JPWO2005044894A1 - 脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

アルコールおよび水を積極的に開始剤または/及び分子量調節剤として、環状エステルの開環重合を行い、生成する脂肪族ポリエステルの初期特性および経時特性を制御する。より詳しくは、水およびアルコールを含むプロトン源化合物を開始剤または/及び分子量調節剤として含む環状エステルを、環状エステル中の、全プロトン濃度、および水を含むカルボキシル(カルボン酸)源化合物モル濃度とアルコールを含むアルコキシカルボニル(エステル)源化合物モル濃度との比、を指標として、開環重合することにより脂肪族ポリエステルを製造する。

Description

本発明は、グリコリドなどの環状エステルを開環重合して、ポリグリコール酸などの脂肪族ポリエステルを製造する方法に関し、さらに詳しくは、水およびアルコールを開始剤または/及び分子量調節剤、として積極的に使用する環状エステルの開環重合による脂肪族ポリエステルの製造方法に関する。
ポリグリコール酸やポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルは、土壌や海中などの自然界に存在する微生物または酵素により分解されるため、環境に対する負荷が小さい生分解性高分子材料として注目されている。また、脂肪族ポリエステルは、生体内分解吸収性を有しているため、手術用縫合糸や人工皮膚などの医療用高分子材料としても利用されている。
脂肪族ポリエステルの中でも、ポリグリコール酸は、酸素ガスバリア性、炭酸ガスバリア性、水蒸気バリア性などのガスバリア性に優れ、耐熱性や機械的強度にも優れているので、包装材料などの分野において、単独で、あるいは他の樹脂材料などと複合化して用途展開が図られている。
脂肪族ポリエステルは、例えば、グリコール酸や乳酸などのα−ヒドロキシカルボン酸の脱水重縮合により合成することができるが、高分子量の脂肪族ポリエステルを効率よく合成するには、一般に、α−ヒドロキシカルボン酸の二分子間環状エステルを合成し、該環状エステルを開環重合する方法が採用されている。例えば、グリコール酸の二分子間環状エステルであるグリコリドを開環重合すると、ポリグリコール酸が得られる。乳酸の二分子間環状エステルであるラクチドを開環重合すると、ポリ乳酸が得られる。
環状エステルは、一般に、原料として使用したα−ヒドロキシカルボン酸や直鎖状のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーなどの遊離カルボン酸化合物、水などの不純物を含んでいる。水などの不純物は、微量であっても、環状エステルの開環重合に悪影響を及ぼすので、開環重合に際して、可能な限り不純物を除去した高純度の環状エステルを使用することが提案されている。
他方、脂肪族ポリエステルの分子量を制御するために、環状エステルの開環重合に際し、分子量調整剤として高級アルコールなどのアルコール類が使用されている。環状エステルに含まれている遊離カルボン酸化合物の量に基づいて、アルコール類の添加量を定める方法も提案されている。
例えば、従来、グリコリドを開環重合するに際し、再結晶などで精製した実質的に純粋なグリコリドを使用し、かつ、分子量調整剤としてラウリルアルコールなどの高級アルコールを使用する方法が採用されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
また、環状エステルから水などの不純物を除去するための精製方法が提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。この文献には、環状エステルに含まれている水、α−ヒドロキシカルボン酸やその低分子量オリゴマーなどの不純物は、開始剤、連鎖移動剤、触媒失活剤等の様々な作用を及ぼして、開環重合を阻害するので、これらの不純物を除去すべきことが指摘されている。
水分含有量が80ppm以下で、酸価が0.10mgKOH/g以下の環状エステルを開環重合させる脂肪族ポリエステルの製造方法が提案されている(例えば、下記特許文献3参照。)。この文献には、環状エステル中の水分量を減少させると、重合速度を速くして、高分子量のポリマーが得られること、また、アルコールを重合系に存在させると、水分の作用を抑制して、品質のよい脂肪族ポリエステルを製造できることが記載されている。
環状エステルを開環重合して脂肪族ポリエステルを製造する方法において、環状エステル中に含まれる遊離カルボン酸化合物の量に基づいて、反応系に添加する水酸基化合物の量を定めることを特徴とする製造方法が提案されている(例えば、下記特許文献4参照。)。該文献には、遊離カルボン酸化合物として、環状エステルの製造時に用いたα−ヒドロキシカルボン酸や直鎖状のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが示されており、水酸基化合物として、炭素数12〜18の一価の直鎖状飽和脂肪族アルコールが好ましいことが記載されている。
該文献には、環状エステル中に水分や遊離カルボン酸化合物などの不純物が含まれていると、重合反応に悪影響を及ぼして、同一重合条件下でも、狙った分子量のポリマーを製造するというターゲッティングが不可能であることが指摘されている。該文献には、水分の含有量が多いと脂肪族ポリエステルの分子量の制御が困難となる傾向を示すので、分子量を精度良く制御するために、環状エステル中の水分を100ppm以下にすることが好ましいと記載されている。
さらに、該文献には、環状エステル中の水分については、重合直前の精製・乾燥工程において除去することが容易であるが、遊離カルボン酸化合物は、除去することが困難であり、重合反応に与える影響も大きく、しかも貯蔵中に微量の水分により環状エステルが開環して新たな遊離カルボン酸化合物を生成し易いことが指摘されている。該文献には、環状エステルに含まれる遊離カルボン酸化合物を定量して、それに見合う量の水酸基化合物(例えば、高級アルコール)を添加することにより、目標どおりの分子量を有する脂肪族ポリエステルを製造する方法が提案されている。
[特許文献1]米国特許第3,442,871号明細書
[特許文献2]特開平8−301864号公報
[特許文献3]特開平10−158371号公報
[特許文献4]特許第3075665号明細書
