JPWO2004100936A1 - 治療剤 - Google Patents

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Abstract

インスリン様作用を有する特定の化合物、その誘導体および薬理学的に許容されるその塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とする、インスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療剤または予防剤、インスリン様作用剤、食品、飲料または飼料、細胞へのグルコース取り込み促進剤、脂肪細胞への分化誘導剤。

Description

本発明は、生体内でインスリンが関連する疾病、例えば糖尿病や肥満症等の治療または予防に有用な医薬、食品、飲料又は飼料に関する。
インスリンは、哺乳動物の正常な炭水化物、タンパク質、及び脂肪代謝に必要なホルモンである。I型糖尿病のヒトは、生命を支えるホルモンであるインスリンが十分産生されないので、生存のために外部からのインスリン投与を必要とする。II型糖尿病のヒトは、インスリン産生量の不足、インスリン抵抗性などの要因による不適切な血液グルコース量の適切な量への制御のために、インスリンの投与やインスリン分泌促進薬の投与が必要となる。しかし、II型糖尿病のヒトの中でも、高インスリン血症やインスリン受容体異常、インスリン受容体の下流シグナルの異常などにより起こるインスリン抵抗性が要因の糖尿病患者については、インスリンやインスリン分泌促進薬を投与しても治療効果は見られないことがある。
近年、インスリンの副作用や上記の問題を解決するため、インスリンと同様の生理機能を有する物質(以下、インスリン様物質と称することもある)の開発が行われてきており、合成のベンゾキノン誘導体がインスリン様物質であること(例えば、国際公開第99/51225号パンフレット)、またシコン(紫根)由来のシコニンがインスリン様物質であること(例えば、Kamei R.他7名,Biochem.Biophys.Res.Commun.,2002年,Vol.292,P642−651)が判明している。これらのようなインスリン様物質は、I型糖尿病患者だけでなく、II型糖尿病患者、さらにはインスリン抵抗性が要因のII型糖尿病患者についても、インスリンと同様の生理活性を示すことにより症状を改善することが期待されている。
ポリゴディアールはジアルデヒドを有するセスキテルペンであり、ヤナギタデ等に含まれ、辛味を有することから、古くより香辛料として利用されている。ポリゴディアールの薬理作用としては抗白せん菌作用(例えば、特開昭63−156718号公報)、抗腫瘍作用(例えば、特開平3−25119号公報)、防かび作用(例えば、特開平7−135942号公報、特開平7−285820号公報)等が知られている。しかしながら、抗糖尿病作用や抗肥満作用等の、インスリン様作用についてはこれまで知られていない。
本発明の目的は、簡便に摂取可能な、食品素材、医薬品素材として適したインスリン様作用を有する物質を開発し、当該組成物もしくは物質を用いた、医薬、食品、飲料または飼料を提供することにある。
本発明を概説すると、本発明の第1の発明は、下記一般式(化1)で表される化合物、下記一般式(化2)で表される化合物、下記一般式(化3)で表される化合物、それらの誘導体及び薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とするインスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療剤又は予防剤に関する。
Figure 2004100936
(式中、点線を含む結合は単結合もしくは二重結合を示し、RとRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、ハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基を示し、Xは水素原子もしくは炭素原子を示す。Xが炭素原子を示す場合、当該炭素原子には水素原子、ハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、もしくは糖残基が付加していてもよく、また、Rが脂肪族基であれば、XとRとが一緒になって5〜9員環を形成してもよい。当該5〜9員環は共鳴構造を有するものであってもよい。さらに、一般式(化1)においてXおよびRを除く部分の構造を維持する限り、前記5〜9員環に隣接して1つもしくは複数の4〜6員環からなる多環構造を形成してもよく、当該多環構造には、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、ハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基および糖残基から選択される少なくとも1つの置換基が付加していてもよく、また、分子内にケトン構造および/またはエポキシ構造を含んでいてもよい。また、XとRとが一緒になって6員環を形成する場合、Rが脂肪族基であれば、さらにXとRとが一緒になって3員環を形成してもよい。)
Figure 2004100936
(式中、R’〜R’14はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基であるか、あるいはR’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’10、R’10とR’11、R’11とR’12、R’12とR’13、R’13とR’14、およびR’14とR’のうちの1つ以上が可能な範囲でそれぞれ炭素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子のうちの1つ以上を含有する環を形成してもよく、さらに前記の環にはエステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、ハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基が結合していてもよい。また、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’10とR’11、およびR’12とR’13のうちの1つ以上において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になってケトン構造を形成してもよい。)
Figure 2004100936
(式中、R’’〜R’’16はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基であるか、あるいはR’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’10、R’’10とR’’11、R’’11とR’’12、R’’12とR’’13、R’’13とR’’14、R’’14とR’’15、R’’15とR’’16、およびR’’16とR’’のうちの1つ以上が可能な範囲でそれぞれ炭素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子のうちの1つ以上を含有する環を形成してもよく、さらに前記の環にはハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基が結合していてもよい。また、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’10とR’’11、R’’12とR’’13、およびR’’14とR’’15のうちの1つ以上において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になってケトン構造を形成してもよい。)
上記一般式(化1)で表される化合物としては、例えば、下記一般式(化4)で表される化合物、下記一般式(化5)で表される化合物および下記一般式(化6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物が好適である。
Figure 2004100936
(式中、Yは0または1個の炭素原子を示す。Yが0個の炭素原子の場合、R’’’13とR’’’14は存在しない。R’’’とR’’’は互いに異なり、水素原子またはアルデヒド基を示す。R’’’がアルデヒド基を示す場合、結合aは単結合を示し、結合bは二重結合を示す。R’’’がアルデヒド基を示す場合、結合aは二重結合を示し、結合bは単結合を示す。R’’’〜R’’’15はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、または炭素数が1〜10の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を示す(ただし、R’’’は存在しない場合がある。)。また、R’’’とR’’’において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になって3員環を形成してもよい。また、R’’’とR’’’、R’’’とR’’’、R’’’とR’’’10、R’’’11とR’’’12、およびR’’’13とR’’’14のうちの1つ以上において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になってケトン構造を形成してもよく、および/またはエポキシの3員環構造を形成してもよい。)
Figure 2004100936
(式中、R’’’’とR’’’’は互いに異なり、水素原子またはアルデヒド基を示す。R’’’’がアルデヒド基を示す場合、結合a’は単結合を示し、結合b’は二重結合を示す。R’’’’がアルデヒド基を示す場合、結合a’は二重結合を示し、結合b’は単結合を示す。R’’’’〜R’’’’27はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、または炭素数が1〜10の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を示す(ただし、R’’’’は存在しない場合がある。)。また、R’’’’とR’’’’において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になって3員環を形成してもよい。また、R’’’’とR’’’’、R’’’’とR’’’’、R’’’’10とR’’’’11、R’’’’13とR’’’’14、R’’’’15とR’’’’16、R’’’’17とR’’’’18、R’’’’19とR’’’’20、R’’’’23とR’’’’24、およびR’’’’25とR’’’’26のうちの1つ以上において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になってケトン構造を形成してもよく、および/またはエポキシの3員環構造を形成してもよい。)
Figure 2004100936
(式中、R’’’’’〜R’’’’’はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、または炭素数が1〜10の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を示す。また、式中、右環に付加する2つのアルデヒド基は当該環中の隣接する炭素原子に付加する。)
上記一般式(化2)で表される化合物としては、当該化合物において、R’、R’、R’、R’およびR’14がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示すものが、上記一般式(化3)で表される化合物としては、当該化合物において、R’’、R’’、R’’、R’’およびR’’16がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示すものが、好適である。
上記一般式(化2)で表される化合物としてはまた、下記一般式(化7)で表される化合物が好適である。
Figure 2004100936
(式中、R’’’’’’〜R’’’’’’はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、メチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す。)
上記一般式(化3)で表される化合物としてはまた、下記一般式(化8)で表される化合物が好適である。
Figure 2004100936
(式中、R’’’’’’’〜R’’’’’’’はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、メチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す。)
さらに、上記一般式(化1)で表される化合物としては、ポリゴディアール、エピポリゴディアール、イソベレラル、12−エピ−スカララジアール、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド、およびミョーガジアールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物が、上記一般式(化2)で表される化合物としては、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、および4,6,7,8,9,9a−ヘキサハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−1(3H)−オンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物が、上記一般式(化3)で表される化合物としては、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、5,5a,6,7,8,9,9a,9b−オクタハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オン、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンカルボキシアルデヒド、および2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンカルボキシアルデヒドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物が、好適である。
本発明の第2〜5の発明は、それぞれ本発明の第1の発明の有効成分を含有することを特徴とするインスリン様作用剤、インスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療用又は予防用の食品、飲料又は飼料、細胞へのグルコース取り込み促進剤、脂肪細胞への分化誘導剤に関する。
本発明の第6の発明は、新規化合物3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール又はその塩に関する。
本発明により、以上のような、インスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療用又は予防用の医薬、食品、飲料、飼料等が提供される。該医薬は糖尿病または肥満症等のインスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療剤又は予防剤として有用である。また、該食品又は飲料によれば、日常の飲食品として摂取することにより、インスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の症状改善等が可能となる。従って、本発明で使用される化合物を含有する飲食品は機能性飲食品といえ、そのインスリン様作用により、生体の恒常性の維持に有用ある。また、本発明の飼料によっても同様の効果が期待できる。
第1図は、ポリゴディアールのグルコース取り込み促進作用を示す図である。
第2図は、12−エピ−スカララジアールのグルコース取り込み促進作用を示す図である。
第3図は、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒドのグルコース取り込み促進活性を示す図である。
第4図は、化合物(P001)のH NMRスペクトルを示す図である。
第5図は、化合物(P001)による脂肪細胞への分化誘導作用を示す図である。
第6図は、化合物(P002)のH NMRスペクトルを示す図である。
第7図は、化合物(P002)による脂肪細胞への分化誘導作用を示す図である。
第8図は、化合物(P003)のH NMRスペクトルを示す図である。
第9図は、化合物(P003)による脂肪細胞への分化誘導作用を示す図である。
第10図は、化合物(P004)のH NMRスペクトルを示す図である。
第11図は、化合物(P004)のグルコース取り込み促進作用を示す図である。
第12図は、化合物(P004)による脂肪細胞への分化誘導作用を示す図である。
第13図は、化合物(P005)のH NMRスペクトルを示す図である。
第14図は、化合物(P005)による脂肪細胞への分化誘導作用を示す図である。
第15図は、化合物(P006)のH NMRスペクトルを示す図である。
第16図は、化合物(P006)による脂肪細胞への分化誘導作用を示す図である。
第17図は、化合物(P007)のH NMRスペクトルを示す図である。
第18図は、化合物(P007)による脂肪細胞への分化誘導作用を示す図である。
第19図は、化合物(P008)のH NMRスペクトルを示す図である。
第20図は、化合物(P008)による脂肪細胞への分化誘導作用を示す図である。
第21図は、ポリゴディアールとインスリンによるグルコース取り込み促進相乗作用を示す図である。
第22図は、ポリゴディアールによるグルコース取り込み促進作用のサイトカラシンBによる阻害を示す図である。
第23図は、化合物(P003)のグルコース取り込み促進作用を示す図である。
第24図は、イソベレラルのグルコース取り込み促進作用を示す図である。
第25図は、エピポリゴディアールのグルコース取り込み促進作用を示す図である。
本発明により提供される医薬、食品、飲料または飼料等は、上記一般式(化1)で表される化合物、上記一般式(化2)で表される化合物、上記一般式(化3)で表される化合物、それらの誘導体および薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分とする。以下に述べるような本発明の所望の効果の発現は、当該有効成分により発揮されるインスリン様作用に基づくものである。
本発明においてインスリン様作用とは、インスリンの有する生理活性のうち少なくとも1つを示すものであれば特に限定はなく、例えば、細胞における糖、アミノ酸の取り込み促進、グリコーゲン、タンパク質合成及び分解抑制などの代謝調節作用が例示される。また、インスリン様作用の有無については、後述の実施例1又は5に記載の方法により簡便に測定することができる。
本明細書においてハロゲン基としては、特に限定されるものではないが、例えばフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、ヨードシル基、ヨージル基、ジクロロヨード基等が挙げられる。
アシル基としては、特に限定されるものではないが、例えばアルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセチル基、アロイル基等が挙げられる。
エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基としては、特に限定するものではないが、例えば水酸基、メトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基、ベンジルオキシ基、テトラハイドロピラニルオキシ基、プレニルオキシ基、ゲラニルオキシ基、ファルネシルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、ベンジルカルボニルオキシ基、シクロヘキセニルカルボニルオキシ基、2、4、6−オクタトリエノイルオキシ基、p−クマロイルオキシ基、2−アセトキシデカノイルオキシ基、2−ハイドロキシデカノイルオキシ基、2−ハイドロキシオクタノイルオキシ基、2−ハイドロキシノナノイルオキシ基、3−ハイドロキシブタノイルオキシ基、2−ヘキセノイルオキシ基等が挙げられる。
