JPH06194861A - 熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法 - Google Patents

熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法

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JPH06194861A
JPH06194861A JP43A JP35949892A JPH06194861A JP H06194861 A JPH06194861 A JP H06194861A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 35949892 A JP35949892 A JP 35949892A JP H06194861 A JPH06194861 A JP H06194861A
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toner
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acid
heat
weight
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Takashi Yamaguchi
高司 山口
Mitsuhiro Sasaki
三普 佐々木
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含む熱溶融
性芯材と該芯材の表面を被覆するように設けた外殻とに
より構成される熱圧力定着用カプセルトナーにおいて、
該熱溶融性芯材が酸無水物基を一個以上有しかつガラス
転移点が60℃以上である共重合体および油中分散剤を
含有することを特徴とする熱圧力定着用カプセルトナ
ー、並びに該トナーの製造方法。 【効果】本発明によると、油中分散剤添加と特定の界面
活性剤を分散助剤として併用することにより、添加剤や
着色剤等の分散性が著しく向上する。このため得られる
トナーは、内部から帯電性が制御できるばかりでなく、
熱圧力定着方式において、耐オフセット性、低温定着
性、保存安定性に優れる。また、製造時にトナーの凝集
物を殆ど生じさせることなく、収率よくトナーを製造す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱圧力定着用カプセルト
ナーに関するものであり、更に詳しくは低温で定着が可
能であり、かつ保存性に優れ製造安定性の良い熱圧力定
着用カプセルトナーおよびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
トナーを得るための手段として粉砕法トナーがある。し
かしながら、この方法はコストが高いことや均一な混合
体が得難いこと、更に粉砕により不定形の形状となり流
動性や摩擦帯電性に劣る等の問題点がある。これに対
し、特公昭36−10231号、特公昭47−5183
05号、特公昭51−14895号等の公報には、懸濁
重合法によるトナーの製造方法が記載されている。この
懸濁重合法は粉砕を必要とせず、製造工程も簡略化され
上記の粉砕法の欠点を改良したものといえる。しかしな
がら懸濁重合に伴う以下のような問題がある。
【0003】即ち、この方法では着色剤、荷電制御剤、
オフセット防止剤、トナー流動性向上剤等の材料が重合
性単量体中に添加されているが、これらの材料が重合性
単量体中に均一に溶解し、重合反応を阻害しないのであ
れば特に問題はないが、添加される多くの物質は、重合
性単量体に不溶か難溶であるため親和性に欠ける。その
ため、これらの材料を重合体粒子中に均一な状態で存在
させることが困難である。更に、添加した材料の重合性
単量体に対する親和性が著しく劣る場合には、重合中に
水相に移行して、重合したトナー粒子中に添加した材料
が存在しない場合も生ずる。その結果、充分な帯電がさ
れない等トナーとしての機能を充分発揮することができ
ないといった問題が生じる。
【0004】特に着色剤もしくは抵抗制御用として使用
されるカーボンブラックは親油性ではあるが、一次粒子
が10nm〜30nmと微細である上、製造時に生じる
一次凝集体に加え、更に凝集の進んだ二次凝集体も形成
しやすく、重合性単量体中に均一に分散させることは困
難である。また親水性の強い荷電制御剤等を使用する場
合、重合性単量体中への溶解あるいは分散が非常に難し
いため、重合したトナー粒子ではトナーの黒色度が低下
し、黒色の画像を得ることができないばかりでなく、ト
ナー粒子の電気抵抗、摩擦帯電量のバラツキも増大し、
優れた画像品質を得ることはできない。
【0005】さらに従来技術の問題点として、低温定着
性の問題がある。優れた低温定着性を達成するために
は、トナー中のバインダー樹脂の軟化点を低くする必要
がある。一方、保存性を良好なものとするためにはトナ
ー中のバインダー樹脂のガラス転移点を高くする必要が
あり、両特性はバインダー樹脂のレオロジー特性という
点からすれば相反する条件を必要としている。したがっ
て両特性を共に十分満足するトナーを得ることは、粉砕
トナーでも重合トナーでも容易でない。
【0006】従来、低温定着性ならびに保存性を共に高
める手段として、特開昭50−134652号公報、同
50−44836号公報、同57−37353号公報に
開示されているように、分子量分布を2ピークとする方
法、特定の架橋技術を用いる方法等、バインダー樹脂の
分子量分布を大きなものとすることにより、バインダー
樹脂の低軟化点化ならびに高ガラス転移点化を図る方法
が知られている。しかしながら、このような方法によっ
ても、トナーに十分な保存性を与えるためにはバインダ
ー樹脂のガラス転移点を55℃以上とする必要があり、
その場合バインダー樹脂の軟化点が高くなり、低温定着
性を有するトナーとはいい難い。
【0007】一方従来より、トナーとして、芯材とその
表面を被覆するよう設けられた外殻とにより構成された
カプセルトナーを用いることにより、低温定着性を図る
技術が提案されている。その内、芯材として塑性変形し
易い低融点ワックス等を用いた場合(米国特許第3,269,
626 号、特公昭46−15876 号、特公昭44−9880号、特開
昭48−75032 号、特開昭48−75033 号)、圧力のみで定
着可能となるが、定着強度が劣り、限定された用途にの
み使用できる。
【0008】また、芯材として液状のものを使用する場
合、殻材の強度が小さいと、圧力のみで定着はするもの
の、現像器内で割れて機内を汚す場合があり、殻材の強
度が大きいとカプセルを破壊するのに大きな圧力が必要
となり、光沢が強すぎる画像をもたらしてしまい、殻材
の強度調整が難しかった。
【0009】そこで、熱圧力定着用として、芯材として
単独使用では高温時にブロッキングを起こしてしまう
が、定着強度の向上をもたらすガラス転移点の低い樹脂
を用い、外殻として耐ブロッキング性等を付与する目的
で界面重合にて高融点の樹脂壁を形成させた熱ローラー
定着用カプセルトナーが考案されている。しかし、特開
昭61−56352 号公報では壁材料が高融点となっており、
更に強靱で割れにくくなっているため、芯材の性能を引
き出しきれていなかった。また、同様の考え方で芯材の
定着強度を改良した熱ローラー定着用カプセルトナーが
提案されている(特開昭58−205162号公報、同58−2051
63号公報、同63−128357号公報、同63−128358号公報、
同63−128359号公報、同63−128360号公報、同63−1283
61号公報、同63−128362号公報が、製法がスプレードラ
イ法の為、製造設備に負担がかかると共に、これらも殻
材の工夫がなされていない為、芯材の性能を引き出しき
れていない。
【0010】更に、特開昭63−281168号公報に提案され
ているカプセルトナーでは殻材がサーモトロピック液晶
ポリエステルの記載があり、特開平 4−185358号公報に
提案されているカプセルトナーでは、結晶性ポリエステ
ルを用いているが、ポリエステルが非晶質でない為、シ
ャープに融解するものの融解に必要なエネルギー量が大
きく、また、芯材のTgが高く、定着性が悪かった。
【0011】一方、カプセルトナーの外殻中あるいはカ
プセルトナーの表面に荷電制御剤を存在させてカプセル
トナーの帯電性を制御する試みもあるが、例えば現像過
程でキャリアとの摩擦等によりトナーから荷電制御剤が
脱離し、キャリアに付着し、トナーの帯電量が低下しそ
の結果、地汚れや機内のトナー汚染を起こしてしまい、
問題になることがあった。更に、トナーの表面に、荷電
制御剤が存在しない時には、キャリアの種類により帯電
速度が遅くなる場合があり、高速印字の際には地汚れ、
トナー飛散等が発生することがあった。
【0012】以上のように、従来のカプセルトナーは上
記の欠点を有するとともに、前述のような重合トナーに
見られる芯材構成材料の分散不良による帯電性、保存安
定性等の低下という問題点も有している。本発明の目的
は、かかる課題を解決すべく、低温定着が可能であり、
かつ帯電性、保存安定性、製造安定性に優れた熱圧力定
着用カプセルトナー及びその製造方法を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、重合性の不
飽和基を有する単量体中に親油性の強いカーボンブラッ
クや親水性の強い荷電制御剤等を分散するにあたり、過
塩基性硫化アルキルフェノール・アルカリ土類金属塩化
合物を存在させて分散を行えば、カーボンブラックや荷
電制御剤の分散性が著しく改善されることを見いだし、
本発明を完成するに至った。以下、本発明について詳述
する。
【0014】即ち、本発明の要旨は、 (1)少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含む熱溶融性
芯材と該芯材の表面を被覆するように設けた外殻とによ
り構成される熱圧力定着用カプセルトナーにおいて、該
熱溶融性芯材が酸無水物基を一個以上有しかつガラス転
移点が60℃以上である共重合体および油中分散剤を含
有することを特徴とする熱圧力定着用カプセルトナー、 (2)油中分散剤が一般式(I)で表される化合物であ
る前記(1)記載の熱圧力定着用カプセルトナー、
【0015】
【化3】
【0016】(式中、RおよびR’は炭素数10〜50
の直鎖又は分岐のアルキル基を示し、RとR’は同一で
も異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属を示し、
mは0〜5,nは1〜3である。) (3)芯材構成材料を主として含有する油性成分を水性
分散媒中に分散させながら重合を行うことにより、少な
くとも熱可塑性樹脂と着色剤を含む熱溶融性芯材と該芯
材の表面を被覆するように設けた外殻とにより構成され
る熱圧力定着用カプセルトナーを製造する方法におい
て、該芯材構成材料として酸無水物基を一個以上有しか
つガラス転移点が60℃以上である共重合体を用い、油
性成分中に一般式(I)で表される化合物を油中分散剤
として用いることを特徴とする熱圧力定着用カプセルト
ナーの製造方法、
【0017】
【化4】
【0018】(式中、RおよびR’は炭素数10〜50
の直鎖又は分岐のアルキル基を示し、RとR’は同一で
も異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属を示し、
mは0〜5,nは1〜3である。) (4)水性分散媒中に界面活性剤および/または分散安
定剤を含有させることを特徴とする前記(3)記載の製
造方法、並びに (5)界面活性剤が非イオン系界面活性剤またはアニオ
ン系界面活性剤であることを特徴とする前記(4)記載
の製造方法に関する。
【0019】本発明のカプセルトナーは、前記のように
