JP2000037187A - 抗体およびその用途 - Google Patents

抗体およびその用途

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JP2000037187A
JP2000037187A JP11140305A JP14030599A JP2000037187A JP 2000037187 A JP2000037187 A JP 2000037187A JP 11140305 A JP11140305 A JP 11140305A JP 14030599 A JP14030599 A JP 14030599A JP 2000037187 A JP2000037187 A JP 2000037187A
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寛和 松本
Chieko Kitada
千恵子 北田
Kuniji Hinuma
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Abstract

(57)【要約】 【課題】19P2リガンドまたはその誘導体に対するモ
ノクローナル抗体の提供。 【解決手段】本発明の19P2リガンドに対するモノク
ローナル抗体(特に、P2L-1Ca)は、極めて高い結
合能を有し、かつ19P2リガンドのアラキドン酸代謝
物放出活性を中和することが出来る。従って、19P2
リガンドが有すると考えられる下垂体機能調節作用(例
えば、プロラクチン分泌促進作用)、中枢神経調節作
用、膵臓機能調節作用などに、異常がある場合の各種疾
患の診断薬、予防薬、治療薬などに用いることができ
る。本発明のモノクローナル抗体を用いるサンドイッチ
法(特に、該モノクロナール抗体と19P2リガンドの
中間部を認識する抗体とを用いるサンドイッチ法)によ
る免疫学的測定法により、19P2リガンドまたはその
誘導体を高感度かつ特異的に定量することができる。こ
の定量方法は19P2リガンドまたはその誘導体の生理
機能の解明に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、19P2リガンド
またはその誘導体に結合特異性を有する新規なモノクロ
ーナル抗体に関する。更に詳しくは、抗原抗体反応に基
づく19P2リガンドまたはその誘導体の定量法の開
発、および、中和活性を利用して19P2リガンドまた
はその誘導体が関与する疾患の診断あるいは予防・治療
剤の開発に有用な抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】19P2リガンドは、オーファンG蛋白
質共役型レセプター(19P2)に対するリガンドとして
見出された新規ペプチドであり、脳(特に視床下部)に
最も多く存在し、またそのレセプターである19P2が
下垂体に最も多く局在することから、新規の視床下部ホ
ルモン(向下垂体性ホルモン)の一つであると考えられ
ている。また、19P2リガンドは、その配列から
(1)31残基よりなる19P2-L31(31個のアミ
ノ酸からなるペプチド)と、(2)12番目のThrより始
まる19P2-L20(20個のアミノ酸からなるペプ
チド)の存在が推測されている(WO97/2443
6)。〔以下、31個のアミノ酸からなる19P2リガ
ンドを、19P2リガンド(1−31)、または、19
P2−L31と呼び、20個のアミノ酸からなる19P
2リガンドを、19P2リガンド(12−31)、また
は、19P2−L20と呼ぶ場合もある。〕
【0003】ウシ、ヒトおよびラットの19P2リガン
ド(1−31)のアミノ酸配列を以下に示す。 〔ウシ19P2リガンド(1−31)〕(配列番号:1) H-Ser-Arg-Ala-His-Gln-His-Ser-Met-Glu-Ile- Arg-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr- Ala-Gly-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg- Phe-NH2 〔ヒト19P2リガンド(1−31)〕(配列番号:2) H-Ser-Arg-Thr-His-Arg-His-Ser-Met-Glu-Ile- Arg-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr- Ala-Ser-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg- Phe-NH2 〔ラット19P2リガンド(1−31)〕(配列番号:3) H-Ser-Arg-Ala-His-Gln-His-Ser-Met-Glu-Thr- Arg-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr- Thr-Gly-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg- Phe-NH2 ウシ、ヒトおよびラットの19P2リガンド(12−3
1)のアミノ酸配列を以下に示す。 〔ウシ19P2リガンド(12−31)〕(配列番号:12) H-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr- Ala-Gly-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg- Phe-NH2 〔ヒト19P2リガンド(12−31)〕(配列番号:5) H-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr- Ala-Ser-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg- Phe-NH2 〔ラット19P2リガンド(12−31)〕(配列番号:13) H-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr- Thr-Gly-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg- Phe-NH2
【0004】下垂体ホルモンの調節因子である視床下部
ホルモンの異常は様々な病態と関連している。視床下部
ホルモンの一つと考えられる19P2リガンドは、下垂
体ホルモンが関与する何らかの作用を有すると考えられ
るが、その生理機能についてはまだ未解明な部分が多
い。従って、19P2リガンドの生理作用を解明するた
めに、19P2リガンドを簡便かつ高感度に検出・定量
する測定系が切望されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、19P2リ
ガンドまたはその誘導体を感度よく特異的に定量するこ
とができるモノクローナル抗体、および該抗体を用いる
19P2リガンドまたはその誘導体の検出・定量法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、19P2リガ
ンドまたはその誘導体の異なる部分を特異的に認識する
複数のモノクローナル抗体を作製し、これら抗体を用い
ることにより19P2リガンドまたはその誘導体の高感
度の優れた検出・定量法を開発した。さらに研究を行っ
た結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
19P2リガンドまたはその誘導体のC端側の部分ペプ
チドに特異的に反応する抗体(好ましくは、モノクロー
ナル抗体)、19P2リガンドまたはその誘導体の中心
部分の部分ペプチドに特異的に反応する抗体(好ましく
は、モノクローナル抗体)、該モノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマ細胞、該抗体およびハイブリドー
マ細胞の製造法、該抗体を用いた競合法あるいはサンド
イッチ法による19P2リガンドおよびその誘導体の免
疫測定法などに関する。さらに詳しくは、本発明者らは
〔Cys17〕19P2リガンド(17−31)および〔Cys
25〕19P2リガンド(12−25)を免疫原として、
モノクローナル抗体を複数作製し、これらを組み合わせ
ることにより、19P2リガンドまたはその誘導体を高
感度にかつ特異的に検出し得る免疫測定法を開発した。
即ち、ウシチログロブリン(BTG)と〔Cys17〕19P2
リガンド(17−31)および〔Cys25〕19P2リガ
ンド(12−25)との複合体を免疫原として19P2
リガンド(1−31)またはその誘導体のC端部および
中間部を認識するモノクローナル抗体、例えばP2L−
1CaおよびP2L−1Taを確立した。これらの抗体
は、西洋ワサビパーオキシダーゼ(HRP)標識化した〔C
ys17〕19P2リガンド(17−31)および〔Cy
s25〕19P2リガンド(12−25)を用いる競合法
免疫測定法では、この2種類のモノクローナル抗体を組
み合わせることにより、19P2-L31および19P
2-L20に対して極めて高感度なサンドイッチ-免疫測
定法を与えることが明かとなった。本発明により、19
P2リガンドを簡便にかつ高感度に測定することが可能
となり、生体成分中の19P2リガンドの変動をモニタ
ーすることによりその生理機能の解明に大いに役立つも
のと思われる。
【0007】即ち、本発明は、(1)19P2リガンド
またはその誘導体のC端側の部分ペプチドに特異的に反
応するモノクローナル抗体、(2)マウスIgGである
上記(1)記載のモノクローナル抗体、(3)P2L−
1CaまたはP2L−2Caで標示される上記(2)記
載のモノクローナル抗体、(4)19P2リガンドまた
はその誘導体の中間部分ペプチドに特異的に反応するモ
ノクローナル抗体、(5)マウスIgGである上記
(4)記載のモノクローナル抗体、(6)P2L−1T
aで標示される上記(5)記載のモノクローナル抗体、
(7)上記(1)または上記(4)記載のモノクローナ
ル抗体を用いることを特徴とする被検液中の19P2リ
ガンドまたはその誘導体の定量法、(8)上記(1)記
載の抗体と上記(4)記載のモノクローナル抗体を用い
ることを特徴とする被検液中の19P2リガンドまたは
その誘導体の定量法、および、(9)上記(1)または
上記(4)記載のモノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマ細胞などに関する。
【0008】さらに、本発明は、(10)配列番号:7
で表されるアミノ酸配列を有する部分ペプチドを認識す
ることを特徴とする19P2リガンドまたはその誘導体
のC端側の部分ペプチドに特異的に反応することを特徴
とするモノクローナル抗体、(11)配列番号:11で
表されるアミノ酸配列を有する部分ペプチドを認識する
ことを特徴とする19P2リガンドまたはその誘導体の
中間部分ペプチドに特異的に反応することを特徴とする
モノクローナル抗体、(12)上記(10)または上記
(11)記載の抗体を用いることを特徴とする被検液中
の19P2リガンドまたはその誘導体の定量法、(1
3)上記(11)記載の抗体と、上記(10)記載の抗
体を用いることを特徴とする被検液中の19P2リガン
ドまたはその誘導体の定量法、(14)高プロラクチン
血症の診断に用いられる上記(12)または(13)記
載の定量法などに関する。 上記(1)記載のモノクローナル抗体の好ましい態様と
しては、(i)19P2リガンドが配列番号:1、配列
番号:2、配列番号:3、配列番号5または配列番号:
12で表されるアミノ酸配列を有するペプチドである上
記(10)記載のモノクローナル抗体、(ii)19P2
リガンドの誘導体が配列番号:7で表されるアミノ酸
配列を有するペプチド、配列番号:1、配列番号:2
または配列番号:3で表されるアミノ酸配列の第18番
目〜31番目のアミノ酸配列を有するペプチドであって
C端がアミドであるペプチド、配列番号:5または配
列番号:12で表されるアミノ酸配列の第8番目〜20
番目のアミノ酸配列を有するペプチドまたは配列番
号:1〜配列番号:7、配列番号:10または11で表
されるアミノ酸配列のC末端の9残基のアミノ酸配列を
有するペプチドである第(10)記載のモノクローナル
抗体、(iii)19P2リガンドまたはその誘導体のC
端側の部分ペプチドが、19P2リガンドのN端のアミ
ノ酸から数えて20番目以降のアミノ酸配列を有する部
分ペプチドである上記(10)記載のモノクローナル抗
体、(iv)抗体が配列番号:9で表されるC末端がカル
ボン酸となったアミノ酸配列を有する部分ペプチドを認
識しないことを特徴とする上記(10)記載のモノクロ
ーナル抗体、(v)抗体が配列番号:7で表されるアミ
ノ酸配列を有する部分ペプチドを認識するが、配列番
号:8で表されるアミノ酸配列を認識しないことを特徴
とする上記(10)記載のモノクローナル抗体、(vi)
配列番号:7で表されるアミノ酸配列を有する部分ペプ
チドを認識するが、配列番号:10で表されるC末端の
Pheが欠けたアミノ酸配列を有するペプチドを認識しな
いことを特徴とする上記(10)記載のモノクローナル
抗体、(vii)P2L−1CaまたはP2L−2Caで
標示される上記(10)記載のモノクローナル抗体、
(viii)配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、
配列番号:5および配列番号:12で表されるアミノ酸
配列を有するペプチドに対して中和活性を有する上記
(10)記載のモノクローナル抗体などがあげられる。
上記(4)記載のモノクローナル抗体の好ましい態様と
しては、(i)19P2リガンドが配列番号:1、配列
番号:2、配列番号:3、配列番号:5または配列番
号:12で表されるアミノ酸配列を有するペプチドであ
る上記(11)記載のモノクローナル抗体、(ii)19
P2リガンドの誘導体が配列番号:1で表されるアミ
ノ酸配列の第12番目〜24番目のアミノ酸配列を有す
るペプチド、配列番号:2で表されるアミノ酸配列の
第12番目〜24番目のアミノ酸配列を有するペプチド
または配列番号:3で表されるアミノ酸配列の第12
番目〜24番目のアミノ酸配列を有するペプチドである
上記(11)記載のモノクローナル抗体、(iii)配列
番号:4または配列番号:6で表されるアミノ酸配列を
有するペプチドを認識しない上記(11)記載のモノク
ローナル抗体、(iv)P2L−1TaまたはP2L−3
Taで標示される上記(11)記載のモノクローナル抗
体などがあげられる。 また、好ましいハイブリドーマ
細胞として、(i)上記(10)または(11)記載の
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞など
があげられる。 上記(12)記載の定量法の好ましい
態様としては、(i)上記(10)または上記(11)
記載のモノクローナル抗体と、被検液および標識化19
P2リガンドまたはその誘導体とを競合的に反応させ、
該抗体に結合した標識化19P2リガンドまたはその誘
導体の割合を測定することを特徴とする被検液中の19
P2リガンドまたはその誘導体の定量法などがあげられ
る。上記(13)記載の定量法の好ましい態様として
は、(i)担体上に不溶化した19P2リガンドまたは
その誘導体に対する抗体、標識化された19P2リガン
ドまたはその誘導体に対する抗体および被検液を反応さ
せた後、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを
特徴とし、担体上に不溶化した19P2リガンドまたは
その誘導体に対する抗体および標識化された19P2リ
ガンドまたはその誘導体に対する抗体の一方が上記(1
0)記載のモノクローナル抗体であり、他方が上記(1
1)記載のモノクローナル抗体であることを特徴とする
被検液中の19P2リガンドまたはその誘導体の定量
法、(ii)上記(11)記載のモノクローナル抗体がP
2L−1TaまたはP2L−3Taで標示されるモノク
ローナル抗体である上記(i)記載の定量法、(iii)担
体上に不溶化した19P2リガンドに対する抗体および
標識化された19P2リガンドに対する抗体の一方がP
2L−1CaまたはP2L−2Caで標示されるモノク
ローナル抗体であり、他方がP2L−1TaまたはP2
L−3Taで標示されるモノクローナル抗体である上記
(i)記載の定量法、(iv)担体上に不溶化した19P
2リガンドに対する抗体および標識化された19P2リ
ガンドに対する抗体の一方がP2L−1Caで標示され
るモノクローナル抗体であり、他方がP2L−2Ca、
P2L−1TaまたはP2L−3Taで標示されるモノ
クローナル抗体であり、19P2リガンドまたはその誘
導体が配列番号:1で表されるアミノ酸配列を有するペ
プチド、配列番号:2で表されるアミノ酸配列を有する
ペプチド、配列番号:3で表されるアミノ酸配列を有す
るペプチド、および(または)配列番号:5で表される
アミノ酸配列を有するペプチドである上記(i)記載の
定量法、(v)担体上に不溶化した19P2リガンドに
対する抗体および標識化された19P2リガンドに対す
る抗体の一方がP2L−2Caで標示されるモノクロー
ナル抗体であり、他方がP2L−1Ca、P2L−1T
aまたはP2L−3Taで標示されるモノクローナル抗
体であり、19P2リガンドまたはその誘導体が配列番
号:1で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配列
番号:2で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、配
列番号:3で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号:12で表されるアミノ酸配列を有するペプチ
