JP2001180923A - 活性炭、その製造方法、それを用いた電極及びそれを用いた電気二重層キャパシタ - Google Patents

活性炭、その製造方法、それを用いた電極及びそれを用いた電気二重層キャパシタ

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JP2001180923A
JP2001180923A JP37379599A JP37379599A JP2001180923A JP 2001180923 A JP2001180923 A JP 2001180923A JP 37379599 A JP37379599 A JP 37379599A JP 37379599 A JP37379599 A JP 37379599A JP 2001180923 A JP2001180923 A JP 2001180923A
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carbon
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Morinobu Endo
藤 守 信 遠
Kasuke Nishimura
村 嘉 介 西
Tomimori Hosotsubo
坪 富 守 細
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】BET比表面積が10m2/g以上である
とともに、2800℃以上の温度で再熱処理を行ったと
き、X線回折法で測定した黒鉛結晶の格子面間隔(d00
2)が0.34nm以下であり、c軸方向の結晶子厚さ
(Lc)が10nm以上であり、かつa軸方向の結晶子の
大きさ(La)が10nm以上であることを特徴とする
活性炭、その製造方法およびその用途。 【効果】上記特性を有する活性炭によれば、高嵩密度で
単位体積当たりのキャパシタ容量を著しく向上させ得る
電極を提供することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、高容量の電気二重層キャ
パシタを提供することが可能な活性炭およびこの活性炭
の製造方法に関する。本発明は、更にこの活性炭の用
途、特にこの活性炭を用いた電極およびこの電極を備え
た電気二重層キャパシタに関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、携帯電話やノート型パソコ
ンなどの新しい電子機器が次々に出現し、これら商品の
小型軽量化、携帯化などの開発競争から、そこに内蔵さ
れるICメモリやマイコンなども小型高性能化が進んで
いる。ところが、このようなICメモリなどの素子やマ
イコンは、電力瞬断時に対して電子機器のメモリ消却や
機能停止など誤動作する恐れがある。実際、コンピュー
ター機器は、適切な対策を講じなければ10〜20%の
わずかな電圧低下であっても、0. 003〜0. 02秒
続くだけで機能停止やメモリー喪失などが起こり、電子
機器の機能が麻痺してしまう。
【0003】この対策として、Ni−Cd電池やアルミ
電解コンデンサがバックアップ電源に用いられてきた。
しかし、これらの電源は使用温度範囲、充放電のサイク
ル回数、容量、急速充放電性およびコストなどの点で充
分なものでなかった。そこで、このようなバックアップ
電源として近年注目されているのが電気二重層キャパシ
タである。
【0004】電気二重層の研究の歴史は古く1879年
のHelmholtzに遡ることができる。一般に、異
なる二層が接触すると、界面に正、負の電荷が短距離を
隔てて配列する。この界面にできた電荷分布を電気二重
層と呼ぶ。電気二重層キャパシタはこの電気二重層に電
圧を加えて電荷を蓄積するものである。しかし、実用化
には長時間を要し、ようやく1980年代の初めになっ
て、この原理を用いたファラッド単位の大容量コンデン
サの出現をみた。
【0005】電気二重層キャパシタは、充放電に化学反
応を伴わないために内部抵抗が格段に低く、大電流放電
および急速充放電が可能である他、充放電サイクル劣化
がなく充放電回数の制限がないという利点を有してい
る。したがって、例えば二次電池のバックアップ電源と
して各種機器に組み込まれる他、太陽電池等と組み合わ
せた各種指示機器などへの使用も提案されている。
【0006】さらに、このような小電力分野に加えて、
エンジン自動車や燃料電池自動車の補助電源用途を始
め、夜間電力の貯蔵など各種の大容量分野への応用が考
えられる。事実、減速時の回生運動エネルギーをキャパ
シタに充電し、加速時に逆に放電してエンジンの出力の
補助をさせるという目的でキャパシタを搭載したHEV
自動車が開発されつつある。
【0007】しかしながら、このような電気二重層キャ
パシタでは、二次電池と比較して充放電容量、特に単位
体積当たりの充放電容量が小さく、その向上を目的とし
て種々の検討・開発がなされてきた。例えば、電気二重
層キャパシタには、プロピレンカーボネート等の有機系
極性溶媒に過塩素酸リチウム或いは4級アンモニウム塩
等の電解質を溶解させた有機系電解液を使用するもの
と、硫酸水溶液あるいは水酸化カリウム水溶液のような
水溶液系電解液を使用するものの大きく分けて2種類が
存在する。
【0008】水溶液系電解液は電気抵抗が低く、キャパ
シタに使用した場合に、有機溶媒系電解液と比較して、
キャパシタ容量を約1.3倍から2倍に上げることがで
き、さらに内部抵抗を1/5から1/10に下げること
ができる。この理由は、水溶液系電解液の電気抵抗が低
いことに起因しているが、水溶液系の電解液を使用する
場合には、電圧を1V余りまでにしか上げることができ
ないために、単位体積当たりの蓄電エネルギー量(蓄電
エネルギー量=1/2CV2、但し、C:キャパシタ容
量、V:電圧)が小さいという短所を有している。
【0009】一方、有機系溶媒の電解液を使用した場合
には、電気二重層キャパシタの電圧を3V程度まで上げ
ることができる。したがって、キャパシタの単位体積当
たりの蓄電エネルギー量の向上のという観点からは、キ
ャパシタ容量の小ささを考慮しても有機溶媒系電解液を
使用した方が有利である。また、電気二重層キャパシタ
の電極材料は、比表面積の大きな活性炭や活性炭素繊維
が最適と考えられ、各方面でその最適化の研究が盛んで
ある。
【0010】一般的には、活性炭を電気二重層キャパシ
タの電極に使用した場合、キャパシタの単位重量当たり
の容量は、公知文献等にも開示されているように、活性
炭の微細構造や細孔の分布状態が大きく係わっていると
考えられる。特に、キャパシタ容量は、活性炭の比表面
積の増加に伴い増加する傾向が見られ、このことから電
気二重層キャパシタの電極用活性炭の開発は、大きな比
表面積を有する活性炭を効率良く作製することに主眼が
おかれてきた。
【0011】例えば、従来、電気二重層キャパシタの電
