JP4072947B2 - 活性炭素繊維の製造方法およびそれを用いた電気二重層キャパシタ - Google Patents

活性炭素繊維の製造方法およびそれを用いた電気二重層キャパシタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性炭素繊維の製造方法に関し、さらに詳しくは、メソフェーズピッチ系炭素繊維をアルカリ金属化合物で処理する活性炭素繊維の製造方法に関する。本発明の製造方法にて得られる活性炭素繊維は、高性能電気二重層キャパシタの電極材として用いるのに好適である他、吸着や浄水などの活性炭としての利用分野においても好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やノート型パソコンなどの新しい電子機器が次々に出現し、これら商品の小型軽量化、携帯化などの開発競争から、それに内蔵されるICメモリやマイコンなども小型高性能化が進んでいる。ところが、このようなICメモリなどの素子やマイコンは、電力瞬断時に電子機器のメモリ消却や機能停止などの誤作動を起こす恐れがある。実際、コンピューター機器は、適切な対策を講じなければ10〜20%のわずかな電圧低下であっても、電圧低下が0.003〜0.02秒間続くだけで、機能停止やメモリ喪失などが起こり、電子機器の機能が麻痺してしまう。
【0003】
この対策として、Ni−Cd電池やアルミ電解コンデンサがバックアップ電源として用いられてきた。しかし、これらの電源は使用温度範囲、充放電のサイクル回数、容量、急速充放電性およびコストなどの点で充分なものではなかった。
この市場ニーズに応え開発されたものが電気二重層キャパシタである。当初、電気二重層キャパシタには活性炭が電極材として用いられてきたが、最近、より高比表面積を有する活性炭素繊維を用いた電気二重層キャパシタが注目されるようになってきている。
【0004】
さらに従来の小電力分野から電気自動車用バッテリーの補助電源などの大容量分野への応用が考えられ、一部、減速時の回生運動エネルギーをキャパシタに充電し、加速時に逆に放電してエンジンの出力の補助をさせるという目的でキャパシタを搭載した乗用車が参考出品の段階に来ている。
電気二重層の研究の歴史は古く1879年のHelmholtzに遡ることができる。一般に、異なる二層が接触すると、界面に正、負の電荷が短距離を隔てて配列する。この界面にできた電荷分布を電気二重層と呼ぶ。
【0005】
電気二重層キャパシタは、この電気二重層に電圧を加えて電荷を蓄積するものである。しかし、実用化には長時間を要し、ようやく1980年代の初めになって、この原理を用いたファラッド単位の大容量コンデンサの出現をみた。
電気二重層キャパシタは、電極表面と電解液との界面に形成される電気二重層を利用した大容量のコンデンサであり、充放電に通常の二次電池のような化学反応を伴わない。このために、二次電池と比較して内部抵抗が格段に低く大電流放電が可能である。さらに、充放電回数の制限が無いという特徴も有している。
【0006】
しかし、電気二重層キャパシタの最大の問題点は、二次電池に比べてエネルギー密度が低いという点であって、この点を改良すべく現在各種の検討がなされている。
電気二重層キャパシタには、プロピレンカーボネートなどの有機系極性溶媒に過塩素酸リチウムあるいは4級アンモニウム塩などの電解質を溶解させた有機溶媒系電解液を使用するものと、硫酸水溶液あるいは水酸化カリウム水溶液のような水溶液系電解液を使用するものとの、大きく分けて2種類が存在する。
【0007】
水溶液系電解液を使用した場合には、キャパシタの容量を、有機溶媒系電解液を使用した場合の約1.3倍から2倍に上げることができ、さらに内部抵抗を1/5から1/10に下げることができる。
水溶液系電解液を使用した場合に内部抵抗を下げることができる理由は、水溶液系電解液の電気抵抗が低いことに起因しているが、水溶液系電解液を使用する場合には、電圧を1V余りまでにしか上げることができないため体積当たりの蓄電エネルギー量は少ないという短所も併せ持っている。
【0008】
一方、有機溶媒系電解液を使用した場合には、電気二重層キャパシタの電圧を最高3V以上まで上げることができることから、キャパシタの体積当たりの蓄電エネルギー量(蓄電エネルギー量=1/2CV2で与えられる。C:キャパシタ容量、V:電圧)を上げることが可能であるため、容積当たりのエネルギーの高密度化という観点からは、有機溶媒系電解液の方が有利である。
【0009】
