明 細 書
治療剤
技術分野
[0001] 本発明は、治療又は予防において 3—ヒドロキシー 3—メチルダルタリルー CoAレダク ターゼ阻害作用及び Z又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患、例えば高脂血症や 動脈硬化症等の治療または予防に有用な医薬、食品、飲料又は飼料に関する。 背景技術
[0002] 近年、生活習慣病の 1種である動脈硬化や高コレステロール血症の増加が問題に なってきている。血中コレステロールの量を減らす方法としてはコレステロールや脂肪 の摂取を減らす食事療法がある。また、その他には医薬品を用いる方法があり、コレ ステロール生合成の律速酵素である 3—ヒドロキシー 3—メチルダルタリル CoA (以下、 HMG— CoAと称することがある)レダクターゼを阻害する薬剤を投与することで血中 コレステロールの低下を促すことが出来る。
[0003] HMG_CoAレダクターゼ阻害剤としては、いわゆる"スタチン系"と呼ばれるプラバ スタチン、シンパスタチン、フルパスタチン、セリバスタチン、アトルバスタチン等の化 合物が知られている。プラバスタチン、シンパスタチン、フルパスタチン、セリバスタチ ン、アトルバスタチンは半合成又は全合成化合物である。し力、しながらこれらの薬剤 は価格が非常に高いこと、横紋筋融解症や長期間投与した際の肝臓のクレアチンキ ナーゼを増加させる等の副作用があることが知られている。
[0004] 動脈硬化症の初期病変には脂肪線条と呼ばれる斑点状もしくは線状の脂肪沈着 が見られる。この変化は主に泡沫化されたマクロファージが血管内皮に集積すること によるものである。マクロファージの泡沫化は、マクロファージが変性 LDLを取り込ん で遊離コレステロールを生成し、ァシル CoA:コレステロール〇—ァシルトランスフェラ ーゼ (ACAT)によってエステルイ匕され、これが蓄積することにより起こる。このような 初期の泡沫細胞病変は血管平滑筋細胞の泡沫化を含む複雑な病変に進行する。 脂肪線条はやがて繊維性硬斑となって血管壁に突出し、さらに病変が進むと石灰化 、血栓の付着を伴って、血管腔を狭めたり、硬斑が破錠して血栓性閉塞をきたす。ま
た、破錠しやすい硬斑はコレステロールエステル等の脂質成分を多く含むことも知ら れている。従って、マクロファージゃ血管平滑筋細胞等の泡沫化を抑制することは、 動脈硬化病変の安定化と退縮をもたらし、動脈硬化に基づく急性冠症候群の発症や 再発の低減につながることが期待される。
[0005] カルコン類化合物は下記式 (ィヒ 1)で表されるカルコン骨格を有する化合物の総称 であり、天然物からの抽出や合成によって得られたさまざまな化合物が知られている
[0006] [化 1]
[0007] カルコン類化合物の生理活性については、化合物によってそれぞれ多種多様であ り、例えば細胞毒性、杭がん活性、化学防御、抗変異原性、抗菌作用、抗ウィルス活 性、抗原虫性、殺虫作用等が知られている (例えば、非特許文献 1)。またカルコン類 化合物には神経成長因子(NGF)産生増強作用があることが知られている(例えば、 特許文献 1)。また、カルコン類化合物にはインスリン様作用があることも知られている (例えば、特許文献 2)。し力、しながら、カルコン類化合物の HMG— CoAレダクターゼ 阻害作用や細胞の抗泡沫化作用についてはこれまでに知られていない。
[0008] フラバノン類化合物は下記式 (化 2)で表されるフラバノン骨格を有する化合物の総 称であり、天然物からの抽出や合成によって得られたさまざまな化合物が知られてい る。
[0009] [化 2]
[0010] フラバノン類化合物の生理活性については、化合物によってそれぞれ多種多様で あり、例えば血圧低下作用、アポトーシス誘発作用、抗酸化作用等のさまざまな生理 活性が知られている。またフラバノン類化合物にはインスリン様作用があることも知ら れている(例えば、特許文献 2)。し力 ながら、フラバノン類化合物の HMG— CoAレ ダクターゼ阻害作用や細胞の抗泡沫化作用についてはこれまでに知られていない。
[0011] 3,, 4,—ジハイドロセセリン類化合物は下記式(ィ匕 3)で表される 3,, 4,—ジハイド口 セセリン骨格を有する化合物の総称であり、天然物からの抽出や合成によって得られ たさまざまな化合物が知られている。
[0012] [化 3]
[0013] 3,, 4' -ジハイドロセセリン類化合物の生理活性については、化合物によってそれ ぞれ多種多様であり、例えば抗アレルギー作用ゃ抗炎症作用等が知られている(例 えば、特許文献 3)。しかしながら、 3' , 4 '—ジハイドロセセリン類化合物の HMG—Co Aレダクターゼ阻害作用や細胞の抗泡沫化作用についてはこれまでに知られていな レ、。
[0014] 特許文献 1:国際公開第 01/54682号パンフレット
特許文献 2 :国際公開第 2004/096198号パンフレット
特許文献 3 :特開昭 63— 150287号公報
非特許文献 1 :J. R. Dimmock 他 3名, Current Medicinal Chemistry, (オラ ンダ), 1999年, Vol. 6, pl l 25— 1149
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0015] 本発明の目的は、安全で、簡便に摂取可能な、食品素材、医薬品素材として適し た HMG - CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を有する物 質を開発し、当該組成物もしくは物質を用いた医薬、食品、飲料または飼料を提供 することにある。
課題を解決するための手段
[0016] 本発明を概説すれば、本発明の第 1の発明は、カルコン類化合物、フラバノン類化 合物、 3' , 4'—ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からな る群より選択される少なくとも 1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とす る、治療又は予防にぉレ、て 3—ヒドロキシー 3—メチルダルタリルー CoAレダクターゼ阻 害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療剤又は予防剤に関す る。
[0017] 本発明の第 1の発明において、カルコン類化合物としては、下記一般式(1)で表さ れる化合物が例示される。
[0018] [化 4]
(式中、 Rは水酸基を示し、 Rは水素原子又は炭素数が 1 し、
1 2 一 15の脂肪族基を示
Rは水酸基又はメトキシ基を示し、 Rは水素原子又はプレニル基を示し、 Rは水素
原子又はメトキシ基を示す。さらに、 Rと R、または Rと Rは共に下記式(2)で表さ
1 2 2 3
れる環構造を形成しても良レヽ。
[化 5]
X、、 Z
W
(式中、 Wおよび Zは炭素原子または酸素原子を示し、 Xは炭素原子を示し、 Yは 0ま たは 1つの炭素原子を示す。点線は単結合または二重結合を示す。上記 A環は 5員 環または 6員環を示す。
A環が 5員環を示す場合、 Rが Wを構成し、 R力 を構成する力、もしくは Rが Wを
1 2 2 構成し、 R力 を構成する。ここで、 Rが Wを構成し、 R力 を構成する場合、 Wは酸
3 1 2
素原子を示し、 W— X結合は単結合を示し、 Xおよび Zは炭素原子を示し、 Yは存在し なレ、。さらにこの場合、 Xには 1-ハイドロキシ -1-メチルェチル基が結合する。また、 Rが Wを構成し、 R力 を構成する場合、 Wは炭素原子を示し、 W— X結合は単結合
2 3
を示し、 Xは炭素原子を示し、 Yは存在せず、 Zは酸素原子を示す。さらにこの場合、
Xには 1ーノヽイドロキシ—1, 5_ジメチルー 4—へキセニル基が結合する。
Aが 6員環を示す場合、 Rが Wを構成し、 R力 を構成する力、、もしくは Rが Wを構
1 2 2 成し、 R力 を構成する。ここで、 Rが Wを構成し、 R力 を構成する場合、 Wは酸素
3 1 2
原子を示し、 W— X結合は単結合を示し、 X、 Y及び Zは共に炭素原子を示す。さらに この場合、 Xおよび Yには水素原子、水酸基、メチル基およびイソへキセニル基のい ずれ力、 1つ以上が結合する力 \もしくは Xと Yが共にハイドロキシジメチルシクロへキ サン環を形成し、かつ Xにはメチル基が結合する。また、 Rが Wを構成し、 R力 を
2 3 構成する場合、 W、 X及び Yは炭素原子を示し、 W— X結合は二重結合を示し、 Zは 酸素原子を示す。さらにこの場合、 Yにはメチル基及びイソへキセニル基が結合する
。)
[0020] ここで、上記一般式(1)で表される化合物としては、キサントアンゲロール、 1一(3, 4—ジハイド口—3, 5—ジハイド口キシー 2_ (3—イソへキセニル)— 2—メチノレー 2H—ベン ゾピラン一 8—ィノレ)一 3_ (4—ハイドロキシフエ二ノレ)一 2_プロペン一 1_オン、キサントフ モール、イソババカルコン、 1— [2, 4—ジハイドロキシ—3— (6, 7—ジハイドロキシ _3, 7_ジメチノレ一 2_ォクテ二ノレ)フエ二ノレ]— 3_ (4—ハイドロキシフエ二ノレ) _2_プロペン一
1—オン、 1— [3— (7—エトキシ—6—ハイドロキシ _3, 7—ジメチル _2—オタテュル)— 2, 4—ジハイドロキシフエ二ノレ]— 3_ (4—ハイドロキシフエ二ノレ)一 2_プロペン一 1_オン、 1 _[2—ノヽイド口キシ— 3_ (7_ハイド口ペルォキシ _3, 7—ジメチル— 2, 5—ォクタジェニ ノレ)_4—メトキシフエ二ノレ]— 3_ (4—ハイドロキシフエ二ノレ)一 2_プロペン一 1_オン、 1_
[2—ハイド口キシ一 3_ (6—ハイド口ペルォキシ一3, 7_ジメチノレ一2, 7—ォクタジェニル )—4—メトキシフエ二ル]— 3— (4—ハイドロキシフエ二ル)— 2—プロペン—1—オン、キサ ントアンゲロール G、 1-(5, 6, 7, 8, 8a, 10a_へキサハイド口—1 , 7—ジハイドロキシ —8, 8, 10a—トリメチルー 9H—キサンテン _4—ィル)—3— (4—ハイドロキシフエエル)—
2—プロペン一 1一オン、ババカルコン、レスベオール、キサントアンゲロール H、 4—ハ イドロキシデリシン、 1_[2, 3—ジハイド口 _4ーノヽイド口キシー 2_ (1_ハイドロキシ _1, 5 —ジメチルー 4_へキセニル)一ベンゾフラン一 5—ィル] _3_ (4—ハイドロキシフエ二ノレ)一 2_プロペン _1—オン、 1_[2, 3—ジハイド口— 2_ (1_ハイドロキシ _1ーメチルェチル) —4ーメトキシ一べンゾフラン一 7—ィル]—3— (4—ノヽイドロキシフエ二ル)— 2—プロペン一 1 —オン、 1— [3— (2, 5—エポキシ一 2, 6, 6—トリメチルーシクロへキシルメチノレ)一 2—ノヽ イドロキシ _4—メトキシフエ二ノレ]— 3— (4—ハイドロキシフエ二ノレ)一 2—プロペン _1ーォ ン、キサントアンゲロール F、キサントァンゲロール B、キサントァンゲロール C、キサン トアンゲロール D、キサントアンゲロール E及びババクロマノールからなる群より選択さ れる少なくとも 1つの化合物が例示される。
[0021] 本発明の第 1の発明において、フラバノン類化合物としては、下記一般式(3)で表 される化合物が例示される。
[0022] [化 6]
(式中、 R' は水素原子又は水酸基を示し、 R' は水酸基又はメトキシ基を示し、 R'
1 2 3 は水素原子、プレニル基又はゲラニル基を示し、 R' は水酸基又はゲラニルォキシ
4
基を示す。 )
[0023] ここで、上記一般式(3)で表される化合物としては、ムンドゥレアフラバノン A、プロス トラトーノレ F、 8—ゲラニル _4,_ハイド口キシ一 7—メトキシフラバノン、イソババチン及び 4'_〇_ゲラニルナリンゲニンからなる群より選択される少なくとも 1つの化合物が例示 される。
[0024] 本発明の第 1の発明において、 3 ' , 4' -ジハイドロセセリン類化合物としては、下記 一般式 (4)で表される化合物が例示される。
[化 7]
(式中、 R' ' および R' ' は水素原子、水酸基、ァセトキシ基又はアンゲロイルォキシ
1 2
基を示す。 )
[0025] ここで、上記一般式 (4)で表される化合物としては、 4 '一アンゲロイルォキシー 3 ' _ ハイド口キシ— 3,, 4,—ジハイドロセセリン、 3 ' _アンゲロイルォキシ _4,_ハイドロキシ _3 ', 4 '—ジハイドロセセリン、 3,_アンゲロイルォキシ— 3 ', 4,—ジハイドロセセリン及
び 3,—ァセトキシー 4, _アンゲロイルォキシー 3,, 4,ージハイドロセセリンからなる群より 選択される少なくとも 1つの化合物が例示される。
[0026] 本発明の第 2の発明は、本発明の第 1の発明における有効成分を含有することを特 徴とする、 3—ヒドロキシー 3—メチルダルタリルー CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の 抗泡沫化剤に関する。
[0027] 本発明の第 3の発明は、本発明の第 1の発明における有効成分を含有することを特 徴とする、 3—ヒドロキシー 3—メチルダルタリルー CoAレダクターゼ阻害用又は細胞の 抗泡沫化用の食品、飲料又は飼料に関する。
[0028] 本発明の第 4の発明は、ァシタパから抽出して得られる、カルコン類化合物、フラバ ノン類化合物、 3' , 4 '—ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの 塩からなる群より選択される少なくとも 1つの化合物を含有する画分を含有する、治療 又は予防において 3—ヒドロキシー 3—メチルダルタリルー CoAレダクターゼ阻害作用及 び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療剤又は予防剤に関する。
[0029] 本発明の第 5の発明は、本発明の第 4の発明における画分を含有する、 3-ヒドロキ シー 3—メチルダルタリルー CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤に関する
[0030] 本発明の第 6の発明は、本発明の第 4の発明における画分を含有する、 3-ヒドロキ シー 3—メチルダルタリルー CoAレダクターゼ阻害用又は細胞の抗泡沫化用の食品、 飲料又は飼料に関する。
[0031] 本発明の第 7の発明は、治療又は予防において 3—ヒドロキシー 3—メチルダノレタリノレ 一 CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療 又は予防を必要とする被験体に、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、 3 ', 4'- ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択さ れる少なくとも 1つの化合物の有効量を投与することを含む、該疾患の治療又は予防 方法に関する。
[0032] 本発明の第 8の発明は、治療又は予防において 3—ヒドロキシー 3—メチルダノレタリノレ 一 CoAレダクターゼ阻害作用及び Z又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療 剤又は予防剤製造のための、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、 3 ', 4'-ジハ
イドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される 少なくとも 1つの化合物の使用に関する。
発明の効果
[0033] 本発明により、治療又は予防において HMG— CoAレダクターゼ阻害作用及び/ 又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療用又は予防用の医薬、食品、飲料又 は飼料が提供される。該医薬は高脂血症や動脈硬化などの、治療又は予防に HM G— CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患に対 して有用である。また、該食品又は飲料は、 日常の飲食品として摂取することにより、 治療又は予防に HMG— CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作 用を要する疾患の症状改善等が可能となる。従って、本発明の食品又は飲料はその HMG— CoAレダクターゼ阻害作用、細胞の抗泡沫化作用により生体の恒常性の維 持に有用な機能性飲食品である。