脂肪族基とは、任意の官能基(置換基を含む)が付加していてもよい、飽和もしくは不飽和の直鎖、分枝鎖もしくは環状の炭化水素基をいう。ここで炭化水素基としては、特に限定はないが、好適には炭素数が1〜30の直鎖状アルキル基、分枝状アルキル基、直鎖状アルケニル基、分枝状アルケニル基、環状アルキル基等の炭化水素基が例示される。さらに、これらの脂肪族基に上記のエステル化もしくはエーテル化されても良い水酸基、ハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基が付加したものや分子内にエポキシ構造やケトン構造を含むものも本明細書においては脂肪族基に包含される。
すなわち、本明細書において脂肪族基としては、たとえば、メチル基、メチレン基(CH=)、カルボキシメチル基、アセトキシメチル基、ハイドロキシメチル基、エチル基、エチレン基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、エテニル基、アリル基、トランス−1−プロペニル基、シス−1−プロペニル基、メチルブチル基、プレニル基、イソヘキセニル基、ゲラニル基、ファルネシル基、イソプロペニル基、シス−1−メチル−1−プロペニル基、トランス−1−メチル−1−プロペニル基、トランス−1−メチル−1−プロペニル基、トランス−1−エチル−1−プロペニル基、アダマンチル基、(2,2−ジメチル−6−メチレンシクロヘキシル)メチル基、(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセニル)メチル基、1,5−ジメチル−4−ヘキセニル基、1−(アセトキシメチル)−5−メチル−4−ヘキセニル基、1−ホルミル−2−(2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエニル)−シクロプロピル基、1−ホルミルビニル基、1,4−ジメチル−3−ヘキセニル基、4−ハイドロキシ−4−メチル−2−ペンテニル基、5−ハイドロキシ−4−メチル−3−ヘキセニル基、3,4−ジメチル−4−ペンテニル基、2−メチレン−5,5,8a−トリメチルパーハイドロ−1−ナフチルメチル基、2,2−(エポキシメタノ)−5,5,8a−トリメチルパーハイドロ−1−ナフチルメチル基、1,2,4a,5−テトラメチル−1,2,3,4,4a,7,8,8a−オクタハイドロ−1−ナフチルメチル基、5−メチレン−1,2,4a−トリメチルパーハイドロ−1−ナフチルメチル基、7−ハイドロキシ−3,7−ジメチル−1,3,5−オクタトリエニル基、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−4−イニル基が例示される。
なお、脂肪族基がメチレン基(CH=)である場合は、同一炭素原子に付加する2つの官能基が一緒になって当該基を形成する。
前記一般式(化4)〜(化6)における炭素数が1〜10の飽和もしくは不飽和の炭化水素基としては、特に限定はないが、例えば、メチル基、メチレン基(CH=)、エチル基、エチレン基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、プレニル基、イソヘキセニル基、メチルブチル基、ゲラニル基、1,4−ジメチル−3−ヘキセニル基、4−ハイドロキシ−4−メチル−2−ペンテニル基、5−ハイドロキシ−4−メチル−3−ヘキセニル基、3,4−ジメチル−4−ペンテニル基等が例示される。
また、芳香族基としては、たとえば、フェニル基、フリル基、チエニル基、ナフチル基、ビフェニル基の他、ピロリル基、ピリジル基、インドリル基、イミダゾリル基、トリル基、キシリル基などが挙げられる。また、これらの芳香族基にエステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基やハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基等が付加した化合物も本明細書においては芳香族基に包含される。
芳香脂肪族基としては、炭素数が1〜20である飽和もしくは不飽和の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素基(脂肪族部分)を有する芳香脂肪族基が例示され、例えばアルキル基の炭素数が1〜20であるフェニルアルキル基(例、ベンジル基、フェネチル基)、2−フェニルビニル基、2−(4−ハイドロキシフェニル)ビニル基、2−(2−フリル)ビニル基、2−(2−チエニル)ビニル基、4−フェニル−1,3−ブタジエニル基、スチリル基、シンナミル基などが挙げられる。また、これらの芳香脂肪族基にエステル化もしくはエーテル化されていても良い水酸基やハロゲン基、アシル基、ニトロ基、アミノ基、ハイドロペルオキシ基が付加したものも本明細書においては芳香脂肪族基に包含される。
糖残基を構成する糖としては、たとえば、グルコース、スレオース、リボース、アピオース、アロース、ラムノース、アラビノピラノース、リブロース、キシロース、ガラクトース、3,6−アンハイドロガラクトース、マンノース、タロース、フコース、フルクトース、グルクロン酸、ガラクツロン酸等の単糖、ゲンチオビオース、ネオヘスペリドース、ルチノース、アガロビオース、イソマルトース、スクロース、キシロビオース、ニゲロース、マルトース、ラクトース等の二糖、アガロース、フコイダン、デンプン等の多糖由来のオリゴ糖、およびアガロース、フコイダン、デンプン等の多糖等が挙げられる。また、糖残基としては、糖がO−、N−、S−、またはC−グリコシド結合した化合物の他に、糖の還元末端以外の炭素とC−C結合により結合した化合物をも含む。また、これらの糖残基にエステル化もしくはエーテル化されていても良い水酸基や、ハロゲン基、アシル基、ニトロ基、アミノ酸、ハイドロペルオキシ基、硫酸基、リン酸基等が付加したものも本明細書においては糖残基に包含される。
本発明の上記一般式(化1)で表される化合物には、XとRとが一緒になって5〜9員環を形成し、さらに当該5〜9員環に隣接して1つもしくは複数の4〜6員環からなる多環構造を形成してなる化合物が含まれるが、当該5〜9員環が共鳴構造を有する場合、例えば、ベンゼン環の場合も上記一般式(化1)を満たすものとする。
なお、本明細書において、一般式の説明における「可能な範囲で」とは、天然に存在し得るか、または人工的に合成可能な範囲であることを意味する。
本発明において、上記一般式(化1)で表される化合物としては、好ましくは構造中に1〜5個の5員環又は6員環を含む化合物が例示され、さらに好適には上記一般式(化4)〜(化6)で表される化合物が例示される。
上記一般式(化4)で表される化合物において、当該化合物がケトン構造又はエポキシの3員環構造を含む場合、当該ケトン構造又はエポキシ構造は、R’’’とR’’’、及び/又はR’’’13とR’’’14が、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になって形成されているのが好ましい。
上記一般式(化5)で表される化合物において、当該化合物がケトン構造又はエポキシの3員環構造を含む場合、当該ケトン構造又はエポキシ構造は、R’’’’25とR’’’’26が、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になって形成されているのが好ましい。
上記一般式(化4)において、特に好適にはYは1つの炭素原子を示し、R’’’はアルデヒド基を示し、R’’’は水素原子を示し、結合aは単結合を示し、結合bは二重結合を示す化合物であるか、もしくはYが0個の炭素原子を示し、R’’’は水素原子を示し、R’’’はアルデヒド基を示し、結合aは二重結合を示し、結合bは単結合を示す化合物が例示される。また、R’’’は水素原子を示し、R’’’はアルデヒド基を示し、結合aは二重結合を示し、結合bは単結合を示し、R’’’とR’’’において、それらが結合し、ている環中の炭素原子と共に一緒になって3員環を形成する化合物が例示される。
また、上記一般式(化5)において、特に好適にはR’’’’はアルデヒド基を示し、R’’’’は水素原子を示し、結合a’は単結合を示し、結合b’は二重結合を示す化合物が例示される。
なお、本発明者らは上記一般式(化1)で表される化合物が、特に強力な細胞へのグルコース取り込み促進作用を有することを見出したことから、上記一般式(化1)で表される化合物は本発明において有効成分として使用される化合物の最も好適な形態を示すものである。
また、本発明において、上記一般式(化1)で表される化合物としては、下記式(化9)〜式(化13)で表される化合物が例示される。
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上記式(化9)で表される化合物には2つの光学異性体(ポリゴディアールとエピポリゴディアール)が存在するが、本発明においてはいずれの化合物も使用することができる。ポリゴディアールは、下記式(化21)で表される化合物をジクロロメタン中、塩化オキサリルとジメチルスルホキシドを用いて酸化(Swern酸化)することにより得ることができる。また、エピポリゴディアールは、ポリゴディアールを無水炭酸カリウム存在下、テトラハイドロキシフランと共に加熱処理することにより得ることができる。さらにポリゴディアールおよびエピポリゴディアールは、例えばヤナギタデ等から常法にしたがって抽出し、精製することにより得ることができる。
また、上記式(化10)で表される化合物(イソベレラル)はチチタケ属きのこ、例えば、ケシロハツから常法に従って抽出、精製することにより得ることができる。
また、上記式(化11)で表される化合物(12−エピ−スカララジアール)は、海綿動物(例えばCacospongia mollior)より常法にしたがって抽出し、精製することにより得ることができる。
また、上記式(化13)で表される化合物(ミョーガジアール)は、ショウガ科植物、例えばミョウガから常法にしたがって抽出し、精製することにより得ることができる。
また、上記式(化9)で表される化合物、上記式(化10)で表される化合物、上記式(化11)で表される化合物、上記式(化12)で表される化合物(ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド)は、市販されている化合物をそのまま使用することができる。
本発明において、上記一般式(化2)で表される化合物としては、例えば、式(化2)において、R’、R’、R’、R’及びR’14がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、アセトキシメチル基、ハイドロキシメチル基、およびメトキシカルボニル基のいずれかを示す化合物が例示され、特に好適には、上記一般式(化7)で表される化合物が例示される。上記一般式(化7)において、特に好適にはR’’’’’’、R’’’’’’及び’’’’’’としては、いずれもメチル基である化合物が例示される。
また、本発明において、上記一般式(化2)で表される化合物としては、下記式(化14)〜(化18)で表される化合物が例示される。
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例えば上記式(化14)で表される化合物、すなわち3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルは、1−ビニル−2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセンとジメチルアセチレンジカルボキシレートとを110℃で反応させることにより得ることができる。なお、上記式(化14)で表される化合物を、本明細書中では化合物(P001)と称することがある。
上記式(化15)で表される化合物は、上記式(化14)で表される化合物をメタノール中、ナトリウムメトキシドで処理することにより得ることができる。
上記式(化16)で表される化合物、すなわち3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノールは、上記式(化14)で表される化合物を無水エーテル中、水素化リチウムアルミニウムで処理することにより得ることができる。なお、上記式(化16)で表される化合物を、本明細書中では化合物(P002)と称することがある。
上記式(化17)で表される化合物は、上記式(化16)で表される化合物をジクロロメタン中、塩化オキサリルとジメチルスルホキシドを用いて酸化(Swern酸化)することにより得ることができる。
上記式(化18)で表される化合物、すなわち4,6,7,8,9,9a−ヘキサハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−1(3H)−オンは、上記式(化16)で表される化合物をジクロロメタン中で15モル等量の過マンガン酸バリウムと反応させることにより得ることができる。なお、上記式(化18)で表される化合物を、本明細書中では化合物(P003)と称することがある。
本発明において、上記一般式(化3)で表される化合物としては、例えば、式(化3)において、R’’、R’’、R’’、R’’及びR’’16がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、アセトキシメチル基、ハイドロキシメチル基、およびメトキシカルボニル基のいずれかを示す化合物が例示され、特に好適には、上記一般式(化8)で表される化合物が例示される。上記一般式(化8)において、特に好適にはR’’’’’’’、R’’’’’’’及びR’’’’’’’としては、いずれもメチル基である化合物が例示される。
また、本発明において、上記一般式(化3)で表される化合物としては、下記式(化19)〜式(化25)で表される化合物が例示される。
Figure 2004100936
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例えば上記式(化19)で表される化合物、すなわち1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステルは、上記式(化14)で表される化合物を触媒量の塩酸を含むメタノール中、パラジウムカーボンを触媒とした加圧水素還元(1気圧)することにより得ることができる。なお、上記式(化19)で表される化合物を、本明細書中では化合物(P004)と称することがある。
上記式(化20)で表される化合物は、上記式(化19)で表される化合物を、メタノール中、ナトリウムメトキシドで処理することにより得ることができる。
上記式(化21)で表される化合物、すなわち1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノールは、上記式(化19)で表される化合物を無水エーテル中、水素化リチウムアルミニウムで処理することにより得ることができる。なお、上記式(化21)で表される化合物を、本明細書中では化合物(P005)と称することがある。
上記式(化22)で表される化合物、すなわち5,5a,6,7,8,9,9a,9b−オクタハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オンは、上記式(化21)で表される化合物をジクロロメタン中、10〜20モル等量の過マンガン酸バリウムで処理することにより得ることができる。なお、上記式(化22)で表される化合物を、本明細書中では化合物(P006)と称することがある。
上記式(化23)で表される化合物は、上記式(化21)で表される化合物をジクロロメタン中、1〜2モル等量の過マンガン酸バリウムで処理することにより得ることができる。
上記式(化24)で表される化合物、すなわち1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンカルボキシアルデヒドは、上記式(化21)で表される化合物をt−ブチルジメチルシリル(TBDMS)化後、アセチル化し、TBDMS基を脱保護することで得られた、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンメタノールを二酸化マンガンで酸化することにより得ることができる。なお、上記式(化24)で表される化合物を、本明細書中では化合物(P007)と称することがある。
上記式(化25)で表される化合物、すなわち2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンカルボキシアルデヒドは、上記式(化21)で表される化合物をt−ブチルジメチルシリル(TBDMS)化後、アセチル化し、TBDMS基を脱保護することで得られた、2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンメタノールをクロロクロム酸ピリジニウムで酸化することにより得ることができる。なお、上記式(化25)で表される化合物を、本明細書中では化合物(P008)と称することがある。
なお、上記式(化9)で表される化合物、及び上記式(化11)で表される化合物は上記一般式(化3)にも包含される化合物であり、本発明においてより好適に使用することができる。
本発明で使用される化合物の誘導体としては、例えばエステルなど、体内で容易に加水分解し、所望の効果を発揮し得る誘導体(プロドラッグ)を調製可能である。また、テトラヒドロキシピラニル基等の保護基を水酸基に付加したものについても本発明で使用される化合物の誘導体に包含される。また、本発明の化合物をほ乳動物に投与して代謝されてできた誘導体も本発明の誘導体に包含される。かかるプロドラッグの調製は公知の方法に従えばよい。なお、かかる誘導体は、それらの塩であってもよい。
また、本発明に使用される化合物またはその誘導体の塩としては薬理学的に許容される塩が用いられる。また、プロドラッグとして機能し得る当該化合物の誘導体であってもよい。従って、本発明に使用される化合物は、本発明の所望の効果が得られ得る限り、その誘導体ならびにそれらの塩も包含するものである。また、本発明に使用される化合物の光学異性体、ケト−エノール互変異性体、幾何異性体などの各種異性体、各異性体の単離されたものであっても、インスリン様作用を有する限り、全て本発明において使用することができる。
本明細書に記載の化合物の薬理学的に許容される塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機塩基との塩などが例示される。なお、本発明において使用される薬理学的に許容される塩とは生物に対して実質的に無毒であって、かつインスリン様作用を有する化合物の塩を意味する。当該塩としては、たとえば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムまたはプロトン化されたベンザチン(N,N′−ジ−ベンジルエチレンジアミン)、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグラミン(N−メチルグルカミン)、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ピペラジンもしくはトロメタミン(2−アミノ−2−ハイドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)等の塩が挙げられる。
なお、本発明において使用される化合物を、本発明の有効成分と称し、本発明の有効成分を含有するインスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療剤又は予防剤を本発明の治療剤又は予防剤と称することがある。
本発明の有効成分の1つであるポリゴディアールについては、タデ科植物、たとえばヤナギタデから公知の方法で分画するか、もしくは当該有効成分を高濃度に含む画分を本発明の有効成分として使用することもできる。また、本発明の有効成分の1つである12−エピ−スカララジアールについては、海綿動物から公知の方法で分画するか、もしくは当該有効成分を高濃度に含む画分を本発明の有効成分として使用することもできる。上記の分画手段としては、抽出、分別沈殿、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等が挙げられる。得られた画分の精製を、下記実施例1及び5に例示されるとおり細胞へのグルコース取り込み促進作用や脂肪細胞への分化誘導作用、すなわちインスリン様作用を指標としてさらに進めることにより、当該有効成分を単離することもできる。