熱溶融性芯材が酸無水物基を一個以上有しかつガラス転
移点が60℃以上である共重合体および油中分散剤を含
有することを特徴とするものである。ガラス転移点が6
0℃未満であるとトナーの保存安定性が低下する。本発
明において、酸無水物基を一個以上有する共重合体は、
荷電制御剤として作用し、例えば酸無水物基を含有する
α,β−エチレン性共重合性単量体(A) とその他のα,
β−エチレン性共重合性単量体(B) の共重合体等が挙げ
られる。
【0020】酸無水物基を含有するα,β−エチレン性
共重合性単量体(A) としては、無水イタコン酸、無水ク
ロトン酸等や、下記一般式(II) に示される化合物
【0021】
【化5】
【0022】(式中、Q1 およびQ2 は独立してH、炭
素数1〜3のアルキル基、又はハロゲン原子を示
す。)、例えば無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無
水2,3−ジメチルマレイン酸、クロロマレイン酸無水
物、ジクロロマレイン酸無水物、ブロモマレイン酸無水
物、ジブロモマレイン酸無水物等を挙げることができ、
好ましくは無水マレイン酸、無水シトラコン酸等であ
る。
【0023】その他のα, β−エチレン性共重合性単量
体(B) としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メ
チルスチレン、p−エチルスチレン、2,4 −ジメチルス
チレン、p−クロルスチレン、ビニルナフタレン等のス
チレン若しくはスチレン誘導体、例えばエチレン、プロ
ピレン、ブチレン、イソブチレン等の如きエチレン系不
飽和モノオレフィン類、例えば塩化ビニル、臭化ビニ
ル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ
酸ビニル、カプロン酸ビニル等の如きビニルエステル
類、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロ
ピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸
イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−
クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリ
ル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリ
ル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル
酸アミル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸
n−オクチル、メタクリル酸イソオクチル、メタクリル
酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸
メトキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、
メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル等の如
きエチレン性モノカルボン酸及びそのエステル、例えば
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミ
ド等の如きエチレン性モノカルボン酸置換体、例えばマ
レイン酸ジメチル等の如きエチレン性ジカルボン酸及び
その置換体、例えばビニルメチルケトン等の如きビニル
ケトン類、例えばビニルメチルエーテル等の如きビニル
エーテル類、例えばビニリデンクロリド等の如きビニリ
デンハロゲン化物が挙げられる。これらのうち、スチレ
ン、(メタ)アクリル酸エステル等が反応性が高く好ま
しい。
【0024】また、以上の2種の単量体の組み合わせと
しては、無水マレイン酸とスチレンの共重合体、無水マ
レイン酸とスチレン、(メタ)アクリル酸エステルの共
重合体の組み合わせがガラス転移点を60℃以上にさせ
易く好ましい。
【0025】本発明に用いられる共重合体は、前記のよ
うな酸無水物基を含有するα,β−エチレン性共重合性
単量体(A) 5〜95重量部と、その他のα,β−エチレ
ン性共重合性単量体(B) 95〜5重量部を重合反応させ
て得ることができる。このとき重合反応は、通常の付加
重合等により行うことができるが、これらの方法に限定
されるものではない。
【0026】本発明において酸無水物基を1個以上有す
る共重合体の熱溶融性芯材中の含有量は、通常0.1〜
30.0重量%、好ましくは0.3〜20.0重量%で
ある。0.1重量%より少ないとカプセル内部からの帯
電制御に効果がなく、30.0重量%を越えると界面重
合、懸濁重合等の際、重合前の粘度が高くなり製造が難
しくなる。
【0027】本発明のカプセルトナーは、熱溶融性芯材
中に油中分散剤を含有するが、この油中分散剤は、カプ
セルトナーの製造において添加剤や着色剤等の分散性を
向上させるために、油性成分中に添加したものである。
即ち、芯材構成材料を主として含有する油性成分を水性
分散媒中に分散させながら重合を行うことにより、少な
くとも熱可塑性樹脂と着色剤を含む熱溶融性芯材と該芯
材の表面を被覆するように設けた外殻とにより構成され
る熱圧力定着用カプセルトナーを製造する方法におい
て、前記油性成分中に油中分散剤を用いたことにより、
製造されたカプセルトナーの熱溶融性芯材が油中分散剤
を含有するのである。
【0028】本発明において油中分散剤とは、親油性を
有する金属系清浄分散剤として公知の化合物をいう。従
って、例えばスルホネート系、フェネート系、(チオ)
ホスホネート系、およびサリチネート系の清浄分散剤
が、これに該当する。これらを構造式で示すと、下記の
ようになる。
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】これらの油中分散剤は、市販のものを使用
できる。また一般式(I)
【0032】
【化8】
【0033】(式中、RおよびR’は炭素数10〜50
の直鎖又は分岐のアルキル基を示し、RとR’は同一で
も異なっていてもよい。Mはアルカリ土類金属を示し、
mは0〜5,nは1〜3である。)で示される化合物が
好適に用いられる。
【0034】一般式(I)において、Mで表されるアル
カリ土類金属としては、Ca,Mg,Ba等が挙げられ
る。また、mは0〜5であり、mが5を越えると炭酸カ
ルシウム等が過剰となり、塩基性が強くなりすぎるこ
と、更に有効分濃度が低下するために分散性効果が低下
する結果となる。本発明においては、RおよびR’がC
12のアルキル基、Mがカルシウムでmが2、nが1〜2
であるもの等が好ましく使用される。例えば、カルシウ
ム塩過塩基性ドデシルフェノールカルシウム塩等が挙げ
られる。
【0035】本発明のカプセルトナーは、芯材の主成分
として通常、熱可塑性樹脂が用いられ、該熱可塑性樹脂
としては、ガラス転移点が10℃以上50℃以下であるポリ
エステル樹脂、ポリエステル・ポリアミド樹脂、ポリア
ミド樹脂、ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好
ましくは、ビニル樹脂が挙げられる。
【0036】ビニル樹脂を構成する単量体としては、例
えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−
エチルスチレン、2,4 −ジメチルスチレン、p−クロル
スチレン、ビニルナフタレン等のスチレン若しくはスチ
レン誘導体、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、
イソブチレン等の如きエチレン系不飽和モノオレフィン
類、例えば塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、カプロン酸
ビニル等の如きビニルエステル類、例えばアクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、
アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸n−オクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル
酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸メトキシ
エチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸
グリシジル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸
フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸t−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸
シクロヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリ
ル酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸
ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸ステアリル、メタクリル酸メトキシエチル、メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等の如き
エチレン性モノカルボン酸及びそのエステル、例えばア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等の如きエチレン性モノカルボン酸置換体、例えばマレ
イン酸ジメチル等の如きエチレン性ジカルボン酸及びそ
の置換体、例えばビニルメチルケトン等の如きビニルケ
トン類、例えばビニルメチルエーテル等の如きビニルエ
ーテル類、例えばビニリデンクロリド等の如きビニリデ
ンハロゲン化物、例えばN−ビニルピロール、N−ビニ
ルピロリドン等の如きN−ビニル化合物類が挙げられ
る。
【0037】本発明に係る芯材用の樹脂を構成する成分
の内、樹脂の主骨格形成にスチレンもしくはスチレン誘
導体を50〜90重量%用い、樹脂の軟化温度等の熱特
性の調節にエチレン性モノカルボン酸もしくはそのエス
テルを10〜50重量%用いることが、芯材用樹脂のガ
ラス転移点を制御し易く好ましい。
【0038】本発明に係る芯材用の樹脂を構成する単量
体組成物中に架橋剤を添加する場合、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3 −
ブチレングリコールジメタクリレート、1,6 −ヘキシレ
ングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタク
リレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレー
ト、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリロキシジエトキ
シフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジブ
ロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、フタル
酸ジアリルなど、一般の架橋剤を適宜(必要に応じて2
種以上組み合わせて)用いることができる。
【0039】これらの架橋剤の使用量は、重合性単量体
を基準にして0.001 〜15重量%、好ましくは0.1 〜10重
量%で使用するのが良い。これらの架橋剤の使用量が15
重量%より多いとトナーが熱で溶融しにくくなり、熱定
着性又は熱圧定着性が劣ることとなる。また使用量が0.
