JPWO2005093521A1 - トナー粒子の製造方法およびトナー - Google Patents

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Abstract

重合性単量体と着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させ、重合開始剤を用いて重合してトナー粒子を製造方法において、該水系媒体中の炭素数4乃至6のアルコール濃度を、該重合性単量体の重合転化率30%においては500〜2000ppmであり、該重合性単量体の重合転化率97%においては2300〜10000ppmであるように調整する。

Description

本発明は、静電荷潜像を顕在化する画像形成方法やトナージェット記録方法に用いられるトナー粒子の製造方法及び該トナー粒子を有するトナーに関する。
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により静電荷像担持体(以下、感光体ともいう)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像を行なって可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。
また、プリンター装置はLED、LBPプリンターが最近の市場の主流になっており、より高解像度が指向され、従来240、300dpiであったものが400、600、800dpiとなってきている。従って現像方式もこれにともなって、より高精細が要求されてきている。また、複写機においても高機能化が進んでおり、そのためデジタル化の方向に進みつつある。この方向は、静電潜像をレーザーで形成する方法が主であるため、やはり高解像度の方向に進んでおり、ここでもプリンターと同様に高解像・高精細の現像方式が要求されてきている。この要求を満たす一つの手段としてトナー粒子の小粒径化が進んでおり、特定の粒度分布で粒径の小さいトナー粒子を有するトナーが提案されている(例えば特開平9−179332号公報参照)。
近年、高解像度・高精細のためトナー粒子の粒径を小さくする傾向にあるが、トナー粒子の粒径が小さくなるほど、トナーの安定な摩擦帯電は重要な要素となる。即ち、細かい個々のトナー粒子に均一な帯電量を持たせないと、前述したような画像安定性の低下がより顕著に現れやすい。これは、単純にトナー粒子の粒径が小さくなるだけで、転写工程でトナー粒子にかかるクーロン力に比して、トナー粒子の感光体への付着力(鏡像力やファンデルワールス力)が大きくなり、結果として転写残トナーが増加することに加えて、トナー粒子の小径化には、トナーの流動性の悪化が伴うため、個々のトナー粒子の帯電量が不均一となりやすく、カブリや転写性の悪いトナー粒子が多くなるためである。
トナーの性能向上のためには、より安定な帯電特性の維持が必要不可欠である。トナーの帯電特性を決定する因子は、トナー粒子同士が摩擦することによって発生する電荷量、及び、トナー粒子が外部部材と摩擦もしくは接触することによって発生する電荷量に大別されるが、トナーの帯電特性には、各トナー粒子の表面材料及びトナー粒子の大きさと形状、更には、それらの分布状態、また、帯電補助を目的とした外部添加剤、金属またはゴム材などを用いた規制部材、トナー粒子の構成材料である荷電制御剤の影響が大きく関与している。
例えば、懸濁重合法によってトナーを製造する静電荷像現像用トナー製造において、粒子形状の制御を可能とし、粒子径の小さな、且つシャープな粒度分布を有するトナー粒子を製造することが提案されている(例えば、特開平10−312086号公報参照)。その提案では、水系分散媒調整時の機械撹拌においてある一定の速度勾配とpH範囲を有し、更に重合性単量体の造粒時においても、ある一定の速度勾配を有する高速回転せん断撹拌をすることを特徴としている。
また、同じく懸濁重合法における水性分散媒中の難水溶性無機塩の調製法について、該無機塩調製時のpHを精密に制御し、得られる懸濁重合トナーを小粒径化し、かつその粒度分布をシャープにするということも提案されている(例えば、特開平7−49586号公報参照)。
しかし、何れの提案においてもトナーの粒度分布をシャープにすることにより、一定の効果は得られるものの、特に目的の小粒径のトナー粒子よりもさらに粒径の小さな微粒子の制御については不十分である。そしてそのような微粒子を有するトナー粒子を使用した場合の現像性は、現像初期の時点では満足の行くものであっても、様々な環境において繰り返して連続印字を行うことにより、転写性や抗カブリ特性といった点において、必ずしも十分なものとはいえない。更に、水系媒体中に重合性組成物を分散させてトナー粒子を製造する方法において、該水系媒体中にアルコールを添加することに関しても開示されている(例えば、特開平5−197185号公報参照)。しかし、その提案においては、重合反応中を通して該アルコール濃度を制御することはなく、その為に、得られるトナーの耐久性は常温常湿環境下においては十分な性質を有していても、環境変動により転写性やカブリ特性において問題を生じやすく、依然として改善の余地を有することが分かっており、これらの性能を満足するトナーが求められている。
本発明の目的は、粒度分布がシャープで特に粒径の小さな微粒子について制御し、その生成が抑制されたトナー粒子の製造方法を提供することである。また、更に本発明の目的は、環境変動を伴っても帯電安定性に優れ、転写性や抗カブリ特性が良好である高精細な画像が得られるトナーの製造方法、及び、該トナー粒子の製造方法によって製造されたトナー粒子を有するトナーを提供することである。
本発明は、重合性単量体と着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させ、重合開始剤を用いて重合し、トナー粒子を製造するトナー粒子の製造方法であって、該重合性単量体の重合転化率30%における炭素数4乃至6のアルコールの該水系媒体中での濃度が500〜2000ppmであり、該重合性単量体の重合転化率97%における該アルコールの該水系媒体中での濃度が2300〜10000ppmである、トナー粒子の製造方法に関する。
また、本発明は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、該トナー粒子が、重合性単量体と着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させ、重合開始剤を用いて重合するトナー粒子の製造方法であって、該重合性単量体の重合転化率30%における炭素数4以上6以下のアルコールの該水系媒体中での濃度が500〜2000ppmであり、該重合性単量体の重合転化率97%における該アルコールの該水系媒体中での濃度が2300〜10000ppmである、トナー粒子の製造方法によって得られたトナー粒子であることを特徴とするトナーに関する。
本発明によれば、粒度分布がシャープで特に粒径の小さな微粒子について制御されたトナー粒子の製造方法を提供することができる。また、本発明により、環境変動を伴っても帯電安定性に優れ、転写性や抗カブリ特性が良好である高精細な画像が得られるトナー粒子の製造方法及び該トナー粒子の製造方法によって製造されたトナー粒子を有するトナーを提供することができる。
図1は、本発明のトナーが適用され得る画像形成装置の概略図の一例である。
図2は、フルカラー又はマルチカラー用の画像形成装置の概略図の一例である。
図3は、中間転写体を有する画像形成装置の概略図の一例である。
図4は、磁性一成分現像剤を用いた現像装置付近の概略図の一例である。
図5は、弾性ブレードを有する磁性一成分現像剤を用いた現像装置付近の概略図の一例である。
図6は、磁性一成分現像剤を用いた現像装置を有する画像形成装置の概略図の一例である。
トナーの性能向上のためには、より安定な帯電特性の維持が必要不可欠である。前述のように、トナーの帯電を決定する因子は、トナー粒子同士が摩擦することによって発生する電荷量、及びトナー粒子が外部部材と摩擦もしくは接触することによって発生する電荷量であるが、本発明者らが鋭意検討したところ、このトナー粒子の摩擦帯電性を不均一にする要因として、特にトナー粒子の製造時に発生する粒径の小さな微粒子の存在が上げられ、該微粒子の存在を抑制させることで、転写性や抗カブリ特性が向上し、得られる画像特性が良好となることが分かった。
そこで、懸濁重合によるトナー粒子の製造において、製造条件と粒径の小さな微粒子の生成量について検討を行った結果、該微粒子の生成量と水系媒体中のアルコール濃度とが密接な関係を有していることが分かり、懸濁重合反応中の水系媒体中の該アルコール濃度を制御することにより、該微粒子の生成を抑制させることができるということを見出した。
具体的には、重合性単量体と着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させ、重合開始剤を用いて重合し、トナー粒子を製造するトナー粒子の製造方法であって、該重合性単量体の重合転化率30%における炭素数4乃至6のアルコールの該水系媒体中での濃度が500〜2000ppmであり、該重合性単量体の重合転化率97%における該アルコールの該水系媒体中での濃度が2300〜10000ppmであるようにトナー粒子を製造することである。
ここで、各重合転化率におけるアルコール濃度が上記範囲に入らない場合は、得られるトナー粒子の粒度分布はブロードとなり、粒径の小さな微粒子の生成も抑制されない。この理由についての詳細は解明されていないが、懸濁重合において水系媒体中に存在し、粒子を安定化させている分散安定剤、トナー粒子の重合転化率による粘性、および水系媒体中に存在するアルコールの相互作用により、本発明の作用効果が得られるものと考えられる。
また、水系媒体中の該アルコール濃度の制御手法については特に規制はなく、アルコールの直接添加、あるいはトナー粒子からの溶け出しによる濃度増加、そして、系中の温度・圧力を制御することによる水系媒体からの除去など何れの制御手法を用いても構わない。
本発明には、そのアルコールの炭素数が4乃至6であれば、公知の一般的なアルコールが用いられる。
また、炭素数4のアルコールが該水系媒体中に含まれるアルコール成分のうちの90質量%以上100質量%以下であることが好ましい。90質量%未満では粒径の小さな微粒子が増加する傾向にあり、転写性や抗カブリ特性が悪化する傾向にある。これは、この様にすることにより前述の相互作用がより強くなるからであると考えている。また、炭素数5以上6以下のアルコールの場合でも、本発明の効果は得られづらくなることがある。
また、炭素数4のアルコールは、tert−ブチルアルコールであることが好ましい。
重合反応温度に関し、該重合性単量体の重合転化率が30%を経過し、該重合性単量体の重合転化率が97%となる前において、該重合反応温度を上昇させることが、本発明のトナー粒子の製造方法において好ましい。更には、該重合性単量体の重合転化率が30%に達する前において、該水系媒体と炭素数4のアルコールの共沸点以下の温度で重合を行い、該重合性単量体の重合転化率が30%を経過し、該重合性単量体の重合転化率が97%となる前において、該水系媒体と炭素数4のアルコールの共沸点以上の温度で重合することがより好ましい。これは、前述のトナー粒子の重合転化率に応じた各々の粘性に対してアルコールと水系媒体中の分散安定剤の熱運動状態を最適にするためと考えられ、該重合反応温度を外れて重合反応を行った場合は、微粒子の生成量が増加する傾向にあるためである。
一方、本発明に用いる重合開始剤は10時間半減期温度が40℃以上60℃未満である重合開始剤が好ましい。10時間半減期温度が40℃未満では、重合反応を制御するのが困難になる可能性があり、粗大粒子が増えるなどトナー粒子の粒度分布がブロードとなる傾向にある。また、10時間半減期温度が60℃以上では重合反応の進行が遅くなる傾向にあり、長時間残存したモノマーが微粒子となる傾向にあり、結果としてトナー粒子の粒度分布はブロードとなりやすい。
本発明で使用される重合開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシラウレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−アミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシピバレート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、t−アミルパーオキシアセテート、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシベンゾエートなどのパーオキシエステル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、及びスクシニックパーオキサイドの如きジアシルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、及びジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネートの如きパーオキシジカーボネートといった有機過酸化物が挙げられる。これらのうちで、本発明に好適なものはパーオキシエステルである。
上記重合開始剤の中でも、重合開始剤が下記式(1)で示す構造を有する化合物であることが本発明の効果をより十分に発現させるうえで好ましい。
Figure 2005093521
(式(1)中、Rは炭素数3以上8以下の非置換あるいは置換のアルキル基、炭素数3以上8以下の非置換あるいは置換のシクロアルキル基、炭素数3以上8以下の非置換あるいは置換のアリール基よりなる群より選択される官能基である。また、R、R及びRはそれぞれ非置換あるいは置換のアルキル基であって、R、R及びRの炭素数の和は3以上5以下である。)
