JPWO2004089954A1 - 新規なカルバペネム化合物 - Google Patents
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Abstract
式1(式中、R1はC1−C3アルキルまたは水酸基により置換されたC1−C3アルキルを表す。Rは水素原子または生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を表す。Gは、G1、G2、G3のいずれかを表す。)で表されるカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
Description
本発明は、新規なカルバペネム化合物に関する。詳細には、母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの3位に、置換フェニルが直接置換したカルバペネム化合物に関する。更には、これらを有効成分として含有する抗菌剤に関する。
これまで開発・上市されてきたカルバペネム化合物は、消化管からの吸収性が乏しく、そのため、臨床上はいずれも注射剤として主に静脈注射での使用が行われているにすぎなかった。しかし、臨床の場においては、患者の事情や治療目的等の点で、薬剤投与に関して、いくつかの投与経路を選択できることが望ましい。特に、経口抗菌剤は、注射剤と比較し患者への投与が容易で簡便であることもあり、患者の在宅治療と言う点で、より利便性が高く、臨床上の有用性は極めて高いものがある。とりわけ近年分離頻度の増加が見られ臨床上の大きな問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ−ラクタメース非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などペニシリン結合蛋白(PBP)変異にともない既存β−ラクタム剤に幅広く耐性を獲得したインフルエンザ菌に対して優れた抗菌活性を有し、安全性に優れ、かつ経口投与が可能なカルバペネム化合物の開発が臨床上も強く望まれていたが、現在までに上市されたものは皆無である。従来、経口投与が可能なカルバペネム化合物として研究・開発されたものとしては、例えば三環性カルバペネム化合物が開示されている(例えば、WO92/03437)。この化合物は炭素−炭素結合を介して縮環した側鎖部分をその構造的な特徴とし、経口吸収性を向上させるためにプロドラッグ化しているが、臨床の場での安全性などについてはいまだ不明である。それ以外には、例えば種々の1β−メチルカルバペネム化合物が知られている(例えば、WO92/03437、特開平2−49783、特開平8−53453、WO98/34936、WO99/57121、特開平4−279588、特開平2−223587、およびAntimicrobial Agents and Chemotherapy、Mar.1999、p460−464)。これらはいずれも、化学的安定性ならびに生体内安定性の向上に寄与するとされる1β−メチル基ならびにスルフィド結合を介した側鎖部分を有することを構造的特徴とし、経口吸収性を向上させるためにプロドラッグ化している。とりわけ特開平2−49783ならびに特開平8−53453に記載された化合物については臨床試験が行われているが、安全性などについてはいまだ不明である。
一方で、側鎖構造として炭素−炭素結合を介したアリール環を有するカルバペネム化合物は1980年代から知られている(例えば、米国特許US4543257、米国特許US4775669、米国特許US5258509、WO02/053566、Tetrahedron、1983年、第39巻、p2531−2549、Journal of Medicinal Chemistry、1987年、第30巻、p871−880、欧州特許EP538001、欧州特許EP538016)。例えば、米国特許US4543257には母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの3位に、パラ−メトキシフェニル基が直接置換したカルバペネム化合物をはじめ多様な誘導体が、またJournal of Medicinal Chemistry、1987年、第30巻、p871−880には母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの3位に、パラ−ヒドロキシフェニル基が直接置換したカルバペネム誘導体などが開示されている。同様な化合物については、他にも多数の報告例があるものの、いずれも注射剤としての研究・開発が展開されているにとどまり、経口剤としての応用はなされていない。最近になり、母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの3位側鎖として置換カルバモイル基が直結したベンゼン環などを有するカルバペネム誘導体(例えば、WO02/053566)、母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの3位側鎖として置換カルバモイル基などがスペーサーを介して結合したベンゼン環などを有するカルバペネム誘導体(例えば、WO03/040146)あるいは母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの3位側鎖として置換されたピリジン環などを有するカルバペネム誘導体(例えば、WO03/089431)が開示され経口剤としての応用の可能性も示されたが、本発明に含まれる置換様式を持つカルバペネム誘導体は新規であり、その経口剤としての応用についても知られていない。
一方で、側鎖構造として炭素−炭素結合を介したアリール環を有するカルバペネム化合物は1980年代から知られている(例えば、米国特許US4543257、米国特許US4775669、米国特許US5258509、WO02/053566、Tetrahedron、1983年、第39巻、p2531−2549、Journal of Medicinal Chemistry、1987年、第30巻、p871−880、欧州特許EP538001、欧州特許EP538016)。例えば、米国特許US4543257には母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの3位に、パラ−メトキシフェニル基が直接置換したカルバペネム化合物をはじめ多様な誘導体が、またJournal of Medicinal Chemistry、1987年、第30巻、p871−880には母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの3位に、パラ−ヒドロキシフェニル基が直接置換したカルバペネム誘導体などが開示されている。同様な化合物については、他にも多数の報告例があるものの、いずれも注射剤としての研究・開発が展開されているにとどまり、経口剤としての応用はなされていない。最近になり、母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの3位側鎖として置換カルバモイル基が直結したベンゼン環などを有するカルバペネム誘導体(例えば、WO02/053566)、母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの3位側鎖として置換カルバモイル基などがスペーサーを介して結合したベンゼン環などを有するカルバペネム誘導体(例えば、WO03/040146)あるいは母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの3位側鎖として置換されたピリジン環などを有するカルバペネム誘導体(例えば、WO03/089431)が開示され経口剤としての応用の可能性も示されたが、本発明に含まれる置換様式を持つカルバペネム誘導体は新規であり、その経口剤としての応用についても知られていない。
本発明は広範囲のグラム陽性菌およびグラム陰性菌、特に近年分離頻度の増加が見られ臨床上の大きな問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ−ラクタメース非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などペニシリン結合蛋白(PBP)変異にともない既存β−ラクタム剤に幅広く耐性を獲得したインフルエンザ菌に対して優れた抗菌活性を有すると共に経口吸収性の高いカルバペネム薬剤を提供することを目的とする。
本発明者らは種々の検討を行った結果、カルバペネム化合物の母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの3位に直接置換フェニルが導入された化合物が高い抗菌活性を示し、広範囲のグラム陽性菌およびグラム陰性菌、特に近年分離頻度の増加が見られ臨床上の大きな問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ−ラクタメース非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などペニシリン結合蛋白(PBP)変異にともない既存β−ラクタム剤に幅広く耐性を獲得したインフルエンザ菌に対して優れた抗菌活性を有することを見出した。また、2位のカルボキシル基に生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を導入した化合物が、経口投与において消化管からの吸収性に優れ、生体内で2位脱エステル体となり強力な抗菌活性を示すことを見出し、また、腎デヒドロペプチダーゼに対しても優れた耐性を有することを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明の要旨は以下のとおりである。
(1) 一般式[1]
[式中、R1はC1−C3アルキルまたは水酸基により置換されたC1−C3アルキルを表す。Rは水素原子または生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を表す。
Gは一般式G1:
一般式G2:
(式中、Y1はC1−C4アルキル、C2−C4アルコキシ、−(CH2)ma−O−CH3(式中、maは1〜3を表す)、−O−(CH2)ma−O−(CH2)mb−CH3(式中、maは前記と同じ意味を表し、mbは0〜3を表す)、トリフルオロメトキシ、ハロゲン原子、シアノもしくは−SO2NR2R3(式中、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルを表すか、または、R2およびR3が一緒になって窒素原子と共に置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)
あるいは一般式G3:
(式中、Aは−(CH2)r−(式中、rは1〜3を表す)、−(CH2)s−O−(CH2)t−(式中、sおよびtはそれぞれ独立して0〜3を表す)、−O−(CH2)r−O−(CH2)s−(式中、rおよびsは前記と同じ意味を表す)、−(CH2)s−NRa−(CH2)t−(式中、sおよびtは前記と同じ意味を表し、Raは水素原子、アミノ基の保護基または置換されていてもよいC1−C6アルキルを表す)、を表す。
R0は水素原子または式[2]:
(式中、R2aおよびR3aはそれぞれ独立して(i)水素原子、(ii)置換されていてもよいC1−C6アルキル、(iii)置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、(iv)置換されていてもよいアリール、(v)置換されていてもよいヘテロアリール、(vi)置換されていてもよいアラルキル、(vii)置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、もしくは(viii)置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を表すか、またはR2aおよびR3aが一緒になって窒素原子と共に置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を表すほか、
下記式[3]:
(式中、mは0または1を表し、R3bは水素原子、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、または置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を表すが、m=1の場合に限ってR3bはさらに加えて、生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を表すこともできる。ただし、t=0でかつm=1の場合にはR3bは水素原子以外の基を表す。)を表す。
Y2はC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン原子、シアノもしくは−NR4R5を表す。R4とR5はそれぞれ独立して(i)水素原子、(ii)アミノ基の保護基、(iii)置換されていてもよいC1−C6アルキル、(iv)置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、(v)ホルミル、(vi)C2−C7アルキルカルボニル、(vii)置換されていてもよいアリール、(viii)置換されていてもよいヘテロアリール、(ix)置換されていてもよいアラルキル、(x)置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、もしくは(xi)置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を表すか、または、R4とR5は窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはアゼパンを形成してもよい。)]で表されるカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(2) GがG1である一般式[1−a]:
[式中、R1およびRは上記1における意味と同義である。]で表される上記1記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(3) G1が4−メトキシフェニルである一般式[1−b]:
[式中、R1およびRは上記1における意味と同義である。]で表される上記2記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(4) GがG2である一般式[1−c]:
[式中、R1、RおよびY1は上記1における意味と同義である。]で表される上記1記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(5) GがG3である一般式[1−d]:
[式中、R1、R、A、R0およびY2は上記1における意味と同義である。]で表される上記1記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(6) 生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基が、式[4]:
[式中、R6は水素原子またはC1−C6アルキルを表す。R7は置換されていてもよいC1−C10アルキル、置換されていてもよいC3−C10シクロアルキルを表す。nは0または1を表す。]で表される上記1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(7) Rが、式[4]で表される上記1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(8) R1が1−ヒドロキシエチルである上記1〜7いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(9) Rがピバロイルオキシメチル、アセチルオキシメチル、アセチルオキシ−1−エチル、イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1−エチルあるいはシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エチルである上記1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(10) Rがピバロイルオキシメチルである上記1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(11) Rがフタリジルあるいは(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルである上記1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(12) Rが水素原子である上記1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(13) Y1がC2−C4アルコキシ、−(CH2)ma−O−CH3(式中、maは1〜3を表す)もしくは−O−(CH2)ma−O−(CH2)mb−CH3(式中、maおよびmbは前記と同じ意味を表す)である上記4記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(14) Y1がC1−C4アルキル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン原子もしくはシアノである上記4記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(15) Y1が−SO2NR2R3(式中、R2およびR3は前記と同じ意味を表す)である上記4記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(16)Y1がエトキシ、−CH2−O−CH3、−(CH2)2−O−CH3あるいは−O−(CH2)2−O−CH3である上記4記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(17) ベンゼン環上でY1が7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの結合位置に対しメタ位もしくはパラ位で置換された、上記4、13、14、15、16記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(18) ベンゼン環上でY1が7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの結合位置に対しパラ位で置換された、上記4、13、14、15、16記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(19) R0が式[2]:
[式中、R2aおよびR3aは前記と同じ意味を表す]である上記5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(20) R0が式[3]:
[式中、mおよびR3bは前記と同じ意味を表す]である上記5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(21) Y2がC1−C4アルキルである上記5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(22) Y2がC1−C4アルコキシである上記5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(23) Y2がハロゲン原子もしくはシアノである上記5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(24) Y2が−NR4R5(R4およびR5は前記と同じ意味を表す)である上記5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(25) 上記1〜上記24いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする医薬。
(26) 上記1〜上記24いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする抗菌剤。
(27) 上記1〜上記24いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする経口医薬。
(28) 上記1〜上記24いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする経口医薬。
本発明者らは種々の検討を行った結果、カルバペネム化合物の母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの3位に直接置換フェニルが導入された化合物が高い抗菌活性を示し、広範囲のグラム陽性菌およびグラム陰性菌、特に近年分離頻度の増加が見られ臨床上の大きな問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ−ラクタメース非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などペニシリン結合蛋白(PBP)変異にともない既存β−ラクタム剤に幅広く耐性を獲得したインフルエンザ菌に対して優れた抗菌活性を有することを見出した。また、2位のカルボキシル基に生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を導入した化合物が、経口投与において消化管からの吸収性に優れ、生体内で2位脱エステル体となり強力な抗菌活性を示すことを見出し、また、腎デヒドロペプチダーゼに対しても優れた耐性を有することを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明の要旨は以下のとおりである。
(1) 一般式[1]
[式中、R1はC1−C3アルキルまたは水酸基により置換されたC1−C3アルキルを表す。Rは水素原子または生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を表す。
Gは一般式G1:
一般式G2:
(式中、Y1はC1−C4アルキル、C2−C4アルコキシ、−(CH2)ma−O−CH3(式中、maは1〜3を表す)、−O−(CH2)ma−O−(CH2)mb−CH3(式中、maは前記と同じ意味を表し、mbは0〜3を表す)、トリフルオロメトキシ、ハロゲン原子、シアノもしくは−SO2NR2R3(式中、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルを表すか、または、R2およびR3が一緒になって窒素原子と共に置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)
あるいは一般式G3:
(式中、Aは−(CH2)r−(式中、rは1〜3を表す)、−(CH2)s−O−(CH2)t−(式中、sおよびtはそれぞれ独立して0〜3を表す)、−O−(CH2)r−O−(CH2)s−(式中、rおよびsは前記と同じ意味を表す)、−(CH2)s−NRa−(CH2)t−(式中、sおよびtは前記と同じ意味を表し、Raは水素原子、アミノ基の保護基または置換されていてもよいC1−C6アルキルを表す)、を表す。
R0は水素原子または式[2]:
(式中、R2aおよびR3aはそれぞれ独立して(i)水素原子、(ii)置換されていてもよいC1−C6アルキル、(iii)置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、(iv)置換されていてもよいアリール、(v)置換されていてもよいヘテロアリール、(vi)置換されていてもよいアラルキル、(vii)置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、もしくは(viii)置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を表すか、またはR2aおよびR3aが一緒になって窒素原子と共に置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を表すほか、
下記式[3]:
(式中、mは0または1を表し、R3bは水素原子、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、または置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を表すが、m=1の場合に限ってR3bはさらに加えて、生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を表すこともできる。ただし、t=0でかつm=1の場合にはR3bは水素原子以外の基を表す。)を表す。
Y2はC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン原子、シアノもしくは−NR4R5を表す。R4とR5はそれぞれ独立して(i)水素原子、(ii)アミノ基の保護基、(iii)置換されていてもよいC1−C6アルキル、(iv)置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、(v)ホルミル、(vi)C2−C7アルキルカルボニル、(vii)置換されていてもよいアリール、(viii)置換されていてもよいヘテロアリール、(ix)置換されていてもよいアラルキル、(x)置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、もしくは(xi)置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を表すか、または、R4とR5は窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはアゼパンを形成してもよい。)]で表されるカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(2) GがG1である一般式[1−a]:
[式中、R1およびRは上記1における意味と同義である。]で表される上記1記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(3) G1が4−メトキシフェニルである一般式[1−b]:
[式中、R1およびRは上記1における意味と同義である。]で表される上記2記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(4) GがG2である一般式[1−c]:
[式中、R1、RおよびY1は上記1における意味と同義である。]で表される上記1記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(5) GがG3である一般式[1−d]:
[式中、R1、R、A、R0およびY2は上記1における意味と同義である。]で表される上記1記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(6) 生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基が、式[4]:
[式中、R6は水素原子またはC1−C6アルキルを表す。R7は置換されていてもよいC1−C10アルキル、置換されていてもよいC3−C10シクロアルキルを表す。nは0または1を表す。]で表される上記1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(7) Rが、式[4]で表される上記1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(8) R1が1−ヒドロキシエチルである上記1〜7いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(9) Rがピバロイルオキシメチル、アセチルオキシメチル、アセチルオキシ−1−エチル、イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1−エチルあるいはシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エチルである上記1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(10) Rがピバロイルオキシメチルである上記1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(11) Rがフタリジルあるいは(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルである上記1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(12) Rが水素原子である上記1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(13) Y1がC2−C4アルコキシ、−(CH2)ma−O−CH3(式中、maは1〜3を表す)もしくは−O−(CH2)ma−O−(CH2)mb−CH3(式中、maおよびmbは前記と同じ意味を表す)である上記4記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(14) Y1がC1−C4アルキル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン原子もしくはシアノである上記4記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(15) Y1が−SO2NR2R3(式中、R2およびR3は前記と同じ意味を表す)である上記4記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(16)Y1がエトキシ、−CH2−O−CH3、−(CH2)2−O−CH3あるいは−O−(CH2)2−O−CH3である上記4記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(17) ベンゼン環上でY1が7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの結合位置に対しメタ位もしくはパラ位で置換された、上記4、13、14、15、16記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(18) ベンゼン環上でY1が7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの結合位置に対しパラ位で置換された、上記4、13、14、15、16記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(19) R0が式[2]:
[式中、R2aおよびR3aは前記と同じ意味を表す]である上記5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(20) R0が式[3]:
[式中、mおよびR3bは前記と同じ意味を表す]である上記5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(21) Y2がC1−C4アルキルである上記5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(22) Y2がC1−C4アルコキシである上記5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(23) Y2がハロゲン原子もしくはシアノである上記5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(24) Y2が−NR4R5(R4およびR5は前記と同じ意味を表す)である上記5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
(25) 上記1〜上記24いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする医薬。
(26) 上記1〜上記24いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする抗菌剤。
(27) 上記1〜上記24いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする経口医薬。
(28) 上記1〜上記24いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする経口医薬。
R1における「C1−C3アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。好適なものとしてはエチルあるいはイソプロピルが挙げられる。
R1における「水酸基により置換されたC1−C3アルキル」としては例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル等の炭素数1〜3のものが挙げられる。好適なものとしては1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチルあるいは1−ヒドロキシ−1−メチルエチルが挙げられる。特に好適なものとしては1−ヒドロキシエチルが挙げられる。
Y1における「C1−C4アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチルが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
Y1における「C2−C4アルコキシ」としては、例えばエトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシが挙げられる。好適なものとしては例えばエトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシが挙げられる。特に好適なものとしてはエトキシが挙げられる。
Y1における「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好適なものとしては、フッ素原子、塩素原子が挙げられる。特に好適なものとしては、フッ素原子が挙げられる。
Y1が−SO2NR2R3(式中、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいもしくは、環内にヘテロ原子を含んでいてもよいアリール、置換されていてもよいもしくは、環内にヘテロ原子を含んでいてもよいアラルキルを表すか、または、R2およびR3が一緒になって窒素原子と共に置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を形成することもできる)である場合の「低級アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチルが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としては例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。特に好適なものとしてはフェニルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」としては例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリル、イソキナゾリル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環が挙げられる。好適なものとしてはピリジル、ピリミジル、ピリダジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルあるいはトリアゾリルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリルあるいはチアゾリルが挙げられる。
「置換されていてもよいアラルキル」の「アラルキル」としては例えば、ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチルが挙げられ、好ましくはベンジル、フェニルエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」の「ヘテロアリールアルキル」としては例えば、ピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、トリアゾリルメチル、インドリルメチル、ベンゾチアゾリルメチル、キナゾリルメチル、イソキナゾリルメチル、ピリジルエチル、ピリミジルエチル、ピリダジルエチル、ピラジルエチル、ピリジルプロピル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環と炭素数1〜3のアルキレン鎖との組み合わせから成るものが挙げられる。好適なものとしてはピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチルあるいはトリアゾリルメチルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチルあるいはチアゾリルメチルが挙げられる。
R2およびR3が一緒になって窒素原子と共に形成する「3ないし7員のヘテロ環」としては、例えばアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ジヒドロピロール、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、テトラヒドロアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ヘキサヒドロジアゼピン等の1または2個の窒素原子、0または1個の硫黄原子および0または1個の酸素原子を有する飽和または不飽和の3ないし7員のヘテロ環が挙げられる。好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリンあるいはチオモルホリンが挙げられる。特に好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、チアゾリン、チアゾリジンあるいはモルホリンが挙げられる。
R2およびR3における置換基としては、例えば水酸基、C1−C6アルキルオキシ、C1−C6アルキルチオ、C2−C7アルキルカルボニル、C2−C7アルキルカルボニルオキシ、C2−C7アルキルオキシカルボニル、C3−C7シクロアルキル、カルボキシル、ハロゲン原子、シアノ、一級アミノ、二級アミノもしくは三級アミノ等が挙げられる。これらの置換基は適当な保護基により保護されていてもよい。置換位置は化学的に可能な位置であれば制限はなく、一箇所あるいは複数箇所の置換が可能である。
「C1−C6アルキルオキシ」としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好適なものとしてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメトキシあるいはエトキシが挙げられる。
「C1−C6アルキルチオ」としては、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好適なものとしてはメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルチオあるいはエチルチオが挙げられる。
「C2−C7アルキルカルボニル」としては、例えばアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニルが挙げられる。好適なものとしてはアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数2〜4のものが挙げられる。特に好適なものとしてはアセチルあるいはプロピオニルが挙げられる。
「C2−C7アルキルカルボニルオキシ」としては、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニルオキシが挙げられる。好適なものとしてはアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数2〜4のものが挙げられる。特に好適なものとしてはアセチルオキシあるいはプロピオニルオキシが挙げられる。
「C2−C7アルキルオキシカルボニル」としては、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルオキシカルボニルが挙げられる。好適なものとしてはメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数2〜4のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメトキシカルボニルあるいはエトキシカルボニルが挙げられる。
「C3−C7シクロアルキル」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の炭素数3〜7のものが挙げられる。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好適なものとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
R2およびR3において好適なものとしては水素原子、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよい、もしくは環内にヘテロ原子を含んでいてもよいアリール、置換されていてもよい、もしくは環内にヘテロ原子を含んでいてもよいアラルキルが挙げられる。特に好適なものとしては水素原子、置換されていてもよいメチル、置換されていてもよいエチル、環内にヘテロ原子を含んでいてもよいアリール、環内にヘテロ原子を含んでいてもよいアラルキルが挙げられる。
Y1におけるmaは1〜3を表すが、好ましくは1、2を表す。Y1におけるmbは0〜3を表すが、好ましくは0、1を表す。
Y2における「C1−C4アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチルが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
Y2における「C1−C4アルコキシ」としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシが挙げられる。好適なものとしては例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシが挙げられる。特に好適なものとしてはメトキシ、エトキシが挙げられる。
Y2における「ハロゲン原子」としては例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好適なものとしては、フッ素原子、塩素原子が挙げられる。さらに、Y2が−NR4R5を表す場合のR4とR5における定義は以下のとおりである。アミノ基の保護基としては、通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えば、tert−ブトキシカルボニル等のC2−C7アルコキシカルボニル、例えば2−ヨウ化エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル等の炭素数1〜5のハロゲノアルコキシカルボニル、例えばアリルオキシカルボニル等の置換または無置換のC2−C7アルケニルオキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル等のアラルキルオキシカルボニル、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル等が挙げられる。さらに生体内で加水分解されてアミノ基を再生する各種保護基を用いることも可能であって、好適には例えば、(5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン−4−イル)メトキシカルボニル等が挙げられる。
「置換されていてもよいC1−C6アルキル」の「C1−C6アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル」の「C3−C7シクロアルキル」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の炭素数3〜7のものが挙げられる。
「C2−C7アルキルカルボニル」としては、例えばアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のものが挙げられる。好適なものとしてはアセチルあるいはプロピオニルが挙げられる。
「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としてはとしては例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。特に好適なものとしてはフェニルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」としては例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリル、イソキナゾリル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環が挙げられる。好適なものとしてはピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルあるいはトリアゾリルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリルあるいはチアゾリルが挙げられる。
「置換されていてもよいアラルキル」の「アラルキル」としては例えば、ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチルが挙げられ、好ましくはベンジル、フェニルエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」の「ヘテロアリールアルキル」としては例えば、ピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、トリアゾリルメチル、インドリルメチル、ベンゾチアゾリルメチル、キナゾリルメチル、イソキナゾリルメチル、ピリジルエチル、ピリミジルエチル、ピリダジルエチル、ピラジルエチル、ピリジルプロピル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環と炭素数1〜3のアルキレン鎖との組み合わせから成るものが挙げられる。好適なものとしてはピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチルあるいはトリアゾリルメチルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチルあるいはチアゾリルメチルが挙げられる。
R4とR5における「3ないし7員のヘテロ環」としては、例えばアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ジヒドロピロール、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、テトラヒドロアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ヘキサヒドロジアゼピン等の1または2個の窒素原子、0または1個の硫黄原子および0または1個の酸素原子を有する飽和または不飽和の3ないし7員のヘテロ環が挙げられる。好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリンあるいはチオモルホリンが挙げられる。特に好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、チアゾリン、チアゾリジンあるいはモルホリンが挙げられる。
また、R4とR5における「置換されていてもよいC1−C6アルキル」、「置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル」、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、「置換されていてもよいアラルキル」、「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」及び「置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環」の置換基としては、例えば水酸基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルコキシ、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルキルチオ、例えばアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニル、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニルオキシ、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルコキシカルボニル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3−C7シクロアルキル、保護されていてもよいカルボキシル、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、シアノ、−NRbRc、−CONRbRc、−OCONRbRc、−CONRbSO2Rc、−SO2NRbRc、−NRbSO2NRbRc、−NRbCONRbRc(RbおよびRcはそれぞれ独立して(i)水素原子、(ii)アミノ基の保護基、(iii)C1−C6アルキル、(iv)C3−C7シクロアルキル、(v)アリール、(vi)ヘテロアリール、(vii)アラルキル、(viii)ヘテロアリールアルキル、もしくは(ix)3ないし7員のヘテロ環を表すか、または、RbとRcは窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはアゼパンを形成してもよい、RbおよびRcにおける、「C1−C6アルキル」、「C3−C7シクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「アラルキル」、「ヘテロアリールアルキル」、および「3ないし7員のヘテロ環」の定義は、R4およびR5におけるそれぞれの定義と同様である)等が挙げられる。これらの置換基は適当な保護基により保護されていてもよい。置換位置は化学的に可能な位置であれば制限はなく、一箇所あるいは複数箇所の置換が可能である。
R0が式[2]を表す場合のR2aとR3aにおける定義は以下のとおりである。
「置換されていてもよいC1−C6アルキル」の「C1−C6アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル」の「C3−C7シクロアルキル」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の炭素数3〜7のものが挙げられる。
「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としてはとしては例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。特に好適なものとしてはフェニルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」としてはとしては例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリル、イソキナゾリル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環が挙げられる。好適なものとしてはピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルあるいはトリアゾリルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリルあるいはチアゾリルが挙げられる。
「置換されていてもよいアラルキル」の「アラルキル」としては例えば、ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチルが挙げられ、好ましくはベンジル、フェニルエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」の「ヘテロアリールアルキル」としては例えば、ピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、トリアゾリルメチル、インドリルメチル、ベンゾチアゾリルメチル、キナゾリルメチル、イソキナゾリルメチル、ピリジルエチル、ピリミジルエチル、ピリダジルエチル、ピラジルエチル、ピリジルプロピル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環と炭素数1〜3のアルキレン鎖との組み合わせから成るものが挙げられる。好適なものとしてはピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチルあるいはトリアゾリルメチルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチルあるいはチアゾリルメチルが挙げられる。
R2aとR3aにおける「置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環」の「3ないし7員のヘテロ環」としては、例えばアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ジヒドロピロール、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、テトラヒドロアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ヘキサヒドロジアゼピン等の1または2個の窒素原子、0または1個の硫黄原子および0または1個の酸素原子を有する飽和または不飽和の3ないし7員のヘテロ環が挙げられる。好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリンあるいはチオモルホリンが挙げられる。特に好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、チアゾリン、チアゾリジンあるいはモルホリンが挙げられる。
また、R2aとR3aにおける「置換されていてもよいC1−C6アルキル」、「置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル」、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、「置換されていてもよいアラルキル」、「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」および「置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環」の置換基としては、例えば水酸基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルコキシ、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルキルチオ、例えばアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニル、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニルオキシ、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルコキシカルボニル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3−C7シクロアルキル、保護されていてもよいカルボキシル、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、シアノ、−NRdRe、−CONRdRe、−OCONRdRe、−CONRdSO2Re、−SO2NRdRe、−NRdSO2NRdRe、−NRdCONRdRe(RdおよびReはそれぞれ独立して(i)水素原子、(ii)アミノ基の保護基、(iii)C1−C6アルキル、(iv)C3−C7シクロアルキル、(v)アリール、(vi)ヘテロアリール、(vii)アラルキル、(viii)ヘテロアリールアルキル、もしくは(ix)3ないし7員のヘテロ環を表すか、または、RdとReは窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはアゼパンを形成してもよいRdおよびReにおける、「C1−C6アルキル」、「C3−C7シクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「アラルキル」、「ヘテロアリールアルキル」、および「3ないし7員のヘテロ環」の定義は、R2aとR3aにおけるそれぞれの定義と同様である)等が挙げられる。これらの置換基は適当な保護基により保護されていてもよい。置換位置は化学的に可能な位置であれば制限はなく、一箇所あるいは複数箇所の置換が可能である。
R0が式[3]を表す場合のR3bにおける定義は以下のとおりである。
「置換されていてもよいC1−C6アルキル」の「C1−C6アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル」の「C3−C7シクロアルキル」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の炭素数3〜7のものが挙げられる。
「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としてはとしては例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。特に好適なものとしてはフェニルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」としてはとしては例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリル、イソキナゾリル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環が挙げられる。好適なものとしてはピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルあるいはトリアゾリルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリルあるいはチアゾリルが挙げられる。
「置換されていてもよいアラルキル」の「アラルキル」としては例えば、ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチルが挙げられ、好ましくはベンジル、フェニルエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」の「ヘテロアリールアルキル」としては例えば、ピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、トリアゾリルメチル、インドリルメチル、ベンゾチアゾリルメチル、キナゾリルメチル、イソキナゾリルメチル、ピリジルエチル、ピリミジルエチル、ピリダジルエチル、ピラジルエチル、ピリジルプロピル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環と炭素数1〜3のアルキレン鎖との組み合わせから成るものが挙げられる。好適なものとしてはピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチルあるいはトリアゾリルメチルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチルあるいはチアゾリルメチルが挙げられる。
「置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環」の「3ないし7員のヘテロ環」としては、例えばアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ジヒドロピロール、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、テトラヒドロアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ヘキサヒドロジアゼピン等の1または2個の窒素原子、0または1個の硫黄原子および0または1個の酸素原子を有する飽和または不飽和の3ないし7員のヘテロ環が挙げられる。好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリンあるいはチオモルホリンが挙げられる。特に好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、チアゾリン、チアゾリジンあるいはモルホリンが挙げられる。R3bにおける「置換されていてもよいC1−C6アルキル」、「置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル」、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、「置換されていてもよいアラルキル」、「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」および「置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環」の置換基としては、例えば水酸基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルコキシ、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルキルチオ、例えばアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニル、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニルオキシ、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルコキシカルボニル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3−C7シクロアルキル、保護されていてもよいカルボキシル、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、シアノ、−NRdRe、−CONRdRe、−OCONRdRe、−CONRdSO2Re、−SO2NRdRe、−NRdSO2NRdRe、−NRdCONRdRe(RdおよびReは前記と同じ意味を表す)等が挙げられる。これらの置換基は適当な保護基により保護されていてもよい。置換位置は化学的に可能な位置であれば制限はなく、一箇所あるいは複数箇所の置換が可能である。R3bがm=1の場合に限って表すことのできる「生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基」としては、生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する限りいかなるものも含み、プロドラッグと総称される化合物群に誘導する際に使用される基が挙げられる。好ましい基としては、メチル、エチル等のC1−C6アルキル、およびメトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシエチル、2−メトキシエトキシメチル等のC2−C1 2アルコキシアルキル、フタリジル、2−(4−モルホリニル)エチルさらに(2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−t−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、ピバロイルオキシメチル、アセチルオキシメチル、アセチルオキシ−1−エチル、シクロヘキシルアセチルオキシメチル、1−メチルシクロヘキシルカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシ−1−エチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エチル等を挙げることができ、特に好適なものとしては、フタリジル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルおよびピバロイルオキシメチル等を挙げることができる。
Aが−(CH2)s−NRa−(CH2)t−(式中、sおよびtは前記と同じ意味を表し、Raは水素原子、アミノ基の保護基または置換されていてもよいC1−C6アルキルを表す)である場合のRaにおけるアミノ基の保護基としては、通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えば、tert−ブトキシカルボニル等のC2−C7アルコキシカルボニル、例えば2−ヨウ化エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル等の炭素数1〜5のハロゲノアルコキシカルボニル、例えばアリルオキシカルボニル等の置換または無置換のC2−C7アルケニルオキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル等のアラルキルオキシカルボニル、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル等が挙げられる。さらに生体内で加水分解されてアミノ基を再生する各種保護基を用いることも可能であって、好適には例えば、(5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン−4−イル)メトキシカルボニル等が挙げられる。
「C1−C6アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
Raにおける「置換されていてもよいC1−C6アルキル」の置換基としては、例えば水酸基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルコキシ、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルキルチオ、例えばアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニル、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニルオキシ、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルコキシカルボニル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3−C7シクロアルキル、保護されていてもよいカルボキシル、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、シアノ、−NRdRe、−CONRdRe、−OCONRdRe、−CONRdSO2Re、−SO2NRdRe、−NRdSO2NRdRe、−NRdCONRdRe(RdおよびReは前記と同じ意味を表す)等が挙げられる。
Aにおけるrは1〜3を表すが、好ましくは1、2を表す。
Aにおけるsは0〜3を表すが、好ましくは0、1、2を表す。
Aにおけるtは0〜3を表すが、好ましくは0、1、2を表す。
Rにおける「生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基」としては、生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する限りいかなるものも含み、プロドラッグと総称される化合物群に誘導する際に使用される基が挙げられる。好ましい基としては、式[4]:
[式中、R6、R7およびnは前記と同義である。」で表される基が挙げられる。R6における「C1−C6アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好ましくは、メチルが上げられる。R7における「C1−C10アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル等の直鎖または分枝鎖状の炭素数1〜10のものが挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルが挙げられる。R7における「C3−C10シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等が挙げられる。好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。R7における「置換されてもよいC1−C10アルキル」、「置換されてもよいC3−C10シクロアルキル」の置換基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖または分枝鎖状の炭素数1〜6のアルキルが挙げられる。好ましくは、メチル、エチルが上げられる。好適なものとしては、式[4]としてピバロイルオキシメチル、アセチルオキシメチル、アセチルオキシ−1−エチル、シクロヘキシルアセチルオキシメチル、1−メチルシクロヘキシルカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシ−1−エチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エチル等が挙げられ、特に好適なものとしては、ピバロイルオキシメチルが挙げられる。また、Rにおける「生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基」の他の例として、メチル、エチル等のC1−C6アルキル、およびメトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシエチル、2−メトキシエトキシメチル等のC2−C12アルコキシアルキル、フタリジル、2−(4−モルホリニル)エチルさらに(2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−t−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル等を挙げることができ、特に好適なものとしては、フタリジルおよび(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル等を挙げることができる。