極には、ヤシ殻炭、石炭やフェノール樹脂系炭素材等の
難黒鉛系炭素材(いわゆるハードカーボン)を、水蒸気
や二酸化炭素等を用いたガス賦活して得られる高比表面
積の活性炭が用いられていた。この場合、電気二重層
は、炭素材と水蒸気や二酸化炭素との反応による脱炭素
現象によって形成された細孔によって増大した表面を利
用して形成される。
【0012】しかし、上述した従来の賦活方法では、1
500m2/gを超える比表面積の活性炭を製造するとむし
ろ比表面積当たりの容量が低下する傾向が認められた。
また、比表面積の大きな活性炭を得るためには、過度の
賦活処理を必要とし、賦活収率が低くなり、嵩密度が低
くなる傾向が見られる。したがって、単位重量当たりの
キャパシタ容量が増加しても、最も重要と考えられる単
位体積当たりのキャパシタ容量の増加には必ずしもつな
がらないという問題もあった。比表面積の小さな材料に
よって電極を製作した場合でも、嵩密度を高くできれ
ば、単位体積当たりのキャパシタ容量を、高比表面積の
活物質を用いた電極と比較して、大きくすることが可能
となる。したがって、単位体積当たりのキャパシタ容量
が大きな電極を提供し得る活性炭を製造するためには、
電気二重層を形成可能な表面を大きくし、かつ炭素損失
を低減して賦活収率を向上させることが必須である。
【0013】近年、活性炭の製造において、アルカリ金
属化合物を用いた賦活(本発明では、以下アルカリ賦活
と言う)により、得られる活性炭の表面積を増大させる
研究がなされ、ある程度の成果が見られている。例え
ば、米国特許第4082694号には、コークスに水酸
化カリウムを加え加熱することにより大表面積の活性炭
が得られることが開示されている。また、レーヨン系の
炭素繊維を用いたアルカリ賦活の例は特開平1−139
865号公報に開示されているが、大表面積の活性炭素
繊維を得ることが目的であり、具体的な用途は言及され
ていない。また、特開平8−34605号公報には石
炭、コークス、ヤシ殻等の炭素原料をアルカリ賦活し高
比表面積で高酸素濃度を有する活性炭を得て浄水用吸着
材に応用する例が開示されている。
【0014】また、より大きな比表面積の活性炭を製造
できる炭素材料として、石油系または石炭系ピッチなど
の易黒鉛系炭素材が注目されてきており、このような易
黒鉛系炭素材を用いたアルカリ賦活による二次電池電極
用またはキャパシタ電極用活性炭の製造方法が種々提案
されている。例えば、特開平5−247731号公報に
は光学異方性成分を50%以上包含するピッチを原料と
し、アルカリ賦活することにより1000m2/g以上
の高比表面積の電子・電池材料に適する活性炭素繊維を
得る方法が開示されている。また、特開平11−135
380号公報には、特定の温度で熱処理したメソフェー
ズピッチ系炭素繊維を原料としてアルカリ賦活によって
得られる活性炭素繊維が内部抵抗の小さな大電流充・放
電に適した電気二重層キャパシタ用の活物質に適するこ
とが開示されている。さらに、本発明者らも、特開平1
0−121336号公報、特開平11−222732号
公報にキャパシタ用途に適したアルカリ賦活メソフェー
ズピッチ系活性炭素繊維を開示している。
【0015】しかしながら、十分な体積当たりのキャパ
シタ容量を実現できる活性炭材料は、今だ開発されてい
ないのが実状である。
【0016】
【発明の目的】本発明は、このような従来技術の問題点
を解決するためになされたものであり、高容量の電気二
重層キャパシタを提供することが可能な活性炭およびこ
の活性炭の製造方法に関する。本発明は、更にこの活性
炭の用途、特にこの活性炭を用いた電極およびこの電極
を備えた電気二重層キャパシタに関するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を鋭意検討した結果、黒鉛化処理することにより特定の
構造を発現する組織構造を有する活性炭によって、嵩密
度が高く、かつ高いキャパシタ容量を実現できる電気二
重層キャパシタ用電極を提供し得ることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0018】即ち、本発明に係る活性炭は、BET比表
面積が10m2/g以上であるとともに、2800℃以
上の温度で再熱処理を行ったとき、X線回折法で測定し
た黒鉛結晶の格子面間隔(d002)が0.34nm以下
であり、c軸方向の結晶子厚さ(Lc)が10nm以上で
あり、かつa軸方向の結晶子の大きさ(La)が10n
m以上であることを特徴としている。
【0019】本発明に係る活性炭は、BET比表面積が
10m2/g以上1500m2/g以下であり、かつ前記
再熱処理を行ったとき、黒鉛層の配向度Pが88%以上
であることが好ましい。このような物性の本発明に係る
活性炭は、易黒鉛化炭素材、なかでもメソフェーズピッ
チ系炭素材、例えば特にメソフェーズピッチ系炭素繊維
を賦活して製造することができる。
【0020】即ち、本発明に係る第一の活性炭の製造方
法は、易黒鉛化炭素前駆体、例えばメソフェーズピッチ
を膨張率が200%以上になるように1000℃以下の
温度で炭化した後に粉砕し、得られた炭化物粉体を、ア
ルカリ金属化合物の存在下、1000℃以下の温度で賦
活することを特徴としている。
【0021】本発明に係る第二の活性炭の製造方法は、
数平均分子量が700以上1200以下のメソフェーズ
ピッチを、粘度300ポイズ以下で紡糸し、得られたピ
ッチ繊維を不融化し、次いで1000℃以下の温度で炭
化した後、得られた炭素繊維を、アルカリ金属化合物の
存在下、1000℃以下の温度で賦活することを特徴と
している。
【0022】本発明に係る電気二重層キャパシタ用電極
は、上記活性炭を含み、かつ密度が0.7g/cm3
上であることを特徴としている。本発明に係る電気二重
層キャパシタは、上記電極を備えることを特徴としてい
る。以下、本発明を具体的に説明する。
【0023】
【発明の具体的説明】先ず、本発明に係る活性炭は、特
定の比表面積および組織構造を有しており、以下これら
を詳述する。 I.組織構造 本発明に係る活性炭の組織構造は、活性炭の状態では従
来のものとの顕著な差は見られないが、2800℃以上
の再熱処理で黒鉛化することによりその特徴が明確とな
る。すなわち、本発明による活性炭は2800℃以上の
再熱処理により特異的な黒鉛結晶構造を発現する。
【0024】なお、この再熱処理は、2800℃以上で
かつ黒鉛層の適切な成長が確保できれば特にその条件、
例えば加熱雰囲気、昇温速度や保持時間等は特に限定さ
れないが、通常アルゴン、窒素等の不活性ガス中、約1
〜30℃/分の昇温速度で、一定温度に到達させ、更に
10分から1時間維持して行うことができる。本発明の
活性炭は、このような再熱処理によって、X線回折法で
測定した結晶子パラメーターで示すと、格子面間隔(d0
02)が0.34nm以下、好ましくは0.336〜0.
