JPH08109228A - 高分子材料の表面改質方法 - Google Patents

高分子材料の表面改質方法

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JPH08109228A
JPH08109228A JP6201409A JP20140994A JPH08109228A JP H08109228 A JPH08109228 A JP H08109228A JP 6201409 A JP6201409 A JP 6201409A JP 20140994 A JP20140994 A JP 20140994A JP H08109228 A JPH08109228 A JP H08109228A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高分子材料の表面特性の改質と染色性の改良、
特にポリオレフィン材料、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニリデン等の表面特性を、その強度低下
をともなわずに改質すること。 【構成】高分子材料の表面を、少なくとも(1)表面活
性化処理工程、および(2)ビニル単量体のグラフト化
工程を用い、この順序で処理することによって改質する
方法。活性化処理は、オゾン処理・プラズマ処理・コロ
ナ処理・高圧放電処理・紫外線照射その他の表面活性化
処理方法から選択する。グラフト化に際して、紫外線照
射または触媒を使用することが出来る。グラフト化に用
いる化合物として、アミド基を有する化合物を使用した
場合、(3)グラフト化した化合物のアミド基をホフマ
ン転位させることによって高分子材料の表面をさらに改
質することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成高分子、天然高分
子、それらの混合物または改質物などの高分子材料の表
面改質方法に関するものである。特に、染色性、塗装
性、メッキ性、印刷性、親水性、疎水性、接着性等の改
良に関するものである。特に、通常の染色方法では染色
できないポリオレフィン材料の表面改質および染色性の
改良に有効である。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリ
オレフィン材料やポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニリデンなどのビニルまたはビニリデンポリマー
類、フェノール樹脂系繊維、ポリアラミド系材料など
は、化学構造的に極性が低く、結晶性が高いため、その
表面へのメッキ、接着、塗装、印刷、染色が困難であ
る。このため、表面改質処理が必要なことが多い。
【0003】特に、ポリプロピレン材料は軽さ、強さ、
耐薬品性等に優れており、発明当初、繊維として使用す
る場合は、「夢の繊維」と言われた。しかし、化学的不
活性、非極性、および高結晶性のため、表面加工が困難
であり、また実用的な染色法がない。そのために繊維と
しての用途は布団綿や縫い糸などに限られている。現
在、ポリプロピレン材料は安価に製造することが可能で
あり、主に成形品として使用されている。
【0004】一般に、ポリプロピレン材料やポリ塩化ビ
ニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデンなどの着色
は、ポリマー原料に顔料を練り込むことによって行われ
ている。他の繊維(天然繊維、レーヨン、アセテート、
ナイロン、アクリル、ポリエステルなど)のように、自
由な染色は不可能である。その染色性の改良は幾つか試
みられている。例えば、(1)ポリプロピレンに、他の
ポリマーをブレンドする方法(例えば、特公昭53−2
2109、特開昭63−182480、特開平1−11
8683)、(2)プロピレンと官能基をもつ別のモノ
マーを共重合させる方法(特公平3−68149)、
(3)ポリプロピレンに金属化合物を導入する方法(特
開昭48−99472)、(5)染色法そのものの改良
(特公昭56−52152、特開平1−16890)な
どがある。
【0005】ポリプロピレン成形物の表面処理による改
質は幾つか試みられている。例えば、ポリプロピレン成
形物をオゾン酸化することによって、メッキ性、塗装
性、接着性を改良する方法(特公平3−103448)
が検討されている。しかし、発明者の検討によれば、オ
ゾン酸化を繊維やフィルムのような細い(または薄い)
材料の処理に適用した場合、表面特性は改質されるが、
強度低下が著しいために実用に供さないと言える。ま
た、オゾン酸化処理のみでは一般的な染色は可能となら
ない。
【0006】この他、高分子材料のプラズマ処理による
表面改質は効果的であり、工業化されている。例えば、
ポリエステル、アクリル、ナイロンの繊維にメタクリル
酸メチルや四ふっ化エチレン、スチレンなどをプラズマ
重合または放電グラフト重合させて表面特性を改良した
例がある(特公昭61−35309)。また、ポリプロ
ピレンを始めとするポリオレフィン類についても、プラ
ズマ処理によって表面特性を改良することがなされてい
る。
【0007】ポリプロピレンの分子鎖に他のモノマーを
グラフト共重合させる方法は一部試みられているが、ポ
リプロピレンを融解または溶液としてから反応させるこ
とが多い。これでは生成物を新たに成形する必要があり
不経済である。また材料そのものがポリプロピレンの分
子構造の変化したものである。
【0008】ポリプロピレンやポリエチレンの成形物に
対する紫外線照射によるアクリルアミドのグラフト化の
検討もなされたことがある。しかし、材料表面の不活性
と含有される添加剤のために、反応率は極めて乏しく、
表面のぬれ特性が変わることが認められているが、測定
可能な重量増加は認められなかった。
【0009】なお、紫外線照射によりポリエチレンにメ
タクリル酸メチルをグラフト化し、次にアクリルアミド
をグラフト化させるという方法も検討されている。
【0010】いずれの場合も、グラフト化を促進させる
べく反応条件を厳しくすると、材料強度の低下が著しく
なるという問題があった。反応条件が比較的おだやか
で、高いグラフト率(数%〜数十%)が得られる容易な
方法は確立されていないと言える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡単
な方法で多くの高分子材料の表面特性を改良する方法を
見い出すことである。特に、ポリオレフィン類、ポリ塩
化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデンなどの染
色性、塗装性、メッキ性、接着性、親水性、帯電防止性
等の改質を達成することに重点を置く。ポリオレフィン
材料は化学変化を受けにくいので、その表面改質法は、
他の多くの高分子材料に適用可能とみなされる。そのた
めに、既に広範に用いられている表面活性化処理法の活
用、および取扱が不便な材料を使用することがなく、ま
た加圧、減圧、加熱等の設備投資およびエネルギー消費
を必要としない経済的な方法が求められている。特に、
これらの処理において、材料本来の強度を保持できるよ