ドおよび(または)配列番号:5で表されるアミノ酸配
列を有するペプチドである上記(i)記載の定量法、(v
i)担体上に不溶化した19P2リガンドに対する抗体
および標識化された19P2リガンドに対する抗体の一
方がP2L−1Taで標示されるモノクローナル抗体で
あり、他方がP2L−1CaまたはP2L−2Caで標
示されるモノクローナル抗体であり、19P2リガンド
またはその誘導体が配列番号:1で表されるアミノ酸配
列を有するペプチド、配列番号:2で表されるアミノ酸
配列を有するペプチド、配列番号:3で表されるアミノ
酸配列を有するペプチド、配列番号:5で表されるアミ
ノ酸配列を有するペプチドおよび(または)配列番号:
12で表されるアミノ酸配列を有するペプチドである上
記(i)記載の定量法などがあげられる。
【0009】本発明における19P2リガンドとして
は、アミノ酸31残基からなる19P2リガンド(1−
31)とアミノ酸20残基からなる19P2リガンド
(12−31)がある。例えば、配列番号:1で表され
るアミノ酸配列を有するウシ19P2リガンド(1−3
1)、配列番号:2で表されるアミノ酸配列を有するヒ
ト19P2リガンド(1−31)、配列番号:3で表さ
れるアミノ酸配列を有するラット19P2リガンド(1
−31)、配列番号:5で表されるアミノ酸配列を有す
るラット19P2リガンド(12−31)または配列番
号:12で表されるアミノ酸配列を有するウシ19P2
リガンド(12−31)などが用いられる。本発明にお
ける19P2リガンドの誘導体としては、例えば、上記
19P2リガンドのN端部のアミノ酸がそれぞれ16な
いし17残基程度欠落したもの、C端部のアミノ酸が1
残基欠落したもの、L−グリシンをD−アラニンに置換
したもの、C末端アミドをカルボン酸に変換したもの、
C端側にL−グリシンとL−アルギニンを付加したも
の、L−システインを付加したもの、N端部にアセチル
基を有するものなどが用いられる。具体的には、19
P2−L31のアミノ酸配列から第1番目〜16番目の
アミノ酸配列が欠如した配列番号:4で表されるペプチ
ド、配列番号:4で表されるペプチドのN末端にアセ
チル基が付加した配列番号:6で表されるペプチド、
19P2−L31のアミノ酸配列の第29番目のグリシ
ンがD-アラニンに変換したH-Ser-Arg-Thr-His-Arg-His
-Ser-Met-Glu-Ile-Arg-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-T
rp-Tyr-Ala-Ser-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-D-Ala-Arg-P
he-NH2で表されるペプチド、19P2−L31のC端
側にL−グリシンとL−アルギニンを付加した配列番
号:8で表されるペプチド、19P2−L31のアミ
ノ酸配列のC末端アミドをカルボン酸に変換した配列番
号:9で表されるペプチド、19P2−L31のアミ
ノ酸配列の第31番目のPheが欠如した配列番号:1
0で表されるペプチドなどが用いられる。これらの19
P2リガンドまたはその誘導体は、(a)例えばヒト、
サル、ラット、マウスなどの哺乳動物から自体公知の方
法で調製することもできるし、(b)ペプチド・シンセ
サイザー等を使用する自体公知のペプチド合成方法で化
学的に合成することもできる。
【0010】本発明における19P2リガンドまたはそ
の誘導体のC端側の部分ペプチドとしては、配列番号:
7で表されるアミノ酸配列の第18番目〜31番目のア
ミノ酸配列を有するペプチドであって、そのN端にシス
テインが付加したペプチドが挙げられる。本発明におけ
る19P2リガンドまたはその誘導体のC端側の部分ペ
プチドに特異的に反応する抗体(好ましくは、モノクロ
ーナル抗体)としては、例えば19P2リガンドまたは
その誘導体を認識する抗体などが用いられる。より具体
的には、これらの抗体の中でも、(i)配列番号:7で
表されるアミノ酸配列を有する部分ペプチド(即ち、1
9P2リガンド(18−31))を認識するが、配列番
号:11で表されるアミノ酸配列を有する部分ペプチド
(即ち、19P2リガンド(12−24))を認識しな
い抗体、(ii)配列番号:7で表されるアミノ酸配列を
有する部分ペプチド(即ち、19P2リガンド(18−
31))を認識し、配列番号:11で表されるアミノ酸
配列を有する部分ペプチド(即ち、19P2リガンド
(12−24))を認識する抗体が挙げられる。上記
(i)、(ii)の抗体のなかでも、マウスIgGである
もの、さらには抗体のサブクラスがκであるものが好ま
しく用いられる。上記(i)の抗体の中でも、配列番
号:1で表されるアミノ酸配列を有するウシ19P2リ
ガンド(1−31)、配列番号:2で表されるアミノ酸
配列を有するヒト19P2リガンド(1−31)、配列
番号:3で表されるアミノ酸配列を有するラット19P
2リガンド(1−31)、配列番号:5で表されるアミ
ノ酸配列を有するヒト19P2リガンド(12−31)
および(または)配列番号:12で表されるアミノ酸配
列を有するウシ19P2リガンド(12−31)を特異
的に認識する抗体がより好ましく、さらにはH-Ser-Arg-
Thr-His-Arg-His-Ser-Met-Glu-Ile-Arg-Thr-Pro-Asp-Il
e-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala-Ser-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-
Val-D-Ala-Arg-Phe-NH2で表されるアミノ酸配列を有す
るヒト19P2リガンド[D-Ala29](1−31)
を認識するが、配列番号:4で表されるアミノ酸配列を
有するヒト19P2リガンド(1−30)、配列番号:
9で表されるアミノ酸配列を有するウシ19P2リガン
ド(1−31)-OH、配列番号:8で表されるアミノ酸
配列を有するウシ19P2リガンド(1−31)−Gl
y−Ala-OHを認識しない抗体が好ましい。
【0011】また、上記(ii)の抗体の中でも、配列番
号:1で表されるアミノ酸配列を有するウシ19P2リ
ガンド(1−31)、配列番号:2で表されるアミノ酸
配列を有するヒト19P2リガンド(1−31)、配列
番号:3で表されるアミノ酸配列を有するラット19P
2リガンド(1−31)および(または)配列番号:5
で表されるアミノ酸配列を有するヒト19P2リガンド
(12−31)を特異的に認識する抗体が好ましく、さ
らには配列番号:10で表されるアミノ酸配列を有する
ヒト19P2リガンド(1−30)および配列番号:8
で表されるアミノ酸配列を有するウシ19P2リガンド
(1−31)−Gly−Ala-OHを認識する抗体が好
ましい。上記(i)の抗体の代表例としては、P2L−
1Caで標示されるモノクローナル抗体があり、上記
(ii)の抗体の代表例としては、P2L−2Caで標示
されるモノクローナル抗体が挙げられる。
【0012】次に、本発明における19P2リガンドま
たはその誘導体の中心部の部分ペプチドに特異的に反応
するモノクローナル抗体としては、例えば配列番号:7
で表されるアミノ酸配列を有する部分ペプチドを認識せ
ず、配列番号:11で表されるアミノ酸配列を有する部
分ペプチドを認識することを特徴とする19P2リガン
ドまたはその誘導体に特異的に反応するモノクローナル
抗体などが用いられる。これら抗体のなかでも、配列番
号:1で表されるアミノ酸配列を有するウシ19P2リ
ガンド(1−31)、配列番号:2で表されるアミノ酸
配列を有するヒト19P2リガンド(1−31)、配列
番号:3で表されるアミノ酸配列を有するラット19P
2リガンド(1−31)、配列番号:5で表されるアミ
ノ酸配列を有するヒト19P2リガンド(12−3
1)、配列番号:12で表されるアミノ酸配列を有する
ウシ19P2リガンド(12−31)、および(また
は)配列番号:13で表されるアミノ酸配列を有するラ
ット19P2リガンド(12−31)を特に認識する抗
体が好ましく、配列番号:4または配列番号:6で表さ
れるアミノ酸配列から第1番目〜16番目のアミノ酸配
列が欠如したアミノ酸配列を有するペプチドを認識しな
い抗体が好ましい。なかでも、マウスIgGであるも
の、さらには抗体のサブクラスがκであるものが好まし
く用いられる。具体的には、P2L−1Ta、P2L−
2Ta、P2L−3TaまたはP2L−4Taで標示さ
れるモノクローナル抗体などが用いられる。これらモノ
クローナル抗体のなかでも、特にP2L−1Taなどが
好適である。
【0013】以下に、本発明におけるモノクローナル抗
体の抗原の調製方法、および該モノクローナル抗体の製
造方法について詳細に説明する。 (1)抗原の調製 本発明の抗体を調製するために使用される抗原として
は、例えば19P2リガンドまたはその誘導体、19P
2リガンドと同一の抗原決定基を1種あるいは2種以上
有する合成ペプチドなど何れのものも使用することがで
きる(以下、これらを単に19P2リガンド抗原と称す
ることもある)。該19P2リガンドまたはその誘導体
としては、前述したものなどが用いられる。これら19
P2リガンドまたはその誘導体は、(a)例えばヒト、
サル、ラット、マウスなどの哺乳動物の組織または細胞
から自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法を用いて
調製することもできるし、(b)ペプチド・シンセサイ
ザー等を使用する自体公知のペプチド合成方法で化学的
に合成することもできる。また、(c)該19P2リガ
ンドまたはその誘導体は、それをコードするDNAを含
有する形質転換体を培養することによっても製造するこ
とができる。 (a)該哺乳動物の組織または細胞から調製する場合、
その組織または細胞をホモジナイズした後、酸、または
アルコールなどで抽出を行い、該抽出液を、塩析、透
析、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、イオン交換ク
ロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー
などのクロマトグラフィーを組み合わせることにより精
製単離することができる。 (b)化学的に合成する場合、該合成ペプチドとして
は、例えば上述した天然より精製した19P2リガンド
抗原と同一の構造を有するものや、19P2リガンド
(1−31)などのアミノ酸配列において3個以上、好
ましくは6個以上のアミノ酸からなる任意の箇所のアミ
ノ酸配列と同一のアミノ酸配列を1種あるいは2種以上
含有するペプチド(以下19P2リガンド関連合成ペプ
チドと略す)などが用いられる。 (c)DNAを含有する形質転換体を用いて該19P2
リガンドまたはその誘導体を製造する場合、そのリガン
ドまたはその誘導体をコードするDNAは、公知のクロ
ーニング方法〔例えば、Molecular Cloning(2nd e
d.;J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Pr
ess, 1989)に記載の方法など〕に従って作成すること
ができる。該クローニング方法とは、(1)該ペプチド
のアミノ酸配列に基づきデザインしたDNAプローブま
たはDNAプライマーを用い、cDNAライブラリーか
らハイブリダイゼーション法により該ペプチドをコード
するDNAを含有する形質転換体を得る方法、または
(2)該ペプチドのアミノ酸配列に基づきデザインした
DNAプライマーを用い、PCR法により該ペプチドを
コードするDNAを含有する形質転換体を得る方法など
が挙げられる。
【0014】上記したように該抗原としてのペプチド
は、(1)自体公知のペプチドの合成法に従って、また
は(2)本発明のペプチドを含有するペプチドを適当な
ペプチダーゼで切断することによって製造することがで
きる。該ペプチドの合成法としては、例えば固相合成
法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、該
ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と
残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は
保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造する
ことができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては
たとえば、以下の〜に記載された方法等が挙げられ
る。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、
ペプチド シンセシス (Peptide Synthesis), Interscie
nce Publishers, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York (1965年) また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出、蒸
留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィ
ー、再結晶などを組み合わせて該ペプチドを精製単離す
ることができる。上記方法で得られるペプチドが遊離体
である場合は、公知の方法によって適当な塩に変換する
ことができ、逆に塩で得られた場合は、公知の方法によ
って遊離体に変換することができる。
【0015】ペプチドのアミド体は、アミド形成に適し
た市販のペプチド合成用樹脂を用いることができる。そ
のような樹脂としては例えば、クロロメチル樹脂、ヒド
ロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノ
メチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹
脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、
4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチ
ル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2',4'-ジメ
トキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、
4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocアミノエチ
ル)フェノキシ樹脂などを挙げることができる。このよ
うな樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保
護したアミノ酸を、目的とするペプチドの配列通りに、
自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。
反応の最後に樹脂からペプチドを切り出すと同時に各種
保護基を除去し、目的のペプチドを取得する。あるいは
クロロトリチル樹脂、オキシム樹脂、4−ヒドロキシ安
息香酸系樹脂等を用い、部分的に保護したペプチドを取
り出し、更に常套手段で保護基を除去し目的のペプチド
を得ることもできる。上記した保護されたアミノ酸の縮
合に関しては、ペプチド合成に使用できる各種活性化試
薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類が
よい。カルボジイミド類としてはDCC、N,N'-ジイソプロ
ピルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノ
プロリル)カルボジイミドなどが挙げられる。これらに
よる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、HO
OBtなど)とともに保護されたアミノ酸を直接樹脂に添加
するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエステルあるい
はHOOBtエステルとしてあらかじめ保護されたアミノ酸
の活性化を行ったのちに樹脂に添加することができる。
保護されたアミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられ
る溶媒としては、ペプチド縮合反応に使用しうることが
知られている溶媒から適宜選択されうる。たとえばN,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メ
チレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、ト
リフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチルス
ルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジンなどの三級
アミン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエー
テル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニト
リル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類ある
いはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度
はペプチド結合形成反応に使用され得ることが知られて