これらの電気二重層キャパシタの電極材料としては、比表面積の大きな活性炭や活性炭素繊維が最適と考えられ、各方面で炭素材料の最適化の研究が盛んである。
電気二重層キャパシタの電極材は、通常、ヤシ殻、石炭やフェノール樹脂などの難黒鉛系炭素材(いわゆる、ハードカーボン)を原料とし、水蒸気や二酸化炭素などによるガス賦活により得られる高比表面積の活性炭を用いて製造されている。このような活性炭を電極材として用いた電気二重層キャパシタでは、炭素材と水蒸気や二酸化炭素などとの反応による脱炭素現象によって得られた細孔により、電気二重層が形成される界面を増加させて、単位重量当たりの充放電容量を向上させることができる。
【0010】
しかし、一般的に、単位重量当たりの放電容量が大きな電気二重層キャパシタ用電極を得るためには、BET法で2000m2/g以上の比表面積を有する活性炭が必要とされ、この場合、賦活収率が20重量%以下まで低下するような賦活処理が必要となり、得られる活性炭の製造コストを上昇させるだけでなく、活性炭そのものの嵩密度が低く、電極材としての嵩密度を高くできないなどの問題点を有している。
【0011】
また、本発明者らの測定によると、これら難黒鉛系炭素材を原料とし、かつBET比表面積が2000m2/gの活性炭を用いた電極材の有機溶媒系での放電容量は、30F/g程度であり、この値は、上記比表面積から期待される値には達していない。これは、BET法で示される比表面積がすべて電気二重層の形成に利用されているわけではないことを示しているものと考えられる。
【0012】
ところで、活性炭の製造において、比表面積を大きくするために炭素繊維をアルカリ金属化合物の共存下にて賦活する方法(以下、アルカリ賦活という)が提案されている(特開平1−139865号公報参照)。
また、この技術をピッチなどの易黒鉛系炭素材、特に、メソフェーズピッチを炭化して得た炭素材に使用する試みがなされている。例えば、特開平5−247731号公報では、メソフェーズを50%以上含むピッチ(以下、メソフェーズピッチという)を紡糸して得たピッチ繊維を不融化・炭化し、得られた炭素繊維(以下、メソフェーズピッチ系炭素繊維ということがある)をアルカリ賦活する、高比表面積(特に、2000m2/g以上)の活性炭素繊維の製造法が開示されている。
【0013】
さらに、近年では、易黒鉛系炭素材をアルカリ賦活して得た活性炭素繊維を、電気二重層キャパシタ用の電極材として用いることが試みられている。例えば、特開平5−258996号公報には、メソフェーズピッチ系炭素繊維をアルカリ賦活して得た、比表面積3000m2/g以上の活性炭素繊維を、水または酸類で脱灰した後、繊維の形状が残らない程度に粉砕、成形してなる電気二重層コンデンサー用電極、メソフェーズピッチ系炭素繊維をアルカリ賦活して得られる比表面積500〜2000m2/gの活性炭素繊維を電極材として用いた電気二重層キャパシタ(特開平10−121336号公報参照)、および特定の方法で得られたメソフェーズピッチ系炭素繊維を粉砕した後に、アルカリ賦活して得られ、かつ特定の細孔分布を有する活性炭素繊維を電極材として用いた電気二重層キャパシタ(特開平11−222732号参照)が提案されている。
【0014】
このような活性炭素繊維は、電極材として用いた場合に、従来の活性炭素繊維と比較して、比表面積が小さくても高い充放電特性が得られるため、単位体積当たりの充放電容量を向上させ得るという利点がある。したがって、電気二重層キャパシタの電極材として用いた場合に、活物質単位重量当たりの静電容量および単位体積当たりの静電容量の高い活性炭素繊維の出現が切望されているとともに、そのような活性炭素繊維を製造し得る方法も切望されているのが現状である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術の欠点を解消し、特に電気二重層キャパシタの電極材として用いた場合、活物質単位重量当たりの静電容量および単位体積当たりの静電容量の高い電極材となり得る活性炭素繊維の製造方法を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、種々の研究を重ねた結果、メソフェーズピッチを原料として用いて、紡糸工程、不融化工程、炭化工程、粉砕工程、アルカリ賦活工程、洗浄工程および乾燥工程の各工程を、その順序にて行って活性炭素繊維を製造することにより、特に電気二重層キャパシタの電極材として用いた場合に、単位体積当たりの静電容量の高い電極材となり得る活性炭素繊維が