JPH05197185A - 熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法 - Google Patents

熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法

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JPH05197185A
JPH05197185A JP4027257A JP2725792A JPH05197185A JP H05197185 A JPH05197185 A JP H05197185A JP 4027257 A JP4027257 A JP 4027257A JP 2725792 A JP2725792 A JP 2725792A JP H05197185 A JPH05197185 A JP H05197185A
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JP
Japan
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group
isocyanate
heat
compound
isothiocyanate
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JP4027257A
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English (en)
Inventor
Kuniyasu Kawabe
邦康 河辺
Mitsuhiro Sasaki
三普 佐々木
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】少なくとも着色剤を含有する熱溶融性芯材と、
その芯材の表面を被覆するよう設けた外殻とにより構成
される熱圧力定着用カプセルトナーにおいて、該芯材中
に酸無水物基を1個以上有する共重合体を含有すること
を特徴とする熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造
方法。 【効果】本発明の熱圧力定着用カプセルトナーによれ
ば、カプセルトナーの内部から帯電性が制御でき、ヒー
トローラ等の熱圧力定着方式において耐オフセット性が
優れていて、低い定着温度で定着でき、また耐ブロッキ
ング性が優れていて、カブリのない鮮明な画像を多数回
にわたり安定に形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法、静電記録法などに於いて形成される静電潜像の現像
に用いられる熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来電
子写真法としては、米国特許第2297691 号、同第235780
9 号明細書等に記載されている如く、光導電性絶縁層を
一様に帯電させ、次いでその層を露光させ、その露光さ
れた部分上の電荷を消散させる事により電気的な潜像を
形成し、更に該潜像にトナーと呼ばれる着色された電荷
をもった微粉末を付着させる事によって可視化させ(現
像工程)、得られた可視像を転写紙等の転写材に転写さ
せた後(転写工程)、加熱、圧力あるいはその他適当な
定着法により永久定着させる(定着工程)工程からな
る。この様にトナーは単に現像工程のみならず、転写工
程、定着工程の各工程に於いて要求される機能を備えて
いなければならない。
【0003】一般にトナーは現像装置内で機械的動作中
に受ける剪断力、衝撃力による機械的な摩擦力を受け、
数千枚乃至数万枚コピーする間に劣化する。この様なト
ナーの劣化を防ぐには機械的な摩擦力に耐えうる分子量
の大きな強靭な樹脂を用いれば良いが、これらの樹脂は
一般に軟化点が高く、非接触定着方式であるオーブン定
着、赤外線によるラジアント定着では熱効率が悪いため
に定着が充分に行われず、又、接触定着方式で熱効率が
良いため広く用いられているヒートローラー等による熱
圧力定着方式に於いても、充分に定着させるためヒート
ローラーの温度を高くする必要が生じ、定着装置の劣
化、紙のカール、消費エネルギーの増大等の弊害を招く
ばかりでなく、この様な樹脂を使用すると粉砕性が悪い
ため、トナーを製造する際、製造効率が著しく低下す
る。そのため結着樹脂の重合度、更には軟化点も余り高
いものは用いる事ができない。
【0004】一方、ヒートローラー等による熱圧力定着
方式は加熱ローラー表面と被定着シートのトナー像面が
圧接触するため熱効率が著しく良く、低速から高速に至
るまで広く使用されているが、加熱ローラー面とトナー
像面が接触する際、トナーが加熱ローラー表面に付着し
て後続の転写紙等に転写される、所謂オフセット現象が
生じ易い。この現象を防止するため加熱ローラー表面を
弗素系樹脂等の離型性の優れた材料で加工するが、更に
加熱ローラー表面にシリコンオイル等の離型剤を塗布し
て対処している。しかしながら、シリコンオイル等を塗
布する方式は、定着装置が大きくなりコスト高となるば
かりでなく複雑になるためトラブルの原因にもなり易く
好ましいものではない。また、特公昭57−493 号、特開
昭50−44836 号、特開昭57−37353 号公報記載の如く、
樹脂を非対称化、架橋化させる事によってオフセット現
象を改善する方法があるが定着点は改善されていない。
【0005】一般に最低定着温度は低温オフセットと高
温オフセットの間にある為、使用可能温度領域は、最低
定着温度と高温オフセットとの間となり、最低定着温度
をできるだけ下げる事、高温オフセット発生温度をでき
るだけ上げる事により使用定着温度を下げる事ができる
と共に使用可能温度領域を広げる事ができ、省エネルギ
ー化、高速定着化、紙のカールを防ぐ事ができる。その
ため常に定着性、耐オフセット性の良いトナーが望まれ
ている。
【0006】従来より、トナーとして、芯材と、この芯
材の表面を被覆するよう設けられた外殻とにより構成さ
れたカプセルトナーを用いることにより、低温定着性を
図る技術が提案されている。その内、芯材として塑性変
形し易い低融点ワックス等を用いた場合(米国特許第3,
269,626 号、特公昭46−15876 号、特公昭44−9880号、
特開昭48−75032 号、特開昭48−75033 号)、圧力のみ
で定着可能となるが、定着強度が劣り、限定された用途
にのみ使用できる。又、芯材として液状のものを使用す
ると、殻材の強度が小さいと、圧力のみで定着はするも
のの、現像器内で割れて機内を汚す場合があり、殻材の
強度が大きいとカプセルを破壊するのに大きな圧力が必
要となり、光沢が強すぎる画像をもたらしてしまい、殻
材の強度調整が難しかった。
【0007】そこで、熱圧力定着用として、芯材として
単独使用では高温時にブロッキングを起こしてしまう
が、定着強度の向上をもたらすガラス転移点の低い樹脂
を用い、外殻として耐ブロッキング性等を付与する目的
で界面重合法にて高融点の樹脂壁を形成させた熱ローラ
ー定着用マイクロカプセル型トナーが考案されている
(特開昭61−56352 号)が、壁材料が高融点となってい
る為、芯材の性能を引き出しきれていなかった。又、同
様の考え方で芯材の定着強度を改良した熱ローラー定着
用カプセルトナーが提案されている(特開昭63−128357
号、同63−128358号、同63−128359号、同63−128360
号、同63−128361号、同63−128362号)が、製法がスプ
レードライ法の為、製造設備に負荷がかかると共に、こ
れらも殻材の工夫がなされていない為、芯材の性能を引
き出しきれていなかった。
【0008】また、カプセルトナーの外殻中、或いはカ
プセルトナーの表面に荷電制御剤を存在させてカプセル
トナーの帯電性を制御する試みもあるが、例えば現像過
程でキャリアとの摩擦等によりトナーから荷電制御剤が
脱離し、キャリアに付着し、トナーの帯電量が低下し、
地汚れが発生したり、機内でトナー飛散を起こしてしま
い、問題になることがあった。またトナーの表面に、荷
電制御剤が存在しない時は、キャリアの種類によっては
帯電速度が遅くなる場合があり、高速印字の際には地汚
れ、トナー飛散等が発生することがあった。
【0009】本発明は、以上の如き事情に基づいてなさ
れたものであって、その目的は、ヒートローラー等の熱
圧力定着方式において耐オフセット性が優れていて、低
い定着温度で定着でき、また耐ブロッキング性が優れて
いてる熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法を
提供することにある。また、本発明の目的はカプセルト
ナーの内部からトナーの帯電性を制御し、地汚れのない
鮮明な画像を多数回にわたり安定に形成することができ
る熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意研究の結果、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明の要旨は、 (1)少なくとも着色剤を含有する熱溶融性芯材と、そ
の芯材の表面を被覆するよう設けた外殻とにより構成さ
れる熱圧力定着用カプセルトナーにおいて、該芯材中に
酸無水物基を1個以上有する共重合体を含有することを
特徴とする熱圧力定着用カプセルトナー、 (2)酸無水物基を1個以上有する共重合体が、スチレ
ンと無水マレイン酸の共重合体であって、該共重合体の
熱溶融性芯材中の含有量が0.1〜30.0重量%であ
る前記(1)記載の熱圧力定着用カプセルトナー、 (3)外殻の主成分が(1) 1価のイソシアネート化合物
及び/又はイソチオシアネート化合物をイソシアネート
化合物及び/又はイソチオシアネート化合物全体の0〜
30モル%、(2) 2価以上のイソシアネート化合物及び/
又はイソチオシアネート化合物をイソシアネート化合物
及び/又はイソチオシアネート化合物全体の100 〜70モ
ル%と、(3) イソシアネート基及び/又はイソチオシア
ネート基と反応する活性水素を1個有する化合物をイソ
シアネート基及び/又はイソチオシアネート基と反応す
る化合物全体の0〜30モル%、(4) イソシアネート基及
び/又はイソチオシアネート基と反応する活性水素を2
個以上有する化合物をイソシアネート基及び/又はイソ
チオシアネート基と反応する化合物全体の100 〜70モル
%とを (1)+(2) のモル数と (3)+(4) のモル数との比
が1:1〜1:20の範囲で反応させてなる樹脂よりな
り、当該樹脂中全イソシアネート基及び/又はイソチオ
シアネート基が関与する結合の内、その数において少な
くとも30%以上のものが熱解離性を示す結合であること
を特徴とする前記(1)又は(2)記載の熱圧力定着用
カプセルトナー、 (4)熱解離性を示す結合が、フェノール性ヒドロキシ
ル基及び/又はチオール基とイソシアネート基及び/又
はイソチオシアネート基の反応に由来する結合である前
記(3)記載の熱圧力定着用カプセルトナー、 (5)フェノール性ヒドロキシル基を有する化合物が、
下式(I)で表される化合物、下式(II)で表される化
合物又は下式(III)で表される化合物の1種以上からな
る前記(3)記載の熱圧力定着用カプセルトナー、
【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、独立してH
、又は炭素数1〜9のアルキル基、アルケニル基、ア
ルコキシ基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若し
くはアリール基又はハロゲンを示す。)
【化5】 (式中、R6 、R7 、R8 、R9 は、独立してH 、又は
炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若しくはアリ
ール基又はハロゲンを示す。)
