JP4798609B2 - 電気二重層キャパシタ用電解液及び電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ用電解液及び電気二重層キャパシタ Download PDF

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Description

本発明は、電気二重層キャパシタ用電解液及び電気二重層キャパシタに関し、より詳しくは、添加剤を加えることで電気化学的安定性を向上せしめた電気二重層キャパシタ用電解液及び該電解液を使用してなる電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは、重金属等の環境負荷物質を含まず安全であり、優れた充放電サイクル寿命を有し、大電流充放電が可能という特徴を持つため、近年、無停電電源装置や電気自動車の補助電源等への利用が進められている。
この電気二重層キャパシタは、エネルギー密度向上のために高耐電圧化が求められ、電気二重層キャパシタに用いられる電解液は電気化学的安定性、高電導度、経時安定性等の特性が要求される。また、電気二重層キャパシタは過酷な条件下において使用されることが想定され、その電解液としては、低温から高温に至るまでの広い温度範囲において、電気二重層キャパシタを安定に作動させることのできる特性も重要である。
従来の電気二重層キャパシタ用電解液は、プロピレンカーボネートやγ−ブチロラクトン等の非プロトン性有機溶媒中に、脂肪族第4級アンモニウム塩からなる常温で固体の電解質を溶解させたものが多用されている。
しかし、前記電解液は、セル電圧が約2.0〜2.8Vで優れた電気化学特性を示すものの、それ以上の電圧においては、電解質や有機溶媒が酸化還元分解する恐れがあり、より安定性の高いものが望まれている。
電気二重層キャパシタ用電解液の添加剤として提案されてきた物質としては、ホスファゼン及びその誘導体が挙げられる。(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)
しかし、前記ホスファゼン及びその誘導体は、電気二重層キャパシタへの難燃性の付与や、低温での特性改善が主な目的であり、電気二重層キャパシタの耐電圧向上には効果が少なかった。
特許文献3及び非特許文献1に、リチウムイオン電池などの負極用電解液添加剤としてスクシンイミド及びその誘導体を加えることで、負極に良質な導電性の薄膜を生じさせ、その薄膜によって、溶媒や電解質の分解を抑制し、耐電圧向上及びそれに伴う充放電サイクル特性が向上する旨が開示されている。
しかし、電気二重層キャパシタの充放電メカニズムや電極反応はリチウムイオン電池とは異なるものであり、電気二重層キャパシタ用電解液に添加剤を添加し、電解液の耐電圧を向上させた例は、これまであまり知られていなかった。
国際公開WO2002/021631号公報 特開2001−217152号公報 特開2002−208434号公報 「エレクトロケミストリー」(Electrochemistry)、2004年、第72巻、第7号、p.487−489
本発明は、前記課題に鑑み、低粘性率、高電気伝導性かつ、広い電位窓を示し、電気化学的安定性に優れた電気二重層キャパシタ用電解液の提供、及び該電解液を使用し、高容量、低内部抵抗でありかつ優れた耐電圧特性を示す電気二重層キャパシタを提供することである。
本発明者らは前記課題に鑑み、鋭意検討を行った結果、溶媒中に電解質として第4級アンモニウム塩を含有させた電解液に、スクシンイミド誘導体を添加することで、前記課題を解決する電気二重層キャパシタ用電解液となり、また該電解液を使用してなる電気二重層キャパシタは優れた電気特性及び耐電圧特性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、溶媒中に第4級アンモニウム塩と添加剤とが含有されてなる電気二重層キャパシタ用電解液において、前記添加剤が下記一般式(1)で示される、少なくとも1種類のスクシンイミド誘導体であることを特徴とする電気二重層キャパシタ用電解液である。
Figure 0004798609
上記1式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルコキシ基、ベンジルアルコキシ基、フェニルアルコキシ基、フェニル基、ベンジル基を示し、それぞれ置換基を結合できるものは置換されてもよい。R2、R3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、置換又は未置換のアルキル基を示す。
また、前記添加剤が下記一般式(2)で示される、少なくとも1種類のスクシンイミド誘導体であることを特徴とする前記電気二重層キャパシタ用電解液である。
Figure 0004798609
上記2式中、R4は水素原子、ハロゲン原子、鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルコキシ基、ベンジルアルコキシ基、フェニルアルコキシ基、フェニル基、ベンジル基を示し、それぞれ置換基を結合できるものは置換されてもよい。R2、R3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、置換又は未置換のアルキル基を示す。