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0017】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、メソフェーズピッチを原料として用いて、紡糸工程、不融化工程、炭化工程、粉砕工程、アルカリ賦活工程、洗浄工程および乾燥工程の各工程を、その順序にて行う活性炭素繊維の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、メソフェーズピッチの温度300〜380℃における粘度が50〜50,000cpであり、軟化点が250〜320℃であり、メソフェーズ含有率が70%以上であり、金属不純物含有量が1,000重量ppm以下である活性炭素繊維の製造方法が提供される。
【0018】
また、本発明の第3の発明によれば、第1または第2の発明において、紡糸工程における紡糸温度が300〜380℃であり、かつ得られたピッチ繊維の直径が5〜20μmである活性炭素繊維の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1ないし第3のいずれかの発明において、不融化工程を酸素含有ガス雰囲気中において、不融化温度250〜350℃にて行い、かつ得られた不融化繊維の不融化度が20重量%以下である活性炭素繊維の製造方法が提供される。
【0019】
また、本発明の第5の発明によれば、第1ないし第4のいずれかの発明において、炭化工程を不活性ガス雰囲気中において、炭化温度500〜900℃にて行い、かつ得られた炭素繊維の真密度が1.30〜1.80g/cm3であり、X線回折により測定された面間隔が0.345〜0.365nmであり、C/H原子比が2〜8である活性炭素繊維の製造方法が提供される。
【0020】
また、本発明の第6の発明によれば、第1ないし第5のいずれかの発明において、粉砕工程において得られた炭素繊維粉砕物のレーザー回折法により測定された平均粒径が1〜100μmであり、金属不純物含有量が1,000重量ppm以下である活性炭素繊維の製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1ないし第6のいずれかの発明において、粉砕工程において得られた炭素繊維粉砕物に、該炭素繊維粉砕物に対する重量比にて1.5〜2.5倍のアルカリ金属化合物を混合し、不活性ガス雰囲気中、350〜500℃で2〜4時間保持した後、昇温速度300℃以上で700〜800℃まで昇温し、その温度で2〜4時間保持する活性炭素繊維の製造方法が提供される。
【0021】
さらに、本発明の第8の発明によれば、第1ないし第7のいずれかの発明における活性炭素繊維の製造方法で得られた活性炭素繊維を電極として用いる電気二重層キャパシタが提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
(I)活性炭素繊維の製造方法
本発明に係るメソフェーズ系活性炭素繊維の製造方法では、(1)メソフェーズピッチを原料として用い(A)紡糸工程、(B)不融化工程、(C)炭化工程、(D)粉砕工程、(E)アルカリ賦活工程(F)洗浄工程および(J)乾燥工程の各工程を含み、各工程をその順序にて行う。
【0023】
以下、本発明の活性炭素繊維の製造方法を詳細に説明する。
(1)メソフェーズピッチ
本発明の活性炭素繊維の製造方法において、原料として用いられるメソフェーズピッチは石油、石炭など、さまざまな原料から製造される。本発明においては、導電性が高い光学的異方性相(メソフェーズ)を含有するメソフェーズピッチを活性炭素繊維の原料として用いる。さらに、本発明者らが、ピッチ性状とキャパシタ容量との関係を鋭意検討した結果、偏光顕微鏡観察により測定される光学的等方性成分を全く含まない光学的異方性相(メソフェーズ)が100%であるメソフェーズピッチを使用することが、特に好ましいことが分かった。すなわち、光学的等方性成分が混在したメソフェーズピッチを使用した場合、ピッチ構造が不均一となり、アルカリ賦活反応が不均一化することにより細孔構造の制御が難しくなり、また、紡糸性・不融化性も悪化する傾向が見られる。
【0024】
本発明で用いられるメソフェーズピッチは、温度300〜380℃における粘度が50〜50,000cpであり、軟化点が250〜320℃であり、メソフェーズ含有率が70%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは100%であり、金属不純物含有量が1,000重量ppm以下である。