【化6】 (式中、R10、R11、R12、R13は、独立してH 、又は
炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若しくはアリ
ール基又はハロゲンを示す。) (6)フェノール性ヒドロキシル基及び/又はチオール
基と反応するイソシアネート基が、芳香環に直接結合し
ていることを特徴とする前記(3)記載の熱圧力定着用
カプセルトナー、 (7)カプセルトナー中、熱溶融性芯材の主成分となる
熱可塑性樹脂に由来するガラス転移点が、10〜50℃であ
る前記(1)〜(3)いずれか記載の熱圧力定着用カプ
セルトナー、 (8)カプセルトナーの軟化点が、80〜150 ℃であるこ
とを特徴とする前記(1)〜(3)いずれか記載の熱圧
力定着用カプセルトナー、 (9)少なくとも着色剤を含有する熱溶融性芯材と、そ
の芯材の表面を被覆するよう設けた外殻とにより構成さ
れる熱圧力定着用カプセルトナーの製造方法において、
該芯材の成分として酸無水物基を1個以上有する共重合
体を用いることを特徴とする熱圧力定着用カプセルトナ
ーの製造方法、並びに、 (10)少なくとも着色剤を含有する熱溶融性芯材と、
その芯材の表面を被覆するよう設けた外殻とにより構成
される熱圧力定着用カプセルトナーの製造方法におい
て、該芯材の成分として酸無水物基を1個以上有する共
重合体を用い、かつ外殻の主成分が、(1) 1価のイソシ
アネート化合物及び/又はイソチオシアネート化合物を
イソシアネート化合物及び/又はイソチオシアネート化
合物全体の0〜30モル%、(2) 2価以上のイソシアネー
ト化合物及び/又はイソチオシアネート化合物をイソシ
アネート化合物及び/又はイソチオシアネート化合物全
体の100 〜70モル%と、(3) イソシアネート基及び/又
はイソチオシアネート基と反応する活性水素を1個有す
る化合物をイソシアネート基及び/又はイソチオシアネ
ート基と反応する化合物全体の0〜30モル%、(4) イソ
シアネート基及び/又はイソチオシアネート基と反応す
る活性水素を2個以上有する化合物をイソシアネート基
及び/又はイソチオシアネート基と反応する化合物全体
の100 〜70モル%とを (1)+(2) のモル数と (3)+(4)
のモル数との比が1:1〜1:20の範囲で反応させてな
る樹脂よりなり、当該樹脂中全イソシアネート基及び/
又はイソチオシアネート基が関与する結合の内、その数
において少なくとも30%以上のものが熱解離性を示す結
合であるものを用いて外殻を形成することを特徴とする
熱圧力定着用カプセルトナーの製造方法、に関する。
【0011】本発明に用いられる酸無水物基を1個以上
有する共重合体としては、例えば酸無水物基を含有する
α,β−エチレン性共重合性単量体(A) とその他のα,
β−エチレン性共重合性単量体(B) の共重合体等が挙げ
られる。酸無水物基を含有するα,β−エチレン性共重
合性単量体(A) としては、無水イタコン酸、無水クロト
ン酸等や、下記一般式に示される化合物
【化7】 (式中、Q1 およびQ2 は独立してH、炭素数1〜3の
アルキル基、又はハロゲン原子を示す。)、例えば無水
マレイン酸、無水シトラコン酸、無水2,3−ジメチル
マレイン酸、クロロマレイン酸無水物、ジクロロマレイ
ン酸無水物、ブロモマレイン酸無水物、ジブロモマレイ
ン酸無水物等を挙げることができ、好ましくは無水マレ
イン酸、無水シトラコン酸等である。
【0012】その他のα, β−エチレン性共重合性単量
体(B) としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メ
チルスチレン、p−エチルスチレン、2,4 −ジメチルス
チレン、p−クロルスチレン、ビニルナフタレン等のス
チレン若しくはスチレン誘導体、例えばエチレン、プロ
ピレン、ブチレン、イソブチレン等の如きエチレン系不
飽和モノオレフィン類、例えば塩化ビニル、臭化ビニ
ル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ
酸ビニル、カプロン酸ビニル等の如きビニルエステル
類、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロ
ピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸
イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−
クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリ
ル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリ
ル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル
酸アミル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸
n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル
酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸
メトキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、
メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル等の如
きエチレン性モノカルボン酸及びそのエステル、例えば
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミ
ド等の如きエチレン性モノカルボン酸置換体、例えばマ
レイン酸ジメチル等の如きエチレン性ジカルボン酸及び
その置換体、例えばビニルメチルケトン等の如きビニル
ケトン類、例えばビニルメチルエーテル等の如きビニル
エーテル類、例えばビニリデンクロリド等の如きビニリ
デンハロゲン化物が挙げられる。これらのうち、スチレ
ン、(メタ)アクリル酸エステル等が反応性が高く好ま
しい。本発明に用いられる共重合体は、前記のような酸
無水物基を含有するα,β−エチレン性共重合性単量体
(A) 5〜95重量部と、その他のα,β−エチレン性共
重合性単量体(B) 95〜5重量部を重合反応させて得る
ことができる。このとき重合反応は、通常の付加重合等
により行うことができるが、これらの方法に限定される
ものではない。また、このように酸無水物基含有単量体
を使用した共重合体を用いることによりカプセルトナー
の内部から帯電制御を行うことが可能となる。本発明に
おいて酸無水物基を1個以上有する共重合体の熱溶融性
芯材中の含有量は、通常0.1〜30.0重量%、好ま
しくは0.3〜20.0重量%である。0.1重量%よ
り少ないとカプセル内部からの帯電制御に効果がなく、
30.0重量%を越えると界面重合、懸濁重合の際重合
前の粘度が高くなり製造が難しくなる。
【0013】本発明のカプセルトナーの芯材の主成分と
して用いられる樹脂としては、ガラス転移点が10℃以上
50℃以下であるポリエステル樹脂、ポリエステル・ポリ
アミド樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂等の熱可塑性
樹脂等が挙げられ、好ましくは、ビニル樹脂が挙げられ
る。ビニル樹脂を構成する単量体としては、例えば、ス
チレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルス
チレン、2,4 −ジメチルスチレン、p−クロルスチレ
ン、ビニルナフタレン等のスチレン若しくはスチレン誘
導体、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブ
チレン等の如きエチレン系不飽和モノオレフィン類、例
えば塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル等の如きビニルエステル類、例えばアクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロ
ピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、ア
クリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル
酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸
デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸メトキシエ
チル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸グ
リシジル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フ
ェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリ
ル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル
酸t−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸
イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウ
リル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等の如きエチレ
ン性モノカルボン酸及びそのエステル、例えばアクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の如
きエチレン性モノカルボン酸置換体、例えばマレイン酸
ジメチル等の如きエチレン性ジカルボン酸及びその置換
体、例えばビニルメチルケトン等の如きビニルケトン
類、例えばビニルメチルエーテル等の如きビニルエーテ
ル類、例えばビニリデンクロリド等の如きビニリデンハ
ロゲン化物、例えばN−ビニルピロール、N−ビニルピ
ロリドン等の如きN−ビニル化合物類が挙げられる。本
発明に係る芯材用の樹脂を構成する成分の内、樹脂の主
骨格形成にスチレンもしくはスチレン誘導体を50〜9
0重量%用い、樹脂の軟化温度等の熱特性の調節にエチ
レン性モノカルボン酸もしくはそのエステルを10〜5
0重量%用いることが、芯材用樹脂のガラス転移点を制
御し易く好ましい。
【0014】本発明に係る芯材用の樹脂を構成する単量
体組成物中に架橋剤を添加する場合、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3 −
ブチレングリコールジメタクリレート、1,6 −ヘキシレ
ングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタク
リレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレー
ト、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリロキシジエトキ
シフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジブ
ロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、フタル
酸ジアリルなど、一般の架橋剤を適宜(必要に応じて2
種以上組み合わせて)用いることができる。
【0015】これらの架橋剤の使用量は、重合性単量体
を基準にして0.001 〜15重量%、好ましくは0.1 〜10重
量%で使用するのが良い。これらの架橋剤の使用量が15
重量%より多いとトナーが熱で溶融しにくくなり、熱定
着性又は熱圧定着性が劣ることとなる。また使用量が0.