340nmであり、c軸方向の結晶子の厚さが(Lc)
が10nm以上、好ましくは20nm以上であり、a軸
方向の結晶子の大きさ(La)が10nm以上、好まし
くは20nm以上である特異な黒鉛結晶構造を発現す
る。この際、X線回折法による結晶子パラメーターは、
学振法に基づき測定する方法が適当である。
【0025】また、本発明の活性炭は、上記再熱処理後
における黒鉛層の配向度Pが88%以上、好ましくは9
0%以上、さらに好ましくは92%以上であることが望
ましい。ここで、この配向度Pの測定方法を示す。配向度の測定方法 配向度PはX線回折法または透過型電子顕微鏡法により
測定することができる。 <X線回折法>X線回折法は、長尺な繊維形状を有する
黒鉛化活性炭に最適な配向度Pの測定方法である。繊維
状黒鉛化活性炭を一方向に引き揃えた試料を繊維試料台
に固定し、X線(Cu、Kα)を試料の長軸に対して直
角方向から照射すると、水平面内で回折角2θ=26°
付近に(002)の強い回折線が現れる。次に、入射X
線に対し垂直な面内で炭素繊維を回転させながら、水平
面内で回折角2θ=26°付近の位置で回折強度の回転
角度依存性を測定する。この強度の角度依存性から求め
られる半値幅を角度Hとして、配向度は、次式(1)か
ら算出できる。
【0026】 配向度P={(180−H)/180}×100(%) ...(1) <透過型電子顕微鏡法>透過型電子顕微鏡(TEM)法
は、長尺な繊維形状以外の形状を有する黒鉛化活性炭を
測定するのに好適な方法である。先ず、試料として、黒
鉛化活性炭を樹脂等に包埋し、断面(繊維の場合は繊維
軸方向に沿った断面)が現れるようにマイクロトームで
100nm程度の厚さに薄く研削した切片を調製する。
この試料を用い、400kV程度の高加速電圧により2
0〜50万倍の倍率で明視野透過像を得る。配向度P
は、この像をCPUによる画像解析で配向分布を解析
し、配向依存性から求められる半値幅を平均配向角Hと
して、配向度Pを前記式(1)から求めることができる。
【0027】X線回折法による配向度測定では、試料全
体の平均値として算出されるが、TEM法ではサブミク
ロン四方の微少領域を測定することになるため、試料の
中心部と外周部の間で少なくとも5視野以上、好ましく
は10視野以上の測定を行い、その平均値を採ることが
望ましい。II.比表面積本発明に係る活性炭は、BET
比表面積が、10m2/g以上、好ましくは25m2/g
以上1500m2/g以下、さらに好ましくは50m2
g以上1000m2/g以下である。ここでBET比表
面積とは、窒素吸着によるBET法により測定し、測定
精度を考慮して有効数字三桁(但し百未満は少数点以下
を四捨五入)で表示したものを指す。
【0028】本発明に係る活性炭は、このような特異な
組織構造を有するため、わずか10m2/gという低比
表面積にも拘わらず、これを用いて調製した電極を備え
たキャパシタの容量を後記する測定方法によって測定し
たところ、15F/gという高い値を示した。この値
は、BET比表面積を10m2/g程度とした従来の活
性炭では達成し得ないものであり、本発明による特異性
を示す一例である。また、この高容量は、キャパシタの
電解質イオン種の径と、賦活によって形成された細孔の
径とを考慮して求められた電気二重層を形成し得る電極
表面積から算出した容量をも凌駕するものである。
【0029】その原因は定かではないが、本発明による
活性炭は従来のBET比表面積の増大に寄与する細孔以
外に、BET比表面積測定方法では計測できないが、電
気二重層の形成には貢献し得る特異的な表面および/ま
たは内部組織構造を有しているためと考えられる。とこ
ろで、Randin等(Electroanalytical Chemistry
and InterfacialElectrochemistry, 58, 311-322 (197
5))によると、黒鉛層のベーサル面の電気二重層容量
は、約3μF/cm2と非常に小さい。これは、グラフ
ァイトの半導体的性質によって電極側に形成された空間
電荷層容量に起因すると報告されている。一方、通常水
銀電極等で観測される黒鉛層の電気二重層容量は20〜
30μF/cm2と上記ベーサル面の容量に比べ10倍
程度の大きな値であることが知られている。すなわち、
ベーサル面よりもπ電子の影響を受けないエッジ面を利
用した方がキャパシタ容量の発現に有利であると想定さ
れる。
【0030】このことから、本発明による活性炭では、
この活性炭内にX線回折法では検出できない未発達な黒
鉛層(以下炭素層と記す)が存在し、賦活によって形成
された細孔の内壁の多くがこの炭素層のエッジ面から構
成され、この炭素層のエッジ面が電気二重層の形成に利
用されているため、単位体積あたりのキャパシタ容量を
著しく向上させることができたと考えるのが妥当であ
る。
【0031】すなわち、アルカリ賦活法による活性炭の
細孔形成は、表面からのアルカリ金属化合物の進入を起
点として賦活反応が進行すると考えられる。炭素層が高
度に配向した(黒鉛化後、配向度Pが大きく、La、L
cが大きくかつd002が小さい)炭素材料を用いると、
この配向した炭素層の集合と炭素層の集合の間に進入し
たアルカリ金属が激しく炭素と反応して細孔を形成する
ため、細孔はあたかも炭素層面に対して垂直方向から形
成されることになり、結果として細孔内壁の多くはエッ
ジ面から形成されることになる。
【0032】一方、配向度Pが小さく結晶化が進んでい
ない、すなわち、炭素層が配向していない場合、いわば
無秩序に配置している場合は表面から進入したアルカリ
金属により形成される細孔の内壁は、ベーサル面から形
成される率が多くなる。そのため、配向度Pが高く結晶
化が進んでいる活性炭の場合に比べて小さなキャパシタ
容量しか実現できない活性炭となるものと考えられる。
【0033】従って、この考え方に立てば、炭素層が配
向している炭素材を出発材料としてアルカリ賦活を行え
ば、主として内壁が炭素層エッジ面からなる細孔を持つ
キャパシタ用電極材料が得られ、結果として高いキャパ
シタ容量を示すことになる。そして、このような炭素層
の配向は、活性炭に上述した再熱処理を施すことによ
り、炭素層の配向方向に沿った黒鉛層を発達させ、これ
をX線回折法で解析することによって確認することがで
きる。
【0034】本発明に係る第一および第二の活性炭製造
方法は、以上説明した本発明に係る活性炭の製造に特に
適した方法であり、炭化処理時に出発原料を発泡させる
か、或いは溶融ピッチを紡糸することによって、最終製
品である活性炭における炭素層を高度に配向させ、結晶
化を進めることが可能となる。以下これら方法を具体的
