JPWO2005063836A1 - 変性オレフィン系重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、各種の特性基を有するポリマー、特にポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド等のいわゆるエンジニアリングプラスチックや炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、ガラス、木紛などの無機材料または有機材料と組み合わせて複合材料としたり、あるいは金属に積層して、より優れた特長を有する材料とする試みがなされている。しかしながら、オレフィン系重合体は非極性ポリマーであり、各種の特性基を有するポリマーや有機物、無機物などの極性物質との親和性が低いために該物質の分散が困難であったり、また、分子構造中に官能基を有していないために塗料や各種の特性基を有するポリマーに対する反応性、親和性が得られず、塗装性、接着性に劣る等の欠点があった。
また、成型品(ポリマー支持体)におけるポリマー表面を、グラフトするモノマー及び光重合開始剤又は熱重合開始剤で処理した後、電磁線、赤外線、マイクロ波などを照射してグラフト重合させ、変性された表面を有するポリマー支持体を得る方法が知られている(特許文献1)。
しかし、押出し機での溶融混練り法では生産性は高いが、グラフト率の向上が不充分であり、かつ混練り中に分子鎖の切断によりメルトフローレートの上昇が著しい。また、溶媒溶解法では生産性が悪く、かつグラフト率を上げるため反応温度を上げる等反応条件を厳しくすると分子鎖の切断やゲル化により好ましくない高分子に変性が生じるなど多くの問題を抱えている。
(1)オレフィン系重合体、官能基を有する単量体及びラジカル発生剤の3者を含む混合物にマイクロ波を照射して、グラフト重合することを特徴とする変性オレフィン系重合体の製造方法、
(2)ラジカル発生剤が、ベンゼン中の0.2モル/L濃度液における10時間半減期温度が30〜130℃である、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステル、パーオキシカーボネートおよびジアルキルパーオキサイドからなる群から選ばれる有機過酸化物である上記(1)に記載の製造方法、
(3) 有機過酸化物が、下記式
架橋効率(%)=n−ペンタデカン二量体(モル)/有機過酸化物(モル)*100
(ただし、式中のn−ペンタデカン二量体のモル数は、n−ペンタデカン中で、各有機過酸化物の15分間半減期温度において3時間、有機過酸化物を分解させ、生じたn−ペンタデカン二量体を定量し、その値から算出されたモル数、及び有機過酸化物(モル)は使用した有機過酸化物のモル数を示す)
で求められる架橋効率の値で、1〜60%の範囲の値を有するものである上記(1)に記載の製造方法、
(4) 前記オレフィン系重合体がポリプロピレンである上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の製造方法、
(5) 単量体が無水マレイン酸である上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の製造方法、
(6)グラフト重合を誘電率5以上の液体媒体中に前記オレフィン系重合体が固形のまま懸濁している状態で行う上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の製造方法。
(7)グラフト重合を誘電率20以上の溶媒の存在下で行う上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の製造方法、
(8) オレフィン系重合体が、粉状である上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の製造方法、
(9)粉状であるオレフィン系重合体が、オレフィン系重合体を溶媒に溶解後沈殿させ、回収したものである上記(8)に記載の製造方法、
に関する。
