JPWO2005076299A1 - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Abstract

高濃度のイオン性液体を含む電解液を用いた場合でも、レート特性および低温特性に優れるとともに、高静電容量を有する電気二重層キャパシタを提供する。一対の分極性電極と、電解液とを含んで構成され、分極性電極として、MP法により求めたマイクロ孔の細孔半径分布のピークが5.0×10-10〜1.0×10-9mの範囲内にある活性炭を主成分として構成されるものを用い、電解液として、イオン性液体の濃度が2.0mol/L超である電気二重層キャパシタ。

Description

本発明は、電気二重層キャパシタに関する。
非水系電気二重層キャパシタは、大電流で充放電可能という特徴を有しているため、電気自動車、補助電源等のエネルギー貯蔵装置として有望である。
従来の非水系電気二重層キャパシタは、活性炭などの炭素質材料を主体とする正、負極の分極性電極および非水電解液から構成されるが、キャパシタの耐電圧や、静電容量には非水系電解液の組成が大きな影響を及ぼすことが知られている。
非水電解液は、電解質塩と非水系有機溶媒とから構成され、これら電解質塩および非水系有機溶媒の組み合わせについては、現在まで種々検討されてきている。
特に、電解質塩としては、第4級アンモニウム塩(特許文献1:特開昭61−32509号公報、特許文献2:特開昭63−173312号公報、特許文献3:特開平10−55717号公報等)や、第4級ホスホニウム塩(特許文献4:特開昭62−252927号公報等)等が、有機溶媒への溶解性および解離度、ならびに電気化学的安定域が広いことからよく用いられている。
また、イオン性液体であるジアルキルイミダゾリウム塩を電解質塩として用いた例も報告されている(特許文献5:特開平6−61095号公報、特許文献6:特開2002−110472号公報)。
一方、分極性電極としては、一般的に活性炭が用いられ、この活性炭は、ヤシ殻、木屑等の天然物、フェノール樹脂,ポリイミド樹脂等の合成樹脂、石炭および石油系ピッチ、メソフェーズカーボン、炭素繊維、廃タイヤ等の種々の原料を炭化させた後、賦活(水蒸気,炭酸ガス等のガス賦活、塩化亜鉛,水酸化カリウム,リン酸等を用いた薬品賦活等)して製造されている。この場合、活性炭の比表面積や細孔容積、炭素の結晶構造等を制御することによって、大きな静電容量を有する分極性電極が得られる。
しかしながら、上記電解質塩として固体の4級塩を使用した電気二重層キャパシタは、低温下、特に−20℃以下というような極低温下において、4級塩が析出し易いという問題があり、また、析出しないとしても、電気伝導度の著しい低下を招来するという問題がある。
これを解決すべく、イオン性液体であるジアルキルイミダゾリウム塩を用いた場合、無機塩との混合系では、空気中の湿気等に敏感で取り扱いが難しい上、イミダゾリウム塩自体、融点がそれほど低くなく、また、電位窓が比較的狭いという欠点を有している。
これらの課題を解決する技術として、本発明者らは、イオン性液体を電解質塩として用いるとともに、分極性電極を構成する活性炭としてMP法により求めたマイクロ孔の細孔半径分布のピークを所定範囲に有するものを用いた電気二重層キャパシタを既に報告している(PCT/JP03/10630)。この電気二重層キャパシタは、低温における充放電特性に優れるとともに、低温時の内部インピーダンスが低いという利点を有するものである。
特開昭61−32509号公報 特開昭63−173312号公報 特開平10−55717号公報 特開昭62−252927号公報 特開平6−61095号公報 特開2002−110472号公報
しかしながら、電解質塩としてイオン性液体を含み、かつ、活性炭としてMP法により求めたマイクロ孔の細孔半径分布のピークを所定範囲に有するものを用いた上記電気二重層キャパシタにおいて、より体積当たりのエネルギー密度を高めるなどの目的で、分極性電極間に存在するイオン量を増大させるべくイオン性液体の濃度を高めた場合、その目的に反し、大電流放電時の静電容量が低下することに加え、電気二重層キャパシタの充放電特性が低下したり、内部インピーダンスが上昇したりする場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、高濃度のイオン性液体を含む電解質を用いた場合でも、レート特性および低温特性に優れるとともに、高静電容量を有する電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するためにイオン性液体の濃度と活性炭の細孔分布との関係に着目して鋭意検討を重ねた結果、電気二重層キャパシタの電解質としてイオン性液体を2.0mol/L超含むものを用いる場合、イオン性液体を2.0mol/L以下で含む電解質を用いる場合よりも分極性電極を構成する活性炭におけるマイクロ孔の細孔半径分布のピークを若干広めにシフトさせることで、レート特性、低温時の充放電特性低下および内部インピーダンス上昇を確実に防止し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1.一対の分極性電極と、電解質とを含んで構成され、前記分極性電極が、MP法により求めたマイクロ孔の細孔半径分布のピークが5.0×10-10〜1.0×10-9mの範囲内にある活性炭を主成分として構成されるとともに、前記電解質が、少なくともイオン性液体を含み、このイオン性液体の濃度が2.0mol/L超であることを特徴とする電気二重層キャパシタ、
