JPWO2005074906A1 - 治療剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とする、治療又は予防において3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療又は予防用の医薬、食品、飲料又は飼料を提供する。当該医薬、食品、飲料又は飼料は、例えば高脂血症、動脈硬化症や、これらが要因となる各種疾患の治療又は予防に有用である。
Description
本発明は、治療又は予防において3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患、例えば高脂血症や動脈硬化症等の治療または予防に有用な医薬、食品、飲料又は飼料に関する。
近年、生活習慣病の1種である動脈硬化や高コレステロール血症の増加が問題になってきている。血中コレステロールの量を減らす方法としてはコレステロールや脂肪の摂取を減らす食事療法がある。また、その他には医薬品を用いる方法があり、コレステロール生合成の律速酵素である3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoA(以下、HMG−CoAと称することがある)レダクターゼを阻害する薬剤を投与することで血中コレステロールの低下を促すことが出来る。
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤としては、いわゆる“スタチン系”と呼ばれるプラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチン等の化合物が知られている。プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチンは半合成又は全合成化合物である。しかしながらこれらの薬剤は価格が非常に高いこと、横紋筋融解症や長期間投与した際の肝臓のクレアチンキナーゼを増加させる等の副作用があることが知られている。
動脈硬化症の初期病変には脂肪線条と呼ばれる斑点状もしくは線状の脂肪沈着が見られる。この変化は主に泡沫化されたマクロファージが血管内皮に集積することによるものである。マクロファージの泡沫化は、マクロファージが変性LDLを取り込んで遊離コレステロールを生成し、アシルCoA:コレステロールO−アシルトランスフェラーゼ(ACAT)によってエステル化され、これが蓄積することにより起こる。このような初期の泡沫細胞病変は血管平滑筋細胞の泡沫化を含む複雑な病変に進行する。脂肪線条はやがて繊維性硬斑となって血管壁に突出し、さらに病変が進むと石灰化、血栓の付着を伴って、血管腔を狭めたり、硬斑が破錠して血栓性閉塞をきたす。また、破錠しやすい硬斑はコレステロールエステル等の脂質成分を多く含むことも知られている。従って、マクロファージや血管平滑筋細胞等の泡沫化を抑制することは、動脈硬化病変の安定化と退縮をもたらし、動脈硬化に基づく急性冠症候群の発症や再発の低減につながることが期待される。
カルコン類化合物は下記式(化1)で表されるカルコン骨格を有する化合物の総称であり、天然物からの抽出や合成によって得られたさまざまな化合物が知られている。
カルコン類化合物の生理活性については、化合物によってそれぞれ多種多様であり、例えば細胞毒性、抗がん活性、化学防御、抗変異原性、抗菌作用、抗ウィルス活性、抗原虫性、殺虫作用等が知られている(例えば、非特許文献1)。またカルコン類化合物には神経成長因子(NGF)産生増強作用があることが知られている(例えば、特許文献1)。また、カルコン類化合物にはインスリン様作用があることも知られている(例えば、特許文献2)。しかしながら、カルコン類化合物のHMG−CoAレダクターゼ阻害作用や細胞の抗泡沫化作用についてはこれまでに知られていない。
フラバノン類化合物は下記式(化2)で表されるフラバノン骨格を有する化合物の総称であり、天然物からの抽出や合成によって得られたさまざまな化合物が知られている。
フラバノン類化合物の生理活性については、化合物によってそれぞれ多種多様であり、例えば血圧低下作用、アポトーシス誘発作用、抗酸化作用等のさまざまな生理活性が知られている。またフラバノン類化合物にはインスリン様作用があることも知られている(例えば、特許文献2)。しかしながら、フラバノン類化合物のHMG−CoAレダクターゼ阻害作用や細胞の抗泡沫化作用についてはこれまでに知られていない。
3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物は下記式(化3)で表される3’,4’−ジハイドロセセリン骨格を有する化合物の総称であり、天然物からの抽出や合成によって得られたさまざまな化合物が知られている。
3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物の生理活性については、化合物によってそれぞれ多種多様であり、例えば抗アレルギー作用や抗炎症作用等が知られている(例えば、特許文献3)。しかしながら、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物のHMG−CoAレダクターゼ阻害作用や細胞の抗泡沫化作用についてはこれまでに知られていない。
本発明の目的は、安全で、簡便に摂取可能な、食品素材、医薬品素材として適したHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を有する物質を開発し、当該組成物もしくは物質を用いた医薬、食品、飲料または飼料を提供することにある。
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とする、治療又は予防において3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療剤又は予防剤に関する。
本発明の第1の発明において、カルコン類化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が例示される。
A環が5員環を示す場合、R1がWを構成し、R2がZを構成するか、もしくはR2がWを構成し、R3がZを構成する。ここで、R1がWを構成し、R2がZを構成する場合、Wは酸素原子を示し、W−X結合は単結合を示し、XおよびZは炭素原子を示し、Yは存在しない。さらにこの場合、Xには1−ハイドロキシ−1−メチルエチル基が結合する。また、R2がWを構成し、R3がZを構成する場合、Wは炭素原子を示し、W−X結合は単結合を示し、Xは炭素原子を示し、Yは存在せず、Zは酸素原子を示す。さらにこの場合、Xには1−ハイドロキシ−1,5−ジメチル−4−ヘキセニル基が結合する。
Aが6員環を示す場合、R1がWを構成し、R2がZを構成するか、もしくはR2がWを構成し、R3がZを構成する。ここで、R1がWを構成し、R2がZを構成する場合、Wは酸素原子を示し、W−X結合は単結合を示し、X、Y及びZは共に炭素原子を示す。さらにこの場合、XおよびYには水素原子、水酸基、メチル基およびイソヘキセニル基のいずれか1つ以上が結合するか、もしくはXとYが共にハイドロキシジメチルシクロヘキサン環を形成し、かつXにはメチル基が結合する。また、R2がWを構成し、R3がZを構成する場合、W、X及びYは炭素原子を示し、W−X結合は二重結合を示し、Zは酸素原子を示す。さらにこの場合、Yにはメチル基及びイソヘキセニル基が結合する。)
ここで、上記一般式(1)で表される化合物としては、キサントアンゲロール、1−(3,4−ジハイドロ−3,5−ジハイドロキシ−2−(3−イソヘキセニル)−2−メチル−2H−ベンゾピラン−8−イル)−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、キサントフモール、イソババカルコン、1−[2,4−ジハイドロキシ−3−(6,7−ジハイドロキシ−3,7−ジメチル−2−オクテニル)フェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[3−(7−エトキシ−6−ハイドロキシ−3,7−ジメチル−2−オクテニル)−2,4−ジハイドロキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[2−ハイドロキシ−3−(7−ハイドロペルオキシ−3,7−ジメチル−2,5−オクタジエニル)−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[2−ハイドロキシ−3−(6−ハイドロペルオキシ−3,7−ジメチル−2,7−オクタジエニル)−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、キサントアンゲロールG、1−(5,6,7,8,8a,10a−ヘキサハイドロ−1,7−ジハイドロキシ−8,8,10a−トリメチル−9H−キサンテン−4−イル)−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、ババカルコン、レスペオール、キサントアンゲロールH、4−ハイドロキシデリシン、1−[2,3−ジハイドロ−4−ハイドロキシ−2−(1−ハイドロキシ−1,5−ジメチル−4−ヘキセニル)−ベンゾフラン−5−イル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[2,3−ジハイドロ−2−(1−ハイドロキシ−1−メチルエチル)−4−メトキシ−ベンゾフラン−7−イル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[3−(2,5−エポキシ−2,6,6−トリメチル−シクロヘキシルメチル)−2−ハイドロキシ−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、キサントアンゲロールF、キサントアンゲロールB、キサントアンゲロールC、キサントアンゲロールD、キサントアンゲロールE及びババクロマノールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物が例示される。
本発明の第1の発明において、フラバノン類化合物としては、下記一般式(3)で表される化合物が例示される。
ここで、上記一般式(3)で表される化合物としては、ムンドゥレアフラバノンA、プロストラトールF、8−ゲラニル−4’−ハイドロキシ−7−メトキシフラバノン、イソババチン及び4’−O−ゲラニルナリンゲニンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物が例示される。
本発明の第1の発明において、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物としては、下記一般式(4)で表される化合物が例示される。
(式中、R’’1およびR’’2は水素原子、水酸基、アセトキシ基又はアンゲロイルオキシ基を示す。)
ここで、上記一般式(4)で表される化合物としては、4’−アンゲロイルオキシ−3’−ハイドロキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン、3’−アンゲロイルオキシ−4’−ハイドロキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン、3’−アンゲロイルオキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン及び3’−アセトキシ−4’−アンゲロイルオキシ−3’,4’−ジハイドロセセリンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物が例示される。
本発明の第2の発明は、本発明の第1の発明における有効成分を含有することを特徴とする、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤に関する。
本発明の第3の発明は、本発明の第1の発明における有効成分を含有することを特徴とする、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害用又は細胞の抗泡沫化用の食品、飲料又は飼料に関する。
本発明の第4の発明は、アシタバから抽出して得られる、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含有する画分を含有する、治療又は予防において3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療剤又は予防剤に関する。
本発明の第5の発明は、本発明の第4の発明における画分を含有する、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤に関する。
本発明の第6の発明は、本発明の第4の発明における画分を含有する、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害用又は細胞の抗泡沫化用の食品、飲料又は飼料に関する。
本発明の第7の発明は、治療又は予防において3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療又は予防を必要とする被験体に、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物の有効量を投与することを含む、該疾患の治療又は予防方法に関する。
本発明の第8の発明は、治療又は予防において3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療剤又は予防剤製造のための、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物の使用に関する。
本発明により、治療又は予防においてHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療用又は予防用の医薬、食品、飲料又は飼料が提供される。該医薬は高脂血症や動脈硬化などの、治療又は予防にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患に対して有用である。また、該食品又は飲料は、日常の飲食品として摂取することにより、治療又は予防にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の症状改善等が可能となる。従って、本発明の食品又は飲料はそのHMG−CoAレダクターゼ阻害作用、細胞の抗泡沫化作用により生体の恒常性の維持に有用な機能性飲食品である。
HMG−CoAレダクターゼは、コレステロール生合成系の律速酵素であり、HMG−CoAからメバロン酸を生成する反応を触媒する作用を有する。近年、HMG−CoAレダクターゼ阻害物質の探索が行われており、特にスタチン系の化合物がHMG−CoAレダクターゼ阻害作用を有しており、これらは高脂血症に対する医薬として広く汎用されている。HMG−CoAレダクターゼ阻害物質の探索には、後述の実施例28に記載のような酵素の阻害活性を指標としたアッセイ系を用いて簡便に測定することができる。すなわち、被験物質の存在下にHMG−CoAレダクターゼをHMG−CoAと反応させ、その阻害活性を評価することで、HMG−CoAレダクターゼ阻害物質を簡便にスクリーニングすることができる。
細胞の泡沫化は細胞内にコレステロールエステルが蓄積することによって起こる。細胞の抗泡沫化作用は、後述の実施例30に記載のような細胞中のコレステロールエステル量を指標としたアッセイ系を用いて簡便に測定することができる。すなわち、被験物質とアセチルLDLの存在下にマクロファージを培養し、細胞中のコレステロールエステル量を評価することで、細胞の抗泡沫化作用を簡便に測定することができる。なお、本発明において抗泡沫化の対象となる細胞としては、特に限定はないが、例えばマクロファージや平滑筋細胞等の血管系細胞や血液細胞が例示される。
本発明においてカルコン類化合物としては、上記式(化1)で表されるカルコン骨格を構造中に有する化合物であれば特に限定はないが、例えば上記一般式(1)で表される化合物が例示される。
本願明細書において炭素数が1〜15の脂肪族基としては、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基などの炭素数1〜15の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基などの分枝状アルキル基、エテニル基、アリル基、トランス−1−プロペニル基、シス−1−プロペニル基などの直鎖状アルケニル基、プレニル基、イソヘキセニル基、ゲラニル基、ファルネシル基、イソプロペニル基、シス−1−メチル−1−プロペニル基、トランス−1−メチル−1−プロペニル基、トランス−1−エチル−1−プロペニル基、4−メチル−1,3−ペンタジエニル基などの分枝状アルケニル基が挙げられる。また、これらの脂肪族基に水酸基、アシル基、ハイドロペルオキシ基、エチルオキシ基等が付加した官能基やエポキシ構造を含む脂肪族基も本願明細書において脂肪族基に包含される。例えば、ハイドロキシメチル基、ハイドロキシエチル基、6,7−ジハイドロキシ−3,7−ジメチル−2−オクテニル基、7−エトキシ−6−ハイドロキシ−3,7−ジメチル−2−オクテニル基、2,5−エポキシ−2,6,6−トリメチル−シクロヘキシルメチル基、7−ハイドロペルオキシ−3,7−ジメチル−2,5−オクタジエニル基、6−ハイドロペルオキシ−3,7−ジメチル−2,7−オクタジエニル基、7−ハイドロキシ−3,7−ジメチル−2,5−オクタジエニル基、6−ハイドロキシ−3,7−ジメチル−2,7−オクタジエニル基、3−メチル−6−オキソ−2−ヘキセニル基、2−ハイドロキシ−3−メチル−3−ブテニル基及び2−ハイドロペルオキシ−3−メチル−3−ブテニル基、1−ハイドロキシ−1,5−ジメチル−4−ヘキセニル基、1−ハイドロキシ−1−メチル−エチル基も脂肪族基に包含される。
アシル基としては、特に限定されるものではないが、例えばアルデヒド基、カルボキシメチル基、カルボキシル基、アセチル基、アロイル基等が挙げられる。