に説明する。 I.第一の活性炭製造方法 本発明に係る第一の活性炭製造方法は、易黒鉛化炭素前
駆体を熱処理時に発泡させ、発泡によって形成される気
泡膜で炭素層を高度に配向させている。
【0035】即ち、本発明に係る第一の活性炭は、特定
の温度で、易黒鉛化炭素前駆体、なかでもメソフェーズ
ピッチを特定の膨張率で膨張させながら炭化する膨張炭
化工程、得られた発泡体炭化物を粉砕する粉砕工程、得
られた炭化物粒状体を、アルカリ化合物存在下で賦活す
る賦活工程からなる。以下、各工程を詳述する。 1)炭化工程 炭化工程は、易黒鉛化炭素前駆体、なかでもメソフェー
ズピッチを、特定の温度下、出発原料を特定膨張率で膨
張させながら炭化して行われる。
【0036】炭化工程で出発原料として用いられる易黒
鉛化炭素前駆体は、炭化条件下で膨張すれば石油系、石
炭系および合成系のピッチの何れであってもよく、特に
限定されないが、光学的異方性成分が50%以上、好ま
しくは90%以上、更に好ましくは実質的に100%含
有するメソフェーズピッチであることが望ましい。この
膨張は、主としてメソフェーズピッチが含む低分子量成
分や炭化処理時の縮重合反応で発生する揮発成分が系内
から系外に抜ける際に気泡を形成するために生じるもの
である。この膨張時の応力により、発泡体炭化物の炭素
層を配向させる。より詳しくは、発泡により形成された
気泡を包むピッチの膜に加わる応力によってこのピッチ
に含まれる芳香族成分が配向し、この状態で炭化して得
られる炭素膜において炭素層が高度に配向する。
【0037】このような炭化時の膨張は、昇温速度や昇
温パターンにも左右されるが、主たる要因は、メソフェ
ーズピッチの組成すなわち構成成分の分子量分布や分子
そのものの種類が拘わってくる。本発明に言う発泡が起
こるためには、揮発成分が1%以上、好ましくは3%以
上含有するピッチが好適である。揮発成分は、熱重量分
析法により、5℃/分〜20℃/分の昇温速度で、室温
から400℃まで昇温した時の重量減で測定する。
【0038】なお、本明細書でいう膨張率とは、炭化処
理容器に投入した出発原料の当初の占有容積で、炭化処
理時に発泡・膨張した被焼成物の最大占有容積を除した
値である。本発明の第一の方法では、この膨張率は、通
常200%以上、好ましくは400%以上1000%以
下である。
【0039】膨張率が200%未満の場合は、最終的に
得られた活性炭を再熱処理した際の配向度Pが低くな
り、したがって、実現できるキャパシタ容量が低い活性
炭となるため好ましくない。また、1000%以上にな
ると配向度にそれ程差がなくなり、キャパシタ容量向上
の観点から見て効果が上がらなくなる他、大きな反応容
器を必要とし、工業生産面で不利であり好ましくない。
【0040】炭化工程では、このようなメソフェーズピ
ッチを、通常窒素等の不活性ガス雰囲気下、1000℃
以下、好ましくは500℃以上900℃以下、さらに好
ましくは600℃以上800℃以下で炭化して発泡体炭
化物を製造する。このような温度で炭化処理を行うこと
により、アルカリ賦活を行う前に適度な炭素骨格が発達
するため、アルカリ賦活でよりエッジ面の多い内壁から
なる細孔を有する活性炭が得られる。炭化温度が100
0℃を越えると、黒鉛構造が発達し、得られた炭素材の
賦活速度が極端に遅くなり長時間を要するばかりか、炭
化コストが増加する面からも好ましくない。
【0041】また、炭化温度が500℃未満では、次の
アルカリ賦活工程での熱処理により炭素層面の配向が乱
れ、配向度Pが小さくなる傾向がある。また、賦活が進
行しやすく賦活収率の低下に伴い嵩密度も低下するた
め、体積当たりのキャパシタ容量も小さくなるという傾
向も見られる。 2)粉砕工程 本発明の第一の方法では、このような炭化処理によって
得られた発泡体炭化物を粉砕した後に、アルカリ賦活し
て活性炭としている。
【0042】発泡体炭化物の粉砕方法は、特に限定され
ず、例えば後述する第二の活性炭製造方法での不融化ピ
ッチ線維または炭素繊維の粉砕と同様にして行うことが
できる。粉砕後の炭化物粒状体または粉体(以下粒状体
と総称する)の平均粒径は、アルカリ賦活での反応効率
および得られた活性炭の嵩密度などを考慮して適宜選択
できるが、レーザー回折法によって測定した平均粒径
が、通常3〜50μm、好ましくは5〜30μmである
ことが望ましい。 3)アルカリ賦活 本発明に係る第一の活性炭製造方法において、このよう
な炭化物粒状体のアルカリ賦活は、後述する第二の活性
炭製造方法での不融化ピッチ繊維または炭素繊維のアル
カリ賦活と同様にして行うことができる。
【0043】II.第二の活性炭製造方法 次に、本発明に係る第二の活性炭製造方法では、易黒鉛
系炭素材の出発原料であるメソフェーズピッチを紡糸し
繊維化することで、出発原料に応力を加え、炭化時に炭
素層を高度に配向させることで、前述した配向度Pが高
い活性炭繊維を製造することが可能である。
【0044】即ち、本発明に係る第二の方法では、特定
の分子量を有するメソフェーズピッチを特定の粘度で紡
糸する紡糸工程、得られたピッチ繊維を不融化する不融
化工程、得られた不融化ピッチ繊維を炭化する炭化工
程、およびアルカリ賦活工程によってメソフェーズピッ
チ系活性炭素繊維を製造している。以下、各工程を詳述
する。 1)紡糸工程 紡糸工程で出発原料として用いられるメソフェーズピッ
チは、紡糸が可能ならば石油系、石炭系および合成系の
ピッチの何れであってもよく、特に限定されないが、光
学的異方性成分が50%以上、好ましくは90%以上、
更に好ましくは実質的に100%含有することが望まし
い。
【0045】また、本発明の第二の方法で使用されるメ
ソフェーズピッチは、数平均分子量が700以上、好ま
しくは800以上1200以下、さらに好ましくは90
0以上1100以下である。平均分子量が700未満の
場合は、炭素層の繊維軸方向への配向がし難くなる。一
方、1200を越えると最適な紡糸粘度とするために紡
糸温度を400℃以上にする必要が生じ、メソフェーズ
ピッチ自体が熱変質するため、品質の安定したピッチ繊
維を製造するという観点から望ましくない。なお、原料
ピッチの数平均分子量は、以下の方法で測定することが
可能である。
【0046】<数平均分子量の測定方法>数平均分子量
の測定方法としては、例えばA.P.BRADY氏らに
よる報告(J.Phys.& Coll.Chem.、
Vol.55、304(1951))に記載されている
蒸気圧浸透圧法(VPO法)を適用することができる。
また、L.R.Sander(Anal.Chem.、
Vol.41、1223(1969))により報告され
ているゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC法)も分
子量測定に用いることができる。
【0047】しかし、メソフェーズピッチにおいては、
ピリジンやキノリンのような溶媒にさえ溶けない高分子
成分が含まれており、そのままでは上記方法においても
分子量の測定は困難である。このような場合ピリジンあ
るいはキノリン不溶成分を還元することにより可溶化さ
せる方法が好適である。このような還元による可溶化法
としては、例えばJ.D.Brooksらの水添方法
(Fuel、Vol.41、67(1962))を挙げ
ることができる。この方法は、エチレンジアミンを用い
金属リチウムの存在下で不飽和結合だけを水素化し、不
溶成分を溶媒に可溶化する方法である。上記いずれの分
子量測定方法を用いる場合においても水添による可溶化
は必要な前処理となる。
【0048】本発明に係る第二の方法では、このような
メソフェーズピッチを紡糸することにより、ピッチに含
まれる芳香族成分をピッチ繊維の長軸方向に配向させ
て、炭素層が高度に配向した活性炭素繊維を得ることが
できる。このような紡糸の方法としては、適度な応力を
メソフェーズピッチに加えられれば特に限定されず、例
えば溶融紡糸、遠心紡糸、渦流紡糸、メルトブロー紡糸
等の何れを採用してもよい。
【0049】本発明に係る第二の方法では、紡糸粘度は
300ポイズ以下、好ましくは3ポイズ以上250ポイ
ズ以下である。紡糸粘度が300ポイズより高い場合
は、芳香族成分が繊維軸方向に配向し難くなり、高容量
を示す電極材料とはならない。また、3ポイズ未満の粘
度では繊維径の変動が大きくなるとともに、ノズルの汚
れも激しく安定的な紡糸が困難となる。なお、メソフェ
ーズピッチの溶融粘度は以下の方法で測定できる。 <粘度の測定方法>メソフェーズピッチの粘度測定方法
としては、JIS−K6836(接着剤の粘度測定方
法)に規定されている回転粘度計法が応用できる。電動
機によりローターを試料中で一定回転数で回転させ、そ
の粘性抵抗トルクをスプリングバランスによって測定す
るものである。ここでは、HAAKE製回転粘度計を用
い、昇温しつつ各温度での粘度を求める方法を用いた。
本特許にいう紡糸粘度とは、上記方法によってあらかじ
め求めておいた粘度−温度チャートから紡糸温度(ノズ
ル近傍温度)における粘度を読みとった値をいう。
【0050】また、紡糸工程で得られたメソフェーズピ
ッチ繊維の形態は、特に限定されず、紡糸方法に応じ
て、マットおよびフェルトなどの繊維集合体であって
も、長尺繊維の束などであってもよい。 3)不融化工程 ピッチは熱可塑性有機化合物であるため、紡糸直後の前
駆体ピッチ繊維をそのまま加熱すると、再溶融してせっ
かく紡糸工程において形成された、繊維軸方向への芳香
族成分の配向が乱れるばかりではなく、繊維形態を無く
すこともある。繊維形態を保持したまま熱(炭化)処理
するためには、紡糸の後、不融化処理が必要となる。こ
の不融化は常法により液相又は気相で連続的に不融化処
理することが可能であるが、通常には、空気、酸素、N
2等の酸化性雰囲気で行う。例えば、空気中での不融
化においては、平均昇温速度1〜15℃/分、好ましく
は3〜10℃/分で、処理温度範囲が100〜350
℃、好ましくは150〜320℃程度で行なわれる。 4)炭化工程 本発明の第二の方法では、このようにして得られた不融
化ピッチ繊維をそのまま次の粉砕工程または賦活工程に
用いてもよいが、これら工程に先立って炭化工程に付し
てもよい。
【0051】この炭化工程では、不融化ピッチ繊維は、
1000℃以下、好ましくは500℃以上900℃以
下、さらに好ましくは600℃以上800℃以下の温度
で炭化して炭素繊維を製造する。このような炭化処理を
施すことにより、不融化ピッチ繊維に含まれる低揮発性
成分を除去できるため、賦活工程での賦活収率が向上
し、さらには賦活反応において揮発するタール状物量を
低減して反応系内の汚染を有利に防止することができ
る。 5)粉砕工程 本発明の第二の方法では、不融化ピッチ繊維または炭素
繊維は、賦活剤であるアルカリ金属化合物と均一混合し
て均一な賦活反応を行うため、賦活前に粉砕(ミルド
化)することが有効である。またミルド化は最終的に高
密度の電極シートを作製するためにも有効となる。
【0052】ミルド化は、ビクトリーミル、ジェットミ
ル、高速回転ミル、ヘンシェルミキサー、ボールミル、
擂潰機等を用いて行うことができる。なかでも、ブレー
ドを取付けたローターを高速で回転することにより、繊
維を寸断する装置を用いる方法が適切である。この場
合、繊維長は、ローターの回転数、ブレードの角度等を
調整することによりコントロールすることが可能であ
る。
【0053】ミルド化された不融化ピッチ繊維または炭
素繊維は、レーザー回折方式による平均粒径が、3μm
以上50μm以下、好ましくは5μm以上30μm以下
であることが望ましい。平均粒径が50μmを越えると
電極材の嵩密度が大きくならない。また、3μm未満と
いたずらに粒径が小さいと、賦活反応の制御が難しく、
かつ賦活後の洗浄処理等が困難となる傾向がある。
【0054】なお、この粉砕は、賦活反応を考慮してア
ルカリ賦活工程前に実施した後、高嵩密度の電極を製造
すべく粒度を最適化するために賦活処理後に再実施して
もよく、さらにはアルカリ賦活工程後だけに実施しても
よい。 6)アルカリ賦活工程 アルカリ賦活工程では、所望によりミルド化した不融化
ピッチ繊維または炭素繊維を、アルカリ金属化合物存在
下で加熱処理する。
【0055】このようなアルカリ金属化合物としては、
水酸化カリウム、炭酸カリウム、亜硝酸カリウム、硫酸
カリウム、塩化カリウム等が好適であるが、なかでも水
酸化カリウムが最も好ましい。このようなアルカリ金属
化合物は、不融化ピッチ繊維または炭素繊維に対して重
量比で0.5倍〜5倍、好ましくは1倍以上3倍以下の
量で用いられる。
【0056】アリカリ金属化合物の比率が0.5倍未満
では細孔形成の効率が悪く、一方、5倍を越えて添加す
ると、後続する水洗処理工程のコスト増となり、また装
置の保守性及び安全性の面からも好ましくない。アルカ
リ賦活工程では、ピッチ繊維または炭素繊維をこのよう
なアルカリ金属化合物と均一に混合し、窒素等不活性ガ
ス中で、1000℃以下、好ましくは500℃以上90
0℃以下、さらに好ましくは600℃以上800℃以下
の温度で賦活することが好適である。
【0057】賦活温度が1000℃を越えると金属カリ
ウム等の析出や装置の腐食の観点から好ましくない。ま
た、賦活温度としては、500℃未満では反応の進行が
遅く長時間を要し、作業効率が低下する傾向がある。な
