JPWO2010067772A1 - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Abstract

高い静電容量と低い内部抵抗を有し、しかも耐電圧の高い電気二重層キャパシタであって、活性炭および結合材を含む電極と非水系電解液とを備え、(I)電極の電極密度が0.45g/cm3以下であり、(II)非水系電解液が耐電圧2.5V以上の非水系電解液であることを特徴とする電気二重層キャパシタを提供する。

Description

本発明は、電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは、電気自動車や瞬時停電時の電源として期待され、種々検討されている。そうした電気二重層キャパシタには高い静電容量と低い内部抵抗が望まれ、電解質を溶解する溶媒として、非フッ素系の非水系溶媒(特許文献1)やフッ素系の非水系溶媒(特許文献2)が使用されている。
また、特許文献1では電極の構成も提案されており、電極の嵩密度(電極密度)を0.6g/cm3以上の高密度にすることで、高い静電容量と低い内部抵抗が実現できると述べられている。
特開2001−143973号公報 国際公開第2008/084846号
電気二重層キャパシタには、上記の高い静電容量と低い内部抵抗が要求されるとともに、それに見合った高い耐電圧も必要である。
本発明の目的は、高い静電容量と低い内部抵抗を有し、しかも耐電圧の高い電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
すなわち本発明は、活性炭および結合材を含む電極と非水系電解液とを備える電気二重層キャパシタであって、
(I)電極の電極密度が0.45g/cm3以下であり、
(II)非水系電解液が耐電圧2.5V以上の非水系電解液である
ことを特徴とする電気二重層キャパシタに関する。
非水系電解液としては、フッ素系電解液が好ましい。
本発明の電気二重層キャパシタによれば、高い静電容量と低い内部抵抗を有し、しかも耐電圧の高い電気二重層キャパシタを提供することができる。
本発明の電気二重層キャパシタは、特定の成分を含む電極(I)とフッ素系電解液(II)とを備えている。以下、各構成について説明する。
(I)電極
本発明で用いる電極(I)は、活性炭(IA)および結合材(IB)を含む。
(IA)活性炭
活性炭(IA)は電気二重層キャパシタの静電容量を大きくする役割を有しており、その役割を果たす限り特に限定されないが、大容量で低内部抵抗の電気二重層キャパシタが得られるように、平均粒径が20μm以下で比表面積が1500〜3000m2/gの活性炭を使用するのが好ましい。活性炭の具体例として、フェノール樹脂系活性炭、やしがら系活性炭、石油コークス系活性炭などがある。これらのうち大きい容量を得られる点で石油コークス系活性炭またはフェノール樹脂系活性炭を使用するのが好ましい。また、活性炭の賦活処理法には、水蒸気賦活処理法、溶融KOH賦活処理法などがあり、より大きな容量が得られる点で溶融KOH賦活処理法による活性炭を使用するのが好ましい。
より具体的には、特許文献2に記載されているような、抽出法により測定されたカリウム含有量が0〜200ppmの活性炭粒子、特許文献1に記載されているような平均粒径が1〜10μmで細孔容積が1.5cm3/g以下の活性炭粒子などが例示できる。
また、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化メソカーボン小球体、黒鉛化ウィスカ、気層成長炭素繊維、フルフリルアルコール樹脂の焼成品またはノボラック樹脂の焼成品なども例示できる。
(IB)結合材
結合材(IB)は、活性炭(IA)、および必要に応じて添加される導電材などの他の電極成分を用いて電極に成形する際に、それらの粒子を結合するために使用される。
したがって、その目的を達成し得るものであれば特に限定されないが、通常、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などのフッ素系樹脂;ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどの非フッ素系ゴムが使用されている。
なかでも、耐圧性、耐久性が良好な点からフッ素系樹脂、特にPTFEが好ましく、また、耐圧性が良好であり、集電体との密着性が良好な点から非フッ素系ゴムが好ましい。
(IC)他の電極成分
以上の活性炭(IA)および結合材(IB)に加えて、電気二重層キャパシタ用の電極に通常配合される添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、たとえば導電材、増粘剤などがあげられる。
(IC−1)導電材
導電材は、大比表面積の不活性炭で電子伝導性を付与する役割を有し、たとえばカーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛などの炭素質材料;金属ファイバ、導電性酸化チタン、酸化ルテニウムなどの無機材料があげられる。
(IC−2)増粘剤
電極を作成する場合、活性炭(IA)、結合材(IB)、その他必要に応じて添加される他の添加剤を溶媒、たとえば水に分散させてスラリーとし、金属箔や集電体に塗布して成形する。その際、スラリー中に粒子を均質に分散させかつ流動性を適正な流動性に調整するために、増粘剤が添加されている。
増粘剤としては、従来公知のカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸などが例示できる。なかでも、耐圧性が良好な点からポリアクリル酸が好ましい。
これらの電極成分は、活性炭(IA)100質量部に対して、結合材(IB)を2〜6質量部配合することが好ましい。より高い静電容量と低い内部抵抗と高い耐電圧を得るには、活性炭(IA)100質量部に対して、結合材(IB)を3〜5質量部配合することがさらに好ましい。