図面の簡単な説明
[0034] [図 1]TB1の1 H—NMRスペクトルを示す図である。
[図 2]TB1の13 C—NMRスペクトルを示す図である。
[図 3]TB2の1 H—NMRスペクトルを示す図である。
[図 4]TB2の13 C—NMRスペクトルを示す図である。
[図 5]TB3の1 H—NMRスペクトルを示す図である。
[図 6]TB3の13 C—NMRスペクトルを示す図である。
[図 7]TB4の1 H— NMRスペクトルを示す図である。
[図 8]TB4の13 C—NMRスペクトルを示す図である。
[図 9]TB5の1 H— NMRスペクトルを示す図である。
[図 10]TB5の13 C—NMRスペクトルを示す図である。
[図 11]TB6の1 H— NMRスペクトルを示す図である。
[図 12]TB6の13 C-NMRスペクトルを示す図である。
[図 13]TB7の1 H— NMRスペクトルを示す図である。
[図 14]TB7の13 C—NMRスペクトルを示す図である。
[図 15]TB8の1 H—NMRスペクトルを示す図である。
[図 16]TB8の C—NMRスペクトルを示す図である。
[図 17]TB9の1 H— NMRスペクトルを示す図である。
[図 18]TB9の13 C—NMRスペクトルを示す図である。
[図 19]化合物 C082の1 H—NMRスペクトルを示す図である。
[図 20]化合物 C082の13 C—NMRスペクトルを示す図である。
[図 21]クマリン化合物 Aの1 H—NMRスペクトルを示す図である。
[図 22]クマリン化合物 Aの13 C—NMRスペクトルを示す図である。
[図 23]クマリン化合物 Bの1 H—NMRスペクトルを示す図である。
[図 24]クマリン化合物 Bの13 C—NMRスペクトルを示す図である。
[図 25]クマリン化合物 Cの1 H—NMRスペクトルを示す図である。
[図 26]クマリン化合物 Dの1 H—NMRスペクトルを示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0035] HMG— CoAレダクターゼは、コレステロール生合成系の律速酵素であり、 HMG— CoAからメバロン酸を生成する反応を触媒する作用を有する。近年、 HMG— CoAレ ダクターゼ阻害物質の探索が行われており、特にスタチン系の化合物が HMG— Co Aレダクターゼ阻害作用を有しており、これらは高脂血症に対する医薬として広く汎 用されている。 HMG— CoAレダクターゼ阻害物質の探索には、後述の実施例 28に 記載のような酵素の阻害活性を指標としたアツセィ系を用いて簡便に測定することが できる。すなわち、被験物質の存在下に HMG_CoAレダクターゼを HMG_CoAと 反応させ、その阻害活性を評価することで、 HMG— CoAレダクターゼ阻害物質を簡 便にスクリーニングすることができる。
[0036] 細胞の泡沫化は細胞内にコレステロールエステルが蓄積することによって起こる。
細胞の抗泡沫化作用は、後述の実施例 30に記載のような細胞中のコレステロール エステル量を指標としたアツセィ系を用いて簡便に測定することができる。すなわち、 被験物質とァセチル LDLの存在下にマクロファージを培養し、細胞中のコレステロ一 ルエステル量を評価することで、細胞の抗泡沫化作用を簡便に測定することができる 。なお、本発明において抗泡沫化の対象となる細胞としては、特に限定はないが、例 えばマクロファージゃ平滑筋細胞等の血管系細胞や血液細胞が例示される。
[0037] 本発明においてカルコン類化合物としては、上記式 (ィヒ 1)で表されるカルコン骨格 を構造中に有する化合物であれば特に限定はないが、例えば上記一般式(1)で表 される化合物が例示される。
[0038] 本願明細書において炭素数が 1一 15の脂肪族基としては、たとえば、メチル基、ェ チル基、 n—プロピル基などの炭素数 1一 15の直鎖状アルキル基、イソプロピル基、ィ ソブチル基、 sec—ブチル基、 tert_ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、 tert —ペンチル基などの分枝状アルキル基、ェテュル基、ァリル基、トランス _1_プロぺニ ル基、シス _1_プロぺニル基などの直鎖状アルケニル基、プレニル基、イソへキセニ ル基、ゲラニル基、フアルネシル基、イソプロぺニル基、シス _1ーメチルー 1_プロぺニ ノレ基、トランス一 1—メチノレ一 1_プロぺニル基、トランス一 1—ェチノレ一 1_プロぺニル基、
4—メチルー 1, 3一^ ^ンタジェニル基などの分枝状アルケニル基が挙げられる。また、 これらの脂肪族基に水酸基、ァシル基、ハイド口ペルォキシ基、ェチルォキシ基等が 付カロした官能基やエポキシ構造を含む脂肪族基も本願明細書において脂肪族基に 包含される。例えば、ハイドロキシメチル基、ハイドロキシェチル基、 6, 7—ジハイド口 キシ -3, 7—ジメチル -2—オタテュル基、 7_エトキシ -6—ハイドロキシ -3, 7—ジメチ ノレ 2 オタテニル基、 2, 5_エポキシ 2, 6, 6_トリメチルーシクロへキシルメチル基、 7 ハイド口ペルォキシ _3, 7—ジメチノレー 2, 5—ォクタジェニル基、 6 ハイド口ペルォ キシー 3, 7_ジメチルー 2, 7—ォクタジェニル基、 7_ハイド口キシー 3, 7—ジメチルー 2,
5 ォクタジェニル基、 6 ハイドロキシ -3, 7 ジメチノレ- 2, 7—ォクタジェニル基、 3— メチノレー 6_ォキソ _2—へキセニル基、 2_ハイド口キシー 3—メチルー 3—ブテュル基及 び 2 ハイド口ペルォキシ 3—メチルー 3—ブテュル基、 1 ハイド口キシー 1 , 5 ジメチ ノレ一 4—へキセニル基、 1_ハイド口キシー 1ーメチルーェチル基も脂肪族基に包含され る。
[0039] ァシル基としては、特に限定されるものではなレ、が、例えばアルデヒド基、カルボキ シメチル基、カルボキシル基、ァセチル基、ァロイル基等が挙げられる。
[0040] また、本発明において使用される上記式(1)で表される化合物としては、キサントァ ンゲロール、 1_ (3, 4—ジハイド口—3, 5—ジハイド口キシ— 2_ (3—イソへキセニル)— 2 —メチノレ一2H—ベンゾピラン一 8—ィノレ) -3- (4—ハイドロキシフエ二ノレ)一2—プロペン一
1—オン(TB— 2)、キサントフモール、イソババカルコン、 1— [2, 4—ジハイド口キシ— 3 _ (6, 7—ジハイドロキシ _3, 7_ジメチルー 2_ォクテニル)フエ二ル]— 3_ (4—ハイド口 キシフエ二ル)— 2—プロペン- 1—オン(TB— 5)、 1— [3— (7—エトキシ -6—ハイドロキシ —3, 7—ジメチノレ— 2—オタテュル)— 2, 4—ジハイドロキシフエ二ル]— 3— (4—ハイドロキ シフエ二ル)— 2—プロペン—1—オン(TB— 6)、 1— [2—ハイドロキシ—3— (7—ハイドロぺ ノレォキシ一3, 7—ジメチル一2, 5—ォクタジェニル)一 4—メトキシフエ二ル]— 3— (4—ハイ ドロキシフエ二ル)— 2—プロペン—1—オン(TB— 8)、 1— [2—ハイドロキシ—3— (6—ハイ ドロペルォキシ _3, 7—ジメチル— 2, 7—ォクタジェニル)— 4—メトキシフエ二ル]— 3— ( 4—ハイドロキシフエ二ル)— 2—プロペン—1—オン(TB— 9)、キサントァンゲロール G、 1 - (5, 6, 7, 8, 8a, 10a—へキサノヽイド口一 1, 7—ジノヽイド口キシ一 8, 8, 10a—トリメチ ノレ一9H—キサンテン一 4—ィノレ) -3- (4—ノヽイドロキシフエ二ノレ) _2_プロペン一 1_オン (TB_1)、ババカルコン、レスぺオール、キサントァンゲロール H、 4_ハイドロキシデリ シン、 1— [2, 3—ジハイド口— 4—ハイドロキシ _2— (1—ハイドロキシ _1 , 5—ジメチルー 4 —へキセニノレ)一ベンゾフラン一 5—ィノレ]— 3— (4—ハイドロキシフエ二ノレ)一2—プロペン _1—オン(TB_3)、 1— [2, 3—ジハイド口— 2— (1—ハイドロキシ _1一メチルェチル)—4 —メトキシ一べンゾフラン _7—ィノレ]— 3— (4—ハイドロキシフエ二ノレ)一 2—プロペン _1— オン(TB— 4)、 1_[3_ (2, 5—エポキシ一 2, 6, 6_トリメチルーシクロへキシルメチル) —2—ノヽイドロキシ _4ーメトキシフエ二ノレ]— 3— (4—ハイドロキシフエ二ノレ)一 2—プロペン — 1一オン(TB— 7)、キサントアンゲロール F、キサントァンゲロール B、キサントァンゲ ローノレ C、キサントアンゲロール D、キサントアンゲロール E及びババクロマノールから なる群より選択される少なくとも 1つの化合物が例示される。これらの化合物の構造式 を表 1一 3に示す。表 1一 3において、最右列の実施例は、それぞれの化合物の下記 実施例で使用されてレ、る名称を示す。
]
本発明に使用されるカルコン類化合物は、市販の化合物を利用できるほか、公知 の方法により合成もしくは半合成したり、植物から常法にしたがって抽出し、精製する
ことにより得ることができる。例えば、セリ科植物、例えばァシタパから各種クロマトダラ フィ一等により分画し、精製することにより得ることができる。
[0045] すなわち、例えばキサントアンゲローノレ、 4ーノヽイドロキシデリシン、キサントアンゲロ 一ノレ H、 TB1、 TB2、 TB3、 TB4、 TB5、 TB6、 TB7、 TB8、 TB9、キサントアングロ 一ノレ F、レスぺオール、イソババカルコン、ババクロマノールを精製する場合は、ァシ タパから酢酸ェチルを溶媒として抽出を行レ、、シリカクロマトグラフィーと逆相クロマト グラフィ一により適宜分画し、これらの化合物を精製することができる。また、キサント アンゲロール B、キサントァンゲロール C、キサントアンゲロール D、キサントアングロ 一ノレ E、キサントアンゲロール Gについてもァシタパに含有される化合物であり、公知 の方法によりァシタパから調製し、本発明に使用することができる。また、ホップからキ サントフモールを精製する場合は、例えば、ホップから酢酸ェチルを溶媒として抽出 を行い、シリカクロマトグラフィーにより適宜分画し、キサントフモールを精製すること ができる。
[0046] フラバノン類化合物としては、上記式 (化 2)で表されるフラバノン骨格を構造中に有 する化合物であれば特に限定はないが、例えば上記一般式(3)で表される化合物が 例示される。
[0047] 本発明において使用される上記式(3)で表される化合物としては、特に限定はない 力 例えばムンドゥレアフラバノン A、プロストラトール F、 8—ゲラエル一 4' _ハイドロキ シー 7—メトキシフラバノン(C082)、イソババチン及び 4' _0_ゲラニルナリンゲニンか らなる群より選択される少なくとも 1つの化合物が例示される。これらの化合物の構造 式を表 4に示す。表 4において、最右列の実施例は、それぞれの化合物の下記実施 例で使用されてレ、る名称を示す。
[0049] 本発明に使用されるフラバノン類化合物は、市販の化合物を利用できるほか、公知 の方法により合成もしくは半合成したり、植物から常法にしたがって抽出し、精製する ことにより得ることができる。例えば、セリ科植物、例えばァシタパから各種クロマトダラ フィ一等により分画し、精製することにより得ることができる。
[0050] すなわち、例えば 4' _〇—ゲラ二ルナリンゲニン、イソババチンを精製する場合は、
ァシタパから酢酸ェチルを溶媒として抽出を行レ、、シリカクロマトグラフィーと逆相クロ マトグラフィ一により適宜分画し、これらの化合物を精製することができる。
[0051] また、本発明に使用されるフラバノン類化合物を合成もしくは半合成する場合は、 公知の方法により合成すれば良いが、例えば上記の表 4に記載のフラバノン類化合 物を合成もしくは半合成する場合は、公知の方法により合成することができる。
[0052] なお、フラバノン類化合物は、 2'位に水酸基を有するカルコン類化合物をアルカリ 水溶液中で加熱することにより容易に合成することができる。
[0053] 3,, 4,—ジハイドロセセリン類化合物としては、上記式(ィ匕 3)で表される 3,, 4,—ジ ハイドロセセリン骨格を構造中に有する化合物であれば特に限定はないが、例えば 上記一般式 (4)で表される化合物が例示される。
[0054] 本発明において使用される上記式 (4)で表される化合物としては、特に限定はない が、例えば 4'—アンゲロイルォキシ— 3,—ハイド口キシ— 3 ', 4'—ジハイドロセセリン(ク マリン化合物 D)、 3,—アンゲロイルォキシ _4 ノヽイド口キシ— 3,, 4,ージハイドロセセ リン(クマリン化合物 C)、 3,—アンゲロイルォキシ -3,, 4,ージハイドロセセリン(タマリ ン化合物 B)及び 3,ーァセトキシ一 4 '一アンゲロイルォキシー 3,, 4,ージハイド口セセリ ン (クマリン化合物 A)からなる群より選択される少なくとも 1つの化合物が例示される。 これらの化合物の構造式を表 5に示す。表 5において、最右列の実施例は、それぞ れの化合物の下記実施例で使用されてレ、る名称を示す。
[0055] [表 5]
[0056] 本発明に使用される 3 ' , 4 ' -ジハイドロセセリン類化合物は、市販の化合物を利用 できるほか、公知の方法により合成もしくは半合成したり、植物から常法にしたがって 抽出し、精製することにより得ることができる。例えば、セリ科植物、例えばァシタパか ら各種クロマトグラフィー等により分画し、精製することにより得ることができる。
[0057] すなわち、例えばァシタパからクマリンィ匕合物 A Dを精製する場合は、後述の実 施例 24— 27の記載を参考に、これらの化合物を精製することができる。
[0058] また、本発明に使用される 3 ', 4' -ジハイドロセセリン類化合物を合成もしくは半合 成する場合は、公知の方法により合成すれば良いが、例えば上記の表 5に記載の 3 ' , 4' -ジハイドロセセリン類化合物を合成もしくは半合成する場合は、公知の方法に より合成することができる。
[0059] 上記のカルコン類化合物、フラバノン類化合物、又は 3 ' , 4 '—ジハイドロセセリン類
化合物の誘導体としては、例えばエステルなど、体内で容易に加水分解されて上記 のカルコン類化合物、フラバノン類化合物、又は 3' , 4'—ジハイドロセセリン類化合物 を生成し、所望の効果を発揮し得る誘導体 (プロドラッグ)を調製可能である。かかる プロドラッグの調製は公知の方法に従えばよい。また、テトラハイドロビラニル基等の 保護基を付加したものについても本発明で使用される化合物の誘導体に包含される 。例えば、保護基は水酸基、アルデヒド基、ハイド口ペルォキシ基等に付加することが できる。また、例えば本発明の化合物をほ乳動物に投与して代謝されてできた誘導 体も本発明の誘導体に包含される。なお、力かる誘導体は、上記のカルコン類化合 物、フラバノン類化合物、 3 ', 4'-ジハイドロセセリン類化合物又はそれらの誘導体 の塩であってもよい。
[0060] また、本発明に使用されるカルコン類化合物、フラバノン類化合物、 3' , 4'-ジハイ ドロセセリン類化合物またはそれらの誘導体の塩としては薬理学的に許容される塩が 好ましレ、。また、前述するようにプロドラッグとして機能し得る当該化合物の誘導体で あってもよレ、。従って、本発明に係るカルコン類化合物、フラバノン類化合物、 3' , 4' -ジハイドロセセリン類化合物とは、本発明の所望の効果が得られ得る限り、その誘 導体ならびにそれらの塩も包含するものである。また、カルコン類化合物、フラバノン 類化合物、 3' , 4 ' -ジハイドロセセリン類化合物の光学異性体、ケトーエノール互変 異性体、幾何異性体などの各種異性体、各異性体の単離されたものであっても、 H MG— CoAレダクターゼ阻害作用又は細胞の抗泡沫化作用を有する限り、全て本発 明において使用することができる。
