JP2003282369A - 電気二重層キャパシタ用炭素材及びその製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタ用炭素材及びその製造方法

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JP2003282369A
JP2003282369A JP2002079375A JP2002079375A JP2003282369A JP 2003282369 A JP2003282369 A JP 2003282369A JP 2002079375 A JP2002079375 A JP 2002079375A JP 2002079375 A JP2002079375 A JP 2002079375A JP 2003282369 A JP2003282369 A JP 2003282369A
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carbon
oxygen
electric double
layer capacitor
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Hiroyuki Tajiri
博幸 田尻
Yoshiteru Nakagawa
喜照 中川
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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    • H01G11/22Electrodes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電容量が大きく、サイクル特性に優れた電
気二重層キャパシタ用炭素材を提供する。 【解決手段】 酸素の存在下で炭素前駆体(石炭、ピッ
チ及びコークス)を熱処理して、酸素架橋処理し、生成
した炭素前駆体と熱反応助剤(塩化亜鉛、リン酸塩など
の無機塩)とを混合して焼成し、ミクロポアを生成させ
ることにより炭素材を得る。この炭素材は、キャパシタ
電極材1a,1bとして適している。平均層間距離(d00
2)が0.35〜0.38nm、c軸方向の平均長さ(Lc)が1.0〜100nm
及びa軸方向の平均長さ(La)が1.0〜1000nmである結晶子
サイス゛を有し、メソ孔容積と全細孔容積との割合が前者/後
者=0.02〜0.35である。さらに、炭素材は下記特性(a)〜
(c)のうち少なくとも1つの特性を有する。 (a)BET法による比表面積値が100〜1500m2/g,(b)MP法に
よる平均細孔径が0.8〜2.4nm,(c)MP法による全細孔容
積が0.2〜0.8ml/g

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気二重層キャパシ
タに関し、特に、電気二重層キャパシタ用炭素材とその
製造方法、及び電気二重層キャパシタ用電極材と電気二
重層キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】電気二重層キャパシタは、正極および負
極として、活性炭で構成された一対の分極性電極を、セ
パレータを介して対向させた構造を有している。各分極
性電極には水溶性電解質溶液や非水溶媒電解質溶液が含
浸されており、各分極性電極はそれぞれ集電極と接触し
ている。分極性電極は、例えば、(1)活性炭に少量の
導電剤および結合剤を加えて混練圧延する方法、(2)
活性炭に少量の導電剤および結合剤を加えてスラリー状
に溶解して集電極に塗布する方法、(3)活性炭に少量
の未炭化樹脂類を混合して焼結する方法などで作製され
ている。
【0003】活性炭は、通常、800℃以下の温度で炭
素質材料を炭化した後、賦活処理することにより製造さ
れる。賦活処理は、例えば、水蒸気、二酸化炭素などの
雰囲気中で600ないし1000℃に加熱する方法、塩
化亜鉛、水酸化カリウムなどを混合して不活性雰囲気で
加熱する方法などにより行われる。この賦活過程では炭
素化過程で生じた炭素材の表面に、吸着に適した多数の
細孔が生成する。
【0004】前記電気二重層キャパシタの静電容量は、
分極性電極の表面積にほぼ比例すると考えられている。
そのため、電気二重層キャパシタ用炭素材として、通
常、大きな比表面積を有する活性炭が用いられている。
例えば、特開昭63−78513号公報には、石油コー
クスに水酸化カリウムを混合して焼成することにより活
性炭を得ることが提案されている。この方法により、従
来最高1500m2/g程度であった比表面積が200
0〜3500m2/gに高めることができる。しかし、
比表面積を増大させた活性炭を分極性電極材料として用
いても、電極での電極密度を高めることが困難であり、
得られる静電容量には限界がある。