また、本発明において使用される上記式(1)で表される化合物としては、キサントアンゲロール、1−(3,4−ジハイドロ−3,5−ジハイドロキシ−2−(3−イソヘキセニル)−2−メチル−2H−ベンゾピラン−8−イル)−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン(TB−2)、キサントフモール、イソババカルコン、1−[2,4−ジハイドロキシ−3−(6,7−ジハイドロキシ−3,7−ジメチル−2−オクテニル)フェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン(TB−5)、1−[3−(7−エトキシ−6−ハイドロキシ−3,7−ジメチル−2−オクテニル)−2,4−ジハイドロキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン(TB−6)、1−[2−ハイドロキシ−3−(7−ハイドロペルオキシ−3,7−ジメチル−2,5−オクタジエニル)−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン(TB−8)、1−[2−ハイドロキシ−3−(6−ハイドロペルオキシ−3,7−ジメチル−2,7−オクタジエニル)−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン(TB−9)、キサントアンゲロールG、1−(5,6,7,8,8a,10a−ヘキサハイドロ−1,7−ジハイドロキシ−8,8,10a−トリメチル−9H−キサンテン−4−イル)−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン(TB−1)、ババカルコン、レスペオール、キサントアンゲロールH、4−ハイドロキシデリシン、1−[2,3−ジハイドロ−4−ハイドロキシ−2−(1−ハイドロキシ−1,5−ジメチル−4−ヘキセニル)−ベンゾフラン−5−イル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン(TB−3)、1−[2,3−ジハイドロ−2−(1−ハイドロキシ−1−メチルエチル)−4−メトキシ−ベンゾフラン−7−イル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン(TB−4)、1−[3−(2,5−エポキシ−2,6,6−トリメチル−シクロヘキシルメチル)−2−ハイドロキシ−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン(TB−7)、キサントアンゲロールF、キサントアンゲロールB、キサントアンゲロールC、キサントアンゲロールD、キサントアンゲロールE及びババクロマノールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物が例示される。これらの化合物の構造式を表1〜3に示す。表1〜3において、最右列の実施例は、それぞれの化合物の下記実施例で使用されている名称を示す。
本発明に使用されるカルコン類化合物は、市販の化合物を利用できるほか、公知の方法により合成もしくは半合成したり、植物から常法にしたがって抽出し、精製することにより得ることができる。例えば、セリ科植物、例えばアシタバから各種クロマトグラフィー等により分画し、精製することにより得ることができる。
すなわち、例えばキサントアンゲロール、4−ハイドロキシデリシン、キサントアンゲロールH、TB1、TB2、TB3、TB4、TB5、TB6、TB7、TB8、TB9、キサントアンゲロールF、レスペオール、イソババカルコン、ババクロマノールを精製する場合は、アシタバから酢酸エチルを溶媒として抽出を行い、シリカクロマトグラフィーと逆相クロマトグラフィーにより適宜分画し、これらの化合物を精製することができる。また、キサントアンゲロールB、キサントアンゲロールC、キサントアンゲロールD、キサントアンゲロールE、キサントアンゲロールGについてもアシタバに含有される化合物であり、公知の方法によりアシタバから調製し、本発明に使用することができる。また、ホップからキサントフモールを精製する場合は、例えば、ホップから酢酸エチルを溶媒として抽出を行い、シリカクロマトグラフィーにより適宜分画し、キサントフモールを精製することができる。
フラバノン類化合物としては、上記式(化2)で表されるフラバノン骨格を構造中に有する化合物であれば特に限定はないが、例えば上記一般式(3)で表される化合物が例示される。
本発明において使用される上記式(3)で表される化合物としては、特に限定はないが、例えばムンドゥレアフラバノンA、プロストラトールF、8−ゲラニル−4’−ハイドロキシ−7−メトキシフラバノン(C082)、イソババチン及び4’−O−ゲラニルナリンゲニンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物が例示される。これらの化合物の構造式を表4に示す。表4において、最右列の実施例は、それぞれの化合物の下記実施例で使用されている名称を示す。
本発明に使用されるフラバノン類化合物は、市販の化合物を利用できるほか、公知の方法により合成もしくは半合成したり、植物から常法にしたがって抽出し、精製することにより得ることができる。例えば、セリ科植物、例えばアシタバから各種クロマトグラフィー等により分画し、精製することにより得ることができる。
すなわち、例えば4’−O−ゲラニルナリンゲニン、イソババチンを精製する場合は、アシタバから酢酸エチルを溶媒として抽出を行い、シリカクロマトグラフィーと逆相クロマトグラフィーにより適宜分画し、これらの化合物を精製することができる。
また、本発明に使用されるフラバノン類化合物を合成もしくは半合成する場合は、公知の方法により合成すれば良いが、例えば上記の表4に記載のフラバノン類化合物を合成もしくは半合成する場合は、公知の方法により合成することができる。
なお、フラバノン類化合物は、2’位に水酸基を有するカルコン類化合物をアルカリ水溶液中で加熱することにより容易に合成することができる。
3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物としては、上記式(化3)で表される3’,4’−ジハイドロセセリン骨格を構造中に有する化合物であれば特に限定はないが、例えば上記一般式(4)で表される化合物が例示される。
本発明において使用される上記式(4)で表される化合物としては、特に限定はないが、例えば4’−アンゲロイルオキシ−3’−ハイドロキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン(クマリン化合物D)、3’−アンゲロイルオキシ−4’−ハイドロキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン(クマリン化合物C)、3’−アンゲロイルオキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン(クマリン化合物B)及び3’−アセトキシ−4’−アンゲロイルオキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン(クマリン化合物A)からなる群より選択される少なくとも1つの化合物が例示される。これらの化合物の構造式を表5に示す。表5において、最右列の実施例は、それぞれの化合物の下記実施例で使用されている名称を示す。
本発明に使用される3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物は、市販の化合物を利用できるほか、公知の方法により合成もしくは半合成したり、植物から常法にしたがって抽出し、精製することにより得ることができる。例えば、セリ科植物、例えばアシタバから各種クロマトグラフィー等により分画し、精製することにより得ることができる。
すなわち、例えばアシタバからクマリン化合物A〜Dを精製する場合は、後述の実施例24〜27の記載を参考に、これらの化合物を精製することができる。
また、本発明に使用される3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物を合成もしくは半合成する場合は、公知の方法により合成すれば良いが、例えば上記の表5に記載の3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物を合成もしくは半合成する場合は、公知の方法により合成することができる。
上記のカルコン類化合物、フラバノン類化合物、又は3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物の誘導体としては、例えばエステルなど、体内で容易に加水分解されて上記のカルコン類化合物、フラバノン類化合物、又は3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物を生成し、所望の効果を発揮し得る誘導体(プロドラッグ)を調製可能である。かかるプロドラッグの調製は公知の方法に従えばよい。また、テトラハイドロピラニル基等の保護基を付加したものについても本発明で使用される化合物の誘導体に包含される。例えば、保護基は水酸基、アルデヒド基、ハイドロペルオキシ基等に付加することができる。また、例えば本発明の化合物をほ乳動物に投与して代謝されてできた誘導体も本発明の誘導体に包含される。なお、かかる誘導体は、上記のカルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物又はそれらの誘導体の塩であってもよい。
また、本発明に使用されるカルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物またはそれらの誘導体の塩としては薬理学的に許容される塩が好ましい。また、前述するようにプロドラッグとして機能し得る当該化合物の誘導体であってもよい。従って、本発明に係るカルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物とは、本発明の所望の効果が得られ得る限り、その誘導体ならびにそれらの塩も包含するものである。また、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物の光学異性体、ケト−エノール互変異性体、幾何異性体などの各種異性体、各異性体の単離されたものであっても、HMG−CoAレダクターゼ阻害作用又は細胞の抗泡沫化作用を有する限り、全て本発明において使用することができる。
本発明で使用される塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機塩基との塩などが例示される。なお、本発明において使用される薬理学的に許容される塩とは生物に対して実質的に無毒であって、かつHMG−CoAレダクターゼ阻害作用又は細胞の抗泡沫化作用を有する化合物の塩を意味する。当該塩としては、たとえば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムまたはプロトン化されたベンザチン(N,N′−ジ−ベンジルエチレンジアミン)、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグラミン(N−メチルグルカミン)、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ピペラジンもしくはトロメタミン(2−アミノ−2−ハイドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)等の塩が挙げられる。
本発明において有効成分として使用されるカルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物としては、アシタバから公知の方法で分画することによって得られる当該カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物を高濃度に含む画分を使用することもできる。ここで、高濃度とは、天然のアシタバ中の当該カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物の濃度よりも高いことを意味し、天然のアシタバ中の濃度の1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがより好ましい。上記の分画手段としては、抽出、分別沈殿、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等が挙げられる。また、得られた画分の精製を、下記実施例28又は30に例示されるとおり、HMG−CoAレダクターゼ阻害作用又は細胞の抗泡沫化作用を指標としてさらに進めることにより、当該カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物を単離することもできる。
また、本発明の有効成分として使用されるカルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物の大部分は、前述の通りアシタバに含まれる成分である。後述の実施例30に記載のとおり、アシタバはマクロファージの抗泡沫化作用を有することから、本発明の有効成分を含むアシタバ自体を本発明の医薬、食品、飲料又は飼料の全部又は一部に使用することで、本発明の所望の効果をより効率的に発現することができる。また、アシタバから本発明の有効成分が多量に含まれるように加工、処理(抽出等)を行なったアシタバ加工処理物の全部又は一部を本発明の医薬、食品、飲料又は飼料に使用することで、さらに効率的に本発明の効果を発現することができる。また、アシタバの加工品に合成、精製などにより得られた本発明の有効成分を加えることで、高脂血症、動脈硬化症やこれらが原因因子となって起こる疾患の治療用又は予防用の食品、飲料又は飼料としてより好適に使用することができる。
なお、本発明において、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体及びそれらの塩からなる少なくとも1つの化合物を本発明の有効成分と称し、本発明の有効成分を含有する治療又は予防にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療剤又は予防剤を本発明の治療剤又は予防剤と称することがある。
本発明に係る有効成分には、後述するように特に毒性は認められない。また、副作用の発生の心配もない。それゆえ、安全かつ適切に疾患の治療又は予防を行うことができる。従って、当該有効成分を含んでなる本発明の治療剤、予防剤、食品、飲料または飼料は、治療又は予防にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療または予防に有効である。
また、本発明において、治療又は予防にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用を要する疾患としては、HMG−CoAレダクターゼの活性を阻害することにより治療又は予防効果がみられる疾患であれば特に限定はないが、例えば、高脂血症、動脈硬化症やこれらが原因因子となって起こる疾患、例えば心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、くも膜下出血、肥満症等が例示される。
また、本発明において、治療又は予防に細胞の抗泡沫化作用を要する疾患としては、細胞の泡沫化を抑制することにより治療又は予防効果がみられる疾患であれば特に限定はないが、例えば、動脈硬化症やこれらが原因因子となって起こる疾患、例えば急性心筋梗塞、不安定狭心症、虚血性突然死、脳血管障害、慢性閉塞性動脈硬化症等が例示される。
さらに本発明の有効成分のうち、HMG−CoAレダクターゼ阻害作用と細胞の抗泡沫化作用の両方の作用を併せ持つものについては、上記記載した疾患に対して特に高い効果が期待できることから、本発明に特に好適に使用することができる。さらに、これらの両方の作用が強い成分を選択的に使用することもでき、これによって、より高い効果が期待できる。
本発明の治療剤または予防剤としては、本発明に係る前記有効成分を公知の医薬用担体と組み合わせて製剤化したものが挙げられる。本発明の態様においては、有効成分としての塩は薬理学的に許容され得る塩を用いることができる。また、本発明の治療剤または予防剤としては、前記有効成分を当該有効成分と同じ用途に使用可能な他の成分、例えば公知の高脂血症や動脈硬化症の治療又は予防作用を有する成分、例えば、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチン等のスタチン系の化合物等のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤、フコイダン等の細胞の抗泡沫化剤、メリナミド等のACAT阻害剤、コレステロールエステル転送タンパク質(CETP)抑制剤、コレステロール吸収阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、LDL酸化抑制剤、ミクロソーマルトリグリセリドトランスファータンパク(MTP)阻害剤、アポリポタンパク質A1産生促進剤、ATP−バインディングカセットサブファミリーA1(ABCA1)誘導剤などと配合することもできる。
本発明の治療剤または予防剤の製造は、通常、前記有効成分を薬理学的に許容できる液状または固体状の担体と配合することにより行われ、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤、通常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤とすることができる。また、使用前に適当な担体の添加によって液状となし得る乾燥品や、その他、外用剤とすることもできる。
医薬用担体は、治療剤または予防剤の投与形態および製剤形態に応じて選択することができる。固体組成物からなる経口剤とする場合は、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤等とすることができ、たとえば、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩などの医薬用担体が利用される。また経口剤の調製に当っては、更に結合剤、崩壊剤、界面活性剤、潤沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料などを配合することもできる。たとえば、錠剤または丸剤とする場合は、所望によりショ糖、ゼラチン、ハイドロキシプロピルセルロースなどの糖衣または胃溶性もしくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。液体組成物からなる経口剤とする場合は、薬理学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤などとすることができ、たとえば、精製水、エタノールなどが担体として利用される。また、さらに所望により湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、防腐剤などを添加してもよい。
