JP2016225397A - 蓄電デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】黒鉛に類似した微結晶粒を含む電気二重層キャパシタの改良を目的とする。
【解決手段】本開示は、蓄電デバイスの製造方法を提供する。蓄電デバイスは、正極側の分極性電極、負極側の分極性電極、及び、これらの分極性電極に含浸された有機電解液を備える。正極側の分極性電極は、正極活物質として活性炭を含み、負極側の分極性電極は、負極活物質として炭素材料を含み、炭素材料は、黒鉛に類似した微結晶粒を含む。製造方法は、正極側の分極性電極に相対的に低い電圧を印加し、負極側の分極性電極に相対的に高い電圧を印加して充電し、その後放電させる工程を含む。
【選択図】図1B

Description

本開示は、蓄電デバイス及びその製造方法に関する。
近年、二次電池と比べて、急速での充放電特性に優れ、充放電の繰り返しによる特性の劣化が小さいという特徴を持つ蓄電デバイスとして、電気二重層キャパシタが知られている。電気二重層キャパシタは、正極側の分極性電極、負極側の分極性電極及びセパレータを有するキャパシタ素子に駆動用電解液を含浸させることによって構成されている。電気二重層キャパシタは、各分極性電極と電解液との界面に形成される電気二重層を電力の蓄積に利用したデバイスである。
電気二重層キャパシタの静電容量は、分極性電極を構成する活物質の表面積にほぼ比例する。そのため、分極性電極の活物質には、1000m2/gを超える比表面積を有する活性炭が主として用いられている。活性炭は、石炭、やし殻などの原料を高温で炭化及び賦活して製造される炭素材料である。活性炭の粒子は、その内部に網目状の微細孔を有する。
活性炭とは異なる電気二重層キャパシタの活物質として、比表面積は数十から数百m2/gであるが、活性炭を上回る静電容量を示すことを特徴とする炭素材料が検討されている。具体的には、その炭素材料を用いて電気二重層キャパシタを組み立てた後、正極と負極との間に定格電圧以上の電圧を一度加えると、活性炭を上回る静電容量が発現する。このような炭素材料は、例えば、次の方法で作製される。特許文献1には、石油コークスを熱処理して炭化した後、水酸化カリウムを混合して熱処理を行うことが記載されている。特許文献2には、石炭系ニードルコークスを熱処理して炭化し、酸化剤を用いて酸化した後、熱処理によって還元することが記載されている。
特許文献1及び特許文献2には、上記の方法で作製された炭素材料の特徴として、以下のことが記載されている。すなわち、上記の方法で作製された炭素材料は、黒鉛に類似した微結晶構造を有する。黒鉛に類似した微結晶構造における層間距離は、一般的な黒鉛(約0.335mm)よりも広い0.34nm〜0.5nm程度である。電気二重層キャパシタを組み立てた後、正極と負極との間に一般的な定格電圧を超える3.5V〜4.0V程度の電圧を加えることで大きな静電容量が得られる。
特許文献1には、正極と負極との間に定格電圧を超える電圧を加えることで、黒鉛に類似した微結晶構造の層間に電解液中のイオンが挿入され、静電容量が発現するとの考察が記載されている。特許文献2には、黒鉛に類似した微結晶構造の層間距離の拡大によって微結晶構造の層間に微細空孔が形成され、その微細空孔が電解質イオンによる電気二重層の形成界面として働くとの考察が記載されている。
特開2000−77273号公報 特許第4716975号公報
しかし、特許文献1及び2に記載された電気二重層キャパシタにおいては、繰り返し使用したときの静電容量の低下及び内部抵抗の大幅な増大が懸念される。また、電気二重層キャパシタには、更なる高容量化が求められている。
本開示は、分極性電極を構成する活物質として、黒鉛に類似した微結晶粒を有する炭素材料が使用された電気二重層キャパシタの改良を目的とする。具体的に、本開示は、そのようなタイプの電気二重層キャパシタにおいて、エネルギー密度の向上を図るとともに、繰り返し使用したとき、特に低温下における充放電特性の低下を抑制するための技術を提供することを目的とする。
すなわち、本開示は、
蓄電デバイスの製造方法であって、
前記蓄電デバイスは、正極側の分極性電極、負極側の分極性電極、及び、これらの分極性電極に含浸された有機電解液を備え、前記正極側の分極性電極は、正極活物質として活性炭を含み、前記負極側の分極性電極は、負極活物質として炭素材料を含み、前記炭素材料は、黒鉛に類似した微結晶粒を含み、
前記製造方法は、前記正極側の分極性電極に相対的に低い電圧を印加し、前記負極側の分極性電極に相対的に高い電圧を印加して充電し、その後放電させる工程を含む、蓄電デバイスの製造方法を提供する。
本開示の技術によれば、エネルギー密度の向上を図ることができるとともに、繰り返し使用したとき、特に低温下における充放電特性の低下を抑制することができる。
図1Aは、本実施形態に係る蓄電デバイスの一例である電気二重層キャパシタの概略平面図である。 図1Bは、図1Aに示す電気二重層キャパシタのIB-IB線に沿った断面図である。 図2は、炭素材料Aの性状評価に用いたセルの概略断面図である。 図3は、炭素材料Aを活物質として用いたセルの充放電カーブを示すグラフである。 図4は、活性炭を活物質として用いたセルの充放電カーブを示すグラフである。 図5は、正極に使用された炭素材料AのX線回折パターンを示すグラフである。 図6は、負極に使用された炭素材料AのX線回折パターンを示すグラフである。 図7は、正極活物質合剤のNMRスペクトルを示すグラフである。 図8は、実施例11及び比較例11〜16の25℃下での初期静電容量を示すグラフである。 図9は、実施例11及び比較例11〜16の−30℃下での初期静電容量を示すグラフである。 図10は、実施例11及び比較例11〜16のフローティング試験後における25℃下での静電容量を示すグラフである。 図11は、実施例11及び比較例11〜16のフローティング試験後における−30℃下での静電容量を示すグラフである。 図12は、実施例11及び比較例11〜16の25℃下での容量維持率を示すグラフである。 図13は、実施例11及び比較例11〜16の−30℃下での容量維持率を示すグラフである。