001 重量%より少ないと、熱圧力定着において、トナー
の一部が紙に完全に固着しないでローラー表面に付着
し、次の紙に転移するというオフセット現象を防ぎにく
くなる。又、上記単量体を、不飽和ポリエステルの存在
下に重合させてグラフトもしくは架橋重合体とし、芯材
用の樹脂としても良い。
【0016】又、芯材用の熱可塑性樹脂を製造する際使
用される重合開始剤としては、2,2'−アゾビス(2,4 −
ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロ
ニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カル
ボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4 −
ジメチルバレロニトリル、その他のアゾ系又はジアゾ系
重合開始剤:ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボ
ネート、キュメンハイドロパーオキサイド、2,4 −ジク
ロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイドの如き過酸化物系重合開
始剤が挙げられる。
【0017】重合体の分子量及び分子量分布を調節する
目的で、又は反応時間を調節する目的等で、二種類又は
それ以上の重合開始剤を混合して使用することもでき
る。重合開始剤の使用量は、重合単量体100 重量部に対
して0.1 〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
【0018】本発明においては、更に芯材中に荷電制御
剤を添加することもでき、添加する負帯電性荷電制御剤
としては、特に限定されることなく、例えば含金属アゾ
染料である「バリファーストブラック3804」、「ボ
ントロンS−31」、「ボントロンS−32」、「ボン
トロンS−34」(以上、オリエント化学社製)、「ア
イゼンスピロンブラックTVH」(保土ヶ谷化学社製)
等、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導
体の金属錯体、例えば「ボントロンE−81」、「ボン
トロンE−82」、「ボントロンE−85」(以上、オ
リエント化学社製)、4級アンモニウム塩、例えば「CO
PY CHARGE NX VP434」(ヘキスト社製)、ニトロイミダ
ゾール誘導体等を挙げることができる。
【0019】正帯電性荷電制御剤としては、特に限定さ
れることなく、例えばニグロシン染料として「ニグロシ
ンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブ
ラックSO」、「ボントロンN−01」、「ボントロン
N−07」、「ボントロンN−11」(以上、オリエン
ト化学社製)等、3級アミンを側鎖として含有するトリ
フェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例
えば「ボントロンP−51」(オリエント化学社製)、
セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARG
E PX VP435」(ヘキスト社製)等、ポリアミン樹脂、例
えば「AFP−B」(オリエント化学社製)、イミダゾ
ール誘導体等を挙げることができる。以上の荷電制御剤
は芯材中に0.1 〜8.0 重量%、好ましくは0.2 〜5.0 重
量%含有される。芯材中には必要に応じて、熱圧力定着
における耐オフセット性を改善する目的で、例えばポリ
オレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、部分ケン
化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、パラ
フィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールエ
ステル、シリコンワニス、脂肪族フロロカーボン、シリ
コンオイル等のオフセット防止剤を任意の一種以上含有
せしめても良い。
【0020】前記ポリオレフィンとしては、例えばポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の樹脂であっ
て、軟化点が80〜160 ℃のものである。前記脂肪酸金属
塩としては、例えばマレイン酸と亜鉛、マグネシウム、
カルシウム等との金属塩;ステアリン酸と亜鉛、カドミ
ウム、バリウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅、ア
ルミニウム、マグネシウム等との金属塩;二塩基性ステ
アリン酸鉛;オレイン酸と亜鉛、マグネシウム、鉄、コ
バルト、銅、鉛、カルシウム等との金属塩;パルミチン
酸とアルミニウム、カルシウム等との金属塩;カプリル
酸塩;カプロン酸鉛;リノール酸と亜鉛、コバルト等と
の金属塩;リシノール酸カルシウム;リシノレイン酸と
亜鉛、カドミウム等との金属塩及びこれらの混合物等が
挙げられる。前記脂肪酸エステルとしては、例えばマレ
イン酸エチルエステル、マレイン酸ブチルエステル、ス
テアリン酸メチルエステル、ステアリン酸ブチルエステ
ル、パルミチン酸セチルエステル、モンタン酸エチレン
グリコールエステル等が挙げられる。前記部分ケン化脂
肪酸エステルとしては、例えばモンタン酸エステルのカ
ルシウム部分ケン化物等が挙げられる。前記高級脂肪酸
としては、例えばドデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リシノール酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセ
リン酸、セラコレイン酸等及びこれらの混合物を挙げる
ことができる。前記高級アルコールとしては、例えばド
デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルア
ルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール等を挙げ
ることができる。前記パラフィンワックスとしては、例
えば天然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィ
ン、塩素化炭化水素等が挙げられる。前記アミド系ワッ
クスとしては、例えばステアリン酸アミド、オレイン酸
アミド、パルミチン酸アミド、ラウリル酸アミド、ベヘ
ニン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレン
ビスステアロアミド、N,N'−m−キシリレンビスステア
リン酸アミド、N,N'−m−キシリレンビス−12−ヒドロ
キシステアリン酸アミド、N,N'−イソフタル酸ビスステ
アリルアミド、N,N'−イソフタル酸ビス−12−ヒドロキ
システアリルアミド等が挙げられる。前記多価アルコー
ルエステルとしては、例えばグリセリンステアレート、
グリセリンリシノレート、グリセリンモノベヘネート、
ソルビタンモノステアレート、プロピレングリコールモ
ノステアレート、ソルビタントリオレート等が挙げられ
る。前記シリコンワニスとしては、例えばメチルシリコ
ンワニス、フェニルシリコンワニス等が挙げられる。前
記脂肪族フロロカーボンとしては、例えば四フッ化エチ
レン、六フッ化プロピレンの低重合化合物或いは特開昭
53−124428号公報記載の含フッ素界面活性剤等が挙げら
れる。
【0021】但し、カプセルトナー製造にて、界面重合
法、もしくはin−situ重合法により外殻を形成させる場
合は前記高級脂肪酸、高級アルコール等のイソシアネー
ト基と反応可能な官能基を有する化合物を多用すること
は外殻形成を阻害し、カプセルトナーの保存安定性を悪
化させる為、好ましくない。これらのオフセット防止剤
の芯材中の樹脂に対する割合は1〜20重量%が好まし
い。
【0022】本発明において、カプセルトナーの芯材中
に着色剤が含有されるが、従来のトナー用着色剤に用い
られている染料、顔料等のすべてを使用できる。本発明
に用いられる着色剤としては、サーマルブラック法、ア
セチレンブラック法、チャンネルブラック法、ランプブ
ラック法等により製造される各種のカーボンブラック、
カーボンブラックの表面を樹脂で被覆しているグラフト
化カーボンブラック、ニグロシン染料、フタロシアニン
ブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファー
ストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン
−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド14
6 、ソルベントブルー35等及びそれらの混合物等を挙げ
る事ができ、通常、芯材中の樹脂 100重量部に対して1
〜15重量部程度が使用される。
【0023】磁性カプセルトナーを生成させるには、芯
材中に磁性粒子を添加すれば良い。磁性粒子としては、
例えば、フェライト、マグネタイトを始めとする鉄、コ
バルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属もしくは合金
又はこれらの元素を含む化合物、或いは強磁性元素を含
まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示す
ようになる合金、例えはマンガン−銅−アルミニウム、
マンガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含むホイスラ
ー合金と呼ばれる種類の合金、又は二酸化クロム、その
他を挙げることができる。これらの磁性体は平均粒径0.