本発明のグラフト重合に用いるオレフィン系重合体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等の α−オレフィンの単独重合体、これら2種以上の共重合体、あるいはこれらの混合物等を挙げることができる。通常炭素数2〜12のオレフィン系単量体から得られる重合体であり、好ましくは炭素数2〜4のオレフィン系単量体から得られる重合体である。また、既に変性されたオレフィン系重合体であっても良い。また、従来の変性ポリオレフィンなどと組み合わせて用いても良い。これらのオレフィン系重合体は、固体状で反応に供せられるのが好ましい。通常ペレット、粒状、粉状などの型で入手可能であり、それらをそのまま反応に供しても、また後記するように前処理をして反応に供してもよい。これらのものは通常長径が10mm以下、好ましくは5mm以下の固体状のものが反応に供せられる。通常反応に使用するには粒径1mm以下のものが好ましい。粉状のものがより好ましい。
(R1)(R2)(R3)C−OO−X−C(R4)(R5)(R6)
(式中R1、R2、R3、R4、R5及びR6それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基、Xは単結合、−CO−、−C(O)O−、又は−R7−OO−を示し、R7は炭素数1〜10のアルキル基を示す)
を有すものである。R1、R2及びR3における炭素の総数、又はR4、R5及びR6における炭素の総数は3〜12程度が好ましい。
上記有機化酸化物のなかで、パーオキシカーボネート及びジアルキルパーオキサイドはより好ましく、上記式のXが−C(O)O−又は−R7−OO−であるものがさらに好ましい。
架橋効率=架橋効率(%)=n−ペンタデカン二量体(モル)/有機過酸化物(モル)*100
(ただし、式中のn−ペンタデカン二量体のモル数は、n−ペンタデカン中で、各有機過酸化物の15分間半減期温度において3時間、有機過酸化物を分解させ、生じたn−ペンタデカン二量体を常法により定量し、その値から算出されたモル数、及び有機過酸化物(モル)は使用した有機過酸化物のモル数を示す)
本発明において使用されるオレフィン系重合体を溶解又は膨潤する芳香族系溶媒や前記の誘電性溶媒の溶媒はいずれも単独で使用しても良いが、好ましい一つの態様においては、最初にオレフィン系重合体を溶解又は膨潤する芳香族系溶媒でオレフィン系重合体を処理し、該溶媒を含むオレフィン系重合体に、誘電性溶媒(例えば、誘電率5以上、好ましくは10以上のもの、上限は特にないが、通常300以下好ましくは200以下程度:官能基を有する単量体が誘電性の場合には該単量体であってもよい)の存在下に、前記単量体をグラフト重合させるのが好ましい。溶媒の使用量は、オレフィン系重合体を湿らせる程度でも、またオレフィン系重合体を溶解又は分散する程度でもよい。また、溶媒を冷却管などで還流させても良い。具体的には、オレフィン系重合体100重量部に対して、例えば0〜10000重量部程度であり、好ましくは0〜2000重量部であり、より好ましくは10〜600重量部程度である。前記オレフィン系重合体を溶解又は膨潤する芳香族系溶媒を含むオレフィン系重合体に、誘電性溶媒の存在下に、前記単量体をグラフト重合させる場合には、該芳香族系溶媒の含量はオレフィン系重合体100重量部に対して、10重量部〜300重量部程度、好ましくは50重量部〜200重量程度である。さらに、超臨界流体を用いても良い。
なお、誘電率の測定は常法により市販の誘電率測定器、例えばネットワークアナライザー E5071B(アジレントテクノロジー社製)終端開放型同軸プローブ等を使用して測定することができる。
本発明で使用するマイクロ波は、波長1m以下で、ものを誘電加熱できる波長のものであれば何れでもよく、通常波長が1m〜1mm程度のものが使用される。例えば300MHz〜30GHzの範囲のものが好ましく、日本においては現在890〜940MHz及び2400〜2500MHzのものが使用される。出力は特に限定されないが100W〜1500W程度、通常は200〜1200W程度である。
さらに、マイクロ波以外の電子波、電子線、放射線、プラズマ処理、レーザー処理、オゾン化、放電、火炎処理、磁気などと組み合わせても良い。また、場合により、従来変性ポリオレフィン樹脂の製造方法に使用される方法と組み合わせても良い。
反応後のグラフト化された変性オレフィン系重合体は、常法により、適宜、未反応の官能基を持つ単量体の除去、精製、乾燥工程工程を経て分離するのが好ましい。未反応の官能基を持つ単量体の除去は、該単量体を溶解する溶媒での洗浄、若しくは該溶媒での溶解、再沈殿、濾過分離後、乾燥等により得ることができる。
後処理として、ろ過、未反応の官能基を持つ単量体の除去、精製、乾燥工程は、場合により省略してもよい。
