JP2013544758A - アリールジアゾニウム塩および電気化学的発電装置の電解液中での使用 - Google Patents

アリールジアゾニウム塩および電気化学的発電装置の電解液中での使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒドロキシル官能基を持たない、以下の一般式(1)のジアゾニウムアリール塩に関する。
Figure 2013544758

[式中、
nは、1から10の間、好ましくは1から4の間に含まれる整数であり、
は、ハロゲン化物、BF4−、NO3−、HSO4−、PF6−、CH3COO−、N(SO2CF3)2−、CF3SO3−、CH3SO3−、CF3COO−、(CH3O)(H)PO2−、N(CN)2−から選択されるジアゾニウムカチオンの対イオンを表し、
R1、R2、およびR4は、同一または異なっていて、独立して、−CH2−、環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
AおよびA’は、同一または異なっていて、独立して、フェニル、アリール基、縮合多芳香族基から形成される群より選択される単環式または多環式の芳香族炭化水素系基を表し、置換されていてもよい。]

Description

本発明は、ジアゾニウム塩、および電気化学的発電装置の電解液中でのその使用に関する。
電気化学的発電装置に用いられる電解液は、従来、溶媒および電解質塩によって形成される。電気化学的発電装置の概念は、蓄電池およびスーパーキャパシタの両方を意味する。蓄電池は、電力の貯蔵および回復(restore)のために電気化学反応を用いるエネルギー貯蔵システムとして定義される。Liイオン電池は、一般的に、溶解したリチウム塩を含有する有機溶媒系の電解液を用いている。スーパーキャパシタは、電極物質の表面における吸着反応を介して大量のエネルギーを貯蔵すること、および出力密度を回復することができる電気化学キャパシタであり、電池と従来の電解キャパシタとの中間である。
しかし、水系電解液を用いる電気化学的発電装置、特にリチウムイオン蓄電池は、開発が始まったばかりである。
水系電気化学蓄電池は、従来、正極および負極、正極と負極との間の電気絶縁を行う多孔性セパレータ、ならびにイオン性の導電を行う1つ以上の塩が溶解された水系電解液から構成される。一般的に用いられる塩は、例えば、鉛蓄電池の場合はHSO、アルカリ蓄電池の場合はKOH‐LiOH‐NaOH混合物、および水系リチウム蓄電池の場合は、LiNO、LiSO、LiOHなどのリチウム塩である。電解液は、電極およびセパレータの細孔部の全体または一部分に含浸する。正極および負極はいずれも、それぞれ正極および負極活物質、カーボンブラックおよびカーボンファイバーなどの電子伝導体、増粘剤、ならびにバインダーから構成される。
水系スーパーキャパシタは、従来、比表面積が大きい活性炭素系の化合物か、またはMnO、RuO、LiTi12、TiO系の遷移金属酸化物のいずれかを一体化した2つの多孔性電極、この2つの電極間の多孔性分離膜、およびKOH、HSO、KNO、LiNO、NaSOなどのイオン性の導電を行う1つ以上の塩が溶解された水系電解液から構成される。
電気化学的発電装置の性能は、電池を作動させた際の有機または水系電解液の不安定化の現象によって悪影響を受ける場合がある。電解液は、実際、用いられる電極対に応じて、有機電解液の場合は1.9Vから5V、水系電解液の場合は1.2Vから2Vに含まれる電池の動作電圧に耐える必要がある。電解液の安定性よりも高いまたは低い電極電位の場合、電極表面上にて、電極の分解の触媒される寄生反応が見られる。
この分解現象を除去または低減する傾向を有する溶液の開発は、特に、この現象が特に抑制要因である水系電解液リチウムイオン蓄電池の場合、極めて重要である。
図1に示すように、水の対pHでの熱力学的安定性のウィンドウは、1.23Vであり、これによってそのような電気化学的発電装置の活物質の選択肢が極めて制限される。従って、水の安定性ウィンドウから外れた位置にあるリチウムの挿入および放出(extraction)電位を有するリチウムイオン蓄電池の活物質の場合、水の電気化学分解が見られる。過電圧現象がない場合、破線で示した線(図1の上側)より上に位置する電位では、正極上での水の酸化が見られ、点線で示した線(図1の下側)より下に位置する電位では、負極上での水の還元が見られる。水の酸化および還元に繋がる過電圧現象は、リチウム挿入物質上では弱い。従って、水の分解は、熱力学によって定められる電位に近いところで見られる。
この問題が解決されれば、水系電解液による電気化学的発電装置が魅力的なものとなるであろう。特に、この問題は、水系電解液によるリチウムイオン蓄電池の開発に対する技術的支障となっている。この技術的支障を克服することにより、定格電圧はより良好であるにも関わらず、製造コストおよび原材料コストが高く、平均的な高出力時性能を示す有機電解液によるリチウムイオン蓄電池と比較して、水系電解液によるリチウムイオン蓄電池が、特に経済性、安全性、および性能の観点から、非常に注目される。
電解液分解現象を防止、または低減するために、種々の方法が提案されている。特開2000‐340256Aおよび特開2000‐077073Aは、例えば、電極における過電圧を用いて界面反応を制御している。
別の提案された解決策は、電解液の分解を阻止するために、リチウムイオン蓄電池の少なくとも1つの電極を不動態化することからなる。米国出願公開第20090155696A号の文書では、蓄電池の電解液中に存在するモノマーの重合によって、電極上に絶縁膜を提供することが提案されている。
別の方法は、電気化学プロセスを介してのアリールジアゾニウム塩の芳香族基のグラフト化によって電極表面に保護層を形成し、それによって電極物質の物理化学的特性の改変または改善を可能とすることからなる。
金属、炭化、または挿入物質の表面に、ジアゾニウム塩の電気化学的還元によって有機層を形成することは、文献に広く記載されている。このグラフト化のメカニズムは、特に、耐腐食性の改善、または電極の界面反応性の改変を行うために用いられてきた。
電気化学的還元によるグラフト化の一般的なメカニズムは、以下の反応で表され、
Figure 2013544758
ここで、
Rはアリール基の置換基であり、Xはハロゲン化物またはBF イオンなどのアニオンであり、Cは炭素であり、SCは半導体であり、Mは金属である。
