JP2022169385A - タモギタケ又はその処理物を有効成分として含む、脂質代謝改善剤 - Google Patents

タモギタケ又はその処理物を有効成分として含む、脂質代謝改善剤 Download PDF

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Abstract

【課題】脂質代謝改善剤の提供。【解決手段】本発明はタモギタケ又はその処理物を有効成分として含む、脂質代謝改善剤に関する。【選択図】図5

Description

本発明は、タモギタケ又はその処理物を有効成分として含む、脂質代謝改善剤に関する。
高血圧、糖尿病などの生活習慣病は、近年、著しく増加している。さらに、肥満、特に内臓脂肪型肥満がこれらの生活習慣病を二次的・副次的に発症・進展させ、動脈硬化の発症の危険性を相乗的に増加させることが報告されており、メタボリックシンドロームとも呼ばれている。これらの生活習慣病及びメタボリックシンドロームの発症・進展は、脂質代謝異常と密接に関連している。
脂質代謝異常は、脂肪やコレステロールの過剰摂取によって生じるだけでなく、糖尿病の一因であるインスリン抵抗性によっても引き起こされる。インスリン抵抗性による過剰なインスリンの分泌は、中性脂肪の合成を促進、分解を抑制し、中性脂肪の増加をもたらすことが知られている。
脂質代謝異常を改善する薬剤としては、HMG-CoA還元酵素阻害剤(いわゆるスタチン系薬剤)及びフィブラート系薬剤等が知られているが、いずれも横紋筋融解症等の副作用を有する。インスリン抵抗性を改善する薬剤としては、チアゾリジン薬等が知られているが、チアゾリジン薬はむくみや体重増加等の副作用を有する。従って、より高い安全性を有し、かつ脂質代謝やインスリン抵抗性を改善することのできる物質がさらに求められている。
タモギタケ(Pleurotus citrinopileatus)はハラタケ目、ヒラタケ科に属する食用キノコであり、食用としての安全性が確立されている。タモギタケの機能性については、タモギタケ抽出物が、パネト細胞において抗微生物物質の産生や分泌を促進すること(特許文献1)、皮膚の保湿作用や抗アトピー効果を有すること(非特許文献1)などが知られている。しかし、タモギタケの食材としての機能性や医薬効果については、未だ十分に解明されていない。
タモギタケは、エルゴチオネインを豊富に含んでおり、エルゴチオネインは種々の作用、例えば、Th17細胞の分化促進作用等を有すること(特許文献2)などが知られているが、その作用はまだ十分に解明されていない。
特開2012-180329号公報 特開2017-218431号公報
富山隆広、海方忍、石田真巳、西川英俊、山崎則之、辻潔美、光武進、五十嵐靖之、「タモギタケエタノール抽出物のアトピー性皮膚炎モデルマウスを用いた保湿作用およびアトピー様症状に対する作用」、日本栄養・食糧学会誌、61、21-26 (2008)
本発明は、服用しやすく、効果的な脂質代謝改善剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、タモギタケ摂取により血清総コレステロール濃度及び肝臓総コレステロール濃度が低下すること、タモギタケの摂取により血清LDL-コレステロール濃度が低下し得ること、タモギタケの摂取によりインスリン感受性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] タモギタケ又はその処理物を有効成分として含む、脂質代謝改善剤。
[2] ステロイドの代謝を改善するための、[1]に記載の脂質代謝改善剤。
[3] 血清総コレステロール濃度、血清LDL-コレステロール濃度、及び肝臓総コレステロール濃度のうち少なくとも1つを低下させるための、[1]又は[2]に記載の脂質代謝改善剤。
[4] 前記処理物が乾燥物である、[1]~[3]のいずれか一に記載の脂質代謝改善剤。
[5] 前記処理物が抽出物である、[1]~[4]のいずれか一に記載の脂質代謝改善剤。
[6] タモギタケ又はその処理物がエルゴチオネイン及びポリフェノールを含む、[1]~[5]のいずれか一に記載の脂質代謝改善剤。
[7] 血清総コレステロール濃度、血清LDL-コレステロール濃度、及び肝臓総コレステロール濃度のうち少なくとも1つを低下させるとともに、インスリン感受性を向上させるための、[1]~[6]のいずれか一に記載の脂質代謝改善剤。
[8] 肥満、脂肪肝、脂質異常症、動脈硬化若しくはメタボリックシンドロームを治療若しくは予防するための、又は糖尿病を予防するための、[1]~[7]のいずれか一に記載の脂質代謝改善剤。
[9] 経口投与用の、[1]~[8]のいずれか一の脂質代謝改善剤。
[10] [1]~[9]のいずれか一に記載の脂質代謝改善剤を含む、脂質代謝を改善するための飲食品又は医薬品。
本発明によれば、脂質代謝を改善することができる。
図1は、タモギタケ、シイタケ、ハナビラタケ及びアラゲキクラゲ各々の抽出物の抗酸化活性(TEAC値)を示すグラフである。図中、TEAC値は平均値±標準偏差(n=3)で表される。a及びbは、Tukey-Kramer法による多重比較の結果を示しており、異なる文字間で有意差(P<0.05)があることを意味する。ND(not determined)は、抗酸化活性が非常に低く、決定されていないことを示す。 図2は、タモギタケ、シイタケ、ハナビラタケ及びアラゲキクラゲ各々の抽出物のポリフェノール含量を示すグラフである。図中、ポリフェノール含量は平均値±標準偏差(n=3)で表される。a及びbは、Tukey-Kramer法による多重比較の結果を示しており、異なる文字間で有意差(P<0.05)があることを意味する。 図3は、タモギタケ、シイタケ、ハナビラタケ及びアラゲキクラゲ各々の抽出物のエルゴチオネイン含量を示すグラフである。図中、エルゴチオネイン含量は平均値±標準偏差(n=3)で表される。a、b及びcは、Tukey-Kramer法による多重比較の結果を示しており、異なる文字間で有意差(P<0.05)があることを意味している。ND(not detected)は、HPLCの分析で検出されなかったことを示す。 図4は、AIN-76の組成に準じて調製した飼料(コレステロール無添加コントロール群)、それにタモギタケの乾燥粉末を添加した飼料(コレステロール無添加タモギタケ群)、AIN-76の組成に準じて調製した飼料にコレステロール及びコール酸ナトリウムを添加した飼料(コレステロール添加コントロール群)、又はそれにタモギタケの乾燥粉末をさらに添加した飼料(コレステロール添加タモギタケ群)を与え、4週間飼育したSD系ラットの血清総コレステロール濃度を示すグラフである。