2.前記電解質が、イオン性液体のみからなることを特徴とする1の電気二重層キャパシタ、
3.前記電解質が、2種以上のイオン性液体を含むことを特徴とする1または2の電気二重層キャパシタ、
4.前記イオン性液体が、4級アンモニウム塩または4級ホスホニウム塩であることを特徴とする1〜3のいずれかの電気二重層キャパシタ、
5.前記イオン性液体が、下記一般式(1)で示されることを特徴とする1〜4のいずれかの電気二重層キャパシタ、
Figure 2005076299
〔式中、R1〜R4は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜5のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示し、これらR1、R2、R3およびR4のいずれか2個の基が環を形成していても構わない。ただし、R1〜R4の内少なくとも1つは上記アルコキシアルキル基である。Xは窒素原子またはリン原子を示し、Yは一価のアニオンを示す。〕
6.前記イオン性液体が、下記式(2)で示されることを特徴とする1〜5のいずれかの電気二重層キャパシタ、
Figure 2005076299
〔式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。〕
7.前記活性炭が、石炭系ピッチ、石油系ピッチ、コークスおよびメソフェーズカーボンから選ばれる少なくとも1種の炭化物の薬品賦活物であることを特徴とする1〜6のいずれかの電気二重層キャパシタ
を提供する。
本発明の電気二重層キャパシタによれば、分極性電極が、MP法により求めたマイクロ孔の細孔半径分布のピークが5.0×10-10〜1.0×10-9mの範囲内にある活性炭を主成分として構成されているから、電解質としてイオン性液体を2.0mol/L超含むものを用いた場合にも、レート特性および低温下での充放電特性に優れ、かつ、低温での内部インピーダンスを低くすることができる。
しかも、4級アンモニウム塩および4級ホスホニウム塩からなるイオン性液体は、イミダゾリウム系やピリジニウム系のイオン性液体に比べて電位窓が広いため、これらのイオン性液体を電解質として用いることで、定格電圧を大きくすることが可能であり、かつ単位体積当たりに存在するイオン量が多くなることから、エネルギー密度の高い電気二重層キャパシタを得ることができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る電気二重層キャパシタは、一対の分極性電極と、電解質とを含んで構成され、分極性電極が、MP法により求めたマイクロ孔の細孔半径分布のピークが5.0×10-10〜1.0×10-9mの範囲内にある活性炭を主成分として構成されるとともに、電解質が、少なくともイオン性液体を含み、このイオン性液体の濃度が2.0mol/L超であることを特徴とするものである。
本発明において、イオン性液体としては、特に限定されるものではないが、4級アンモニウム塩または4級ホスホニウム塩であることが好ましく、特に、下記一般式(1)を有するイオン性液体であることが好適である。
Figure 2005076299
〔式中、R1〜R4は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜5のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示し、これらR1、R2、R3およびR4のいずれか2個の基が環を形成していても構わない。ただし、R1〜R4の内少なくとも1つは上記アルコキシアルキル基である。Xは窒素原子またはリン原子を示し、Yは一価のアニオンを示す。〕
ここで、炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられるが、イオン径が小さいほど電解液中におけるイオンの移動が有利になるという点を考慮すると、R1〜R4の少なくとも1つはメチル基、エチル基またはプロピル基、特に、メチル基またはエチル基であることが好ましい。なお、これらのエチル基またはプロピル基がその他のアルキル基と環を形成していてもよい。
また、R′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基としては、メトキシまたはエトキシメチル基、メトキシまたはエトキシエチル基、メトキシまたはエトキシプロピル基、メトキシまたはエトキシブチル基が挙げられる。上記nは1〜4の整数であるが、イオン性液体の安定性を高めるという点を考慮すると、1〜2が好ましく、特に、n=2が好ましい。
