JPWO2011016366A1 - コレステロールエステル転送タンパク質阻害剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有するコレステロールエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤。【化1】[式中、R1は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R2は、ジメチルアリル基又はゲラニル基を表す。]

Description

本発明は、コレステロールエステル転送タンパク質(cholesteryl ester transfer protein)(CETP)阻害剤に関する。
近年、スタチン系薬剤の開発により血中LDL(低密度リポタンパク質)コレステロールレベルのコントロールが可能となったが、一方で、心血管リスクの抑制にはそれだけでは不十分であり、更にHDL(高密度リポタンパク質)コレステロール低値の改善が必要であることが明らかになっている。そして、CETP欠損者において血中HDLコレステロールが高値を示すとの知見を背景として、CETP阻害剤が種々開発されている(特許文献1〜4参照)。
特表2005−507890号公報 特表2005−508341号公報 特表2006−520808号公報 特開2007−254466号公報
CETP阻害剤はいくつか知られているものの、未だ、多様な需要を満たすのに十分な選択肢が存在するとはいえないのが実情である。そこで、本発明は、新規のCETP阻害剤を提供することを課題とする。
本発明は、下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有するCETP阻害剤を提供する。
Figure 2011016366
[式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは、ジメチルアリル基又はゲラニル基を表す。]
CETPは、HDL中のコレステロールエステルをVLDL(超低密度リポタンパク質)、IDL(中間密度リポタンパク質)又はLDLに転送するタンパク質である。本発明のCETP阻害剤は、そのようなCETPの働きを阻害し、これを介して血中HDLコレステロール値を上昇させることを可能とする。また、血中HDLコレステロール値の上昇を通じて、動脈硬化及びこれが関与して生じる疾患(心筋梗塞、脳梗塞等)の発症リスクを低減させることを可能とする。
一般式(1)において、Rで表される炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−メチルエチル基(イソプロピル基)、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、プロピル基、1−メチルプロピル基(sec−ブチル基)、2−メチルプロピル基(イソブチル基)、2,2−ジメチルプロピル基(ネオペンチル基)、ブチル基、3−メチルブチル基、ペンチル基が挙げられる。
一般式(1)の化合物としては、例えば、Rが水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基(メチル基、エチル基、1−メチルエチル基、プロピル基)である化合物が好適であり、Rが水素原子、メチル基又はエチル基で、Rがジメチルアリル基である化合物が特に好適である。ホップ特有のフラボノイドであるキサントフモール(下記式(1A)で表される化合物)は、特に好適な化合物の1つである。
Figure 2011016366
本発明のCETP阻害剤は、血中HDLコレステロール値の上昇を可能とすることから、血中HDLコレステロール値を上昇させるために使用することもできる。また、動脈硬化及び動脈硬化性疾患(心筋梗塞、脳梗塞等)の発症リスクの低減を可能とすることから、動脈硬化又は動脈硬化性疾患の発症リスクを低減させるために使用することもできる。
一般式(1)の化合物の1つであるキサントフモールは、古くからビール等の飲食品の原料として使用されてきたホップ中に見出される成分であり、その安全性も確立されている。このことから、本発明のCETP阻害剤は、生体に対する安全性が高く、医薬品、飲食品、飲食品添加物、飼料、飼料添加物等の成分として使用するのに好適と考えられる。
本発明によれば、新規のCETP阻害剤並びにこれを含有する医薬品、飲食品、飲食品添加物、飼料、飼料添加物等が提供される。