[0061] 本発明で使用される塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有 機塩基との塩などが例示される。なお、本発明において使用される薬理学的に許容 される塩とは生物に対して実質的に無毒であって、かつ HMG— CoAレダクターゼ阻 害作用又は細胞の抗泡沫化作用を有する化合物の塩を意味する。当該塩としては、 たとえば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニゥムまたはプロトン 化されたベンザチン(N, Nr —ジ一べンジルエチレンジァミン)、コリン、エタノールァ ミン、ジエタノールァミン、エチレンジァミン、メグラミン(N—メチルダルカミン)、ベネタ ミン(N—ベンジルフエネチルァミン)、ピぺラジンもしくはトロメタミン(2—ァミノ一 2—ハイ
ドロキシメチルー 1 , 3_プロパンジオール)等の塩が挙げられる。
[0062] 本発明において有効成分として使用されるカルコン類化合物、フラバノン類化合物 、 3' , 4' -ジハイドロセセリン類化合物としては、ァシタパから公知の方法で分画する ことによって得られる当該カルコン類化合物、フラバノン類化合物、 3 ', 4'-ジハイド ロセセリン類化合物を高濃度に含む画分を使用することもできる。ここで、高濃度とは 、天然のァシタバ中の当該カルコン類化合物、フラバノン類化合物、 3' , 4 '—ジハイ ドロセセリン類化合物の濃度よりも高いことを意味し、天然のァシタパ中の濃度の 1. 5倍以上であることが好ましぐ 2倍以上であることがより好ましい。上記の分画手段と しては、抽出、分別沈殿、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等が挙げら れる。また、得られた画分の精製を、下記実施例 28又は 30に例示されるとおり、 HM G— CoAレダクターゼ阻害作用又は細胞の抗泡沫化作用を指標としてさらに進めるこ とにより、当該カルコン類化合物、フラバノン類化合物、 3 ', 4 '—ジハイドロセセリン類 化合物を単離することもできる。
[0063] また、本発明の有効成分として使用されるカルコン類化合物、フラバノン類化合物、 3,, 4,一ジノヽイドロセセリン類化合物の大部分は、前述の通りァシタパに含まれる成 分である。後述の実施例 30に記載のとおり、ァシタパはマクロファージの抗泡沫化作 用を有することから、本発明の有効成分を含むァシタパ自体を本発明の医薬、食品 、飲料又は飼料の全部又は一部に使用することで、本発明の所望の効果をより効率 的に発現することができる。また、ァシタパから本発明の有効成分が多量に含まれる ように加工、処理 (抽出等)を行なったァシタパ加工処理物の全部又は一部を本発明 の医薬、食品、飲料又は飼料に使用することで、さらに効率的に本発明の効果を発 現すること力 Sできる。また、ァシタパの加工品に合成、精製などにより得られた本発明 の有効成分を加えることで、高脂血症、動脈硬化症やこれらが原因因子となって起こ る疾患の治療用又は予防用の食品、飲料又は飼料としてより好適に使用することが できる。
[0064] なお、本発明において、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、 3' , 4 '—ジハイド ロセセリン類化合物、それらの誘導体及びそれらの塩からなる少なくとも 1つの化合 物を本発明の有効成分と称し、本発明の有効成分を含有する治療又は予防に HM
G— CoAレダクターゼ阻害作用又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療剤又 は予防剤を本発明の治療剤又は予防剤と称することがある。
[0065] 本発明に係る有効成分には、後述するように特に毒性は認められない。また、副作 用の発生の心配もない。それゆえ、安全かつ適切に疾患の治療又は予防を行うこと 力 Sできる。従って、当該有効成分を含んでなる本発明の治療剤、予防剤、食品、飲料 または飼料は、治療又は予防に HMG— CoAレダクターゼ阻害作用又は細胞の抗泡 沫化作用を要する疾患の治療または予防に有効である。
[0066] また、本発明において、治療又は予防に HMG— CoAレダクターゼ阻害作用を要 する疾患としては、 HMG— CoAレダクターゼの活性を阻害することにより治療又は予 防効果がみられる疾患であれば特に限定はないが、例えば、高脂血症、動脈硬化症 やこれらが原因因子となって起こる疾患、例えば心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、くも膜 下出血、肥満症等が例示される。
[0067] また、本発明において、治療又は予防に細胞の抗泡沫化作用を要する疾患として は、細胞の泡沫化を抑制することにより治療又は予防効果がみられる疾患であれば 特に限定はないが、例えば、動脈硬化症やこれらが原因因子となって起こる疾患、 例えば急性心筋梗塞、不安定狭心症、虚血性突然死、脳血管障害、慢性閉塞性動 脈硬化症等が例示される。
[0068] さらに本発明の有効成分のうち、 HMG— CoAレダクターゼ阻害作用と細胞の抗泡 沫化作用の両方の作用を併せ持つものについては、上記記載した疾患に対して特 に高い効果が期待できることから、本発明に特に好適に使用することができる。さらに 、これらの両方の作用が強い成分を選択的に使用することもでき、これによつて、より 高い効果が期待できる。
[0069] 本発明の治療剤または予防剤としては、本発明に係る前記有効成分を公知の医薬 用担体と組み合わせて製剤化したものが挙げられる。本発明の態様においては、有 効成分としての塩は薬理学的に許容され得る塩を用レ、ることができる。また、本発明 の治療剤または予防剤としては、前記有効成分を当該有効成分と同じ用途に使用可 能な他の成分、例えば公知の高脂血症や動脈硬化症の治療又は予防作用を有する 成分、例えば、プラバスタチン、シンパスタチン、フルパスタチン、セリバスタチン、アト
ルバスタチン等のスタチン系の化合物等の HMG— CoAレダクターゼ阻害斉 lj、フコィ ダン等の細胞の抗泡沫化剤、メリナミド等の ACAT阻害剤、コレステロールエステル 転送タンパク質(CETP)抑制剤、コレステロール吸収阻害剤、スクアレン合成酵素阻 害剤、 LDL酸化抑制剤、ミクロソーマルトリグリセリドトランスファータンパク (MTP)阻 害剤、アポリポタンパク質 A1産生促進剤、 ATP—バインディングカセットサブファミリ 一 Al (ABCA1)誘導剤などと配合することもできる。
[0070] 本発明の治療剤または予防剤の製造は、通常、前記有効成分を薬理学的に許容 できる液状または固体状の担体と配合することにより行われ、所望により溶剤、分散 剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、錠剤、 顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤、通常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤 とすることができる。また、使用前に適当な担体の添カ卩によって液状となし得る乾燥品 や、その他、外用剤とすることもできる。
[0071] 医薬用担体は、治療剤または予防剤の投与形態および製剤形態に応じて選択す ること力 Sできる。固体組成物からなる経口剤とする場合は、錠剤、丸剤、カプセル剤、 散剤、細粒剤、顆粒剤等とすることができ、たとえば、デンプン、乳糖、白糖、マンニッ ト、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩などの医薬用担体が利用さ れる。また経口剤の調製に当っては、更に結合剤、崩壊剤、界面活性剤、潤沢剤、 流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料などを配合することもできる。たとえば、錠剤ま たは丸剤とする場合は、所望によりショ糖、ゼラチン、ハイドロキシプロピルセルロース などの糖衣または胃溶性もしくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよレ、。液体組成 物からなる経口剤とする場合は、薬理学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シ ロップ剤などとすることができ、たとえば、精製水、エタノールなどが担体として利用さ れる。また、さらに所望により湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、防腐 剤などを添加してもよい。
[0072] 一方、非経口剤とする場合は、常法に従い本発明の前記有効成分を希釈剤として の注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、落花生油 、大豆油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどに溶解 ないし懸濁させ、必要に応じ、殺菌剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤などをカ卩えるこ
とにより調製すること力 Sできる。また、固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無 菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
[0073] 外用剤としては、経皮投与用または経粘膜(口腔内、鼻腔内)投与用の、固体、半 固体状または液状の製剤が含まれる。また、座剤なども含まれる。たとえば、乳剤、口 ーシヨン剤などの乳濁剤、外用チンキ剤、経粘膜投与用液剤などの液状製剤、油性 軟膏、親水性軟膏などの軟膏剤、フィルム剤、テープ剤、パップ剤などの経皮投与用 または経粘膜投与用の貼付剤などとすることができる。
[0074] 上記のような各種製剤形態での治療剤又は予防剤は、それぞれ公知の医薬用担 体などを利用して、適宜、常法により製造することができる。また、かかる治療剤また は予防剤における有効成分の含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、好 ましくは後述の投与量範囲で当該有効成分を投与できるような量であれば特に限定 されるものではない。
[0075] 本発明の治療剤又は予防剤は、製剤形態に応じた適当な投与方法で投与される。
投与方法も特に限定はなぐ例えば、内用、外用および注射により投与されればよい 。本発明の治療剤又は予防剤を注射により投与する場合は、たとえば静脈内、筋肉 内、皮下、皮内などに投与し得、外用により投与する場合は、たとえば、座剤等の外 用剤として、その適する投与方法により投与すればょレ、。
[0076] 本発明の治療剤または予防剤の投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的 および当該治療剤または予防剤の投与対象である患者の年齢、体重、症状等によつ て適宜設定され一定ではない。一般には、製剤中に含有される前記有効成分の量 で、好ましくは成人 1日当り 0. 1 /i g— lg/kg体重である。もちろん投与量は、種々 の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、ある いは範囲を超えて必要な場合もある。投与は、所望の投与量範囲内において、 1日 内において単回で、または数回に分けて行ってもよい。また、本発明の治療剤または 予防剤はそのまま経口投与するほか、任意の飲食品に添加して日常的に摂取させる ことちできる。
[0077] また、本明細書において、医薬とは、便宜的に、上記の本発明の治療剤又は予防 剤を指すのみでなぐ以下に記載される本発明の HMG— CoAレダクターゼ阻害剤
又は細胞の抗泡沫化剤をも指す場合がある。
また、本発明は前記有効成分を含む HMG— CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の 抗泡沫化剤を提供することもできる。当該 HMG— CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞 の抗泡沫化剤としては、前記有効成分そのものであってもよぐまた、前記有効成分 を含む組成物であってもよい。本発明の態様においては、有効成分としての塩は薬 理学的に許容される塩が好適である。当該 HMG— CoAレダクターゼ阻害剤又は細 胞の抗泡沫化剤は、たとえば、前記有効成分を当該有効成分と同じ用途に使用可 能な他の成分、例えば公知の高脂血症や動脈硬化症の治療又は予防作用を有する 成分、例えば、プラバスタチン、シンパスタチン、フルパスタチン、セリバスタチン、アト ルバスタチン等のスタチン系の化合物等の HMG_CoAレダクターゼ阻害斉 lj、フコィ ダン等の細胞の抗泡沫化剤、メリナミド等の ACAT阻害剤、コレステロールエステル 転送タンパク質(CETP)抑制剤、コレステロール吸収阻害剤、スクアレン合成酵素阻 害剤、 LDL酸化抑制剤、ミクロソーマルトリグリセリドトランスファータンパク(MTP)阻 害剤、アポリポタンパク質 A1産生促進剤、 ATP—バインディングカセットサブファミリ 一 Al (ABCA1)誘導剤などと配合することもできる。上記治療剤または予防剤の製 造方法に準じて通常使用される試薬の形態に製造することもできる。当該 HMG - Co Aレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤における前記有効成分の含有量は、 当該 HMG— CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤の投与方法、使用目 的などを考慮し、本発明の所望の効果の発現が得られ得るような量であればよぐ特 に限定されるものではない。また、当該 HMG— CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の 抗泡沫化剤の使用量も、本発明の所望の効果の発現が得られ得るようであれば特に 限定されるものではない。特に、生体に投与して使用する場合には、好ましくは前記 治療剤または予防剤における有効成分の投与量範囲内で有効成分を投与できるよ うな量で使用すればよい。投与方法についても特に限定されるものではなぐ前記治 療剤又は予防剤と同様に適宜設定すればよい。当該 HMG— CoAレダクターゼ阻害 剤又は細胞の抗泡沫化剤は、前述の治療又は予防に HMG - CoAレダクターゼ阻 害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療又は予防に対して有 用である。また、当該 HMG— CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗泡沫化剤は、治
療又は予防に HMG— CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用 を要する疾患に対する薬物のスクリーニングや、高脂血症や動脈硬化症のメカニズ ムの研究にも有用である。また、当該 HMG— CoAレダクターゼ阻害剤又は細胞の抗 泡沫化剤を食品又は飲料に添加することもできる。
[0079] 本発明に係る有効成分には、後述するように特に毒性は認められなレ、。また、副作 用の発生の心配もない。それゆえ、安全かつ適切に HMG_CoAレダクターゼ阻害 作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を発現することができる。従って、当該有効成 分を含んでなる本発明の医薬、食品、飲料または飼料は、治療又は予防に HMG— CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療ま たは予防に有効である。
