JP2003077472A - リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料の製法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料の製法

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JP2003077472A JP2001270171A JP2001270171A JP2003077472A JP 2003077472 A JP2003077472 A JP 2003077472A JP 2001270171 A JP2001270171 A JP 2001270171A JP 2001270171 A JP2001270171 A JP 2001270171A JP 2003077472 A JP2003077472 A JP 2003077472A
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graphite
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Norimune Yamazaki
典宗 山崎
Hisafumi Kawamura
寿文 河村
Toshio Tamaki
敏夫 玉木
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Kashima Oil Co Ltd
Nippon Mining Holdings Inc
Eneos Corp
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Kashima Oil Co Ltd
Japan Energy Corp
Nikko Materials Co Ltd
PETOCA MATERIALS Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A) 炭素材をホウ素化合物の存在下
で黒鉛化処理して得られた特定の黒鉛構造を有し且つB
4Cを含有する黒鉛材料を、(B) 酸素ガス存在雰囲気下
で熱処理を行い、(C) 次いで酸化ホウ素を洗浄・除去す
る、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料の製造方
法。 (D) 更に、減圧熱処理を行い、残存ホウ素化合
物の除去。(A) 、(B) 段階に次いで、(C) ’減圧熱処
理を行い、酸化ホウ素と残存ホウ素化合物の除去。
黒鉛化処理がアルゴン雰囲気中で行う。 (A) 炭素材
がメソフェーズピッチ原料からのミルド化炭素繊維であ
る。 【効果】 電池の性能向上を阻害すると見られるホウ素
化合物を実質的に含有せず、安定して高い放電容量を示
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホウ素化合物(本
発明では、ホウ素単体も含む)の存在下で黒鉛化処理し
て得られるリチウム二次電池負極材用黒鉛材の製造技術
の改良に関する。更に、本発明は、ホウ素化合物の存在
下に黒鉛化処理された従来の黒鉛材料に比べて、高い放
電容量と充放電効率が安定して得られるリチウム二次電
池負極材用黒鉛材の製造方法に特徴を有する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルカリ金属、例えばリチウム
を負極活物質として用いた二次電池は、高エネルギー密
度及び高起電力である他、非水電解液を用いるために作
動温度範囲が広く、長期保存に優れ、さらに軽量小型で
ある等の多くの利点を有している。従って、このような
非水電解液リチウム二次電池は、携帯用電子機器電源を
はじめとして、電気自動車、電力貯蔵用などの高性能電
池としての実用化が期待されている。
【0003】このリチウム二次電池の負極材として、炭
素材或いは黒鉛材を利用することが検討されている。例
えば、炭素材としては、石炭、コークス、PAN系炭素
繊維、等方性ピッチ系炭素繊維等が検討されている。と
ころが、これら炭素材は黒鉛結晶子の大きさが小さく結
晶の配列も乱れているために充放電容量が不十分であ
り、充放電時の電流密度を高く設定すると電解液の分解
を生じ、サイクル寿命が低下するなど多くの問題点を有
していた。また、現在、天然黒鉛、上記炭素材等を黒鉛
化処理した人造黒鉛などの黒鉛材料がリチウムイオン二
次電池負極材として注目され、検討されている。天然黒
鉛にあっては、黒鉛化度が高い場合に、単位重量当たり
の充放電可能容量は相当に大きいが、無理なく取出せる
電流密度が小さく、また高電流密度での充放電を行うと
充放電効率が低下するという問題があった。また、従来
の人造黒鉛を用いた負極では、黒鉛化度を高めることに
より、全体としての黒鉛層間の容量が向上し、充放電容
量も向上させることができる。
【0004】このような黒鉛材料として、なかでも、特
開平6−168725号公報に開示されているように、