うな方法が要請されている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高分子材料
の表面特性を、通常の染色方法で染色することが可能な
程度に改善するためには、材料表面の活性化と、ビニル
単量体のグラフト化の二つの工程を組み合わせることが
有効であることを見いだした。
【0013】さらに、染色性等の表面特性をいっそう向
上させるために、グラフト化の過程において、アミド基
を有するビニル単量体をグラフト化した後にホフマン転
位(ホフマン反応)を行うことが有効であることを見い
だした。
【0014】すなわち、本発明は、高分子材料の表面
を、(1)活性化する工程、(2)ビニル単量体をグラ
フト化する工程により、この順に処理することを特徴と
する高分子材料の表面改質方法;
【0015】あるいは、工程(2)においてアミド基を
有するビニル単量体をグラフト化し、ついで工程(3)
にて該アミド基をホフマン転位する工程により、この順
に処理することを特徴とする高分子材料の表面改質方
法;および
【0016】これらの高分子材料の表面改質法が、染色
の前処理としての方法であることを特徴とする高分子材
料の染色方法;に関するものである。
【0017】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0018】「高分子材料」本発明でいう高分子材料と
は、合成高分子、天然高分子、またはそれらの混合物や
改質物など、汎用されている高分子物質の多くが対象と
なる。 (I)合成高分子とは、熱可塑性高分子および熱硬化性
高分子の何れも含む。合成方法によって、(1)付加重
合体、すなわち、オレフィン、オレフィン以外のビニル
化合物、ビニリデン化合物、炭素−炭素二重結合を有す
る化合物の単独重合体または共重合体、またはこれらの
混合物や改質物、(2)重縮合体すなわち、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリアラミドなどの単独重合体または
共重合体、またはこれらの混合物や改質物、(3)付加
縮合体、すなわちフェノール樹脂(カイノールを含
む)、尿素樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂などの単
独重合体または共重合体、またはこれらの混合物や改質
物、(4)重付加生成物、すなわちポリウレタン、ポリ
尿素などの単独重合体または共重合体、またはこれらの
混合物や改質物、(5)開環重合体、すなわちシクロプ
ロパン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
ラクトン、ラクタムなどの単独重合体または共重合体、
またはこれらの混合物や改質物、(6)環化重合体、す
なわちジビニル化合物(例:1、4ーペンタジエン)や
ジイン化合物(例:1、6ーヘプタジイン)などの単独
重合物または共重合体、またはこれらの混合物や改質
物、(7)異性化重合体、例えば、エチレンとイソブテ
ンの交互共重合体、(7)電解重合体、すなわち、ピロ
ール、アニリン、アセチレンなどの単独重合物または共
重合体、またはこれらの混合物や改質物、(8)アルデ
ヒドやケトンのポリマー、(9)ポリペプチド、などの
材料が含まれる。さらに、(II)天然高分子、すなわ
ち、セルロース、タンパク質、多糖類などの単独物また
は混合物や改質物など、が含まれる。
【0019】「ポリオレフィン」本発明においてポリオ
レフィンとは、特に限定されたものではなく、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−2、ヘキセン
−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1等の任
意のα−オレフィンの単独重合体もしくはこれらの2種
以上の共重合体、またはこれらの単独重合体および・ま
たは共重合体の混合物を適宜使用することができる。特
に好ましくは、ポリエチレン、エチレンと他のα−オレ
フィンの共重合体、ポリプロピレン、プロピレンとエチ
レン等の他のα−オレフィンとの共重合体もしくはラン
ダム共重合体である。
【0020】「オレフィン以外のビニル化合物またはビ
ニリデン化合物または炭素−炭素二重結合を有する化合
物」ビニル化合物とはビニル基を有する化合物であり、
塩化ビニル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、ア
クリル酸またはメタクリル酸エステル、酢酸ビニル、ビ
ニルエーテル類、ビニルカルバゾール、アクリロニトリ
ルなどが挙げられる。ビニリデン化合物とはビニリデン
基を含む化合物であり、塩化ビニリデン、ふっ化ビニリ
デン、イソブチレンなどがあげられる。炭素−炭素二重
結合を有する化合物とは、ビニル基およびビニリデン基
以外の炭素−炭素二重結合を有する化合物を示し、無水
マレイン酸、クロトン酸、四ふっ化エチレン、三ふっ化
塩化エチレンなど、および二重結合を二個以上含む化合
物、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、
などが含まれる。
【0021】本発明の効果を著しく損なわない範囲で、
高分子材料は、安定剤、造核剤、難燃剤、充填剤、発泡
剤等および高分子材料に通常添加される各種添加剤を含
有しても差し支えない。複数のポリマーを配合すること
もできる。
【0022】「高分子材料の形状」本発明において、表
面改質処理を施される高分子材料の成形物とは、その形
状に制限はない。繊維状、織物、不織布、布状、フィル
ム状、シート状、管状、棒状、中空容器状、箱状、発泡
体、積層体いずれも使用できる。特に、染色性能の改善
の観点からはポリプロピレン等の繊維状成形物が好まし
い。
【0023】「活性化工程」活性化工程とは、高分子材
料に対して、オゾン処理、紫外線照射処理、各種放電処
理等を行い、材料の表面に酸素、窒素などを含む官能基
または不飽和結合等を導入する工程である。この工程に
おいて、ビニル単量体や他の有機化合物を存在させる必
要はない。活性化工程の目安として、処理した高分子材
料の赤外線吸収スペクトルの測定が有効である。例え
ば、導入されたカルボニル基に基づく吸収の吸光度と未
変化の結晶部分の構造に基づく吸収の吸光度の比を、ベ
ースライン法により求めて、酸化の程度を知ることがで
きる。この比から、酸化がごく微量起こったことが確認
される程度が好ましい。実施例1と5に示したポリプロ
ピレン繊維の場合は、導入されたカルボニル基に基づく
1710cm-1付近の吸光度と未変化の結晶部分メチル
基に基づく吸収の973cm-1での吸光度の比が0.2
以下であることが好ましい。実施例4に示したポリ塩化
ビニル繊維の場合は、カルボニル基に基づく1736c
-1付近の吸光度と未変化の結晶部分C−Cl基に基づ
くとみられる700cm-1付近の吸収の吸光度の比が、
0.2以下であることが好ましい。
【0024】活性化工程は、公知の各種方法によって行
うことができるが、オゾン処理、プラズマ処理、紫外線
照射処理、高圧放電処理、コロナ放電処理等の表面活性
化処理方法から適宜選択することが好ましい。
【0025】表面活性化工程の処理前には、ポリオレフ
ィンおよび他の高分子材料の表面を、適当な液体で洗浄