いる範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜約50℃
の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導
体は通常約1.5ないし約4倍過剰で用いられる。ニン
ヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場
合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返す
ことにより十分な縮合を行うことができる。反応を繰り
返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸ま
たはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をア
セチル化して、後の反応に影響を及ぼさないようにする
ことができる。
【0016】原料アミノ酸のアミノ基の保護基として
は、たとえば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシ
カルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メト
キシベンジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマン
チルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロ
イル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジ
フェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては、たとえばC1-6アル
キル基、C3-8シクロアルキル基、C7-14アラルキル基
の他、2−アダマンチル、4−ニトロベンジル、4−メ
トキシベンジル、4−クロロベンジル、フェナシル基お
よびベンジルオキシカルボニルヒドラジド、ターシャリ
ーブトキシカルボニルヒドラジド、トリチルヒドラジド
などが挙げられる。セリンおよびスレオニンの水酸基
は、たとえばエステル化またはエーテル化によって保護
することができる。このエステル化に適する基としては
例えばアセチル基などの低級(C1-6)アルカノイル
基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導
される基などが挙げられる。また、エーテル化に適する
基としては、たとえばベンジル基、テトラヒドロピラニ
ル基、ターシャリーブチル基などである。チロシンのフ
ェノール性水酸基の保護基としては、たとえばBzl、Cl2
−Bzl、2−ニトロベンジル、Br-Z、ターシャリーブチ
ルなどが挙げられる。ヒスチジンのイミダゾールの保護
基としては、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベン
ゼンスルホニル、DNP、Bom、Bum、Boc、Trt、Fmocなど
が挙げられる。原料のカルボキシル基の活性化されたも
のとしては、たとえば対応する酸無水物、アジド、活性
エステル[アルコール(たとえば、ペンタクロロフェノ
ール、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェ
ノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル]などが挙げられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、たとえば対
応するリン酸アミドが挙げられる。
【0017】保護基の除去(脱離)方法としては、たと
えばPd黒あるいはPd炭素などの触媒の存在下での水素気
流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジ
イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリ
ジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモ
ニア中ナトリウムによる還元なども挙げられる。上記酸
処理による脱離反応は一般に−20℃〜40℃の温度で
行われるが、酸処理においてはアニソール、フェノー
ル、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾー
ル、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-
エタンジチオールのようなカチオン捕捉剤の添加が有効
である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として
用いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処
理により除去され、トリプトファンのインドール保護基
として用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオ
ール、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理によ
る脱保護以外に、希水酸化ナトリウム、希アンモニアな
どによるアルカリ処理によっても除去される。原料の反
応に関与すべきでない官能基の保護および保護基、なら
びにその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化
などは公知の基あるいは公知の手段から適宜選択しう
る。ペプチドのアミド体を得る別の方法としては、ま
ず、カルボキシル末端アミノ酸のα−カルボキシル基を
アミド化した後、アミノ基側にペプチド鎖を所望の鎖長
まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基
の保護基のみを除いたペプチドとC末端のカルボキシル
基の保護基のみを除いたペプチド(またはアミノ酸)と
を製造し、この両ペプチドを上記したような混合溶媒中
で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様で
ある。縮合により得られた保護ペプチドを精製した後、
上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗ペプ
チドを得ることができる。この粗ペプチドは既知の各種
精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥するこ
とで所望のペプチドのアミド体を得ることができる。ペ
プチドのエステル体を得るにはカルボキシ末端アミノ酸
のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しア
ミノ酸エステルとした後、ペプチドのアミド体と同様に
して所望のペプチドのエステル体を得ることができる。
【0018】19P2リガンド抗原は、凝集しやすいた
め、不溶化したものを直接免疫することもできる。ま
た、該19P2リガンド抗原を適当な担体に結合または
吸着させた複合体を免疫してもよい。該担体および担体
(キャリアー)と19P2リガンド抗原(ハプテン)と
の混合比は、担体に結合あるいは吸着させた19P2リ
ガンド抗原に対して抗体が効率よくできれば、どのよう
なものをどのような比率で結合あるいは吸着させてもよ
く、通常ハプテン抗原に対する抗体の作製にあたり常用
されている天然もしくは合成の高分子担体を重量比でハ
プテン1に対し0.1〜100の割合で結合あるいは吸
着させたものを使用することができる。天然の高分子担
体としては、例えばウシ、ウサギ、ヒトなどの哺乳動物
の血清アルブミンや例えばウシ、ウサギなどの哺乳動物
のチログロブリン、例えばウシ、ウサギ、ヒト、ヒツジ
などの哺乳動物のヘモグロビン、キーホールリンペット
ヘモシアニンなどが用いられる。合成の高分子担体とし
ては、例えばポリアミノ酸類、ポリスチレン類、ポリア
クリル類、ポリビニル類、ポリプロピレン類などの重合
物または供重合物などの各種ラテックスなどを用いるこ
とができる。また、ハプテンとキャリアーのカプリング
には、種々の縮合剤を用いることができる。例えば、チ
ロシン、ヒスチジン、トリプトファンを架橋するビスジ
アゾ化ベンジジンなどのジアゾニウム化合物、アミノ基
同志を架橋するグルタルアルデビトなどのジアルデヒド
化合物、トルエン−2,4−ジイソシアネートなどのジ
イソシアネート化合物、チオール基同志を架橋するN,
N'-o-フェニレンジマレイミドなどのジマレイミド化
合物、アミノ基とチオール基を架橋するマレイミド活性
エステル化合物、アミノ基とカルボキシル基とを架橋す
るカルボジイミド化合物などが好都合に用いられる。ま
た、アミノ基同志を架橋する際にも、一方のアミノ基に
ジチオピリジル基を有する活性エステル試薬(例えば、
SPDPなど)を反応させた後還元することによりチオ
ール基を導入し、他方のアミノ基にマレイミド活性エス
テル試薬によりマレイミド基を導入後、両者を反応させ
ることもできる。
【0019】(2)モノクローナル抗体の作製 19P2リガンド抗原は、温血動物に対して、例えば腹
腔内注入、静脈注入,皮下注射などの投与方法によっ
て、抗体産生が可能な部位にそれ自体単独であるいは担
体、希釈剤と共に投与される。投与に際して抗体産生能
を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フ
ロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常
2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。温
血動物としては、例えばサル、ウサギ、イヌ、モルモッ
ト、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリなどがあ
げられるが、モノクローナル抗体作製にはマウス、ラッ
トなどが好ましく用いられる。モノクローナル抗体の作
製に際しては、19P2リガンド抗原を免疫された温血
動物、たとえばマウスから抗体価の認められた個体を選
択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取
し、それらに含まれる抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合
させることにより、抗19P2リガンドモノクローナル
抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。血清
中の抗19P2リガンド抗体価の測定は、例えば後記の
標識化19P2リガンドと抗血清とを反応させたのち、
抗体に結合した標識剤の活性を測定することによりなさ
れる。融合操作は既知の方法、例えばケーラーとミルス
タインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495
(1975)〕に従い実施できる。融合促進剤として
は、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィ
ルスなどが挙げられるが、好ましくはPEGなどが用い
られる。骨髄腫細胞としてはたとえばNS−1、P3U
1、SP2/0、AP−1などがあげられるが、P3U
1などが好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞
(脾臓細胞)数と骨髄細胞数との好ましい比率は、通常
1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくはPE
G1000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃
度で添加され、通常20〜40℃、好ましくは30〜3
7℃で通常1〜10分間インキュベートすることにより
効率よく細胞融合を実施できる。
【0020】抗19P2リガンド抗体産生ハイブリドー
マのスクリーニングには種々の方法が使用できるが、例
えば19P2リガンドあるいは19P2リガンド関連合
成ペプタイドを直接あるいは担体とともに吸着させた固
相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清
を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫
グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの
場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)また
はプロテインAを加え、固相に結合した抗19P2リガ
ンドモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブ
リン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイブ
リドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標
識した19P2リガンドを加え、固相に結合した抗19
P2リガンドモノクローナル抗体を検出する方法などが
あげられる。抗19P2リガンドモノクローナル抗体の
スクリーニング、育種は通常HAT(ヒポキサンチン、
アミノプテリン、チミジン)を添加して、10〜20%
牛胎児血清を含む動物細胞用培地(例、RPMI164
0)で行われる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、
上記の抗血清中の抗19P2リガンド抗体価の測定と同
様にして測定できる。抗19P2リガンドモノクローナ
ル抗体の分離精製は、通常のポリクローナル抗体の分離
精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析
法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イ
オン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心
法、ゲルろ過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあ
るいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗体のみを
採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製法な
ど〕に従って行われる。
【0021】また、19P2リガンドの一部領域と反応
する抗19P2リガンド抗体を産生するハイブリドーマ
および、19P2リガンドとは反応するがその一部領域
とは反応しない抗19P2リガンドモノクローナル抗体
を産生するハイブリドーマのスクリーニングはたとえば
その一部領域に相当するペプチドとハイブリドーマが産
生する抗体との結合性を測定することにより行うことが
できる。以上のようにして得られるP2L−1Caで
標示されるモノクローナル抗体、P2L−3Caで標
示されるモノクローナル抗体および19P2リガンド
またはその誘導体の中心部分の部分ペプチドに特異的に
反応することを特徴とする抗体P2L−3Taで標示さ
れるモノクローナル抗体は、それぞれ19P2リガンド
のC端側および中心部分の部分ペプチドを特異的に認識
することができるので、被検液中の19P2リガンドの
定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量などに使
用することができる。
【0022】即ち、本発明は、(1)本発明の19P2
リガンドまたはその誘導体に対する抗体と、被検液およ
び標識化19P2リガンドまたはその誘導体とを競合的
に反応させ、該抗体に結合した標識化19P2リガンド
またはその誘導体の割合を測定することを特徴とする被
検液中の19P2リガンドまたはその誘導体の定量法、
(2)担体上に不溶化した19P2リガンドまたはその
誘導体に対する抗体、標識化された19P2リガンドま
たはその誘導体に対する抗体および被検液を反応させた
のち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特
徴とする被検液中の19P2リガンドまたはその誘導体
の定量法であって、担体上に不溶化した19P2リガン
ドまたはその誘導体に対する抗体および標識化された1
9P2リガンドまたはその誘導体に対する抗体の一方が
19P2リガンドまたはその誘導体のC端側の部分ペプ
チドに特異的に反応することを特徴とする抗体であり、
他方が配列番号:11で表されるアミノ酸配列を有する
部分ペプチド(即ち19P2リガンド(12−24))
などの19P2リガンドまたはその誘導体の中間部分を
認識する抗体である定量法などを提供する。より具体的
には、19P2リガンドまたはその誘導体のC端側の部
分ペプチドに特異的に反応することを特徴とする抗体が
P2L−1CaまたはP2L−2Caで標示されるモノ
クローナル抗体であり、配列番号:11で表されるアミ
ノ酸配列を有する部分ペプチド(即ち、19P2リガン
ド(12−24))などの19P2リガンドまたはその
誘導体の中間部分を認識する抗体がP2L−1Taまた
はP2L−3Taで標示されるモノクローナル抗体であ
る。
【0023】上記の定量法(2)の中でも、特に、 担体上に不溶化した19P2リガンドに対する抗体お
よび標識化された19P2リガンドまたはその誘導体に
対する抗体の一方がP2L−1Caで標示されるモノク