1 〜1μm の微粉末の形で芯材中に均一に分散される。
そしてその含有量は、カプセルトナー100 重量部当たり
20〜70重量部、好ましくは30〜70重量部である。なお、
磁性トナーとするために磁性体微粉末を含有せしめる場
合には、着色剤の場合と同様に処理すればよいが、その
ままでは芯材材料、単量体等の有機物質に対する親和性
が低いので、磁性体微粉末をチタンカップリング剤、シ
ランカップリング剤、レシチン等のいわゆるカップリン
グ剤と共に或いはカップリング剤により処理した上で用
いると、磁性体微粉末を均一に分散せしめることができ
る。
【0024】本発明において、熱圧力定着用カプセルト
ナーの外殻の主成分は、(1) 1価のイソシアネート化合
物及び/又はイソチオシアネート化合物をイソシアネー
ト化合物及び/又はイソチオシアネート化合物全体の0
〜30モル%、(2) 2価以上のイソシアネート化合物及び
/又はイソチオシアネート化合物をイソシアネート化合
物及び/又はイソチオシアネート化合物全体の100 〜70
モル%と、(3) イソシアネート基及び/又はイソチオシ
アネート基と反応する活性水素を1個有する化合物をイ
ソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基と反応
する化合物全体の0〜30モル%、(4) イソシアネート基
及び/又はイソチオシアネート基と反応する活性水素を
2個以上有する化合物をイソシアネート基及び/又はイ
ソチオシアネート基と反応する化合物全体の100 〜70モ
ル%とを (1)+(2) のモル数と (3)+(4) のモル数との
比が1:1〜1:20の範囲で反応させてなる樹脂よりな
り、当該樹脂中全イソシアネート基及び/又はイソチオ
シアネート基が関与する結合の内、その数において少な
くとも30%以上のものが熱解離性を示す結合であること
が好ましい。
【0025】本発明において熱解離性を示す結合とは、
イソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基が活
性水素を有する化合物と反応すると、アミド、ウレタ
ン、ウレア、チオアミド、チオウレタン、チオウレア結
合等を生成するが、加熱時に該結合が切れ、イソシアネ
ート基、イソチオシアネート基が再生するところの結合
をいい、当該温度に達する迄はその結合は解離平衡にあ
る性質を示すものをいう。ここで、該結合の切れる温度
としては200℃以下が好ましい。本発明においては中
でも、フェノール性ヒドロキシル基及び/又はチオール
基とイソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基
の反応に由来する結合であることが好ましく、例えば熱
解離性を有するウレタン結合とはある温度でウレタン結
合がイソシアネート基とヒドロキシル基に解離する結合
のことで、ブロックドイソシアネートとも云われ、塗料
の分野で良く知られている。ポリイソシアネート類のブ
ロッキングは、イソシアネート基と活性水素含有化合物
との間の反応を一時的に防止するための周知の方法であ
り、Z.W.Wicks Jr.,Prog. in Org. Coatings, 3, 73(19
75)等の文献中に種々のブロッキング剤、例えば、第3
級アルコール類、フェノール類、アセト酢酸エステル、
マロン酸エチルなどが記載されている。
【0026】本発明で好適に用いられる熱解離性ポリウ
レタンでは、熱解離温度が低いことが重要であり、G.R.
Grittin and L.J.Willwerth, Ind. Eng. Chem. Prod. R
es.Develop., 1, 265(1962)等の文献に記載された結果
にも見られる様に、ウレタン結合の中でもイソシアネー
ト化合物とフェノール性ヒドロキシル基との反応より生
成されるウレタン結合を有する樹脂が熱解離温度が低
く、好ましく用いられる。
【0027】熱解離は平衡反応であり、例えば下記式の
如くで、昇温と共に右式から左式へと反応は進むことが
知られている。
【化8】 (式中、Arは芳香族基を示す。)
【0028】本発明に用いられる(1) の1価のイソシア
ネート化合物としては、イソシアン酸エチル、イソシア
ン酸オクチル、イソシアン酸2−クロロエチル、イソシ
アン酸クロロスルホニル、イソシアン酸シクロヘキシ
ル、イソシアン酸n−ドデシル、イソシアン酸ブチル、
イソシアン酸n−ヘキシル、イソシアン酸ラウリル、イ
ソシアン酸フェニル、イソシアン酸m−クロロフェニ
ル、イソシアン酸4−クロロフェニル、イソシアン酸p
−シアノフェニル、イソシアン酸 3,4−ジクロロフェニ
ル、イソシアン酸o−トリル、イソシアン酸m−トリ
ル、イソシアン酸p−トリル、イソシアン酸p−トルエ
ンスルホニル、イソシアン酸1−ナフチル、イソシアン
酸o−ニトロフェニル、イソシアン酸m−ニトロフェニ
ル、イソシアン酸p−ニトロフェニル、イソシアン酸フ
ェニル、イソシアン酸p−ブロモフェニル、イソシアン
酸o−メトキシフェニル、イソシアン酸m−メトキシフ
ェニル、イソシアン酸p−メトキシフェニル、イソシア
ナト酢酸エチル、イソシアナト酢酸ブチル、イソシアン
酸トリクロロアセチル等の1価のイソシアネート化合物
等が挙げられる。
【0029】本発明に用いられる(2) の2価以上のイソ
シアネート化合物としては、例えば、2,4 −トリレンジ
イソシアネート、2,4 −トリレンジイソシアネートの二
量体、2,6 −トリレンジイソシアネート、p−キシリレ
ンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5 −
ナフチレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−ジフェ
ニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメチル−ジフ
ェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、メタフェニレ
ンジイソシアネート、トリフェニルメタン−トリイソシ
アネート、ポリメチレンフェニルイソシアネート等の如
き芳香族イソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネ
ート等の如き脂肪族イソシアネート化合物、イソホロン
ジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシ
ルイソシアネート) 、メチルシクロヘキサン−2,4(又は
2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン等の如き脂環族イソシアネート化合
物、トリレンジイソシアネート3モルとトリメチロール
プロパン1モルとの付加体等の如きイソシアネート化合
物等が挙げられる。中でも芳香環にイソシアネート基が
直接結合している化合物がウレタン結合生成後、熱解離
温度を下げるのに効果があり、好ましく用いられる。
【0030】またイソチオシアネート化合物としては、
イソチオシアン酸フェニル、キシリレン−1,4 −ジイソ
チオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等の
化合物等が挙げられる。
【0031】本発明において、(1) の1価のイソシアネ
ート化合物及び/又はイソチオシアネート化合物は外殻
樹脂の分子量調整も兼ねてイソシアネート化合物及び/
又はイソチオシアネート化合物全体の30モル%迄用いる
ことができるが、30モル%を超えるとカプセルトナーの
保存安定性が悪化し好ましくない。
【0032】本発明において、(3) のイソシアネート基
及び/又はイソチオシアネート基と反応する活性水素を
1個有する化合物としては、メチルアルコール、エチル
アルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−
ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアル
コール、シクロヘキシルアルコール、ヘプチルアルコー
ル、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルア
ルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール
等の脂肪族アルコール、フェノール、o−クレゾール、
m−クレゾール、p−クレゾール、4−ブチルフェノー
ル、2−sec −ブチルフェノール、2−tert−ブチルフ
ェノール、3−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブ
チルフェノール、ノニルフェノール、イソノニルフェノ
ール、2−プロペニルフェノール、3−プロペニルフェ
ノール、4−プロペニルフェノール、2−メトキシフェ
ノール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノ
ール、3−アセチルフェノール、3−カルボメトキシフ
ェノール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノー
ル、4−クロロフェノール、2−ブロモフェノール、3
−ブロモフェノール、4−ブロモフェノール、ベンジル
アルコール、1−ナフトール、2−ナフトール、2−ア
セチル−1−ナフトール等の芳香族アルコール、ε−カ
プロラクタム等のアミド類等の化合物が挙げられる。
【0033】中でも、下式(I)で表されるフェノール
誘導体が好ましく用いられる。
【化9】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、独立してH
、又は炭素数1〜9のアルキル基、アルケニル基、ア
ルコキシ基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若し
くはアリール基又はハロゲンを示す。)
【0034】本発明に用いられる(4) のイソシアネート
基及び/又はイソチオシアネート基と反応する活性水素
を2個以上有する化合物の内、2価以上のアルコール化
合物としては、例えばカテコール、レゾルシン、ハイド
ロキノン、4−メチルカテコール、4−t −ブチルカテ
コール、4−アセチルカテコール、3−メトキシカテコ
ール、4−フェニルカテコール、4−メチルレゾルシ
ン、4−エチルレゾルシン、4−t−ブチルレゾルシ
ン、4−ヘキシルレゾルシン、4−クロロレゾルシン、
4−ベンジルレゾルシン、4−アセチルレゾルシン、4
−カルボメトキシレゾルシン、2−メチルレゾルシン、
5−メチルレゾルシン、t−ブチルハイドロキノン、2,
