JPH07278327A - 高分子基材のグラフト化処理方法 - Google Patents

高分子基材のグラフト化処理方法

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JPH07278327A
JPH07278327A JP9289594A JP9289594A JPH07278327A JP H07278327 A JPH07278327 A JP H07278327A JP 9289594 A JP9289594 A JP 9289594A JP 9289594 A JP9289594 A JP 9289594A JP H07278327 A JPH07278327 A JP H07278327A
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JP
Japan
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irradiation
polymer base
grafting
reaction
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JP9289594A
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English (en)
Inventor
Norimitsu Kaimai
教充 開米
Takao Kuno
貴雄 久野
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】放射線またはプラズマの照射により、ラジカル
重合性化合物を高分子基材にグラフト重合させるグラフ
ト化処理方法において、当該高分子基材が、当該高分子
物素材に結晶核剤を添加して成る高分子基材のグラフト
化処理方法。 【効果】グラフト化の反応効率を向上させることがで
き、グラフト化反応効率の向上から基材を劣化させるよ
うな放射線照射条件等をより厳しいものにする必要もな
く、グラフト化反応時間の短縮から生産効率を向上する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子基材のグラフト
化処理方法に関し、特に、ポリオレフイン系基材の表面
を放射線またはプラズマ照射グラフト重合法により改質
する場合の有利な改質技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフイン系基材並びにその表面
(用途により孔内を含む)を改質した材料は、変性ポリ
オレフインとして接着性材料やそれを含む組成物の他に
具体的な用途例としてフィルター、各種分離膜、電池用
隔膜、各種吸水材等にも利用可能である。また、これら
改質材がフィルム形状である場合には、各種立体形状品
の表面に貼付する事による表面改質が可能である。
【0003】基材表面をグラフト法により改質するに、
一般に、大別すると、基材に放射線を照射し、その後
に、グラフトモノマーとグラフト反応させる所謂前照射
法と、基材とグラフトモノマーとを共存させてグラフト
反応と放射線照射とを同時に行う所謂同時照射法との二
つの方法がある。高分子基材特にポリオレフイン基材を
グラフト法により改質する場合、そのグラフト化率に影
響を及ぼす条件として、樹脂組成(樹脂の種類、結晶
性、添加物等)、放射線またはプラズマ照射条件(加速
電圧、照射線量、線量率、照射雰囲気等)、グラフト反
応条件(反応時間、反応温度、反応モノマーの種類並び
に濃度、反応触媒等)、後処理条件(アニール)等が挙
げられる。従来、当該高分子基材をグラフト法により改
質する場合、これら事項について、各種の提案がなされ
ているが、樹脂組成については、樹脂単独でなされてい
る場合が殆んどである。高いグラフト化率のものを得る
には、放射線またはプラズマ照射条件、あるいはグラフ
ト反応条件を厳しくすればよいが、基材の劣化を招いた
り、生産効率の低下(反応時間の延長、反応温度高、モ
ノマー量の増加等)につながり好ましいものではない。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】本発明はかかる状況下
に鑑み、樹脂の組成面から、グラフト化の反応効率を向
上させることができ、グラフト化反応効率の向上から放
射線照射条件等をより厳しいものにする必要もなくな
り、グラフト化反応時間の短縮から生産効率を向上する
ことができる技術を提供することを目的としたものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、放射線または
プラズマの照射により、ラジカル重合性化合物を高分子