上述したように、従来、水は環状エステルの開環重合を阻害する不純物として可能な限り除去することが必要であるとされていた。しかし、水は自然界に存在する最も普遍的な化合物であり、これを不純物として排除することには限界がある。本発明者等は、環状エステルの開環重合系における水の役割について詳細な検討を行った結果、水を含むプロトン源化合物を開始剤または/及び分子量調節剤として用い、環状エステル中の全プロトン濃度を制御することにより環状エステルの開環重合を円滑に進行させ、生成する脂肪族ポリエステルの分子量制御が可能であることを見出し、この知見に基づき脂肪族ポリエステルの製造方法を既に提案している(WO2004/033527号公報)。
本発明は、上記した脂肪族ポリエステルの製造方法を発展させた、新規な脂肪族ポリエステルの製造方法を与えることを主要な目的とする。
本発明者等の更なる研究の結果、水およびアルコールを含むプロトン源化合物は、環状エステルの開環重合においてほぼ一様な開始剤または/及び分子量調節剤としての作用効果を示すことが確認され、但し、水をカルボキシル(カルボン酸)源化合物とアルコールを含むアルコキシカルボニル(エステル)源化合物とでは、生成する脂肪族ポリエステルの加水分解性に関し、前者は増大させ(耐水性を低下させ)、後者は低下させる(耐水性を向上する)という対照的な作用の差異を示すことが見出された。したがって、両者の総量および比を制御することにより、生成する脂肪族ポリエステルの初期特性を支配する分子量および経時的特性変化を支配する加水分解性(経時的分子量低減性)を良好に制御し得ることが見出された。
すなわち、本発明は、上述の知見に基づき、水およびアルコールを含むプロトン源化合物を開始剤または/及び分子量調節剤として含む環状エステルを、環状エステル中の、全プロトン濃度、および水を含むカルボキシル(カルボン酸)源化合物モル濃度とアルコールを含むアルコキシカルボニル(エステル)源化合物モル濃度との比(すなわちカルボン酸/エステル・モル比)、を指標として、開環重合することを特徴とする脂肪族ポリエステルの製造方法を提供するものである。
本発明に従い、初期特性と経時特性の制御された脂肪族ポリエステルを得ることは、例えば初期強度と生(体内)分解(ないし吸収)性の調和を要求される、例えば縫合糸、人工皮膚、農業用フィルム、釣り糸等の用途への脂肪族ポリエステルの利用促進を図る上で、極めて有用と解される。
第1図は、本発明の製造方法により得られる脂肪族ポリエステルの重量平均分子量(Mw)と環状エステル中の全プロトン濃度との相関を示すデータ・プロットを示す。
第2図は、生成する脂肪族ポリエステルの加水分解性とカルボン酸/エステル・モル比との相関を示すデータ・プロットを示す。
1.環状エステル
本発明で用いる環状エステルとしては、α−ヒドロキシカルボン酸の二分子間環状エステル及びラクトンが好ましい。二分子間環状エステルを形成するα−ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、L−及び/またはD−乳酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシヘプタン酸、α−ヒドロキシオクタン酸、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、及びこれらのアルキル置換体などを挙げることができる。
ラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、ピバロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。また環状エーテルエステルとしては、例えばジオキサノンなどが挙げられる。
環状エステルは、不斉炭素を有する物は、D体、L体、メソ体及びラセミ体のいずれでもよい。これらの環状エステルは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上の環状エステルを使用すると、任意の脂肪族コポリエステルを得ることができる。環状エステルは、所望により、共重合可能なその他のコモノマーと共重合させることができる。他のコモノマーとしては、例えば、トリメチレンカーボネート、1,3−ジオキサンなどの環状モノマーなどが挙げられる。
環状エステルの中でも、グリコール酸の二分子間環状エステルであるグリコリド、L−及び/またはD−乳酸の二分子間環状エステルであるL−及び/またはD−ラクチド、及びこれらの混合物が好ましく、グリコリドがより好ましい。グリコリドは、単独で使用することができるが、他の環状モノマーと併用してポリグリコール酸共重合体(コポリエステル)を製造することもできる。ポリグリコール酸共重合体を製造する場合、生成コポリエステルの結晶性、ガスバリア性などの物性上の観点から、グリコリドの共重合割合は、好ましくは60重量%、より好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上とすることが望ましい。また、グリコリドと共重合させる環状モノマーとしては、ラクチド、ε−カプロラクトン、ジオキサン、トリメチレンカーボネートが好ましい。
環状エステルの製造方法は、特に限定されない。例えば、グリコリドは、グリコール酸オリゴマーを解重合する方法により得ることができる。グリコール酸オリゴマーの解重合法として、例えば、米国特許第2,668,162号明細書に記載の溶融解重合法、特開2000−119269号公報に記載の固相解重合法、特開平9−328481号公報や国際公開第02/14303A1パンフレットに記載の溶液相解重合法等を採用することができる。K.ChujoらのDie Makro molekulare Cheme,100(1967),262−266に報告されているクロロ酢酸塩の環状縮合物として得られるグリコリドも用いることができる。
グリコリドを得るには、上記解重合法の中でも、溶液相解重合法が好ましい。溶液相解重合法では、(1)グリコール酸オリゴマーと230〜450℃の範囲内の沸点を有する少なくとも一種の高沸点極性有機溶媒とを含む混合物を、常圧下または減圧下に、該オリゴマーの解重合が起こる温度に加熱して、(2)該オリゴマーの融液相の残存率(容積比)が0.5以下になるまで、該オリゴマーを該溶媒に溶解させ、(3)同温度で更に加熱を継続して該オリゴマーを解重合させ、(4)生成した2量体環状エステル(すなわち、グリコリド)を高沸点極性有機溶媒と共に溜出させ、(5)溜出物からグリコリドを回収する。