ローナル抗体であり、他方がP2L−1TaまたはP2
L−3Taで標示されるモノクローナル抗体であり、1
9P2リガンドが配列番号:1、配列番号:2、配列番
号:3、配列番号:5または配列番号:12で表される
アミノ酸配列を有するペプチドである定量法、 担体上に不溶化した19P2リガンドに対する抗体お
よび標識化された19P2リガンドまたはその誘導体に
対する抗体の一方がP2L−2Caで標示されるモノク
ローナル抗体であり、他方がP2L−1TaまたはP2
L−3Taで標示されるモノクローナル抗体であり、1
9P2リガンドが配列番号:1、配列番号:2、配列番
号:3、配列番号:5または配列番号:12で表される
アミノ酸配列を有するペプチドである定量法などが好適
である。
【0024】以下に本発明の19P2リガンドまたはそ
の誘導体(以下、19P2リガンドと略称する)の定量
法(免疫測定法)について、より詳細に説明する。本発
明の抗体は19P2リガンドを認識することができるの
で、19P2リガンドの測定あるいは組織染色などによ
る検出を行なうことができる。これらの目的には、抗体
分子そのものを用いてもよく、また抗体分子のF(a
b')2、Fab'あるいはFab画分などを用いてもよ
い。本発明の抗体を用いる測定法は、特に制限されるべ
きものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、19P
2リガンド量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗
原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、
これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準
曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用
いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノ
メトリック法、サンドイッチ法などが好適に用いられる
が、感度、特異性の点で後述するサンドイッチ法を用い
るのが特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いら
れる標識剤としては、放射性同位元素、酵素、蛍光物
質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素として
は、例えば 125I、131I、3H、14Cなどが、上記酵素
としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例え
ばβ−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカ
リフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水
素酵素などが、蛍光物質としては、例えばフルオレスカ
ミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが、発光
物質としては、例えばルミノール、ルミノール誘導体、
ルシフェリン、ルシゲニンなどがそれぞれ挙げられる。
さらに、抗体あるいは19P2リガンドと標識剤との結
合にビオチン−アビジン系を用いることもできる。抗原
あるいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いても
よく、また通常蛋白質あるいは酵素等を不溶化、固定化
するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担
体としては、例えばアガロース、デキストラン、セルロ
ースなどの不溶性多糖類、例えばポリスチレン、ポリア
クリルアミド、シリコンなどの合成樹脂あるいはガラス
などが挙げられる。
【0025】サンドイッチ法においては、不溶化した抗
19P2リガンド抗体に被検液を反応(1次反応)さ
せ、さらに標識化抗19P2リガンド抗体を反応(2次
反応)させた後、不溶化担体上の標識剤の活性を測定す
ることにより被検液中の19P2リガンド量を定量する
ことができる。1次反応と2次反応は同時に行なっても
よいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および
不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。ま
た、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相用
抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1
種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的
で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本発明の
サンドイッチ法による19P2リガンドの測定法におい
ては、1次反応と2次反応に用いられる抗19P2リガ
ンド抗体とは19P2リガンドの該抗体と結合する部位
が相異なる抗体が好ましく用いられる。即ち、例えば1
次反応で用いられる抗体が19P2リガンドのC端側の
部分ペプチドを認識する場合は、2次反応で用いられる
抗体は、好ましくはC端側の部分ペプチド以外(即ち、
N端側または中間部の部分ペプチド)を認識する抗体が
用いられる。具体的に、本発明のサンドイッチ免疫測定
法に用いられる19P2リガンドのC端側の部分ペプチ
ドに特異的に反応するモノクローナル抗体としては、
[Cys17]ヒト19P2リガンド(17−31)を免疫
原として作製したモノクローナル抗体が用いられる。本
発明者らは、このような抗体を産生するハイブリドーマ
を8種類確立した。中でもハイブリドーマP2L−1C
が産生する抗体は、後述するパーオキシダーゼ標識化1
9P2リガンド(17−31)を用いる競合法の酵素免
疫測定法において、ヒト、ウシおよびラット19P2リ
ガンド(1−31)と反応した(B/B0=0.5を与
える抗原濃度:3 nM、1.1ng/well)。さらに、
後述する[Cys25]19P2リガンド(12−25)を
免疫原として作製した19P2リガンドの中間部の部分
ペプチドを認識するモノクローナル抗体のうち、特にP
2L−1Taと組み合わせたサンドイッチ法に用いた場
合、予想外にも19P2リガンドをより高感度に測定で
きることが明らかとなった(検出感度、0.1 fmo
l/well)。即ち、本発明のサンドイッチ法酵素免疫測
定法に適した19P2リガンドのC端側の部分ペプチド
に特異的に反応するモノクローナル抗体は、必ずしも1
9P2リガンド(1−31)に対して高親和性である必
要はない。このような抗体として、例えば、P2L−1
Taなどが好都合に用いられる。
【0026】一方、本発明のサンドイッチ免疫測定法に
用いられる19P2リガンドの中間部の部分ペプチドを
認識するモノクローナル抗体としては、[Cys25]19
P2リガンド(12−25)を免疫原として作製した抗
体が好適に用いられる。本発明者らは、これらの抗体を
産生するハイブリドーマを12種類作製した(表2)。
これらの抗体の19P2リガンド(12−25)に対す
る反応性を後述するパーオキシダーゼ標識化19P2リ
ガンド(12−25)を用いる競合法により調べたとこ
ろ、4種類の抗体が19P2リガンド(12−25)に
良好な反応性を有していた(B/B0=0.5を与える
抗原濃度:1〜4 nM、0.9〜1.6ng/well)
が、P2L−1TaとP2L−3Taが19P2リガン
ド(1−31)に良好な反応性を有していた。そのなか
でも特にP2L−1Taが極めて高感度のサンドイッチ
−測定法を与えることが明らかとなった。また、P2L
−1Taは19P2リガンド(12−31)とも同程度
の反応性を示した。即ち、本発明において、サンドイッ
チ法に適した19P2リガンドの中間部の部分ペプチド
を認識する抗体として、19P2リガンド(12−2
4)に対する抗体を数種類提供するが、特にP2L−1
Taが好適に用いられる。本発明のモノクローナル抗体
は、サンドイッチ法以外の測定システム、例えば、競合
法、イムノメトリック法、ネフロメトリーなどにも用い
ることもができる。競合法では、被検液中の抗原と標識
抗原とを抗体に対して競合的に反応させたのち、未反応
の標識抗原(F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを
分離し(B/F分離)、BおよびFいずれかの標識量を
測定し、被検液中の抗原量を定量する。本反応法には、
抗体として可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレ
ングリコール、前記抗体に対する第2抗体などを用いる
液相法や、第1抗体として固相化抗体を用いるかあるい
は第1抗体は可溶性のものを用い、第2抗体として固相
化抗体を用いる固相化法などが用いられる。イムノメト
リック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量
の標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分
離するか、あるいは被検液中の抗原と過剰量の標識化抗
体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化
抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。
次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量
を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるい
は溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の
量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の
沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用す
るレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0027】これら個々の免疫学的測定法を本発明法に
適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必
要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操
作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて19P2リガ
ンドの測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術
手段の詳細については、総説、成書などを参照すること
ができる[例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセ
イ](講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジ
オイムノアッセイ](講談社、昭和54年発行)、石川
栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医
学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測
定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Me
thods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunochemical Tech
niques(Part A))、同書 Vol. 73(Immunochemical Tec
hniques(Part B))、同書 Vol. 74(Immunochemical Te
chniques(Part C))、同書 Vol. 84(Immunochemical T
echniques(Part D:SelectedImmunoassays))、同書 Vo
l. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Monoclonal
Antibodies and General Immunoassay Methods))、同
書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part I:Hybr
idoma Technology and Monoclonal Antibodies))(以
上、アカデミックプレス社発行)など参照]。したがっ
て、本発明のサンドイッチ免疫測定法により19P2リ
ガンドの測定系を構築する場合、その方法は後述する実
施例に限定されない。以上のように、本発明の抗体は、
19P2リガンドまたはその誘導体を感度良く定量する
ことができるので、19P2リガンドの生理機能の解明
および19P2リガンドの関与する病態の診断等として
有用である。
【0028】本発明の明細書において、アミノ酸等を略
号で表示する場合、IUPAC-IUB Commision on Biochemic
al Nomenclature による略号あるいは当該分野における
慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。アミ
ノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しな
ければL−体を示すものとする。 PAM :フェニルアセタミドメチル Boc :t−ブチルオキシカルボニル Fmoc:9−フルオレニルメチルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロ−ベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモーベンジルオキシカルボニル Bzl :ベンジル Cl2−Bzl :2,6−ジクロロベンジル OcHex:シクロヘキシルエステル OBzl :ベンジルエステル Tos :p−トルエンスルホニル HONB:N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2、3
−ジカルボキシイミド HOBt :1−ヒドロキシベンゾトリアゾール HOOBt:3−ヒドロキシ−3、4−ジヒドロ−4−
オキソ−1、2、3−ベンゾトリアジン MeBzl:4−メチルベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Bum:t−ブトキシメチル Trt:トリチル DNP:ジニトロフェニル TFA:トリフルオロ酢酸 DMF:N、N−ジメチルフォルムアミド DCM:ジクロロメタン DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド BHA:ベンズヒドリルアミン pMBHA:p−メチルベンズヒドリルアミン CHO:ホルミル DIEA:ジイソプロピルエチルアミン 2Ac−ヒト19P2リガンド:[AcPro17,T
yr(Ac)20]ヒト19P2リガンド(17−3
1) Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン
【0029】本明細書において用いられる配列番号は、
以下のペプチドのアミノ酸配列を表す。 〔配列番号:1〕ウシ19P2リガンド(1−31) H-Ser-Arg-Ala-His-Gln-His-Ser-Met-Glu-Ile-Arg-Thr-
Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala-Gly-Arg-Gly-Il
e-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-Phe-NH2 〔配列番号:2〕ヒト19P2リガンド(1−31) H-Ser-Arg-Thr-His-Arg-His-Ser-Met-Glu-Ile-Arg-Thr-
Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala-Ser-Arg-Gly-Il
e-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-Phe-NH2 〔配列番号:3〕ラット19P2リガンド(1−31) H-Ser-Arg-Ala-His-Gln-His-Ser-Met-Glu-Thr-Arg-Thr-
Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Thr-Gly-Arg-Gly-Il
e-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-Phe-NH2 〔配列番号:4〕ヒト19P2リガンド(17−31) H-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala-Ser-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-
Gly-Arg-Phe-NH2 〔配列番号:5〕ヒト19P2リガンド(12−31) H-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala-Ser-Arg-
Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-Phe-NH2 〔配列番号:6〕ヒト19P2リガンド(17−31)
のジアセチル体 Ac-Pro-Ala-Trp-Tyr(Ac)-Ala-Ser-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro
-Val-Gly-Arg-Phe-NH2 〔配列番号:7〕[Cys17]ヒト19P2リガンド
(17−31) H-Cys -Ala-Trp-Tyr-Ala-Ser-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val
-Gly-Arg-Phe-NH2 〔配列番号:8〕ウシ19P2リガンド(1−31)G
ly−Arg-OH H-Ser-Arg-Ala-His-Gln-His-Ser-Met-Glu-Ile-Arg-Thr-
Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala-Gly-Arg-Gly-Il
e-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-Phe-Gly-Arg-OH 〔配列番号:9〕ウシ19P2リガンド(1−31)-O
H H-Ser-Arg-Ala-His-Gln-His-Ser-Met-Glu-Ile-Arg-Thr-
Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala-Gly-Arg-Gly-Il
e-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-Phe-OH 〔配列番号:10〕ヒト19P2リガンド(1−30) H-Ser-Arg-Thr-His-Arg-His-Ser-Met-Glu-Ile-Arg-Thr-
Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala-Ser-Arg-Gly-Il
e-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-NH2 〔配列番号:11〕[Cys25]ヒト19P2リガンド
(12−25) H-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala-Ser-Arg-
Gly-Cys-NH2 〔配列番号:12〕ウシ19P2リガンド(12−3
1) H-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala-Gly-Arg-
Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-Phe-NH2 〔配列番号:13〕ラット19P2リガンド(12−3
1) H-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Thr-Gly-Arg-
Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-Phe-NH2
【0030】後述の実施例で得られた抗19P2リガン
ド抗体を産生するハイブリドーマ細胞のうち、P2L-
1CおよびP2L−1Tは平成10年3月18日から通
商産業省工業技術院生命工学技術研究所(NIBH)
に、それぞれ以下の受託番号で寄託されている。 ハイブリドーマ細胞 FERM-BP(NIBH) P2L−1C 6299 P2L−1T 6300 なお、各ハイブリドーマ細胞から得られる抗体について
は細胞名の後にaを付けた形で表す。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、実験例を含む実施例を示
し、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の
範囲を限定するものではない。
【0032】
【実施例】〔実施例1〕抗原の作成 (1)19P2リガンドの製造
【実験例1】ウシ19P2リガンド(1−31)の製造 1)Ser(Bzl)-Arg(Tos)-Ala-His(Bom)-Gln-His(Bom)-Ser
(Bzl)-Met-Glu(OcHex)-Ile-Arg(Tos)-Thr(Bzl)-Pro-Asp
(OcHex)-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp(CHO)-Tyr(Br-Z)-Ala-Gly
-Arg(Tos)-Gly-Ile-Arg(Tos)-Pro-Val-Gly-Arg(Tos)-Ph
e-pMBHA-resin の合成。 市販のp−メチルBHA樹脂(アプライド バイオシテ
ムズ、現パ−キンエルマ−社製)0.71g(0.5 m mole)を
ペプチド合成機(アプライド バイオシテムズ社製43
0A)の反応器に入れ、ジクロロメタン(DCM)で膨潤
させた後、最初のアミノ酸Boc-PheをHOBt/DCC法で活性
化しp−メチルBHA樹脂に導入した。樹脂を50%TF
A/DCMで処理し、Boc基を除去してアミノ基を遊離
させ、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)で中和した。
このアミノ基に次のアミノ酸Boc-Arg(Tos)をHOBt/DCC
法で縮合した。 未反応アミノ基の有無をニンヒドリン
テストで調べ反応完了を確認後同様に、Boc-Gly、Boc-Va
l、Boc-Pro、Boc-Arg(Tos)、Boc-Ile、Boc-Gly、Boc-Arg(To
s)、Boc-Gly、Boc-Ala、Boc-Tyr(Br-Z)を順次縮合、ニンヒ
ドリンテストで縮合が不十分であると判明したBoc-Ala、
Boc-Tyr(Br-Z)は再縮合し反応を完了した。 樹脂を乾
燥して半量の樹脂を取り出した残りに、Boc-Trp(CHO)、B
oc-Ala、Boc-Pro、Boc-Asn、Boc-Ile、Boc-Asp(OcHex)、Boc-
Pro、Boc-Thr(Bzl)、Boc-Arg(Tos)、Boc-Ile、Boc-Glu(OcHe
x)、Boc-Met、Boc-Ser(Bzl)、Boc-His(Bom)、Boc-Gln、Boc-H
is(Bom)、Boc-Ala、Boc-Arg(Tos)、Boc-Ser(Bzl)を同様に
ニンヒドリンテストで十分な縮合が得られるまで再縮合
をくり返した。全配列アミノ酸が導入され樹脂を50%ト
リフルオロ酢酸(TFA)/DCMで処理し樹脂上のBoc
基を除去後、樹脂を乾燥し1.28gのペプチド樹脂を合成
した。
【0033】2)Ser-Arg-Ala-His-Gln-His-Ser-Met-Glu
-Ile-Arg-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-Ala-G
ly-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gly-Arg-Phe-NH2の合成。 1)で得た樹脂をp−クレゾール3.8g、1、4-ブタンジチ
オ−ル1ml、弗化水素10mlと共にテフロン製弗化水素反
応装置中で0℃ 60分間反応した。 弗化水素、1、4-
ブタンジチオ−ル1mlを減圧留去し、残留物にジエチル
エーテル100mlを加え撹袢後、グラスフィルター上に濾
取、乾燥した。 これを50%酢酸水溶液50ml中に懸濁、
撹袢し、ペプチドを抽出した後樹脂と分離し減圧下に約
5mlまでに濃縮した後、セファデックスG-25(2x90
cm)のカラムに付し50%酢酸水で展開し114 ml〜181 m
lの画分を集め凍結乾燥し、白色粉末290 mgを得た。
これをLiChroprep(RP-18(MERCK社製)を充填した
逆相系カラムにつけ0.1%TFA水と0.1% TFA含有3
0%アセトニトリル水溶液を用いたグラジエント溶出で
の精製をくり返し、アセトニトリル濃度25%前後に溶
出される部分を集め凍結乾燥し、白色粉末71mgを得
た。 質量分析による(M+H)+ 3574.645(計算値 3574.847) HPLC溶出時間 18.2分 カラム条件 カラム: Wakosil5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0034】
【実験例2】ヒト19P2リガンド(1−31)の製造 実験例1と同様にp−メチルBHA樹脂にBoc-Phe、Boc
-Arg(Tos)、Boc-Gly、Boc-Val、Boc-Pro、Boc-Arg(Tos)、Boc
-Ile、Boc-Gly、Boc-Arg(Tos)、Boc-Ser(Bzl)、Boc-Ala、Boc
-Tyr(Br-Z)、Boc-Trp(CHO)、Boc-Ala、Boc-Pro、Boc-Asn、Bo
c-Ile、Boc-Asp(OcHex)、Boc-Pro、Boc-Thr(Bzl)、Boc-Arg
(Tos)、Boc-Ile、Boc-Glu(OcHex)、Boc-Met、Boc-Ser(Bzl)、
Boc-His(Bom)、Boc-Arg(Tos)、Boc-His(Bom)、Boc-Thr(Bz
l)、Boc-Arg(Tos)、Boc-Ser(Bzl)をニンヒドリンテストで
十分な縮合が得られるまで再縮合をくり返した。全配列
アミノ酸が導入され樹脂を50%TFA/DCMで処理し
樹脂上のBoc基を除去後、樹脂を乾燥し所望のペプチド
樹脂を合成した。 この樹脂を実験例1と同様の弗化水
素処理の後、やはり同様のクロマト精製で目的のペプチ
ドを得た。 質量分析による(M+H)+ 3662.884(計算値 3662.905) HPLC溶出時間 17.2分 カラム条件 カラム: Wakosil5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0035】
【実験例3】ラット19P2リガンド(1−31)の製
造 実験例1の1回目のBoc-Alaと2回目のBoc-IleをBoc-Th
r(Bzl)に変更して合成を進め、全配列アミノ酸が導入さ
れ樹脂を50%TFA/DCMで処理し樹脂上のBoc基を除
去後、樹脂を乾燥し所望のペプチド樹脂を得た。 この
樹脂を実験例1と同様に処理、精製し、Ser-Arg-Ala-Hi
s-Gln-His-Ser-Met-Glu-Thr-Arg-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-
Pro-Ala-Trp-Tyr-Thr-Gly-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-Gl
y-Arg-Phe-NH2の、白色粉末を得た。 質量分析による(M+H)+ 3622.547(3622.826) HPLC溶出時間 17.4分 カラム条件 カラム: Wakosil( 5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0036】
【実験例4】ヒト19P2リガンド(17−31)の製
造 実験例2でBoc-Tyr(Br-Z)までを縮合した樹脂にさらにB
oc-Trp(CHO)、Boc-Ala、Boc-Pro、 を同様に縮合し、 Boc-
Pro-Ala-Trp(CHO)-Tyr(Br-Z)-Ala-Gly-Arg(Tos)-Gly-Il
e-Arg(Tos)-Pro-Val-Gly-Arg(Tos)-Phe-pMBHA-resinを
得た。 これを実験例1の2)と同様に弗化水素処理、
カラム精製し、白色粉末70mgを得た。 質量分析による(M+H)+ 1731.9(計算値 1732.0) HPLC溶出時間 16.1分 カラム条件 カラム: Wakosil5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(15分) 流速: 1.0 ml/分
【0037】
【実験例5】ヒト19P2リガンド(12−31)の製
造 実験例4でBoc-Proまでを縮合した樹脂にさらにBoc-As
n、Boc-Ile、Boc-Asp(OcHex)、Boc-Pro、Boc-Thr(Bzl)を同
様に縮合し、 Boc-Thr(Bzl)-Pro-Asp(OcHex)-Ile-Asn-P
ro-Ala-Trp(CHO)-Tyr(Br-Z)-Ala-Gly-Arg(Tos)-Gly-Ile
-Arg(Tos)-Pro-Val-Gly-Arg(Tos)-Phe-pMBHA-resin を
得た。 これを実験例4と同様に弗化水素処理、カラム
精製し、白色粉末60mgを得た。 質量分析による(M+H)+ 2272.1260(計算値 2272.210 0) HPLC溶出時間 16.8分 カラム条件 カラム: Wakosil5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0038】
【実験例6】ヒト19P2リガンド(17−31)のジ
アセチル体の製造 実験例4の化合物17.5mgを10%ピリジン水に溶
解し、無水酢酸20μlと約60分反応後、実験例4と
同様に精製し、10.7mgの粉末を得た。 質量分析による(M+H)+ 1815.8600(計算値 1815.974 3) HPLC溶出時間 19.7分 カラム条件 カラム: Wakosil 5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% 水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0039】
【実験例7】[Cys17]ヒト19P2リガンド(17−
31)の製造 実験例4の樹脂にさらにBoc-Cys(MeBzl)縮合し、これを
同様に弗化水素処理、カラム精製し、白色粉末50mg
を得た。 質量分析による(M+H)+ 1737.9(計算値 1737.6) HPLC溶出時間 17.2分 カラム条件 カラム: Wakosil 5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA含有水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0040】
【実験例8】[D-Ala29]ヒト19P2リガンド(1−
31)の製造 実験例2と同様にp−メチルBHA樹脂にBoc-Phe、Boc
-Arg(Tos)を順に導入した後、Boc-GlyをBoc-D-Alaに代
えて導入した。以後実験例2と同様に反応し、Ser(Bzl)
-Arg(Tos)-Thr(Bzl)-His(Bom)-Arg(Tos)-His(Bom)-Ser
(Bzl)-Met-Glu(OcHex)-Ile-Arg(Tos)-Thr(Bzl)-Pro-Asp
(OcHex)-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp(CHO)-Tyr(Br-Z)-Ala-Ser
(Bzl)-Arg(Tos)-Gly-Ile-Arg(Tos)-Pro-Val-D-Ala-Arg
(Tos)-Phe-pMBHA-resinを得た。この樹脂を実験例2と
同様に処理、精製し、Ser-Arg-Thr-His-Arg-His-Ser-Me
t-Glu-Ile-Arg-Thr-Pro-Asp-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp-Tyr-
Ala-Ser-Arg-Gly-Ile-Arg-Pro-Val-D-Ala-Arg-Phe-NH2
の白色粉末を得た。 質量分析による(M+H)+ 3678.6(計算値 3679.2) HPLC溶出時間 18.5分 カラム条件 カラム:YMC−A−301−3 ODS(4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0041】
【実験例9】ウシ19P2リガンド(1−31)Gly-Ar
g-OHの製造 市販Boc-Arg(Tos)-OCH2PAM樹脂(アプライド バイオシ
テムズ、現パ−キンエルマ−社製)0.83g(0.5 m mole)
をペプチド合成機(アプライド バイオシテムズ社製4
30A)の反応器に入れ、DCMで膨潤させた後、50%
TFA/DCMで処理し、Boc基を除去してアミノ基を
遊離させ、DIEAで中和した。 このアミノ基に次のアミ
ノ酸Boc-GlyをHOBt/DCC法で縮合した。以後実験例1と
同様のBocアミノ酸を順次縮合し、全アミノ酸配列を導
入した樹脂1.21gを得た。この樹脂0.59gを実
験例1と同様に処理、精製して白色粉末162mgを得
た。 質量分析による(M+H)+ 3789.0105(計算値 3788.947 7) HPLC溶出時間 16.4分 カラム条件 カラム: Wakosil 5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA含有水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0042】
【実験例10】ウシ19P2リガンド(1−31)-OH
の製造 市販Boc-Phe-OCH2PAM樹脂(アプライド バイオシテム
ズ、現パ−キンエルマ−社製)0.69g(0.5 m mole)を
用い実験例9と同様に所望するアミノ酸配列通りに順次
Bocアミノ酸を導入後、処理精製を行い、白色粉末を得
た。 質量分析による(M+H)+ 3575.7451(3575.8254) HPLC溶出時間 16.6分 カラム条件 カラム: Wakosil 5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA含有水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0043】
【実験例11】ウシ19P2リガンド(1−30)の製
