JPWO2005065462A1 - ラングドシャ菓子の製造方法及び製造装置 - Google Patents

ラングドシャ菓子の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ラングドシャ生地を正確に二つ折りするための装置及び方法を提供する。【解決手段】 菓子製造装置は、下方に傾斜したコンベア15と、コンベア15の先に連なるように延びる受けバー37と、受けバー37の下流に配置されたストッパ35と、を備える。焼成されたシート状のラングドシャ生地(ラングシート)は、受けバー37上で前端がストッパ35に当った姿勢で静止する。成形プレート51は、先端を静止したラングシートの折り線に当て、この折り線を押しながらラングシートを二つ折りする。成形プレート51の先端部には、プレートとラングシートとのズレを防止するための突起が設けられている。【選択図】 図5

Description

本発明は、ラングドシャ生地を二つ折りした菓子を製造する方法及び装置に関する。特には、このような菓子を見た目の良い外観で大量生産できる製造方法及び装置に関する。
ラングドシャ生地の食感や風味を活かすために、焼成したラングドシャ生地を二つ折りにした菓子が実際に販売されている。この菓子は、長方形状のラングドシャ生地を、焼成後に真中で二つ折りにして重ねた、ほぼ正方形状の外観を有する菓子である。重ねられた生地の表面にアーモンドスライス等をトッピングすることもできる。
現状では、このような菓子を製造する際には、焼成後のラングドシャ生地を人手で半分に折っている。ラングドシャ生地は、焼成してから固まるまでの時間が4秒程度と非常に短く、固まった後の生地が脆くて壊れやすい性質をもつ。このため、固まるまでの短時間の内に手で折ろうとすると、生地の一部が欠けたり、正確に二つ折りにできないことがある。そのため、重ねた菓子の端がズレて見栄えの悪いものができることも多い。
図10は、二つ折りラングドシャ菓子の不良品の例である。
図10(A)の菓子C´は、折り線Fが生地の長手方向の真中でないため、折られた片C1´、C2´の長さが異なり、各片C1´、C2´がぴったりと重なっていない。
図10(B)の菓子C´´は、折り線Fが生地の長辺と直角でないため、折られた片C1´´、C2´´の形状が異なり、各片C1´、C2´が横方向にズレて、ぴったりと重なっていない。
このように、手で折った場合、折り線Fの位置や角度が正確でないため、不良品が発生する率が高い。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、ラングドシャ生地を正確に二つ折りするための装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明のラングドシャ菓子の製造方法は、 ラングドシャ生地をシート状に摺り込む工程; 摺り込まれたラングドシャ生地を焼成する工程; 焼成されたシート状のラングドシャ生地を(ラングシート)を折り畳む工程;を含むラングドシャ菓子の製造方法であって、 前記折り畳む工程において、 前記ラングシートを定位置・定姿勢で静止させ、 該ラングシートの折り目となる線(折り線)に成形プレートの先端部を当てて押しながら該ラングシートを二つ折りにし、 そして、その後折られたラングシートを、はさみ込みながらコンベアで送ることにより折り畳み、 ここで、前記成形プレートの先端部に突起を設けておいて、該プレートと前記ラングシートとのズレを防止することを特徴とする。
本発明によれば、定位置・定姿勢で静止したラングシートの折り線に成形プレートの先端を当てて押しながら二つ折りする際に、成形プレートの先端部に突起を設けておいて、プレートとラングシートとのズレを防止しているため、折り線の位置や角度を一定にすることができる。そのため、見栄えのよいラングドシャ菓子を量産できる。
本発明のラングドシャ菓子の製造装置は、 焼成されたシート状のラングドシャ生地(ラングシート)を折り畳む菓子製造装置であって、 前記ラングシートを定位置に定姿勢で静止させる位置決め手段と、 静止したラングシートを、折り目となる線(折り線)に沿って二つ折りする二つ折り手段と、 二つ折りされたラングシートをはさみ込みながら送る挟み送り手段と、を備え、 前記二つ折り手段が、前記ラングシートの折り線に先端部が当てられて、該折り線を押しながら該ラングシートを二つ折りする成形プレートを有し、該成形プレートの先端部に、該プレートと前記ラングシートとのズレを防止するための突起が設けられていることを特徴とする。