メソフェーズピッチを出発原料とした炭素繊維を黒鉛化
処理したものが、諸電池特性の測定結果から良好であっ
たことが指摘されている。しかしながら、これらの人造
黒鉛においても、やはり充放電容量、充放電効率などに
おいて十分満足のゆく材料は得られていない。
【0005】また、ホウ素を使用する試みも行われてい
る。例えば、特開平3−245458号公報は、フルフ
リルアルコール−無水マレイン酸共重合体或いはポリア
ミド系繊維を1200℃程度の低温焼成して得られかつ
0.1〜2.0重量%のホウ素を含有する炭素材又は炭
素繊維をリチウム二次電池の負極材として使用すること
を提案している。この場合に、残留ホウ素の増加によっ
ても充放電容量の増加は十分でなく、特に電池電圧の点
では何の改善も示していない。特開平5−251080
号公報には、天然黒鉛にH3BO3等を添加し1000℃
で焼成した炭素材がリチウムイオンを取り込み易くな
り、負極材として電池性能を向上することから最大10
重量%までホウ素を添加することが開示されているが、
その機構については何等解明されていない。
【0006】更に、特開平9−63584号公報、特開
平9−63585号公報において、ホウ素化合物の存在
下で黒鉛化処理して得られた、充放電容量が大きく、高
エネルギー密度を有し、充放電サイクル特性に優れた特
徴を持つリチウム系二次電池用黒鉛材が提案されてい
る。また、特開平8−31422号公報にも、ホウ素化
合物の存在下で黒鉛化処理することに関する同様の技術
が開示されている。しかしながら、ホウ素化合物の存在
下で黒鉛化処理を行った黒鉛材料は、充放電容量はある
程度向上するものの、黒鉛の理論容量(372mAh/
g)に対して十分高い値とは言えず、また充放電効率な
どの面において必ずしも期待されるほどの向上が見られ
ず、より一層の性能向上が望まれている。また、ホウ素
存在下での黒鉛化処理を窒素雰囲気下で行うと、黒鉛材
表面にホウ素が窒化ホウ素の形で取り込まれ、この窒化
ホウ素の存在が、電池容量の向上を阻害させるという問
題点も生じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の課題を解決し、ホウ素化合物の存在下で黒鉛化処
理して得られる黒鉛材料の性能の向上のため、黒鉛化度
を向上させて充放電容量を向上させると共に充放電効率
の面でも優れた特性を示すリチウムイオン二次電池負極
用黒鉛材料の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ホウ素化
合物の存在下で黒鉛化処理された黒鉛材料が特定の黒鉛
構造を有していて黒鉛化度が向上されて充放電容量を
従来にも増して向上させると共に、優れた充放電効率を
達成するために鋭意検討を行った結果、黒鉛化処理後に
再度熱処理を行うことが有効であることを見出し、本発
明を完成するに至った。即ち、本発明は: (A) ホウ素化合物の存在下で黒鉛化処理され、X線
回折による黒鉛層間距離(d002)が0.338nm以
下、(101)回折ピークの強度と(100)回折ピー
クの強度の比(P101/P100)が2.0以上であって、
且つB4Cを含有する黒鉛材料を、(B) 酸素ガス存在雰
囲気下で500℃以上900℃以下の温度で熱処理を行
い該黒鉛材料中の炭化ホウ素を酸化させて酸化ホウ素と
し、次いで(C) 該酸化ホウ素を洗浄により取り除く処理
を行う、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料の製造
方法を提供する。また、 更に、(D) 減圧下で1200℃以上の温度で熱処理
を行い、残存ホウ素化合物を取り除く処理を行う点にも
特徴を有する。また、
【0009】 (A) ホウ素化合物の存在下で黒鉛化処
理され、X線回折による黒鉛層間距離(d002)が0.
338nm以下、(101)回折ピークの強度と(10
0)回折ピークの強度の比(P101/P100)が2.0以
上であって、且つB4Cを含有する黒鉛材料を、(B) 酸
素ガス存在雰囲気下で500℃以上900℃以下の温度
で熱処理を行い該黒鉛材料中の炭化ホウ素を酸化させて
酸化ホウ素とし、次いで(C) ’減圧下で1,200℃以
上の温度で熱処理を行い該酸化ホウ素及び残存ホウ素化
合物を取り除く処理を行う、リチウムイオン二次電池負
極用黒鉛材料の製造方法を提供する。また、 ホウ素化合物存在下での黒鉛化処理が、アルゴン雰
囲気中で黒鉛化処理を行う、〜のいずれかに記載の
リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料の製造方法を提
供する。また、 ホウ素化合物の存在下で黒鉛化処理される炭素材
が、メソフェーズピッチを原料とし且つミルド化した炭
素繊維である点にも特徴を有する。また、 〜のいずれかに記載の製造方法により得られ
る、リチウムイオン二次電池負極用黒鉛材料を提供す
る。また、 記載の黒鉛材料を含んでなる、リチウムイオン二
次電池負極を提供する。 記載の負極を含んでなる、リチウムイオン二次電
池を提供する。