【0005】特開平11−317333号公報には、炭
素前駆体を炭素化し、黒鉛類似の微結晶炭素を成長させ
る熱処理工程と、熱処理により得られた炭素材をアルカ
リ賦活処理し、微結晶の層間距離が0.365〜0.3
85nmの炭素材を生成させ、電気二重層コンデンサ用
炭素材を製造する方法が提案されている。この方法で
は、炭素材の賦活の程度を低減して比表面積を小さく
し、静電容量を向上させている。しかし、この活性炭
は、電圧印加に伴って容積が大きくなり、集電体に対す
る膨張圧を大きいため、膨張を規制するための容器も大
きくなる。また、膨張を規制するため、材料の歪みによ
りサイクル特性が低下しやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、静電容量が大きい電気二重層キャパシタ用炭素材及
びその製造方法、並びに電気二重層キャパシタ用電極材
とその電極材を備えた電気二重層キャパシタを提供する
ことにある。
【0007】本発明の他の目的は、安価でサイクル特性
に優れた電気二重層キャパシタ用炭素材及びその製造方
法、並びに電気二重層キャパシタ用電極材とその電極材
を備えた電気二重層キャパシタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意検討の結果、特定の結晶子サイズを有
し、かつ全細孔容積に対してメソ孔の割合が小さい炭素
材(換言すれば、ミクロ孔の割合が高い炭素材)を用い
ると、静電容量を大きく向上できることを見いだし、本
発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の電気二重層キャパシタ
用炭素材は、平均層間距離又は平均格子間距離(d00
2)が0.35〜0.38nm、c軸方向の平均長さ
(Lc)が1〜100nm及びa軸方向の平均長さ(L
a)が1〜100nmである結晶子サイズを有し、かつ
メソ孔容積と全細孔容積との割合が前者/後者=0.0
2〜0.35である炭素材で構成されている。この炭素
材は、さらに下記特性(a)〜(c)のうち少なくとも
1つの特性を有する。
【0010】(a)BET法による比表面積値が100
〜1500m2/g (b)MP法による平均細孔径が0.8〜2.4nm (c)MP法による全細孔容積が0.2〜0.8ml/
g このような炭素材は粉粒状で使用でき、例えば、平均粒
子径2〜30μm程度の炭素材であってもよい。
【0011】前記電気二重層用キャパシタ用炭素材は、
酸素架橋処理した炭素前駆体を、熱反応助剤の存在下で
焼成することにより製造できる。この方法では、通常、
酸素の存在下で炭素前駆体を熱処理して、元素分析によ
る酸素濃度を5〜30%高め、生成した酸素処理した炭
素前駆体を、無機塩で構成された熱反応助剤と混合して
焼成し、ミクロポアを生成させる。前記炭素前駆体とし
ては、石炭、ピッチ、コークスなどが使用できる。前記
熱反応助剤としては、脱水によりミクロポアを生成可能
な種々の無機塩、例えば、塩化亜鉛、リン酸塩などが使
用できる。
【0012】本発明は、前記炭素材で構成された電気二
重層キャパシタ用電極材、この電極材を備えている電気
二重層キャパシタも包含する。
【0013】なお、100μm以上の細孔径は静電容量
の向上に関与せず、10〜20μmの細孔径が静電容量
の向上に寄与する。そのため、通常、比表面積の増加が
静電容量の増加と比例しない。本発明では、炭素材の全
細孔容積に対してミクロポアの割合が大きいので、ミク
ロポアを静電容量の増加に有効に利用でき、放電容量を
向上できる。
【0014】本明細書において「酸素架橋処理」とは酸
化剤の存在下での熱処理を意味し、酸化処理と同義に用
いる場合がある。
【0015】
【発明の実施の形態】[キャパシタ用炭素材]本発明の
電気二重層キャパシタ用炭素材は、特定の結晶構造を有
するとともに、全細孔容積に対するミクロ孔容積の割合
が高い。すなわち、炭素材の結晶子サイズに関し、平均
層間距離又は平均格子面間隔(d002)は0.35〜
0.38nm(好ましくは0.353〜0.378n
m、さらに好ましくは0.355〜0.375nm)程
度である。また、c軸方向の平均長さ又は平均高さ(L
c)は、1〜100nm(好ましくは10〜80nm、
さらに好ましくは25〜75nm)程度であり、a軸方
向の平均長さ又は平均幅(La)は1〜1000nm
(好ましくは20〜800nm、さらに好ましくは50
〜700nm、特に100〜500nm)程度である。
このような結晶構造を有する炭素材では、充放電に伴っ
て微結晶炭素の層間に対する電解質イオンの授受を高め
ることができる。なお、平均層間距離d002が0.3
8nmを超えると、黒鉛化の程度が小さく、微結晶炭素
間に水素原子や酸素原子などの異種原子を多く含むため
か、充放電効率が低下する。
【0016】さらに、メソ孔容積と全細孔容積との割合
は、前者/後者=0.02〜0.35、好ましくは0.