CETPアッセイで得られた、反応液中の全中性脂質量([S](pmol))と転送された中性脂質量(V(pmol))との関係を示すグラフである。 CETPアッセイで得られた、[S](pmol)と[S]/Vとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明のCETP阻害剤は、下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有する。
Figure 2011016366
[式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは、ジメチルアリル基又はゲラニル基を表す。]
一般式(1)において、Rで表される炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−メチルエチル基(イソプロピル基)、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、プロピル基、1−メチルプロピル基(sec−ブチル基)、2−メチルプロピル基(イソブチル基)、2,2−ジメチルプロピル基(ネオペンチル基)、ブチル基、3−メチルブチル基、ペンチル基が挙げられる。
一般式(1)の化合物としては、例えば、Rが水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基(メチル基、エチル基、1−メチルエチル基、プロピル基)である化合物が好適であり、Rが水素原子、メチル基又はエチル基で、Rがジメチルアリル基である化合物が特に好適である。キサントフモール(下記式(1A)で表される化合物)は、特に好適な化合物の1つである。
Figure 2011016366
本発明のCETP阻害剤において、一般式(1)の化合物としては、天然物(植物、微生物等)に由来するものであっても、人為的に合成したものであってもよい。また、市販のものがあれば、それを使用してもよい。
例えば、キサントフモールは、ホップ抽出物を分画、精製することによって得ることができる。ホップ抽出物としては、例えば、市販のホップエキスを使用してもよい。
ホップからの抽出を行う場合、抽出に供するホップ組織としては、毬花が好ましい。ホップは、乾燥、凍結、加工、粉砕、選別等の処理が施されたものであってもよく、例えば、ホップペレットを使用してもよい。
ホップの品種は特に制限されず、既存の品種(例えば、チェコ産ザーツ種、ドイツ産ハラタウ・マグナム種、ドイツ産ハラタウ・トラディション種、ドイツ産ペルレ種)のいずれでもよい。1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ホップからの抽出は、例えば、ホップを溶媒に浸漬し、これを濾過することによって行うことができる。溶媒としては、例えば、水、エタノール、メタノールが好適である。溶媒は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。浸漬の際には超音波処理を行ってもよい。得られた抽出物に対しては、公知の方法(例えば、減圧濃縮、凍結乾燥)により濃縮又は乾燥を行ってもよく、更に粉砕等の処理を行ってもよい。
ホップ抽出物からのキサントフモールの分画、精製は、例えば次のようにして行うことができる。すなわち、まず、ホップ抽出物の水溶液又は水懸濁液をヘキサンで分配し、得られた水層を酢酸エチル(pH3)で分配する。そして、得られた有機層を、更に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(pH8〜9)で分配し、新たに生じた有機層を回収する。次に、この有機層に対して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[ジエチルエーテル/ヘキサン(3:7)→ 酢酸エチル/ヘキサン(4:6)→ 酢酸エチル/ヘキサン(6:4)→ クロロホルム/メタノール(5:5)]を行って、キサントフモール溶出画分を分取する。最後に、これを、ODSカラムを用いて、又は再結晶により更に精製する。
以上の抽出、分画、精製の際の温度は、キサントフモールのイソ化防止の観点から、5〜65℃が好ましく、5〜50℃がより好ましい。
得られた化合物がキサントフモールかどうかは、公知の方法(例えば、質量分析、元素分析、核磁気共鳴分光法、紫外分光法、赤外分光法)により確認することができる。
本発明のCETP阻害剤は、一般式(1)の化合物のうちの1種のみを含有しても、2種以上を含有してもよい。また、CETP阻害作用を有する他の化合物を更に含有してもよい。