【0010】以下、本発明を具体的に説明する。 (1) 黒鉛化処理される材料 本発明における、ホウ素化合物の存在下で黒鉛化処理さ
れる材料としては、熱処理により黒鉛構造が発達するも
のであれば特に限定されるものではなく、また、形状も
繊維状、ミルド繊維状、ペーパー状、及びフィルム状の
炭素材やメソカーボンマイクロビーズのような球状の炭
素材等種々の形状のものを使用することができる。特
に、本発明では、メソフェーズピッチを原料とし、常法
により紡糸、不融化し、さらにそのまま、或いは1,5
00℃以下の温度で軽度に炭化した後にミルド化した炭
素繊維(本発明では、炭素繊維ミルドと称することがあ
る)が好ましく使用される。該メソフェーズピッチ系炭
素繊維は、易黒鉛化性であり、また黒鉛材料としての電
池特性が優れており、さらに繊維長を短く、即ちミルド
化することで繊維断面の割合を大きくし、リチウムイオ
ンの出入りを行い易くすることができ、かつ、電極の充
填密度も高くできるなどの利点がある。
【0011】(2) 炭素繊維ミルドの製造 本発明に好ましく使用される炭素繊維ミルドの好適な製
造方法の例を以下に説明する。 (i) 原料 ・本発明に用いる炭素繊維用原料としては、任意の易黒
鉛化質の炭化水素を使用することができる。例えばナフ
タレン、フェナントレン等の縮合多環炭化水素化合物や
石油、石炭系ピッチ等の縮合複素環化合物等を挙げるこ
とができる。特に石油、石炭系ピッチの使用、好ましく
は光学的異方性ピッチ、即ちメソフェーズピッチを用い
ることが良い。このメソフェーズピッチとしてはメソフ
ェーズ含有量100%のものが好ましいが、紡糸可能な
らば特に限定されるものでない。 ・原料ピッチの軟化点も、特に限定されるものでない
が、後記紡糸温度との関係から、軟化点が低くまた不融
化反応速度の速いものが、製造コスト及び安定性の面で
有利である。このことにより、原料ピッチの軟化点は2
30℃以上350℃以下、好ましくは250℃以上31
0℃以下である。
【0012】(ii)炭素繊維ミルドの製造 上記原料を常法により紡糸、不融化し、さらにそのまま
或いは軽度炭化処理した後にミルド化する。 (イ) 紡糸等 原料ピッチを溶融紡糸する方法としては、特に限定され
るものではなく、メルトスピニング、メルトブロー、遠
心紡糸、過流紡糸等種々の方法を使用することが出来る
が、紡糸時の生産性や得られる繊維の品質の観点から、
メルトブロー法が好ましい。 ・メルトブロー時の紡糸孔の大きさは、0.1mmφ以
上0.5mmφ以下、好ましくは0.15mmφ以上
0.3mmφ以下である。紡糸孔の大きさが0.5mm
φを越えると、繊維径が25μm以上と大きくなり易
く、かつ繊維径がバラツキ易く品質管理上好ましくな
い。紡糸孔の大きさが0.1mmφ未満では、紡糸時目
詰まりが生じ易く、また紡糸ノズルの製作が困難となり
好ましくない。
【0013】・紡糸速度は、生産性の面から毎分500
m以上、好ましくは毎分1500m以上、さらに好まし
くは毎分2000m以上である。 ・紡糸温度は、原料ピッチにより幾分変化するが、原料
ピッチの軟化点以上でピッチが変質しない温度以下であ
れば良く、通常300℃以上400℃以下、好ましくは
300℃以上380℃以下である。 ・また、好ましい紡糸法であるメルトブロー法は、数十
ポイズ以下の低粘度で紡糸し、かつ高速冷却することに
より、黒鉛層面が繊維軸に平行に配列し易くなる利点も
ある。
【0014】(ロ) 不融化等 紡糸後のピッチ繊維は常法により不融化処理する。不融
化方法としては、例えば、二酸化窒素や酸素等の酸化性
ガス雰囲気中で加熱処理する方法や、硝酸やクロム酸等
の酸化性水溶液中で処理する方法、さらには、光やγ線
等により重合処理する方法等を使用することが可能であ
る。より簡便な不融化方法は、空気中で加熱処理する方
法であり、原料により若干異なるが平均昇温速度3℃/
分以上、好ましくは5℃/分以上で、350℃程度まで
昇温させながら加熱処理する。
【0015】(ハ) 繊維のミルド化方法等 不融化処理した繊維を次いで、ミルド化する。 ・この時、不融化処理した繊維を、1,500℃以下、
好ましくは250℃以上1,500℃以下、より好まし
くは500℃以上900℃以下の温度で、不活性ガス中
軽度に炭化した後、ミルド化することも可能である。従
って、このような温度で軽度に炭化しミルド化すると、
ミルド化後の繊維の縦割れが比較的に防げることと、ミ
ルド化時に新たに表面に露出した黒鉛層面がより高温で
の黒鉛化処理時に縮重合・環化反応が進み易くなる傾向
があり、その表面の活性度が低下し、電解液の分解を阻
止する効果があり有利である。1,500℃を越えた温
度での熱処理(炭化或いは黒鉛化)後のミルド化では、
繊維軸方向に発達した黒鉛層面に沿って開裂が発生し易
くなり、製造されたミルド化された炭素繊維の全表面積
中に占める破断面表面積の割合が大きくなり、破断黒鉛
層面における電子の極在化による電解液の分解が起こり
好ましくない。また、250℃未満の温度では炭化が殆
ど起こらず処理する効果がない。