例えば、Brooksby, P.A. et al.は、論文"Electrochemical and Atomic Force Microscopy Study of Carbon Surface Modification via Diazonium Reduction in Aqueous and Acetonitrile Solutions", (Langmuir, 2004, 20, P.5038-5045)中にて、酸およびアセトニトリル媒体中、感光性樹脂で被覆された基材の表面における4‐ニトロベンゼン‐ジアゾニウムおよび4‐ニトロアゾベンゼン‐4’‐ジアゾニウム塩の電気化学的還元に関する研究について記載している。この著者らは、炭素‐炭素(基材/有機生成物)共有結合の形成、ならびに電気化学的還元工程の継続時間、印加電位、基材の種類、ジアゾニウム塩の濃度、およびこの塩によって運ばれる化学基などのいくつかのパラメータがこの方法で形成される膜の厚さおよび構造に及ぼす影響を強調した。
最近、Tanguy, F. et al.による研究から、ジアゾニウムアリール塩のグラフト化によって、酸化物系リチウムイオン電池の正極上に不動態化層を作製することが提案されている。Tanguy, F.は、論文"Lowering interfacial chemical reactivity of oxide materials for lithium batteries. A molecular grafting approach", (Journal of Materials Chemistry, 2009, n° 19, P.4771-4777)において、有機エチルカーボネート‐ジメチルカーボネート(EC‐DMC‐LiF)電解液に溶解された4‐ニトロベンゼンジアゾニウム‐テトラフルオロボレート塩(NO BF )が、Li1.1電極の表面に化学吸着によって有機層を形成することを示した。ジアゾニウム塩の還元電位よりも低い電位が電極に印加されると、ジアゾニウム塩の電気化学的還元によるグラフト化がLi1.1正極の表面において起こる。このような方法で得られた有機層が存在することは、電極の電荷移動を制限することなく、電極表面における有機電解液の触媒分解が強く阻止される。
(発明の目的)
本発明の目的は、公知のジアゾニウム塩の代替物を提案することである。
本発明のさらなる目的は、電気化学的発電装置のための、特に先行技術の欠点に対処する、改善された電解液を提案することである。
特に、本発明の目的は、高動作電圧まで安定であり、pHに対する安定性ウィンドウが先行技術のリチウムイオン蓄電池の水系電解液よりも広い、リチウムイオン蓄電池用水系電解液を提案することである。
本発明にれば、本目的は、添付の請求項による、ジアゾニウム塩およびそのような塩の使用によって達成される。
その他の利点および特徴は、限定されない例示のみの目的で与えられ、添付の図面で表される本発明の特定の態様の以下の説明からより明白に明らかとなるであろう。
図1は、水の名目電圧対pH、ならびにリチウムイオン蓄電池電極の種々の活物質の挿入および放出電位を表す水の安定性図である。 図2は、QNP 5mmプローブを用いたBruker Avance 300分光器によって得られた、アセトニトリル(d=1.94ppm)中における本発明によるジアゾニウム塩のH NMR(300 12 MHz)スペクトルを表す。 図3は、全反射減衰(ATR)法に従って得られた3つのスペクトルを重ねて表すものであり、本発明によるジアゾニウム塩のサンプルのスペクトルをDSで示し、本発明による不動態化層で被覆されたLiFePO電極のサンプルのスペクトルをDで示し、未処理LiFePO電極の比較サンプルのスペクトルをDで示す。 図4は、ATR法に従って得られた3つの赤外スペクトルを重ねて表すものであり、ジアゾニウム塩のサンプルのスペクトルをSで示し、2つの比較サンプルについて、未処理電極のスペクトルをDで、S塩で不動態化された電極のスペクトルをDでそれぞれ示す。 図5は、5M LiNOの水系電解液中に電極D、D、およびDをそれぞれ含む電気化学セルで得られたサイクリックボルタンメトリーの3つのプロットを表す。
(特別な態様の説明)
電気化学的発電装置、すなわちスーパーキャパシタまたは蓄電池、の初期電解液中での使用において特に有利である、ジアゾニウム塩のファミリーが提案される。
電気化学的発電装置の「初期」電解液とは、電気化学的発電装置中に、この発電装置の最初の充電前に存在する電解液を意味する。そのような塩を含有する初期電解液は、先行技術のものよりも安定であり、発電装置、特にリチウムイオン蓄電池の性能の改善に寄与する。
この改善は、水系電解液中で用いられる場合に特に著しい。実際驚くべきことに、ジアゾニウム塩のこのファミリーが、電気化学的発電装置の電極上における水の酸化および還元反応速度を大きく低下させるが、電気化学的発電装置の性能に影響を与えることがなく、特に、リチウムイオン蓄電池のインターカレーション物質におけるリチウムカチオンの挿入/放出に関する荷電移動速度を制限することがないことが観察された。
特定の態様によると、ジアゾニウム塩は、以下の一般式(1)を有する。
Figure 2013544758
〔式中、
nは、1から10の間、好ましくは1から4の間、に含まれる整数であり、
は、ハロゲン化物、BF 、NO 、HSO 、PF 、CHCOO、N(SOCF 、CFSO 、CHSO 、CFCOO、(CHO)(H)PO 、N(CN) から選択されるジアゾニウムカチオンの対イオンを表し、
は、−CH−、好ましくは1から6個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
は、−CH−、好ましくは2から6個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、好ましくは、メチレン、エチレン、n‐プロピレン、iso‐プロピレン、n‐ブチレン、tert‐ブチレン、sec‐ブチレン、およびn‐ペンチレン基から形成される群より選択され、
は、−CH、好ましくは2から6個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖、および以下の式(2)
Figure 2013544758
[式中、
A’は、フェニル、アリール基、および縮合多芳香族基から形成される群より選択される単環式または多環式の芳香族炭化水素基であり、置換されていてもよく、
は、−CH−、好ましくは2から8個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択される。]
の基から形成される群より選択され、