上記式(1)に示されるようなパーオキシエステルは特に残留モノマーの抑制に効果的であるので、重合反応終期における、微粒子の生成を抑制させることができるため好ましい。
また、Rの炭素数が2未満では、極性が強いことにより水相での重合反応が生じることがあるため微粒子が多くなる傾向にあり、炭素数が9以上では重合反応の制御が困難になる場合がある。
更に、R、R、及びRの炭素数の和が3以上5以下であることが好ましい。炭素数の合計が6以上では重合反応を制御するのが困難になりやすく、粗大粒子生成の抑制が困難と成る場合がある。
尚、必要に応じてこれら過酸化物を2種以上用いることもできるし、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、及びアゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系重合開始剤を単独または併用して使用することも可能である。
本発明で使用される重合開始剤は、重合性単量体100質量部に対して0.5〜20質量部の添加量で重合反応を行なうと、分子量1万〜10万の間に分子量分布の極大を有する重合体を与えることができ、トナーとして望ましい強度と適当な溶融特性を与えることが出来る。
本発明のトナー粒子の製造において、重合性単量体組成物を構成する重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、及びアクリルアミドの如き重合性単量体が挙げられる。これらの重合性単量体は混合して使用しても良い。
また、本発明は必要に応じて架橋剤を使用することも可能である。本発明に使用される架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、及びジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、及び1,3−ブタンジオールジメタクリレートの如き二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、及びジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これら架橋剤は、単独もしくは混合して用いられる。架橋剤の添加量としては、使用する重合開始剤、架橋剤の種類、反応条件で調整が必要であるが、重合性単量体100質量部に対して0.01〜5質量部用いることが好ましい。
本発明による作用を更に効果的に利用するためには、重合性単量体組成物に、スチレンまたは芳香環に置換基を有するスチレン、及び(メタ)アクリル酸エステルが必須成分として含有されることが好ましい。スチレンまたは芳香環に置換基を有するスチレン、及び(メタ)アクリル酸エステルが含有されていない場合、トナー中の荷電制御剤やワックスの均一分散性が損なわれる傾向になり、トナーの帯電安定性が悪化する傾向がある。
本発明に用いられる着色剤に関して、黒色着色剤としては、カーボンブラック,磁性体,以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものを利用することができる。このとき着色剤の選択に当たっては、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。好ましくは、着色剤に表面改質(たとえば重合阻害のない疎水化処理)を施したほうが良い。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168、180が好適に用いられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
本発明に用いられるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合して、更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐侯性,OHP透明性,トナー中への分散性の観点から選択される。該着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
さらに本発明のトナーは着色剤として磁性材料を含有させて磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物が挙げられる。
本発明に用いられる磁性体は、より好ましくは、表面改質された磁性体が好ましく、重合法トナーに用いる場合には、重合阻害のない物質である表面改質剤により、疎水化処理を施したものが好ましい。このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。
これらの磁性体は平均粒径が2.0μm以下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。トナー粒子中に含有させる量としては結着樹脂100質量部に対し20〜200質量部であることが好ましく、より好ましくは結着樹脂100質量部に対し40〜150質量部である。
本発明のトナー粒子の製造においては、重合性単量体組成物に樹脂を添加して重合しても良い。例えば、単量体では水溶性のため水性懸濁液中では溶解して乳化重合を起こすため使用できないアミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルホン酸基、グリシジル基、ニトリル基の如き親水性官能基含有の重合性単量体成分をトナー中に導入したい時には、これらとスチレンあるいはエチレンの如きビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体の如き共重合体、あるいはポリエステル、ポリアミドの如き重縮合体、ポリエーテル、ポリイミンの如き重付加重合体の形で使用が可能となる。こうした極性官能基を含む高分子重合体(以下、極性重合体とも称する。)をトナー中に共存させると、前述のワックス成分を相分離させ、より内包化が強力となり、耐ブロッキング性、現像性の良好なトナーを得ることができる。
これらの樹脂の中でも特にポリエステル樹脂を含有することにより、その効果は大きなものとなる。これは次に述べる理由からと考えている。即ち、ポリエステル樹脂は比較的極性の高い官能基であるエステル結合を数多く含む為、樹脂自身の極性が高くなる。その極性の為、水系分散媒中では液滴表面にポリエステルが偏在する傾向が強くなり、その状態を保ちながら重合が進行し、トナー粒子となる。この為、トナー粒子表面にポリエステル樹脂が偏在することで表面状態や、表面組成が均一なものとなる。その結果、帯電性が均一になると共に、離型剤の内包性が良好なこととの相乗効果により非常に良好な現像性を得ることが出来る。
さらに、重合性単量体を重合して得られるトナー粒子の分子量範囲とは異なる分子量の重合体を単量体中に溶解して重合すれば、分子量分布の広い、耐オフセット性の高いトナーを得ることが出来る。
また、本発明においては更に優れた転写性と抗カブリ特性に係る良好な帯電性能を得るために、トナー形状を球形とすることが好ましい。具体的にはトナーの平均円形度を0.960以上1.000以下とすることが好ましく、より好ましくは0.970以上1.000以下である。トナーの平均円形度を0.960以上1.000以下とすることで、トナー粒子と感光体との接触面積が小さくなり、鏡像力やファンデルワールス力等に起因するトナー粒子の感光体への付着力が低下するため転写されやすい。さらには、円形度が高く球に近い形状をしているので凹凸部を有する不定形トナーと比較した場合には、表面全体を均一に摩擦させることが容易であるために帯電均一性に優れる。
トナーの円形度分布において、トナーのモード円形度が0.99以上1.00以下であることがより好ましい。モード円形度が0.99以上1.00以下であると、トナー粒子の多くが真球に近い形状を有することを意味しており、上記作用がより一層顕著になり、摩擦帯電特性や転写性が一層向上する。ここで、「モード円形度」とは、円形度を0.40から1.00までを0.01毎に61分割し、測定したトナーの円形度を円形度に応じて各分割範囲に割り振り、円形度頻度分布において頻度値が最大となる分割範囲の下限値である。
ここで、トナーの平均円形度が0.960未満ではトナーの帯電均一性を得るのは困難となる場合があり、カブリの増大や濃度むらが生じることがある。
また、より微小な潜像ドットを忠実に現像しうる条件を検討したところ、トナーの重量平均粒径が3〜10μmの場合に、画像特性の向上効果が顕著であった。トナーの重量平均径が3μm未満の場合は、転写効率の低下に加え個々のトナー粒子を均一に帯電させることが困難となることから、カブリが悪化してしまうことがある。一方、トナーの重量平均粒径が10μmを超える場合には、文字やライン画像に飛び散りが生じやすく、高解像度が得られないことがある。
また、本発明により得られるトナーで更に微小な潜像ドットを忠実に再現し精細な画像をえるためには重量平均粒径が4〜8μmであることが好ましい。
また本発明のトナーに使用可能な離型剤としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びペトロラクタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、及びキャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコーンオイルなども使用できる。
この中で特に、離型性に優れるという観点からエステルワックスが好ましい。
本発明の離型剤はエステルワックスであることを特徴とする。好ましくは、下記(IV)〜(VIII)に属するエステルワックスである。
Figure 2005093521
(式中、a及びbは0〜4の整数であり、a+bは4である。R及びRは炭素数が1〜40の有機基である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnは同時に0になることはない。)
Figure 2005093521
(式中、a及びbは0〜3の整数であり、a+bは1〜3である。R及びRは炭素数が1〜40の有機基である。Rは水素原子または炭素数が1以上の有機基である。kは1〜3の整数であり、a+b+k=4である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnが同時に0になることはない。)
Figure 2005093521
(式中、R及びRは炭素数1〜40の有機基であり、RとRは同じものであっても異なっていても良い。R2は炭素数1〜40の有機基を示す。)
Figure 2005093521
(式中、R及びRは炭素数1〜40の有機基であり、RとRは同じものであってもなくてもよい。Rは炭素数1〜40の有機基を示す。)
Figure 2005093521
(式中、aは1〜4の整数であり、bは1〜4の整数であり、a+bは4である。Rは炭素数1〜40の有機基である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnが同時に0になることはない)
そして該離型剤は結着樹脂に対し1〜30質量%を含有することが好ましい。より好ましくは、3〜25質量%である。離型剤の含有量が1質量%未満では離型剤の添加効果が十分ではなく、さらに、オフセット抑制効果も不十分である。一方、30質量%を超えてしまうと長期間の保存性が悪化すると共に、着色剤等のトナー材料の分散性が悪くなり、トナーの着色力の悪化や画像特性の低下につながりやすくなる。また、離型剤のしみ出しも起こりやすくなり、高温高湿下での耐久性が劣るものとなりやすい。さらに、多量の離型剤を内包するために、トナー形状がいびつになりやすくなる。
これらの離型剤成分の内でも、示差走差熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に45〜90℃の領域に最大吸熱ピークを有するものが好ましい。上記温度領域に最大吸熱ピークを有することにより、低温定着に大きく貢献しつつ、離型性をも効果的に発現する。該最大吸熱ピークが45℃未満であると離型剤成分の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が悪化する。また、離型剤のしみだしが生じ易くなり、トナーの帯電量が低下することがある。一方、該最大吸熱ピークが90℃を超えると定着温度が高くなり低温オフセットが発生しやすくなり好ましくない。さらに、水系媒体中で造粒/重合を行う重合方法により直接トナー粒子を得る場合、該最大吸熱ピーク温度が高いと主に造粒中に離型剤成分が析出する等の問題を生じ、離型剤の分散性が悪化し、好ましくない。
ワックス成分の最大吸熱ピーク温度の測定は、「ASTM D 3418−8」に準じて行う。測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。測定にはアルミニウム製のパンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。
本発明のトナーには、荷電特性を安定化するために荷電制御剤を配合しても良い。荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を直接重合法にて製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。具体的な化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、及びダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体、スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、及びイミダゾール化合物が挙げられる。