図中、血清総コレステロール濃度は平均値±標準偏差(n=6~7)で表される。CONは、コントロールを意味する。グラフ上部の枠内の記載は、コレステロール添加とタモギタケ添加の2因子分散分析でデータを統計解析した結果を示しており、NSは有意差がないことを意味する。さらに、グラフ内のa、b及びcは、Tukey-Kramer法による多重比較の結果を示しており、異なる文字間で有意差(P<0.05)があることを意味する。 図5は、AIN-76の組成に準じて調製した飼料(コレステロール無添加コントロール群)、それにタモギタケの乾燥粉末を添加した飼料(コレステロール無添加タモギタケ群)、AIN-76の組成に準じて調製した飼料にコレステロール及びコール酸ナトリウムを添加した飼料(コレステロール添加コントロール群)、又はそれにタモギタケの乾燥粉末をさらに添加した飼料(コレステロール添加タモギタケ群)を与え、4週間飼育したSD系ラットの肝臓総コレステロール濃度を示すグラフである。図中、肝臓総コレステロール濃度は平均値±標準偏差(n=6~7)で表される。CONは、コントロールを意味する。グラフ上部の枠内の記載は、コレステロール添加とタモギタケ添加の2因子分散分析でデータを統計解析した結果を示す。さらに、グラフ内のa、b及びcは、Tukey-Kramer法による多重比較の結果を示しており、異なる文字間で有意差(P<0.05)があることを意味する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、タモギタケ又はその処理物を有効成分として含む、脂質代謝改善剤に関する。
本発明において、タモギタケは子実体の全体又はその一部であってよい。タモギタケ(Pleurotus citrinopileatus)は、天然に自生しているものでもよく、人工栽培されたものでもよい。
本発明において、タモギタケの「処理物」は、タモギタケ全体又はタモギタケの何れかの部分(例えば、傘又は柄、ツボ等)に由来するものであってよい。タモギタケの処理物は、以下に限定するものではないが、抽出物、乾燥物、破砕物、圧搾物、圧縮物、加熱処理物、及び殺菌処理物、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択されるものであってもよい。
本発明において、タモギタケの処理物は、タモギタケの抽出物であってもよい。タモギタケの抽出物としては、例えば、タモギタケ又はその乾燥物を抽出溶媒により抽出した抽出液、該抽出液の希釈物、該抽出液の濃縮物、及び該抽出液の乾燥物等が挙げられる。抽出溶媒は、水及びアルコール(メタノール、エタノール及びイソプロパノール等)の少なくとも一方を含む溶媒であってよく、好ましくは、水である。水の種類は、特に限定されず、純水、脱イオン水、水道水等であってもよいが、好ましくは脱イオン水である。好ましくは、水は、熱水、特に90~100℃の熱水であってよい。
抽出は、常法に従って行うことができる。例えば、熱水等の抽出溶媒にタモギタケ又はその乾燥物若しくは破砕物等を投入してホモジナイズした後、約5~60分間(例えば10分間)沸騰水浴等により加温し、遠心分離等により固液分離して上清を回収することにより、抽出を行うことができる。
タモギタケの抽出物は、脱脂されていてもよい。例えば、タモギタケの抽出物は、タモギタケ又はその乾燥物をヘキサンで脱脂した後、水等の抽出溶媒により抽出した抽出液であり得る。
本発明において、タモギタケの処理物はまた、タモギタケの乾燥物であってもよい。タモギタケの乾燥物は、通常の方法により得ることができ、例えば、天日により乾燥させる方法や乾燥機により乾燥させる方法により得ることができる。タモギタケの乾燥物は、例えば、凍結乾燥物、常圧乾燥物、加圧乾燥物又は真空乾燥物であってもよい。上記乾燥物は、フードプロセッサー等により適切な大きさに粉砕されていてもよく、粉末状であってもよい。
本発明において、タモギタケの処理物は、タモギタケの破砕物であってもよい。タモギタケの破砕物は、通常の方法により得ることができ、例えば、タモギタケをフードプロセッサー等により破砕する方法により得ることができる。
後述の実施例5に示すように、タモギタケ又はその処理物は、脂質代謝を改善することができ、特に、血清総コレステロール濃度及び肝臓総コレステロール濃度を低下させることができる。タモギタケ又はその処理物はさらに、後述の実施例5に示すように、血清LDL-コレステロール濃度をも低下させ得る。タモギタケ又はその処理物はまた、後述の実施例6及び7に示すように、インスリン感受性を向上させることができる(即ち、インスリン分泌量を節約することができる)。インスリン感受性の向上は、中性脂肪の合成を抑制し、一方、中性脂肪の分解を促進し得る。従って、タモギタケ又はその処理物は、脂質代謝改善剤の有効成分として用いることができる。
本発明のタモギタケ又はその処理物は、抗酸化活性を有するエルゴチオネイン及びポリフェノールを含むことが好ましい。エルゴチオネイン及びポリフェノールを含むタモギタケ又はその処理物、及びそれを含む脂質代謝改善剤は、脂質代謝異常と活性酸素種の両方に起因する疾患又は状態(例えば、動脈硬化、糖尿病、癌等、又はそれらが複合して発症するメタボリックシンドローム)の予防又は治療に、特に有用である。
本発明において、「脂質代謝改善」とは、脂質代謝を改善することを意味する。ここで、「脂質代謝」とは、生体内において行われる脂質の化学的変換、並びに生体内での脂質の輸送及び動態の総称を意味し、腸管における脂質の吸収、肝臓における脂質の合成、分解、及び蓄積、肝外組織への脂質の分泌及び肝外組織による脂質の取り込み、並びに肝臓への脂質の逆輸送の過程を包含する。「脂質」とは、生体内に存在する水不溶性の物質の総称であり、具体的にはステロイド(グルココルチコイド、ミネラルコルチコイド及び性ホルモン等のステロイドホルモン、胆汁酸並びにコレステロール等)及び中性脂肪(トリグリセリド)等が含まれる。脂質にはまた、リポタンパク質(例えば、超低密度リポタンパク質(VLDL)及び低密度リポタンパク質(LDL)等)中に含まれる脂質も包含される。本発明において、「脂質代謝改善」には、ステロイド、好ましくはコレステロールの代謝を改善すること、例えば血清総コレステロール濃度、血清LDL-コレステロール濃度、又は肝臓総コレステロール濃度を低下させること等が包含される。なおステロイドは生体内でコレステロールから合成される。