本開示の第1態様は、
正極側の分極性電極と、
負極側の分極性電極と、
前記正極側の分極性電極及び前記負極側の分極性電極に含浸された有機電解液と、
を備え、
前記正極側の分極性電極は、正極活物質として活性炭を含み、
前記負極側の分極性電極は、負極活物質として炭素材料を含み、
前記炭素材料は、黒鉛に類似した微結晶粒を含み、
前記有機電解液に含まれたイオンが前記微結晶粒の内部に吸蔵されることによって電気エネルギーが蓄えられる、蓄電デバイスを提供する。
本開示の第2態様は、例えば、第1態様の蓄電デバイスにおいて、前記正極側の分極性電極と前記負極側の分極性電極との間に充放電時の極性とは逆極性の電圧を印加したとき、前記有機電解液に含まれた陰イオンが前記微結晶粒の内部に吸蔵される。
本開示の第3態様は、
蓄電デバイスの製造方法であって、
前記蓄電デバイスは、正極側の分極性電極、負極側の分極性電極、及び、これらの分極性電極に含浸された有機電解液を備え、前記正極側の分極性電極は、正極活物質として活性炭を含み、前記負極側の分極性電極は、負極活物質として炭素材料を含み、前記炭素材料は、黒鉛に類似した微結晶粒を含み、
前記製造方法は、前記正極側の分極性電極に相対的に低い電圧を印加し、前記負極側の分極性電極に相対的に高い電圧を印加して充電し、その後放電させる工程を含む、蓄電デバイスの製造方法を提供する。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態に係る蓄電デバイスの一例は、電気二重層キャパシタ10である。電気二重層キャパシタ10は、正極側の分極性電極11(以下、「正極11」と称する)、負極側の分極性電極12(以下、「負極12」と称する)、セパレータ13、及び容器14を備えている。正極11は、正極集電体11aと、正極集電体11aの上に配置された正極活物質層11bとを備えている。負極12は、負極集電体12aと、負極集電体12aの上に配置された負極活物質層12bとを備えている。正極11と負極12との間には、セパレータ13が配置されている。正極活物質層11bは、セパレータ13を介して、負極活物質層12bに向かい合っている。正極11、負極12及びセパレータ13を含む素子は、電解液とともに容器14の中に配置されている。正極集電体11aに正極タブ11cの一端が接続されている。負極集電体12aに負極タブ12cの一端が接続されている。正極タブ11c及び負極タブ12cの各他端は、容器14の外部に延びている。
次に、図1に示す電気二重層キャパシタ10の製造方法を説明する。
正極11を次の方法で作製する。まず、正極活物質、導電助剤、バインダ及び溶媒を混合し、正極用ペーストを調製する。正極活物質は、典型的には、粉末状の活性炭である。導電助剤の例は、アセチレンブラックなどの導電性カーボンである。バインダの例は、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブタジエンゴムなどの樹脂である。溶媒の例は、水である。溶媒には、カルボキシメチルセルロースなどの増粘剤が含まれていてもよい。正極集電体11aの上に正極用ペーストを塗布し、乾燥させる。溶接などの接合方法によって、正極集電体11aに正極タブ11cを接合する。これにより、正極11が得られる。
負極12を次の方法で作製する。まず、負極活物質、導電助剤、バインダ及び溶媒を混合し、負極用ペーストを調製する。負極用ペーストにおける導電助剤、バインダ及び溶媒の例としては、正極11と同じものが挙げられる。負極集電体12aの上に負極用ペーストを塗布し、乾燥させる。溶接などの接合方法によって、負極集電体12aに負極タブ12cを接合する。これにより、負極12が得られる。
負極活物質は、黒鉛に類似した微結晶粒を含む炭素材料(以下、「炭素材料A」と称する)でありうる。「黒鉛に類似した微結晶粒」の語句は、黒鉛の構造に類似した層状の結晶構造を有する微結晶粒を意味する。詳細には、「黒鉛に類似した微結晶粒」の語句は、6個の炭素原子からなる六角形が二次元網目状に連なることによって形成された平面状の構造体が重なり合った構造を有する微結晶粒を意味する。黒鉛に類似した微結晶構造における層間距離は、一般的な黒鉛(約0.335mm)よりも広い0.34nm〜0.5nm程度である。電解液に含まれたイオンが炭素材料Aの内部(黒鉛に類似した微結晶構造における層間)に吸蔵されることによって静電容量が発現する。炭素材料Aは、例えば、易黒鉛化炭素材料を炭化した後、苛性アルカリとともに高温で熱処理することによって得られる。具体的には、炭素材料Aは、石油コークスを熱処理して炭化した後、水酸化カリウムを混合して熱処理を行うことによって得られる。あるいは、炭素材料Aは、易黒鉛化炭素を含む炭素材料の一部又は全部を酸化した後、還元することによって得られる。具体的には、炭素材料Aは、石炭系ニードルコークスを熱処理して炭化し、酸化剤を用いて酸化した後、熱処理により還元することによって得られる。
一例において、正極11には炭素材料Aが含まれておらず、正極活物質として、活性炭のみが使用されていてもよい。また、負極12に活性炭が含まれておらず、負極活物質として、炭素材料Aのみが使用されていてもよい。
正極11及び負極12を上記の方法で作製した後、正極11、負極12及びセパレータ13を組み合わせて蓄電要素を形成する。蓄電要素を容器14に入れ、電解液を容器14に注入し、容器14をシールする。