荷電制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー粒子内部に添加する方法と外添する方法がある。これらの荷電制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に決定されるものではないが、内部添加する場合は、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。また、外部添加する場合、トナー100質量部に対し、好ましくは0.005〜1.0質量部、より好ましくは0.01〜0.3質量部である。
本発明のトナーを製造する重合方法では、一般に上述の着色剤、磁性粉体、離型剤等のトナー組成物等を重合性単量体に適宜加えて、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機等の分散機によって均一に溶解または分散させ、重合性単量体組成物とする。これを、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。重合開始剤の添加時期としては、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒中または、造粒直後に加えることも出来る。
造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行なえば良い。
本発明の重合トナーを製造する場合には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機分散剤・無機分散剤が使用できる。中でも無機分散剤は、有害な超微粉を生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナーに悪影響を与え難いので、好ましく使用できる。こうした無機分散剤の例としては、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛等の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナ等の無機化合物が挙げられる。
これら無機分散剤を用いる場合には、そのまま使用しても良いが、より細かい粒子を得るため、水系媒体中にて該無機分散剤粒子を生成させて用いることが出来る。例えば、燐酸カルシウムの場合、高速撹拌下、燐酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合して、水不溶性の燐酸カルシウムを生成させることが出来、より均一で細かな分散が可能となる。この時、同時に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒体中に水溶性塩が存在すると、重合性単量体の水への溶解が抑制されて、乳化重合に依る超微粒トナーが発生し難くなるので、より好都合である。無機分散剤は、重合終了後酸あるいはアルカリで溶解して、ほぼ完全に取り除くことが出来る。
また、これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2〜20質量部を単独で使用することが望ましい。また、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用しても良い。
界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられる。
重合終了後の重合トナー粒子に対して、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、必要により無機微粉体を混合し表面に付着させることで、本発明のトナーを得ることができる。また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や微粉をカットすることも、本発明の望ましい形態の一つである。
本発明においてトナーは、流動化剤として個数平均一次粒径4〜100nmの無機微粉体が添加されることも好ましい形態である。無機微粉体は、トナーの流動性改良及びトナー粒子の帯電均一化のために添加されるが、無機微粉体の疎水化処理などの処理によってトナーの帯電量の調整、環境安定性の向上等の機能を付与することも好ましい形態である。
無機微粉体の個数平均一次粒径が100nmよりも大きい場合、或いは100nm以下の無機微粉体が添加されていない場合には、良好なトナーの流動性が得られず、トナー粒子への帯電付与が不均一になり易く、カブリの増大、画像濃度の低下、及びトナー飛散といった現象が発生しやすくなる。無機微粉体の個数平均一次粒径が4nmよりも小さい場合には、無機微粉体の凝集性が強まり、一次粒子ではなく解砕処理によっても解れ難い強固な凝集性を持つ粒度分布の広い凝集体として挙動し易く、凝集体の現像への関与、像担持体或いはトナー担持体等を傷つけるなどによる画像欠陥を生じ易くなる。トナー粒子の帯電分布をより均一とするためには無機微粉体の個数平均一次粒径は6〜70nmであることがより良い。
本発明において、無機微粉体の個数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡により拡大撮影したトナーの写真で、更に走査型電子顕微鏡に付属させたXMA等の元素分析手段によって無機微粉体の含有する元素でマッピングされたトナーの写真を対照しつつ、トナー表面に付着或いは遊離して存在している無機微粉体の一次粒子を100個以上測定し、個数基準の平均一次粒径(個数平均一次粒径とも称する)を求めることで測定出来る。
本発明のトナーはトナー粒子と無機微粉体を有することが好ましい。該無機微粉体としては、シリカ、酸化チタン、及びアルミナから選ばれる少なくとも1種以上の無機微粉体を用いることが好ましい。該無機微粉体は単独で用いても、複数種組み合わせて用いても良い。シリカとしては、例えば、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNaO、SO 2−等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカの製造工程において、例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、乾式シリカにはそれらも包含される。
個数平均一次粒径が4〜100nmの無機微粉体の添加量は、トナー粒子に対して0.1〜3.0質量%であることが好ましく、添加量が0.1質量%未満では無機微粉体の添加による効果が得にくくなり、3.0質量%超では定着性が悪くなることがある。なお、無機微粉体の含有量は、蛍光X線分析を用い、標準試料から作成した検量線を用いて定量することができる。
また本発明において無機微粉体は、疎水化処理された物であることが高温高湿環境下での特性から好ましい。トナーに添加された無機微粉体が吸湿すると、トナー粒子の帯電量が著しく低下し、トナー飛散が起こり易くなる。
疎水化処理に用いる処理剤としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化合物等を挙げることができ、これらの処理剤を単独で或いは組み合わせて使用することができる。
その中でも、シリコーンオイルにより処理したものが好ましく、より好ましくは、無機微粉体をシラン化合物で疎水化処理すると同時或いは処理した後に、シリコーンオイルにより処理したものが高湿環境下でもトナー粒子の帯電量を高く維持し、トナー飛散を防止する上でよい。
そのような無機微粉体の処理方法において、例えば第一段反応として、シラン化合物でシリル化反応を行ないシラノール基を化学結合により消失させた後、第二段反応としてシリコーンオイルにより表面に疎水性の薄膜を形成することができる。
上記シリコーンオイルは、25℃における粘度が10〜200,000mm/sのものが、さらには3,000〜80,000mm/sのものが好ましい。10mm/s未満では、無機微粉体に安定性が無く、熱および機械的な応力により、画質が劣化する傾向がある。200,000mm/sを超える場合は、均一な処理が困難になる傾向がある。
使用されるシリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が特に好ましい。
無機微粉体をシリコーンオイルで処理する方法としては、例えば、シラン化合物で処理された無機微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合してもよいし、無機微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散させた後、無機微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法でもよい。無機微粉体の凝集体の生成が比較的少ない点で噴霧機を用いる方法がより好ましい。
シリコーンオイルの処理量は、無機微粉体100質量部に対し1〜40質量部、好ましくは3〜35質量部が良い。シリコーンオイルの量が少なすぎると良好な疎水性が得られず、多すぎるとカブリ発生等の不具合が生ずる傾向がある。
本発明で用いられる無機微粉体は、シリカ、酸化チタン、及びアルミナから選ばれる少なくとも1種以上の無機微粉体であることが好ましく、その中でも特にシリカであることがより好ましい。更に、窒素吸着によるBET法で測定したシリカの比表面積が20〜350m/g範囲内のものが好ましく、より好ましくは25〜300m/gのものが更に良い。
比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出する。
また、本発明のトナーに、クリーニング性向上の目的で、さらに一次粒径30nmを超える(好ましくは比表面積が50m/g未満)、より好ましくは一次粒径50nm以上(好ましくは比表面積が30m/g未満)の無機又は有機の球状に近い微粒子をさらに添加することも好ましい形態のひとつである。例えば球状シリカ粒子、球状ポリメチルシルセスキオキサン粒子、及び球状樹脂粒子が好ましく用いられる。
本発明に用いられるトナーには、実質的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末及びポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、あるいは酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末及びチタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。これらの添加剤も表面を疎水化処理して用いることも可能である。
上記微粉末をトナーに外添する方法としてはトナーと微粉末を混合、撹拌することにより行う。具体的にはメカノフュージョン、I式ミル、ハイブリタイザー、ターボミル、ヘンシェルミキサー等が挙げられ、粗粒の発生を防ぐという観点からヘンシェルミキサーを用いることが特に好ましい。
本発明のトナーは、非磁性一成分系現像剤のトナーとして使用することも可能であり、キャリア粒子を有する二成分系現像剤用のトナーとしても使用可能である。非磁性トナーとして用いる場合には、ブレード又はローラを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法がある。
二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーと共に、キャリアを用い現像剤として使用する。磁性キャリアは、鉄,銅,亜鉛,ニッケル,コバルト,マンガン,及びクロム元素からなる群より選択される元素単独又は複合フェライト状態で構成される。磁性キャリアの形状として、球状,扁平又は不定形がある。更に磁性キャリア粒子表面状態の微細構造(たとえば表面凹凸性)をもコントロールすることが好ましい。一般的には、上記無機酸化物を焼成、造粒することにより、あらかじめ磁性キャリアコア粒子を生成した後、樹脂にコーティングする方法が用いられている。磁性キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらには、直接無機酸化物とモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せしめ真球状の磁性キャリアを得る方法も利用することが可能である。
上記キャリア粒子の表面を樹脂で被覆した被覆キャリアが、特に好ましい。その方法としては、樹脂を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、単に樹脂粉体とキャリア粒子とを混合して付着させる方法が適用できる。
キャリア粒子表面への固着物質としては、トナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂などが挙げられる。これらは単独で或は複数種の組合せで用いられる。
キャリアの磁性特性は以下のものが良い。磁気的に飽和させた後の79.57kA/m(1000エルステッド)における磁化の強さ(σ79.6)は3.77乃至37.7μWb/cmであることが必要である。さらに高画質化を達成するために、好ましくは12.6乃至31.4μWb/cmであることがよい。37.7μWb/cmより大きい場合には、高画質なトナー画像が得られにくくなる。3.77μWb/cm未満であると、磁気的な拘束力も減少するためにキャリア付着を生じやすい。
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。
本発明のトナーが適用可能な画像形成方法の一例を図面を参照しながら以下に説明する。