また、R1〜R4のいずれか2個の基が環を形成している化合物としては、Xに窒素原子を採用した場合には、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環等を有する4級アンモニウム塩、一方、Xにリン原子を採用した場合には、ペンタメチレンホスフィン(ホスホリナン)環等を有する4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
本発明において、好適に用いられる4級アンモニウム塩および4級ホスホニウム塩の具体例としては、以下の化合物(2)〜(11)が挙げられる(Meはメチル基、Etはエチル基を示す)が、特に、置換基として、メチル基、2つのエチル基、およびメトキシエチル基を有し、BF4 -をアニオン種とする下記式(2)で示される4級塩が好適であり、このイオン性液体を電解質塩として用いることで、より一層低温における充放電特性に優れた電気二重層キャパシタを得ることができる。
Figure 2005076299
上記一価のアニオンYとしては、特に限定されるものではなく、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、AlCl4 -、HSO4 -、ClO4 -、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CF3CO2 -、(CF3SO22-、Cl-、Br-、I-等のアニオンを用いることができるが、非水系有機溶媒中での解離度、安定性および移動度等を考慮すると、BF4 -、PF6 -、(CF3SO22-、CF3SO3 -、CF3CO2 -を用いることが好ましい。
これらの中でも、特に、イオン性液体の粘度をより低くして取り扱い性を高めるという点から、(CF3SO22-を用いることが好ましく、また、汎用性が高く、PF6 -よりも水の影響を受けにくく扱い易いという点から、BF4 -を用いることが好ましい。
上記4級アンモニウム塩の一般的な合成法は、次のとおりである。まず、3級アミン類と、アルキルハライドまたはジアルキル硫酸等とを混合し、必要に応じて加熱を行うことで4級アンモニウムハライド塩とする。なお、アルコキシエチルハライド、アルコキシメチルハライド等の反応性の低い化合物を用いる場合、オートクレーブ等を用いて加圧下で反応させることが好適である。
上述のようにして得られた4級アンモニウムハライド塩を、水等の水性媒体中に溶解し、ホウフッ化水素酸や、テトラフルオロリン酸等の必要とするアニオン種を発生させる試薬と反応させてアニオン交換反応を行い、4級アンモニウム塩を得ることができる。また、4級アンモニウムハライド塩が有機溶媒に可溶な場合は、このハライド塩を、必要とするアニオン種の銀塩と反応させることによりアニオン交換反応させて4級アンモニウム塩を得ることも可能である。
また、4級ホスホニウム塩は、4級アンモニウム塩と同様、3級ホスフィン類と、アルキルハライドまたはジアルキル硫酸等とを混合し、必要に応じて加熱を行うことで、一般的に合成することができる。陰イオンを種々に変化させた4級ホスホニウム塩を製造する場合には、4級アンモニウム塩同様、4級ホスホニウムハライド(塩化物、臭化物、ヨウ化物)を、水性媒体中に溶解し、必要とするアニオン種を発生させる試薬と反応させて、アニオン交換反応を行えばよい。
上記イオン性液体の融点は、50℃以下であり、好ましくは30℃以下、特に好ましくは20℃以下である。ここで、融点が50℃を超えると、低温下において電解液中でイオン性液体が析出し、イオン電導率が低下する可能性が高くなるのみならず、イオン性液体単独での使用に適さない。上記イオン性液体の融点は低いほど好ましく、その下限値は特に限定されない。
なお、本発明のイオン性液体は、従来からよく用いられているイミダゾリウムイオンを有するイオン性液体と比較して低い融点を有しているから、該イオン性液体を含む電解質を用いることで、より低温特性に優れた電気二重層キャパシタを得ることができる。
また、上記イオン性液体は、イミダゾリウムイオンを有するイオン性液体と比較して、広い電位窓を有しているから、充放電時に還元分解を受けにくく、安定性の高い電気二重層キャパシタを得ることができる。
本発明の電気二重層キャパシタに用いられる電解質は、少なくともイオン性液体を含み、このイオン性液体の濃度が2.0mol/L超のものである。この場合、イオン性液体の濃度の上限は特に限定されるものではなく、イオン性液体のみからなる電解質とすることもできる。電解質中におけるイオン性液体の濃度を高くすることで、近年イオン吸着能が高まり高容量化してきた分極性電極に充分な量のイオンを供給することができるとともに、より電気二重層キャパシタの安全性を高めることができる。
なお、「イオン性液体のみからなる電解質」とは、通常の電解質の必須構成成分である電解質塩および非水系有機溶媒の両成分の作用を、イオン性液体のみに発揮させるものであることを意味している。したがって、電解質がイオン性液体のみからなるものであっても、後に詳述するような電解質中に通常配合される任意の添加剤等は、必要に応じてもちろん配合することができる。