メソフェーズピッチの温度300〜380℃における粘度が50cp未満であると粘度が低く曳糸性が失われるため繊維形状が得られなくなり、一方、50,000cpを超えると粘度が高すぎて紡糸ノズルから射出できない状態となるため、いずれも好ましくない。
【0025】
また、その軟化点が250℃未満であると不融化が困難となり、一方、320℃を超えると紡糸温度が高くなるため紡糸中に炭化反応が進行し紡糸が困難となるため、いずれも好ましくない。
さらに、メソフェーズ含有率が70%未満であると、ピッチ構造が不均一となり紡糸性および不融化性が悪化するとともに、アルカリ賦活反応においても不均一化が起こり細孔構造の制御が困難となるため好ましくない。
【0026】
さらに、その金属不純物含有量が1,000重量ppmを超えると、賦活後の活性炭素繊維中に残留する金属分が多くなり、キャパシタ電極性能が低下するため好ましくない。
(A)紡糸工程
紡糸方法は、従来の溶融紡糸、遠心紡糸、渦流紡糸などに限定されるものではないが、メルトブロー紡糸法を用いることが好ましい。メソフェーズピッチ系炭素繊維においては、繊維内部における黒鉛層面の配向が重要であり、この配向の程度は、紡糸工程時のピッチ粘度、紡糸速度、冷却速度、ノズル構造などによってほぼ制御される。
【0027】
また、後工程であるアルカリ賦活工程においては、アルカリ金属化合物が黒鉛層間を押し広げて進入することが重要な要因と考えられ、よりスムーズにアルカリ賦活を促進するためには、アルカリ金属化合物が進入し易い黒鉛層端面が繊維表面に存在する構造が好適である。さらに、黒鉛層面の配向構造は、アルカリ賦活収率にも影響を与えると推測される。これらに加え、紡糸装置の建設費や運転費などの製造コスト面および糸径の制御などの品質面も勘案し、総合的にメルトブロー紡糸法が好ましい。さらに、このメルトブロー紡糸法は、特にマット、フェルト状の炭素繊維集合体を製造するのに適している。
【0028】
本発明の紡糸工程においては、温度300〜380℃にて紡糸が行われ、該工程で得られるピッチ繊維の直径は、5〜20μmである。
上記紡糸温度が300℃未満であると紡糸温度が低すぎてピッチの曳糸性が失われるため繊維形状が得られなくなり、一方、380℃を超えると紡糸中にピッチの炭化が進行し紡糸が困難となるため、いずれも好ましくない。
【0029】
また、紡糸工程で得られるピッチ繊維の直径が5μm未満であると繊維径の制御が難しく繊維径が不均一となり、一方、20μmを超えると繊維内部までの賦活が起こりにくくなり活性炭素繊維の物性が不均一となるため、いずれも好ましくない。
(B)不融化工程
メソフェーズピッチは熱可塑性有機化合物であり、繊維形態を保持したまま熱処理(炭化処理)するためには、紡糸工程の後、不融化処理が必要である。この不融化工程は、常法により液相または気相で連続的に不融化処理することが可能であるが、空気、酸素、二酸化窒素 などの酸素含有ガス雰囲気中で行う。たとえば、空気中での不融化処理においては、平均昇温速度1〜15℃/分、好ましくは3〜12℃/分で、処理温度範囲250〜350℃、より好ましくは280〜330℃で行われる。該不融化処理時間は、15分〜5時間程度でよい。上記不融化工程は本発明において必須の工程であり、不融化工程を経ない、すなわち紡糸したままのピッチ繊維を用いて、アルカリ金属化合物と均一混合して熱処理するアルカリ賦活処理を行うと、ピッチ繊維が再溶融するため紡糸工程において形成された黒鉛層面の配向を乱すばかりでなく、極端な場合は繊維形状を無くしてしまうことがある。
【0030】
上記不融化温度が250℃未満であると不融化の反応速度が遅いため不融化工程に長時間を要し、不融化が十分に達成されない可能性があり、一方、350℃を超えると燃焼反応が起こり炭素繊維が燃える可能性があるため、いずれも好ましくない。
また、不融化工程で得られる不融化繊維の不融化度が20重量%を超えると酸素が過度に付加しているため、その後の炭化工程での収率が著しく低下するので好ましくない。なお、不融化度とは、以下の数式によって算出された値である。
【0031】
不融化度(%)=(不融化後の繊維重量−不融化前の繊維重量)/(不融化前の繊維重量)×100
(C)炭化工程