本発明のトナーは、磁性キャリアと混合し、例えば図1に示すような現像手段37を用いて現像を行うことができる。具体的には交番電界を印加しつつ、磁気ブラシが静電像保持体(例えば、感光体ドラム)33に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)31と感光体ドラム33の距離(S−D間距離)Bは100〜1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、1000μmを超えると磁石S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。トナー41は、逐次現像器へ供給され、撹拌手段35及び36でキャリアと混合され、固定磁石34を内包している現像スリーブ31まで搬送される。
交番電界のピーク間の電圧は500〜5000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロセスに合わせて適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形等種々選択して用いることができる。印加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。5000Vを超える場合には、磁気ブラシを介して静電像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが150V以下であることが好ましく、より好ましくは100V以下である。
コントラスト電位としては、十分画像濃度がでるように200〜500Vが好ましく用いられる。
周波数が500Hzより低いとプロセススピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こるためにキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を低下させる場合がある。10000Hzを超えると電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために、現像スリーブ31上の磁気ブラシの感光体ドラム33との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにする。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、現像剤のパッキングが生じ、機械の動作を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑さえることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材32と現像スリーブ31との距離Aを調整したり、現像スリーブ31と感光体ドラム33との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
特にハーフトーンを重視するようなフルカラー画像の出力において、マゼンタ用、シアン用、及びイエロー用の3個以上の現像器が使用され、本発明の現像剤及び現像方法を用い、特にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、磁気ブラシの影響がなく、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。転写工程においても本発明のトナーを用いることで高転写率が達成でき、したがって、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
さらに、本発明のトナーを用いることで、初期の高画質化と共に、多数枚の複写後においても画質低下がなく、本発明の効果が十分に発揮される。
静電像保持体33上のトナー画像は、コロナ帯電器の如き転写手段43により転写材へ転写され、転写材上のトナー画像は、加熱ローラ46及び加圧ローラ45を有する加熱加圧定着手段によって定着される。静電像保持体33上の転写残トナーは、クリーニングブレードの如きクリーニング手段44で静電像保持体33から除去される。
良好なフルカラー画像を得るためには好ましくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われることで引き締まった画像を呈することができる。
マルチカラー又はフルカラー画像形成方法を良好に実施し得る画像形成装置の一例を図2を参照しながら説明する。
図2に示されるマルチカラー又はフルカラー用の画像形成装置は、装置本体の右側から装置本体の略中央部にわたって設けられている転写材搬送系Iと、装置本体の略中央部に、上記転写材搬送系Iを構成している転写ドラム415に近接して設けられている潜像形成部IIと、上記潜像形成部IIと近接して配設されている現像手段(すなわち回転式現像装置)IIIとに大別される。
上記転写材搬送系Iは、以下の様な構成となっている。上記装置本体の右壁(図2右側)に開口部が形成されており、該開口部に着脱自在な転写材供給用トレイ402及び403が一部機外に突出して配設されている。該トレイ402及び403の略直上部には給紙用ローラ404及び405が配設され、これら給紙用ローラ404及び405と左方に配された矢印A方向に回転自在な転写ドラム405とを連係するように、給紙用ローラ406及び給紙ガイド407及び408が設けられている。上記転写ドラム415の外周面近傍には回転方向上流側から上流側に向かって当接用ローラ409、グリッパ410、転写材分離用帯電器411、分離爪412が順次配設されている。
上記転写ドラム415の内周側には転写帯電器413、転写材分離用帯電器414が配設されている。転写ドラム415の転写材が巻き付く部分にはポリ弗化ビニリデンの如き、ポリマーで形成されている転写シート(図示せず)が貼り付けられており、転写材は該転写シート上に静電的に密着貼り付けされている。上記転写ドラム415の右側上部には上記分離爪412と近接して搬送ベルト手段416が配設され、該搬送ベルト手段416の転写材搬送方向終端(右側)には定着装置418が配設されている。該定着装置418よりもさらに搬送方向の下流側には装置本体401の外へと延在し、装置本体401に対して着脱自在な排出用トレイ417が配設されている。
次に、上記潜像形成部IIの構成を説明する。図2の矢印方向に回転自在な潜像担持体である感光ドラム(例えば、OPC感光ドラム)419が、外周面を上記転写ドラム415の外周面と当接して配設されている。上記感光ドラム419の上方でその外周面近傍には、該感光ドラム419の回転方向上流側から下流側に向かって除電用帯電器420、クリーニング手段421及び一次帯電器423が順次配設され、さらに上記感光ドラム419の外周面上に静電潜像を形成するためのレーザービームスキャナのごとき像露光手段424、及びミラーのごとき像露光反射手段425が配設されている。
上記回転式現像装置IIIの構成は以下のごとくである。上記感光ドラム419の外周面と対向する位置に、回転自在な筐体(以下「回転体」という)426が配設され、該回転体426中には四種類の現像装置が周方向の四位置に搭載され、上記感光ドラム419の外周面上に形成された静電潜像を可視化(すなわち現像)するようになっている。上記四種類の現像装置は、それぞれイエロー現像装置427Y、マゼンタ現像装置427M、シアン現像装置427C及びブラック現像装置427BKを有する。
上記したごとき構成の画像形成装置全体のシーケンスについて、フルカラーモードの場合を例として説明する。上述した感光ドラム419が図2の矢印方向に回転すると、該感光ドラム419は一次帯電器423によって帯電される。図2の装置においては、感光ドラム419の周速(以下、プロセススピードとする)は100mm/sec以上(例えば、130〜250mm/sec)である。一次帯電器423による感光ドラム419に対する帯電が行われると、原稿428のイエロー画像信号にて変調されたレーザー光Eにより画像露光が行われ、感光ドラム419上に静電潜像が形成され、回転体426の回転によりあらかじめ現像位置に定置されたイエロー現像装置427Yによって上記静電潜像の現像が行われ、イエロートナー画像が形成される。
給紙ガイド407、給紙ローラ406、給紙ガイド408を経由して搬送されてきた転写材は、所定のタイミングにてグリッパ410により保持され、当接用ローラ409と該当接用ローラ409と対向している電極とによって静電的に転写ドラム415に巻き付けられる。転写ドラム415は、感光ドラム419と同期して図2矢印方向に回転しており、イエロー現像装置427Yにより形成されたイエロートナー画像は、上記感光ドラム419の外周面と上記転写ドラム415の外周面とが当接している部位にて転写帯電器413によって転写材上に転写される。転写ドラム415はそのまま回転を継続し、次の色(図2においてはマゼンタ)の転写に備える。
感光ドラム419は、上記除電用帯電器420により除電され、クリーニングブレードによるクリーニング手段421によってクリーニングされた後、再び一次帯電器423によって帯電され、次のマゼンタ画像信号により画像露光が行われ、静電潜像が形成される。上記回転式現像装置は、感光ドラム419上にマゼンタ画像信号による像露光により静電潜像が形成される間に回転して、マゼンタ現像装置427Mを上述した所定の現像位置に配置せしめ、所定のマゼンタトナーにより現像を行う。引き続いて、上述したごときプロセスをそれぞれシアン色及びブラック色に対しても実施し、四色のトナー像の転写が終了すると、転写材上に形成された三色顕画像は各帯電器422及び414により除電され、上記グリッパ410による転写材の把持が解除されると共に、該転写材は、分離爪412によって転写ドラム415より分離され、搬送ベルト416で定着装置418に送られ、熱と圧力により定着され一連のフルカラープリントシーケンスが終了し、所期のフルカラープリント画像が転写材の一方の面に形成される。
次に、図3を参照しながら、他の画像形成方法をより具体的に説明する。
図3に示す中間転写体を有する画像形成装置において、現像器54−1、54−2、54−3、54−4に、それぞれシアントナーを有する現像剤、マゼンタトナーを有する現像剤、イエロートナーを有する現像剤及びブラックトナーを有する現像剤が導入され、磁気ブラシ現像方式又は非磁性一成分現像方式等によって感光体51に形成された静電荷像を現像し、各色トナー像が感光体51上に形成される。感光体51はa−Se、Cds、ZnO、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラムもしくは感光ベルトである。感光体51は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転される。
感光体51としては、アモルファスシリコン感光層、又は有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する、単一層型でもよく、又は、電荷輸送層と電荷発生層とからなる機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
有機感光層の結着樹脂として、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂を使用した場合、特に、転写性、クリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光体51とは非接触である方式と、ローラ等を用いる接触型の方式がありいずれのものも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図3に示す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
帯電ローラ52は、中心の芯金52bとその外周を形成した導電性弾性層52aとを基本構成とするものである。帯電ローラ52は、感光体51面に押圧力をもって圧接され、感光体51の回転に伴い従動回転する。
帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラの当接圧が4.9〜490N/m(5〜500g/cm)で、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時には、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVであり、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜±5kVである。
この他の帯電手段としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
接触帯電手段としての帯電ローラ及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜をもうけても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適用可能である。
感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体55に転写される。転写後の感光体表面は、クリーニングブレード58を有するクリーニング手段59でクリーニングされる。
中間転写体55は、パイプ状の導電性芯金55bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層55aからなる。芯金55bは、プラスチックのパイプに導電性メッキをほどこしたものでも良い。
中抵抗の弾性体層55aは、シリコーンゴム、フッ素樹脂ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素の如き導電性付与材を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を10〜1011Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
中間転写体55は感光体51に対して並行に軸受けさせて感光体51の下面部に接触させて配設してあり、感光体51と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。