また、2種以上のイオン性液体を含む電解質とすることもでき、このようにすれば、イオン解離度は大きいが液粘度の高いイオン性液体と、その逆の性質を持つイオン性液体とを混合することにより、広い温度範囲でイオン導電性が高い電解質を得ることができる。
さらに、ゲル化剤等を添加してイオン性液体を固体化して固体電解質とすることもでき、このようにすれば、分極性電極間にセパレータを介在させる必要がなくなる。
イオン性液体のみからなる電解質ではない場合、イオン性液体と非水系有機溶媒とを混合して用いることになる。この非水系有機溶媒としては、イオン性液体を溶解することができ、分子径が小さく、電気二重層キャパシタの作動電圧範囲で安定なものであれば、特に限定はないが、誘電率が大きく、電気化学的安定範囲が広いものであるとともに、使用温度範囲が広く安全性に優れているものが好ましい。
具体的には、アセトニトリル,プロピオニトリル等のニトリル類、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、メチルジグライム、メチルトリグライム、メチルテトラグライム、エチルグライム、エチルジグライム、ブチルジグライム等、グリコールエーテル類(エチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルセルソルブ、ブチルカルビトール等)などの鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン等の複素環式エーテル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン、3−エチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン等のブチロラクトン類、電気化学素子に一般に使用されるその他の溶剤であるアミド溶剤(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等)、カーボネート溶剤(ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、スチレンカーボネート等)、イミダゾリジノン溶剤(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)などが挙げられ、これらの溶媒の中から1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることもできる。
これらの中でも、特に、−20℃以下という極低温においても電解質塩の溶解性が高く、電気的性能に優れ、かつ、高温下での使用時に引火点が比較的高いという点から、プロピレンカーボネートを用いることが好ましい。
なお、本発明の電気二重層キャパシタに用いられる電解質には、その中のイオン性液体濃度に関わらず、界面活性剤、分解抑制剤、脱水剤、ハロゲン除去剤、難燃剤等の一般的に電解質に用いられる各種添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量は、特に限定されるものではないが、電解質に対し、通常、20質量%以下とされる。
本発明の電気二重層キャパシタに用いられる分極性電極は、MP法により求めたマイクロ孔の細孔半径分布のピークが5.0×10-10〜1.0×10-9m(5.0〜10Å)、好ましくは5.5×10-10〜9.0×10-10m(5.5〜9.0Å)、より好ましくは6.0×10-10〜8.0×10-10m(6.0〜8.0Å)の範囲内にある活性炭を主成分とするものである。
上記活性炭におけるMP法により求めたマイクロ孔の細孔半径分布のピークが5.0×10-10m未満であると、電解液中のイオン性液体の濃度を2.0mol/L超とした場合におけるレート特性が低下するとともに、低温下での充放電特性が悪くなる可能性が高い。一方、1.0×10-9mを超えると、活性炭の比表面積を大きく保つことが困難で、比表面積が小さくなることにより静電容量が低下する虞がある。
ここで、MP法とはマイクロ孔の解析に一般的に用いられている手法であり、BET測定の結果をt−プロットし、折れ曲がり部分付近の曲率解析で算出する方法である。本発明における細孔半径分布およびピークは、窒素ガス吸着によるBET測定の結果より求めた値である。具体的には、DE BOERの式(参照:J.C.P.BROEKHOFF, J.H.DE BOER、J. Catalysis、 9, 15頁,1967年)を用いて相対圧からの吸着層の厚みを算出し、吸着層の厚みと、沸点−195.8℃における窒素ガスの吸着量との相関図(t−プロット)を作成し、この相関図の各点での接線の傾きの変化量から区間毎の表面積を算出し、この表面積の変化量から細孔容積を求める(参照:R.SH.MIKHAIL, S.BRUNAUER, E.E.BODOR,Jounal of Colloid and Interface Science, 26, 45−53頁、1968年)。