次に、正極11と負極12との間に充放電時の極性とは逆極性の電圧(実際の使用時における充放電時の方向とは逆方向の電圧)を印加する。これにより、電気二重層キャパシタ10が得られる。印加すべき電圧は、例えば、3〜4Vである。例えば、0.04A/g(正極及び負極に含まれた活物質の乾燥時の重量あたりの電流密度)程度の定電流が流れるように、正極11と負極12との間に充放電時の極性とは逆極性の電圧を印加して3〜4Vまで充電した後、電圧が0Vに達するまで放電すればよい。
電気二重層キャパシタ10の使用時において、電気二重層キャパシタ10を充電するために、正極11の電位が負極12の電位より高くなる方向に電圧が印加される(電流が流される)。これに対し、本実施形態の製造方法では、正極11の電位が負極12の電位より低くなる方向に電圧を印加する(電流を流す)。充電後、電気二重層キャパシタ10を放電させる。実際の使用時の極性とは逆極性の電圧を正極11と負極12との間に印加すると、電解液に含まれた陽イオンが正極活物質(例えば、活性炭)の内部に吸蔵され、電解液に含まれた陰イオンが負極活物質(例えば、炭素材料Aとしての黒鉛に類似した微結晶粒)の内部に吸蔵される。電気二重層キャパシタ10を組み立てた後の初回の充電処理としてこのような処理を行うと、特許文献1に記載された処理(実際の使用時と同じ極性にて、定格電圧以上の電圧を電極間に印加する処理)を行う場合と比較して、エネルギー密度の向上を図ることができる。また、繰り返し使用したときの充放電特性の低下、特に低温下における充放電特性の低下も抑制することができる。
正極集電体11a及び負極集電体11bの例は、アルミニウム、タンタルなどの優れた電気伝導性を有する金属で作られた箔である。セパレータ13の例は、セルロースなどの繊維で作られた紙セパレータである。正極11、負極12及びセパレータ13は、これらの部品間に圧力を加えることによって積層されうる。正極11、負極12及びセパレータ13によって形成された蓄電要素は、真空下において、室温よりも高い温度で数時間にわたって乾燥させてもよい。
容器14は、アルミニウム箔などの金属箔の両面をポリプロピレンフィルムなどの樹脂フィルムで被覆することによって得られたラミネートフィルムで作製されうる。袋状に加工された容器14の中に電解液とともに蓄電要素を入れた後、容器14は、熱融着によって封止される。電解液の例は、キャパシタ、電池などの蓄電デバイスの分野で公知の有機電解液である。
1.活物質の作製
活物質としての炭素材料Aを次の方法で作製した。炭素材料Aは、Brodie法によって平均粒子径10μmの人造黒鉛粉末(昭和電工社製UFG−30)から酸化黒鉛を得た後、真空下、400℃、1時間の条件の熱処理によって酸化黒鉛を還元して作製した。
具体的には、まず、黒鉛粉末10gを発煙硝酸200mLに加え、溶液を得た。この溶液を60℃に加熱し、撹拌しながら塩素酸カリウム80gを徐々に加えた後、3時間保持した。続いて、溶液に2Lの水を加えて撹拌した後、ろ過して溶液中の固形物を回収した。ろ過工程では、排水のpHが6〜7になるまで水の供給を続けて、固形物を洗浄した。洗浄後の固形物を乾燥して、酸化黒鉛粉末を得た。
次に、上述の手順で作製した酸化黒鉛粉末をカーボン製のボートに乗せて石英製の反応菅内に置き、真空下で反応菅内の温度を毎分1℃の速度で400℃まで昇温し、1時間保持した後、自然冷却して、酸化黒鉛を還元した。これにより、先に説明した炭素材料Aを得た。
2.活物質の性状評価
(1)ペレット電極の作製
充放電後の活物質の性状を評価するために、上述の手順で作製した炭素材料Aを活物質として用いたペレット電極を作製した。比較のため、活性炭(やし殻を原料炭とし、水蒸気賦活して調製した活性炭)を活物質として用いたペレット電極も作製した。炭素材料Aの比表面積は20m2/gであった。活性炭の比表面積は2010m2/gであった。比表面積は、窒素ガス吸着法の測定結果を多点BET法で解析することによって算出した。
活物質と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)と、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを、活物質:導電助剤:結着剤の重量比が8:1:1となるように乳鉢で混合し、活物質合剤を得た。活物質合剤38mgを直径13mmの円形ペレットに加圧成形した。集電体としての厚み50μmのアルミニウム箔の片面に円形ペレットを圧着してペレット電極を得た。
(2)セルの作製
上述の手順で作製したペレット電極を正極と負極とのそれぞれに用いて、図2に示す構造のセル(宝泉社製の二極式セル)を作製した。
具体的には、図2に示すように、アルミニウム製の容器1cに、正極活物質層1aと正極集電体1bとを有する正極側のペレット電極1、セパレータ3、PTFE製のガイド4、負極活物質層2aと負極集電体2bとを有する負極側のペレット電極2、アルミニウム製のプレス板2cをこの順に収納した。正極活物質層1aと負極活物質層2aとがセパレータ3を介して対向していた。容器1cの内部に電解液を注入した後、プレス板2cの上部にステンレス製のばね2dを配置し、シール5を介して容器1cにアルミニウム製のふた2eを取り付けてセルを作製した。ふた2eを容器1cに取り付けると、ばね2dが収縮する。これにより、正極側のペレット電極1、セパレータ3及び負極側のペレット電極2が、プレス板2cと容器1cの底部との間に押し込まれる。ガイド4には、正極側のペレット電極1、負極側のペレット電極2、及びセパレータ3への電解液の含浸性を高めるための孔が設けられている。容器1cにはステンレス製の正極側の集電タブ1dが取り付けられている。ふた2eにはステンレス製の負極側の集電タブ2fが取り付けられている。