また、前記スクシンイミド誘導体の含有量が0.01〜10重量%であることを特徴とする電気二重層キャパシタ用電解液である。
また、前記第4級アンモニウム塩が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする電気二重層キャパシタ用電解液である。
Figure 0004798609
式中、m及びnはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい3〜7の自然数を示し、Xは酸成分を示す。
さらに、セパレータを挟み込んだ分極性電極に、前記電解液を含浸させ、これを容器に密閉してなる電気二重層キャパシタである。
スクシンイミド誘導体が添加された本発明の電気二重層キャパシタ用電解液は、低粘性率、高電気伝導度を示し、広い電位窓及び高い電気化学安定性を示す。また、本発明の電解液を使用してなる電気二重層キャパシタは、高容量、低内部抵抗及び耐電圧特性に優れ、少なくとも2.8Vから3.2Vの高電圧範囲においても優れた充放電特性を示すことができる。
以下、本発明の電気二重層キャパシタ用電解液について詳細に説明する。
本発明の電気二重層キャパシタ用電解液に添加される添加剤は、前記一般式(1)〜(2)に示されるスクシンイミド誘導体である。溶媒中、第4級アンモニウム塩を電解質として含有する電気二重層キャパシタ用電解液に該添加剤を添加することによって、低粘性率、高電気伝導性を示し、かつ広い電位窓及び高い電気化学安定性の電解液が得られる。
本発明の電気二重層キャパシタ用電解液に添加されるスクシンイミド誘導体は、前記一般式(1)及び(2)で示すことができる。(1)式において、Rは水素原子、ハロゲン原子、鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルコキシ基、ベンジルアルコキシ基、フェニルアルコキシ基、フェニル基、ベンジル基を示し、それぞれ置換基を結合できるものは置換されてもよい。R2、R3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、置換又は未置換のアルキル基を示す。そのようなスクシンイミド誘導体としては、具体的にスクシンイミド、N−シクロヘキシルスクシンイミド、N−メチルスクシンイミド、N−エチルスクシンイミド、N−ブチルスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、N−ヒドロキシスクシンイミド、9−フルオレニルメチルスクシンイミド、を例示することができる。
(2)式において、R4は水素原子、ハロゲン原子、鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルコキシ基、ベンジルアルコキシ基、フェニルアルコキシ基、フェニル基、ベンジル基を示し、それぞれ置換基を結合できるものは置換されてもよい。R2、R3はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、置換又は未置換のアルキル基を示す。そのようなスクシンイミド誘導体としては、具体的にN−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−アセトキシスクシンイミド、N−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−(m−ブロモベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−(o−ブロモベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−(p−ブロモベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−(m−クロロベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−(o−クロロベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−(p−クロロベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、ジ−(N−スクシンイミジル)カーボネート、を例示することができる。それらの中でも特に好ましくは、R4がアルコキシ基、ベンジルアルコキシ基、フェニルアルコキシ基であるものを例示することができる。
前記鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルコキシ基、ベンジルアルコキシ基、フェニルアルコキシ基、フェニル基及びベンジル基において、一部又は全部の水素がフッ素で置換されたフルオロ置換体又はパーフルオロ置換体であっても良い。また、鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルコキシ基、ベンジルアルコキシ基、フェニルアルコキシ基、フェニル基及びベンジル基中には、エーテル、エステル、アミド、スルホンの各結合を任意の位置に任意個数含んでいても良い。