03〜0.3、さらに好ましくは0.03〜0.27程
度である。なお、全細孔容積は、通常、0.1〜1ml
/g、好ましくは0.15〜0.8ml/g、さらに好
ましくは0.2〜0.7ml/g程度である。また、B
JH法によるメソ孔容積は0.01〜0.08ml/
g、好ましくは0.01〜0.07ml/g、さらに好
ましくは0.01〜0.06ml/g程度である。メソ
孔容積が小さすぎると、吸着能が低下し、大きすぎる
と、イオンの吸着能は大きいものの、密度が低下し、単
位体積当りの吸着能が低下する。BJH法とは、Barret
t, Joyner, Halendaによって提唱され、メソ孔の分布を
求める方法である。(E.P.Barrett, L.G.Joyner and P.
P.Halenda, J,Am.Chem.Soc., 73, 373, (1951))。
【0017】なお、メソ孔(mesopore)とは2〜50n
mの細孔を意味し、50nmを越える細孔のマクロ孔
(macropore)と区別される。また、通常、2nm以下
(例えば、0.8〜2nm)の細孔はミクロ孔(microp
ore)と称されている。なお、ミクロ孔は、0.8nm
未満のサブミクロ孔(sub-micropore)も含む意味に用
いる。
【0018】本発明のキャパシタ用炭素材は、上記特性
に加えて、特性(a)〜(c)のうち少なくとも1つの
特性を有する。
【0019】(a)BET法による比表面積値は、例え
ば、100〜1500m2/g、好ましくは300〜1
500m2/g、さらに好ましくは500〜1200m2
/g(例えば、500〜1000m2/g)程度であ
る。比表面積が小さすぎると、静電容量を高めることが
困難であり、比表面積値が大きすぎると、かさ密度が低
下して、単位体積当たりの吸着能が低下する。
【0020】(b)MP法による平均細孔径は、0.8
〜2.4nm、好ましくは1.2〜2.2nm、さらに
好ましくは1.4〜2.2nm程度である。
【0021】(c)MP法による全細孔容積は、0.2
〜0.8ml/g(例えば、0.2〜0.6ml/
g)、好ましくは0.3〜0.8ml/g(例えば、
0.3〜0.6ml/g)程度である。この値が低すぎ
る場合には、吸着サイトとなるマイクロ孔が少なくなる
ので、充分な吸着機能が得られない。このような細孔容
積を有する炭素材では、炭素材層間のイオン挿入だけで
なく、イオンが細孔容積中に吸着され、高い静電容量が
得られる。
【0022】なお、MP法とは、「t−プロット法」(B.
C. Lippens, J. H. de Boer, J. Catalysis, 4,319(19
65))を用いて、マイクロ孔容積、マイクロ孔面積、お
よびマイクロ孔の分布を求める方法を意味し、MP法は、
M. Mikhail, Brunauer, Bodorにより考案された方法で
ある(R. S. Mikhail, S. Brunauer, E. E. Bodor, J.C
olloid Interface Sci., 26, 45(1968))。
【0023】全細孔容積は、細孔が液体窒素により充填
されていると仮定して、相対圧力P/P0≒1(P:吸
着平衡圧、P0:飽和蒸気圧(77K、N2))付近で吸
着した窒素ガスの全量から測定できる。
【0024】炭素材の平均粒子径は特に制限されず、例
えば、1〜50μm、特に1〜30μm程度であっても
よいが、通常、2〜25μm(好ましくは5〜25μ
m、さらに好ましくは3〜20μm)程度である。な
お、平均粒子径2〜5μmの炭素材は、電極製造工程で
電極をローラーなどの圧縮手段で圧縮したとき、嵩密度
を0.6〜0.9g/cm3程度にまで容易に高めるこ
とができ、高い電極比容量(F/cc)が得られる。ま
た、平均粒子径2〜15μm程度の炭素材は、電極製造
工程での圧縮工程で嵩密度を0.55〜0.85g/c
3程度に高め、高い電極比容量を示し、電解液の浸透