セパレータ3には、厚み120μmのセルロース系セパレータを用いた。電解液には、プロピレンカーボネート(PC)溶媒に、トリエチルメチルアンモニウムの4フッ化ホウ酸塩(TEMA−BF4)を1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。正極側のペレット電極1、負極側のペレット電極2及びセパレータ3は、予め真空下において110℃で2時間乾燥させた。
(3)充放電試験
上述の手順にしたがって作製したセルについて、25℃において、2.4mAの定電流で、3.5Vまで充電した後、0Vに達するまで放電した。
活物質として炭素材料Aを用いたセルについて、上述の充放電を2回繰り返したときの充放電カーブを図3に示す。活物質として活性炭を用いたセルについて、上述の充放電を2回繰り返したときの充放電カーブを図4に示す。
図4に示すように、活性炭を用いたセルの電圧は、0Vから3.2V付近までほぼ一定の速度で上昇した後、上昇速度が緩やかになり、その後、3.5Vに達するまでほぼ同じ速度で上昇した。続く放電では、充電時の0〜3.2Vの領域における電圧上昇とほぼ同じ速度で電圧が下降した。初回と2回目の充放電曲線を比較すると、3.2〜3.5Vの領域における充電時の電圧の上昇速度がやや異なる以外は、ほぼ同じ挙動を示した。水蒸気賦活により調製された活性炭を用いたキャパシタの耐電圧が3V程度であることから(特許文献1)、充電時の3.2〜3.5Vの領域において電圧の上昇速度が緩やかになる理由は、電解液の分解反応によると推察される。
図3に示すように、炭素材料Aを用いたセルは、初回と2回目の充放電挙動で大きな違いを示した。初回の充電では、まず、活性炭を用いたセルと比べて非常に大きな速度でセルの電圧が上昇した後、2.6V付近で電圧の上昇が緩やかになった。その後、3.5Vに達するまでの間、ほぼ同じ速度で電圧が上昇した。続く放電では、セルの電圧がほぼ一定の速度で下降した。2回目の充放電では、充電、放電ともにほぼ一定の速度で電圧が変化した。2回目の充放電において、充電時の電圧上昇と放電時の電圧下降は、初回の放電時の電圧下降とほぼ同じ速度であった。
炭素材料Aを用いたセルは、初回の充電の0〜2.6Vの領域において電圧の上昇速度が大きかった。このことは、セルを組み立てた時点での静電容量が非常に小さいことを示している。また、初回の放電における電圧の下降速度が、活性炭を用いたセルのそれより小さかった。このことは、炭素材料Aを用いたセルの初回の充電が終了した時点での静電容量は、活性炭を用いたセルを上回ることを示している。
放電特性から算出される静電容量密度(正極及び負極に含まれた活物質の乾燥時の重量あたりの静電容量)は、活性炭を用いたセルでは、初回の充放電時に32F/g、2回目の充放電時に35F/gであった。炭素材料Aを用いたセルでは、初回の充放電時に47F/g、2回目の充放電時に45F/gであった。なお、静電容量は、セル電圧が充電電圧の80%(2.8V)から40%(1.4V)まで変化した間における経過時間とセル電圧との関係(セル電圧が10mV変化する毎に電圧と経過時間とを記録)を最小二乗法で直線近似して式(1)から算出した。
C=I×dT/dV …式(1)
C:静電容量(F)
I:放電電流(A)
dT/dV:電圧が充電電圧の80%から40%に変化した間における経過時間(sec)と電圧との関係(最小二乗法で直線近似して算出)
(4)結晶構造の分析
炭素材料Aの結晶構造の分析は、リガク社製RINT2100を用いて、X線回折測定により行った。測定条件は、CuKα線を用い、管電圧40kV、管電流40mA、走査速度1°/minとした。
セルを組み立てる前のペレット電極、電圧3.5Vに充電したセルを解体して取り出した正極(充電後)、電圧3.5Vに充電したセルを解体して取り出した負極(充電後)、電圧3.5Vに充電した後0Vまで放電したセルを解体して取り出した正極(充放電後)、及び、電圧3.5Vに充電した後0Vまで放電したセルを解体して取り出した負極(充放電後)のそれぞれに含まれた活物質合剤について、粉末X線回折測定を行った。
図5は、(a)セルを組み立てる前のペレット電極の活物質合剤、(b)充電後の正極活物質合剤、(c)充放電後の正極活物質合剤のX線回折パターンを示している。図6は、(a)セルを組み立てる前のペレット電極の活物質合剤、(b)充電後の負極活物質合剤、(c)充放電後の負極活物質合剤のX線回折パターンを示している。図5において、セルを組み立てる前のペレット電極の活物質合剤のX線回折パターンの縦軸のスケールは、充電後の正極活物質合剤及び充放電後の正極活物質合剤のX線回折パターンの縦軸のスケールの1/10である。このことは、図6においても同様である。各試料において、2θ=18°付近に現れたピークは、活物質合剤に含まれたPTFEに由来するピークである。
各試料のX線回折パターンにおいて、2θ=19〜23°の位置(Pa,Pb1,Pc1,Pb2,Pc2)に現れたピークは、炭素材料Aが有する黒鉛に類似の微結晶粒の(002)回折に由来するピークである。充電後及び放電後における炭素材料Aの(002)回折ピークは、セルを組み立てる前と比べて、低角度側にシフトするとともに、ブロードな形状に変化していた。
各試料において、炭素材料Aの(002)回折ピークの位置とブラッグの法則から求めた層間距離とを表1に示す。
Figure 2016225397
炭素材料Aの層間距離は、セル組み立て前は0.402nmであり、充電後には0.437〜0.450nm、充放電後には0.425〜0.435nmを示し、セルの組み立て前より広がった。充電後及び充放電後において、正極に含まれた炭素材料Aの層間距離は、負極に含まれた炭素材料Aの層間距離と比べて、0.01nm程度大きかった。