高沸点極性有機溶媒としては、例えば、ジ(2−メトキシエチル)フタレートなどのフタル酸ビス(アルコキシアルキルエステル)、ジエチレングリコールジベンゾエートなどのアルキレングリコールジベンゾエート、ベンジルブチルフタレートやジブチルフタレートなどの芳香族カルボン酸エステル、トリクレジルホスフェートなどの芳香族リン酸エステル、ポリエチレンジアルキルエーテルなどのポリアルキレングリコールエーテル等を挙げることができ、該オリゴマーに対して、通常、0.3〜50倍量(重量比)の割合で使用する。高沸点極性有機溶媒と共に、必要に応じて、該オリゴマーの可溶化剤として、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどを併用することができる。グリコール酸オリゴマーの解重合温度は、通常、230℃以上であり、好ましくは230〜320℃である。解重合は、常圧下または減圧下に行うが、0.1〜90.0kPa(1〜900mbar)の減圧下に加熱して解重合させることが好ましい。
環状エステルとしては、水分含有率が60ppm(重量基準)以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは40ppm以下の精製した環状エステルを使用することが好ましい。使用する環状エステル中の初期水分含有率が高すぎると、分子量調整剤として水を添加して制御できる生成脂肪族ポリエステル分子量の幅が抑制される。
環状エステル中に不純物として含まれるヒドロキシカルボン酸化合物の含有率は、できるだけ低い方が好ましい。環状エステル中のα−ヒドロキシカルボン酸の含有率は、好ましくは200ppm(重量基準)以下、より好ましくは150ppm以下、さらに好ましくは130ppm以下、特に好ましくは100ppm以下である。
環状エステル中には、通常、直鎖状のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが含まれている。このオリゴマーは、殆どが直鎖状のα−ヒドロキシカルボン酸二量体である。環状エステル中の直鎖状のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの含有率は、好ましくは2,000ppm以下、より好ましくは1,500ppm以下、さらに好ましくは1,200ppm以下、特に好ましくは1,000ppm以下である。
グリコリドやラクチドなどの環状エステルは、不純物として含まれている微量の水分によって、貯蔵中に加水分解反応や重合反応が起り、α−ヒドロキシカルボン酸や直鎖状のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの含有率が上昇傾向を示す。そのため、精製直後の環状エステルは、水分含有率が50ppm以下、α−ヒドロキシカルボン酸含有率が100ppm、直鎖状のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマー含有率が1,000ppm以下であることが望ましい。なお,環状エステルの精製は、常法に従って、粗環状エステルの再結晶処理や乾燥処理などを組み合わせることによって行うことができる。
2.脂肪族ポリエステルの製造方法
環状エステルを用いて脂肪族ポリエステルを製造するには、環状エステルを加熱して開環重合させる方法を採用することが好ましい。この開環重合法は、実質的に塊状による開環重合法である。開環重合は、触媒の存在下に、通常100〜270℃、好ましくは120〜260℃の範囲内の温度で行われる。
触媒としては、各種環状エステルの開環重合触媒として使用されているものであればよく、特に限定されない。このような触媒の具体例としては、例えば、スズ(Sn)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)など金属化合物の酸化物、塩化物、カルボン酸塩、アルコキシドなどが挙げられる。より具体的に、好ましい触媒としては、例えば、ハロゲン化スズ(例えば、二塩化スズ、四塩化スズなど)、有機カルボン酸スズ(例えば、2−エチルヘキサン酸スズなどのオクタン酸スズ)などのスズ系化合物;アルコキシチタネートなどのチタン系化合物;アルコキシアルミニウムなどのアルミニウム系化合物;ジルコニウムアセチルアセトンなどのジルコニウム系化合物;ハロゲン化アンチモンなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
触媒の使用量は、一般に、環状エステルに対して少量でよく、環状エステルを基準として、通常0.0001〜0.5重量%、好ましくは0.001〜0.1重量%の範囲内から選択される。
本発明では、開環重合に先立って、環状エステル中に不純物として含まれる水分やヒドロキシカルボン酸化合物の含有量を測定し、それぞれの含有量に基づいて、不純物の全プロトン量を算出する。環状エステル中の水分含有率は、カールフィッシャー水分計を用いて測定する。環状エステル中に含まれるα−ヒドロキシカルボン酸や直鎖状のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーは、それぞれのカルボキシル基をアルキルエステル基に変換した後、ガスクロマトグラフィ分析などにより定量する。
環状エステル中に含まれる不純物の全プロトン濃度は、環状エステル中に不純物として含まれるヒドロキシカルボン酸化合物と水分との合計量に基づいて算出する。例えば、グリコリドの場合は、微量の水分と、グリコール酸及び直鎖状のグリコール酸オリゴマーからなるヒドロキシカルボン酸化合物とが不純物として含まれている。精製グリコリドに含まれる直鎖状のグリコール酸オリゴマーの殆どは、グリコール酸二量体である。ラクチドの場合には、水分、乳酸、直鎖状の乳酸オリゴマーが不純物として含まれている。これらのヒドロキシカルボン酸化合物に基づくプロトン濃度(モル%)は、それぞれの含有量と分子量と水酸基数(通常1個)とに基づいて算出される。水分のプロトン濃度(モル%)は、水分の含有量と分子量とに基づいて算出される。プロトン濃度は、環状エステルと不純物との合計量を基準とするモル%として算出される。
環状エステル中に含まれる不純物の全プロトン濃度は、好ましくは0.01〜0.5モル%、より好ましくは0.02〜0.4モル%、特に好ましくは0.03〜0.35モル%である。不純物全プロトン濃度は、精製によるヒドロキシカルボン酸化合物の低減化に限界があり、極度に低くすることは困難である。不純物全プロトン濃度が高すぎると、水およびアルコールの添加による溶融粘度や分子量などの正確な制御が困難になる。
本発明では、望ましくは水分含有率が60ppm以下の精製した環状エステルにアルコールおよび必要に応じて追加の水を添加して、環状エステル中の全プロトン濃度および水を含むカルボキシル(カルボン酸)源化合物モル濃度とアルコールを含むアルコキシカルボニル(エステル)源化合物モル濃度比(以下「カルボン酸/エステル・モル比」と称する)を調整することにより、生成する脂肪族ポリエステルの分子量を制御する。精製した環状エステルにアルコールおよび必要に応じて追加の水を添加して、環状エステル中の全プロトン濃度を好ましくは0.09モル%超過2.0モル%未満、より好ましくは0.1〜1.0モル%の範囲内に調整する。