性が高い。そのため、内部抵抗が小さい電極が得られ
る。さらに、平均粒子径15〜30μm程度の炭素材を
用いると、電極密度は0.40〜0.55g/cm3
度であるが、電解液の浸透性を高めることができ、内部
抵抗の小さい電極が得られる。
【0025】[炭素材の製造方法]前記電気二重層用キ
ャパシタ用炭素材は、例えば、酸素架橋処理した炭素前
駆体を、熱反応助剤の存在下で焼成することにより調製
できる。
【0026】前記炭素前駆体としては、植物系原料(木
材、木炭、ヤシ殻などの果実殻など)、鉱物系原料(泥
炭、草炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭などの石炭、コ
ールタール、石油又は石炭ピッチ、コークスなど)、合
成樹脂系原料(フェノール樹脂、レーヨン、ポリアクリ
ロニトリル又はアクリル繊維、セルロース誘導体など)
などが利用できる。ピッチは等方性ピッチであってもよ
く異方性ピッチ(メソフェーズピッチなど)であっても
よい。これらの炭素前駆体は単独で又は二種以上組み合
わせて使用できる。好ましい炭素前駆体は、石炭、ピッ
チ及びコークスである。コストを考慮すると、石炭系原
料(例えば、瀝青炭、褐炭、亜炭、草炭など)やピッチ
を主成分とする炭素前駆体が有利である。さらに、炭素
原子に対する水素原子の割合が高い炭素前駆体(例え
ば、褐炭、亜炭、草炭など、特に褐炭、亜炭を主成分と
する材料)が好ましい。このような炭素前駆体を用いる
と、原料コストを低減でき、工業的に有利である。
【0027】なお、石炭はさまざまな方法で分類される
が、元素分析値(炭素含有量)に基づく分類が石炭化度
を示す基準になると言われている。石炭の種類別に比べ
ると、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭の順に石炭化度の度
合いが高くなり、亜炭や褐炭では炭素含有量は約78%
以下、瀝青炭は78〜90%、無煙炭では約90%以上
である。また、炭素以外の元素は、水素、酸素、窒素、
硫黄原子などが知られているが、石炭化度の低い石炭ほ
ど水素原子及び酸素原子の比率が高く、特に酸素の含有
量が大きく変化する。亜炭や褐炭では酸素濃度は約20
%以上と高く、瀝青炭で7〜20%程度、無煙炭では約
7%以下である。
【0028】酸素架橋処理は、酸化剤の存在下で炭素前
駆体を熱処理することにより行うことができる。酸化剤
としては、酸素、オゾンなどの酸素含有気体、硫酸、硝
酸などの酸素含有液体又は酸性液体などが例示できる。
これらの酸化剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用
できる。好ましい酸化剤は酸素である。酸素は純粋な酸
素であってもよく、不活性ガスなどで希釈された酸素含
有気体(例えば、空気)であってもよい。
【0029】酸素架橋処理又は酸化処理は、炭素前駆体
の種類などに応じて行うことができ、通常、炭素前駆体
の基準酸素濃度(熱処理前の炭素前駆体が含有する酸素
濃度)に対して酸素濃度を5〜30%(好ましくは10
〜25%、さらに好ましくは10〜20%)程度高める
ことにより行うことができる。なお、酸素濃度の増加
は、元素分析による炭素前駆体の酸素原子/炭素原子比
を基準として、炭素前駆体の酸化処理後の酸素原子/炭
素原子比を測定することにより確認できる。より具体的
には、一般的な元素分析において、褐炭の炭素含有量は
炭素78%以下であり、他の元素は酸素及び水素の含有
量が多い。また、褐炭の酸素濃度は産地によっても異な
るが、通常、酸素濃度20〜25%である場合が多く、
25%以下の酸素濃度の石炭を、そのままの状態で熱反
応処理に供すると、所望の性状の炭素材を得ることが困
難である。そのため、熱反応処理前に酸素架橋処理をし
て、酸素濃度を25%以上、好ましくは30%以上に高
めるのが好ましい。褐炭の酸素濃度が25%未満では、
所望の性能が得られ難い。