カルボキシルの保護基としては通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルキル、例えば2−ヨウ化エチル、2,2,2−トリクロロエチル等のC1−C6ハロゲノアルキル、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、イソブトキシメチル等のC2−C7アルコキシメチル、例えばアセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル,ピバロイルオキシメチル等のC2−C7アルキルカルボニルオキシメチル、例えば1−エトキシカルボニルオキシエチル等のC4−C111−アルコキシカルボニルオキシエチル、例えばベンジル、p−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル等のアラルキル基、例えばアリル、3−メチルアリル等のC3−C7アルケニル、ベンズヒドリル、フタリジル、(2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−t−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル等が挙げられる。
水酸基の保護基もしくはアミノ基の保護基としては、通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えば、tert−ブトキシカルボニル等のC2−C7アルコキシカルボニル、例えば2−ヨウ化エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル等の炭素数1〜5のハロゲノアルコキシカルボニル、例えばアリルオキシカルボニル等の置換または無置換のC2−C7アルケニルオキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル等のアラルキルオキシカルボニル、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル等が挙げられる。さらに生体内で加水分解されて水酸基および/またはアミノ基を再生する各種保護基を用いることも可能であって、好適には例えば、(5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン−4−イル)メトキシカルボニル等が挙げられる。
本発明のカルバペネム化合物の医薬品として許容される塩は、例えば常用の無毒性塩が挙げられる。その塩としては、例えば分子内に存在するカルボキシル基における塩として例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム等の無機性塩基塩、例えばトリエチルアンモニウム、ピリジニウム、ジイソプロピルアンモニウム等の有機性塩基塩が挙げられ、また、分子内に存在する塩基性基における塩として例えば塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸塩、例えばギ酸、酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸塩等が挙げられる。
本発明のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩は、それらの無水物、水和物または溶媒和物であってもよい。
本発明の第2の態様は、本発明のカルバペネム化合物を有効成分とする医薬に関する。
本発明のカルバペネム化合物は、高い抗菌活性と共に優れた経口吸収性を示し、さらには優れたDHP−1に対する安定性を示すことから、臨床上優れた抗菌剤、特に経口投与抗菌剤となり得ることが示された。
本発明のカルバペネム化合物はスタフィロコッカス・オウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミディス、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・ニューモニア、エンテロコッカス・フェカーリスなどのグラム陽性菌、大腸菌、プロテウス属菌、クレブシエラ・ニューモニア、ヘモフィルス・インフルエンザ、淋菌、ブランハメラ菌などのグラム陰性菌を包含する広範囲な病原菌に対し抗菌活性を有する。特に近年分離頻度の増加が見られ臨床上の大きな問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ−ラクタメース非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などペニシリン結合蛋白(PBP)変異にともない既存β−ラクタム剤に幅広く耐性を獲得したインフルエンザ菌に対して優れた抗菌活性を有することを見出した。
腎酵素であるデヒドロペプチダーゼ−I(DHP−I)は天然由来のカルバペネム化合物を容易に分解することが知られているが、カルバペネム類である本発明化合物はDHP−Iに対し安定なものもあり単剤での使用が可能であるが、もし必要である場合にはDHP−I阻害剤との併用も可能である。
本発明のカルバペネム化合物を細菌感染症を治療する抗菌剤として用いるための投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤等による経口投与、または例えば静脈内注射、筋肉内注射、直腸投与等による非経口投与等が挙げられる。
前記の適当な投与剤型は、許容される通常の担体、賦型剤、結合剤、安定剤などに活性化合物を配合することにより、従来公知の技術を使用して製造することができる。注射剤型で用いる場合には許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤などを添加することもできる。
投与量は症状、年齢、体重、投与形態、投与回数等によって異なるが、通常は成人に対し、一日100〜3000mgを一回または数回に分けて投与する。必要に応じて減量あるいは増量することができる。
本発明のカルバペネム化合物は種々の公知方法(Tetrahedron,39,2531−2549(1983)、Tetrahedron Letters,31,2853−2856(1990),ibid.34,3211−3214(1993)、ibid.36,4563−4566(1995)、特公平4−40357、WO 02/053566、WO 03/040146、WO 03/089431等)により製造することができる。例えば以下に示す方法が挙げられる。
一般式[1−a]で表される化合物は、例えば以下に示す製造例(1)に従って製造することができる。
製造例(1)
[式中、R1、R6およびR7は前記と同じ意味を表し、R8はカルボキシル基の保護基または生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を、R1aおよびR1bはそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基または保護された水酸基により置換された炭素数1〜3のアルキルを表す。Zは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。]
工程1:化合物4の製法
化合物2と化合物3を酸触媒の存在下、不活性溶媒中で反応させることにより得られる。酸触媒としては、例えば塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、四塩化スズ、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステル、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体等が挙げられる。
不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、モノクロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜+40℃の範囲が好適である。また、原料化合物3は公知方法(例えば、日本化学会編 新実験化学講座 第14巻 有機化合物の合成と反応[II](1977)(丸善株式会社)751頁〜875頁や同会編 第4版 実験化学講座 第21巻 有機合成[III]アルデヒド・ケトン・キノン(1991)(丸善株式会社)149頁〜353頁に記載の方法に準じて製造することができる。)で得られる各種アセトフェノン誘導体をエノールエーテル化することにより得られる。
工程2:化合物6の製法
化合物4と化合物5Aとを脱水条件下、不活性溶媒中で加熱することにより相当するヘミアセタール体を得る。不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。反応温度は+50℃〜+200℃の範囲で行われるが、+80℃〜+150℃の範囲が好適である。また、公知方法(例えば、Journal of Organic Chemistry,61,7889−7894(1996)に記載の方法)に従って化合物4と化合物5Bとを塩基の存在下、不活性溶媒中で反応して得られるイミド体を引き続いて還元することにより相当するヘミアセタール体を得ることもできる。塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。イミド化に用いられる不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン等が挙げられる。イミド化の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。還元剤としては亜鉛が好適であり、その際の溶媒としては酢酸と塩化メチレン、酢酸と1,2−ジクロロエタン、酢酸とモノクロロベンゼン等の混合溶媒が好適である。還元の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。
得られたヘミアセタール体を塩化チオニル、塩化オキザリル、オキシ塩化リン等の塩化剤を使用して化合物6を得る。クロル化反応はエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下で行う。反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜40℃の範囲が好適である。
工程3:化合物7の製法
化合物6をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下でトリフェニルホスフィンを使用して化合物7を得る。反応温度は0℃〜+100℃の範囲で行われるが、+10℃〜+70℃の範囲が好適である。
工程4:化合物8の製法
必要に応じてR1aにおける水酸基の保護基の除去と引き続いての再保護反応を行う。保護基の除去ならびに導入方法はそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程5:化合物9の製法
化合物8の閉環反応は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性溶媒中で、反応温度+80℃〜200℃の範囲で行ない化合物9を得る。
工程6:カルバペネム化合物1−a(R=水素原子)の製法
化合物9のR8におけるカルボキシル基の保護基を除去することにより、またR1bが水酸基の保護基を有している場合は、その水酸基の保護基を除去することにより、カルバペネム化合物1−a(R=水素原子)を得ることができる。保護基の除去方法は、酸、塩基、還元剤等で処理するそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程7:カルバペネム化合物1−a(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)の製法
常法に従って、カルバペネム化合物1−a(R=水素原子)に生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を導入することによって、カルバペネム化合物1−a(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を得ることができる。例えば、カルバペネム化合物1−a(Rが水素原子である)またはそのカルボン酸塩に対して、必要に応じてジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基あるいは塩化トリエチルベンジルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒の存在下に化合物10で表される各種ハライドを作用させてエステル化することにより、カルバペネム化合物1−a(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を得ることができる。反応溶媒は不活性なものであれば特に限定されないが、好適なものとしてジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホラミド、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン等を挙げることができる。カルボン酸塩としては、好適にはナトリウム塩あるいはカリウム塩等を挙げることができる。反応温度は−78℃〜+100℃の範囲で行われるが、−20℃〜+60℃の範囲が好適である。また工程2において、化合物5Aまたは5BとしてR8が生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基である原料を用い、その後各工程を経て、カルバペネム化合物1−a(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を直接製造することもできる。
以上の工程において反応終了後は通常の有機化学的手法により成績体を取り出すことができるが、水溶性の成績体については例えば反応混合物の液性を中性付近とした後、吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィーに付し、目的化合物の溶出する部分を分取し、凍結乾燥することにより反応成績体を得ることができる。
一般式[1−b]で表される化合物についても製造例(1)に従って製造することができる。
一般式[1−c]で表される化合物は、例えば以下に示す製造例(2)に従って製造することができる。
製造例(2)
[式中、R1、R1a、R1b、R6、R7、R8、Y1およびZは前記と同じ意味を表す。]
工程8:化合物12の製法
化合物2と化合物11を酸触媒の存在下、不活性溶媒中で反応させることにより得られる。酸触媒としては、例えば塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、四塩化スズ、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステル、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体等が挙げられる。不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、モノクロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜+40℃の範囲が好適である。また、原料化合物11は公知方法(例えば、日本化学会編 新実験化学講座 第14巻 有機化合物の合成と反応[II](1977)(丸善株式会社)751頁〜875頁や同会編 第4版 実験化学講座 第21巻 有機合成[III]アルデヒド・ケトン・キノン(1991)(丸善株式会社)149頁〜353頁に記載の方法に準じて製造することができる。)で得られる各種アセトフェノン誘導体をエノールエーテル化することにより得られる。
工程9:化合物13の製法
化合物12と化合物5Aとを脱水条件下、不活性溶媒中で加熱することにより相当するヘミアセタール体を得る。不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。反応温度は+50℃〜+200℃の範囲で行われるが、+80℃〜+150℃の範囲が好適である。また、公知方法(例えば、Journal of Organic Chemistry,61,7889−7894(1996)に記載の方法)に従って化合物12と化合物5Bとを塩基の存在下、不活性溶媒中で反応して得られるイミド体を引き続いて還元することにより相当するヘミアセタール体を得ることもできる。塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。イミド化に用いられる不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン等が挙げられる。イミド化の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。還元剤としては亜鉛が好適であり、その際の溶媒としては酢酸と塩化メチレン、酢酸と1,2−ジクロロエタン、酢酸とモノクロロベンゼン等の混合溶媒が好適である。還元の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。
得られたヘミアセタール体を塩化チオニル、塩化オキザリル、オキシ塩化リン等の塩化剤を使用して化合物13を得る。クロル化反応はエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下で行う。反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜40℃の範囲が好適である。
工程10:化合物14の製法
化合物13をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下でトリフェニルホスフィンを使用して化合物14を得る。反応温度は0℃〜+100℃の範囲で行われるが、+10℃〜+70℃の範囲が好適である。
工程11:化合物15の製法
必要に応じてR1aにおける水酸基の保護基の除去と引き続いての再保護反応を行う。保護基の除去ならびに導入方法はそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程12:化合物16の製法
化合物15の閉環反応は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性溶媒中で、反応温度+80℃〜200℃の範囲で行ない化合物16を得る。
工程13:カルバペネム化合物1−c(R=水素原子)の製法
化合物16のR8におけるカルボキシル基の保護基を除去することにより、またR1bが水酸基の保護基を有している場合は、その水酸基の保護基を除去することにより、カルバペネム化合物1−c(R=水素原子)を得ることができる。保護基の除去方法は、酸、塩基、還元剤等で処理するそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程14:カルバペネム化合物1−c(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)の製法
常法に従って、カルバペネム化合物1−c(R=水素原子)に生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を導入することによって、カルバペネム化合物1−c(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を得ることができる。例えば、カルバペネム化合物1−c(Rが水素原子である)またはそのカルボン酸塩に対して、必要に応じてジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基あるいは塩化トリエチルベンジルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒の存在下に化合物10で表される各種ハライドを作用させてエステル化することにより、カルバペネム化合物1−c(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を得ることができる。反応溶媒は不活性なものであれば特に限定されないが、好適なものとしてジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホラミド、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン等を挙げることができる。カルボン酸塩としては、好適にはナトリウム塩あるいはカリウム塩等を挙げることができる。反応温度は−78℃〜+100℃の範囲で行われるが、−20℃〜+60℃の範囲が好適である。また工程9において、化合物5Aまたは5BとしてR8が生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基である原料を用い、その後各工程を経て、カルバペネム化合物1−c(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を直接製造することもできる。
以上の工程において反応終了後は通常の有機化学的手法により成績体を取り出すことができるが、水溶性の成績体については例えば反応混合物の液性を中性付近とした後、吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィーに付し、目的化合物の溶出する部分を分取し、凍結乾燥することにより反応成績体を得ることができる。
一般式[1−d]で表される化合物は、例えば以下に示す製造例(3)に従って製造することができる。
製造例(3)
[式中、R0、R1、R1a、R1b、R6、R7、R8、A、Y2およびZは前記と同じ意味を表し、R0aおよびR0bはそれぞれ水酸基あるいはアミノ基の保護基または式[2]:
(式中、R2aおよびR3aは前記と同じ意味を表す。)を表すほか、
下記式[3]:
(式中、mおよびR3bは前記と同じ意味を表す)を表すこともできる。]
工程15:化合物18の製法
化合物2と化合物17を酸触媒の存在下、不活性溶媒中で反応させることにより得られる。酸触媒としては、例えば塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、四塩化スズ、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステル、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体等が挙げられる。不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、モノクロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜+40℃の範囲が好適である。また、原料化合物17は公知方法(例えば、日本化学会編 新実験化学講座 第14巻 有機化合物の合成と反応[II](1977)(丸善株式会社)751頁〜875頁や同会編 第4版 実験化学講座 第21巻 有機合成[III]アルデヒド・ケトン・キノン(1991)(丸善株式会社)149頁〜353頁に記載の方法に準じて製造することができる。)で得られる各種アセトフェノン誘導体をエノールエーテル化することにより得られる。
工程16:化合物19の製法
化合物18と化合物5Aとを脱水条件下、不活性溶媒中で加熱することにより相当するヘミアセタール体を得る。不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。反応温度は+50℃〜+200℃の範囲で行われるが、+80℃〜+150℃の範囲が好適である。また、公知方法(例えば、Journal of Organic Chemistry,61,7889−7894(1996)に記載の方法)に従って化合物18と化合物5Bとを塩基の存在下、不活性溶媒中で反応して得られるイミド体を引き続いて還元することにより相当するヘミアセタール体を得ることもできる。塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。イミド化に用いられる不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン等が挙げられる。イミド化の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。還元剤としては亜鉛が好適であり、その際の溶媒としては酢酸と塩化メチレン、酢酸と1,2−ジクロロエタン、酢酸とモノクロロベンゼン等の混合溶媒が好適である。還元の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。
得られたヘミアセタール体を塩化チオニル、塩化オキザリル、オキシ塩化リン等の塩化剤を使用して化合物19を得る。クロル化反応はエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下で行う。反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜40℃の範囲が好適である。
工程17:化合物20の製法
化合物19をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下でトリフェニルホスフィンを使用して化合物20を得る。反応温度は0℃〜+100℃の範囲で行われるが、+10℃〜+70℃の範囲が好適である。
工程18:化合物21の製法
必要に応じてR1aにおける水酸基の保護基ならびにR0aにおける保護基の除去と引き続いての再保護反応を行う。保護基の除去ならびに導入方法はそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程19:化合物22の製法
化合物21の閉環反応は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性溶媒中で、反応温度+80℃〜200℃の範囲で行ない化合物22を得る。
工程20:化合物23の製法
化合物22のR0bにおける保護基を除去し、引き続いて必要に応じて公知の化学反応(アシル化、カルバメート化、ウレア化など)を行うことにより化合物23を得る。保護基の除去方法はそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程21:カルバペネム化合物1−d(R=水素原子)の製法
化合物23のR8におけるカルボキシル基の保護基を除去することにより、またR1bが水酸基の保護基を有している場合は、その水酸基の保護基を除去することにより、カルバペネム化合物1−d(R=水素原子)を得ることができる。保護基の除去方法は、酸、塩基、還元剤等で処理するそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。また、R0bが水酸基あるいはアミノ基の保護基であった場合には引き続いて必要に応じて公知の化学反応(アシル化、カルバメート化、ウレア化など)を行うこともできる。
工程22:カルバペネム化合物1−d(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)の製法
常法に従って、カルバペネム化合物1−d(R=水素原子)に生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を導入することによって、カルバペネム化合物1−d(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を得ることができる。例えば、カルバペネム化合物1−d(Rが水素原子である)またはそのカルボン酸塩に対して、必要に応じてジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基あるいは塩化トリエチルベンジルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒の存在下に化合物10で表される各種ハライドを作用させてエステル化することにより、カルバペネム化合物1−d(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を得ることができる。反応溶媒は不活性なものであれば特に限定されないが、好適なものとしてジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホラミド、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン等を挙げることができる。カルボン酸塩としては、好適にはナトリウム塩あるいはカリウム塩等を挙げることができる。反応温度は−78℃〜+100℃の範囲で行われるが、−20℃〜+60℃の範囲が好適である。また、R0bが水酸基あるいはアミノ基の保護基であった場合には引き続いて必要に応じて公知の化学反応(アシル化、カルバメート化、ウレア化など)を行うこともできる。また工程16において、化合物5Aまたは5BとしてR8が生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基である原料を用い、その後各工程を経て、カルバペネム化合物1−d(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を直接製造することもできる。
以上の工程において反応終了後は通常の有機化学的手法により成績体を取り出すことができるが、水溶性の成績体については例えば反応混合物の液性を中性付近とした後、吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィーに付し、目的化合物の溶出する部分を分取し、凍結乾燥することにより反応成績体を得ることができる。
本発明のカルバペネム化合物の製造法は、これらの製造例(1)〜製造例(3)によって何ら限定されるものではない。
本発明のカルバペネム化合物には、式[5]:
に示されるように、母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの5位、6位の不斉炭素に基づく光学異性体が存在する。これらの異性体は便宜上すべて単一の式で示されているが、本発明には各不斉炭素原子に基づくすべての異性体および異性体混合物が含まれる。しかし、好適なものとして、5位の炭素原子がR配位である化合物((5R,6R)または(5R,6S))を挙げることができ、さらに好適なものとしては、式[5a]:
で示される(5R,6S)配位の化合物が挙げられる。
さらに、R1が1−ヒドロキシエチルの場合、式[5b]:
に示されるように8位においてもR配位のものとS配位の異性体があり、好適なものとしてR配位を挙げることができる。
最も好適なものとしては、式[5c]:
に示されるように(5R,6S,8R)配位を示す化合物が挙げられる。
3位側鎖のベンゼン環の置換位置に関しては、いずれの位置で置換された異性体であってもよいが、好適なものとしてはメタ位およびパラ位置換体を挙げることができる。
本発明のカルバペネム化合物の具体例として、例えば表1〜表20の例示化合物1〜176に示した化合物を挙げることができる。
これら例示した化合物においては前述したように立体異性体が存在、またそれ以外にも不斉炭素原子に基づく立体異性体が存在するが、例示化合物はすべての異性体を含むものである。
R1における「水酸基により置換されたC1−C3アルキル」としては例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル等の炭素数1〜3のものが挙げられる。好適なものとしては1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチルあるいは1−ヒドロキシ−1−メチルエチルが挙げられる。特に好適なものとしては1−ヒドロキシエチルが挙げられる。
Y1における「C1−C4アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチルが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
Y1における「C2−C4アルコキシ」としては、例えばエトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシが挙げられる。好適なものとしては例えばエトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシが挙げられる。特に好適なものとしてはエトキシが挙げられる。
Y1における「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好適なものとしては、フッ素原子、塩素原子が挙げられる。特に好適なものとしては、フッ素原子が挙げられる。
Y1が−SO2NR2R3(式中、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいもしくは、環内にヘテロ原子を含んでいてもよいアリール、置換されていてもよいもしくは、環内にヘテロ原子を含んでいてもよいアラルキルを表すか、または、R2およびR3が一緒になって窒素原子と共に置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を形成することもできる)である場合の「低級アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチルが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としては例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。特に好適なものとしてはフェニルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」としては例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリル、イソキナゾリル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環が挙げられる。好適なものとしてはピリジル、ピリミジル、ピリダジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルあるいはトリアゾリルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリルあるいはチアゾリルが挙げられる。
「置換されていてもよいアラルキル」の「アラルキル」としては例えば、ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチルが挙げられ、好ましくはベンジル、フェニルエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」の「ヘテロアリールアルキル」としては例えば、ピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、トリアゾリルメチル、インドリルメチル、ベンゾチアゾリルメチル、キナゾリルメチル、イソキナゾリルメチル、ピリジルエチル、ピリミジルエチル、ピリダジルエチル、ピラジルエチル、ピリジルプロピル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環と炭素数1〜3のアルキレン鎖との組み合わせから成るものが挙げられる。好適なものとしてはピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチルあるいはトリアゾリルメチルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチルあるいはチアゾリルメチルが挙げられる。
R2およびR3が一緒になって窒素原子と共に形成する「3ないし7員のヘテロ環」としては、例えばアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ジヒドロピロール、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、テトラヒドロアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ヘキサヒドロジアゼピン等の1または2個の窒素原子、0または1個の硫黄原子および0または1個の酸素原子を有する飽和または不飽和の3ないし7員のヘテロ環が挙げられる。好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリンあるいはチオモルホリンが挙げられる。特に好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、チアゾリン、チアゾリジンあるいはモルホリンが挙げられる。
R2およびR3における置換基としては、例えば水酸基、C1−C6アルキルオキシ、C1−C6アルキルチオ、C2−C7アルキルカルボニル、C2−C7アルキルカルボニルオキシ、C2−C7アルキルオキシカルボニル、C3−C7シクロアルキル、カルボキシル、ハロゲン原子、シアノ、一級アミノ、二級アミノもしくは三級アミノ等が挙げられる。これらの置換基は適当な保護基により保護されていてもよい。置換位置は化学的に可能な位置であれば制限はなく、一箇所あるいは複数箇所の置換が可能である。
「C1−C6アルキルオキシ」としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好適なものとしてはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメトキシあるいはエトキシが挙げられる。
「C1−C6アルキルチオ」としては、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好適なものとしてはメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルチオあるいはエチルチオが挙げられる。
「C2−C7アルキルカルボニル」としては、例えばアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニルが挙げられる。好適なものとしてはアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数2〜4のものが挙げられる。特に好適なものとしてはアセチルあるいはプロピオニルが挙げられる。
「C2−C7アルキルカルボニルオキシ」としては、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニルオキシが挙げられる。好適なものとしてはアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数2〜4のものが挙げられる。特に好適なものとしてはアセチルオキシあるいはプロピオニルオキシが挙げられる。
「C2−C7アルキルオキシカルボニル」としては、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルオキシカルボニルが挙げられる。好適なものとしてはメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数2〜4のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメトキシカルボニルあるいはエトキシカルボニルが挙げられる。
「C3−C7シクロアルキル」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の炭素数3〜7のものが挙げられる。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好適なものとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
R2およびR3において好適なものとしては水素原子、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよい、もしくは環内にヘテロ原子を含んでいてもよいアリール、置換されていてもよい、もしくは環内にヘテロ原子を含んでいてもよいアラルキルが挙げられる。特に好適なものとしては水素原子、置換されていてもよいメチル、置換されていてもよいエチル、環内にヘテロ原子を含んでいてもよいアリール、環内にヘテロ原子を含んでいてもよいアラルキルが挙げられる。
Y1におけるmaは1〜3を表すが、好ましくは1、2を表す。Y1におけるmbは0〜3を表すが、好ましくは0、1を表す。
Y2における「C1−C4アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチルが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
Y2における「C1−C4アルコキシ」としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシが挙げられる。好適なものとしては例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシが挙げられる。特に好適なものとしてはメトキシ、エトキシが挙げられる。
Y2における「ハロゲン原子」としては例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好適なものとしては、フッ素原子、塩素原子が挙げられる。さらに、Y2が−NR4R5を表す場合のR4とR5における定義は以下のとおりである。アミノ基の保護基としては、通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えば、tert−ブトキシカルボニル等のC2−C7アルコキシカルボニル、例えば2−ヨウ化エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル等の炭素数1〜5のハロゲノアルコキシカルボニル、例えばアリルオキシカルボニル等の置換または無置換のC2−C7アルケニルオキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル等のアラルキルオキシカルボニル、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル等が挙げられる。さらに生体内で加水分解されてアミノ基を再生する各種保護基を用いることも可能であって、好適には例えば、(5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン−4−イル)メトキシカルボニル等が挙げられる。
「置換されていてもよいC1−C6アルキル」の「C1−C6アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル」の「C3−C7シクロアルキル」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の炭素数3〜7のものが挙げられる。
「C2−C7アルキルカルボニル」としては、例えばアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のものが挙げられる。好適なものとしてはアセチルあるいはプロピオニルが挙げられる。
「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としてはとしては例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。特に好適なものとしてはフェニルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」としては例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリル、イソキナゾリル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環が挙げられる。好適なものとしてはピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルあるいはトリアゾリルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリルあるいはチアゾリルが挙げられる。
「置換されていてもよいアラルキル」の「アラルキル」としては例えば、ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチルが挙げられ、好ましくはベンジル、フェニルエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」の「ヘテロアリールアルキル」としては例えば、ピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、トリアゾリルメチル、インドリルメチル、ベンゾチアゾリルメチル、キナゾリルメチル、イソキナゾリルメチル、ピリジルエチル、ピリミジルエチル、ピリダジルエチル、ピラジルエチル、ピリジルプロピル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環と炭素数1〜3のアルキレン鎖との組み合わせから成るものが挙げられる。好適なものとしてはピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチルあるいはトリアゾリルメチルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチルあるいはチアゾリルメチルが挙げられる。
R4とR5における「3ないし7員のヘテロ環」としては、例えばアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ジヒドロピロール、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、テトラヒドロアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ヘキサヒドロジアゼピン等の1または2個の窒素原子、0または1個の硫黄原子および0または1個の酸素原子を有する飽和または不飽和の3ないし7員のヘテロ環が挙げられる。好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリンあるいはチオモルホリンが挙げられる。特に好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、チアゾリン、チアゾリジンあるいはモルホリンが挙げられる。
また、R4とR5における「置換されていてもよいC1−C6アルキル」、「置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル」、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、「置換されていてもよいアラルキル」、「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」及び「置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環」の置換基としては、例えば水酸基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルコキシ、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルキルチオ、例えばアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニル、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニルオキシ、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルコキシカルボニル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3−C7シクロアルキル、保護されていてもよいカルボキシル、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、シアノ、−NRbRc、−CONRbRc、−OCONRbRc、−CONRbSO2Rc、−SO2NRbRc、−NRbSO2NRbRc、−NRbCONRbRc(RbおよびRcはそれぞれ独立して(i)水素原子、(ii)アミノ基の保護基、(iii)C1−C6アルキル、(iv)C3−C7シクロアルキル、(v)アリール、(vi)ヘテロアリール、(vii)アラルキル、(viii)ヘテロアリールアルキル、もしくは(ix)3ないし7員のヘテロ環を表すか、または、RbとRcは窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはアゼパンを形成してもよい、RbおよびRcにおける、「C1−C6アルキル」、「C3−C7シクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「アラルキル」、「ヘテロアリールアルキル」、および「3ないし7員のヘテロ環」の定義は、R4およびR5におけるそれぞれの定義と同様である)等が挙げられる。これらの置換基は適当な保護基により保護されていてもよい。置換位置は化学的に可能な位置であれば制限はなく、一箇所あるいは複数箇所の置換が可能である。
R0が式[2]を表す場合のR2aとR3aにおける定義は以下のとおりである。
「置換されていてもよいC1−C6アルキル」の「C1−C6アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル」の「C3−C7シクロアルキル」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の炭素数3〜7のものが挙げられる。
「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としてはとしては例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。特に好適なものとしてはフェニルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」としてはとしては例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリル、イソキナゾリル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環が挙げられる。好適なものとしてはピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルあるいはトリアゾリルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリルあるいはチアゾリルが挙げられる。
「置換されていてもよいアラルキル」の「アラルキル」としては例えば、ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチルが挙げられ、好ましくはベンジル、フェニルエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」の「ヘテロアリールアルキル」としては例えば、ピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、トリアゾリルメチル、インドリルメチル、ベンゾチアゾリルメチル、キナゾリルメチル、イソキナゾリルメチル、ピリジルエチル、ピリミジルエチル、ピリダジルエチル、ピラジルエチル、ピリジルプロピル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環と炭素数1〜3のアルキレン鎖との組み合わせから成るものが挙げられる。好適なものとしてはピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチルあるいはトリアゾリルメチルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチルあるいはチアゾリルメチルが挙げられる。
R2aとR3aにおける「置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環」の「3ないし7員のヘテロ環」としては、例えばアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ジヒドロピロール、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、テトラヒドロアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ヘキサヒドロジアゼピン等の1または2個の窒素原子、0または1個の硫黄原子および0または1個の酸素原子を有する飽和または不飽和の3ないし7員のヘテロ環が挙げられる。好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリンあるいはチオモルホリンが挙げられる。特に好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、チアゾリン、チアゾリジンあるいはモルホリンが挙げられる。
また、R2aとR3aにおける「置換されていてもよいC1−C6アルキル」、「置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル」、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、「置換されていてもよいアラルキル」、「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」および「置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環」の置換基としては、例えば水酸基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルコキシ、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルキルチオ、例えばアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニル、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニルオキシ、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルコキシカルボニル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3−C7シクロアルキル、保護されていてもよいカルボキシル、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、シアノ、−NRdRe、−CONRdRe、−OCONRdRe、−CONRdSO2Re、−SO2NRdRe、−NRdSO2NRdRe、−NRdCONRdRe(RdおよびReはそれぞれ独立して(i)水素原子、(ii)アミノ基の保護基、(iii)C1−C6アルキル、(iv)C3−C7シクロアルキル、(v)アリール、(vi)ヘテロアリール、(vii)アラルキル、(viii)ヘテロアリールアルキル、もしくは(ix)3ないし7員のヘテロ環を表すか、または、RdとReは窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはアゼパンを形成してもよいRdおよびReにおける、「C1−C6アルキル」、「C3−C7シクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「アラルキル」、「ヘテロアリールアルキル」、および「3ないし7員のヘテロ環」の定義は、R2aとR3aにおけるそれぞれの定義と同様である)等が挙げられる。これらの置換基は適当な保護基により保護されていてもよい。置換位置は化学的に可能な位置であれば制限はなく、一箇所あるいは複数箇所の置換が可能である。
R0が式[3]を表す場合のR3bにおける定義は以下のとおりである。
「置換されていてもよいC1−C6アルキル」の「C1−C6アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル」の「C3−C7シクロアルキル」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等の炭素数3〜7のものが挙げられる。
「置換されていてもよいアリール」の「アリール」としてはとしては例えば、フェニル、ナフチルが挙げられる。特に好適なものとしてはフェニルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリール」の「ヘテロアリール」としてはとしては例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、インドリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリル、イソキナゾリル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環が挙げられる。好適なものとしてはピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルあるいはトリアゾリルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジル、ピラジル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリルあるいはチアゾリルが挙げられる。
「置換されていてもよいアラルキル」の「アラルキル」としては例えば、ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチルが挙げられ、好ましくはベンジル、フェニルエチルが挙げられる。
「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」の「ヘテロアリールアルキル」としては例えば、ピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、トリアゾリルメチル、インドリルメチル、ベンゾチアゾリルメチル、キナゾリルメチル、イソキナゾリルメチル、ピリジルエチル、ピリミジルエチル、ピリダジルエチル、ピラジルエチル、ピリジルプロピル等の窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれる1〜3個のヘテロ原子を含む5ないし10員の単環式もしくは縮合多環式芳香環と炭素数1〜3のアルキレン鎖との組み合わせから成るものが挙げられる。好適なものとしてはピリジルメチル、ピリミジルメチル、ピリダジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチルあるいはトリアゾリルメチルが挙げられる。特に好適なものとしてはピリジルメチル、ピラジルメチル、チエニルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチルあるいはチアゾリルメチルが挙げられる。
「置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環」の「3ないし7員のヘテロ環」としては、例えばアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ジヒドロピロール、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパン、テトラヒドロアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ヘキサヒドロジアゼピン等の1または2個の窒素原子、0または1個の硫黄原子および0または1個の酸素原子を有する飽和または不飽和の3ないし7員のヘテロ環が挙げられる。好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、ピペラジン、チアゾリン、チアゾリジン、モルホリンあるいはチオモルホリンが挙げられる。特に好適なものとしてはアゼチジン、ピロリジン、テトラヒドロピリジン、チアゾリン、チアゾリジンあるいはモルホリンが挙げられる。R3bにおける「置換されていてもよいC1−C6アルキル」、「置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル」、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、「置換されていてもよいアラルキル」、「置換されていてもよいヘテロアリールアルキル」および「置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環」の置換基としては、例えば水酸基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルコキシ、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルキルチオ、例えばアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニル、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニルオキシ、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルコキシカルボニル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3−C7シクロアルキル、保護されていてもよいカルボキシル、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、シアノ、−NRdRe、−CONRdRe、−OCONRdRe、−CONRdSO2Re、−SO2NRdRe、−NRdSO2NRdRe、−NRdCONRdRe(RdおよびReは前記と同じ意味を表す)等が挙げられる。これらの置換基は適当な保護基により保護されていてもよい。置換位置は化学的に可能な位置であれば制限はなく、一箇所あるいは複数箇所の置換が可能である。R3bがm=1の場合に限って表すことのできる「生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基」としては、生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する限りいかなるものも含み、プロドラッグと総称される化合物群に誘導する際に使用される基が挙げられる。好ましい基としては、メチル、エチル等のC1−C6アルキル、およびメトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシエチル、2−メトキシエトキシメチル等のC2−C1 2アルコキシアルキル、フタリジル、2−(4−モルホリニル)エチルさらに(2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−t−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、ピバロイルオキシメチル、アセチルオキシメチル、アセチルオキシ−1−エチル、シクロヘキシルアセチルオキシメチル、1−メチルシクロヘキシルカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシ−1−エチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エチル等を挙げることができ、特に好適なものとしては、フタリジル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルおよびピバロイルオキシメチル等を挙げることができる。
Aが−(CH2)s−NRa−(CH2)t−(式中、sおよびtは前記と同じ意味を表し、Raは水素原子、アミノ基の保護基または置換されていてもよいC1−C6アルキルを表す)である場合のRaにおけるアミノ基の保護基としては、通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えば、tert−ブトキシカルボニル等のC2−C7アルコキシカルボニル、例えば2−ヨウ化エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル等の炭素数1〜5のハロゲノアルコキシカルボニル、例えばアリルオキシカルボニル等の置換または無置換のC2−C7アルケニルオキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル等のアラルキルオキシカルボニル、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル等が挙げられる。さらに生体内で加水分解されてアミノ基を再生する各種保護基を用いることも可能であって、好適には例えば、(5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン−4−イル)メトキシカルボニル等が挙げられる。
「C1−C6アルキル」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好適なものとしては例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜3のものが挙げられる。特に好適なものとしてはメチルあるいはエチルが挙げられる。
Raにおける「置換されていてもよいC1−C6アルキル」の置換基としては、例えば水酸基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルコキシ、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルキルチオ、例えばアセチル、プロピオニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニル、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルキルカルボニルオキシ、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル等の直鎖状または分枝鎖状のC2−C7アルコキシカルボニル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等のC3−C7シクロアルキル、保護されていてもよいカルボキシル、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、シアノ、−NRdRe、−CONRdRe、−OCONRdRe、−CONRdSO2Re、−SO2NRdRe、−NRdSO2NRdRe、−NRdCONRdRe(RdおよびReは前記と同じ意味を表す)等が挙げられる。
Aにおけるrは1〜3を表すが、好ましくは1、2を表す。
Aにおけるsは0〜3を表すが、好ましくは0、1、2を表す。
Aにおけるtは0〜3を表すが、好ましくは0、1、2を表す。
Rにおける「生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基」としては、生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する限りいかなるものも含み、プロドラッグと総称される化合物群に誘導する際に使用される基が挙げられる。好ましい基としては、式[4]:
[式中、R6、R7およびnは前記と同義である。」で表される基が挙げられる。R6における「C1−C6アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。好ましくは、メチルが上げられる。R7における「C1−C10アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル等の直鎖または分枝鎖状の炭素数1〜10のものが挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルが挙げられる。R7における「C3−C10シクロアルキル」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等が挙げられる。好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。R7における「置換されてもよいC1−C10アルキル」、「置換されてもよいC3−C10シクロアルキル」の置換基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖または分枝鎖状の炭素数1〜6のアルキルが挙げられる。好ましくは、メチル、エチルが上げられる。好適なものとしては、式[4]としてピバロイルオキシメチル、アセチルオキシメチル、アセチルオキシ−1−エチル、シクロヘキシルアセチルオキシメチル、1−メチルシクロヘキシルカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシ−1−エチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エチル等が挙げられ、特に好適なものとしては、ピバロイルオキシメチルが挙げられる。また、Rにおける「生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基」の他の例として、メチル、エチル等のC1−C6アルキル、およびメトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシエチル、2−メトキシエトキシメチル等のC2−C12アルコキシアルキル、フタリジル、2−(4−モルホリニル)エチルさらに(2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−t−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル等を挙げることができ、特に好適なものとしては、フタリジルおよび(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル等を挙げることができる。