本発明の有効成分には、後述するように特に毒性は認められない。また、副作用の発生の心配もない。それゆえ、安全かつ適切に疾患の治療又は予防を行うことができる。従って、当該有効成分を含んでなる本発明の治療剤、予防剤、食品、飲料または飼料は、インスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療または予防に有効である。
また、本発明において、インスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患としては、血中のインスリンレベルの変化、インスリンもしくはインスリン受容体の活性のレベルの変化、インスリン受容体の下流シグナルの異常、及びそれらの組み合わせから選択される因子によって特徴づけられる疾患が挙げられ、例えば、糖尿病、肥満症、高血圧、動脈硬化、コカイン禁断症状、鬱血性心不全、心臓血管痙攣、大脳血管痙攣、クロム親和性細胞腫、神経節神経芽腫、ハンチントン病、高脂血症、高インスリン血症が例示される。糖尿病としては、I型糖尿病、II型糖尿病のいずれもが例示される。また、II型糖尿病としては、インスリンやインスリン分泌促進薬を投与しても治療効果の見られないようなインスリン抵抗性が要因の疾患についても包含される。
また、インスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患は、その発症段階において、インスリン産生量が不足していたり、あるいはインスリン抵抗性が原因となってインスリンによる作用が不十分となることが多い。本発明の有効成分はインスリン様作用を示すことによりインスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の発症を抑制することができることから、当該疾患の予防効果をも期待できるものである。
インスリン抵抗性の状態においてはインスリンによるインスリン受容体からの信号が阻害されており、インスリンの持つ多彩な機能が発揮されず、種々の代謝異常が生じる。本発明に使用される有効成分は実施例27に記載のとおり、インスリン抵抗性の症状に対してもインスリン様の効果を発揮することができる。すなわち、本発明の予防剤または治療剤を用いることで、インスリン抵抗性が要因の疾患、例えばインスリンやインスリン分泌促進薬を投与しても治療効果の見られないようなII型糖尿病に対しても治療もしくは予防効果を発揮することができる。また、本発明の有効成分は、血中インスリン量の低下効果をも発揮し得る。すなわち、本発明の医薬を、治療又は予防にインスリン量の低下を要する疾患の治療又は予防剤として使用することもできる。当該疾患としては、特に限定はないが、高インスリン血症やアルツハイマー病等が例示される。また、インスリン受容体を介する刺激と延命効果については密接な関係があるという報告もあることから(Science,vol.299,P572〜574(2003年);Nature,vol.424,P277〜284(2003年))、本発明の医薬を老化防止剤として使用することもできる。
インスリンは前駆脂肪細胞の脂肪細胞への分化誘導を促進することが知られており、また成熟した脂肪細胞ではグルコースを取り込み、細胞内にトリグリセリドが蓄積されることが知られている(J.Biol.Chem.,Vol.253,No.20,P7570〜7578(1978年))。すなわち、この方法を利用して、インスリンの代わりに被験物質を投与し、脂肪細胞への分化や細胞中のトリグリセリド量を測定することで、被験物質のインスリン様作用を測定することができる。
また、インスリンはグルコース取り込み促進作用が知られており、成熟した脂肪細胞ではインスリンの作用により細胞内へのグルコースの取り込みが促進されることが知られている(J.Biol.Chem.,Vol.253,No.20,P7579−7583(1978年))。すなわち、この方法を利用して、インスリンの代わりに被験物質を投与し、成熟脂肪細胞内へのグルコースの取り込み量を測定することで、被験物質のインスリン様作用を測定することができる。
本発明の治療剤または予防剤としては、本発明に係る前記有効成分を公知の医薬用担体と組み合わせて製剤化したものが挙げられる。本発明の治療剤または予防剤には、有効成分としての塩は薬理学的に許容され得る塩を用いる。また、本発明の治療剤または予防剤としては、前記有効成分を当該有効成分と同じ用途に使用可能な他の成分、例えば、公知のインスリン製剤、インスリン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤、食後過血糖改善剤、インスリン様作用剤などと配合することもできる。また、国際公開第04/014407号パンフレットに記載のインスリン様作用を有するセリ科植物由来の処理物と配合することもできる。
本発明の治療剤または予防剤の製造は、通常、前記有効成分を薬学的に許容できる液状または固体状の担体と配合することにより行われ、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤、通常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤とすることができる。また、使用前に適当な担体の添加によって液状となし得る乾燥品や、その他、外用剤とすることもできる。
医薬用担体は、治療剤または予防剤の投与形態および剤型に応じて選択することができる。固体組成物からなる経口剤とする場合は、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤等とすることができ、たとえば、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩などが利用される。また経口剤の調製に当っては、更に結合剤、崩壊剤、界面活性剤、潤沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料などを配合することもできる。たとえば、錠剤または丸剤とする場合は、所望によりショ糖、ゼラチン、ハイドロキシプロピルセルロースなどの糖衣または胃溶性もしくは腸溶性物質のフィルムで被覆してもよい。液体組成物からなる経口剤とする場合は、薬理学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤などとすることができ、たとえば、精製水、エタノールなどが担体として利用される。また、さらに所望により湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、防腐剤などを添加してもよい。
一方、非経口剤とする場合は、常法に従い本発明の前記有効成分を希釈剤としての注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、落花生油、大豆油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどに溶解ないし懸濁させ、必要に応じ、殺菌剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤などを加えることにより調製することができる。また、固体組成物を製造し、使用前に無菌水または無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
外用剤としては、経皮投与用または経粘膜(口腔内、鼻腔内)投与用の、固体、半固体状または液状の製剤が含まれる。また、座剤なども含まれる。たとえば、乳剤、ローション剤などの乳濁剤、外用チンキ剤、経粘膜投与用液剤などの液状製剤、油性軟膏、親水性軟膏などの軟膏剤、フィルム剤、テープ剤、パップ剤などの経皮投与用または経粘膜投与用の貼付剤などとすることができる。
以上の各種製剤は、それぞれ公知の医薬用担体などを利用して、適宜、常法により製造することができる。また、かかる製剤における有効成分の含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、好ましくは後述の投与量範囲で当該有効成分を投与できるような量であれば特に限定されるものではない。本発明の医薬中の有効成分の含有量としては、0.1〜100重量%程度である。
本発明の治療剤又は予防剤は、製剤形態に応じた適当な投与経路で投与される。投与方法も特に限定はなく、内用、外用および注射によることができる。注射剤は、たとえば静脈内、筋肉内、皮下、皮内などに投与し得、外用剤では、たとえば、座剤をその適する投与方法により投与すればよい。
本発明の治療剤または予防剤としての投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的および当該治療剤または予防剤の投与対象である患者の年齢、体重、症状によって適宜設定され一定ではない。一般には、製剤中に含有される前記有効成分の投与量で、例えば成人1日当り0.1μg〜10g/kg体重、好適には1μg〜5g/kg体重、さらに好適には10μg〜1g/kg体重である。もちろん投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、あるいは範囲を超えて必要な場合もある。投与は、所望の投与量範囲内において、1日内において単回で、または数回に分けて行ってもよい。投与期間も任意である。また、本発明の治療剤または予防剤はそのまま経口投与するほか、任意の飲食品に添加して日常的に摂取させることもできる。
また、本発明は前記有効成分を含むインスリン様作用剤を提供することもできる。当該インスリン様作用剤としては、前記有効成分そのものであってもよく、また、前記有効成分を含む組成物であってもよい。本発明の態様においては、有効成分としての塩は薬理学的に許容される塩が好適である。当該インスリン様作用剤は、たとえば、前記有効成分を当該有効成分と同じ用途に使用可能な他の成分、例えば、公知のインスリン製剤、インスリン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤、食後過血糖改善剤、インスリン様作用剤などと配合し、上記治療剤または予防剤の製造方法に準じて通常使用される試薬の形態に製造すればよい。また、国際公開第04/014407号パンフレットに記載のインスリン様作用を有するセリ科植物由来の処理物と配合することもできる。当該インスリン様作用剤における前記有効成分の含有量は、当該インスリン様作用剤の投与方法、使用目的などを考慮し、本発明の所望の効果の発現が得られ得るような量であればよく、特に限定されるものではない。本発明のインスリン様作用剤中の有効成分の含有量としては、0.1〜100重量%程度である。また、当該インスリン様作用剤の使用量も、本発明の所望の効果の発現が得られ得るようであれば特に限定されるものではない。特に、生体に投与して使用する場合には、好ましくは前記治療剤または予防剤における有効成分の投与量範囲内で有効成分を投与できるような量で使用すればよい。インスリン様作用剤は、インスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療または予防において有用である。また、当該インスリン様作用剤はインスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患に対する薬物のスクリーニングにも有用である。さらに当該インスリン様作用剤は、インスリンによる細胞への作用メカニズム研究や、その細胞の物理的変化に関する機能研究にも有用である。また、当該インスリン様作用剤は、血清やインスリン製剤のかわりに、もしくはそれらと共に細胞・組織・臓器培養用の培地に添加して使用することもできる。当該培地は血清やインスリン製剤を低減もしくは含まない細胞・組織・臓器培養用の培地として使用するのに非常に有用である。
また、本発明のインスリン様作用剤をヒトに投与することにより、血中インスリン量の低下を期待することができる。すなわち、本発明のインスリン様作用剤を、治療又は予防にインスリン量の低下を要する疾患の治療又は予防剤として使用することもできる。当該疾患としては、特に限定はないが、高インスリン血症やアルツハイマー病等が例示される。また、インスリン受容体を介する刺激と延命効果については密接な関係があるという報告もあることから(Science,vol.299,P572〜574(2003年);Nature,vol.424,P277〜284(2003年))、本発明のインスリン様作用剤を老化防止剤として使用することもできる。
本発明の有効成分には、後述するように特に毒性は認められない。また、副作用の発生の心配もない。それゆえ、安全かつ適切にインスリン様作用を生体内で発現させることができる。従って、当該有効成分を含んでなる本発明の医薬、食品、飲料または飼料は、インスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療または予防に有効である。
また、本発明は、前記有効成分を含有してなるインスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患に関与する疾患の治療用又は予防用の食品、飲料又は飼料を提供する。本発明の食品、飲料又は飼料に使用される有効成分の塩としては、薬理学的に許容される塩、またはそれと同等の安全性を有する塩が好適である。本発明の食品、飲料または飼料は、そのインスリン様作用により、インスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の症状改善、予防に極めて有用である。さらに、本発明の食品又は飲料は、血糖値を低下させる作用を有する、血糖値低下用の食品又は飲料であり、血糖値が気になる方や体脂肪が気になる方に対して有効な機能性食品又は飲料として有用である。
本発明の食品、飲料または飼料は、抗糖尿病作用を有することが知られている他の物質、例えば、公知のインスリン様作用物質、インスリン分泌促進作用を有する物質、インスリン抵抗性改善作用を有する物質、食後過血糖改善作用を有する物質などと配合することもできる。例えば、難消化性デキストリン等と配合することもできる。また、国際公開第04/014407号パンフレットに記載のインスリン様作用を有するセリ科植物由来の処理物と配合することもできる。
なお、本発明の食品、飲料または飼料において「含有」とは、含有、添加および/または希釈を意味する。ここで、「含有」とは食品、飲料または飼料中に本発明で使用される有効成分が含まれるという態様を、「添加」とは食品、飲料または飼料の原料に、本発明で使用される有効成分を添加するという態様を、「希釈」とは本発明で使用される有効成分に、食品、飲料または飼料の原料を添加するという態様をいうものである。
本発明の食品、飲料または飼料の製造法に特に限定はない。たとえば、配合、調理、加工などは一般の食品、飲料または飼料のものに従えばよく、それらの製造法により製造することができ、得られた食品、飲料または飼料にインスリン様作用を有する本発明に係る前記有効成分が含有されていれば良い。
本発明の食品または飲料としては特に限定はないが、たとえば、本発明に係る前記有効成分が含有されてなる、穀物加工品(小麦粉加工品、デンプン類加工品、プレミックス加工品、麺類、マカロニ類、パン類、あん類、そば類、麩、ビーフン、はるさめ、包装餅など)、油脂加工品(可塑性油脂、てんぷら油、サラダ油、マヨネーズ類、ドレッシングなど)、大豆加工品(豆腐類、味噌、納豆など)、食肉加工品(ハム、ベーコン、プレスハム、ソーセージなど)、水産製品(冷凍すりみ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、つみれ、すじ、魚肉ハム、ソーセージ、かつお節、魚卵加工品、水産缶詰、つくだ煮など)、乳製品(原料乳、クリーム、ヨーグルト、バター、チーズ、練乳、粉乳、アイスクリームなど)、野菜・果実加工品(ペースト類、ジャム類、漬け物類、果実飲料、野菜飲料、ミックス飲料など)、菓子類(チョコレート、ビスケット類、菓子パン類、ケーキ、餅菓子、米菓類など)、アルコール飲料(日本酒、中国酒、ワイン、ウイスキー、焼酎、ウオッカ、ブランデー、ジン、ラム酒、ビール、清涼アルコール飲料、果実酒、リキュールなど)、嗜好飲料(緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー、清涼飲料、乳酸飲料など)、調味料(しょうゆ、ソース、酢、みりんなど)、缶詰・瓶詰め・袋詰め食品(牛飯、釜飯、赤飯、カレー、その他の各種調理済み食品)、半乾燥または濃縮食品(レバーペースト、その他のスプレッド、そば・うどんの汁、濃縮スープ類)、乾燥食品(即席麺類、即席カレー、インスタントコーヒー、粉末ジュース、粉末スープ、即席味噌汁、調理済み食品、調理済み飲料、調理済みスープなど)、冷凍食品(すき焼き、茶碗蒸し、うなぎかば焼き、ハンバーグステーキ、シュウマイ、餃子、各種スティック、フルーツカクテルなど)、固形食品、液体食品(スープなど)、香辛料類などの農産・林産加工品、畜産加工品、水産加工品などが挙げられる。
本発明の食品または飲料は、前記有効成分が単独もしくは複数含有、添加および/または希釈されており、その含有量がインスリン様作用を発現するための必要量に相当するものであれば特にその形状に限定はなく、タブレット状、顆粒状、カプセル状等の形状の経口的に摂取可能な形状物も包含する。
本発明の食品又は飲料中の前記有効成分の含有量は特に限定されず、その官能と活性発現の観点から適宜選択できるが、例えば食品中、好ましくは0.00001重量%以上、より好ましくは0.0001〜10重量%、更に好適には0.0006〜6重量%であり、例えば、飲料中、好ましくは0.00001重量%以上、より好ましくは0.0001〜10重量%、更に好適には0.0006〜6重量%である。また本発明の食品又は飲料は、好ましくは、それらに含有される有効成分が、例えば成人1日当たり0.1μg〜10g/kg体重、好ましくは1μg〜5g/kg体重、さらに好ましくは10μg〜1g/kg体重となるように摂取すればよい。
また、本発明は、前記有効成分を含有、すなわち、含有、添加および/または希釈してなる、インスリン様作用を有する生物用の飼料を提供するものであり、さらに、別の一態様として、前記有効成分を生物に投与することを特徴とする生物の飼育方法をも提供する。また、本発明の別の一態様として、前記有効成分を含有することを特徴とする生物飼育用剤が提供される。
これらの発明において、生物とはたとえば養殖動物、ペット動物などであり、養殖動物としては家畜、実験動物、家禽、魚類、甲殻類または貝類が例示される。飼料としては体調の維持および/または改善用飼料が例示される。生物飼育用剤としては浸漬用剤、飼料添加剤、飲料用添加剤が例示される。
これらの発明によれば、それらを適用する前記例示するような生物において、本発明に使用される前記有効成分のインスリン様作用に基づき、本発明の前記治療剤または予防剤によるのと同様の効果の発現が期待できる。すなわち、本発明の飼料は、当該生物におけるインスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療または予防効果を発揮し得る。
本発明に使用される前記有効成分は通常、対象生物の体重1kg、1日当たり好ましくは0.01〜2000mg投与される。投与は、たとえば、当該有効成分を、対象生物に供する人工配合飼料の原料中に添加混合しておくか、人工配合飼料の粉末原料と混合した後、その他の原料にさらに添加混合することで行うことができる。また、前記有効成分の飼料中の含有量は特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定すれば良いが、0.001〜15重量%の割合が好適である。生物飼育用剤における本発明の有効成分の含有量も同程度とすればよい。
本発明の飼料の製造法に特に限定はなく、また配合も一般の飼料に準ずるものであればよく、製造された飼料中にインスリン様作用を有する本発明に係る前記有効成分が含まれていればよい。生物飼育用剤も同様にして調製することができる。
