 図中、 —鲁一はヒト TGR23- 2リガンドとの反応性を、 —〇—はラット TGR23- 2リ ガンドとの反応性を、 一國—はマウス TGR23-2 Uガンドとの反応性を表す。
図 9は、 23L_lNaまたは 23L- 2Ca共存時におけるマウス TGR23- 2リガンドの TGR23- 2発現 CH0細胞に対する細胞内 [Ca ]濃度上昇活性に対する中和作用を表 す。 マウス TGR23- 2リガンド (5x10- 10M) を、 モル濃度で 23L- INaまたは 23L- 2Ca と 1: 1、 1 : 10、 1 : 100または 1 : 1000の各割合で、 室温で 1時間反応後の細胞内 [Ca2+]濃度上昇活性を示す。 図中、 黒棒は 23L- INaを、 白棒は 23L- 2Caをマウス TGR23- 2リガンドとそれぞれ共存させた時の、 TGR23- 2発現 CH0細胞における細胞 内 [Ca2+]濃度上昇活性のコントロール (抗体非添加時) に対する割合を示す。 図 1 0は、 TGR23- 2リガンドに対して中和活性を示す 23L- 2Caおよびコントロ ール抗体投与によるヒト結腸癌細胞株 LS 174T担癌ヌードマウスでの腫瘍の増殖 曲線を示す。 図中、 —像一は 23L-2Ca投与群の増殖曲線を、 —〇一はコントロー ル抗体 (KIS- INa) 投与群の増殖曲線を示す。 値は平均値 ±標準偏差 (mean±SE) (n=12) を示す。 *はコントロール抗体 (KIS-lNa) 投与群に比べて、 P値が 0. 05以下であることを示す。 * *はコントロール抗体 (KIS-lNa) に比べて、 P 値が 0. 01以下であることを示す。
図 1 1は、 ヒト TGR23- 2リガンドまたは蒸留水をラット側脳室内に投与後 4時 間までの 30分ごとの摂餌量の経時的変動を示す。 図中、 一翁—はヒト TGR23-2リ ガンド投与群を、 —〇—は蒸留水投与群を示す。 値は平均値土標準誤差 (n=8) で示す。 *は蒸留水投与群に対して有意な (P<0. 05) 差であることを示す。 発明を実施するための最良の形態
本明細書におけるタンパク質 (ポリペプチド) は、 ペプチド標記の慣例に従 つて左端が N末端 (ァミノ末端) 、 右端が C末端 (力ルポキシル末端) である。 配列番号: 1で表わされるァミノ酸配列を含有するポリペプチドをはじめとす る、 本発明で用いられるタンパク質は、 C末端がカルボキシル基、 カルポキシ レート、 アミドまたはエステルの何れであってもよい。
配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を 含有するポリペプチドとしては、 例えば、 (1) 配列番号: 1、 配列番号: 2ま たは配列番号: 3で表されるアミノ酸配列に数 (1〜5) 個のアミノ酸が付加し たアミノ酸配列、 (2) 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表さ れるアミノ酸配列に数 (1〜5) 個のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、 (3) 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列中の 数 (1〜5) 個のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を有するポ リぺプチドなどが用いられる。
配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を 含有するポリペプチドの塩としては、 生理学的に許容される酸 (例、 無機酸、 有機酸) や塩基 (例、 アルカリ金属など) などとの塩が用いられ、 とりわけ生 理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 このような塩としては、 例えば、 無 機酸 (例、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸) との塩、 または有機酸 (例、 酢 酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 '酒石酸、 クェン 酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸) と の塩などが用いられる。
配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を 含有するポリぺプチドまたはその塩の N端側の部分べプチドとしては、 例えば、 (a) 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列 の (i) 第 1〜3番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(i i) 第 1〜4番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(i i i) 第 1〜5番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(iv) 第 1〜6番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(V) 第 1〜7番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(vi) 第 2〜4番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(vi i) 第 2〜 5番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(vi i i) 第 2〜 6番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
( i x) 第 2〜7番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(X) 第 3〜5番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(xi) 第 3〜6番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(xi i) 第 3〜 7番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(xi i i) 第 4〜 6番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(xiv) 第 4〜7番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、 ならびに
(XV) 第 5〜7番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、 および
(b) 配列番号: 2で表されるアミノ酸配列の第 1〜8番目のアミノ酸配列を有 するポリペプチドなどが挙げられる。
配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリべ プチドまたはその塩の C端側の部分ペプチドとしては、 例えば、 配列番号: 2 または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列の、 (i) 第 1 2〜1 4番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(i i) 第 1 2〜1 5番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(i i i) 第 1 2〜1 6番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(iv) 第 1 2〜1 7番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(V) 第 1 2〜1 8番目のア^ノ酸配列を有するポリペプチド、
(vi) 第 1 3〜1 5番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(vi i) 第 1 3〜1 6番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(vi i i) 第 1 3〜1 7番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(ix) 第 1 3〜1 8番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(X) 第 1 4〜1 6番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(xi) 第 1 4〜1 7番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(xi i) 第 1 4〜1 8番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(xi i i) 第 1 5〜1 7番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(xiv) 第 1 5〜1 8番目のアミノ酸配列を有するポリペプチド、 および (xv) 第 1 6〜1 8番目のアミノ酸配列を有するポリペプチドなどが挙げられ る。
配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を 含有するポリペプチドまたはその塩の N端側の部分ペプチドに特異的に反応す る抗体としては、 例えば該ポリぺプチドまたはその塩の N端側の部分べプチド に特異的に反応するものであればよく、 好ましくはモノクローナル抗体が挙げ られる。 具体的には、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列の第 1〜7番目ま でのアミノ酸配列を含むペプチド、 例えば、 配列番号: 2で表されるアミノ酸 配列の第 1 ~ 8番目のアミノ酸配列を有し、 かっこのアミノ酸配列の第 9番目 を Cys-NH2に置換したアミノ酸配列を有するポリペプチドに特異的に反応する抗 体 (好ましくは、 モノクロ一ナル抗体) などが用いられる。 このうち好ましく は、 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列 を含有するポリぺプチドまたはその塩の C端側の部分べプチドを認識しないも のである。
さらに好ましくは、 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表さ れるァミノ酸配列を含有するポリべプチドまたはその塩の活性を中和する抗体 である。
好ましい具体例としては、 2 3 L— I N aで標示されるモノクローナル抗体 が挙げられる。
さらに、 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるァミノ 酸配列を含有するポリぺプチドまたはその塩の N端側の部分べプチドに特異的 に反応する抗体としては、 (a) 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列の (ί) 第 1〜3番目のアミノ酸配列、 (U) 第 1〜 4番目のアミノ酸配列、 (i i i) 第 1〜5番目のァミノ'酸配列、 (iv) 第 1〜6 番目のアミノ酸配列、 (V) 第 1〜7番目のアミノ酸配列、 (v i ) 第 2 ~ 4番目 のアミノ酸配列、 (vi i) 第 2〜5番目のアミノ酸配列、 (vi i i) 第 2〜6番目 のアミノ酸配列、 (i x) 第 2〜7番目のアミノ酸配列、 (X) 第 3〜5番目のァ ミノ酸配列、 (x i ) 第 3〜6番目のアミノ酸配列、 (xi i ) 第 3〜7番目のアミ ノ酸配列、 (xi i i) 第 4〜6番目のアミノ酸配列、 (xiv) 第 4〜7番目のアミ ノ酸配列、 (XV) 第 5〜7番目のアミノ酸配列、 および (b) 配列番号: 2で表 されるアミノ酸配列の第 1〜 8番目のアミノ酸配列を特異的に認識する抗体な どが用いられる。
配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリべ プチドまたはその塩の C端側の部分べプチドに特異的に反応する抗体は、 例え ば、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリ ペプチドまたはその塩の C端側の部分ペプチドに特異的に反応するものであれ ばよく、 好ましくはモノクローナル抗体が挙げられる。 具体的には、 例えば、 配列番号: 2で表されるアミノ酸配列を有し、 かっこのアミノ酸配列の第 1 9 番目に Cysを付加したアミノ酸配列を有するポリペプチドに特異的に反応する抗 体 (好ましくは、 モノクローナル抗体) などが用いられる。 このうち好ましく は、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリ ペプチドまたはその塩の N端側の部分ペプチドを認識しないものである。
さらに好ましくは、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配 列を含有するポリペプチドまたはその塩の活性を中和する抗体である。 好ましい具体例としては、 2 3 L— 2 C aで標示されるモノクローナル抗体 が挙げられる。
さらに、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有す るポリぺプチドまたはその塩の C端側の部分べプチドに特異的に反応する抗体 としては、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列の (i) 第 1 2〜1 4番目のアミノ酸配列、 (i i) 第 1 2〜1 5番目のアミノ酸配列、 (i i i) 第 1 2〜1 6番目のアミノ酸配列、 (iv) 第 1 2〜1 7番目のアミノ酸 配列、 (V) 第 1 2〜1 8番目のアミノ酸配列、 (v i ) 第 1 3〜1 5番目のアミ ノ酸配列、 (vi i) 第 1 3〜1 6番目のアミノ酸配列、 (vi i i) 第 1 3〜1 7番 目のアミノ酸配列、 (i x) 第 1 3〜1 8番目のアミノ酸配列、 (X) 第 1 4〜1 6番目のアミノ酸配列、 (xi) 第 1 4〜1 7番目のアミノ酸配列、 (xi i) 第 1 4〜1 8番目のアミノ酸配列、 (xi i i) 第 1 5〜1 7番目のアミノ酸配列、 (x iv) 第 1 5〜1 8番目のアミノ酸配列、 および (XV) 第 1 6〜1 8番目のァ ミノ酸配列を特異的に認識する抗体などが用いられる。 以下に、 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるァミノ 酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の N端側の部分べプチドに特異的 に反応する抗体、 および配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸 配列を含有するポリべプチドまたはその塩の C端側の部分べプチドに特異的に 反応する抗体 (以下、 両者をあわせて本発明の抗体と称することもある) の抗 原の調製法、 および該抗体の製造法について説明する。
( 1 ) 抗原の調製
本発明の抗体を調製するために使用される抗原としては、 例えば、 配列番 号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有する ポリペプチドまたはその塩 (以下、 TGR23-2リガンドと称することもある) と同 一の抗原決定基を 1種あるいは 2種以上有する合成べプチドなど何れのものも 使用することができる (以下、 これらを単に TGR23- 2リガンド抗原と称すること もある) 。
TGR23- 2リガンドは、 (a) 例えばヒト、 サル、 ラット、 マウスなどの哺乳動 物の組織または細胞から公知の方法あるいはそれに準ずる方法を用いて調製、
(b) ペプチド ·シンセサイザ一等を使用する公知のペプチド合成方法で化学的 に合成、 (c) TGR23- 2リガンドをコードする DNAを含有する形質転換体を培養す ることによつても製造される。
(a) 該哺乳動物の組織または細胞から TGR23- 2リガンド抗原を調製する場合、 その組織または細胞をホモジナイズした後、 酸、 またはアルコールなどで抽出 を行い、 該抽出液を、 塩析、 透析、 ゲル濾過、 逆相クロマトグラフィー、 ィォ ン交換クロマトグラフィー、 ァフィ二ティ一クロマトグラフィーなどのクロマ トグラフィ一を組み合わせることにより精製単離することができる。
(b) 化学的に TGR23-2リガンド抗原を調製する場合、 該合成ペプチドとしては、 例えば上述した天然より精製した TGR23- 2リガンド抗原と同一の構造を有するも の、 配列番号: 1で表されるアミノ酸配列において 3個以上、 好ましくは 8個以 上のアミノ酸からなる任意の箇所のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を 1種あ るいは 2種以上含有するペプチドなどが用いられる。
(c) DNAを含有する形質転換体を用いて TGR23-2リガンドを製造する場合、 該 DNAは、 公知のクロ一ニング方法 〔例、 Mo lecul ar Cl oning (2nd ed. ; J.