この際に、本発明においては、環状エステル中の濃度として、80ppm(グリコリド中モル濃度として約0.052モル%)、更には100ppm(グリコリド中モル濃度として約0.064モル%)を超える範囲の水をも積極的に開始剤または/及び分子量調節剤ならびにカルボキシル(カルボン酸)源化合物として使用することが特徴的である。
また添加するアルコールおよび必要に応じて追加する水の量を制御することにより、カルボン酸/エステル・モル比を、好ましくは100/0〜2/98、より好ましくは99/1〜5/95、更に好ましくは99/1〜10/90の範囲内に調整する。
カルボン酸/エステル・モル比が2/98より小さいと、重合反応に使用するアルコール種の量が多くなり、未反応で残存しやすくなり、生成ポリマーの溶融加工中の分子量、溶融粘度の変動が大きくなり所望の物性(分子量、溶融粘度など)を有する成形物を得るのが困難になったり、溶融時に添加する安定剤、末端封止剤との反応が不均一になり、成形物の物性、加水分解速度のばらつきも大きくなりやすい。
プロトン源化合物ならびにアルコキシカルボニル(エステル)源化合物として用いられるアルコールの例としては、炭素数が1〜5の鎖式アルコールである低級及び中級アルコール類、又は炭素数6以上の鎖式アルコールである高級アルコール類が挙げられる。またこれらの脂肪族アルコール類は、分岐構造を有していてもよい。また脂環式アルコール類、不飽和アルコール類、芳香族アルコール類、ポリオール類等が挙げられる。また、水酸基を有するヒドロキシカルボン酸類、糖類等も用いられる。
これらの中で、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタンオール、t−ブチルアルコール、オクチルアルコール、ドデシルアルコール(ラウリルアルコール)、ミリスチルアルコールなど炭素数3以上の中級及び高級アルコール類、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコール類、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールなどのジオール類、グリセリンなどのトリオール類がモノマーへの溶解性、反応性(開始剤効率)、沸点の観点及び工業的入手性の観点から好ましい。これらのアルコール類は、二種以上併用してもよい。
水およびアルコールならびに原料モノマー中の不純物等を含めて重合時の環状エステル中に存在する全プロトン濃度と生成する脂肪族ポリエステルの分子量との間に良好な相関関係が得られている。例えば、第1図は水およびアルコールの添加量を変化させて環状エステル中の全プロトン濃度を変化させた以外は、同じ重合条件(反応容器、重合温度、重合時間、モノマーの種類と精製度など)を変化させて得られた脂肪族ポリエステルの重量平均分子量(Mw)との関係を示すプロットである。
また、第2図は、生成する脂肪族ポリエステルの加水分解性と、環状エステル中のカルボン酸/エステル・モル比との相関を示すプロットである。ここでも、良好な相関が得られている。
環状エステルの開環重合は、重合容器を用いて行うか、モノマーの種類によっては押出機の中で行うなど任意であるが、通常は、重合容器内で塊状開環重合する方法を採用することが好ましい。例えば、グリコリドを加熱すると溶融して液状になるが、加熱を継続して開環重合させると、ポリマーが生成する。重合温度がポリマーの結晶化温度以下の場合は、重合途中でポリマーが析出し、最終的には固体のポリマーが得られる。重合時間は、開環重合法や重合温度などによって変化するが、容器内での開環重合法では、通常10分間〜100時間、好ましくは30分間〜50時間、より好ましくは1〜30時間である。重合転化率は、通常95%以上、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上であり、未反応モノマーの残留を少なくし、かつ、生産効率を高める上で、フル・コンバージョンとすることが最も好ましい。
したがって、本発明では、精製した環状エステルにアルコールおよび必要に応じて追加の水を添加して、環状エステル中の全プロトン濃度およびカルボン酸/エステル・モル比を調整した後、環状エステルを触媒の存在下に加熱溶融させ、次いで、溶融状態の環状エステルを開環重合する方法を採用することが好ましい。この重合法は、塊状での開環重合法である。溶融状態の環状エステルの開環重合は、反応缶や管型あるいは塔型、押出機型反応装置を用い、バッチ式あるいは連続式で行うことができる。
さらに、本発明によれば、溶融状態の環状エステルを複数の管(両端が開閉可能な管も好ましく用いられる)を備えた重合装置に移送し、各管内で気密状態で開環重合して生成ポリマーを析出させる方法がより好ましい。また溶融状態の環状エステルを攪拌機付き反応缶中で開環重合を進行させた後、生成したポリマーを取り出し、一度ポリマーを冷却固化させた後、ポリマーの融点以下で固相重合反応を継続する方法も好ましい。これらの方法は、バッチ式または連続式のいずれの方法によっても行うことができる。いずれにしても、気密状態(すなわち、気相の無い反応系)で重合温度を制御する方法をとることにより、目標とする分子量、溶融粘度などの物性を有するポリマーを安定的に、かつ、再現性良く製造することができる。
本発明の方法では、環状エステル(例えば、グリコリドまたはグリコリドを主成分とする環状エステル)の開環重合により、温度240℃及び剪断速度121sec−1で測定した溶融粘度が好ましくは50〜6,000Pa・s、より好ましくは100〜5,000Pa・sのポリグリコール酸を得ることができる。また、本発明の方法によれば、重量平均分子量が好ましくは50,000以上、より好ましくは80,000以上、特に好ましくは100,000以上の高分子量の脂肪族ポリエステルを製造することができる。重量平均分子量の上限は、500,000程度である。
さらに、本発明の方法によれば、黄色度(YI)が4〜30程度の脂肪族ポリエステルを得ることができ、分子量を調整することによって、黄色度を制御することができる。例えば、重量平均分子量を200,000以下、さらには、180,000以下にすることにより、黄色度(YI)が20以下のポリマーを得ることができる。