セルの組み立て前の炭素材料Aの(002)回折ピークは、比較的シャープな形状であった。炭素材料Aは、酸化黒鉛を還元する際に、層間からの酸素の脱離にともなって結晶性が低下する。しかし、原料炭素として炭素層が規則正しく積層した人造黒鉛を用いたため、炭素材料Aの(002)面の積層秩序は、面内での構造の乱れに比べて、比較的保たれたと考えられる(例えば、松尾,杉江,姫路工業大学工学部研究報告,No.53A,P.42,92000を参照)。
充電後及び充放電後における炭素材料Aの(002)回折ピークは、セルの組み立て後における炭素材料Aの(002)回折ピークと比べてブロードな形状に変化していた。このことから、充電後及び充放電後の炭素材料Aでは、(002)面の積層秩序にも大きな乱れが生じていることを確認できる。充電後及び充放電後において、正極に含まれた炭素材料Aの(002)ピークの形状は、負極に含まれた炭素材料Aの(002)ピークの形状と比べて、よりブロードであった。
(5)BF4の存在状態の分析
充電後及び充放電後の正極活物質合剤について、電解液中の負イオン(BF4 -)の存在状態を固体NMR測定により分析した。測定は、Bruker Biospin社製AVANCE400を用いて、表2に示す条件で行った。
Figure 2016225397
図7は、(a)充電後の正極活物質合剤のNMRスペクトル、(b)充放電後の正極活物質合剤のNMRスペクトルを示している。両試料ともに、−148ppm付近にBF4 -のピークが観測された。それらのピークは、シャープなピーク(a1,b1)とブロードなピーク(a2,b2)とが重なった形状を示した。−120ppm付近に現れたピークは、正極活物質合剤に含まれたPTFEのピークである。
活性炭を用いた電気二重層キャパシタの電極材料のNMR測定では、電解液中に存在する分子運動性が高いBF4 -成分はシャープなピーク形状で観測され、活物質の細孔内に存在する比較的運動性が低いBF4 -成分は電解液中のBF4 -より高磁場側(図7では右側)にブロードなピーク形状で観測されることが報告されている(白石,崎山,第49回電池討論会,2008)。今回測定した正極活物質合剤には電解液が付着しており、図7に見られるシャープなピークが電解液中のBF4 -成分であり、ブロードなピークが充放電にともない活物質内に取り込まれたBF4 -成分であると考えられる。図7において、充放電後の正極活物質合剤にもブロードなピークが見られることから、充電時に活物質内に取り込まれたBF4 -の一部は、充放電後においても活物質内にとどまっていると推察される。
正極活物質合剤には、一定重量(10wt%)のPTFEが含まれており、NMRスペクトルにおけるPTFEのピーク面積を基準にすることにより、試料間で活物質内に取り込まれたBF4 -の量(atoms%)を比較することができる。
充電後及び充放電後の正極活物質合剤について、NMRスペクトルの波形分離を行い、PTFEのピーク面積を基準(100%)として、BF4 -のシャープなピーク成分(電解液中のBF4 -)のピーク面積比と、ブロードなピーク成分(活物質内に取り込まれたBF4 -)のピーク面積比とを算出した。結果を表3に示す。表3に示す結果から、充電後の正極活物質では、PTFE(CF2CF2)に対してmol比換算で3倍以上のBF4 -が活物質の内部に取り込まれ、活物質の内部に取り込まれたBF4 -の20%以上が、充放電後においても活物質の内部に残存していると解釈することができる。
Figure 2016225397
(6)考察
上述の評価において、炭素材料Aについて、以下の事実が確認された。つまり、炭素材料Aは、先行文献1,2などに記載された電気二重層キャパシタの活物質材料と同様の特徴を持っている。
・炭素材料Aを用いたキャパシタは、炭素材料Aの比表面積が20m2/gであるにもかかわらず、比表面積2010m2/gの活性炭を用いたキャパシタより、大きな静電容量を示す。
・炭素材料Aを用いたキャパシタの静電容量は、正極と負極との間に3.5V程度の電圧を加えることによって現れる。
・充放電を行う前において、炭素材料Aは、層間距離約0.40nmの黒鉛に類似した微結晶粒を有する。
また、充放電による炭素材料Aの性状の変化について、次の知見が得られた。
・炭素材料Aを用いたキャパシタの充放電(3.5V充電,0V放電)を繰り返すと、初回の充電では、活性炭を用いたと比べて大きな速度で電圧が上昇した後、2.6V付近で電圧の上昇が緩やかになる。この挙動は、2回目以降の充放電では見られない。
・炭素材料Aを用いたキャパシタを3.5Vまで充電すると、炭素材料Aが有する黒鉛に類似した微結晶粒における層間距離が0.45nm程度に広がるとともに、(002)面の積層秩序が大きく乱れる。セル電圧0Vまで放電した後も、充放電前と比べて微結晶粒の層間距離は広がっており、(002)面の積層秩序の乱れも維持される。
・炭素材料Aを用いたキャパシタを3.5Vまで充電すると、炭素材料Aの内部に電解液中のイオンが吸蔵される。セル電圧0Vまで放電した後も、吸蔵されたイオンの一部が炭素材料Aの内部に残存する。
これらの知見から、炭素材料Aを用いたキャパシタでは、初回の充電において、電圧が緩やかに上昇している間(図3では2.6〜3.5Vの領域)、炭素材料Aが有する黒鉛類似の微結晶粒における層間に電解液中のイオンが吸蔵され、層間距離の拡大が進行していると考えられる。そして、層間距離の拡大にともなって、炭素層の面内構造と積層秩序とに大きな乱れが生じて、活物質の内部に電解液が浸入できるスペースが生じ、電気二重層を形成できる面が増加すると考えられる。炭素材料Aの層間に吸蔵された電解液中のイオンが放電後も放出されない要因としては、炭素材料Aのように酸化黒鉛を還元して作製した材料の内部にわずかに残留している酸素によるイオンの捕獲などが考えられる(例えば、松本,GS Yuasa Technical Report,第9巻,第1号,P.1,2012を参照)。