本発明が適用できる生物としては限定はないが、養殖動物としては、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、ラマなどの家畜、マウス、ラット、モルモット、ウサギなどの実験動物、ニワトリ、アヒル、七面鳥、駝鳥などの家禽、ペット動物としてはイヌ、ネコなどが挙げられ、広く適用できる。
本発明においては、例えば、インスリン様作用を有する本発明に使用される前記有効成分を含んでなる飼料を摂取させたり、またはインスリン様作用を有する本発明に使用される前記有効成分の含有液(例えば、前記浸漬剤を水に溶解させたもの)に対象生物を浸漬したりすることにより、家畜、実験動物、家禽、ペット動物などの体調を良好に維持し、または、改善させたりすることができる。なお、これらの態様は本発明における生物の飼育方法の一態様である。
また、本発明は前記有効成分を含む細胞へのグルコース取り込み促進剤を提供することもできる。当該グルコース取り込み促進剤としては、前記有効成分そのものであってもよく、また、前記有効成分を含む組成物であってもよい。当該グルコース取り込み促進剤に使用される有効成分としての塩は薬理学的に許容される塩が用いられる。当該グルコース取り込み促進剤は、たとえば、前記有効成分を当該有効成分と同じ用途に使用可能な他の成分、例えば、公知のインスリン製剤、インスリン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤、食後過血糖改善剤、インスリン様作用剤などと配合し、上記治療剤または予防剤の製造方法に準じて通常使用される試薬の形態に製造すればよい。また、国際公開第04/014407号パンフレットに記載の細胞へのグルコース取り込み促進作用を有するセリ科植物由来の処理物と配合することもできる。当該グルコース取り込み促進剤における前記有効成分の含有量は、当該グルコース取り込み促進剤の投与方法、使用目的などを考慮し、本発明の所望の効果の発現が得られ得るような量であればよく、特に限定されるものではない。本発明のグルコース取り込み促進剤中の有効成分の含有量としては、0.1〜100重量%程度である。また、該グルコース取り込み促進剤の使用量も、本発明の所望の効果の発現が得られ得るようであれば特に限定されるものではない。特に、生体に投与して使用する場合には、好ましくは前記治療剤または予防剤における有効成分の投与量範囲内で有効成分を投与できるような量で使用すればよい。当該グルコース取り込み促進剤は、治療又は予防に細胞へのグルコース取り込み促進作用を要する疾患の治療又は予防に有用である。当該疾患としては、例えば上記のインスリン様作用を要する疾患のほか、心臓疾患、特に心筋梗塞、虚血後の心臓損傷等が例示される。また、当該グルコース取り込み促進剤は、細胞によるグルコースの取り込みを促進することから、筋肉細胞においては当該作用が機能することにより、筋肉増強作用、疲労回復作用を誘発することができる。また、当該グルコース取り込み促進剤は、これらの疾患に対する治療又は予防用の食品、飲料又は飼料の製造に使用することもできる。これらの食品、飲料又は飼料については、本発明の前記食品、飲料又は飼料に準じて使用することができる。また、当該グルコース取り込み促進剤は上記の治療又は予防に細胞へのグルコース取り込み促進作用を要する疾患に対する薬物のスクリーニングにも有用である。さらに当該グルコース取り込み促進剤は、細胞によるグルコース取り込み作用のメカニズム研究やその細胞の物理的変化等の機能研究にも有用である。
また、本発明は前記有効成分を含む脂肪細胞への分化誘導剤を提供することもできる。当該分化誘導剤が脂肪細胞に分化誘導できる前駆細胞としては、脂肪細胞に分化しうる細胞であれば特に限定はないが、例えば前駆脂肪細胞の他、線維芽細胞や間葉系幹細胞等が挙げられる。当該分化誘導剤としては、前記有効成分そのものであってもよく、また、前記有効成分を含む組成物であってもよい。当該分化誘導剤に使用される有効成分としての塩は薬理学的に許容される塩が用いられる。当該分化誘導剤は、たとえば、前記有効成分を当該有効成分と同じ用途に使用可能な他の成分、例えば、公知のインスリン製剤、インスリン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤、食後過血糖改善剤、インスリン様作用剤などと配合し、上記治療剤または予防剤の製造方法に準じて通常使用される試薬の形態に製造すればよい。また、国際公開第04/014407号パンフレットに記載の脂肪細胞への分化誘導作用を有するセリ科植物由来の処理物と配合することもできる。当該分化誘導剤における前記有効成分の含有量は、当該分化誘導剤の投与方法、使用目的などを考慮し、本発明の所望の効果の発現が得られ得るような量であればよく、特に限定されるものではない。本発明の分化誘導剤中の有効成分の含有量としては、0.1〜100重量%程度である。また、当該分化誘導剤の使用量も、本発明の所望の効果の発現が得られ得るようであれば特に限定されるものではない。特に、生体に投与して使用する場合には、好ましくは前記治療剤または予防剤における有効成分の投与量範囲内で有効成分を投与できるような量で使用すればよい。当該分化誘導剤は、治療又は予防に脂肪細胞への分化誘導作用を要する疾患の治療又は予防に有用である。当該疾患としては、例えば上記のインスリン様作用を要する疾患のほか、痛風、脂肪肝、胆石症、月経異常、不妊症等が例示される。また、当該分化誘導剤は、これらの疾患に対する治療又は予防用の食品、飲料又は飼料の製造に使用することもできる。これらの食品、飲料又は飼料については、本発明の前記食品、飲料又は飼料に準じて使用することができる。また、当該分化誘導剤は上記の治療又は予防に脂肪細胞への分化誘導剤を要する疾患に対する薬物のスクリーニングにも有用である。さらに当該分化誘導剤は、脂肪細胞への分化誘導作用のメカニズム研究やその物理的変化等の機能研究にも有用である。
また、本発明においては、新規化合物である3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール又はその塩も提供される。当該化合物の製造は、例えば、下記実施例6を参考に行うことができる。
本発明で使用される前記有効成分は、その作用発現にとっての有効量の投与を行っても毒性は認められない。たとえば経口投与の場合、ポリゴディアール、エピポリゴディアール、イソベレラル、12−エピ−スカララジアール、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド、ミョーガジアール、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、4,6,7,8,9,9a−ヘキサハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−1(3H)−オン、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、5,5a,6,7,8,9,9a,9b−オクタハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オン、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンカルボキシアルデヒド、2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンカルボキシアルデヒド、またはこれらの光学異性体もしくはそれらの塩を、それぞれ1g/kg体重でマウスに単回投与しても死亡例は認められない。また、前記有効成分は、ラットへの経口投与において1g/kg体重を経口単回投与しても死亡例は認められない。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら限定されるものではない。なお、実施例における%は特に記載がなければすべて容量%を意味する。
実施例1 ポリゴディアールによるグルコース取り込み促進作用
(1)成熟脂肪細胞の調製
成熟脂肪細胞への分化誘導はRubin C.S.らの方法(JBC.253 7570−7578,1978)を一部改良し行った。200μMアスコルビン酸を含む10%コウシ血清(ICN社製)含有ダルベッコ改良イーグル培地(シグマ社製,D6046)に3T3−L1細胞(ATCC CCL−92.1)を4×10個/mLになるように懸濁し、12穴マイクロタイタープレートのウェルに2mLずつ加えて5%炭酸ガス存在下、37℃で7日間培養した。7日目に、200μMアスコルビン酸、0.25μMデキサメタゾン及び10μg/mLインスリン(タカラバイオ社製)、0.5mM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン(ナカライテスク社製、19624−86)を含む10%ウシ胎児血清(ギブコ社製)含有ダルベッコ改良イーグル培地2mLに交換した。45時間後に200μMアスコルビン酸及び5μg/mLインスリンを含む10%ウシ胎児血清含有ダルベッコ改良イーグル培地2mLに交換し、さらに2日後、5日後に同培地を交換し7日間培養することで成熟脂肪細胞を調製した。
(2)成熟脂肪細胞へのグルコース取り込み促進作用の測定
グルコース取り込み促進作用の評価として、またインスリン様作用の評価として成熟脂肪細胞においてサンプル刺激時の細胞内への2−デオキシグルコース取り込み量を測定した。
培養終了後、培地を除き、0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン(シグマ社製、A8022)含有ダルベッコ改良イーグル培地で2回細胞を洗浄した後、同培地1mLを添加し、5%炭酸ガス存在下、37℃で一晩培養した。一晩培養後、ヘペス緩衝塩溶液(140mM NaCl,5mM KCl,2.5mM MgSO,1mM CaCl,20mM HEPES−Na(pH 7.4))で2回細胞を洗浄し、同緩衝液0.9mLを添加し、37℃で75分間培養した。45分経過した時点でサンプルとして終濃度3μM、1μM、0.3μM、0.1μMとなるようにポリゴディアール(フナコシ社製)ジメチルスルホキシド溶液を添加した。この際、陽性対照として、終濃度1μg/mLとなるようにインスリンを添加した区分を設定し、また、陰性対照としてサンプルを添加しない区分(無添加区分;以下、同様)を設定した。その後、終濃度0.5μCi/mL 2−デオキシ−[1.2−H(N)]−グルコース(パーキンエルマーライフサイエンス社製、NET549A)、1mM 2−デオキシグルコース(ナカライテスク社製、10722−11)含有ヘペス塩緩衝液100μLを添加しさらに37℃で10分培養した。培養終了後、上清を除去し、4℃に冷却したリン酸塩緩衝液で3回細胞を洗浄後、1%ノニデットP−40含有リン酸塩緩衝液0.5mLを添加し細胞を溶解することで、細胞中に取り込まれた2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコースを溶出した。上清25μLを用いてウルティマゴールド(パーキンエルマーライフサイエンス社製、6013329)をシンチレーションカクテルとして液体シンチレーションカウンターLS6500(ベックマン社製)により放射活性を測定した。
この結果、各濃度のポリゴディアールを添加した区分で陰性対照と比較してインスリンを添加した区分と同様に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース取り込みの促進が見られた。すなわち、ポリゴディアールにグルコース取り込み促進作用が認められた。これを第1図に示す。第1図は、横軸に各サンプルを、縦軸に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース量(dpm)を示す。
実施例2 12−エピ−スカララジアールによるグルコース取り込み促進作用
12−エピ−スカララジアール(フナコシ社製:ST−350)のグルコース取り込み促進作用の評価として、またインスリン様作用の評価として、実施例1記載の方法に準じて成熟脂肪細胞でのサンプル刺激時の細胞内への2−デオキシグルコース取り込み量を測定した。
すなわち、サンプルとして終濃度10μM、3μM、1μMとなるように12−エピ−スカララジアールジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお、陰性対照としてサンプルを添加しない区分を、陽性対照として、終濃度1μg/mLとなるようにインスリンを添加した区分を設定した。この後同様に、細胞中に取り込まれた2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコースを測定した。
この結果、12−エピ−スカララジアールを添加した区分で陰性対照と比較してインスリンを添加した区分と同様に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース取り込みの促進が見られた。すなわち、12−エピ−スカララジアールにグルコース取り込み促進作用が認められた。これを第2図に示す。第2図は、横軸に各サンプルを、縦軸に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース量(dpm)を示す。
実施例3 ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒドによるグルコース取り込み促進作用
ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド(フナコシ社製:N−1138)のグルコース取り込み促進作用の評価として、またインスリン様作用の評価として、実施例1記載の方法に準じて成熟脂肪細胞でのサンプル刺激時の細胞内への2−デオキシグルコース取り込み量を測定した。
すなわち、サンプルとして終濃度10μM、3μM、1μMとなるようにナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒドジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお、陰性対照としてサンプルを添加しない区分を、陽性対照として、終濃度1μg/mLとなるようにインスリンを添加した区分を設定した。この後同様に、細胞中に取り込まれた2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコースを測定した。
この結果、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒドを添加した区分で陰性対照と比較してインスリンを添加した区分と同様に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース取り込みの促進が見られた。すなわち、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒドにグルコース取り込み促進作用が認められた。これを第3図に示す。第3図は、横軸に各サンプルを、縦軸に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース量(dpm)を示す。
実施例4 化合物(P001)の合成
β−シクロシトラール(和光純薬)を1M トリメチルシリルメチルマグネシウムクロライド(アルドリッチ社製)のヘキサン溶液中で反応させた後、アセトン還流下、触媒量のp−トルエンスルホン酸で処理した。得られた反応物(1−ビニル−2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン)を、アセチレンジカルボン酸ジメチル(和光純薬社製)と110℃で20時間反応させ、反応液をシリカクロマトに供じることにより化合物(P001)を得た。
H NMR:δ1.15(3H,s,−C ),1.20(3H,s,−C )、1.44(3H,s,−C ),1.30−1.90(6H,m,−(C −)、2.80(1H,dd,J2.4,23Hz,=CH−C −),3.17(1H,dd,J6.0,23Hz,=CH−C −),3.75(3H,s,−OC ),3.82(3H,s,−OC ),5.71(1H,dd,J2.4,6.0,=C−CH−)
但し、サンプルは重クロロホルムに溶解し、残留クロロホルムの化学シフト値を7.24ppmとして表した。第4図に、化合物(P001)のH NMRスペクトルを示す。第4図において、横軸は化学シフト値(ppm)、縦軸はシグナルの強度を示す。
FAB−MS:m/z 293(M+H) m−ニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
実施例5 化合物(P001)による脂肪細胞への分化誘導作用
(1)脂肪細胞への分化誘導
脂肪細胞への分化誘導は前述のRubin C.S.らの方法を一部改良し、行った。また、化合物(P001)は実施例4で調製したものを使用した。200μMアスコルビン酸を含む10%(w/v)コウシ血清含有ダルベッコ改良イーグル培地に3T3−L1細胞を4×10個/mLになるように懸濁し、12穴マイクロタイタープレートのウェルに2mLずつ加えて5%炭酸ガス存在下、37℃で7日間培養した。7日目に、200μMアスコルビン酸及び0.25μMデキサメタゾンを含む10%ウシ胎児血清含有ダルベッコ改良イーグル培地に交換し、各ウェルに4μLの15mMの化合物(P001)ジメチルスルホキシド溶液、5mMの化合物(P001)ジメチルスルホキシド溶液、あるいは1.5mMの化合物(P001)ジメチルスルホキシド溶液を添加した。なお陽性対照として4μLの5mg/mLインスリン水溶液添加の区分を、陰性対照としてジメチルスルホキシド添加の区分を設定した。48時間後に200μMアスコルビン酸を含む10%ウシ胎児血清含有ダルベッコ改良イーグル培地に交換し、各ウェルに4μLの15mMの化合物(P001)ジメチルスルホキシド溶液、5mMの化合物(P001)ジメチルスルホキシド溶液、あるいは1.5mMの化合物(P001)ジメチルスルホキシド溶液、陽性対照として2μLの5mg/mLインスリン水溶液、陰性対照としてジメチルスルホキシドを添加し、さらに7日間培養した。なお、2日後、5日後に培地を交換し、その際各ウェルに、4μLの15mMの化合物(P001)ジメチルスルホキシド溶液、5mMの化合物(P001)ジメチルスルホキシド溶液、あるいは1.5mMの化合物(P001)ジメチルスルホキシド溶液、陽性対照として2μLの5mg/mLインスリン水溶液、陰性対照としてジメチルスルホキシドを添加した。なお、各培地中の化合物(P001)の終濃度はそれぞれ30μM、10μM、3μMである。
(2)トリグリセリド生合成量の測定
成熟脂肪細胞への分化誘導の指標として、またインスリン様作用の評価として細胞中のトリグリセリドの量を測定した。
培養終了後、培地を除き、リン酸緩衝塩溶液で2回細胞を洗浄した。細胞に1mLのヘキサン:イソプロパノール=3:2の溶媒を添加し、30分間室温に置いた後上清を回収した。この操作を再度繰り返し、2mLの上清を濃縮乾固した。沈殿を100μLのイソプロパノールに溶解後、溶液10μL中に含まれるトリグリセリドの量をトリグリセライドE−テスト(和光純薬社製、code 432−40201)を用い測定した。また、測定は全て2連で行った。
この結果、各濃度の化合物(P001)添加区分においてトリグリセリド生合成の誘導が認められた。すなわち、化合物(P001)に成熟脂肪細胞への分化誘導作用が認められた。これを第5図に示す。第5図は、横軸に各サンプルを、縦軸にトリグリセリド生合成量(μg/mL)を示す。
実施例6 化合物(P002)の合成
化合物(P001)をアルゴン気流下、エーテル中で水素化リチウムアルミニウム(和光純薬社製)と室温、1時間反応させた。得られた反応液をシリカクロマトに供じることにより化合物(P002)を得た。
H NMR:δ1.14(3H,s,−C ),1.19(3H,s,−C )、1.21(3H,s,−C ),1.20−2.00(6H,m,−(C −)、2.85(2H,d,J3.6Hz,=CH−C −),4.13(1H,d,J12Hz,−C OH),4.21(1H,d,J12Hz,−C OH),4.27(1H,d,J12Hz,−C OH),4.35(1H,d,J12Hz,−C OH),5.68(1H,t,J3.6,=C−CH−)