することが好ましい。例えば、ポリオレフィン、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどはトルエンで洗浄
後、アルコール等で洗浄することが好ましい。ナイロ
ン、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリ
酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリウレタンなどはア
ルコールで洗浄できる。セルロース製品、すなわち綿、
麻、レーヨンなどは洗剤で洗浄後、アルコールで洗浄す
るのが好ましい。
【0026】「オゾン処理工程」高分子材料の表面をオ
ゾンで処理することは、成形物の表面をオゾン分子と接
触させて、酸化反応を主とする改質反応を行うことを目
的としている。
【0027】オゾン処理は、高分子材料をオゾンに暴露
することによって行われる。暴露方法は、オゾンが存在
する雰囲気に所定時間保持する方法、オゾン気流中に所
定時間暴露する方法等適宜の方法で行うことができる。
【0028】オゾンは、空気、酸素ガス、または酸素添
加空気等の酸素含有気体をオゾン発生装置に供給するこ
とによって発生させることができる。得られたオゾン含
有気体を、高分子材料を保持してある容器、漕等に導入
して、オゾン処理を行う。オゾン含有気体中のオゾン濃
度、暴露時間、暴露温度の諸条件は、ポリオレフィンお
よび他の高分子材料の種類および表面改質の目的に応じ
て適宜定めることができる。
【0029】オゾン処理の条件は、高分子材料の種類と
形状等により異なる。酸素または空気の気流を用い、流
量20〜2000ml/minで、1〜200mg/l
の濃度のオゾンを発生させて、温度0〜80℃、時間1
分〜24時間で処理することができる。例えば、ポリプ
ロピレンやポリ塩化ビニル繊維の場合は、オゾン濃度1
0〜80mg/lで、室温下、20〜30分程度の処理
が適当である。また、フィルム形状の場合は、オゾン濃
度1〜20mg/l程度で、室温下、30分〜6時間程
度の処理が適当である。空気を用いた場合の発生オゾン
濃度は酸素を用いた場合の約50%となる。
【0030】オゾン処理によりポリオレフィンおよび他
の高分子材料の表面には酸化を主とする反応によって、
過炭酸基(−C−O−OH)が導入され、その一部は水
酸基(−OH)やカルボニル基(C=O)等の官能基に
変化すると推定される。
【0031】「プラズマ処理工程」高分子材料をアルゴ
ン、ネオン、ヘリウム、窒素、二酸化窒素、酸素、空気
等を含む容器内におき、グロー放電により生ずるプラズ
マにさらし、材料の表面に酸素、窒素などを含む官能基
を導入することを目的とする。アルゴンやネオンなどの
不活性ガスが低圧で存在する場合、高分子材料表面は発
生したプラズマの攻撃を受け、その表面にラジカルが発
生すると考えられている。その後、空気に晒されること
により、ラジカルは酸素と結合して、高分子材料表面に
は、過炭酸基やカルボニル基、アミノ基などが導入され
ると考えられている。なお、微量の窒素、二酸化炭素、
酸素または空気中でのプラズマ処理によって、直接、官
能基が導入されると考えられている。プラズマ発生の放
電形式は、(1)直流放電および低周波放電、(2)ラ
ジオ波放電、(3)マイクロ波放電 等に分類される。
【0032】「紫外線照射処理」紫外線を照射する光源
として、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセ
ノンランプ、メタルハライドランプ等を用い、空気中で
高分子材料の表面に紫外線を照射する方法である。照射
前に紫外線吸収性溶剤で高分子材料の表面を処理しても
よい。紫外線の波長は適宜選択できるが、360nm以
下が好ましい。高分子材料に紫外線が照射されると、成
形物の表面領域の二重結合等の化学構造に紫外線が吸収
され、吸収されたエネルギーにより化学結合が切断さ
れ、生成したラジカルに空気中の酸素が結合し、中間に
過酸化物構造を経由するなどして、カルボニル基、カル
ボキシル基等を生成すると考えられている。
【0033】「高圧放電処理」トンネル状の処理装置内
に、処理される高分子材料を移動させるためのベルトコ
ンベアーを設置し、高分子材料を移動させながら、処理
装置の内側の壁面に多数付けられた電極間に数十万ボル
トの高電圧を加え、空気中で放電させて処理する方法で
ある。放電によって空気中の酸素と被処理物の表面が活
性化され、高分子材料の表面に酸素が取り込まれ、極性
基が生成すると考えられている。
【0034】「コロナ放電」接地された金属ロールとそ
れに数mmの間隔で置かれたナイフ状電極との間に数千
ボルトの高電圧をかけてコロナ放電を発生させ、この放
電中の電極−ロール間を被処理高分子材料を通過させる
方法である。この方法はフィルムまたは薄様物の処理に
適している。
【0035】「ビニル単量体のグラフト化の工程」表面
を活性化処理した高分子材料には、次いでビニル単量体
をグラフト化する処理を行う。グラフト化はグラフト共
重合とも言われる。グラフト化は適宜の方法で行うこと
ができるが、更に好ましくは、オゾン処理またはプラズ
マ処理による表面活性化の後、紫外線照射または触媒を
用いて行う方法がある。
【0036】グラフト化に使用するビニル単量体は、炭
素数3〜20が好ましい。本発明においてビニル単量体
とは、広義に用いられ、ビニル重合に供される重合可能
なビニル化合物とビニリデン化合物および炭素−炭素二
重結合を有する化合物を示している。ビニル基またはビ
ニリデン基または炭素−炭素二重結合の他に、アミド
基、エステル基、フェニル基、エーテル基等を有してい
てもよい。
【0037】好ましい化合物の具体例は、スチレン、ア
クリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル
酸エステルまたはその誘導体(例:α−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート)、酢酸ビニル、ビニルエーテル類、
ビニルカルバゾール、アクリロニトリル、N−ビニルピ
ロリドン、塩化ビニルなど、および、塩化ビニリデン、
ふっ化ビニリデン、イソブチレンなどがあげられる。ま
た、炭素−炭素二重結合を有する化合物では、無水マレ
イン酸、クロトン酸、四ふっ化エチレン、三ふっ化塩化
エチレンなど、また、炭素−炭素二重結合を二個有する
化合物、例えば、ブタジエン、クロロプレン、イソプレ
ンなども適用可能である。これらは、単独で用いても適
宜混合して用いてもよい。グラフト化処理後は、高分子
材料に付着したホモポリマーおよび未反応のビニル単量
体を、適当な溶媒で洗浄または抽出除去する必要があ
る。溶媒は、用いたビニル単量体の種類によって異な
る。例えば、アクリルアミドは、水が適当であり、MM
Aらスチレンはクロロフォルムやトルエンが有効であ
る。
【0038】グラフト率(未処理高分子材料に対するグ
ラフトポリマーの重量%)は、具体例に示すように高分
子材料とビニル単量体およびグラフト化の方法により異
なる。好ましいグラフト率はグラフト化高分子材料の用
途により異なる。接着性・メッキ性の改良のためには、
0.5%〜40%、染色性のためには、1〜50%が好