001 重量%より少ないと、熱圧力定着において、トナー
の一部が紙に完全に固着しないでローラー表面に付着
し、次の紙に転移するというオフセット現象を防ぎにく
くなる。又、上記単量体を、不飽和ポリエステルの存在
下に重合させてグラフトもしくは架橋重合体とし、芯材
用の樹脂としても良い。
【0040】又、芯材用の熱可塑性樹脂を製造する際使
用される重合開始剤としては、2,2'−アゾビス(2,4 −
ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロ
ニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カル
ボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4 −
ジメチルバレロニトリル、その他のアゾ系又はジアゾ系
重合開始剤:ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボ
ネート、キュメンハイドロパーオキサイド、2,4 −ジク
ロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイドの如き過酸化物系重合開
始剤が挙げられる。
【0041】重合体の分子量及び分子量分布を調節する
目的で、又は反応時間を調節する目的等で、二種類又は
それ以上の重合開始剤を混合して使用することもでき
る。重合開始剤の使用量は、重合単量体100 重量部に対
して0.1 〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
【0042】本発明においては、前記の共重合体に加え
更に芯材中に荷電制御剤を添加することもでき、添加す
る負帯電性荷電制御剤としては、特に限定されることな
く、例えば含金属アゾ染料である「バリファーストブラ
ック3804」、「ボントロンS−31」、「ボントロ
ンS−32」、「ボントロンS−34」(以上、オリエ
ント化学社製)、「アイゼンスピロンブラックTVH」
(保土ヶ谷化学社製)等、銅フタロシアニン染料、サリ
チル酸のアルキル誘導体の金属錯体、例えば「ボントロ
ンE−81」、「ボントロンE−82」、「ボントロン
E−85」(以上、オリエント化学社製)、4級アンモ
ニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(ヘキスト
社製)、ニトロイミダゾール誘導体等を挙げることがで
きる。
【0043】正帯電性荷電制御剤としては、特に限定さ
れることなく、例えばニグロシン染料として「ニグロシ
ンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブ
ラックSO」、「ボントロンN−01」、「ボントロン
N−07」、「ボントロンN−11」(以上、オリエン
ト化学社製)等、3級アミンを側鎖として含有するトリ
フェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例
えば「ボントロンP−51」(オリエント化学社製)、
セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARG
E PX VP435」(ヘキスト社製)等、ポリアミン樹脂、例
えば「AFP−B」(オリエント化学社製)、イミダゾ
ール誘導体等を挙げることができる。以上の荷電制御剤
は芯材中に0.1 〜8.0 重量%、好ましくは0.2 〜5.0 重
量%含有される。
【0044】芯材中には必要に応じて、熱圧力定着にお
ける耐オフセット性を改善する目的で、例えばポリオレ
フィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、部分ケン化脂
肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、パラフィ
ンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールエステ
ル、シリコンワニス、脂肪族フロロカーボン、シリコン
オイル等のオフセット防止剤を任意の一種以上含有せし
めても良い。
【0045】本発明において、カプセルトナーの芯材中
に着色剤が含有されるが、従来のトナー用着色剤に用い
られている染料、顔料等のすべてを使用できる。本発明
に用いられる着色剤としては、サーマルブラック法、ア
セチレンブラック法、チャンネルブラック法、ランプブ
ラック法等により製造される各種のカーボンブラック、
カーボンブラックの表面を樹脂で被覆しているグラフト
化カーボンブラック、ニグロシン染料、フタロシアニン
ブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファー
ストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン
−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド14
6 、ソルベントブルー35等及びそれらの混合物等を挙げ
る事ができ、通常、芯材中の樹脂 100重量部に対して1
〜15重量部程度が使用される。
【0046】磁性カプセルトナーを生成させるには、芯
材中に磁性粒子を添加すれば良い。磁性粒子としては、
例えば、フェライト、マグネタイトを始めとする鉄、コ
バルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属もしくは合金
又はこれらの元素を含む化合物、或いは強磁性元素を含
まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示す
ようになる合金、例えはマンガン−銅−アルミニウム、
マンガン−銅−錫などのマンガンと銅とを含むホイスラ
ー合金と呼ばれる種類の合金、又は二酸化クロム、その
他を挙げることができる。これらの磁性体は平均粒径0.
1 〜1μm の微粉末の形で芯材中に均一に分散される。
そしてその含有量は、カプセルトナー100 重量部当たり
20〜70重量部、好ましくは30〜70重量部である。
【0047】なお、磁性トナーとするために磁性体微粉
末を含有せしめる場合には、着色剤の場合と同様に処理
すればよいが、そのままでは芯材材料、単量体等の有機
物質に対する親和性が低いので、磁性体微粉末をチタン
カップリング剤、シランカップリング剤、レシチン等の
いわゆるカップリング剤と共に或いはカップリング剤に
より処理した上で用いると、磁性体微粉末を均一に分散
せしめることができる。
【0048】本発明のカプセルトナーは、以上のような
熱溶融性芯材の表面に、トナー物性として極めて重要な
保存性と流動性の向上を図るための外殻が形成されてい
る。該外殻の主成分は、(1) 1価のイソシアネート化合
物及び/又はイソチオシアネート化合物をイソシアネー
ト化合物及び/又はイソチオシアネート化合物全体の0
〜30モル%、(2) 2価以上のイソシアネート化合物及び
/又はイソチオシアネート化合物をイソシアネート化合
物及び/又はイソチオシアネート化合物全体の100 〜70
モル%と、(3) イソシアネート基及び/又はイソチオシ
アネート基と反応する活性水素を1個有する化合物をイ
ソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基と反応
する化合物全体の0〜30モル%、(4) イソシアネート基
及び/又はイソチオシアネート基と反応する活性水素を
2個以上有する化合物をイソシアネート基及び/又はイ
ソチオシアネート基と反応する化合物全体の100 〜70モ
ル%とを (1)+(2) のモル数と (3)+(4) のモル数との
比が1:1〜1:20の範囲で反応させてなる樹脂よりな
り、当該樹脂中全イソシアネート基及び/又はイソチオ
シアネート基が関与する結合の内、その数において少な
くとも30%以上のものが熱解離性を示す結合であること
が好ましい。
【0049】本発明において熱解離性を示す結合とは、
イソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基が活
性水素を有する化合物と反応すると、アミド、ウレタ
ン、ウレア、チオアミド、チオウレタン、チオウレア結
合等を生成するが、加熱時に該結合が切れ、イソシアネ
ート基、イソチオシアネート基が再生するところの結合
をいい、当該温度に達する迄はその結合は解離平衡にあ
る性質を示すものをいう。ここで、該結合の切れる温度
としては200℃以下が好ましい。本発明においては中
でも、フェノール性ヒドロキシル基及び/又はチオール
基とイソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基
の反応に由来する結合であることが好ましく、例えば熱
解離性を有するウレタン結合とはある温度でウレタン結
合がイソシアネート基とヒドロキシル基に解離する結合
のことで、ブロックドイソシアネートとも云われ、塗料
の分野で良く知られている。
【0050】ポリイソシアネート類のブロッキングは、
イソシアネート基と活性水素含有化合物との間の反応を
一時的に防止するための周知の方法であり、Z.W.Wicks
Jr.,Prog. in Org. Coatings, 3, 73(1975)等の文献中
に種々のブロッキング剤、例えば、第3級アルコール
類、フェノール類、アセト酢酸エステル、マロン酸エチ
ルなどが記載されている。
【0051】本発明で好適に用いられる熱解離性ポリウ
レタンでは、熱解離温度が低いことが重要であり、G.R.