基材にグラフト重合させるグラフト化処理方法におい
て、当該高分子基材が、当該高分子物素材に結晶核剤を
添加して成ることを特徴とする高分子基材のグラフト化
処理方法に係るものである。
【0006】本発明に使用される高分子基材を構成する
高分子物素材としては、ポリプロピレン(以下、PPと
いう場合もある)、ポリエチレン(以下、PEという場
合もある)、プロピレン−エチレン共重合体、ポリブテ
ン、ポリメチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリスチレンなどの樹脂が挙げられる。就中、
PP、PE等のポリオレフイン樹脂特にポリプロピレン
樹脂からなるものが好ましい。ポリオレフイン樹脂は、
非極性で、その表面等を放射線グラフト法により改質し
ょうとする場合、その表面でグラフトモノマーがはじか
れてしまい、グラフト化率の向上につながらないことが
多いからである。当該ポリプロピレン樹脂としては、ホ
モポリプロピレンまたはプロピレンとエチレンもしくは
αーオレフイン例えば1ーブテン、1ーペンテン、1ー
ヘキセン、4ーメチルー1ーペンテン、1ーオクテン等
との共重合体があげられる。当該共重合体は、ランダム
共重合体でもブロック共重合体でもよい。当該ポリプロ
ピレン樹脂は、例えば三塩化チタン、四塩化チタン等の
遷移金属化合物触媒成分またはそれらを塩化マグネシウ
ム等のハロゲン化マグネシウムを主成分とする担体に担
持させてなる触媒成分とトリエチルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムクロリド等の有機アルミニウム化合物
とを組み合わせてなる触媒系を用いて調製される。当該
ポリプロピレン樹脂のメルトフローレイト(JISK7
210、荷重2.16kg、230℃、以下MFRとい
う)は、0.1〜100g/10分のものが通常用いら
れる。
【0007】本発明に使用される高分子基材を構成する
結晶核剤としては、安息香酸ナトリウム、1.2−ヒド
ロキシステアリン酸カリウム、コハク酸マグネシウム、
フタル酸マグネシウムなどカルボン酸のアルカリまたは
アルカリ土類金属塩、二もしくは三塩基カルボン酸のジ
またはトリエステル類、ベンゼンスルホン酸ナトリウム
等の芳香族スルホン酸化合物、フタロシアニンブル−等
のフタロシアニン系あるいはキナクリドン等の顔料、ソ
ルビトール系化合物、脂肪族、脂環式または芳香族の二
塩基酸系あるいはアミノ酸系ジアミド化合物、有機二塩
基酸である成分Aと周期律表第IIA族金属の酸化物、
水酸化物または塩である成分Bとからなるもの等が挙げ
られる。
【0008】ソルビトール系化合物の例としては、例え
ばジベンジリデンソルビトール、(1,3)2,4ージ
(pーメチルベンジリデン)ソルビトール、(1,3)
2,4ージ(pーエチルベンジリデン)ソルビトール、
(1,3)2,4ージ(pークロロベンジリデン)ソル
ビトール、(1,3)2,4ージ(pーメトキシベンジ
リデン)ソルビトールなどが挙げられる。
【0009】上記ジアミド系化合物の例としては、アジ
ピン酸ジアニリド、スペリン酸ジアニリド、N,N´−
ジシクロヘキシルテレフタルアミド、N,N´−ジシク
ロヘキシル−1,4−シクロヘキサンジカルボキシアミ
ド、N,N´−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレン
ジカルボキシアミド、N,N´−ジシクロヘキシル−
4,4´−ビフェニルジカルボキシアミド、N,N´−
ビス(p−メチルフェニル)ヘキサンジアミド、N,N
´−ビス(p−エチルフェニル)ヘキサンジアミド、
N,N´−ビス(4−シクロヘキシルフェニル)ヘキサ
ンジアミド、p−(N−シクロヘキサンカルボニルアミ
ノ)安息香酸シクロヘキシルアミド、δ−(N−ベンゾ
イルアミノ)−n−吉草酸アニリド等が挙げられる。
【0010】上記成分Aの有機二塩基酸としては、ピメ
リン酸、アゼライン酸、オルトフタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸等が挙げられる。成分Bは周期律表第
IIA族金属例えばMg,Ca、Sr,Ba等の金属の
酸化物、水酸化物または酸塩である。酸塩としては、無
機酸または有機酸の塩、例えば炭酸塩、ステアリン酸塩
等から選ばれる。
【0011】本発明における結晶核剤の添加量は、高分
子物素材100重量部に対し、0.005〜5重量部、
好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.0
2〜0.5重量部である。0.005重量部未満では、
グラフト化率の向上効果が不充分となり、0.05重量
部を超えて添加してもグラフト化率をそれ以上向上させ