【0016】・不融化後または軽度な炭化後の繊維をミ
ルド化するには、ビクトリーミル、ジェットミル、クロ
スフローミル等を使用することが有効である。 ・本発明に適したミルド化を効率良く実施するために
は、上記各種方法に共通することであるが、例えばプレ
ートを取り付けたローターを高速に回転することによ
り、繊維軸に対し直角方向に繊維を寸断する方法が適切
である。 ・ミルド化された繊維の繊維長は、ローターの回転数、
プレートの角度及びローターの周辺に取り付けられたフ
ィルターの目の大きさ等を調整することによりコントロ
ールすることが可能である。 ・該ミルド化には、ヘンシェルミキサー、ボールミル、
磨潰機等による方法もあるが、これらの方法によると繊
維の直角方向への加圧力が働き、繊維軸方向への縦割れ
の発生が多くなり好ましくない。また、これらの方法は
ミルド化に長時間を要し、適切なミルド化方法とは言い
難い。また、繊維をいたずらに微粉化すると、逆に活性
な黒鉛層が露出し電解液と反応するために容量低下等の
デメリットが発生することに注意を要す。
【0017】(ニ)炭素繊維ミルドの粒径等 ・このため、一般に、リチウム二次電池用電極材として
用いられる炭素繊維ミルドの平均粒径は、10〜50μ
m、好ましくは12〜30μmの範囲である。平均粒径
が、10μm未満の場合は、活性な表面がいたずらに多
くなり電解液の分解が激しくなり、初期充放電効率が小
さく、サイクル劣化も激しくなる。一方、50μmより
大きい場合は、電極の嵩密度が低くなり容積当りのエネ
ルギー密度が小さくなり好ましくない。また、短絡の観
点からも好ましくない。 ・上記平均粒径は、レーザー回折方式による粒度分布か
ら算出する。 ・また、本発明の炭素繊維ミルドのアスペクト比(炭素
繊維ミルドの直径に対する長さの比)が1以上30以
下、好ましくは1以上20以下であることが望ましい。
アスペクト比が30を越えると、即ち、繊維長の比較的
長い炭素繊維ミルドを用いると嵩密度が低くなり容積当
りのエネルギー密度が小さくなりかつ、正、負極の短絡
の原因ともなり好ましくない。また、アスペクト比が1
未満になると、繊維軸方向への縦割れを生じる繊維が多
くなり好ましくない。 ・上記アスペクト比は、得られた炭素繊維ミルドを抜き
取り個数100個の値の平均値で示す。 ・上記平均粒径とアスペクト比の観点から、ミルド化前
の繊維径としては、ミルド化時、及び黒鉛化処理時の体
積減少も考慮し、4μm以上25μm以下、好ましくは
4μm以上18μm以下が望ましい。
【0018】(3) 黒鉛化処理 本発明の黒鉛化は、ホウ素化合物の存在下で2200℃
以上の高温で黒鉛化処理することで、高度な黒鉛構造
(特に、X線回折によるピーク強度比(P101/P100
が2.0以上)を生成させる点に大きな特長がある。前
述の方法により不融化後或いは1,500℃以下の温度
で軽度な炭化処理後にミルド化された炭素繊維ミルドに
ホウ素化合物を添加し、黒鉛化処理する。 (イ) ホウ素化合物の添加 ・ホウ素化合物の添加は、通常、固形のホウ素化合物を
直接添加し必要に応じ均一に混合する方法及びホウ素化
合物を溶媒溶液とし浸漬する方法等が採用されるが特に
制限されるものではない。また、原料ピッチの段階でホ
ウ素化合物を添加することも十分可能である。 ・ホウ素化合物の添加量は、黒鉛化処理される材料に対
しホウ素として15重量%以下、好ましくは、2〜15
重量%であり、更に好ましくは3重量%〜10重量%で
ある。2重量%未満では所望する十分に高い黒鉛化度を
得られない場合があり好ましくない。また、15重量%
を越えるとコストに対しての効果が低下する。また、黒
鉛化後の黒鉛材中のホウ素残存量が増加し黒鉛材同士が
固着する等の問題を生じ好ましくない。
【0019】・ホウ素化合物としては、ホウ素単体の他
に、炭化ホウ素(B4C)、塩化ホウ素、ホウ酸、酸化
ホウ素、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸
銅、ホウ酸ニッケル等が挙げられる。 ・溶媒溶液とするための溶媒としては、例えば水、メタ
ノール、グリセリン、アセトン等が挙げられ、使用する
ホウ素化合物に合わせ適宜選択すればよい。 ・また、固形で使用する際は、ミルド等と均一に混合す
るために平均粒径を500μm以下、好ましくは200
μm以下、より好ましくは1.5μm以上150μm以
下のホウ素化合物として使用するのがよい。 (ロ) 黒鉛化条件 ・本発明では、ミルド化された炭素繊維等を高度に黒鉛
化させることが重要であり、このためには、ホウ素化合
物の存在下で2,200℃以上、好ましくは2,400
℃以上の温度で黒鉛化処理をする必要がある。 ・ホウ素化合物の作用の原理は不明であるが、ホウ素化
合物の融点(ホウ素の融点は2,080℃、炭化ホウ素
の融点は2,450℃)近辺の温度から、黒鉛化をより
促進させる効果(即ち、黒鉛化触媒効果)、及び電池負
極材とした時の充放電容量を増加させる等の効果が得ら
れている。
【0020】・黒鉛化処理は、通常行われる黒鉛化処理