本発明のCETP阻害剤は、固体(例えば、粉末)、液体(水溶性又は脂溶性の溶液又は懸濁液)、ペースト等のいずれの形状でもよく、また、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤、軟膏剤、硬膏剤等のいずれの剤形をとってもよい。また、放出制御製剤の形態をとることもできる。本発明のCETP阻害剤は、一般式(1)の化合物からなるものであってもよい。
上述の各種製剤は、一般式(1)の化合物と、薬学的に許容される添加剤(賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、乳化剤、界面活性剤、基剤、溶解補助剤、懸濁化剤等)と、を混和することによって調製することができる。
例えば、賦形剤としては、ラクトース、スクロース、デンプン、デキストリン等が挙げられる。結合剤としては、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等が挙げられる。崩壊剤としては、結晶セルロース、寒天、ゼラチン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、デキストリン等が挙げられる。乳化剤又は界面活性剤としては、Tween60、Tween80、Span80、モノステアリン酸グリセリン等が挙げられる。基剤としては、セトステアリルアルコール、ラノリン、ポリエチレングリコール、米糠油、魚油(DHA、EPA等)、オリーブ油等が挙げられる。溶解補助剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、Tween80等が挙げられる。懸濁化剤としては、Tween60、Tween80、Span80、モノステアリン酸グリセリン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明のCETP阻害剤は、医薬品、飲食品(飲料、食品)、飲食品添加物、飼料、飼料添加物等の成分として使用することができる。例えば、飲料としては、水、清涼飲料水、果汁飲料、乳飲料、アルコール飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク等が挙げられる。食品としては、パン類、麺類、米類、豆腐、乳製品、醤油、味噌、菓子類等が挙げられる。本発明のCETP阻害剤はまた、特定保健用食品、特別用途食品、栄養補助食品、健康食品、機能性食品、病者用食品等の成分として使用することもできる。
飲料、食品、飼料等は、当該分野で通常使用される添加物を更に含有してもよい。そのような添加物としては、例えば、苦味料、香料、リンゴファイバー、大豆ファイバー、肉エキス、黒酢エキス、ゼラチン、コーンスターチ、蜂蜜、動植物油脂;グルテン等のタンパク質;大豆、エンドウ等の豆類;グルコース、フルクトース等の単糖類;スクロース等の二糖類;デキストロース、デンプン等の多糖類;エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコール類;ビタミンC等のビタミン類;亜鉛、銅、マグネシウム等のミネラル類;CoQ10、α−リポ酸、カルニチン、カプサイシン等の機能性素材、が挙げられる。これらの添加物は、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のCETP阻害剤は、ヒトに摂取されても、非ヒト哺乳動物に摂取されてもよい。摂取量及び摂取方法は、個体の状態、年齢等に応じて適宜決定することができる。好適な摂取方法としては、例えば、経口摂取が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
(試験サンプルの調製)
市販のキサントフモール(Steiner社、XN Extract(75%))をHPLCで精製し、キサントフモール標準品を調製した。これを5%ジメチルスルホキシド(DMSO)水溶液に段階希釈して、所定濃度の試験サンプルを得た。HPLCは下記条件で行った。
HPLC条件:
カラム:CAPCELL PAK C18(φ1cm)(資生堂)
移動相:77.5%CHOH/5%CHCOOH
流速:3mL/分
(CETPアッセイ)
キサントフモールのCETP阻害活性を、CETP Inhibitor Drug Screening Kit(Bio Vision社)を用いて測定した。具体的には、下記組成の反応液を384ウェルプレートに20μL/ウェル分注して、37℃で450秒間インキュベートし、その後、プレートリーダーで蛍光強度を測定した。測定された蛍光強度は、別途作成した検量線に基づいて中性脂質量に変換した。
反応液組成:
試験サンプル:80μL
ウサギ血清:3μL
供与分子溶液:5μL
受容分子溶液:5μL
10×CETPバッファー:10μL