Sambrook et al . , Col d Spr ing Harbor Lab. Press, 1989) に記載の方法な ど〕 に従って作成することができる。 該クローニング方法とは、 (1) TGR23-2 リガンドのアミノ酸配列に基づきデザインした DNAプローブまたは DNAプライマ —を用い、 cDNAライブラリーからハイブリダィゼーシヨン法により TGR23- 2リガ ンドをコードする DNAを含有する形質転換体を得る方法、 または (2) TGR23- 2リ ガンドのアミノ酸配列に基づきデザインした DNAプライマーを用い、 PCR法によ り TGR23- 2リガンドをコードする DNAを含有する形質転換体を得る方法などが挙 げられる。
TGR23- 2リガンド抗原としてのペプチドは、 (1) 公知のペプチドの合成法に 従って、 または (2) 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表され. るアミノ酸配列を含有するポリぺプチドを適当なぺプチダーゼで切断すること によって製造することができる。
該ペプチドの合成法としては、 例えば固相合成法、 液相合成法のいずれによ つても良い。 すなわち、 該ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはァミノ 酸と残余部分とを縮合させ、 生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離する ことにより目的のペプチドを製造することができる。 公知の縮合方法や保護基 の脱離としてはたとえば、 以下の (i) 〜 (i i) に記載された方法等が挙げられ る。
(i) Pept ide Synthes is, Intersc ience Publ ishers, New York (1966年)
(i i) The Pept ide, Academic Press, New York (1965年)
また、 反応後は通常の精製法、 例えば、 溶媒抽出、 蒸留、 カラムクロマトグ ラフィー、 液体クロマトグラフィー、 再結晶などを組み合わせて該ペプチドを 精製単離することができる。 上記方法で得られるペプチドが遊離体である場合 は、 公知の方法によって適当な塩に変換することができ、 逆に塩で得られた場 合は、 公知の方法によつて遊離体に変換することができる。
ペプチドのアミド体は、 アミド形成に適した市販のペプチド合成用樹脂を用 いることができる。 そのような樹脂としては例えば、 クロロメチル樹脂、 ヒド ロキシメチル樹脂、 ベンズヒドリルァミン樹脂、 アミノメチル樹脂、 4-ベンジ ルォキシベンジルアルコール榭脂、 4-メチルベンズヒドリルァミン樹脂、 PAM樹 脂、 4-ヒドロキシメチルメチルフエニルァセトアミドメチル樹脂、 ポリアクリ ルアミド樹脂、 4- (2',4' -ジメトキシフエ二ル-ヒドロキシメチル)フエノキシ樹 脂、 4- (2',4' -ジメトキシフエ二ル- Fmocアミノエチル)フエノキシ樹脂などを挙 げることができる。 このような樹脂を用い、 α—ァミノ基と側鎖官能基を適当 に保護したアミノ酸を、 目的とするペプチドの配列通りに、 公知の各種縮合方 法に従い、 樹脂上で縮合させる。 反応の最後に樹脂からペプチドを切り出すと 同時に各種保護基を除去し、 目的のペプチドを取得する。 あるいはクロ口トリ チル樹脂、 ォキシム樹脂、 4-ヒドロキシ安息香酸系樹脂等を用い、 部分的に保 護したペプチドを取り出し、 更に常套手段で保護基を除去し目的のペプチドを 得ることもできる。
上記した保護されたアミノ酸の縮合に関しては、 ペプチド合成に使用できる 各種活性化試薬を用いることができるが、 特に、 カルポジイミド類がよい。 力 ルポジイミド類としては DCC、 Ν,Ν' -ジイソプロピルカルポジイミド、 Ν-ェチル- N' - (3 -ジメチルァミノプロリル)カルポジイミドなどが挙げられる。 これらによ る活性化にはラセミ化抑制添加剤 (例えば、 H0Bt、 HOOBtなど) とともに保護さ れたアミノ酸を直接樹脂に添加するか、 または、 対称酸無水物または HOBtエス テルあるいは HOOBtエステルとしてあらかじめ保護されたアミノ酸の活性化を行 つたのちに榭脂に添加することができる。 保護されたアミノ酸の活性化ゃ榭脂 との縮合に用いられる溶媒としては、 ペプチド縮合反応に使用しうることが知 . られている溶媒から適宜選択されうる。 たとえば Ν, Ν-ジメチルホルムアミド、 Ν, Ν-ジメチルァセトアミド、 Ν-メチルピロリドンなどの酸アミド類、 塩化メチ レン、 クロ口ホルムなどのハロゲン化炭化水素類、 卜リフルォロエタノールな どのアルコール類、 ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、 ピリジンな どの三級アミン類、 ジォキサン、 テトラヒドロフランなどのエーテル類、 ァセ トニトリル、 プロピオ二トリルなどの二トリル類、 酢酸メチル、 酢酸ェチルな どのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。 反応温度は ぺプチド結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択さ れ、 通常約一 2 0〜約 5 0 °Cの範囲から適宜選択される。 活性化されたァミノ 酸誘導体は通常約 1 . 5〜約 4倍過剰で用いられる。 ニンヒドリン反応を用い たテストの結果、 縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反 応を繰り返すことにより十分な縮合を行うことができる。 反応を繰り返しても 十分な縮合が得られないときには、 無水酢酸またはァセチルイミダゾ一ルを用 いて未反応アミノ酸をァセチル化して、 後の反応に影響を及ぼさないようにす ることができる。
原料アミノ酸のァミノ基の保護基としては、 たとえば、 1、 Boc、 ターシャリ 一ペンチルォキシカルポニル、 イソポルニルォキシカルポニル、 4-メトキシべ ンジルォキシカルボニル、 C卜 Z、 Br- Z、 ァダマンチルォキシカルポニル、 トリ フルォロアセチル、 フタロイル、 ホルミル、 2-ニトロフエニルスルフエニル、 ジフエニルホスフイノチオイル、 Fmocなどが挙げられる。 力ルポキシル基の保 護基としては、 たとえば アルキル基、 C 3_8シクロアルキル基、 C 714ァラル キル基、 2-ァダマンチル、 4-ニトロベンジル、 4-メトキシベンジル、 4-クロ口 ベンジル、 フエナシルおよびべンジルォキシカルポニルヒドラジド、 ターシャ リーブトキシカルポニルヒドラジド、 トリチルヒドラジドなどが挙げられる。 セリンおよびスレオニンの水酸基は、 たとえばエステル化またはエーテルィ匕 によつて保護することができる。 このエステル化に適する基としては例えばァ セチル基などの低級 (C ^) アルカノィル基、 ベンゾィル基などのァロイル基、 ベンジルォキシカルポニル基、 エトキシカルポニル基などの炭酸から誘導され る基などが挙げられる。 また、 エーテル化に適する基としては、 たとえばベン ジル基、 テトラヒドロビラニル基、 ターシャリーブチル基などである。
チロシンのフエノール性水酸基の保護基としては、 たとえば Bz l、 Cl-Bz K 2- ニトロベンジル、 Br- Z、 夕一シャリーブチルなどが挙げられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、 Tos、 4-メトキシ- 2, 3, 6-トリ メチルベンゼンスルホニル、 DNP、 Bom、 Bum, Boc、 Tr t、 Fmocなどが挙げられる。 原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、 たとえば対応する酸無 水物、 アジド、 活性エステル [アルコール (たとえば、 ペンタクロロフエノ一 ル、 2, 4, 5-トリクロ口フエノール、 2, 4 -ジニトロフエノール、 シァノメチルァ ルコール、 パラニトロフエノール、 顧 B、 N-ヒドロキシスクシミド、 N-ヒドロ キシフ夕ルイミド、 HOBt) とのエステル] などが挙げられる。 原料のアミノ基 の活性化されたものとしては、 たとえば対応するリン酸アミドが挙げられる。 保護基の除去 (脱離) 方法としては、 たとえば Pd-黒あるいは Pd-炭素などの 触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、 また、 無水フッ化水素、 メタン スルホン酸、 トリフルォロメタンスルホン酸、 トリフルォロ酢酸あるいはこれ らの混合液などによる酸処理や、 ジイソプロピルェチルァミン、 トリェチルァ ミン、 ピぺリジン、 ピぺラジンなどによる塩基処理、 また液体アンモニア中ナ トリウムによる還元なども挙げられる。 上記酸処理による脱離反応は一般に一 2 0〜4 0 °Cの温度で行われるが、 酸処理においてはァニソール、 フエノール、 チオア二ソール、 メタクレゾール、 パラクレゾール、 ジメチルスルフイド、
1, 4 -ブタンジチオール、 1, 2-エタンジチオールのようなカチオン捕捉剤の添加 が有効である。 また、 ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる 2, 4 - ジニト口フエニル基はチォフエノール処理により除去され、 トリブトファンの ィンドール保護基として用いられるホルミル基は上記の 1 , 2 -エタンジチオール、 ィンドール保護基として用いられるホルミル基は上記の 1 , 2-エタンジチオール、 1 , 4 -ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、 希水酸化ナ トリウム、 希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護および保護基、 ならびにその保 護基の脱離、 反応に関与する官能基の活性化などは公知の基あるいは公知の手 段から適宜選択しうる。
ペプチドのアミド体を得る別の方法としては、 まず、 力ルポキシル末端アミ ノ酸の α—力ルポキシル基をアミド化した後、 アミノ基側にペプチド鎖を所望 の鎖長まで延ばした後、 該ぺプチド鎖の Ν末端のひ一アミノ基の保護基のみを 除いたぺプチドと C末端の力ルポキシル基の保護基のみを除いたぺプチド (ま たはアミノ酸) とを製造し、 この両ペプチドを上記したような混合溶媒中で縮 合させる。 縮合反応の詳細については上記と同様である。 縮合により得られた 保護ペプチドを精製した後、 上記方法によりすベての保護基を除去し、 所望の 粗べプチドを得ることができる。 この粗べプチドは既知の各種精製手段を駆使 して精製し、 主要画分を凍結乾燥することで所望のペプチドのアミド体を得る ことができる。
ペプチドのエステル体を得るにはカルポキシ末端アミノ酸の α—力ルポキシ ル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、 ペプチドのァ ミド体と同様にして所望のぺプチドのエステル体を得ることができる。
TGR23- 2リガンド抗原は、 不溶化したものを直接免疫することもできる。 また、 TGR23- 2リガンド抗原を適当な担体に結合または吸着させた複合体を免疫しても よい。 該担体 (キャリアー) と TGR23-2リガンド抗原 (ハプテン) との混合比は、 担体に結合または吸着させた TGR23- 2リガンド抗原に対して抗体が効率よくでき れば、 どのようなものをどのような比率で結合あるいは吸着させてもよく、 通. 常ハプテン抗原に対する抗体の作製にあたり常用されている天然もしくは合成 の高分子担体を重量比でハプテン 1に対し 0 . 1〜 1 0 0の割合で結合あるい は吸着させたものを使用することができる。 天然の高分子担体としては、 例え ばゥシ、 ゥサギ、 ヒトなどの哺乳動物の血清アルブミンや例えばゥシ、 ゥサギ などの哺乳動物のチログロブリン、 例えばゥシ、 ゥサギ、 ヒト、 ヒッジなどの 哺乳動物のヘモグロビン、 キーホールリンぺットへモシァニンなどが用いられ る。 合成の高分子担体としては、 例えばポリアミノ酸類、 ポリスチレン類、 ポ リアクリル類、 ポリビニル類、 ポリプロピレン類などの重合物または供重合物 などの各種ラテックスなどを用いることができる。