【0030】酸素架橋処理は、炭素前駆体の種類に応じ
て種々の方法が選択でき、例えば、炭素前駆体(褐炭な
ど)を100〜350℃程度(好ましくは150〜30
0℃程度)において、空気中で加熱する方法、炭素前駆
体(ピッチなど)と硝酸、硫酸などの酸性液体とを接触
させる方法などが利用できる。なお、酸素存在下での酸
素架橋処理温度は、通常、200〜350℃程度であ
る。
【0031】酸化処理により生成した炭素前駆体を焼成
又は熱反応に供し、脱水とともにミクロポアを生成させ
ることにより放電容量の高い炭素材を得ることができ
る。上記焼成又は熱反応は、通常、熱反応助剤の存在下
で行われる。熱反応助剤は、無機塩、例えば、塩化亜鉛
などの亜鉛化合物、リン酸ナトリウム、リン酸カリウ
ム、リン酸水素ナトリウムなどのリン酸塩などが例示で
きる。これらの熱反応助剤又は無機塩は、単独で又は二
種以上組み合わせて使用できる。
【0032】熱反応助剤の使用量は、炭素前駆体や無機
塩の種類、ミクロポアの割合などに応じて選択でき、通
常、酸化処理した炭素前駆体100重量部に対して熱反
応助剤10〜250重量部、好ましくは30〜200重
量部、さらに好ましくは50〜150重量部程度であ
る。
【0033】焼成又は熱反応は、熱反応助剤の存在下で
行うことができ、通常、前記炭素前駆体と熱反応助剤と
の混合物を焼成することにより行うことができる。
【0034】なお、酸化処理した炭素前駆体と熱反応助
剤との混合物の取り扱いを容易にするために、混合物を
所定形状(フィルム状、板状、チップ状など)に成形し
てもよい。成形には、必要に応じて、成形性を改善する
ための助材(成形助材)をさらに用いてもよい。成形助
剤は成形方法などに応じて選択でき、炭素材の構造形成
に寄与する限り特に限定されない。例えば、前記混合物
をそのままプレス成形する場合には、セルロース、糖
類、デンプン類などの結着性又は圧縮成形性を有する成
形助剤を使用できる。また、加熱成形を行なう場合は、
熱硬化性樹脂(フェノール樹脂(例えば、レゾールな
ど)、フラン樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂など)、
エポキシ樹脂、ビニルエステル系樹脂、シリコーン樹
脂、ポリイミド樹脂など)や熱可塑性樹脂(オレフィン
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂など)を
成形助材として使用することもできる。熱硬化性樹脂な
どの樹脂を成形助材に用いる場合には、50〜250℃
程度(より好ましくは100〜200℃程度)の温度で
1〜120分程度(より好ましくは5〜60分程度)加
熱することにより、硬化成形することも可能である。
【0035】成形助剤の添加量は、通常、炭素前駆体
(褐炭、ピッチなど)100重量部に対して5〜50重
量部、好ましくは10〜40重量部程度である。
【0036】焼成又は熱反応処理は、窒素、アルゴン、
真空などの不活性雰囲気中で行われる。熱反応温度は、
各成分の種類と割合、熱反応条件(昇温速度、熱反応時
間、反応雰囲気など)などに応じて選択でき、通常、5
00〜1000℃、好ましくは500〜900℃、さら
に好ましくは600〜900℃程度である。さらに、ピ
ーク温度は、例えば、550〜950℃(好ましくは6
50〜900℃)程度とするのが好ましい。また、昇温
速度は、通常、10〜250℃/Hr、好ましくは20
〜200℃/Hr程度である。このように、比較的低い
温度条件で熱反応させると、コストを低減でき、工業的
に有利である。
【0037】この熱反応により、活性なミクロポアを有
する細孔構造が形成される。反応度は、反応生成物中の
水素原子/炭素原子比(以下、単にH/Cと記すことが
ある)を基準として制御することができる。本発明の炭
素材のH/C比は、通常、0.05〜0.5、好ましく
は0.06〜0.3、さらに好ましくは0.08〜0.