お、アルカリ金属化合物を用いて高温で熱処理するとい
うことは、アルカリ金属が析出する危険性を含んでい
る。このアルカリ金属は、水分と爆発的に激しく反応す
るため、反応終了後にはアルカリ金属を安全な塩に置き
換えた後、水洗処理の工程に移すことが好ましい。その
為には、反応終了後、速やかに二酸化炭素を系内に導入
しアルカリ金属を安定な炭酸化物に置き換えることが有
効である。
【0058】以上説明した第一および第二の活性炭の製
造方法によれば、特定の比表面積および組織構造を有す
る本発明に係る活性炭を効率よく安価に製造することが
できる。本発明に係る電極は、以上説明した本発明に係
る活性炭を含むことを特徴としている。
【0059】本発明に係る電極は、従来公知の電極製造
手法をそのまま適用して製造することができる。例え
ば、本発明に係る電極は、粒状の本発明に係る活性炭
に、ポリエチレンやポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)等のバインダーと必要に応じて導電材とを加え、
これらを常温または加熱して混練し、常温でまたは加熱
下圧延して製造される電極シートであってもよい。
【0060】また、粒状の本発明に係る活性炭にポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF)、ブタジエンゴム(SB
R)またはセルロース(CMC)等を加え、有機溶媒ま
たは水に溶解して溶液とし、この溶液を集電材上に塗布
し、乾燥後圧延ロール等でプレス加工し高密度なシート
状或いは板状の電極を得ることも可能である。このよう
な電極シートの厚さとしては、10〜300μm、好ま
しくは80〜200μmである。また、バインダーの添
加量としては1〜20重量%、好ましくは3〜12重量
%である。
【0061】集電材としては、ニッケル、アルミニウ
ム、SUS、銅等を用いることができるが、使用する電
圧、セル形状等から任意に選択できる。また、これら集
電材は、通常厚さ10μm〜50μmの金属箔である
が、接着性や集電性を向上させるため、エッヂングによ
り凹凸をつけた箔や、穴のあいたパンチング箔、エクス
パンド箔等も利用される場合がある。
【0062】また、活性炭とバインダーとを含む溶液に
は、必要に応じて黒鉛粉、アセチレンブラック、ケッチ
ェンブラック等の導電材料を加えてもよい。このような
導電材料は、活物質である活性炭に対し3〜20重量
%、好ましくは5〜10重量%の量で添加することが好
ましい。本発明に係る電極は、マット、フェルト状活性
炭素繊維に集電性を向上させるためにアルミニウム等の
導電材を蒸着して製造することも可能である。また、本
発明に係る電極は、これら金属蒸着活性炭素繊維を、ペ
ーパー化して製造することもできる。
【0063】本発明に係る電気二重層キャパシタは、こ
のようにして作製された電極を備えることを特徴として
いる。ここで、添付1A〜1Cを参照して、本発明に係
る電気二重層キャパシタの基本構造を説明する。添付図
1A〜1Cは、本発明を適用できる電気二重層キャパシ
タの最も基本的な構造を有する一態様を示す図である。
【0064】添付1A〜1Cに示されるように、この電
気二重層キャパシタ1は、2枚の加圧板3,4と、この
加圧板3,4間に設けられる一対の電極シート5,6と
を備えている。電極シート5,6は、加圧板側におい
て、それぞれアルミメッシュ7,8が接合されており、
このアルミメッシュ7,8にはニッケルワイヤ9,10
の一端が溶接されている。また、電気極シート5,6の
間には、セパレータ(濾紙)11が配設されている。
【0065】加圧板3,4は、各々、両側縁部から外側
に突出する4個の固定用突部12,12..を有してい
る。そして、上記電極シートおよびセパレータは、この
突部12,12..にテトロン製バンド13を巻き回し
て、加圧板間に固定され、電解液内に浸漬される。な
お、加圧板3,4は、テトロン製バンド13に代えて、
突部12,12..に設けた結合穴(不図示)に挿通ま
たは螺入されたビス又はボルト・ナットなどの他の結合
部材を用いて結合してもよい。また、ビス、ボルト・ナ
ット等を用いる場合には、加圧板3,4に突部を設け
ず、その四隅に結合穴を開けてもよい。
【0066】本態様の電気二重層キャパシタ1でも、電
極シート5,6と、電解液(または電解質)との界面で
電気二重層を構成するのであり、これらが最も基本的構
造要素となる。本発明に係る電気二重層キャパシタに用
いられる電解液としては、水性溶媒系であってもよい
が、高電圧を適用できるという観点から有機非水系が好
ましい。このような有機非水系電解液に使用できる有機
溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、γ−ブ
チロラクトン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォ
ルムアミド、アセトニトリル、エチレンカーボネート、
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等を挙げること
ができる。これらの有機溶媒は、単独で用いても、二種
以上の混合溶媒として用いてもよい。
【0067】さらに,これら有機溶媒中に溶解する電解
質としては、金属の陽イオン、4級アンモニウムカチオ
ン、カルボニウムカチオン等の陽イオンと陰イオンの塩
を挙げることができる。一例を具体的に示すと、(C2
54PBF4、(C374PBF4、(C254NB
4、(C374NBF4、(C254PPF6、(C2
54CF3SO3、LiBF4、LiClO4、LiCF
3SO3等を例示できる。有機非水系極性溶媒の場合の電
解質の濃度は0.5M/L〜3M/Lにするのが良い。
特に好ましくは1M/L〜2M/Lの範囲である。
【0068】以上、本発明に係る電気二重層キャパシタ
をその一態様を示して説明したが、本発明は、従来公知
の如何なる電気二重層キャパシタにも適用でき、例えば
コイン型、巻き型、積層型等の実用型セルの何れであっ
てもよい。このような実用型セルは、例えば、電極シー
トを所望の大きさ、形状に切断し、セパレーターを両極
の間に介在させた状体で積層または巻回し、容器に挿入
後電解液を注入し、封口板、ガスケットを用いて封口を
かしめて製造できる。
【0069】
【発明の効果】本発明に係る活性炭によれば、BET比
表面積が10m2/g以上であるとともに、炭素層が高
度に配向し、2800℃以上の温度で再熱処理を行った
とき、X線回折法で測定した黒鉛結晶の格子面間隔(d
002)が0.34nm以下であり、c軸方向の結晶子厚
さ(Lc)が10nm以上であり、かつa軸方向の結晶子