たとえば導電材(IC−1)を配合する場合は、良好な導電性(低い内部抵抗)を得るように、また多すぎるとキャパシタの静電容量が減るため、活性炭粒子との合計量中1〜20質量%とするのが好ましい。
また増粘剤(IC−2)を配合する場合は、電極密度を均質にする点から、活性炭(IA)100質量部に対して、3質量部以下、さらには2質量部以下が好ましい。下限は、配合する目的を達成する量である。
電極は、種々の方法で形成することができる。たとえば、活性炭(IA)、および要すれば導電材(IC−1)を乾式混合する。その混合の過程で増粘剤(IC−2)と水を適宜添加して粒子を分散させる。ついで、結合材(IB)と水を適宜加えた後湿式混合し、均質な電極形成用のスラリーを調製する。このスラリーを集電体などの金属箔上に塗布し、適宜プレスし、乾燥して電極を作製する。
電極は、上記の電極を両極に用いて電気二重層キャパシタとしてもよいが、片側に非分極性電極を用いる構成、たとえば、金属酸化物等の電池活物質を主体とする正極と、活性炭を主体とする本発明の電極の負極とを組合せた構成も可能である。
集電体は化学的、電気化学的に耐食性のあるものであればよい。活性炭を主体とする分極性電極の集電体としては、ステンレス、アルミニウム、チタンまたはタンタルが好ましく使用できる。これらのうち、ステンレスまたはアルミニウムが、得られる電気二重層キャパシタの特性と価格の両面において特に好ましい材料である。
本発明では、作製された電極の嵩密度(電極密度)を0.45g/cm3以下に調整することが重要である。
前述の特許文献1のように、静電容量の向上や内部抵抗の低下の観点から、電極密度を高密度化(0.6g/cm3以上)することは知られているが、キャパシタの耐電圧の観点から電極密度を検討した例はなく、しかも、低密度化の方向で耐電圧が向上する点については本発明で初めて見出された事項である。
電極密度は、好ましくは耐電圧が良好な点から0.45g/cm3以下、さらには0.40g/cm3以下である。一方、下限は機械的強度を維持する点から0.30g/cm3、特に0.35g/cm3が好ましい。
電極密度を調整する方法は特に限定されず、たとえばつぎの方法が採用できる。
(1)電極用スラリーの固形分濃度を調節する方法
たとえば固形分濃度を15〜25質量%、好ましくは18〜22質量%に調整することが好ましい。
(2)塗布後に電極用スラリーの塗膜をプレスする際の圧力を調節する方法
プレス圧は、目的とする電極厚などに合わせて適宜選定すればよい。
これらの方法は単独、または組み合わせて行ってもよい。
(II)非水系電解液
本発明に用いる非水系電解液(II)は、耐電圧が2.5V以上の非水系電解液であり、好ましくはフッ素系電解液である。耐電圧が2.5V以上の非水系電解液は、非水系溶媒(IIA)と電解質塩(IIB)とを含む。
(IIA)非水系溶媒
非水系溶媒(IIA)としては、電解液の耐電圧を2.5V以上にすることができるものであれば、フッ素系溶媒(IIA−1)でも非フッ素系溶媒(IIA−2)でもよい。
(IIA−1)フッ素系溶媒
フッ素系溶媒(IIA−1)としては、たとえば特許文献2に記載されている含フッ素環状カーボネートを含むフッ素系溶媒が、高い耐電性と広い電解質溶解性に優れている点から好ましい。
含フッ素環状カーボネートとしては、式(1):
Figure 2010067772
(式中、X1〜X4は同じかまたは異なり、いずれも−H、−F、−CF3、−CHF2、−CH2F、−C25または−CH2CF3;ただし、X1〜X4の少なくとも1つは−F、−CF3、−C25または−CH2CF3である)で示される含フッ素環状カーボネートを含有する溶媒が、静電容量が大きく、耐電圧も高い点から好ましい。
前記フッ素系溶媒(IIA−1)中に含まれる含フッ素環状カーボネートとしては、高い誘電率、高い耐電圧といった優れた特性が特に発揮できる点、そのほか電解質塩の溶解性、内部抵抗の低減が良好な点で本発明における電気二重層キャパシタとしての特性が向上する点から、
Figure 2010067772
よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
含フッ素環状カーボネートのフッ素含有率は、誘電率、耐酸化性の点から、15〜55質量%が好ましく、17〜44質量%がより好ましい。
他にも、含フッ素環状カーボネートとしては、
Figure 2010067772
なども使用できる。
フッ素系溶媒(IIA−1)中の含フッ素環状カーボネートの含有率は、誘電率や粘性が良好な点で、100〜20体積%が好ましく、90〜20体積%がより好ましい。
フッ素系溶媒(IIA−1)は、式(1)で示される含フッ素環状カーボネートを単独で用いてもよいし、他の含フッ素電解質塩溶解用溶媒や非フッ素系電解質塩溶解用溶媒との混合物として使用してもよい。また、含フッ素環状カーボネートは一般的に融点が高いため、単独では低温での動作に障害が生じることがある。そのようなときには、耐酸化性、粘性、低温特性を向上させる点から、式(1)で示される含フッ素環状カーボネートと他の含フッ素電解質塩溶解用溶媒との混合物として使用することが好ましい。
式(1)で示される含フッ素環状カーボネートの共溶媒として使用する含フッ素電解質塩溶解用溶媒としては、含フッ素鎖状カーボネート、含フッ素鎖状エステル、含フッ素鎖状エーテル、含フッ素ラクトン、含フッ素スルホラン誘導体などがあげられる。
含フッ素鎖状カーボネートとしては、粘性や耐酸化性が良好な点から、式(2):
Figure 2010067772
(式中、Rfa1およびRfa2は同じかまたは異なり、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数1〜4の含フッ素アルキル基である。ただし、少なくとも一方は炭素数1〜4の含フッ素アルキル基である)で示されるものが、好ましい。