ましい。なお、グラフト率が数十%を越える場合は、吸
着剤や新素材としての用途が考えられる。
【0039】「紫外線照射によるグラフト化の工程」表
面を活性化処理した高分子材料には、紫外線照射しつつ
ビニル単量体をグラフト化する処理を行う。本発明にお
いて、紫外線とは、可視光線を含んだ180nm〜60
0nmの波長の光またはこれらを含む光を使用してもよ
い。300nm〜500nmの波長のもの、あるいは3
65または366nmを中心とする範囲の光を使用する
ことが有効である。但し、より短波長の光照射では材料
強度の低下を引き起こしやすいので不都合であり、また
より長波長の光照射では反応が起こりにくいので不都合
である。
【0040】この波長範囲の紫外線は、公知の低圧また
は高圧水銀ランプ、蛍光ランプ、キセノンランプ 、カ
ーボンアークランプまたは紫外線レーザー発生装置から
発生するものを用いることができる。不必要な波長領域
をカットするために適宜フィルターを使用することが出
来る。
【0041】グラフト化は、ビニル単量体を単独または
複数で、他の不活性な気体もしくは液体で希釈もしくは
溶解して、気相もしくは液相で使用し、表面を活性化処
理した高分子材料の表面にビニル単量体を存在させた状
態で紫外線を照射して行う。メタクリル酸メチルやスチ
レンのような非水溶性ビニル単量体の場合は例えば、ア
ルコールや酢酸エステル溶液で、アクリル酸やアクリル
アミドは水溶液で使用することができる。高分子材料が
ポリオレフィンのようにはっ水性の場合は、アクリル酸
やアクリルアミドはアルコールやアセトンなどの水溶性
有機溶剤と水を混合した溶液として用いることが好まし
い。
【0042】グラフト化時の温度は、20〜60℃が適
当であるが、目的によっては、これより高い方が反応性
はよい。
【0043】紫外線照射下のグラフト効率を上げるため
にベンゾフェノン、過酸化水素、その他の過酸化物等の
反応触媒または光増感剤を反応容器内に存在させること
ができる。ただし、存在させなくても反応させることが
できる。
【0044】紫外線照射は、目的とする表面改質の程度
・ビニル単量体の種類・温度を考慮して照射時間と光の
強度を適宜設定することにより行われる。
【0045】たとえば、ポリプロピレン繊維の場合に
は、厚さ1〜2mmの硬質ガラス製容器にビニル単量体
の溶液とオゾン処理されたポリプロピレン繊維を入れ、
容器内を窒素雰囲気とする。次に400wの紫外線ラン
プからフィルターにより、360から400nm付近を
中心とする紫外線を取り出し、ランプ表面から反応容器
の底までの距離を15.5cmとして照射する。反応温
度は40〜50℃、反応時間は2〜4時間が適当であ
る。反応容器の過熱を防ぐため、ランプと容器の間の空
間および容器を空冷する。
【0046】「触媒によるグラフト化の工程」オゾン処
理またはプラズマ処理等の表面活性化処理によって、高
分子材料の表面には水酸基、アミノ基、ヒドロペルオキ
シド基、カルボニル基などの官能基が生成する。なお、
触媒を用いる場合のグラフト化のための表面活性化の処
理は、紫外線照射によるグラフト化を行う場合より過度
に行う必要がある。これらの材料を、ビニル単量体単独
またはビニル単量体の溶液に漬け、グラフト化を開始す
る触媒、例えば、硝酸セリウム(IV)アンモニウム、
過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム、アゾビスイソブチロニトリルなどを加えて、所定の
温度・時間置く。
【0047】「ホフマン転位(ホフマン反応)」本発明
において、グラフト化されたビニル単量体由来のアミド
基 (−CONH2)」をホフマン転位させるのは、そ
れによって生成したアミノ基(−NH2)によって染色
性をいっそう改善するためである。ホフマン転位は通常
の方法で行うことができる。すなわち、グラフト化され
たポリオレフィンおよび他の高分子材料を水酸化ナトリ
ウムの水溶液に漬け、次亜塩素酸ナトリウム(または次
亜臭素酸ナトリウム)水溶液を加えることによって簡単
に行うことができる。またはアミド基にアルカリの存在
下で臭素または塩素を作用させて加水分解してもよい。
反応温度および時間は適宜選択できる。
【0048】ポリプロピレン成形物とアクリルアミドを
使用した場合の、オゾン処理、紫外線照射グラフト化処
理およびホフマン転位の各工程における反応の概略を化
学式1に示す。
【0049】
【化1】
【0050】なお、プラズマ処理、紫外線照射処理、高
圧放電処理等の各種活性化処理の場合において、高分子
材料の表面に種々の官能基が形成されると考えられ、紫
外線照射によるグラフト化は化学式1と同様の機構で進
行すると考えられる。触媒によるグラフト化は、活性化
処理により形成された官能基またはその周辺が、触媒に
よる反応を受けて、部分的な化学結合の開裂が起こり、
生成した活性部分(ラジカルやイオン)からグラフト化
が進行すると考えられる。例えば、セリウム(IV)塩
を用いた場合は、セリウム(IV)イオンが、高分子材
料の一部を酸化して、活性なラジカルが生成し、そのラ
ジカルからグラフト化が開始されると考えられる。過酸
化物(過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過酸化ラウ
ロイル)や、アゾビスイソブチロニトリルは、これらの
分解で生じたラジカルが、活性化処理された高分子材料
上にラジカルを生成させ、そこからグラフト化が開始さ
れる。
【0051】ホフマン転位を必要としない場合は、各種
単量体をアミド基を有する単量体の代わりに用いてグラ
フト化処理を行い、終了してよい。
【0052】「染色および染料」上述の表面処理改質法
は染色の前処理法として有効である。活性化処理後、メ
タクリル酸メチル、スチレン、酢酸ビニルのような疎水
性ビニル単量体をグラフト化したポリプロピレン繊維
は、分散染料で濃厚に染色される。分散染料とは、アセ
テート・ポリエステル染色用に開発された染料で、化学
構造上、アミノアゾ系、アミノアントラキノン系を主体
するものである。ポリプロピレンの耐熱温度は、ポリエ
ステルほど高くないので、染色の際、助剤としてのキャ
リアーを用いる。キャリアーとしては、o−フェニル・
フェノール、ジメチルテレフタレート、メチルナフタレ
ン系化合物、クロルベンゼン系化合物、ジフェニル系化
合物の利用が可能である。
【0053】アクリルアミドをグラフト化後、ホフマン
転位を行った高分子材料、特にポリオレフィン繊維、ポ
リ塩化ビニル繊維等は、(1)酸性染料、(2)カチオ
ン染料、(3)バット染料、(4)植物染料での染色が
可能となる。汎用的な直接染料、反応染料では実用的な
染色が得られにくい。なお、硫化染料、ナフトール染料
等でも染色可能である。
【0054】酸性染料とは、絹や羊毛などのタンパク質
繊維とナイロン繊維の染色に主として用いられる染料
で、化学構造上、アゾ系、アントラキノン系、トリフェ
ニルメタン系、キサンテン系等がある。スルフォン酸ナ
トリウム基のような陰イオン性の基をもち、繊維とイオ
ン結合をする。
【0055】カチオン染料とは、主にアクリル繊維の染
色用として用いられる染料である。化学構造上、分子に
陽イオンを有する。オーラミンO(C.I.Basic
Yellow2)、マラカイト・グリーン(C.I.