の大きさ(La)が10nm以上であり、また配向度P
が88%以上であるため、高嵩密度で単位体積当たりの
キャパシタ容量を著しく向上させ得る電極を提供するこ
とが可能である。
【0070】本発明に係る活性炭の製造方法によれば、
このような特異な活性炭を効率よく製造することができ
る。
【0071】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明はそれに限定されるものではない。な
お、実施例および比較例において、嵩密度の測定および
キャパシタ容量の測定は、以下の方法で行った。 <嵩密度の測定>集電材上に圧延、接着された電極シー
トを一定の寸法にカットし、正確に寸法、重量を測定
し、集電材料の厚さ重量を減じで求めた。 <キャパシタ容量の測定>得られた電極シートと、ガラ
スフィルター製セパレーターと、アルミニウム製集電材
(厚さ0.1mmの板)とを用いて図1A〜1Cに示す
電気二重層キャパシタを作成した。電解液としては、プ
ロピレンカーボネートに1モル/Lの割合で(C25
4N・BF4を溶解して得た溶液を使用し0〜2.5Vで
キャパシタ容量を測定した。
【0072】測定操作は、定電流放電法によった。すな
わち、定電流で両極間の電位差を0Vから2.5Vある
いは3.5Vまで上昇させて充電した後、定電流で放電
させる。その時の放電曲線がほぼ直線となることから、
キャパシタ電圧の時間的変化率より直流静電容量を算出
した。また、活性炭素繊維単位重量当たりの放電容量
(F/g)は、正・負両極の活性炭素繊維の合計重量か
ら求め、単位体積当たりの容量(F/cm3)は、単位
重量当たりの容量に電極シート密度を乗して求めた。
【0073】
【実施例1】(炭化工程)直径5mm程度に粉砕した数
平均分子量820の石油系メソフェーズピッチ2Kg
(容積約2リットル)を底面の直径20cm、高さ30
cm(内容積9.4リットル)の円筒形容器に入れ、窒
素気流下攪拌しつつ3℃/分で昇温した。系内温度が3
80℃になった時攪拌が困難となったため攪拌を停止
し、さらに継続して720℃まで昇温した。
【0074】常温に冷却後反応容器内を確認すると容器
壁面の下から15cmの所まで液面が上昇した痕跡が確
認できた。すなわち、ピッチは約4.7リットルまで体
積膨張したと考えられ、膨張率は240%と計算され
た. (粉砕工程)得られた発泡体炭化物をレーザー回折法に
よる平均粒径が20μmなるようボールミルで粉砕し
た。 (賦活工程)このメソフェーズ系炭化物に重量比で2倍
量の水酸化カリウムを加え、均一に混合した後、800
℃で2時間、窒素雰囲気下賦活処理を行い、系内を30
0℃に冷却した後、二酸化炭素を導入し金属カリウムの
不活性化処理を行った。この処理物を常温に冷却後中性
になるまで水洗し、BET比表面積560m2/gのメ
ソフェーズピッチ系活性炭を得た。
【0075】このメソフェーズピッチ系活性炭をアルゴ
ンガス雰囲気中2850℃で黒鉛化処理を行った後、X
線回折測定を行い、d002=0.3362nm、Lc=
52nm、La=62nmを得た。また、透過型電子顕
微鏡法で求めた配向度Pは93%であった。 (電極シートの作成)この活性炭に導電助剤としてカー
ボンブラックを15重量%、バインダーとしてPTFE
を5重量%加え、常温で混練した後、厚さ150μmに
圧延した。このシートを180mmφに2枚打ち抜い
た。この時のシート密度は0.93g/cm3と高密度
な電極シートであった。
【0076】得られた電極シートを用いて図1A〜1C
で示される電気二重層キャパシタを作成し、キャパシタ
容量を測定したところ、放電容量は36F/gであり、
体積当たりで示すと33F/cm3であった
【0077】
【実施例2】(紡糸工程)石油の分解残さ油を窒素雰囲
気下熱処理して得た、数平均分子量が920のメソフェ
ーズピッチを原料とし、幅2mmのスリットの中に直径
0.25mmφの紡糸孔を一列に1000個有する口金
を用い、スリットから加熱空気を噴出させて、溶融ピッ
チを牽引して平均直径13μmのピッチ繊維を製造し
た。この時の紡糸温度は360℃で、紡糸粘度は50ポ
イズであった。紡出された繊維を、捕集部分が20メッ
シュのステンレス製金網で出来たベルトの背面から吸引
しつつ、ベルト上に捕集した。 (不融化工程)この捕集したマットを空気中、室温から
300℃まで平均昇温速度5℃/分で昇温して不融化処
理を行った。 (炭化工程および粉砕工程)得られた不融化ピッチ繊維
を、窒素雰囲気下、700℃で炭化した後、クロスフロ
ーミルで粉砕して、平均粒径28μmのメソフェーズピ
ッチ系ミルド化炭素繊維を得た。 (賦活工程)得られたミルド化炭素繊維を用い実施例1
と同様にして賦活し、BET比表面積700m2/gの
メソフェーズピッチ系ミルド化活性炭素繊維を得た。
【0078】得られた活性炭を、アルゴンガス雰囲気
中、2800℃で黒鉛化処理した後、X線回折測定を行
なったところ、d002=0.3368nm、Lc=40
nm、La=55nmであった。また、透過型電子顕微
鏡法で求めた配向度Pは92%であった。得られた活性
炭を用い、実施例1と同様にして電極シートを作成した
ところ、密度は0.92g/cm3であった。
【0079】得られた電極シートを用い、実施例1と同
様にしてキャパシタ容量を測定したところ、放電容量は
37F/g、体積当たりで示すと34F/cm3と優れ
たものであった。
【0080】
【実施例3】(紡糸工程)数平均分子量730のメソフ
ェーズピッチを用い、孔径0.3mmφの紡糸孔を50
0ホール有するノズルから溶融ピッチを紡出させ、シリ
コン系のサイジング剤を塗布し、回転ローラーにより紡
糸速度300m/分で延伸しつつケンスのなかに収納し
た。この時の紡糸温度は335℃で、紡糸粘度は230
ポイズであった。 (不融化および炭化工程)得られた連続ピッチ繊維をケ
ンスに入れたまま室温から310℃まで平均昇温速度
3.5℃/分で空気中で不融化した後、引き続き窒素雰
囲気下550℃で炭化処理した。得られた炭化繊維をケ
ンスから引き上げつつ750℃の炭化炉を連続的に通過
させメソフェーズピッチ系長繊維状炭素繊維を作製し
た。この時、炭素繊維束はニッケル製のパンチングメタ
ルで作製した円筒ボビンに巻き取られた。 (賦活工程)このボビンをニッケル製の容器に入れ、炭
素繊維重量の5倍量の水酸化ナトリウムを加え、750
℃で3時間実施例1同様にして賦活処理を行い、BET
比表面積230m2/gのメソフェーズピッチ系長繊維
状活性炭素繊維を得た。
【0081】得られた長尺活性炭素繊維をアルゴン雰囲
気下2900℃で熱処理を行ったところ、d002=0.