一方、非経口剤とする場合は、常法に従い本発明の前記有効成分を希釈剤としての注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、落花生油、大豆油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどに溶解ないし懸濁させ、必要に応じ、殺菌剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤などを加えることにより調製することができる。また、固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
外用剤としては、経皮投与用または経粘膜(口腔内、鼻腔内)投与用の、固体、半固体状または液状の製剤が含まれる。また、座剤なども含まれる。たとえば、乳剤、ローション剤などの乳濁剤、外用チンキ剤、経粘膜投与用液剤などの液状製剤、油性軟膏、親水性軟膏などの軟膏剤、フィルム剤、テープ剤、パップ剤などの経皮投与用または経粘膜投与用の貼付剤などとすることができる。
上記のような各種製剤形態での治療剤又は予防剤は、それぞれ公知の医薬用担体などを利用して、適宜、常法により製造することができる。また、かかる治療剤または予防剤における有効成分の含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、好ましくは後述の投与量範囲で当該有効成分を投与できるような量であれば特に限定されるものではない。
本発明の治療剤又は予防剤は、製剤形態に応じた適当な投与方法で投与される。投与方法も特に限定はなく、例えば、内用、外用および注射により投与されればよい。本発明の治療剤又は予防剤を注射により投与する場合は、たとえば静脈内、筋肉内、皮下、皮内などに投与し得、外用により投与する場合は、たとえば、座剤等の外用剤として、その適する投与方法により投与すればよい。
本発明の治療剤または予防剤の投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的および当該治療剤または予防剤の投与対象である患者の年齢、体重、症状等によって適宜設定され一定ではない。一般には、製剤中に含有される前記有効成分の量で、好ましくは成人1日当り0.1μg〜1g/kg体重である。もちろん投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、あるいは範囲を超えて必要な場合もある。投与は、所望の投与量範囲内において、1日内において単回で、または数回に分けて行ってもよい。また、本発明の治療剤または予防剤はそのまま経口投与するほか、任意の飲食品に添加して日常的に摂取させることもできる。
また、本明細書において、医薬とは、便宜的に、上記の本発明の治療剤又は予防剤を指すのみでなく、以下に記載される本発明のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤をも指す場合がある。
また、本発明は前記有効成分を含むHMG−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤を提供することもできる。当該HMG−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤としては、前記有効成分そのものであってもよく、また、前記有効成分を含む組成物であってもよい。本発明の態様においては、有効成分としての塩は薬理学的に許容される塩が好適である。当該HMG−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤は、たとえば、前記有効成分を当該有効成分と同じ用途に使用可能な他の成分、例えば公知の高脂血症や動脈硬化症の治療又は予防作用を有する成分、例えば、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチン等のスタチン系の化合物等のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤、フコイダン等の細胞の抗泡沫化剤、メリナミド等のACAT阻害剤、コレステロールエステル転送タンパク質(CETP)抑制剤、コレステロール吸収阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、LDL酸化抑制剤、ミクロソーマルトリグリセリドトランスファータンパク(MTP)阻害剤、アポリポタンパク質A1産生促進剤、ATP−バインディングカセットサブファミリーA1(ABCA1)誘導剤などと配合することもできる。上記治療剤または予防剤の製造方法に準じて通常使用される試薬の形態に製造することもできる。当該HMG−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤における前記有効成分の含有量は、当該HMG−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤の投与方法、使用目的などを考慮し、本発明の所望の効果の発現が得られ得るような量であればよく、特に限定されるものではない。また、当該HMG−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤の使用量も、本発明の所望の効果の発現が得られ得るようであれば特に限定されるものではない。特に、生体に投与して使用する場合には、好ましくは前記治療剤または予防剤における有効成分の投与量範囲内で有効成分を投与できるような量で使用すればよい。投与方法についても特に限定されるものではなく、前記治療剤又は予防剤と同様に適宜設定すればよい。当該HMG−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤は、前述の治療又は予防にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療又は予防に対して有用である。また、当該HMG−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤は、治療又は予防にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患に対する薬物のスクリーニングや、高脂血症や動脈硬化症のメカニズムの研究にも有用である。また、当該HMG−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤を食品又は飲料に添加することもできる。
本発明に係る有効成分には、後述するように特に毒性は認められない。また、副作用の発生の心配もない。それゆえ、安全かつ適切にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を発現することができる。従って、当該有効成分を含んでなる本発明の医薬、食品、飲料または飼料は、治療又は予防にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療または予防に有効である。
また、本発明は、前記有効成分を含有してなるHMG−CoAレダクターゼ阻害用及び/又は細胞の抗泡沫化用の食品、飲料又は飼料(本明細書中において、本発明の食品、飲料又は飼料と称することがある)を提供する。本発明の態様においては、有効成分の塩としては、薬理学的に許容される塩、またはそれと同等の安全性を有する塩が好適である。本発明の食品、飲料または飼料は、そのHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用により、治療又は予防にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患、すなわち前述したような、高脂血症、動脈硬化症、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、くも膜下出血、肥満症、急性心筋梗塞、不安定狭心症、虚血性突然死、脳血管障害、慢性閉塞性動脈硬化症等の症状改善、予防に極めて有用である。すなわち、本発明の食品又は飲料は上記の疾患の予防又は治療を目的とすることを付した機能性食品(特定保健用食品)として極めて有用であり、血中コレステロールが気になる方、ヘビースモーカーの方、肥満体型の方、運動不足の方、飲酒量の多い方、糖尿病患者の方にとって極めて有用である。
また、本発明の食品、飲料又は飼料は、たとえば、前記有効成分を当該有効成分と同じ用途に使用可能な他の成分、例えば公知の高脂血症や動脈硬化症の治療又は予防作用を有する成分、例えば、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチン等のスタチン系の化合物等のHMG−CoAレダクターゼ阻害剤、フコイダン等の細胞の抗泡沫化剤、メリナミド等のACAT阻害剤、コレステロールエステル転送タンパク質(CETP)抑制剤、コレステロール吸収阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、LDL酸化抑制剤、ミクロソーマルトリグリセリドトランスファータンパク(MTP)阻害剤、アポリポタンパク質A1産生促進剤、ATP−バインディングカセットサブファミリーA1(ABCA1)誘導剤などと配合することで、より効果の高い食品、飲料又は飼料を製造することもできる。また、既知の健康食品素材、例えば大豆タンパク質およびペプチド、グルコマンナン、キトサン、植物ステロールエステル等と配合することもできる。
なお、本発明の食品、飲料または飼料において「含有」とは、含有、添加および/または希釈を意味する。ここで、「含有」とは食品、飲料または飼料中に本発明で使用される有効成分が含まれるという態様を、「添加」とは食品、飲料または飼料の原料に、本発明で使用される有効成分を添加するという態様を、「希釈」とは本発明で使用される有効成分に、食品、飲料または飼料の原料を添加するという態様をいうものである。
本発明の食品、飲料または飼料の製造法に特に限定はない。たとえば、配合、調理、加工などは一般の食品、飲料または飼料のものに従えばよく、それらの製造法により製造することができ、得られた食品、飲料または飼料にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を有する本発明に係る前記有効成分が含有されていれば良い。
本発明の食品または飲料としては特に限定はないが、たとえば、本発明に係る前記有効成分が含有されてなる、穀物加工品(小麦粉加工品、デンプン類加工品、プレミックス加工品、麺類、マカロニ類、パン類、あん類、そば類、麩、ビーフン、はるさめ、包装餅など)、油脂加工品(可塑性油脂、てんぷら油、サラダ油、マヨネーズ類、ドレッシングなど)、大豆加工品(豆腐類、味噌、納豆など)、食肉加工品(ハム、ベーコン、プレスハム、ソーセージなど)、水産製品(冷凍すりみ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、つみれ、すじ、魚肉ハム、ソーセージ、かつお節、魚卵加工品、水産缶詰、つくだ煮など)、乳製品(原料乳、クリーム、ヨーグルト、バター、チーズ、練乳、粉乳、アイスクリームなど)、野菜・果実加工品(ペースト類、ジャム類、漬け物類、果実飲料、野菜飲料、ミックス飲料など)、菓子類(チョコレート、ビスケット類、菓子パン類、ケーキ、餅菓子、米菓類など)、アルコール飲料(日本酒、中国酒、ワイン、ウイスキー、焼酎、ウオッカ、ブランデー、ジン、ラム酒、ビール、清涼アルコール飲料、果実酒、リキュールなど)、嗜好飲料(緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、青汁、清涼飲料、乳酸飲料など)、調味料(しょうゆ、ソース、酢、みりんなど)、缶詰・瓶詰め・袋詰め食品(牛飯、釜飯、赤飯、カレー、その他の各種調理済み食品)、半乾燥または濃縮食品(レバーペースト、その他のスプレッド、そば・うどんの汁、濃縮スープ類)、乾燥食品(即席麺類、即席カレー、インスタントコーヒー、粉末ジュース、粉末スープ、即席味噌汁、調理済み食品、調理済み飲料、調理済みスープなど)、冷凍食品(すき焼き、茶碗蒸し、うなぎかば焼き、ハンバーグステーキ、シュウマイ、餃子、各種スティック、フルーツカクテルなど)、固形食品、液体食品(スープなど)、香辛料類などの農産・林産加工品、畜産加工品、水産加工品などが挙げられる。
本発明の食品または飲料は、前記有効成分が単独もしくは複数含有、添加および/または希釈されており、その含有量がHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を発現するための必要量に相当するものであれば特にその形状に限定はなく、タブレット状、顆粒状、カプセル状等の形状の経口的に摂取可能な形状物も包含する。
本発明の食品又は飲料中の前記有効成分の含有量は特に限定されず、その官能と活性発現の観点から適宜選択できるが、例えば食品100重量%当たり好ましくは0.00001重量%以上、より好ましくは0.0001〜10重量%、更に好適には0.0006〜6重量%であり、例えば、飲料100重量%当たり好ましくは0.00001重量%以上、より好ましくは0.0001〜10重量%、更に好適には0.0006〜6重量%である。また本発明の食品又は飲料は、好ましくは、それらに含有される有効成分が、例えば成人1口当たり0.001mg〜10g/kg体重、より好ましくは0.1mg〜1g/kg体重となるように摂取すればよい。
また、本発明は、前記有効成分を含有、添加および/または希釈してなる、HMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を有する生物用の飼料(本明細書中において、本発明の飼料と称することがある)を提供するものであり、さらに、別の一態様として、前記有効成分を生物に投与することを特徴とする生物の飼育方法をも提供する。また、本発明の別の一態様として、前記有効成分を含有することを特徴とする生物飼育用剤が提供される。
本明細書において、生物としては、限定はないが、たとえば養殖動物、ペット動物などが挙げられる。養殖動物としてはウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、ラマなどの家畜、マウス、ラット、モルモット、ウサギなどの実験動物、ニワトリ、アヒル、七面鳥、駝鳥などの家禽、魚類、甲殻類または貝類が例示される。ペット動物としてはイヌ、ネコなどが例示される。飼料としては体調の維持および/または改善用飼料が例示される。生物飼育用剤としては浸漬用剤、飼料添加剤、飲料用添加剤が例示される。
これらの発明によれば、それらを適用する前記例示するような生物において、本発明に使用される前記有効成分のHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用に基づき、本発明の前記治療剤または予防剤によるのと同様の効果の発現が期待できる。すなわち、当該生物における治療又は予防にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療または予防効果を有する。
本発明に使用される前記有効成分は通常、対象生物に1日当たり好ましくは0.01〜2000mg/kg体重、投与される。投与は、たとえば、当該有効成分を、対象生物に供する人工配合飼料の原料中に添加混合しておくか、人工配合飼料の粉末原料と混合した後、その他の原料にさらに添加混合することで行うことができる。また、前記有効成分の飼料中の含有量は特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定すれば良いが、0.001〜15重量%の割合が好適である。
本発明の飼料の製造法に特に限定はなく、また配合も一般の飼料に準ずるものであればよく、製造された飼料中にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を有する本発明に係る前記有効成分が含まれていればよい。
HMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を有する本発明に使用される前記有効成分を含んでなる飼料を摂取させること、またはHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を有する本発明に使用される前記有効成分の含有液に対象生物を浸漬することにより、家畜、実験動物、家禽、ペット動物などの体調を良好に維持し、または、改善させたりすることができる。
本発明はまた、治療又は予防にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療又は予防を必要とする被験体に、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物の有効量を投与することを含む、該疾患の治療又は予防方法を提供する。
被験体とは、好ましくは上記疾患の治療または予防を必要とするヒトであるが、上記疾患の治療または予防を必要とする生物、例えば、上記のような養殖動物、ペット動物等であってもよい。
また、有効量とは、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物(有効成分)を上記被験体に投与した場合に、該有効成分を投与していない被験体と比較して、上記疾患の症状等に関して改善された臨床結果を生じる該化合物等の量である。具体的な有効量としては、投与形態、投与方法、使用目的および被験体の年齢、体重、症状等によって適宜設定され一定ではないが、好ましくは、被験体の前記有効成分の量で、成人1日当り0.1μg〜1g/kg体重である。