なお、後述の実施例に記載するように、脂質代謝改善効果は、例えば肝臓におけるコレステロールの量を指標として判定することができる。例えば、ラットに、AIN-76等の組成に準じて調製した飼料(コレステロール無添加コントロール群)、それに被験物質(例えば、タモギタケ若しくはその処理物、又は本発明の脂質代謝改善剤)を添加した飼料(コレステロール無添加被験物質群)、AIN-76等の組成に準じて調製した飼料にコレステロール及びコール酸ナトリウムを添加した飼料(コレステロール添加コントロール群)、又はそれにさらに被験物質を添加した飼料(コレステロール添加被験物質群)を与えながら、約4週間飼育した後、該ラットから肝臓を採取し、肝臓中の総コレステロールの濃度を測定する。得られた測定データについてコレステロール添加と被験物質添加の二因子分散分析を行い、交互作用が認められた場合、さらにTukey-Kramer法による多重比較を行い、コレステロール添加被験物質群の肝臓中の総コレステロール濃度がコレステロール添加コントロール群に比べ、有意に低ければ、被験物質には脂質代謝改善効果があると判定することができる。
脂質代謝改善効果はまた、血清中のコレステロールの量(例えば、総コレステロールの量又はLDL-コレステロールの量)を指標として判定することもできる。例えば、肝臓におけるコレステロールの量を指標とする場合と同様に、被験物質(例えば、タモギタケ若しくはその処理物、又は本発明の脂質代謝改善剤)の摂取有り又は無しの条件でラットを4週間飼育した後、該ラットから血液を採取し、血清中の総コレステロール濃度又はLDL-コレステロール濃度を測定する。得られた測定データについてコレステロール添加と被験物質添加の二因子分散分析を行い、交互作用が認められた場合、さらにTukey-Kramer法による多重比較を行い、コレステロール添加被験物質群の血清中の総コレステロール濃度又はLDL-コレステロール濃度がコレステロール添加コントロール群に比べ、有意に低ければ、被験物質には脂質代謝改善効果があると判定することができる。或いは、ヒトその他の哺乳動物である被験体に、例えば、脂質(コレステロール等)負荷下で、被験物質(例えば、タモギタケ若しくはその処理物、又は本発明の脂質代謝改善剤)を投与した後、血清中の総コレステロール濃度又はLDL-コレステロール濃度を測定し、その血清中の総コレステロール濃度又はLDL-コレステロール濃度が被験物質を投与していない被験体に比べ、有意に低ければ、被験物質には脂質代謝改善効果があると判定することができる。
本発明の脂質代謝改善剤は、ステロイドの代謝を改善するため、好ましくは、コレステロールの代謝を改善するため(例えば、血清総コレステロール濃度、血清LDL-コレステロール濃度及び肝臓総コレステロール濃度のうち少なくとも1つを低下させるため、又は肝臓におけるコレステロールの合成を低下させるため)、及び/又はインスリン感受性を向上させるために使用することができる。本発明の脂質代謝改善剤はさらに、脂質代謝改善が望まれる疾患又は状態の予防又は治療に使用することができる。例えば、本発明の脂質代謝改善剤は、血清総コレステロール濃度の増加に起因するか又はそれを伴う疾患又は状態(例えば、動脈硬化、脂質異常症、甲状腺機能低下症及び肥満)、血清LDL-コレステロール濃度の増加に起因するか又はそれを伴う疾患又は状態(例えば、脂質異常症、特に高LDLコレステロール血症、動脈硬化、心筋梗塞及び脳梗塞)、及び肝臓コレステロールの蓄積に起因するか又はそれを伴う疾患又は状態(例えば、脂肪肝)の予防又は治療に使用することもできる。ここで、肝臓コレステロールの蓄積に起因する疾患又は状態には、脂肪肝のほか、脂肪肝に起因して発症する疾患又は状態(例えば、肥満、動脈硬化、肝硬変、肝癌及び肝機能障害)も含まれる。本発明の脂質代謝改善剤はまた、インスリン感受性の低下(インスリン抵抗性)に起因するか又はそれを伴う疾患又は状態の予防又は治療(例えば、糖尿病、肥満の予防)に使用することもできる。インスリン感受性の低下に起因する疾患としては、例えば、2型糖尿病が挙げられる。2型糖尿病は、遺伝的素因によるインスリン分泌能の低下に、環境的素因としての生活習慣の悪化に伴うインスリン抵抗性(インスリン感受性の低下)が加わり、インスリンの相対的不足に陥った場合に発症することが知られている。従って、インスリン感受性を向上させることができる本発明の脂質代謝改善剤は、インスリン抵抗性を一因とする2型糖尿病の予防にも使用することができる。
本発明の脂質代謝改善剤は、脂質代謝改善が望まれる疾患又は状態、例えば、血清総コレステロール濃度の増加、肝臓コレステロールの蓄積、及び/又はインスリン感受性の低下に起因するか又はそれを伴う疾患又は状態の予防剤又は治療剤の一成分としても使用することができる。
本発明の脂質代謝改善剤は、タモギタケ又はその処理物に加え、他の薬理活性を有する薬理成分を含む組成物であってもよい。本発明の脂質代謝改善剤はまた、添加剤(例えば、担体(固体や液体担体など)、賦形剤、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶解補助剤、懸濁化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、保存剤、緩衝剤、pH調整剤)等をさらに含んでもよい。
本発明の脂質代謝改善剤は、任意の投与経路で投与すればよいが、例えば、経口的に投与することができる。好ましい実施形態では、本発明の脂質代謝改善剤は、経口投与用であってよい。
本発明の脂質代謝改善剤の投与の対象(被験体)としては、ヒト、家畜(ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ等)、愛玩動物(イヌ、ネコ、ウサギ等)、実験動物(マウス、ラット、サル等)等を含む任意の哺乳動物を挙げることができるが、好ましくはヒトである。被験体は、脂質異常症を有していてもよく、例えば、正常値よりも高い血清総コレステロール濃度(被験体がヒトの場合>220mg/dL)又は正常値よりも高い血清LDL-コレステロール濃度(被験体がヒトの場合>140mg/dL)を有していてもよい。被験体は、脂質異常症を有していない被験体、又は脂質異常症を有していないが脂質異常症になるリスクの高い被験体であってもよく、例えば、正常な範囲の血清総コレステロール濃度(被験体がヒトの場合<220mg/dL)又は正常な範囲の血清LDL-コレステロール濃度(被験体がヒトの場合<140mg/dL)を有していてもよい。被験体は、糖尿病を発症していてもよく、糖尿病を発症していなくてもよい。被験体はまた、糖尿病を発症していないが糖尿病になるリスクが高い被験体であってもよい。糖尿病になるリスクが高い被験体としては、例えば、肥満(特に内臓脂肪型肥満)、内臓脂肪の蓄積、異所性脂肪の蓄積(即ち肝臓及び筋肉等への脂肪の蓄積)、メタボリックシンドローム、インスリン抵抗性、高インスリン血症及び/又は糖尿病の遺伝的素因を有する被験体が挙げられる。