また、 ハプテンとキャリアーの力プリングには、 種々の縮合剤を用いること ができる。 例えば、 チロシン、 ヒスチジン、 トリブトファンを架橋するビスジ ァゾ化べンジジンなどのジァゾニゥム化合物、 アミノ基同志を架橋するダル夕 ルアルデビトなどのジアルデヒド化合物、 トルエン一 2, 4ージィソシァネー トなどのジイソシァネート化合物、 チオール基同志を架橋する Ν, Ν'— o—フ ェニレンジマレイミドなどのジマレイミド化合物、 ァミノ基とチオール基を架 橋するマレイミド活性エステル化合物、 ァミノ基と力ルポキシル基とを架橋す るカルポジイミド化合物などが好都合に用いられる。 また、 アミノ基同志を架 橋する際にも、 一方のァミノ基にジチォピリジル基を有する活性エステル試薬 (例えば、 S P D Pなど) を反応させた後還元することによりチォ一ル基を導 入し、 他方のァミノ基にマレイミド活性エステル試薬によりマレイミド基を導 入後、 両者を反応させることもできる。
( 2 ) モノクローナル抗体の作製 ' TGR23- 2リガンド抗原は、 温血動物に対して、 例えば腹腔内注入、 静脈注入、 皮下注射などの投与方法によって、 抗体産生が可能な部位にそれ自体単独であ るいは担体、 希釈剤と共に投与される。 投与に際して抗体産生能を高めるため、 完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよ レ^ 投与は、 通常 2〜6週毎に 1回ずつ、 計 2〜10回程度行われる。 温血動物とし ては、 例えばサル、 ゥサギ、 ィヌ、 モルモット、 マウス、 ラット、 ヒッジ、 ャ ギ、 ニヮトリなどがあげられるが、 モノクローナル抗体作製にはマウスが好ま しく用いられる。
モノク口一ナル抗体の作製に際しては、 TGR23- 2リガンド抗原を免疫された温 血動物、 たとえばマウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の 2〜5 日後に脾臓またはリンパ節を採取し、 それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫 細胞と融合させることにより、 抗 TGR23- 2リガンドモノクローナル钪体産生ハイ プリドーマを調製することができる。 血清中の抗 TGR23- 2リガンド抗体価の測定 は、 例えば後記の標識化 TGR23- 2リガンドと抗血清とを反応させたのち、 抗体に 結合した標識剤の活性を測定することによりなされる。 融合操作は既知の方法、 例えばケーラーとミルスタインの方法 〔Nature、 256巻、 495頁 (1975年) 〕 に 従い実施できる。 融合促進剤としては、 ポリエチレングリコール (PEG) やセン ダイウィルスなどが挙げられるが、 好ましくは PEGなどが用いられる。 骨髄 腫細胞としてはたとえば NS— 1、 P 3U1、 SP 2Z0、 AP— 1などがあ げられるが、 P 3U1などが好ましく用いられる。 用いられる抗体産生細胞 (脾臓細胞) 数と骨髄細胞数との好ましい比率は、 通常 1 : 1〜20 : 1程度 であり、 PEG (好ましくは PEG 1000〜PEG6000) が 10〜8 0 %程度の濃度で添加され、 通常 20~40°C、 好ましくは 30〜37°Cで、 通常 1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施でき る。
抗 TGR23- 2リガンド抗体産生ハイプリド一マのスクリ一ニングには種々の方法 が使用できるが、 例えば TGR23-2リガンドまたはその部分べプチドを直接あるい は担体とともに吸着させた固相 (例、 マイクロプレート) にハイプリドーマ培 養上清を添加し、 次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロプリン抗体 (細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、 抗マウス免疫グロプリン抗体が 用いられる) またはプロテイン A'を加え、 固相に結合した抗 TGR23- 2リガンドモ ノクローナル抗体を検出する方法、 抗免疫グロブリンお体またはプロテイン A を吸着させた固相にハイプリドーマ培養上清を添加し、 放射性物質や酵素など で標識した TGR23- 2リガンドを加え、 固相に結合した TGR23- 2リガンドモノクロ —ナル抗体を検出する方法などがあげられる。 抗 TGR23-2リガンドモノクロ一ナ ル抗体のスクリーニング、 育種は通常 HAT (ヒポキサンチン、 アミノブテリ ン、 チミジン) を添加して、 10~20%牛胎児血清を含む動物細胞用培地 (例、 RPMI 1640) で行われる。 ハイプリドーマ培養上清の抗体価は、 上記の抗血清中の抗 TGR23- 2リガンド抗体価の測定と同様にして測定できる。 抗 TGR23- 2リガンドモノクローナル抗体の分離精製は、 通常のポリク口一ナル 抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法 〔例、 塩析法、 アルコー ル沈殿法、 等電点沈殿法、 電気泳動法、 イオン交換体 (例、 DEAE) による吸脱 着法、 超遠心法、 ゲルろ過法、 抗原結合固相あるいはプロテイン Aあるいはプ ロティン Gなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、 結合を解離させて抗体 を得る特異的精製法など〕 に従って行われる。
以上のようにして、 八イブリドーマ細胞を温血動物の生体内又は生体外で培 養し、 その体液または培養物から抗体を採取することによって、 本発明の抗体 を製造することができる。
なお、 TGR23- 2リガンドの一部領域と反応する抗 TGR23- 2リガンド抗体を産生 するハイプリドーマおよび、 TGR23- 2リガンドとは反応するがその一部領域とは 反応しない抗 TGR23- 2リガンドモノクローナル抗体を産生するハイプリドーマの スクリーニングは、 たとえばその一部領域に相当するペプチドとハイプリドー マが産生する抗体との結合性を測定することにより行うことができる。
〔1〕 本発明の抗体を用いる TGR23- 2リガンドの定量法、 癌の診断法など 以下に TGR23- 2リガンドの定量法 (免疫測定法) について、 より詳細に説明す る。
本発明の抗体を用いることにより、 TGR23- 2リガンドの測定または組織染色な どによる検出を行なうことができる。 これらの目的には、 抗伴分子そのものを 用いてもよく、 また抗体分子の F (ab' ) 2、 Fa または Fab画分などを用いてもよ い。
本発明の抗体を用いる測定法は、 特に制限されるべきものではなく、 被測定 液中の抗原量 (例えば、 TGR23-2リガンド量) に対応した抗体、 抗原もしくは抗 体一抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、 これを既知量の 抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、 い ずれの測定法を用いてもよい。 例えば、 サンドイッチ法、 競合法、 ィムノメト リック法、 ネフロメトリーなどが用いられるが、 感度、 特異性の点で後述する サンドイッチ法、 競合法が、 特にサンドイッチ法が好ましい。
( 1 ) サンドイッチ法
担体上に不溶化した本発明の抗体、 標識化された本発明の抗体および被検波 を反応させた後、 標識剤の活性を測定することにより被検波中の TGR23-2リガン ドを定量する。 好ましくは、
(i) 担体上に不溶化した TGR23- 2リガンドの N端側の部分ペプチドに特異的に 反応する抗体、 標識化された TGR23- 2リガンドの C端側 (配列番号: 2または配 列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の ς 端側) の部分べプチドに特異的に反応する抗体および被検波を反応させた後、 標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の TGR23- 2リガンドの定量法、
(i i) 担体上に不溶化した TGR23- 2リガンドの C端側 (配列番号: 2または配列 番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の C端 側) の部分ペプチドに特異的に反応する抗体、 標識化された TGR23- 2リガンドの N端側の部分べプチドに特異的に反応する抗体および被検波を反応させた後、 標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の TGR23-2リガンドの定量法 などが挙げられる。
さらに好ましくは、 TGR23- 2リガンドの N端側の部分べプチドに特異的に反応 する抗体が、 23L-lNaで標示されるモノクローナル抗体で、 TGR23- 2リガンドの C端側の部分ペプチドに特異的に反応する抗体が、 23L- 2Caで標示されるモノク 口一ナル抗体である定量法である。
サンドイッチ法においては、 不溶化した本発明の抗体に被検液を反応 (1次 反応) させ、 さらに標識化された本発明の抗体を反応 (2次反応) させた後、 不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の TGR23-2リガンド 量を定量することができる。 1次反応と 2次反応は同時に行なってもよいし時 間をずらして行なってもよい。 標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに 準じることができる。 また、 サンドイッチ法による免疫測定法において、 固相 用抗体または標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも 1種類である必要はなぐ 測定感度を向上させる等の目的で 2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。 サンドイッチ法による TGR23- 2リガンドの測定法においては、 例えば、 1次反応 で用いられる抗体が TGR23- 2リガンドの C端側 (配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の C端側) の 部分べプチドを認識する場合は、 2次反応で用いられる抗体は C端側の部分べ プチド以外 (即ち、 N端側) を認識する抗体が好ましく、 1次反応で用いられ る抗体が TGR23- 2リガンドの N端側の部分べプチドを認識する場合は、 2次反応 で用いられる抗体は、 N端側の部分ペプチド以外 (即ち、 C端側) を認識する 抗体が好ましく用いられる。
具体例としては、 23L-lNaで標示されるモノクローナル抗体、 23L- 2Caで標示 されるモノクローナル抗体が用いられる。 これらの抗体は、 例えば西洋ヮサビ パーォキシダーゼ (horseradi sh peroxi dase; HRP) で標識化されて用いられる のが好ましい。
( 2 ) 競合法
本発明の抗体、 被検液および標識化された TGR23-2リガンドとを競合的に反応 させ、 該抗体に結合した標識化された TGR23- 2リガンドの割合を測定することに より、 被検液中の TGR23- 2リガンドを定量する。
本反応法は、 例えば、 固相化法を用いて行う。
具体例としては、 抗マウス IgG抗体 (ICN/CAPPEL社製) を固相化抗体として用 い、 この固相化抗体の存在するプレ一卜に、 i)本発明の抗体 (例、 23L- lNa、
23L- 2Caなど) 、 i i ) horseradi sh peroxi dase (HRP) で標識化された TGR23- 2リ ガンド、 および i i i) 被検波を添加し、 反応後、 固相に吸着した HRP活性を測定 し、 TGR23-2リガンドを定量する。
( 3 ) ィムノメトリック法
ィムノメトリック法では、 被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化 された本発明の抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、 ある いは被検液中の抗原と過剰量の標識化された本発明の抗体とを反応させ.、 次に 固相化抗原を加え未反応の標識化された本発明の抗体を固相に結合させたのち、 固相と液相を分離する。 次に、 いずれかの相の標識量を測定し被検波中の抗原 量を定量する。
( 4 ) ネフロメトリ一
ネフロメトリーでは、 ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不 溶性の沈降物の量を測定する。 被検波中の抗原量が僅かであり、 少量の沈降物 しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーな どが好適に用いられる。