また、活性炭の原料としては、マイクロ孔径分布のピークを上記範囲内とし得るものであれば、特に限定されるものではなく、ヤシ殻、コーヒー豆、竹、木屑、石炭系ピッチ、石油系ピッチ、コークス、メソフェーズカーボン、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂等種々の原料を用いることができるが、焼成、賦活後に黒鉛微細構造体を形成し、その結果キャパシタの内部抵抗を小さくすることができるため、石炭系ピッチ、石油系ピッチ、コークスおよびメソフェーズカーボンから選ばれる少なくとも1種の炭化物が好適である。
また、賦活化法としても、特に限定されるものではなく、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、塩化亜鉛、りん酸等を用いた薬品賦活、炭酸ガス、酸素、水蒸気等を用いたガス賦活等の公知の種々の賦活化法を用いることができる。これらの中でも、石炭系ピッチ、石油系ピッチ、コークス、メソフェーズカーボン等の易黒鉛化炭素材料を賦活する場合は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムを用いた薬品賦活法を用いることで、効率的に細孔を形成することができる。ただし、薬品賦活を用いる場合、細孔半径分布のピークが狭くなりがちであるため、本発明の活性炭に最適な細孔半径分布とするためには、薬品賦活に加えてさらに水蒸気賦活等の二次賦活を行い、細孔半径分布を制御することが好ましい。
なお、活性炭の形状としては、破砕、造粒、顆粒、繊維、フェルト、織物、シート状等各種の形状があるが、いずれも本発明に使用することができる。
上記分極性電極は、上述したマイクロ孔径分布を有する活性炭を主成分とし、さらにこの活性炭にバインダーポリマーを配合してなる分極性電極組成物を集電体上に塗布してなるものを用いることができる。
ここで、バインダーポリマーとしては、当該用途に使用できるポリマーであれば特に限定はなく、公知の種々のバインダーポリマーを使用することができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミド、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂等を用いることができる。
これらのバインダーポリマーの添加量は、上記活性炭100質量部に対して、0.5〜20質量部、特に、1〜10質量部であることが好ましい。
なお、分極性電極組成物の調製法には、特に限定はなく、例えば、上記活性炭およびバインダーポリマーを溶液状に調製することもでき、またこの溶液に必要に応じて溶媒を添加して調製することもできる。
このようにして得られた分極性電極組成物を集電体上に塗布することにより、分極性電極が得られることになる。この場合、塗布の方法は、特に限定されず、ドクターブレード、エアナイフ等の公知の塗布法を適宜採用すればよい。
この集電体を構成する正・負極としては、通常、電気二重層キャパシタに用いられるものを任意に選択して使用できるが、正極集電体としてアルミニウム箔または酸化アルミニウム箔を用いることが好ましく、一方、負極集電体として銅箔、ニッケル箔または表面が銅めっき膜もしくはニッケルめっき膜にて形成された金属箔を用いることが好ましい。
上記各集電体を構成する箔の形状としては、薄い箔状、平面に広がったシート状、孔が形成されたスタンパブルシート状等を採用できる。また、箔の厚さとしては、通常、1〜200μm程度であるが、電極全体に占める活性炭の密度および電極の強度等を考慮すると、8〜100μmが好ましく、特に8〜30μmがより好ましい。
なお、分極性電極は、分極性電極組成物を溶融混練した後、押出し、フィルム成形することにより形成することもできる。
さらに、上記活性炭には導電材を添加することもできる。導電材としては、活性炭に導電性を付与できるものであれば特に限定はなく、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム、ニッケル等の金属ファイバなどが挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、カーボンブラックの一種であるケッチェンブラック、アセチレンブラックが好ましい。
ここで、導電材の平均粒径は、特に限定されるものではなく、通常、10nm〜10μm、好ましくは10〜100nm、より好ましくは20〜40nmであり、特に、上記活性炭の平均粒径の1/5000〜1/2、特に1/1000〜1/10であることが好ましい。
また、その添加量も、特に限定されるものではないが、静電容量および導電性付与効果等を考慮すると、上記活性炭100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
液状電解質を用いる場合に使用されるセパレータとしては、通常電気二重層キャパシタ用のセパレータとして用いられているものを使用することができる。例えば、ポリオレフィン不織布、PTFE多孔体フィルム、クラフト紙、レーヨン繊維・サイザル麻繊維混抄シート、マニラ麻シート、ガラス繊維シート、セルロース系電解紙、レーヨン繊維からなる抄紙、セルロースとガラス繊維の混抄紙、またはこれらを組み合わせて複数層に構成したものなどを使用することができる。