上記のようにして生成した脂肪族ポリエステルに、カルボキシル基封止剤を配合して生成する脂肪族ポリエステルの耐水性を更に増大する(加水分解性を更に低減する)ことも好ましい。このようなカルボキシル基封止剤の使用は、重合時に使用されるアルコールへの加水分解性抑制効果に対する負荷を低減する効果があり、より高度の耐水性を有する脂肪族ポリエステルの製造には好ましい。カルボキシル基封止剤としては、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルの耐水性向上剤として知られているもの(例えば特開2001−261797号公報)を一般に用いることができ、例えば、N,N−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドなどのモノカルボジイミドおよびポリカルボジイミド化合物を含むカルボジイミド化合物、2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2−フェニル−2−オキサゾリン、スチレン・イソプロペニル−2−オキサゾリンなどのオキサゾリン化合物;2−メトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジンなどのオキサジン化合物;N−グリシジルフタルイミド、シクロヘキセンオキシドなどのエポキシ化合物などが挙げられる。
なかでもカルボジイミド化合物が好ましく、特に純度の高いものが耐水安定化効果を与える。
これらカルボキシル基封止剤は、必要に応じて2種以上を併用することが可能であり、脂肪族ポリエステル100重量部に対して、0.01〜10重量部、更には0.05〜2.5重量部、特に0.1〜1.8重量部の割合で配合することが好ましい。
また脂肪族ポリエステルには、上記カルボキシル基封止剤に加えて、その100重量部に対して、好ましくは3重量部以下、より好ましくは0.003〜1重量部の熱安定剤を配合することもできる。熱安定剤としては、ペンタエリスリトール骨格構造を有するリン酸エステル及び/又はリン酸アルキルエステルが好ましく用いられる。これらカルボキシル基封止材および熱安定剤の配合により、得られる脂肪族ポリエステルの着色を抑え、加水分解を抑制する上で、相乗的効果が得られる。
上記したカルボキシル基封止剤(及び必要に応じて加えられる熱安定剤)は、重合反応中に加えてもよいが、重合により生成した脂肪族ポリエステルのペレット化に際して配合することが好ましい。その一部は重合中に加えることもできる。
以下に、合成例、実施例、及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。分析法、測定法、計算法などは、以下の通りである。
(1)不純物定量分析:
高純度アセトン10mlの中に、約1gを精秤したグリコリドと内部標準物質として4−クロロベンゾフェノン25mgとを加え、十分に溶解させた。その溶液約1mlを採取し、該溶液にジアゾメタンのエチルエーテル溶液を添加した。添加量の目安は、ジアゾメタンの黄色が残るまでとする。黄色く着色した溶液に2μlをガスクロマトグラフ装置に注入し、内部標準物質の面積比とグリコリド及び内部標準物質の添加量を基にメチルエステル化されたグリコール酸及びグリコール酸二量体を定量した。
<ガスクロマトグラフィ分析条件>
装置:日立G−3000、
カラム:TC−17(0.25mmφ×30m)、
気化室温度:290℃、
カラム温度:50℃で5分間保持後、20℃/分の昇温速度で270℃まで昇温し、270℃で4分間保持、
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)、温度:300℃。
ラクチドについても、グリコリドと同様の方法により、不純物を定量できる。
(2)水分測定:
気化装置付カールフィッシャー水分計〔三菱化学社製CA−100(気化装置VA−100)〕を用い、予め140℃に設定した気化装置に、精密に秤量した約2gのモノマーサンプルを入れた。気化装置からカールフィッシャー水分測定器に流速250ml/分で乾燥窒素ガスを流した。サンプルを気化装置に導入した後、気化した水分をカールフィッシャー液に導入し、電気伝導度がバックグラウンドより+0.05μg/Sまで下がった時点を終点とした。ポリマーの水分測定については、気化装置の温度を220℃にし、電気伝導度がバックグラウンドより+0.1μg/Sまで下がった時点を終点とした。
(3)モノマー溶解槽内の水分測定:
モノマー溶解槽内部に予め乾燥空気を流しておき、その雰囲気の相対湿度を湿度計で求めた。その雰囲気の温度から絶対温度を算出し、それと槽容積から、槽内部の水分量を算出した。
(4)カルボキシル(カルボン酸)源化合物濃度の算出法:
環状エステル中の全カルボキシル濃度は、環状エステル中に含まれるヒドロキシカルボン酸化合物と水との合計量に基づいて算出する。ヒドロキシカルボン酸化合物に基づくプロトン濃度(モル%)は、それぞれの含有量と分子量と水酸基数とに基づいて算出される。他方、水に基づくプロトン濃度は、環状エステル中に含まれている不純物の水分、処理槽などの雰囲気中に含まれている水分、及び添加水の合計量と分子量とに基づいて算出される。
(5)アルコキシカルボニル(エステル)源化合物濃度
重合に際して添加されるアルコールのモノマーに対するモル濃度として計算される。
(6)全プロトン濃度およびカルボン酸/エステル・モル比
上記(4),(5)のカルボキシル(カルボン酸)源化合物濃度およびアルコキシカルボニル(エステル)源化合物濃度から、両者の合計として全プロトン濃度が、両者の比としてカルボン酸/エステル・モル比が求められる。
後記重合例1bについての計算法の詳細は次の通りである:
<分子量>
グリコリド(環状エステル)モノマー中の各成分の分子量については下記の値を用いた、
グリコリド:116.07、
グリコール酸:76.05、
グリコール酸二量体:134.09、
水:18.02、
ドデシルアルコール:186.34。
<仕込みモノマー中不純物のカルボキシル(カルボン酸)源化合物濃度>
仕込みグリコリド中の不純物濃度(重量基準)は、グリコール酸30ppm、グリコール酸二量体:310ppm、水:20ppmであった。グリコリド分子量は116.07であるから、それぞれの与えるプロトン濃度は、以下のように計算される。
グリコール酸:30ppm
116.07×30×10−6÷76.05×100=0.0046mol%
……(i)
グリコール酸二量体:310ppm
116.07×310×10−6÷134.09×100=0.027mol%
……(ii)
水:20ppm
116.07×20×10−6÷18.02×100=0.013mol%
……(iii)
不純物の与える全カルボキシル(カルボン酸)源化合物濃度
(i)+(ii)+(iii)=0.0046+0.027+0.013≒0.44m
ol% ……(iv)
<モノマー溶解槽中水分>