上記 (1) 〜 (4) において、 標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤 としては、 標識剤としては、 例えば、 放射性同位元素 (例、 〔1251〕 、 〔1311〕 、 〔¾〕 、 〔14C〕 、 〔32P〕 、 〔33P〕 、 〔35S〕 など) 、 蛍光物質 〔例、 シァニン蛍 光色素 (例、 Cy2、 Cy3、 Cy5、 Cy5.5、 Cy7 (アマシャムバイオサイエンス社製) など) 、 フルォレスカミン、 フルォレツセンイソチオシァネートなど〕 、 酵素 (例、 )3—ガラクトシダーゼ、 i3—ダルコシダーゼ、 アルカリフォスファタ一 ゼ、 バーオキシダーゼ、 リンゴ酸脱水素酵素など) 、 発光物質 (例、 ルミノー ル、 ルミノール誘導体、 ルシフェリン、 ルシゲニンなど) 、 ピオチン、 ラン夕 ニド元素などが用いられる。 さらに、 抗体と標識剤との結合にピオチン一アビ ジン系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、 物理吸着を用いてもよく、 また通常 タンパク質あるいは酵素等を不溶化、 固定化するのに用いられる化学結合を用 いる方法でもよい。 担体としては、 例えばァガ口一ス、 デキストラン、 セル口 ースなどの不溶性多糖類、 例えばポリスチレン、 ポリアクリルアミド、 シリコ ンなどの合成樹脂あるいはガラスなどが挙げられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明法に適用するにあたっては、 特別の条 件、 操作等の設定は必要とされない。 それぞれの方法における通常の条件、 操 作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて TGR23-2リガンドの測定系を構築すれ ばよい。 これらの一般的な技術手段の詳細については、 総説、 成書などを参照 することができる [例えば、 入江 寛編 「ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 49年発行) 、 入江 寛編 「続ラジオィムノアツセィ」 (講談社、 昭和 54年 発行) 、 石川栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (医学書院、 昭和 53年発行) 、 石川 栄治ら編 「酵素免疫測定法」 (第 2版) (医学書院、 昭和 57年発行) 、 石川栄治 ら編 「酵素免疫測定法」 (第 3版) (医学書院、 昭和 62年発行) 、 「Methods in ENZYMOLOGYJ Vol. 70 (Immunochemical Techniques (Part A)) 、 同書 Vol. 73
(Immunochemical Techniques (Part B)) 、 同書 Vol. 74 (Immunochemical Techniques (Part C)) 、 同書 Vol. 84 (Immunochemical Techniques (Part D:Selected Immunoassays)) 、 同書 Vol. 92 (Immunochemical Techniques (Par t E :Monoc l onal Ant ibodi es and General Immunoassay
Methods) ) 、 同書 Vo l . 121 (Immunochemi cal Techniques (Part I: Hybr i doma Technol ogy and Monoc l onal Ant ibodi es) ) (以上、 アカデミックプレス社発 行) など参照] 。 したがって、 本発明のサンドイッチ免疫測定法により TGR23-2 リガンドの測定系を構築する場合、 その方法は後述する実施例に限定されない。 以上のように、 本発明の抗体は、 TGR23-2リガンドを感度良く定量することが できるので、 TGR23-2リガンドのさらなる生理機能の解明および TGR23-2リガン ドの関与する疾患の診断に有用である。 具体的には、 本発明の抗体を用いて、 体液中 (例、 血液、 血漿、 血清、 尿、 卵胞液、 脊髄液、 精液など) に含まれる TGR23- 2リガンドの量を測定することにより、 TGR23- 2リガンドが関与する疾患、 例えば癌 (例、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 前立腺 癌、 食道癌、 胃癌、 肝臓癌、 胆道癌、 脾臓癌、 腎癌、 膀胱癌、 子宮癌、 卵巣癌、 子宮頸部癌、 精巣癌、 甲状腺癌、 塍臓癌、 脳腫瘍、 血液腫瘍など) 、 拒食症、 摂食亢進症などの疾病、 または将来罹患する可能性が高いと診断することがで きる。
例えば、 結腸癌の診断においては、 体液中の TGR23- 2リガンドを定量し、 TGR23- 2リガンドの量が正常時より多い場合、 例えば、 血中濃度として約 100 fmo l/ml以上、 好ましくは約 150 fmol/ml以上の場合、 結腸癌と診断する。 〔2〕 本発明の抗体を含有してなる医薬
本発明の抗体は、 TGR23- 2リガンドの活性 (例、 TGR23結合活性、 TGR23細胞剌 激活性、 腫瘍増殖作用、 摂食行動抑制作用など) を中和するため、 TGR23- 2リガ ンドが関与する疾患、 例えば癌 (例、 大腸癌、 結腸癌、 直腸瘟、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 前立腺癌、 食道癌、 胃癌、 肝臓癌、 胆道癌、 脾臓癌、 腎癌、 膀 胱癌、 子宮癌、 卵巣癌、 子宮頸部癌、 精巣癌、 甲状腺癌、 勝臓癌、 脳腫瘍、 血 液腫瘍など) または拒食症などの予防 ·治療剤、 摂食 (食欲) 促進剤などの安 全な医薬として使用することができる。 好ましくは癌の予防 ·治療剤である。 本発明の抗体は、 それ自体または適当な医薬組成物として投与することがで きる。 上記投与に用いられる医薬組成物は、 上記抗体またはその塩と薬理学的 に許容され得る担体、 希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。 かかる組成 物は、 経口または非経口投与に適する剤形として提供される。
例えば、 非経口投与のための組成物としては、 例えば、 注射剤、 坐剤などが 用いられ、 注射剤は静脈注射剤、 皮下注射剤、 皮内注射剤、 筋肉注射剤、 点滴 注射剤などの剤形を包含する。 かかる注射剤は、 公知の方法に従って、 例えば、 上記抗体またはその塩を通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に 溶解、 懸濁または乳化することによって調製する。 注 用の水性液としては、 例えば、 生理食塩水、 ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液などが用いられ、 適当な溶解補助剤、 例えば、 アルコール (例、 エタノール) 、 ポリアルコール (例、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコール) 、 非イオン界面活性 剤 〔例、 ポリソルベート 80、 HCO-50 (po lyoxyethylene (50mo l) adduc t of ydrogenated cas t or o i l) 〕 などと併用してもよい。 油性液としては、 例えば、 ゴマ油、 大豆油などが用いられ、 溶解補助剤として安息香酸ベンジル、 ベンジ ルアルコールなどを併用してもよい。 調製された注射液は、 通常、 適当なアン プルに充填される。 直腸投与に用いられる坐剤は、 上記抗体またはその塩を通 常の坐薬用基剤に混合することによつて調製される。
例えば、 経口投与のための組成物としては、 固体または液体の剤形、 具体的 には錠剤 (糖衣錠、 フィルムコーティング錠を含む) 、 丸剤、 顆粒剤、 散剤、 カプセル剤 (ソフトカプセル剤を含む) 、 シロップ剤、 乳剤、 懸濁剤などがあ げられる。 かかる組成物は公知の方法によって製造され、 製剤分野において通 常用いられる担体、 希釈剤もしくは賦形剤を含有するものである。 例えば、 錠 剤用の担体、 賦形剤としては、 乳糖、 でんぷん、 蔗糖、 ステアリン酸マグネシ ゥムなどが用いられる。
上記の経口用または非経口用医薬組成物は、 活性成分の投与量に適合するよ うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。 かかる投薬単位の剤形 としては、 錠剤、 丸剤、 カプセル剤、 注射剤 (アンプル) 、 坐剤などが例示さ れ、 それぞれの投薬単位剤形当たり通常 5〜500mg、 とりわけ注射剤では 5〜 lOOmg, その他の剤形では 10〜250mgの上記抗体が含有されていることが好まし い。 なお前記した各組成物は、 上記抗体との配合により好ましくない相互作用を 生じない限り他の活性成分を含有してもよい。
本発明の抗体を含有する上記疾患の治療 ·予防剤は低毒性であり、 そのまま 液剤として、 または適当な剤型の医薬組成物として、 ヒトまたは哺乳動物 (例、 ラット、 ゥサギ、 ヒッジ、 ブタ、 ゥシ、 ネコ、 ィヌ、 サルなど) に対して経口 的または非経口的に投与することができる。 投与量は、 投与対象、 対象疾患、 症状、 投与ルートなどによっても異なるが、 例えば、 成人の結腸癌の治療のた めに使用する場合には、 本発明の抗体を 1回量として、 通常 0. 01〜20mg/kg体重 程度、 好ましくは 0. l〜10mg/kg体重程度、 さらに好ましくは 0. 1〜5mg/kg体重程 度を、 1日 1〜5回程度、 好ましくは 1日 1〜3回程度、 非経口投与するのが好都合 である。 経口投与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。 症状が特 に重い場合には、 その症状に応じて増量してもよい。 本発明の明細書において、 アミノ酸等を略号で表示する場合、 IUPAC- IUB Commis ion on Biochemical Nomencl ature による略号あるいは当該分野におけ る慣用略号に基づくものであり、 その例を下記する。 アミノ酸に関し光学異性 体があり得る場合は、 特に明示しなければ L体を示すものとする。
G 1 y :グリシン
A 1 a :ァラニン
V a 1 :パリン
L e u :ロイシン
I 1 e :ィソロイシン
S e r :セリン
T h r :スレオニン
C y s :システィン
M e t :メチォニン
G 1 u :グルタミン酸
A s :ァスパラギン酸
L y s : 1J ン Ar g :アルギニン
H i s : ヒスチジン
P h e :フエ二ルァラニン
Ty r :チロシン
Tr p : トリブトファン
P r o :プロリン
As n :ァスパラギン
G i n :ダル夕ミン
TFA : トリフルォロ酢酸
DMF : Ν,Ν-ジメチルホルムアミド
SPDP : 3- (2-ピリジルジチォ)プロピオン酸 Ν-スクシンィミジル
GMB S : Ν- (4-マレイミドブチリルォキシ)スクシンイミド
BSA :ゥシ血清アルブミン
BTG :ゥシチログロブリン
HPLC :逆相高速液体クロマトグラフィー
HRP :西洋ヮサビバ一ォキシダーゼ
FBS :ゥシ胎児血清
d-FBS :透析済みゥシ胎児血清
TMB : 3,3',5,5'-テトラメチルベンチジン
NMP : N-メチルピロリドン
Bo c : 夕ーシヤリブトキシカルポニル
Fmo c : 9-フルォレニルメトキシカルボニル Pb f : 2, 2, 4, 6, 7-ペンタメチルジヒドロべンゾフラン- 5-スルホニル t Bu :ターシャリーブチル
T r t : トリチル
To s :パラトルエンスルホニル
D I E A : N, N' -ジィソプロピルェチルァミン HOB t : 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HOA t : 1-ヒドロキシ- 7-ァザべンゾトリアゾ一ル
PyAo p : 7 -ァザべンゾトリァゾ一ル- 1-ィルォキシトリスピロリジノホス ホニゥム へキサフルォロホスフェイト
C 1 t : 2 -クロ口卜リチレ
BHA :ベンツヒドリルァミン
Th r (ψ β. Me p r 0) : 2, 2-ジメチル, 5-メチル -1,3-ォキサゾリジン
_4 -力ルボン酸 本明細書において用いられる配列番号は、 以下のペプチドのアミノ酸配列を 表す。
〔配列番号: 1〕
ヒト TGR23 - 2リガンドのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 2〕