含フッ素鎖状カーボネートのなかでも、高い誘電率、高い耐電圧といった優れた特性が特に発揮できる点、そのほか電解質塩の溶解性、内部抵抗の低減、低温特性が良好な点で本発明における電気二重層キャパシタとしての特性が向上する点から、
Figure 2010067772
などが好ましい。
その他、含フッ素鎖状カーボネートとしては、
Figure 2010067772
なども使用できる。また、たとえば、特開平06−21992号公報、特開2000−327634号公報、特開2001−256983号公報などに記載された化合物もあげられる。
なかでも、耐酸化性、電解質塩の溶解性が良好な点から、
Figure 2010067772
が好ましい。
含フッ素鎖状エーテルとしては、たとえば、特開平08−037024号公報、特開平09−097627号公報、特開平11−026015号公報、特開2000−294281号公報、特開2001−052737号公報、特開平11−307123号公報などに記載された化合物があげられる。
なかでも、他溶媒との相溶性が良好で適切な沸点を有する点から、式(3):
Rfc1−O−Rfc2 (3)
(式中、Rfc1およびRfc2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数2〜4の含フッ素アルキル基である)で示される含フッ素エーテルが好ましい。
とくに、Rfc1としては、たとえば、−CH2CF2CHF2、−CH224CHF2、−CH2CF3、−CH236CHF2、−CH225、−CH2CF2CHFCF3、−CH2CF(CF3)CF2CHF2、−C2425、−C24CF3などがあげられ、また、Rfc2としては、たとえば、−CF2CHFCF3、−C24CHF2、−C24CF3、−CH2CHFCF3、−C2425が好ましい。
含フッ素鎖状エステルとしては、難燃性が高く、かつ他溶媒との相溶性や耐酸化性が良好な点から、式(4):
Figure 2010067772
(式中、Rfb1およびRfb2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜4の含フッ素アルキル基である)で示されることが好ましい。
含フッ素鎖状エステルとしては、たとえば、CF3C(=O)OC25、CF3C(=O)OCH2CF3、CF3C(=O)OCH2CH2CF3、CF3C(=O)OCH225、CF3C(=O)OCH2CF2CF2H、CF3C(=O)OCH(CF32、CF3C(=O)OCH(CF32などがあげられ、なかでも、他溶媒との相溶性、粘性、耐酸化性などが良好な点から、CF3C(=O)OC25、CF3C(=O)OCH225、CF3C(=O)OCH2CF2CF2H、CF3C(=O)OCH2CF3、CF3C(=O)OCH(CF32が特に好ましい。
含フッ素ラクトンとしては、たとえば、式(5):
Figure 2010067772
(式中、X5〜X10は同じかまたは異なり、いずれも−H、−F、−Cl、−CH3または含フッ素メチル基;ただし、X5〜X10の少なくとも1つは含フッ素メチル基である)で示される含フッ素ラクトンがあげられる。
含フッ素ラクトンとしては、前記式(5)で示されるもの以外にも、たとえば、式(6):
Figure 2010067772
(式中、AおよびBはいずれか一方がCX1617(X16およびX17は同じかまたは異なり、いずれも−H、−F、−Cl、−CF3、−CH3または水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよくヘテロ原子を鎖中に含んでいてもよいアルキル基)であり、他方は酸素原子;Rfeは含フッ素エーテル基、含フッ素アルコキシ基または炭素数2以上の含フッ素アルキル基;X11およびX12は同じかまたは異なり、いずれも−H、−F、−Cl、−CF3または−CH3;X13〜X15は同じかまたは異なり、いずれも−H、−F、−Clまたは水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよくヘテロ原子を鎖中に含んでいてもよいアルキル基;n=0または1)で示される含フッ素ラクトンなどもあげられる。
これらのなかでも、高い誘電率、高い耐電圧といった優れた特性が特に発揮できる点、そのほか電解質塩の溶解性、内部抵抗の低減が良好な点で本発明における電解液としての特性が向上する点から、
Figure 2010067772
が好ましい。
その他、含フッ素ラクトンとしては、
Figure 2010067772
なども使用できる。
含フッ素スルホラン誘導体としては、特開2003−132994号公報に記載された含フッ素スルホラン誘導体が例示でき、なかでも、
Figure 2010067772
が好ましい。
フッ素系溶媒(IIA−1)は、式(1)で示される含フッ素環状カーボネートを単独、または他の非フッ素系溶媒またはフッ素系溶媒を共溶媒として使用することができる。共溶媒としての電解質塩溶解用溶媒としては、耐酸化性、粘性が良好な点から、含フッ素電解質塩溶解用溶媒が好ましく、含フッ素鎖状カーボネート、含フッ素鎖状エステル、含フッ素鎖状エーテルがより好ましい。とくに、3.5V以上の高電圧で動作させる際のフッ素系溶媒(IIA−1)には、式(1)で示される含フッ素環状カーボネートと、含フッ素鎖状カーボネート、含フッ素鎖状エステルおよび含フッ素鎖状エーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種のみからなるものが好ましい。なかでも、含フッ素鎖状エーテルが、耐酸化性が良好な点から好ましい。
特に好ましい含フッ素環状カーボネートと含フッ素鎖状エーテルの組合せとしては、特に耐酸化性、電解質塩の溶解性が良好な点から、
Figure 2010067772