Basic Green4)、ローダミンB(C.I.
Basic Violet10)、クリスタルバイオレ
ット(C.I.Basic Violet3)、メチレ
ン・ブルー(C.I.Basic Blue9)などが
代表的である。
【0056】バット染料とは建染め染料とも言われ、イ
ンジゴが代表的である。化学構造上、インジゴ系とアン
トラキノン系があり、染色に際しては、還元剤を用い
る。
【0057】植物染料とは、種々の植物の根、幹、樹
皮、葉、花、実などから抽出された色素を主成分とする
染料である。あかね、かりやす、くちなし、すおう、む
らさき、たまねぎ、やしゃ、くりなど多くの材料が有用
である。染色に際しては、媒染剤として、2価以上の金
属化合物(鉄、銅、アルミニウム、クロム等の塩)を用
いる。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0059】(実施例1)オゾン処理と紫外線照射によ
るポリプロピレン繊維とメタクリル酸メチル(MMA)
の反応 ポリプロピレン繊維(関西衣生活研究会販売品 170
d(デニール)の糸(1本の糸は単繊維20本からな
る)の平織布0.3g(サイズ50x50mm))を厚
さ1.5mm、容積200mlの硬質ガラス製容器に入
れ、オゾン発生機(日本オゾンON−1−2型)に流量
100ml/minの酸素を導入し、40mg/lの濃
度のオゾンを発生させ、20分間処理した。次に、オゾ
ンを含まない酸素を10分間吹き込んだ。オゾン処理繊
維の赤外線吸収スペクトルを測定して、ベースライン法
より求めた、1710cm-1の吸光度と973cm-1
吸光度の比は、0.08であった。オゾンの濃度はヨウ
素滴定により求めた。
【0060】次に、メタノール15ml、MMA1gを
加え、反応容器を窒素雰囲気にしてから、高圧水銀ラン
プ(東芝高圧水銀灯H400P)を15.5cmの距離
から3時間照射した。温度は45℃とした。反応容器の
内容物を大量のメタノール中に投入した。MMAポリマ
ーの付着したポリプロピレン繊維を取り出し、トルエン
100mlによる洗浄を3回行い(室温下、洗浄時間2
時間/1回)、ホモポリマー(MMAの単独重合体)を
除去した。処理材料を乾燥した。グラフト率は16%で
あった。
【0061】図1に未処理のポリプロピレン繊維(1)
と得られたMMAグラフトポリプロピレン繊維(2)の
フーリエ変換赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
示す。(1)と(2)のスペクトルを比較すると、
(2)のスペクトルにおいて、MMAのカルボキシル基
に基づく強い吸収が1738cm-1付近に観測されるこ
とよりグラフト化していることがわかる。
【0062】(実施例2)オゾン処理と紫外線照射によ
るポリプロピレン板とアクリルアミドの反応 長さ50mm、幅10mm、 厚さ1mmのポリプロピ
レン板2枚(重量0.986g)を硬質ガラス製三角フ
ラスコに入れ、オゾン発生機(日本オゾンON−1−2
型)に流量100ml/minの酸素を流し、40mg
/lの濃度のオゾンを発生させ、これを三角フラスコに
導入し、40分間処理した。次に、オゾンを含まない酸
素を10分間吹き込んだ。オゾンの濃度はヨウ素滴定よ
り求めた。
【0063】三角フラスコに、アクリルアミド0.98
6g、過酸化水素3%水溶液1ml、水10ml、メタ
ノール5mlを加えた。反応容器を窒素雰囲気にして、
高圧水銀ランプ(東芝高圧水銀灯H400P)を15.
5cmの距離から3時間照射した。温度は45℃とし
た。次に容器の内容物を大量の水中に投入した。アクリ
ルアミドのポリマーの付着したポリプロピレン板を取り
出し、水100mlによる煮沸洗浄を3回行った。得ら
れた処理ポリプロピレン板を乾燥した。グラフト率は
1.12%であった。
【0064】(実施例3)接着強度試験 実施例2で得られたグラフト化ポリプロピレン板、オゾ
ン処理のみを行ったポリプロピレン板、未処理ポリプロ
ピレン板について市販の二液混合型エポキシ接着剤(コ
ニシ株式会社ボンドクイック5)による接着を行い、引
張せん断接着強さ試験を行った。試験片は、長さ25m
m、幅5mm、厚さ1mmの板2枚について、接着面積
25mm2、 接着剤量100mg、接着剤乾燥時間5時
間で接着したものである。
【0065】試験の条件:引張試験機 今田製作所SV
−55−0−20−M、引張速度30mm/分、試験片
サイズ 幅5mm、長さ50mm、つかみ部長さ 8.