但し、サンプルは重クロロホルムに溶解し、残留クロロホルムの化学シフト値を7.24ppmとして表した。第6図に、化合物(P002)のH NMRスペクトルを示す。第6図において、横軸は化学シフト値(ppm)、縦軸はシグナルの強度を示す。
FAB−MS:m/z 237(M+H) m−ニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
実施例7 化合物(P002)による脂肪細胞への分化誘導作用
実施例6により調製した化合物(P002)の成熟脂肪細胞への分化誘導作用(インスリン様作用)を実施例5の方法に準じて測定した。すなわち、サンプルとして、各ウエルそれぞれ終濃度30μM、3μMとなるように化合物(P002)ジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお陽性対照として4μLの5mg/mLインスリン水溶液添加の区分を、陰性対照としてジメチルスルホキシド添加の区分を設定した。この後実施例5記載の方法と同様に、培地およびサンプルの交換を行い、サンプル添加7日後に細胞中のトリグリセリドの量を測定した。
この結果、化合物(P002)添加区分においてトリグリセリド生合成の誘導が認められた。すなわち、化合物(P002)に成熟脂肪細胞への分化誘導作用が認められた。これを第7図に示す。第7図は、横軸に各サンプルを、縦軸にトリグリセリド生合成量(μg/mL)を示す。
実施例8 化合物(P003)の合成
化合物(P002)をジクロロメタン中で15モル等量の過マンガン酸バリウム(和光純薬社製)と室温、24時間反応させた。得られた反応液をシリカクロマトに供じることにより化合物(P003)を得た。
H NMR:δ1.18(3H,s,−C ),1.24(3H,s,−C )、1.40(3H,s,−C ),1.30−2.00(6H,m,−(C −),2.82(1H,m,=CH−C −),2.95(1H,m,=CH−C −),4.74(1H,m,−CO−O−C −),4.86(1H,m,−CO−O−C −),5.77(1H,m,=C−CH−)
但し、サンプルは重クロロホルムに溶解し、残留クロロホルムの化学シフト値を7.24ppmとして表した。第8図に、化合物(P003)のH NMRスペクトルを示す。第8図において、横軸は化学シフト値(ppm)、縦軸はシグナルの強度を示す。
FAB−MS:m/z 233(M+H) m−ニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
実施例9 化合物(P003)による脂肪細胞への分化誘導作用
実施例8により調製した化合物(P003)の成熟脂肪細胞への分化誘導作用(インスリン様作用)を実施例5の方法に準じて測定した。すなわち、サンプルとして、各ウエルそれぞれ終濃度30μM、10μM、3μMとなるように化合物(P003)ジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお陽性対照として4μLの5mg/mLインスリン水溶液添加の区分を、陰性対照としてジメチルスルホキシド添加の区分を設定した。この後実施例5記載の方法と同様に、培地およびサンプルの交換を行い、サンプル添加7日後に細胞中のトリグリセリドの量を測定した。
この結果、化合物(P003)添加区分においてトリグリセリド生合成の誘導が認められた。すなわち、化合物(P003)に成熟脂肪細胞への分化誘導作用が認められた。これを第9図に示す。第9図は、横軸に各サンプルを、縦軸にトリグリセリド生合成量(μg/mL)を示す。
実施例10 化合物(P004)の合成
化合物(P001)をメタノール中、触媒量のパラジウム−活性炭素(和光純薬社製)存在下、水素還元した。得られた反応液をシリカクロマトに供じることにより化合物(P004)を得た。
H NMR:δ0.89(3H,s,−C ),0.91(3H,s,−C )、0.95(3H,s,−C ),1.20−2.00(7H,m),2.13(1H,m,−C −CH=),2.28(1H,m,−C −CH=),3.20(1H,m,−C(COOCH)−),3.68(3H,s,−OC ),3.71(3H,s,−OC ),7.06(1H,m,−CH−C=)
但し、サンプルは重クロロホルムに溶解し、残留クロロホルムの化学シフト値を7.24ppmとして表した。第10図に、化合物(P004)のH NMRスペクトルを示す。第10図において、横軸は化学シフト値(ppm)、縦軸はシグナルの強度を示す。
FAB−MS:m/z 295(M+H) m−ニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
実施例11 化合物(P004)によるグルコース取り込み促進作用
実施例10により調製した化合物(P004)のグルコース取り込み促進作用の評価として、またインスリン様作用の評価として、実施例1記載の方法に準じて成熟脂肪細胞でのサンプル刺激時の細胞内への2−デオキシグルコース取り込み量を測定した。
すなわち、サンプルとして終濃度30μM、10μM、3μMとなるように化合物(P004)ジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお、陰性対照としてサンプルを添加しない区分を、陽性対照として、終濃度1μg/mLとなるようにインスリンを添加した区分を設定した。この後同様に、細胞中に取り込まれた2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコースを測定した。
この結果、化合物(P004)を添加した区分で陰性対照と比較してインスリンを添加した区分と同様に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース取り込みの促進が見られた。すなわち、化合物(P004)にグルコース取り込み促進作用が認められた。これを第11図に示す。第11図は、横軸に各サンプルを、縦軸に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース量(dpm)を示す。
実施例12 化合物(P004)による脂肪細胞への分化誘導作用
実施例10により調製した化合物(P004)の成熟脂肪細胞への分化誘導作用(インスリン様作用)を実施例5の方法に準じて測定した。すなわち、サンプルとして、各ウエルそれぞれ終濃度10μM、3μM、1μMとなるように化合物(P004)ジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお陽性対照として4μLの5mg/mLインスリン水溶液添加の区分を、陰性対照としてジメチルスルホキシド添加の区分を設定した。この後実施例5記載の方法と同様に、培地およびサンプルの交換を行い、サンプル添加7日後に細胞中のトリグリセリドの量を測定した。
この結果、化合物(P004)添加区分においてトリグリセリド生合成の誘導が認められた。すなわち、化合物(P004)に成熟脂肪細胞への分化誘導作用が認められた。これを第12図に示す。第12図は、横軸に各サンプルを、縦軸にトリグリセリド生合成量(μg/mL)を示す。
実施例13 化合物(P005)の合成
化合物(P004)をアルゴン気流下、エーテル中で水素化リチウムアルミニウム(和光純薬)と室温、1時間反応させた。得られた反応液をシリカクロマトに供じることにより化合物(P005)を得た。
H NMR:δ0.78(3H,s,−C ),0.89(3H,s,−C )、0.90(3H,s,−C ),1.10−2.00(7H,m),1.91(1H,m,−C −CH=),2.11(1H,m,−C −CH=),2.16(1H,m,−C(CHOH)−),3.71(1H,dd,J8.4,11Hz,−C OH),3.93(1H,dd,J2.4,11Hz,−C OH),4.01(1H,d,J12Hz,−C OH),4.37(1H,m,−C OH),5.82(1H,m,−CH−C=)
但し、サンプルは重クロロホルムに溶解し、残留クロロホルムの化学シフト値を7.24ppmとして表した。第13図に、化合物(P005)のH NMRスペクトルを示す。第13図において、横軸は化学シフト値(ppm)、縦軸はシグナルの強度を示す。
FAB−MS:m/z 239(M+H) メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
実施例14 化合物(P005)による脂肪細胞への分化誘導作用
実施例13により調製した化合物(P005)の成熟脂肪細胞への分化誘導作用(インスリン様作用)を実施例5の方法に準じて測定した。すなわち、サンプルとして、各ウエルそれぞれ終濃度30μM、10μMとなるように化合物(P005)ジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお陽性対照として4μLの5mg/mLインスリン水溶液添加の区分を、陰性対照としてジメチルスルホキシド添加の区分を設定した。この後実施例5記載の方法と同様に、培地およびサンプルの交換を行い、サンプル添加7日後に細胞中のトリグリセリドの量を測定した。
この結果、化合物(P005)添加区分においてトリグリセリド生合成の誘導が認められた。すなわち、化合物(P005)に成熟脂肪細胞への分化誘導作用が認められた。これを第14図に示す。第14図は、横軸に各サンプルを、縦軸にトリグリセリド生合成量(μg/mL)を示す。
実施例15 化合物(P006)の合成
化合物(P005)をジクロロメタン中で15モル等量の過マンガン酸バリウム(和光純薬社製)と室温、24時間反応させた。得られた反応液をシリカクロマトに供じることにより化合物(P006)を得た。
H NMR:δ0.83(3H,s,−C ),0.94(3H,s,−C )、0.96(3H,s,−C ),1.20−1.70(7H,m),2.13(1H,m,−C −CH=),2.43(1H,m,−C −CH=),2.84(1H,m,−C−CH−O−),4.05(1H,t,J3.0Hz,−CH−C −O−),4.39(1H,t,J3.0Hz,−CH−C −O−),6.89(1H,m,−CH−C=)
但し、サンプルは重クロロホルムに溶解し、残留クロロホルムの化学シフト値を7.24ppmとして表した。第15図に、化合物(P006)のH NMRスペクトルを示す。第15図において、横軸は化学シフト値(ppm)、縦軸はシグナルの強度を示す。
FAB−MS:m/z 235(M+H) m−ニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
実施例16 化合物(P006)による脂肪細胞への分化誘導作用
実施例15により調製した化合物(P006)の成熟脂肪細胞への分化誘導作用(インスリン様作用)を実施例5の方法に準じて測定した。すなわち、サンプルとして、各ウエルそれぞれ終濃度30μM、10μM、3μMとなるように化合物(P006)ジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお陽性対照として4μLの5mg/mLインスリン水溶液添加の区分を、陰性対照としてジメチルスルホキシド添加の区分を設定した。この後実施例5記載の方法と同様に、培地およびサンプルの交換を行い、サンプル添加7日後に細胞中のトリグリセリドの量を測定した。
この結果、化合物(P006)添加区分においてトリグリセリド生合成の誘導が認められた。すなわち、化合物(P006)に成熟脂肪細胞への分化誘導作用が認められた。これを第16図に示す。第16図は、横軸に各サンプルを、縦軸にトリグリセリド生合成量(μg/mL)を示す。
実施例17 化合物(P007)の合成
化合物(P005)をジクロロメタン中、トリエチルアミン存在下、t−ブチルジメチルクロロシランで処理した。反応物を、ジクロロメタン中、トリエチルアミン存在下、無水酢酸処理後、メタノール中、p−トルエンスルホン酸で処理し、シリカクロマトで精製することで1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンメタノール、2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンメタノールを得た。得られた、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンメタノールをジクロロメタン中、二酸化マンガンで処理することにより、化合物(P007)を得た。
H NMR:δ0.90(3H,s,−C ),0.92(3H,s,−C )、0.97(3H,s,−C ),1.00−2.00(7H,m),1.96(3H,s,−CO−C ),2.25(1H,m,−C −CH=),2.46(2H,m,−C −CH=,−C−CHO),4.43(1H,dd,J2,12Hz,−C −O−Ac),4.63(1H,dd,J6,12Hz,−C −O−Ac),6.94(1H,m,−CH−C=),9.44(1H,s,−CHO)
但し、サンプルは重クロロホルムに溶解し、残留クロロホルムの化学シフト値を7.24ppmとして表した。第17図に、化合物(P007)のH NMRスペクトルを示す。第17図において、横軸は化学シフト値(ppm)、縦軸はシグナルの強度を示す。
FAB−MS:m/z 279(M+H) メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
実施例18 化合物(P007)による脂肪細胞への分化誘導作用
実施例17により調製した化合物(P007)の成熟脂肪細胞への分化誘導作用(インスリン様作用)を実施例5の方法に準じて測定した。すなわち、サンプルとして、各ウエルそれぞれ終濃度30μM、10μM、3μMとなるように化合物(P007)ジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお陽性対照として4μLの5mg/mLインスリン水溶液添加の区分を、陰性対照としてジメチルスルホキシド添加の区分を設定した。この後実施例5記載の方法と同様に、培地およびサンプルの交換を行い、サンプル添加7日後に細胞中のトリグリセリドの量を測定した。
この結果、化合物(P007)添加区分においてトリグリセリド生合成の誘導が認められた。すなわち、化合物(P007)に成熟脂肪細胞への分化誘導作用が認められた。これを第18図に示す。第18図は、横軸に各サンプルを、縦軸にトリグリセリド生合成量(μg/mL)を示す。
実施例19 化合物(P008)の合成
実施例17に従い、得られた2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンメタノールをジクロロメタン中、クロロクロム酸ピリジニウムで処理することにより、化合物(P008)を得た。
H NMR:δ0.90(3H,s,−C ),0.94(3H,s,−C )、1.06(3H,s,−C ),1.20−1.80(7H,m),2.03(3H,s,−CO−C ),2.03(1H,m,−C −CH=),2.19(1H,m,−C −CH=),2.86(1H,m,−C−CHO),4.44(1H,d,J12Hz,−C −O−Ac),4.57(1H,m,−C −O−Ac),6.03(1H,m,−CH−C=),9.47(1H,d,J4.8Hz,−CHO)
但し、サンプルは重クロロホルムに溶解し、残留クロロホルムの化学シフト値を7.24ppmとして表した。第19図に、化合物(P008)のH NMRスペクトルを示す。第19図において、横軸は化学シフト値(ppm)、縦軸はシグナルの強度を示す。
FAB−MS:m/z 279(M+H) メタニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
実施例20 化合物(P008)による脂肪細胞への分化誘導作用
実施例19により調製した化合物(P008)の成熟脂肪細胞への分化誘導作用(インスリン様作用)を実施例5の方法に準じて測定した。すなわち、サンプルとして、各ウエルそれぞれ終濃度10μM、3μMとなるように化合物(P008)ジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお陽性対照として4μLの5mg/mLインスリン水溶液添加の区分を、陰性対照としてジメチルスルホキシド添加の区分を設定した。この後実施例5記載の方法と同様に、培地およびサンプルの交換を行い、サンプル添加7日後に細胞中のトリグリセリドの量を測定した。
この結果、化合物(P008)添加区分においてトリグリセリド生合成の誘導が認められた。すなわち、化合物(P008)に成熟脂肪細胞への分化誘導作用が認められた。これを第20図に示す。第20図は、横軸に各サンプルを、縦軸にトリグリセリド生合成量(μg/mL)を示す。
実施例21 ポリゴディアールとインスリンによるグルコース取り込み促進相乗作用
低濃度ポリゴディアールと低濃度インスリンとのグルコース取り込み促進相乗作用の評価として、実施例1記載の方法に一部準じて成熟脂肪細胞でのサンプル刺激時の細胞内への2−デオキシグルコース取り込み量を測定した。
成熟脂肪細胞の調製は実施例1記載の方法に準じて行った。
培養終了後、培地を除き、0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン含有ダルベッコ改良イーグル培地で2回細胞を洗浄した後、5%炭酸ガス存在下、37℃で一晩培養した。一晩培養後、ヘペス緩衝塩溶液(140mM NaCl,5mM KCl,2.5mM MgSO,1mM CaCl,20mM HEPES−Na(pH7.4))で2回細胞を洗浄し、同緩衝液0.9mLを添加し、37℃で45分間培養した。続いて終濃度300nMとなるようにポリゴディアールを加え、かつ終濃度0.05μg/mLとなるようにインスリンを添加し、さらに30分間培養した。この際対照として、ポリゴディアールを添加していないウエルで終濃度0.05μg/mLとなるようにインスリンを添加した区分、およびインスリンを添加していないウエルで終濃度300nMとなるようにポリゴディアールを添加した区分を設定した。また、サンプルを添加していない区分を陰性対照とした。その後、実施例1記載の方法と同様に、細胞中に取り込まれた2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース量を測定した。
この結果、ポリゴディアールを添加した区分は陰性対照から比較すると、インスリンを添加した区分と同様に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース取り込みの促進が見られたが、インスリンと同時に添加した区分において、インスリン単独で添加した区分およびポリゴディアール単独で添加した区分のいずれよりも、グルコース取り込みの促進が認められた。すなわち、ポリゴディアールとインスリンとを同時に添加することにより、グルコース取り込み促進作用が相乗的に増加することが認められた。これを第21図に示す。第21図は、横軸に各サンプルを、縦軸に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース量(dpm)を示す。
実施例22 ポリゴディアールによるグルコース取り込み促進作用のサイトカラシンBによる阻害
実施例1により示したポリゴディアールのグルコース取り込み促進作用が、グルコーストランスポーターの阻害剤であるサイトカラシンBにより阻害されるか、実施例1記載の方法に準じて成熟脂肪細胞でのサンプル刺激時の細胞内への2−デオキシグルコース取り込みにおけるサイトカラシンBの影響を試験した。
すなわち、サンプルとして終濃度3μMとなるようにポリゴディアールジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお、陰性対照としてサンプルを添加しない区分を、陽性対照として、終濃度1μg/mLとなるようにインスリンを添加した区分を設定した。さらに各区分においてサンプル及びインスリンを添加した区分を設定した時期と同じ時期に終濃度40μMとなるようにサイトカラシンB(ナカライテスク社製、10435−81)を添加する区分を設定した。この後同様に、細胞中に取り込まれた2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース量を測定した。