5 −ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5 −ジ−t−ア
ミルハイドロキノン、テトラメチルハイドロキノン、テ
トラクロロハイドロキノン、メチルカルボアミノハイド
ロキノン、メチルウレイドハイドロキノン、ベンゾノル
ボルネン−3,6 −ジオール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールS、3,3'−ジクロロビスフェノールS、2,2'−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4 −ジヒドロキシベン
ゾフェノン、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'
−ジヒドロキシジフェニル、4,4'−ジヒドロキシジフェ
ニル、2,2'−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,4 −ビ
ス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,4 −ビス
(2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルアミン、1,
3 −ジヒドロキシナフタレン、1,4 −ジヒドロキシナフ
タレン、1,5 −ジヒドロキシナフタレン、2,6 −ジヒド
ロキシナフタレン、1,5 −ジヒドロキシアントラキノ
ン、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキ
シベンジルアルコール、2−ヒドロキシ−3,5 −ジ−t
−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシ−3,5 −
ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシフ
ェネチルアルコール、2−ヒドロキシエチル−4−ヒド
ロキシベンゾエート、2−ヒドロキシエチル−4−ヒド
ロキシフェニルアセテート、レゾルシンモノ−2−ヒド
ロキシエチルエーテル、ヒドロキシヒドロキノン、ガリ
ック酸、3,4,5 −トリヒドロキシ安息香酸エチル等が挙
げられる。中でも下式(II)で表されるカテコール誘導
体又は下式(III)で表されるレゾルシン誘導体が好まし
く用いられる。
【0035】
【化10】 (式中、R6 、R7 、R8 、R9 は、独立してH 、又は
炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若しくはアリ
ール基又はハロゲンを示す。)
【0036】
【化11】 (式中、R10、R11、R12、R13は、独立してH 、又は
炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若しくはアリ
ール基又はハロゲンを示す。)
【0037】その他、イソシアネート基及び/又はイソ
チオシアネート基と反応するフェノール性ヒドロキシル
基を1つ有する化合物としては、例えば、o−ヒドロキ
シ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ
安息香酸、5−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸、3−
クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、4−クロロ−2−ヒ
ドロキシ安息香酸、5−クロロ−2−ヒドロキシ安息香
酸、3,5 −ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メ
チル−2−ヒドロキシ安息香酸、5−メトキシ−2−ヒ
ドロキシ安息香酸、3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、
5−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、2,5 −ジニトロ
サリチル酸、スルホサリチル酸、4−ヒドロキシ−3−
メトキシフェニル酢酸、カテコール−4−カルボン酸、
2,4 −ジヒドロキシ安息香酸、2,5 −ジヒドロキシ安息
香酸、2,6 −ジヒドロキシ安息香酸、3,4 −ジヒドロキ
シ安息香酸、3,5 −ジヒドロキシ安息香酸、3,4 −ジヒ
ドロキシフェニル酢酸、m−ヒドロキシ桂皮酸、p−ヒ
ドロキシ桂皮酸、2−アミノ−4−メチルフェノール、
2−アミノ−5−メチルフェノール、5−アミノ−2−
メチルフェノール、3−アミノ−2−ナフトール、8−
アミノ−2−ナフトール、1−アミノ−2−ナフトール
−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−4−
スルホン酸、2−アミノ−4−ニトロフェノール、4−
アミノ−2−ニトロフェノール、4−アミノ−2,6 −ジ
クロロフェノール、o−アミノフェノール、m−アミノ
フェノール、p−アミノフェノール、4−クロロ−2−
アミノフェノール、1−アミノ−4−ヒドロキシアント
ラキノン、5−クロロ−2−ヒドロキシアニリン、α−
シアノ−3−ヒドロキシ桂皮酸、α−シアノ−4−ヒド
ロキシ桂皮酸、1−ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロ
キシナフトエ酸、3−ヒドロキシナフトエ酸、4−ヒド
ロキシフタル酸等が挙げられる。
【0038】また1分子中にイソシアネート基及び/又
はイソチオシアネート基と反応する1個以上のチオール
基を有するポリチオール化合物としては、エタンチオー
ル、1−プロパンチオール、2−プロパンチオール、チ
オフェノール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテ
ル、1,2 −エタンジチオール、1,4 −ブタンジチオー
ル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、エチレ
ングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチ
レングリコールビス(3−メルカプトプロピオネー
ト)、2,2 −ジメチルプロパンジオールビス(2−メル
カプトアセテート)、2,2 −ジメチルプロパンジオール
ビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロー
ルプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリ
メチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネ
ート)、トリメチロールエタントリス(2−メルカプト
アセテート)、トリメチロールエタントリス(3−メル
カプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ
キス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリト
ールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジ
ペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトアセ
テート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メ
ルカプトプロピオネート)、1,2 −ジメルカプトベンゼ
ン、4−メチル−1,2 −ジメルカプトベンゼン、3,6 −
ジクロロ−1,2 −ジメルカプトベンゼン、3,4,5,6 −テ
トラクロロ−1,2 −ジメルカプトベンゼン、キシリレン
ジチオール、1,3,5 −トリス(3−メルカプトプロピ
ル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
【0039】本発明に用いられる熱解離性外殻用樹脂に
おいて、熱解離する結合は、全イソシアネート基及び/
又はイソチオシアネート基が関与する結合の内、その数
で少なくとも30%以上必要で、好ましくは50%あれば良
い。この熱解離する結合が全イソシアネート基及び/又
はイソチオシアネート基が関与する結合の数の30%未満
では熱圧力定着時にカプセル外殻強度の低下が充分でな
く、芯材の優れた定着性能を引き出しきれない。
【0040】本発明においては、全イソシアネート基及
び/又はイソチオシアネート基が関与する結合の内、フ
ェノール性ヒドロキシル基及び/又はチオール基との反
応による結合がその数で30%を下回らない範囲でフェノ
ール性ヒドロキシル基及び/又はチオール基以外でイソ
シアネート基と反応する官能基を有する化合物、例えば
下記に示す如きマロン酸エステル類、アセト酢酸エステ
ル類のような活性メチレン基含有化合物、メチルエチル
ケトンオキシムのようなオキシム類、カルボン酸、ポリ
オール、ポリアミン、アミノカルボン酸、アミノアルコ
ール等を外殻形成物質として使用できる。
【0041】上記活性メチレン基含有化合物としては、
マロン酸、マロン酸モノメチル、マロン酸モノエチル、
マロン酸イソプロピル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジ
エチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸tert−ブチ
ルエチル、マロン酸ジアミド、アセチルアセトン、アセ
ト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸tert−ブ
チル、アセト酢酸アリル等の活性メチレン基含有化合物
を挙げることができる。
【0042】上記カルボン酸としては、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、イソ酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、安息
香酸等の1価のカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、
シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、
セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニル
コハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハ
ク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク
酸、n−オクチルコハク酸等の2価のカルボン酸、1,2,
4 −ベンゼントリカルボン酸、2,5,7 −ナフタレントリ
カルボン酸、1,2,4 −ナフタレントリカルボン酸、1,2,
4 −ブタントリカルボン酸、1,2,5 −ヘキサントリカル
ボン酸、1,3 −ジカルボキシル−2−メチル−2−メチ
レンカルボキシプロパン、1,2,4 −シクロヘキサントリ
カルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、
1,2,7,8 −オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット
酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸を挙
げることができる。
【0043】上記ポリオールとしては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等
のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、
トリメチロールエタン、1,2,6 −ヘキサントリオール等
のトリオール類、ペンタエリスリトール、及び、水等が
挙げられ、上記ポリアミンとしては、例えばエチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、イミノビスプロピルアミン、フェニレンジアミン、
キシリレンジアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げ
られる。
【0044】本発明において、(3) のイソシアネート基
及び/又はイソチオシアネート基と反応する活性水素を
1個有する化合物は、イソシアネート基及び/又はイソ
チオシアネート基と反応する化合物全体の30モル%迄用
いる事ができるが、30モル%を超えるとカプセルトナー
の保存安定性が悪化し好ましくない。
【0045】また外殻を構成するイソシアネート化合物
及び/又はイソチオシアネート化合物〔(1) +(2) 〕
と、イソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基
と反応する化合物〔(3) +(4) 〕のモル数の比は、未反
応のイソシアネート基を残存させないために、1:1〜
1:20が好ましい。
【0046】本発明の熱圧力定着用カプセルトナーは、
少なくとも着色剤を含有する熱溶融性芯材と、その芯材
の表面を被覆するよう設けた外殻とにより構成される熱
圧力定着用カプセルトナーの製造方法において、該芯材
の成分として酸無水物基を1個以上有する共重合体を用
いることを特徴とするものである。このように予め酸無
水物基を取り込ませた共重合体を用いることにより、酸
無水物基を有する単量体を用いて芯材樹脂をカプセル化
反応で合成するよりもカプセルトナーの製造を安定化で
きる。
【0047】本発明の熱圧力定着用カプセルトナーの製
造方法において、外殻形成は界面重合、in−situ重合に
より行われるのが好ましいが、例えば芯物質としての母
粒子と数平均粒子径が母粒子の数平均粒子径の 1/8以下
である外殻形成材料の子粒子とを気流中で高速撹拌して
外殻を形成するといった乾式法にて行われてもよい。外
殻の主成分は前記のような樹脂よりなる。このような外
殻用樹脂は無触媒でも製造できるが、触媒を使用する場
合は、ジブチル錫ジラウレート等の錫系触媒、1,4 −ジ
アザビシクロ〔2.2.2 〕オクタン、N,N,N −トリス(ジ
メチルアミノプロピル)−ヘキサヒドロ−S−トリアジ
ン等のアミン系触媒等、公知のウレタン触媒を使用する
ことができる。
【0048】本発明の熱圧力定着用カプセルトナーを界
面重合法、もしくはin−situ重合法にて製造する場合、
前記のような外殻構成材料、芯材構成材料を分散媒に分
散させるが、分散質の凝集、合体を防ぐ為に、分散媒中
に分散安定剤を含有させておく必要がある。分散安定剤
としては、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニ
ルアルコール、ポリスチレンスルホン酸、ヒドロキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース
ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウ
ム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリ
ウム、アリル−アルキル−ポリエーテルスルホン酸ナト
リウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウ
ム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カ
プロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン
酸カルシウム、3,3 −ジスルホンジフェニル尿素−4,4
−ジアゾ−ビス−アミノ−β−ナフトール−6−スルホ
ン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−
ジメチルアニリン、2,2,5,5 −テトラメチル−トリフェ
ニルメタン−4,4 −ジアゾ−ビス−β−ナフトール−ジ
スルホン酸ナトリウム、コロイダルシリカ、アルミナ、
リン酸三カルシウム、水酸化第二鉄、水酸化チタン、水
酸化アルミニウム、その他を使用することができる。こ
れらの分散安定剤は二種以上を併用してもよい。
【0049】前記分散安定剤の分散媒としては、水、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エ
チレングリコール、グリセリン、アセトニトリル、アセ
トン、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等が挙げられる。これらを単独あるいは混合し
て用いることも可能である。
【0050】また、帯電量制御を目的として本発明によ
るカプセルトナーの外殻材料中には先に例示した如き荷
電制御剤を適量添加してもよいし、また、この荷電制御
剤をトナーと混合して用いることもできるが芯材中の荷
電制御剤で帯電性を制御しているため、それらを添加す
る場合でも添加量は少なくてすむ。
【0051】本発明において、カプセルトナー中、熱溶
融性芯材の主成分が熱可塑性樹脂よりなり、当該樹脂に
由来するガラス転移点が10℃以上50℃以下であることが
好ましいが、ガラス転移点が10℃未満ではカプセルトナ
ーの保存安定性が悪化し、50℃を越えるとカプセルトナ
ーの定着強度が悪化し好ましくない。本発明において、
ガラス転移点とは示差走査熱量計(セイコー電子工業社
製)を用い、昇温速度10℃/min で測定した際に、ガラ
ス転移点以下のベースラインの延長線とピークの立ち上
がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す
接線との交点の温度をいう。本発明において、カプセル
トナーとしての軟化点は80℃以上150 ℃以下であること
が好ましいが、80℃未満では耐オフセット性が悪化し、
150 ℃を越えると定着強度が悪化し好ましくない。本発
明において、軟化点とは高化式フローテスター(島津製
作所製)を用い、1cm3 の試料を昇温速度6℃/min で
加熱しながらプランジャーにより20kg/cm2 の荷重を与
え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、
これによりフローテスターのプランジャー降下量(流れ
値)−温度曲線を描きそのS字曲線の高さをhとすると
きh/2に対応する温度をいう。
【0052】なお、本発明におけるカプセルトナーの粒
径は別段制約を受けるものではないが、平均粒径は通常
3〜30μm とされる。カプセルトナーの外殻の厚みは0.
01〜1μm が好ましく、0.01μm 未満では耐ブロッキン
グ性が悪化し、1μm を超えると熱溶融性が悪化し好ま
しくない。
【0053】本発明におけるカプセルトナーには、必要
に応じて、流動性向上剤、クリーニング性向上剤などを
用いることができる。流動性向上剤としては、例えばシ
リカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタ
ン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸スト
ロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰
石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガ
ラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコ
ニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができ
る。特にシリカの微粉末が好ましい。なお、シリカの微
粉末は、Si−O−Si結合を有する微粉末であり、乾
式法及び湿式法で製造されたもののいずれであってもよ
い。また、無水二酸化ケイ素のほか、ケイ酸アルミニウ
ム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネ
シウム、ケイ酸亜鉛などいずれであってもよいが、 SiO
2 を85重量%以上含むものが好ましい。また、シラン系
カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコンオ
イル、側鎖にアミンを有するシリコンオイルなどにより
表面処理されたシリカの微粉末などを用いることができ
る。
【0054】クリーニング性向上剤としては、ステアリ
ン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高
分子量体の微粒子粉末などがある。更に現像性を調整す
るための添加剤、例えばメタクリル酸メチルエステル、
メタクリル酸ブチルエステル等の重合物の微粒子粉末な
どを用いてもよい。更に調色、抵抗調整などのために少
量のカーボンブラックを用いてもよい。カーボンブラッ
クとしては従来公知のもの、例えばファーネスブラッ
ク、チャネルブラック、アセチレンブラックなどの種々
のものを用いることができる。
【0055】本発明のカプセルトナーは、磁性体微粉末
を含有するものであるときには単独で現像剤として用い
られ、又磁性体微粉末を含有しないものであるときは、
キャリアと混合して二成分系の現像剤を調製して用いる