本発明においては、 前記位置決め手段が、 下方に傾斜した投入コンベアと、 該コンベアの先に連なるように延びる受けバーと、 該受けバーの下流に配置されたストッパと、を備え、 前記成形プレートが、前記ストッパから、前記コンベアの側に配置されるとともに、前記受けバーと直交する方向に駆動されることが好ましい。
ラングシートを、下方に傾斜する投入コンベアで搬送することにより、同シートには軌道前方への慣性力と傾斜相当の重力が働く。そして、これらの力によって、ラングシートをストッパに当てることにより、シートを短時間で定位置に定姿勢で静止させることができる。
また、成形プレートを、ストッパ面から、コンベア側に、折り長さ(例えば、ラングシートの長さの半分)だけ離れた位置に配置することにより、成形プレートの先端をラングシートの折り線に確実に当てることができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ラングドシャ生地の折り線の位置及び角度を一定の正しいものとすることができる。また、ラングドシャ生地を短時間で二つ折りすることができる。したがって、見栄えの良いラングドシャ菓子を大量生産できる装置及び方法を提供できる。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の菓子製造装置で製造される菓子を説明する。
図9は、本発明の菓子製造装置で製造される菓子の形状を示す図であり、図9(A)は菓子生地の平面図、図9(B)は完成した菓子の側面図、図9(C)は菓子全体の斜視図である。
菓子は、焼成後のシート状ラングドシャ生地(ラングシート)Dから作製される。図9(A)に示すように、ラングシートDの平面形状は長方形で、一例として、生地Dの長さ(長辺の長さ)は約80mm、幅(短片の長さ)は約40mm、厚さは約2mmである。
このラングシートDを、長手方向半分の折り線Fで二つに折り返す。折り線Fは、ラングシートDの長辺に直角である。折り返す際、ラングシートDのバンドオーブン(連続焼成装置)の焼板の表面に接していた面を内側、その反対側の面を外側とする。バンドオーブンで生地を焼成すると、同オーブンの表面に接している面は、粗くざらざらした感触となる。一方、表面に接していない面は、比較的滑らかな感触となり、外周に焼き色が着いておいしそうな外観となる。そこで、バンドオーブンに接してない側の面を外側にしてラングシートを二つ折りすることにより、おいしそうな外観を呈する面を、菓子の外側の面とできる。
完成した菓子Cは、ほぼ正方形状となり、図9(B)に示すように、折られた片C1、C2がほぼぴったりと重なる。また、生地Dの外面(バンドオーブンに接していなかった面)が菓子Cの外面となる。菓子Cの外面の、折り線辺以外の辺は焼き色で縁取られている。
次に、この菓子Cを製造する装置について説明する。
まず、菓子製造ラインの全体の構成を説明する。
図1は、菓子製造ラインの全体構成を示すブロック図である。
菓子製造ラインは、上流側から下流側(図の左から右)へ向けて配置された、摺り込み装置(摺り込み工程)、バンドオーブン(焼成工程)、菓子製造装置1(折り畳み工程)、冷却部130、包装機から主に構成される。
摺り込み装置においては、ラングドシャ生地を、図9(A)に示すような長方形のシート状に摺り込む。摺り込み装置としては、一般に使用されている装置を使用できる。 そして、バンドオーブンで、摺り込まれたシート状ラングドシャ生地を焼成する。バンドオーブンも、一般に使用されている装置を使用できる。
ラングドシャ生地の組成及び焼成条件の一例は以下のとおりである。
組成(生地の配合)例(質量%)
バター 23.78%
ショートニング 4.76%
食塩 0.24%
上白 23.78%
卵白 20.21%
バターフレーバー 0.15%
ミルクフレーバー 0.24%
レモン汁 0.72%
小麦粉 23.78%
コンデンスミルク 2.38%
焼成条件
上火 180℃(4分5秒) 200℃(2分35秒)
下火 130℃(4分5秒) 130℃(2分35秒)
バンドオーブンで焼成された生地は、本発明の菓子製造装置1に移される。この菓子製造装置は、焼成された生地を定位置に定姿勢で静止させる位置決め手段(位置決め部)10、静止状態の生地を二つ折りする二つ折り手段(二つ折り部)50、二つ折りされた生地を挟みながら送る挟み送り手段(挟み送り部)100を有する。
二つ折りされて成形された生地は、冷却コンベア130に移されて冷却された後、包装機で包装される。
次に、本発明の実施の形態に係る菓子製造装置1の構造を詳細に説明する。
まず、位置決め手段10を説明する。