また、炭素材料Aを用いたキャパシタを充放電した後、正極に用いられた炭素材料Aの層間距離は、負極に用いられた炭素材料Aの層間距離と比べて、0.01nm程度大きかった。正極に用いられた炭素材料AのX線回折パターンは、負極に用いられた炭素材料AのX線回折パターンと比較して、よりブロードな形状を示した。正極側では、負極側と比べて、層間に吸蔵されるイオンの径が小さいことから、層間にイオンが吸蔵されやすく、炭素層の面内構造と積層秩序の乱れが大きくなったと考えられる。
3.充放電特性の評価
(1)塗工電極の作製
上述1.に示した方法で作製した炭素材料Aを活物質に用いて、試料1〜14のための電極を作製した。また、活性炭(上述2.(1)で使用したもの)を活物質に用いて、試料15,16のための電極を作製した。
分散剤としての水に、活物質と、導電助剤としてのアセチレンブラックと、結着剤としてのPTFEと、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースとを、活物質:導電助剤:結着剤:増粘剤の重量比が87:6:2:5となるように混合及び混練して、活物質合剤スラリーを作製した。集電体としての厚み30μmの表面粗化処理をしたアルミニウム箔の片面に活物質合剤スラリーを塗布した。塗布膜を乾燥させて塗工極板を得た。塗工極板において、集電体上の活物質合剤の量は、2.2mg/cm2であった。
正極は、上記塗工極板を横20mm、縦20mmの大きさに裁断し、正極タブとしてのアルミニウム平板を集電体に取り付けて作製した。負極は、上記塗工極板を横22mm、縦22mmの大きさに裁断し、負極タブとしてのアルミニウム平板を集電体に取り付けて作製した。負極は正極よりも大きかった。具体的には、作製したセルを平面視したとき、正極の外形は、負極の外形の内側に収まっていた。
(2)セルの作製
図1を参照して説明した構造を有するセル(電気二重層キャパシタ)を作製した。容器は、アルミニウム製の金属シートの両面をポリプロピレン製のフィルムで被覆したラミネートフィルムを用いて作製した。セパレータには、厚み70μmのセルロース系セパレータを用いた。正極、負極及びセパレータは、真空下において110℃で2時間乾燥させたものを用いた。容器には、1mLの電解液を入れた。
初回の充放電条件と初期静電容量との関係を調べるために、正極活物質及び負極活物質として炭素材料Aを用いたセルを作製した(試料1〜14)。また、正極活物質及び負極活物質として活性炭を用いたセルも作製した(試料15,16)。表4に、試料1〜16のセルにおける活物質の種類、電解液の組成(電解質塩の濃度、電解質塩の種類、溶媒の種類)、初回の充放電条件を示す。
Figure 2016225397
PC溶媒に溶解させた電解質塩の種類と濃度との組み合わせを変更し、次の7種類の電解液を調製した。
・1mol/LのTEMA−BF4
・1.8mol/LのTEMA−BF4
・1mol/LのN,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムのBF4 -塩(DEME−BF4
・1mol/Lの1−エチル−3−メチルイミダゾリウムのBF4 -塩(EMI−BF4
・1mol/LのTEMA+のビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド塩(TEMA−TFSA)
・1mol/LのDEME−TFSA
・1mol/LのEMI−TFSA
初回の充放電は、炭素材料Aの静電容量を発現させるための工程である。充放電条件は、順方向と逆方向との2水準とした。「順方向」とは、正極及び負極に加える電圧の方向がキャパシタの実際の使用時と同じ方向であることを意味する。つまり、充電において正極の電位が負極の電位より高くなる方向に電圧を印加する(電流を流す)。これに対し、「逆方向」とは、正極及び負極に加える電圧の方向が実際の使用時と逆の方向であることを意味する。つまり、充電において正極の電位が負極の電位より低くなる方向に電圧を印加する(電流を流す)。
また、活物質の種類と充放電特性との関係を調べるために、実施例11及び比較例11〜16の7種類のセルを作製した。表5に、実施例11及び比較例11〜16のセルにおける正極活物質、負極活物質、初回の充放電条件を示す。
Figure 2016225397
初回の充放電条件は、順方向と逆方向との2水準とした。初回の充放電は、炭素材料Aの静電容量を発現させるための工程である。そのため、正極活物質及び負極活物質ともに活性炭を用いた比較例11のセルについては、初回の充放電を行わなかった。
(3)充放電試験1:初回の充放電条件と初期静電容量との関係の評価
試料1〜16の各セルについて、以下の手順により、充放電試験を行った。
まず、25℃において、0.04A/g(正極及び負極に含まれる活物質の乾燥時の重量あたりの電流密度)の定電流で、初回の充放電を行った。
試料8〜15のセルでは、正極の電位が負極の電位に対して3.5Vに達するまで充電した後、0Vに達するまで放電した。試料1〜7及び16のセルでは、まず、正極の電位が負極の電位に対して−3.5Vに達するまで試料8〜15のセルとは逆方向に電流を流した後、電流を流す方向を反転して正極と負極との間の電位差が0Vに達するまで電流を流した。つまり、初回の充放電において、試料8〜15のセルには、順方向に最大3.5Vの電圧を加えた。試料1〜7及び16のセルには、逆方向に最大3.5Vの電圧を加えた。