前記スクシンイミド誘導体としては、前記に例示したものに限定されるものでないが、得られる電解液の粘性率、電気伝導性及び、電位窓から、スクシンイミド、N−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−(m−ブロモベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−(9−フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)スクシンイミド、N−アセトキシスクシンイミドが好適に例示でき、より好適なものとしてN−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミドを例示することができる。なお、これらのスクシンイミド誘導体は、2種以上が混合されていてもよい。
電解質としては、従来公知の第4級アンモニウム塩から任意に選択でき、特に限定されない。具体的には、カチオンとして、テトラエチルアンモニウムイオン、トリエチルメチルアンモニウムイオンなどの第4級アンモニウムカチオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、ジエチルイミダゾリウムイオンなどの第4級イミダゾリウムカチオン、プロピルピリジニウムイオン、イソプロピルピリジニウムイオンなどの第4級ピリジニウムカチオン、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムイオンなどのピロリジニウムカチオンからなる群から選択されるのが好ましい。なお、これらのカチオンは、2種以上が混合されていてもよい。
前記第4級アンモニウム塩において、前記一般式(3)で表される化合物は、溶媒への溶解性に優れ、得られる電解液の粘性率、電気伝導度及び電位窓、電気化学安定性の観点から好適に使用できる。(3)式中、m及びnはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい3〜7の自然数を示し、Xは酸成分を示す。
前記一般式(3)で表される化合物として具体的には、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムイオン、スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウムイオン、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウムイオンなどを例示することができ、特に好ましくはスピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムイオンを例示することができる。
また、酸成分は、非金属元素のみからなるアニオンが好ましいが、これらに限定されるものではない。具体的な前記非金属元素のみからなるアニオンとしては、BF 、PF 、CFSO 、N(CFSO 、N(CSO 、N(CFSO)(CSO、C(CFSO 及びC(CSO からなる群から選択されることが好ましい。なお、これらのアニオンは、2種以上が混合されていてもよい。
溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状炭酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル等の鎖状エステル類;テトラヒドロフランまたはその誘導体;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジブトキシエタン、メチルジグライム等のエーテル類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジオキソランまたはその誘導体;エチレンスルフィド、スルホラン、スルトンまたはその誘導体;4−エチルフルオロベンゼン、(トリフルオロメチル)エチルカーボネート等のフッ素系溶媒等の単独またはそれら2種以上の混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の電気二重層キャパシタ用電解液は、以下の製造方法により調製することができる。
すなわち、前記溶媒に任意の濃度で電解質塩を加え、攪拌して塩が完全に溶解したのを確認してから、添加剤として前記スクシンイミド誘導体を、好ましくは0.01から10重量%より好ましくは0.5〜5重量%加える。0.01重量%以下の場合、添加したことによる電気化学的安定性の向上及び電位窓が大きくなる効果が発揮されない場合があり、10重量%以上の場合、電解液の粘度、電気伝導性が劣る場合が生じるとともに、経済性に劣る場合がある。得られた電解液を脱水し、溶液中の水分を100ppm以下、好ましくは20ppm以下にまで減少させると、目的とする電気二重層キャパシタ用電解液が得られる。
本発明の電解液における第4級アンモニウム塩の濃度は、電解液全体に対して、0.5〜3mol/Lが好ましい。第4級アンモニウム塩の濃度が0.5mol/L未満では、伝導度が不足する場合があり、また、3mol/Lより多い場合は電気化学的安定性が低下するとともに、経済性に劣る場合がある。
このようにして調整された電解液を使用して電気二重層キャパシタを作製することができる。本発明のキャパシタの作製は、一般的なキャパシタの製造方法によることができ、すなわち、セパレータを挟み込んだ分極性電極に、駆動用電解液となる本発明の添加剤を含有させた電気二重層キャパシタ用電解液を含浸させ、これを容器に密封することにより行われる。