感光体51の面に形成・担持された第1色のトナー像が、感光体51と中間転写体55とが接する転写ニップ部を通過する過程で中間転写体55に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写体55の外面に対して順次に中間転写されていく。
必要応じて、着脱自在なクリーニング手段500により、転写材へのトナー像の転写後に、中間転写体55の表面がクリーニングされる。中間転写体上にトナー像がある場合、トナー像を乱さないようにクリーニング手段500は、中間転写体表面から離される。
中間転写体55に対して並行に軸受けさせて中間転写体55の下面部に接触させて転写手段が配設され、転写手段57は例えば転写ローラ又は転写ベルトであり、中間転写体55と同じ周速度で矢印の時計方向に回転する。転写手段57は直接中間転写体55と接触するように配設されていても良く、またベルト等が中間転写体55と転写手段57との間に接触するように配置されても良い。
転写ローラの場合、中心の芯金57bとその外周を形成した導電性弾性層57aとを基本構成とするものである。
中間転写体及び転写ローラとしては、一般的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値の10倍以上であることが特に好ましい。
中間転写体及び転写ローラの硬度は、JIS K−6301に準拠し測定される。本発明に用いられる中間転写体は、10〜40度の範囲の硬度を有する弾性層から構成されることが好ましく、一方、転写ローラの弾性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く41〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材の巻き付きを防止する上で好ましい。中間転写体と転写ローラの硬度が逆になると、転写ローラ側に凹部が形成され、中間転写体への転写材の巻き付きが発生しやすい。
転写手段57は中間転写体55と等速度或は周速度に差をつけて回転させる。転写材56は中間転写体55と転写手段57との間に搬送されると同時に、転写手段57にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを転写バイアス手段から印加することによって中間転写体55上のトナー像が転写材56の表面側に転写される。
転写用回転体の材質としては、帯電ローラと同様のものも用いることができ、好ましい転写のプロセス条件としては、ローラの当接圧が4.9〜490N/m(5〜500g/cm)で、直流電圧が±0.2〜±10kVである。
例えば、転写ローラの導電性弾性層57bは、カーボン等の導電材を分散させたポリウレタン、エチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)等の体積抵抗10〜1010Ωcm程度の弾性体でつくられている。芯金57aには定電圧電源によりバイアスが印加されている。バイアス条件としては、±0.2〜±10kVが好ましい。
次いで転写材56は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵させた加熱ローラとこれと押圧力をもって圧接された弾性体の加圧ローラとを基本構成とする定着器501へ搬送され、加熱ローラと加圧ローラ間を通過することによってトナー像が転写材に加熱加圧定着される。フィルムを介してヒータにより定着する方法を用いても良い。
次に、一成分系現像方法について説明する。本発明のトナーは、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法の如き一成分現像方法にも適用し得る。
磁性一成分現像方法について、図4をもとに説明する。
図4において、現像スリーブ73の略右半周面はトナー容器74内のトナー溜りに常時接触していて、その現像スリーブ73面近傍のトナーが現像スリーブ面にスリーブ内の磁気発生手段75の磁力で及び/又は静電気力により付着・保持される。現像スリーブ73が回転駆動されるとそのスリーブ面の磁性トナー層が規制部材76の位置を通過する過程で各部略均一厚さの薄層磁性トナーTとして形成される。磁性トナーの帯電は主として現像スリーブ73の回転に伴なうスリーブ面とその近傍のトナー溜りの磁性トナーとの摩擦接触によりなされ、現像スリーブ73上の上記磁性トナー薄層面は現像スリーブの回転に伴ない潜像保持体77側へ回転し、潜像保持体77と現像スリーブ73の最接近部である現像領域部Aを通過する。この通過過程で現像スリーブ73面側の磁性トナー薄層の磁性トナーが潜像保持体77と現像スリーブ73間に印加した直流と交流電圧によって発生した直流と交流電界により飛翔し、現像領域部Aの潜像保持体77面と、現像スリーブ73面との間(間隙α)を往復運動する。最終的には現像スリーブ73側の磁性トナーが潜像保持体77面の表面に潜像の電位パターンに応じて選択的に移行・付着してトナー像Tが順次に形成される。
現像領域部Aを通過して、磁性トナーが選択的に消費された現像スリーブ面はホッパ74のトナー溜りへ再回転することにより磁性トナーの再供給を受け、現像領域部Aへ現像スリーブ73の磁性トナー薄層T面が移送され、繰り返し現像工程が行われる。
図4において用いられるトナー薄層化手段としての規制部材76は、スリーブと一定の間隙をおいて配置される金属ブレード、磁性ブレード等のドクターブレードである。あるいは、ドクターブレードの代りに、金属,樹脂,セラミック製のローラーを用いても良い。さらにトナー薄層化規制部材として現像スリーブ(トナー担持体)表面に弾性力で当接する弾性ブレード、弾性ローラーを用いても良い。
弾性ブレード又は弾性ローラーを形成する材料としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体が使用できる。また、それらの複合体であっても良い。好ましくは、スリーブ当接部分はゴム弾性体あるいは樹脂弾性体がよい。
弾性ブレードを使用する場合の例を図5に示す。
弾性ブレード80上辺部側である基部は現像剤容器側に固定保持され、下辺部側をブレード80の弾性に抗して現像スリーブ89の順方向或いは逆方向にたわめ状態にしてブレード内面側(逆方向の場合には外面側)をスリーブ89表面に適度の弾性押圧をもって当接させる。この様な装置によると、環境の変動に対してもより安定に薄く、緻密なトナー層が得られる。
弾性ブレードを使用する場合、スリーブ,ブレード表面にトナーが融着し易すいが、本発明のトナーは離型性に優れ摩擦帯電性が安定しているので好ましく用いられる。
磁性一成分現像方法の場合、ブレード80とスリーブ89との当接圧力は、スリーブ母線方向の線圧として、0.98N/m(0.1kg/m)以上、好ましくは2.94〜245N/m(0.3〜25kg/m)、更に好ましくは4.9〜117.6N/m(0.5〜12kg/m)が有効である。潜像保持体88とスリーブ89との間隙αは、例えば50〜500μmに設定される。スリーブ89上の磁性トナー層の層厚は、潜像保持体88とスリーブ89との間隙αよりも薄いことが最も好ましいが、場合により磁性トナー層を構成する磁性トナーの多数の穂のうちの一部は潜像保持体88に接する程度に磁性トナー層の層厚を規制してもよい。
また現像スリーブ89は、潜像保持体88に対し、100〜200%の周速で回転される。バイアス印加手段86による交番バイアス電圧は、ピーク・トゥー・ピークで0.1kV以上、好ましくは0.2〜3.0kV、更に好ましくは0.3〜2.0kVで用いるのが良い。交番バイアス周波数は、0.5〜5.0kHz、好ましくは1.0〜3.0kHz、更に好ましくは1.5〜3.0kHzで用いられる。交番バイアス波形は、矩形波、サイン波、のこぎり波、及び三角波の如き波形が適用できる。また、正、逆の電圧、時間の異なる非対称交流バイアスも利用できる。また直流バイアスを重畳するのも好ましい。
トナーの各物性及び画像評価方法について以下に説明する。後述の実施例もこれらの評価方法に従っている。
−トナー物性−
(1)トナー粒子の平均円形度とモード円形度
本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亞医用電子製フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」を用いて測定を行い、3μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)を下式(2)によりそれぞれ求め、さらに下式(3)で示すように、測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数(m)で除した値を平均円形度(C)と定義する。
また、「モード円形度」とは、円形度を0.40から1.00までを0.01毎に61分割し、測定したトナーの円形度を円形度に応じて各分割範囲に割り振り、円形度頻度分布において頻度値が最大となる分割範囲の下限値である。
Figure 2005093521
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及びモード円形度の算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度0.40〜1.00を61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度の算出を行なう算出法を用いている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度の各値との誤差は、非常に少なく、実質的には無視出来る程度のものであり、本発明においては、算出時間の短絡化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いても良い。
具体的な測定方法としては、界面活性剤を約0.1mg溶解している水10mlにトナー約5mgを分散させて分散液を調整し、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5000〜2万個/μlとして、前記装置により測定を行い、3μm以上の円相当径の粒子群の平均円形度を求める。本発明における平均円形度とは、現像剤の凹凸の度合いの指標であり、現像剤が完全な球形の場合1.00を示し、現像剤の表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
なお、本測定において3μm以上の円相当径の粒子群についてのみ円形度を測定する理由は、3μm未満の円相当径の粒子群にはトナー粒子とは独立して存在する外部添加剤の粒子群も多数含まれるため、その影響によりトナー粒子群についての円形度が正確に見積もれないからである。
(2)トナー粒子の重量平均粒径の測定
本実施例においてトナーの重量平均粒径は、以下のようにして求めた。コールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続する。電解液として、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。それから、体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4)、個数分布から求めた個数基準の個数平均粒径(D1)を求めた。また、両者の値から(D4)/(D1)を算出して粒度分布のシャープさを示す指標とした。値が1.00に近い程、粒度分布がシャープであることを意味する。
(3)トナー粒子中の微粒子の測定
トナー粒子中の微粒子の測定は、フロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子株式会社製)を用いて行った。このとき、個数分布の2.12μm以下の粒径を有する粒子を微粒子として測定した(測定範囲:0.6μm以上)。
具体的な測定方法としては、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を約0.1mg溶解している水10mlにトナー粒子約5mgを分散させて分散液を調整し、超音波(SMT社製、UH−50型、周波数20kHz、出力50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5000〜2万個/μlとして、前記FPIA−1000により測定を行った。
(4)重合転化率の測定
重合転化率は、懸濁液1gに重合禁止剤を添加し、これをTHF4mlに溶解したものを用いてガスクロマトグラフィーにて以下の条件で内部標準法により測定した。
G.C.条件
測定装置:島津GC−15A(キャピラリー付)
キャリア:N, 2kg/cm 50ml/min. split
10ml/13s
カラム :ULBON HR−1 50m×0.25mm
昇 温 :50℃ 5min.保持
↓ 10℃/min.
100℃
↓ 20℃/min.
200℃ 保持
試料量 :2μl
標準物質:トルエン
(5)水系媒体中のアルコール濃度の測定
水系媒体中のアルコール濃度の測定は、ガスクロマトグラフィーにより次の様にして測定した。
重合反応液(スラリー)をメンブランフィルター(例えばアドバンテック東洋(株)製 ディスポーザブルメンブランフィルター 25JP020AN)を用いて濾過し、該濾液2μLをガスクロマトグラフィーで分析する。そして、予め該当するアルコールを用いて作成した検量線により、水系媒体中のアルコール濃度の測定を行う。また、分析は下記の条件により行った。
<分析条件>
GC: HP社 6890GC
カラム: HP社 INNOWax(200μm×0.40μm×50m)
キャリアーガス: He(コンスタントフローモード、初期流量;1.00ml/min、 平均線速度;25cm/sec)
オーブン: 50℃:10分ホールド、10℃/分で200℃まで昇温、200℃で5分ホールド。