続いて、25℃下及び−30℃下での初期静電容量を測定した。具体的には、まず、25℃において、0.4A/gの定電流で2.8Vまで充電し、続けて2.8Vに10分間保持(定電圧充電)した後、0.4A/gの定電流で0.01Vまで放電した。次に、−30℃において、25℃の場合と同様の充放電試験を行った。放電中は、セルの電圧が10mV変化する毎にセル電圧と経過時間とを記録した。静電容量は、セル電圧が充電電圧の80%(2.24V)から40%(1.12V)まで変化した間における経過時間とセル電圧との関係を最小二乗法で直線近似して式(1)から算出した。
表4に、各セルの25℃下及び−30℃下での静電容量を正極及び負極に含まれた活物質の乾燥時の重量あたりの容量密度に換算して示す。
試料1〜7に使用された電解液は、それぞれ、試料8〜14に使用された電解液と同じである。初回の充放電で逆方向の電圧を加えたセル(試料1〜7)は、25℃下、−30℃下ともに、初回の充放電条件で順方向の電圧を加えたセル(試料8〜14)と同等又はそれ以上の静電容量を示した。
正極活物質及び負極活物質として活性炭を使用したセルでは、正極活物質及び負極活物質として炭素材料Aを使用したセルと比べて、初回の充放電条件が放電容量に与える影響が小さい。そのため、初回の充放電で逆方向の電圧を加えたセル(試料16)は、初回の充放電で順方向の電圧を加えたセル(試料15)をやや下回る静電容量を示した。
(4)充放電試験2:活物質の種類と充放電特性との関係の評価
実施例11及び比較例11〜16の各セルについて、以下の手順により、充放電試験を行った。
まず、25℃において、0.4A/gの定電流で、初回の充放電を行った。
比較例12,14及び16のセルでは、前述した試料8〜15のセルと同様の条件で初回の充放電を行った。実施例11、比較例13及び比較例15のセルでは、前述した試料1〜7及び16のセルと同様の手順で初回の充放電を行った。
次に、実施例11及び比較例11〜16のセルの初期静電容量の電流密度依存性を測定した。静電容量の電流密度依存性の測定では、まず、25℃において、表6に示す4つの条件で定電流充電、定電圧充電及び定電流放電からなる充放電を行った。続いて、−30℃において、25℃の場合と同様の充放電を行った。
Figure 2016225397
続いて、60℃、2.8V、100時間の条件でのフローティング試験を行った。具体的には、60℃において2.8Vまで充電し、続いて2.8Vに100時間保持(定電圧充電)した後、0.01Vまで放電した。次に、静電容量の電流密度依存性を測定し、初期静電容量と比較することにより、充放電特性の耐久性を評価した。
図8に25℃下で測定した初期静電容量を示す。図9に−30℃下で測定した初期静電容量を示す。図10に25℃下で測定したフローティング試験後の静電容量を示す。図11に−30℃下で測定したフローティング試験後の静電容量を示す。図12に25℃下での容量維持率を示す。図13に−30℃下での容量維持率を示す。
図8〜図11の縦軸に示す静電容量密度は、上述3.(3)と同様の方法で算出した静電容量を正極及び負極に含まれた活物質の乾燥時の重量当たりの容量密度に換算したものである。図12及び図13の縦軸に示す容量維持率は、式(2)から算出した。
容量維持率(%)=100×フローティング試験後の静電容量/初期静電容量…式(2)
以下、正極活物質及び負極活物質として活性炭を用いたセル(比較例11)の試験結果を基準にして、各セルの試験結果を比較する。
[実施例11,比較例16]
初回の充放電で逆方向の電圧を加えた実施例11のセルの初期静電容量は、25℃下及び−30℃下ともに、電流密度によらず、比較例11のセルの初期静電容量を上回った。また、実施例11のセルは、比較例11のセルと比べて、容量維持率はやや劣っていたが、フローティング試験後においても静電容量の優位を保持していた。
初回の充放電で順方向の電圧を加えた比較例16のセルの25℃下及び−30℃下での初期静電容量は、電流密度によらず、比較例11のセルの初期静電容量より小さかった。
[比較例12,13]
比較例12及び13のセルの25℃下での初期静電容量は、初回の充放電条件によらず、全ての電流密度において、比較例11のセルの初期静電容量を上回った。一方、−30℃下での初期静電容量は、初回の充放電条件の影響を強く受けた。初回の充放電で順方向の電圧を加えた比較例12のセルの初期静電容量は、電流密度が0.04〜0.4A/gでは比較例11のセルより大きな値を示した。しかし、比較例12のセルの初期静電容量は、電流密度の増加に伴って減少し、電流密度0.8A/gでは比較例11と同レベルに達した。初回の充放電で逆方向の電圧を加えた比較例13のセルは、電流密度によらず、比較例11のセルより大きな静電容量を示した。
比較例12及び13のセルのフローティング試験後の容量低下は、比較例11のセルと比べて大きかった。特に、−30℃下で電流密度を大きくしたときの低下が顕著であった。25℃下では、比較例12及び13のセルともに、初回の充放電条件によらず、比較例11のセルに対する静電容量の優位を維持できた。しかし、−30℃下での静電容量は、比較例12のセルでは電流密度0.2A/g以上、比較例13のセルでは電流密度0.8A/g以上の領域で、比較例11のセルを下回った。
[比較例14,15]
初回の充放電で順方向の電圧を加えた比較例14のセルの初期静電容量は、25℃下及び−30℃下ともに、電流密度によらず、比較例11のセル放電容量とほぼ同等であった。初回の充放電で逆方向の電圧を加えた比較例15のセルの静電容量は、25℃下では比較例11のセルと同等であり、−30℃下では比較例11のセルをやや下回った。
(5)考察