の含フッ素環状カーボネートと、CF3CF2CH2−O−CF2CFHCF3、HCF2CF2CH2−O−CF2CFHCF3、CF3CF2CH2−O−CF2CF2HおよびHCF2CF2CH2−O−CF2CF2Hよりなる群れから選ばれる少なくとも1種の含フッ素鎖状エーテルとの混合物である。
(IIA−2)非フッ素系溶媒
非フッ素系溶媒(IIA−2)としては、非フッ素系環状カーボネート、非フッ素系鎖状カーボネート、非フッ素系鎖状エステル、非フッ素系鎖状エーテル、非フッ素系ラクトン、非フッ素系スルホラン誘導体、他の非フッ素系電解質塩溶解用溶媒などがあげられる。
非フッ素系環状カーボネートとしては、たとえば、
Figure 2010067772
などがあげられる。
非フッ素系鎖状カーボネートとしては、たとえば、式(7):
Figure 2010067772
(式中、Ra1およびRa2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜4のアルキル基)で示される鎖状カーボネートが好ましい。
非フッ素系鎖状カーボネートのなかでも、高い誘電率、高い耐電圧といった優れた特性が特に発揮できる点、そのほか電解質塩の溶解性、内部抵抗の低減が良好な点で本発明における電気二重層キャパシタとしての特性が向上する点から、
Figure 2010067772
などが好ましい。
その他、非フッ素鎖状カーボネートとしては、
Figure 2010067772
なども使用できる。
(IIB)電解質塩
電解質塩(IIB)は、従来公知のアンモニウム塩、金属塩のほか、液体状の塩(イオン性液体)、無機高分子型の塩、有機高分子型の塩などがあげられる。
アンモニウム塩としては、従来公知のものが使用でき、たとえばスピロ環ビピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、テトラアルキル4級アンモニウム塩、N−アルキルピリジニウム塩、N,N−ジアルキルピロリジニウム塩などがあげられる。
スピロ環ビピリジニウム塩としては、たとえば、式(10−1):
Figure 2010067772
(式中、Rf1およびRf2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜4のアルキル基;X-はアニオン;n1は0〜5の整数;n2は0〜5の整数)で示されるスピロ環ビピリジニウム塩、式(10−2):
Figure 2010067772
(式中、Rf3およびRf4は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜4のアルキル基;X-はアニオン;n3は0〜5の整数;n4は0〜5の整数)で示されるスピロ環ビピリジニウム塩、または式(10−3):
Figure 2010067772
(式中、Rf5およびRf6は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜4のアルキル基;X-はアニオン;n5は0〜5の整数;n6は0〜5の整数)で示されるスピロ環ビピリジニウム塩が好ましくあげられる。また、このスピロ環ビピリジニウム塩の水素原子の一部または全部がフッ素原子および/または炭素数1〜4の含フッ素アルキル基で置換されているものも、耐酸化性が向上する点から好ましい。
アニオンX-としては、無機アニオンでも有機アニオンでもよい。無機アニオンとしては、たとえば、AlCl4 -、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、TaF6 -、I-、SbF6 -などがあげられる。また、有機アニオンとしては、たとえば、CH3COO-、CF3SO3 -、(CF3SO22-、(C25SO22-などがあげられる。これらのうち、解離性が高く、高電圧下での内部抵抗が低い点から、BF4 -、PF6 -、(CF3SO22-または(C25SO22-が好ましく、とくにPF6 -がより好ましい。
スピロ環ビピリジニウム塩の好ましい具体例としては、たとえば、
Figure 2010067772
などがあげられる。
このスピロ環ビピリジニウム塩は溶媒への溶解性、耐酸化性、イオン伝導性の点で優れている。
イミダゾリウム塩としては、たとえば、式(11):
Figure 2010067772
(式中、Rg1およびRg2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜6のアルキル基;X-はアニオン)で示されるイミダゾリウム塩が好ましくあげられる。また、このイミダゾリウム塩の水素原子の一部または全部がフッ素原子および/または炭素数1〜4の含フッ素アルキル基で置換されているものも、耐酸化性が向上する点から好ましい。
アニオンX-の好ましい具体例は、スピロ環ビピリジニウム塩と同じである。
イミダゾリウム塩の好ましい具体例としては、たとえば、式(12):
Figure 2010067772
で示されるエチルメチルイミダゾリウム塩などがあげられる。
このイミダゾリウム塩は粘性が低く、また溶媒への溶解性の点で優れている。
テトラアルキル4級アンモニウム塩としては、たとえば、式(13):
Figure 2010067772
(式中、Rh1、Rh2、Rh3およびRh4は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜6のエーテル結合を含んでいてもよいアルキル基;X-はアニオン)で示されるテトラアルキル4級アンモニウム塩が好ましくあげられる。また、このテトラアルキル4級アンモニウム塩の水素原子の一部または全部がフッ素原子および/または炭素数1〜4の含フッ素アルキル基で置換されているものも、耐酸化性が向上する点から好ましい。
具体例としては、
式(13−1):
Figure 2010067772