この結果、ポリゴディアールを添加した区分で陰性対照と比較してインスリンを添加した区分と同様に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース取り込みの促進が見られたが、各区分ともにサイトカラシンB添加により2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース取り込みはほぼ完全に抑制された。すなわち、ポリゴディアールのグルコース取り込み促進作用は、インスリンと同様にグルコーストランスポーターを介していることが確認できた。これを第22図に示す。第22図は、横軸に各サンプルを、縦軸に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース量(dpm)を示す。
実施例23 化合物(P003)によるグルコース取り込み促進作用
実施例8により調製した化合物(P003)のグルコース取り込み促進作用の評価として、またインスリン様作用の評価として、サンプルの添加を0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン含有ダルベッコ改良イーグル培地、ヘペス緩衝塩溶液にそれぞれ交換したときに行ったこと以外は実施例1記載の方法に準じて成熟脂肪細胞でのサンプル刺激時の細胞内への2−デオキシグルコース取り込み量を測定した。
すなわち、サンプルとして終濃度30μM、10μMとなるように化合物(P003)ジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお、陰性対照としてサンプルを添加しない区分を、陽性対照として、終濃度1μg/mLとなるようにインスリンを添加した区分を設定した。この後同様に、細胞中に取り込まれた2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコースを測定した。
この結果、化合物(P003)を添加した区分で陰性対照と比較してインスリンを添加した区分と同様に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース取り込みの促進が見られた。すなわち、化合物(P003)にグルコース取り込み促進作用が認められた。これを第23図に示す。第23図は、横軸に各サンプルを、縦軸に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース量(dpm)を示す。
実施例24 イソベレラルによるグルコース取り込み促進作用
イソベレラルのグルコース取り込み促進作用の評価として、またインスリン様作用の評価として、実施例1記載の方法に準じて成熟脂肪細胞でのサンプル刺激時の細胞内への2−デオキシグルコース取り込み量を測定した。
すなわち、サンプルとして終濃度3μM、1μMとなるようにイソベレラルジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお、陰性対照としてサンプルを添加しない区分を、陽性対照として、終濃度1μg/mLとなるようにインスリンを添加した区分を設定した。この後同様に、細胞中に取り込まれた2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコースを測定した。
この結果、イソベレラルを添加した区分で陰性対照と比較してインスリンを添加した区分と同様に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース取り込みの促進が見られた。すなわち、イソベレラルにグルコース取り込み促進作用が認められた。これを第24図に示す。第24図は、横軸に各サンプルを、縦軸に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース量(dpm)を示す。
実施例25 エピポリゴディアールの合成
ポリゴディアールを無水炭酸カリウム存在下、テトラハイドロキシフラン(THF)中で80℃、2時間処理し、得られた反応液をシリカクロマトで精製することでエピポリゴディアールを得た。
H NMR(重クロロホルム):δ0.93(3H,s,−C ),0.95(3H,s,−C )、0.98(3H,s,−C ),1.10−1.90(7H,m),2.24,2.58(2H,m,−C −CH=),3.28(1H,m,−C−CHO),7.11(1H,m,−CH−C=),9.43(1H,s,−CHO)、9.87(1H,d,J2Hz,−CHO)
FAB−MS:m/z 234(M+H) m−ニトロベンジルアルコールをマトリックスに用いた。
実施例26 エピポリゴディアールによるグルコース取り込み促進作用
エピポリゴディアールのグルコース取り込み促進作用の評価として、またインスリン様作用の評価として、実施例1記載の方法に準じて成熟脂肪細胞でのサンプル刺激時の細胞内への2−デオキシグルコース取り込み量を測定した。
すなわち、サンプルとして終濃度3μM、1μM、0.3μMとなるようにエピポリゴディアールジメチルスルホキシド溶液を添加した区分を設定した。なお、陰性対照としてサンプルを添加しない区分を、陽性対照として、終濃度1μg/mLとなるようにインスリンを添加した区分を設定した。この後同様に、細胞中に取り込まれた2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコースを測定した。
この結果、エピポリゴディアールを添加した区分で陰性対照と比較してインスリンを添加した区分と同様に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース取り込みの促進が見られた。すなわち、エピポリゴディアールにグルコース取り込み促進活性が認められた。これを第25図に示す。第25図は、横軸に各サンプルを、縦軸に2−デオキシ−[1,2−H(N)]−グルコース量(dpm)を示す。
実施例27 ポリゴディアールの糖尿病改善効果
II型糖尿病モデルマウスを用いてポリゴディアールの病態改善を検討した。雄5週齢のKK−Ayマウス(日本クレア社)を各群10匹に分けて実験を行った。ポリゴディアールはオリーブ油に0.03%になるように溶解し、1mg/kg体重で1日1回連日強制経口投与した。対照群には同様にオリーブ油を3.3mL/kg体重で投与した。投与開始前日と21日目にマウス尾静脈より採血し、簡易血糖測定システム アキュチェックコンパクト(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社製)にて血糖値を測定した。また、22日目には腹部大動脈より採血し、血清インスリン濃度をレビスインスリンキット(シバヤギ株式会社製)により測定した。その結果を表1に示す。ポリゴディアール(1mg/kg体重)投与により、血糖値の低下、インスリン濃度の低下が認められた。すなわち、ポリゴディアールにインスリン抵抗性を改善する作用が認められた。尚、実験期間中、体重および一般症状に変化は認められなかった。
Figure 2004100936
実施例28 ポリゴディアールの糖負荷後血糖値上昇抑制作用
ポリゴディアールの血糖値上昇抑制作用を検討するために、雄10週齢のICRマウス(日本クレア)を各群5匹に分けて糖負荷試験を行った。18時間絶食後、ポリゴディアールをオリーブ油に0.3%になるように溶解し、10mg/kg体重で強制経口投与した。対照群には同様にオリーブ油を3.3mL/kg体重で投与した。投与1時間後に20%グルコース溶液を2g/kg体重投与した。なお、グルコースの投与は強制経口投与、腹腔内投与の2通りを実施した。サンプル投与前、糖負荷前、糖負荷後一定時間に尾静脈より採血し、血糖値を測定した。グルコースを強制経口投与した場合の結果を表2に、腹腔内投与した場合の結果を表3に示す。いずれのグルコース投与においても、ポリゴディアール(10mg/kg体重)投与による、血糖値上昇の抑制作用が認められた。すなわち、ポリゴディアールに糖尿病の治療・予防剤としての有効性が認められた。
Figure 2004100936
Figure 2004100936
本発明により、特定の構造を有する化合物を含有するインスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療用又は予防用の医薬、食品、飲料又は飼料が提供される。該医薬は糖尿病または肥満症等のインスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療剤又は予防剤として有用である。また、該食品又は飲料は、日常の飲食品として摂取することにより、インスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の症状改善等が可能となる。従って、本発明の飲食品は機能性飲食品と言え、そのインスリン様作用により、生体の恒常性の維持に有用である。また、本発明により、特定の構造を有する化合物を含有するインスリン様作用剤も提供され、該インスリン様作用剤はインスリンの機能研究、インスリンに関連する疾患用医薬のスクリーニングに有用である。また、本発明により、特定の構造を有する化合物を含有する細胞へのグルコース取り込み促進剤も提供され、該グルコース取り込み促進剤は、治療又は予防に細胞へのグルコース取り込み促進作用を要する疾患の治療又は予防、当該疾患の治療又は予防用の食品、飲料又は飼料の製造、該グルコース取り込み促進作用を要する疾患に対する薬物のスクリーニングにも有用である。また、本発明により、特定の構造を有する化合物を含有する脂肪細胞への分化誘導剤も提供され、該分化誘導剤は、治療又は予防に脂肪細胞への分化誘導作用を要する疾患の治療又は予防、当該疾患の治療又は予防用の食品、飲料又は飼料の製造、該分化誘導作用を要する疾患に対する薬物のスクリーニングにも有用である。
【書類名】特許請求の範囲
【請求項1】 下記一般式(化1)で表される化合物、下記一般式(化2)で表される化合物、下記一般式(化3)で表される化合物、それらの誘導体および薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とする、インスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療剤または予防剤。
【化1】
Figure 2004100936
(式中、点線を含む結合は単結合もしくは二重結合を示し、RとRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、ハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基を示し、Xは水素原子もしくは炭素原子を示す。Xが炭素原子を示す場合、当該炭素原子には水素原子、ハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、もしくは糖残基が付加していてもよく、また、Rが脂肪族基であれば、XとRとが一緒になって5〜9員環を形成してもよい。当該5〜9員環は共鳴構造を有するものであってもよい。さらに、一般式(化1)においてXおよびRを除く部分の構造を維持する限り、前記5〜9員環に隣接して1つもしくは複数の4〜6員環からなる多環構造を形成してもよく、当該多環構造には、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、ハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基および糖残基から選択される少なくとも1つの置換基が付加していてもよく、また、分子内にケトン構造および/またはエポキシ構造を含んでいてもよい。また、XとRとが一緒になって6員環を形成する場合、R脂肪族基であれば、さらにXとRとが一緒になって3員環を形成してもよい。)
【化2】
Figure 2004100936
(式中、R’〜R’14はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基であるか、あるいはR’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’10、R’10とR’11、R’11とR’12、R’12とR’13、R’13とR’14、およびR’14とR’のうちの1つ以上が可能な範囲でそれぞれ炭素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子のうちの1つ以上を含有する環を形成してもよく、さらに前記の環にはエステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、ハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基が結合していてもよい。また、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’10とR’11、およびR’12とR’13のうちの1つ以上において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になってケトン構造を形成してもよい。)
【化3】
Figure 2004100936
(式中、R’’〜R’’16はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基であるか、あるいはR’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’10、R’’10とR’’11、R’’11とR’’12、R’’12とR’’13、R’’13とR’’14、R’’14とR’’15、R’’15とR’’16、およびR’’16とR’’のうちの1つ以上が可能な範囲でそれぞれ炭素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子のうちの1つ以上を含有する環を形成してもよく、さらに前記の環にはハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基が結合していてもよい。また、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’10とR’’11、R’’12とR’’13、およびR’’14とR’’15のうちの1つ以上において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になってケトン構造を形成してもよい。)
【請求項2】 上記一般式(化1)で表される化合物が、下記一般式(化4)で表される化合物、下記一般式(化5)で表される化合物および下記一般式(化6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項1記載の治療剤または予防剤。
【化4】
Figure 2004100936
(式中、Yは0または1個の炭素原子を示す。Yが0個の炭素原子の場合、R’’’13とR’’’14は存在しない。R’’’とR’’’は互いに異なり、水素原子またはアルデヒド基を示す。R’’’がアルデヒド基を示す場合、結合aは単結合を示し、結合bは二重結合を示す。R’’’がアルデヒド基を示す場合、結合aは二重結合を示し、結合bは単結合を示す。R’’’〜R’’’15はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、または炭素数が1〜10の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を示す(ただし、R’’’は存在しない場合がある。)。また、R’’’とR’’’において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になって3員環を形成してもよい。また、R’’’とR’’’、R’’’とR’’’、R’’’とR’’’10、R’’’11とR’’’12、およびR’’’13とR’’’14のうちの1つ以上において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になってケトン構造を形成してもよく、および/またはエポキシの3員環構造を形成してもよい。)
【化5】
Figure 2004100936
(式中、R’’’’とR’’’’は互いに異なり、水素原子またはアルデヒド基を示す。R’’’’がアルデヒド基を示す場合、結合a’は単結合を示し、結合b’は二重結合を示す。R’’’’がアルデヒド基を示す場合、結合a’は二重結合を示し、結合b’は単結合を示す。R’’’’〜R’’’’27はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、または炭素数が1〜10の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を示す(ただし、R’’’’は存在しない場合がある。)。また、R’’’’とR’’’’において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になって3員環を形成してもよい。また、R’’’’とR’’’’、R’’’’とR’’’’、R’’’’10とR’’’’11、R’’’’13とR’’’’14、R’’’’15とR’’’’16、R’’’’17とR’’’’18、R’’’’19とR’’’’20、R’’’’23とR’’’’24、およびR’’’’25とR’’’’26のうちの1つ以上において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になってケトン構造を形成してもよく、および/またはエポキシの3員環構造を形成してもよい。)
【化6】
Figure 2004100936
(式中、R’’’’’〜R’’’’’はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、または炭素数が1〜10の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を示す。また、式中、右環に付加する2つのアルデヒド基は当該環中の隣接する炭素原子に付加する。)
【請求項3】 上記一般式(化2)で表される化合物において、R’、R’、R’、R’およびR’14がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示し、上記一般式(化3)で表される化合物において、R’’、R’’、R’’、R’’およびR’’16がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す請求項1記載の治療剤または予防剤。
【請求項4】 上記一般式(化2)で表される化合物が、下記一般式(化7)で表される化合物である請求項1記載の治療剤または予防剤。
【化7】
Figure 2004100936
(式中、R’’’’’’〜R’’’’’’はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、メチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す。)
【請求項5】 上記一般式(化3)で表される化合物が、下記一般式(化8)で表される化合物である請求項1記載の治療剤または予防剤。
【化8】
Figure 2004100936
(式中、R’’’’’’’〜R’’’’’’’はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、メチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す。)