ラット TGR23 - 2リガンドのァミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 3〕
マウス TGR23-2リガンドのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 4〕
[Cys19]ラット TGR23- 2リガンド (1-19)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号: 5〕
[Cys9]ラッ MGR23-2リガンド (1-9)のアミノ酸配列を示す。 後述の実施例 1で得られたハイプリドーマ細胞 23L- 1Nは、 2003年 2月 26日から 茨城県つくば巿東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305- 8566) の独立行政法人産 業技術総合研究所 特許生物寄託センターに、 寄託番号 FERM BP- 8302として寄 託されている。
後述の実施例 1で得られたハイプリド一マ細胞 23L- 2Cは、 2003年 2月 26日から 茨城県つくば市東 1丁目 1番地 1 中央第 6 (郵便番号 305-8566) の独立行政法人産 業技術総合研究所 特許生物寄託センターに、 寄託番号 FERM BP- 8303として寄 託されている。
なお、 各ハイプリドーマ細胞から得られる抗体については細胞名の後に 「a」 を付けた形で表す。 以下に、 実施例および参考例を示し、 本発明をより詳細に説明するが、 これ らは本発明の範囲を限定するものではない。
以下で用いられる、 1% BSA、 0.4M NaCK および 0.05% 2mM EDTA-Na 〔ェチ レンジァミン - N, N, N' , N' -四酢酸ニナトリゥム塩二水和物 (Ethylenediamine - Ν,Ν, N' ,Ν'-teiraacetic acid, disodium salt, dihydrate) , DOJINDO社〕 を含 む 0.02Mリン酸緩衝液 (pH7.0) を、 バッファー Cと称する。 実施例 1
(1) [CysI9-NH2] ラット TGR23-2リガンド (1-19) を含む免疫原の作製 参考例 4で得られた [Cys19-NH2] ラット TGR23- 2リガンド (1-19) と Keyhole Limpet Hemocianin (KLH) との複合体を作製し、 .免疫原とした。
すなわち、 KLH 20mgを、 0.1Mリン酸緩衝液 (pH6.5) 1.4mlに溶解させ、 N- (r -マレイミドブチリ口キシ)サクシニミド (GMBS) 2.2mg (8/zmol) を含む DMF 溶液 100 ilと混合し、 室温で 40分反応させた。 反応後、 セフアデックス G-25力 ラムで分画したのち、 マレイミド基の導入された KLH 15mgと [Cys19- NH2] ラッ ト TGR23-2リガンド (卜19) 3.75mgとを混合し、 4°Cで 1日間反応させた。 反応 後、 生理食塩水に対し、 4°Cで 3日間透析した。
(2) 免疫
6〜8週令の BALB/C雌マウスに、 上記 (1) で得られた [Cys19- NH2] ラット TGR23- 2リガンド(1-19)- KLH複合体を、 それぞれ約 7(^g/匹となるよう、 完全フ ロイントアジュバントとともに皮下免疫した。 以後 3週間おきに同量の免疫原を 不完全フロイン卜アジュバントとともに 2〜3回追加免疫した。
(3) HRP標識化 [Cys19- N ] ラット TGR23- 2リガンド (1-19) の作製
[Cys19-NH2] ラット TGR23- 2リガンド (1-19) と HRP (酵素免疫測定法用、 ベ 一リンガーマンハイム社製) とを架橋し、 酵素免疫測定法 (EIA) の標識体とし た。
すなわち、 HRP 9. 2mg (180画 1) を 0. 95mlの 0. 1Mリン酸緩衝液 (pH6. 5) に溶 解させ、 GMBS 0. 504mg (1. 8 zmol) を含む DMF溶液 50 1と混合し、 室温で 30分 間反応させたのち、 セフアデックス G-25カラムで分画した。 このようにして作 製した、 マレイミド基の導入された HRP 6.4mg (126nmol) と参考例 4で得られ た [Cys19- NH2] ラット TGR23- 2リガンド (卜 19) 0.35mg (378nmol) とを混合し、 4°Cで 1日反応させた。 反応後ウルトロゲル AcA44 (LKB-フアルマシア社製) カラ ムで分画し、 HRP標識化 [Cys19-NH2] ラット TGR23-2リガンド (1-19) を得た。
( 4) [Cys19-NH2] ラット TGR23- 2リガンド(卜 19)- KLH複合体を免疫したマウス の抗血清中の抗体価の測定
[Cys19-NH2] ラット TGR23- 2リガンド(1-19)- KLH複合体を 3週間間隔で 2回免疫 を行い、 その 1週間後に眼底採血を行い血液を採取した。 さらに血液を、 4°Cで 12,000rpmで 15分遠心した後、 上清を回収し抗血清を得た。 抗血清中の抗体価を 下記の方法により測定した。 抗マウスィムノグロブリン抗体結合マイクロプレ —トを作製するため、 まず、 抗マウスィムノグロブリン抗体 (IgG画分、 カツべ ル社製) を 100 g/ml含む 0. 1M炭酸緩衝液 (ρΗ9· 6) 溶液を 96ウェルマイクロブ レートに 100 ずつ分注し、 4°Cで 24時間放置した。 次に、 プレートをリン酸緩 衝生理食塩水 (PBS、 pH7.4) で洗浄したのち、 各ゥエルの余剰の結合部位をふ さぐため 25%ブロックエース (雪印乳業社製) を含む PBSを 300 ^ 1ずつ分注し、 4°Cで少なくとも 24時間処理した。
得られた抗マウスィムノグロブリン抗体結合マイクロプレートの各ゥエルに バッファー C 50^ 1、 およびバッファ一 Cで希釈した複合体に対する抗血清 100 1を加え、 4 で 16時間反応させた。 次に、 該プレートを PBSで洗浄したの ち、 上記 (3 ) で作製した HRP標識化 [Cys19- NH2] ラット TGR23- 2リガンド (1- 19) (バッファー Cで 400倍希釈) IOO Iを加え、 室温で 1日反応させた。 次に、 該プレートを PBSで洗浄したのち、 固相上の酵素活性を ΤΜΒ (3, 3,, 5, 5, -テトラメ チルベンチジン)マイクロウエルパーォキシダーゼ基質システム
(KIRKEGAARD&PERRY LAB, IN フナコシ薬品取り扱い) 100 1を加え室温で 10 分間反応させることにより測定した。 反応を 1Mリン酸 100 1を加え停止させた のち、 450nmの吸収をプレートリーダー (BICHROMATIC、 大日本製薬社製) で測 定した。
結果を図 1に示す。 免疫した 8匹中 6匹のマウスの抗血清中に [Cys19- NH2] ラ ット TGR23- 2リガンド (1-19) に対する抗体価の上昇が認められた。
( 5 ) 抗 TGR23- 2リガンドモノクローナル抗体の作製
比較的高い抗体価を示したマウスに対して 50 gの免疫原を生理食塩水 0. 2ml に溶解させたものを静脈内に接種することにより最終免疫を行なつた。 最終免 疫 4日後のマウスから脾臓を摘出し、 ステンレスメッシュで圧迫、 ろ過し、 ィ一 グルズ ·ミニマム 'エッセンシャルメディウム (MEM) に浮遊させ、 脾臓細胞浮 遊液を得た。 細胞融合に用いる細胞として、 BALB/Cマウス由来ミエローマ細胞 P3-X63. Ag8. Ul (P3U1) を用いた (Current Topi cs in Mi crobi ology and Imnology, 81巻、 1頁、 1978年) 。
細胞融合は、 原法 (Nature, 256巻、 495頁、 1975年) に準じて行なった。
脾臓細胞および Ϊ31Πをそれぞれ、 血清を含有しない MEMで 3度洗浄し、 脾臓細 胞と P3U1数の比率を 5 : 1になるよう混合して、 800回転で 15分間遠心を行ない細 胞を沈澱させた。 上清を充分に除去した後、 沈澱を軽くほぐし、 45 %ポリェチ レンダリコール (PEG) 6000 (コッホライト社製) を 0. 3ml加え、 37°C温水槽中 で 7分間静置して融合を行なった。 融合後、 細胞に毎分 2mlの割合で MEMを添加し、 合計 15mlの MEMを加えた後 600回転 15分間遠心して上清を除去した。 この細胞沈 澱物を 10%牛胎児血清を含有する GITメディウム (和光純薬) (GIT- 10% FCS)に、 P3U1が lml当り 2xl05個になるように浮遊し、 24穴マルチディッシュ (リンブ口 社 に 1ゥエル lmlずつ 192ゥエルに播種した。 播種後、 細胞を 37°Cで 5 %炭酸 ガスインキュベータ一中で培養した。 24時間後、 HAT (ヒポキサンチン 1χ10_4Μ、 アミノプテリン 4x10— 7M、 チミジン 1. 6x10— ¾) を含んだ GIT- 10 % FCS培地 (HAT培地) を 1ゥエル当り lmlずつ添加することにより、 HAT選択培養を開始し た。 HAT選択培養は、 培養開始 3、 6および 9日後に旧液を lml捨てた後、 lmlの HAT 培地を添加することにより継続した。 ハイプリドーマの増殖は、 細胞融合後 9〜 14日で認められ、 培養液が黄衮したとき (約 lxlO6セル/ ml) 、 上清を採取し、 上記 (4 ) に記載の方法に従って抗体価を測定した。 [Cys19-NH2] ラット TGR23- 2リガンド(1- 19)- KLH複合体を免疫したマウス由来 の八イブリドーマの抗体産生細胞株を選択した例として、 マウス No.2および No.6の (図 1参照) を用いて細胞融合を行い、 得られた八イブリドーマの抗体 産生状態を、 図 2〜図 4に示す。 得られた抗体産生ハイプリドーマの中から、 表 1に記載の計 3種類のハイプリドーマを選択した。
〔表 1〕
Figure imgf000032_0001
*) ΙΟΟηΜの各 TGR23-2リガンドが存在した時
+: (B/B0) ≤0. 50
一: 0. 50< (B/B0)
B :抗原存在時の抗体に結合した HRP標識ラッ卜 TGR23-2リガンド量
B 0:抗原非存在時の抗体に結合した HRP標識ラッ卜 TGR23-2リガンド
次に、 上記で得られたハイプリドーマを限界希釈法によるクローニングに付 した。 クローニングに際しては、 フィーダ一細胞として BALB/Cマウスの胸腺細 胞を 5xl05個 Zゥェルになるように加えた。 クローニング後、 ハイプリドーマを、 あらかじめミネラルオイル 0.5mlを腹腔内投与されたマウス (BALB/C) に 1〜 3xl06セル/匹を腹腔内投与したのち、 6〜20日後に抗体含有腹水を採取した。 モノクローナル抗体は、 得られた腹水よりプロテイン- Aカラムにより精製し た。 腹水 6〜20mlを等量の結合緩衝液 〔3.5M NaCK 0.05% NaN3を含む 1.5Mダリ シン (PH9.0) 〕 で希釈したのち、 あらかじめ結合緩衝液で平衡化したリコンビ ナントプロテイン- A-ァガロース (Repligen社製) カラムに供し、 特異抗体を溶 離緩衝液 〔0. 05 %NaN3を含む 0. 1Mクェン酸緩衝液 (pH3. 0) 〕 で溶出した。 溶出 液を PBSに対して 4°C、 2日間透析したのち、 0. 22 ΠΙのフィルター (ミリポア社 製) により除菌濾過し、 4°Cあるいは- 80°Cで保存した。
モノクローナル抗体のクラス ·サブクラスの決定に際しては、 精製モノクロ —ナル抗体結合固相を用いるェンザィムーリンクトイムノソ一ベントアツセィ (ELISA) 法を行った。 すなわち、 抗体 2 i g/mlを含む 0. 1M炭酸緩衝液 (pH9. 6) 溶液を 96ウェルマィクロプレートに 100 1ずつ分注し、 4°Cで 24時間放置した。 上記 (1 ) に記載の方法に従って、 ゥエルの余剰の結合部位をブロックエース でふさいだのち、 アイソ夕ィプタイピングキット(Mouse-Typer™ Sub- I sotyping Ki t バイオラッド社製)を用いる ELI SAによって固相化抗体のクラス、 サブクラスを調べた。 得られた 3種のモノクロ一ナル抗体はいずれも H鎖が IgGl、 L鎖が κであった。 実施例 2
競合法酵素免疫測定法を用いた抗体の認識部位の検討
[Cys19-NH2] ラット TGR23- 2リガンド(1-19) - KLH複合体を免疫原として作製し たモノクローナル抗体の反応特異性を以下の方法により調べた。