上記のようにして得られた不融化繊維は、そのままでもアルカリ賦活工程に供することもできるが、本発明の製造方法においてはアルカリ賦活処理前に炭化処理を行う。すなわち、上記で得られた不融化繊維は低揮発分を多く含むため、アルカリ賦活工程での賦活収率が低くなるだけでなく、アルカリ賦活反応において揮発するタール状物が反応系内を汚染することがあるため、これらの低揮発分を炭化により予め除去する必要がある。炭化工程は窒素などの不活性ガス雰囲気中で行われるが、処理温度範囲は500〜900℃、より好ましくは600〜900℃である。この炭化処理温度が500℃未満であると低揮発分の除去が不十分であり、一方、900℃を超えると、炭素繊維の黒鉛構造が発達しすぎ、後工程でのアルカリ賦活速度が極端に遅くなり反応に長時間を要するばかりか、炭化コストが増加する観点よりも好ましくない。このため、高い導電性が必要な特殊な用途以外においては、1000℃以下、より好ましくは900℃以下の軽度な炭化が好ましい。該炭化処理時間は、1〜4時間程度でよい。
【0032】
また、炭化工程で得られる炭素繊維の真密度は1.30〜1.80g/cm3であり、X線回折により測定される面間隔は0.345〜0.365nmであり、C/H原子比は2〜8である。
上記炭素繊維の真密度が1.30g/cm3未満であると賦活反応速度が非常に高く、反応を制御することが困難となり、一方、1.80g/cm3を超えると炭化が過度に進行して炭素の反応性が低下し賦活反応が困難となるため、いずれも好ましくない。
【0033】
また、X線回折により測定される面間隔が0.345nm未満であるとアルカリ金属が面間を通って内部へ浸透し難くなるため賦活が均一に進行しなくなり、一方、0.365nmを超えると反応速度が高くなり過ぎて賦活反応の制御が困難となるため、いずれも好ましくない。
さらに、C/H原子比が2未満であると炭素構造が未発達であり賦活が過度に進行し、一方、8を超えると炭素骨格構造が過度に発達し賦活反応が進行し難くなるため、いずれも好ましくない。
【0034】
(D)粉砕工程
上記のようにして得られた炭化繊維は、マット、フェルト状のままにて賦活して電極材とすることもできるが、本発明の製造方法においては、賦活助材であるアルカリ金属化合物との均一混合、賦活反応による比表面の均一性および電極材の嵩密度を向上させるためにアルカリ賦活工程前に粉砕処理(ミルド化)を行う。この場合、レーザー回折方式による平均粒径で表示すれば、1〜100μmに粉砕し、より好ましくは10〜30μmに粉砕する。平均粒径が1μm未満であると、均一なアルカリ賦活が困難となり、一方、100μmを超えると電極材の嵩密度が大きくならないので、いずれも好ましくない。
【0035】
炭素繊維粉砕物の金属不純物含有量は1,000重量ppm以下であり、該金属不純物含有量が1,000重量ppmを超えるとキャパシタ電極性能が低下するので、好ましくない。
ミルド化の方法としては、ビクトリーミル、ジェットミル、高速回転ミルなどを用いることが有効である。また、ミルド化には、ヘンシェルミキサーやボールミル、擂潰機などを用いる方法もあるが、これらの方法によると繊維の直径方向への加圧力が働き、繊維軸方向への縦割れの発生が多くなりアルカリ賦活の効率および均一性を低下させるので好ましくない。また、ミルド化に長時間を要し適切なミルド化方法とは言い難い。ミルド化を効率よく行うためには、たとえばブレードを取付けたローターを高速で回転することにより、繊維を寸断する方法が適切である。繊維長は、ローターの回転数、ブレードの角度などを調整することによりコントロールすることが可能である。
【0036】
(E)アルカリ賦活工程
本発明におけるアルカリ賦活工程で用いられるアルカリ金属化合物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、亜硝酸カリウム、硫酸カリウムおよび塩化カリウムなどを例示でき、中でも水酸化カリウムが特に好ましい。
【0037】
このようなアルカリ金属化合物は、炭化繊維粉砕物に対する重量比にて1.5〜2.5(倍)、好ましくは1.8〜2.2(倍)の量で用いる。
アルカリ金属化合物の重量比が1.5(倍)未満では得られる活性炭素繊維の細孔形成の効率が低下する傾向があり、一方、重量比が2.5(倍)を超えて添加してもその効果が得られず、中和などの後処理工程のコスト増となり、また装置の保守性および安全性の面からも好ましくない。
【0038】
アルカリ賦活処理は、具体的に、このような重量比の炭化繊維粉砕物とアルカリ金属化合物とを均一に混合した後、窒素などの不活性ガス中、350〜500℃、好ましくは380〜450℃にて、好ましくは2〜4時間、さらに好ましくは2〜3時間保持した後、昇温速度300℃/時間以上、好ましくは400℃/時間以上、さらに好ましくは500℃/時間以上にて700〜800℃、好ましくは730〜770℃まで昇温して、その温度にて好ましくは2〜4時間、さらに好ましくは2〜3時間保持することにより行う。