キャパシタ電極に用いられる分極性電極としては、活性炭粉末、活性炭繊維などの多孔性炭素材料や、貴金属酸化物材料、あるいは導電性高分子材料などが用いられるが、多孔性炭素材料が安価で好ましい。また、セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン系不織布など、公知の素材からなるセパレータを用いることができる。
本発明の電気二重層キャパシタの形状としては、特に限定されず、フィルム型、コイン型、円筒型、箱型などの形状に作製することができる。
図1は前記形状のうち、コイン型電気二重層キャパシタの例であり、本発明の電気二重層キャパシタの構成の一例を示す概略断面図である。
図1中、負極キャップ1,負極電極2,集電体3からなる負極部と、集電体3,正極電極6,正極ケース7からなる正極部とを有し、正負両電極はセパレータ5を介し対向するよう配置される。電解質4は電極、セパレータ、及び容器中に含浸、充填される。負極キャップ1と正極ケース7とはガスケット8によって絶縁され、嵌合される。
本発明の電気二重層キャパシタは、極めて高い耐電圧を有し、少なくとも2.8Vから3.2Vに至るまでを含む範囲で安定した充放電特性を示し、高エネルギー密度用途の電気二重層キャパシタに最適である。
以下、実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明は実施例によりなんら限定されない。
実施例1
電気二重層キャパシタ用電解液の調整
プロピレンカーボネートに濃度1.5mol/Lとなるようにスピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムテトラフルオロボレートを加え、スクシンイミドを1.0重量%添加し、脱水して水分値を100ppm以下にした電気二重層キャパシタ用電解液を得た(以下、この電解液及び電解液を用いた電気二重層キャパシタを「参考品1」とする)。また、同様に、プロピレンカーボネートに濃度1.5mol/Lとなるようにスピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムテトラフルオロボレートを加え、N−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミドを1.0重量%添加し、脱水して水分値を100ppm以下にした電気二重層キャパシタ用電解液を得た(前記同様、「発明品1」とする)。また、同様に、プロピレンカーボネートに濃度1.0mol/Lとなるようテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを加え、スクシンイミドを1.0重量%添加し、脱水して水分値を100ppm以下にした電気二重層キャパシタ用電解液を得た(前記同様、「参考品2」とする)。また、同様に、プロピレンカーボネートに濃度1.0mol/Lとなるようテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを加え、N−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミドを1.0重量%添加し、脱水して水分値を100ppm以下にした電気二重層キャパシタ用電解液を得た(前記同様、「発明品2」とする)。
比較として、1.5mol/Lのスピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムのプロピレンカーボネート溶液を調整した(前記同様、「比較品1」とする)。また1.0mol/Lのテトラエチルアンモニウムのプロピレンカーボネート溶液を調整した(前記同様、「比較品2」とする)。
この電解液の25℃のときの粘度、電気伝導度及び電位窓を測定した結果を表1に示す。なお、電位窓の測定はサイクリックボルタモグラムにより酸化還元分解電圧の測定を行うことにより行った。すなわち、作用極に白金線(直径3mm)、対極に白金板、参照電極にAg/Ag、掃引速度10mV/sで0.1mA/cmの電流が流れるまでの電圧を測定し、還元分解及び酸化分解電圧値から電位窓を決定した。
Figure 0004798609
電解質にスピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムテトラフルオロボレートを使用した参考品1発明品1は、比較品と遜色ない程度で粘度及び電気伝導度に優れ、特に電位窓は添加剤を加えることで比較品1に比べ、酸化側で、参考品1では約11.2%、発明品1では約14.0%分解電圧が大きく上昇することが確認できた。また、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを電解質に用いた参考品2発明品2及び比較品2も同様、粘度及び電導度に優れ、電位窓は添加剤を加えることで比較品2に比べ、酸化側で参考品3では約6.9%、発明品1では約8.7%分解電圧が上昇することが確認できた。
実施例2
電気二重層キャパシタの作製
実施例1の電解液(発明品1、2、参考品1、2及び比較品1、2)を用いて電気二重層キャパシタを作製した。