3程度である(0.01〜0.3、好ましくは0.03
〜0.2、さらに好ましくは0.05〜0.1)。炭素
材のH/C比が高すぎると、炭素結晶(多環芳香族系共
役構造)の発達が十分でなく、電気伝導度が低く、吸着
能が低下しやすく、H/C比が低すぎると、炭素化が過
度に進行して通常の活性炭となり、電解質イオンに対す
る吸着能が低下しやすい。
【0038】上記熱反応の後、反応生成物を洗浄し、残
存する無機塩などを除去してもよい。洗浄剤としては、
無機塩などを除去できる限り特に制限されず、例えば、
水、有機溶媒(アルコール類、ケトン類、エステル類、
エーテル類など)、希塩酸などの希鉱酸などが例示でき
る。希塩酸などの鉱酸を用いる場合、最終的に水で洗浄
して、塩酸などの鉱酸を除去するのが好ましい。洗浄物
を乾燥することにより、本発明の炭素材が得られる。
【0039】[電極材]このようにして得られた炭素材
は、イオン吸着量が大きいので、キャパシタ(電気二重
層キャパシタ)などにおける電極材料として有用であ
る。そのため、本発明の電気二重層キャパシタ用電極材
は、前記炭素材で構成されている。なお、キャパシタの
形状は、特に限定されず、フィルム型、コイン型、円筒
型、箱型などの種々の形状が採用可能である。
【0040】この電極材は、炭素材単独で形成してもよ
いが、通常、バインダーと組み合わせて使用される。バ
インダーとしては、慣用のバインダー樹脂、例えば、ポ
リテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロ
エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリフ
ッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂;カルボキシメチルセ
ルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体;
ポリエチレン、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル
共重合体、アイオノマー樹脂などのポリオレフィン系樹
脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポ
リ酢酸ビニル、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂(スチ
レン−アクリロニトリル共重合体など)、エラストマー
(エチレン−プロピレンゴムなどのオレフィン系エラス
トマー、スチレン−ブタジエンゴムSBRなど)、ポリ
エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート
系樹脂などが挙げられる。これらのバインダーは単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0041】バインダーの使用量は、特に限定されず、
炭素材の粒度、粒度分布、粒子形状、電極密度などに応
じて選択でき、通常、炭素材100重量部に対して3〜
30重量部、好ましくは5〜25重量部、さらに好まし
くは5〜20重量部程度である。
【0042】さらに、電極材は導電剤を含んでいてもよ
い。導電剤としては、導電性カーボンブラック(アセチ
レンブラックなどのカーボンブラック)、黒鉛などの炭
素質導電剤、金属粉などが例示できる。導電剤の使用量
は、炭素材100重量部に対して1〜100重量部、好
ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは5〜25重
量部程度である。
【0043】電極材は、電池用電極又はキャパシタ電極
の慣用の方法、例えば、前記炭素材とバインダーと必要
により導電剤との混合物をロール成形する方法、前記混
合物を必要により加熱して加圧するプレス成形法、上記
混合物を溶媒に分散させたスラリーを基材(金属箔など
の導電材など)上に塗布する塗布法又はキャスト法など
が採用できる。塗布法やキャスト法では、必要により塗
膜を基材から剥離し、所定形状(フィルム又はシート状
など)に成形してもよい。
【0044】電極材の形状は、キャパシタの形状や大き
さ、キャパシタの要求特性などに応じて選択でき、例え
ば、コイン型キャパシタでは厚さ0.1〜10mm(例
えば、1〜5mm)程度の円盤状電極、箱型キャパシタ
では厚さ0.1〜30mm(例えば、0.1〜10m
m、特に0.5〜5mm)程度のシート状電極、円筒型
キャパシタでは、円柱状電極又は厚さ0.02〜2mm
程度のアルミニウム、ステンレス鋼などの金属集電箔を
巻回した電極などが利用できる。
【0045】[キャパシタ]本発明において、キャパシ
タ(電気二重層キャパシタ)は前記電極材を備えていれ
ばよく、キャパシタの構造などは特に制限されない。以
下に、図1を参照しつつキャパシタについて説明する。
なお、図1は本発明のキャパシタの一例を示す概略断面
図である。
【0046】図1に示すように、キャパシタは、一対の
電極1a,1bを収容する外装缶(ケーシング)4と、
この一対の電極間に介在するセパレータ2と備えてい
る。前記電極1a,1bおよびセパレータ2には電解液
が含浸されており、電極1a,1bには、電流を外部に
取り出すための集電体3a,3bがそれぞれ電気的に接
続されている。