なお、供与分子溶液は、所定濃度の中性脂質を含有する。中性脂質は、ウサギ血清中のCETPにより受容分子に転送されて蛍光(Ex 465nm、Em 535nm)を発する。CETPが阻害されると、その程度に応じて、中性脂質の転送が抑制され、蛍光強度が減少する。
(結果)
反応液中の全中性脂質量([S](pmol))と転送された中性脂質量(V(pmol))との関係は、表1及び図1に示す通りであった。また、[S](pmol)と[S]/Vとの関係は、図2に示す通りであった。表1及び図1、2において、“XN”はキサントフモールを表し、キサントフモール濃度(ppm)は反応液中の濃度である。
Figure 2011016366
図2に示される4本の直線の式は下記の通りである([S]、[S]/Vを、それぞれx、yとおく)。
XN 0ppm: y=0.1534x+11.641
XN10ppm: y=0.1317x+19.679
XN20ppm: y=0.1773x+21.368
XN40ppm: y=0.1907x+35.422
CETPに関するキサントフモールのIC50(50%阻害濃度)は、38.8ppmであった。
これらの結果から明らかなように、CETPにより転送された中性脂質の量は、キサントフモール存在下で顕著に減少した。
実施例1により、本発明のCETP阻害剤は、CETPによるHDL中のコレステロールエステルの転送を顕著に抑制し、これを介して血中HDLコレステロール値を上昇させることが可能であることが確認された。
[実施例2]
(試験動物の群分け)
ハムスター(5週齢、雄、SPFシリアンハムスター、日本SLC)12匹を、試験開始時の体重が群間でバラつかないように各群6匹の2群(対照群(CNT群)、キサントフモール投与群(XN群))に分けた。なお、ハムスターは、1週間の馴化飼育を経た後、6週齢の時点で試験に使用した。
(試験飼料の調製)
試験飼料(食餌)は、表2の組成となるように調製した。表2中、各成分量の単位はg/kg飼料である。また、馴化飼育期間中は、飼料としてCRF−1(オリエンタル酵母工業)を用いた。
Figure 2011016366
(飼育条件)
1週間の馴化飼育後、各群のハムスターに試験飼料及び水道水を28日間自由に摂餌・摂水させた。馴化飼育期間及びその後の試験飼料投与期間を通じて、ハムスターは、飼育装置(温度23±5℃、相対湿度55±10%、イノケージ、オリエンタル技研)中で個別飼育(1匹/ケージ)した。
(キサントフモールの投与)
キサントフモール(85%純度キサントフモールパウダー、ホップシュタイナー社)を投与量が5mg/kg−体重/dayとなるように、2%(v/v)Tween20を含有するDMSOに溶解させ、浸透圧ポンプ(ALZET(登録商標) model 2006)に充填し、試験開始前に外科手術によりハムスター背面皮下に埋没させた。
(血漿中コレステロールの測定)
試験開始時及び試験飼料投与開始から14日後、各群のハムスターについて、ヘパリン処理した毛細管を用いて眼窩から採血した。また、試験飼料投与開始から28日後、各群のハムスターについて、ジエチルエーテル麻酔下で心採血した。採血した血液は、遠心分離(5,000×g、5分間、室温)して血球と分離した後、コレステロールの測定に供した。総コレステロール値、HDLコレステロール値は、コレステロールE−テストワコー(和光純薬工業株式会社、Code439−17501)、HDL−コレステロールE−テストワコー(和光純薬工業株式会社、Code431−52501)を用いて測定した。なお、HDLコレステロール値測定時のHDL以外のリポ蛋白の沈殿操作は、キット添付の沈殿試薬を用いず、ポリエチレングリコール沈殿法により行った。また、非HDLコレステロール中の成分の分析は、スカイライトバイオテック社に委託した。
(統計解析)
各測定項目について、統計解析ソフトSPSS(ver.13.0J)を用いてスチューデントのt−検定を行った。
(結果)
結果(平均±標準偏差)を表3〜5に示す。表3及び表4は、試験飼料投与開始から14日後及び28日後における血漿中コレステロール(総コレステロール、HDLコレステロール、非HDLコレステロール)の値を示すものである。表3及び表4中の数値は、試験開始時における各血漿中コレステロールの値を1としたときの相対値を示す。表5は、試験飼料投与開始から28日後における血漿中非HDLコレステロールに含まれるCM(カイロミクロン)、VLDL(超低密度リポタンパク質)、LDLの含有量を示す。表5中の値の単位は、mg/dlである。
Figure 2011016366
Figure 2011016366
Figure 2011016366