本発明の脂質代謝改善剤は、その投与経路や被験体の年齢、体重、症状等の種々の要因を考慮して、その投与量または摂取量を適宜設定することができる。本発明の脂質代謝改善剤は、単回投与してもよく、数時間~数か月の間隔で複数回投与してもよい。
本発明の脂質代謝改善剤は、飲食品又は医薬品に配合(添加)することができる。従って、本発明は、本発明の脂質代謝改善剤を含む飲食品又は医薬品も提供する。本発明に係る脂質代謝改善剤を含む飲食品又は医薬品(本発明の飲食品又は医薬品)は、本発明の脂質代謝改善剤と同じ作用を有する。従って、本発明の飲食品又は医薬品は、上述の本発明の脂質代謝改善剤と同じ用途に使用することができる。
本発明に係る医薬品は、製薬上で許容される添加剤(例えば、担体(固体や液体担体など)、賦形剤、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶解補助剤、懸濁化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、保存剤、緩衝剤、pH調整剤)等をさらに含んでもよい。このとき、添加剤等は、製剤の剤形に応じて適宜選択することができる。
本発明に係る医薬品は、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、カプセル剤等の固形製剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤等の液体製剤、ジェル剤、エアロゾル剤等の任意の剤形に製剤化されたものであってよい。なお、医薬品を液体製剤として用いる場合には、それを使用する直前に、例えば、生理食塩水で再構成することを意図した乾燥物として製剤化することもできる。また、本発明に係る医薬品は、タモギタケ又はその処理物の配合量を適宜設定することができ、剤形、添加剤、対象の疾患の重症度等によって、その配合量を変更することができる。本発明の医薬品の好ましい投与経路としては、以下に限定されないが、経口投与が挙げられる。
本発明に係る飲食品は、飲食品の製造で許容される添加剤(例えば、担体(固体や液体担体など)、賦形剤、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、溶解補助剤、懸濁化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、保存剤、緩衝剤、pH調整剤)等をさらに含んでもよい。本発明に係る飲食品はまた、水、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類等をさらに含んでもよい。
本発明に係る飲食品は、加工食品、惣菜、菓子、調味料、飲料等の任意の形態であってもよい。本発明に係る飲食品は、好ましくは、機能性食品であってもよい。
本発明において「機能性食品」とは、生体に所定の機能性を付与できる食品をいい、例えば、特定保健用食品(条件付きトクホ[特定保健用食品]を含む)、機能性表示食品、栄養機能食品を含む保健機能食品、特別用途食品、栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント(例えば、錠剤、被覆錠、糖衣錠、カプセル、液剤等の各種の剤形のもの)、美容食品(例えば、ダイエット食品)等の、健康食品の全般を包含している。また、本発明において「機能性食品」は、コーデックス(FAO/WHO合同食品規格委員会)の食品規格に基づく健康強調表示(Health claim)が適用される健康食品を包含している。
本発明に係る飲食品は、固体、液体、混合物、懸濁液、ペースト、ゲル、粉末、顆粒、カプセル等の任意の形態に調製されたものであってよい。また、本発明に係る飲食品は、当業者が利用可能である任意の適切な方法によって、本発明の脂質代謝改善剤を含ませればよい。具体的には、本発明に係る飲食品は、脂質代謝改善剤をカプセルに封入してもよいし、脂質代謝改善剤を可食フィルムや食用コーティング剤などで包み込んでもよいし、脂質代謝改善剤に適切な賦形剤等を配合(添加)した後に、錠剤等の任意の形態に成形してもよい。本発明に係る飲食品は、本発明の脂質代謝改善剤と他の食品原料とを含む組成物を加工することにより製造してもよい。そして、本発明に係る飲食品は、例えば、各種の食品(飲料、流動食、病者用食品、栄養食品、冷凍食品、加工食品、その他の市販食品等)に脂質代謝改善剤を配合(添加)することによって製造することもできる。
本発明に係る医薬品または飲食品は、その投与の対象(被験体)を上述した脂質代謝改善剤の投与の対象(被験体)と同様に設定することができる。
本発明はまた、本発明に係る脂質代謝改善剤又は医薬品を被験体に投与することを含む、被験体において脂質代謝を改善する方法を提供する。本発明はまた、本発明に係る脂質代謝改善剤又は医薬品を被験体に投与することを含む、被験体において血清総コレステロール濃度を低下させる、血清LDL-コレステロール濃度を低下させる、肝臓総コレステロール濃度を低下させる、及び/又はインスリン感受性を向上させるための方法を提供する。本発明はまた、本発明に係る脂質代謝改善剤又は医薬品を被験体に投与することを含む、脂質代謝改善が望まれる疾患又は状態(例えば、血清総コレステロール濃度の増加に起因するか又はそれを伴う疾患又は状態、血清LDL-コレステロール濃度の増加に起因するか又はそれを伴う疾患又は状態、肝臓コレステロールの蓄積に起因するか又はそれを伴う疾患又は状態(例えば、脂肪肝)及びインスリン感受性の低下(インスリン抵抗性)に起因するか又はそれを伴う疾患又は状態)を予防又は治療する方法を提供する。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]タモギタケ、シイタケ、ハナビラタケ及びアラゲキクラゲ抽出物の抗酸化活性