本発明の電気二重層キャパシタは、上記のようにして得られる一対の分極性電極間に、必要に応じてセパレータを介在させてなる電気二重層キャパシタ構造体を積層、折畳、または捲回し、これを電池缶またはラミネートパック等の電池容器に収容した後、電解液を充填し、電池缶であれば封缶することにより、一方、ラミネートパックであればヒートシールすることにより、組み立てることができる。
以上で説明した本発明の電気二重層キャパシタは、携帯電話、ノート型パソコンや携帯用端末等のメモリーバックアップ電源用途、携帯電話、携帯用音響機器等の電源、パソコン等の瞬時停電対策用電源、太陽光発電、風力発電等と組み合わせることによるロードレベリング電源等の種々の小電流用蓄電デバイスに好適に使用することができる。また、大電流で充放電可能な電気二重層キャパシタは、電気自動車、電動工具等の大電流を必要とする大電流蓄電デバイスとして好適に使用することができる。
以下、合成例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
[合成例1] 化合物(2)の合成
Figure 2005076299
ジエチルアミン(関東化学(株)製)100mlと2−メトキシエチルクロライド(関東化学(株)製)85mlとを混合し、得られた混合溶液をオートクレーブ中に入れ、100℃で24時間反応させた。この時、内圧は、0.127MPa(1.3kgf/cm2)であった。24時間後、析出した結晶と反応液との混合物に水酸化カリウム(片山化学工業(株)製)56gを溶解した水溶液200mlを加え、分離した2層のうちの有機層を分液ロートで分液した。さらに、塩化メチレン(和光純薬工業(株)製)100mlを加え抽出する操作を2回行った。分液した有機層をまとめ、飽和食塩水で洗浄した後、炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製)を加えて乾燥し、減圧濾過した。得られた有機層の溶媒をロータリーエバポレーターを用いて留去し、残留分について常圧蒸留を行い、沸点135℃付近の留分を18.9g得た。この化合物が2−メトキシエチルジエチルアミンであることを1H−核磁気共鳴スペクトル(以下、NMRという)により確認した。
得られた2−メトキシエチルジエチルアミン8.24gをテトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)10mlに溶解し、氷冷下、ヨウ化メチル(和光純薬工業(株)製)4.0mlを加えた。30分後、アイスバスを外し、室温にて一晩撹拌した。この反応溶液の溶媒を減圧留去し、得られた固形分をエタノール(和光純薬工業(株)製)−テトラヒドロフラン系で再結晶し、2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩を16g得た。
続いて、2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩15.0gを蒸留水100mlに溶解し、酸化銀(関東化学(株)製)6.37gを加え、3時間撹拌した。この反応混合物を減圧濾過して、沈殿物を取り除いた後、撹拌下、42%テトラフルオロホウ酸(関東化学(株)製)を反応液がpH5〜6付近になるまで少量ずつ加えた。この反応溶液を凍結乾燥し、さらに真空ポンプで水を充分留去し、室温(25℃)で液体状の化合物(2)を12.39g得た。
[合成例2] 化合物(11)の合成
Figure 2005076299
2.0Mジメチルアミン−THF溶液(アルドリッチ社製)100mlと2−メトキシエチルクロライド(関東化学(株)製)9.1mlとを混合し、オートクレーブ中、100℃で12時間反応させた。この時、内圧は、0.36MPa(3.7kgf/cm2)であった。12時間後、この反応液中に生じた結晶を濾別し、濾液を蒸留して大部分のTHFを除去し、ジメチル−2−メトキシエチル混合物の透明液体を得た。
この液体に、氷冷下、ヨウ化メチル(和光純薬工業(株)製)8.0mlを加えた後、アイスバスを外して一晩攪拌した。得られた反応物を減圧留去し、オイル状の2−メトキシエチルエチルジメチルアンモニウムヨウ素塩を3.04g得た。
次に、テトラフルオロホウ酸銀2.28gを秤量し、クロロホルム:アセトニトリル(1:1、体積比)混合溶媒30mlを加えて攪拌した後、この懸濁液に上記で調製した2−メトキシエチルジメチルアンモニウムヨウ素塩3.04gをクロロホルム:アセトニトリル(1:1)30mlに溶解させたものを加え、80分間攪拌した。生じた結晶を減圧濾過で取り除き、濾液中の溶媒をエバポレータおよび真空ポンプで留去した。
さらに、残留分2.85gをワコーゲル(商品名、C−200、和光純薬工業(株)製)、溶出液クロロホルム:メタノール=1:1(体積比)の条件でシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、室温(25℃)で液体状の化合物(11)を1.57g得た。
[合成例3] 化合物(7)の合成
Figure 2005076299