カルボキシルの保護基としては通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル等の直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルキル、例えば2−ヨウ化エチル、2,2,2−トリクロロエチル等のC1−C6ハロゲノアルキル、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、イソブトキシメチル等のC2−C7アルコキシメチル、例えばアセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル,ピバロイルオキシメチル等のC2−C7アルキルカルボニルオキシメチル、例えば1−エトキシカルボニルオキシエチル等のC4−C111−アルコキシカルボニルオキシエチル、例えばベンジル、p−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル等のアラルキル基、例えばアリル、3−メチルアリル等のC3−C7アルケニル、ベンズヒドリル、フタリジル、(2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−t−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル、(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル等が挙げられる。
水酸基の保護基もしくはアミノ基の保護基としては、通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えば、tert−ブトキシカルボニル等のC2−C7アルコキシカルボニル、例えば2−ヨウ化エトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル等の炭素数1〜5のハロゲノアルコキシカルボニル、例えばアリルオキシカルボニル等の置換または無置換のC2−C7アルケニルオキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル等のアラルキルオキシカルボニル、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル等が挙げられる。さらに生体内で加水分解されて水酸基および/またはアミノ基を再生する各種保護基を用いることも可能であって、好適には例えば、(5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン−4−イル)メトキシカルボニル等が挙げられる。
本発明のカルバペネム化合物の医薬品として許容される塩は、例えば常用の無毒性塩が挙げられる。その塩としては、例えば分子内に存在するカルボキシル基における塩として例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム等の無機性塩基塩、例えばトリエチルアンモニウム、ピリジニウム、ジイソプロピルアンモニウム等の有機性塩基塩が挙げられ、また、分子内に存在する塩基性基における塩として例えば塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸塩、例えばギ酸、酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸塩等が挙げられる。
本発明のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩は、それらの無水物、水和物または溶媒和物であってもよい。
本発明の第2の態様は、本発明のカルバペネム化合物を有効成分とする医薬に関する。
本発明のカルバペネム化合物は、高い抗菌活性と共に優れた経口吸収性を示し、さらには優れたDHP−1に対する安定性を示すことから、臨床上優れた抗菌剤、特に経口投与抗菌剤となり得ることが示された。
本発明のカルバペネム化合物はスタフィロコッカス・オウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミディス、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・ニューモニア、エンテロコッカス・フェカーリスなどのグラム陽性菌、大腸菌、プロテウス属菌、クレブシエラ・ニューモニア、ヘモフィルス・インフルエンザ、淋菌、ブランハメラ菌などのグラム陰性菌を包含する広範囲な病原菌に対し抗菌活性を有する。特に近年分離頻度の増加が見られ臨床上の大きな問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ−ラクタメース非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などペニシリン結合蛋白(PBP)変異にともない既存β−ラクタム剤に幅広く耐性を獲得したインフルエンザ菌に対して優れた抗菌活性を有することを見出した。
腎酵素であるデヒドロペプチダーゼ−I(DHP−I)は天然由来のカルバペネム化合物を容易に分解することが知られているが、カルバペネム類である本発明化合物はDHP−Iに対し安定なものもあり単剤での使用が可能であるが、もし必要である場合にはDHP−I阻害剤との併用も可能である。
本発明のカルバペネム化合物を細菌感染症を治療する抗菌剤として用いるための投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤等による経口投与、または例えば静脈内注射、筋肉内注射、直腸投与等による非経口投与等が挙げられる。
前記の適当な投与剤型は、許容される通常の担体、賦型剤、結合剤、安定剤などに活性化合物を配合することにより、従来公知の技術を使用して製造することができる。注射剤型で用いる場合には許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤などを添加することもできる。
投与量は症状、年齢、体重、投与形態、投与回数等によって異なるが、通常は成人に対し、一日100〜3000mgを一回または数回に分けて投与する。必要に応じて減量あるいは増量することができる。
本発明のカルバペネム化合物は種々の公知方法(Tetrahedron,39,2531−2549(1983)、Tetrahedron Letters,31,2853−2856(1990),ibid.34,3211−3214(1993)、ibid.36,4563−4566(1995)、特公平4−40357、WO 02/053566、WO 03/040146、WO 03/089431等)により製造することができる。例えば以下に示す方法が挙げられる。
一般式[1−a]で表される化合物は、例えば以下に示す製造例(1)に従って製造することができる。
製造例(1)
[式中、R1、R6およびR7は前記と同じ意味を表し、R8はカルボキシル基の保護基または生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を、R1aおよびR1bはそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基または保護された水酸基により置換された炭素数1〜3のアルキルを表す。Zは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。]
工程1:化合物4の製法
化合物2と化合物3を酸触媒の存在下、不活性溶媒中で反応させることにより得られる。酸触媒としては、例えば塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、四塩化スズ、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステル、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体等が挙げられる。
不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、モノクロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜+40℃の範囲が好適である。また、原料化合物3は公知方法(例えば、日本化学会編 新実験化学講座 第14巻 有機化合物の合成と反応[II](1977)(丸善株式会社)751頁〜875頁や同会編 第4版 実験化学講座 第21巻 有機合成[III]アルデヒド・ケトン・キノン(1991)(丸善株式会社)149頁〜353頁に記載の方法に準じて製造することができる。)で得られる各種アセトフェノン誘導体をエノールエーテル化することにより得られる。
工程2:化合物6の製法
化合物4と化合物5Aとを脱水条件下、不活性溶媒中で加熱することにより相当するヘミアセタール体を得る。不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。反応温度は+50℃〜+200℃の範囲で行われるが、+80℃〜+150℃の範囲が好適である。また、公知方法(例えば、Journal of Organic Chemistry,61,7889−7894(1996)に記載の方法)に従って化合物4と化合物5Bとを塩基の存在下、不活性溶媒中で反応して得られるイミド体を引き続いて還元することにより相当するヘミアセタール体を得ることもできる。塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。イミド化に用いられる不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン等が挙げられる。イミド化の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。還元剤としては亜鉛が好適であり、その際の溶媒としては酢酸と塩化メチレン、酢酸と1,2−ジクロロエタン、酢酸とモノクロロベンゼン等の混合溶媒が好適である。還元の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。
得られたヘミアセタール体を塩化チオニル、塩化オキザリル、オキシ塩化リン等の塩化剤を使用して化合物6を得る。クロル化反応はエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下で行う。反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜40℃の範囲が好適である。
工程3:化合物7の製法
化合物6をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下でトリフェニルホスフィンを使用して化合物7を得る。反応温度は0℃〜+100℃の範囲で行われるが、+10℃〜+70℃の範囲が好適である。
工程4:化合物8の製法
必要に応じてR1aにおける水酸基の保護基の除去と引き続いての再保護反応を行う。保護基の除去ならびに導入方法はそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程5:化合物9の製法
化合物8の閉環反応は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性溶媒中で、反応温度+80℃〜200℃の範囲で行ない化合物9を得る。
工程6:カルバペネム化合物1−a(R=水素原子)の製法
化合物9のR8におけるカルボキシル基の保護基を除去することにより、またR1bが水酸基の保護基を有している場合は、その水酸基の保護基を除去することにより、カルバペネム化合物1−a(R=水素原子)を得ることができる。保護基の除去方法は、酸、塩基、還元剤等で処理するそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程7:カルバペネム化合物1−a(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)の製法
常法に従って、カルバペネム化合物1−a(R=水素原子)に生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を導入することによって、カルバペネム化合物1−a(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を得ることができる。例えば、カルバペネム化合物1−a(Rが水素原子である)またはそのカルボン酸塩に対して、必要に応じてジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基あるいは塩化トリエチルベンジルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒の存在下に化合物10で表される各種ハライドを作用させてエステル化することにより、カルバペネム化合物1−a(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を得ることができる。反応溶媒は不活性なものであれば特に限定されないが、好適なものとしてジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホラミド、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン等を挙げることができる。カルボン酸塩としては、好適にはナトリウム塩あるいはカリウム塩等を挙げることができる。反応温度は−78℃〜+100℃の範囲で行われるが、−20℃〜+60℃の範囲が好適である。また工程2において、化合物5Aまたは5BとしてR8が生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基である原料を用い、その後各工程を経て、カルバペネム化合物1−a(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を直接製造することもできる。
以上の工程において反応終了後は通常の有機化学的手法により成績体を取り出すことができるが、水溶性の成績体については例えば反応混合物の液性を中性付近とした後、吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィーに付し、目的化合物の溶出する部分を分取し、凍結乾燥することにより反応成績体を得ることができる。
一般式[1−b]で表される化合物についても製造例(1)に従って製造することができる。
一般式[1−c]で表される化合物は、例えば以下に示す製造例(2)に従って製造することができる。
製造例(2)
[式中、R1、R1a、R1b、R6、R7、R8、Y1およびZは前記と同じ意味を表す。]
工程8:化合物12の製法
化合物2と化合物11を酸触媒の存在下、不活性溶媒中で反応させることにより得られる。酸触媒としては、例えば塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、四塩化スズ、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステル、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体等が挙げられる。不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、モノクロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜+40℃の範囲が好適である。また、原料化合物11は公知方法(例えば、日本化学会編 新実験化学講座 第14巻 有機化合物の合成と反応[II](1977)(丸善株式会社)751頁〜875頁や同会編 第4版 実験化学講座 第21巻 有機合成[III]アルデヒド・ケトン・キノン(1991)(丸善株式会社)149頁〜353頁に記載の方法に準じて製造することができる。)で得られる各種アセトフェノン誘導体をエノールエーテル化することにより得られる。
工程9:化合物13の製法
化合物12と化合物5Aとを脱水条件下、不活性溶媒中で加熱することにより相当するヘミアセタール体を得る。不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。反応温度は+50℃〜+200℃の範囲で行われるが、+80℃〜+150℃の範囲が好適である。また、公知方法(例えば、Journal of Organic Chemistry,61,7889−7894(1996)に記載の方法)に従って化合物12と化合物5Bとを塩基の存在下、不活性溶媒中で反応して得られるイミド体を引き続いて還元することにより相当するヘミアセタール体を得ることもできる。塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。イミド化に用いられる不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン等が挙げられる。イミド化の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。還元剤としては亜鉛が好適であり、その際の溶媒としては酢酸と塩化メチレン、酢酸と1,2−ジクロロエタン、酢酸とモノクロロベンゼン等の混合溶媒が好適である。還元の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。
得られたヘミアセタール体を塩化チオニル、塩化オキザリル、オキシ塩化リン等の塩化剤を使用して化合物13を得る。クロル化反応はエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下で行う。反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜40℃の範囲が好適である。
工程10:化合物14の製法
化合物13をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下でトリフェニルホスフィンを使用して化合物14を得る。反応温度は0℃〜+100℃の範囲で行われるが、+10℃〜+70℃の範囲が好適である。
工程11:化合物15の製法
必要に応じてR1aにおける水酸基の保護基の除去と引き続いての再保護反応を行う。保護基の除去ならびに導入方法はそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程12:化合物16の製法
化合物15の閉環反応は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性溶媒中で、反応温度+80℃〜200℃の範囲で行ない化合物16を得る。
工程13:カルバペネム化合物1−c(R=水素原子)の製法
化合物16のR8におけるカルボキシル基の保護基を除去することにより、またR1bが水酸基の保護基を有している場合は、その水酸基の保護基を除去することにより、カルバペネム化合物1−c(R=水素原子)を得ることができる。保護基の除去方法は、酸、塩基、還元剤等で処理するそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程14:カルバペネム化合物1−c(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)の製法
常法に従って、カルバペネム化合物1−c(R=水素原子)に生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を導入することによって、カルバペネム化合物1−c(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を得ることができる。例えば、カルバペネム化合物1−c(Rが水素原子である)またはそのカルボン酸塩に対して、必要に応じてジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基あるいは塩化トリエチルベンジルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒の存在下に化合物10で表される各種ハライドを作用させてエステル化することにより、カルバペネム化合物1−c(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を得ることができる。反応溶媒は不活性なものであれば特に限定されないが、好適なものとしてジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホラミド、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン等を挙げることができる。カルボン酸塩としては、好適にはナトリウム塩あるいはカリウム塩等を挙げることができる。反応温度は−78℃〜+100℃の範囲で行われるが、−20℃〜+60℃の範囲が好適である。また工程9において、化合物5Aまたは5BとしてR8が生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基である原料を用い、その後各工程を経て、カルバペネム化合物1−c(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を直接製造することもできる。
以上の工程において反応終了後は通常の有機化学的手法により成績体を取り出すことができるが、水溶性の成績体については例えば反応混合物の液性を中性付近とした後、吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィーに付し、目的化合物の溶出する部分を分取し、凍結乾燥することにより反応成績体を得ることができる。
一般式[1−d]で表される化合物は、例えば以下に示す製造例(3)に従って製造することができる。
製造例(3)
[式中、R0、R1、R1a、R1b、R6、R7、R8、A、Y2およびZは前記と同じ意味を表し、R0aおよびR0bはそれぞれ水酸基あるいはアミノ基の保護基または式[2]:
(式中、R2aおよびR3aは前記と同じ意味を表す。)を表すほか、
下記式[3]:
(式中、mおよびR3bは前記と同じ意味を表す)を表すこともできる。]
工程15:化合物18の製法
化合物2と化合物17を酸触媒の存在下、不活性溶媒中で反応させることにより得られる。酸触媒としては、例えば塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、四塩化スズ、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエステル、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体等が挙げられる。不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、モノクロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜+40℃の範囲が好適である。また、原料化合物17は公知方法(例えば、日本化学会編 新実験化学講座 第14巻 有機化合物の合成と反応[II](1977)(丸善株式会社)751頁〜875頁や同会編 第4版 実験化学講座 第21巻 有機合成[III]アルデヒド・ケトン・キノン(1991)(丸善株式会社)149頁〜353頁に記載の方法に準じて製造することができる。)で得られる各種アセトフェノン誘導体をエノールエーテル化することにより得られる。
工程16:化合物19の製法
化合物18と化合物5Aとを脱水条件下、不活性溶媒中で加熱することにより相当するヘミアセタール体を得る。不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。反応温度は+50℃〜+200℃の範囲で行われるが、+80℃〜+150℃の範囲が好適である。また、公知方法(例えば、Journal of Organic Chemistry,61,7889−7894(1996)に記載の方法)に従って化合物18と化合物5Bとを塩基の存在下、不活性溶媒中で反応して得られるイミド体を引き続いて還元することにより相当するヘミアセタール体を得ることもできる。塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。イミド化に用いられる不活性溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン等が挙げられる。イミド化の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。還元剤としては亜鉛が好適であり、その際の溶媒としては酢酸と塩化メチレン、酢酸と1,2−ジクロロエタン、酢酸とモノクロロベンゼン等の混合溶媒が好適である。還元の反応温度は−50℃〜+50℃の範囲で行われるが、−30℃〜+30℃の範囲が好適である。
得られたヘミアセタール体を塩化チオニル、塩化オキザリル、オキシ塩化リン等の塩化剤を使用して化合物19を得る。クロル化反応はエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下で行う。反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−30℃〜40℃の範囲が好適である。
工程17:化合物20の製法
化合物19をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等の不活性溶媒中で、ルチジン、ピリジン、キノリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の塩基の存在下でトリフェニルホスフィンを使用して化合物20を得る。反応温度は0℃〜+100℃の範囲で行われるが、+10℃〜+70℃の範囲が好適である。
工程18:化合物21の製法
必要に応じてR1aにおける水酸基の保護基ならびにR0aにおける保護基の除去と引き続いての再保護反応を行う。保護基の除去ならびに導入方法はそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程19:化合物22の製法
化合物21の閉環反応は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性溶媒中で、反応温度+80℃〜200℃の範囲で行ない化合物22を得る。
工程20:化合物23の製法
化合物22のR0bにおける保護基を除去し、引き続いて必要に応じて公知の化学反応(アシル化、カルバメート化、ウレア化など)を行うことにより化合物23を得る。保護基の除去方法はそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。
工程21:カルバペネム化合物1−d(R=水素原子)の製法
化合物23のR8におけるカルボキシル基の保護基を除去することにより、またR1bが水酸基の保護基を有している場合は、その水酸基の保護基を除去することにより、カルバペネム化合物1−d(R=水素原子)を得ることができる。保護基の除去方法は、酸、塩基、還元剤等で処理するそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene,P.G.M.Wuts:Protective Groups in Organic Synthesis;第3版,Wiley,New York(1999年)あるいはP.Kocienski,Protecting Groups,Thieme,Stuttgart(1994年)を参照することができる。また、R0bが水酸基あるいはアミノ基の保護基であった場合には引き続いて必要に応じて公知の化学反応(アシル化、カルバメート化、ウレア化など)を行うこともできる。
工程22:カルバペネム化合物1−d(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)の製法
常法に従って、カルバペネム化合物1−d(R=水素原子)に生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を導入することによって、カルバペネム化合物1−d(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を得ることができる。例えば、カルバペネム化合物1−d(Rが水素原子である)またはそのカルボン酸塩に対して、必要に応じてジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の塩基あるいは塩化トリエチルベンジルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒の存在下に化合物10で表される各種ハライドを作用させてエステル化することにより、カルバペネム化合物1−d(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を得ることができる。反応溶媒は不活性なものであれば特に限定されないが、好適なものとしてジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホラミド、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン等を挙げることができる。カルボン酸塩としては、好適にはナトリウム塩あるいはカリウム塩等を挙げることができる。反応温度は−78℃〜+100℃の範囲で行われるが、−20℃〜+60℃の範囲が好適である。また、R0bが水酸基あるいはアミノ基の保護基であった場合には引き続いて必要に応じて公知の化学反応(アシル化、カルバメート化、ウレア化など)を行うこともできる。また工程16において、化合物5Aまたは5BとしてR8が生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基である原料を用い、その後各工程を経て、カルバペネム化合物1−d(R=生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基)を直接製造することもできる。
以上の工程において反応終了後は通常の有機化学的手法により成績体を取り出すことができるが、水溶性の成績体については例えば反応混合物の液性を中性付近とした後、吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィーに付し、目的化合物の溶出する部分を分取し、凍結乾燥することにより反応成績体を得ることができる。
本発明のカルバペネム化合物の製造法は、これらの製造例(1)〜製造例(3)によって何ら限定されるものではない。
本発明のカルバペネム化合物には、式[5]:
に示されるように、母核である7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの5位、6位の不斉炭素に基づく光学異性体が存在する。これらの異性体は便宜上すべて単一の式で示されているが、本発明には各不斉炭素原子に基づくすべての異性体および異性体混合物が含まれる。しかし、好適なものとして、5位の炭素原子がR配位である化合物((5R,6R)または(5R,6S))を挙げることができ、さらに好適なものとしては、式[5a]:
で示される(5R,6S)配位の化合物が挙げられる。
さらに、R1が1−ヒドロキシエチルの場合、式[5b]:
に示されるように8位においてもR配位のものとS配位の異性体があり、好適なものとしてR配位を挙げることができる。
最も好適なものとしては、式[5c]:
に示されるように(5R,6S,8R)配位を示す化合物が挙げられる。
3位側鎖のベンゼン環の置換位置に関しては、いずれの位置で置換された異性体であってもよいが、好適なものとしてはメタ位およびパラ位置換体を挙げることができる。
本発明のカルバペネム化合物の具体例として、例えば表1〜表20の例示化合物1〜176に示した化合物を挙げることができる。
これら例示した化合物においては前述したように立体異性体が存在、またそれ以外にも不斉炭素原子に基づく立体異性体が存在するが、例示化合物はすべての異性体を含むものである。
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はもちろんこれらによって何ら限定されるものではない。
なお以下の実施例で用いている略号の意味は次の通りである。
Ac:アセチル基
AOC:アリルオキシカルボニル基
t−Bu:tert−ブチル基
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
Et:エチル基
Me:メチル基
MOPS:4−モルホリンプロパンスルホン酸
Ph:フェニル基
PNB:p−ニトロベンジル基
TBDMS:tert−ブチル(ジメチル)シリル基
THF:テトラヒドロフラン
TMS:トリメチルシリル基
ATR:全反射吸収法
br:幅広い(broad)
参考例1
m−メトキシアセトフェノン(7.5g、50mmol)とトリエチルアミン(10.5ml、75mmol)の塩化メチレン(200ml)溶液にトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(10.9ml、60mmol)を0℃にて攪拌下滴下し、室温で1時間撹拌した。反応混合物に(2R,3R)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソ−2−アゼチジニル アセテート(14.4g、50mmol)、ヨウ化亜鉛(9.6g、30mmol)を室温にて加え、2時間攪拌した。反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液(250ml)を加え有機層を分液し、水層をクロロホルム(100ml X 2回)で抽出した。有機層を合せて硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフフィー(シリカゲル400g、ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜0:1)にて精製し、(3S,4R)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]アゼチジン−2−オン(15.91g、収率84%)を薄黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ0.079(s,3H),0.086(s,3H),0.88(s,9H),1.26(d,3H,J=6.2Hz),2.89(dd,1H,J=5.3,2.2Hz),3.16(dd,1H,J=17.7,10.2Hz),3.45(dd,1H,J=17.7,3.0Hz),3.87(s,3H),4.10−4.15(m,1H),4.20−4.26(m,1H),6.11(br s,1H),7.15(ddd,1H,J=8.0,2.6,0.9Hz),7.40(t,1H,J=8.0Hz),7.47(dd,1H,J=2.6,1.6Hz),7.51−7.53(m,1H).