[0080] また、本発明は、前記有効成分を含有してなる HMG— CoAレダクターゼ阻害用及 び/又は細胞の抗泡沫化用の食品、飲料又は飼料 (本明細書中において、本発明 の食品、飲料又は飼料と称することがある)を提供する。本発明の態様においては、 有効成分の塩としては、薬理学的に許容される塩、またはそれと同等の安全性を有 する塩が好適である。本発明の食品、飲料または飼料は、その HMG— CoAレダクタ ーゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用により、治療又は予防に HMG - Co Aレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患、すなわち 前述したような、高脂血症、動脈硬化症、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、くも膜下出血 、肥満症、急性心筋梗塞、不安定狭心症、虚血性突然死、脳血管障害、慢性閉塞 性動脈硬化症等の症状改善、予防に極めて有用である。すなわち、本発明の食品 又は飲料は上記の疾患の予防又は治療を目的とすることを付した機能性食品(特定 保健用食品)として極めて有用であり、血中コレステロールが気になる方、ヘビースモ 一力一の方、肥満体型の方、運動不足の方、飲酒量の多い方、糖尿病患者の方にと つて極めて有用である。
[0081] また、本発明の食品、飲料又は飼料は、たとえば、前記有効成分を当該有効成分 と同じ用途に使用可能な他の成分、例えば公知の高脂血症や動脈硬化症の治療又 は予防作用を有する成分、例えば、プラバスタチン、シンパスタチン、フルパスタチン 、セリバスタチン、アトルバスタチン等のスタチン系の化合物等の HMG_CoAレダク
ターゼ阻害剤、フコィダン等の細胞の抗泡沫化剤、メリナミド等の ACAT阻害剤、コ レステロールエステル転送タンパク質(CETP)抑制剤、コレステロール吸収阻害剤、 スクアレン合成酵素阻害剤、 LDL酸化抑制剤、ミクロソーマルトリグリセリドトランスフ ァータンパク(MTP)阻害剤、アポリポタンパク質 A1産生促進剤、 ATP—バインディ ングカセットサブファミリー Al (ABCA1)誘導剤などと配合することで、より効果の高 い食品、飲料又は飼料を製造することもできる。また、既知の健康食品素材、例えば 大豆タンパク質およびペプチド、ダルコマンナン、キトサン、植物ステロールエステル 等と配合することもできる。
[0082] なお、本発明の食品、飲料または飼料において「含有」とは、含有、添加および/ま たは希釈を意味する。ここで、「含有」とは食品、飲料または飼料中に本発明で使用 される有効成分が含まれるという態様を、「添加」とは食品、飲料または飼料の原料に 、本発明で使用される有効成分を添加するという態様を、「希釈」とは本発明で使用さ れる有効成分に、食品、飲料または飼料の原料を添加するという態様をいうものであ る。
[0083] 本発明の食品、飲料または飼料の製造法に特に限定はない。たとえば、配合、調 理、加工などは一般の食品、飲料または飼料のものに従えばよぐそれらの製造法に より製造することができ、得られた食品、飲料または飼料に HMG— CoAレダクターゼ 阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を有する本発明に係る前記有効成分が 含有されていれば良い。
[0084] 本発明の食品または飲料としては特に限定はないが、たとえば、本発明に係る前記 有効成分が含有されてなる、穀物加工品(小麦粉加工品、デンプン類加工品、プレミ ックス加工品、麵類、マカロニ類、パン類、あん類、そば類、麩、ビーフン、はるさめ、 包装餅など)、油脂加工品(可塑性油脂、てんぷら油、サラダ油、マヨネーズ類、ドレ ッシングなど)、大豆加工品(豆腐類、味噌、納豆など)、食肉加工品(ハム、ベーコン 、プレスハム、ソーセージなど)、水産製品(冷凍すりみ、力、まぼこ、ちくわ、はんぺん、 さつま揚げ、つみれ、すじ、魚肉ハム、ソーセージ、かつお節、魚卵加工品、水産缶 詰、つくだ煮など)、乳製品(原料乳、クリーム、ヨーグルト、バター、チーズ、練乳、粉 乳、アイスクリームなど)、野菜 ·果実加工品(ペースト類、ジャム類、漬け物類、果実
飲料、野菜飲料、ミックス飲料など)、菓子類 (チョコレート、ビスケット類、菓子パン類 、ケーキ、餅菓子、米菓類など)、アルコール飲料(日本酒、中国酒、ワイン、ウイスキ 一、焼酎、ウォッカ、ブランデー、ジン、ラム酒、ビール、清涼アルコール飲料、果実 酒、リキュールなど)、嗜好飲料 (緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、青汁、清涼飲料 、乳酸飲料など)、調味料 (しょうゆ、ソース、酢、みりんなど)、缶詰 ·瓶詰め'袋詰め 食品(牛飯、釜飯、赤飯、カレー、その他の各種調理済み食品)、半乾燥または濃縮 食品(レバーペースト、その他のスプレッド、そば'うどんの汁、濃縮スープ類)、乾燥 食品(即席麵類、即席カレー、インスタントコーヒー、粉末ジュース、粉末スープ、即席 味噌汁、調理済み食品、調理済み飲料、調理済みスープなど)、冷凍食品(すき焼き 、茶碗蒸し、うなぎかば焼き、ハンバーグステーキ、シユウマイ、餃子、各種スティック、 フルーツカクテルなど)、固形食品、液体食品 (スープなど)、香辛料類などの農産' 林産加工品、畜産加工品、水産カ卩ェ品などが挙げられる。
[0085] 本発明の食品または飲料は、前記有効成分が単独もしくは複数含有、添加および /または希釈されており、その含有量が HMG— CoAレダクターゼ阻害作用及び/ 又は細胞の抗泡沫化作用を発現するための必要量に相当するものであれば特にそ の形状に限定はなぐタブレット状、顆粒状、カプセル状等の形状の経口的に摂取可 能な形状物も包含する。
[0086] 本発明の食品又は飲料中の前記有効成分の含有量は特に限定されず、その官能 と活性発現の観点から適宜選択できる力 例えば食品 100重量%当たり好ましくは 0 . 00001重量0 /0以上、より好まし <ίま 0. 0001一 10重量0 /0、更 ίこ好適【こ ίま 0. 0006 一 6重量%であり、例えば、飲料 100重量%当たり好ましくは 0. 00001重量%以上 、より好ましく fま 0. 0001 10重量0 /0、更 (こ好適 ίこ fま 0. 0006 6重量0 /0である。ま た本発明の食品又は飲料は、好ましくは、それらに含有される有効成分が、例えば 成人 1曰当たり 0. OOlmg lOgZkg体重、より好ましくは 0. lmg lgZkg体重と なるように摂取すればよい。
[0087] また、本発明は、前記有効成分を含有、添加および Zまたは希釈してなる、 HMG 一 CoAレダクターゼ阻害作用及び Z又は細胞の抗泡沫化作用を有する生物用の飼 料 (本明細書中において、本発明の飼料と称することがある)を提供するものであり、
さらに、別の一態様として、前記有効成分を生物に投与することを特徴とする生物の 飼育方法をも提供する。また、本発明の別の一態様として、前記有効成分を含有す ることを特徴とする生物飼育用剤が提供される。
[0088] 本明細書において、生物としては、限定はないが、たとえば養殖動物、ペット動物 などが挙げられる。養殖動物としてはゥマ、ゥシ、ブタ、ヒッジ、ャギ、ラタダ、ラマなど の家畜、マウス、ラット、モルモット、ゥサギなどの実験動物、ニヮトリ、ァヒル、七面鳥、 駝鳥などの家禽、魚類、甲殻類または貝類が例示される。ペット動物としてはィヌ、ネ コなどが例示される。飼料としては体調の維持および/または改善用飼料が例示さ れる。生物飼育用剤としては浸漬用剤、飼料添加剤、飲料用添加剤が例示される。
[0089] これらの発明によれば、それらを適用する前記例示するような生物において、本発 明に使用される前記有効成分の HMG— CoAレダクターゼ阻害作用及び Z又は細 胞の抗泡沫化作用に基づき、本発明の前記治療剤または予防剤によるのと同様の 効果の発現が期待できる。すなわち、当該生物における治療又は予防に HMG— Co Aレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療また は予防効果を有する。
[0090] 本発明に使用される前記有効成分は通常、対象生物に 1日当たり好ましくは 0. 01 一 2000mg/kg体重、投与される。投与は、たとえば、当該有効成分を、対象生物 に供する人工配合飼料の原料中に添加混合しておくか、人工配合飼料の粉末原料 と混合した後、その他の原料にさらに添加混合することで行うことができる。また、前 記有効成分の飼料中の含有量は特に限定されるものではなぐ 目的に応じて適宜設 定すれば良いが、 0. 001— 15重量%の割合が好適である。
[0091] 本発明の飼料の製造法に特に限定はなぐまた配合も一般の飼料に準ずるもので あればよぐ製造された飼料中に HMG— CoAレダクターゼ阻害作用及び Z又は細 胞の抗泡沫化作用を有する本発明に係る前記有効成分が含まれてレ、ればよレ、。
[0092] HMG— CoAレダクターゼ阻害作用及び Z又は細胞の抗泡沫化作用を有する本発 明に使用される前記有効成分を含んでなる飼料を摂取させること、または HMG— Co Aレダクターゼ阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を有する本発明に使用さ れる前記有効成分の含有液に対象生物を浸漬することにより、家畜、実験動物、家
禽、ペット動物などの体調を良好に維持し、または、改善させたりすることができる。
[0093] 本発明はまた、治療又は予防に HMG— CoAレダクターゼ阻害作用及び/又は細 胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療又は予防を必要とする被験体に、カルコン 類化合物、フラバノン類化合物、 3 ', 4'-ジハイドロセセリン類化合物、それらの誘導 体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも 1つの化合物の有効量を投 与することを含む、該疾患の治療又は予防方法を提供する。
[0094] 被験体とは、好ましくは上記疾患の治療または予防を必要とするヒトであるが、上記 疾患の治療または予防を必要とする生物、例えば、上記のような養殖動物、ペット動 物等であってもよい。
[0095] また、有効量とは、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、 3' , 4 '—ジハイドロセセ リン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも 1つの化合物 (有効成分)を上記被験体に投与した場合に、該有効成分を投与して レ、ない被験体と比較して、上記疾患の症状等に関して改善された臨床結果を生じる 該化合物等の量である。具体的な有効量としては、投与形態、投与方法、使用目的 および被験体の年齢、体重、症状等によって適宜設定され一定ではないが、好ましく は、被験体の前記有効成分の量で、成人 1日当り 0. 1 /i g— lg/kg体重である。
[0096] 本発明の治療方法においては、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、 3 ', 4 'ージ ハイドロセセリン類化合物、それらの誘導体、及びそれらの塩からなる群より選択され る少なくとも 1つの化合物の有効量をそのまま上記被験体に投与してもよぐまた、上 記のような医薬、食品、飲料、又は飼料として投与してもよい。また、投与方法にも限 定はなぐ例えば、上記の治療又は予防剤と同様に、経口投与や注射等により投与 すればよい。
[0097] 本発明の治療方法によれば、安全に、治療又は予防に HMG— CoAレダクターゼ 阻害作用及び/又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患を治療又は予防することが 可能である。
[0098] 本発明で使用される前記有効成分は、その作用発現にとっての有効量の投与を行 つても毒性は認められない。たとえば経口投与の場合、前述の表 1一 5に記載の化合 物、もしくはこれらの光学活性体又はそれらの塩のいずれかを、それぞれ lg/kg体
重でマウスに単回投与しても死亡例は認められない。また、前記有効成分は、ラット に経口投与において lg/kg体重を経口単回投与しても死亡例は認められない。 実施例
[0099] 以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの記 載に何ら限定されるものではない。なお、実施例における%は特に記載がなければ すべて容量%を意味する。
[0100] 実施例 1 キサントアンゲロールの調製
(1)ァシタバ根部の乾燥粉末 5kgに 15Lのエタノールをカ卩え、室温で 30分間抽出 を行い、吸引ろ過後、エタノール抽出液と残渣に分けた。残渣に対して同様の抽出 を 2回行った後、エタノール抽出液を合わせ減圧濃縮し、エタノール抽出濃縮液を得 た。
[0101] (2)実施例 1- (1)で得られたエタノール抽出濃縮液を 2Lの 25%エタノール水溶液 に溶解し、ついで逆相クロマトグラフィーを用いて分画した。樹脂はコスモシール 140
C18—OPN (ナカライテスタ社製: 400mL)を用レ、、 1Lの 30%エタノール水溶液、 5Lの 40%エタノール水溶液、 4Lの 75%エタノール水溶液、 3Lの 100%エタノール 水溶液の順に溶出を行つた。
[0102] (3)実施例 1- (2)で得られた 75%エタノール水溶液溶出画分を減圧濃縮し、シリ 力ゲル(BW— 300SP :富士シリシァ化学社製、 350mL)に吸着させた。溶出はクロ口 ホルム:へキサンの溶媒比を 2 : l (800mL)、 10 : 4 (1800mL)、および酢酸ェチル( 1400mL)の順に段階的に行った。溶出液はフラクション 1から 5まで 200mLごと、フ ラタシヨン 6は 150m:L、フラクション 7力ら 10は lOOmLごと、フラクション 11力、ら 16は 2 OOmLごと、フラクション 17は lOOOmLの順に分画した。
[0103] (4)実施例 1一(3)で得られたフラクションの番号 17を減圧濃縮し、シリカゲル(350 mL)に吸着させた。溶出はクロ口ホルム:へキサンの溶媒比を 10 : 3 (1000mL)、 10 : l (2100mL)、 20 : l (1000mL)、酢酸ェチル(500mL)の順に段階的に行い、最 初の 2300mLを溶出の後、 lOOmLごとに分画した。
[0104] (5)実施例 1一 (4)で得られたフラクションの番号 4から 22を減圧濃縮後、クロロホノレ ムに溶解した。続いてへキサンによる再結晶を行い、生じた沈殿と上清とを分けた。
得られた沈殿を乾燥し、キサントアンゲロールを得た。
[0105] 実施例 2 4-ハイドロキシデリシンの調製
実施例 1- (3)で得られたシリカフラクションの番号 10から 15を集めて減圧濃縮後、 クロ口ホルムに溶解した。続いてへキサンによる再結晶を行い、生じた沈殿と上清とを 分けた。得られた沈殿を乾燥し、 4-ハイドロキシデリシンを得た。
[0106] 実施例 3 キサントアンゲロール Hの調製
(1)実施例 1_ (2)で得られた 40%エタノール水溶液溶出画分を減圧濃縮し、シリ 力ゲル(350mL)に吸着させた。溶出はクロ口ホルム:メタノールの溶媒比を 50 : 1 (9 60mL) , 40 : 1 (520mL) , 20 : 1 (lOOOmL)、 10 : 1 (840mL)、 5 : 1 (520mL)の 順に段階的に行レ、、溶出液を 8mLごとに分画した。
[0107] (2)実施例 3—(1)で得られたシリカフラクションの番号 142から 164を集めて濃縮 乾固後、酢酸ェチルに溶解した。続いてへキサンによる再結晶を行レ、、生じた沈殿と 上清とを分けた。得られた沈殿を乾燥し、キサントアンゲロール Hを得た。
[0108] 実施例 4 TBIの調製
(1)実施例 3- (1)で得られたシリカフラクションの番号 303から 325を集めて濃縮 乾固後、酢酸ェチルに溶解した。続いてへキサンによる再結晶を行レ、、生じた沈殿を 乾燥し黄色物質を得た。
[0109] (2)実施例 4 -(1)で得られた黄色物質を核磁気共鳴 (NMR)スペクトル装置 (AV ANCE600型:ブル力'バイオスピン社製)を用レ、、各種 NMRスペクトルを測定し構 造解析した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、ピークの番号は下記式 (化 8 )のとおりである。
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Ρ 'HS)S8 ·9 '((9-Η 'ΖΗ "8 = Γ 'Ρ 'ΗΙ) ^ ·9 'し 9_Η〇 'ΖΗ8 "^ = Γ 'Ρ 'HI