INJ: 200℃、スプリットモード(圧力;32.8psi スプリット流量;30.0ml/min トータル流量;33.5ml/min)
スプリット比: 30.1:1.0
DET: 250℃(FID)
−画像評価−
画像評価及び耐久評価は以下の様に行った。
図2に示すような市販のデジタルフルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造機(定着器のオイル塗布機構を除いた)を用いて、常温常湿環境(23℃,60%RH)下、画像評価を行った。その後、印字面積比率1%の横ライン画像を7000枚間歇プリント耐久試験(すなわち、1枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させる手法で、1枚毎の再起動時と終了時の現像装置の予備動作でトナーの劣化を促進させる)を行い、その後画像評価を行った。更に、画像形成装置ごと低温低湿(15℃,10%RH)環境下に移動し、30日間放置後、画像評価を行い、その後、印字面積比率1%の横ライン画像の7000枚間歇プリント試験を行って最後に再び画像評価を行った。また、常温常湿環境(23℃,60%RH)下で7000枚の耐久試験を行った後、高温高湿(30℃,80%RH)環境下に移動し、同様な試験を行った。評価項目及び、評価方法は以下の通りである。
a)画像濃度
画像濃度は、「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度として測定した。
A:1.45≦画像濃度
B:1.30≦画像濃度<1.45
C:1.15≦画像濃度<1.30
D:1.00≦画像濃度<1.15
E:1.00>画像濃度
b)カブリ
カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して行った。フィルターは、シアンの場合はアンバーライト、イエローの場合はブルー、マゼンタ及びブラックの場合はグリーンフィルターを用い、下記の式より算出した。
カブリ(反射率)(%)=標準紙上の反射率(%)−サンプル非画像部の反射率(%)
A:カブリ(反射率)(%)≦1.0
B:1.0<カブリ(反射率)(%)≦2.0
C:2.0<カブリ(反射率)(%)≦3.0
D:3.0<カブリ(反射率)(%)≦4.0
E:4.0<カブリ(反射率)(%)≦5.0
F:5.0<カブリ(反射率)(%)
c)転写性
転写効率は、ベタ黒画像転写後の感光体上の転写残トナーをマイラーテープではぎ取り、紙上に貼ったもののマクベス濃度の値をC、転写後定着前のトナーの載った紙上にマイラーテープを貼ったもののマクベス濃度をE、未使用の紙上に貼ったマイラーテープのマクベス濃度をDとし、近似的に以下の式で計算した。
Figure 2005093521
A:98≦転写効率(%)
B:96≦転写効率(%)<98
C:94≦転写効率(%)<96
D:92≦転写効率(%)<94
E:90≦転写効率(%)<92
F:90>転写効率(%)
d)帯電安定性
トナーの帯電安定性はベタ黒画像を一枚出力したときのベタ黒画像中の最大濃度差を測定し、これを帯電安定性の指標とした。なお、画像濃度には上述a)の方法を用いる。
A:0.05>画像濃度差
B:0.1>画像濃度差≧0.05
C:0.2>画像濃度差≧0.1
D:0.2<画像濃度差
e)解像性
解像性は、潜像電界によって電界が閉じやすく、再現しにくい600dpiにおける小径孤立1ドットの再現性によって評価した。
A:100個中の欠損が5個以下
B:100個中の欠損が6〜10個
C:100個中の欠損が11〜20個
D:100個中の欠損が20個超
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、それらは本発明をなんら限定するものではない。なお、実施例中及び比較例中の部及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
(極性重合体1の製造例)
還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管,滴下装置及び減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール250部、2−ブタノン150部及び2−プロパノール100部、モノマーとしてスチレン92.5部、アクリル酸−2−エチルヘキシル5部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸2.5部を添加して撹拌しながら還流温度まで加熱した。重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート4.0部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を30分かけて滴下して4時間撹拌を継続し、更にt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.40部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、更に5時間撹拌して重合を終了した。
重合溶媒を減圧留去した後に得られた重合体を100μmのスクリーンを装着したカッターミルを用いて100μm以下に粗粉砕した。得られた重合体を極性重合体1とする。
<実施例1>
下記のようにして、水系分散媒及び重合性単量体組成物を夫々調製した。
水系分散媒の調製
イオン交換水900部に、リン酸三カルシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し水系媒体を作製した。
また、下記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、9,000rpmにて均一に溶解、分散して重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン 150部
・n−ブチルアクリレート 50部
・着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 16部
・極性重合体1 4部
・飽和ポリエステル樹脂 20部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000)
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCピーク60℃) 30部
・ジビニルベンゼン 0.6部
これに、重合開始剤(t−ブチルパーオキシピバレート(商品名パーブチルPV(日本油脂社製))4部を添加して均一に溶解、分散し、次いで反応容器中の前記水系媒体中に投入した。更にアルコール成分としてtert−ブチルアルコール(0.6部)を加え、64℃,窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて6000rpmで撹拌し、造粒した。
その後、プロペラ式撹拌装置に移して撹拌しつつ、1時間で65℃に昇温し、3時間後、昇温速度40℃/hrで92℃に昇温し、5時間反応させた。重合反応終了後に冷却し、希塩酸を添加して分散剤を溶解した。その後、固液分離をしたあと、スラリーの10倍の水量で洗浄し、濾過、真空乾燥を行うことによってシアントナー粒子1を得た。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節や必要に応じてtert−ブチルアルコールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には1800ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には7200ppmに調整した。
上記シアントナー粒子1の100部に対して、シリカ(アエロジル社製R972)1.5部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合して本発明のシアントナー1を得た。
このシアントナー6部に対し、アクリルコートされたフェライトキャリア94部を混合して現像剤を調製し、図2に示すような市販のデジタルフルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造機(定着器のオイル塗布機構を除いた)を用いて、画像評価及び耐久評価を行った。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
<実施例2〜4>
実施例1の着色剤をC.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントレッド122、カーボンブラック(デグサ社製;Printex L)にそれぞれ変更し、実施例1と同様の操作を行い、イエロートナー2、マゼンタトナー3、ブラックトナー4を得た。
トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節や必要に応じてtert−ブチルアルコールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時、更には重合転化率97%の時にそれぞれ表1に示す値に調整した。
<実施例5>
(疎水性酸化鉄1の製造)
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄イオンに対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
水溶液のpHを9前後に維持しながら、空気を吹き込み、80〜90℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.2当量となるように硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH8前後に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒子を洗浄、濾過して一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させた後、再分散液のpHを約6に調整し、充分撹拌しながらシランカップリング剤(n−C13Si(OCH)を磁性酸化鉄100部に対し3.0部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、カップリング処理を行った。生成した疎水性酸化鉄粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥し、次いで若干凝集している粒子を解砕処理して、平均粒径0.19μmの疎水性酸化鉄1を得た。
(磁性トナー5の製造)
水系分散媒の調製
イオン交換水900部に、リン酸三カルシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し水系媒体を調製した。
また、下記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、9,000rpmにて均一に溶解、分散して重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン 160部
・n−ブチルアクリレート 40部
・疎水性酸化鉄1 90部
・極性重合体1 4部
・飽和ポリエステル樹脂 20部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000)
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCピーク60℃) 30部
・ジビニルベンゼン 0.6部
これに、重合開始剤(t−ブチルパーオキシピバレート(商品名パーブチルPV(日本油脂社製))4部を添加して均一に溶解、分散し、次いで反応容器中の前記水系媒体中に投入した。更にアルコール成分としてtert−ブチルアルコール(0.6部)を加え、60℃,窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて6000rpmで撹拌し、造粒した。
その後、プロペラ式撹拌装置に移して撹拌しつつ、1時間で65℃に昇温し、3時間後、昇温速度40℃/hrで92℃に昇温し、5時間反応させた。重合反応終了後に冷却し、希塩酸を添加して分散剤を溶解した。その後、固液分離をし、スラリーの10倍の水量で洗浄し、濾過、乾燥によって磁性トナー粒子5を得た。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節や必要に応じてtert−ブチルアルコールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には1900ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には9200ppmに調整した。
上記磁性トナー粒子5の100部に対して、シリカ(アエロジル社製 R972)1.5部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合して本発明の磁性トナー5を得た。
この磁性トナー5を用い、図6に示す、磁性一成分現像剤を使用する現像装置を有する画像形成装置(LBP−1760(キヤノン製))を用いて画像評価及び耐久評価をおこなった。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
<実施例6>
下記のようにして、水系分散媒及び重合性単量体組成物を夫々調製した。
水系分散媒の調製
イオン交換水900部に、リン酸三カルシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し水系媒体を調製した。