(式中、Rh1、Rh2およびX-は式(13)と同じ;xおよびyは同じかまたは異なり、0〜4の整数で、かつx+y=4である)で示されるテトラアルキル4級アンモニウム塩、
式(13−2):
Figure 2010067772
(式中、Rh5は炭素数1〜6のアルキル基;Rh6は炭素数1〜6の2価の炭化水素基;Rh7は炭素数1〜4のアルキル基;zは1または2;X-はアニオン)で示されるアルキルエーテル基含有トリアルキルアンモニウム塩などがあげられる。アルキルエーテル基を導入することにより、粘性の低下が図れる。
アニオンX-の好ましい具体例は、スピロ環ビピリジニウム塩と同じである。
テトラアルキル4級アンモニウム塩の好適な具体例としては、たとえば、Et4NBF4、Et4NClO4、Et4NPF6、Et4NAsF6、Et4NSbF6、Et4NCF3SO3、Et4N(CF3SO22N、Et4NC49SO3、Et3MeBF4、Et3MeClO4、Et3MePF6、Et3MeAsF6、Et3MeSbF6、Et3MeCF3SO3、Et3Me(CF3SO22N、Et3MeC49SO3などがあげられ、特に、Et4NBF4、Et4NPF6、Et4NSbF6、Et4NAsF6などが好ましい。
N−アルキルピリジニウム塩としては、たとえば、式(14):
Figure 2010067772
(式中、Ri1は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基;X-はアニオン)で示されるN−アルキルピリジニウム塩が好ましくあげられる。また、このN−アルキルピリジニウム塩の水素原子の一部または全部がフッ素原子および/または炭素数1〜4の含フッ素アルキル基で置換されているものも、耐酸化性が向上する点から好ましい。
アニオンX-の好ましい具体例は、スピロ環ビピリジニウム塩と同じである。
好ましい具体例としては、たとえば
Figure 2010067772
などがあげられる。
このN−アルキルピリジニウム塩は粘性が低く、また溶媒への溶解性の点で優れている。
N,N−ジアルキルピロリジニウム塩としては、たとえば、式(15):
Figure 2010067772
(式中、Rj1およびRj2は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜6のアルキル基;X-はアニオン)で示されるN,N−ジアルキルピロリジニウム塩が好ましくあげられる。また、このN,N−ジアルキルピロリジニウム塩の水素原子の一部または全部がフッ素原子および/または炭素数1〜4の含フッ素アルキル基で置換されているものも、耐酸化性が向上する点から好ましい。
アニオンX-の好ましい具体例は、スピロ環ビピリジニウム塩と同じである。
好ましい具体例としては、たとえば、
Figure 2010067772
Figure 2010067772
などがあげられる。
このN,N−ジアルキルピロリジニウム塩は粘性が低く、また溶媒への溶解性の点で優れている。
これらのアンモニウム塩のうち、スピロ環ビピリジニウム塩およびイミダゾリウム塩が溶媒への溶解性、耐酸化性、イオン伝導性の点で好ましく、さらには、
Figure 2010067772
(式中、X-はBF4 -、PF6 -、(CF3SO22-または(C25SO22-であり、特にはBF4 -、PF6 -である)、
Figure 2010067772
(式中、X-はBF4 -、PF6 -、(CF3SO22-または(C25SO22-であり、特にはBF4-、PF6 -である)
が好ましい。
また、電解質塩として、リチウム塩を併用してもよい。リチウム塩としては、たとえば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiN(SO2252が好ましい。
さらに、静電容量を向上させるためにマグネシウム塩を用いてもよい。マグネシウム塩としては、たとえばMg(ClO42、Mg(OOC252などが好ましい。
電解質塩(IIB)の配合量は要求される電流密度、用途、電解質塩の種類などによって異なるが、非水系溶媒(IIA)に対し、0.1モル/リットル以上、2.5モル/リットル以下、さらには0.8モル/リットル以上、1.8モル/リットル以下、さらには1.0モル/リットル以上、1.6モル/リットル以下が好ましい。
本発明で用いる電解液は、電解質塩(IIB)を非水系溶媒(IIA)に溶解させることで調製される。
また、本発明において電解液は、本発明の電解液に使用する溶媒に溶解または膨潤する高分子材料と組み合わせてゲル状(可塑化された)のゲル電解液としてもよい。
かかる高分子材料としては、従来公知のポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド、それらの変性体(特開平8−222270号公報、特開2002−100405号公報);ポリアクリレート系ポリマー、ポリアクリロニトリルや、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素樹脂(特表平4−506726号公報、特表平8−507407号公報、特開平10−294131号公報);それらフッ素樹脂と炭化水素系樹脂との複合体(特開平11−35765号公報、特開平11−86630号公報)などがあげられる。特には、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体をゲル電解質用高分子材料として用いることが望ましい。
そのほか、特願2004−301934号明細書に記載されているイオン伝導性化合物も使用できる。
本発明で用いる電解液には必要に応じて、他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、たとえば金属酸化物、ガラスなどがあげられる。