Aは、A’と同一または異なっていて、フェニル、アリール基、および縮合多芳香族基から形成される群より選択される単環式または多環式の芳香族炭化水素基を表し、置換されていてもよいが、ただし、Rが、−CH、環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択される場合、以下で表される式(3)
Figure 2013544758
[式中、
およびRは、同一または異なっていて、独立して、−CH、環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基から形成される群より選択される。]の基は除く。〕
アリール基とは、置換されていてもよい1つ以上の芳香族環を有する芳香族系を意味する。
Aおよび/またはA’がアリール基である場合、6から9個の炭素原子を含むアリール基が選択されることが好ましく、例えば、フェニル、トリル、キシリル、トリメチル‐フェニル基である。いずれの場合でも、ジアゾニウム官能基は、アリール基の芳香族環上に保持される。
縮合多芳香族基とは、いくつかの縮合されたベンゼン環によって形成される多環式芳香族系を意味する。ジアゾニウム官能基は、縮合多芳香族基の芳香族環のうちのいずれか1つに保持されていてよい。
Aおよび/またはA’が縮合多芳香族基である場合、−H、−CH3、ハロゲン化物、2から8個の炭素原子を含み、所望によりO、S、およびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される1つ以上の基によって所望により置換される、10から45個の炭素原子を含む多芳香族基が選択されることが好ましい。
ジアゾニウム塩には、ヒドロキシル官能基がなく、それによって、例えばファンデルワールス結合および/または水素結合の種類の結合の形成を阻止することにより、ジアゾニウム塩と電解液の水との親和性が最小限に抑えられる。特に、R、R、およびRは、芳香族炭化水素基を含有する無極性部分AおよびA’、ならびにポリエーテル鎖によって構成される非プロトン性極性部分を有するジアゾニウム塩を得る目的で、ヒドロキシル官能基を持たないことが有利である。
AおよびA’は、さらに、同一であっても、または異なっていてもよく、フェニル、アントラセニル、およびナフタレニル基から選択されてよく、−H、−CH、ハロゲン化物、2から8個の炭素原子を含み、所望によりO、S、およびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される1つ以上の基で好ましくは置換されていてもよい。
特定の態様によると、ジアゾニウム塩は、有利には、Rが式(2)の基である式(1)のビス‐ジアゾニウム塩であってよい。
ジアゾニウム塩は、例えば、以下の一般式(4)のビス‐ジアゾニウム塩であってよい。
Figure 2013544758
[式中、
nは、1から10の間、好ましくは1から4の間、に含まれる整数であり、
mは、0または1に等しく、
pは、1から5の間に含まれる整数であり、有利には2に等しく、
およびYは、同一または異なっていて、独立して、ハロゲン化物、BF 、NO 、HSO 、PF 、CHCOO、N(SOCF 、CFSO 、CHSO 、CFCOO、(CHO)(H)PO 、N(CN) から選択されるジアゾニウムカチオンの対イオンを表し、
およびRは、同一または異なっていて、独立して、−CH−、好ましくは1から6個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
およびRは、同一または異なっていて、独立して、−H、−CH、ハロゲン化物、好ましくは2から8個の炭素原子を含み、有利にはO、S、およびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を所望により含有する、直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される。]
ビス‐ジアゾニウム塩は、有利には、カチオン、特にLiイオン、の溶媒和を可能とするポリエーテル鎖を有する。ポリエーテル鎖は、有利には、ポリ(オキシエチレン)である。従って、上述の式(4)において、mは、好ましくは0に等しく、pは、2から4の間に含まれ、有利には、2に等しい。
さらに、芳香族基AおよびA’の間に位置するポリエーテル鎖は、好ましくは、ベンジル位に存在する。これを達成するために、RおよびRの各々は、有利には、それぞれ式(1)および(2)において、−CH−基を表す。
別の特定の態様によると、ポリエーテル鎖は、有利には、ジアゾニウム官能基に対してパラ位に存在する。このジアゾニウム塩は、以下の一般式(5)を有する。
Figure 2013544758
[式中、
nは、1から10の間、好ましくは1から4の間、に含まれる整数であり、
mは、0または1に等しく、
pは、1から5の間に含まれる整数であり、有利には2に等しく、
およびYは、同一または異なっていて、独立して、ハロゲン化物、BF 、NO 、HSO 、PF 、CHCOO、N(SOCF 、CFSO 、CHSO 、CFCOO、(CHO)(H)PO 、N(CN) から選択されるジアゾニウムカチオンの対イオンを表し、
およびRは、同一または異なっていて、独立して、−CH−、好ましくは1から6個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
およびRは、同一または異なっていて、独立して、−H、−CH、ハロゲン化物、好ましくは2から8個の炭素原子を含み、有利にはO、S、およびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を所望により含有する、直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される。]
およびRは、ジアゾニウム官能基の安定性が向上するように選択される。RおよびRによる芳香族環の置換、例えば、ジアゾニウム官能基に対するオルソおよび/またはメタ位でのメトキシまたはエトキシ基での置換が避けられる。式(5)において、RおよびRは、有利には、同一であってよく、好ましくは、水素原子を表す。
式(5)のビス‐ジアゾニウム塩は、3つの工程を含む合成方法によって得ることができる。第一の工程は、ニトロ‐ブロモメチル‐ベンゼン、好ましくは、4‐ニトロ‐1‐ブロモメチル‐ベンゼンに、1もしくは2つのヒドロキシル官能基を介してポリエーテルを付加する工程からなり、以下の反応スキーム(1)に従う。
Figure 2013544758