合成例1と同様の方法で得られた2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩10.0gをアセトニトリル(関東化学(株)製)50mLに溶解した。これにトリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム(キシダ化学(株)製)9.5gを加え、これが完全に溶解した後、さらに15分間攪拌した。
アセトニトリルを減圧留去し、残留分に水を加え、分離した2層のうちの有機層を分液し、水で5回洗浄し、有機層中の不純物を取り除いた。
洗浄後の有機層を真空ポンプにて減圧にし、水を充分に留去し、室温(25℃)で液体状の化合物(7)を6.8g得た。
[実施例1]
[1]活性炭の作成
原料として60mesh以下に粉砕した石油系針状生コークスと、水酸化カリウムと、混練溶媒として10%(V/V)エタノール水溶液とを、原料:水酸化カリウム:混練溶媒=1:4:25(質量比)で充分混練した後、ホットプレート上で溶媒を蒸発させた。次に混練物を、窒素気流下、400℃になるまで昇温して60分間脱水を行い、水蒸気の発生が終ってから更に700℃になるまで昇温して60分間保持し、薬品賦活を行った。
薬品賦活終了後、内容物を室温まで冷却し、続いて洗浄液中にアルカリが検出されなくなるまで水洗した。次いで、窒素気流下、水蒸気の存在下で薬品賦活物を900℃になるまで昇温して60分間保持し、水蒸気賦活を行った。水蒸気賦活物をボールミルで平均粒径10μmになるまで粉砕して、表1に示すBET比表面積および細孔半径分布ピーク値を有する活性炭1を得た。
なお、BET比表面積は、窒素ガス吸着法により算出した値であり、細孔半径分布ピークは上記BET測定結果に基づいてMP法により算出した値である。また、平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置マイクロトラックHRA(日機装(株)製)を用いて測定した値である。
[2]キャパシタセルの作製
活性炭1、導電剤(デンカブラック HS100、電気化学工業(株)製)、および結着剤(PVdF900、呉羽化学(株)製)を、活性炭:導電剤:結着剤=90:5:5の配合比(質量比)で混合して得られた充填物質と、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPという、片山化学工業(株)製)を、充填物質:NMP=100:212.5(質量比)の割合で混合した電極スラリーを調製した。
この電極スラリーを、Al/AlOXシート(30CB、日本蓄電器工業(株)製)の片面上に、乾燥後の塗布厚が0.070mmになるように塗布後、乾燥(80℃)、圧延(充填密度、約0.6g/cm3)して電極シートを得た。その後、電極シートを150℃で3日間減圧乾燥した後、打ち抜き機でφ12mmに打ち抜いて試験電極とした。
続いて、二極式コインセル(北斗電工(株)製)を用い、上記試験電極2枚をセルロース系セパレータ(TF40−35、日本高度紙工業(株)製)を介してコインセルに組み立て、電解質として化合物(2)の2.2mol/Lプロピレンカーボネート(以下PCという、関東化学(株)製)溶液を用いてキャパシタセル1を作製した。
[実施例2]
電解質として化合物(2)の3.0mol/L、PC溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてキャパシタセル2を作製した。
[実施例3]
電解質として化合物(2)のみを用いた以外は実施例1と同様にしてキャパシタセル3を作製した。
[実施例4]
[1]活性炭の作成
活性炭1の水蒸気賦活について、900℃での保持時間を120分間に変更した以外は実施例1と同様にして活性炭2を得た。
[2]キャパシタセルの作製
活性炭2を用いた以外は実施例1と同様にしてキャパシタセル4を作製した。
[実施例5]
活性炭2を用いた以外は実施例2と同様にしてキャパシタセル5を作製した。
[実施例6]
活性炭2を用いた以外は実施例3と同様にしてキャパシタセル6を作製した。
[実施例7]
電解質として化合物(11)の2.2mol/L、PC溶液を用いた以外は実施例4と同様にしてキャパシタセル7を作製した。
[実施例8]
電解質として化合物(11)の3.0mol/L、PC溶液を用いた以外は実施例4と同様にしてキャパシタセル8を作製した。
[実施例9]
電解質として化合物(11)のみを用いた以外は実施例4と同様にしてキャパシタセル9を作製した。
[実施例10]
電解質として化合物(2):化合物(7)=1:2(容積比)を用いた以外は実施例4と同様にしてキャパシタセル10を作製した。
[比較例1]
[1]活性炭の作成
原料として60mesh以下に粉砕した石油系針状生コークスと、水酸化カリウムと、混練溶媒として10%(V/V)エタノール水溶液とを、原料:水酸化カリウム:混練溶媒=1:4:25(質量比)で充分混練した後、ホットプレート上で溶媒を蒸発させた。次に混練物を、窒素気流下、400℃になるまで昇温して60分間脱水を行い、水蒸気の発生が終ってから更に700℃になるまで昇温して60分間保持し、薬品賦活を行った。
賦活終了後、内容物を室温まで冷却し、続いて洗浄液中にアルカリが検出されなくなるまで水洗した後、乾燥した。得られた賦活物をボールミルで平均粒径10μmになるまで粉砕して、表1に示すBET比表面積および細孔分布ピーク値を有する活性炭3を得た。