3372nm、Lc=32nm、La=40nmであっ
た。また、X線法による配向度は89%であった。 (粉砕工程)この活性炭素繊維を約3mmにカット後、
さらにボールミルで平均粒径が35μmになるまで粉砕
した。
【0082】得られたミルド化活性炭素繊維を用い、実
施例1と同様にして、電極シートおよび電気二重層キャ
パシタを作製しキャパシタ容量を求めた。得られた電極
シート密度は0.86g/cm3、容量は33F/g
(28F/cm3)であった。
【0083】
【実施例4】数平均分子量1050のメソフェーズピッ
チを用い、実施例2と同様にして紡糸粘度30ポイズで
紡糸を行い、不融化、炭化(650℃)、粉砕を行い、
ミルド化炭素繊維を得た。この炭素繊維ミルドに、2倍
量の水酸化カリウムを加え、850℃で2時間賦活処理
を行った。
【0084】得られたミルド化活性炭素繊維のBET比
表面積は1200m2/gであった。また、このミルド
化活性炭素繊維をアルゴン雰囲気下2900℃で熱処理
を行ったところ、d002=0.3368nm、Lc=5
2nm、La=62nmであった。また、透過型電子顕
微鏡法による配向度は93%であった。このミルド化活
性炭素繊維に、導電材としてを10重量%のファーネス
ブッラク(電気化学社製、商品名:デンカブラック)、
バインダーとして8重量%のPVDFを各々加え、溶媒
としてN−メチル−2−ピロリドンを用いペーストを作
製した。このペーストをアルミ箔上に150μmの厚み
になるよう均一塗布し、120℃で減圧乾燥した後、ロ
ールプレスでプレスし0.73g/cm3の密度を有す
る電極シートを得た。
【0085】得られた電極シートを用い、実施例1と同
様にして、電気二重層キャパシタを作成し、0〜2.5
Vでのキャパシタ容量を測定したところ、42F/g
(31F/cm3)であった。
【0086】
【実施例5】紡糸粘度を12ポイズとし、賦活温度を7
20℃とした以外は、実施例2と同様にして、メソフェ
ーズピッチ系活性炭素繊維を製造したところ、そのBE
T比表面積は20m2/gであった。得られた活性炭素
繊維を、実施例1と同様にして黒鉛化処理したところ、
配向度は94%であり、d002=0.3365nm、L
c=63nm、La=75nmであった。
【0087】この活性炭素繊維を用い、実施例1と同様
にしてシート密度1.05の電極シートを作製し0〜
3.5Vでキャパシタ容量を測定したところ、32F/
g(34F/cm3)と優れたものであった。
【0088】
【比較例1】数平均分子量675、非メソ成分を20%
含む石炭系メソフェーズピッチを用い、実施例1と同様
にして、紡糸粘度80ポイズで紡糸を行い、引き続き不
融化し、600℃で炭化し、粉砕を行った後、750℃
でアルカリ賦活し、BET比表面積1800m2/gの
活性炭素繊維を得た。
【0089】得られた活性炭素を、実施例1と同様にし
て黒鉛化処理したところ、配向度がは89%であり、d
002=0.3417nm、Lc=8nm、La=9nm
であった。実施例1と同様にして、電極シートおよび電
気二重層キャパシタを作製し、キャバシタ容量を測定し
た。
【0090】得られた電極シート密度0.63g/cm
3で容量28F/g(18F/cm3)、と実施例に比べ
劣るものであった。
【0091】
【比較例2】実施例2と同様にして、紡糸粘度350ポ
イズで連続繊維状炭素繊維を作製した後、900℃でア
ルカリ賦活し、比表面積850m2/gの活性炭素繊維
を得た。得られた活性炭素繊維を、実施例1と同様にし
て黒鉛化処理したところ、配向度Pは87%であり、d
002=0.341nm、Lc=15nm、La=22n
mであった。
【0092】得られた活性炭素繊維を、実施例2と同様
にして、平均粒径25μmとなるよう粉砕し、電極シー
トを作製したところ密度は0.82g/cm3であっ
た。実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを作成
し、0〜2.5V間でのキャパシタ容量を測定したとこ
ろ、28F/g(23F/cm3)と実施例に比べて劣
る容量であった。
【0093】
【比較例3】炭化工程時に、原料ピッチを350℃の温
度で攪拌しつつ12時間保持した後、0.5℃/分の昇
温速度で700℃まで昇温する以外は実施例1と同様に
してメソフェーズピッチを熱処理した。この時の膨張率
は180%であった。得られたメソフェーズピッチ系炭
化物を、実施例1と同様にして、粉砕した後、アルカリ
賦活した。
【0094】得られた活性炭の比表面積は420m2
gであった。また、この活性炭を、実施例1と同様にし
て、黒鉛化処理したところ、配向度は83%であり、d
002=0.3405nm、Lc=7nm、La=9nm
であった。得られた活性炭を用い、実施例1と同様にし
て、電極シートおよび電気二重層キャパシタを作製し、
キャパシタ容量を測定した。また、この活性炭を285
0℃で黒鉛化処理した後、配向度P、結晶化度を測定し
た。得られた電極シート密度は0.90g/cm3であ
ったが、容量は21F/g(19F/cm3)と実施例
に比べ劣るものであった。
【0095】
【比較例4】市販のフェノール樹脂を原料とした水蒸気
賦活活性炭(「BP12」、鐘紡株式会社製、BET比
表面積=1250m2/g)を用い、実施例1と同様に
して、電極シートおよび電気二重層キャパシタを作製
し、0〜2.5Vにおけるキャパシタ容量を測定した。
【0096】その結果、重量当たりのキャパシタ容量=
25F/g、シート密度=0.75g/cm3、体積当
たりのキャパシタ容量=19F/cm3と実施例に比べ
劣るものであった。また、この活性炭を、2850℃で
黒鉛化処理したところ、X線回折測定値は、d002=
0.358nm、Lc=2nmであったが、Laは11
0面のピークが弱く測定不能であった。また、配向度P
もバラツキが多く測定不能であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aは、本発明を適用し得る電気二重層キャ
パシタの一態様を示す斜視図である。
【図2】図1Bは、本発明を適用し得る電気二重層キャ
パシタの一態様を示す平面図である。
【図3】図1Cは、図1BのC−C線断面矢視図であ
る。
【符号の説明】
1...電気二重層キャパシタ 5,6...電極シート 7,8...アルミメッシュ 11...セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G046 CA07 CB01 CB09 CC03 EA02 EA06 EC02 EC06 HA07 HB03 HB05 HC03 HC12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】BET比表面積が10m2/g以上である
    とともに、 2800℃以上の温度で再熱処理を行ったとき、X線回
    折法で測定した黒鉛結晶の格子面間隔(d002)が0.
    34nm以下であり、c軸方向の結晶子厚さ(Lc)が1
    0nm以上であり、かつa軸方向の結晶子の大きさ(L
    a)が10nm以上であることを特徴とする活性炭。
  2. 【請求項2】BET比表面積が10m2/g以上150
    0m2/g以下であり、かつ前記再熱処理を行ったと
    き、黒鉛層の配向度Pが88%以上であることを特徴と
    する請求項1記載の活性炭。
  3. 【請求項3】易黒鉛化系炭素材を賦活して得られること
    を特徴とする請求項1または2に記載の活性炭。
  4. 【請求項4】メソフェーズピッチ系炭素繊維を賦活して
    得られることを特徴とする請求項3に記載の活性炭。
  5. 【請求項5】易黒鉛化炭素前駆体を膨張率が200%以
    上になるように1000℃以下の温度で炭化した後に粉
    砕し、 得られた炭化物粉体を、アルカリ金属化合物の存在下、
    1000℃以下の温度で賦活することを特徴とする活性
    炭の製造方法。
  6. 【請求項6】数平均分子量が700以上1200以下の
    メソフェーズピッチを、粘度300ポイズ以下で紡糸
    し、 得られたピッチ繊維を不融化し、次いで1000℃以下
    の温度で炭化した後、得られた炭素繊維を、アルカリ金
    属化合物の存在下、1000℃以下の温度で賦活するこ
    とを特徴とする活性炭の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜4のいずれかに記載の活性炭を
    含み、かつ密度が0.7g/cm3以上であることを特
    徴とする電気二重層キャパシタ用電極。
  8. 【請求項8】請求項7記載の電極を備えることを特徴と
    する電気二重層キャパシタ。
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