こうした電解液は、難燃性、低温特性、電解質塩の溶解性および炭化水素系溶媒との相溶性を同時に向上させることができ、3.5V以上の耐電圧で安定した特性が得られるので、電気二重層キャパシタの電解液として優れている。耐電圧の上限は高ければ高い方が好ましく、使用する非水系電解液の種類や用途により適宜設定されるが、たとえば5V程度があげられる。
本発明の電気二重層キャパシタ、たとえば巻回型電気二重層キャパシタにおいて、電極(I)は、通常、セパレータや集電体を介して巻回され、巻回素子を構成する。セパレータおよび集電体は従来公知のものがそのまま使用できる。電気二重層キャパシタは、上記の非水系電解液(II)および巻回素子をアルミニウム製などのケースに入れ、ゴム製の封口体で封止して密封することにより組み立てられる。
また、公知の方法により、ラミネート型電気二重層キャパシタやコイン型電気二重層キャパシタとすることもできる。
つぎに本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明はかかる例のみに限定されるものではない。
なお、実施例で採用した測定方法、評価方法はつぎのとおりである。
(1)電極用スラリーの安定性
実施例および比較例で調製した電極用スラリーをポリエチレン容器に入れ、3時間静置したのちの状態を目視で観察する。評価はつぎの基準で行う。
○:沈殿が生じなかった。
×:沈殿が生じた。
(2)塗膜屈曲試験
JIS K5400に準じ、折曲試験機(安田精機製作所(株)製の塗膜屈曲試験機)を用いて、φ2の条件で測定する。評価はつぎの基準で行う。
○:目視上、まったく割れが確認されなかった。
×:目視上、ひび割れが確認された。
(3)電極密度(単位:g/cm3
外形寸法と質量を測定し、これらの値から嵩密度(g/cm3)を算出する。
(4)電解液の耐電圧(単位:V)
3電極式電圧測定セル(作用極、対極:白金(なお、対極と作用極の面積比を5:1とする)、参照極:Ag。宝泉(株)製のHSセル)に電解液を入れ、ポテンシオスタットで3mV/secで電位走引し、分解電流を測定する。分解電流の上昇がみられなくなった最大電位を電解液の耐電圧とする。
(5)キャパシタの静電容量、内部抵抗および耐電圧
ラミネートセルに、電子電源にて、定電流充電しながら印加電圧(2.5V)まで充電電圧を上昇させ、規定の印加電圧に到達後約5分間定電圧状態を維持し、充電電流が十分下降かつ飽和状態になったことを確認した後、定電流放電してセル電圧差(ΔV)および電流値(I)を計測する。
充電および放電における定電流値は10mA/Fを目安とし、35mAとする。セル電圧および電流の計測は、0.5秒サンプリングで行う。
セルに流れる電流値(I)は、セルに対して直列に1Ωの固定抵抗を接続し、この両端の電圧を計測することで算出する。この電流値はセルの内部抵抗を測定する際に使用する。
得られた計測値を用いて、キャパシタの静電容量(単位:F)およびキャパシタの内部抵抗(単位:Ω)をつぎの要領で算出する。
(キャパシタの静電容量)
セル電圧の時間変化を記録した上で、各電圧で満充電させたセルを定電流放電する。セル電圧降下の直線部の電圧V1(V)からV2(V)に下がるまでの時間T1(秒)、T2(秒)を測定し、次式より静電容量を算出する。なおセルへ流れる電流値((5)で算出した電流値(I)を用いる(日本電子機械工業会規格EIAJ RC-2377参照)。
静電容量=I×(T2−T1)/(V2−V1)
(キャパシタの内部抵抗)
記録計上において、放電開始前のセル電圧、および、放電直後のセル電圧(セル電圧降下の直線部を延長して補助線を引き、その補助線と放電開始時の時間軸との交点)との電圧差(ΔV)とセルへ流れる電流値(I)を用いて、次式によって内部抵抗Rを算出する(日本電子機械工業会規格EIAJ RC-2377参照)。
R=ΔV/I
(キャパシタの耐電圧)
2.5Vに加えて、さらに規定の8種類の印加電圧(3.0V、3.3V、3.5V、3.7V、3.9V、4.1V、4.3V)で同様にセルの各内部抵抗値を算出する。セルの内部抵抗値は、セルの劣化がなければ、印加電圧に関わらず一定であるから、印加電圧の上昇に伴い、セルの内部抵抗値の上昇がみられなくなった最大の印加電圧値をキャパシタの耐電圧とする。
実施例1
(電極の作製)
活性炭粒子(比表面積2100m2/g。平均粒径11μm。新日本石油(株)製CEP21。活性炭1)100質量部と導電材としてケッチェンブラック(ライオン(株)製のEC600JD)2質量部およびアセチレンブラック(電気化学工業(株)製のデンカブラック)3質量部とを攪拌機により乾式混合した。それを混練機に移し、ポリアクリル酸(東亞合成(株)製のアロンA−10H)2質量部と水50質量部を加えた。
ついで、結合材として粒子状もしくは粒子状熱可塑性エラストマーバインダー(日本ゼオン(株)製のAZ9001。結合材1)4質量部と水80質量部を加え、所定時間、混練した。
その後、攪拌機に移し、水130質量部を加えて、所定時間、湿式混合した後、ホモジナイザーに移し、水30質量部を加え、所定時間、破砕処理した。最後に、スラリーをろ過した後に、水60質量部を加えることで、電極用のスラリーを調製した。得られた電極用スラリーについて安定性を調べたところ、沈殿は生じなかった(評価:○)。
なお、塗布直前に粘度調整として、スラリー100重量部に対して、水15質量部を加えた。
ついで、あらかじめ20μmの膜厚で導電性ペースト(日本黒鉛(株)製のT602)を塗布したエッチドアルミニウム製集電体(厚さ20μm)上にこのスラリーを塗布し、110℃で乾燥させた後に、プレス処理を施し、活性炭層の厚さ80μmのロール電極を作製した(電極密度0.40g/cm3)。
この電極を耐屈曲試験に供して、機械的耐久性を調べたところ、電極に割れは生じなかった(評価:○)。
(電解液の調製)