位置決め手段10では、バンドオーブンから移された焼成後のラングドシャ生地(ラングシート)を定位置に搬送し、同位置で定姿勢に静止させる。
図2は、位置決め手段の構成を示す側面図である。
図3は、位置決め部の正面図である。
図2に示すように、ラングシートDは、移行装置11によってバンドオーブン13の表面から菓子製造装置1の位置決め部10に移行される。移行装置11としては一般的な装置を使用できる。この移行装置11により、ラングシートDはバンドオーブン13に接していた面を下側、接していなかった面を上側として、長手方向に延びた状態で位置決め部10に移される。
位置決め部10は、図のほぼ中央に示された投入コンベア15と、図の右側に示された、ストッパ35と、受けバー37とを有する。投入コンベア15は、図3に示すように、平行な2列のエンドレスのプラスチックチェーン16A、16Bからなるコンベアである。図2に示すように、各プラスチックチェーン16は、上流スプロケット17と、下流スプロケット19との間に巻き回されて、環状の軌道上を図の時計方向に循環走行する。上流スプロケット17は、下流スプロケット19より上方に位置し、各チェーン16は上流スプロケット17から下流スプロケット19に向けて下方に傾斜している。さらに、両ローラの間にはガイドローラ21が介されており、両ローラ間を、異なる傾斜の2つの部分に分けている。上流スプロケット17とガイドローラ21との間は傾斜が比較的緩い緩傾斜部25となっている。この例では、緩傾斜部25の平面に対する角度は10°である。ガイドローラ21と下流スプロケット19との間は傾斜が比較的急な急傾斜部27となっている。この例では、急傾斜部27の平面に対する角度は18°である。この急傾斜部27におけるチェーン16の上面を搬送面P1とする。
チェーン16の下流スプロケット19から上流スプロケット17へ向かう部分には、駆動ギア29が介されている。駆動ギア29がモータで駆動されると、プラスチックチェーン16は環状軌道上を図の時計方向に循環走行する。
図3にも示すように、最上流スプロケット17から最下流スプロケット19の間において、プラスチックチェーン16の両側には、サイドガイド31が設けられている。サイドガイド31間の幅は43mmであり、ラングシートDの幅方向両側に3mm程度(各側に1.5mm程度)のスキマを持たせた程度の寸法である。
図2の右側に示すように、コンベア15の最下流部(プラスチックチェーン16の下流スプロケット19でのターン部)から、コンベア15の急傾斜部27の延長上を離れた位置に、ストッパ35が配置されている。ストッパ35はL字型の形状で、一面(ストッパ面)35aが、搬送面P1に対して直角に拡がり、もう一方の面35bが、装置本体に搬送面P1方向に移動可能に固定されている。つまり、ストッパ面35aの位置を、搬送面P1上で変えることができる。
コンベアチェーン16の最下流部とストッパ面35aとの間には、スキマW1が開いている。搬送面P1に対するスキマW1の長さは、この例では44mmである。そして、ストッパ面35aから、4本の受けバー37が、ストッパ面35aと直角方向、かつ、コンベア15の急傾斜部27に連なるように(搬送面P1上を延びる方向に)立設されている。
なお、コンベア15の各部の角度や受けバー37の角度、コンベア送り速度は、送り込んだラングシートDが途中で止まったり、ストッパ面35aで跳ね返ったりしないように適当な値とする。
図4は、位置決め部及び二つ折り部の主要部の構成を示す図であり、図4(A)は平面図、図4(B)は側面図である。なお、これらの図は、搬送面P1を水平として描かれている。
図4(B)に示すように、各受けバー37は、コンベア15の搬送面P1上を延びている。図4(A)に示すように、各バー37は等しい間隔(この例では10mm)を隔てて平行に延びており、4本の受けバー37の内、外側の2本の受けバー37Aの長さは内側の2本の受けバー37Bの長さより短い。この例では、各受けバー37の径は3mm、各外側受けバー37Aの長さは38mm、各内側受けバー37Bの長さは60mmである。図4(A)に示すように、内側受けバー37Bは、ストッパ面35aからコンベア15の2つのチェーン16A、16Bの間に延びており、チェーン16と内側受けバー37Bの先端部とが搬送面P1上で重なっている。一方、外側受けバー37Aはチェーン16に達しておらず、外側受けバー37Aの先端とコンベアチェーン16との間にはスキマW2が開いている。スキマW2の長さは、この例では6mmである。