この反応工程(1)により、ジヒドロキシル化ポリエーテルの各末端部への、ポリエーテル鎖の2つの遊離ヒドロキシル官能基による4‐ニトロ‐1‐ブロモメチル‐ベンゼンのベンジル基の付加が可能となる。こうして、その各末端部にニトロベンゼン基を有するポリエーテル鎖が得られる。種々の最初のジヒドロキシル化ポリエーテルを選択することにより、すなわち、n、m、およびpの値を適切な形で選択することにより、この方法で形成されるポリエーテルの末端部に位置する2つの無極性芳香族環を分離するポリエーテル鎖の長さおよび性質を容易に変更することができる。「性質」とは、ポリエーテル鎖の親水性/疎水性の特性、およびリチウムに対するその溶媒和特性を意味する。
第二の工程は、第一の工程の完了後、公知のいずれかの方法により、得られたポリエーテルの芳香族環のニトロ基を、アミノ基へ還元することからなる。この工程は、例えば、Pd‐Cと記される炭素担持パラジウム(carbonated palladium)によって触媒される、ヒドラジンを用いた従来の還元によって達成することができる。
こうして、以下の一般式(6)の化合物が得られる。
Figure 2013544758
第三の工程は、公知のいずれかの方法によるジアゾ化反応からなり、これにより、2つのアミノ基をジアゾニウム基へ変換することが可能となる。このジアゾ化反応は、例えば、テトラフルオロホウ酸および亜硝酸イソアミルの、上述の第二の工程で得られたジアミノポリエーテルへの付加によって達成される。そして、Xがテトラフルオロボレート対イオンBF を表す一般式(5)のビス‐ジアゾニウム塩が得られる。
例1
ビス‐ジアゾニウム塩の合成方法において、DS3で示されるビス(4‐ジアゾニウムベンジル)‐トリオキシエチレンテトラフルオロボレート塩を、以下で述べるプロトコルに従って、4‐ニトロ‐1‐ブロモメチル‐ベンゼンおよびトリエチレングリコールから得た。この塩は、n=3、p=2、m=0、ならびにXおよびYは、同一であって、BF イオンを表す、式(5)のビス‐ジアゾニウム塩に相当する。
工程1:ニトロ化誘導体の合成
トリエチレングリコールについてはモレキュラーシーブ上にて、または酸化銀AgOおよび4‐ニトロ‐1‐ブロモメチル‐ベンゼンについては真空中にて温度をかけて、全ての生成物を予め乾燥させる。10.39gの4‐ニトロ‐1‐ブロモメチル‐ベンゼン(すなわち、0.0481mol)、および3.61gのトリエチレングリコール(0.024mol)を、丸底フラスコ中、水素化カルシウム上で新たに蒸留した170mLの乾燥ジクロロメタン(CHCl)中にて混合する。22.2gの酸化物AgOを過剰に添加する(0.096mol)。フラスコを、アルゴン下、CHCl中での還流状態に48時間維持する。反応発生時に形成される水を捕捉するために、(300℃にて真空乾燥した)乾燥モレキュラーシーブをこの反応媒体へ添加する。
過剰の酸化物AgOおよび生成された臭化銀AgBrを、ニトロ化化合物が可溶であるジクロロメタン中のろ過または遠心分離によって除去する。ジクロロメタン/メタノール混合物を用いたシリカカラムでの精製後、7.5g(0.0178mol)の純粋な乾燥ビス(4‐ニトロベンジル)‐トリオキシエチレンが、74%の収率で得られる。
工程2:ニトロ化誘導体の還元
上で得られたビス(4‐ニトロベンジル)‐トリオキシエチレンの5mmolを、フラスコ中、10mLのヒドラジン一水和物、80mLの新たに蒸留したエタノール、および0.05gの10% 炭素担持パラジウム(Pd‐C)と共に混合する。この混合物を、攪拌しながら24時間の還流に付し、次に、ろ過によってPd‐Cを除去する。次に、得られたろ液を、ロータリーエバポレータで濃縮し、体積を数十ミリリットルまで減少させる。濃縮後、僅かに残ったヒドラジンがすべて除去されるように、ろ液を、ジクロロメタン/水の混合物により分液漏斗で連続的に抽出して精製する。真空乾燥後、精製されたビス(4‐アミノベンジル)‐トリオキシエチレンが、淡黄色液体の形態にて、80%の収率で得られる。
工程3:ジアゾ化
上で得られたビス(4‐アミノベンジル)‐トリオキシエチレンの72.9mmolを、エルレンマイヤーフラスコ中、364mLの蒸留エタノールと共に混合する。438mmolのテトラフルオロホウ酸を添加する。この混合物を、氷浴により0℃に冷却する。次に、438mmolの亜硝酸イソアミルを、マグネティックスターラーで攪拌しながら滴下する。この混合物を、攪拌しながら0℃にて1時間保持すると、オイルが得られる。ビス(4‐ジアゾニウムベンジル)‐トリオキシエチレンテトラフルオロボレート塩を析出させるために、ジエチルエーテルを添加する。次に、この混合物を、マグネティックスターラーで攪拌しながら0℃にて約1時間保持する。続いて、析出を完了させるために、この混合物を冷蔵庫中に一晩入れておく。ろ過後、ビス(4‐ジアゾニウムベンジル)‐トリオキシエチレンテトラフルオロボレート塩が、70%の収率で得られる。
図2に示されるように、ビス(4‐ジアゾニウムベンジル)‐トリオキシエチレンテトラフルオロボレート塩は、ほぼ純粋である。いかなる微量の不純物も、必要である場合は、化学合成の分野での一般的な実践に従って実施される精製作業をさらに続けて行うことによって除去することができる。
ジアゾニウム塩の式(5)中のnの値を変えたいくつかのビス‐ジアゾニウム塩を、同じ作業モードによって合成した。
DS5で示されるジアゾニウム塩も合成した。DS5は、式(1)の構造を有し、Aは、フェニル基、Rは、−CH−基、Rは、−CH−CH−基、Rは、−CH基、およびn=1である。
結果を以下の表Iに示す。
Figure 2013544758
上述の特定の態様は、ジアゾニウム官能基がAおよび該当する場合はA’の芳香族炭化水素基上のパラ位に存在する、ジアゾニウム塩について述べているが、本発明の範囲は、この位置に限定されるものではない。その(1もしくは複数の)ジアゾニウム官能基がオルソまたはメタ位に存在するジアゾニウム塩を、適切な最初の生成物を選択することにより、上述の方法に類似の合成方法によって作製することも想定することができる。
上述のジアゾニウム塩を含む電解液は、有利には、未充電リチウムイオン蓄電池に用いることができ、それによって、最初の充電が行われた際に、このリチウムイオン蓄電池の電極上に不動態化層が形成される。
特定の態様によれば、リチウムイオン蓄電池の電極は、上述のジアゾニウム塩を含有する初期電解液の電気化学的還元によって不動態化される。
リチウムイオン蓄電池は、互いにセパレータによって絶縁された第一および第二電極を含む。セパレータは、電解液によって含浸されたポリエチレンもしくはポリプロピレン、セルロース、またはフッ化ポリビニリデンから作られる微孔性膜であってよい。