正極活物質及び負極活物質として炭素材料Aを用いたキャパシタにおいて、初回の充放電で逆方向の電圧を加えることで、初回の充放電で順方向の電圧を加えた場合と比較して、25℃下及び−30℃下ともに同等又はそれ以上の静電容量密度が得られた。
本開示の方法による容量密度の向上については、電解液の電解質塩としてTEMA−BF4、DEME−BF4、又はEMI−BF4を用いたセルにおいて、大きな効果を得られた。これらの電解液では、正イオンの径が負イオンの径よりも大きい。このことから、本開示の方法によって容量密度が向上する機構として、次のようなモデルが考えられる。
初回の充放電で順方向の電圧を加えたとき、負極活物質における炭素層の構造の乱れは、正極活物質のそれと比較して小さい。したがって、順方向の電圧印加は、活物質の微細構造と充放電時に吸脱着するイオン径との両面において、静電容量の発現に不利である。これに対して、初回の充放電で逆方向の電圧を加えたとき、負極活物質における炭素層の構造の乱れは、順方向の電圧を加えた場合と比べて大きい。これにより、静電容量が向上する。このとき、正極活物質では、順方向の電圧を加えた場合と比べて、炭素層の構造の乱れが小さい。したがって、静電容量の向上も期待できない。しかし、充放電時に吸脱着するイオン径が小さいことから、負極側と比べて、正極側における活物質の微細構造の変化が静電容量に与える影響は小さい。
上記のモデルによれば、電解液の電解質塩にTEMA−BF4を用いたとき、正極活物質として活性炭を使用し、負極活物質として炭素材料Aを使用したセルにおいては、本開示の方法による静電容量の向上がみられたことを説明できる。また、上記のモデルによれば、正極活物質として炭素材料Aを使用し、負極活物質として活性炭を使用したセルにおいては、本開示の方法による静電容量の向上がみられなかったことも説明できる。
また、本開示の方法による容量密度の向上については、電解液の電解質塩としてTEMA−TFSA、DEME−TFSA、又はEMI−TFSAを用いたセルにおいても、その効果があらわれた。これらの電解液では、正イオンの径と負イオンのイオン径とがほぼ等しい又は正イオンの径が負イオンの径よりやや小さい。そのため、本開示の方法による容量密度の向上について、上述のモデルとは別の機構も働くと考えられる。
活物質として炭素材料Aを用いたキャパシタにおいて初回の充放電で順方向の電圧を加えると、正極、負極ともに、その後の充放電において活物質と電解液との界面で吸脱着するイオンと同じ極性のイオンの一部が活物質の層間に固定される。そのため、活物質の内部に侵入した電解液のイオン濃度が低下していることが考えられる。本開示の方法では、初回の充放電で逆方向の電圧を加えたことにより、その後の充放電において活物質と電解液との界面で吸脱着するイオンとは逆極性のイオンが活物質の層間に固定され、活物質の内部に侵入した電解液のイオン濃度の低下が抑制されることも、静電容量が増加する一因となると推察される。
正極活物質及び負極活物質として炭素材料Aを用いたキャパシタは、初期静電容量は大きいが、正極活物質及び負極活物質として活性炭を用いたキャパシタと比べて充放電特性の耐久性に劣る。正極活物質及び負極活物質として炭素材料Aを用いたキャパシタは、60℃、2.8V、100時間のフローティング試験後には、−30℃下での静電容量が、正極活物質及び負極活物質として活性炭を用いたキャパシタを下回る場合がある。しかし、負極活物質のみに炭素材料Aを使用し、正極活物質として活性炭を使用すれば、初回の充放電で逆方向の電圧を加えることで、60℃、2.8V、100時間のフローティング試験後も、25℃下、−30℃下において、正極活物質及び負極活物質として活性炭を用いたキャパシタを上回る静電容量が得られることを確認した。この原因として、炭素材料Aの内部にわずかに存在する酸素が、正極側で電解液の酸化分解を引き起こして、耐久性に悪影響を与えていることなどが考えられる。
10 電気二重層キャパシタ
11 正極
11a 正極集電体
11b 正極活物質層
11c 正極タブ
12 負極
12a 負極集電体
12b 負極活物質層
12c 負極タブ
13 セパレータ
14 容器

Claims (3)

  1. 正極側の分極性電極と、
    負極側の分極性電極と、
    前記正極側の分極性電極及び前記負極側の分極性電極に含浸された有機電解液と、
    を備え、
    前記正極側の分極性電極は、正極活物質として活性炭を含み、
    前記負極側の分極性電極は、負極活物質として炭素材料を含み、
    前記炭素材料は、黒鉛に類似した微結晶粒を含み、
    前記有機電解液に含まれたイオンが前記微結晶粒の内部に吸蔵されることによって電気エネルギーが蓄えられる、蓄電デバイス。
  2. 前記正極側の分極性電極と前記負極側の分極性電極との間に充放電時の極性とは逆極性の電圧を印加したとき、前記有機電解液に含まれた陰イオンが前記微結晶粒の内部に吸蔵される、請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 蓄電デバイスの製造方法であって、
    前記蓄電デバイスは、正極側の分極性電極、負極側の分極性電極、及び、これらの分極性電極に含浸された有機電解液を備え、前記正極側の分極性電極は、正極活物質として活性炭を含み、前記負極側の分極性電極は、負極活物質として炭素材料を含み、前記炭素材料は、黒鉛に類似した微結晶粒を含み、
    前記製造方法は、前記正極側の分極性電極に相対的に低い電圧を印加し、前記負極側の分極性電極に相対的に高い電圧を印加して充電し、その後放電させる工程を含む、蓄電デバイスの製造方法。
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