コンベア15の下流スプロケット19からストッパ35までの間には、一方(図4(A)の下側)のサイドガイド31から延長された補助サイドガイド32が延びている。
図2を参照して、位置決め部10でのラングシートの動きについて説明する。
位置決め部10に移されたラングシートDは、図の左から右方向に、コンベア15の緩傾斜部25から急傾斜部27を搬送されて、最下流スプロケット19での下方へのターン部に達する。このターン部では、図4(A)に示したように、チェーン16と内側受けバー37Bの先端部とが、搬送面P1において重なっているため、ラングシートDはチェーン16上から受けバー37上に移し変えられる。そして、ラングシートDは、前端がストッパ35のストッパ面35aに当たるまで搬送される。コンベア15のターン部からストッパ面35aまでの間(スキマW1)にはコンベア15が存在していないが、ラングシートDの前端が受けバー37上に移行しても、同シートDの後部はまだコンベア15上に載っているため、ラングシートDを前方へ送り出す力(慣性力)が作用している。また、急傾斜部27の傾斜によって、同部を搬送されるラングシートDには傾斜に相当する重力が作用している。これらの力によって、ラングシートDはコンベア15から、前端がストッパ面35aに当たるまで受けバー37に移し変えられる。
このように、ラングシートDは、前端がストッパ面35aに当って、長手方向に位置決めされる。また、ラングシートDの幅に近い寸法の幅の補助サイドガイド32により、幅方向に位置決めされる。したがって、ラングシートDは、受けバー上37に、常に長手方向及び幅方向にずれることなく搬送される。
さらに、シートDは、ストッパ面35aに当ってはね返らずにすぐに停止するため、定位置に静止するまで待つ必要がなく、高速生産が可能になる。一例として、ラングシートDが投入コンベア15に投入されてから受けバー37上に搬送されるまでの時間は約2.5〜3秒である。
次に、図4、図5を参照して二つ折り部50を説明する。
図5は、二つ折り部を説明する図である。
二つ折り部50では、受けバー37上で静止しているラングシートDを二つ折りする。同部50は、受けバー37の下方に配置された成形プレート51と、同プレート51の上方に配置された上下の成形コンベア70、80を有する。図4(A)、(B)に詳細に示すように、成形プレート51は、ストッパ面35aからコンベア15の方向に、ラングシートDの長さの半分の長さW3程度(この例では41mm)だけ離れた位置に配置されて、搬送面P1に直交する面P2に拡がっている。そして、搬送面P1に直交する面P2内を上下に駆動される。
図6は、成形プレートの形状と受けバーとの位置関係を示す図であり、図6(A)は平面図、図6(B)は正面図である。
成形プレート51は、図6(B)に示すようにくし型の板である。この例では、プレート51の長さは130mm、幅はラングシートDの幅とほぼ等しく、40mmである。同プレート51の先端部には、プレート51の先端から長さ方向に切り込まれた2つのスリット53が形成されている。各スリット53の幅は、この例では4.5mmであり、受けバー37の径より少しだけ大きい寸法である。スリット53間の間隔は10mmである。このスリット53により、プレート先端部は左右の片51a、51bと中央片51cの3つの片に分けられている。各片51a、51b、51cの先端面には、突起55が立設している。各突起55は円柱状で、先端面は平坦である。突起55の径は1mm、長さは2mmである。突起55間の間隔は15mmである。
図6(A)に示すように、搬送面P1に直交する方向からみると、成形プレート51は、外側の短い受けバー37Aの先端と、チェーン16のターン部との間のスキマW2に位置している。このスキマW2において、成形プレート51は内側受けバー37Bの下方を幅方向に横切っている。そして、成形プレート51の中央片51cは2本の内側バー37Bの間に位置しており、各スリット53は、内側受けバー37Bの真下に位置している。このような配置により、成形プレート51をスキマW2内で搬送面P1と直交する面P2上を上方に移動させたとき、同プレートの左右片51a、51bはスキマW2を通過する。そして、各スリット53内に内側受けバー37Bが入り込んで、中央片51cが内側受けバー37Bの間からスキマW2を通過する。これにより、成形プレート51が受けバー37を越えて上方に移動する。
図5に示すように、成形プレート51は、先端の突起55が搬送面P1より下方に位置する下位置と、受けバー37から、搬送面P1と直交する面P2内に突き出た上位置との間を、昇降機構60により上下に移動する。