【0039】
炭化繊維粉砕物とアルカリ金属化合物とを均一に混合後、不活性ガス中における保持温度が350℃未満であるとアルカリ金属化合物中の水分の除去が不十分となり、その後の昇温で著しく発泡する。一方、500℃を超えると脱水と賦活反応が同時に進行し、性能が低下する。また、その時の保持時間が2時間未満であると脱水が不十分であり、一方、4時間を超えても、その効果は変わらないため、いずれも好ましくない。さらに、昇温後の保持温度が700℃未満であると賦活反応が十分に進行せず、容量が発現しない。一方、800℃を超えると炭化が進行し、賦活により形成された細孔が収縮して容量が低下する。また、その時の保持時間が2時間未満であると賦活反応が不十分であり、一方、4時間を超えても賦活が終了しておりその効果が見られないので、いずれも好ましくない。
【0040】
上記アルカリ賦活処理には、トレーなどの賦活反応容器を使用する。賦活反応容器は、加熱・昇温を行う反応炉に投入し、上記の温度条件下にて賦活処理を行うが、該反応炉はバッチ式、連続式の制限はない。たとえば、ボックス炉、ベルト炉、トレープレッシャー炉などを使用することが可能である。
すなわち、アルカリ賦活処理は、通常、ニッケル製のアルカリ賦活反応容器に反応体である炭化繊維粉砕物とアルカリ金属化合物との混合物を導入し、該反応容器全体を窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気の反応炉内にて、加熱・昇温することにより行う。
【0041】
(F)洗浄工程
上記のようにして得られた活性炭素繊維は、常温に冷却した後、たとえば温水および温塩酸水などによる洗浄にて未反応のアルカリ金属化合物を除去するとともに、含有する遷移金属および/または遷移金属化合物を低減させる。なお、遷移金属および/または遷移金属化合物含有量は、活性炭素繊維を700℃の空気中で灰化した後、灰分を酸で溶解してICP発光分光法を用いて測定する。
【0042】
上記アルカリ賦活工程にて使用した未反応のアルカリ金属化合物の除去は、たとえば50〜90℃の温水を、活性炭素繊維100重量部に対して100〜1500重量部用いて1〜3回、バッチ式にて洗浄することにより行う。
また、上記洗浄後のアルカリ金属化合物の中和は、たとえば0.1〜6規定、40〜60℃の塩酸水などを、活性炭素繊維100重量部に対して100〜1500重量部用いて1〜3回、バッチ式にて洗浄することにより行う。
【0043】
さらに、最終の脱塩酸洗浄として、たとえば50〜90℃の温水を、活性炭素繊維100重量部に対して100〜1500重量部用いて1〜5回、バッチ式にて洗浄することが望ましい。
(J)乾燥工程
上記の洗浄工程後、活性炭素繊維を乾燥処理する。乾燥は、常圧あるいは減圧下で110〜150℃にて1〜24時間の条件で行えばよい。
【0044】
このようにして得られた活性炭素繊維は、BET比表面積で300m2 /g以上、好ましくは500〜2800m2 /g、より好ましくは600〜2500m2 /gの比表面積を有するメソフェーズピッチ系活性炭素繊維であり電気二重層キャパシタ用の電極材として優れた特性を示す。該BET比表面積が300m2 /g未満では充分な放電容量が得られず、またその上限は特に制限されないが、いたずらに比表面積を大きくしてもキャパシタ容量はそれに比例して大きくならず賦活に時間がかかるばかりでなく、賦活収率が低下するため好ましくなく、通常2800m2 /g以下である。比表面積は、窒素吸着によるBET法により測定し、測定精度を考慮して一の位を四捨五入して十の桁から表示した値である。
【0045】
(II)電気二重層キャパシタ
本発明に係る電気二重層キャパシタは、以上説明した活性炭素繊維を含む電極を備えている。
本発明において、電極を作製する方法は特に限定されず、従来知られている電極の製造法を使用することができる。
【0046】
たとえば、本発明の電極は、上記の活性炭素繊維に、ポリエチレンやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのバインダーを添加して混合し、得られた混合物を加圧ロール成形にてシート状あるいは板状に成形して製造することが可能である。