まず、 得られた 3種類のモノクローナル抗体溶液の抗体価を、 上記実施例 1一 ( 4 ) 記載の方法により調べ、 競合法- EIAに用いる抗体濃度として、 標識体の 結合量が飽和結合量の約 50%となる抗体濃度を決定した (約 10〜50ng/ml) 。 次 に、 上記実施例 1一 (4 ) 記載の抗マウスィムノグロブリン坊体結合マイクロ プレートに、 (0 23L- INaは 50 ng/ml、 23L - I Caは 10 ng/ml、 または 23L - 2Caは 30 ng/mlとなるようそれぞれバッファー Cで希釈された抗ラット TGR23- 2リガン ド (卜 19) 抗体溶液 50 1、 (ϋ) バッファー Cで希釈されたヒト TGR23- 2リガ ンド溶液 50 1、 ラット TGR23- 2リガンド溶液 マウス TGR23- 2リガンド溶 液 、 または [Cys9- ΝΗ2] ラット TGR23- 2リガンド (卜 9) 溶液 50 1 (後述 の実施例 8 ) 、 および (i i i) 実施例 1— ( 3 ) で得られた HRP標識化 [Cys19 - NH2] ラット TGR23- 2リガンド (卜 19) (パッファー Cで 250倍希釈) を、 抗マウスィムノグロプリン抗体結合マイクロプレートに加え、 4°Cで 16時間反応 させた。 反応後、 PBSで洗浄したのち抗マウスィムノグロブリン抗体結合マイク 口プレート上の酵素活性を、 上記実施例 1一 (4 ) 記載の方法により測定した。 結果を表 1に示す。 この結果から 3種類の抗体の認識部位は以下のように考え られた。
. 23L- iNaは、 ヒト TGR23- 2リガンド、 ラット TGR23- 2リガンドおよびマウス TGR23- 2リガンドと反応性を有し、 さらに [Cys9-NH2] ラット TGR23- 2リガンド (1-9) とも反応する。 よって、 23L- INaの認識部位はこれらのペプチドの共通 部位である、 ヒト TGR23-2リガンド (卜 7) (配列番号: 1、 配列番号: 2およ び配列番号: 3で表されるアミノ酸配列の第 〜 7番目のアミノ酸配列) である と考えられる。
23L- ICaは、 ラット TGR23-2リガンドと反応性を有するが、 ヒト TGR23- 2リガン ド、 マウス TGR23- 2リガンド、 および [Cys9 - NH2] ラット TGR23- 2リガンド (1 - 9) に対しては反応性を有していない。 よって、 23L- ICaの認識部位は、 10位の バリンを中心としたラット TGR23- 2リガンド (9-12) (配列番号: 2で表される アミノ酸配列の第 9〜12番目のアミノ酸配列) であると考えられる。
23L- 2Caは、 ラット TGR23- 2リガンドおよびマウス TGR23- 2リガンドと反応性を 有するが、 ヒト TGR23- 2リガンドおよび [Cys9- NH2] ラット TGR23- 2リガンド
(1-9) に対しては反応性を有していない。 よって、 23L- 2Caの認識部位は、 16 位のアルギニンを中心としたラット TGR23- 2リガンド (15-18) およびマウス TGR23-2リガンド (15- 18) (配列番号: 2および配列番号: 3で表されるアミ ノ酸配列の第 15〜18番目のアミノ酸配列) であると考えられる。
次に、 例として、 各モノクローナル抗体の競合法- EIAの結果を、 図 5、 図 6 および図 7に示す。
23L- INaは、 ヒト TGR23- 2リガンド、 ラット TGR23- 2リガンドおよびマウス TGR23- 2リガンドの標準曲線から、 最大反応に対する割合 (B/BQ) =0. 5を与える濃 度は、 ヒトおよびマゥス TGR23-2リガンドは 6 OnM、 ラット TGR23-2リガンドは ΙΟΟηΜであることが分かつ.た (図 5 ) 。 これらの結果から、 23L- INaは、 ヒト TGR23-2リガンド、 ラット TGR23- 2リガンドおよびマウス TGR23- 2リガンドのいず れに対しても高い反応性を示しているものと考えられる。 23L- I Caは、 ヒト TGR23- 2リガンド、 ラット TGR23- 2リガンドおよびマウス TGR23-2リガンドの標準曲線から、 最大反応に対する割合 (B/Bfl) =0. 5を与える濃 度は、 ラット TGR23- 2リガンドは 20nMであり、 ヒト TGR23- 2リガンドおよびマウ ス TGR23- 2リガンドとは反応性を示さない (図 6 ) 。 これらの結果から、 23L- ICaは、 ラット TGR23- 2リガンドに対してのみ高い反応性を示しているものと考 えられる。
23L- 2Caは、 ヒト TGR23- 2リガンド、 ラット TGR23- 2リガンドおよびマウス TGR23- 2リガンドの標準曲線から、 最大反応に対する割合 (Β/Ββ) =0. 5を与える濃 度は、 ラット TGR23- 2リガンドは 20ηΜ、 マウス TGR23- 2リガンドは 40ηΜであり、 ヒト TGR23- 2リガンドとは反応性を示さない (図 7 ) 。 これらの結果から、 23L - 2Caは、 ラット TGR23- 2リガンドおよびマウス TGR23- 2リガンドに対してのみ高い 反応性を示しているものと考えられる。 実施例 3
HRP標識化抗 TGR23- 2リガンドモノクローナル抗体 (23L-2Ca-HRP) の作製
23レ &精製画分8. 91 mg (59. 画 1) を含む 0. 1Mリン酸緩衝液 (pH6. 8) に、 GMBS 0. 59 1!101を含む01^ 50〃 1を加え、 室温で 40分反応させた。 反応液をセフ アデックス G- 25カラム (溶離液、 0. 1Mリン酸緩衝液、 PH6. 7) で分離し、 マレイ ミド基の導入された抗体画分 6. 23 mgを得た。 次に、 HRP 17. 1 mg (428 nmol) を含む 0. 02Mリン酸緩衝液 (0. 15M NaCIも含む) (pH6. 8) 1. 1 1に、 SPDP 6. 42 molを含む DMF 60 1を加え、 室温で 40分反応させた。 次に、 64. 2 / molのジチ オスレィトールを含む 0. 1M酢酸緩衝液 (pH4. 5) 0. 4mlを加え、 室温で 20分反応 させた後、 セフアデックス G- 25カラム (溶離液、 2mM EDTAを含む 0. 1Mリン酸緩 衝液、 pH6. 0) で分離し、 SH基の導入された HRP 9. 2 mgを得た。 次に、 SH基の導 入された HRP 8mgとマレイミド基の導入された抗体画分 3 mgとを混合し、 コロジ オンバッグ (ザルトリウス社製) で約 0. 5mlにまで濃縮したのち、 4 で 16Εί寺間 放置した。 反応液を 0. 1Mリン酸緩衝液 (pH6. 5) で平衡化した SephacrylS- 300HR カラム (Pharmacia社製) に供し、 23L-2Ca-HRP複合体画分を精製した。 実施例 4
サンドイッチ法 _EIA
実施例 1で得られた精製したモノクローナル抗体 23L - INaを 15 ^ g/ml含む 0. 1M炭酸緩衝液 (PH9. 6溶液) を 96ウェルマイク口プレートに 100 1ずつ分注し、 4 で 24時間放置した。 ゥエルの余剰の結合部位を PBSで 4倍希釈したブロックェ ース 400 1を加え不活化した。
上記調製済みプレートに、 バッファー Cで希釈したヒト TGR23- 2リガンド、 ラ ット 6! 23-2リガンドぉょびマゥス161123-2リガンド標準液10() 1を加ぇ、 4°Cで 24時間反応させた。 PBSで洗浄したのち、 上記実施例 3で作製した 23L-2Ca-HRP (バッファ一 Cで 3, 000倍希釈) 100 ^ 1を加え、 4°Cで 24時間反応させた。 PBSで 洗浄したのち、 実施例 1一 (4 ) 記載の方法により TMBマイクロウェルパーォキ シダ一ゼ基質システムを用いて固相上の酵素活性を測定した (酵素反応 30分) 。 結果を図 8に示す。
このサンドイッチ法- EI Aは、 ラット TGR23- 2リガンドを 3 fmol/m 1、 マウス TGR23- 2リガンドを 10 fmol/m 1で検出することが可能であり、 ヒト TGR23-2リガ ンドとは 1000 fmol/mLまで反応しなかった。 したがって、 固相抗体として 23L - INaを用い、 標識体として 23L- 2Ca- HRPを用いるサンドイッチ法- EIAは、 ラット TGR23-2およびマウス TGR23-2リガンドを極めて高感度にかつ極めて選択的に検 出することが可能であることがわかる。 実施例 5
23L- INaおよび 23L_2Caによるマウス TGR23- 2リガンドの生物活性の中和作用
23L- INaおよび 23L- 2Caによるマウス TGR23- 2リガンドに対する中和活性を、 W0 02/31145号公報の参考例 1記載の TGR23- 2発現 CH0細胞を用いた細胞内 [Ca2+]濃 度上昇活性を指標に、 FLIPR (Molecul ar Devices社) を用いて測定を行った。
TGR23- 2発現 CH0細胞を、 3xl04cel ls/mlとなるように透析処理済ゥシ胎児血清 (以後 dFBS) (JRH BIOSCIENCES社) を含む Dulbecco' s modi f ied Eagle medium (DMEM) 培地 (日水製薬株式会社) (10% dFBS-D EM) に懸濁し、 FLIPR用 96穴 プレート (Bl ack plate clear bot tom. Cos ter社) に分注器を用いて各ゥエル に 200〃 1ずつ播種し (4x cells/200^ 1/ゥエル) 、 5% C02インキュベーター 中にて 37°Cで一晩培養した後用いた (以後、 細胞プレートとする) 。 FLIPRアツ セィバッファー 〔二ッスィハンクス 2 (日水製薬株式会社) 9.8g、 炭酸水素ナ トリウム 0.35g、 HEPES 4.77g、 6M水酸化ナトリウム溶液で pH7.4に合わせた後、 1Lにフィルアップし、 フィルター滅菌処理したもの〕 20ml、 250mMプロべセシ ド (SIGMA社) ゥシ胎児血清 (FBS) 210 1を混合した。 また、 Fluo 3- AM (同人化学研究所) 2パイアル (50/ig) を、 ジメチルスルフオキサイド 40^1、 20% Pluronic acid (Molecular Probes社) に溶解し、 'これを H/HBSS 〔へぺスバッファードハンクスバランス溶液 (二ッスィハンクス 2 (日水 製薬株式会社) 9.8g、 炭酸水素ナトリウム 0.35g、 HEPES 4.77 g、 水酸化ナ トリウム溶液で PH7.4に合わせた後、 フィル夕一滅菌処理) 〕 20 ml、 250 mM プロべセシド 200 lおよび!7 BS 200 1を含む H/HBSS_プロべセシドー FBS溶液 に加え、 混和後、 8連ピペットを用いて培養液を除いた細胞プレートに、 各ゥェ ル 100 1ずつ分注し、 5% C02インキュベータ一中で 37°C1時間インキュベート した (色素ローデイング) 。 23L- INaおよび 23L- 2Caを、 2.5mM プロべセシドお よび 0.2% BSAを含む Hanks'/HBSS 120 1にて希釈し、 マウス TGR23-2リガンド
(5.0 10-10M) と 37°Cで 1時間インキュベーション後、 各フラクション 5〃1を、 FLIPR用 96穴プレート (V- Bottomプレート、 Coster社) へ移した (以後、 サンプ ルプレートとする) 。 細胞プレートの色素ローデイング終了後、 Hanks'/HBSSに 2.5mM プロべセシドを加えた洗浄バッファーで、 プレートゥォッシャ一
(Molecular Devices社) を用いて細胞プレートを 4回洗浄し、 洗浄後 IOO Iの 洗浄バッファーを残した。 この細胞プレートとサンプルプレートを FLIPRにセッ トし、 測定を行った (FLIPRにより、 サンプルプレートから 50 のサンプルが 細胞プレートへと移される) 。
結果を図 9に示す。
これより、 マウス TGR23 - 2リガンド (5.0 X 10— の活性を、 23L- INaは、 10 倍モル濃度の高い 5 X 10—9Mで約 74%まで、 100倍モル濃度の高い 5 10— SMで約 15%まで抑制したことがわかる。 23L- 2Caは、 マウス TGR23-2リガンド (5.0 x 10-'°M) の活性を、 10倍モル濃度の高い 5 X 10_9Μで約 65%まで、 100倍モル濃度 の高い 5 x 10— 8 Mで約 12%まで抑制したことがわかる。
以上の結果から、 23L_lNaおよび 23L- 2Caは、 マウス TGR23- 2リガンドの細胞内 [Ca2+]濃度上昇活性を中和することが明らかとなり、 これら抗体はマウス