本発明の治療方法においては、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物の有効量をそのまま上記被験体に投与してもよく、また、上記のような医薬、食品、飲料、又は飼料として投与してもよい。また、投与方法にも限定はなく、例えば、上記の治療又は予防剤と同様に、経口投与や注射等により投与すればよい。
本発明の治療方法によれば、安全に、治療又は予防にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患を治療又は予防することが可能である。
本発明で使用される前記有効成分は、その作用発現にとっての有効量の投与を行っても毒性は認められない。たとえば経口投与の場合、前述の表1〜5に記載の化合物、もしくはこれらの光学活性体又はそれらの塩のいずれかを、それぞれ1g/kg体重でマウスに単回投与しても死亡例は認められない。また、前記有効成分は、ラットに経口投与において1g/kg体重を経口単回投与しても死亡例は認められない。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら限定されるものではない。なお、実施例における%は特に記載がなければすべて容量%を意味する。
実施例1 キサントアンゲロールの調製
(1)アシタバ根部の乾燥粉末5kgに15Lのエタノールを加え、室温で30分間抽出を行い、吸引ろ過後、エタノール抽出液と残渣に分けた。残渣に対して同様の抽出を2回行った後、エタノール抽出液を合わせ減圧濃縮し、エタノール抽出濃縮液を得た。
(1)アシタバ根部の乾燥粉末5kgに15Lのエタノールを加え、室温で30分間抽出を行い、吸引ろ過後、エタノール抽出液と残渣に分けた。残渣に対して同様の抽出を2回行った後、エタノール抽出液を合わせ減圧濃縮し、エタノール抽出濃縮液を得た。
(2)実施例1−(1)で得られたエタノール抽出濃縮液を2Lの25%エタノール水溶液に溶解し、ついで逆相クロマトグラフィーを用いて分画した。樹脂はコスモシール140 C18−OPN(ナカライテスク社製:400mL)を用い、1Lの30%エタノール水溶液、5Lの40%エタノール水溶液、4Lの75%エタノール水溶液、3Lの100%エタノール水溶液の順に溶出を行った。
(3)実施例1−(2)で得られた75%エタノール水溶液溶出画分を減圧濃縮し、シリカゲル(BW−300SP:富士シリシア化学社製、350mL)に吸着させた。溶出はクロロホルム:ヘキサンの溶媒比を2:1(800mL)、10:4(1800mL)、および酢酸エチル(1400mL)の順に段階的に行った。溶出液はフラクション1から5まで200mLごと、フラクション6は150mL、フラクション7から10は100mLごと、フラクション11から16は200mLごと、フラクション17は1000mLの順に分画した。
(4)実施例1−(3)で得られたフラクションの番号17を減圧濃縮し、シリカゲル(350mL)に吸着させた。溶出はクロロホルム:ヘキサンの溶媒比を10:3(1000mL)、10:1(2100mL)、20:1(1000mL)、酢酸エチル(500mL)の順に段階的に行い、最初の2300mLを溶出の後、100mLごとに分画した。
(5)実施例1−(4)で得られたフラクションの番号4から22を減圧濃縮後、クロロホルムに溶解した。続いてヘキサンによる再結晶を行い、生じた沈殿と上清とを分けた。得られた沈殿を乾燥し、キサントアンゲロールを得た。
実施例2 4−ハイドロキシデリシンの調製
実施例1−(3)で得られたシリカフラクションの番号10から15を集めて減圧濃縮後、クロロホルムに溶解した。続いてヘキサンによる再結晶を行い、生じた沈殿と上清とを分けた。得られた沈殿を乾燥し、4−ハイドロキシデリシンを得た。
実施例1−(3)で得られたシリカフラクションの番号10から15を集めて減圧濃縮後、クロロホルムに溶解した。続いてヘキサンによる再結晶を行い、生じた沈殿と上清とを分けた。得られた沈殿を乾燥し、4−ハイドロキシデリシンを得た。
実施例3 キサントアンゲロールHの調製
(1)実施例1−(2)で得られた40%エタノール水溶液溶出画分を減圧濃縮し、シリカゲル(350mL)に吸着させた。溶出はクロロホルム:メタノールの溶媒比を50:1(960mL)、40:1(520mL)、20:1(1000mL)、10:1(840mL)、5:1(520mL)の順に段階的に行い、溶出液を8mLごとに分画した。
(1)実施例1−(2)で得られた40%エタノール水溶液溶出画分を減圧濃縮し、シリカゲル(350mL)に吸着させた。溶出はクロロホルム:メタノールの溶媒比を50:1(960mL)、40:1(520mL)、20:1(1000mL)、10:1(840mL)、5:1(520mL)の順に段階的に行い、溶出液を8mLごとに分画した。
(2)実施例3−(1)で得られたシリカフラクションの番号142から164を集めて濃縮乾固後、酢酸エチルに溶解した。続いてヘキサンによる再結晶を行い、生じた沈殿と上清とを分けた。得られた沈殿を乾燥し、キサントアンゲロールHを得た。
実施例4 TB1の調製
(1)実施例3−(1)で得られたシリカフラクションの番号303から325を集めて濃縮乾固後、酢酸エチルに溶解した。続いてヘキサンによる再結晶を行い、生じた沈殿を乾燥し黄色物質を得た。
(1)実施例3−(1)で得られたシリカフラクションの番号303から325を集めて濃縮乾固後、酢酸エチルに溶解した。続いてヘキサンによる再結晶を行い、生じた沈殿を乾燥し黄色物質を得た。
(2)実施例4−(1)で得られた黄色物質を核磁気共鳴(NMR)スペクトル装置(AVANCE600型:ブルカ・バイオスピン社製)を用い、各種NMRスペクトルを測定し構造解析した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、ピークの番号は下記式(化8)のとおりである。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ0.81(3H,s,CH3−7”),1.03(3H,s,CH3−7”),1.24(3H,s,CH3−3”),1.54(1H,m,H−5”),1.61(1H,dd,J=4.8Hz,J=13.2Hz,H−2”),1.71(1H,m,H−5”),1.75(1H,m,H−4”),1.87(1H,m,H−4”),2.34(1H,dd,J=13.2Hz,J=16.8Hz,H−1”),2.67(1H,dd,J=4.8Hz,J=16.8Hz,H−1”),3.27(1H,m,H−6”),4.65(1H,d,J=4.8Hz,OH−6”),6.47(1H,d,J=8.4Hz,H−5’),6.83(2H,d,J=8.4Hz,H−3およびH−5),7.39(1H,d,J=8.4Hz,H−6’),7.42(1H,d,J=15.6Hz,H−β),7.48(1H,d,J=15.6Hz,H−α),7.51(2H,d,J=8.4Hz,H−2およびH−6),9.97(1H,br−s,OH−4),10.22(1H,br−s,OH−4’)
図1に1H−NMRスペクトルを示す。
図1に1H−NMRスペクトルを示す。
13C−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ15.3(CH3−7”),18.8(C−1”),20.7(CH3−3”),28.1(CH3−7”),28.9(C−5”),38.3(C−4”),38.9(C−7”),46.4(C−2”),76.8(C−6”),77.9(C−3”),107.7(C−5’),110.4(C−3’),116.8(C−3およびC−5),120.8(C−1’),125.2(C−α)127.1(C−1),130.2(C−6’),130.8(C−2およびC−6),141.2(C−β),154.9(C−2’),160.3(C−4),160.6(C−4’),189.8(C=O)
図2に13C−NMRスペクトルを示す。
図2に13C−NMRスペクトルを示す。
次いで、実施例4−(1)で得られた黄色物質の質量スペクトル(MS)を質量分析計(DX302:日本電子社製)によりFAB−MSの手法で測定した。
FAB−MS:m/z 407(M−H)−メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、実施例4−(1)で得られた黄色物質が1−(5,6,7,8,8a,10a−hexahydro−1,7−dihydroxy−8,8,10a−trimethyl−9H−xanthen−4−yl)−3−(4−hydroxyphenyl)−2−propen−1−one(分子量408、以下TB1と称する)であることを確定した。
実施例5 TB2の調製
(1)実施例3−(1)で得られたシリカフラクションの番号283から302を集めて濃縮乾固後、酢酸エチルに溶解した。続いてヘキサンによる再結晶を行い、生じた沈殿を乾燥し黄色物質を得た。
(1)実施例3−(1)で得られたシリカフラクションの番号283から302を集めて濃縮乾固後、酢酸エチルに溶解した。続いてヘキサンによる再結晶を行い、生じた沈殿を乾燥し黄色物質を得た。
(2)実施例5−(1)で得られた黄色物質のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、ピークの番号は下記式(化9)のとおりである。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ1.20(3H,s,CH3−3”),1.36(3H,s,CH3−7”),1.57(3H,s,CH3−7”),1.68(2H,m,H−4”),2.10(2H,m,H−5”),2.41(1H,dd,J=9.0Hz,J=16.8Hz,H−1”),2.85(1H,dd,J=6.0Hz,J=16.8Hz,H−1”),3.76(1H,m,H−2”),5.01(1H,m,H−6”),5.23(1H,d,J=4.8Hz,OH−2”),6.47(1H,d,J=8.4Hz,H−5’),6.80(2H,d,J=8.4Hz,H−3およびH−5),7.38(1H,d,J=8.4Hz,H−6’),7.44(1H,d,J=15.6Hz,H−β),7.47(1H,d,J=15.6Hz,H−α),7.50(2H,d,J=8.4Hz,H−2およびH−6),9.96(1H,s,OH−4),10.19(1H,s,OH−4’)
図3に1H−NMRスペクトルを示す。
図3に1H−NMRスペクトルを示す。
13C−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ18.1(CH3−3”),18.2(CH3−7”),22.1(C−5”),26.3(CH3−7”),27.2(C−1”),38.7(C−4”),66.7(C−2”),80.2(C−3”),107.8(C−5’),109.1(C−3’),116.7(C−3およびC−5),121.0(C−1’),125.1(C−6”),125.1(C−α)127.0(C−1),130.3(C−6’),130.8(C−2およびC−6),131.6(C−7”),141.5(C−β),154.6(C−2’),160.4(C−4),160.4(C−4’),189.9(C=O)
図4に13C−NMRスペクトルを示す。
図4に13C−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 407(M−H)−メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、実施例5−(1)で得られた黄色物質が1−(3,4−dihydro−3,5−dihydroxy−2−(3−isohexenyl)−2−methyl−2H−benzopyran−8−yl)−3−(4−hydroxyphenyl)−2−propen−1−one(分子量408、以下TB2と称する)であることを確定した。
実施例6 TB3の調製
(1)実施例1−(4)で得られたフラクションの番号23,24を減圧濃縮後、クロロホルムに溶解し、ヘキサンによる再結晶を行い黄色物質を得た。
(1)実施例1−(4)で得られたフラクションの番号23,24を減圧濃縮後、クロロホルムに溶解し、ヘキサンによる再結晶を行い黄色物質を得た。
(2)実施例6−(1)で得られた黄色物質のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、ピークの番号は下記式(化10)のとおりである。
1H−NMR(重クロロホルム):δ1.34(3H,s,CH3−3”),1.57(2H,m,H−4”),1.65(3H,s,CH3−7”),1.71(3H,s,CH3−7”),1.79(1H,s,OH−3”),2.11(1H,m,H−5”),2.19(1H,m,H−5”),3.19(2H,d,J=8.7Hz,H−1”),4.82(1H,t,J=3.7Hz,H−2”),5.15(1H,t,J=6.7Hz,H−6”),5.21(1H,s,OH−4),6.44(1H,d,J=8.4Hz,H−5’),6.89(2H,d,J=7.2Hz,H−3およびH−5),7.46(1H,d,J=15.0Hz,H−α),7.58(2H,d,J=7.2Hz,H−2およびH−6),7.80(1H,d,J=8.4Hz,H−6’),7.84(1H,d,J=15.0Hz,H−β),13.51(1H,s,OH−2’)
図5に1H−NMRスペクトルを示す。
図5に1H−NMRスペクトルを示す。
13C−NMR(重クロロホルム):δ18.1(CH3−7”),22.4(C−5”),23.2(CH3−3”),26.1(CH3−7”),27.3(C−1”),37.1(C−4”),74.2(C−3”),91.6(C−2”),102.1(C−5’),114.2(C−3’),115.4(C−1’),116.4(C−3およびC−5),118.6(C−α),124.4(C−6”),128.2(C−1),130.9(C−2およびC−6),132.1(C−6’),132.7(C−7”),144.3(C−β),158.3(C−4),161.9(C−2’),167.0(C−4’),192.5(C=O)
図6に13C−NMRスペクトルを示す。
図6に13C−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 407(M−H)−メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、実施例6−(1)で得られた黄色物質が1−[2,3−dihydro−4−hydroxy−2−(1−hydroxy−1,5−dimethyl−4−hexenyl)−benzofuran−5−yl]−3−(4−hydroxyphenyl)−2−propen−1−one(分子量408,以下TB3と称する)であることを確定した。
実施例7 TB4の調製
(1)実施例3−(1)で得られたシリカフラクションの番号118から132を集めて濃縮乾固して黄色物質を得た。
(1)実施例3−(1)で得られたシリカフラクションの番号118から132を集めて濃縮乾固して黄色物質を得た。
(2)実施例7−(1)で得られた黄色物質のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、ピークの帰属の番号は以下の式(化11)のとおりである。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ1.18(3H,s,CH3−3”),1.28(3H,s,CH3−3”),3.07(2H,m,H−1”),3.87(3H,s,OCH3−4’),4.72(1H,s,OH−3”),4.78(1H,t,J=8.7Hz,H−2”),6.65(1H,d,J=9.0Hz,H−5’),6.82(2H,d,J=8.4Hz,H−3およびH−5),7.57(2H,d,J=8.4Hz,H−2およびH−6),7.59(1H,d,J=15.6Hz,H−β),7.69(1H,d,J=9.0Hz,H−6’),7.81(1H,d,J=15.6Hz,H−α),10.02(1H,s,OH−4)
図7に1H−NMRスペクトルを示す。
図7に1H−NMRスペクトルを示す。
13C−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ26.2(CH3−3”),26.8(CH3−3”),27.6(C−1”),56.5(OCH3−4’),70.9(C−3”),91.5(C−2”),105.2(C−5’),115.7(C−3’),116.0(C−1’),116.7(C−3およびC−5),123.8(C−α),127.0(C−1),131.0(C−2およびC−6),131.3(C−6’),142.7(C−β),160.5(C−4’),160.6(C−4),161.8(C−2’),186.5(C=O)
図8に13C−NMRスペクトルを示す。
図8に13C−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 353(M−H)−メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、実施例7−(1)で得られた黄色物質が1−[2,3−dihydro−2−(1−hydroxy−1−methylethyl)−4−methoxybenzofuran−7−yl]−3−(4−hydroxyphenyl)−2−propen−1−one(分子量354、以下TB4と称する)であることを確定した。
実施例8 TB5の調製
(1)実施例3−(1)で得られたシリカフラクションの番号335から349を集めて減圧濃縮後、逆相クロマトグラフィーを用いて分画した。樹脂はコスモシール140 C18−OPN(30mL)を用いた。それぞれ200mLの10%エタノール水溶液、15%エタノール水溶液、20%エタノール水溶液、25%エタノール水溶液、30%エタノール水溶液、500mLの35%エタノール水溶液、200mLの75%エタノール水溶液の順に溶出を行い、100mLごとに溶出液を分画した。
(1)実施例3−(1)で得られたシリカフラクションの番号335から349を集めて減圧濃縮後、逆相クロマトグラフィーを用いて分画した。樹脂はコスモシール140 C18−OPN(30mL)を用いた。それぞれ200mLの10%エタノール水溶液、15%エタノール水溶液、20%エタノール水溶液、25%エタノール水溶液、30%エタノール水溶液、500mLの35%エタノール水溶液、200mLの75%エタノール水溶液の順に溶出を行い、100mLごとに溶出液を分画した。
(2)実施例8−(1)で得られたフラクションの番号6、7を集めて濃縮乾固後、黄色物質を得た。