5mm、引張部分長さ 28mm。
【0066】接着強さは、未処理ポリプロピレン板:
0.4kg/cm2、オゾン処理ポリプロピレン板:1
6.0kg/cm2、アクリルアミドグラフトポリプロ
ピレン板:30.4kg/cm2であった。
【0067】オゾン処理のみによるポリプロピレン成形
物の接着性の改良が行われているが、本発明によりグラ
フト化したポリプロピレンでは接着強さがさらに増大す
ることがわかった。アクリルアミドのグラフト化により
ポリプロピレンの表面の極性が増し、極性接着剤との親
和力が増したと解釈された。
【0068】(実施例4)オゾン処理と紫外線照射によ
るポリ塩化ビニル繊維とMMAの反応 ポリ塩化ビニル繊維(関西衣生活研究会販売品 75d
(デニール)の糸(1本の糸は単繊維25本からなる)
の平織布0.15g(サイズ50x50mm))を厚さ
1.5mmの硬質ガラス製容器に入れ、オゾン発生機
(日本オゾンON−1−2型)より酸素を100ml/
minの流量で流し、濃度50mg/lのオゾンを発生
させて、45分間処理した。次に、オゾンを含まない酸
素を10分間吹き込んだ。オゾン処理繊維の赤外線吸収
スペクトルにおいて、生成カルボニル基に基づく173
6cm-1付近の吸光度と未変化の結晶部分C−Cl基に
基づくとみられる700cm-1付近の吸収の吸光度の比
は、0.08であった。
【0069】次に、処理した塩化ビニル繊維に、メタノ
ール10ml、MMA2.3gを加え、反応容器を窒素
雰囲気にしてから、高圧水銀ランプ(東芝高圧水銀灯H
400P)を15.5cmの距離から3時間照射した。
温度は45℃とする。反応容器の内容物を大量のメタノ
ール中に投入した。MMAポリマーの付着したポリ塩化
ビニル繊維を取り出し、トルエン100mlによる洗浄
を3回行い(室温下、洗浄時間2時間/1回)、ホモポ
リマー(MMAの単独重合体)を除去した。処理材料を
乾燥した。グラフト率は35%であった。
【0070】図2に未処理のポリ塩化ビニル繊維
(1)、1時間オゾン処理したポリ塩化ビニル繊維
(2)と得られたMMAグラフトポリ塩化ビニル繊維
(3)のフーリエ変換赤外線吸収スペクトル(拡散反射
法)を示す。(1)および(2)と(3)のスペクトル
を比較すると、(3)のスペクトルにおいて、MMAの
カルボキシル基に基づく強い吸収が1736cm-1付近
に観測される。また、MMAに基づく吸収は1150、
1480、750m-1付近にも見られる。これらの吸収
の位置を、図中において、矢印と数値で示す。これらの
ことから、ポリ塩化ビニルにMMAがグラフト化してい
るとみられた。なお、(1)のスペクトルにおいて、1
736cm-1付近に小さい吸収ピークが見られるので、
未処理のポリ塩化ビニルは、多少酸化されていると見ら
れた。(2)のオゾン処理したポリ塩化ビニルのスペク
トルにおける1736cm-1付近の吸収の強度は、未処
理のポリ塩化ビニルのスペクトルに見られる吸収に比べ
て強度が同程度であるので、実験条件下では、ポリ塩化
ビニル繊維のオゾン酸化による変化はかなり少量と見ら
れた。
【0071】(実施例5)オゾン処理と紫外線照射によ
るポリプロピレン繊維とアクリルアミドの反応 ポリプロピレン繊維(関西衣生活研究会販売品 170
d(デニール)の糸(1本の糸は単繊維20本からな
る)の平織布0.3g(サイズ50x50mm))を厚
さ1.5mmの硬質ガラス製容器に入れ、オゾン発生機
(日本オゾンON−1−2型)に流量100ml/mi
nの酸素を導入し、40mg/lの濃度のオゾンを発生
させ、これを容器に導入し、20分間吹き込んだ。次
に、オゾンを含まない酸素を10分間吹き込んだ。オゾ
ン処理繊維の赤外線吸収スペクトルにおいて、ベースラ
イン法より求めた、1710cm-1の吸光度と973c
-1の吸光度の比は、0.07であった。
【0072】次に、処理繊維に、アクリルアミド0.4
g、水10ml、メタノール5mlを加えて、反応容器
を窒素雰囲気にした。高圧水銀ランプ(東芝高圧水銀灯
H400P)を反応容器まで15.5cmの距離から3
時間照射した。温度は45℃とした。次に容器の内容物
を大量の水中に投入した。アクリルアミドのポリマーの
付着したポリプロピレン繊維を取り出し、水100ml
による煮沸洗浄を3回行った。グラフト率は6%であっ
た。この場合、過酸化水素は加えなかった。
【0073】(実施例6)ホフマン転位による処理 実施例5で得られたアクリルアミドグラフトポリプロピ
レンを水に入れ、水酸化ナトリウムでアルカリ性にして
から、次亜塩素酸ナトリウムを加えて、ホフマン転位を
行った。反応物の仕込量:グラフトポリプロピレン0.
3g、水20ml、水酸化ナトリウム0.2g、次亜塩
素酸ナトリウム(5%水溶液)1ml。反応時間、温度
はそれぞれ1時間、50℃。
【0074】なお、ホフマン転位により、アクリルアミ
ドのアミド基はアミノ基に変わることが知られている。
この操作で得られた処理ポリプロピレンを以下、AMH
PPと略称する。
【0075】図3に未処理ポリプロピレン繊維、オゾン
処理ポリプロピレン繊維(実施例5のオゾン処理で得ら
れたもの)、アクリルアミドグラフトポリプロピレン繊
維(実施例5で得られたもの)、およびAMHPP繊維
(実施例6で得られたもの)の各フーリエ変換赤外線吸
収スペクトル(拡散反射法)をそれぞれ示す。未処理ポ
リプロピレン(1)と比較すると、オゾン処理ポリプロ
ピレン(2)には酸化により生成したカルボニル基の吸
収が1710cm-1付近に見られる。アクリルアミドグ
ラフトポリプロピレン(3)では1610cm-1、16
70cm-1付近にアミド基による吸収が見られる。これ
をホフマン転位させたもの(4)では、1630cm-1
と1670cm-1に吸収ピークがみられるが、吸光度は
大幅に減少している。すなわち、アミド基の量が減少し
たことがわかり、ホフマン転位によるアミド基からアミ
ノ基への変化を示唆しているとみられる。
【0076】(実施例7)プラズマ処理と紫外線照射に
よるMMAとポリプロピレンの反応 ポリプロピレン繊維(関西衣生活研究会販売品 170
d(デニール)の糸(1本の糸は単繊維20本からな
る)の平織布0.3g(サイズ50x50mm))に
0.6mmHgの空気中で内部電極型の装置を用いて1
分間の放電処理を行い、一旦布を装置から取り出して空
気に10分間触れさせた。この試料を硬質ガラス製の三
角フラスコに入れ、メタノール15ml、MMA1gを
加え、容器を窒素雰囲気にした。容器の底面から高圧水
銀ランプ(東芝高圧水銀灯H400P)を15.5cm
の距離にて3時間照射した。温度は45℃とした。反応
容器の内容物を大量のメタノール中に投入した。MMA