電解液は電解質塩としてスピロビピロリジニウムテトラフォスフェート(日本カーリット(株)製)を用い、電解液溶媒としてCF3−エチレンカーボネート(CF3−EC)と含フッ素エーテル(HCF2CF2CH2OCF2CF2H。含フッ素エーテル1)を1:1で混合させたものを用い、電解質塩濃度が1モル/リットルのフッ素系電解液を調製した。このフッ素系電解液の耐電圧を測定したところ5.0Vであった。
(ラミネートセル電気二重層キャパシタの作製)
上記電極を所定の大きさ(20×72mm)に切断して、集電体のアルミ面に電極引出しリードを溶接で接着した後ラミネート容器(品番:D−EL40H、製造元:大日本印刷(株))に収納し、セパレータを挟んだ。ついでドライチャンバー中で電解液を注入含浸させ、その後封止して本発明の電気二重層キャパシタ(ラミネート型)を作製した。セパレータとしては、セルガードNo.2400(セルガード社製のポリエチレン製多孔膜。膜厚:25μm、密度:0.56g/cm3、最大孔径:0.125×0.05μm)を用いた。
このラミネート型電気二重層キャパシタについて耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)、および各電圧における内部抵抗(Ω)を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1と同じ電極用のスラリーを調製し、塗布直前に粘度調整として、スラリー100重量部に対して、水17.5質量部を加えた(別途評価したこのスラリーの安定性は○であった)。このスラリーを用いて直ちに実施例1と同様にして厚さ80μmの電極を作製した。この電極の電極密度は0.38g/cm3であった。この電極を耐屈曲試験に供して、機械的耐久性を調べたところ、電極に割れは生じなかった(評価:○)。
この電極を用いたほかは実施例1と同様にして調製したフッ素系電解液を使用してラミネート型電気二重層キャパシタを作製し、耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)、および各電圧における内部抵抗(Ω)を測定した。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1と同じ電極用のスラリーを調製し、塗布直前に粘度調整として、スラリー100重量部に対して、水20質量部を加えた(別途評価したこのスラリーの安定性は○であった)。このスラリーを用いて直ちに実施例1と同様にして厚さ80μmの電極を作製した。この電極の電極密度は0.36g/cm3であった。この電極を耐屈曲試験に供して、機械的耐久性を調べたところ、電極に割れは生じなかった(評価:○)。
この電極を用いたほかは実施例1と同様にして調製したフッ素系電解液を使用してラミネート型電気二重層キャパシタを作製し、耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)、および各電圧における内部抵抗(Ω)を測定した。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1と同じ電極用のスラリーを調製し、塗布直前に粘度調整として、スラリー100重量部に対して、水11.3質量部を加えた(別途評価したこのスラリーの安定性は○であった)。このスラリーを用いて直ちに実施例1と同様にして厚さ80μmの電極を作製した。この電極の電極密度は0.43g/cm3であった。この電極を耐屈曲試験に供して、機械的耐久性を調べたところ、電極に割れは生じなかった(評価:○)。
この電極を用いたほかは実施例1と同様にして調製したフッ素系電解液を使用してラミネート型電気二重層キャパシタを作製し、耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)、および各電圧における内部抵抗(Ω)を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同じ電極用のスラリーを調製し、さらに固形分濃度を30質量%にした(このスラリーの安定性は○であった)。このスラリーを用いて厚さ80μmの比較用の電極を作製した。この電極の電極密度は0.53g/cm3であった。この比較用の電極を耐屈曲試験に供して、機械的耐久性を調べたところ、電極に割れは生じなかった(評価:○)。
この比較用の電極を用いたほかは実施例1と同様にして調製したフッ素系電解液を使用してラミネート型電気二重層キャパシタを作製し、耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)、および各電圧における内部抵抗(Ω)を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1と同じ電極用のスラリーを調製し、塗布直前に粘度調整として、スラリー100重量部に対して、水7.5質量部を加えた(別途評価したこのスラリーの安定性は○であった)。このスラリーを用いて直ちに実施例1と同様にして厚さ80μmの電極を作製した。この電極の電極密度は0.46g/cm3であった。この電極を耐屈曲試験に供して、機械的耐久性を調べたところ、電極に割れは生じなかった(評価:○)。
この比較用の電極を用いたほかは実施例1と同様にして調製したフッ素系電解液を使用してラミネート型電気二重層キャパシタを作製し、耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)、および各電圧における内部抵抗(Ω)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2010067772
表1の結果から、電極密度が0.45g/cm3以下であるとき、高い静電容量と低い内部抵抗を維持しながら、しかも電解液の耐電圧を活かして、さらに電気二重層キャパシタの耐電圧が向上していることが分かる。
実施例5