タモギタケの乾燥物(都夢創)、シイタケの乾燥物(鷹乃産業)、ハナビラタケの乾燥物(鷹乃産業)及びアラゲキクラゲの乾燥物(鷹乃産業)をフードプロセッサー(MK-K81-W、Panasonic)でそれぞれ粉砕後、袋に入れ、-30℃の冷凍庫で保存した。
得られたタモギタケの乾燥粉末150 mg、シイタケの乾燥粉末200mg、ハナビラタケの乾燥粉末200 mg、アラゲキクラゲの乾燥粉末150 mg各々に100℃の脱イオン水10 mlを添加した。これらをホモジスターラー(GTR-1000型、IWAKI)でホモジナイズして10分間沸騰水浴中で加温し、1,710×g(3,000 rpm)で10分間遠心分離後、上清を回収し、抽出サンプルとした。
これらの抽出サンプルについて、以下のようにDPPHラジカル消去活性を測定することにより、抗酸化活性を調べた。
トロロックス((±)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸、フナコシ)を99.5%エタノールに溶解し、トロロックス濃度20、40、60、80、100 μg/mlの標準溶液を調製した。試験管にトロロックス濃度20、40、60、80若しくは100 μg/mlの標準溶液100 μlを入れ、そこに0.1Mトリス(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ナカライテスク)緩衝液(pH 7.4)400 μlを加え、DPPH(1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル、Cayman Chemical)溶液500 μlを加えた。
また、別の試験管に、上記抽出サンプルを2~10倍希釈した溶液100 μlを入れ(n=3)、そこにエタノール100 μlを加え、0.1 Mトリス緩衝液300 μlを加えた後、DPPH溶液500 μlを加えた。
また、コントロールとして、別の試験管に、脱イオン水100μlを加え、そこにエタノール100 μlを加え、0.1 Mトリス緩衝液300 μlを加えた後、DPPH溶液500 μlを加えた。
さらに、ブランク測定のために、別の試験管に上記抽出サンプルを2~10倍希釈した溶液100 μlを入れ(n=3)、そこにエタノール100 μlを加え、0.1 Mトリス緩衝液300 μlを加えた後、エタノール500 μlを加えた。
これらの試験管を約10 秒間ボルテックスし、よく混合し、暗所で30分間放置後、試験管中の反応液をガラスセルに移し、吸光度計(島津製作所、UV-1800)を用いて517 nmにおける吸光度を測定した。
測定した吸光度の値を用いて、各濃度の標準溶液の阻害率(%)を以下の計算式により算出した。
各濃度の標準溶液の阻害率(%)={(Ac-At)/Ac}×100
(Ac:コントロールの吸光度、At:各濃度の標準溶液の吸光度)
トロロックス濃度(x)に対して阻害率(y)をプロットし、回帰直線を引き、相関係数を求めた。阻害率50%を挟む2点を選び、その2点に対する回帰直線を作成し、得られた式のyに50を代入した際のxを算出し、それをトロロックスのIC50値とした。
また、各抽出サンプルの阻害率(%)を以下の計算式により算出した。
各抽出サンプルの阻害率(%)={(Ac-(As-Ab))/Ac}×100
(Ac:コントロールの吸光度、As: 各抽出サンプルの吸光度、Ab:ブランクの吸光度)
サンプル濃度(x)に対して阻害率(y)をプロットし、阻害率50%を挟む2点を選び、その2点に対する回帰直線を作成し、得られた式のyに50を代入した際のxを算出し、それを抽出サンプルのIC50値とした。
以下の式によりTEAC(trolox equivalents antioxidant capacity、トロロックス等価抗酸化能)値を算出した。
TEAC=(トロロックスのIC50値)/(抽出サンプルのIC50値)
TEAC値(μmol/g)の測定結果を図1に示す。データは、独立した3回の実験の平均値±標準偏差である。TEAC値は、タモギタケでは約57 μmol/g、シイタケでは約24 μmol/g、ハナビラタケでは約21 μmol/gであり、タモギタケ>シイタケ≒ハナビラタケであった(図1)。アラゲキクラゲについては、15 mg/mlまでの濃度では抗酸化活性が低く、IC50値を求めることは出来なかった。
[実施例2]タモギタケ、シイタケ、ハナビラタケ及びアラゲキクラゲ抽出物のポリフェノール含量
実施例1と同様にしてタモギタケ、シイタケ、ハナビラタケ及びアラゲキクラゲの乾燥粉末各々から抽出サンプルを取得し、それらのポリフェノール含量を、以下に述べるようにフェノール試薬を用いて測定した。
カテキン(3,3,4,5,7-フラバンペントール、東京化成工業)を50%エタノールに溶解し、濃度0.010、0.025、0.100、0.150、0.200 mg/mlのカテキン標準溶液を作製した。試験管に、カテキン標準溶液100 μl、蒸留水50 μl、0.1%炭酸ナトリウム溶液500 μl、及びフェノール試薬(フォーリン-チオカルト試薬、ナカライテスク)500 μlを入れ、撹拌した。別の試験管に、7.5 mg/mlのタモギタケ、アラゲキクラゲ、シイタケ又はハナビラタケの抽出液100 μlを入れ、そこにエタノール50 μl、0.1%炭酸ナトリウム500 μl、及びフェノール試薬500 μlを加えて撹拌した。さらに、ブランクとして、別の試験管に、各抽出サンプル100 μl、エタノール50 μl、0.1%炭酸ナトリウム500 μl及び蒸留水500 μlを加えて攪拌した。これらの試験管を暗所で20分間放置後、700 nmで吸光度を測定した。標準溶液の吸光度(y)をカテキン濃度(x)に対してプロットし、回帰直線を引き、相関係数を求めた。次に、抽出サンプルの吸光度からブランクの吸光度を引き、得られた値を回帰直線の式のyに代入してxを算出し、その値から各キノコの乾燥粉末1g当たりのポリフェノール含量を算出した。
ポリフェノール含量の測定結果を図2に示す。データは、独立した3回の実験の平均値±標準偏差である。ポリフェノール含量は、タモギタケでは約23 mg/g、シイタケ、ハナビラタケでは7 mg/g前後、アラゲキクラゲでは約3 mg/gであった。従って、ポリフェノール含量は、タモギタケ>ハナビラタケ≒シイタケ>アラゲキクラゲであり、抗酸化活性と同様の傾向を示した。このことから、タモギタケに含まれるポリフェノール類は抗酸化活性に寄与することが示された。