乾燥空気を吹き込んでできるだけ水分を除去した後の溶解槽(容積:56リットル)中の雰囲気は、温度:21℃、相対湿度:25%であった。この雰囲気の絶対湿度は5.0g/cmになり、内容積56リットルの溶解槽中の水分量としては、5.0×0.056=0.28g。後から仕込むグリコリドモノマー22,500g(=194.0mol)に対しては、
0.28/22500×10=12ppm
(0.28/18.02)÷194×100=0.008mol%
……(v)
<添加水>
水1.1gを添加。グリコリドモノマー22500g(=194.0mol)に対しては、
1.1/22500×10=48.89ppm
(1.1/18.02)÷194×100=0.031mol% ……(vi)
<カルボキシル(カルボン酸)源化合物濃度>
(iv)+(v)+(vi)=0.044+0.08+0.031=0.083mo
l% ……(vii)
なお、モノマー溶解槽にグリコリドを仕込み更に添加水を加え過熱し均一になった後に一部をサンプリングし不純物(水及びグリコール酸、グリコール酸二量体)を分析した結果に基づく仕込み溶解後のグリコリド中の全プロトン濃度は、仕込み前のグリコリドの不純物(水及びグリコール酸、グリコール酸二量体)、添加水量から計算された全プロトン濃度と良好な一致を示した。
<アルコキシカルボニル(エステル)源化合物濃度>
ドデシルアルコール17.08gを添加。グリコリドモノマー22500g(=19410mol)に対しては、
(17.0/186.34)÷194×100=0.047mol%
……(viii)
<全プロトン濃度>
(vii)+(viii)=0.083+0.047=0.130mol%
<カルボキシル(カルボン酸)/アルコキシカルボニル(エステル)モル比>
(vii)/(viii)=0.083/0.047=1.77
(7)溶融粘度;
ポリマーサンプルを120℃の乾燥器に入れ、乾燥空気を接触させて、水分含有量を100ppm以下にまで低減させた。その後、乾燥器で十分に乾燥した。溶融粘度測定は、キャピラリー(1mmφ×10mmL)を装着した東洋精機製キャピログラフ1−Cを用いて測定した。設定温度240℃に加熱した装置に、サンプル約20gを導入し、5分間保持した後、剪断速度121sec−1での溶融粘度を測定した。
(8)分子量測定:
ポリマーサンプルを分子量測定で使用する溶媒に溶解させるために、非晶質のポリマーを得る。すなわち、十分乾燥したポリマー約5gをアルミニウム板に挟み、275℃のヒートプレス機にのせて90秒加熱した後、2MPaで60秒間加圧した。その後、直ちに氷水にいれ急冷した。このようにして、透明な非晶質のプレスシートを作製した。
上記操作により作製したプレスシートからサンプル10mgを切り出し、このサンプルを5mMのトリフルオロ酢酸ナトリウムを溶解させたヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)溶液に溶解させて、10mlの溶液とした。サンプル溶液をメンブレンフィルターで濾過後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)装置に注入し、分子量を測定した。なお、サンプルは、溶解後30分以内にGPC装置に注入した。
<GPC測定条件>
装置:Shimazu LC−9A、
カラム:HFIP−806M、2本(直列接続)プレカラム、
カラム温度:40℃、
溶離液:5mMのトリフルオロ酢酸ナトリウムを溶解させたHFIP溶液、
流速:1ml/分、
検出器:RI(Refractive Index:示差屈折率計)、
分子量校正:分子量の異なる標準PMMA5種を用いた。
(9)カルボン酸濃度
分子量測定用サンプルと同様に作成したプレスシートから、サンプル約0.3gを精秤して、特級ジメチルスルホキシド10mlに150℃のオイルバス中で約3分かけて完全に溶解する。その溶液に指示薬(ブロモチモールブルー/アルコール溶液)を2,3滴加えた後、0.02規定の水酸化ナトリウム/ベンジルアルコール溶液を加えていき、目視で溶液の色が黄色から緑色に変わった点を終点とした。その時の滴下量よりカルボン酸濃度を算出した。
(10)耐水性評価
ペレットを120℃の乾燥空気で十分に乾燥し、250℃のヒートプレス機にのせ、3分間加熱後、8MPaで1分間加圧した。その後、直ちに、水が循環しているプレス機に移し、5MPaに加圧し、約5分間保持し、冷却し透明な非晶質のプレスシートを作成した。
上記操作により作成したプレスシートを一定大きさに切り出し、枠に固定し、70℃に加熱した乾燥機に入れ加熱し、1分後、空気を送り、面積で10−15倍になるようにブロー延伸した。このフィルムを緊張下200℃で1分間熱処理した。
上記操作により作製したフィルム状のサンプルを約10mg切り出し、温度80℃、相対湿度95%に維持した恒温恒湿器に入れ、所定時間放置した。所定時間後、取り出した後、サンプルの分子量をGPCにより測定した。
得られた数平均分子量値から重合度を算出し、その重合度の逆数を暴露時間に対して対数プロットし、そのプロットの近似直線の傾きを加水分解速度定数とした。
また、数量平均分子量(Mn)が2万までに到達(低下)する時間をグラフから読み取った。
[モノマー合成例1]
ジャケット付き撹拌槽(「反応缶」ともいう)に70重量%グリコール酸水溶液を仕込み、常圧で攪拌しながら、ジャケット内に熱媒体油を循環することにより缶内液を200℃まで加熱昇温し、生成水を系外に留出させながら縮合反応を行った。次いで、缶内液を200℃に維持した状態で、缶内圧を段階的に3kPaまで減圧しながら、生成水、未反応原料などの低沸点物質を留去し、グリコール酸オリゴマーを得た。
上記で調製したグリコール酸オリゴマーをSUS304製ジャケット付き攪拌槽に仕込み、溶媒としてジエチレングリコールジブチルエーテルを加え、さらに、可溶化剤としてポリエチレングリコールを加えた。グリコール酸オリゴマーと溶媒との混合物を加熱及び減圧下、解重合反応させて、生成グリコリドと溶媒とを共留出させた。留出物は、温水を循環させた二重管式コンデンサーで凝縮した。凝縮液は、常温の受器に受けた。反応液中の溶媒量を一定に保つために、留出した溶媒量に見合う分の溶媒を連続的に反応槽に供給した。
前記反応を継続し、グリコリドと溶媒との混合物を留出させ、凝縮させた。凝縮液から析出しているグリコリドを固液分離し、2−プロパノールで再結晶し、次いで、減圧乾燥した。示差走査熱量計(DSC)で測定したグリコリドの純度は、99.99%であった。
[モノマー合成例2]