第一の電極は、好ましくは、金属およびその合金、炭素、半導体、ならびにリチウム挿入物質から選択される物質によって形成される。
負極を構成する第一の電極の基材は、例えば、LiTi12、LiFe(PO、もしくはTiO、またはこれらの物質の混合物であってよく、銅ストリップによって支持されていてよい。正極を構成する第二の電極の基材は、例えば、LiCoO、LiMn、LiFePO、Li(PO、またはLiNiCoAlOなどのその他の層状酸化物およびその誘導体であってよく、アルミニウムストリップによって支持されていてよい。例示の目的で、以下の正極と負極とのペア:LiMn/LiFe(PO、LiCoO/LiTi12、LiCoO/LiTi(PO、LiFePO/LiTi12、Li(PO/LiTi12、を挙げることができる。
第一および第二の電極は、最終電解液によって分離される。「最終」電解液とは、初期電解液を含有するリチウムイオン蓄電池の最初の充填が実施された後に、リチウムイオン蓄電池中に存在する電解液を意味する。初期電解液を含有するリチウムイオン蓄電池は、未充電、すなわち、まだ全く充電が施されたことがないものである。
初期または最終電解液は、好ましくは、水溶液である。初期または最終電解液は、有利には、そのカチオンの少なくとも一部が、溶媒または溶媒混合物中に溶解したリチウムLiイオンである塩を含む。溶媒は、好ましくは、水系溶媒である。水系溶媒とは、主たる構成成分として水を含有する溶媒を意味する。
塩は、有利には、形成されるリチウムイオン蓄電池の動作電圧に耐える必要がある。リチウム塩は、従来からの硝酸リチウム、LiNOであってよい。
第一の電極は、不動態化層によって被覆されている。不動態化層は、以下の式(7)のパターンの繰り返しによって形成される化合物を含むことに注目すべきである。
Figure 2013544758
〔式中、
nは、1から10の間、好ましくは1から4の間、に含まれる整数であり、
は、−CH−、好ましくは1から6個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
は、−CH−、好ましくは2から6個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、例えば、メチレン、エチレン、n‐プロピレン、iso‐プロピレン、n‐ブチレン、tert‐ブチレン、sec‐ブチレン、またはn‐ペンチレン基であり、
は、−CH、好ましくは2から6個の炭素原子を好ましくは含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖、および以下の式(8)
Figure 2013544758
[式中、
A’は、フェニル、アリール基、縮合多芳香族基から形成される群より選択される単環式または多環式の芳香族炭化水素基であり、置換されていてもよく、
は、−CH−、好ましくは2から8個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択される。]
の基から形成される群より選択され、
Aは、A’と同一または異なっていて、フェニル、アリール基、縮合多芳香族基から形成される群より選択される単環式または多環式の芳香族炭化水素基を表し、置換されていてもよい。〕
Aおよび/またはA’がアリール基である場合、6から9個の炭素原子を含むアリール基が選択されることが好ましく、例えば、フェニル、トリル、キシリル、トリメチル‐フェニル、またはテトラメチル‐フェニル基である。
Aおよび/またはA’が縮合多芳香族基である場合、−H、−CH3、ハロゲン化物、2から8個の炭素原子を含み、O、S、およびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を所望により含む、直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される1つ以上の基によって置換されていてもよい、10から45個の炭素原子を含む多芳香族基が選択されることが好ましい。
このパターンは、水の浸透に対するバリアを形成するために、ヒドロキシル官能基は持たず、第一の電極上に形成された不動態化膜と、最終電解液中に存在するカチオン、好ましくはLi、との間の相互作用を起こしやすい少なくとも1つのポリエーテル鎖を含む。式7、8、および9において、斜線部は電極表面に相当することに留意されたい。
このパターンは、さらに、基Aによって、およびRが式(8)の基である場合は、2つの基AおよびA’によって、第一の電極上にグラフトされる。
このパターンは、基Aの芳香族炭化水素環によって、およびRが式(8)の基である場合は、基AおよびA’の各々の芳香族炭化水素環によって、第一の電極の物質上にグラフトされ、第一の電極とパターンとを繋ぐ結合は、C‐芳香族/金属またはC‐芳香族/炭素のタイプの共有結合である。
ポリエーテル鎖の存在は、リチウムイオンLiの強い溶媒和効果を有し、それによって、第一の電極へ挿入されるべきリチウムイオンによる不動態化層の透過が促進される。従って、第一の電極の物質中におけるLiイオンの挿入および放出反応の反応速度が、大きく低下されることはない。
さらに、パターンの無極性芳香族環は、第一の電極表面の近傍に、疎水性領域を作り出す。この疎水性領域は、水の接近を制限し、または有利には、水が第一の電極へ到達することを阻止することができる。水系電解液によるリチウムイオン蓄電池の性能に特に悪影響を与える、第一の電極の動作電位における水の還元反応は、この不動態化層の存在により、このように大きく制限されるか、またはさらには完全に回避される。
最終電解液のカチオン、例えばLiイオンを溶媒和することができるポリエーテル鎖が結果として好ましくは選択されるであろう。特に、Liイオンを溶媒和するために、および/または水に対する判別を行う不動態化層を通してのLiイオンの選択的な循環を作り出すために、適切なコンフォメーションおよび/または十分なエーテル官能基数を有するポリエーテル鎖が選択されるであろう。
好ましい特定の態様によれば、式(7)および(8)において、RおよびRは、同一であり、RおよびRの各々は、例えば、ベンジル位にポリエーテル鎖を得るために、−CH−基を表してよい。
別の好ましい特定の態様によれば、このパターンは、第一の電極の表面にて、架橋構造を形成し得る。式(7)において、Rは、有利には、式(8)の基である。第一の電極の表面におけるこの架橋構造により、非プロトン性極性ポリエーテル鎖を、充電されたリチウムイオン蓄電池の最終電解液へ向かって配向させることが可能となる。