[実施例3]エルゴチオネイン及びL-ヒスチジンの抗酸化活性の比較
タモギタケ、シイタケ、ハナビラタケ及びアラゲキクラゲの抽出サンプルを希釈したものの代わりに、0.1 Mトリス緩衝液(pH 7.4)に溶解した0.174、0.261、0.348、0.435、0.522 mMのエルゴチオネイン(KEMPROTEC Limited)、又は0.1 Mトリス緩衝液(pH 7.4)に溶解した0.26、0.77、32.2、48.3、96.7、193 mMのL-ヒスチジン(関東化学株式会社)を用いたこと以外、実施例1と同様の操作を行い、エルゴチオネイン及びその構造類似体であるL-ヒスチジンのIC50値を求めた。また、エルゴチオネインのIC50値から、実施例1に記載の方法により、エルゴチオネインのTEAC値を算出した。
その結果、L-ヒスチジンは、193 mMと非常に高濃度でも抗酸化活性を示さず、IC50値を求めることが出来なかった。それに対し、エルゴチオネインのIC50値は0.357±0.018(mM)であり、高い抗酸化活性を示した。L-ヒスチジンとエルゴチオネインの構造上の違いは、硫黄基の有無であることから、エルゴチオネインの抗酸化活性の発揮には、硫黄基の存在が重要であると考えられた。
[実施例4]タモギタケ、シイタケ、ハナビラタケ及びアラゲキクラゲ抽出物のエルゴチオネイン含量
タモギタケ、シイタケ、ハナビラタケ及びアラゲキクラゲの熱水抽出物中のエルゴチオネイン含量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定した。
HPLCは、システムコントローラー(島津製作所、LC-20AD)、インジェクター(RHEODYNE、7725i)、ポンプ(島津製作所、LC-20AD及びLC-20A)、デガッサー(島津製作所、DGU-20A)、検出器(島津製作所、SPD-20A)、オーブン(島津製作所、CTO-20A)、クロマトパック(島津製作所、C-R8A)、及び分析カラム(ナカライテスク、Cosmosil 5C18 ARII)を用いて行った。
サンプルには、実施例1と同様にして得られたタモギタケ、シイタケ、ハナビラタケ及びアラゲキクラゲ抽出サンプルを用いた。溶離液としては、2種類の液(A液:50 mM酢酸ナトリウム三水和物、及びB液:メタノール)を用いた。ポストカラムに4℃の合流液を流速0.5ml/分で混合した。合流液としては、メタノールと0.2 M MES(2-モルホリノエタンスルホン酸、Ark Pharm, Inc.)(pH 6.0)を1対1で混合したものを用いた。溶離液中のメタノールの濃度は、分析時間0~1分までは0%(50 mM酢酸ナトリウム三水和物の濃度は100%)とし、分析時間10分までに40%にし、分析時間20分までその濃度を維持した。インジェクトするサンプルの量は20 μl、検出波長は254 nm、流速は1 ml/分、カラム温度は40℃とした。
エルゴチオネイン(KEMPROTEC Limited)を0.1 Mトリス緩衝液(pH 7.4)に溶解して0.01、0.02、0.05、0.10、0.50 mg/mlの標準溶液を作製し、上述と同様の条件でHPLC分析を行った。標準溶液のエルゴチオネイン濃度(x)に対して、ピーク面積値(y)をプロットし、回帰直線を算出した。測定したサンプルのピーク面積値を回帰直線の式のyに代入してサンプル中のエルゴチオネイン濃度を算出し、その値から各キノコの乾燥粉末1mg当たりのエルゴチオネイン含量(μg)を算出した。
結果を図3に示す。データは、独立した3回の実験の平均値±標準偏差である。エルゴチオネイン含量は、タモギタケで約5 μg/mg、シイタケで約0.5 μg/mg、ハナビラタケで約3 μg/mgであり、アラゲキクラゲでは検出することができなかった。従って、エルゴチオネイン含量は、シイタケ、ハナビラタケ及びアラゲキクラゲと比較して、タモギタケの含量が高く、タモギタケ>ハナビラタケ>シイタケ>アラゲキクラゲであった。従って、エルゴチオネイン含量もまた、抗酸化活性及びポリフェノール含量と同様の傾向を示した。このことから、エルゴチオネインもまた、タモギタケの抗酸化成分の一つであり、抗酸化活性に大きく寄与することが見出された。
また、実施例1で算出したタモギタケのTEAC値、実施例3で算出したエルゴチオネインのTEAC値、及び本実施例で測定したタモギタケのエルゴチオネイン含量の値を用いて、エルゴチオネインのタモギタケの抗酸化活性への寄与率を以下の式により算出した。
{エルゴチオネインのTEAC値(μmol/g)×タモギタケのエルゴチオネイン含量(μg/mg)/タモギタケのTEAC値(μmol/g)}×100 (%)
その結果、エルゴチオネインのタモギタケの抗酸化活性への寄与率は、30.1%であった。このことから、エルゴチオネイン以外の物質も、タモギタケの抗酸化活性に関与していることが示された。
[実施例5]ラットにおけるタモギタケ摂取による脂質代謝改善効果
体重100 g前後(4週齢)のSprague-Dawley(SD)系雄ラット(九動)を、平均体重に有意差がないようにコレステロール無添加群とコレステロール添加群に分け、さらに各群をコントロール群とタモギタケ群に分け、計4群(6~7頭/群)とした。各群に、AIN-76(米国国立栄養研究所(AIN)から1977年に発表されたマウス・ラットを用いた栄養研究のための標準精製飼料)の組成に準じて調製した飼料(コレステロール無添加コントロール群)、それにタモギタケの乾燥粉末を添加した飼料(コレステロール無添加タモギタケ群)、AIN-76の組成に準じて調製した飼料にコレステロール及びコール酸ナトリウムを添加した飼料(コレステロール添加コントロール群)、又はそれにタモギタケの乾燥粉末をさらに添加した飼料(コレステロール添加タモギタケ群)(表1)を与え、4週間飼育した。飼育中、飼料及び水は自由に与えた。
Figure 2022169385000002
飼育期間中、ラットの体重を2~3日おきに測定した。初体重は飼育開始日(2018年12月7日)、終体重は飼育終了日(2019年1月3日)に測定した。また、飼育期間中2~3日おきに、飼料の摂取量を測定した。
飼育期間終了後、ラットを屠殺し、血液、肝臓、並びに睾丸周辺、腎臓周辺及び腸間膜周辺脂肪組織を採取した。
採取した血液を用いて、以下のように、血清総コレステロール濃度及び血清HDL(高密度リポタンパク質)-コレステロール濃度を測定した。