)S9 ' '("9-Η 'HI)ZS Έ '(""[— Η 'ΖΗ8 "9Ι=Γ 'ΖΗ8 = Γ 'ΡΡ 'ΗΧ)Ζ9 · τ Η 'ZH8 "9Ι=Γ 'ZHS 'εΧ=Γ 'ΡΡ 'ΗΙ)^ε 'Ζ ' ("ト Η ¾Ι)Ζ8 "X '( ί(ρ-Η 'ra Ήτ) ΐ ·χ '("s— Η 'ra Ήτ)τι ·χ '("s— Η 'ZHS ΈΙ=Γ 'ZHS =
Γ'ΡΡ 'ΗΧ)Ι9 ·χ '("s-H 'ra Ήτ)Ρ9 ·χ '("ε- 。 's ¾ε) s "ΐ ΕΗつ
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HWN-H, [τπο]
[οπο]
SS9T00/S00Zdf/X3d εε 906 SOOZ OAV
DX302:日本電子社製)により FAB—MSの手法で測定した。
[0114] FAB-MS : m/z 407 (M—H)— メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに用 いた。
[0115] 以上、 NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、実施例 4一(1)で得られた黄色 物質力 — (5, 6, 7, 8, 8a, 10a— hexahydro— 1, 7— dihydroxy— 8, 8, 10a— trim ethyl— 9H— xanthen— 4— yl) _3_ (4— hydroxyphenyl)— 2— propen— 1— one (分 子量 408、以下 TBIと称する)であることを確定した。
[0116] 実施例 5 TB2の調製
(1)実施例 3- (1)で得られたシリカフラクションの番号 283から 302を集めて濃縮 乾固後、酢酸ェチルに溶解した。続いてへキサンによる再結晶を行レ、、生じた沈殿を 乾燥し黄色物質を得た。
[0117] (2)実施例 5—(1)で得られた黄色物質の NMRスペクトルと質量スぺクトノレを実施 例 4一(2)と同様の方法で測定した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、ピーク の番号は下記式 (ィヒ 9)のとおりである。
[0118] [化 9]
[0119] H— NMR (直ジメチルスルホキシド): δ 1. 20 (3Η, s, CH—3") , 1. 36 (3H, s,
3
CH -7") , 1. 57 (3H, s, CH _7,,), 1. 68 (2H, m, H_4") , 2. 10 (2H, m, H_
3 3
5") , 2. 41 (1H, dd, J= 9. 0Hz, J= 16. 8Hz, H_l,,), 2. 85 (1H, dd, J = 6. 0
Hz, J=16.8Hz, H-l"), 3.76 (IH, m, H_2,,), 5.01 (IH, m, H_6,,), 5.2 3(1H, d, J = 4.8Hz, OH-2"), 6.47 (IH, d, J = 8.4Hz, H_5' ), 6.80 (2H , d, J = 8.4Hz, H-3および H-5), 7.38 (IH, d, J = 8.4Hz, H_6' ), 7.44(1 H, d, J=15.6Hz, H-j3), 7.47 (IH, d, J=15.6Hz, H—ひ), 7.50 (2H, d, J = 8.4Hz, H— 2および H— 6), 9.96(1H, s,〇H— 4), 10.19 (IH, s, OH— 4') 図 3に1 H—NMRスペクトルを示す。
[0120] 13C— NMR (重ジメチノレスノレホキシド): δ 18.1 (CH—3"), 18.2 (CH -7"), 22
3 3
. l(C-5"), 26.3(CH -7"), 27.2(C_1,,), 38.7(C_4,,), 66.7(C_2,,), 80
3
.2(C-3"), 107.8(C_5,), 109.1(C_3,), 116.7 (C_3および C_5), 121. O(C-l'), 125. l(C-6"), 125.1(C_ひ) 127.0(C_1), 130.3(C_6'), 130 .8(C_2および C_6), 131.6(C-7"), 141.5 (C_ j3 ), 154.6(C_2,), 160.4 (C-4) , 160.4(C_4,), 189.9(C = 0)
図 4に13 C—NMRスペクトルを示す。
[0121] FAB-MS :m/z 407 (M_H)— メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに用 いた。
[0122] 以上、 NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、実施例 5—(1)で得られた黄色 物質が 1— (3, 4-dihydro-3, 5— dihydroxy_2— (3— isohexenyl)— 2_methy卜 2 H— benzopyran— 8— yl)—3— (4— hydroxyphenyl)— 2— propen— 1— one (分子直 4 08、以下 TB2と称する)であることを確定した。
[0123] 実施例 6 TB3の調製
(1)実施例 1一 (4)で得られたフラクションの番号 23, 24を減圧濃縮後、クロロホノレ ムに溶解し、へキサンによる再結晶を行レ、黄色物質を得た。
[0124] (2)実施例 6—(1)で得られた黄色物質の NMRスペクトルと質量スぺクトノレを実施 例 4- (2)と同様の方法で測定した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、ピーク の番号は下記式 (化 10)のとおりである。
葛喻
(X)-9pi}¾¾、啬 ¾ 4 譽葛 β^ WN TTT [6210]
。コ
^ ^ に ^ ^ベ^ cH- (H—W 0 z/iu:sw-gvd [8210]
(0 = 0)S "S6X "Z9X '
(.2-0)6 ·Χ9Χ '(ト。)S ·83Χ '(^-0)8 ' "[ '(ί£Ζ-0)Ζ -S8X '( ,9-0)1 'ΖΖ
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'( ,3-0)1 -sox '("
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S」H0)S "SS 'し S—つ) 'ΖΖ ' L- HO) I "81 § : (^Λί^ η^) Η1 ΙΝ-0εΐ [ZZIO]
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ΖΗ0
'ZHS "Ζ = Γ 'Ρ 'ΗΖ)68 ·9 'し S— Η 'ΖΗ "8 = Γ 'Ρ 'Ηΐ) ·9 ' Ο— Η〇 's 'HI
)\Ζ "9 'し 9_Η 'ΖΗΖ "9 = Γ 'HI)gi 'S 'し S—H 'ΖΗΖ ·8 = Π 'ΗΙ)Ζ8 ' '( ""[— Η 'ΖΗ ·8 = Γ'Ρ 'HS)6X Έ '("S— Η 'ΗΧ)6Χ ·Ζ '("S— Η 'ΗΧ)ΧΧ ·
Ζ '("S— HO 's 'ΗΧ)6Ζ "X HO 's 'U )ll "X '(^ ^HO 's 'HS)S9 "X '
("ト Η ¾S)ZS Ί '("S- HO 's 'HS) S "I 9 : (マ /^ Ητ [9210]
[9210]
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xenyl)— benzofuran— 5— yl]— 3— (4— hydroxyphenyl)— 2— propen— 1— one (分 子量 408,以下 TB3と称する)であることを確定した。
[0130] 実施例 7 TB4の調製
(1)実施例 3—(1)で得られたシリカフラクションの番号 118から 132を集めて濃縮 乾固して黄色物質を得た。
[0131] (2)実施例 7—(1)で得られた黄色物質の NMRスペクトルと質量スペクトルを実施 例 4- (2)と同様の方法で測定した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、ピーク の帰属の番号は以下の式 (化 11)のとおりである。
[0132] [化 11]
[0133] H— NMR (重ジメチルスルホキシド): δ 1. 18 (3Η, s, CH—3"), 1. 28 (3H, s,
3
CH -3"), 3. 07 (2H, m, H—l"), 3. 87 (3H, s, OCH _4,), 4. 72(1H, s, O
3 3
H-3"), 4. 78 (1H, t, J = 8. 7Hz, H_2,,), 6. 65 (1H, d, J = 9. 0Hz, H_5,), 6. 82 (2H, d, J = 8.4Hz, H_3および H_5), 7. 57 (2H, d, J = 8.4Hz, H_2お よび H-6), 7. 59 (1H, d, J=15. 6Hz, Η~β), 7. 69 (1H, d, J = 9. 0Hz, H_6 '), 7. 81(1H, d, J=15. 6Hz, H~a), 10. 02(1H, s,〇H_4)
図 7に1 H—NMRスペクトルを示す。
[0134] 13C_NMR (重ジメチノレスノレホキシド): δ 26. 2 (CH _3,,), 26. 8 (CH _3,,), 27
3 3
. 6(C-1"), 56. 5 (OCH _4,), 70. 9(C_3,,), 91. 5(C_2,,), 105. 2(C_5,)
3
, 115. 7(C_3,), 116. O(C-l'), 116. 7 (C_3および C_5), 123. 8(C—ひ), 1 27. 0(C-1), 131. 0(C_2および C_6), 131. 3(C_6,), 142. 7 (C_ j3 ), 160
. 5 (C_4,), 160. 6 (C-4) , 161. 8 (C_2,), 186. 5 (C =〇)
図 8に13 C—NMRスペクトルを示す。
[0135] FAB-MS : m/z 353 (M— H)— メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに用 いた。
[0136] 以上、 NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、実施例 7—(1)で得られた黄色 物質 l— [2, 3— dihydro— 2— ( 1— hydroxy— 1—methylethyl)—4— methoxyben zofuran— 7— yl]— 3— (4— ydroxyphenyl)— 2— propen— 1— one (分子量 354、以 下 TB4と称する)であることを確定した。
[0137] 実施例 8 TB5の調製
(1)実施例 3—(1)で得られたシリカフラクションの番号 335から 349を集めて減圧 濃縮後、逆相クロマトグラフィーを用いて分画した。樹脂はコスモシール 140 C18- OPN (30mUを用いた。それぞれ 200mLの 10%エタノール水溶液、 15%エタノー ル水溶液、 20%エタノール水溶液、 25%エタノール水溶液、 30%エタノール水溶液 、 500mLの 35%エタノール水溶液、 200mLの 75%エタノール水溶液の順に溶出 を行い、 lOOmLごとに溶出液を分画した。
[0138] (2)実施例 8—(1)で得られたフラクションの番号 6、 7を集めて濃縮乾固後、黄色物 質を得た。
[0139] (3)実施例 8—(2)で得られた黄色物質の NMRスペクトルと質量スペクトルを実施 例 4一(2)と同様の方法で測定した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、ピーク の帰属の番号は以下の式(化 12)のとおりである。
(〇 =。)9 "S6X '('S - D) 9X '(^-D)Z Έ
9X '(トつ) x "191 '( ーつ) o "s^x '("ε_。 'sex ' (9-Oja sis-o) o 'ss
X '(ί9-0)Ζ Ό8Χ '(I-O)Z -9SX 一つ) "SSX ' ーつ) S "8X1 ' (S-OjQ
¾:ε-ο) L -9XX '('ε—つ) "exx ' (,1-0)9 ΈΧΧ '('S -つ) S -8θχ '("9-0)0 · 8 '("z—つ) 'ZL '(' ーつ) s ' ε '("s—つ) ε ·οε '(IIL- uo)z ' LZ '("Z_SHO
)ρ "ss '(""[一つ) χ 'ζζ '("ε- Η。)Ο " χ 9 :
。 · ; ΗΙ ΙΝ—Η^ί 6 し S—HO 's 'HI)00 ' I ' —H〇 's 'ΗΙ)99 Ι ' O—
HO 's 'HI)II Ι '((9-Η 'ZH ·8 = P 'HI)SO ·8 ' (9— HjQT H 'ZH
P "8 = Γ 'P 'HZ)9Z 'L '(£/_Η 'ΖΗ "9 = Γ 'Ρ 'ΗΙ)9Ζ ' L '("_Η 'ΖΗ "9 = Γ ' Ρ 'ΗΙ)9Ζ ' L ' (9-HjQ ¾:S-H 'ΖΗ "8 = Γ 'Ρ 'HS) 8 ·9 '((9-Η 'ΖΗ ·8 =
Γ'Ρ 'ΗΤ)ΙΡ ·9 '("S—H 'ΖΗΖ "Ζ = Γ 'ΗΙ)6Ι "9 'し 9_Η〇 'ΖΗ0 "9 = Γ 'Ρ 'Η
I)SS 'Ρ '("Ζ_ΗΟ 's 'ΗΙ)00 'Ρ '(t(I-H 'HI) IS Έ '(t(I-H 'ΗΤ)Ρ3 •S '("9_Η 'ΗΙ)ΙΟ ·ε '(" ー Η 'ΗΙ)9Ι 'Ζ '(" ー Η 'ΗΙ)98 "I ' (" ε- HD 's Ήε)ει ·χ 'し s— Η 'ΗΙ)Ι9 ·χ 'し s— Η 'ΗΙ)9Ι ·χ '((ίι- Η
Ο '
s ¾ε)20 "X '( - 。 's 'HS)96 9 :
HWN-H, [TWO]
SS9T00/S00Zdf/X3d 6ε 906 SOOZ OAV
図 10に C—NMRスペクトルを示す。
[0143] FAB-MS : m/z 425 (M—H)— メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに用 いた。
[0144] 以上、 NMRスペクトル,質量スペクトル解析の結果、実施例 8—(2)で得られた黄色 物質力 — [2, 4-dihy dr oxy-3- ( 6 , 7— dihydroxy— 3, 7— dimethyl— 2— octenyl ) phenyl] _3_ (4— hydroxyphenyl)_2_propen—l_one (分子量 426,以下 TB5 と称する)であることを確定した。
[0145] 実施例 9 TB6の調製
(1)実施例 3—(2)で得られた上清の濃縮物をシリカゲル(lOOmL)に吸着させた。 溶出はへキサン:酢酸ェチル = 7 : 5の溶媒を用レ、、溶出液を 8mLごとに分画した。
[0146] (2)実施例 9一(1)で得られたシリカフラクションの番号 41から 51を集めて濃縮乾固 して黄色物質を得た。
[0147] (3)実施例 9一(2)で得られた黄色物質の NMRスペクトルと質量スペクトルを実施 例 4一(2)と同様の方法で測定した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、ピーク の帰属の番号は以下の式(化 13)のとおりである。
[0148] [化 13]
[0149] H— NMR (重ジメチルスルホキシド): δ 0. 96 (3Η, s, CH—7") , 0. 99 (3H, t
J = 6.9Hz, -O-CH -CH ), 1.04 (3H, s, CH _7,,), 1. 15 (IH, m, H_5")
2 3 3
, 1.60 (IH, m, H-5"), 1.72 (3H, s, CH -3"), 1.89 (IH, m, H_4,,), 2.1
3
3(1H, m, H-4"), 3.18 (IH, m, H_6,,), 3.24 (2H, m, H_l"), 3.29 (2H, m, -O-CH -CH ), 4.27 (IH, d, J = 6. OHz,〇H— 6"), 5.20 (IH, t, J = 6.