[2]キャパシタセルの作製
活性炭3を用いた以外は実施例1と同様にしてキャパシタセル11を作製した。
[比較例2]
活性炭3を用いた以外は実施例2と同様にしてキャパシタセル12を作製した。
[比較例3]
活性炭3を用いた以外は実施例3と同様にしてキャパシタセル13を作製した。
[比較例4]
電解質として化合物(2)の1.5mol/L、PC溶液を用いた以外は実施例4と同様にしてキャパシタセル14を作製した。
Figure 2005076299
上記各実施例および比較例で得られたキャパシタセル1〜14について、充放電システム(1005SM8、北斗電工(株)製)を用いて、測定環境温度と電流密度を変えて充放電することにより、下記特性を評価した。得られた結果を表2に示した。なお、表2の静電容量は、活性炭質量あたりの静電容量として示したものである。
(1)環境温度別静電容量:
0V〜3.0Vまで、充電電流密度1mA/cm2で定電流充電を行い、3.0V到達後15分間定電圧充電の後、放電電流密度1mA/cm2で0Vまで定電流放電を行った。この一連の充放電を1サイクルとし、測定環境温度25℃、−40℃、60℃の三条件で各10サイクル充放電した際の最後の3サイクルの平均値を静電容量値とした。
静電容量は、放電時2.4V〜1.2Vまでの時間−電圧曲線の傾きから算出した。温度環境は、恒温槽(EC−25MTP、(株)日立製作所製)内に試験セルを設置し、設定温度下に6時間放置した後、測定を行った。
(2)レート特性:
25℃時、放電電流密度を20mA/cm2にした以外は、上記と同様に充放電を行い、25℃、1mA/cm2放電時の静電容量に対する維持率を算出した。
(3)サイクル特性:
キャパシタセル4〜6、13について、25℃、放電電流密度1mA/cm2で1,000サイクル充放電を行い、10サイクル目に対する1,000サイクル目の静電容量の維持率を算出した。
Figure 2005076299
表2に示されるように、細孔半径ピーク値が広い活性炭を用いたキャパシタセルは、どの環境温度でも安定した静電容量を示していることがわかる。
レート特性は、電解質中のイオン性液体濃度が上昇するに従い悪くなっているが、これは電解質粘度の上昇が影響していると考えられ、この現象も細孔半径ピーク値が広い活性炭を用いたキャパシタセルにおいては改善が見られている。
サイクル特性は、電解質中のイオン性液体濃度が上昇するに従い維持率が高くなっており、イオン性液体濃度の上昇に伴って、耐久性が向上することがわかる。

Claims (7)

  1. 一対の分極性電極と、電解質とを含んで構成され、
    前記分極性電極が、MP法により求めたマイクロ孔の細孔半径分布のピークが5.0×10-10〜1.0×10-9mの範囲内にある活性炭を主成分として構成されるとともに、前記電解質が、少なくともイオン性液体を含み、このイオン性液体の濃度が2.0mol/L超であることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 前記電解質が、イオン性液体のみからなることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
  3. 前記電解質が、2種以上のイオン性液体を含むことを特徴とする請求項1または2記載の電気二重層キャパシタ。
  4. 前記イオン性液体が、4級アンモニウム塩または4級ホスホニウム塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
  5. 前記イオン性液体が、下記一般式(1)で示されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
    Figure 2005076299
    〔式中、R1〜R4は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜5のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示し、これらR1、R2、R3およびR4のいずれか2個の基が環を形成していても構わない。ただし、R1〜R4の内少なくとも1つは上記アルコキシアルキル基である。Xは窒素原子またはリン原子を示し、Yは一価のアニオンを示す。〕
  6. 前記イオン性液体が、下記式(2)で示されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
    Figure 2005076299
    〔式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。〕
  7. 前記活性炭が、石炭系ピッチ、石油系ピッチ、コークスおよびメソフェーズカーボンから選ばれる少なくとも1種の炭化物の薬品賦活物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
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