方法が用いられ特には限定されない。例えば、大気雰囲
気下で黒鉛化処理を行う、いわゆるアチソンタイプ炉な
ども使用可能である。 ・本発明においては、好ましくは窒素を含まない不活性
雰囲気、例えばアルゴンガス雰囲気下で黒鉛化処理する
ことが望ましい。アルゴンガス雰囲気下などで黒鉛化処
理することにより、処理後の黒鉛材料の表面に負極特性
に悪影響を与えるホウ素の窒素化合物を実質的に生成さ
せることなく、またその窒素化合物による材料同士の固
着を防ぐことにより、ホウ素化合物を高添加して黒鉛化
処理を行うことができ、好ましい。
【0021】(4) 黒鉛材料の後処理 前記の方法により、(A) ホウ素化合物の存在下で黒鉛化
処理することにより、X線回折による黒鉛層間距離(d
002)が0.338nm以下、(101)回折ピークの
強度と(100)回折ピークの強度の比(P101
100)が2.0以上の黒鉛構造を有していて、高い黒
鉛化度を有する黒鉛材料が得られる。しかしながら、こ
のようにして得られた黒鉛材料は、黒鉛化度が高い割に
は、期待される程の充放電容量を発現しないことが分か
った。この原因について検討した結果、該黒鉛材料は、
炭化ホウ素(B4C)を含有しており、この炭化ホウ素
が負極特性を阻害していることが考えられる。このた
め、黒鉛材料中から効率的に炭化ホウ素を取り除き、高
い黒鉛化度から期待される性能を発揮させる方法につき
種々検討した結果、ホウ素存在下での黒鉛化処理の後
に、更に次のような後処理を施すことにより、負極の性
能が向上することを見出した。
【0022】次にこれらの後処理条件について説明す
る。 (i) 酸化熱処理(B) 上記のように黒鉛化処理された黒鉛材料に対して、酸素
ガス含有雰囲気下で熱処理を行い、黒鉛化処理後の黒鉛
材料中に含まれる炭化ホウ素を酸化して酸化ホウ素とす
る。この場合、B4C(炭化ホウ素)が酸化されて生成
するB23(酸化ホウ素)以外に、同時に何らかのホウ
素化合物が僅かに生成している。このことは、X線解析
測定によりホウ素化合物(組成不明のホウ素の酸化物;
xy等)のピークが現れることから容易に確認でき
る。これを負極とするリチウムイオン二次電池とした場
合に、充放電試験による放電曲線に「平坦部」を持つ黒
鉛材料が生成する。これは、酸化熱処理を行うことによ
りB4C(炭化ホウ素)が酸化されて生成するB2
3(酸化ホウ素)と共に、同時に何らかのホウ素化合物
(組成不明のホウ素の酸化物;Bxy等)が僅かに生成
し、これらがリチウムイオンと反応することにより、放
電曲線の平坦部が出現しているものと考えられる。図1
は、本発明の黒鉛材料を負極として用いたリチウムイオ
ン二次電池において、充放電試験による放電曲線を示す
模式図であり、電位1.4V付近に見られる曲線の傾き
が緩やかになった部分、変曲点Aから変曲点Bの間が
「平坦部」(プラトー;plateau)である。この充放電
試験による放電曲線で「平坦部」を有する黒鉛材料は、
電池の放電時においてこの「平坦部」を例えば電子回路
により検出することで放電を制御し、過放電を防止する
ために利用する等の用途を有する。
【0023】雰囲気としては酸素ガスが存在する雰囲気
であれば、酸素の濃度などは特に限定されないが、通常
酸素濃度は5容量%以上、好ましくは10容量%以上で
ある。より簡便な方法としては、空気中で熱処理する方
法が挙げられる。熱処理条件としては、含まれる炭化ホ
ウ素が酸化されて酸化ホウ素に転換される条件であれば
特に限定されないが、熱処理温度としては、通常500
℃以上900℃以下の温度で行うことが望ましく、更に
好ましくは600℃以上800℃以下で、10分から2
0時間、好ましくは30分から10時間行うことが望ま
しい。500℃未満の温度では炭化ホウ素が十分に酸化
ホウ素に変換されず好ましくない。900℃を超える温
度では、黒鉛材料の酸化減少が促進するため好ましくな
い。
【0024】(ii) 洗浄処理(C) 上記の酸化熱処理(B) を行って得られた黒鉛材料を、次
いで洗浄処理(C) を行い酸化ホウ素を取り除く。洗浄処
理の方法としては、酸化ホウ素が取り除ける方法であれ
ば特に限定されないが、水による洗浄、アルコール類に
よる洗浄が行いうる。水とアルコールを混合して洗浄し
ても良い。水による洗浄の場合は、例えば前記酸化処理
により得られた黒鉛材料に水を加えて良く撹拌した後、
黒鉛材料と水を分離する。必要によりこの操作を繰り返
しても良い。黒鉛材と水との分離は常法によって行えば
よく、例えば、静置により黒鉛材料を沈殿させ、上澄み
をデカンテーションにより排出する方法、フィルターに
よるろ過及び/又は圧搾、遠心分離などの方法が可能で
あり、これらを単独で又は2種類以上組み合わせて行っ
ても良い。
【0025】洗浄された黒鉛材料は、次いで空気乾燥、
熱風乾燥などにより乾燥する。上記洗浄処理にあたって
は、水、アルコール、あるいは水/アルコール混合液に
溶解可能な界面活性剤、分散剤、浸透剤などを適宜添加
して行うことも可能である。このような洗浄処理を行う
ことにより、前記酸化熱処理により炭化ホウ素から変換