昇降機構60は成形プレート51の下端に設けられている。この昇降機構60により、成形プレート51は、搬送面P1に直交する方向に延びるリニアガイド61によって、同方向に上下に移動する。昇降機構60は、成形プレート51の下端と一端63aが接続するターンバックル63、同ターンバックル63の他端63bとクランク65を介して連結されるサーボモータ67を有する。ターンバックル63は、成形プレート51との接続位置63aと、クランク65との接続位置63bとの間の長さを変更できるもので、成形プレート51の位置(高さ)の調整を行う。モータ67が駆動すると、クランク65とターンバックル63を介して、成形プレート51がリニアガイド61に沿って移動する。
この例では、成形プレート51の移動距離は60mmで、最も高くまで移動した位置は、搬送面P1から60mm上方の位置である。
ターンバックル63の下部には近接スイッチ69が付設されている。このスイッチ69はターンバックル63の移動を検知して、成形プレート51の位置制御を行う。
ラングシートDが投入コンベア15から受けバー37上に搬送されて静止した後、成形プレート51が昇降機構60により上昇する。このとき、上述のように、成形プレート51はスリット53の部分で内側受けバー37Bの間をすり抜けて上昇する。そして、成形プレート51の先端面が、受けバー37上に静止しているラングシートDを持ち上げる。搬送面P1に直交する方向から見ると、成形プレート51は、ストッパ面35aからラングシートDの長さの半分の長さW3の位置に配置されているため、ラングシートDの長手方向のほぼ真中が成形プレート51によって持ち上げられる。また、ラングシートDは、バンドオーブン11に接していない面が上側となっているので、同面が外側となっている。
ラングシートDはこの時点で焼成後間もないためまだ柔らかく、成形プレート51に沿って二つに折られる。成形プレート51の幅は、ラングシートDの幅とほぼ等しく、成形プレート51の先端は、上述のように2つのスリット53を挟んで3つの片に分かれているが、スリット53の幅は可能な限り狭くされているため、ラングシートDをほぼ全幅方向にわたって持ち上げることができる。このため、ラングシートDの折り線を真っ直ぐにすることができる。さらに、成形プレート51の各片の先端面に形成された突起55は、ラングシートDを同プレート51の先端面に滑らずに保持させることができる。突起55は、ラングシートDに深くは突き刺さらないが、先端がややラングシート表面に没入した状態でラングシートDを持ち上げるため、同シートDは突起55から滑りにくい。このため、成形プレート51は、確実にシートDの真中の部分を持ち上げることができる。
なお、ラングシートDを成形プレート51から外した後、同シートDに突起55の跡はほとんど残らない。
次に、図5を参照して上下の成形コンベア70、80を説明する。
上下成形コンベア70、80は搬送面P1の上方に配置されており、上成形コンベア70は、搬送面P1に直交する面P2の一方の側(図の左側)に配置され、下成形コンベア80は、同面P2の他方の側(図の右側)に配置されている。上下成形コンベア70、80は、成形プレート51に沿って二つ折りされているラングシートDを、成形プレート51から外しながら次の挟み送り部100に搬送する。二つ折りされているラングシートDは、上下成形コンベア70、80により両側から挟まれて、成形プレート51の移動方向と同じ方向、すなわち、搬送面P1と直交する方向に、折り目を先にして搬送される。
上成形コンベア70はシートコンベアである。シート71は、上流ローラ73と下流ローラ75との間に巻き回されて、環状の軌道上を、図の反時計方向に循環走行する。上流ローラ73と下流ローラ75の間には、押えローラ77が配置されている。
下成形コンベア80もシートコンベアであり、シート81は、上流ローラ83と下流ローラ85(図7参照)との間に巻き回されて、環状の軌道上を、図の反時計方向に循環走行する。なお、下成形コンベア80の、上流ローラ81から下流ローラ85までの間には、ガイドローラ87が配置されている。また、上流ローラ81とガイドローラ87の間には、押えローラ89が配置されている。
各コンベアの移動速度は等しい。