採取した血液を20分間室温で放置した後、4℃、1,700×g(3000 rpm)で20分間遠心し、上清を回収した。得られた血清は各分析に供するまで-80℃で保存した。
得られた血清中の総コレステロール濃度を、コレステロールE-テストワコー(コレステロールオキシダーゼ・DAOS法、和光純薬工業)を用いて測定した。また、HDL-C・2「第一」(リンタングステン酸マグネシウム沈殿法、第一化学薬品)を用いて血清からHDL画分を分画した後、コレステロールE-テストワコーを用いて血清HDL-コレステロール濃度を測定した。
また、採取した肝臓、並びに睾丸、腎臓及び腸間膜周辺脂肪組織の重量を測定し、さらに、採取した肝臓を用いて、以下のように、肝臓総コレステロール濃度を測定した。
採取した肝臓0.5 gにメタノール15 ml及びクロロホルム30 mlを加えて、ホモジスターラー(GTR-1000型、IWAKI)でホモジナイズし、メスフラスコに移した後、40℃で60分間インキュベートし、その後常温に戻るまで放冷した。その後、メタノール:クロロホルム(体積比1:2)をメスフラスコに加えて50 mlまでフィルアップし、これをろ過して、総脂質抽出液を得た。
コレステロール無添加群の総脂質抽出液を0.5 ml、コレステロール添加群の総脂質抽出液を0.2 ml採取し、各々ドライアップした。その後、各々にイソプロパノールを50 μl加えて撹拌し、脱イオン水を10 μl加え、コレステロールE-テストワコーを用いて肝臓総コレステロール濃度を測定した。
なお、本研究は「福岡工業大学における小動物実験に関する規程」、「崇城大学動物実験指針」及び「動物実験の飼養及び保管等に関する基準」(昭和55年3月総理府告示第6号)に則して実施した。
結果を表2~4並びに図4及び図5に示す。データは平均値±標準誤差で示し、二因子分散分析により検定を行った。交互作用の認められたパラメーターについては、Tukey-Kramer法による多重比較を行った。
Figure 2022169385000003
Figure 2022169385000004
Figure 2022169385000005
タモギタケの摂取は、終体重、体重増加量、平均摂食量及び食餌効率に影響しなかった(表2)。このことから、タモギタケの摂取は、ラットの成長に影響しないと考えられた。一方、肝臓重量は、コレステロールの摂取により増加したが、タモギタケの摂取によりその増加量は低下した(表2)。このことから、タモギタケは脂肪肝の発生を抑制したと考えられた。
また、血清総コレステロール濃度は、コレステロール添加食摂取により増加したが、その増加量はタモギタケ摂取により低下した(図4及び表3)。このことから、タモギタケ摂取により血清総コレステロール濃度が低下することが示された。
一方、血清HDL-コレステロール濃度及び血清中の総コレステロールに対するHDL-コレステロールの割合においては、タモギタケ摂取の影響は認められなかった(表3)。血清コレステロールは、主にHDL-コレステロール、LDL-コレステロール、VLDL-コレステロールとして存在しているが、血清HDL-コレステロール濃度はタモギタケ摂取の影響を受けておらず、摂食直後ではないため血清VLDL-コレステロール濃度は低いと考えられることから、上述のタモギタケ摂取による血清総コレステロール濃度の低下は、血清LDL-コレステロール濃度の低下に起因するものであること(即ち、タモギタケ摂取により血清LDL-コレステロール濃度が低下すること)が示された。
さらに、肝臓総コレステロール濃度は、コレステロール添加食摂取により増加したが、その増加量はタモギタケ摂取により大幅に低下した(図5及び表4)。この結果から、タモギタケ摂取により、肝臓総コレステロール濃度も低下することが示された。
[実施例6]ラットにおけるタモギタケ摂取によるインスリン節約効果
実施例5で得られたラットの血清を用いて、血清グルコース濃度及び血清インスリン濃度を測定した。
血清グルコース濃度は、グルコースCII-テストワコー(富士フィルム和光純薬、ムタロターゼ・GOD法)を用いて以下のように測定した。96ウェルマイクロプレートの各ウェルに血清2μlまたはブドウ糖標準液2μlを加え、さらに発色試液を300μlずつ添加してよく混合し、室温で5分間放置した後、波長595nmで吸光度を測定した。ブドウ糖標準液の吸光度から作成した回帰直線(検量線)に基づき、血清の吸光度に対応するグルコース濃度を求めた。
血清インスリン濃度は、ラットインスリン測定キット(森永生科学研究所、マイクロプレートを使用したサンドイッチELISA法)を用いて以下のように測定した。
抗体固相化プレートの各ウェルにモルモット抗インスリン血清を95 μLずつ分注し、各ウェルに標準曲線用インスリン溶液又は血清を5 μLずつ分注し、4℃で一晩(16~20時間)静置した。その後、ウェル内の溶液を除去し、300 μlの洗浄液で3回洗浄し、各ウェルに酵素標識抗モルモットIgG抗体溶液を100 μlずつ分注した。プレートに蓋をして常温で1時間静置して反応させた。その後、ウェル内の溶液を除去し、300 μlの洗浄液で5回洗浄した。各ウェルに酵素基質溶液を100 μlずつ分注した。プレートに蓋をして遮光下、常温で30分間静置して反応させた。各ウェルに反応停止液を100 μlずつ分注しプレートリーダーで450 nmにおける吸光度を測定した。標準曲線用インスリン溶液の吸光度から標準曲線を作成し血清中のインスリン濃度を求めた。
なお、動物の飼育及び解剖は福岡工業大学で行い、動物実験委員会の承認を得て規定に従い適切に遂行した。
結果を以下の表5に示す。統計処理は、食餌中のコレステロール有無及びタモギタケ有無を因子とする二因子分散分析(二因子ANOVA)を行い、交互作用が認められた場合は、さらにTukey-Kramer法による多重比較を行った。
Figure 2022169385000006
二因子分散分析の結果、血清グルコース濃度においては、コレステロールによる影響もタモギタケによる影響も認められなかった(表5)。
一方、血清インスリン濃度においては、コレステロールの摂取による有意な低下が認められた。また、コレステロール無添加群においては、タモギタケの摂取による有意な血清インスリン濃度の低下が認められた(表5)。