Grittin and L.J.Willwerth, Ind. Eng. Chem. Prod. R
es.Develop., 1, 265(1962)等の文献に記載された結果
にも見られる様に、ウレタン結合の中でもイソシアネー
ト化合物とフェノール性ヒドロキシル基との反応より生
成されるウレタン結合を有する樹脂が熱解離温度が低
く、好ましく用いられる。
【0052】熱解離は平衡反応であり、例えば下記式の
如くで、昇温と共に右式から左式へと反応は進むことが
知られている。
【0053】
【化9】 (式中、Arは芳香族基を示す。)
【0054】本発明に用いられる(1) の1価のイソシア
ネート化合物としては、イソシアン酸エチル、イソシア
ン酸オクチル、イソシアン酸2−クロロエチル、イソシ
アン酸クロロスルホニル、イソシアン酸シクロヘキシ
ル、イソシアン酸n−ドデシル、イソシアン酸ブチル、
イソシアン酸n−ヘキシル、イソシアン酸ラウリル、イ
ソシアン酸フェニル、イソシアン酸m−クロロフェニ
ル、イソシアン酸4−クロロフェニル、イソシアン酸p
−シアノフェニル、イソシアン酸 3,4−ジクロロフェニ
ル、イソシアン酸o−トリル、イソシアン酸m−トリ
ル、イソシアン酸p−トリル、イソシアン酸p−トルエ
ンスルホニル、イソシアン酸1−ナフチル、イソシアン
酸o−ニトロフェニル、イソシアン酸m−ニトロフェニ
ル、イソシアン酸p−ニトロフェニル、イソシアン酸フ
ェニル、イソシアン酸p−ブロモフェニル、イソシアン
酸o−メトキシフェニル、イソシアン酸m−メトキシフ
ェニル、イソシアン酸p−メトキシフェニル、イソシア
ナト酢酸エチル、イソシアナト酢酸ブチル、イソシアン
酸トリクロロアセチル等の1価のイソシアネート化合物
等が挙げられる。
【0055】本発明に用いられる(2) の2価以上のイソ
シアネート化合物としては、例えば、2,4 −トリレンジ
イソシアネート、2,4 −トリレンジイソシアネートの二
量体、2,6 −トリレンジイソシアネート、p−キシリレ
ンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5 −
ナフチレンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−ジフェ
ニル−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメチル−ジフ
ェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、メタフェニレ
ンジイソシアネート、トリフェニルメタン−トリイソシ
アネート、ポリメチレンフェニルイソシアネート等の如
き芳香族イソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネ
ート等の如き脂肪族イソシアネート化合物、イソホロン
ジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシ
ルイソシアネート) 、メチルシクロヘキサン−2,4(又は
2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン等の如き脂環族イソシアネート化合
物、トリレンジイソシアネート3モルとトリメチロール
プロパン1モルとの付加体等の如きイソシアネート化合
物等が挙げられる。中でも芳香環にイソシアネート基が
直接結合している化合物がウレタン結合生成後、熱解離
温度を下げるのに効果があり、好ましく用いられる。
【0056】またイソチオシアネート化合物としては、
イソチオシアン酸フェニル、キシリレン−1,4 −ジイソ
チオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等の
化合物等が挙げられる。
【0057】本発明において、(1) の1価のイソシアネ
ート化合物及び/又はイソチオシアネート化合物は外殻
樹脂の分子量調整も兼ねてイソシアネート化合物及び/
又はイソチオシアネート化合物全体の30モル%迄用いる
ことができるが、30モル%を超えるとカプセルトナーの
保存安定性が悪化し好ましくない。
【0058】本発明において、(3) のイソシアネート基
及び/又はイソチオシアネート基と反応する活性水素を
1個有する化合物としては、メチルアルコール、エチル
アルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−
ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアル
コール、シクロヘキシルアルコール、ヘプチルアルコー
ル、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルア
ルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール
等の脂肪族アルコール、フェノール、o−クレゾール、
m−クレゾール、p−クレゾール、4−ブチルフェノー
ル、2−sec −ブチルフェノール、2−tert−ブチルフ
ェノール、3−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブ
チルフェノール、ノニルフェノール、イソノニルフェノ
ール、2−プロペニルフェノール、3−プロペニルフェ
ノール、4−プロペニルフェノール、2−メトキシフェ
ノール、3−メトキシフェノール、4−メトキシフェノ
ール、3−アセチルフェノール、3−カルボメトキシフ
ェノール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノー
ル、4−クロロフェノール、2−ブロモフェノール、3
−ブロモフェノール、4−ブロモフェノール、ベンジル
アルコール、1−ナフトール、2−ナフトール、2−ア
セチル−1−ナフトール等の芳香族アルコール、ε−カ
プロラクタム等のアミド類等の化合物が挙げられる。
【0059】中でも、下式(III )で表されるフェノー
ル誘導体が好ましく用いられる。
【化10】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は、独立してH
、又は炭素数1〜9のアルキル基、アルケニル基、ア
ルコキシ基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若し
くはアリール基又はハロゲンを示す。)
【0060】本発明に用いられる(4) のイソシアネート
基及び/又はイソチオシアネート基と反応する活性水素
を2個以上有する化合物の内、2価以上のアルコール化
合物としては、例えばカテコール、レゾルシン、ハイド
ロキノン、4−メチルカテコール、4−t −ブチルカテ
コール、4−アセチルカテコール、3−メトキシカテコ
ール、4−フェニルカテコール、4−メチルレゾルシ
ン、4−エチルレゾルシン、4−t−ブチルレゾルシ
ン、4−ヘキシルレゾルシン、4−クロロレゾルシン、
4−ベンジルレゾルシン、4−アセチルレゾルシン、4
−カルボメトキシレゾルシン、2−メチルレゾルシン、
5−メチルレゾルシン、t−ブチルハイドロキノン、2,
5 −ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5 −ジ−t−ア
ミルハイドロキノン、テトラメチルハイドロキノン、テ
トラクロロハイドロキノン、メチルカルボアミノハイド
ロキノン、メチルウレイドハイドロキノン、ベンゾノル
ボルネン−3,6 −ジオール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールS、3,3'−ジクロロビスフェノールS、2,2'−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4 −ジヒドロキシベン
ゾフェノン、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'
−ジヒドロキシジフェニル、4,4'−ジヒドロキシジフェ
ニル、2,2'−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,4 −ビ
ス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,4 −ビス
(2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルアミン、1,
3 −ジヒドロキシナフタレン、1,4 −ジヒドロキシナフ
タレン、1,5 −ジヒドロキシナフタレン、2,6 −ジヒド
ロキシナフタレン、1,5 −ジヒドロキシアントラキノ
ン、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキ
シベンジルアルコール、2−ヒドロキシ−3,5 −ジ−t
−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシ−3,5 −
ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシフ
ェネチルアルコール、2−ヒドロキシエチル−4−ヒド
ロキシベンゾエート、2−ヒドロキシエチル−4−ヒド
ロキシフェニルアセテート、レゾルシンモノ−2−ヒド
ロキシエチルエーテル、ヒドロキシヒドロキノン、ガリ
ック酸、3,4,5 −トリヒドロキシ安息香酸エチル等が挙
げられる。中でも下式(IV)で表されるカテコール誘導
体又は下式(V)で表されるレゾルシン誘導体が好まし
く用いられる。
【0061】
【化11】 (式中、R6 、R7 、R8 、R9 は、独立してH 、又は
炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若しくはアリ