【請求項6】 上記一般式(化1)で表される化合物が、ポリゴディアール、エピポリゴディアール、イソベレラル、12−エピ−スカララジアール、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド、およびミョーガジアールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、上記一般式(化2)で表される化合物が、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、および4,6,7,8,9,9a−ヘキサハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−1(3H)−オンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、上記一般式(化3)で表される化合物が、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、5,5a,6,7,8,9,9a,9b−オクタハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オン、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンカルボキシアルデヒド、および2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンカルボキシアルデヒドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項1記載の治療剤または予防剤。
【請求項7】 請求項1に記載の、一般式(化1)で表される化合物、一般式(化2)で表される化合物、一般式(化3)で表される化合物、それらの誘導体および薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とするインスリン様作用剤。
【請求項8】 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、請求項2に記載の、一般式(化4)で表される化合物、一般式(化5)で表される化合物および一般式(化6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項7記載のインスリン様作用剤。
【請求項9】 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物において、R’、R’、R’、R’およびR’14がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示し、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物において、R’’、R’’、R’’、R’’およびR’’16がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す請求項7記載のインスリン様作用剤。
【請求項10】 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、請求項4に記載の一般式(化7)で表される化合物である請求項7記載のインスリン様作用剤。
【請求項11】 請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、請求項5に記載の一般式(化8)で表される化合物である請求項7記載のインスリン様作用剤。
【請求項12】 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、ポリゴディアール、エピポリゴディアール、イソペレラル、12−エピ−スカララジアール、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド、およびミョーガジアールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、および4,6,7,8,9,9a−ヘキサハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−1(3H)−オンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、5,5a,6,7,8,9,9a,9b−オクタハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オン、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンカルボキシアルデヒド、および2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンカルボキシアルデヒドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項7記載のインスリン様作用剤。
【請求項13】 請求項1に記載の、一般式(化1)で表される化合物、一般式(化2)で表される化合物、一般式(化3)で表される化合物、それらの誘導体および薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とするインスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療用または予防用の食品、飲料または飼料。
【請求項14】 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、請求項2に記載の、一般式(化4)で表される化合物、一般式(化5)で表される化合物および一般式(化6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項13記載の食品、飲料または飼料。
【請求項15】 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物において、R’、R’、R’、R’およびR’14がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示し、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物において、R’’、R’’、R’’、R’’およびR’’16がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す請求項13記載の食品、飲料または飼料。
【請求項16】 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、請求項4に記載の一般式(化7)で表される化合物である請求項13記載の食品、飲料または飼料。
【請求項17】 請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、請求項5に記載の一般式(化8)で表される化合物である請求項13記載の食品、飲料または飼料。
【請求項18】 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、ポリゴディアール、エピポリゴディアール、イソベレラル、12−エピ−スカララジアール、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド、およびミョーガジアールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、および4,6,7,8,9,9a−ヘキサハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−1(3H)−オンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、5,5a,6,7,8,9,9a,9b−オクタハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オン、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンカルボキシアルデヒド、および2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンカルボキシアルデヒドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項13記載の食品、飲料または飼料。
【請求項19】 請求項1に記載の、一般式(化1)で表される化合物、一般式(化2)で表される化合物、一般式(化3)で表される化合物、それらの誘導体および薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とする細胞へのグルコース取り込み促進剤。
【請求項20】 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、請求項2に記載の、一般式(化4)で表される化合物、一般式(化5)で表される化合物および一般式(化6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項19記載の細胞へのグルコース取り込み促進剤。
【請求項21】 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物において、R’、R’、R’、R’およびR’14がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示し、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物において、R’’、R’’、R’’、R’’およびR’’16がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す請求項19記載の細胞へのグルコース取り込み促進剤。
【請求項22】 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、請求項4に記載の一般式(化7)で表される化合物である請求項19記載の細胞へのグルコース取り込み促進剤。
【請求項23】 請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、請求項5に記載の一般式(化8)で表される化合物である請求項19記載の細胞へのグルコース取り込み促進剤。
【請求項24】 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、ポリゴディアール、エピポリゴディアール、イソベレラル、12−エピ−スカララジアール、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド、およびミョーガジアールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、および4,6,7,8,9,9a−ヘキサハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−1(3H)−オンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、5,5a,6,7,8,9,9a,9b−オクタハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オン、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンカルボキシアルデヒド、および2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンカルボシアルデヒドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項19記載の細胞へのグルコース取り込み促進剤。
【請求項25】 請求項1に記載の、一般式(化1)で表される化合物、一般式(化2)で表される化合物、一般式(化3)で表される化合物、それらの誘導体および薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とする脂肪細胞への分化誘導剤。
【請求項26】 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、請求項2に記載の、一般式(化4)で表される化合物、一般式(化5)で表される化合物および一般式(化6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項25記載の脂肪細胞への分化誘導剤。
【請求項27】 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物において、R’、R’、R’、R’及びR’14がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示し、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物において、R’’、R’’、R’’、R’’およびR’’16がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す請求項25記載の脂肪細胞への分化誘導剤。
【請求項28】 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、請求項4に記載の一般式(化7)で表される化合物である請求項25記載の脂肪細胞への分化誘導剤。
【請求項29】 請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、請求項5に記載の一般式(化8)で表される化合物である請求項25記載の脂肪細胞への分化誘導剤。
【請求項30】 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、ポリゴディアール、エピポリゴディアール、イソベレラル、12−エピ−スカララジアール、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド、およびミョーガジアールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、および4,6,7,8,9,9a−ヘキサハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−1(3H)−オンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、5,5a,6,7,8,9,9a,9b−オクタハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オン、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンカルボキシアルデヒド、および2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンカルボキシアルデヒドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項25記載の脂肪細胞への分化誘導剤。
【請求項31】 3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノールまたはその塩。

Claims (31)

  1. 下記一般式(化1)で表される化合物、下記一般式(化2)で表される化合物、下記一般式(化3)で表される化合物、それらの誘導体および薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とする、インスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療剤または予防剤。
    Figure 2004100936
    (式中、点線を含む結合は単結合もしくは二重結合を示し、RとRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、ハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基を示し、Xは水素原子もしくは炭素原子を示す。Xが炭素原子を示す場合、当該炭素原子には水素原子、ハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、もしくは糖残基が付加していてもよく、また、Rが脂肪族基であれば、XとRとが一緒になって5〜9員環を形成してもよい。当該5〜9員環は共鳴構造を有するものであってもよい。さらに、一般式(化1)においてXおよびRを除く部分の構造を維持する限り、前記5〜9員環に隣接して1つもしくは複数の4〜6員環からなる多環構造を形成してもよく、当該多環構造には、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、ハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基および糖残基から選択される少なくとも1つの置換基が付加していてもよく、また、分子内にケトン構造および/またはエポキシ構造を含んでいてもよい。また、XとRとが一緒になって6員環を形成する場合、Rが炭素原子であれば、さらにXとRとが一緒になって3員環を形成してもよい。)
    Figure 2004100936
    (式中、R’〜R’14はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基であるか、あるいはR’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’とR’10、R’10とR’11、R’11とR’12、R’12とR’13、R’13とR’14、およびR’14とR’のうちの1つ以上が可能な範囲でそれぞれ炭素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子のうちの1つ以上を含有する環を形成してもよく、さらに前記の環にはエステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、ハロゲン基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基が結合していてもよい。また、R’とR’、R’とR’、R’とR’、R’10とR’11、およびR’12とR’13のうちの1つ以上において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になってケトン構造を形成してもよい。)
    Figure 2004100936
    (式中、R’’〜R’’16はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基であるか、あるいはR’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’10、R’’10とR’’11、R’’11とR’’12、R’’12とR’’13、R’’13とR’’14、R’’14とR’’15、R’’15とR’’16、およびR’’16とR’’のうちの1つ以上が可能な範囲でそれぞれ炭素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子のうちの1つ以上を含有する環を形成してもよく、さらに前記の環にはハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、アミノ基、ニトロ基、ハイドロペルオキシ基、脂肪族基、芳香族基、芳香脂肪族基、または糖残基が結合していてもよい。また、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’とR’’、R’’10とR’’11、R’’12とR’’13、およびR’’14とR’’15のうちの1つ以上において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になってケトン構造を形成してもよい。)
  2. 上記一般式(化1)で表される化合物が、下記一般式(化4)で表される化合物、下記一般式(化5)で表される化合物および下記一般式(化6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項1記載の治療剤または予防剤。
    Figure 2004100936