可溶化剤をポリエチレングリコールからオクチルテトラトリエチレングリコールに代えたこと以外は、合成例1と同様にして、凝縮液を得た。凝縮液は、温水をジャケットに循環させた受器に受けた。受器内の凝縮液は、二液に層分離し、上層が溶媒で、下層がグリコリド液体であった。二液の層を形成後も解重合反応を続け、かつ、共留出を続けると、コンデンサーにより冷却されたグリコリドは、液滴となって溶媒層を通過し、下層のグリコリド層に凝縮されていった。反応液中の溶媒量を一定に保つため、上層の溶媒層を反応槽内に連続的に戻した。反応系の圧力を一時的に常圧に戻し、受器の底部から液状グリコリドを抜き出し、再び圧力を元に戻し、解重合反応を続けた。この操作を数回繰り返した。
さらに、合成例1においては、解重合反応系から回収したグリコリドを再結晶により精製したのに対し、塔型精製装置を用いて精製した。解重合後、塔型精製装置の下部に設けた原料結晶の仕込み口へ固液分離した粗グリコリド結晶を一定速度で連続的に投入した。塔型精製装置内部に装着された撹拌装置で該グリコリドを上昇させながら撹拌し、精製装置内での精製結晶成分の降下融解液と上昇粗グリコリド結晶との向流接触により精製した。この精製装置の上部に設けられた取出口から精製後の結晶を、一定速度で連続的に取り出した。回収した精製グリコリドは、DSC測定による純度が99.99%以上であった。
(例1(重合例)) サンプル1a,1b,1cの製造例
<重合例1a>
スチームジャケット構造、撹拌機を有し、密閉可能な56リットルのSUS製容器(モノマー溶解槽)に、予め乾燥空気を吹き込みできるだけ容器内の水分を除去した。所定時間後(3時間後)、容器内雰囲気は温度21.5℃、相対温度27%であった。この雰囲気の絶対温度は5.1g/mになり、槽容積から、槽内部の水分量を算出したところ(5.1g/m×0.056m=0.26g)0.26gになった。溶解槽の水分を考慮しながらモノマー合成例1で製造したグリコリド[グリコール酸30ppm、グリコール酸2量体310ppm、水20ppm、従って不純物全プロトン濃度0.044mol%]22500g、二塩化スズ2水和塩0.68g(30ppm)、さらに溶解槽内の雰囲気に含まれる水分(湿気)0.26gを考慮し全プロトン濃度(設定プロトン濃度)を0.13mol%に調整するように1−ドデシルアルコール28.2gを仕込み直ぐに密閉した。仕込みにおける全プロトン濃度(設定プロトン濃度)に対する1−ドデシルアルコールのモル濃度(比率)は60%であり、カルボン酸/エステル・モル比は40/60である。
容器を密閉し、撹拌しながらジャケットにスチームを循環させ、内容物の温度が100℃になるまで加熱した。この内容物は、加熱途中で均一な液体になった。内容物の温度を100℃に保持したまま、内径24mmの金属(SUS304)製管からなる装置に移した。この装置は、管が設置されている本体部と金属(SUS304)製の上下板からなり、本体部と上下板のいずれもジャケット構造を備えており、このジャケット部に熱溶媒油を循環する構造になっている。内容物を該装置に移送の際には、下板を取り付けてあり、各管内に移送が終了したら、直ちに上板を取り付けた。本体部および上下板のジャケット部に170℃熱媒体油を循環させ、7時間保持した。所定時間後、ジャケットに循環させている熱媒体油を冷却することにより、重合装置を冷却した。室温付近まで冷却し、下板を取り外し、生成ポリグリコール酸の塊状物を取り出した。収率は、ほぼ100%であった。塊状物を、粉砕機により粉砕し、PGAサンプル1aとした。
<重合例1b>
溶解槽内の雰囲気に含まれる水分(湿気)が0.28g(21℃、相対湿度25%)であり、1−ドデシルアルコール28.2gの代りに水1.1gと1−ドデシルアルコール17.0gを仕込んだこと以外は上記重合例1aと同じ操作を行った。仕込みにおける全プロトン濃度(設定プロトン濃度)に対する1−ドデシルアルコールのモル濃度(比率)は42%であり、カルボン酸/エステル・モル比は36/64である。重合、粉砕機のサンプルをPGAサンプル1bとした。
<重合例1c>
溶解槽内の雰囲気に含まれる水分(湿気)が0.28g(21℃、相対湿度27%)であり、1−ドデシルアルコール28.2gの代りに水2.7gを仕込んだこと以外は上記重合例1aと同じ操作を行った。仕込みにおける全プロトン濃度(設定プロトン濃度)に対する1−ドデシルアルコールのモル濃度(比率)は0%であり、カルボン酸/エステル・モル比は100/0である。重合、粉砕後のサンプルをPGAサンプル1cとした。
重合条件と得られたポリマーの物性及びそのフィルムの加水分解性を表1に示す。
(例2(重合例)) サンプル2a,2b,2c,2dの製造例
溶解槽内の雰囲気に含まれる水分(湿気)が0.35g(22.5℃、相対湿度31%)であり、全プロトン濃度(設定プロトン濃度)を0.22mol%に調整するように1−ドデシルアルコールと水の比率を変えて仕込んだこと以外は例1と同じ操作を行った。仕込みにおける全プロトン濃度に対する1−ドデシルアルコールのモル濃度(比率)を75%、57%、44%、0%(カルボン酸/エステル・モル比として25/75、43/57、56/44、100/0)にしたサンプルをPGAサンプル2a,2b,2c,2dとした。
重合条件と得られたポリマーの物性及びそのフィルムの加水分解性を表2に示す。
(例3(重合例)) サンプル3a,3b,3c,3dの製造例
モノマー合成例2で製造したグリコリド[グリコール酸40ppm、グリコール酸2量体400ppm、水30ppm、従って不純物全プロトン濃度0.060mol%]22500gを用い、溶解槽内の雰囲気に含まれる水分(湿気)が0.40g(23℃、相対湿度35%)であり、全プロトン濃度(設定プロトン濃度)を0.40mol%に調整するようにt−ブチルアルコールと水の比率を変えて仕込んだこと以外は例1と同じ操作を行った。仕込みにおける全プロトン濃度(設定プロトン濃度)に対するt−ブチルアルコールのモル濃度(比率)を82%、64%、47%、0%(カルボン酸/エステル・モル比として18/82、36/64,53/47、100/0)にしたサンプルをPGAサンプル3a,3b,3c,3dとした。
重合条件と得られたポリマーの物性及びそのフィルムの加水分解性を表3に示す。
(例4(配合例)) サンプル4a,4b,4cの製造例
例1で製造した各サンプルを十分に乾燥し、各100重量部に対して、アデカスタブAX−71(旭電化工業株式会社製のモノ及びジ−ステアリルアシッドホスフェート)0.03重量部をブレンドし、シリンダー最高温度を240℃に設定した2軸押出機(東洋精機製作所製LT−20)を用いて溶融混練しながらペレットを得た。
押出し条件と得られたペレットの物性及びそのフィルムの加水分解性を表4に示す。
(例5(配合例)) サンプル5a,5b,5c,5dの製造例