参考例2
参考例1で得られた(3S,4R)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]アゼチジン−2−オン(15.67g、41.5mmol)とアリルグリオキサレート1水和物(7.14g、54mmol)をトルエン(400ml)に溶解し、ディーンスタークトラップで生成する水を除きながら8時間加熱還流した。反応液を濃縮し、残渣物と2,6−ルチジン(6.67g、62.3mmol)をTHF(200ml)に溶解した。−20℃にて、塩化チオニル(7.4g、62.3mmol)を滴下し30分間攪拌後、室温で30分攪拌した。反応混合物にTHF(200ml)を加え、不溶物を窒素雰囲気下で濾別し、THFにて洗浄した。濾液と洗浄液を合せて濃縮した。残渣物を1,4−ジオキサン(600ml)に溶解し、2,6−ルチジン(9.8g、91.3mmol)、トリフェニルホスフィン(24.0g、91.3mmol)を加え60℃にて4時間攪拌した。放冷後、反応液を濃縮し、残渣物に酢酸エチル(500ml)を加え、食塩水(100ml X 3回)にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮し、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル500g、ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:1)にて精製し、アリル{(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(23.8g、収率78%)を黄色アモルファスとして得た。
参考例3
工程a)
参考例2で得られたアリル{(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(3.0g)を70%トリフルオロ酢酸水溶液(10ml)に室温にて溶解した。反応液に酢酸エチル(100ml)を加え、飽和食塩水(100ml X 2回)、飽和重曹水(100ml X 2回)で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮して、アリル{(2R,3S)−3−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(3.09g)を薄黄色アモルファスとして得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
工程b)
工程a)で得られたアリル{(2R,3S)−3−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(3.09g)とトリエチルアミン(0.86ml、6.12mmol)をTHF(15ml)に溶解し、0℃にてクロロトリメチルシラン(0.62ml、4.9mmol)を加え、30分攪拌した。さらにトリエチルアミン(0.86ml、6.12mmol)、クロロトリメチルシラン(0.62ml、4.9mmol)を追加し、20分攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水/飽和食塩水(1:1、50ml X 2回)、飽和食塩水(100ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮しアリル((2R,3S)−2−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソ−3−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}アゼチジン−1−イル)(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(3.26g)を黄色油状物として得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
工程c)
工程b)で得られたアリル((2R,3S)−2−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソ−3−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}アゼチジン−1−イル)(トリフェニルホスホラニリデン)アセテートをキシレン(100ml)に溶解し、N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(1.0ml)を加え4時間加熱還流した。放冷後、反応液を濃縮し、残渣物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100g、クロロホルム:メタノール=100:0〜100:3)で精製し、アリル(5R,6S)−3−(3−メトキシフェニル)−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(1.70g、定量的収率)を薄黄油状物として得た。
LC/MS(EI)416(M+1)、344(M+1−TMS).
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ0.15(s,9H),1.30(d,3H,J=6.2Hz),3.13−3.31(m,3H),3.80(s,3H),4.19−4.24(m,2H),4.60−4.66(m,1H),4.69−4.74(m,1H),5.16−5.19(m,1H),5.24−5.29(m,1H),5.81−5.90(m,1H),6.86−6.93(m,3H),7.24−7.28(m,1H).
工程d)
工程c)で得られたアリル(5R,6S)−3−(3−メトキシフェニル)−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(1.70g、4.09mmol)をTHF(40ml)と水(20ml)に溶解し、氷浴中で冷却しpHメーターを使用しながら、1N塩酸をゆっくりと滴下しpH=2.5に調製した。15分後、飽和重曹水(50ml)、飽和食塩水(50ml)を加え、クロロホルム(50ml X 3回)で抽出した。有機層を合せて硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過、濃縮し、アリル(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(1.37g、3.99mmol、収率98%)を薄黄色油状物として得た。
LC/MS(EI)344(M+1).
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.38(d,3H,J=6.3Hz),1.63(br s,1H),3.17−3.33(m,3H),3.80(s,3H),4.23−4.33(m,2H),4.60−4.66(m,1H),4.69−4.75(m,1H),5.16−5.20(m,1H),5.23−5.28(m,1H),5.80−5.90(m,1H),6.87−6.94(m,3H),7.25−7.29(m,1H).
参考例4
工程a)
(4−アセチル−2−ニトロフェニル)マロン酸ジエチル
ナトリウムエトキシドの20%エタノール溶液(68.7g)にマロン酸ジエチル(32.4g)を4〜50℃で撹拌下滴下し、10分撹拌した。この混合物に室温で4−クロロ−3−ニトロアセトフェノン(20.2g)を加え3時間撹拌した。反応混合物に2規定塩酸(200mL)、クロロホルム(200mL)を加え、有機層を分取した。水層をクロロホルム(2 X 100mL)で抽出し、有機層を合せて硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して目的物とマロン酸ジエチルの混合物(54.1g、定量的収率)を得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
分析用サンプルはシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.29(t,6H,J=7.1Hz),2.67(s,3H),4.280(q,2H,J=7.1Hz),4.283(q,2H,J=7.1Hz),5.33(s,1H),7.67(d,1H,J=8.1Hz),8.20(dd,1H,J=8.1,1.8Hz),8.60(d,1H,J=1.8Hz).
工程b)
(4−アセチル−2−ニトロフェニル)酢酸
工程a)で得られた(4−アセチル−2−ニトロフェニル)マロン酸ジエチルとマロン酸ジエチルの混合物(54.1g)を4M HCl(800mL)/ジオキサン(800mL)中に溶かし、100℃で8時間撹拌した。放冷後ジオキサンを減圧除去し、水層をクロロホルム(200mL X 1,100mL X 2)で抽出した。有機層を合せて硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去して目的物(23.1g,定量的収率)を茶色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ2.68(s,3H),4.14(s,2H),7.50(d,1H,J=7.9Hz),8.18(dd,1H,J=1.7,7.9Hz),8.68(d,1H,J=1.7Hz).
工程c)
(4−アセチル−2−ニトロフェニル)酢酸エチル
工程b)で得られた(4−アセチル−2−ニトロフェニル)酢酸(23.1g)をエタノール(500mL)に溶かし、濃塩酸(50mL)を加えて6時間過熱還流した。放冷後エタノールを減圧除去し、水層に酢酸エチル(300mL)、飽和重曹水(100mL)を加えさらに重曹粉末を加えて中和した。水層を分離し、有機層を飽和重曹水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2 100g,ヘキサン/酢酸エチル1:1)で精製し目的物(23.2g,91%)を茶色油状物として得た。また水層を塩酸で酸性にしクロロホルムで抽出して(4−アセチル−2−ニトロフェニル)酢酸(1.8g,8%)を回収した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.26(t,3H,J=7.1Hz),2.67(s,3H),4.09(s,2H),4.18(q,2H,J=7.1Hz),7.49(d,1H,J=7.9Hz),8.16(dd,1H,J=1.8,7.9Hz),8.65(d,1H,J=1.8Hz). LCMS(EI)252(M+1)+.
工程d)
(4−アセチル−2−アミノフェニル)酢酸エチル及び[2−アミノ−4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル混合物
工程c)で得られた(4−アセチル−2−ニトロフェニル)酢酸エチル(23.2g)をエタノール(660mL)に溶かしPd−C(5%,5.9g)を加えて水素雰囲気下常圧で9.5時間撹拌した。Pd−Cをセライトで濾過して除き、溶媒を減圧除去して目的物(20.4g,定量的収率)を茶色油状物として得た。ケトン体とアルコール体の比はNMR解析の結果1:2であった。このものはそのまま次の工程に用いた。
LCMS(EI)222(M+1)+ketone,224(M+1)+alcohol.
工程e)
(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル及び[2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル
工程d)で得られた(4−アセチル−2−アミノフェニル)酢酸エチル及び[2−アミノ−4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル混合物(20.4g)をピリジン(184mL)に溶かしアリルオキシカルボニルクロライド(22.2g)を室温で滴下し30分撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)、飽和食塩水(100mL)を加え、ピリジンを減圧除去した。水層に2M塩酸(200mL)を加え酢酸エチル(3 X 100mL)で抽出した。有機層を合せて2M塩酸(3 X 50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、濾過し、溶媒を減圧除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2 500g,ヘキサン/酢酸エチル3:1〜1:1)で精製し(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル(7.34g,26%)を灰色油状物として、及び[2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル(14.1g,50%)を紫色油状物として得た。
(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.28(t,3H,J=7.1Hz),2.60(s,3H),3.68(s,2H),4.18(q,2H,J=7.1Hz),4.69−4.71(m,2H),5.26−5.30(m,1H),5.37−5.41(m,1H),5.95−6.05(m,1H),7.30(d,1H,J=8.0Hz),7.69(dd,1H,J=1.8,8.0Hz),8.12(bs,1H),8.42(bs,1H). LCMS(EI)306(M+1)+.
[2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.28(t,3H,J=7.1Hz),1.49(d,3H,J=6.4Hz),3.61(s,2H),4.16(q,2H,J=7.1Hz),4.67−4.69(m,2H),4.89(q,1H,J=6.4Hz),5.24−5.28(m,1H),5.34−5.40(m,1H),5.94−6.03(m,1H),7.12(dd,1H,J=1.7,7.8Hz),7.18(d,1H,J=7.8Hz),7.81(bs,1H),8.07(bs,1H). LCMS(EI)308(M+1)+.
工程f)
(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル
工程e)で得られた[2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル(10.3g)をアセトン(30mL)に溶かしジョーンズ試薬(10mL)を室温で加え30分撹拌した。反応液に飽和重曹水(50mL)、飽和食塩水(100mL)を加え酢酸エチル(3 X 50mL)で抽出した。有機層を合せて硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去して粗生成物を得た。別に1gスケールで得られた粗生成物を合せてカラムクロマトグラフィー(SiO2 300g,ヘキサン/酢酸エチル1:1)で生成し目的物(10.3g,85%)を黄色油状物として得た。
工程g)
(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸
工程e)及び工程f)で得られた(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル(17.6g)をエタノール(176mL)に溶かし1M NaOH水(132mL)を0℃で加えて1時間撹拌した。反応液に2M塩酸(400mL)を加えエタノールを減圧除去した。析出した固体を濾過で集め2M塩酸で洗浄し減圧乾燥して目的物を薄茶固体(11.2g,70%)として得た。さらに水層を酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去して目的物(3.58g,22%)を茶色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ2.59(s,3H),3.74(s,2H),4.68−4.70(m,2H),5.27(bd,1H,J=10.8Hz),5.35(bd,1H,J=15.3Hz),5.60(bs,1H),7.34(d,1H,J=7.9Hz),7.70(bs,1H),7.74(dd,1H,J=1.5,7.9Hz),8.25(bs,1H).
工程h)
(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸4−ニトロベンジル
工程g)で得られた(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸(10.9g)、トリエチルアミン(11mL)のDMF(100mL)溶液にパラニトロベンジルブロマイド(17.0g)を室温で加え1時間撹拌した。反応液に飽和食塩水(500mL)と水(300mL)を加え酢酸エチル(200mL,2 X 100mL)で抽出した。有機層を合せて飽和食塩水(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2 300g,ヘキサン/酢酸エチル/クロロホルム=3:1:4〜0:1:1)により精製し目的物(16.4g,98%)を薄茶固体として得た。さらにこのものをクロロホルム/ヘキサンから再結晶を行い目的物(10.4g,64%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ2.61(s,3H),3.78(s,2H),4.68−4.70(m,2H),5.24(s,2H),5.27−5.30(m,1H),5.35−5.40(m,1H),5.93−6.01(m,1H),7.32(d,1H,J=8.0Hz),7.46−7.50(m,2H),7.71(dd,1H,J=1.8,8.0Hz),7.73(bs,1H),8.22(td,2H,J=2.3,6.8Hz),8.38(bs,1H). LCMS(EI)413(M+1)+.
工程i)
(2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}フェニル)酢酸4−ニトロベンジル
工程h)で得られた(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸4−ニトロベンジル(10.0g)、トリエチルアミン(8.2mL)の塩化メチレン(100mL)溶液に0℃でトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(11.9g)を滴下した。シリルエノールエーテルの生成をTLCで確認後、(2R,3R)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソ−2−アゼチジニルアセテート(6.98g)、ヨウ化亜鉛(4.65g)を0℃にて加え1時間撹拌後さらに(2R,3R)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソ−2−アゼチジニルアセテート(3.0g)を加え室温で14時間撹拌した。反応混合物に5%硫酸水素カリウム水溶液(380mL)及び飽和食塩水(100mL)を加え、酢酸エチル(200mL,2 X 100mL)で抽出した。有機層を合せて硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2 500g,ヘキサン/酢酸エチル1:1〜1:3)で精製して目的物(11.4g,70%)を薄黄アモルファスとして得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ0.08(s,3H),0.08(s,3H),0.88(s,9H),1.25(d,3H,J=6.2Hz),2.90(dd,1H,J=2.2,5.1Hz),3.18(dd,1H,J=10.1,17.8Hz),3.45(dd,1H,J=3.0,17.8Hz),3.79(s,2H),4.10−4.15(m,1H),4.20−4.26(m,1H),4.69(td,2H,J=1.4,4.4Hz),5.25(s,2H),5.27−5.31(m,1H),5.35−5.40(m,1H),5.93−6.03(m,1H),6.12(bs,1H),7.34(d,1H,J=8.0Hz),7.47−7.50(m,2H),7.70(dd,1H,J=1.8,8.0Hz),7.83(bs,1H),8.21−8.24(m,2H),8.39(bs,1H). LCMS(EI)640(M+1)+.
工程j)
アリル[(2R,3S)−2−[2−(3−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{2−[(4−ニトロベンジル)オキシ]−2−オキソエチル}フェニル)−2−オキソエチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−1−イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート
工程i)で得られた(2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}フェニル)酢酸4−ニトロベンジル(11.4g)を用い参考例2と同様にして、目的物(10.4g,59%)を薄茶アモルファスとして得た。
LCMS(EI)998(M+1)+.
工程k)
(2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{[(2R,3S)−1−[2−(アリルオキシ)−2−オキソ−1−(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}フェニル)酢酸
工程j)で得られたアリル[(2R,3S)−2−[2−(3−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{2−[(4−ニトロベンジル)オキシ]−2−オキソエチル}フェニル)−2−オキソエチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−1−イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(10.4g)をTHF(200mL)に溶解し、亜鉛(3.4g)を加え懸濁させ、さらに2M塩化アンモニウム溶液(26mL)を室温で加え2時間撹拌した。ここに酢酸(6.3g)を加えさらに1時間撹拌した。反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液(200mL)を加え、酢酸エチル(3 X 100mL)で抽出した。抽出液を合せて5%硫酸水素カリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去し残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2 300g,クロロホルム/メタノール98:2〜90:10)で精製し目的物(9.11g,定量的収率)を赤茶アモルファスとして得た。
LCMS(EI)863(M+1)+.