これらの結果から、タモギタケの摂取によって血清グルコース濃度は変化しないが、コレステロール無添加群(即ち、正常な血清コレステロール濃度及び肝臓コレステロール濃度を有する群)において血清インスリン濃度は低下すること、即ち、インスリン感受性が向上することが示された。
[実施例7]マウスにおけるタモギタケ摂取によるインスリン節約効果
4週齢の体重13~16gのC57BL/6JJcL雄マウス(日本クレア株式会社)をコントロール群(n=6)、タモギタケ群(n=6)及びエルゴチオネイン群(n=6)に分け、各群に、AIN-76の組成に準じた飼料にコレステロール及びコール酸ナトリウムを添加した飼料、又はそれにタモギタケの乾燥粉末(都夢創)若しくはエルゴチオネイン(雪国まいたけ)を添加した飼料(表6)を与え、4週間飼育した。飼育中、マウスには飼料及び水を自由に与えた。
Figure 2022169385000007
飼育期間終了後、飼料及び水を取り除き、摂食下で、ヘパリン処理したシリンジを用いマウスの腹部大動脈より採血した。採取した血液を3000rpmで20分間遠心して血清を取得し、分析に用いるまで-80℃で保存した。この血清を用いて血清グルコース濃度及び血清インスリン濃度を測定した。
血清グルコース濃度は、グルコースCII-テストワコー(富士フィルム和光純薬、ムタロターゼ・GOD法)を用いて以下のように測定した。
96ウェルマイクロプレートの各ウェルに血清2μlまたはブドウ糖標準液2μlを加え、さらに発色試液を300μlずつ添加してよく混合し、室温で5分間放置した後、波長505nmで吸光度を測定した。ブドウ糖標準液の吸光度から作成した回帰直線(検量線)に基づき、血清の吸光度に対応するグルコース濃度を求めた。
血清インスリン濃度は、マウスインスリン測定キット(森永生科学研究所)を用いて、以下に述べるように測定した。
抗体固相化プレートの各ウェルにモルモット抗インスリン血清を95 μLずつ分注し、各ウェルに標準曲線用インスリン溶液又は血清を5 μLずつ分注し、4℃で一晩静置した。その後、ウェル内の溶液を除去し、300 μlの洗浄液で3回洗浄し、各ウェルに酵素標識抗モルモットIgG抗体溶液を100 μlずつ分注した。プレートに蓋をして常温で1時間静置して反応させた。その後、ウェル内の溶液を除去し、300 μlの洗浄液で5回洗浄した。各ウェルに酵素基質溶液を100 μlずつ分注した。プレートに蓋をして遮光下常温で30分間静置して反応させた。各ウェルに反応停止液を100 μlずつ分注しプレートリーダーで450 nmにおける吸光度を測定した。標準曲線用インスリン溶液の吸光度から標準曲線を作成し血清中のインスリン濃度を求めた。
結果を以下の表7に示す。
Figure 2022169385000008
Dunnettによる3群間検定の結果、血清グルコースの濃度においては群間に有意な差は見られなかった(表7)。一方、血清インスリン濃度は、コントロール群に対してタモギタケ群で大きく低下する傾向を示し、エルゴチオネイン群で有意に低下した(表7)。これらの結果から、タモギタケ又はその成分であるエルゴチオネインの摂取によって血清グルコース濃度は変化しないが、血清インスリン濃度は低下すること、即ちインスリン感受性が向上することが示された。
[実施例8]マウスにおけるタモギタケ摂取による脂質代謝改善効果
実施例7に記載の材料及び方法に従って、C57BL/6JJcL雄マウスを4週間飼育した。
飼育期間終了後、マウスを解剖して肝臓を採取し、実施例5に記載の方法に従って肝臓総コレステロール濃度を測定した。
また、飼育終了前4日分の糞を採取し、その重量を測定した。その後、採取した糞を粉末状にすり潰し、エタノール及びメタノール:クロロホルム=1:1混液で総脂質を抽出し、総胆汁酸-テストワコー(和光純薬工業)を用いて糞中の総胆汁酸の含有量(総胆汁酸排泄量)を測定した。
肝臓総コレステロール濃度の測定結果を以下の表8に示す。
Figure 2022169385000009
Dunnettによる3群間検定の結果、肝臓総コレステロール濃度は、コントロール群に対してタモギタケ群で有意に低下し、エルゴチオネイン群では有意に増加した(表8)。この結果から、マウスにおいてもタモギタケ摂取により肝臓総コレステロール濃度が低下すること、エルゴチオネインはこのようなタモギタケの肝臓総コレステロール濃度低下作用には関与しないことが示された。
糞重量及び総胆汁酸排泄量の測定結果を以下の表9に示す。
Figure 2022169385000010
Dunnettによる3群間検定の結果、糞重量及び糞中への総胆汁酸排泄量に対するタモギタケ及びエルゴチオネイン摂取の影響は観察されなかった(表9)。この結果から、タモギタケは、糞中への胆汁酸排泄を促進するというよりも、肝臓におけるコレステロール合成を低下させること等によって、肝臓総コレステロール濃度を低下させることが示された。

Claims (10)

  1. タモギタケ又はその処理物を有効成分として含む、脂質代謝改善剤。
  2. ステロイドの代謝を改善するための、請求項1に記載の脂質代謝改善剤。
  3. 血清総コレステロール濃度、血清LDL-コレステロール濃度、及び肝臓総コレステロール濃度のうち少なくとも1つを低下させるための、請求項1又は2に記載の脂質代謝改善剤。
  4. 前記処理物が乾燥物である、請求項1~3のいずれか1項に記載の脂質代謝改善剤。
  5. 前記処理物が抽出物である、請求項1~4のいずれか1項に記載の脂質代謝改善剤。
  6. タモギタケ又はその処理物がエルゴチオネイン及びポリフェノールを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の脂質代謝改善剤。
  7. 血清総コレステロール濃度、血清LDL-コレステロール濃度、及び肝臓総コレステロール濃度のうち少なくとも1つを低下させるとともに、インスリン感受性を向上させるための、請求項1~6のいずれか1項に記載の脂質代謝改善剤。
  8. 肥満、脂肪肝、脂質異常症、動脈硬化若しくはメタボリックシンドロームを治療若しくは予防するための、又は糖尿病を予防するための、請求項1~7のいずれか1項に記載の脂質代謝改善剤。
  9. 経口投与用の、請求項1~8いずれか1項に記載の脂質代謝改善剤。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の脂質代謝改善剤を含む、脂質代謝を改善するための飲食品又は医薬品。
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