された酸化ホウ素が実質的に除去される。 (iii) 減圧熱処理(D) 更に必要なら、この洗浄処理(C) の後に、次に説明する
減圧熱処理(D) を行い、より一層高純度化することもで
きる。
【0026】(iv) 減圧熱処理(C) ’ 本発明におけるもう一つの後処理方法としては、上記
(i) の酸化熱処理(B) の後、減圧下に比較的高温で熱処
理(C) ’して残留ホウ素化合物(含炭化ホウ素)の除去
を行う。減圧下での熱処理条件としては、10torr
以下、好ましくは1torr以下の減圧下で1,200
℃以上、好ましくは1,500℃以上、より好ましくは
2,000℃以上2,500℃以下である。熱処理時間
は減圧の程度と熱処理温度等との関数であるので、一義
的に決めることができないが、通常30分以上、好まし
くは30分〜20時間程度保持することが望ましい。こ
の場合、減圧度が高いほど、熱処理温度は高いほど黒鉛
材料中に残留したホウ素化合物が蒸発、昇華等により除
去され易く、10torrを越える圧力下や、1,20
0℃未満の熱処理温度では、ホウ素化合物の蒸発、昇華
等が起き難く好ましくない。また、温度の上限は特に制
限されないが、コスト面と黒鉛材料の物性面から、黒鉛
化の熱処理温度以下とすることが好ましい。
【0027】(5) リチウムイオン二次電池用負極材料 本発明により得られた黒鉛材料は、ポリエチレンやポリ
フッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等のバ
インダーを添加し、負極とするに好適な形状、例えばシ
ート又は板状に加圧ロール成形して得られる。このよう
にして作られた負極は、単位体積当たりの容量が大き
く、電池の小型化に好適である。また、本発明による黒
鉛材料を負極に用い、リチウムイオン二次電池を作成す
る場合には、電解液としてはリチウム塩を溶解し得るも
のであればよいが、特に非プロトン性の誘電率が大きい
有機溶媒が好ましい。上記有機溶媒としては、例えば、
プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、テト
ラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオ
キソラン、4−メチル−ジオキソラン、アセトニトリ
ル、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート等を挙げることができる。こ
れらの溶媒を単独あるいは適宜混合して用いることが可
能である。
【0028】電解質としては、安定なアニオンを生成す
るリチウム塩、例えば、過塩素酸リチウム、ホウフッ化
リチウム、六塩化アンチモン酸リチウム、六フッ化リン
酸リチウム(LiPF6)等が好適である。また、リチ
ウムイオン二次電池の正極としては、例えば、酸化クロ
ム、酸化チタン、酸化コバルト、五酸化バナジウム等の
金属酸化物や、リチウムマンガン酸化物(LiMn
24)、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リ
チウムニッケル酸化物(LiNiO2)等のリチウム金
属酸化物;硫化チタン、硫化モリブデン等の遷移金属の
カルコゲン化合物;及びポリアセチレン、ポリパラフェ
ニレン、ポリピロール等の導電性を有する共役系高分子
物質等を用いることが出来る。
【0029】これらの正極と負極との間に合成繊維製又
はガラス繊維製の不織布、織布やポリオレフィン系多孔
質膜、ポリテトラフルオロエチレンの不織布等のセパレ
ータを設ける。また、従来の電池と同様に集電体を使用
することができる。負極集電体としては、電極、電解液
等に電気化学的に不活性な導体、例えば銅、ニッケル、
チタン、ステンレス鋼などの金属を板、箔、棒の形態で
使用できる。本発明の二次電池は、前記セパレータ、集
電体、ガスケット、封口板、ケース等の電池構成要素と
本発明の特定の負極を用い、常法に従って円筒型、角型
或いはボタン型等の形態のリチウムイオン二次電池に組
立てることができる。
【0030】
【作用】本発明のリチウムイオン二次電池用黒鉛材は、
ホウ素化合物の存在下炭素繊維ミルド等を黒鉛化処理
(A) し、更に酸化熱処理(B) を行った後、洗浄処理(C)
を行うか、或いは減圧下熱処理(C) ’、特に1,200
℃以上の高温度で熱処理することにより、従来黒鉛材料
中に残存するホウ素化合物(含炭化ホウ素)を完全に除
去できて、充放電容量が大きく、充放電効率に優れたリ
チウム二次電池負極用黒鉛材が得られ、リチウムイオン
二次電池用としての性能をより向上できる。
【0031】
【実施例】以下実施例により更に具体的に説明するが、
これらは本発明の範囲を制限するものではない。 (実施例1) <炭素繊維ミルドの製造>光学的に異方性で比重1.2
5の石油系メソフェーズピッチを原料として、幅3mm
のスリットの中に直径0.2mmφの紡糸孔を一列に5
00個有する口金を用い、スリットから加熱空気を噴出
させて、溶融ピッチを牽引して平均直径13μmのピッ