AおよびA’は、同一であっても、または異なっていてもよく、フェニル、アントラセニル、およびナフタレニル基から選択されてよく、−H、−CH、ハロゲン化物、2から8個の炭素原子を含み、所望によりO、S、およびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される1つ以上の基で好ましくは置換されていてもよい。
不動態化層のパターンは、有利には、以下の一般式(9)で表されてよい。
Figure 2013544758
[式中、
nは、1から10の間、好ましくは1から4の間、に含まれる整数であり、
mは、0または1に等しく、
pは、1から5の間に含まれる整数であり、有利には2に等しく、
およびRは、同一または異なっていて、独立して、−CH−、好ましくは1から6個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
およびRは、同一または異なっていて、独立して、−H、−CH、ハロゲン化物、好ましくは2から8個の炭素原子を含み、有利にはO、S、およびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を所望により含有する、直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される。]
特に、不動態化層のパターンは、有利には、以下の一般式(10)で表される。
Figure 2013544758
[式中、
nは、1から10の間、好ましくは1から4の間、に含まれる整数であり、
mは、0または1に等しく、
pは、1から5の間に含まれる整数であり、有利には2に等しく、
およびRは、同一または異なっていて、独立して、−CH−、好ましくは1から6個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
およびRは、同一または異なっていて、独立して、−H、−CH、ハロゲン化物、好ましくは2から8個の炭素原子を含み、有利にはO、S、およびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を所望により含有する、直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される。]
およびRは、好ましくは同一であり、水素原子、−Hを表す。
特定の態様によれば、リチウムイオン蓄電池を作製するための方法は、公知のいずれかの方法に従って、初期電解液によって分離された第一および第二の電極を含む電気化学セルを形成する工程を含む。
初期電解液は、ヒドロキシル官能基を持たない、以下の一般式(11)のジアゾニウム塩を含む。
Figure 2013544758
〔式中、
nは、1から10の間、好ましくは1から4の間、に含まれる整数であり、
は、ハロゲン化物、BF 、NO 、HSO 、PF 、CHCOO、N(SOCF 、CFSO 、CHSO 、CFCOO、(CHO)(H)PO 、N(CN) から選択されるジアゾニウムカチオンの対イオンを表し、
およびRは、同一または異なっていて、独立して、−CH−、好ましくは1から8個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
は、−CH、好ましくは2から8個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖、および以下の式(12)
Figure 2013544758
[式中、
A’は、フェニル、アリール基、および縮合多芳香族基から形成される群より選択される単環式または多環式の芳香族炭化水素基であり、置換されていてもよく、
は、−CH−、好ましくは2から8個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択される。]
の基から形成される群より選択され、
Aは、A’と同一または異なっていて、フェニル、アリール基、および縮合多芳香族基から形成される群より選択される単環式または多環式の芳香族炭化水素基を表し、置換されていてもよい。〕
Aおよび/またはA’がアリール基である場合、6から9個の炭素原子を含むアリール基が選択されることが好ましく、例えば、フェニル、トリル、キシリル、トリメチル‐フェニル基である。
Aおよび/またはA’が縮合多芳香族基である場合、−H、−CH3、ハロゲン化物、2から8個の炭素原子を含み、所望によりO、S、およびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される1つ以上の基によって所望により置換されている、10から45個の炭素原子を含む多芳香族基が選択されることが好ましい。
電気化学セルの組み立ての第一の工程により、有利には、電気化学セルを形成する未充電リチウムイオン蓄電池を作製することができる。
第一の電極は、好ましくは、水の還元反応が発生する負極である。
電気化学セルの組み立て工程に続いて、初期電解液の電気化学的還元により、電気化学セルの第一の電極上に不動態化層を形成する工程が行われる。
AおよびA’の基は、好ましくは、ジアゾニウム塩の還元電位での安定特性、特に電気化学的な安定特性で選択される。AおよびA’の基は、例えば、ニトロ、アミン、またはエステル官能基をその構造中に含有しない。同様に、AおよびA’の(1もしくは複数の)芳香族炭化水素環は、第一の電極へのジアゾニウム塩のグラフト化収率に悪影響を及ぼしかねない立体的寸法の問題を防ぐために、有利には置換されていない。
電気化学的還元工程により、リチウムイオン蓄電池セルの最初の充電が行われる際に、第一の電極上における不動態化層のその場(in situ)での形成が可能となる。
これを行うために、本方法の第一の工程の完了後に形成される未充電リチウムイオン蓄電池には、リチウムイオン蓄電池の最初の充電が行われる際に、公知のいずれかの方法に従って、動作電圧が適用される。
この最初の充電により、第一の電極の物質中へのリチウムの挿入、および初期電解液中に存在するジアゾニウム塩の還元の両方が可能となる。最初の充電により、式(11)のジアゾニウム塩のAおよび/またはA’の基の少なくとも1つの芳香族炭化水素環が、第一の電極上にグラフトされる。ジアゾニウム塩は、第一の電極上での不動態化層の生成に比例して、最初の充電で消費される。
不動態化層の形成工程は、好ましくは、不動態化層を構成するパターン中のRが式(8)の基である場合、基Aの芳香族炭化水素環と第一の電極の物質との間、ならびに基A’の芳香族炭化水素環と第一の電極の物質との間にC‐アリール/金属またはC‐アリール/炭素のタイプの共有結合を形成することを含む。