(3)実施例8−(2)で得られた黄色物質のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、ピークの帰属の番号は以下の式(化12)のとおりである。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ0.96(3H,s,CH3−7”),1.02(3H,s,CH3−7”),1.16(1H,m,H−5”),1.61(1H,m,H−5”),1.73(3H,s,CH3−3”),1.85(1H,m,H−4”),2.15(1H,m,H−4”),3.01(1H,m,H−6”),3.24(1H,m,H−1”),3.31(1H,m,H−1”),4.00(1H,s,OH−7”),4.23(1H,d,J=6.0Hz,OH−6”),5.19(1H,t,J=7.2Hz,H−2”),6.47(1H,d,J=8.4Hz,H−5’),6.84(2H,d,J=8.4Hz,H−3およびH−5),7.75(1H,d,J=5.4Hz,H−α),7.75(1H,d,J=5.4Hz,H−β),7.75(2H,d,J=8.4Hz,H−2およびH−6),8.03(1H,d,J=8.4Hz,H−6’),10.11(1H,s,OH−4),10.55(1H,s,OH−4’),14.00(1H,s,OH−2’)
図9に1H−NMRスペクトルを示す。
図9に1H−NMRスペクトルを示す。
13C−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ17.0(CH3−3”),22.1(C−1”),25.4(CH3−7”),27.2(CH3−7”),30.3(C−5”),37.5(C−4”),72.4(C−7”),78.0(C−6”),108.2(C−5’),113.6(C−1’),115.4(C−3’),116.7(C−3およびC−5),118.3(C−α),122.4(C−2”),126.7(C−1),130.7(C−6’),132.0(C−2およびC−6),135.7(C−3”),145.0(C−β),161.1(C−4),163.2(C−4’),164.4(C−2’),192.6(C=O)
図10に13C−NMRスペクトルを示す。
図10に13C−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 425(M−H)−メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル,質量スペクトル解析の結果、実施例8−(2)で得られた黄色物質が1−[2,4−dihydroxy−3−(6,7−dihydroxy−3,7−dimethyl−2−octenyl)phenyl]−3−(4−hydroxyphenyl)−2−propen−1−one(分子量426,以下TB5と称する)であることを確定した。
実施例9 TB6の調製
(1)実施例3−(2)で得られた上清の濃縮物をシリカゲル(100mL)に吸着させた。溶出はヘキサン:酢酸エチル=7:5の溶媒を用い、溶出液を8mLごとに分画した。
(1)実施例3−(2)で得られた上清の濃縮物をシリカゲル(100mL)に吸着させた。溶出はヘキサン:酢酸エチル=7:5の溶媒を用い、溶出液を8mLごとに分画した。
(2)実施例9−(1)で得られたシリカフラクションの番号41から51を集めて濃縮乾固して黄色物質を得た。
(3)実施例9−(2)で得られた黄色物質のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、ピークの帰属の番号は以下の式(化13)のとおりである。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ0.96(3H,s,CH3−7”),0.99(3H,t,J=6.9Hz,−O−CH2−CH3),1.04(3H,s,CH3−7”),1.15(1H,m,H−5”),1.60(1H,m,H−5”),1.72(3H,s,CH3−3”),1.89(1H,m,H−4”),2.13(1H,m,H−4”),3.18(1H,m,H−6”),3.24(2H,m,H−1”),3.29(2H,m,−O−CH2−CH3),4.27(1H,d,J=6.0Hz,OH−6”),5.20(1H,t,J=6.9Hz,H−2”),6.47(1H,d,J=9.0Hz,H−5’),6.84(2H,d,J=8.4Hz,H−3およびH−5),7.75(1H,d,J=4.8Hz,H−α),7.75(1H,d,J=4.8Hz,H−β),7.75(2H,d,J=8.4Hz,H−2およびH−6),8.31(1H,d,J=9.0Hz,H−6’),10.11(1H,s,OH−4),10.55(1H,s,OH−4’),14.00(1H,s,OH−2’)
図11に1H−NMRスペクトルを示す。
図11に1H−NMRスペクトルを示す。
13C−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ17.0(CH3−3”),17.0(−O−CH2−CH3),21.1(CH3−7”),22.1(C−1”),23.3(CH3−7”),29.9(C−5”),37.2(C−4”),56.6(−O−CH2−CH3),75.1(C−6”),77.5(C−7”),108.2(C−5’),113.6(C−1’),115.4(C−3’),116.7(C−3およびC−5),118.3(C−α),122.7(C−2”),126.7(C−1),130.6(C−6’),132.0(C−2およびC−6),135.5(C−3”),145.0(C−β),161.1(C−4),163.1(C−4’),164.4(C−2’),192.6(C=O)
図12に13C−NMRスペクトルを示す。
図12に13C−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 453(M−H)−メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、実施例9−(2)で得られた黄色物質が1−[3−(7−ethoxy−6−hydroxy−3,7−dimethyl−2−octenyl)−2,4−dihydroxyphenyl]−3−(4−hydroxyphenyl)−2−propen−1−one(分子量454、以下TB6と称する)であることを確定した。
実施例10 TB7の調製
(1)実施例1−(5)で得られた上清の濃縮物をシリカゲル(350mL)に吸着させた。溶出はクロロホルム:ヘキサンの溶媒比を100:1(1500mL)、50:1(2600mL)、20:1(2600mL)、酢酸エチル(300mL)の順に段階的に行い、溶出液を8mLごとに分画した。
(1)実施例1−(5)で得られた上清の濃縮物をシリカゲル(350mL)に吸着させた。溶出はクロロホルム:ヘキサンの溶媒比を100:1(1500mL)、50:1(2600mL)、20:1(2600mL)、酢酸エチル(300mL)の順に段階的に行い、溶出液を8mLごとに分画した。
(2)実施例10−(1)で得られたフラクションの番号21から30を集めて濃縮乾固して黄色物質を得た。
(3)実施例10−(2)で得られた黄色物質のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、ピークの帰属の番号は以下の式(化14)のとおりである。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ0.91(3H,s,CH3−7”),0.96(3H,s,CH3−7”),1.21(3H,s,CH3−3”),1.26(1H,m,H−4”),1.43(1H,m,H−4”),1.53(1H,m,H−5”),1.85(1H,m,H−5”),2.12(1H,t,J=7.2Hz,H−2”),2.52(1H,m,H−1”),2.56(1H,m,H−1”),3.62(1H,d,J=5.4Hz,H−6”),3.91(3H,s,OCH3−4’),6.67(1H,d,J=9.0Hz,H−5’),6.85(2H,d,J=8.4Hz,H−3およびH−5),7.78(1H,d,J=15.6Hz,H−β),7.78(2H,d,J=8.4Hz,H−2およびH−6),7.83(1H,d,J=15.6Hz,H−α),8.23(1H,d,J=9.0Hz,H−6’),10.15(1H,s,OH−4),13.99(1H,s,OH−2’)
図13に1H−NMRスペクトルを示す。
図13に1H−NMRスペクトルを示す。
13C−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ19.0(CH3−3”),21.3(C−1”),24.5(CH3−7”),26.0(CH3−7”),26.4(C−5”),39.9(C−4”),46.3(C−7”),53.5(C−2”),56.8(OCH3−4’),85.8(C−6”),86.9(C−3”),103.7(C−5’),114.8(C−1’),116.7(C−3およびC−5),117.4(C−3’),118.2(C−α),126.6(C−1),131.3(C−6’),132.2(C−2およびC−6),145.7(C−β),161.3(C−4),163.5(C−2’),164.1(C−4’),193.4(C=O)
図14に13C−NMRスペクトルを示す。
図14に13C−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 421(M−H)−メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、実施例10−(2)で得られた黄色物質が1−[3−(2,5−epoxy−2,6,6−trimethyl−cyclohexylmethyl)−2−hydroxy−4−methoxyphenyl]−3−(4−hydroxyphenyl)−2−propen−1−one(分子量422、以下TB7と称する)であることを確定した。
実施例11 TB8の調製
(1)実施例2で得られた上清を減圧濃縮後、逆相クロマトグラフィーを用いて分画した。カラムはTSK gel ODS−80Ts(21.5mm×30cm:東ソー社製)を用いた。溶媒は蒸留水:アセトニトリル=15:85、溶出速度は5mL/分、検出は215nmで行った。溶出液の紫外線吸収を指標に溶出液を分画した。
(1)実施例2で得られた上清を減圧濃縮後、逆相クロマトグラフィーを用いて分画した。カラムはTSK gel ODS−80Ts(21.5mm×30cm:東ソー社製)を用いた。溶媒は蒸留水:アセトニトリル=15:85、溶出速度は5mL/分、検出は215nmで行った。溶出液の紫外線吸収を指標に溶出液を分画した。
(2)実施例11−(1)で得られた逆相クロマトフラクション2(保持時間57.6分の検出ピークを含むフラクション)を濃縮乾固して黄色物質を得た。
(3)実施例11−(2)で得られた黄色物質のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、ピークの帰属の番号は以下の式(化15)のとおりである。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ1.19(3H,s,CH3−7”),1.19(3H,s,CH3−7”),1.70(3H,s,CH3−3”),2.62(2H,d,J=6.6Hz,H−4”),3.29(1H,m,H−1”),3.31(1H,m,H−1”),3.91(3H,s,OCH3−4’),5.19(1H,t,J=6.9Hz,H−2”),5.47(1H,m,H−5”),5.55(1H,d,J=15.6Hz,H−6”),6.68(1H,d,J=9.0Hz,H−5’),6.85(2H,d,J=8.4Hz,H−3およびH−5),7.78(2H,d,J=8.4Hz,H−2およびH−6),7.79(1H,d,J=13.2Hz,H−β),7.83(1H,d,J=13.2Hz,H−α),8.23(1H,d,J=9.0Hz,H−6’),10.14(1H,s,OH−4),10.81(1H,s,OOH−7”),13.81(1H,s,OH−2’)
図15に1H−NMRスペクトルを示す。
図15に1H−NMRスペクトルを示す。
13C−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ16.8(CH3−3”),22.1(C−1”),25.5(CH3−7”),25.5(CH3−7”),43.0(C−4”),56.9(OCH3−4’),81.1(C−7”),103.7(C−5’),114.9(C−1’),116.6(C−3’),116.7(C−3およびC−5),118.1(C−α),123.5(C−2”),126.5(C−1),127.9(C−5”),131.4(C−6’),132.3(C−2およびC−6),134.3(C−3”),137.0(C−6”),145.7(C−β),161.3(C−4),163.0(C−2’),163.9(C−4’),193.3(C=O)
図16に13C−NMRスペクトルを示す。
図16に13C−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 437(M−H)−メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル,質量スペクトル解析の結果、実施例11−(2)で得られた黄色物質が1−[2−hydroxy−3−(7−hydroperoxy−3,7−dimethyl−2,5−octadienyl)−4−methoxyphenyl]−3−(4−hydroxyphenyl)−2−propen−1−one(分子量438,以下TB8と称する)であることを確定した。
実施例12 TB9の調製
(1)実施例11−(1)で得られた逆相クロマトフラクション3(保持時間61.2分の検出ピークを含むフラクション)を濃縮乾固して黄色物質を得た。
(1)実施例11−(1)で得られた逆相クロマトフラクション3(保持時間61.2分の検出ピークを含むフラクション)を濃縮乾固して黄色物質を得た。
(2)実施例12−(1)で得られた黄色物質のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、ピークの帰属の番号は以下の式(化16)のとおりである。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ1.40(1H,m,H−5”),1.56(1H,m,H−5”),1.62(3H,s,CH3−7”),1.72(3H,s,CH3−3”),1.89(2H,m,H−4”),3.27(1H,m,H−1”),3.31(1H,m,H−1”),3.91(3H,s,OCH3−4’),4.07(1H,t,J=6.9Hz,H−6”),4.79(1H,s,H−8”),4.84(1H,s,H−8”),5.14(1H,t,J=6.6Hz,H−2”),6.68(1H,d,J=9.0Hz,H−5’),6.85(2H,d,J=8.4Hz,H−3およびH−5),7.78(2H,d,J=8.4Hz,H−2およびH−6),7.78(1H,d,J=15.0Hz,H−β),7.83(1H,d,J=15.0Hz,H−α),8.24(1H,d,J=9.0Hz,H−6’),10.15(1H,s,OH−4),11.25(1H,s,OOH−6”),13.81(1H,s,OH−2’)
図17に1H−NMRスペクトルを示す。
図17に1H−NMRスペクトルを示す。
13C−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ16.7(CH3−3”),17.7(CH3−7”),22.0(C−1”),29.5(C−5”),36.0(C−4”),56.9(OCH3−4’),88.2(C−6”),103.6(C−5’),114.0(C−8”),114.9(C−1’),116.7(C−3’),116.7(C−3およびC−5),118.1(C−α),122.9(C−2”),126.5(C−1),131.3(C−6’),132.3(C−2およびC−6),134.9(C−3”),145.3(C−7”),145.7(C−β),161.3(C−4),163.0(C−2’),163.8(C−4’),193.3(C=O)
図18に13C−NMRスペクトルを示す。
図18に13C−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 437(M−H)−メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル,質量スペクトル解析の結果、実施例12−(1)で得られた黄色物質が1−[2−hydroxy−3−(6−hydroperoxy−3,7−dimethyl−2,7−octadienyl)−4−methoxyphenyl]−3−(4−hydroxyphenyl)−2−propen−1−one(分子量438,以下TB9と称する)であることを確定した。
実施例13 キサントアンゲロールGの調製
(1)実施例12−(1)で得られたTB9 100mgをメタノール50mLに溶解し、トリフェニルホスフィン60mgを加え室温で1時間反応した。反応液を減圧濃縮し、クロロホルム:メタノール=10:1を展開溶媒とした薄層クロマトグラフィーに供した。次に、紫外線吸収部分をかきとり、展開溶媒で抽出後、濃縮乾固することにより、キサントアンゲロールG57.2mgを得た。
(1)実施例12−(1)で得られたTB9 100mgをメタノール50mLに溶解し、トリフェニルホスフィン60mgを加え室温で1時間反応した。反応液を減圧濃縮し、クロロホルム:メタノール=10:1を展開溶媒とした薄層クロマトグラフィーに供した。次に、紫外線吸収部分をかきとり、展開溶媒で抽出後、濃縮乾固することにより、キサントアンゲロールG57.2mgを得た。
実施例14 キサントアンゲロールFの調製
実施例1−(3)で得られたシリカフラクションの番号6から9を集めて減圧濃縮後、クロロホルムに溶解した。続いてヘキサンによる再結晶を行い、生じた沈殿と上清とを分けた。得られた沈殿物を乾燥しキサントアンゲロールFを得た。
実施例1−(3)で得られたシリカフラクションの番号6から9を集めて減圧濃縮後、クロロホルムに溶解した。続いてヘキサンによる再結晶を行い、生じた沈殿と上清とを分けた。得られた沈殿物を乾燥しキサントアンゲロールFを得た。