【0047】セパレータ2としては、多孔質膜が使用で
き、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィン製の微孔膜又は不織布、パルプを主原料と
し、かつ一般に電解コンデンサー紙と称される多孔質膜
などが利用できる。なお、前記のように、通常、一対の
電極間は電解液を含浸させた多孔質のセパレータで隔離
されている場合が多いが、前記セパレータに代えて、固
体電解質やゲル状電解質を用いてもよい。
【0048】電極1a,1b及びセパレータ2に含浸さ
せる電解液としては、特に限定されないが、非水系電解
液、特に単セル当たりの電圧が高い有機電解液を用いる
のが好ましい。有機電解液としては、非プロトン性の有
機溶媒に電解質を0.5〜3.0モル/L程度の濃度で
溶解した電解液が利用できる。有機溶媒としては、カー
ボネート類(プロピレンカーボネート、エチレンカーボ
ネート、ブチレンカーボネートなど)、ラクトン類(γ
−ブチロラクトンなど)、スルホラン類(スルホランな
ど)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、ベンゾニトリルなど)、アミド類(ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミドなど)などが例示でき
る。これらの有機溶媒は、単独で又は二種以上混合して
使用してもよい。また、電解質としても、慣用の化合
物、例えば、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロ
ボレート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオ
ロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロ
フォスフェートなどのテトラアルキルアンモニウム塩な
どが利用できる。これらの電解質も単独で又は二種以上
組み合わせて使用できる。
【0049】このようなキャパシタの充電電圧は、上記
有機電解液を用いる場合、1.8〜3.3V程度の範囲
に設定できる。充電電圧が低すぎと、利用可能な容量が
減少し、高すぎると、電解液の分解が激しくなる。炭素
材の種類、電解液の組成、使用温度、寿命などに応じ
て、充電電圧は、上記電圧の範囲内で適当に選択でき
る。
【0050】なお、本発明の炭素材は、前記キャパシタ
に限らず、水処理用吸着材、排煙用吸着材、脱臭用吸着
剤などとしても有用である。
【0051】
【発明の効果】本発明では、特定の結晶構造を有すると
ともに全細孔容積に対するミクロ孔の割合が大きいの
で、電気二重層キャパシタの静電容量を高めることがで
きる。また、キャパシタのサイクル特性を向上できる。
さらには、褐炭などの安価な炭素前駆体を利用できるの
で、経済的に有利である。
【0052】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0053】実施例1 [炭素材の調製]褐炭(酸素濃度21.0%)の粉末を
磁製皿に入れ、小型円筒炉を用いて空気中で熱処理する
ことにより、酸素架橋処理した。すなわち、熱処理は、
褐炭粉末を室温から250℃まで2時間かけて昇温し、
同温度に7時間保持した後、室温まで冷却し、円筒炉か
ら取り出した。得られた酸素架橋処理した褐炭の元素分
析を行ない、酸素濃度を求めたところ、酸素濃度は3
4.6%であった。なお、酸素濃度は、測定装置:パー
キンエルマー社製の元素分析装置「PE2400シリー
ズII、CHNS/O」を用いて酸素原子/炭素原子比
から算出した。
【0054】次いで、酸素架橋処理した褐炭100重量
部と、熱反応助材としての塩化亜鉛100重量部とを混
合した。この混合物に適量の水を加えることにより、水
性スラリー(固形分85重量%+水分15重量%)を得
た。上記水性スラリーを黒鉛製皿にいれ、小型円筒炉を
用いて熱反応処理を行なった。熱反応処理は、窒素雰囲
気下で、120℃/時間の昇温速度で800℃まで昇温
し、同温度で1時間保持することにより行い、炉中で自
然冷却した後、炉から取り出した。
【0055】得られた熱反応処理物を希塩酸で洗浄した
後、pH値が約7となるまで蒸留水により洗浄した。こ
の洗浄後の熱反応処理物を乾燥することにより、炭素材
を得た。得られた炭素材の元素分析を行ない、水素原子
/炭素原子比(H/C比)を求めた(測定装置:パーキ
ンエルマ一社製元素分析装置「PE2400シリーズI
I、CHNS/O」)。また、窒素を吸着質とする等温
線の測定を行ない(測定装置:ユアサアイオニクス社製
「NOVA1200」)、得られた等温線からBET法
により比表面積値を求めた。
【0056】さらに全細孔容積は、相対圧力P/P0
1(P:吸着平衡圧、P0:飽和蒸気圧(77K、N2))付
近で吸着した窒素ガスの全量から求めた。メソ孔容積
は、BJH法により計算した。
【0057】[電極材及びキャパシタの作製]得られた
炭素材を粉砕し、この粉末100重量部に対して、カー
ボンブラック10重量部と、バインダーとしてのポリテ
トラフルオロエチレン樹脂粉末8重量部とを混合した
後、プレス成形することにより、厚さ0.5mmの電極
を得た。
【0058】上記で得られたシート状電極を1.5cm
×1.5cmにカットし、150℃で2時間乾燥した。