る効果は期待出来ず、また、経済的にも不利である。
【0012】本発明に係る組成物には、本発明の効果を
阻害しない範囲内で、さらに、フェノール系酸化防止剤
やイオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、透明化核剤、無機充填剤、帯電防止剤、防曇
剤、アンチブロツキング剤、滑剤、顔料、染料等他の添
加剤を適宜必要に応じて添加してもよい。
【0013】本発明に使用される高分子基材の形態は、
粉体、顆粒、ペレット、フイルム、板、シート、中空糸
等の形態からなっていればよい。
【0014】本発明に使用されるラジカル重合性化合物
の例としては、不飽和カルボン酸またはその誘導体が挙
げられる。不飽和カルボン酸またはその誘導体として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
エンドービシクロ[2.2.1]ー5ーヘプテンー2,
3ージカルボン酸(エンディック酸)、フマール酸、テ
トラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロ
トン酸、イソクロトン酸等の不飽和モノあるいはジカル
ボン酸、またはその誘導体、例えば酸ハライド、アミ
ド、イミド、無水物、エステル等が挙げられる。誘導体
の具体例としては、塩化マレイニル、マレイミド、無水
マレイン酸、無水エンディック酸、アクリル酸メチル、
メタクリル酸メチル、無水シトラコン酸、マレイン酸モ
ノメチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。また、
本発明ではラジカル重合反応性のオリゴマー、例えば、
重合性官能基を有するウレタン系オリゴマー、エーテル
系オリゴマー、エシテル系オリゴマー等をも使用するこ
とができる。
【0015】本発明のグラフト処理方法の一例は、例え
ば、高分子物素材に結晶核剤を添加して顆粒、ペレッ
ト、フイルム等の形態の高分子基材を成形し、得られた
ポリオレフィン基材等の高分子基材に放射線またはプラ
ズマを照射し、次いで、当該高分子基材をアクリル酸水
溶液などのグラフトモノマー反応溶液中に含浸させてグ
ラフト処理を行う。本発明でいう放射線とは、α線、γ
線、β線(電子線)、中性子線、X線などを意味する。
これら放射線のうちでは、取り扱いおよびグラフト効率
から電子線が好ましい。電子線の照射条件は、加速電圧
が150〜5000kV、好ましくは200〜500k
V、照射線量5〜500kGy、好ましくは50〜20
0kGy程度が適当である。照射線量が5kGy未満で
は、グラフトが充分に行われず、一方、500kGyを
超えると、グラフト化率が向上せず、基材の劣化が激し
くなる。この照射は、通常空気雰囲気下、好ましくは不
活性ガス、例えば窒素、アルゴン等の雰囲気下で行われ
る。また、プラズマ照射は、低温プラズマ処理方法で行
われる。低温プラズマ方法は、高周波放電、マイクロ波
放電等で、低圧の酸化性ガス例えば酸素またはこれに窒
素、空気、アルゴン、ヘリウム等を混入したガスを励起
させ、活性ガスを発生させ、これを前記の基材に接触さ
せて行うことができる。その処理条件は、圧力が0.1
〜10torr、処理時間が15秒以上、好ましくは2
0〜40秒である。
【0016】本発明によれば、高分子基材の原料組成に
おいて、結晶核剤を添加することにより、多数の結晶核
(微結晶)が生成され、反応点も多くなり、また、モノ
マーの高分子基材への拡散速度も高くなるため、高いグ
ラフト化率のものを得ることが可能となり、これが反応
効率の向上につながる為、反応条件(特に、放射線また
はプラズマ照射条件)においてより厳しいものを求めら
れず、基材の劣化抑制につながっているものと考えられ
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により詳
細に説明する。なお、実施例および比較例における物性
値の測定方法は、次の通りである。 (1)結晶化度(%);パーキンエルマー社製示査走査
型熱量計を用いて測定した基材の融解熱量より算出し
た。[なお、結晶化度100%のポリプロピレンの融解
熱量は209ジュール/gである(Worderlic
h,B:’Macro−molecular Phys
ics’Academic Press,New Yo
rk,vol 1.1973] (2)グラフト化率(wt%):反応前後の重量変化量
より次式に基づき算出した。 グラフト化率(wt%)=W2ーW1/W1 X100 W1:反応前の重量(g) W2:反応後の重量(g) (3)引張破断強度:ASTMD882に準拠(MD方
向で末処理に対する相対値)
【0018】実施例1 ホモポリプロピレン(密度=0.91g/cm3、MF