最初の充電の後、リチウムイオン蓄電池は、上述の不動態化層で被覆された第一の電極、ならびに第一および第二の電極を分離する最終電解液を含む。
最初の充電の完了後、ジアゾニウム塩のすべてが好ましくは消費され、そして、最終電解液は、ジアゾニウム塩を含まない。
初期電解液中のジアゾニウム塩濃度、ならびに最初の充電のパラメータ、特に継続時間および印加電圧は、不動態化層の特性、特に形成された層の厚さ、および表面回復速度(surface recovery rate)に影響を与える。
ジアゾニウム塩は、有利には、初期電解液中にて、0.5Mよりも低い、好ましくは0.05Mから0.3Mの間に含まれる、モル濃度で存在してよい。
例II
水系初期電解液の電気化学的還元によって不動態化されるLiFePO電極の不動態化を、サイクリックボルタンメトリーによって実施した。「不動態化」とは、前述のように、電極が不動態化層によって被覆されることを意味する。
初期電解液は、10mLの5Mの濃度におけるLiNO塩水溶液、および2mMの濃度における例1で合成されたDS3で示されるビス(4‐ジアゾニウムベンジル)‐トリオキシエチレンテトラフルオロボレート塩水溶液によって構成される。
LiFePO電極は、公知のいずれかの方法に従って、集電板上に作製する。例として、挿入物質を形成するLiFePO、導電性添加剤を形成する炭素、および結合剤を形成するポリマーバインダーの混合物によってインクを形成する。このインクを、例えばニッケル製の、集電板上に塗布し、次に乾燥して、LiFePO電極を形成する。次に、LiFePO電極を、従来のサイクリックボルタンメトリーアセンブリに用いられるように、カレンダー処理し、切り出す。
サイクリックボルタンメトリーは、上述の初期電解液、ならびに作用電極を構成し、Dで示される上述のLiFePO電極、参照電極を構成する飽和カロメル電極、および対電極用の白金ワイヤを含む3つの電極を用いる従来のアセンブリにより、アルゴン下にて実施した。
2つのその他のLiFePO電極による比較測定も行った。1つは、Dで示されるLiFePO電極であり、前述と同じ操作プロトコルに従うが、シグマ‐アルドリッチ製のSで示される4‐メトキシベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボレート塩を用いて不動態化されたものであり、もう一方は、Dで示される未処理の、すなわち不動態化層を持たないLiFePO電極であり、同じプロトコルによるが、初期電解液にジアゾニウム塩を添加せずに得られたものである。
電極DおよびDのボルタンメトリーの完了後、不動態化層の形成を確認し、ジアゾニウムアリール塩DS3およびSが、それぞれDおよびD上に正しくグラフトされたかどうかを調べるために、赤外(IR)スペクトル測定を行った。
図3に示すIRスペクトルは、ジアゾニウム塩DS3単独、ならびに電極DおよびDに対して、全反射減衰(ATRと略す)法によって得られたものである。DS3およびDスペクトルと比較してDスペクトルを分析すると、ジアゾニウム官能基に特徴的である2200cm−1の領域に位置するピークの消滅(図3中の破線矢印)、およびアルキル鎖で置換された芳香族環に特徴的である1600cm−1付近のピークの出現(図3中の実線矢印)が実質的に示される。
同じ観察を、図4に示される塩S単独、ならびに電極DおよびDのATRスペクトルの分析によって行うことができる。SおよびDスペクトルと比較してDスペクトルを分析すると、2200cm−1の領域に位置するピークの消滅(図4中の破線矢印)、および1600cm−1付近のピークの出現(図4中の実線矢印)が実質的に示される。
、D、およびDに対して0.01mV・s−1の走査速度で行ったボルタンメトリー測定を図5に示す。3つの電極D、D、およびDについて、得られた曲線は、可逆系に特徴的である、リチウムの挿入および放出の対称ピークを示している。しかし、挿入および放出の2つのピーク間の電位差は、Dの場合よりもDの方が小さいことを観察することができる。実際、Dにおいて約90mVの電位差が得られており、これは、Dの110mVと比較して、未処理電極Dで得られた値に近い。
各ジアゾニウムに対して得られる過電圧を定量するために、その他の比較測定を、ガラス質炭素電極でも行った。電極C、C、C、C、C、およびCを、LiFePO電極に対するものと同じ操作プロトコルに従って、それぞれS2、DS2、DS3、DS5、DS6、およびDS7により不動態化した。電極C0は、非不動態化電極である。
1.8V対Li/Liの電位におけるボルタンメトリーの「一方向」走査で得られた電流値、および電流密度−0.05mA/cmにおいて、未処理電極と比較して得られた過電圧を、種々の電極で測定した。結果を以下の表IIに示す。
Figure 2013544758
これらの比較試験から、本発明による水系電解液の電気化学的安定性の改善が明白に示される。290mVの高い過電圧および弱い電流というC5で得られた特に興味深い結果も観察される。
本発明によるアリールジアゾニウム塩を含有する、電気化学的発電装置用、特にリチウムイオン蓄電池用の水系電解液は、高動作電圧まで安定である。水系電解液を有する電気化学的発電装置において、初期電解液中にアリールジアゾニウム塩が存在することは、特に水の還元電位を高めることによって、pHに応じた水の安定性ウィンドウを拡大するものである。

Claims (15)

  1. ヒドロキシル官能基を持たない、以下の一般式(1)のジアゾニウム塩。
    Figure 2013544758
    [式中、
    nは、1から10の間、好ましくは1から4の間、に含まれる整数であり、
    は、ハロゲン化物、BF 、NO 、HSO 、PF 、CHCOO、N(SOCF 、CFSO 、CHSO 、CFCOO、(CHO)(H)PO 、N(CN) から選択される前記ジアゾニウムカチオンの対イオンを表し、
    、R、およびRは、同一または異なっていて、独立して、−CH−、環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
    AおよびA’は、同一または異なっていて、独立して、フェニル、アリール基、縮合多芳香族基から形成される群より選択される単環式または多環式の芳香族炭化水素基を表し、置換されていてもよい。]
  2. ‐ Rが、独立して、−CH−、1から6個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