2 3
9Hz, H-2"), 6.47(1H, d, J = 9. OHz, H-5'), 6.84 (2H, d, J = 8.4Hz, H — 3および H— 5), 7.75(1H, d, J = 4.8Hz, H—ひ), 7.75(1H, d, J = 4.8Hz, H-/3), 7.75 (2H, d, J = 8.4Hz, H— 2および H— 6) , 8.31(1H, d, J = 9. OHz , H_6,), 10.11 (IH, s, OH— 4), 10.55(1H, s, OH_4,), 14.00(1H, s,〇 H-2')
図 11に1 H—NMRスペクトルを示す。
[0150] 13C— NMR (重ジメチルスルホキシド): δ 17.0(CH—3"), 17.0 (―〇— CH— C
3 2
H ), 21.1(CH -7"), 22.1(C_1,,), 23.3 (CH _7,,), 29.9(C_5,,), 37.2(
3 3 3
C-4"), 56.6 (-O-CH -CH ), 75.1(C_6,,), 77.5(C_7,,), 108.2(C_5,)
2 3
, 113.6(C - 1,), 115.4(C-3'), 116.7 (C - 3および C 5) , 118.3(C - α), 1 22.7(C-2"), 126.7(C_1), 130.6(C_6,), 132.0 (C— 2および C 6) , 135 .5(C-3"), 145.0(C_i3), 161.1 (C-4) , 163.1(C_4,), 164.4(C_2,), 1 92.6(C = 0)
図 12に13 C—NMRスペクトルを示す。
[0151] FAB-MS :m/z 453 (M_H)— メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに用 いた。
[0152] 以上、 NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、実施例 9一(2)で得られた黄色 物質が l_[3_(7_ethoxy_6_hydroxy_3, 7-dimethyl-2-octenyl) -2, 4_di hydroxypnenyl]— 3— hydroxyphenyl)— 2— propen— 1— one 力、子量 454、以 下 TB6と称する)であることを確定した。
[0153] 実施例 10 TB7の調製
(1)実施例 1一(5)で得られた上清の濃縮物をシリカゲル(350mL)に吸着させた。 溶出はクロ口ホルム:へキサンの溶媒比を 100 :1(1500mL)、 50: 1 (2600mL)、 2 0:1 (2600mL)、酢酸ェチル(300mL)の順に段階的に行レ、、溶出液を 8mLごとに
分画した。
[0154] (2)実施例 10- (1)で得られたフラクションの番号 21から 30を集めて濃縮乾固して 黄色物質を得た。
[0155] (3)実施例 10_ (2)で得られた黄色物質の NMRスペクトルと質量スぺクトノレを実施 例 4- (2)と同様の方法で測定した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、ピ ークの帰属の番号は以下の式 (化 14)のとおりである。
[0156] [化 14]
[0157] H— NMR (直ジメチルスルホキシド): δ 0. 91 (3Η, s, CH—7"), 0. 96 (3H, s,
3
CH -7") , 1. 21 (3H, s, CH _3,,), 1. 26 (1H, m, H_4") , 1.43 (1H, m, H_
3 3
4"), 1. 53(1H, m, H_5,,), 1. 85(1H, m, H_5,,), 2. 12(1H, t, J = 7. 2Hz, H-2"), 2. 52 (1H, m, H_l,,), 2. 56 (1H, m, H_l,,), 3. 62 (1H, d, J = 5. 4 Hz, H-6"), 3. 91 (3H, s, OCH _4,), 6. 67(1H, d, J = 9. 0Hz, H_5,), 6.
3
85 (2H, d, J = 8. 4Hz, H_3および H_5), 7. 78(1H, d, J=15. 6Hz, H_i3), 7. 78 (2H, d, J = 8.4Hz, H_2および H_6), 7. 83(1H, d, J=15. 6Hz, H~a ), 8. 23(1H, d, J = 9. 0Hz, H-6'), 10. 15(1H, s,〇H_4) , 13. 99(1H, s, OH-2')
図 13に1 H—NMRスペクトルを示す。
[0158] 13C— NMR (重ジメチノレスノレホキシド): δ 19. 0 (CH—3,,), 21. 3(C— ), 24. 5
3
(CH -7"), 26. 0(CH -7"), 26. 4(C_5,,), 39. 9(C_4,,), 46. 3(C_7,,), 53
3 3
. 5(C-2"), 56. 8 (OCH _4,), 85. 8(C_6,,), 86. 9(C_3,,), 103. 7(C_5,)
, 114. 8(C— 1,), 116. 7(C— 3および C— 5), 117. 4(C— 3,), 118. 2(C~a), 1 26. 6(C_1), 131. 3(C_6,), 132. 2 (C - 2および C一 6) , 145. 7(0~β ), 161 • 3 (C-4) , 163. 5(C_2,), 164. 1 (C_4,), 193. 4(C = 0)
図 14に13 C—NMRスペクトルを示す。
[0159] FAB-MS :m/z 421 (M—H)— メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに用 いた。
[0160] 以上、 NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、実施例 10_(2)で得られた黄 色物質か 1— [3— (2, 5— epoxy— 2, 6, 6— trimethyl— cyclohexylmethyl)— 2— hy droxy— 4— methoxyphenyl]— (,4— hydroxyphenyl)— 2— propen— 1— one (分 子量 422、以下 TB7と称する)であることを確定した。
[0161] 実施例 11 TB8の調製
(1)実施例 2で得られた上清を減圧濃縮後、逆相クロマトグラフィーを用いて分画し た。カラムは TSK gel ODS-80Ts (21· 5mm X 30cm:東ソ一社製)を用いた。 溶媒は蒸留水:ァセトニトリル =15:85、溶出速度は 5mL/分、検出は 215nmで行 つた。溶出液の紫外線吸収を指標に溶出液を分画した。
[0162] (2)実施例 11一(1)で得られた逆相クロマトフラクション 2 (保持時間 57. 6分の検出 ピークを含むフラクション)を濃縮乾固して黄色物質を得た。
[0163] (3)実施例 11一(2)で得られた黄色物質の NMRスペクトルと質量スペクトルを実施 例 4一(2)と同様の方法で測定した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、ピーク の帰属の番号は以下の式(化 15)のとおりである。
[0165] H— NMR (重ジメチルスルホキシド): δ 1.19(3H, s, CH—7"), 1.19(3H, s,
3
CH -7"), 1.70 (3H, s, CH—3"), 2.62 (2H, d, J = 6.6Hz, H— 4,,), 3.29(
3 3
IH, m, H-l"), 3.31 (IH, m, H-l"), 3.91 (3H, s, OCH _4,), 5. 19(1H
3
, t, J = 6.9Hz, H-2"), 5.47(1H, m, H— 5"), 5.55(1H, d, J=15.6Hz, H -6"), 6.68 (IH, d, J = 9. OHz, H— 5'), 6.85 (2H, d, J = 8.4Hz, H— 3およ ひ Ή— 5), 7.78 (2H, d, J = 8.4Hz, H— 2および H— 6) , 7.79(1H, d, J=13.2 Hz, H-j3), 7.83(1H, d, J=13.2Hz, H—ひ), 8.23(1H, d, J = 9. OHz, H— 6,), 10. 14(1H, s, OH-4) , 10.81 (IH, s, OOH-7"), 13.81 (IH, s, OH -2')
図 15に1 H—NMRスペクトルを示す。
[0166] 13C— NMR (重ジメチルスルホキシド): δ 16.8(CH—3"), 22.1 (C— ), 25.5
3
(CH -7"), 25.5(CH _7,,), 43.0(C_4,,), 56.9 (OCH _4,), 81.1 (C_7,,
3 3 3
), 103.7(C-5'), 114.9(C一 1,), 116.6(C - 3,), 116.7 (C - 3および C一 5) , 118. l(C-a), 123.5(C - 2"), 126.5(C - 1), 127.9(C一 5"), 131.4(C一 6 '), 132.3(C_2および C_6), 134.3(C_3,,), 137.0(C_6,,), 145.7(C_j3) , 161.3 (C-4) , 163.0(C - 2,), 163.9 (C-4'), 193.3(C =〇)
図 16に13 C—NMRスペクトルを示す。
[0167] FAB-MS : m/z 437 (M_H)— メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに用 いた。
[0168] 以上、 NMRスペクトル,質量スペクトル解析の結果、実施例 11- (2)で得られた黄 色物質か 1— [2— hydroxy— 3— (7— hydroperoxy— 3, 7— dimethyl— 2, 5— octadie nyl)—4— methoxyphenyl]—3— (4— hydroxyphenyl)—2— propen— 1— one、ノ刀、十 量 438,以下 TB8と称する)であることを確定した。
[0169] 実施例 12 TB9の調製
( 1 )実施例 11_ ( 1 )で得られた逆相クロマトフラクション 3 (保持時間 61. 2分の検出 ピークを含むフラクション)を濃縮乾固して黄色物質を得た。
[0170] (2)実施例 12_ (1)で得られた黄色物質の NMRスペクトルと質量スぺクトノレを実施 例 4- (2)と同様の方法で測定した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、ピーク の帰属の番号は以下の式 (化 16)のとおりである。
[0171] [化 16]
[0172] H— NMR (重ジメチルスルホキシド): δ 1. 40 (1H, m, H— 5") , 1. 56 (1H, m, H-5") , 1. 62 (3H, s, CH _7,,), 1. 72 (3H, s, CH _3,,), 1. 89 (2H, m, H_
3 3
4") , 3. 27 (1H, m, H_l,,), 3. 31 (1H, m, H_l,,), 3. 91 (3H, s, OCH—4,)
3
, 4. 07 (1H, t, J = 6. 9Hz, H— 6,,), 4. 79 (1H, s, H— 8,,), 4. 84 (1H, s, H— 8 ") , 5. 14 (1H, t, J = 6. 6Hz, H— 2,,), 6. 68 (1H, d, J = 9. OHz, H-5' ) , 6. 8
5(2H, d, J = 8. 4Hz, H_3および H_5), 7. 78 (2H, d, J = 8. 4Hz, H_2および H-6), 7. 78 (1H, d, J=15. 0Hz, H_ β ) , 7. 83(1H, d, J=15. 0Hz, H~a) , 8. 24(1H, d, J = 9. 0Hz, H-6'), 10. 15(1H, s, OH— 4) , 11. 25(1H, s, OOH-6"), 13. 81 (1H, s, OH_2,)
図 17に1 H—NMRスペクトルを示す。
[0173] 13C— NMR (重ジメチノレスノレホキシド): δ 16. 7(CH -3"), 17. 7 (CH -7"), 22
3 3
. 0(C-1"), 29. 5(C-5"), 36. 0(C— 4,,), 56. 9 (OCH— 4,), 88. 2(C— 6"),
3
103. 6(C-5'), 114. 0(C-8"), 114. 9(C_1'), 116. 7(C_3,), 116. 7 (C~ 3および C_5), 118. l(C-a), 122. 9(C_2,,), 126. 5(C_1), 131. 3(C_6,) , 132. 3(C_2および C_6), 134. 9(C_3,,), 145. 3(C_7,,), 145. 7 (C_ j3 ), 1 61. 3 (C-4) , 163. 0(C-2'), 163. 8(C— 4,), 193. 3(C = 0)
図 18に13 C—NMRスペクトルを示す。
[0174] FAB-MS :m/z 437 (M_H)— メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに用 いた。
[0175] 以上、 NMRスペクトル,質量スペクトル解析の結果、実施例 12—(1)で得られた黄 色物質か 1— [2— hydroxy— 3— (6— hydroperoxy— 3, 7— dimethyl— 2, 7— octadie nyl)— 4— methoxyphenyl]—3— (4— hyaroxyphenyl)— 2— propen— 1— one、力'十 量 438,以下 TB9と称する)であることを確定した。
[0176] 実施例 13 キサントアンゲロール Gの調製
(1)実施例 12-(1)で得られた TB9 lOOmgをメタノール 50mLに溶解し、トリフエ ニルホスフィン 60mgをカ卩ぇ室温で 1時間反応した。反応液を減圧濃縮し、クロ口ホル ム:メタノール =10:1を展開溶媒とした薄層クロマトグラフィーに供した。次に、紫外 線吸収部分をカ^とり、展開溶媒で抽出後、濃縮乾固することにより、キサントアンゲ ローノレ G57. 2mgを得た。
[0177] 実施例 14 キサントアンゲロール Fの調製
実施例 1一 (3)で得られたシリカフラクションの番号 6から 9を集めて減圧濃縮後、ク ロロホルムに溶解した。続いてへキサンによる再結晶を行レ、、生じた沈殿と上清とを 分けた。得られた沈殿物を乾燥しキサントアンゲロール Fを得た。
[0178] 実施例 15 4,一〇-ゲラニルナリンゲニンの調製