このような電極を製造する際に、導電材料としての黒鉛粉やアセチレンブラックなどのカーボンブラックなどを添加することもできる。
【0047】
このようにして作成された電極は所望の大きさ、形状に切断し、セパレータを両極の間に介在させ、容器に挿入後、電解液を注入し、封口板、ガスケットを用いて封口をかしめて単極セルとすることができる。
このような電気二重層キャパシタの電解液としては、高電圧を適用できる有機溶媒系電解液が好ましい。
【0048】
有機溶媒としては、たとえば、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド、アセトニトリル、エチレンカーボネート、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどを挙げることができる。これらの有機溶媒は、1種または2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0049】
また、このような有機溶媒に溶解される電解質としては、金属の陽イオン;アンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオンおよびテトラエチルアンモニウムイオンなどの4級アンモニウムカチオン;およびカルボニウムカチオンなどの陽イオンと適当な陰イオンとの塩を挙げることができる。
このような陰イオンとしては、ClO4 -、BF4 -、PF4 -、PF6 -、AsF6 -などが挙げられる。
【0050】
具体的な電解質としては、例えば、LiClO4、NaBF4、Et4N・BF4(式中Etはエチル基である)などが挙げられる。
また、本発明に係る活性炭素繊維は、電気二重層を形成した場合の単位重量当たりの放電容量が、20〜45F/g、特に30〜45F/gであることが望ましい。
【0051】
【実施例】
以下本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
【0052】
【実施例1】
(1)活性炭素繊維の製造
軟化点が285℃であるメソフェーズピッチを原料として用い、紡糸温度350℃にて平均繊維直径12μmの不織布状ピッチ繊維を得た。当該ピッチ繊維を空気中、320℃にて0.5時間不融化処理した。得られた繊維の不融化度は、6重量%であった。さらに、得られた不融化繊維を窒素ガス雰囲気中、800℃にて1時間炭化処理することにより、真密度が1.55g/cm3であり、面間隔が0.355nmであり、C/H原子比が4である炭化繊維を得た。さらに、当該炭化繊維を高速回転ミルにて粉砕することにより、レーザー回折法による平均粒径25μm、累積粒度分布から求めた平均粒径30μmの炭素繊維ミルドを得た。
【0053】
上記で得られた炭素繊維ミルドと水酸化カリウムとを、1:2の重量比で混合し、窒素ガス雰囲気中、400℃にて3時間、さらに800℃にて2時間アルカル賦活処理を行った。その後、さらに90℃の温水、15重量倍での脱アルカリ洗浄を3回、1規定で60℃、15重量倍での塩酸洗浄を3回および90℃の温水、15重量倍での脱塩酸洗浄を3回行った後、空気中、110℃にて24時間、乾燥を行った。
【0054】
得られた活性炭素繊維のBET比表面積は800m2/gであり、細孔径は0.80nmであり、細孔容積は0.35ml/gであった。
(2)電気二重層キャパシタの製造
上記の活性炭素繊維に導電フィラーとしての黒鉛粉末および結着剤としてのPTFEを重量比にて81:9:10となるように混練後、該混練物を圧延することにより、厚さ150μm、電極密度0.85g/ccの電極シートを作成した。該電極シートから直径18mmの2枚の分極性電極3,4を切り出し、これら2枚の分極性電極と、直径20mm、厚さ75μmのPTFE製セパレータ5、電解液などを用いて図1のボタン型電気二重層キャパシタを製造した。電解液としては、1.8M(mol/liter)のトリエチルメチルアンモニウム・テトラフルオロボレート[(C253CH3NBF4]のプロピレンカーボネート溶液を用いた。
【0055】
得られた電気二重層キャパシタを用いて充放電試験を行った結果、活物質単位重量当たりの静電容量は、40F/gであり、単位体積当たりの静電容量は、34F/ccであった。
【0056】
【比較例1】
(1)活性炭の製造
回転か焼装置に20メッシュの篩を通した石油精製コークス100重量部と、含水率15重量%の粒状水酸化カリウム200重量部とを仕込み、窒素ガス雰囲気下にて700℃まで昇温して、攪拌下にて約2時間活性化(アルカリ賦活)のための加熱処理を行った。その後、生成物を冷却して、水で十分に洗浄してから真空炉内にて、110℃で24時間加熱して乾燥を行った。