ことができる。キャリアとしては、特に限定されない
が、鉄粉、フェライト、ガラスビーズ等、又はそれらの
樹脂被覆したものが用いられ、トナーのキャリアに対す
る混合比は0.5 〜10重量%である。またキャリアの粒径
としては、30〜500 μm のものが用いられる。
【0056】本発明のカプセルトナーは熱と圧力を併用
して紙等の記録材に定着させることにより良好な定着強
度を与えるが、熱圧力定着方法としては、熱と圧力が併
用されておれば、公知のヒートローラー定着方式、又は
例えば特開平2−190870号公報記載の如く、記録材上の
未定着のトナー画像を加熱部と耐熱シートから構成され
た加熱手段により、該耐熱性シートを介して加熱溶融さ
せ、定着せしめる定着方式、又は例えば特開平2−1623
56号公報記載の如く、固定支持された加熱体と、該加熱
体に対向圧接し、且つフィルムを介して記録材を該加熱
体に密着させる加圧部材とにより、該トナーの顕画像を
記録材に加熱加圧定着する方式等の方法が本発明のカプ
セルトナーの定着に適している。
【0057】
【実施例】以下、実施例、比較例および試験例により本
発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施
例等によりなんら限定されるものではない。
【0058 】実施例1 スチレン69.0重量部、2−エチルヘキシルアクリレート
31.0重量部、ジビニルベンゼン 0.9重量部に、カーボン
ブラック「#44 」(三菱化成社製)7.0 重量部、無水マ
レイン酸とスチレンの共重合体( 無水マレイン酸: スチ
レン=1:3 モル比,分子量=1900)5.0 重量部、2,2'−
アゾビスイソブチロニトリル3.5 重量部、4,4'−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート「Millionate MT 」(日本
ポリウレタン工業社製)9.5 重量部を添加し、アトライ
ター(三井三池化工機製)に投入し、10℃にて5時間分
散し、重合性組成物を得た。これを容量2リットルのガ
ラス製セパラブルフラスコにて予め調製したリン酸三カ
ルシウム4重量%の水性コロイド溶液800g中に30重量%
になる量だけ添加し、TKホモミキサー(特殊機化工業社
製)を用いて、5℃にて、回転数10000rpmで2分間乳化
分散させた。4つ口のガラス製の蓋をし、還流式冷却
管、温度計、窒素導入管付滴下ロート、ステンレススチ
ール製撹拌棒を取り付け、電熱マントル中に設置した。
レゾルシン22.0g 、マロン酸ジエチル3.6g、1,4 −ジア
ザビシクロ〔2.2.2 〕オクタン0.5g、イオン交換水40g
の混合溶液を調製し滴下ロートより、撹拌しながら、30
分かけて滴下した。その後、窒素下にて撹拌を続けなが
ら、85℃迄昇温し、10時間反応せしめた。冷却後、10%
塩酸水溶液にて分散剤を溶かし、濾過、水洗を経て、45
℃にて12時間、20mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分
級し、平均粒径9μm の外殻が熱解離性ウレタン結合を
有する樹脂からなるカプセルトナーを得た。このカプセ
ルトナー 100重量部に、疎水性シリカ微粉末「アエロジ
ル R-972」(アエロジル社製)0.4 重量部を加えて混合
し、本発明に係るカプセルトナーを得た。これをトナー
1とする。芯材中の樹脂に由来するガラス転移点は29.5
℃、又、トナー1の軟化点は134.0 ℃であった。
【0059 】実施例2 スチレン75重量部、n−ブチルアクリレート25重量部よ
りなる軟化点75.3℃、ガラス転移点40.5℃の共重合体10
0 重量部を銅フタロシアニン「Sumikaprint Cyanine Bl
ue GN-0 」(住友化学社製)6重量部、無水マレイン酸
とスチレンの共重合体( 無水マレイン酸: スチレン=1:
4 モル比,分子量=3570)5.0 重量部、ポリプロピレン
ワックス「Biscol 550p 」(三洋化成社製)5重量部と
共に予備混合を行い、2軸の押出し機にて溶融混練し、
冷却後、粉砕した。この混練物を40重量部、スチレン50
重量部、n−ブチルアクリレート15重量部、2,2'−アゾ
ビス(2,4 −ジメチルバレロニトリル)2.5 重量部、2,
4 −トリレン−ジイソシアネート3モルとトリメチロー
ルプロパン1モルとの付加体「タケネートD-102 」(武
田薬品工業社製)9.0 重量部、キシリレン-1,4−ジイソ
チオシアネート 0.5重量部と混合し、重合性組成物を得
た。これを容量2リットルのガラス製セパラブルフラス
コにて予め調製したリン酸三カルシウム4重量%の水性
コロイド溶液800g中に30重量%になる量だけ添加し、TK
ホモミキサーを用いて、5℃にて回転数10000rpmで2分
間乳化分散させた。4つ口のガラス製の蓋をし、還流式
冷却管、温度計、窒素導入管付滴下ロート、ステンレス
スチール製撹拌棒を取り付け電熱マントル中に設置し
た。4−アセチルカテコール27.4g 、マロン酸ジメチル
4.0g、1,2 −エタンジチオール0.8g、1,4 −ジアザビシ
クロ〔2.2.2 〕オクタン0.5g、イオン交換水40g の混合
溶液を調製し、滴下ロートより、撹拌しながら30分かけ
て滴下した。その後、窒素下にて撹拌を続けながら、85
℃迄昇温し、10時間反応せしめた。冷却後、10%塩酸水
溶液にて分散剤を溶かし、濾過、水洗を経て、45℃にて
12時間、20mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級し、
平均粒径9μm の外殻が熱解離性結合を有する樹脂から
なるカプセルトナーを得た。このカプセルトナー 100重
量部に、疎水性シリカ微粉末「アエロジル R-972」(ア
エロジル社製)0.4 重量部を加えて混合し、本発明に係
るカプセルトナーを得た。これをトナー2とする。芯材
中の樹脂に由来するガラス転移点は35.0℃、又、トナー
2の軟化点は134.5 ℃であった。
【0060】実施例3 スチレン50重量部、2−エチルヘキシルアクリレート35
重量部、ジビニルベンゼン0.9 重量部にスチレンにより
グラフトされたカーボンブラック「GP-E-3」(菱有工業
社製)40重量部、無水マレイン酸とスチレンの共重合体
( 無水マレイン酸: スチレン=1:3 モル比,分子量=19
00)5.0 重量部、ラウロイルパーオキサイド4.5 重量
部、トリレンジイソシアネート「コロネート T-100」
(日本ポリウレタン工業社製)9.0 重量部、イソシアン
酸フェニル0.5 重量部を添加し、重合性組成物を得た。
これを容量2リットルのガラス製セパラブルフラスコに
て予め調製したリン酸三カルシウム4重量%の水性コロ
イド溶液800g中に30重量%になる量だけ添加し、TKホモ
ミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、5℃にて回転
数10000rpmで2分間、乳化分散させた。4つ口のガラス
製の蓋をし、還流式冷却管、温度計、窒素導入管付滴下
ロート、ステンレススチール製撹拌棒を取り付け電熱マ
ントル中に設置した。レゾルシン24.0g 、m−アミノフ
ェノール3.0g、t−ブチルアルコール2.2g、1,4 −ジア
ザビシクロ〔2.2.2 〕オクタン0.5g、イオン交換水40g
の混合溶液を調製し滴下ロートより、撹拌しながら30分
かけて滴下した。その後、窒素下にて撹拌を続けながら
85℃迄昇温し、10時間反応せしめた。冷却後、10%塩酸
水溶液にて分散剤を溶かし、濾過、水洗を経て、45℃に
て12時間、20mmHgで減圧乾燥し、風力分級機にて分級
し、平均粒径9μm の外殻が熱解離性ウレタン結合を有
する樹脂からなるカプセルトナーを得た。このカプセル
トナー 100重量部に、疎水性シリカ微粉末「アエロジル
R-972」0.4 重量部を加えて混合し、本発明に係るカプ
セルトナーを得た。これをトナー3とする。芯材中の樹
脂に由来するガラス転移点は33.0℃、又、トナー3の軟
化点は131.0 ℃であった。
【0061】比較例1 実施例1において、無水マレイン酸とスチレンとの共重
合体を用いないこと以外は、実施例1と同様の操作によ
り表面処理迄行ってカプセルトナーを得た。これを比較
トナー1とする。芯材中の樹脂に由来するガラス転移点
は28.5℃、又、比較トナー1の軟化点は130.0 ℃であっ
た。
【0062】比較例2 実施例2において、無水マレイン酸とスチレンとの共重
合体を用いないこと以外は、実施例2と同様の操作によ
り表面処理迄行ってカプセルトナーを得た。これを比較
トナー2とする。芯材中の樹脂に由来するガラス転移点
は34.5℃、又、比較トナー2の軟化点は133.0 ℃であっ
た。
【0063】比較例3 実施例3において、無水マレイン酸とスチレンとの共重
合体を用いないこと以外は、実施例3と同様の操作によ
り表面処理迄行ってカプセルトナーを得た。これを比較
トナー3とする。芯材中の樹脂に由来するガラス転移点
は32.0℃、又、比較トナー3の軟化点は130.0 ℃であっ
た。
【0064】比較例4 実施例1において、レゾルシン22.0g、マロン酸ジエチ
ル3.6 gをネオペンチルグリコール21.6gに置き換える
こと以外は、実施例1と同様の操作により表面処理迄行
って、カプセルトナーを得た。これを比較トナー4とす
る。芯材中の樹脂に由来するガラス転移点は29.5℃、
又、比較トナー4の軟化点は138.0 ℃であった。
【0065】試験例 以上の実施例及び比較例で得られたトナー各々6重量部
と250 〜400 メッシュの粒度を有するスチレン/メチル
メタクリレート樹脂被覆された球形フェライト粉94重量
部とをポリ容器に入れ、回転数が150rpmで20分間容器ご
とローラー上で回転混合し、現像剤を調製した。得られ
た現像剤について帯電量、定着性及び耐ブロッキング性
について評価した。
【0066】(1)帯電量については、次に述べるブロ
ーオフ式帯電量測定装置によって測定を行った。即ち、
フェラデーケージとコンデンサー、エレクトロメーター
を備えた比電荷測定装置を用い、まず、500 メッシュ
(キャリア粒子の通過しない大きさに適宜変更可能) の
ステンレスメッシュを備えた真鍮製の測定セルに、調製
した現像剤をW(g)(0.15〜0.20g) 入れた。次に吸引
口から5秒間吸引した後、気圧レギュレーターが0.6kgf
/cm2 を示す圧力で5秒間ブローを行い、トナーのみを
セル中から除去した。この時のブロー開始から2秒後の
電位計の電圧をV(volt)とした。ここでコンデンサーの
電気容量をC (μF)とすると、このトナーの比電荷Q/
mは下式の如く求められる。 Q/m(μc/g)=C×V/m ここで、mはW(g)中の現像剤中に含まれるトナーの