    ‐ Rが、独立して、−CH−、2から6個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
    ‐ Rが、独立して、−CH−、2から8個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
    ‐ AおよびA’が、同一または異なっていて、独立して、フェニル、6から10個の炭素原子を含むアリール基、10から45個の炭素原子を含む縮合多芳香族基から形成される群より選択される単環式または多環式の芳香族炭化水素基を表し、−H、−CH、ハロゲン化物、2から8個の炭素原子を含み、所望によりO、S、およびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される1つ以上の基によって置換されていてもよい、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のジアゾニウム塩。
  3. が、メチレン、エチレン、n‐プロピレン、iso‐プロピレン、n‐ブチレン、tert‐ブチレン、sec‐ブチレン、およびn‐ペンチレンから形成される群より選択される基であることを特徴とする、請求項1および2のいずれか一項に記載のジアゾニウム塩。
  4. およびRの各々が、−CH−基を表すことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のジアゾニウム塩。
  5. AおよびA’が、同一または異なっていて、独立して、フェニル、アントラセニル、およびナフタレニル基から選択され、置換されていてもよいことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のジアゾニウム塩。
  6. AおよびA’が、同一または異なっていて、独立して、フェニル、アントラセニル、およびナフタレニル基から選択され、−H、−CH、ハロゲン化物、2から8個の炭素原子を含み、所望によりO、S、およびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される1つ以上の基によって置換されていてもよいことを特徴とする、請求項5に記載のジアゾニウム塩。
  7. 以下の一般式(4)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のジアゾニウム塩。
    Figure 2013544758
    [式中、
    nは、1から10の間に含まれる整数であり、
    mは、0または1に等しく、
    pは、1から5の間に含まれる整数であり、
    およびYは、同一または異なっていて、独立して、ハロゲン化物、BF 、NO 、HSO 、PF 、CHCOO、N(SOCF 、CFSO 、CHSO 、CFCOO、(CHO)(H)PO 、N(CN) から選択される前記ジアゾニウムカチオンの対イオンを表し、
    およびRは、同一または異なっていて、独立して、−CH−、環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
    およびRは、同一または異なっていて、独立して、−H、−CH、ハロゲン化物、1つ以上のヘテロ原子を所望により含有する直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される。]
  8. ‐ R1およびR4が、同一または異なっていて、独立して、−CH2−、1から6個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
    ‐ RおよびRが、同一または異なっていて、独立して、−H、−CH、ハロゲン化物、2から8個の炭素原子を含み、所望によりO、S、およびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される、
    ことを特徴とする、請求項7に記載のジアゾニウム塩。
  9. 以下の一般式(5)を有することを特徴とする、請求項7および8のいずれか一項に記載のジアゾニウム塩。
    Figure 2013544758
    [式中、
    nは、1から10の間に含まれる整数であり、
    mは、0または1に等しく、
    pは、1から5の間に含まれる整数であり、
    およびYは、同一または異なっていて、独立して、ハロゲン化物、BF 、NO 、HSO 、PF 、CHCOO、N(SOCF 、CFSO 、CHSO 、CFCOO、(CHO)(H)PO 、N(CN) から選択される前記ジアゾニウムカチオンの対イオンを表し、
    およびRは、同一または異なっていて、独立して、−CH−、環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
    およびRは、同一または異なっていて、独立して、−H、−CH、ハロゲン化物、1つ以上のヘテロ原子を所望により含有する直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される。]
  10. ‐ RおよびRが、同一または異なっていて、独立して、−CH−、1から6個の炭素原子を含む環式または非環式、直鎖状または分岐鎖状のアルキル鎖から形成される群より選択され、
    ‐ RおよびRが、同一または異なっていて、独立して、−H、−CH3、ハロゲン化物、2から8個の炭素原子を含み、所望によりO、S、およびNから選択される1つ以上のヘテロ原子を含む、直鎖状または分岐鎖状アルキル鎖から形成される群より選択される、
    ことを特徴とする、請求項9に記載のジアゾニウム塩。
  11. およびRが、同一であり、−Hを表すことを特徴とする、請求項7から10のいずれか一項に記載のジアゾニウム塩。
  12. リチウムイオン蓄電池の初期電解液中における、請求項1から11のいずれか一項に記載のジアゾニウム塩の使用。
  13. スーパーキャパシタの初期電解液中における、請求項1から11のいずれか一項に記載のジアゾニウム塩の使用。
  14. 前記初期電解液が、水溶液であることを特徴とする、請求項12および13のいずれか一項に記載の使用。
  15. 前記ジアゾニウム塩が、前記初期電解液中に、0.5M未満のモル濃度で存在することを特徴とする、請求項12から14のいずれか一項に記載の使用。
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