XN群は、試験飼料投与開始から14日後の時点において、CNT群と比較して有意に(P<0.05)非HDLコレステロール値が減少した(表3)。また、CNT群と比較してHDLコレステロール値の上昇も観察された(表3)。XN群では、CNT群と比較して、非HDLコレステロール中に含まれるCM、VLDL、LDLの絶対値の減少も観察された(表5)。
[実施例3]
(試験動物の群分け)
ハムスター40匹を、対照群(CNT群)、1mg/kg−体重/dayキサントフモール投与群(XN 1mg群)、5mg/kg−体重/dayキサントフモール投与群(XN 5mg群)、及びネガティブコントロール群(NC群)の4群に各群10匹づつ分けた以外は実施例2と同様にして行った。
(試験飼料の調製)
実施例2と同様に調製した。なお、ネガティブコントロール群(NC群)には、馴化飼育期間及び試験期間を通して、飼料としてCRF−1を使用した。
(飼育条件)
飼育期間を14日間とした以外は、実施例2と同様にして行った。
(キサントフモールの投与)
XN 1mg群について、キサントフモールが1mg/kg−体重/dayとなるようにした他は、実施例2と同様にして行った。
(糞中総コレステロール量の測定)
試験飼料投与開始から14日後、糞中総コレステロール量を測定した。凍結乾燥した糞を粉砕し、秤量した後、飽和水酸化カリウム水溶液でアルカリ処理し、エタノールを添加した後、更にヘキサンを加え、総コレステロールをヘキサン層に分配した。ヘキサン層の容量を定量した後、コール酸に抱合させたうえで乾固し、コレステロールE−テストワコーで糞中総コレステロール量を測定した。
(糞中胆汁酸量の測定)
試験飼料投与開始から14日後、糞中胆汁酸量を測定した。凍結乾燥した糞を粉砕し、秤量した後、90%エタノール中65℃でインキュベートした。これを遠心分離した後、上清を新しい容器に回収した。この操作を3回繰り返し行って胆汁酸を抽出した。得られた上清を乾固し、総胆汁酸−テストワコー(和光純薬工業、Code431−15001)で測定した。
(結果)
結果(平均±標準偏差)を表6に示す。
Figure 2011016366
キサントフモールを投与したハムスター群(XN 1mg群、XN 5mg群)は、キサントフモールを投与しなかったCNT群、高脂質食である試験飼料を与えなかったNC群と比べて、糞中総コレステロール量及び糞中総胆汁酸量が上昇した。また、キサントフモールを投与したハムスター群(XN 1mg群、XN 5mg群)の糞中総胆汁酸量は、CNT群と比較して有意に(P<0.05)上昇した。
実施例2及び3により、本発明のCETP阻害剤は、血中HDLコレステロール値を上昇させ、血中LDLコレステロール値を低下させることが可能であることが確認された。
本発明のCETP阻害剤は、動脈硬化及び動脈硬化性疾患の予防に利用可能である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有するコレステロールエステル転送タンパク質阻害剤。
    Figure 2011016366
    [式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは、ジメチルアリル基又はゲラニル基を表す。]
  2. 一般式(1)で表される化合物が、下記式(1A)で表される化合物である、請求項1に記載のコレステロールエステル転送タンパク質阻害剤。
    Figure 2011016366
  3. 血中HDLコレステロール値上昇用である、請求項1又は2に記載のコレステロールエステル転送タンパク質阻害剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のコレステロールエステル転送タンパク質阻害剤を含有する医薬品。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のコレステロールエステル転送タンパク質阻害剤を含有する飲食品。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のコレステロールエステル転送タンパク質阻害剤を含有する飲食品添加物。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のコレステロールエステル転送タンパク質阻害剤を含有する飼料。
JP2011525858A 2009-08-05 2010-07-27 コレステロールエステル転送タンパク質阻害剤 Active JP5723276B2 (ja)

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