TGR23-2リガンドの中和抗体として使用可能であることがわかる。 実施例 6
血漿中のマウス TGR23- 2リガンドの定量
雄性 Balb/Cマウス (6週齢) 血漿を、 同量のバッファー Cで 2倍希釈し、 上記 実施例 4記載のサンドイッチ法- EIAにより、 マウス TGR23- 2リガンドを定量した。 結果を表 2に示す。
〔表 2〕
N 0. マウス血漿中 TGR23リガンド免疫活性
(fmol/ml)
1 2 1. 6
2 20. 5
3 1 5. 0
4 1 0. 6
5 20. 1
6 2 1. 4
7 69. 8
8 1 2. 4
9 1 6. 4
1 0 1 9. 4
1 1 69. 7
1 2 1 7. 0
1 3 39. 7
1 4 34. 3
1 5 1 7. 5
1 6 1 8. 0
1 7 22. 8
1 8 24. 6
1 9 63. 2
20 32. 9
2 1 20. 7
22 20. 1 マウスの血液血漿中に 27.6土 3.76 fiol/ml (mean土 SEM, n=22) の高濃度のマ ウス TGR23- 2リガンドが検出された。 実施例 7
TGR23-2リガンド中和抗体投与によるヌ一ドマウスでの腫瘍増殖に及ぼす影響 TGR23- 2リガンドに対して中和活性を示す 23L- 2Ca投与によるヒト結腸癌細胞 株 LS 174T担癌ヌードマウスでの腫瘍増殖に及ぼす影響を検討した。
PBSに溶解した結腸癌細胞株 LS 174Tを 2 106 eel 1S/200 1/mouseの割合で 雌性ヌードマウス(BALB/cAnN_nu, 6週齢)の左腹部皮下に投与した。 投与 10日目 に、 腫瘍スケールを測定し、 腫瘍の大きさが均一になるよう 42匹から 24匹を選 択し、 12匹ずつ 2群に群分けを行った。 群分けを行った日から 23L- 2Caおよびコ ントロ一ル抗体として 23L- 2Caと同じ IgGサブクラス構造 (IgGl、 κ) である抗 ヒトメタスチンモノクローナル抗体 (KIS-lNa) (Journal of Clinical
Endocrinology & Metabolism, 88巻, 914-919頁, 2003年) をマウス腹腔内に、 3 mg/kg/day の用量で 14日間連続投与した。 腫瘍のスケールを一日おきに測定 し、 腫瘍体積は (長径) x(短径) 2/2で算出した。
結果を図 10に示す。
これより、 投与開始 2日目から 17日目まで、 23L- 2Ca投与群において LS 174Tの 腫瘍体積の有意な低下が観察された。 実施例 8
[Cys9]ラット TGR23-2リガンド(卜 9)アミド (配列番号 : 5) の製造
市販 p—メチル BHA樹脂 (0. 80 m mole/g resin) をペプチド合成機 ABI 430Aの反応曹に入れ、 Boc— Strategy (NMP-HOBt) ペプチド合成方法で Boc- Cys(MeBzl), Boc-Ser (Bzl) , Boc-Gly, Boc-Val, Boc-Asn, Boc- Arg(Tos)の各 Bocアミノ酸誘導体を配列順に導入し目的の保護ペプチド樹脂を得た。 この樹脂 0.21gを p—クレゾール 1.5ml、 と共に無水弗化水素 10 ml中、 0^ 60分攪拌した 後、 弗化水素を減圧留去し、 残留物へジェチルエーテルを加え沈澱を濾過した。 この沈澱を 50%酢酸水で抽出し、 不溶部分を除き、 抽出液を十分に濃縮後、 50%酢酸水で充填したセフアデックス (商標) G— 25カラム (2.0 X 80cm) に付 し、 同溶媒で展開、 主要画分を集め凍結乾燥し、 白色粉末 40mgを得た。 半量を LiChroprep (商品名) RP- 18を充填したクロマトカラム (2.6 x 60cm) に付し、 0.1% TFA水 200mlで洗浄、 0.1% TFA水 300mlと 0.1 %TFA含有 33%ァセトニト リル水 300mlを用いた線型勾配溶出を行い、 主要画分を集め凍結乾燥し目的と するペプチド 10mgを得た。
質量分析による M+ 925.5 (計算値 925.0)
HPLC溶出時間: 11.5分
溶出条件
カラム: Wakosil5C18T (4.6 x 100mm)
溶離液": A液: 0.1%TFA水、 B液: 0.1%TFA含有ァセトニトリルを用い A/B: 95/5 〜45/55へ直線型濃度勾配溶出 (25分)
流速: 1.0 ml/分 参考例 1
ヒト TGR23-2リガンドの製造
市販の Boc- Ser(Bzl)-0CH2- PAM樹脂を、 ぺプチド合成機 ACT90の反応槽に入れ、 DCMで膨潤後 TFAで Bocを除去し、 DIEAで中和した。 この樹脂を NMPに懸濁し、 HOBt-DIPCIで Boc- Lys(C卜 Z)を縮合した。 反応後ニンヒドリンテストで遊離のァ ミノ基の有無を調べ、 ニンヒドリンテストがプラスの時には同じアミノ酸を再 度縮合した。 再縮合後においてもニンヒドリンテストがプラスの時には無水酢 酸でァセチル化した。 このサイクルを繰り返し、 Boc- Ala、 Boc-Arg(Tos), Boc - Gin, Boc- Phe、 Boc-Ser (Bzl) , Boc- Thr (Bzl)、 Boc-Lys (Cl-Z) , Boc-Lys (CL-Z) , Boc- Met、 Boc- Gly、 Boc-Thr (Bzl) Boc-Gly, Boc-VaK Boc- Gly、 Boc- Asn、 Boc-Arg(Tos), Boc - Phe、 Boc- Ser (Bzl)を配列順に縮合し、 所望の保護ペプチド 樹脂 0.24 gを得た。 この樹脂を P-クレゾール 1.5 mlとともにフッ化水素約 15 ml 中、 (TCで 60分攪拌した後フッ化水素を減圧留去し、 残留物にジェチルエーテル を加えて濾過した。 濾過物に水と酢酸を加えペプチドを抽出し、 樹脂と分離し た。 抽出液を濃縮し 50%酢酸で充填したセフアデックス (商標) G- 25カラム (2.0 x 80 cm) に付し、 同溶媒で展開、 主要画分を集め凍結乾燥した。 その一 部 (45 mg)を LiChroprep (商標) RP- 18を充填した逆相クロマトカラム (2.6 x 60 cm) に付け、 0.1% TFA水 200mlで洗浄、 0.1% TFA水 300mlと 0.1% TFA 含有 25% ァセトニトリル水 300mlを用いた線型勾配溶出を行い、 主要画分を 集め凍結乾燥し目的とするペプチド 12.7 mgを得た。
ESI-MS:分子量 MW 2188.0 (理論値 2187.5)
HPLC溶出時間 10.6分
カラム条件:
カラム: Wakosil 5C18T 4.6 x 100mm
溶離液: A液—0.1% TFA水、 B液— 0.1%TFA含有ァセトニトリルを用い A/B : 95/5〜45/55へ直線型濃度勾配溶出 (25分)
流速: 1.0 ml/分 参考例 2
ラット TGR23-2リガンドの製造
市販の 2_chlorotrityl resin (Clt resin, 1.33 mmol/g) に Fmoc_Ala_OHを導 入した Fmoc- Ala- 0_C It resin (0.638 mmol/g) 0.25 匪 ol分をペプチド合成機 ABI 433Aの反応槽に入れ、 Fmoc/DCC/HOBt法を用い、 固相合成を行なった。 Fmoc アミノ酸の側鎖保護基は Argには Pbf基、 Serには tBu基、 Lysには Boc基、 Asnには Trt基を用いた。 他のアミノ酸は側鎖無保護のものを用い、 上記に示す配列の 17 位 Argから N末端方向へ順に 14位 Serまでペプチド鎖を導入した。 得られた Fmoc - ラット TGR23- 2リガンド(14_18)-0- Clt resin (0.25 mmol)を Fmoc- Lys (Boc) - Thr(Psi(Me,Me)pro)-0H (NOVA社製, 製品番号 05-20- 1116) 381.1 mg (0.625 mmol), PyAOP 326.1 mg (0.625 mmol), HO At 85.1 mg (0.625 mmol)、 DIEA 435.5 ml (2.5匪 ol)で処理することで、 12位 Lys、 13位 Thrを導入した。 続いて 得られた Fmoc- [Thr (Ps i (Me, Me) pro) 13] -ラット TGR23-2リガンド (12-18) -0-Clt resin を用いてペプチド合成機による固相合成を再開、 11位 Lysから N末端方向 へ順に 1位 Serまでペプチド鎖を導入し、 目的の保護ペプチド樹脂 573.5 mgを得 た。 この樹脂の全て(0.25 删 ol)を TFA、 i ioanisole, m-cresoK 水、
triisopropylsilane ethandithiol (80:5:5:5:2.5:2.5)の混合液 9 ml中で室温、 90分間攪拌した後、 反応溶液にエーテルを加え、 白色粉末を析出させ遠心分離 後、 上清を除く操作を 3回繰り返した。 残渣を水で抽出後、 凍結乾燥し白色粉末 を 219.4 mg得た。 得られた粗ペプチドを YMC Pack R&D-0DS-5-B S-5, 120Aカラ ム (30 X 250 匪)を用いた分取 HPLCで、 A液: 0.1% TFA -水、 B液: 0.1% TFA含 有ァセトニトリルによる A/B: 90/10〜70/30への直線型濃度勾配溶出(60分)を行 ない、 目的物を含む分画を集め凍結乾燥し白色粉末を得た。
得られた粉末を全て水に溶解、 混合したあと、 溶液に; BIO- RAD社製イオン交換 樹脂 AG1 X 8 100-200 mesh chloride formを酢酸塩化した樹脂を 3 ml分加え、 20分撹拌後濾過により樹脂と不純物を除いた後、 凍結乾燥して酢酸塩として白 色粉末 107.0 mgを得た。
ESI-MS: M+ 1954.2 (理論値 1954.2)
HPLC溶出時間: 15.2分
溶出条件
カラム: YMC AM 301 (4.6 lOOmin)
溶離液: A液: 0.1% TFA-水、 B液: 0.1% TFA含有ァセトニトリルを用い、 A/B: 100/0〜50/50へ直線型濃度勾配溶出(25分)
流速: 1.0 ml/分 参考例 3
マウス TGR23- 2リガンドの製造
市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin, 1.12 mmol/g) に Fmoc - Gln(Trt)— OH を導入した Fmoc- Gln(Trt)-0-Clt resin (0.408 mmol/g) 0.25 顏 ol分を用い、 参考例 1に記載したラット TGR23- 2リガンドの製造と同様に固相合成を行ない、 目的の保護ペプチド樹脂 324.7 mgを得た。
この樹脂 100 nigを参考例 1と同様に処理し、 白色粉末を 50.0 得た。 得られ た粗ペプチドを YMC SH-343-5 S-5、 120Aカラム (20 x 250匪)を用いた分取 HPLCで、 A液: 0.1% TFA-水、 B液: 0.1% TFA含有ァセトニトリルによる A/B: 92/8〜72/28への直線型濃度勾配溶出(60分)を行ない、 目的物を含む分画を集め て凍結乾燥し、 白色粉末 22.6 mgを得た。
ESI-MS: M+ 2182.8 (理論値 2182.5)
HPLC溶出時間: 14.1分
溶出条件.
カラム: YMC AM 301 (4.6 x 100 mm)
溶離液: A液: 0.1% TFA-水、 B液: 0.1% TFA含有ァセトニトリルを用い、 A/B: 100/0〜50/50へ直線型濃度勾配溶出(25分)
流速: 1.0 ml/分 参考例 4
[Cys19]ラット TGR23-2リガンド(1 - 19) (配列番号: 4) の製造
巿販 H - Cys(Trt)- 0- Clt 樹脂 (0.63腿 ol/g) 0.25腿 ol分をペプチド合成機 ABI 433A の反応曹に入れ、 Fmoc/ DCC/ H0BU去を用い、 固相合成を行った。 Fmocァ ミノ酸の側鎖保護基は Argには Pbf基、 Serに tBu基、 Lysに Boc基、 Asnに Trt基を 用いた。 他のアミノ酸は側鎖無保護のものを用い、 上記に示す配列の 18位 Alaか ら N末端方向へ順に 14位 Se rまでペプチド鎖を導入した。 得られた Fmoc- rTGR23L(14-18)-0-Cli 樹脂 (0.25腿 ol)のうち半分(0.125腿 ol)を 20%ピベリジ ン /DMFで Fmoc基を除去した後、 Fmoc- Lys (Boc) -Thr (ΨΜ6·Μ6ΡΓΟ)-0Η (NOVA社 製) 304.9mg(0.5mmol), PyAOP 260.9mg(0.5匪 ol), 0.5M HOAt/DMF溶液 lml (0.