ール基又はハロゲンを示す。)
【0062】
【化12】 (式中、R10、R11、R12、R13は、独立してH 、又は
炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ
基、アルカノイル基、カルボアルコキシ基若しくはアリ
ール基又はハロゲンを示す。)
【0063】その他、イソシアネート基及び/又はイソ
チオシアネート基と反応するフェノール性ヒドロキシル
基を1つ有する化合物としては、例えば、o−ヒドロキ
シ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ
安息香酸、5−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸、3−
クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、4−クロロ−2−ヒ
ドロキシ安息香酸、5−クロロ−2−ヒドロキシ安息香
酸、3,5 −ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メ
チル−2−ヒドロキシ安息香酸、5−メトキシ−2−ヒ
ドロキシ安息香酸、3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、
5−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸、2,5 −ジニトロ
サリチル酸、スルホサリチル酸、4−ヒドロキシ−3−
メトキシフェニル酢酸、カテコール−4−カルボン酸、
2,4 −ジヒドロキシ安息香酸、2,5 −ジヒドロキシ安息
香酸、2,6 −ジヒドロキシ安息香酸、3,4 −ジヒドロキ
シ安息香酸、3,5 −ジヒドロキシ安息香酸、3,4 −ジヒ
ドロキシフェニル酢酸、m−ヒドロキシ桂皮酸、p−ヒ
ドロキシ桂皮酸、2−アミノ−4−メチルフェノール、
2−アミノ−5−メチルフェノール、5−アミノ−2−
メチルフェノール、3−アミノ−2−ナフトール、8−
アミノ−2−ナフトール、1−アミノ−2−ナフトール
−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−4−
スルホン酸、2−アミノ−4−ニトロフェノール、4−
アミノ−2−ニトロフェノール、4−アミノ−2,6 −ジ
クロロフェノール、o−アミノフェノール、m−アミノ
フェノール、p−アミノフェノール、4−クロロ−2−
アミノフェノール、1−アミノ−4−ヒドロキシアント
ラキノン、5−クロロ−2−ヒドロキシアニリン、α−
シアノ−3−ヒドロキシ桂皮酸、α−シアノ−4−ヒド
ロキシ桂皮酸、1−ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロ
キシナフトエ酸、3−ヒドロキシナフトエ酸、4−ヒド
ロキシフタル酸等が挙げられる。
【0064】また1分子中にイソシアネート基及び/又
はイソチオシアネート基と反応する1個以上のチオール
基を有するポリチオール化合物としては、エタンチオー
ル、1−プロパンチオール、2−プロパンチオール、チ
オフェノール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテ
ル、1,2 −エタンジチオール、1,4 −ブタンジチオー
ル、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、エチレ
ングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチ
レングリコールビス(3−メルカプトプロピオネー
ト)、2,2 −ジメチルプロパンジオールビス(2−メル
カプトアセテート)、2,2 −ジメチルプロパンジオール
ビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロー
ルプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリ
メチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネ
ート)、トリメチロールエタントリス(2−メルカプト
アセテート)、トリメチロールエタントリス(3−メル
カプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ
キス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリト
ールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジ
ペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトアセ
テート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メ
ルカプトプロピオネート)、1,2 −ジメルカプトベンゼ
ン、4−メチル−1,2 −ジメルカプトベンゼン、3,6 −
ジクロロ−1,2 −ジメルカプトベンゼン、3,4,5,6 −テ
トラクロロ−1,2 −ジメルカプトベンゼン、キシリレン
ジチオール、1,3,5 −トリス(3−メルカプトプロピ
ル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
【0065】本発明に用いられる熱解離性外殻用樹脂に
おいて、熱解離する結合は、全イソシアネート基及び/
又はイソチオシアネート基が関与する結合の内、その数
で少なくとも30%以上必要で、好ましくは50%あれば良
い。この熱解離する結合が全イソシアネート基及び/又
はイソチオシアネート基が関与する結合の数の30%未満
では熱圧力定着時にカプセル外殻強度の低下が充分でな
く、芯材の優れた定着性能を引き出しきれない。
【0066】本発明においては、全イソシアネート基及
び/又はイソチオシアネート基が関与する結合の内、フ
ェノール性ヒドロキシル基及び/又はチオール基との反
応による結合がその数で30%を下回らない範囲でフェノ
ール性ヒドロキシル基及び/又はチオール基以外でイソ
シアネート基と反応する官能基を有する化合物、例えば
下記に示す如きマロン酸エステル類、アセト酢酸エステ
ル類のような活性メチレン基含有化合物、メチルエチル
ケトンオキシムのようなオキシム類、カルボン酸、ポリ
オール、ポリアミン、アミノカルボン酸、アミノアルコ
ール等を外殻形成物質として使用できる。
【0067】上記活性メチレン基含有化合物としては、
マロン酸、マロン酸モノメチル、マロン酸モノエチル、
マロン酸イソプロピル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジ
エチル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸tert−ブチ
ルエチル、マロン酸ジアミド、アセチルアセトン、アセ
ト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸tert−ブ
チル、アセト酢酸アリル等の活性メチレン基含有化合物
を挙げることができる。
【0068】上記カルボン酸としては、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、イソ酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、安息
香酸等の1価のカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、
シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、
セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニル
コハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハ
ク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク
酸、n−オクチルコハク酸等の2価のカルボン酸、1,2,
4 −ベンゼントリカルボン酸、2,5,7 −ナフタレントリ
カルボン酸、1,2,4 −ナフタレントリカルボン酸、1,2,
4 −ブタントリカルボン酸、1,2,5 −ヘキサントリカル
ボン酸、1,3 −ジカルボキシル−2−メチル−2−メチ
レンカルボキシプロパン、1,2,4 −シクロヘキサントリ
カルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、
1,2,7,8 −オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット
酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸を挙
げることができる。
【0069】上記ポリオールとしては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等
のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、
トリメチロールエタン、1,2,6 −ヘキサントリオール等
のトリオール類、ペンタエリスリトール、及び、水等が
挙げられ、上記ポリアミンとしては、例えばエチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、イミノビスプロピルアミン、フェニレンジアミン、
キシリレンジアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げ
られる。
【0070】本発明において、(3) のイソシアネート基
及び/又はイソチオシアネート基と反応する活性水素を
1個有する化合物は、イソシアネート基及び/又はイソ
チオシアネート基と反応する化合物全体の30モル%迄用
いる事ができるが、30モル%を超えるとカプセルトナー
の保存安定性が悪化し好ましくない。
【0071】また外殻を構成するイソシアネート化合物
及び/又はイソチオシアネート化合物〔(1) +(2) 〕
と、イソシアネート基及び/又はイソチオシアネート基
と反応する化合物〔(3) +(4) 〕のモル数の比は、未反
応のイソシアネート基を残存させないために、1:1〜
1:20が好ましい。
【0072】本発明の熱圧力定着用カプセルトナーは、
少なくとも着色剤を含有する熱溶融性芯材と、その芯材
の表面を被覆するよう設けた外殻とにより構成される熱
圧力定着用カプセルトナーの製造方法において、該芯材
の成分として酸無水物基を1個以上有する共重合体を用
いることを特徴とするものである。このように予め酸無
水物基を取り込ませた共重合体を用いることにより、酸
無水物基を有する単量体を用いて芯材樹脂をカプセル化
反応で合成するよりもカプセルトナーの製造を安定化で
きる。
【0073】本発明の熱圧力定着用カプセルトナーの製
造方法において、外殻形成は界面重合、in−situ重合に
より行われるのが好ましいが、例えば芯物質としての母
粒子と数平均粒子径が母粒子の数平均粒子径の 1/8以下
である外殻形成材料の子粒子とを気流中で高速撹拌して
外殻を形成するといった乾式法を用いてもよい。外殻の
主成分は前記のような樹脂よりなる。このような外殻用
樹脂は無触媒でも製造できるが、触媒を使用する場合
は、ジブチル錫ジラウレート等の錫系触媒、1,4−ジア
ザビシクロ〔2.2.2 〕オクタン、N,N,N −トリス(ジメ
チルアミノプロピル)−ヘキサヒドロ−S−トリアジン
等のアミン系触媒等、公知のウレタン触媒を使用するこ
とができる。
【0074】本発明の熱圧力定着用カプセルトナーを界
面重合法、もしくはin−situ重合法にて製造する場合、
前記のような外殻構成材料、芯材構成材料を水性分散媒
に分散させるが、分散質の凝集、合体を防ぐ為に、水性
分散媒中に分散助剤として界面活性剤および分散安定剤
を含有させておくことが好ましい。
【0075】このとき界面活性剤としては、特に限定さ
れることはないが、通常非イオン系界面活性剤が使用さ
れる。非イオン系界面活性剤としては、例えば一般式
(II) で表されるポリエチレングリコール脂肪酸エステ
ル等が好適に用いられる。 XCOO(CH2 CH2 O)p OOCX’ (II) (式中、XおよびX’は炭素数16〜18の飽和アルキ
ル基を示し、XとX’は同一でも異なっていてもよい。
pは175〜180である。)これらの中でも、特に疎
水性の高い非イオン系界面活性剤が好適に用いられる。
界面活性剤の使用量は、分散安定剤に対し、0.1〜
0.5重量%の添加量が好ましい。
【0076】分散安定剤としては、例えばゼラチン、ゼ
ラチン誘導体、ポリビニルアルコール、ポリスチレンス
ルホン酸、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナ
トリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テ
トラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウ
ム、オクチル硫酸ナトリウム、アリル−アルキル−ポリ
エーテルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウ
ム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カ
プリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、3,3 −ジスルホ
ンジフェニル尿素−4,4 −ジアゾ−ビス−アミノ−β−
ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カル
ボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5 −
テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4 −ジアゾ−ビ
ス−β−ナフトール−ジスルホン酸ナトリウム、コロイ
ダルシリカ、アルミナ、リン酸三カルシウム、水酸化第
二鉄、水酸化チタン、水酸化アルミニウム、その他を使
用することができる。これらの分散安定剤は二種以上を
併用してもよい。
【0077】本発明に用いられる水性分散媒としては、
水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、エチレングリコール、グリセリン、アセトニトリ
ル、アセトン、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等が挙げられる。これらを単独あるい
は混合して用いることも可能である。
【0078】本発明において、カプセルトナー中、熱溶
融性芯材の主成分が熱可塑性樹脂よりなり、当該樹脂に
由来するガラス転移点が10℃以上50℃以下であることが
好ましいが、ガラス転移点が10℃未満ではカプセルトナ
ーの保存安定性が悪化し、50℃を越えるとカプセルトナ
ーの定着強度が悪化し好ましくない。本発明において、
ガラス転移点とは示差走査熱量計(セイコー電子工業社
製)を用い、昇温速度10℃/min で測定した際に、ガラ
ス転移点以下のベースラインの延長線とピークの立ち上
がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す
接線との交点の温度をいう。本発明において、カプセル
トナーとしての軟化点は80℃以上150 ℃以下であること
が好ましいが、80℃未満では耐オフセット性が悪化し、
150 ℃を越えると定着強度が悪化し好ましくない。本発
明において、軟化点とは高化式フローテスター(島津製
作所製)を用い、1cm3 の試料を昇温速度6℃/min で
加熱しながらプランジャーにより20kg/cm2 の荷重を与
え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、
これによりフローテスターのプランジャー降下量(流れ
値)−温度曲線を描きそのS字曲線の高さをhとすると
きh/2に対応する温度をいう。
【0079】なお、本発明におけるカプセルトナーの粒
径は別段制約を受けるものではないが、平均粒径は通常
3〜30μm とされる。カプセルトナーの外殻の厚みは0.
01〜1μm が好ましく、0.01μm 未満では耐ブロッキン
グ性が悪化し、1μm を超えると熱溶融性が悪化し好ま
しくない。
【0080】本発明におけるカプセルトナーには、必要
に応じて、流動性向上剤、クリーニング性向上剤などを
用いることができる。流動性向上剤としては、例えばシ
リカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタ
ン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸スト
ロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰
石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガ
ラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコ
ニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができ
る。特にシリカの微粉末が好ましい。
【0081】なお、シリカの微粉末は、Si−O−Si
結合を有する微粉末であり、乾式法及び湿式法で製造さ
れたもののいずれであってもよい。また、無水二酸化ケ
イ素のほか、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、
ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛など
いずれであってもよいが、 SiO2 を85重量%以上含むも
のが好ましい。また、シラン系カップリング剤、チタン
系カップリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミンを有
するシリコンオイルなどにより表面処理されたシリカの
微粉末などを用いることができる。
【0082】クリーニング性向上剤としては、ステアリ
ン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高
分子量体の微粒子粉末などがある。更に現像性を調整す
るための添加剤、例えばメタクリル酸メチルエステル、
メタクリル酸ブチルエステル等の重合物の微粒子粉末な
どを用いてもよい。更に調色、抵抗調整などのために少
量のカーボンブラックを用いてもよい。カーボンブラッ
クとしては従来公知のもの、例えばファーネスブラッ
ク、チャネルブラック、アセチレンブラックなどの種々
のものを用いることができる。
【0083】本発明のカプセルトナーは、磁性体微粉末
を含有するものであるときには単独で現像剤として用い
られ、又磁性体微粉末を含有しないものであるときは、
キャリアと混合して二成分系の現像剤を調製して用いる
ことができる。キャリアとしては、特に限定されない
が、鉄粉、フェライト、ガラスビーズ等、又はそれらの
樹脂被覆したものが用いられ、トナーのキャリアに対す