重量であるが、現像剤中のトナーの重量をT(g)、現
像剤の重量をD(g)とした場合、試料のトナー濃度は
T/D×100(%)と表され、mは下式の如く求めら
れる。 m(g)=W×(T/D) 表1には、通常環境下で調製した現像剤の帯電量測定の
結果を示す。また5万枚コピー後の帯電量の測定も行
い、更に連続耐刷試験中の画質(地汚れの発生)及び機
内飛散についても評価し、これらを併せて表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】(2)定着性については以下に述べる方法
にて評価した。即ち、前述の調製済現像剤を市販の電子
写真複写機(感光体はセレン−砒素、定着ローラーの回
転速度は255mm/sec 、定着装置中の熱圧力温度を可変に
し、オイル塗布装置を除去したもの)を用いて画像出し
を行った。定着温度を100 ℃〜220 ℃にコントロール
し、画像の定着性、オフセット性を評価した。その結果
を表2 に示す。ここでの最低定着温度とは底面が15mm×
7.5mm の砂消しゴムに500gの荷重を載せ、定着機を通し
て定着された画像の上を5往復こすり、こする前後でマ
クベス社の反射濃度計にて光学反射密度を測定し、以下
の定義による定着率が70%を越える際の定着ローラーの
温度をいう。 定着率=(こすった後の像濃度/こする前の像濃度)×
100
【0069】(3)耐ブロッキング性については、各ト
ナーを50℃、相対湿度40%の条件下で24時間放置したと
きの凝集の発生の程度を評価し、その結果も表2 に示
す。
【0070】
【表2】
【0071】表1から明らかな様に本発明に係わるトナ
ー1〜3及び比較トナー4については、帯電量の値は適
正で、5万枚連続コピー後も帯電量の変化が小さく良好
な画質を維持していた。しかし、比較トナー1〜3は帯
電量の値が低く、5万枚コピー後は極性も逆転してしま
い、これらのトナーを用いると連続コピー中に地汚れが
多く発生し、機内でトナー飛散を起こした。また、表2
から明らかなように、トナー1〜3、比較トナー1〜3
はカプセルトナーの外殻が熱解離性を示す結合を有する
樹脂よりなるため、最低定着温度が低く、非オフセット
域も広く、耐ブロッキング性については問題なかった。
しかし、比較トナー4は非オフセット域、耐ブロッキン
グ性については問題なかったが、最低定着温度が高かっ
た。
【0072】
【発明の効果】本発明の熱圧力定着用カプセルトナーに
よれば、カプセルトナーの内部から帯電性が制御でき、
ヒートローラ等の熱圧力定着方式において耐オフセット
性が優れていて、低い定着温度で定着でき、また耐ブロ
ッキング性が優れていて、カブリのない鮮明な画像を多
数回にわたり安定に形成することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 381

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも着色剤を含有する熱溶融性芯
    材と、その芯材の表面を被覆するよう設けた外殻とによ
    り構成される熱圧力定着用カプセルトナーにおいて、該
    芯材中に酸無水物基を1個以上有する共重合体を含有す
    ることを特徴とする熱圧力定着用カプセルトナー。
  2. 【請求項2】 酸無水物基を1個以上有する共重合体
    が、スチレンと無水マレイン酸の共重合体であって、該
    共重合体の熱溶融性芯材中の含有量が0.1〜30.0
    重量%である請求項1記載の熱圧力定着用カプセルトナ
    ー。
  3. 【請求項3】 外殻の主成分が(1) 1価のイソシアネー
    ト化合物及び/又はイソチオシアネート化合物をイソシ
    アネート化合物及び/又はイソチオシアネート化合物全
    体の0〜30モル%、(2) 2価以上のイソシアネート化合
    物及び/又はイソチオシアネート化合物をイソシアネー
    ト化合物及び/又はイソチオシアネート化合物全体の10
    0 〜70モル%と、(3) イソシアネート基及び/又はイソ
    チオシアネート基と反応する活性水素を1個有する化合
    物をイソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基
    と反応する化合物全体の0〜30モル%、(4) イソシアネ
    ート基及び/又はイソチオシアネート基と反応する活性
    水素を2個以上有する化合物をイソシアネート基及び/
    又はイソチオシアネート基と反応する化合物全体の100
    〜70モル%とを (1)+(2) のモル数と (3)+(4) のモル
    数との比が1:1〜1:20の範囲で反応させてなる樹脂
    よりなり、当該樹脂中全イソシアネート基及び/又はイ
    ソチオシアネート基が関与する結合の内、その数におい
    て少なくとも30%以上のものが熱解離性を示す結合であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の熱圧力定着用
    カプセルトナー。
  4. 【請求項4】 熱解離性を示す結合が、フェノール性ヒ
    ドロキシル基及び/又はチオール基とイソシアネート基
    及び/又はイソチオシアネート基の反応に由来する結合
    である請求項3記載の熱圧力定着用カプセルトナー。
  5. 【請求項5】 フェノール性ヒドロキシル基を有する化
    合物が、下式(I)で表される化合物、下式(II)で表
    される化合物又は下式(III)で表される化合物の1種以
    上からなる請求項3記載の熱圧力定着用カプセルトナ
    ー。 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、独立してH
    、又は炭素数1〜9のアルキル基、アルケニル基、ア
    ルコキシ基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若し
    くはアリール基又はハロゲンを示す。) 【化2】 (式中、R6 、R7 、R8 、R9 は、独立してH 、又は
    炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
    基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若しくはアリ
    ール基又はハロゲンを示す。) 【化3】 (式中、R10、R11、R12、R13は、独立してH 、又は
    炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
    基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若しくはアリ
    ール基又はハロゲンを示す。)
  6. 【請求項6】 フェノール性ヒドロキシル基及び/又は
    チオール基と反応するイソシアネート基が、芳香環に直
    接結合していることを特徴とする請求項3記載の熱圧力
    定着用カプセルトナー。
  7. 【請求項7】 カプセルトナー中、熱溶融性芯材の主成
    分となる熱可塑性樹脂に由来するガラス転移点が、10〜
    50℃である請求項1〜3いずれか記載の熱圧力定着用カ
    プセルトナー。
  8. 【請求項8】 カプセルトナーの軟化点が、80〜150 ℃
    であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の熱
    圧力定着用カプセルトナー。
  9. 【請求項9】 少なくとも着色剤を含有する熱溶融性芯
    材と、その芯材の表面を被覆するよう設けた外殻とによ
    り構成される熱圧力定着用カプセルトナーの製造方法に
    おいて、該芯材の成分として酸無水物基を1個以上有す
    る共重合体を用いることを特徴とする熱圧力定着用カプ
    セルトナーの製造方法。
  10. 【請求項10】 少なくとも着色剤を含有する熱溶融性
    芯材と、その芯材の表面を被覆するよう設けた外殻とに
    より構成される熱圧力定着用カプセルトナーの製造方法
    において、該芯材の成分として酸無水物基を1個以上有
    する共重合体を用い、かつ外殻の主成分が、(1) 1価の
    イソシアネート化合物及び/又はイソチオシアネート化
    合物をイソシアネート化合物及び/又はイソチオシアネ
    ート化合物全体の0〜30モル%、(2) 2価以上のイソシ
    アネート化合物及び/又はイソチオシアネート化合物を
    イソシアネート化合物及び/又はイソチオシアネート化
    合物全体の100 〜70モル%と、(3) イソシアネート基及
    び/又はイソチオシアネート基と反応する活性水素を1
    個有する化合物をイソシアネート基及び/又はイソチオ
    シアネート基と反応する化合物全体の0〜30モル%、
    (4) イソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基
    と反応する活性水素を2個以上有する化合物をイソシア
    ネート基及び/又はイソチオシアネート基と反応する化
    合物全体の100 〜70モル%とを (1)+(2) のモル数と
    (3)+(4) のモル数との比が1:1〜1:20の範囲で反
    応させてなる樹脂よりなり、当該樹脂中全イソシアネー
    ト基及び/又はイソチオシアネート基が関与する結合の
    内、その数において少なくとも30%以上のものが熱解離
    性を示す結合であるものを用いて外殻を形成することを
    特徴とする熱圧力定着用カプセルトナーの製造方法。
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DE69218135T DE69218135T2 (de) 1991-12-10 1992-12-09 Verkapselter Toner zur Wärme- und Druck-Fixierung und Verfahren zu dessen Herstellung

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US7153625B2 (en) 2004-03-25 2006-12-26 Canon Kabushiki Kaisha Process for producing toner particles, and toner

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