造 実験例2と同様にp−メチルBHA樹脂に、Boc-Arg(To
s)、 Boc-Gly、Boc-Val、Boc-Pro、Boc-Arg(Tos)、Boc-Ile、B
oc-Gly、Boc-Arg(Tos)、Boc-Ser(Bzl)、Boc-Ala、Boc-Tyr(B
r-Z)、Boc-Trp(CHO)、Boc-Ala、Boc-Pro、Boc-Asn、Boc-Ile、
Boc-Asp(OcHex)、Boc-Pro、Boc-Thr(Bzl)、Boc-Arg(Tos)、B
oc-Ile、Boc-Glu(OcHex)、Boc-Met、Boc-Ser(Bzl)、Boc-His
(Bom)、Boc-Arg(Tos)、Boc-His(Bom)、Boc-Thr(Bzl)、Boc-A
rg(Tos)、Boc-Ser(Bzl)を順次縮合した後、同様に処理精
製し、白色粉末を得た。 質量分析による(M+H)+ 3517.4(計算値 3518.0) HPLC溶出時間 17.5分 カラム条件 カラム: YMC−A−301−3 ODS(4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0044】
【実験例12】[Cys25]ヒト19P2リガンド(12
−25)の製造 実験例2と同様にp−メチルBHA樹脂に、Boc-Cys(MeB
zl)、Boc-Gly、Boc-Arg(Tos)、Boc-Ser(Bzl)、Boc-Ala、Boc-
Tyr(Br-Z)、Boc-Trp(CHO)、Boc-Ala、Boc-Pro、Boc-Asn、Boc
-Ile、Boc-Asp(OcHex)、Boc-Pro、Boc-Thr(Bzl)、を順次縮
合した後、同様に処理精製し、白色粉末を得た。 質量分析による(M+H)+ 1549.5(計算値 1549.7) HPLC溶出時間 15.3分 カラム条件 カラム: Wakosil( 5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA水) B液(0.1% TFA含有50%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(25分) 流速: 1.0 ml/分
【0045】
【実験例13】ウシ19P2リガンド(12−31)の
製造 実験例1でBoc-Tyr(Br-Z)までを縮合した樹脂にさらにB
oc-Trp(CHO)、Boc-Ala、Boc-Pro、Boc-Asn、Boc-Ile、Boc-As
p(OcHex)、Boc-Pro、Boc-Thr(Bzl)を同様に縮合し、Boc-T
hr(Bzl)-Pro-Asp(OcHex)-Ile-Asn-Pro-Ala-Trp(CHO)-Ty
r(Br-Z)-Ala-Gly-Arg(Tos)-Gly-Ile-Arg(Tos)-Pro-Val-
Gly-Arg(Tos)-Phe-pMBHA-resin 1.14gを得た。
これを実験例1の2)と同様に弗化水素処理、カラム精
製し、白色粉末60mgを得た。 質量分析による(M+H)+ 2242.149(計算値 2242.200) HPLC溶出時間 10.4分 カラム条件 カラム: Wakosil 5C18 (4.6x100mm) 溶離液:A液(0.1% TFA含有15%アセトニトリル水) B液(0.1% TFA含有45%アセトニトリル水)を用い A液からB液へ直線型濃度勾配溶出(15分) 流速: 1.0 ml/分
【0046】〔実施例2〕免疫原の作製 (1)19P2リガンド(18−31)を含む免疫原の作
製 上記実施例1(実験例7)で得られた[Cys17] 19P2
リガンド(17−31)と牛チログロブリン(BTG)と
の複合体を作製し、免疫原とした。即ち、BTG20m
gを、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)1.4ml
に溶解させ、N−(γ−マレイミドブチリロキシ)サク
シニミド(GMBS)2.2mg(8μmol)を含むD
MF溶液100μlと混合し、室温で40分反応させ
た。反応後、セファデックスG−25カラムで分画した
のち、マレイミド基の導入されたBTG15mgと[Cys
17] 19P2リガンド(17−31)1.6 mgとを混
合し、4℃で2日間反応させた。反応後、生理食塩水に
対し、4℃で2日間透析した。 (2)19P2リガンド(12−25)を含む免疫原の作
製 上記実施例1(実験例12)で得られた[Cys25]19
P2リガンド(12−25)とBTGとの複合体を作製
し、免疫原とした。即ち、BTG21mgを0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH6.5)1.4mlに溶解させ、GM
BS2.35mg(8.4μmol)を含むDMF溶液
100μlと混合し、室温で40分反応させた。反応
後、セファデックスG−25カラムで分画したのち、マ
レイミド基の導入されたBTG15 mgと[Cys25
19P2リガンド(12−25) 3.8mgとを混合
し、4℃で一晩反応させた。反応後、生理食塩水に対し
4℃で3日間透析した。
【0047】〔実施例3〕免疫 6〜8週令のBALB/C雌マウスに上記実施例2記載
の免疫原[Cys17] 19P2リガンド(17−31)−BT
G複合体および[Cys25] 19P2リガンド(12−25)
−BTG複合体を、それぞれ約20μg/匹を完全フロ
イントアジュバントとともに皮下免疫した。以後3週間
おきに同量の免疫原を不完全フロイントアジュバントと
ともに2〜3回追加免疫した。
【0048】〔実施例4〕酵素標識化抗原の作製 (1)西洋ワサビパーオキシダーゼ(HRP)標識化1
9P2リガンド(17−31)の作製 上記実施例1(実験例7)で得られた[Cys17]19P2
リガンド(17−31)とHRP(酵素免疫測定法用、ベ
ーリンガーマンハイム社製)とを架橋し、酵素免疫測定
法(EIA)の標識体とした。即ち、HRP 6mg
(150nmol)を0.95mlの0.1Mリン酸緩
衝液、pH6.5に溶解させ、GMBS0.42mg
(1.5μmol)を含むDMF溶液50μlと混合
し、室温で30分間反応させたのち、セファデックスG
−25カラムで分画した。このようにして作製した、マ
レイミド基の導入されたHRP4.2mg(105nm
ol)と実施例1(実験例7)で作製された[Cys17]1
9P2リガンド(17−31)0.55mg(315nm
ol)とを混合し、4℃で1日反応させた。反応後ウル
トロゲルAcA44(LKB−ファルマシア社製)カラム
で分画し、HRP標識化19P2リガンド(17−31)
を得た。 (2)HRP標識化19P2リガンド(12−25)の
作製 上記実施例1(実験例12)で得られた[Cys25]19
P2リガンド(12−25)とHRPとを架橋し、EIA
の標識体とした。即ち、HRP6mg(150nmo
l)を1.4mlの0.1Mリン酸緩衝液、pH6.5
に溶解させ、GMBS0.42mg(1.5μmol)
を含むDMF溶液100μlと混合し、室温で30分間
反応させたのち、セファデックスG−25カラムで分画
した。このようにして作製した、マレイミド基の導入さ
れたHRP4.2mg(105nmol)と実施例1
(12)で作製された[Cys25]19P2リガンド(12−
25)0.48mg(315nmol)とを混合し、4
℃で1日反応させた。反応後ウルトロゲルAcA44カ
ラムで分画し、HRP標識化19P2リガンド(12−
25)を得た。
【0049】〔実施例5〕抗体価の測定 (1)[Cys17]19P2リガンド(17−31)−BTG
を免疫したマウスの抗血清中の抗体価の測定 [Cys17]19P2リガンド(17−31)−BTGを免疫
中のマウス抗血清中の抗体価を同様の方法により測定し
た。抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレー
トを作製するため、まず抗マウスイムノグロブリン抗体
(IgG画分、カッペル社製)を100μg/ml含む
0.1M炭酸緩衝液、pH9.6溶液を96ウェルマイ
クロプレートに100μlずつ分注し、4℃で24時間
放置した。次に、プレートをリン酸緩衝生理食塩水(P
BS、pH7.4)で洗浄したのち、ウェルの余剰の結
合部位をふさぐため25%ブロックエース(雪印乳業社
製)を含むPBSを300μlずつ分注し、4℃で少な
くとも24時間処理した。上記、抗マウスイムノグロブ
リン抗体結合マイクロプレートの各ウエルにバッファー
C[1%BSA、0.4M NaCl、および2mM
EDTAを含む0.02Mリン酸緩衝液、pH7.0]
50μl、バッファーCで希釈したマウス抗[Cys17]1
9P2リガンド(17−31)-BTG抗血清100μlを加
え4℃で16時間反応させた。次に、該プレートをPB
Sで洗浄したのち、上記実施例4(1)で作製したHR
P標識化19P2リガンド(17−31)(バッファーC
で300倍希釈)100μlを加え室温で1日反応させ
た。次に、該プレートをPBSで洗浄したのち、固相上
の酵素活性をTMBマイクロウェルパーオキシダーゼ基
質システム(KIRKEGAARD&PERRY LAB, INC、 フナコシ薬
品取り扱い)100μlを加え室温で10分間反応させ
ることにより測定した。反応を1Mリン酸100μlを
加え停止させたのち、450nmの吸収をプレートリー
ダー(BICHROMATIC、大日本製薬社製)で測
定した。結果を〔図1〕に示す。免疫した8匹のマウス
全てに19P2リガンド(17−31)に対する抗体価の
上昇が認められた。 (2)[Cys25]19P2リガンド(12−25)−BTG
を免疫したマウスの抗血清中の抗体価の測定 [Cys25]19P2リガンド(12−25)−BTGを免疫
中のマウス抗血清中の抗体価を同様の方法により測定し
た。 バッファーCで希釈したマウス抗[Cys25]19P2
リガンド(12−25)−BTG抗血清100μlを加え
4℃で16時間反応させた。次に、該プレートをPBS
で洗浄したのち、上記実施例4(2)で作製したHRP
標識化19P2リガンド(12−25)(バッファーCで
500倍希釈)100μlを加え室温で1日反応させ
た。次に、該プレートをPBSで洗浄したのち、固相上
の酵素活性をTMBマイクロウェルパーオキシダーゼ基
質システム(KIRKEGAARD&PERRY LAB, INC、 フナコシ薬
品取り扱い)100μlを加え室温で10分間反応させ
ることにより測定した。反応を1Mリン酸100μlを
加え停止させたのち、450nmの吸収をプレートリー
ダー(BICHROMATIC、大日本製薬社製)で測
定した。結果を〔図2〕に示す。免疫した8匹のマウス
全てに19P2リガンド(12−25)に対する抗体価の
上昇が認められた。結果を〔図2〕に示す。免疫した8
匹のマウスのうち3匹に比較的高い抗体価が認められ
た。
【0050】〔実施例6〕モノクローナル抗19P2リ
ガンド抗体の作製 比較的高い抗体価を示したマウスに対して200〜30
0μgの免疫原を生理食塩水0.25〜0.3mlに溶
解させたものを静脈内に接種することにより最終免疫を
行なった。最終免疫3〜4日後のマウスから脾臓を摘出
し、ステンレスメッシュで圧迫、ろ過し、イーグルズ・
ミニマム・エッセンシャルメデイウム(MEM)に浮遊
させ、脾臓細胞浮遊液を得た。細胞融合に用いる細胞と
して、BALB/Cマウス由来ミエローマ細胞P3−X
63.Ag8.U1(P3U1)を用いた〔カレント トピ
ックス イン マイクロバイオロジー アンド イムノロジ
ー、81、1(1978)〕。細胞融合は、原法〔ネイチャ
ー、256、495(1975)〕 に準じて行なった。即ち、脾臓
細胞およびP3U1をそれぞれ血清を含有しないMEM
で3度洗浄し、脾臓細胞とP3U1数の比率を10:1
になるよう混合して、800回転で15分間遠心を行な
って細胞を沈澱させた。上清を充分に除去した後、沈殿
を軽くほぐし、45%ポリエチレングリコール(PE
G)6000(コッホライト社製)を0.3ml加え、
37℃温水槽中で7分間静置して融合を行なった。融合
後細胞に毎分2mlの割合でMEMを添加し、合計15
mlのMEMを加えた後600回転15分間遠心して上
清を除去した。この細胞沈殿物を10%牛胎児血清を含
有するGITメデイウム(和光純薬)(GIT−10%
FCS)にP3U1が1ml当り2×105個になるよ
うに浮遊し、24穴マルチディッシュ(リンブロ社製)
に1ウェル1mlずつ192ウェルに播種した。播種
後、細胞を37℃で5%炭酸ガスインキュベーター中で
培養した。24時間後HAT(ヒポキサンチン1×10
-4M、アミノプテリン4×10-7M、チミジン1.6×
10-3M)を含んだGIT−10% FCS培地(HA
T培地)を1ウェル当り1mlずつ添加することによ
り、HAT選択培養を開始した。HAT選択培養は、培
養開始3、6、9日後に旧液を1ml捨てたあと、1m
lのHAT培地を添加することにより継続した。ハイブ
リドーマの増殖は、細胞融合後9〜14日で認められ、
培養液が黄変したとき(約1×106セル/ml)、上清
を採取し、実施例5に記載の方法に従って抗体価を測定
した。[Cys17]19P2リガンド(17−31)−BT
Gを免疫したマウス由来のハイブリドーマのスクリーニ
ングの典型例として、マウスNo.6(図1参照)を用
いて得られた結果を〔図3〕に示した。これらも含め計
2種類のハイブリドーマを選択した〔表1〕。
【0051】
【表1】
【0052】[Cys25]19P2リガンド(12−25)−
BTGを免疫したマウス由来のハイブリドーマのスクリ
ーニングの典型例として、マウスNo.1(図2参照)
を用いて得られた結果を〔図4〕に示した。これらも含
め計3種類のハイブリドーマを選択した〔表2〕。
【0053】
【表2】
【0054】次に、これらのハイブリドーマを限界希釈
法によるクローニングに付した。クローニングに際して
は、フィーダー細胞としてBALB/Cマウスの胸腺細
胞をウェル当り5×105個になるように加えた。クロ
ーニング後、ハイブリドーマを、あらかじめミネラルオ
イル0.5mlを腹腔内投与されたマウス(BALB/
C)に1〜3×106セル/匹を腹腔内投与したのち、
6〜20日後に抗体含有腹水を採取した。モノクローナ
ル抗体は得られた腹水よりプロテイン−Aカラムにより
精製した。即ち、 腹水6〜20mlを等量の結合緩衝
液(3.5M NaCl、0.05%NaN3を含む
1.5Mグリシン、pH9.0)で希釈したのち、あら
かじめ結合緩衝液で平衡化したリコンビナントプロテイ
ン−A−アガロース(Repligen社製)カラムに供し、特
異抗体を溶離緩衝液(0.05%NaN3を含む0.1
Mクエン酸緩衝液、pH3.0)で溶出した。溶出液は
PBSに対して4℃、2日間透析したのち、0.22μ
mのフィルター(ミリポア社製)により除菌濾過し4℃あ
るいは−80℃で保存した。モノクローナル抗体のクラ
ス・サブクラスの決定に際しては、精製モノクローナル
抗体結合固相を用いるエンザイム−リンクトイムノソー
ベントアッセイ(ELISA)法を行った。即ち、抗体
2μg/mlを含む0.1M炭酸緩衝液、pH9.6溶液を
96ウェルマイクロプレートに100μlずつ分注し、
4℃で24時間放置した。上記実施例5で述べた方法に
従って、ウェルの余剰の結合部位をブロックエースでふ
さいだのち、アイソタイプタイピングキット(Mouse-Typ
erTM Sub-Isotyping Kit バイオラッド社製)を用いる
ELISAによって固相化抗体のクラス、サブクラスを
調べた。
【0055】〔実施例7〕競合法酵素免疫測定法 (1)競合法−EIA(その1) [Cys17]19P2リガンド(17−31)−BTGを免
疫原として作製したモノクローナル抗体の反応特異性を
以下の方法により調べた。まず、各モノクローナル抗体
溶液の抗体価を実施例5(1)記載の方法により調べ、
競合法−EIAに用いる抗体濃度として、標識体の結合
量が飽和結合量の約50%となる抗体濃度(約30〜5
0ng/ml)を決定した。次に、上記実施例5記載の
抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイクロプレート
に、決定された濃度にバッファーCで希釈された抗体溶
液50μl、ヒト、ラットおよびウシ19P2リガンド
(1−31)あるいは19P2リガンド部分ペプタイ
ド、即ちヒト19P2リガンド(1−30)、ヒト[D-
Ala29]−19P2リガンド(1−31)、ヒト19P
2リガンド(20−31)、ウシ19P2リガンド(1
−31)-OH、ウシ19P2リガンド(1−31)-Gly-
Arg-OHのバッファーC溶液50μl、および上記実施例
4(1)記載HRP標識化19P2リガンド(17−3
1)(バッファーCで400倍希釈)を50μl加え、
4℃で16時間反応させた。反応後、PBSで洗浄した
のち固相上の酵素活性を上記実施例5(1)記載の方法
により測定した。結果を〔表1〕に示す。いずれの抗体
もHRP標識化19P2リガンド(17−31)と反応
し、またヒト19P2リガンド(1−31)に対しても
反応性を有していた〔表1〕。当初選択したモノクロー
ナル抗体4種類のうちのうち2種類がウシおよびラット
19P2リガンド(1−31)とも同程度に反応した。
典型例として、 これらの中でヒト、ラットおよびウシ
19P2リガンド(1−31)に対して最も高い反応性
を示したモノクローナル抗体P2L−1Ca(IgG
1,κ)の競合法-EIAの結果を〔図5(a)〕に示
す。これらの抗体がヒト、ラットおよびウシ19P2リ
ガンド(1−31)に対して同程度の反応性を有するこ
とが分かる。P2L−1Cのヒト19P2リガンド(1
−31)の標準曲線から、(B/B0)=0.5を与え
る19P2リガンド(1−31)濃度は、3nM、1.