例1で製造した各サンプルを十分に乾燥し、各100重量部に対して、アデカスタブAX−71(旭電化工業株式会社製のモノ及びジ−ステアリルアシッドホスフェート)0.03重量部をブレンドし、シリンダー最高温度を240℃に設定した0.03重量部ブレンドし2軸押出機(東洋精機製作所製LT−20)を用いて溶融混練しながらペレットを得た。
押出し条件と得られたペレットの物性及びそのフィルムの加水分解性を表5に示す。
(例6(配合例)) サンプル6a,6b,6cの製造例
例1で製造した各サンプルを十分に乾燥し、各100重量部に対して、アデカスタブAX−71(旭電化工業株式会社製のモノ及びジ−ステアリルアシッドホスフェート)0.03重量部、高純度(94.8%)のN,N−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(川口化学株式会社製DIPC)を0.5または1重量部ブレンドし、シリンダー最高温度を240℃に設定した2軸押出機(東洋精機製作所製LT−20)を用いて溶融混練しながらペレットを得た。
押出し条件と得られたペレットの物性及びそのフィルムの加水分解性を表6に示す。
(例7(配合例)) サンプル7a,7b,7c,7dの製造例
例2で製造した各サンプルを十分に乾燥し、各100重量部に対して、アデカスタブAX−71(旭電化工業株式会社製のモノ及びジ−ステアリルアシッドホスフェート)0.03重量部ブレンドし、シリンダー最高温度を240℃に設定した0.03重量部、高純度(94.8%)のN,N−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(川口化学株式会社製DIPC)を0.5または1重量部ブレンドし、シリンダー最高温度を240℃に設定した2軸押出機(東洋精機製作所製LT−20)を用いて溶融混練しながらペレットを得た。
押出し条件と得られたペレットの物性及びそのフィルムの加水分解性を表7に示す。
(例8(配合例)) サンプル8a,8b,8c,8dの製造例
例3で製造した各サンプルを十分に乾燥し、各100重量部に対して、アデカスタブAX−71(旭電化工業株式会社製のモノ及びジ−ステアリルアシッドホスフェート)0.03重量部ブレンドし、シリンダー最高温度を240℃に設定した0.03重量部、高純度(94.8%)のN,N−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(川口化学株式会社製DIPC)を0.5または1重量部ブレンドし、シリンダー最高温度を240℃に設定した2軸押出機(東洋精機製作所製LT−20)を用いて溶融混練しながらペレットを得た。
押出し条件と得られたペレットの物性及びそのフィルムの加水分解性を表8に示す。
Figure 2005044894
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上述したように本発明によれば、環状エステルの開環重合に際して、アルコールおよび水を開始剤または/及び分子量調節剤として積極的に利用し、環状エステル中の全プロトン濃度およびカルボン酸/エステル・モル比を指標として開環重合することにより、初期特性を支配する分子量と経時特性を支配する加水分解性を制御された脂肪族ポリエステルが得られる。

Claims (14)

  1. 水およびアルコールを含むプロトン源化合物を開始剤または/及び分子量調節剤として含む環状エステルを、環状エステル中の、全プロトン濃度、および水を含むカルボキシル(カルボン酸)源化合物モル濃度とアルコールを含むアルコキシカルボニル(エステル)源化合物モル濃度との比(カルボン酸/エステル・モル比)、を指標として、開環重合することを特徴とする脂肪族ポリエステルの製造方法。
  2. カルボン酸/エステル・モル比が100/0〜2/98の範囲である請求項1に記載の製造方法。
  3. カルボン酸/エステル・モル比が99/1〜5/95の範囲である請求項1に記載の製造方法。
  4. 環状エステル中の全プロトン濃度を0.09モル%超過2.0モル%未満の範囲内に調整する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 環状エステルが、グリコリド単独またはグリコリド60重量%以上とグリコリドと開環共重合可能な他の環状モノマー40重量%以下との混合物である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  6. 環状エステル中の全プロトン濃度およびカルボン酸/エステル・モル比を調整した後、環状エステルを触媒の存在下に加熱溶融させ、次いで、溶融状態の環状エステルを開環重合して生成ポリマーを析出させる請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 環状エステル中の全プロトン濃度およびカルボン酸/エステル・モル比を調整した後、環状エステルを触媒の存在下に溶融槽内で加熱溶融させ、次いで、溶融状態の環状エステルを複数の管を備えた重合装置に移送し、各管内で密閉状態で開環重合して生成ポリマーを析出させる請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記重合装置の複数の管が、両端が開閉可能な管である請求項7に記載の製造方法。
  9. 環状エステル中の全プロトン濃度およびカルボン酸/エステル・モル比を調整した後、環状エステルを触媒の存在下に溶融槽内で加熱溶融させ、次いで、溶融状態の環状エステルを攪拌機付き反応缶中で開環重合を進行させた後、精製したポリマーを取り出し、一度ポリマーを冷却固化させた後、ポリマーの融点以下で固相重合反応を継続する請求項9に記載の製造方法。
  10. 開環重合により生成する脂肪族ポリエステルにカルボキシル基封止剤を作用させる請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 脂肪族ポリエステル100重量部に対し、0.1〜1.8重量部のカルボキシル基封止剤を作用させる請求項10に記載の製造方法。
  12. カルボキシル基封止剤がモノカルボジイミド、ポリカルボジイミド、オキサゾリン、オキサジンおよびエポキシ化合物よりなる群より選ばれる請求項10または11に記載の製造方法。
  13. カルボキシル基封止剤がモノカルボジイミドである請求項10または11に記載の製造方法。
  14. 開環重合により生成した脂肪族ポリエステル100重量部に対し、3重量部以下の熱安定剤を作用させる請求項1〜13のいずれかに記載の製造方法。
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