本発明で得られる変性化ポリオレフィンのグラフト率はオレフィン種類、グラフト化条件等でグラフト率は異なるので、一概には言えないが、0.6〜10%、より好ましくは0.7%〜8%、更に好ましくは0.8〜5%程度である。ポリプロピレ(例えばポリプロピレン単独重合体等)について言えば、該値は1〜5%あってもメルトフローレートの上昇は少なく、高グラフト化ポリプロピレンを得ることができる。またポリエチレン(高密度ポリエチレン等)の場合でも、該値は0.5〜5%、より容易には0.5〜3%程度のもが、メルトフローレートの低下を少なく押さえたまま得ることができる。なお、グラフト率は下記方法及び式によって求めることができる。
グラフト重合により得られた変性ポリオレフィンから、未反応の単量体を精製により除き、得られた精製変性ポリオレフィンを、100℃で、例えば熱プレス等により厚さ100μmのフィルムを作成し、このフィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm−1 付近の吸収より無水マレイン酸グラフト量を定量し、下記式によって求めることができる。
グラフト率(%)={(変性ppフィルムの赤外吸収スペクトル1780cm−1付近の吸収より定量された無水マレイン酸量g)/仕込みポリオレフィンg}× 100
本発明で得られる得られる変性ポリオレフィンのグラフト率及びメルトフローレートは、原料により異なるので一概には言えないが、プロピレンの場合グラフト率が0.6〜10%、より好ましくは0.7%〜8%、更に好ましくは0.8〜5%程度であり、かつ、メルトフローレートが、原料ポリプロピレンのメルトフローレート以上であり、通常原料ポリプロピレンのメルトフローレートの50倍以下、好ましくは40倍以下、より好ましくは30倍以下、更に好ましくは20倍以下、最も好ましくは15倍以下のものであり、例えば、メルトフローレートが20以下、好ましくは15以下、より好ましくは10以下程度のものである。また、高密度ポリエチレンの場合には、グラフト率が0.5〜10%、より好ましくは0.7%〜8%、更に好ましくは0.8〜5%程度であり、かつ、メルトフローレートが、原料ポリエチレンのメルトフローレート以下であり、通常原料ポリポリエチレンのメルトフローレートの2分の1以上、好ましくは3分の2以上、より好ましくは10分の7以上のものであり、例えば、メルトフローレートが0.2以上、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上程度のものである。
前処理
粒状ポリプロピレン(単独重合体、メルトフローレート:0.4、平均粒径850μm)5gを約140℃に加熱したキシレン150mlに溶解した。10分間保持後、1時間程度で常温にし、ろ過して回収した。その後、キシレンの含有量がポリプロピレンの重量に対して1:1になるように風乾し、粉末状のポリプロピレンを得た。これを前処理とする。
グラフト重合
試験管に前処理後のキシレン含有ポリプロピレン2g、プロピレンカーボネート(誘電率64.9)に無水マレイン酸4gを溶解させた溶液を10mlとターシャリーブチルパーオキシネオデカノエート(10時間半減期温度:47℃、架橋効率4%)を0.2g加え、よく混合し、得られた混合物を常温で超音波を用いて脱気後、マイクロ波照射用試料とした。マイクロ波照射にはマイクロ波式有機化学合成実験装置「グリーンモチーフI」(東京電子株式会社製)(最高出力300W)を用いた。グラフト重合温度は100℃とし、照射時間は6分間とした。なお、反応中はポリプロピレンはプロピレンカーボネート溶媒中で粉状として存在していた。続いて、未反応の無水マレイン酸を除去するために次の操作を行った。グラフト重合により得られた変性ポリプロピレンを約140℃に加熱したキシレン50mlに溶解した。20分間保持後、この溶液を室温に戻し、アセトン50mlを加え該変性ポリプロピレンを再沈殿させてろ過して回収し、80℃で1時間乾燥した。
得られた該変性ポリプロピレンにおける無水マレイン酸グラフト量の測定結果、メルトフローレートの測定結果及びフィルムの着色の有無を表1に示した。
前処理
粒状ポリプロピレン(単独重合体、メルトフローレート:0.4、平均粒径850μm)100gを約140℃に加熱したキシレン3Lに溶解した。10分間保持後、1時間程度で常温にし、ろ過して回収した。その後、キシレンの含有量がポリプロピレンの重量に対して1:1になるように風乾し、粉末状のポリプロピレンを得た。これを前処理とする。
グラフト重合