る混合比は0.5 〜10重量%である。またキャリアの粒径
としては、30〜500 μm のものが用いられる。
【0084】本発明のカプセルトナーは熱と圧力を併用
して紙等の記録材に定着させることにより良好な定着強
度を与えるが、熱圧力定着方法としては、熱と圧力が併
用されておれば、公知のヒートローラー定着方式、又は
例えば特開平2−190870号公報記載の如く、記録材上の
未定着のトナー画像を加熱部と耐熱シートから構成され
た加熱手段により、該耐熱性シートを介して加熱溶融さ
せ、定着せしめる定着方式、又は例えば特開平2−1623
56号公報記載の如く、固定支持された加熱体と、該加熱
体に対向圧接し、且つフィルムを介して記録材を該加熱
体に密着させる加圧部材とにより、該トナーの顕画像を
記録材に加熱加圧定着する方式等の方法が本発明のカプ
セルトナーの定着に適している。
【0085】
【実施例】以下、実施例、比較例および試験例により本
発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施
例等によりなんら限定されるものではない。
【0086】実施例1 スチレン65.0重量部、2−エチルヘキシルアクリレート
35.0重量部の重合性単量体中に過塩基性硫化ドデシルフ
ェノールカルシウム塩 1.0重量部、ジビニルベンゼン
0.7重量部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 4.0重
量部を添加し、マグネチックスターラーで攪拌して均一
にした後、スチレンによりグラフト化されたカーボンブ
ラック『GPT−505P』(菱有工業社製)20重量
部、無水マレイン酸とスチレンの共重合体A( 無水マレ
イン酸: スチレン=1:3 モル比,分子量=1900)1.0 重
量部を添加し、マグネチックスターラーで1時間攪拌し
た後に、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート『Mi
llionate MT 』(日本ポリウレタン工業社製)10.5重量
部を加え、重合性組成物を得た。これを容量1リットル
のガラス製セパラブルフラスコにて予め調製した非イオ
ン系界面活性剤(ポリエチレングリコールジステアレー
ト)0.03gを溶解させたリン酸三カルシウム5重量
%の水性コロイド溶液410g中に添加し、TKホモミキサー
(特殊機化工業社製)を用いて10〜20℃にて、回転数10
000rpmで2分間乳化分散させた。4つ口のガラス製の蓋
をし、還流式冷却管、温度計、窒素導入管付滴下ロー
ト、ステンレス製撹拌棒を取り付けて、電熱マントル中
に設置した。レゾルシン22.0g 、1,4−ジアザビシクロ
〔2.2.2 〕オクタン0.5g、イオン交換水30g の混合溶液
を調製し、滴下ロートより撹拌しながら滴下した。その
後、窒素下にて撹拌を続けながら、80℃迄昇温し、6時
間反応を行った。冷却後、10%塩酸水溶液にて分散剤を
溶かし、濾過、水洗を行い減圧乾燥し、風力分級機にて
分級し平均粒径10μmの外殻が熱解離性ウレタン結合を
有する樹脂からなるカプセルトナーを得た。
【0087】このカプセルトナー 100重量部に、疎水性
シリカ微粉末『アエロジル R-972』(アエロジル社製)
0.6 重量部を加えて混合し、本発明に係るカプセルトナ
ーを得た。これをトナー1とする。芯材中の樹脂に由来
するガラス転移点は28.9℃、又、トナー1の軟化点は13
1.7 ℃であった。
【0088】実施例2 スチレン65.0重量部、2−エチルヘキシルアクリレート
35.0重量部の重合性単量体中に過塩基性硫化ドデシルフ
ェノールカルシウム塩 0.5重量部、ジビニルベンゼン
0.7重量部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 4.0重
量部を添加し、マグネチックスターラーで攪拌して均一
にした後、グラフトカーボン『GPT−505P』20重
量部、無水マレイン酸とスチレンの共重合体A( 無水マ
レイン酸:スチレン=1:3 モル比,分子量=1900)0.5
重量部を添加し、マグネチックスターラーで1時間攪拌
した後に、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート
『Millionate MT 』10.5重量部を加え、重合性組成物を
得た。これを容量1リットルのガラス製セパラブルフラ
スコにて予め調製した非イオン系界面活性剤(ポリエチ
レングリコールジステアレート)0.03gを溶解させたリ
ン酸三カルシウム5重量%の水性コロイド溶液408g中に
添加し、TKホモミキサーを用いて10〜20℃にて、回転数
10000rpmで2分間乳化分散させた。4つ口のガラス製の
蓋をし、還流式冷却管、温度計、窒素導入管付滴下ロー
ト、ステンレス製撹拌棒を取り付けて、電熱マントル中
に設置した。レゾルシン22.0g、1,4 −ジアザビシクロ
〔2.2.2 〕オクタン0.5g、イオン交換水30g の混合溶液
を調製し、滴下ロートより、撹拌しながら滴下した。そ
の後、窒素下にて撹拌を続けながら、80℃迄昇温し、6
時間反応を行った。冷却後、10%塩酸水溶液にて分散剤
を溶かし、濾過、水洗を行い減圧乾燥し、風力分級機に
て分級し平均粒径10μm の外殻が熱解離性ウレタン結合
を有する樹脂からなるカプセルトナーを得た。
【0089】このカプセルトナー 100重量部に疎水性シ
リカ微粉末『アエロジル R-972』(アエロジル社製)0.
6 重量部を加えて混合し、本発明に係るカプセルトナー
を得た。これをトナー2とする。芯材中の樹脂に由来す
るガラス転移点は28.4℃、又、トナー2の軟化点は 13
1.9℃であった。
【0090】実施例3 スチレン65.0重量部、2−エチルヘキシルアクリレート
35.0重量部の重合性単量体中に過塩基性硫化ドデシルフ
ェノールカルシウム塩 0.5重量部、ジビニルベンゼン
0.7重量部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 4.0重
量部を添加し、マグネチックスターラーで攪拌して均一
にした後、グラフトカーボン『GPT−505P』20重
量部、無水マレイン酸とスチレンの共重合体B( 無水マ
レイン酸:スチレン=1:4 モル比,分子量=3570)0.5
重量部を添加し、マグネチックスターラーで1時間攪拌
した後に、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート
『Millionate MT 』10.5重量部を加え、重合性組成物を
得た。これを容量1リットルのガラス製セパラブルフラ
スコにて予め調製した非イオン系界面活性剤(ポリエチ
レングリコールジステアレート)0.03gを溶解させたリ
ン酸三カルシウム5重量%の水性コロイド溶液408g中に
添加し、TKホモミキサーを用いて10〜20℃にて、回転数
10000rpmで2分間乳化分散させた。4つ口のガラス製の
蓋をし、還流式冷却管、温度計、窒素導入管付滴下ロー
ト、ステンレス製撹拌棒を取り付けて、電熱マントル中
に設置した。レゾルシン22.0g 、1,4 −ジアザビシクロ
〔2.2.2 〕オクタン0.5g、イオン交換水30g の混合溶液
を調製し滴下ロートより、撹拌しながら滴下した。その
後、窒素下にて撹拌を続けながら80℃迄昇温し、6時間
反応を行った。冷却後、10%塩酸水溶液にて分散剤を溶
かし、濾過、水洗を行い減圧乾燥し、風力分級機にて分
級し、平均粒径10μmの外殻が熱解離性ウレタン結合を
有する樹脂からなるカプセルトナーを得た。
【0091】このカプセルトナー 100重量部に、疎水性
シリカ微粉末『アエロジル R-972』0.6 重量部を加えて
混合し、本発明に係るカプセルトナーを得た。これをト
ナー3とする。芯材中の樹脂に由来するガラス転移点は
27.0℃、又、トナー3の軟化点は125.0 ℃であった。
【0092】実施例4 スチレン65.0重量部、2−エチルヘキシルアクリレート
35.0重量部の重合性単量体中に過塩基性硫化ドデシルフ
ェノールカルシウム塩 0.5重量部、ジビニルベンゼン
0.7重量部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 4.0重
量部を添加し、マグネチックスターラーで攪拌して均一
にした後、グラフトカーボン『GPT−505P』20重
量部、無水マレイン酸とスチレン、アクリル酸エステル
の共重合体( 無水マレイン酸: スチレン:アクリル酸エ
ステル=1:6.5:1.2 モル比,分子量=4500)0.5 重量部
を添加し、マグネチックスターラーで1時間攪拌した後
に、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート『Millio
nate MT 』10.5重量部を加え、重合性組成物を得た。
【0093】これを容量1リットルのガラス製セパラブ
ルフラスコにて予め調製した非イオン系界面活性剤(ポ
リエチレングリコールジステアレート)0.03gを溶解さ
せたリン酸三カルシウム5重量%の水性コロイド溶液40
8g中に添加し、TKホモミキサーを用いて10〜20℃にて、
回転数10000rpmで2分間乳化分散させた。4つ口のガラ
ス製の蓋をし、還流式冷却管、温度計、窒素導入管付滴
下ロート、ステンレス製撹拌棒を取り付けて、電熱マン
トル中に設置した。レゾルシン22.0g 、1,4 −ジアザビ
シクロ〔2.2.2 〕オクタン0.5g、イオン交換水30g の混
合溶液を調製し滴下ロートより撹拌しながら滴下した。
その後、窒素下にて撹拌を続けながら80℃迄昇温し、6
時間反応を行った。冷却後、10%塩酸水溶液にて分散剤
を溶かし、濾過、水洗を行い減圧乾燥し、風力分級機に