また、下記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、9,000rpmにて均一に溶解、分散して重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン 150部
・n−ブチルアクリレート 50部
・着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 16部
・極性重合体1 4部
・飽和ポリエステル樹脂 20部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000)
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCピーク60℃) 30部
・ジビニルベンゼン 0.6部
これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6部を添加して均一に溶解、分散し、次いで反応容器中の前記水系媒体中に投入した。更にアルコール成分としてtert−アミルアルコール(0.2部)及び、n−ブチルアルコール(0.5部)を加え、64℃,窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて6000rpmで撹拌し、造粒した。
その後、プロペラ式撹拌装置に移して撹拌しつつ、1時間で65℃に昇温し、3時間後、昇温速度40℃/hrで94℃に昇温し、5時間反応させた。重合反応終了後に冷却し、希塩酸を添加して分散剤を溶解した。その後、固液分離をしたあと、スラリーの10倍の水量で洗浄し、濾過、真空乾燥を行うことによってシアントナー粒子6を得た。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節や必要に応じてn−ブチルアルコールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には700ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には2800ppmに調整した。また、重合反応中、n−ブチルアルコールは該水系媒体中に含まれるアルコール成分のうちの70〜80質量%を推移していた。
上記シアントナー粒子6の100部に対して、シリカ(アエロジル社製R972)1.5部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合して本発明のシアントナー6を得た。
このシアントナー6部に対し、アクリルコートされたフェライトキャリア94部を混合して現像剤を調製し、図2に示すような市販のデジタルフルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造機(定着器のオイル塗布機構を除いた)を用いて、画像評価及び耐久評価を行った。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
<実施例7>
実施例1の重合開始剤を2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とし、添加部数も6部に変更した。さらに重合温度を造粒した温度から昇温させることなく64℃で行い、重合反応時間も20時間に変更した。それ以外は実施例1と同様の操作を行い、シアントナー7を得た。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節や必要に応じてtert−ブチルアルコールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には1900ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には2400ppmに調整した。
<実施例8>
実施例1の重合開始剤を2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とし、添加部数も6部に変更した。さらに92℃への重合温度の昇温を75℃に変更した。それ以外は実施例1と同様の操作を行い、シアントナー8を得た。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節や必要に応じてtert−ブチルアルコールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には1700ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には3200ppmに調整した。
<実施例9>
実施例1の重合開始剤を2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)に変更し、添加部数も6部とした以外は実施例1と同様の操作を行い、シアントナー9を得た。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節やtert−ブチルアルコールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には800ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には9500ppmに調整した。
<実施例10>
実施例1の重合開始剤を2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)に変更し添加部数も6部に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、シアントナー10を得た。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節やtert−ブチルアルコールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には1300ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には6800ppmに調整した。
<実施例11>
実施例1の重合開始剤をtert−ブチルパーオキシアセテート(商品名;パーブチルA(日本油脂社製))に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、シアントナー11を得た。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節やtert−ブチルアルコールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には1500ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には3300ppmに調整した。
<実施例12>
実施例1の重合開始剤をtert−ブチルパーオキシネオデカノエート(商品名;パーブチルND(日本油脂社製))に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、シアントナー12を得た。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節やtert−ブチルアルコールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には1200ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には5600ppmに調整した。
<実施例13>
実施例1の重合開始剤を1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(商品名;パーオクタO(日本油脂社製))に変更し、添加部数も6部にした以外は実施例1と同様の操作を行い、シアントナー13を得た。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節やtert−ブチルアルコールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には1800ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には3100ppmに調整した。
<実施例14>
下記のようにして、水系分散媒及び重合性単量体組成物を夫々調製した。
水系分散媒の調製
イオン交換水900部に、リン酸三カルシウム8部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し水系媒体を作製した。
また、下記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、9,000rpmにて均一に溶解、分散した。
・スチレン 120部
・着色剤(カーボンブラック(デグサ社製;Printex L)
14部
・極性重合体1 8部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径2mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、混合物Aを得た。
上記混合物Aに更に
・スチレン 44部
・2−エチルヘキシルアクリレート 36部
・飽和ポリエステル樹脂 20部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000)
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCピーク60℃) 30部
・ジビニルベンゼン 0.6部
を加え、混合物Bを得た。
別容器中で上記混合物Bを65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散して重合性単量体組成物を調整した。これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6部を添加して均一に溶解、分散し、次いで反応容器中の上記水系媒体中に投入した。更にアルコール成分としてtert−ブチルアルコール(0.6部)を加え、65℃,Nパージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で3時間撹拌後、さらに85℃に昇温し、更に5時間継続して撹拌し重合反応を完了させた。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節やtert−ブチルアルコールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には1700ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には5500ppmに調整した。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2の状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させた。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄した。得られたケーキを1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=2の状態で2時間撹拌した。上記と同様にこのエマルションを加圧濾過し得られたケーキを再び1000部のイオン交換水に戻し、このエマルションに6%の塩化アルミニウム水溶液100部を添加し凝集させた。その後加圧濾過を用いてさらに2000部以上のイオン交換水で濾過洗浄し、同濾過機上で得られたケーキに90℃の温水3000部を添加し温水加熱処理を行ったところ、粒子同士が融着してなるブロック状の塊状物を形成した。このブロック状の塊状物を、40℃で乾燥後、ハンマーミルにて粗砕して、目開き1mmの篩を通過させ、さらにジェット気流を利用した衝突式粉砕機で微粉砕してシアントナー粒子14を得た。
上記シアントナー粒子100部に対して、シリカ(アエロジル社製 R972)1.5部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合してシアントナー14を得た。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
<実施例15>
下記のようにして、水系分散媒及び重合性単量体組成物を夫々調製した。
水系分散媒の調製
イオン交換水900部に、リン酸三カルシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し水系媒体を作製した。
また、下記処方を58℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、9,000rpmにて均一に溶解、分散して重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン 150部
・n−ブチルアクリレート 50部
・着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 16部
・極性重合体1 4部
・飽和ポリエステル樹脂 20部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000)
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCピーク60℃) 30部
・ジビニルベンゼン 0.6部
これに、重合開始剤(t−ブチルパーオキシピバレート(商品名パーブチルPV(日本油脂社製))16部を添加して均一に溶解、分散し、次いで反応容器中の前記水系媒体中に投入し、58℃,窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて6000rpmで撹拌し、造粒した。