ポリマーの付着したポリプロピレン繊維を取り出し、ト
ルエン100mlによる洗浄を3回行い(室温下、洗浄
時間2時間/1回)、ホモポリマー(MMAの単独重合
体)を除去した。処理材料を乾燥した。グラフト率は4
%であった。
【0077】(実施例8)オゾン処理と触媒によるアク
リルアミドとポリプロピレンの反応 ポリプロピレン繊維(関西衣生活研究会販売品 170
d(デニール)の糸(1本の糸は単繊維20本からな
る)の平織布0.3g(サイズ50x50mm))を厚
さ1.0mmの硬質ガラス製容器に入れ、オゾン発生機
(日本オゾンON−1−2型)より濃度40mg/lの
オゾンを含む酸素を100ml/分の流量で3時間吹き
込んだ。次に、オゾンを含まない酸素を10分間吹き込
んだ。
【0078】次に、アクリルアミド0.4g、硝酸セリ
ウムアンモニウム3mg、水10ml、メタノール5m
lを加えて、反応容器を窒素雰囲気にした。温度は70
℃、反応時間は4時間とした。次に容器の内容物を大量
の水中に投入した。アクリルアミドのポリマーの付着し
たポリプロピレン繊維を取り出し、水100mlによる
煮沸洗浄を3回行った。グラフト率は3.5%であっ
た。
【0079】(実施例9)引張強度試験 実施例1、4、6、7、8で得られた処理繊維と未処理
の繊維についての引張強度を測定した。ポリプロピレン
糸は1本、ポリ塩化ビニル糸は2本について測定した。
引張試験の条件:引張試験機 今田製作所SV−55−
0−20−M、引張速度30mm/min、試験片 長
さ50mmの糸1本(太さ170d)、つかみ部分長さ
11mm、引張部分長さ28mm、温度25℃。結果
は、表1のようであった。表ではアクリルアミドをAA
Mとした。
【0080】
【表1】
【0081】(実施例10)ぬれ試験:実施例5で用い
たものと同一の未処理ポリプロピレン(1)、実施例5
と同様の方法で得られたオゾン処理ポリプロピレン
(2)、実施例5と同様の方法で得られたアクリルアミ
ドグラフトポリプロピレン(3)、および実施例6と同
様の方法で得られたAMHPP(4)の各布について、
水に対する「ぬれ」の試験を行った。水の接触角は自家
製の装置で求めた。すなわち、注射器から、直径1mm
程度の水滴を試験布の表面に滴下したものを、レンズで
拡大投影した像のサイズから計算によって求めた。
【0082】接触角は、次のようであった。未処理ポリ
プロピレン 129°、オゾン処理(1時間)ポリプロ
ピレン 123°、オゾン処理(3時間)ポリプロピレ
ン105°。
【0083】アクリルアミドグラフトポリプロピレン
(3)、AMHPP(4)については接触角は100°
以下とみられた。
【0084】なお、各試料を水に入れると「(1)は水
をはじき、(2)は部分的にゆるやかに濡れる、(3)
と(4)は水によく濡れる」ということが観察された。
【0085】また定性的に、(3)と(4)は静電気が
おこりにくいことが観察された。
【0086】(実施例11)染色:未処理ポリプロピレ
ン布、実施例5と同様の方法で得られたオゾン処理ポリ
プロピレン布、実施例1および実施例5と同様にして得
られたグラフトポリプロピレン布または実施例6と同様
にして得られたAMHPP布、および未処理ポリ塩化ビ
ニル布、実施例4と同様にして得られたオゾン処理ポリ
塩化ビニル布、MMAグラフトポリ塩化ビニル布につい
て、それぞれ同条件で染色実験を行った。以下、各染色
の実施例を示す。
【0087】(1)MMAグラフトポリプロピレン布の
染色 実施例1と同様にして得られたMMAグラフトポリプロ
ピレン布0.3gにつき、ポリエステル用分散染料(三
菱化成(株)製ダイアニックス レッドAC−E、ブル
ーAC−E、ターキッシュブルーAC−Eの各々 )4
0mgを水75mlに分散させた。別に、水25mlに
キャリアー剤(オルトフェニルフェノールのナトリウム
塩)50mgをまぜ、アニオン界面活性剤2mgを加え
てよく乳化した。両液を混ぜて、酢酸を加えて、pH=
5付近にした。布を加えて、30分間煮沸した。布は洗
剤水溶液で煮沸洗浄後、水洗して乾燥した。かなり濃厚
な染色ポリプロピレン布を得た。
【0088】同染色法によって、未処理ポリプロピレン
布、およびオゾン処理ポリプロピレン布はほとんど染色
されなかった。
【0089】(2)MMAグラフトポリ塩化ビニル布の
染色 布0.3gにつき、ポリエステル用分散染料(三菱化成
(株)製ダイアニックス レッドAC−E、ブルーAC
−E、ターキッシュブルーAC−Eの各々)40mgを
水75mlに分散させた。別に、水25mlにキャリア
ー剤(オルトフェニルフェノールのナトリウム塩)50
mgをまぜ、アニオン界面活性剤2mgを加えてよく乳
化した。両液を混ぜて、酢酸を加えて、pH=5付近に
した。布を加えて、30分間煮沸した。布は洗剤水溶液
で煮沸洗浄後、水洗して乾燥した。かなり濃厚な染色布
を得た。
【0090】同染色法によって、未処理ポリ塩化ビニル
布、およびオゾン処理ポリ塩化ビニル布も染色された
が、MMAグラフトポリ塩化ビニルが最も濃厚に染色さ
れた。
【0091】(3)AMHPP布の染色
【0092】(3−1)酸性染料による染色 酸性染料(日本化薬(株)製カヤノールイエローN5
G、カヤノールレッドNBの各々)2%水溶液50ml
に、AMHPP布0.3gを入れ、30分間、加熱し
た。布を取り出し、洗剤水溶液で煮沸洗浄後、水洗して
乾燥し、染色ポリプロピレン布を得た。
【0093】同方法によって、未処理ポリプロピレン
布、およびオゾン処理ポリプロピレン布はほとんど染色
されなかった。アクリルアミドグラフトポリプロピレン
布はわずかに染色された。
【0094】(3−2)カチオン染料による染色:カチ
オン染料(マラカイトグリーン、ローズ、マゼンタの各
々)の1%水溶液50mlに、AMHPP布0.1gを
入れ、25分間、加熱した。布を取り出し、洗剤水溶液
で煮沸洗浄後、水洗して乾燥し、染色ポリプロピレン布
を得た。かなり濃厚な染色が実現した。
【0095】本方法では、未処理ポリプロピレン布はほ
とんど染色されなかった。オゾン処理ポリプロピレン布
は薄い濃度に染色された。アクリルアミドグラフトポリ
プロピレン布はわずかに染色された。
【0096】(3−3)バット染料による染色 バット
染料(桐山ウシオ染料(桐山染料店販売品)の青(カラ
ーインデックス番号C.I.Vat Blue1)、
紫、カラシ、鉄、オリーブグリーンの各々)0.02g
に小量のアルコールを加えて練り、水50ml、水酸化
ナトリウム0.01g、ハイドロサルファイトナトリウ
ム0.06gを加えて、80℃に10分加熱して、染料
のロイコ体水溶液を作った。これに、AMHPP布0.