結合材としてPTFEバインダー(ダイキン工業(株)製のD210C。結合材2)10質量部と水80質量部を加え、所定時間、混練したものを用いたほかは実施例1と同様にして電極用のスラリーを調製し、このスラリーを用いて直ちに実施例1と同様にして厚さ80μmの電極を作製した。この電極の電極密度は0.40g/cm3であった。この電極を耐屈曲試験に供して、機械的耐久性を調べたところ、電極に割れは生じなかった(評価:○)。
この電極を用いたほかは実施例1と同様にして調製したフッ素系電解液を使用してラミネート型電気二重層キャパシタを作製し、耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)を測定した。結果を表2に示す。
実施例6
活性炭としてYP50F(クラレケミカル(株)製の難黒鉛化炭素。活性炭2)を用いたほかは実施例1と同様にして電極用のスラリーを調製し、このスラリーを用いて直ちに実施例1と同様にして厚さ80μmの電極を作製した。この電極の電極密度は0.40g/cm3であった。この電極を耐屈曲試験に供して、機械的耐久性を調べたところ、電極に割れは生じなかった(評価:○)。
電解液は電解質塩としてトリエチルメチルアンモニウムBF4を用い、電解液溶媒としてPC(プロピレンカーボネート)と含フッ素エーテル(HCF2CF2CH2OCF2CF2H)を1:1で混合させたものを用い、電解質塩濃度が1モル/リットルであるフッ素系電解液を用いた。このフッ素系電解液の耐電圧を測定したところ5.0Vであった。
この電極と電解液を用いたほかは実施例1と同様にして調製したフッ素系電解液を使用してラミネート型電気二重層キャパシタを作製し、耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)を測定した。結果を表2に示す。
比較例3
電極として比較例1の電極を用いたほかは実施例6と同様にしてラミネート型電気二重層キャパシタを作製し、耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2010067772
表2から、密度が0.45を超えるとキャパシタの耐電圧が低下することが分かる。
実施例7
実施例1と同じ電極を用い、電解液は電解質塩としてスピロビピロリジニウムテトラフォスフェート(SBP−BF6)(日本カーリット(株)製)を用い、電解液溶媒としてCF3−エチレンカーボネートと含フッ素エーテル(HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3。含フッ素エーテル2)を1:1で混合させたものを用い、電解質塩濃度が1モル/リットルであるフッ素系電解液を用いた。このフッ素系電解液の耐電圧を測定したところ5.0Vであった。
この電極と電解液を用いたほかは実施例1と同様にしてラミネート型電気二重層キャパシタを作製し、耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)を測定した。結果を表3に示す。
実施例8
実施例1と同じ電極を用い、電解液は電解質塩としてトリエチルメチルアンモニウムBF4を用い、電解液溶媒としてPC(プロピレンカーボネート)と含フッ素エーテル(HCF2CF2CH2OCF2CF2H)を1:1で混合させたものを用い、電解質塩濃度が1モル/リットルであるフッ素系電解液を用いた。このフッ素系電解液の耐電圧を測定したところ5.0Vであった。
この電極と電解液を用いたほかは実施例1と同様にしてラミネート型電気二重層キャパシタを作製し、耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)を測定した。結果を表3に示す。
比較例4
比較例1と同じ電極を用い、電解液は実施例8と同じフッ素系電解液を用いたほかは実施例1と同様にしてラミネート型電気二重層キャパシタを作製し、耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)を測定した。結果を表3に示す。
実施例9
実施例1と同じ電極を用い、電解液は電解質塩としてテトラエチルアンモニウムBF4を用い、電解液溶媒としてPC(プロピレンカーボネート)と含フッ素カーボネート(CF3CH2OCOOCH2CF3)を1:1で混合させたものを用い、電解質塩濃度が1モル/リットルであるフッ素系電解液を用いた。このフッ素系電解液の耐電圧を測定したところ5.0Vであった。
この電極と電解液を用いたほかは実施例1と同様にしてラミネート型電気二重層キャパシタを作製し、耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)を測定した。結果を表3に示す。
比較例5
比較例1と同じ電極を用い、電解液は実施例9と同じフッ素系電解液を用いたほかは実施例1と同様にしてラミネート型電気二重層キャパシタを作製し、耐電圧(V)、2.5Vにおける静電容量(F)を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2010067772
表3から、密度が0.45を超えるとキャパシタの耐電圧が低下することが分かる。

Claims (2)

  1. 活性炭および結合材を含む電極と非水系電解液とを備える電気二重層キャパシタであって、
    (I)電極の電極密度が0.45g/cm3以下であり、
    (II)非水系電解液が耐電圧2.5V以上の非水系電解液である
    ことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  2. 非水系電解液がフッ素系電解液である請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
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