(1)実施例 14で得られた上清を減圧濃縮後、逆相クロマトグラフィーを用いて分画 した。カラムは TSK gel 〇DS— 80Ts (21. 5mmX30cm)を用いた。溶出は 45分 間、蒸留水:ァセトニトリル = 15 : 85で行った後、続く 50分間はァセトニトリル容量比 を 100%に直線的に変化させた。溶出速度は 5mLZ分、検出は 215nmで行った。 溶出液の紫外線吸収を指標に溶出液を分画した。
[0179] (2)実施例 15—(1)で得られた逆相クロマトフラクション 2 (保持時間 33分の検出ピ ークを含むフラクション)を濃縮乾固して 4'—0—ゲラニルナリンゲニンを得た。
[0180] 実施例 16 レスぺオールの調製
実施例 15_ (1)で得られた逆相クロマトフラクション 5 (保持時間 49分の検出ピーク を含むフラクション)を濃縮乾固してレスベオールを得た。
[0181] 実施例 17 イソババカルコンの調製
(1)実施例 1- (2)で得られた 75%エタノール水溶液溶出画分を減圧濃縮し、シリ 力ゲル(BW— 300SP : 350mL)に吸着させた。溶出はクロ口ホルム:へキサンの溶媒 比を 2 : l (2600mL)、 10 : 3、 15 : 1、 20 : 1 (各 600mL)、 100 : 1 (lOOOmL)および 酢酸ェチル(500mL)の順に段階的に行った。溶出液は 200mLごとに分画した。
[0182] (2)実施例 17- (1)で得られたフラクションの番号 23— 30を減圧濃縮し、イソババ カルコンを得た。
[0183] 実施例 18 イソババチンの調製
実施例 3- (1)で得られたシリカフラクションの番号 108から 114を集めて濃縮乾固 してイソババチンを得た。
[0184] 実施例 19 ババクロマノールの調製
実施例 8—(1)で得られたフラクションの番号 13から 20を集めて濃縮乾固してババ クロマノールを得た。
[0185] 実施例 20 プロストラトール Fの調製
実施例 1一(5)で得られたキサントアンゲロール lOOmgを 2。/0水酸化ナトリウム水溶 液 lOOmLに溶解し 50°Cで 2時間反応した。反応液を中和後、逆層クロマトグラフィ 一を用いて分画した。樹脂はコスモシール 140 C18_〇PN (100mL)を用いた。そ
れぞれ 200mLの 40%エタノール水溶液、 50%エタノール水溶液、 60%エタノール 水溶液の順に溶出を行った。次に、 50%エタノール水溶液溶出画分を濃縮乾固し て、プロストラトール F63mgを得た。
[0186] 実施例 21 化合物(C082)の調製
(1)実施例 14で得られたキサントアンゲロール F lOOmgを 2。/。水酸化ナトリウム水 溶液 100mlに溶解し 50°Cで 2時間反応した。反応液を中和後、逆層クロマトグラフィ 一を用いて分画した。樹脂はコスモシール 140 C18_〇PN (100ml)を用いた。そ れぞれ 200mlの 40%エタノール水溶液、 50%エタノール水溶液、 60%エタノール 水溶液、 70%エタノール水溶液の順に溶出を行った。次に、 60%エタノール水溶液 溶出画分を濃縮乾固して、黄色物質 22mgを得た。
[0187] (2)実施例 21_ (1)で得られた黄色物質の NMRスペクトルと質量スぺクトノレを実施 例 4- (2)と同様の方法で測定した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、ピーク の帰属の番号は以下の式 (化 17)のとおりである。
[0188] [化 17]
[0189] H— NMR (重ジメチルスルホキシド): δ 1. 51 (3Η, s, CH—7") , 1. 57 (3H, s,
3
CH -3") , 1. 58 (3H, s, CH—7") , 1. 88 (2H, m, H— 4") , 1. 98 (2H, m, H—
3 3
5") , 2. 72 (1H, dd, J= 16. 8Hz, J = 2. 4Hz, H— 3), 3. 10 (1H, dd, J= 12. 6 Hz, J= 16. 8Hz, H— 3) , 3. 23 (2H, d, J = 6. 6Hz, H— 1") , 3. 86 (3H, s,〇C
H -7), 5.01 (1H, t, J = 6.0Hz, H— 6"), 5.09 (1H, t, J = 6.6Hz, H— 2"),
3
5.45(1H, dd, J = 2.4Hz, J=12.6Hz, H— 2) , 6.78(1H, d, J = 8.4Hz, H— 6), 6.79 (2H, d, J = 9. OHz, H_3,および H_5,), 7.31(2H, d, J = 9. OHz, H— 2,および H— 6,), 7.68(1H, d, J = 8.4Hz, H— 5) , 9.54(1H, s,〇H— 4') 図 19に1 H—NMRスペクトルを示す。
[0190] 13C_NMR (重ジメチノレスノレホキシド): δ 16.7 (CH _3,,), 18.4(CH -7"), 22
3 3
.5(C-1"), 26.3(CH -7"), 27.0(C_5,,), 40.2(C_4,,), 44.0(C_3), 57
3
.0(OCH -7), 79.7(C-2), 106.0(C— 6), 115.8(C— 10), 115.9(C— 3'お
3
よび C_5,), 117.5(C_8), 122.5(C_2,,), 124.8(C_6,,), 126.5(C_5), 1 28.8(C_2,および C_6,), 130.8(C_1,), 131.5(C_7,,), 135.4(C_3,,), 1 58.4(C— 4,), 160.5(C-9), 163.5 (C_7), 191.8 (C— 4)
図 20に13 C—NMRスペクトルを示す。
[0191] FAB-MS :m/z 405 (M_H)— メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに用 いた。
[0192] 以上、 NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、実施例 21—(1)で得られた黄 色物 ¾:が 8— Geranyl— 4 hydroxy— 7— methoxy— flavanone (分子量 406:以下 化合物(C082)と称する)であることを確定した。
[0193] 実施例 22 キサントフモールの調製
(1)ホップの乾燥粉末 lkgに 10Lのエタノールを加え、室温で 2時間抽出を行った 。次いで抽出残渣に 5Lのエタノールをカ卩え、室温で 30分抽出を行った。得られた抽 出液を合わせロータリーエバポレーターで減圧濃縮し、ホップエタノール抽出液 800 mLを得た。
[0194] (2)実施例 22_(1)で得たホップエタノール抽出液に蒸留水とへキサンをカ卩えて混 合後、へキサン層と水層に分画した。次に水層にクロ口ホルムを加えて混合後、水層 とクロ口ホルム層に分画した。クロ口ホルム層は減圧濃縮後、クロ口ホルム 60mLに溶 解した。
[0195] (3)実施例 22_(2)で得たクロロホルム層をシリカゲル(8 _3003?、 lOOmL)に 吸着させた。ついでクロ口ホルム(lOOmL)、クロ口ホルム:酢酸ェチル =1:1 (100m
L)の順に溶出した。
[0196] (4)実施例 22- (3)で得たクロ口ホルム:酢酸ェチル = 1: 1溶出画分から酢酸ェチ ルとへキサンにより再結晶を行うことでキサントフモールを得た。
[0197] 実施例 23 ムンドゥレアフラバノン Aの合成
4, 2— dihydroxy— 3—prenyl— 4— methoxychalconeを角 量の Pyriamium -p-toluenesulfonate (東京化成)を含むジクロロメタンに溶解し室温で 30分撹拌 した後、 3, 4_dihydro— 2H— pyrane (東京化成)を添カ卩し、室温で更に 3時間撹拌 することにより 4_tetrah dropyranyloxy_2—hydroxy— 3 —prenyl— 4— metho xychalcone 得 7こ。 4— tetrah dropyrany丄 oxy— 2—hydroxy— ^ —prenyl— 4 '― methoxychalconeを 0. 5g/mLの水酸化ナトリウムを含むメタノール中、 40度で反 応することによりムンドゥレアフラバノン Aのテトラハイドロキシピラン (THP)化体を得た 。ムンドゥレアフラバノン Aの THP化体をメタノール中、触媒量の p—トルエンスルホン 酸で処理することによりムンドゥレアフラバノン Aを得た。得られたムンドゥレアフラバノ ン Aの NMRスペクトルと質量スペクトルを実施例 4一(2)と同様の方法で測定した。以 下に NMRの帰属の信号を示す。
[0198] NMR (重ジメチルスルホキシド): δ 1. 57, 1. 59 (6Η, 2s, (CH ) C = ) , 2
3 2
. 72 (1H, dd, J= 16. 8, 3Hz, CO—CH -CH) , 3. 11 (1H, dd, J= 12. 6Hz, C
2
O-CH -CH) , 3. 23 (2H, d, J = 7. 2Hz, Ar-CH _CH = ) , 3. 86 (3H, s, -〇
2 2
CH ) , 5. 09 (1H, m, -CH _CH = ) , 5. 47 (1H, dd, CO—CH -CH) , 6. 79 (
3 2 2
3H, m, H-3, 5, 5,), 7. 32 (2H, d, J = 9Hz, H_2, 6) , 7. 68 (1H, d, J = 9Hz , H_6,), 9. 53 (1H, s, _OH_4)
[0199] FAB-MS : m/z 339 (M + H) +メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに用 いた。
[0200] 実施例 24 クマリン化合物 Aの調製
(1)実施例 1_ (2)で得られた 40%エタノール水溶液溶出画分を減圧濃縮し、逆相 クロマトグラフィーを用いて分画した。以下にその条件について述べる。カラムは TS K gel ODS-80Ts (21. 5mm X 30cm)を用いた。溶媒は蒸留水:ァセトニトリル = 1 : 3を用い、溶出速度は 5mLZ分、検出は 215nmで行なった。溶出液の紫外線
吸収を指標に溶出液を分画した。
[0201] (2)実施例 24—(1)で得た逆相クロマトフラクション 5 (保持時間 30.5分の検出のピ ークを含むフラクション)の NMRスペクトルと質量スペクトルを実施例 4_ (2)と同様の 方法で測定した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、帰属の番号は以下の式 (化 18)のとおりである。
[0202] [化 18]
[0203] H— NMR (重ジメチルスルホキシド): δ 1.40 (3Η, s, CH— 2,), 1.41 (3H, s,
3
CH -2'), 1.79 (3H, br_t, J=l.5Hz, H_5,,), 1.89 (3H, br-dd, J=l.2H
3
z, J = 7.2Hz, H-4"), 2.04 (3H, s, H_2,,,), 5.30(1H, d, J = 5.0Hz, H_ 3,), 6.08(1H, br-q, J = 7.2 Hz, H_3,,), 6.31 (1H, d, J = 9.6Hz, H_3) , 6.50(1H, d, J = 5.0Hz, H-4'), 6.90(1H, d, J = 9.0Hz, H_6), 7.66(1 H, d, J = 9. OHz, H— 5), 8.00 (1H, d, J=9.6Hz, H— 4)
図 21に1 H—NMRスペクトルを示す。
[0204] 13C— NMR (重ジメチルスルホキシド): δ 16.0(C— 4"), 20.8(C— 5"), 21.3(C H _2,), 23.0(C-2' "), 25.3 (CH _2,), 61.1(C_4,), 70.4(C_3,), 78
3 3
. l(C-2'), 107.4(C— 8), 113.4(C— 4a), 113.4 (C— 3) , 115.0(C— 6), 12 8.0(C-2"), 130.9(C-5), 138.0(C_3,,), 145.3 (C— 4), 154.4(C_8a), 156.9(C-7), 160.2(C_2), 167. 1(C_1,,), 170.3(C_1'")
図 22に13 C—NMRスペクトルを示す。
[0205] FAB-MS :m/z 387 (M + H) メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに 用いた。
[0206] 以上、 NMRスペクトル,質量スペクトル解析の結果、逆相クロマトフラクション 5が 3' —Acetoxy— 4,— Angeloyloxy— 3,, 4'_dihydroseselin (分子量 386:以下タマリ ン化合物 Aと称する)であることを確定した。
[0207] 実施例 25 クマリン化合物 Bの調製
実施例 24—(1)で得た逆相クロマトフラクション 7 (保持時間 32.4分の検出のピーク を含むフラクション)の NMRスペクトルと質量スペクトルを実施例 4_ (2)と同様の方 法で測定した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、帰属の番号は以下の式( ィ匕 19)のとおりである。
[0208] [化 19]
[0209] H— NMR (重ジメチルスルホキシド): δ 1.33 (3Η, s, CH— 2,), 1.37 (3H, s,
3
CH -2'), 1.78 (3H, br_t, J=l.5Hz, H_5,,), 1.80 (3H, br-dd, J=l.8H
3
z, J = 7.2Hz, H-4"), 2.92(1H, dd, J = 4.2Hz, J=18.0Hz, H— 4'), 3.20 (1H, dd, J = 4.8Hz, J=18.0Hz, H-4'), 5. 18(1H, dd, J = 4.2Hz, J = 4. 8Hz, H— 3'), 6.12(1H, br q, J = 7.2Hz, H— 3,,), 6.29(1H, d, J = 9.6Hz , H— 3), 6.85(1H, d, J = 9.0Hz, H— 6) , 7.50(1H, d, J = 9.0Hz, H— 5) , 7 .98 (1H, d, J=9.6Hz, H-4)
図 23に1 H—NMRスペクトルを示す。
[0210] C— NMR (重ジメチルスルホキシド): δ 16.0(C— 4"), 21.0(C— 5"), 23.3(C 一 4,), 24.2(CH— 2,), 24.9(CH一 2,), 69.8(C— 3,), 77.4(C一 2,), 107.