工程l)
アリル[(2R,3S)−2−[2−(3−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{2−オキソ−2−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノ]エチル}フェニル)−2−オキソエチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−1−イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート
工程k)で得られた(2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{[(2R,3S)−1−[2−(アリルオキシ)−2−オキソ−1−(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}フェニル)酢酸(1.5g)、4−ピコリルアミン(0.67g)をTHF(15mL)に溶解し、WSCI・HCl(0.38g)を加えて30分撹拌後さらにWSCI・HCl(0.38g)を加えて14時間撹拌した。反応液に飽和食塩水(50mL)を加えクロロホルム(3 X 50mL)で抽出した。有機層を合せて硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去して粗生成物(2.92g,定量的)を得た。
LCMS(EI)953(M+1)+.
工程m)
(5R,6S)−3−(3−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{2−オキソ−2−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノ]エチル}フェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリル
工程1)で得られたアリル[(2R,3S)−2−[2−(3−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{2−オキソ−2−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノ]エチル}フェニル)−2−オキソエチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−1−イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(2.9g)を用い、参考例3と同様にして目的物(0.58g)を茶色アモルファスとして得た。このものはトリフェニルホスフィンオキシドを含んでいたがそのまま次の反応に用いた。
参考例5
酢酸2−(4−アセチル−2−クロロフェニル)エチル
2−クロロフェネチルアルコール(10g)をヘキサン(300ml)に溶解し、塩化アルミニウム(28.1g)を加えた。氷冷下、アセチルクロリド(15.0g)を滴下した。1時間後、反応液を氷中に加えた後、酢酸エチルにて抽出、食塩水にて洗浄した。有機層を乾燥後、濃縮、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し目的物(4.47g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ2.03(s,3H),2.59(s,3H),3.13(t,2H,J=6.8Hz),4.33(t,2H,J=6.8Hz),7.46(d,1H,J=8.3Hz),7.76(dd,1H,J=8.3,2.2Hz),7.85(d,1H,J=2.2Hz)
参考例6
1−[3−クロロ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]エタノン
酢酸2−(4−アセチル−2−クロロフェニル)エチル(4.87g)をメタノール(80ml)に溶解し、濃塩酸(20ml)を加えて加熱還流した。4時間後、反応液を室温にし、メタノールを減圧除去した後、酢酸エチルにて希釈、食塩水にて洗浄した。有機層を乾燥後、濃縮し目的物(4.42g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ2.59(s,3H),3.08(t,2H,J=6.6Hz),3.93(t,2H,J=6.8Hz),7.46(d,1H,J=8.3Hz),7.76(dd,1H,J=8.3,2.2Hz),7.89(d,1H,J=2.2Hz)
参考例7
4−アセチル−2−クロロフェニル酢酸
1−[3−クロロ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]エタノン(4.42g)をアセトン(50ml)に溶解し、ジョーンズ試薬(13ml)を加えた。反応液を酢酸エチルにて希釈、食塩水にて洗浄した。有機層を乾燥後、濃縮、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=25:1)にて精製し目的物(2.65g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ2.59(s,3H),3.89(s,2H),7.51(d,1H,J=8.3Hz),7.84(d,1H,J=8.3Hz),7.90(s,1H)
参考例8
4−アセチル−2−クロロフェニル酢酸(2.65g、12.5mmol)のDMF溶液(26mL)にトリエチルアミン(3.5ml、25mmol)と4−ニトロベンジルブロマイド(5.4g、25mol)を加え、室温にて30分間撹拌した。反応液を氷冷した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加え有機層を分液し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合せて硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフフィー(シリカゲル180ml、hexane:EtOAc=2:1→1:1)にて精製し、白色結晶として4−ニトロベンジル(4−アセチル−2−クロロフェニル)アセテート(3.56g、収率82%)を得て、そのまま次の反応に用いた。4−ニトロベンジル(4−アセチル−2−クロロフェニル)アセテート(3.56g、11.4mmol)とトリエチルアミン(2.0ml、15.9mmol)の塩化メチレン(36ml)溶液にトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(2.4ml、14.8mmol)を0℃にて攪拌下滴下し、20分間撹拌した。反応混合物に塩化メチレン(50mL)、(2R,3R)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソ−2−アゼチジニルアセテート(4.6g、15.9mmol)、ヨウ化亜鉛(2.2g、6.8mmol)を0℃にて加えた後、氷浴槽を除き、室温にて4.5時間攪拌した。反応液を氷冷した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加え有機層を分液し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合せて硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフフィー(シリカゲル180ml、hexane:EtOAc=4:1→0:1)にて精製し、4−ニトロベンジル(4−{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}−2−クロロフェニル)アセテート(5.2g、収率79.7%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ0.079(s,6H),0.88(s,9H),1.26(d,3H,J=6.2Hz),2.88(dd,1H,J=5.2,2.4Hz),3.14(dd,1H,J=18,10Hz),3.43(dd,1H,J=17.6,2.8Hz),3.92(s,2H),4.09−4.12(m,1H),4.21−4.23(m,1H),5.26(s,2H),6.06(br−s,1H),7.50−7.54(m,3H),7.82(dd,1H,J=8.4,2.0Hz),7.89(d,1H,J=2.0Hz),8.22(dd,2H,J=6.8,4.8Hz).
参考例9
参考例8で得られた4−ニトロベンジル(4−{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}−2−クロロフェニル)アセテート(5.2g、9.6mmol)とアリルグリオキサレート1水和物(1.8g、13.6mmol)をトルエン(105ml)に溶解し、ディーンスタークトラップで生成する水を除きながら4時間加熱還流した。反応液を濃縮し、残渣物と2,6−ルチジン(1.9mL、16.3mmol)をTHF(101ml)に溶解した。−20℃から−30℃の間に、塩化チオニル(0.93mL、12.7mmol)を滴下し12分間攪拌した。反応混合中の不溶物を窒素雰囲気下で濾別し、THFにて洗浄し、濾液と洗浄液を合せて濃縮した。残渣物を1,4−ジオキサン(108ml)に溶解し、トリフェニルホスフィン(5.2g、19.9mmol)、2,6−ルチジン(2.4mL、20.8mmol)を加え40℃にて6時間攪拌した。放冷後、反応液を濃縮し、残渣物に酢酸エチルを加え、食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮し、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル180mL、ヘキサン/酢酸エチル=2:1→1:2)にて精製し、アリル{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−[2−(3−クロロ−4−{2−[(4−ニトロベンジル)オキシ]−2−オキソエチル}フェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル]}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(5.4g、収率64%)を薄黄色アモルファスとして得た。
LC/MS(EI)933(M+1)
参考例10
工程a)
参考例9で得られたアリル{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−[2−(3−クロロ−4−{2−[(4−ニトロベンジル)オキシ]−2−オキソエチル}フェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル]}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(2.0g、2.1mmol)をTHF40mLに溶解し、亜鉛粉末2.1g(31.5mol)、塩化アンモニウム水溶液(2M,16mL、31.5mmol)、酢酸(1.8mL、31.5mmol)を加え、室温にて5時間撹拌した。反応液をセライト濾過(酢酸エチルにて洗浄)し、ろ液を5%硫酸水素カリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮して、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60mL、クロロホルム/メタノール=1:0→25:1)にて精製し、(4−{[(2R,3S)−1−[2−(アリルオキシ)−2−オキソ−1−(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}−2−クロロフェニル)酢酸(1.7g、収率98%)を薄黄色アモルファスとして得た。
LC/MS(EI)799(M+1)
工程b)
工程a)で得られた(4−{[(2R,3S)−1−[2−(アリルオキシ)−2−オキソ−1−(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}−2−クロロフェニル)酢酸(1.4g、1.75mmol)を、4−アミノメチルイミダゾール2水和物(0.51g、3.0mmol)、トリエチルアミン(0.83ml、6.0mmol)の氷冷DMF(20mL)溶液に加え、続けて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.47g、3.5mmol)、EDCI(0.67g、3.5mmol)を加えた。5分間撹拌した後、氷浴槽を除き、更に室温にて150分撹拌した。反応液に氷水、酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮して、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60mL、クロロホルム/メタノール=1:0→10:1→5:1)にて精製し、アリル{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−[2−(3−クロロ−4−{2−[(1H−イミダゾール−5−イルメチル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル]}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(1.3g、収率84%)を薄黄色アモルファスとして得た。このものはそのまま次の反応に用いた。アリル{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−[2−(3−クロロ−4−{2−[(1H−イミダゾール−5−イルメチル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル]}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(1.29g)と4−ジメチルアミノピリジン(18mg、0.14mmol)をピリジン(13ml)に溶解し、0℃にてアリルクロロホルメート(0.2ml、1.9mmol)を加え20分攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮し黄色油状物(1.35g)を得た。このものは、そのまま冷70%TFA水溶液(10mL)に溶解し、5分間撹拌した後、氷浴槽を除き、更に室温にて30分撹拌し、再び氷浴槽にて冷却した。反応液に飽和重曹水を加え系中のpHを8.0にした後、酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮し薄黄色アモルファス(1.2g)を得て、このものはそのまま次の反応に用いた。得られた薄黄色アモルファス(1.2g)とトリエチルアミン(1.56ml、11.2mmol)をTHF(24ml)に溶解し、0℃にてクロロトリメチルシラン(1.52ml、8.4mmol)を加え、5分間撹拌した後、氷浴槽を除き、更に室温にて25分撹拌して再び氷浴槽にて冷却した。反応液に酢酸エチル、飽和重曹水を加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮しアリル5−{[({4−[((2R,3S)−1−[2−(アリルオキシ)−2−オキソ−1−(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]−4−オキソ−3−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}アゼチジン−2−イル)アセチル]−2−クロロフェニル}アセチル)アミノ]メチル}−1H−イミダゾール−1−カルボキシレート(1.27g、収率83%)を黄色油状物として得た。
LC/MS(EI)919(M+1)
工程c)
工程b)で得られたアリル5−{[({4−[((2R,3S)−1−[2−(アリルオキシ)−2−オキソ−1−(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]−4−オキソ−3−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}アゼチジン−2−イル)アセチル]−2−クロロフェニル}アセチル)アミノ]メチル}−1H−イミダゾール−1−カルボキシレート(1.27g)をトルエン(26ml)に溶解し、N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(0.7ml)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(20mg)を加え,、100℃にて2時間加熱還流した。放冷後、反応液を濃縮し、残渣物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル150mL、クロロホルム:メタノール=100:0〜100:3)で精製し、アリル(5R,6S)−3−(4−{2−[({1−[(アリルオキシ)カルボニル]−1H−イミダゾール−5−yl}メチル)アミノ]−2−オキソエチル}−3−クロロフェニル)−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(0.78g、収率89%)を黄色油状物として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ0.15(s,9H),1.29(d,3H,J=6.4Hz),3.10−3.30(m,3H),3.69(s,2H),4.15−4.21(m,2H),4.35(d,2H,J=5.6Hz),4.58−4.65(m,2H),4.85−4.87(m,2H),5.18−5.46(m,4H),5.81−6.05(m,2H),6.12−6.20(m,1H),7.30(s,1H),7.36−7.70(m,3H),7.45−7.60(m,2H),8.05(s,1H).
工程d)
工程c)で得られたアリル(5R,6S)−3−(4−{2−[({1−[(アリルオキシ)カルボニル]−1H−イミダゾール−5−yl}メチル)アミノ]−2−オキソエチル}−3−クロロフェニル)−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト2−エン−2−カルボキシレート(0.78g、1.22mmol)をTHF(23ml)と水(11ml)に溶解し、氷浴中で冷却しpHメーターを使用しながら、0.1N塩酸をゆっくりと滴下しpH=3.0に調製した。15分後、飽和重曹水をゆっくりと滴下しpH=6.8に調製し、飽和食塩水(50ml)を加え、酢酸エチル抽出した。有機層を合せて硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過、濃縮し、アリル(5R,6S)−3−(4−{2−[({1−[(アリルオキシ)カルボニル]−1H−イミダゾール−5−yl}メチル)アミノ]−2−オキソエチル}−3−クロロフェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(0.54g、収率78%)を薄黄色アモルファスとして得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.37(d,3H,J=6.0Hz),1.61(br−s,1H),3.13−3.35(m,3H),3.69(s,2H),4.20−4.32(m,2H),4.35(d,2H,J=6.0Hz),4.57−4.75(m,2H),4.86(d,2H,J=4.8Hz),5.20−5.50(m,4H),5.80−6.02(m,2H),6.10−6.20(m,1H),7.31(s,1H),7.37−7.40(m,2H),7.45−7.60(m,2H),8.06(s,1H).
なお以下の実施例で用いている略号の意味は次の通りである。
Ac:アセチル基
AOC:アリルオキシカルボニル基
t−Bu:tert−ブチル基
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
Et:エチル基
Me:メチル基
MOPS:4−モルホリンプロパンスルホン酸
Ph:フェニル基
PNB:p−ニトロベンジル基
TBDMS:tert−ブチル(ジメチル)シリル基
THF:テトラヒドロフラン
TMS:トリメチルシリル基
ATR:全反射吸収法
br:幅広い(broad)
参考例1
m−メトキシアセトフェノン(7.5g、50mmol)とトリエチルアミン(10.5ml、75mmol)の塩化メチレン(200ml)溶液にトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(10.9ml、60mmol)を0℃にて攪拌下滴下し、室温で1時間撹拌した。反応混合物に(2R,3R)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソ−2−アゼチジニル アセテート(14.4g、50mmol)、ヨウ化亜鉛(9.6g、30mmol)を室温にて加え、2時間攪拌した。反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液(250ml)を加え有機層を分液し、水層をクロロホルム(100ml X 2回)で抽出した。有機層を合せて硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフフィー(シリカゲル400g、ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜0:1)にて精製し、(3S,4R)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]アゼチジン−2−オン(15.91g、収率84%)を薄黄色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ0.079(s,3H),0.086(s,3H),0.88(s,9H),1.26(d,3H,J=6.2Hz),2.89(dd,1H,J=5.3,2.2Hz),3.16(dd,1H,J=17.7,10.2Hz),3.45(dd,1H,J=17.7,3.0Hz),3.87(s,3H),4.10−4.15(m,1H),4.20−4.26(m,1H),6.11(br s,1H),7.15(ddd,1H,J=8.0,2.6,0.9Hz),7.40(t,1H,J=8.0Hz),7.47(dd,1H,J=2.6,1.6Hz),7.51−7.53(m,1H).
参考例2
参考例1で得られた(3S,4R)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]アゼチジン−2−オン(15.67g、41.5mmol)とアリルグリオキサレート1水和物(7.14g、54mmol)をトルエン(400ml)に溶解し、ディーンスタークトラップで生成する水を除きながら8時間加熱還流した。反応液を濃縮し、残渣物と2,6−ルチジン(6.67g、62.3mmol)をTHF(200ml)に溶解した。−20℃にて、塩化チオニル(7.4g、62.3mmol)を滴下し30分間攪拌後、室温で30分攪拌した。反応混合物にTHF(200ml)を加え、不溶物を窒素雰囲気下で濾別し、THFにて洗浄した。濾液と洗浄液を合せて濃縮した。残渣物を1,4−ジオキサン(600ml)に溶解し、2,6−ルチジン(9.8g、91.3mmol)、トリフェニルホスフィン(24.0g、91.3mmol)を加え60℃にて4時間攪拌した。放冷後、反応液を濃縮し、残渣物に酢酸エチル(500ml)を加え、食塩水(100ml X 3回)にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮し、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル500g、ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:1)にて精製し、アリル{(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(23.8g、収率78%)を黄色アモルファスとして得た。
参考例3
工程a)
参考例2で得られたアリル{(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(3.0g)を70%トリフルオロ酢酸水溶液(10ml)に室温にて溶解した。反応液に酢酸エチル(100ml)を加え、飽和食塩水(100ml X 2回)、飽和重曹水(100ml X 2回)で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮して、アリル{(2R,3S)−3−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(3.09g)を薄黄色アモルファスとして得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
工程b)
工程a)で得られたアリル{(2R,3S)−3−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−2−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(3.09g)とトリエチルアミン(0.86ml、6.12mmol)をTHF(15ml)に溶解し、0℃にてクロロトリメチルシラン(0.62ml、4.9mmol)を加え、30分攪拌した。さらにトリエチルアミン(0.86ml、6.12mmol)、クロロトリメチルシラン(0.62ml、4.9mmol)を追加し、20分攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水/飽和食塩水(1:1、50ml X 2回)、飽和食塩水(100ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮しアリル((2R,3S)−2−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソ−3−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}アゼチジン−1−イル)(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(3.26g)を黄色油状物として得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
工程c)
工程b)で得られたアリル((2R,3S)−2−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソ−3−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}アゼチジン−1−イル)(トリフェニルホスホラニリデン)アセテートをキシレン(100ml)に溶解し、N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(1.0ml)を加え4時間加熱還流した。放冷後、反応液を濃縮し、残渣物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100g、クロロホルム:メタノール=100:0〜100:3)で精製し、アリル(5R,6S)−3−(3−メトキシフェニル)−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(1.70g、定量的収率)を薄黄油状物として得た。
LC/MS(EI)416(M+1)、344(M+1−TMS).
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ0.15(s,9H),1.30(d,3H,J=6.2Hz),3.13−3.31(m,3H),3.80(s,3H),4.19−4.24(m,2H),4.60−4.66(m,1H),4.69−4.74(m,1H),5.16−5.19(m,1H),5.24−5.29(m,1H),5.81−5.90(m,1H),6.86−6.93(m,3H),7.24−7.28(m,1H).
工程d)
工程c)で得られたアリル(5R,6S)−3−(3−メトキシフェニル)−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(1.70g、4.09mmol)をTHF(40ml)と水(20ml)に溶解し、氷浴中で冷却しpHメーターを使用しながら、1N塩酸をゆっくりと滴下しpH=2.5に調製した。15分後、飽和重曹水(50ml)、飽和食塩水(50ml)を加え、クロロホルム(50ml X 3回)で抽出した。有機層を合せて硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過、濃縮し、アリル(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(1.37g、3.99mmol、収率98%)を薄黄色油状物として得た。
LC/MS(EI)344(M+1).