チ繊維を製造した。この時、紡糸温度は360℃、吐出
量は0.8g/H・分であった。紡糸された繊維を、補
修部分が20メッシュのステンレス製金網で出来たベル
トの背面から吸引しつつベルト上に捕集した。この捕集
したマットを空気中、室温から300℃まで平均昇温速
度6℃/分で昇温して不融化処理を行った。引続き、こ
の不融化糸を650℃で軽度に炭化処理した後、クロス
フローミルで粉砕し平均粒径18μmの炭素繊維ミルド
を得た。
【0032】<黒鉛化処理>上記で得られた炭素繊維ミ
ルドに平均粒径10μmの炭化ホウ素を5重量%添加
し、均一になるように撹拌混合した後、アルゴン雰囲気
下で3,000℃まで3℃/分の速度で昇温し、その温
度で10時間保持した。黒鉛化後の黒鉛化度をX線回折
で測定すると、黒鉛層間距離(d002)=0.3355
nm、C軸方向の結晶子の大きさ(Lc)=100nm
以上、a軸方向の結晶子の大きさ(La)=100nm
以上、(101)回折ピークと(100)回折ピークの
ピーク比(P101/P100)=2.4であった。更に、こ
の材料のX線回折の測定結果から、材料中に炭化ホウ素
が残存していることが確認された。
【0033】<後処理>得られた黒鉛化炭素繊維ミルド
を、空気中で700℃、4時間20分熱処理し、黒鉛化
後に含まれていた炭化ホウ素を酸化して酸化ホウ素に変
換した。次いで、黒鉛化炭素繊維ミルド1重量部当たり
水10重量部を加え1時間撹拌した後、黒鉛化炭素繊維
ミルドをフィルターろ過し、水洗・回収後、120℃で
5時間熱風乾燥して黒鉛化炭素繊維ミルドを得た。得ら
れた黒鉛化炭素繊維ミルドには酸化ホウ素は認められな
かった。上記の後処理により得られた黒鉛化炭素繊維ミ
ルドを用いて負極を作成した。処理後の黒鉛化炭素繊維
ミルド93重量部に、ポリフッ化ビニリデンのN−メチ
ルピロリジノン溶液をポリフッ化ビニリデン7重量部と
なるように加えてスラリーとし、厚さ18μmの銅箔に
塗工し、負極とした。
【0034】<リチウム二次電池>この負極を用い、3
極セルにより充放電試験を行った。即ち、対極及び参照
電極に金属リチウムを用い、エチレンカーボネート(E
C)/ジエチルカーボネート(DEC)を体積比で1/
1に調製した混合炭酸エステル溶媒に、電解質として過
塩素酸リチウム(LiCl04)を1モル/lの濃度で
溶解させた電解液中で実施し、充放電容量特性を測定し
た。充放電は、100mA/g−10mVの定電流一定
電圧で8時間充電し、放電は100mA/gの定電流
(2.0V/Li/Li+)の電位まで行い、10回繰
り返し測定した。その結果、初回の放電容量358mA
h/g、充放電効率93.2%といずれも優れた値を示
した。また、この黒鉛材料の前記充放電測定したときの
放電曲線を観察したところ、図2に示されるように、放
電電圧1.4V付近に平坦部が認められた。図2は、実
施例1で得られた黒鉛化・酸化熱処理・洗浄処理後の黒
鉛材料の初回の放電曲線を示すグラフである。
【0035】(実施例2)黒鉛化後の酸化処理を800
℃、60分で行った以外は実施例1と同様にして黒鉛化
炭素繊維ミルドを得た。得られた黒鉛化炭素繊維ミルド
には酸化ホウ素は認められなかった。また、充放電特性
を同様にして測定した結果、放電容量356mAh/
g、充放電効率93.0%といずれも優れた値を示し
た。更に、この黒鉛材料の前記充放電測定したときの放
電曲線を観察したところ、放電電圧1.4V付近に平坦
部が認められた。
【0036】(実施例3)実施例2と同様にして黒鉛化
処理し、次いで酸化処理を行って得た黒鉛化炭素繊維ミ
ルドを、更に窒素雰囲気中0.1torrの減圧下に2
300℃で、1時間熱処理を行った。得られた黒鉛化炭
素繊維ミルドには、実施例1、2の場合と同様に酸化ホ
ウ素は認められず、且つ残存ホウ素化合物は完全に除去
された。実施例2と同様に充放電特性を測定した結果、
初回の放電容量358mAh/g、充放電効率93.5
%といずれも優れた値を示した。なお、この黒鉛材料の
前記充放電測定したときの放電曲線を観察したところ、
実施例1、2の場合に認められた放電電圧1.4V付近
での平坦部は認められなかった。
【0037】(比較例1)実施例1で、黒鉛化処理のみ
を行って得られた黒鉛化繊維ミルドについて、充放電特
性を測定した結果、放電容量は342mAh/g、充放
電効率90.1%と比較的高い値を示したが、黒鉛化度
から期待されるほどの性能は発現していなかった。
【0038】
【発明の効果】本発明により、炭素材をホウ素化合物の
存在下で黒鉛化処理し、黒鉛化を向上させた黒鉛材料
を、更に酸素ガス含有雰囲気中で熱処理した後、洗浄し
又は減圧下に熱処理することにより、上述のように電池
の性能向上を阻害すると見られるホウ素化合物を実質的
に含有していない、高い放電容量が安定して得られるリ
チウムイオン二次電池用負極に適した黒鉛材を、提供す
ることを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の黒鉛材料を負極として用いたリチウム