実施例15 4’−O−ゲラニルナリンゲニンの調製
(1)実施例14で得られた上清を減圧濃縮後、逆相クロマトグラフィーを用いて分画した。カラムはTSK gel ODS−80Ts(21.5mmX30cm)を用いた。溶出は45分間、蒸留水:アセトニトリル=15:85で行った後、続く50分間はアセトニトリル容量比を100%に直線的に変化させた。溶出速度は5mL/分、検出は215nmで行った。溶出液の紫外線吸収を指標に溶出液を分画した。
(1)実施例14で得られた上清を減圧濃縮後、逆相クロマトグラフィーを用いて分画した。カラムはTSK gel ODS−80Ts(21.5mmX30cm)を用いた。溶出は45分間、蒸留水:アセトニトリル=15:85で行った後、続く50分間はアセトニトリル容量比を100%に直線的に変化させた。溶出速度は5mL/分、検出は215nmで行った。溶出液の紫外線吸収を指標に溶出液を分画した。
(2)実施例15−(1)で得られた逆相クロマトフラクション2(保持時間33分の検出ピークを含むフラクション)を濃縮乾固して4’−O−ゲラニルナリンゲニンを得た。
実施例16 レスペオールの調製
実施例15−(1)で得られた逆相クロマトフラクション5(保持時間49分の検出ピークを含むフラクション)を濃縮乾固してレスペオールを得た。
実施例15−(1)で得られた逆相クロマトフラクション5(保持時間49分の検出ピークを含むフラクション)を濃縮乾固してレスペオールを得た。
実施例17 イソババカルコンの調製
(1)実施例1−(2)で得られた75%エタノール水溶液溶出画分を減圧濃縮し、シリカゲル(BW−300SP:350mL)に吸着させた。溶出はクロロホルム:ヘキサンの溶媒比を2:1(2600mL)、10:3、15:1、20:1(各600mL)、100:1(1000mL)および酢酸エチル(500mL)の順に段階的に行った。溶出液は200mLごとに分画した。
(1)実施例1−(2)で得られた75%エタノール水溶液溶出画分を減圧濃縮し、シリカゲル(BW−300SP:350mL)に吸着させた。溶出はクロロホルム:ヘキサンの溶媒比を2:1(2600mL)、10:3、15:1、20:1(各600mL)、100:1(1000mL)および酢酸エチル(500mL)の順に段階的に行った。溶出液は200mLごとに分画した。
(2)実施例17−(1)で得られたフラクションの番号23〜30を減圧濃縮し、イソババカルコンを得た。
実施例18 イソババチンの調製
実施例3−(1)で得られたシリカフラクションの番号108から114を集めて濃縮乾固してイソババチンを得た。
実施例3−(1)で得られたシリカフラクションの番号108から114を集めて濃縮乾固してイソババチンを得た。
実施例19 ババクロマノールの調製
実施例8−(1)で得られたフラクションの番号13から20を集めて濃縮乾固してババクロマノールを得た。
実施例8−(1)で得られたフラクションの番号13から20を集めて濃縮乾固してババクロマノールを得た。
実施例20 プロストラトールFの調製
実施例1−(5)で得られたキサントアンゲロール100mgを2%水酸化ナトリウム水溶液 100mLに溶解し50℃で2時間反応した。反応液を中和後、逆層クロマトグラフィーを用いて分画した。樹脂はコスモシール140 C18−OPN(100mL)を用いた。それぞれ200mLの40%エタノール水溶液、50%エタノール水溶液、60%エタノール水溶液の順に溶出を行った。次に、50%エタノール水溶液溶出画分を濃縮乾固して、プロストラトールF63mgを得た。
実施例1−(5)で得られたキサントアンゲロール100mgを2%水酸化ナトリウム水溶液 100mLに溶解し50℃で2時間反応した。反応液を中和後、逆層クロマトグラフィーを用いて分画した。樹脂はコスモシール140 C18−OPN(100mL)を用いた。それぞれ200mLの40%エタノール水溶液、50%エタノール水溶液、60%エタノール水溶液の順に溶出を行った。次に、50%エタノール水溶液溶出画分を濃縮乾固して、プロストラトールF63mgを得た。
実施例21 化合物(C082)の調製
(1)実施例14で得られたキサントアンゲロールF 100mgを2%水酸化ナトリウム水溶液100mlに溶解し50℃で2時間反応した。反応液を中和後、逆層クロマトグラフィーを用いて分画した。樹脂はコスモシール140 C18−OPN(100ml)を用いた。それぞれ200mlの40%エタノール水溶液、50%エタノール水溶液、60%エタノール水溶液、70%エタノール水溶液の順に溶出を行った。次に、60%エタノール水溶液溶出画分を濃縮乾固して、黄色物質22mgを得た。
(1)実施例14で得られたキサントアンゲロールF 100mgを2%水酸化ナトリウム水溶液100mlに溶解し50℃で2時間反応した。反応液を中和後、逆層クロマトグラフィーを用いて分画した。樹脂はコスモシール140 C18−OPN(100ml)を用いた。それぞれ200mlの40%エタノール水溶液、50%エタノール水溶液、60%エタノール水溶液、70%エタノール水溶液の順に溶出を行った。次に、60%エタノール水溶液溶出画分を濃縮乾固して、黄色物質22mgを得た。
(2)実施例21−(1)で得られた黄色物質のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、ピークの帰属の番号は以下の式(化17)のとおりである。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ1.51(3H,s,CH3−7”),1.57(3H,s,CH3−3”),1.58(3H,s,CH3−7”),1.88(2H,m,H−4”),1.98(2H,m,H−5”),2.72(1H,dd,J=16.8Hz,J=2.4Hz,H−3),3.10(1H,dd,J=12.6Hz,J=16.8Hz,H−3),3.23(2H,d,J=6.6Hz,H−1”),3.86(3H,s,OCH3−7),5.01(1H,t,J=6.0Hz,H−6”),5.09(1H,t,J=6.6Hz,H−2”),5.45(1H,dd,J=2.4Hz,J=12.6Hz,H−2),6.78(1H,d,J=8.4Hz,H−6),6.79(2H,d,J=9.0Hz,H−3’およびH−5’),7.31(2H,d,J=9.0Hz,H−2’およびH−6’),7.68(1H,d,J=8.4Hz,H−5),9.54(1H,s,OH−4’)
図19に1H−NMRスペクトルを示す。
図19に1H−NMRスペクトルを示す。
13C−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ16.7(CH3−3”),18.4(CH3−7”),22.5(C−1”),26.3(CH3−7”),27.0(C−5”),40.2(C−4”),44.0(C−3),57.0(OCH3−7),79.7(C−2),106.0(C−6),115.8(C−10),115.9(C−3’およびC−5’),117.5(C−8),122.5(C−2”),124.8(C−6”),126.5(C−5),128.8(C−2’およびC−6’),130.8(C−1’),131.5(C−7”),135.4(C−3”),158.4(C−4’),160.5(C−9),163.5(C−7),191.8(C−4)
図20に13C−NMRスペクトルを示す。
図20に13C−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 405(M−H)−メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、実施例21−(1)で得られた黄色物質が8−Geranyl−4’−hydroxy−7−methoxy−flavanone(分子量406:以下化合物(C082)と称する)であることを確定した。
実施例22 キサントフモールの調製
(1)ホップの乾燥粉末1kgに10Lのエタノールを加え、室温で2時間抽出を行った。次いで抽出残渣に5Lのエタノールを加え、室温で30分抽出を行った。得られた抽出液を合わせロータリーエバポレーターで減圧濃縮し、ホップエタノール抽出液800mLを得た。
(1)ホップの乾燥粉末1kgに10Lのエタノールを加え、室温で2時間抽出を行った。次いで抽出残渣に5Lのエタノールを加え、室温で30分抽出を行った。得られた抽出液を合わせロータリーエバポレーターで減圧濃縮し、ホップエタノール抽出液800mLを得た。
(2)実施例22−(1)で得たホップエタノール抽出液に蒸留水とヘキサンを加えて混合後、ヘキサン層と水層に分画した。次に水層にクロロホルムを加えて混合後、水層とクロロホルム層に分画した。クロロホルム層は減圧濃縮後、クロロホルム60mLに溶解した。
(3)実施例22−(2)で得たクロロホルム層をシリカゲル(BW−300SP、100mL)に吸着させた。ついでクロロホルム(100mL)、クロロホルム:酢酸エチル=1:1(100mL)の順に溶出した。
(4)実施例22−(3)で得たクロロホルム:酢酸エチル=1:1溶出画分から酢酸エチルとヘキサンにより再結晶を行うことでキサントフモールを得た。
実施例23 ムンドゥレアフラバノンAの合成
4,2’−dihydroxy−3’−prenyl−4’−methoxychalconeを触媒量のPyridinium−p−toluenesulfonate(東京化成)を含むジクロロメタンに溶解し室温で30分撹拌した後、3,4−dihydro−2H−pyrane(東京化成)を添加し、室温で更に3時間撹拌することにより4−tetrahydropyranyloxy−2’−hydroxy−3’−prenyl−4’−methoxychalconeを得た。4−tetrahydropyranyloxy−2’−hydroxy−3’−prenyl−4’−methoxychalconeを0.5g/mLの水酸化ナトリウムを含むメタノール中、40度で反応することによりムンドゥレアフラバノンAのテトラハイドロキシピラン(THP)化体を得た。ムンドゥレアフラバノンAのTHP化体をメタノール中、触媒量のp−トルエンスルホン酸で処理することによりムンドゥレアフラバノンAを得た。得られたムンドゥレアフラバノンAのNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。
4,2’−dihydroxy−3’−prenyl−4’−methoxychalconeを触媒量のPyridinium−p−toluenesulfonate(東京化成)を含むジクロロメタンに溶解し室温で30分撹拌した後、3,4−dihydro−2H−pyrane(東京化成)を添加し、室温で更に3時間撹拌することにより4−tetrahydropyranyloxy−2’−hydroxy−3’−prenyl−4’−methoxychalconeを得た。4−tetrahydropyranyloxy−2’−hydroxy−3’−prenyl−4’−methoxychalconeを0.5g/mLの水酸化ナトリウムを含むメタノール中、40度で反応することによりムンドゥレアフラバノンAのテトラハイドロキシピラン(THP)化体を得た。ムンドゥレアフラバノンAのTHP化体をメタノール中、触媒量のp−トルエンスルホン酸で処理することによりムンドゥレアフラバノンAを得た。得られたムンドゥレアフラバノンAのNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ1.57,1.59(6H,2s,(CH3)2C=),2.72(1H,dd,J=16.8,3Hz,CO−CH2−CH),3.11(1H,dd,J=12.6Hz,CO−CH2−CH),3.23(2H,d,J=7.2Hz,Ar−CH2−CH=),3.86(3H,s,−OCH3),5.09(1H,m,−CH2−CH=),5.47(1H,dd,CO−CH2−CH),6.79(3H,m,H−3,5,5’),7.32(2H,d,J=9Hz,H−2,6),7.68(1H,d,J=9Hz,H−6’),9.53(1H,s,−OH−4)
FAB−MS:m/z 339(M+H)+メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
実施例24 クマリン化合物Aの調製
(1)実施例1−(2)で得られた40%エタノール水溶液溶出画分を減圧濃縮し、逆相クロマトグラフィーを用いて分画した。以下にその条件について述べる。カラムはTSK gel ODS−80Ts(21.5mm×30cm)を用いた。溶媒は蒸留水:アセトニトリル=1:3を用い、溶出速度は5mL/分、検出は215nmで行なった。溶出液の紫外線吸収を指標に溶出液を分画した。
(1)実施例1−(2)で得られた40%エタノール水溶液溶出画分を減圧濃縮し、逆相クロマトグラフィーを用いて分画した。以下にその条件について述べる。カラムはTSK gel ODS−80Ts(21.5mm×30cm)を用いた。溶媒は蒸留水:アセトニトリル=1:3を用い、溶出速度は5mL/分、検出は215nmで行なった。溶出液の紫外線吸収を指標に溶出液を分画した。
(2)実施例24−(1)で得た逆相クロマトフラクション5(保持時間30.5分の検出のピークを含むフラクション)のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、帰属の番号は以下の式(化18)のとおりである。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ1.40(3H,s,CH3−2’),1.41(3H,s,CH3−2’),1.79(3H,br−t,J=1.5Hz,H−5”),1.89(3H,br−dd,J=1.2Hz,J=7.2Hz,H−4”),2.04(3H,s,H−2’’’),5.30(1H,d,J=5.0Hz,H−3’),6.08(1H,br−q,J=7.2Hz,H−3”),6.31(1H,d,J=9.6Hz,H−3),6.50(1H,d,J=5.0Hz,H−4’),6.90(1H,d,J=9.0Hz,H−6),7.66(1H,d,J=9.0Hz,H−5),8.00(1H,d,J=9.6Hz,H−4)
図21に1H−NMRスペクトルを示す。
図21に1H−NMRスペクトルを示す。
13C−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ16.0(C−4”),20.8(C−5”),21.3(CH3−2’),23.0(C−2’’’),25.3(CH3−2’),61.1(C−4’),70.4(C−3’),78.1(C−2’),107.4(C−8),113.4(C−4a),113.4(C−3),115.0(C−6),128.0(C−2”),130.9(C−5),138.0(C−3”),145.3(C−4),154.4(C−8a),156.9(C−7),160.2(C−2),167.1(C−1”),170.3(C−1’’’)
図22に13C−NMRスペクトルを示す。
図22に13C−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 387(M+H)+メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル,質量スペクトル解析の結果、逆相クロマトフラクション5が3’−Acetoxy−4’−Angeloyloxy−3’,4’−dihydroseselin(分子量386:以下クマリン化合物Aと称する)であることを確定した。
実施例25 クマリン化合物Bの調製
実施例24−(1)で得た逆相クロマトフラクション7(保持時間32.4分の検出のピークを含むフラクション)のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、帰属の番号は以下の式(化19)のとおりである。
実施例24−(1)で得た逆相クロマトフラクション7(保持時間32.4分の検出のピークを含むフラクション)のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、帰属の番号は以下の式(化19)のとおりである。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ1.33(3H,s,CH3−2’),1.37(3H,s,CH3−2’),1.78(3H,br−t,J=1.5Hz,H−5”),1.80(3H,br−dd,J=1.8Hz,J=7.2Hz,H−4”),2.92(1H,dd,J=4.2Hz,J=18.0Hz,H−4’),3.20(1H,dd,J=4.8Hz,J=18.0Hz,H−4’),5.18(1H,dd,J=4.2Hz,J=4.8Hz,H−3’),6.12(1H,br q,J=7.2Hz,H−3”),6.29(1H,d,J=9.6Hz,H−3),6.85(1H,d,J=9.0Hz,H−6),7.50(1H,d,J=9.0Hz,H−5),7.98(1H,d,J=9.6Hz,H−4)
図23に1H−NMRスペクトルを示す。
図23に1H−NMRスペクトルを示す。
13C−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ16.0(C−4”),21.0(C−5”),23.3(C−4’),24.2(CH3−2’),24.9(CH3−2’),69.8(C−3’),77.4(C−2’),107.1(C−8),112.8(C−4a),112.9(C−3),114.5(C−6),127.9(C−2”),128.1(C−5),139.2(C−3”),145.5(C−4),153.8(C−7),156.6(C−8a),161.0(C−2),167.2(C−1”)
図24に13C−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 329(M+H)+メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
図24に13C−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 329(M+H)+メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、逆相クロマトフラクション7が3’−Angeloyloxy−3’,4’−dihydroseselin(分子量328:以下クマリン化合物Bと称する)であることを確定した。