5腿 ol), DIEA 326.6 1(1.8811111101)で処理することで12位[^、 13位 Thrを導入し た。 続いて得られた Fmoc- [Thr ( Me'MePro)13, Cys19]ラット TGR23- 2リガンド(12 - 19)- 0- Clt 樹脂を用いてペプチド合成機による固相合成を再開、 11位 Lysから N 末端方向へ順に 1位 Serまでペプチド鎖を導入し、 目的の保護ペプチド樹脂 234. Omgを得た。
この樹旨 100 mgを TFA, i ioanisole, m-cresol, H20, triisopropylsilane, ethandi thiol (80:5:5:5:2.5:2.5)の混合液 1.5ml中で室温、 90分間攪拌した後、 反応溶液にエーテルを加え、 白色粉末を析出させ遠心分離後、 上清を除く操作 を 3回繰り返した。 残渣を酢酸水溶液で抽出後、 凍結乾燥し得られた白色粉末を YMC SH-343-5 S - 5, 120Aカラム(20 x 250腿)を用いた分取 HPLCで、 A液: 0.1% TFA -水、 B液: 0.1%TFA含有ァセトニトリルによる A/B: 86/14から 76/24への直 線型濃度勾配溶出 (60分)を行い、 目的物を含む分画を集め凍結乾燥し白色粉末 26. lmgを得た。
質量分析による (M+H)+ 2056.6 (計算値 2057.1)
HPLC溶出時間 15.3 分
.溶出条件
カラム: YMC- AM301 (4.6 x 100mm)
溶離液: A液: 0.1%TFA-水、 B液: 0.1%TFA含有ァセトニトリルを用い、 A/B: 100/0〜50/50へ直線型濃度勾配溶出(25分) '
流速: 1.0ml/分 参考例 5
ヒト TGR23-2リガンドのラット側脳室内投与による摂餌量に及ぼす影響
ラットは、 照明時間を 8時から 20時、 室温 25°Cにおいて飼育した。 8週齢
Wistar系雄性ラット (手術時体重 260〜280g) をペントパルビタール 50 mg/kgの 腹腔内投与にて麻酔し、 ラッ卜脳定位固定装置に固定した。 切歯用バーはイン 夕一オーラルラインから 3.3 mm低くした。 頭蓋骨を露出し、 側脳室にガイド力 ニューレ AG- 8 (内径 0.4 mm, 外径 0.5 mm、 エイコム) を埋め込むために歯科用 ドリルを用いて骨に穴を開けた。 また、 その周囲 3箇所にアンカービスを埋めた。 ステンレス製ガイドカニューレ AG-8を、 その先端が側脳室の上部に位置するよ うに挿入した。 定位座標は、 Paxinosと Watson(1998)のアトラスに従い、 ブレダ マより、 AP :- 0.8匪、 L : 1.5讓、 H: - 4.5腿とした。 ガイド力二ュ一レは歯科 用セメントおよびアンカ一ビスで頭蓋骨に固定した。 ガイドカニューレにはス テンレス製ダミー力ニューレ AD- 8 (外径 0.35腿、 エイコム社) を挿入し、 キ ャプナット (エイコム社) で固定した。 術後、 ラットは個別のケージで飼育し、 粉末飼料へ 1週間馴化させた。
ガイドカニューレを埋め込んでから約 1週間飼育して術後の回復および粉末飼 料への馴化を待ち、 ラッ卜の頭蓋骨に装着したキャップナットとダミーカニュ ーレを取り外し、 代わりに PTFE (ポリ四フッ化工チレン) チューブ (長さ 50 cm, 内径 0. 1 腿、 外径 0. 35 醒、 エイコム社) につないだステンレス製マイクロイン ジェクシヨン力ニューレ AMI- 9 (内径 0. 17 匪、 外径 0. 35 mm、 エイコム社) を揷 入した。 マイクロインジェクション力ニューレの長さは、 その先端 1 mmがガイ ドカニューレから露出するように調節しておいた。 PTFEチューブの一方をマイ クロシリンジポンプにつなぎ、 大塚蒸留水、 ヒト TGR23-2リガンドを溶解させた 蒸留水を 分の流速で計 10 i l (10 mnol/ラット) を側脳室に注入した。 注 入終了後 2分待ってからマイクロインジェクション力ニューレを取り外し、 再び ダミー力ニューレをキャップナットで固定した。 注入は、 19時から 20時の間に 行ない、 その後の摂餌量を摂餌量測定措置 Feed-Scal e (Co lumbus社) を用いて . 30分毎に投与 4時間後まで経時的に測定した。
結果を図 1 1に示す。
これより、 ヒト TGR23- 2リガンド投与群は、 対象群に比し、 投与 1. 5および 2時 間後において有意 (Pく 0. 05) な摂餌量の減少が認められた。 産業上の利用可能性
本発明の抗体は、 極めて高い TGR23-2リガンドへの結合能を有し、 TGR23-2リ ガンドの細胞内 [Ca2+]上昇活性を中和することができ、 腫瘍増殖抑制作用'も有 する。 従って、 本発明の抗体は、 TGR23- 2リガンドの作用を抑制することにより、 例えば癌 (例、 大腸癌、 結腸癌、 直腸癌、 乳癌、 肺癌、 非小細胞肺癌、 前立腺 癌、 食道癌、 胃癌、 肝臓癌、 胆道癌、 脾臓癌、 腎癌、 膀胱癌、 子宮癌、 卵巣癥、 子宮頸部癌、 精巣癌、 甲状腺癌、 塍臓癌、 脳腫瘍、 血液腫瘍など) または拒食 症などの予防 ·治療剤、 摂食 (食欲) 促進剤などの安全な医薬として使用する ことができる。 好ましくは癌の予防 ·治療剤である。 本発明の抗体を用いる測 定法、 好ましくは TGR23- 2リガンドの C端部 (配列番号: 2または配列番号: 3 で表されるァミノ酸配列を含有するポリぺプチドまたはその塩の C端部) を特 異的に認識するモノクローナル抗体と TGR23- 2リガンドの N端部を特異的に認識 するモノク口一ナル抗体とを用いるサンドイッチ法による免疫学的測定法など により、 TGR23- 2リガンドを感度よく特異的に定量することができるため、 例え ば、 上記疾患などの診断も可能である。 また、 本発明の抗体は、 TGR23- 2リガン ドの免疫組織染色にも使用可能である。

Claims

請求 の 範 囲
1 . 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配 列を含有するポリペプチドまたはその塩の N端側の部分ペプチドに特異的に反 応する抗体。
2 . 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配 列の第 1〜 7番目のアミノ酸配列を有するぺプチドに特異的に反応する請求項 1記載の抗体。
3 . 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配 列の第 1〜3番目、 第 1〜4番目、 第 1〜5番目、 第 1〜6番目、 第 1〜7番 目、 第 2〜4番目、 第 2〜5番目、 第 2〜6番目、 第 2〜7番目、 第 3〜5番 目、 第 3〜6番目、 第 3〜7番目、 第 4〜6番目、 第 4〜7番目または第 5〜 7番目のアミノ酸配列を有するペプチドに特異的に反応する請求項 1記載の抗 体。
4. 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配 列を含有するポリぺプチドまたはその塩の C端側の部分べプチドを認識しない 請求項 1記載の抗体。
5 . 配列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配 列を含有するべプチドに対して中和活性を有する請求項 1記載の抗体。
6 . 標識化された請求項 1記載の抗体。
7 . モノクローナル抗体である請求項 1記載の抗体。
8 . 2 3 L - 1 N (F E RM B P— 8 3 0 2 ) で標示されるハイプリドー マ細胞から産生され得る 2 3 L— 1 N aで標示される請求項 7記載のモノク口 ーナル抗体。
9 . 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポ リペプチドまたはその塩の C端側の部分ペプチドに特異的に反応する抗体。
1 0 . 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列の第 1 5〜 1 8番目のアミノ酸配列を有するぺプチドに特異的に反応する請求項 9記載の 抗体。
11. 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列の第 12〜 14番目、 第 12〜15番目、 第 12〜; 16番目、 第 12〜17番目、 第 12 〜18番目、 第 13〜15番目、 第.13〜16番目、 第 13〜17番目、 第 1 3〜18番目、 第 14〜: L 6番目、 第 14〜17番目、 第 14〜18番目、 第 15〜17番目、 第15~18番目または第 16〜18番目のアミノ酸配列を 有するペプチドに特異的に反応する請求項 9記載の抗体。
12. 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有する ポリぺプチドまたはその塩の N端側の部分べプチドを認識しない請求項 9記載 の抗体。
13. 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有する ぺプチドに対して中和活性を有する請求項 9記載の抗体。
14. 標識化された請求項 9記載の抗体。
15. モノクロ一ナル抗体である請求項 9記載の抗体。
16. 23 L- 2 C (FERM B P— 8303 ) で標示されるハイブリド —マ細胞から産生され得る 23 L— 2 C aで標示される請求項 15記載のモノ クローナル抗体。
17. 請求項 1または請求項 9記載の抗体を含有してなる医薬。
18. 癌または拒食症の予防 ·治療剤である請求項 17記載の医薬。
19. 請求項 1または/および請求項 9記載の抗体を含有してなる診断薬。
20. 請求項 1記載の抗体を用いることを特徴とする配列番号: 1、 配列番 号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドま たはその塩の定量法。
21. さらに請求項 9記載の抗体を用いることを特徴とする請求項 20記載 の定量法。
22. 請求項 1記載の抗体を用いることを特徴とする配列番号: 1、 配列番 号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドま たはその塩が関与する疾患の診断法。
23. 請求項 1記載の抗体を用いることを特徴とする癌の診断法。
24. さらに請求項 9記載の抗体を用いることを特徴とする請求項 22また は請求項 2 3記載の診断法。
2 5 . 請求項 9記載の抗体を用いることを特徴とする配列番号: 2または配 列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩の定
2 6 . 請求項 1記載の抗体と、 被検波および標識化された配列番号: 1、 配 列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリべプチ ドまたはその塩とを競合的に反応させ、 上記抗体に結合した上記標識化された ポリペプチドまたはその塩の割合を測定することを特徴とする、 被検液中の配 列番号: 1、 配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有 するポリペプチドまたはその塩の定量法。
2 7 . 請求項 9記載の抗体と、 被検液および標識化された配列番号: 2また は配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩 とを競合的に反応させ、 上記抗体に結合した上記標識化されたポリペプチドま たはその塩の割合を測定することを特徴とする、 被検液中の配列番号: 2また は配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドまたはその塩 の定量法。
2 8 . ( 1 ) 担体上に不溶化した請求項 1記載の抗体、 標識化された請求項 9記載の抗体および被検液を反応させた後、 標識剤の活性を測定する、 または、 ( 2 ) 担体上に不溶化した請求項 9記載の抗体、 標識化された請求項 1記載の 抗体および被検液を反応させた後、 標識剤の活性を測定することを特徴とする 被検波中の配列番号: 2または配列番号: 3で表されるアミノ酸配列を有する ポリべプチドまたはその塩の定量法。
2 9 . 請求項 7記載のモノクローナル抗体を産生する八イブリドーマ細胞。
3 0 . 2 3 L - 1 N (F E RM B P— 8 3 0 2 ) で標示される請求項 2 9 記載の八イブリドーマ細胞。
3 1 . 請求項 2 9記載の八イブリドーマ細胞を生体内又は生体外で培養し、 その体液または培養物から請求項 7記載のモノク口一ナル抗体を採取すること を特徴とする請求項 7記載のモノクローナル抗体の製造法。
3 2 . 請求項 1 5記載のモノクローナル抗体を産生する八イブリドーマ細胞。
33. 23 L- 2 C (FERM B P— 8303 ) で標示される請求項 32 記載の八イブリドーマ細胞。
34. 請求項 32記載のハイプリドーマ細胞を生体内又は生体外で培養し、 その体液または培養物から請求項 15記載のモノクローナル抗体を採取するこ とを特徴とする請求項 15記載のモノクローナル抗体の製造法。
35. 配列番号: 5で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドもしくは そのアミド体またはその塩。
36. 哺乳動物に対して、 請求項 1または請求項 9記載の抗体の有効量を投 与することを特徴とする、 癌または拒食症の予防 ·治療法。
37. 癌または拒食症の予防 ·治療剤の予防 ·治療剤を製造するための請求 項 1または請求項 9記載の抗体の使用。
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