1ng/wellであることが分かった。また、この抗体は
P2L−1Cは、ヒト[D-Ala29]−19P2リガンド
(1−31)との反応性は弱いながらも示すものの、ヒ
ト19P2リガンド(1−30)、ウシ19P2リガン
ド(1−31)-OHおよびウシ19P2リガンド(1−
31)Gly−Arg-OHに対しては交差反応性を示さ
ないことから、 19P2リガンド(1−31)のC端
部分の部分構造を認識し、31残基目のPheとC末端
のアミドを認識することが分かった〔図6(a)〕。一
方、P2L−2Cを用いた場合の競合法−EIAの結果
を〔図5(b)〕に示した。P2L−2C(IgG1,
κ)のヒト19P2リガンド(1−31)に対する反応
性((B/B0)=0.5を与える抗原濃度:1.5n
M、0.5ng/well)は、ウシ19P2リガンド(1
−31)に対する反応性((B/B0)=0.5を与え
る抗原濃度:50nM、18ng/well)の33倍、ラ
ット19P2リガンド(1−31)に対する反応性
((B/B0)=0.5を与える抗原濃度:200n
M、73ng/well)の130倍であることが分かっ
た。これらの結果から、P2L−2Cは、ヒト、ウシ、
ラットで配列の異なる19P2リガンド(1−31)の
21残基のAlaおよび22残基のSerを強く認識し
ているものと考えられる。
【0056】(2)競合法−EIA(その2) 抗 [Cys25]19P2リガンド(12−25)−BTGモノ
クローナル抗体の反応特異性を同様の方法により調べ
た。まず、各モノクローナル抗体溶液の抗体価を実施例
5(2)記載の方法により調べ、競合法−EIAに用い
る抗体濃度として、標識体の結合量が飽和結合量の約5
0%となる抗体濃度(約30〜50ng/ml)を決定
した。次に、抗マウスイムノグロブリン抗体結合マイク
ロプレートに、決定された濃度にバッファーCで希釈さ
れた抗体溶液50μl、ヒトおよびラット19P2リガ
ンド(1−31)あるいは19P2リガンド部分ペプタ
イド、即ちヒト19P2リガンド(12−31)、ヒト
19P2リガンド(17−31)およびヒト19P2リ
ガンド(17−31)のジアセチル体のバッファーC溶
液50μl、および上記実施例4(2)記載HRP標識
化19P2リガンド(12−25)(バッファーCで5
00倍希釈)を50μl加え、4℃で16時間反応させ
た。反応後、PBSで洗浄したのち固相上の酵素活性を
上記実施例5(1)記載の方法により測定した。結果を
〔表2〕に示す。いずれの抗体もHRP標識化19P2
リガンド(12−31)と反応し、またヒト19P2リ
ガンド(1−31)およびラット19P2リガンド(1
−31)に対しても反応性を有していた。典型例とし
て、 これらの中でヒトあるいはラット19P2リガン
ド(1−31)に対して最も高い反応性を示したモノク
ローナル抗体として、P2L−1Ta(IgG2b,κ)
あるいはP2L−3Ta(IgG1,κ)の競合法-EI
Aの結果を〔図7〕に示す。P2L−1Taのヒト19
P2リガンド(1−31)の標準曲線から、(B/B
0)=0.5を与えるヒト19P2リガンド(1−3
1)濃度は、4 nM、1.6ng/wellであることが
分かった。さらに、P2L−1Taの19P2リガンド
(12−31)に対する反応性((B/B0)=0.5
を与える抗原濃度:4 nM、0.88ng/well)は
ヒト19P2リガンド(1−31)と同程度、ラット1
9P2リガンド(1−31)に対する反応性((B/B
0)=0.5を与える抗原濃度:1 nM、0.4ng
/well)は、4倍であることが分かった〔図7
(a)〕。一方、P2L−3Taの19P2リガンドに
対する反応性は、(B/B0)=0.5を与えるヒト1
9P2リガンド(1−31)濃度は、4 nM、1.6
ng/wellであることが分かった。さらに、P2L−1
Taの19P2リガンド(12−31)に対する反応性
((B/B0)=0.5を与える抗原濃度:7 nM、
1.54ng/well)はヒト19P2リガンド(1−3
1)の1/2、ラット19P2リガンド(1−31)に
対する反応性((B/B0)=0.5を与える抗原濃
度:25 nM、0.4ng/well)は、6倍であるこ
とが分かった〔図7(b)〕。また、いずれの抗体はと
もに、ヒト19P2リガンド(17−31)および2A
c−ヒト19P2リガンド(17−31)に対しては交
差反応性を示さないことから、 19P2リガンド(1
2−16)の部分構造を認識することが分かった〔図
8〕。また、〔図9〕に、これら2種類の抗体に加え、
当初選択したヒト19P2リガンド(1−31)に対し
て高い反応性を示したモノクローナル抗体2種類、P2
L−2TaおよびP2L−4Taを用いた競合法−EI
Aにおけるヒト19P2リガンド(1−31)の標準曲
線を示した。これら抗体の(B/B0)=0.5を与え
るヒト19P2リガンド(1−31)の濃度は、3〜5
0nMの範囲にあり、その中でP2L−1Taを用いる
競合法−EIAが最も高感度であり、約0.1nM
[(B/B0)=0.9]のヒト19P2リガンド(1
−31)が検出可能であった。
【0057】〔実施例8〕HRP標識化抗19P2リガ
ンドモノクローナル抗体の作製 (1)P2L−1Ta−HRP P2L−1Ta精製画分18mg(120nmol)を
含む0.1Mリン酸緩衝液、pH6.8溶液にGMBS
1.43μmolを含むDMF50μlを加え、室温で
40分反応させた。反応液をセファデックスG−25カ
ラム(溶離液、0.1Mリン酸緩衝液、pH6.7)で
分離し、マレイミド基の導入された抗体画分13mgを
得た。 次に、HRP15.5mg(387nmol)
を含む0.02Mリン酸緩衝液(0.15M NaCl
も含む)、pH6.8、1.4mlにN−スクシニミジ
ル−3−(2−ピリミジルジチオ)プロピオネート(S
PDP)5.8μmolを含むDMF60μlを加え、
室温で40分反応させた。次に、68μmolのジチオ
スレイトールを含む0.1M酢酸緩衝液(pH4.5)
0.4mlを加え、室温で20分反応させた後セファデ
ックスG−25カラム(溶離液、2mM EDTAを含
む0.1Mリン酸緩衝液、pH6.0)で分離し、SH
基の導入されたHRP11mgを得た。次に、SH基の
導入されたHRP8mgとマレイミド基の導入された抗
体画分3mgとを混合し、コロジオンバッグ(ザルトリ
ウス社製)で約0.5mlにまで濃縮したのち、4℃で
16時間放置した。反応液を溶離液に0.1Mリン酸緩
衝液、pH6.5を用いるSephacrylS-30
0HRカラム(Pharmacia社製)に供し、P2
L−1Ta−HRP複合体画分を精製した。 (2)P2L−3Ta−HRP 同様の方法により、P2L−3Ta精製画分15mgと
HRP16mgを用いてP2L−3T−HRP複合体を
作製した。
【0058】〔実施例9〕サンドイッチ法−EIA (1)P2L−1Ta−HRPを用いるサンドイッチ法
−EIAの特異性と感度 上記実施例6記載の精製したモノクローナル抗体P2L
−1Caを10μg/ml含む0.1M炭酸緩衝液、p
H9.6溶液を96ウェルマイクロプレートに100μ
lずつ分注し、4℃で24時間放置した。ウェルの余剰
の結合部位をPBSで4倍希釈したブロックエース40
0μlを加え不活化した。以上のように調製したプレー
トに、バッファーEC〔10%ブロックエース、0.2
%BSA、0.4M NaCl、0.05% CHAP
S〔3-[(コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロ
パンスルホン酸〕を含む0.02Mリン酸緩衝液、pH
7〕で希釈した19P2リガンド(1−31)標準液1
00μlを加え、4℃で24時間反応させた。PBSで
洗浄したのち、上記実施例8で作製したP2L−1Ta
−HRP(バッファーCで20,000倍希釈)100
μlを加え、4℃で24時間反応させたが、標識体濃度
としては30,000倍希釈のものを用いた。PBSで
洗浄したのち、上記実施例5記載の方法によりTMBを
用いて固相上の酵素活性を測定した(酵素反応20
分)。結果を〔図10〕に示すように、極めて高感度に
19P2リガンド(1−31)を検出することがわかっ
た。即ち、このサンドイッチ法−EIAは、ヒト19P
2リガンド(1−31)および19P2リガンド(12
−31)を0.1 fmol/wellで、ウシ19P2リガン
ド(1−31)および19P2リガンド(12−31)
を0.1 fmol/wellで、ラット19P2リガンド(1
−31)を0.03 fmol/wellで検出することが可能
であり、他の視床下部ペプチドTRH、LHRH、GH
RH、CRF、SSTおよびOxytocinは全く検
出しなかった〔図11〕。したがって、固相抗体として
P2L−1Cを用い、標識体としてP2L−1Ta−H
RPを用いるサンドイッチ法−EIAは、種にかかわら
ず19P2リガンド(1−31)および19P2リガン
ド(12−31)を極めて高感度にかつ極めて選択的に
検出することが可能であるとわかった。
【0059】(2)P2L−3Ta−HRPを用いるサ
ンドイッチ法−EIAの特異性と感度 固層抗体としてP2L−1Caを用い、標識体として上
記実施例8(2)で作製したP2L−3Ta−HRPを
用いるサンドイッチ法−EIAの特異性および感度を調
べた。上記実施例9(1)と同様にヒト19P2リガン
ド(1−31)、19P2リガンド(12−31)およ
びラット19P2リガンド(1−31)に対する反応性
を調べたが、標識体濃度としては、1,000倍希釈の
ものを用いた〔図12〕。その結果、P2L−3Ta−
HRPを用いたサンドイッチ法−EIAは、ヒト19P
2リガンド(1−31)を0.3 fmol/wellで、19
P2リガンド(12−31)を1 fmol/wellで、ラッ
ト19P2リガンド(1−31)を3 fmol/wellで検
出可能であったが、P2L−1Ta−HRPを用いるサ
ンドイッチ法−EIAと比較して、3−10倍感度が低
いものであった。
【0060】〔実施例10〕P2L−1Caによる19
P2リガンド(1−31)の生物活性の中和作用 P2L−1Caによる19P2リガンド(1−31)に
対する中和活性を19P2レセプター発現CHO細胞を
用いたアラキドン酸代謝物放出活性測定系により測定し
た。即ち、P2L−1Ca、P2L−3Caおよびコン
トロール抗体としてP2L−1Caと同じIgGサブク
ラス構造(IgG1、κ)である抗エンドセリンモノク
ローナル抗体(AwETN40)を各濃度に希釈し、ラ
ット19P2リガンド(1−31)(5x10-10M)
と室温で1時間インキュベーション後、残存活性を19
P2レセプター発現CHO細胞を使用して測定した。ア
ラキドン酸代謝物放出活性の測定は、19P2レセプタ
ー発現CHO細胞を、24 well plateに0.5 x 105 cells
/wellでまき、24時間培養後、[3H]アラキドン酸を0.