【0057】
得られた活性炭のBET比表面積は900m2/gであり、細孔径は0.78nmであり、細孔容積は0.38ml/gであった。
(2)電気二重層キャパシタの製造
実施例1と同様の方法にて電極シートを作成し、厚さ150μm、電極密度0.83g/ccの電極シートを得た。該電極シートを用いて実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを製造した。
【0058】
得られた電気二重層キャパシタを用いて充放電試験を行った結果、活物質単位重量当たりの静電容量は、25.5F/gであり、単位体積当たりの静電容量は、21.1F/ccであった。
【0059】
【発明の効果】
本発明の活性炭素繊維の製造方法によれば、繊維径が一定である炭素繊維粉砕物をアルカリ賦活処理しているので、繊維内部まで均一に賦活反応が進行し、粒子間のバラツキが小さい。その結果、該活性炭素繊維を電気二重層キャパシタの電極材として用いた場合、単位重量当たりの静電容量が向上する。
【0060】
また、本発明の活性炭素繊維の製造方法によれば、メソフェーズピッチを原料として用いているので、分極性電極としての導電性が高く、かつ等方性材料と比べて高い電極密度が得られる。その結果、該活性炭素繊維を電気二重層キャパシタの電極材として用いた場合、単位体積当たりの静電容量が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 断面図
【符号の説明】
1,2. 集電極
3,4. 分極性電極
5. セパレータ
6. ガスケット
7. ケース

Claims (7)

  1. メソフェーズピッチを原料として用いて、紡糸工程、不融化工程、炭化工程、粉砕工程、アルカリ賦活工程、洗浄工程および乾燥工程の各工程を、その順序にて行う活性炭素繊維の製造方法において、該粉砕工程にて得られた炭素繊維粉砕物に、該炭素繊維粉砕物に対する重量比にて1.5〜2.5倍のアルカリ金属化合物を混合し、不活性ガス雰囲気中、350〜500℃で2〜4時間保持した後、昇温速度300℃以上で700〜800℃まで昇温し、その温度で2〜4時間保持することを特徴とする活性炭素繊維の製造方法。
  2. 上記メソフェーズピッチの温度300〜380℃における粘度が50〜50,000cpであり、軟化点が250〜320℃であり、メソフェーズ含有率が70%以上であり、金属不純物含有量が1,000重量ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の活性炭素繊維の製造方法。
  3. 上記紡糸工程における紡糸温度が300〜380℃であり、かつ得られたピッチ繊維の直径が5〜20μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の活性炭素繊維の製造方法。
  4. 上記不融化工程を、酸素含有ガス雰囲気中において、不融化温度250〜350℃にて行い、かつ得られた不融化繊維の不融化度が20重量%以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の活性炭素繊維の製造方法。
  5. 上記炭化工程を、不活性ガス雰囲気中において、炭化温度500〜900℃にて行い、かつ得られた炭素繊維の真密度が1.30〜1.80g/cmであり、X線回折により測定された面間隔が0.345〜0.365nmであり、C/H原子比が2〜8であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の活性炭素繊維の製造方法。
  6. 上記粉砕工程において、得られた炭素繊維粉砕物のレーザー回折法により測定された平均粒径が1〜100μmであり、金属不純物含有量が1,000重量ppm以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の活性炭素繊維の製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の活性炭素繊維の製造方法により得られた活性炭素繊維を電極として用いることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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