還流管、撹拌装置、温度計を備えた250mlセパラブルフラスコに、前述の前処理後のポリプロピレン100g及び無水マレイン酸40gを溶解させたプロピレンカーボネート溶液100mlを入れ、次いでターシャリーブチルパーオキシネオデカノエートを4gを加え、よく混合し、得られた混合物を常温で超音波を用いて脱気後、マイクロ波照射用試料とした。マイクロ波照射にはマイクロ波式有機化学合成実験装置「MICROWAVE RANGE−PRO」(四国計測工業株式会社製)(最高出力650W)を用いた。グラフト重合温度は100℃とし、照射時間は6分間とした。なお、反応中はポリプロピレンはプロピレンカーボネート溶媒中で粉状として存在していた。続いて、未反応の無水マレイン酸を除去するために次の操作を行った。グラフト重合により得られた変性ポリプロピレンを約140℃に加熱したキシレン50mlに溶解した。20分間保持後、この溶液を室温に戻し、アセトン50mlを加え該変性ポリプロピレンを再沈殿させてろ過して回収し、80℃で1時間乾燥した。
無水マレイン酸グラフト量の測定
実施例で得られた変性ポリプロピレンのサンプルを熱プレスにより100℃、50kgf/cm2で1分間保持し、厚さ100μmのフイルムを作成した。この作成したフイルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm−1付近の吸収より無水マレイン酸グラフト量を定量した。また同時に、フィルムの着色を目視で確認した。
グラフト処理をしたサンプルを用いてJIS−K7210に基づき、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。評価結果を表1に示した。
ポリプロピレンの前処理を行わなかった以外は実施例1(1)と同様に処理し、得られた変性ポリプロピレンを前記実施例1(1)と同様に処理した。評価結果を表1に示した。
ポリプロピレンの前処理をせずに、冷却管を備えたフラスコにキシレン200ml、粒状ポリプロピレン10gを入れ、窒素気流下、攪拌しながら、オイルバスを用いて、100℃に加熱した。これに無水マレイン酸1gとターシャリーブチルパーオキシネオデカノエート0.1gを溶かしたキシレン−アセトン混合溶液(25ml:25ml)を15分かけて滴下し、その後10分反応を行い、変性ポリオレフィンを得た。得られた変性ポリプロピレンを前記実施例1(1)と同様に処理し、前記と同様に評価を行った。評価結果を表1に示した。
ターシャリーブチルパーオキシネオデカノエート0.1gをジクミルパーオキサイド0.1gに、反応温度を130℃、滴下時間を45分、後反応時間を15分にした以外は比較例1と同様にしてグラフト重合を行い、変性ポリオレフィンを得た。それを前記と同様に評価を行った。また、評価結果を表1に示した。
表1から本発明が従来の溶媒溶液法に比べて、メルトフローレートの上昇が少なく、効率良くグラフト反応が行なえるため、生産性の点で有利であることが分かる。
ターシャリーブチルパーオキシネオデカノエートを2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン(10時間半減期温度115℃、架橋効率41%)に、処理温度を180℃に変更した以外は実施例1(1)と同様にしてグラフト重合を行い、変性ポリオレフィンを得た。それを前記と同様に評価を行った。評価結果を表2に示した。
ポリプロピレンの前処理をせずに、グラフト反応を以下の手順、条件の窒素気流雰囲気での溶融混練り方式に変更し、グラフト重合を行い、変性ポリオレフィンを得た。得られた変性ポリオレフィンを実施例1(1)と同様に処理した後、前記と同様に評価を行った。評価結果を表2に示した。
シリカを用いて2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサンの10%マスターバッチを作成し、ポリプロピレンと配合し、二軸押出し用サンプルとした。なお、各添加量は次の通りとした。
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン添加量:0.2g/100g(ポリプロピレン)
無水マレイン酸添加量:2.0g/100g(ポリプロピレン)
二軸押出し条件
L/D:10.2 (φ25×255mm)
重合温度:180℃
回転数:120rpm
滞留時間:1分間
サンプルフィード量:約25g/分
表2から本発明が従来の押出し機による溶融混練り法と比べて、メルトフローレートの上昇が少なく、効率良くグラフト反応が行なえることが分かる。