その後、プロペラ式撹拌装置に移して撹拌しつつ、2時間で63℃に昇温し、3時間後、昇温速度10℃/hrで85℃に昇温し、5時間反応させた。重合反応終了後に冷却し、希塩酸を添加して分散剤を溶解した。その後、固液分離をしたあと、スラリーの10倍の水量で洗浄し、濾過、真空乾燥を行うことによってシアントナー粒子15を得た。
なお重合反応中は、特に反応系中の圧力の調節やtert−ブチルアルコールを添加することなく、上記温度制御により重合開始剤の分解速度を制御することにより、重合開始剤の分解生成物である水溶性のtert−ブチルアルコールの生成量を制御した。該手法により水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には1600ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には5100ppmに調整した。
上記シアントナー粒子15の100部に対して、無機微粉体として個数平均一次粒径が nmのシリカ(アエロジル社製 R972)1.5部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合して本発明のシアントナー15を得た。
トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
<比較例1>
実施例1の水系媒体中のアルコール濃度を、反応系中の圧力の調節やtert−ブチルアルコールを添加することにより、重合転化率が30%の時には400ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には6700ppmに調整する以外は同様の操作を行いシアントナー16を得た。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
<比較例2>
実施例1のアルコールの水系媒体中での濃度を、反応系中の圧力の調節やtert−ブチルアルコールを添加することにより、重合転化率が30%の時には2200ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には4300ppmに調整する以外は同様の操作を行いシアントナー17を得た。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
<比較例3>
実施例1のアルコールの水系媒体中での濃度を、反応系中の圧力の調節やtert−ブチルアルコールを添加することにより、重合転化率が30%の時には1200ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には2100ppmに調整する以外は同様の操作を行いシアントナー18を得た。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
<比較例4>
実施例1のアルコールの水系媒体中の濃度を、反応系中の圧力の調節やtert−ブチルアルコールを添加することにより、重合転化率が30%の時には1700ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には11500ppmに調整する以外は同様の操作を行いシアントナー19を得た。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
<比較例5>
下記のようにして、水系分散媒及び重合性単量体組成物を夫々調製した。
水系分散媒の調製
イオン交換水900部に、リン酸三カルシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し水系媒体を作製した。
また、下記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、9,000rpmにて均一に溶解、分散して重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン 150部
・n−ブチルアクリレート 50部
・着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 16部
・極性重合体1 4部
・飽和ポリエステル樹脂 20部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000)
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCピーク60℃) 30部
・ジビニルベンゼン 0.6部
これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6部を添加して均一に溶解、分散し、次いで反応容器中の前記水系媒体中に投入した。更にアルコール成分としてn−プロピルアルコール(0.6部)を加え、64℃,窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて6000rpmで撹拌し、造粒した。
その後、プロペラ式撹拌装置に移して撹拌しつつ、1時間で65℃に昇温し、4時間後、昇温速度40℃/hrで85℃に昇温し、5時間反応させた。重合反応終了後に冷却し、希塩酸を添加して分散剤を溶解した。その後、固液分離をしたあと、スラリーの10倍の水量で洗浄し、濾過、真空乾燥を行うことによってシアントナー粒子20を得た。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節や必要に応じてn−プロピルアルコールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には1800ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には5600ppmに調整した。
上記シアントナー粒子100部に対して、シリカ(アエロジル社製 R972)1.5部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合して本発明のシアントナー20を得た。
このシアントナー6部に対し、アクリルコートされたフェライトキャリア94部を混合して現像剤を調製し、図2に示すような市販のデジタルフルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造機(定着器のオイル塗布機構を除いた)を用いて、画像評価及び耐久評価を行った。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
<比較例6>
下記のようにして、水系分散媒及び重合性単量体組成物を夫々調製した。
水系分散媒の調製
イオン交換水900部に、リン酸三カルシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し水系媒体を作製した。
また、下記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、9,000rpmにて均一に溶解、分散して重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン 150部
・n−ブチルアクリレート 50部
・着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 16部
・極性重合体1 4部
・飽和ポリエステル樹脂 20部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000)
・ステアリン酸ステアリルワックス(DSCピーク60℃) 30部
・ジビニルベンゼン 0.6部
これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6部を添加して均一に溶解、分散し、次いで反応容器中の前記水系媒体中に投入した。更にアルコール成分としてn−ヘプタノール(0.6部)を加え、64℃,窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて6000rpmで撹拌し、造粒した。
その後、プロペラ式撹拌装置に移して撹拌しつつ、1時間で65℃に昇温し、4時間後、昇温速度40℃/hrで85℃に昇温し、5時間反応させた。重合反応終了後に冷却し、希塩酸を添加して分散剤を溶解した。その後、固液分離をしたあと、スラリーの10倍の水量で洗浄し、濾過、真空乾燥を行うことによってシアントナー粒子21を得た。
なお重合反応中は、反応系中の圧力の調節や必要に応じてn−ヘプタノールを添加することにより、水系媒体中のアルコール濃度を、重合転化率が30%の時には1600ppmに調整し、更には重合転化率97%の時には7500ppmに調整した。
上記シアントナー粒子21の100部に対して、シリカ(アエロジル社製R972)1.5部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合して本発明のシアントナー21を得た。
このシアントナー6部に対し、アクリルコートされたフェライトキャリア94部を混合して現像剤を調製し、図2に示すような市販のデジタルフルカラー複写機(CLC500,キヤノン製)の改造機(定着器のオイル塗布機構を除いた)を用いて、画像評価及び耐久評価を行った。トナーの物性を表1に、また評価結果を表2乃至5に示す。
Figure 2005093521
Figure 2005093521
Figure 2005093521
Figure 2005093521
Figure 2005093521

Claims (13)

  1. 重合性単量体と着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させ、重合開始剤を用いて重合するトナー粒子の製造方法において、
    該水系媒体中の炭素数4乃至6のアルコール濃度を、該重合性単量体の重合転化率30%においては500〜2000ppmであり、そして該重合性単量体の重合転化率97%においては2300〜10000ppmであるように調整することを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 炭素数4のアルコールが該水系媒体中に含まれるアルコール成分のうちの90質量%以上100質量%以下である請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 該炭素数4のアルコールが、tert−ブチルアルコールである請求項2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 該重合性単量体の重合転化率が30%を経過し、該重合性単量体の重合転化率が97%となる前において、重合反応温度を上昇させる請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 該重合性単量体の重合転化率が30%に達する前において、該水系媒体と炭素数4のアルコールの共沸点以下の温度で重合を行い、
    該重合性単量体の重合転化率が30%を経過し、該重合性単量体の重合転化率が97%となる前において、該水系媒体と炭素数4のアルコールの共沸点以上の温度で重合する請求項2に記載のトナー粒子の製造方法。
  6. 該重合開始剤の10時間半減期温度が40℃以上60℃未満である請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  7. 該重合開始剤が下記式(1)で示される構造を有する化合物である請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
    Figure 2005093521
    (式(1)中、Rは炭素数3以上8以下の非置換あるいは置換のアルキル基、炭素数3以上8以下の非置換あるいは置換のシクロアルキル基及び炭素数3以上8以下の非置換あるいは置換のアリール基からなる群より選択される基であり、そしてR、R及びRはそれぞれ非置換あるいは置換のアルキル基であって、R、R及びRの炭素数の和は3以上5以下である。)。
  8. 該トナー粒子が、該重合性単量体組成物を該水系媒体中に分散して造粒し、該重合開始剤を用いて懸濁重合し、製造される請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  9. 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、
    該トナー粒子が、
    重合性単量体と着色剤を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させ、重合開始剤を用いて重合するトナー粒子の製造方法であって、
    該水系媒体中の炭素数4乃至6のアルコール濃度を、該重合性単量体の重合転化率30%においては500〜2000ppmであり、そして該重合性単量体の重合転化率97%においては2300〜10000ppmであるように調整するトナー粒子の製造方法によって得られたトナー粒子であることを特徴とするトナー。
  10. 前記トナー粒子が、請求項2乃至8のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法によって得られたトナー粒子である請求項9に記載のトナー。
  11. 前記トナーの平均円形度が0.960以上1.000以下である請求項9に記載のトナー。
  12. 前記トナーのモード円形度が0.99以上1.00以下である請求項9に記載のトナー。
  13. 前記トナーが、トナー粒子と無機微粉体を含み、
    該無機微粉体は、シリカ、酸化チタン、及びアルミナから選ばれる少なくとも1種以上の無機微粉体であることを特徴とする請求項9に記載のトナー。
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