イオン二次電池において、充放電試験による放電曲線を
示す模式図である。
【図2】実施例1で得られた黒鉛化・酸化熱処理・洗浄
処理後の黒鉛材料の初回の放電曲線を示すグラフであ
る。
フロントページの続き (71)出願人 301054313 株式会社ペトカマテリアルズ 東京都港区虎ノ門2丁目10番1号 (72)発明者 山崎 典宗 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島石 油株式会社鹿島製油所内 (72)発明者 河村 寿文 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島石 油株式会社鹿島製油所内 (72)発明者 玉木 敏夫 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島石 油株式会社鹿島製油所内 Fターム(参考) 4G046 EA02 EB01 EB06 EB07 EC01 EC06 5H029 AJ02 AJ03 AK02 AK03 AK05 AK16 AL07 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ02 CJ12 CJ14 CJ28 DJ15 DJ17 HJ13 HJ14 HJ15 5H050 AA02 AA08 BA17 CA02 CA04 CA08 CA09 CA11 CA20 CA21 CA22 CB08 FA16 FA19 GA02 GA12 GA15 GA27 HA13 HA14 HA15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) ホウ素化合物の存在下で黒鉛化処理
    され、X線回折による黒鉛層間距離(d002)が0.3
    38nm以下、(101)回折ピークの強度と(10
    0)回折ピークの強度の比(P101/P100)が2.0以
    上であって、且つB4Cを含有する黒鉛材料を、(B) 酸
    素ガス存在雰囲気下で500℃以上900℃以下の温度
    で熱処理を行い該黒鉛材料中の炭化ホウ素を酸化させて
    酸化ホウ素とし、次いで(C) 該酸化ホウ素を洗浄により
    取り除く処理を行うことを特徴とする、リチウムイオン
    二次電池負極用黒鉛材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 更に、(D) 減圧下で1200℃以上の温
    度で熱処理を行い、残存ホウ素化合物(含炭化ホウ素)
    を取り除く処理を行うことを特徴とする、請求項1記載
    のリチウムイオン二次電池負極用黒鉛材の製造方法。
  3. 【請求項3】 (A) ホウ素化合物の存在下で黒鉛化処理
    され、X線回折による黒鉛層間距離(d002)が0.3
    38nm以下、(101)回折ピークの強度と(10
    0)回折ピークの強度の比(P101/P100)が2.0以
    上であって、且つB4Cを含有する黒鉛材料を、(B) 酸
    素ガス存在雰囲気下で500℃以上900℃以下の温度
    で熱処理を行い該黒鉛材料中の炭化ホウ素を酸化させて
    酸化ホウ素とし、次いで(C) ’減圧下で1,200℃以
    上の温度で熱処理を行い該酸化ホウ素及び残存ホウ素化
    合物を取り除く処理を行うことを特徴とする、リチウム
    イオン二次電池負極用黒鉛材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 ホウ素化合物存在下での黒鉛化処理が、
    アルゴン雰囲気中で黒鉛化処理を行うことを特徴とす
    る、請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二
    次電池負極用黒鉛材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 (A) ホウ素化合物の存在下で黒鉛化処理
    される炭素材が、メソフェーズピッチを原料とし且つミ
    ルド化した炭素繊維であることを特徴とする、請求項1
    〜4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池負極用
    黒鉛材の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方
    法により得られることを特徴とする、リチウムイオン二
    次電池負極用黒鉛材料。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の黒鉛材料を含んでなるこ
    とを特徴とする、リチウムイオン二次電池負極。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の負極を含んでなることを
    特徴とする、リチウムイオン二次電池。
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