上成形コンベア70のシート71が上流ローラ73から下流ローラ75に向かう部分と、下成形コンベア80のシート81が上流ローラ83からガイドローラ87に向かう部分は、搬送面P1に直交する面P2に対して対称に配置されている。そして、上流ローラ73、83間の間隔は、押えローラ77、89間の間隔より広くなっている。また、下流ローラ75とガイドローラ87間の間隔は、押えローラ77、89間の間隔と等しくなっている。このように各ローラを配置することにより、上下成形コンベア70、80のシート71、81間の間隔は、上流ローラ73、83間から、押えローラ77、89間に向かって狭まり、押えローラ77、89間から下流ローラ75、ガイドローラ87間まで一定となる。この間隔は、この例では9mmであり、ラングシートDの厚さの2倍と、成形プレート51の厚さを加えた程度の寸法である。つまり、この部分では、二つ折りされたラングシートDを両側からシート71、81を接触させて両シート間に保持するのみであり、ラングシートDを両側から力を加えて押えていない。
図5に示すように、成形プレート51は、上下成形コンベア70、80の各シート71、81の間を、先端が押えローラ77、89間をやや超えた上位置まで上昇する。成形プレート51が上位置まで上昇すると、成形プレート51の先端に沿って折り返されているラングシートDは、各コンベア70、80のシート71、81を介して各押えローラで77、89で両側から挟まれる。このとき、シート71、81間の間隔は、上述のように、成形プレート51の厚さと沿って二つ折りされたラングシートDの厚さを加えた程度の寸法であるため、ラングシートDは両側から押されていない。その後、成形プレート51は下降するが、二つ折りされたラングシートDは各シート71、81間に、摩擦によって保持される。
上成形コンベア70の下流ローラ75から上流ローラ73に向かう部分にはガイドローラ79が介されている。このガイドローラ79は同コンベア70のシート71の張力を調整する。
次に、図7を参照して挟み送り部100を説明する。
図7は、挟み送り部を示す側面図である。
挟み送り部100は、押えコンベア110と下成形コンベア80を有する。二つ折りされたラングシートDは、押えコンベア110と下成形コンベア80により両側から挟まれて、二つ折り部50から、図の左から右方向に、折り目を先にして搬送される。これにより二つ折りされたラングシートDが両側から挟まれて、折られた片同士が重ね合わされる。
押えコンベア110はシートコンベアであり、シート111が上流ローラ113と下流ローラ115間に巻き回されて、図の反時計方向に循環走行する。シート111は、上流ローラ113と下流ローラ115との間で、押え板117により下方に押されている。押え板117は、上流ローラ113と下流ローラ115の間のほぼ全長に渡って延びている。また、押え板117の上流側端部117aと下流側端部117bは上方に湾曲している。
下成形コンベア80も、上述のようにシートコンベアであり、シート81が上流ローラ83と下流ローラ85の間に巻き回されて、図の時計方向に循環走行する。
各コンベアの移動速度は等しい。
二つ折りされたラングシートDは、下成形コンベア80のガイドローラ87から下流ローラ85に、ほぼ水平に延びるシート81上に載る。そして、ラングシートDは、上方から、押えコンベア110の上流ローラ113から下流ローラ115に向かうシート111により下方に押されつつ、両シート81、111で挟まれて搬送される。
詳細に説明すると、二つ折り部50の、上成形コンベア70の下流ローラ75と下成形コンベア80のガイドローラ87の間を通過したラングシートDは、下成形コンベア80のシート81上に載って挟み送り部100に移る。
このとき、二つ折りされたラングシートDはもう固まり始めているため、二つ折りされた板状の状態のまま傾斜した面P2から水平な面(シート81上)へ移行させる必要がある。また、ガイドローラ87に沿ったシート81上では、ラングシートDは上成形コンベア70のシート71や押えコンベア110のシート111で完全に挟まれていない状態であるため、シート81上を滑り落ちることもあり得る。
このため、ガイドローラ87の径をなるべく大きくして、傾斜した部分から水平部分へ滑らかに移行するようにしている。また、ガイドローラ87と、上成形コンベア110の上流ローラ113との間隔を広くするとともに、押え板117によって、シート81、111間の間隔を上流に向かって狭めている。
このような構成としたことにより、二つ折りされたラングシートDの前端が両ローラ75、87の間から突き出たときに、同端に上成形コンベア110のシート111が接触せず、ラングシートDがガイドローラ87に沿って水平方向に向いてきたときに、同端をシート111に接触させるようにしている。