R=15g/10分)100重量部に、シェル核剤NA
[大日本インキ化学工業社製]0.04重量部と酸化防
止剤0.10重量部を添加配合し、ヘンシェルミキサー
を用いてブレンドした後、50mmφ単軸押出機(L/
D=28)により押出温度230℃にて、混練し、次い
で、40mmφキャストフイルム成形機(L/D=2
8)により押出温度200℃にて、厚み50μmのキャ
ストフイルム(CPPフイルム)を成形した。得られた
CPPフイルムに、加速電圧250kV、照射線量50
kGyで、電子線を照射後、アクリル酸水溶液中に浸漬
させ(窒素のバブリングを行った)、次の条件下で、グ
ラフト反応を行った。その結果を表1に示す。 グラフト反応条件; 反応温度:45℃ 反応時間:15分、30分、45分 モノマー水溶液:アクリル酸濃度10vol% 添加物:0.25%モール塩
【0019】実施例2 実施例1において、シェル核剤に代え、(1,3)2,
4ージ(pーメチルベンジリデン)ソルビトール[商品
名:ゲルオールMD 新日本理化社製]0.20重量部
とした以外は、実施例1と同様にして、CPPフイルム
を成形し、グラフト反応を行った。その結果を表1に示
す。
【0020】実施例3 実施例1において、ホモポリプロピレンに代えて密度が
0.91g/cm3、MFRが15g/10分、エチレ
ン含有量2.0wt%の結晶性プロピレンーエチレンラ
ンダムコポリマーとした以外は、実施例1と同様にし
て、CPPフイルムを成形し、グラフト反応を行った。
その結果を表1に示す。
【0021】比較例1 実施例1において、シェル核剤を添加配合しなかった以
外は、実施例1と同様にして、CPPフイルムを得た
後、同様にグラフト反応を行い、その結果を表1に示
す。
【0022】比較例2 実施例3において、シェル核剤を添加配合しなかった以
外は、実施例1と同様にして、CPPフイルムを得た
後、同様にグラフト反応を行った。その結果を表1に示
す。
【0023】実施例4 実施例1において、電子線照射に代えて、マイクロ波プ
ラズマ装置(東芝製TMZ−2032型)にて、空気中
で1.0torr、出力1kwで30秒間のプラズマ処
理を行った。次いで、このフイルムを、次ぎのグラフト
反応条件で、実施例1と同様にしてグラフト処理した。
その結果を表2に示す。 グラフト反応条件; 反応温度:45℃ 反応時間:60分 モノマー水溶液:アクリル酸濃度40vol% 添加物:0.25%モール塩
【0024】比較例3 実施例4において、シェル核剤を添加配合しなかった以
外は、実施例4と同様にしてCPPフイルムを得た後、
同様にグラフト反応を行った。その結果を表2に示す。
【0025】実施例5〜7 実施例1において、電子線の照射線量を表3に示すよう
に変化させ、グラフト反応時間を30分とした以外は、
実施例1と同様にして、CPPフイルムのグラフト反応
を行った。その結果を表3に示す。
【0026】比較例4〜6 実施例5〜7において、シェル核剤を添加配合しなかっ
た以外は、実施例5〜7と同様にしてCPPフイルムの
グラフト反応を行った。その結果を表3に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】表1〜3に示す結果から、本発明の実施例
によれば、結晶核剤を添加しない比較例に比して、グラ
フト化率が1.2〜2.0倍にも高くなり、グラフト化
反応時間の経過と共にグラフト化率の上昇が著しく、グ
ラフト化反応時間が短縮され、グラフト化の反応効率を
向上させ、生産効率を向上することができることが判
る。また、表3に示すように基材の強度劣化を小さくす
る低照射線量でグラフト化率をさせることができる。
【0031】
【発明の効果】以上、本発明によれば、グラフト化の反
応効率を向上させることができ、グラフト化反応効率の
向上から基材を劣化させるような放射線照射条件等をよ
り厳しいものにする必要もなく、グラフト化反応時間の
短縮から生産効率を向上することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線またはプラズマの照射により、ラジ
    カル重合性化合物を高分子基材にグラフト重合させるグ
    ラフト化処理方法において、当該高分子基材が、当該高
    分子物素材に結晶核剤を添加して成ることを特徴とする
    高分子基材のグラフト化処理方法。
  2. 【請求項2】高分子基材が、ポリオレフイン樹脂に結晶
    核剤を添加して成る、請求項1に記載の高分子基材のグ
    ラフト化処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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