正極、及び負極電極は活物質(活性炭:日本エンバイロケミカルズ株式会社、白鷺KA)、導電材(ケッチェンブラック:ライオン株式会社、ECP−600JD)、及びバインダー(PTFE:三井・デュポン フロロケミカル株式会社、30−J)を混合し作製した。その重量組成比は活物質:導電材:バインダー=80部:10部:10部とした。これらの混合物にエタノールを加えながら十分に混錬し、圧延することで平均して厚み0.85mmのシート電極を得た。このシート電極をφ15のポンチで打ち抜いたものを、集電体(φ17のSUS316製プレート)が溶接されたケース、キャップ(何れもSUS316製)に導電性接着剤にて接着し、それぞれ正極部、負極部を得た。それらの電極に実施例1の電解液をそれぞれ注液し、3.0mmHgで10分減圧含浸した後、ポリプロピレン製不織布をセパレータとして介し、ポリプロピレン製ガスケットをキャップに装着して組み立て、カシメ機にて嵌合して2032サイズのコイン型電気二重層キャパシタを完成した。
電気二重層キャパシタの評価
それぞれの電気二重層キャパシタについて、室温において充放電試験を行った。各キャパシタを所定の測定温度下に30分以上放置し、キャパシタが所定温度に達した後、定格電圧として3.0Vを30分印加後、放電電流2mAにて定電流放電し、キャパシタ端子間電圧が2Vから1Vになるまでの時間より静電容量を算出した。また、放電の下限値を0.9Vとした。内部抵抗は静電容量測定時と同様に定格電圧として3.0Vを30分印加後、放電電流50mAにて定電流放電しときのIRドロップより算出した。漏れ電流は静電容量測定時と同様に、定格電圧として3.0Vを30分印加後、回路中に直列接続した定格1kΩの精密抵抗の抵抗間電圧を測定することで算出した。また、電気二重層キャパシタにてリニアスイープボルタンメトリー(LSV)を測定し、キャパシタの耐電圧を評価した。電解質にスピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムテトラフルオロボレートを使用したセルの結果を図2に、電解質にテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを使用したセルの結果を図3に示す。参照電極及び対極をマイナス端子に接続し、作用極をプラス端子に接続してスキャン速度5mV/secで挿引させ、実測の電圧−電流曲線をプロットし、アノード電流が直線的に増加するとみなされた2.5Vから2.8Vまでにおいてアノード電流の近似直線を引き、この近似直線上から電流値が5%外れたときの実測電圧をセルの耐電圧とした。これらの結果を下表2に示す。
Figure 0004798609
表2に示したとおり、発明品はどちらも高容量を示し、また、内部抵抗及び漏れ電流においては、比較品と遜色なく良好な値を示した。また、LSVの結果から、電解質にスピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムテトラフルオロボレートを使用したセルでは、電解液の分解電圧は、比較品1に比べて参考品1で約14.7%、発明品1では約19.4%上昇しており、キャパシタとしての耐電圧が大きく向上していることを示している。また、同様に、電解質にテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを使用したセルでも、電解液の分解電圧は、比較品2に比べて参考品2で約9.5%、発明品1では約13.1%上昇しており、キャパシタとしての耐電圧が向上していることを示している。
本発明の電気二重層キャパシタ用電解液の添加剤であるスクシンイミド及びその誘導体を用いると、前述したように、従来の電解液の良好な特性を維持しつつ、極めて高い耐電圧に使用可能となり、これを用いた電気二重層キャパシタは従来よりも耐電圧に優れ、高エネルギー密度化が可能である。特に、電解質にスピロ化合物を使用した電解液及びセルは、従来のものより格段に優れた諸特性を有している。
本発明の電気二重層キャパシタの構成の一例を示す概略断面図。 実施例2のキャパシタ評価において電圧−電流曲線を示す図。 実施例2のキャパシタ評価において電圧−電流曲線を示す図。
1 負極キャップ
2 負極電極
3 集電体
4 電解質
5 セパレータ
6 正極電極
7 正極ケース
8 ガスケット

Claims (3)

  1. 溶媒中に下記一般式(3)で表される化合物である第4級アンモニウム塩と添加剤とが含有されてなる電気二重層キャパシタ用電解液において、
    前記添加剤が、N−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミドであることを特徴とする電気二重層キャパシタ用電解液。
    Figure 0004798609
    (式中、m及びnは同一でも異なってもよい3〜7の自然数を示し、X は酸成分を示す。)
  2. 前記N−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミドの含有量が、0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項に記載の電気二重層キャパシタ用電解液。
  3. セパレータを挟み込んだ分極性電極に、請求項1又は2に記載の電気二重層キャパシタ用電解液を含浸させ、これを容器に密閉してなる電気二重層キャパシタ。
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