3 3
1 (C-8) , 112.8 (C-4a) , 112.9(C_3), 114.5(C_6), 127.9(C_2,,), 128 .1 (C-5) , 139.2(C-3"), 145.5 (C— 4), 153.8 (C— 7), 156.6 (C— 8a) , 16 1.0(C-2), 167.2(C-1")
図 24に13 C—NMRスペクトルを示す。
FAB-MS :m/z 329(M + H)+ メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに 用いた。
[0211] 以上、 NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、逆相クロマトフラクション 7が 3' -Angeloyloxy-3', 4'_dihydroseselin (分子量 328:以下クマリン化合物 Bと称 する)であることを確定した。
[0212] 実施例 26 クマリン化合物 Cの調製
実施例 24—(1)で得た逆相クロマトフラクション 3 (保持時間 23.9分の検出のピーク を含むフラクション)の NMRスペクトルと質量スペクトルを実施例 4一(2)と同様の方 法で測定した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、帰属の番号は以下の式( ィ匕 20)のとおりである。
[0213] [化 20]
[0214] H— NMR (直ジメチルスルホキシド): δ 1.39 (3Η, s, CH— 2,), 1.43 (3H, s,
3
CH -2'), 1.91 (3H, br-s, H— 5"), 1.98 (3H, br-d, J = 7.2Hz, H— 4"), 4
. 93(1H, d, J=5. 0Hz, H_4'), 5. 24(1H, t, J = 5. 0Hz, H_3'), 5. 78(1H , d, J = 5. 0Hz, OH— 4'), 6. 20 (1H, br-q, J = 7. 2Hz, H— 3"), 6. 31 (1H, d , J = 9. 6Hz, H— 3), 6. 82(1H, d, J = 8.4Hz, H— 6), 7. 57(1H, d, J = 8. 4H z, H-5), 7. 99 (1H, d, J = 9. 6Hz, H— 4)
図 25に1 H—NMRスペクトルを示す。
[0215] FAB-MS :m/z 345(M + H)+ メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに 用いた。
[0216] 以上、 NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、逆相クロマトフラクション 3が 3' —Angeloyloxy— 4'— hydroxy— 3,, 4 '—dihydroseselin (分子量 344:以下クマリ ン化合物 Cと称する)であることを確定した。
[0217] 実施例 27 クマリンィ匕合物 Dの調製
実施例 24—(1)で得た逆相クロマトフラクション 2 (保持時間 22.4分の検出のピーク を含むフラクション)の NMRスペクトルと質量スペクトルを実施例 4一(2)と同様の方 法で測定した。以下に NMRの帰属の信号を示す。なお、帰属の番号は以下の式( ィ匕 21)のとおりである。
[0218] [化 21]
3"
[0219] H— NMR (直ジメチルスルホキシド): δ 1. 33 (3Η, s, CH— 2,), 1.41 (3H, s,
3
CH -2'), 1. 81 (3H, s, H-5"), 1. 89 (3H, d, J = 7. 2Hz, H— 4,,), 3. 95(1
3
H, t, J=5. 7Hz, H— 3,), 5. 70(1H, d, J = 5. 7Hz, OH— 3,), 5. 98(1H, br-
q, J = 7. 2Hz, H-3") , 6. 27 (1H, d, J = 9. 6Hz, H_3) , 6. 40(1H, d, J = 5. 7 Hz, H-4' ), 6. 84 (1H, d, J = 8. 4Hz, H— 6) , 7. 60 (1H, d, J = 8. 4Hz, H— 5 ) , 7. 97 (1H, d, J = 9. 6Hz, H_4)
図 26に1 H—NMRスペクトルを示す。
[0220] FAB-MS : m/z 343 (M—H)— メタニトロべンジルアルコールをマトリックスに用 いた。
[0221] 以上、 NMRスペクトル、質量スペクトル解析の結果、逆相クロマトフラクション 2が 4'
— Angeloyloxy— 3,一hydroxy— 3,, 4' _dihydroseselin (分子量 344 :以下クマリ ン化合物 Dと称する)であることを確定した。
[0222] 実施例 28 HMG— CoAレダクターゼ阻害試験
(1) HMG— CoAレダクターゼ粗酵素溶液の調製
阻害試験に使用した HMG_CoAレダクターゼ粗酵素溶液は Fogelmanらの方法(
J. Biol. Chem. , 255 (8) , 3715—3725, 1980)に従って、一部改良して調製した
[0223] (i)ラット肝ミクロソームの調製
Sprague—Dawleyラット(雄、 200— 250g) 4匹を午後 4時から午前 4時まで照明を 点灯するサイクルで 1週間飼育した。この際、餌および水は自由摂取できるようにした 力 屠殺 3日前より餌中に 5% (W/W)となるようにコレスチラミン (シグマ社製)を添 カロした。ラットは午前 10時に屠殺し、直ちに肝臓を摘出し冷生理食塩水で軽く洗浄 後バッファー A水溶液(0. 1M スクロース、 0. 05M 塩ィ匕カリウム、 0. 04M リン酸 二水素カリウム、 0· 03M EDTA—カリウム、 pH7. 2)に浸漬(25mL/l匹)した。 得られた肝臓をポッター型ホモジナイザーによりホモジナイズし、 10, 000 X g、 15分 間(4°C)遠心を行い沈殿を除去する操作を 2回繰り返し、続いて 100, 000 X g、 1時 間(4°C)遠心を行い沈殿を回収し適当量のバッファー Aに懸濁した。これを、さらに 1 00, 000 X g、 1時間(4°C)遠心を行い沈殿を回収し、タンパク濃度が 82mgZmLと なるように再度バッファー Aに懸濁し、終濃度 10mMとなるようにジチオスレィトール を添カロし、ポッター型ホモジナイザーによりホモジナイズを行レ、、 HMG_CoAレダク ターゼの調製を行うまで一 80°Cで凍結保存した。以上の操作により肝ミクロソームを
調製した。
[0224] (ii) HMG— CoAレダクターゼの調製
(i)により得られた肝ミクロソームを融解後、等量のバッファー B50%グリセロール水 (0. 1M ィ匕カジクム、 0. 08M ジン酉変二 !^力];クム、 0. 002M EDTA-^7 リウム、 0. 01M ジチオスレィトール、 pH7. 2)を添加し、ポッター型ホモジナイザー によりホモジナイズを行い、 37°Cで 60分保温した。次に 2倍量のバッファー C水溶液 (0. 1M ィ匕カジクム、 0. 08M ジン酸二水素力];クム、 0. 002M EDTA—力リク ム、 0. 01M ジチオスレィトール、 pH7. 2)を添加し、再度ポッター型ホモジナイザ 一によりホモジナイズを行った後、 100, 000 X g、 1時間(25°C)遠心を行い上清を 回収した。得られた上清から 35%_50%硫酸アンモニゥムによる沈殿画分を回収し、 タンパク濃度が 12mgZmLとなるようにバッファー D30%グリセロール水溶液(1M ィ匕カジクム、 0. 08M ジン酸二水素カジクム、 0. 002M EDTA—力];クム、 0. 01 M ジチオスレィトール、 ρΗ6· 8)に溶解した。この溶液を 60°Cで 10分間加熱した後 、等量のバッファー C水溶液(ρΗ6· 8)を添加し、 100, 000 X g、 30分間(25°C)で 遠心を行レ、上清を回収した。この上清から 60%硫酸アンモニゥム沈殿画分を回収し 、 7mLのバッファー C水溶液(ρΗ6· 8)に溶解し、 HMG_CoAレダクターゼ粗酵素 溶液とした。
[0225] (2)各化合物による HMG— CoAレダクターゼ阻害活性の測定
HMG_CoAレダクターゼの酵素活性は Fogelmanらの方法ひ. Biol. Chem. , 2 55 (8) , 3715-3725, 1980)に従って、一部改良して測定した。
[0226] (1)で調製した HMG— CoAレダクターゼ粗酵素溶液 2 μ Lを含む反応水溶液(0.
2Μ 塩ィ匕カリウム、 0. 16M リン酸二水素カリウム、 0. 004Μ EDTA—カリウム、 0 . 01M ジチオスレィトール、 0. 5mM /3—ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン 酸四ナトリウム(還元型); NADPH、 pH6. 8) 94 μ Lに表 6記載の終濃度となるよう に各化合物のジメチルスルホキシド溶液 を添加し 37°Cで 30分保温した。なお、 対照区分として化合物を添加せずジメチルスルホキシド溶液のみを添カ卩した区分を 設定した。また、 HMG— CoAレダクターゼ粗酵素溶液を添加しない区分を設定した 。この後、 2mMの HMG_CoA (シグマ社製)水溶液 を添加し混合後、 37°Cに
保温し経時的に 340nmの吸光度の変化を検出することで、 HMG-CoAカ バロン 酸に変換されるときに酸化される NADPHの消費量を算出した。なお、各反応は 3連 で行った。 HMG_CoAレダクターゼ活性は以下の式により測定した。
[0227] HMG_CoAレダクターゼ活性 = [HMG_CoAレダクターゼ粗酵素溶液が含まれる 区分の吸光度の変化]一 [HMG— CoAレダクターゼ粗酵素溶液を含まない区分の吸 光度の変化]
[0228] なお、反応のコントロールとして HMG_CoA水溶液を添加しない区分を適宜設定 し、酵素反応の特異性および阻害活性の特異性を確認した。
各被験化合物の HMG— CoAレダクターゼに対する阻害活性は以下の式により算出 した。
[0229] 阻害活性(%) = (1- ( [被験化合物を添加したときの HMG— CoAレダクターゼ活性]
÷ [対照区分の HMG_CoAレダクターゼ活性] ) ) X 100
[0230] この結果を表 6に示す。すなわち、表 6は各被験化合物の各終濃度における HMG 一 CoAレダクターゼに対する阻害活性を示すものであり、表に記載の各化合物に顕 著な HMG— CoAレダクターゼ阻害活性が認められた。
[0231] [表 6]
表 6
被験化合物 終濃度 ( ii M) 阻害活性 ( % )
T B 1 5 0 3 9 . 2
T B 2 5 0 8 8 . 1
1 5 3 4 . 9
T B 5 5 0 3 4 . 2
T B 6 5 0 3 9 . 4
T B 8 5 0 3 9 . 6
1 5 3 0 . 5
T B 9 5 0 4 2 . 7
1 5 1 7 . 7
キサントアンゲロール 5 0 8 6 . 3
1 5 4 9 . 1
ィソババカルコン 5 0 8 4 . 0
キサントアンゲロール— G 5 0 3 1 . 9
1 5 1 3 . 4
キサントフモール 5 0 5 5 . 5
1 5 1 2 . 1
プロストラトール F 5 0 7 3 . 1
1 5 7 5 . 5
ムンドゥレアフラバノン A 5 0 5 0 . 2
1 5 4 2 . 9
化合物 (C 0 8 2 ) 5 0 4 6 . 2
1 5 1 4 . 1
[0232] 実施例 29 ァシタパ抽出画分の調製
(1)ァシタパ根エタノール抽出画分の調製
ァシタバ根の乾燥粉末 2gに 40mLのエタノールを加え、 30分間抽出を行い、遠心分 離にて抽出液と残渣に分けた。次いで残渣に対して各溶媒 30mLによる抽出操作を 2回繰り返した。なお、エタノール抽出は室温で行った。得られた抽出液を集めて口 一タリーエバポレーターで濃縮した。最終的に、 lmLのジメチルスルホキシドに溶解 し、ァシタパ根エタノール抽出画分を得た。
[0233] (2)ァシタパ茎葉エタノール抽出画分の調製
ァシタバ茎葉の乾燥粉末 2gに 40mLのエタノールをカ卩え、 30分間抽出を行い、遠心 分離にて抽出液と残渣に分けた。次いで残渣に対して各溶媒 30mLによる抽出操作 を 2回繰り返した。なお、エタノール抽出は室温で行った。得られた抽出液を集めて口 一タリーエバポレーターで濃縮した。最終的に、 lmLのジメチルスルホキシドに溶解 し、ァシタパ茎葉エタノール抽出画分を得た。
[0234] 実施例 30 マクロファージでの抗泡沫化の測定
マクロファージは変性 LDL (ァセチル LDL (Ac— LDL)など)を細胞内に取り込みコ レステロールエステルを合成し泡沫化する。各被験サンプルによるマクロファージの 抗泡沫化活性を測定した。
[0235] (1)マクロファージの泡沫化
10%ゥシ胎児血清 (バイオウイタカ一社製)含有、ダルベッコ改良イーグル培地 (シ グマネ土製、 D5796)に RAW264. 7糸田胞(ATCC TIB 71)を 4 X 105個/ mlにな るように懸濁し、 24穴マイクロタイタープレートのゥエルに lmLずつ加えて 5%炭酸ガ ス存在下、 37°Cでー晚培養した。次に、 UltraCHO培地(バイオウイタカ一社製、 B2 724)に交換し、各ゥヱルに前述の実施例で調製した各被験サンプノレのジメチルスル ホキシド溶液 2 μ Lをそれぞれ以下の表 7に示す濃度となるように添加した。さらに各 ゥエルにそれぞれ終濃度 20 μ g/mLの Ac—LDL (バイオテクノロジー社製、 BT—9 06)を添カ卩し、 24時間培養した。なお、対照として Ac— LDLを添カ卩しない区分およ びジメチルスルホキシド添加の区分を設定した。
[0236] (2)コレステロールエステル生合成量の測定
マクロファージの泡沫化の指標として、細胞内の全コレステロール量及び遊離コレ ステロール量の測定を行レ、、コレステロールエステル量を算出した。
培養終了後、培地を除き、 0. 3% (w/v) BSA (シグマ社製、 A-8022)含有リン 酸緩衝塩溶液で細胞を洗浄し、さらにリン酸緩衝塩溶液で洗浄した。細胞に 0. 5mL のへキサン:イソプロパノール = 3 : 2の溶媒を添加し、 30分間室温に置いた後上清を 回収した。この操作を再度繰り返し、あわせて lmLの上清を濃縮乾固した。沈殿を 3 0 μ Lのイソプロパノールに溶解後、溶液 10 μ L中に含まれる全コレステロール量を コレステロール Ε_テスト(和光純薬社製、 439—17501)を用いて測定し、遊離コレス テロール量を遊離コレステロール Ε—テスト(和光純薬社製、 435—35801)を用レヽて 測定した。また、測定は全て 2連で行った。コレステロールエステル生合成量は全コレ ステロール量から遊離コレステロール量を差し引いて求めた。また、抗泡沫化活性は 以下の式により算出した。
[0237] 抗泡沫化活性(%) = 100—( (被験サンプルを添カ卩したときのコレステロールエステ
ル生合成量) - (Ac— LDLを添加しなレヽ区分のコレステロールエステル生合成量)) ÷ ( (ジメチルスルホキシドのみを添加したときのコレステロールエステル生合成量)— (Ac_LDLを添加しない区分のコレステロールエステル生合成量)) X 100
[0238] この結果を表 7に示す。すなわち、表 7は各被験サンプノレの各終濃度におけるマク 口ファージ中に蓄積されるコレステロールエステル生合成に対する阻害活性を示すも のであり、表に記載の各サンプルに顕著な抗泡沫化活性が認められた。
[0239] [表 7]
表 7
被験サンプル 終濃度 (%) 抗泡沫化活性 (%) ァシタパ根エタノール抽出画分 0. 1 6 9
0. 0 5 2 8
ァシタパ茎葉エタノール抽出画分 0. 0 5 7 9
0. 0 2 5 6 0
被験サンプル 終濃度 (WM) 抗泡沫化活性 (%)
T B 1 6 3 6
T B 3 2 0 8 3
6 3 8
2 2 5
T B 4 6 5 6
2 3 4
T B 5 6 4 2
2 3 7
T Bに> 2 0 1 0 0
T B 8 2 0 7 6
6 5 1
T B 9 6 3 3
バパクロマノール 2 0 3 6
6 3 6
キサン卜アンゲロール G 2 0 5 7
キサントアンゲロール H 2 0 44
レスぺオール 2 0 2 9
2 2 6
ィソババカルコン 2 0 6 1
6 3 7
キサントアンゲロール 1 0 2 8
4—ハイ ドロキシデリシン 1 0 2 3
プロスタラトール F 5 3 3
2 2 8
イソババチン 1 0 4 9
ムンドゥレアフラバノン A 1 0 7 9
3 4 2
クマリン化合物 A 4 0 1 0 0
2 0 8 8
クマリン化合物 B 4 0 6 0
2 0 3 1
クマリン化合物 c 4 0 7 1
2 0 2 7
クマリン化合物 D 4 0 7 7
2 0 5 3
産業上の利用可能性
本発明により、カルコン類化合物、フラバノン類化合物、 3', 4,ージハイドロセセリン
類化合物、それらの誘導体及びそれらの塩からなる群より選択される少なくとも 1つの 化合物を含有する治療又は予防に HMG - CoAレダクターゼ阻害作用を要する疾患 又は細胞の抗泡沫化作用を要する疾患の治療用又は予防用の医薬、食品、飲料又 は飼料が提供される。該医薬は動脈硬化症や高脂血症やこれらが原因因子となって 起こる疾患の治療剤又は予防剤として有用である。また、該食品又は飲料は、 日常 の飲食品として摂取することにより、上記疾患の症状改善等が可能となる。従って、 本発明の有効成分を含有する飲食品はその HMG— CoAレダクターゼ阻害作用、細 胞の抗泡沫化作用により、生体の恒常性の維持に有用な機能性飲食品である。