    (式中、Yは0または1個の炭素原子を示す。Yが0個の炭素原子の場合、R’’’13とR’’’14は存在しない。R’’’とR’’’は互いに異なり、水素原子またはアルデヒド基を示す。R’’’がアルデヒド基を示す場合、結合aは単結合を示し、結合bは二重結合を示す。R’’’がアルデヒド基を示す場合、結合aは二重結合を示し、結合bは単結合を示す。R’’’〜R’’’15はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、または炭素数が1〜10の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を示す(ただし、R’’’は存在しない場合がある。)。また、R’’’とR’’’において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になって3員環を形成してもよい。また、R’’’とR’’’、R’’’とR’’’、R’’’とR’’’10、R’’’11とR’’’12、およびR’’’13とR’’’14のうちの1つ以上において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になってケトン構造を形成してもよく、および/またはエポキシの3員環構造を形成してもよい。)
    Figure 2004100936
    (式中、R’’’’とR’’’’は互いに異なり、水素原子またはアルデヒド基を示す。R’’’’がアルデヒド基を示す場合、結合a’は単結合を示し、結合b’は二重結合を示す。R’’’’がアルデヒド基を示す場合、結合a’は二重結合を示し、結合b’は単結合を示す。R’’’’〜R’’’’27はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、または炭素数が1〜10の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を示す(ただし、R’’’’は存在しない場合がある。)。また、R’’’’とR’’’’において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になって3員環を形成してもよい。また、R’’’’とR’’’’、R’’’’とR’’’’、R’’’’10とR’’’’11、R’’’’13とR’’’’14、R’’’’15とR’’’’16、R’’’’17とR’’’’18、R’’’’19とR’’’’20、R’’’’23とR’’’’24、およびR’’’’25とR’’’’26のうちの1つ以上において、それらが結合している環中の炭素原子と共に一緒になってケトン構造を形成してもよく、および/またはエポキシの3員環構造を形成してもよい。)
    Figure 2004100936
    (式中、R’’’’’〜R’’’’はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン基、アシル基、エステル化もしくはエーテル化されていてもよい水酸基、または炭素数が1〜10の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を示す。また、式中、右環に付加する2つのアルデヒド基は当該環中の隣接する炭素原子に付加する。)
  3. 上記一般式(化2)で表される化合物において、R’、R’、R’、R’およびR’14がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示し、上記一般式(化3)で表される化合物において、R’’、R’’、R’’、R’’およびR’’16がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す請求項1記載の治療剤または予防剤。
  4. 上記一般式(化2)で表される化合物が、下記一般式(化7)で表される化合物である請求項1記載の治療剤または予防剤。
    Figure 2004100936
    (式中、R’’’’’’〜R’’’’’’はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、メチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す。)
  5. 上記一般式(化3)で表される化合物が、下記一般式(化8)で表される化合物である請求項1記載の治療剤または予防剤。
    Figure 2004100936
    (式中、R’’’’’’’〜R’’’’’’’はそれぞれ同じであっても異なっていてもよく、メチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す。)
  6. 上記一般式(化1)で表される化合物が、ポリゴディアール、エピポリゴディアール、イソベレラル、12−エピ−スカララジアール、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド、およびミョーガジアールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、上記一般式(化2)で表される化合物が、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、および4,6,7,8,9,9a−ヘキサハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−1(3H)−オンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、上記一般式(化3)で表される化合物が、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、5,5a,6,7,8,9,9a,9b−オクタハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オン、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンカルボキシアルデヒド、および2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンカルボキシアルデヒドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項1記載の治療剤または予防剤。
  7. 請求項1に記載の、一般式(化1)で表される化合物、一般式(化2)で表される化合物、一般式(化3)で表される化合物、それらの誘導体および薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とするインスリン様作用剤。
  8. 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、請求項2に記載の、一般式(化4)で表される化合物、一般式(化5)で表される化合物および一般式(化6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項7記載のインスリン様作用剤。
  9. 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物において、R’、R’、R’、R’およびR’14がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示し、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物において、R’’、R’’、R’’、R’’およびR’’16がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す請求項7記載のインスリン様作用剤。
  10. 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、請求項4に記載の一般式(化7)で表される化合物である請求項7記載のインスリン様作用剤。
  11. 請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、請求項5に記載の一般式(化8)で表される化合物である請求項7記載のインスリン様作用剤。
  12. 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、ポリゴディアール、エピポリゴディアール、イソベレラル、12−エピ−スカララジアール、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド、およびミョーガジアールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、および4,6,7,8,9,9a−ヘキサハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−1(3H)−オンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、5,5a,6,7,8,9,9a,9b−オクタハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オン、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンカルボキシアルデヒド、および2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンカルボキシアルデヒドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項7記載のインスリン様作用剤。
  13. 請求項1に記載の、一般式(化1)で表される化合物、一般式(化2)で表される化合物、一般式(化3)で表される化合物、それらの誘導体および薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とするインスリン量またはインスリン応答の変調を伴う疾患の治療用または予防用の食品、飲料または飼料。
  14. 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、請求項2に記載の、一般式(化4)で表される化合物、一般式(化5)で表される化合物および一般式(化6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項13記載の食品、飲料または飼料。
  15. 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物において、R’、R’、R’、R’およびR’14がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示し、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物において、R’’、R’’、R’’、R’’およびR’’16がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す請求項13記載の食品、飲料または飼料。
  16. 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、請求項4に記載の一般式(化7)で表される化合物である請求項13記載の食品、飲料または飼料。
  17. 請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、請求項5に記載の一般式(化8)で表される化合物である請求項13記載の食品、飲料または飼料。
  18. 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、ポリゴディアール、エピポリゴディアール、イソベレラル、12−エピ−スカララジアール、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド、およびミョーガジアールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、および4,6,7,8,9,9a−ヘキサハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−1(3H)−オンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、5,5a,6,7,8,9,9a,9b−オクタハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オン、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンカルボキシアルデヒド、および2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンカルボキシアルデヒドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項13記載の食品、飲料または飼料。
  19. 請求項1に記載の、一般式(化1)で表される化合物、一般式(化2)で表される化合物、一般式(化3)で表される化合物、それらの誘導体および薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とする細胞へのグルコース取り込み促進剤。
  20. 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、請求項2に記載の、一般式(化4)で表される化合物、一般式(化5)で表される化合物および一般式(化6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項19記載の細胞へのグルコース取り込み促進剤。
  21. 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物において、R’、R’、R’、R’およびR’14がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示し、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物において、R’’、R’’、R’’、R’’およびR’’16がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す請求項19記載の細胞へのグルコース取り込み促進剤。
  22. 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、請求項4に記載の一般式(化7)で表される化合物である請求項19記載の細胞へのグルコース取り込み促進剤。
  23. 請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、請求項5に記載の一般式(化8)で表される化合物である請求項19記載の細胞へのグルコース取り込み促進剤。
  24. 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、ポリゴディアール、エピポリゴディアール、イソベレラル、12−エピ−スカララジアール、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド、およびミョーガジアールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、および4,6,7,8,9,9a−ヘキサハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−1(3H)−オンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、5,5a,6,7,8,9,9a,9b−オクタハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オン、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンカルボキシアルデヒド、および2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンカルボキシアルデヒドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項19記載の細胞へのグルコース取り込み促進剤。
  25. 請求項1に記載の、一般式(化1)で表される化合物、一般式(化2)で表される化合物、一般式(化3)で表される化合物、それらの誘導体および薬理学的に許容されるそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を有効成分として含有することを特徴とする脂肪細胞への分化誘導剤。
  26. 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、請求項2に記載の、一般式(化4)で表される化合物、一般式(化5)で表される化合物および一般式(化6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項25記載の脂肪細胞への分化誘導剤。
  27. 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物において、R’、R’、R’、R’及びR’14がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示し、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物において、R’’、R’’、R’’、R’’およびR’’16がそれぞれメチル基、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、アセトキシメチル基またはハイドロキシメチル基を示す請求項25記載の脂肪細胞への分化誘導剤。
  28. 請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、請求項4に記載の一般式(化7)で表される化合物である請求項25記載の脂肪細胞への分化誘導剤。
  29. 請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、請求項5に記載の一般式(化8)で表される化合物である請求項25記載の脂肪細胞への分化誘導剤。
  30. 請求項1に記載の一般式(化1)で表される化合物が、ポリゴディアール、エピポリゴディアール、イソベレラル、12−エピ−スカララジアール、ナフタレン−2,3−ジカルボキシアルデヒド、およびミョーガジアールからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化2)で表される化合物が、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、および4,6,7,8,9,9a−ヘキサハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−1(3H)−オンからなる群より選択される少なくとも1つの化合物であり、請求項1に記載の一般式(化3)で表される化合物が、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノール、5,5a,6,7,8,9,9a,9b−オクタハイドロ−6,6,9a−トリメチル−ナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オン、1−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−2−ナフタレンカルボキシアルデヒド、および2−[(アセチルオキシ)メチル]−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1−ナフタレンカルボキシアルデヒドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項25記載の脂肪細胞への分化誘導剤。
  31. 3,5,6,7,8,8a−ヘキサハイドロ−5,5,8a−トリメチル−1,2−ナフタレンジメタノールまたはその塩。
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