ラングシートDの下側の面は、一つの下成形コンベア80上を搬送されるが、上側の面は、上成形コンベア70と押えコンベア110により搬送される。そこで、上成形コンベア70の下流ローラ75と押えコンベア110の上流ローラ113との間隔をできるだけ狭くして、ラングシートDの上側の面をスムーズに搬送できるようにしている。
ラングシートDは、シート81に載って搬送されつつ、上面に、押え板117で下方に押されている押えコンベア110のシート111が当てられる。押え板117が配置されている部分では、押えコンベア110のシート111と、下成形コンベア80のシート81との間隔は、7mmである。この間隔は、二つ折り部50における各シート71、81間の間隔よりもやや狭くなっている。このため、二つ折りされたラングシートDは、シート71、81により両面から押えられている。つまり、ラングシートDは両面から押えられて、ラングシートDの内側の面が確実に密接する。
ラングシートDが二つ折り部50の受けバー37上で静止した状態から二つ折りされて、成形されるまで(挟み送り部100から搬出されるまで)の時間は、約1.2秒である。
押えコンベア110の下流ローラ115から上流ローラ113へ向かう部分には、ガイドローラ119が配置されている。このガイドローラ119は同コンベア110のシート111の張力を調整する。
下成形コンベア80の下流ローラ85から上流ローラ83へ向かう部分には、ガイドローラ91が配置されている。このガイドローラ91は同コンベア80のシート81の張力を調整する。
下成形コンベア80の下流ローラ85は、同心円上を回転するギア86に固定されている。このギア86は、伝達ギア123を介して、モータ121の出力軸に固定された駆動ギア122と噛み合っている。また、下流ローラ85が固定されているギア86は、押えコンベア110の下流ローラ115と同心円上を回転するギア116と噛みあっている。
モータ121の駆動ギア122が図の時計方向に回転すると、伝達ギア123を介してギア86が図の時計方向に回転する。これにより、同ギア86に固定されている下流ローラ85が図の時計方向に回転して、下成形コンベア80が図の時計方向に循環走行する。ギア86が図の時計方向に回転すると、同ギア86に噛み合っているギア116は、図の反時計方向に回転する。そして、同ギア86に固定されている、押えコンベア110の下流ローラ115が図の反時計方向に回転する。これにより、押えコンベア110が図の反時計方向に循環走行する。
押えコンベア110の上流ローラ113と上成形コンベア70の下流ローラ75との間には、ギア125が配置されている。このギア125を介して、押えコンベア110の上流ローラ113が固定されているギアと、上成形コンベア70の下流ローラ75が固定されているギアが噛み合っている。押えコンベア110が図の反時計方向に循環走行すると、ギア125は押えコンベア110の上流ローラ113で駆動されて、押えコンベア110と反対方向、即ち、時計方向に回転する。ギア125が回転すると、上成形コンベア70の下流ローラ75は、ギア125と反対方向、即ち、反時計方向に循環走行する。
挟み送り部100の下流には、冷却部(冷却コンベア)130が配置されている。
図8は、冷却コンベアを示す側面図である。
冷却部コンベア130は、成形後の二つ折りラングシートDを搬送しながら冷却及び整列させる。同コンベア130はシートコンベアであり、シート131は上流ローラ133と下流ローラ135との間に巻き回されて、環状の軌道を図の時計方向に循環走行する。ラングシートDは、上流ローラ133から下流ローラ135へ向かうシート131上を図の左から右方向に搬送される。
上流ローラ133と下流ローラ135の間の部分には、シート131の両側にガイド139が設けられている。ガイド139の上流側端部には、挟み送り部100へ延びるシュート板141が設けられている。シュート板141は、下成形コンベア80のシート81から、冷却コンベア130のシート131へ向け、やや下方に傾斜している。ラングシートDは、挟み送り部100からシュート板141上を通って、冷却コンベア130上に送り出される。
上流ローラ133と下流ローラ135の間の部分の上方には、整列装置143が配置されている。ラングシートDは、上流ローラ133から下流ローラ135までの間で、両側からガイド139により真っ直ぐにガイドされる。また、整列装置143により、搬送方向に所定のスペースを開けられる。
下流ローラ135から上流ローラ133へ向かう部分には、ガイドローラ137が配置されており、シート131の張力を調整する。また、下流ローラ135は駆動ローラ143と連結しており、駆動ローラ143に駆動されて、図の時計方向に回転する。