5μCi/wellとなるように添加した。[3H]アラキド
ン酸添加24時間後、細胞を0.1%BSAを含むME
Mで洗浄後、上述の各モノクローナル抗体とラット19
P2リガンド(1−31)混和溶液を500μl/we
llで添加した。37℃で1時間インキュベーションし
た後に、反応液500μl中400μlをシンチレータ
ー4mlに加え、反応液中に遊離された[3H]アラキ
ドン酸代謝物の量をシンチレーション・カウンターによ
りモニターした(図 13)。その結果、P2L−1C
aは、19P2リガンド(1−31)の活性を5x10
-10Mで75%、5x10-9Mで100%抑制した(図
13a)。一方、P2L−2Caは、19P2リガン
ド(1−31)の活性を5x10-8Mで40%程度の抑
制がみられたのみであった(図 13b)。以上のこと
から、P2L−1Caは、19P2リガンド(1−3
1)のアラキドン酸代謝物放出活性を中和することが明
らかとなった。
【0061】〔実施例11〕血漿中の19P2リガンド
(1−31)の定量 ラット血漿(1ml)をSep−Pak Plus C
18カートリッジ265mg(Waters社製)で濃
縮・前処理した後、19P2リガンド(1−31)を上
記実施例9記載サンドイッチ−EIAにより定量した。
血漿の前処理方法は、まず4%酢酸含有86%エタノー
ル4ml、メタノール4ml、蒸留水4ml、4%酢酸
4mlを順次ながして活性化したSep−Pak Pl
us C18カートリッジに3mlの4%酢酸を添加し
酸性化させた血漿1mlを負荷した。添加後、10ml
の蒸留水で洗浄後、4%酢酸含有86%エタノール4m
l、メタノール4mlで溶出し、37℃の窒素ガス気流
下で濃縮した。濃縮画分を0.25mlのバファーC中
で再構成しサンドイッチ−EIAにより定量した。結果
を[表3]に示した。ラット血漿中には0.2±0.0
3fmol/ml(mean ±SEM, n=8)の19P2リガンド(1−
31)が存在することが分かった。
【表3】
【0062】〔実施例12〕ラット血漿中の19P2リ
ガンドの逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HP
LC)による検出 上記実施例11記載ラット血漿中に含まれる19P2リ
ガンド分子種を同定するため、ラット血漿50mlを上
記実施例11記載の方法で部分精製し、この溶出画分を
濃縮後ODS−80TMを用いる逆相HPLCによって
分画した。 カラム条件 カラム:ODS−80TM (4.6 x 250 mm) 溶離液:A液(0.05%トリフルオロ酢酸含有 5%アセトニトリル) B液(0.05%トリフルオロ酢酸含有 60%アセトニトリル ) 溶出方法:溶離液Bの濃度を最初の5分間に0%から35%まで上昇させ、 次に30分間かけて35−48%に直線的に上昇させた。 流速:1.0 ml/分 分画:0.5ml/tube 溶出画分を減圧下、遠心濃縮乾固したのち、250ml
のバッファーCに溶解させ、上記実施例10記載のサン
ドイッチEIAに供した。結果を図14に示す。血漿中
の19P2リガンドの免疫活性はほとんど合成19P2
リガンド(1−31)の溶出位置に検出されたことか
ら、該サンドイッチ法−EIAが19P2リガンド(1
−31)を検出していることが確認された。従って、本
測定系は血漿中の19P2リガンドの変動を研究する際
の重要な手段を提供すると考えられる。
【0063】
【発明の効果】本発明の19P2リガンドに対するモノ
クローナル抗体(特に、P2L-1Ca)は、極めて高い結
合能を有し、かつ19P2リガンドのアラキドン酸代謝
物放出活性を中和することが出来る。従って、19P2
リガンドが有すると考えられる下垂体機能調節作用(例
えば、プロラクチン分泌促進作用)、中枢神経調節作
用、膵臓機能調節作用などに、異常がある場合の各種疾
患の診断薬、予防薬、治療薬などに用いることができ
る。本発明のモノクローナル抗体を用いるサンドイッチ
法(特に、該モノクロナール抗体と19P2リガンドの
中間部を認識する抗体とを用いるサンドイッチ法)によ
る免疫学的測定法により、19P2リガンドまたはその
誘導体を高感度かつ特異的に定量することができる。こ
の定量方法は19P2リガンドまたはその誘導体の生理
機能の解明に用いることができる。
【0064】
【配列表】 [Sequence Listing] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Antibody and its use <130> A98081 <150> JP 10-140293 <151> 1998-5-21 <160> 14 <210> 1 <211> 31 <212> PRT <213> Bovine <223> Xaa means Phe-NH2 <400> 1 Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu Ile Arg Thr Pro Asp Ile Asn 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Ala Gly Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Xaa 20 25 30 <210> 2 <211> 31 <212> PRT <213> Human <223> Xaa means Phe-NH2 <400> 2 Ser Arg Thr His Arg His Ser Met Glu Ile Arg Thr Pro Asp Ile Asn 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Ala Ser Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Xaa 20 25 30 <210> 3 <211> 31 <212> PRT <213> Rat <223> Xaa means Phe-NH2 <400> 3 Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu Thr Arg Thr Pro Asp Ile Asn 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Thr Gly Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Xaa 20 25 30 <210> 4 <211> 15 <212> PRT <213> Human <223> Xaa means Phe-NH2 <400> 4 Pro Ala Trp Tyr Ala Ser Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Xaa 5 10 15 <210> 5 <211> 20 <212> PRT <213> Human <223> Xaa means Phe-NH2 <400> 5 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Ala Ser Arg Gly Ile Arg Pro 5 10 15 Val Gly Arg Xaa 20 <210> 6 <211> 15 <212> PRT <213> Human <223> Xaa on the 1st position means Ac-Pro, Xaa on the 4th position mean s Tyr(Ac), and Xaa on the 15th position means Phe-NH2 <400> 6 Xaa Ala Trp Xaa Ala Ser Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Xaa 5 10 15 <210> 7 <211> 15 <212> PRT <213> Human <223> Xaa means Phe-NH2 <400> 7 Cys Ala Trp Tyr Ala Ser Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Xaa 5 10 15 <210> 8 <211> 33 <212> PRT <213> Bovine <400> 8 Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu Ile Arg Thr Pro Asp Ile Asn 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Ala Gly Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Phe Gly 20 25 30 Arg <210> 9 <211> 31 <212> PRT <213> Human <223> Xaa means Phe-NH2 <400> 9 Ser Arg Ala His Gln His Ser Met Glu Ile Arg Thr Pro Asp Ile Asn 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Ala Gly Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Arg Phe 20 25 30 <210> 10 <211> 30 <212> PRT <213> Human <223> Xaa means Arg-NH2 <400> 10 Ser Arg Thr His Arg His Ser Met Glu Ile Arg Thr Pro Asp Ile Asn 5 10 15 Pro Ala Trp Tyr Ala Ser Arg Gly Ile Arg Pro Val Gly Xaa 20 25 30 <210> 11 <211> 14 <212> PRT <213> Human <223> Xaa means Cys-NH2 <400> 11 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Ala Ser Arg Gly Xaa 5 10 <210> 12 <211> 20 <212> PRT <213> Bovine <223> Xaa means Phe-NH2 <400> 12 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Ala Gly Arg Gly Ile Arg Pro 5 10 15 Val Gly Arg Xaa 20 <210> 13 <211> 20 <212> PRT <213> Rat <223> Xaa means Phe-NH2 <400> 13 Thr Pro Asp Ile Asn Pro Ala Trp Tyr Thr Gly Arg Gly Ile Arg Pro 5 10 15 Val Gly Arg Xaa 20
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、[Cys17]ヒト19P2リガンド(17
−31)−BTGを免疫したマウスの抗体価をHRP標
識化ヒト19P2リガンド(17−31)を用いて調べ
た結果を示す。
【図2】図2は、[Cys25]ヒト19P2リガンド(12−
25)−BTGを免疫したマウスの抗体価をHRP標識
化ヒト19P2リガンド(12−25)を用いて調べた
結果を示す。
【図3】図3は、[Cys17]ヒト19P2リガンド(17
−31)−BTGを免疫したマウスを用いた場合の細胞
融合後のハイブリドーマのスクリーニングの典型例を示
す。
【図4】図4は、[Cys25]ヒト19P2リガンド(12−
25)−BTGを免疫したマウスを用いた場合の細胞融
合後のハイブリドーマのスクリーニングの典型例を示
す。
【図5】図5(a)および(b)は、それぞれ[Cys17]
ヒト19P2リガンド(17−31)−BTGを免疫原
として作製したモノクローナル抗体P2L−1Caおよ
びP2L−2Caの19P2リガンド(1−31)(ヒ
ト)(−○−)、(ラット)(−△−)および(ウシ)
(−□−)に対する反応性をHRP標識化ヒト19P2
リガンド(17−31)を用いる競合法−EIAで調べ
た結果を示す。
【図6】図6(a)は、[Cys17]ヒト19P2リガンド
(17−31)−BTGを免疫原として作製したモノク
ローナル抗体P2L−1Caのヒト19P2リガンド
(1−31)(−●−)、ヒト19P2リガンド(20
−31)(−■−)、ヒト19P2リガンド(1−3
0)(−▲−)、および[D−Ala29]ヒト19P2
リガンド(1−31)(−◆−)に対する反応性を、図
6(b)は、P2L−1Caのウシ19P2リガンド
(1−31)(−○−)、ウシ19P2リガンド(1−
31)-OH(−□−)、およびウシ19P2リガンド
(1−31)Gly-Arg-OH(−△−)に対する反応性をH
RP標識化ヒト19P2リガンド(17−31)を用い
る競合法−EIAで調べた結果を示す。
【図7】図7(a)および(b)は、それぞれ[Cys25]
ヒト19P2リガンド(12−25)−BTGを免疫原と
して作製したモノクローナル抗体P2L−1Taおよび
P2L−3Taの19P2リガンド(1−31)(ラッ
ト)(−●−)、(ヒト)(−■−)、およびヒト19
P2リガンド(12−31)(−□−)に対する反応性
をHRP標識化ヒト19P2リガンド(12−25)を
用いる競合法−EIAで調べた結果を示す。
【図8】図8(a)および(b)は、それぞれ[Cys25]
ヒト19P2リガンド(12−25)−BTGを免疫原と
して作製したモノクローナル抗体P2L−1Taおよび
P2L−3Taのヒト19P2リガンド(1−31)
(−■−)、ヒト19P2リガンド(12−31)(−
□−)、ヒト19P2リガンド(17−31)(−△
−)およびヒト19P2リガンド(17−31)(−○
−)のジアセチル体に対する反応性をHRP標識化ヒト
19P2リガンド(12−25)を用いる競合法−EI
Aで調べた結果を示す。
【図9】図9はP2L−1Ta(−●−)、P2L−2
Ta(−○−)、P2L−3Ta(−△−)およびP2
L−4Ta(−□−)に対する反応性をHRP標識化ヒ
ト19P2リガンド(12−25)を用いる競合法−E
IAで調べた結果を示す。
【図10】図10は、酵素標識抗体としてP2L−1T
a−HRPを用い、固相用抗体としてP2L−1Caを用
いたサンドイッチ法−EIAの、ラット19P2リガン
ド(1−31)(−■−)、ヒト19P2リガンド(1
−31)(−●−)、ヒト19P2リガンド(12−2
5)(−○−)、ウシ19P2リガンド(1−31)
(−▲−)あるいはウシ19P2リガンド(12−3
1)(−△−)の標準曲線を示す。
【図11】図11は、酵素標識抗体としてP2L−1T
a−HRPを用い、固相用抗体としてP2L−1Caを用
いたサンドイッチ法−EIAの、ラット19P2リガン
ド(1−31)(−●−)あるいは他のペプチドFMR
F−Amide(−■−)、CGRP(−▲−)、TR
H(−◆−)、LHRH(−○−)、GHRH(−□
−)、CRF(−△−)、SST(−◇−)、Oxyt
osin(−-●−-)、VIP(−-■−-)およびPA
CAP(−-▲−-)との反応性を示す。
【図12】図12は、酵素標識抗体としてP2L−3T
a−HRPを用い、固相用抗体としてP2L−1Caを用
いたサンドイッチ法−EIAの、ラット19P2リガン
ド(1−31)(−■−)、ヒト19P2リガンド(1
2−31)(−○−)およびヒト19P2リガンド(1
−31)(−●−)の標準曲線を示す。
【図13】図13(a)および(b)は、それぞれ[Cys
17]ヒト19P2リガンド(17−31)−BTGを免
疫原として作製したモノクローナル抗体P2L−1Ca
およびP2L−2Caのラット19P2リガンド(1−
31)の19P2発現CHO細胞からのアラキドン酸代
謝物放出活性に対する中和作用を示す。
【図14】図16は、ラット血漿中の19P2リガンド
の逆相−HPLCによる溶出画分の免疫活性を、酵素標
識抗体としてP2L−1Ta−HRPを用い、固相用抗
体としてP2L−1Caを用いるサンドイッチ-EIA
によって定量した結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/577 A61K 31/00 601N // A61K 31/00 601 625 625 643D 643 39/395 N 39/395 C12P 21/08 C12P 21/08 C12N 5/00 B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】19P2リガンドまたはその誘導体のC端
    側の部分ペプチドに特異的に反応するモノクローナル抗
    体。
  2. 【請求項2】マウスIgGである請求項1記載のモノク
    ローナル抗体。
  3. 【請求項3】P2L−1CaまたはP2L−2Caで標
    示される請求項2記載のモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】19P2リガンドまたはその誘導体の中間
    部分ペプチドに特異的に反応するモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】マウスIgGである請求項4記載のモノク
    ローナル抗体。
  6. 【請求項6】P2L−1Taで標示される請求項5記載
    のモノクローナル抗体。
  7. 【請求項7】請求項1または請求項4記載のモノクロー
    ナル抗体を用いることを特徴とする被検液中の19P2
    リガンドまたはその誘導体の定量法。
  8. 【請求項8】請求項1記載の抗体と請求項4記載のモノ
    クローナル抗体を用いることを特徴とする被検液中の1
    9P2リガンドまたはその誘導体の定量法。
  9. 【請求項9】請求項1または請求項4記載のモノクロー
    ナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞。
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