無水マレイン酸の量を10gに、プロピレンカーボネートをアセチルトリブチルシトレートに、ターシャリーブチルパーオキシネオデカノエートをターシャリーブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネートに、 処理温度を145℃に変更した以外は、実施例1(2)同様にして、グラフト重合を行い、変性ポリオレフィンを得た。それを前記と同様に評価をおこなった。得られた変性ポリオレフィンの形状は粒状で、グラフト化率は1.6%、MFRは10でった。
グラフト重合
試験管に高密度ポリエチレン(単独重合体:MFR:0.8、平均粒子径900μm)2g、プロピレンカーボネート(誘電率64.9)に無水マレイン酸4gを溶解させた溶液10mlと2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン0.2g加え、よく混合し、得られた混合物を常温で超音波を用いて脱気後、マイクロ波照射用試料とした。マイクロ波照射にはマイクロ波式有機化学合成実験装置「グリーンモチーフI」(東京電子株式会社製)(最高出力300W)を用いた。グラフト重合温度は180℃とし、照射時間は6分間とした。続いて、未反応の無水マレイン酸を除去するために次の操作を行った。グラフト重合により得られた変性ポリエチレンを約140℃に加熱したキシレン50mlに溶解した。20分間保持後、この溶液を室温に戻し、アセトン50mlを加え該変性ポリエチレンを再沈殿させてろ過して回収し、80℃で1時間乾燥した。
得られた該変性ポリポリエチレンにおける無水マレイン酸グラフト量の測定結果、メルトフローレートの測定結果及びフィルムの着色の有無を表3に示した。
グラフト重合を下記の方法で行った以外は比較例3と同様に処理して変性ポリオレフィンを得た。それを前記と同様に評価を行い、評価結果を表3に示した。
グラフト重合
高密度ポリエチレン100gに、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサンを0.015g添加し、ヘキシェルミキサーで1分間ドライブレンドした後、無水マレイン酸を0.375g加え、更に2分間ドライブレンドした後二軸の押出し機を用いて180℃で溶融混練した。
Claims (9)
- オレフィン系重合体、官能基を有する単量体及びラジカル発生剤の3者を含む混合物にマイクロ波を照射して、グラフト重合することを特徴とする変性オレフィン系重合体の製造方法。
- ラジカル発生剤が、ベンゼン中の0.2モル/L濃度液における10時間半減期温度が30〜130℃である、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステル、パーオキシカーボネートおよびジアルキルパーオキサイドからなる群から選ばれる有機過酸化物である請求項1に記載の製造方法。
- 有機過酸化物が、下記式
架橋効率(%)=n−ペンタデカン二量体(モル)/有機過酸化物(モル)*100
(ただし、式中のn−ペンタデカン二量体のモル数は、n−ペンタデカン中で、各有機過酸化物の15分間半減期温度において3時間、有機過酸化物を分解させ、生じたn−ペンタデカン二量体を定量し、その値から算出されたモル数、及び有機過酸化物(モル)は使用した有機過酸化物のモル数を示す)
で求められる架橋効率の値で、1〜60%の範囲の値を有するものである請求項2に記載の製造方法。 - 前記オレフィン系重合体がポリプロピレンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
- 単量体が無水マレイン酸である請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- グラフト重合を誘電率5以上の液体媒体中に前記オレフィン系重合体が固形のまま懸濁している状態で行う請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
- グラフト重合を誘電率20以上の溶媒の存在下で行う請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
- オレフィン系重合体が、粉状である請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 粉状であるオレフィン系重合体が、オレフィン系重合体を溶媒に溶解後沈殿させ、回収したものである請求項8に記載の製造方法。
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