冷却コンベア130で冷却及び整列されたラングドシャ菓子は、冷却コンベア130の下流に配置された梱包機(図示されず)に搬送されて、同機で個別に梱包される。
このような菓子製造装置1を複数セット(例えば10セット)備えて一つの装置とすることにより、ラングドシャ菓子Cを高速大量生産(菓子製造装置1を10セット備えた装置において24000個/時間)できる。
菓子製造ラインの全体構成を示すブロック図である。 位置決め手段の構成を示す側面図である。 位置決め部の正面図である。 位置決め部及び二つ折り部の主要部の構成を示す図であり、図4(A)は平面図、図4(B)は側面図である。 二つ折り部を説明する図である。 成形プレートの形状と受けバーとの位置関係を示す図であり、図(A)は平面図、図6(B)は正面図である。 挟み送り部を示す側面図である。 冷却コンベアを示す側面である。 、本発明の菓子製造装置で製造される菓子の形状を示す図であり、図9(A)は菓子生地の平面図、図9(B)は完成した菓子の側面図、図9(C)は菓子全体の斜視図である。 二つ折りラングドシャ菓子の不良品の例である。
符号の説明
1 菓子製造装置
10 位置決め部 11 移行装置
13 バンドオーブン 15 投入コンベア
16 プラスチックチェーン 17 上流スプロケット
19 下流スプロケット 21 ガイドローラ
25 緩傾斜部 27 急傾斜部
29 駆動ギア 31 サイドガイド
32 補助サイドガイド 35 ストッパ
37 受けバー
50 二つ折り部 51 成形プレート
53 スリット 55 突起
60 昇降機構 61 リニアガイド
63 ターンバックル 65 クランク
67 サーボモータ 69 近接スイッチ
70 上成形コンベア 71 シート
73 上流ローラ 75 下流ローラ
77 押えローラ 80 下成形コンベア
81 シート 83 上流ローラ
85 下流ローラ 86 ギア
87 ガイドローラ 89 押えローラ
91 ガイドローラ
100 挟み送り部 110 押えコンベア
111 シート 113 上流ローラ
115 下流ローラ 117 押え板
116 ギア 119 ガイドローラ
121 モータ 122 駆動ギア
123 伝達ギア 125 ギア
130 冷却コンベア 131 シート
133 上流ローラ 135 下流ローラ
137 ガイドローラ 139 ガイド
141 シュート板 143 整列装置
D ラングシート P1 搬送面
P2 直交面 W1 スキマ
W2 スキマ W3 スキマ

Claims (3)

  1. ラングドシャ生地をシート状に摺り込む工程;
    摺り込まれたラングドシャ生地を焼成する工程;
    焼成されたシート状のラングドシャ生地(ラングシート)を折り畳む工程;
    を含むラングドシャ菓子の製造方法であって、
    前記折り畳む工程において、
    前記ラングシートを定位置・定姿勢で静止させ、
    該ラングシートの折り目となる線(折り線)に成形プレートの先端部を当てて押しながら該ラングシートを二つ折りにし、
    そして、その後折られたラングシートを、はさみ込みながらコンベアで送ることにより折り畳み、
    ここで、前記成形プレートの先端部に突起を設けておいて、該プレートと前記ラングシートとのズレを防止することを特徴とするラングドシャ菓子の製造方法。
  2. 焼成されたシート状のラングドシャ生地(ラングシート)を折り畳む菓子製造装置であって、
    前記ラングシートを定位置に定姿勢で静止させる位置決め手段と、
    静止したラングシートを、折り目となる線(折り線)に沿って二つ折りする二つ折り手段と、
    二つ折りされたラングシートを挟み込みながら送る挟み送り手段と、
    を備え、
    前記二つ折り手段が、前記ラングシートの折り線に先端部が当てられて、該折り線を押しながら該ラングシートを二つ折りする成形プレートを有し、
    該成形プレートの先端部に、該プレートと前記ラングシートとのズレを防止するための突起が設けられていることを特徴とするラングドシャ菓子の製造装置。
  3. 前記位置決め手段が、
    下方に傾斜した投入コンベアと、
    該コンベアの先に連なるように延びる受けバーと、
    該受けバーの下流に配置されたストッパと、を備え、
    前記成形プレートが、前記ストッパから前記コンベアの側に配置されるとともに、前記受けバーと直交する方向に駆動されることを特徴とする請求項2記載のラングドシャ菓子の製造装置。

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