実施例26 クマリン化合物Cの調製
実施例24−(1)で得た逆相クロマトフラクション3(保持時間23.9分の検出のピークを含むフラクション)のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、帰属の番号は以下の式(化20)のとおりである。
実施例24−(1)で得た逆相クロマトフラクション3(保持時間23.9分の検出のピークを含むフラクション)のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、帰属の番号は以下の式(化20)のとおりである。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ1.39(3H,s,CH3−2’),1.43(3H,s,CH3−2’),1.91(3H,br−s,H−5”),1.98(3H,br−d,J=7.2Hz,H−4”),4.93(1H,d,J=5.0Hz,H−4’),5.24(1H,t,J=5.0Hz,H−3’),5.78(1H,d,J=5.0Hz,OH−4’),6.20(1H,br−q,J=7.2Hz,H−3”),6.31(1H,d,J=9.6Hz,H−3),6.82(1H,d,J=8.4Hz,H−6),7.57(1H,d,J=8.4Hz,H−5),7.99(1H,d,J=9.6Hz,H−4)
図25に1H−NMRスペクトルを示す。
図25に1H−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 345(M+H)+メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、逆相クロマトフラクション3が3’−Angeloyloxy−4’−hydroxy−3’,4’−dihydroseselin(分子量344:以下クマリン化合物Cと称する)であることを確定した。
実施例27 クマリン化合物Dの調製
実施例24−(1)で得た逆相クロマトフラクション2(保持時間22.4分の検出のピークを含むフラクション)のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、帰属の番号は以下の式(化21)のとおりである。
実施例24−(1)で得た逆相クロマトフラクション2(保持時間22.4分の検出のピークを含むフラクション)のNMRスペクトルと質量スペクトルを実施例4−(2)と同様の方法で測定した。以下にNMRの帰属の信号を示す。なお、帰属の番号は以下の式(化21)のとおりである。
1H−NMR(重ジメチルスルホキシド):δ1.33(3H,s,CH3−2’),1.41(3H,s,CH3−2’),1.81(3H,s,H−5”),1.89(3H,d,J=7.2Hz,H−4”),3.95(1H,t,J=5.7Hz,H−3’),5.70(1H,d,J=5.7Hz,OH−3’),5.98(1H,br−q,J=7.2Hz,H−3”),6.27(1H,d,J=9.6Hz,H−3),6.40(1H,d,J=5.7Hz,H−4’),6.84(1H,d,J=8.4Hz,H−6),7.60(1H,d,J=8.4Hz,H−5),7.97(1H,d,J=9.6Hz,H−4)
図26に1H−NMRスペクトルを示す。
図26に1H−NMRスペクトルを示す。
FAB−MS:m/z 343(M−H)−メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
以上、NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、逆相クロマトフラクション2が4’−Angeloyloxy−3’−hydroxy−3’,4’−dihydroseselin(分子量344:以下クマリン化合物Dと称する)であることを確定した。
実施例28 HMG−CoAレダクターゼ阻害試験
(1)HMG−CoAレダクターゼ粗酵素溶液の調製
阻害試験に使用したHMG−CoAレダクターゼ粗酵素溶液はFogelmanらの方法(J.Biol.Chem.,255(8),3715−3725,1980)に従って、一部改良して調製した。
(1)HMG−CoAレダクターゼ粗酵素溶液の調製
阻害試験に使用したHMG−CoAレダクターゼ粗酵素溶液はFogelmanらの方法(J.Biol.Chem.,255(8),3715−3725,1980)に従って、一部改良して調製した。
(i)ラット肝ミクロソームの調製
Sprague−Dawleyラット(雄、200〜250g)4匹を午後4時から午前4時まで照明を点灯するサイクルで1週間飼育した。この際、餌および水は自由摂取できるようにしたが、屠殺3日前より餌中に5%(W/W)となるようにコレスチラミン(シグマ社製)を添加した。ラットは午前10時に屠殺し、直ちに肝臓を摘出し冷生理食塩水で軽く洗浄後バッファーA水溶液(0.1M スクロース、0.05M 塩化カリウム、0.04M リン酸二水素カリウム、0.03M EDTA−カリウム、pH7.2)に浸漬(25mL/1匹)した。得られた肝臓をポッター型ホモジナイザーによりホモジナイズし、10,000×g、15分間(4℃)遠心を行い沈殿を除去する操作を2回繰り返し、続いて100,000×g、1時間(4℃)遠心を行い沈殿を回収し適当量のバッファーAに懸濁した。これを、さらに100,000×g、1時間(4℃)遠心を行い沈殿を回収し、タンパク濃度が82mg/mLとなるように再度バッファーAに懸濁し、終濃度10mMとなるようにジチオスレイトールを添加し、ポッター型ホモジナイザーによりホモジナイズを行い、HMG−CoAレダクターゼの調製を行うまで−80℃で凍結保存した。以上の操作により肝ミクロソームを調製した。
Sprague−Dawleyラット(雄、200〜250g)4匹を午後4時から午前4時まで照明を点灯するサイクルで1週間飼育した。この際、餌および水は自由摂取できるようにしたが、屠殺3日前より餌中に5%(W/W)となるようにコレスチラミン(シグマ社製)を添加した。ラットは午前10時に屠殺し、直ちに肝臓を摘出し冷生理食塩水で軽く洗浄後バッファーA水溶液(0.1M スクロース、0.05M 塩化カリウム、0.04M リン酸二水素カリウム、0.03M EDTA−カリウム、pH7.2)に浸漬(25mL/1匹)した。得られた肝臓をポッター型ホモジナイザーによりホモジナイズし、10,000×g、15分間(4℃)遠心を行い沈殿を除去する操作を2回繰り返し、続いて100,000×g、1時間(4℃)遠心を行い沈殿を回収し適当量のバッファーAに懸濁した。これを、さらに100,000×g、1時間(4℃)遠心を行い沈殿を回収し、タンパク濃度が82mg/mLとなるように再度バッファーAに懸濁し、終濃度10mMとなるようにジチオスレイトールを添加し、ポッター型ホモジナイザーによりホモジナイズを行い、HMG−CoAレダクターゼの調製を行うまで−80℃で凍結保存した。以上の操作により肝ミクロソームを調製した。
(ii)HMG−CoAレダクターゼの調製
(i)により得られた肝ミクロソームを融解後、等量のバッファーB50%グリセロール水溶液(0.1M 塩化カリウム、0.08M リン酸二水素カリウム、0.002M EDTA−カリウム、0.01M ジチオスレイトール、pH7.2)を添加し、ポッター型ホモジナイザーによりホモジナイズを行い、37℃で60分保温した。次に2倍量のバッファーC水溶液(0.1M 塩化カリウム、0.08M リン酸二水素カリウム、0.002M EDTA−カリウム、0.01M ジチオスレイトール、pH7.2)を添加し、再度ポッター型ホモジナイザーによりホモジナイズを行った後、100,000×g、1時間(25℃)遠心を行い上清を回収した。得られた上清から35%−50%硫酸アンモニウムによる沈殿画分を回収し、タンパク濃度が12mg/mLとなるようにバッファーD30%グリセロール水溶液(1M 塩化カリウム、0.08M リン酸二水素カリウム、0.002M EDTA−カリウム、0.01M ジチオスレイトール、pH6.8)に溶解した。この溶液を60℃で10分間加熱した後、等量のバッファーC水溶液(pH6.8)を添加し、100,000×g,30分間(25℃)で遠心を行い上清を回収した。この上清から60%硫酸アンモニウム沈殿画分を回収し、7mLのバッファーC水溶液(pH6.8)に溶解し、HMG−CoAレダクターゼ粗酵素溶液とした。
(i)により得られた肝ミクロソームを融解後、等量のバッファーB50%グリセロール水溶液(0.1M 塩化カリウム、0.08M リン酸二水素カリウム、0.002M EDTA−カリウム、0.01M ジチオスレイトール、pH7.2)を添加し、ポッター型ホモジナイザーによりホモジナイズを行い、37℃で60分保温した。次に2倍量のバッファーC水溶液(0.1M 塩化カリウム、0.08M リン酸二水素カリウム、0.002M EDTA−カリウム、0.01M ジチオスレイトール、pH7.2)を添加し、再度ポッター型ホモジナイザーによりホモジナイズを行った後、100,000×g、1時間(25℃)遠心を行い上清を回収した。得られた上清から35%−50%硫酸アンモニウムによる沈殿画分を回収し、タンパク濃度が12mg/mLとなるようにバッファーD30%グリセロール水溶液(1M 塩化カリウム、0.08M リン酸二水素カリウム、0.002M EDTA−カリウム、0.01M ジチオスレイトール、pH6.8)に溶解した。この溶液を60℃で10分間加熱した後、等量のバッファーC水溶液(pH6.8)を添加し、100,000×g,30分間(25℃)で遠心を行い上清を回収した。この上清から60%硫酸アンモニウム沈殿画分を回収し、7mLのバッファーC水溶液(pH6.8)に溶解し、HMG−CoAレダクターゼ粗酵素溶液とした。
(2)各化合物によるHMG−CoAレダクターゼ阻害活性の測定
HMG−CoAレダクターゼの酵素活性はFogelmanらの方法(J.Biol.Chem.,255(8),3715−3725,1980)に従って、一部改良して測定した。
HMG−CoAレダクターゼの酵素活性はFogelmanらの方法(J.Biol.Chem.,255(8),3715−3725,1980)に従って、一部改良して測定した。
(1)で調製したHMG−CoAレダクターゼ粗酵素溶液2μLを含む反応水溶液(0.2M 塩化カリウム、0.16M リン酸二水素カリウム、0.004M EDTA−カリウム、0.01M ジチオスレイトール、0.5mM β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸四ナトリウム(還元型);NADPH、pH6.8)94μLに表6記載の終濃度となるように各化合物のジメチルスルホキシド溶液1μLを添加し37℃で30分保温した。なお、対照区分として化合物を添加せずジメチルスルホキシド溶液のみを添加した区分を設定した。また、HMG−CoAレダクターゼ粗酵素溶液を添加しない区分を設定した。この後、2mMのHMG−CoA(シグマ社製)水溶液5μLを添加し混合後、37℃に保温し経時的に340nmの吸光度の変化を検出することで、HMG−CoAがメバロン酸に変換されるときに酸化されるNADPHの消費量を算出した。なお、各反応は3連で行った。HMG−CoAレダクターゼ活性は以下の式により測定した。
HMG−CoAレダクターゼ活性=[HMG−CoAレダクターゼ粗酵素溶液が含まれる区分の吸光度の変化]−[HMG−CoAレダクターゼ粗酵素溶液を含まない区分の吸光度の変化]
なお、反応のコントロールとしてHMG−CoA水溶液を添加しない区分を適宜設定し、酵素反応の特異性および阻害活性の特異性を確認した。
各被験化合物のHMG−CoAレダクターゼに対する阻害活性は以下の式により算出した。
各被験化合物のHMG−CoAレダクターゼに対する阻害活性は以下の式により算出した。
阻害活性(%)=(1−([被験化合物を添加したときのHMG−CoAレダクターゼ活性]÷[対照区分のHMG−CoAレダクターゼ活性]))×100
この結果を表6に示す。すなわち、表6は各被験化合物の各終濃度におけるHMG−CoAレダクターゼに対する阻害活性を示すものであり、表に記載の各化合物に顕著なHMG−CoAレダクターゼ阻害活性が認められた。
実施例29 アシタバ抽出画分の調製
(1)アシタバ根エタノール抽出画分の調製
アシタバ根の乾燥粉末2gに40mLのエタノールを加え、30分間抽出を行い、遠心分離にて抽出液と残渣に分けた。次いで残渣に対して各溶媒30mLによる抽出操作を2回繰り返した。なお、エタノール抽出は室温で行った。得られた抽出液を集めてロータリーエバポレーターで濃縮した。最終的に、1mLのジメチルスルホキシドに溶解し、アシタバ根エタノール抽出画分を得た。
(1)アシタバ根エタノール抽出画分の調製
アシタバ根の乾燥粉末2gに40mLのエタノールを加え、30分間抽出を行い、遠心分離にて抽出液と残渣に分けた。次いで残渣に対して各溶媒30mLによる抽出操作を2回繰り返した。なお、エタノール抽出は室温で行った。得られた抽出液を集めてロータリーエバポレーターで濃縮した。最終的に、1mLのジメチルスルホキシドに溶解し、アシタバ根エタノール抽出画分を得た。
(2)アシタバ茎葉エタノール抽出画分の調製
アシタバ茎葉の乾燥粉末2gに40mLのエタノールを加え、30分間抽出を行い、遠心分離にて抽出液と残渣に分けた。次いで残渣に対して各溶媒30mLによる抽出操作を2回繰り返した。なお、エタノール抽出は室温で行った。得られた抽出液を集めてロータリーエバポレーターで濃縮した。最終的に、1mLのジメチルスルホキシドに溶解し、アシタバ茎葉エタノール抽出画分を得た。
アシタバ茎葉の乾燥粉末2gに40mLのエタノールを加え、30分間抽出を行い、遠心分離にて抽出液と残渣に分けた。次いで残渣に対して各溶媒30mLによる抽出操作を2回繰り返した。なお、エタノール抽出は室温で行った。得られた抽出液を集めてロータリーエバポレーターで濃縮した。最終的に、1mLのジメチルスルホキシドに溶解し、アシタバ茎葉エタノール抽出画分を得た。
実施例30 マクロファージでの抗泡沫化の測定
マクロファージは変性LDL(アセチルLDL(Ac−LDL)など)を細胞内に取り込みコレステロールエステルを合成し泡沫化する。各被験サンプルによるマクロファージの抗泡沫化活性を測定した。
マクロファージは変性LDL(アセチルLDL(Ac−LDL)など)を細胞内に取り込みコレステロールエステルを合成し泡沫化する。各被験サンプルによるマクロファージの抗泡沫化活性を測定した。
(1)マクロファージの泡沫化
10%ウシ胎児血清(バイオウィタカー社製)含有、ダルベッコ改良イーグル培地(シグマ社製、D5796)にRAW264.7細胞(ATCC TIB 71)を4×105個/mlになるように懸濁し、24穴マイクロタイタープレートのウェルに1mLずつ加えて5%炭酸ガス存在下、37℃で一晩培養した。次に、UltraCHO培地(バイオウィタカー社製、B2724)に交換し、各ウェルに前述の実施例で調製した各被験サンプルのジメチルスルホキシド溶液2μLをそれぞれ以下の表7に示す濃度となるように添加した。さらに各ウェルにそれぞれ終濃度20μg/mLのAc−LDL(バイオテクノロジー社製、BT−906)を添加し、24時間培養した。なお、対照としてAc−LDLを添加しない区分およびジメチルスルホキシド添加の区分を設定した。
10%ウシ胎児血清(バイオウィタカー社製)含有、ダルベッコ改良イーグル培地(シグマ社製、D5796)にRAW264.7細胞(ATCC TIB 71)を4×105個/mlになるように懸濁し、24穴マイクロタイタープレートのウェルに1mLずつ加えて5%炭酸ガス存在下、37℃で一晩培養した。次に、UltraCHO培地(バイオウィタカー社製、B2724)に交換し、各ウェルに前述の実施例で調製した各被験サンプルのジメチルスルホキシド溶液2μLをそれぞれ以下の表7に示す濃度となるように添加した。さらに各ウェルにそれぞれ終濃度20μg/mLのAc−LDL(バイオテクノロジー社製、BT−906)を添加し、24時間培養した。なお、対照としてAc−LDLを添加しない区分およびジメチルスルホキシド添加の区分を設定した。
(2)コレステロールエステル生合成量の測定
マクロファージの泡沫化の指標として、細胞内の全コレステロール量及び遊離コレステロール量の測定を行い、コレステロールエステル量を算出した。
培養終了後、培地を除き、0.3%(w/v)BSA(シグマ社製、A−8022)含有リン酸緩衝塩溶液で細胞を洗浄し、さらにリン酸緩衝塩溶液で洗浄した。細胞に0.5mLのヘキサン:イソプロパノール=3:2の溶媒を添加し、30分間室温に置いた後上清を回収した。この操作を再度繰り返し、あわせて1mLの上清を濃縮乾固した。沈殿を30μLのイソプロパノールに溶解後、溶液10μL中に含まれる全コレステロール量をコレステロールE−テスト(和光純薬社製、439−17501)を用いて測定し、遊離コレステロール量を遊離コレステロールE−テスト(和光純薬社製、435−35801)を用いて測定した。また、測定は全て2連で行った。コレステロールエステル生合成量は全コレステロール量から遊離コレステロール量を差し引いて求めた。また、抗泡沫化活性は以下の式により算出した。
マクロファージの泡沫化の指標として、細胞内の全コレステロール量及び遊離コレステロール量の測定を行い、コレステロールエステル量を算出した。
培養終了後、培地を除き、0.3%(w/v)BSA(シグマ社製、A−8022)含有リン酸緩衝塩溶液で細胞を洗浄し、さらにリン酸緩衝塩溶液で洗浄した。細胞に0.5mLのヘキサン:イソプロパノール=3:2の溶媒を添加し、30分間室温に置いた後上清を回収した。この操作を再度繰り返し、あわせて1mLの上清を濃縮乾固した。沈殿を30μLのイソプロパノールに溶解後、溶液10μL中に含まれる全コレステロール量をコレステロールE−テスト(和光純薬社製、439−17501)を用いて測定し、遊離コレステロール量を遊離コレステロールE−テスト(和光純薬社製、435−35801)を用いて測定した。また、測定は全て2連で行った。コレステロールエステル生合成量は全コレステロール量から遊離コレステロール量を差し引いて求めた。また、抗泡沫化活性は以下の式により算出した。
抗泡沫化活性(%)=100−((被験サンプルを添加したときのコレステロールエステル生合成量)−(Ac−LDLを添加しない区分のコレステロールエステル生合成量))÷((ジメチルスルホキシドのみを添加したときのコレステロールエステル生合成量)−(Ac−LDLを添加しない区分のコレステロールエステル生合成量))×100