て分級し、平均粒径10μmの外殻が熱解離性ウレタン結
合を有する樹脂からなるカプセルトナーを得た。
【0094】このカプセルトナー 100重量部に、疎水性
シリカ微粉末『アエロジル R-972』0.6 重量部を加えて
混合し、本発明に係るカプセルトナーを得た。これをト
ナー4とする。芯材中の樹脂に由来するガラス転移点は
27.5℃、又、トナー4の軟化点は130.0 ℃であった。
【0095】実施例5 実施例2において、分散媒中の非イオン系界面活性剤に
代わる活性剤として、微量のアニオン系界面活性剤(ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩) 0.016重量部を使用した
以外は、実施例2と同様の操作により表面処理まで行っ
てカプセルトナーを得た。これをトナー5とする。芯材
中の樹脂に由来するガラス転移点は28.5℃、又、トナー
5の軟化点は131.0 ℃であった。
【0096】比較例1 実施例1において、過塩基性硫化ドデシルフェノールカ
ルシウム塩を用いないことと、分散媒中の非イオン系界
面活性剤に代わる活性剤として、アニオン系界面活性剤
(アルキルベンゼンスルホン酸塩)0.8 gを使用した以
外は実施例1と同様の操作により表面処理まで行って、
カプセルトナーを得た。これを比較トナー1とする。芯
材中の樹脂に由来するガラス転移点は27.5℃、又、比較
トナー1の軟化点は 128.0℃であった。
【0097】比較例2 実施例1において、過塩基性硫化ドデシルフェノールカ
ルシウム塩を用いないこと以外は、実施例1と同様の操
作により表面処理迄行ってカプセルトナーを得た。これ
を比較トナー2とする。芯材中の樹脂に由来するガラス
転移点は28.0℃、又、比較トナー2の軟化点は130.0 ℃
であった。
【0098】試験例 以上の実施例及び比較例で得られた各トナーについて、
保存安定性、帯電量測定、定着性試験で評価を行った。
保存安定性試験はトナー単独で評価し、帯電量測定およ
び定着性試験はトナー各々6重量部と250 〜400 メッシ
ュの粒度を有するスチレン/メチルメタクリレート樹脂
被覆された球形フェライト粉94重量部とをポリ容器に入
れ、回転数が150rpmで20分間容器ごとローラー上で回転
混合し、現像剤を調製した。得られた現像剤について帯
電量および定着性について評価した。
【0099】(1)保存安定性については各トナー5g
を60mmφのアルミカップに計量し、温度45℃、相対湿
度40%の条件下で24時間放置したときの凝集の発生程度
を5段階(A−E)評価で行った。結果を表1に示す。 A:テスト前と変わらない。さらさらしている。 B:軽い凝集が極く一部ある。 C:軽い凝集、指で押すとすぐにほぐれる。 D:凝集していて中に指でもほぐれない部分がある。 E:強い凝集、殆ど指ではほぐれない。
【0100】(2)帯電量については、次に述べるブロ
ーオフ式帯電量測定装置によって測定を行った。即ち、
ファラデーケージとコンデンサー、エレクトロメーター
を備えた比電荷測定装置を用い、まず、500 メッシュ
(キャリア粒子の通過しない大きさに適宜変更可能) の
ステンレスメッシュを備えた真鍮製の測定セルに、調製
した現像剤をW(g)(0.15〜0.20g) 入れた。次に吸引
口から5秒間吸引した後、気圧レギュレーターが0.6kgf
/cm2 を示す圧力で5秒間ブローを行い、トナーのみを
セル中から除去した。この時のブロー開始から2秒後の
電位計の電圧をV(volt)とした。ここでコンデンサーの
電気容量をC (μF)とすると、このトナーの比電荷Q/
mは下式の如く求められる。 Q/m(μc/g)=C×V/m ここで、mはW(g)中の現像剤中に含まれるトナーの
重量であるが、現像剤中のトナーの重量をT(g)、現
像剤の重量をD(g)とした場合、試料のトナー濃度は
T/D×100(%)と表され、mは下式の如く求めら
れる。 m(g)=W×(T/D) 通常環境下で調製した現像剤の帯電量測定の結果を表1
に示す。
【0101】
【表1】
【0102】(3)定着性については以下に述べる方法
にて評価した。即ち、前述の調製済現像剤を市販の電子
写真複写機(感光体はセレン−砒素、定着ローラーの回
転速度は255mm/sec 、定着装置中の熱圧力温度を可変に
し、オイル塗布装置を除去したもの)を用いて画像出し
を行った。定着温度を70℃〜 200℃にコントロールし、
画像の定着性、オフセット性を評価した。その結果を表
1に示す。ここでの最低定着温度とは底面が15mm×7.5m
m の砂消しゴムに500gの荷重を載せ、定着機を通して定
着された画像の上を5往復こすり、こする前後でマクベ
ス社の反射濃度計にて光学反射密度を測定し、以下の定
義による定着率が70%を越える際の定着ローラーの温度
をいう。 定着率=(こすった後の像濃度/こする前の像濃度)×
100(%)
【0103】(4)製造安定性については、重合終了ト
ナーを水洗する工程の際、トナー分散液を100 メッシュ
の金網で濾過し金網を通過せずにメッシュ上に残った凝
集物を集め乾燥させて重量を測定した。凝集物の重量と
ともに下記の基準で評価した結果を表1に示す。 〇:凝集物量 2g以下、濾過工程が容易である。 △:凝集物量 2〜10g、濾過工程の際、目詰まりが一部
発生する。 ×:凝集物量10g以上、トナー分散液をイオン交換水で
希釈しないと直ぐに目詰まりが起こり、濾過できない。
【0104】表1から明らかなように、本発明のトナー
1〜5は帯電量が高く、一方、油中分散剤を使用してい
ない比較トナー1〜2は帯電量が低かった。保存安定性
も本発明のトナー1〜5は比較トナー1〜2に比べ良好
であった。この結果から油中分散剤の作用により、重合
性単量体とあまり相溶性が良くなく、かつ親水性の強い
荷電制御剤を用いた場合でも、良好な分散状態が維持で
きることが推察される。即ち、このような荷電制御剤は
重合性単量体中で非常に微細に分散しながら、かつ重合
過程で表面近傍に均一な分散状態で集中し、更にその状
態が維持できたものであると推察される。
【0105】また、定着性については、いずれのトナー
も外殻が熱解離性を示す結合を有する樹脂よりなるた
め、最低定着温度が低く良好であるが、分散媒中の分散
助剤として使用している界面活性剤の種類の違いで、耐
オフセット性に違いが出る。即ち、本発明では非イオン
系界面活性剤であって疎水性の高いものの使用(トナー
1〜4)が特に良好な結果をもたらした。更に、この傾
向は製造安定性についても当てはまるものであった。
【0106】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、過塩基性ド
デシルフェノールカルシウム塩のような油中分散剤添加
と疎水性の高い非イオン系界面活性剤を分散助剤として
併用することにより、添加剤や着色剤等の分散性が著し
く向上する。このため得られる熱圧力定着用カプセルト
ナーは、内部から帯電性が制御できるばかりでなく、ヒ
ートローラー等の熱圧力定着方式において、耐オフセッ
ト性が優れ、低い定着温度で定着でき、かつ、保存安定
性も優れる。また、製造時にトナーの凝集物を殆ど生じ
させることなく、収率よくトナーを製造することができ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含む
    熱溶融性芯材と該芯材の表面を被覆するように設けた外
    殻とにより構成される熱圧力定着用カプセルトナーにお
    いて、該熱溶融性芯材が酸無水物基を一個以上有しかつ
    ガラス転移点が60℃以上である共重合体および油中分
    散剤を含有することを特徴とする熱圧力定着用カプセル
    トナー。
  2. 【請求項2】 油中分散剤が一般式(I)で表される化
    合物である請求項1記載の熱圧力定着用カプセルトナ
    ー。 【化1】 (式中、RおよびR’は炭素数10〜50の直鎖又は分
    岐のアルキル基を示し、RとR’は同一でも異なってい
    てもよい。Mはアルカリ土類金属を示し、mは0〜5,
    nは1〜3である。)
  3. 【請求項3】 芯材構成材料を主として含有する油性成
    分を水性分散媒中に分散させながら重合を行うことによ
    り、少なくとも熱可塑性樹脂と着色剤を含む熱溶融性芯
    材と該芯材の表面を被覆するように設けた外殻とにより
    構成される熱圧力定着用カプセルトナーを製造する方法
    において、該芯材構成材料として酸無水物基を一個以上
    有しかつガラス転移点が60℃以上である共重合体を用
    い、油性成分中に一般式(I)で表される化合物を油中
    分散剤として用いることを特徴とする熱圧力定着用カプ
    セルトナーの製造方法。 【化2】 (式中、RおよびR’は炭素数10〜50の直鎖又は分
    岐のアルキル基を示し、RとR’は同一でも異なってい
    てもよい。Mはアルカリ土類金属を示し、mは0〜5,
    nは1〜3である。)
  4. 【請求項4】 水性分散媒中に界面活性剤および/また
    は分散安定剤を含有させることを特徴とする請求項3記
    載の製造方法。
  5. 【請求項5】 界面活性剤が非イオン系界面活性剤また
    はアニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項
    4記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017107115A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 花王株式会社 電子写真用トナーの製造方法

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