得られた電極を正極および負極とし、集電体として厚さ
0.2mmのステンレスメッシュを用い、セパレータと
して充分に乾燥した電解コンデンサー紙を用い、電解液
として、濃度1.5mol/Lのトリエチルメチルアン
モニウム・テトラフルオロボレート(ETMeNb
4)/プロピレンカーボネート(PC)溶液を用い
て、ドライボックス中でキャパシタを組み立てた。
【0059】得られたキャパシタを用いて体積当りの比
容量を求めた。比容量は、キャパシタの単位体積当りの
電気容量(F/ml)として測定した。すなわち、キャ
パシタの最大充電電流を50mAに規制し、2.5Vで
1時間充電した後、1mAの定電流にてキャパシタ電圧
が0Vになるまで放電した。放電曲線の傾きから電気容
量(F)を求め、正極/負極の全体積と電気容量とか
ら、電極の体積当たりの比容量(F/ml)を求めた。
【0060】実施例2 褐炭(酸素濃度21.0%)の粉末を磁製皿に入れ、小
型円筒炉を用いて空気中で熱処理(酸素架橋処理)し
た。熱処理は、褐炭粉末を室温から280℃まで2時間
かけて昇温し、同温度に5時間保持することにより行
い、室温まで冷却し、円筒炉から取り出した。得られた
酸素架橋処理した褐炭の元素分析を行なったところ、酸
素濃度は、34.4%であった。
【0061】次いで、酸素架橋処理した褐炭100重童
部に対して塩化亜鉛150重量部を混合し、熱処理温度
を900℃とする以外は、実施例1と同様にして、炭素
材を得た。
【0062】得られた炭素材を用いて、実施例1と同様
にして、電極を作製し、キャパシタを組み立て、充放電
を行なった。
【0063】比較例1 酸素架橋することなく、実施例1と同様の褐炭100重
量部と塩化亜鉛230重量部とを混合し、熱処理温度を
650℃とする以外は、実施例1と同様にして、炭素材
を得た。
【0064】得られた炭素材を用いて、実施例1と同様
にして、電極を作製し、キャパシタを組み立て、充放電
を行なった。
【0065】比較例2 酸素架橋処理を行うことなく、褐炭(酸素濃度20.1
%)100重量部と塩化亜鉛100重量部とを混合し、
熱処理温度を600℃とする以外は、実施例1と同様に
して、炭素材を得た。
【0066】得られた炭素材を用いて、実施例1と同様
にして、電極を作製し、キャパシタを組み立て、充放電
を行なった。
【0067】比較例3 石炭(褐炭)に代えて水溶性フェノール樹脂(鐘紡
(株)「ベルパール」)を用い、水溶性フェノール樹脂
100重量部と塩化亜鉛230重量部とを用いる以外、
実施例1と同様にして、炭素材を得た。
【0068】得られた炭素材を用いて、実施例1と同様
にして、電極を作製し、キャパシタを組み立て、充放電
を行なった。
【0069】得られた結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のキャパシタの一例を示す概略断
面図である。
【符号の説明】 1a,1b…電極 2…セパレータ 3a,3b…集電体 4…外装缶(ケーシング)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均層間距離(d002)が0.35〜
    0.38nm、c軸方向の平均長さ(Lc)が1〜10
    0nm及びa軸方向の平均長さ(La)が1〜100n
    mである結晶子サイズを有し、かつメソ孔容積と全細孔
    容積との割合が前者/後者=0.02〜0.35である
    炭素材で構成されたキャパシタ用炭素材であって、下記
    特性(a)〜(c)のうち少なくとも1つの特性を有す
    る電気二重層キャパシタ用炭素材。 (a)BET法による比表面積値が100〜1500m
    2/g (b)MP法による平均細孔径が0.8〜2.4nm (c)MP法による全細孔容積が0.2〜0.8ml/
  2. 【請求項2】 炭素材の平均粒子径が2〜30μmであ
    る請求項1記載の炭素材。
  3. 【請求項3】 酸素架橋処理した炭素前駆体を、熱反応
    助剤の存在下で焼成し、請求項1記載の特性を有する電
    気二重層用キャパシタ用炭素材を製造する方法。
  4. 【請求項4】 酸素の存在下で炭素前駆体を熱処理し
    て、元素分析による酸素濃度を5〜30%高め、生成し
    た酸素処理した炭素前駆体を、無機塩で構成された熱反
    応助剤と混合して焼成し、ミクロポアを生成させる請求
    項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 炭素前駆体が、石炭、ピッチ及びコーク
    スから選択された少なくとも一種である請求項3記載の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 熱反応助剤が、塩化亜鉛及びリン酸塩か
    ら選択された少なくとも一種である請求項3記載の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の炭素材で構成された電気
    二重層キャパシタ用電極材。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の電極材を備えている電気
    二重層キャパシタ。
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