この結果を表7に示す。すなわち、表7は各被験サンプルの各終濃度におけるマクロファージ中に蓄積されるコレステロールエステル生合成に対する阻害活性を示すものであり、表に記載の各サンプルに顕著な抗泡沫化活性が認められた。
本発明により、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含有する治療又は予防にHMG−CoAレダクターゼ阻害作用を要する疾患又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療用又は予防用の医薬、食品、飲料又は飼料が提供される。該医薬は動脈硬化症や高脂血症やこれらが原因因子となって起こる疾患の治療剤又は予防剤として有用である。また、該食品又は飲料は、日常の飲食品として摂取することにより、上記疾患の症状改善等が可能となる。従って、本発明の有効成分を含有する飲食品はそのHMG−CoAレダクターゼ阻害作用、細胞の抗泡沫化作用により、生体の恒常性の維持に有用な機能性飲食品である。
Claims (26)
- カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とする、治療又は予防において3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療剤又は予防剤。
- カルコン類化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項1記載の治療剤又は予防剤。
A環が5員環を示す場合、R1がWを構成し、R2がZを構成するか、もしくはR2がWを構成し、R3がZを構成する。ここで、R1がWを構成し、R2がZを構成する場合、Wは酸素原子を示し、W−X結合は単結合を示し、XおよびZは炭素原子を示し、Yは存在しない。さらにこの場合、Xには1−ハイドロキシ−1−メチルエチル基が結合する。また、R2がWを構成し、R3がZを構成する場合、Wは炭素原子を示し、W−X結合は単結合を示し、Xは炭素原子を示し、Yは存在せず、Zは酸素原子を示す。さらにこの場合、Xには1−ハイドロキシ−1,5−ジメチル−4−ヘキセニル基が結合する。
Aが6員環を示す場合、R1がWを構成し、R2がZを構成するか、もしくはR2がWを構成し、R3がZを構成する。ここで、R1がWを構成し、R2がZを構成する場合、Wは酸素原子を示し、W−X結合は単結合を示し、X、Y及びZは共に炭素原子を示す。さらにこの場合、XおよびYには水素原子、水酸基、メチル基およびイソヘキセニル基のいずれか1つ以上が結合するか、もしくはXとYが共にハイドロキシジメチルシクロヘキサン環を形成し、かつXにはメチル基が結合する。また、R2がWを構成し、R3がZを構成する場合、W、X及びYは炭素原子を示し、W−X結合は二重結合を示し、Zは酸素原子を示す。さらにこの場合、Yにはメチル基及びイソヘキセニル基が結合する。) - 上記一般式(1)で表される化合物が、キサントアンゲロール、1−(3,4−ジハイドロ−3,5−ジハイドロキシ−2−(3−イソヘキセニル)−2−メチル−2H−ベンゾピラン−8−イル)−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、キサントフモール、イソババカルコン、1−[2,4−ジハイドロキシ−3−(6,7−ジハイドロキシ−3,7−ジメチル−2−オクテニル)フェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[3−(7−エトキシ−6−ハイドロキシ−3,7−ジメチル−2−オクテニル)−2,4−ジハイドロキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[2−ハイドロキシ−3−(7−ハイドロペルオキシ−3,7−ジメチル−2,5−オクタジエニル)−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[2−ハイドロキシ−3−(6−ハイドロペルオキシ−3,7−ジメチル−2,7−オクタジエニル)−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、キサントアンゲロールG、1−(5,6,7,8,8a,10a−ヘキサハイドロ−1,7−ジハイドロキシ−8,8,10a−トリメチル−9H−キサンテン−4−イル)−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、ババカルコン、レスペオール、キサントアンゲロールH、4−ハイドロキシデリシン、1−[2,3−ジハイドロ−4−ハイドロキシ−2−(1−ハイドロキシ−1,5−ジメチル−4−ヘキセニル)−ベンゾフラン−5−イル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[2,3−ジハイドロ−2−(1−ハイドロキシ−1−メチルエチル)−4−メトキシ−ベンゾフラン−7−イル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[3−(2,5−エポキシ−2,6,6−トリメチル−シクロヘキシルメチル)−2−ハイドロキシ−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、キサントアンゲロールF、キサントアンゲロールB、キサントアンゲロールC、キサントアンゲロールD、キサントアンゲロールE及びババクロマノールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項2記載の治療剤又は予防剤。
- 上記一般式(3)で表される化合物が、ムンドゥレアフラバノンA、プロストラトールF、8−ゲラニル−4’−ハイドロキシ−7−メトキシフラバノン、イソババチン及び4’−O−ゲラニルナリンゲニンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項4記載の治療剤又は予防剤。
- 上記一般式(4)で表される化合物が、4’−アンゲロイルオキシ−3’−ハイドロキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン、3’−アンゲロイルオキシ−4’−ハイドロキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン、3’−アンゲロイルオキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン及び3’−アセトキシ−4’−アンゲロイルオキシ−3’,4’−ジハイドロセセリンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項6記載の治療剤又は予防剤。
- カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とする、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤。
- カルコン類化合物が、上記一般式(1)で表される化合物である請求項8記載の3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤。
- 上記一般式(1)で表される化合物が、キサントアンゲロール、1−(3,4−ジハイドロ−3,5−ジハイドロキシ−2−(3−イソヘキセニル)−2−メチル−2H−ベンゾピラン−8−イル)−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、キサントフモール、イソババカルコン、1−[2,4−ジハイドロキシ−3−(6,7−ジハイドロキシ−3,7−ジメチル−2−オクテニル)フェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[3−(7−エトキシ−6−ハイドロキシ−3,7−ジメチル−2−オクテニル)−2,4−ジハイドロキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[2−ハイドロキシ−3−(7−ハイドロペルオキシ−3,7−ジメチル−2,5−オクタジエニル)−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[2−ハイドロキシ−3−(6−ハイドロペルオキシ−3,7−ジメチル−2,7−オクタジエニル)−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、キサントアンゲロールG、1−(5,6,7,8,8a,10a−ヘキサハイドロ−1,7−ジハイドロキシ−8,8,10a−トリメチル−9H−キサンテン−4−イル)−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、ババカルコン、レスペオール、キサントアンゲロールH、4−ハイドロキシデリシン、1−[2,3−ジハイドロ−4−ハイドロキシ−2−(1−ハイドロキシ−1,5−ジメチル−4−ヘキセニル)−ベンゾフラン−5−イル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[2,3−ジハイドロ−2−(1−ハイドロキシ−1−メチルエチル)−4−メトキシ−ベンゾフラン−7−イル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[3−(2,5−エポキシ−2,6,6−トリメチル−シクロヘキシルメチル)−2−ハイドロキシ−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、キサントアンゲロールF、キサントアンゲロールB、キサントアンゲロールC、キサントアンゲロールD、キサントアンゲロールE及びババクロマノールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項9記載の3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤。
- フラバノン類化合物が、上記一般式(3)で表される化合物である請求項8記載の3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤。
- 上記一般式(3)で表される化合物が、ムンドゥレアフラバノンA、プロストラトールF、8−ゲラニル−4’−ハイドロキシ−7−メトキシフラバノン、イソババチン及び4’−O−ゲラニルナリンゲニンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項11記載の3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤。
- 3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物が、上記一般式(4)で表される化合物である請求項8記載の3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤。
- 上記一般式(4)で表される化合物が、4’−アンゲロイルオキシ−3’−ハイドロキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン、3’−アンゲロイルオキシ−4’−ハイドロキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン、3’−アンゲロイルオキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン及び3’−アセトキシ−4’−アンゲロイルオキシ−3’,4’−ジハイドロセセリンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項13記載の3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤。
- カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とする、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害用又は細胞の抗泡沫化用の食品、飲料又は飼料。
- カルコン類化合物が、上記一般式(1)で表される化合物である請求項15記載の食品、飲料又は飼料。
- 上記一般式(1)で表される化合物が、キサントアンゲロール、1−(3,4−ジハイドロ−3,5−ジハイドロキシ−2−(3−イソヘキセニル)−2−メチル−2H−ベンゾピラン−8−イル)−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、キサントフモール、イソババカルコン、1−[2,4−ジハイドロキシ−3−(6,7−ジハイドロキシ−3,7−ジメチル−2−オクテニル)フェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[3−(7−エトキシ−6−ハイドロキシ−3,7−ジメチル−2−オクテニル)−2,4−ジハイドロキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[2−ハイドロキシ−3−(7−ハイドロペルオキシ−3,7−ジメチル−2,5−オクタジエニル)−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[2−ハイドロキシ−3−(6−ハイドロペルオキシ−3,7−ジメチル−2,7−オクタジエニル)−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、キサントアンゲロールG、1−(5,6,7,8,8a,10a−ヘキサハイドロ−1,7−ジハイドロキシ−8,8,10a−トリメチル−9H−キサンテン−4−イル)−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、ババカルコン、レスペオール、キサントアンゲロールH、4−ハイドロキシデリシン、1−[2,3−ジハイドロ−4−ハイドロキシ−2−(1−ハイドロキシ−1,5−ジメチル−4−ヘキセニル)−ベンゾフラン−5−イル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[2,3−ジハイドロ−2−(1−ハイドロキシ−1−メチルエチル)−4−メトキシ−ベンゾフラン−7−イル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−[3−(2,5−エポキシ−2,6,6−トリメチル−シクロヘキシルメチル)−2−ハイドロキシ−4−メトキシフェニル]−3−(4−ハイドロキシフェニル)−2−プロペン−1−オン、キサントアンゲロールF、キサントアンゲロールB、キサントアンゲロールC、キサントアンゲロールD、キサントアンゲロールE及びババクロマノールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項16記載の食品、飲料又は飼料。
- フラバノン類化合物が、上記一般式(3)で表される化合物である請求項15記載の食品、飲料又は飼料。
- 上記一般式(3)で表される化合物が、ムンドゥレアフラバノンA、プロストラトールF、8−ゲラニル−4’−ハイドロキシ−7−メトキシフラバノン、イソババチン及び4’−O−ゲラニルナリンゲニンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項18記載の食品、飲料又は飼料。
- 3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物が、上記一般式(4)で表される化合物である請求項15記載の食品、飲料又は飼料。
- 上記一般式(4)で表される化合物が、4’−アンゲロイルオキシ−3’−ハイドロキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン、3’−アンゲロイルオキシ−4’−ハイドロキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン、3’−アンゲロイルオキシ−3’,4’−ジハイドロセセリン及び3’−アセトキシ−4’−アンゲロイルオキシ−3’,4’−ジハイドロセセリンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項20記載の食品、飲料又は飼料。
- アシタバから抽出して得られる、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含有する画分を含有する、治療又は予防において3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療剤又は予防剤。
- アシタバから抽出して得られる、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含有する画分を含有する、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤。
- アシタバから抽出して得られる、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含有する画分を含有する、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害用又は細胞の抗泡沫化用の食品、飲料又は飼料。
- 治療又は予防において3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療又は予防を必要とする被験体に、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物の有効量を投与することを含む、該疾患の治療又は予防方法。
- 治療又は予防において3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療剤又は予防剤製造のための、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、3’,4’−ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物の使用。
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