1gを入れ、60分間おいた(40℃程度に加熱)。得
られた染色布は、洗剤水溶液で数回煮沸洗浄した。さら
に、余分な染料はアルコールで洗浄除去した。かなり濃
厚な染色布が得られた。
【0097】同染色法によって、オゾン処理ポリプロピ
レン布、アクリルアミドグラフトポリプロピレン布はA
MHPP布ほど濃色ではないが、幾分かよく染色され
た。未処理ポリプロピレン布は薄い濃度に染色された。
【0098】(3−4)植物染料による染色 植物染材(乾燥したすおう、くちなし、かりやす、玉ね
ぎの外皮の各々)の煮沸水溶液50mlに、AMHPP
布0.2gを入れ、30分間煮沸した。布を取り出し、
洗剤水溶液で煮沸洗浄後、乾燥して染色布を得た。
【0099】同方法によって、未処理ポリプロピレン
布、オゾン処理ポリプロピレン布およびアクリルアミド
グラフトポリプロピレン布は染色されなかった。
【0100】(4)染色堅ろう度 耐光堅ろう度は、それぞれの染料の本来の堅ろう度に従
った。すなわち、分散染料、カチオン染料は5〜6級、
酸性染料は4〜5級、バット染料は5〜7級、植物染料
は2級程度であった。
【0101】洗濯堅ろう度は、分散染料、カチオン染料
は3〜5級、酸性染料3〜5級、バット染料は4〜5
級、植物染料は2〜4級程度であった。
【0102】
【比較例】ポリプロピレン繊維(中尾フィルター販売品
50d(デニール)の糸(1本の糸は単繊維15本か
らなる)の平織布0.1g(サイズ50x50mm))
をオゾン濃度60mg/lで、1〜3時間処理した。処
理繊維について、実施例11と同様の染色を行ったが、
著しい染色性の改良は見られなかった。処理繊維の引張
強度は表2に示すように、オゾン処理時間の経過に伴っ
て、実用に供さない程度に低下した。引張強度は東洋精
機製テンシロンUTM−3を用い、長さ4cmのたて糸
70本について、引張速度20mm/min、つかみ部
分長さを両端から1cmとして測定した。
【表2】
【発明の効果】従来のグラフト化の方法で高分子材料の
表面改質を行う場合は、高分子に水酸基、カルボキシル
基、アミノ基など、反応の開始を促す官能基を含んでい
る必要があった。そのために、反応基質としてはポリエ
ステル、ナイロン、セルロース、タンパク質などが有効
であった。また、プラズマ重合による改質では反応に用
いられる化合物には制限があり、生成物の構造は明瞭で
はなかった。また、従来の表面活性化処理方法では、高
分子材料の表面特性を大きく変えることは困難であっ
た。本発明によれば、従来の活性化処理用の設備、また
は、比較的簡単なオゾン処理および紫外線照射グラフト
化工程または触媒によるグラフト化工程を組み合わせる
ことにより、高分子材料の種類を問わず、その表面特性
を染色・塗装・メッキ性・印刷・接着等にすぐれたもの
に改質できる。特に、化学反応が受けにくいといわれる
ポリオレフィン・ポリ塩化ビニル・ポリ塩化ビニリデン
等については、従来、強度低下を伴わずに表面改質をす
ることは非常に困難であったが、本発明により、その優
れた物理的性質を損なわずに、染色・塗装・メッキ性・
印刷・接着等の諸性質を大きく改善でき、繊維製品・自
動車部品・電気部品・各種工業材料・家庭用品等、利用
範囲を飛躍的に拡大させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】未処理ポリプロピレン(1)、MMAグラフト
ポリプロピレン(2)のKBr錠剤法によるフーリエ変
換赤外線吸収スペクトルを示す。
【図2】未処理ポリ塩化ビニル(1)、オゾン処理ポリ
塩化ビニル(2)、MMAグラフトポリ塩化ビニル
(3)の拡散反射法によるフーリエ変換赤外線吸収スペ
クトルを示す。
【図3】未処理ポリプロピレン(1)、オゾン処理ポリ
プロピレン(2)、アクリルアミドグラフトポリプロピ
レン(3)、AMHPP(アクリルアミドグラフト・ホ
フマン転位処理ポリプロピレン)(4)の拡散反射法に
よるフーリエ変換赤外線吸収スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 14/18 D06P 5/00 DBA DBE DBG 104 5/20 Z E D

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料の表面を、(1)活性化する
    工程、(2)ビニル単量体をグラフト化する工程によ
    り、この順に処理することを特徴とする高分子材料の表
    面改質方法。
  2. 【請求項2】 高分子材料の表面を、(1)活性化する
    工程、(2)アミド基を有するビニル単量体をグラフト
    化する工程および、(3)工程2によりグラフト化した
    アミド基をホフマン転位する工程により、この順に処理
    することを特徴とする高分子材料の表面改質方法。
  3. 【請求項3】 工程(1)において活性化する工程が、
    プラズマ処理、オゾン処理、紫外線照射処理、コロナ処
    理、高圧放電処理から成る群から選ばれた少なくとも1
    種の処理方法を含むことを特徴とする請求項1または2
    記載の高分子材料の表面改質方法。
  4. 【請求項4】 工程(2)において、紫外線を照射しつ
    つグラフト化することを特徴とする請求項1ないし3記
    載の高分子材料の表面改質方法。
  5. 【請求項5】 工程(2)において、触媒の存在下にグ
    ラフト化することを特徴とする請求項1ないし3記載の
    高分子材料の表面改質方法。
  6. 【請求項6】 高分子材料がポリオレフィンである請求
    項1ないし5記載の高分子材料の表面改質方法。
  7. 【請求項7】 高分子材料がオレフィン以外のビニル化
    合物またはビニリデン化合物または炭素−炭素二重結合
    を有する化合物の単独重合体または共重合体である請求
    項1ないし5記載の高分子材料の表面改質方法。
  8. 【請求項8】 高分子材料の表面改質方法が染色の前処
    理としての方法である請求項1ないし7記載の高分子材
    料の表面改質方法。
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