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.38(d,3H,J=6.3Hz),1.63(br s,1H),3.17−3.33(m,3H),3.80(s,3H),4.23−4.33(m,2H),4.60−4.66(m,1H),4.69−4.75(m,1H),5.16−5.20(m,1H),5.23−5.28(m,1H),5.80−5.90(m,1H),6.87−6.94(m,3H),7.25−7.29(m,1H).
参考例4
工程a)
(4−アセチル−2−ニトロフェニル)マロン酸ジエチル
ナトリウムエトキシドの20%エタノール溶液(68.7g)にマロン酸ジエチル(32.4g)を4〜50℃で撹拌下滴下し、10分撹拌した。この混合物に室温で4−クロロ−3−ニトロアセトフェノン(20.2g)を加え3時間撹拌した。反応混合物に2規定塩酸(200mL)、クロロホルム(200mL)を加え、有機層を分取した。水層をクロロホルム(2 X 100mL)で抽出し、有機層を合せて硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧除去して目的物とマロン酸ジエチルの混合物(54.1g、定量的収率)を得た。このものはそのまま次の反応に用いた。
分析用サンプルはシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製して得られた。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.29(t,6H,J=7.1Hz),2.67(s,3H),4.280(q,2H,J=7.1Hz),4.283(q,2H,J=7.1Hz),5.33(s,1H),7.67(d,1H,J=8.1Hz),8.20(dd,1H,J=8.1,1.8Hz),8.60(d,1H,J=1.8Hz).
工程b)
(4−アセチル−2−ニトロフェニル)酢酸
工程a)で得られた(4−アセチル−2−ニトロフェニル)マロン酸ジエチルとマロン酸ジエチルの混合物(54.1g)を4M HCl(800mL)/ジオキサン(800mL)中に溶かし、100℃で8時間撹拌した。放冷後ジオキサンを減圧除去し、水層をクロロホルム(200mL X 1,100mL X 2)で抽出した。有機層を合せて硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去して目的物(23.1g,定量的収率)を茶色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ2.68(s,3H),4.14(s,2H),7.50(d,1H,J=7.9Hz),8.18(dd,1H,J=1.7,7.9Hz),8.68(d,1H,J=1.7Hz).
工程c)
(4−アセチル−2−ニトロフェニル)酢酸エチル
工程b)で得られた(4−アセチル−2−ニトロフェニル)酢酸(23.1g)をエタノール(500mL)に溶かし、濃塩酸(50mL)を加えて6時間過熱還流した。放冷後エタノールを減圧除去し、水層に酢酸エチル(300mL)、飽和重曹水(100mL)を加えさらに重曹粉末を加えて中和した。水層を分離し、有機層を飽和重曹水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2 100g,ヘキサン/酢酸エチル1:1)で精製し目的物(23.2g,91%)を茶色油状物として得た。また水層を塩酸で酸性にしクロロホルムで抽出して(4−アセチル−2−ニトロフェニル)酢酸(1.8g,8%)を回収した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.26(t,3H,J=7.1Hz),2.67(s,3H),4.09(s,2H),4.18(q,2H,J=7.1Hz),7.49(d,1H,J=7.9Hz),8.16(dd,1H,J=1.8,7.9Hz),8.65(d,1H,J=1.8Hz). LCMS(EI)252(M+1)+.
工程d)
(4−アセチル−2−アミノフェニル)酢酸エチル及び[2−アミノ−4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル混合物
工程c)で得られた(4−アセチル−2−ニトロフェニル)酢酸エチル(23.2g)をエタノール(660mL)に溶かしPd−C(5%,5.9g)を加えて水素雰囲気下常圧で9.5時間撹拌した。Pd−Cをセライトで濾過して除き、溶媒を減圧除去して目的物(20.4g,定量的収率)を茶色油状物として得た。ケトン体とアルコール体の比はNMR解析の結果1:2であった。このものはそのまま次の工程に用いた。
LCMS(EI)222(M+1)+ketone,224(M+1)+alcohol.
工程e)
(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル及び[2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル
工程d)で得られた(4−アセチル−2−アミノフェニル)酢酸エチル及び[2−アミノ−4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル混合物(20.4g)をピリジン(184mL)に溶かしアリルオキシカルボニルクロライド(22.2g)を室温で滴下し30分撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)、飽和食塩水(100mL)を加え、ピリジンを減圧除去した。水層に2M塩酸(200mL)を加え酢酸エチル(3 X 100mL)で抽出した。有機層を合せて2M塩酸(3 X 50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、濾過し、溶媒を減圧除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2 500g,ヘキサン/酢酸エチル3:1〜1:1)で精製し(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル(7.34g,26%)を灰色油状物として、及び[2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル(14.1g,50%)を紫色油状物として得た。
(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.28(t,3H,J=7.1Hz),2.60(s,3H),3.68(s,2H),4.18(q,2H,J=7.1Hz),4.69−4.71(m,2H),5.26−5.30(m,1H),5.37−5.41(m,1H),5.95−6.05(m,1H),7.30(d,1H,J=8.0Hz),7.69(dd,1H,J=1.8,8.0Hz),8.12(bs,1H),8.42(bs,1H). LCMS(EI)306(M+1)+.
[2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.28(t,3H,J=7.1Hz),1.49(d,3H,J=6.4Hz),3.61(s,2H),4.16(q,2H,J=7.1Hz),4.67−4.69(m,2H),4.89(q,1H,J=6.4Hz),5.24−5.28(m,1H),5.34−5.40(m,1H),5.94−6.03(m,1H),7.12(dd,1H,J=1.7,7.8Hz),7.18(d,1H,J=7.8Hz),7.81(bs,1H),8.07(bs,1H). LCMS(EI)308(M+1)+.
工程f)
(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル
工程e)で得られた[2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−(1−ヒドロキシエチル)フェニル]酢酸エチル(10.3g)をアセトン(30mL)に溶かしジョーンズ試薬(10mL)を室温で加え30分撹拌した。反応液に飽和重曹水(50mL)、飽和食塩水(100mL)を加え酢酸エチル(3 X 50mL)で抽出した。有機層を合せて硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去して粗生成物を得た。別に1gスケールで得られた粗生成物を合せてカラムクロマトグラフィー(SiO2 300g,ヘキサン/酢酸エチル1:1)で生成し目的物(10.3g,85%)を黄色油状物として得た。
工程g)
(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸
工程e)及び工程f)で得られた(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸エチル(17.6g)をエタノール(176mL)に溶かし1M NaOH水(132mL)を0℃で加えて1時間撹拌した。反応液に2M塩酸(400mL)を加えエタノールを減圧除去した。析出した固体を濾過で集め2M塩酸で洗浄し減圧乾燥して目的物を薄茶固体(11.2g,70%)として得た。さらに水層を酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去して目的物(3.58g,22%)を茶色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ2.59(s,3H),3.74(s,2H),4.68−4.70(m,2H),5.27(bd,1H,J=10.8Hz),5.35(bd,1H,J=15.3Hz),5.60(bs,1H),7.34(d,1H,J=7.9Hz),7.70(bs,1H),7.74(dd,1H,J=1.5,7.9Hz),8.25(bs,1H).
工程h)
(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸4−ニトロベンジル
工程g)で得られた(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸(10.9g)、トリエチルアミン(11mL)のDMF(100mL)溶液にパラニトロベンジルブロマイド(17.0g)を室温で加え1時間撹拌した。反応液に飽和食塩水(500mL)と水(300mL)を加え酢酸エチル(200mL,2 X 100mL)で抽出した。有機層を合せて飽和食塩水(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2 300g,ヘキサン/酢酸エチル/クロロホルム=3:1:4〜0:1:1)により精製し目的物(16.4g,98%)を薄茶固体として得た。さらにこのものをクロロホルム/ヘキサンから再結晶を行い目的物(10.4g,64%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ2.61(s,3H),3.78(s,2H),4.68−4.70(m,2H),5.24(s,2H),5.27−5.30(m,1H),5.35−5.40(m,1H),5.93−6.01(m,1H),7.32(d,1H,J=8.0Hz),7.46−7.50(m,2H),7.71(dd,1H,J=1.8,8.0Hz),7.73(bs,1H),8.22(td,2H,J=2.3,6.8Hz),8.38(bs,1H). LCMS(EI)413(M+1)+.
工程i)
(2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}フェニル)酢酸4−ニトロベンジル
工程h)で得られた(4−アセチル−2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}フェニル)酢酸4−ニトロベンジル(10.0g)、トリエチルアミン(8.2mL)の塩化メチレン(100mL)溶液に0℃でトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(11.9g)を滴下した。シリルエノールエーテルの生成をTLCで確認後、(2R,3R)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソ−2−アゼチジニルアセテート(6.98g)、ヨウ化亜鉛(4.65g)を0℃にて加え1時間撹拌後さらに(2R,3R)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソ−2−アゼチジニルアセテート(3.0g)を加え室温で14時間撹拌した。反応混合物に5%硫酸水素カリウム水溶液(380mL)及び飽和食塩水(100mL)を加え、酢酸エチル(200mL,2 X 100mL)で抽出した。有機層を合せて硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2 500g,ヘキサン/酢酸エチル1:1〜1:3)で精製して目的物(11.4g,70%)を薄黄アモルファスとして得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ0.08(s,3H),0.08(s,3H),0.88(s,9H),1.25(d,3H,J=6.2Hz),2.90(dd,1H,J=2.2,5.1Hz),3.18(dd,1H,J=10.1,17.8Hz),3.45(dd,1H,J=3.0,17.8Hz),3.79(s,2H),4.10−4.15(m,1H),4.20−4.26(m,1H),4.69(td,2H,J=1.4,4.4Hz),5.25(s,2H),5.27−5.31(m,1H),5.35−5.40(m,1H),5.93−6.03(m,1H),6.12(bs,1H),7.34(d,1H,J=8.0Hz),7.47−7.50(m,2H),7.70(dd,1H,J=1.8,8.0Hz),7.83(bs,1H),8.21−8.24(m,2H),8.39(bs,1H). LCMS(EI)640(M+1)+.
工程j)
アリル[(2R,3S)−2−[2−(3−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{2−[(4−ニトロベンジル)オキシ]−2−オキソエチル}フェニル)−2−オキソエチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−1−イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート
工程i)で得られた(2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}フェニル)酢酸4−ニトロベンジル(11.4g)を用い参考例2と同様にして、目的物(10.4g,59%)を薄茶アモルファスとして得た。
LCMS(EI)998(M+1)+.
工程k)
(2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{[(2R,3S)−1−[2−(アリルオキシ)−2−オキソ−1−(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}フェニル)酢酸
工程j)で得られたアリル[(2R,3S)−2−[2−(3−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{2−[(4−ニトロベンジル)オキシ]−2−オキソエチル}フェニル)−2−オキソエチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−1−イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(10.4g)をTHF(200mL)に溶解し、亜鉛(3.4g)を加え懸濁させ、さらに2M塩化アンモニウム溶液(26mL)を室温で加え2時間撹拌した。ここに酢酸(6.3g)を加えさらに1時間撹拌した。反応液に5%硫酸水素カリウム水溶液(200mL)を加え、酢酸エチル(3 X 100mL)で抽出した。抽出液を合せて5%硫酸水素カリウム水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去し残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2 300g,クロロホルム/メタノール98:2〜90:10)で精製し目的物(9.11g,定量的収率)を赤茶アモルファスとして得た。
LCMS(EI)863(M+1)+.
工程l)
アリル[(2R,3S)−2−[2−(3−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{2−オキソ−2−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノ]エチル}フェニル)−2−オキソエチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−1−イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート
工程k)で得られた(2−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{[(2R,3S)−1−[2−(アリルオキシ)−2−オキソ−1−(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}フェニル)酢酸(1.5g)、4−ピコリルアミン(0.67g)をTHF(15mL)に溶解し、WSCI・HCl(0.38g)を加えて30分撹拌後さらにWSCI・HCl(0.38g)を加えて14時間撹拌した。反応液に飽和食塩水(50mL)を加えクロロホルム(3 X 50mL)で抽出した。有機層を合せて硫酸マグネシウムで乾燥し濾過し溶媒を減圧除去して粗生成物(2.92g,定量的)を得た。
LCMS(EI)953(M+1)+.
工程m)
(5R,6S)−3−(3−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{2−オキソ−2−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノ]エチル}フェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリル
工程1)で得られたアリル[(2R,3S)−2−[2−(3−{[(アリルオキシ)カルボニル]アミノ}−4−{2−オキソ−2−[(ピリジン−4−イルメチル)アミノ]エチル}フェニル)−2−オキソエチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−1−イル](トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(2.9g)を用い、参考例3と同様にして目的物(0.58g)を茶色アモルファスとして得た。このものはトリフェニルホスフィンオキシドを含んでいたがそのまま次の反応に用いた。
参考例5
酢酸2−(4−アセチル−2−クロロフェニル)エチル
2−クロロフェネチルアルコール(10g)をヘキサン(300ml)に溶解し、塩化アルミニウム(28.1g)を加えた。氷冷下、アセチルクロリド(15.0g)を滴下した。1時間後、反応液を氷中に加えた後、酢酸エチルにて抽出、食塩水にて洗浄した。有機層を乾燥後、濃縮、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し目的物(4.47g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ2.03(s,3H),2.59(s,3H),3.13(t,2H,J=6.8Hz),4.33(t,2H,J=6.8Hz),7.46(d,1H,J=8.3Hz),7.76(dd,1H,J=8.3,2.2Hz),7.85(d,1H,J=2.2Hz)
参考例6
1−[3−クロロ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]エタノン
酢酸2−(4−アセチル−2−クロロフェニル)エチル(4.87g)をメタノール(80ml)に溶解し、濃塩酸(20ml)を加えて加熱還流した。4時間後、反応液を室温にし、メタノールを減圧除去した後、酢酸エチルにて希釈、食塩水にて洗浄した。有機層を乾燥後、濃縮し目的物(4.42g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ2.59(s,3H),3.08(t,2H,J=6.6Hz),3.93(t,2H,J=6.8Hz),7.46(d,1H,J=8.3Hz),7.76(dd,1H,J=8.3,2.2Hz),7.89(d,1H,J=2.2Hz)
参考例7
4−アセチル−2−クロロフェニル酢酸
1−[3−クロロ−4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]エタノン(4.42g)をアセトン(50ml)に溶解し、ジョーンズ試薬(13ml)を加えた。反応液を酢酸エチルにて希釈、食塩水にて洗浄した。有機層を乾燥後、濃縮、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=25:1)にて精製し目的物(2.65g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ2.59(s,3H),3.89(s,2H),7.51(d,1H,J=8.3Hz),7.84(d,1H,J=8.3Hz),7.90(s,1H)
参考例8
4−アセチル−2−クロロフェニル酢酸(2.65g、12.5mmol)のDMF溶液(26mL)にトリエチルアミン(3.5ml、25mmol)と4−ニトロベンジルブロマイド(5.4g、25mol)を加え、室温にて30分間撹拌した。反応液を氷冷した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加え有機層を分液し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合せて硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフフィー(シリカゲル180ml、hexane:EtOAc=2:1→1:1)にて精製し、白色結晶として4−ニトロベンジル(4−アセチル−2−クロロフェニル)アセテート(3.56g、収率82%)を得て、そのまま次の反応に用いた。4−ニトロベンジル(4−アセチル−2−クロロフェニル)アセテート(3.56g、11.4mmol)とトリエチルアミン(2.0ml、15.9mmol)の塩化メチレン(36ml)溶液にトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(2.4ml、14.8mmol)を0℃にて攪拌下滴下し、20分間撹拌した。反応混合物に塩化メチレン(50mL)、(2R,3R)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソ−2−アゼチジニルアセテート(4.6g、15.9mmol)、ヨウ化亜鉛(2.2g、6.8mmol)を0℃にて加えた後、氷浴槽を除き、室温にて4.5時間攪拌した。反応液を氷冷した飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加え有機層を分液し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合せて硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフフィー(シリカゲル180ml、hexane:EtOAc=4:1→0:1)にて精製し、4−ニトロベンジル(4−{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}−2−クロロフェニル)アセテート(5.2g、収率79.7%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ0.079(s,6H),0.88(s,9H),1.26(d,3H,J=6.2Hz),2.88(dd,1H,J=5.2,2.4Hz),3.14(dd,1H,J=18,10Hz),3.43(dd,1H,J=17.6,2.8Hz),3.92(s,2H),4.09−4.12(m,1H),4.21−4.23(m,1H),5.26(s,2H),6.06(br−s,1H),7.50−7.54(m,3H),7.82(dd,1H,J=8.4,2.0Hz),7.89(d,1H,J=2.0Hz),8.22(dd,2H,J=6.8,4.8Hz).
参考例9
参考例8で得られた4−ニトロベンジル(4−{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}−2−クロロフェニル)アセテート(5.2g、9.6mmol)とアリルグリオキサレート1水和物(1.8g、13.6mmol)をトルエン(105ml)に溶解し、ディーンスタークトラップで生成する水を除きながら4時間加熱還流した。反応液を濃縮し、残渣物と2,6−ルチジン(1.9mL、16.3mmol)をTHF(101ml)に溶解した。−20℃から−30℃の間に、塩化チオニル(0.93mL、12.7mmol)を滴下し12分間攪拌した。反応混合中の不溶物を窒素雰囲気下で濾別し、THFにて洗浄し、濾液と洗浄液を合せて濃縮した。残渣物を1,4−ジオキサン(108ml)に溶解し、トリフェニルホスフィン(5.2g、19.9mmol)、2,6−ルチジン(2.4mL、20.8mmol)を加え40℃にて6時間攪拌した。放冷後、反応液を濃縮し、残渣物に酢酸エチルを加え、食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、濃縮し、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル180mL、ヘキサン/酢酸エチル=2:1→1:2)にて精製し、アリル{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−[2−(3−クロロ−4−{2−[(4−ニトロベンジル)オキシ]−2−オキソエチル}フェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル]}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(5.4g、収率64%)を薄黄色アモルファスとして得た。
LC/MS(EI)933(M+1)
参考例10
工程a)
参考例9で得られたアリル{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−[2−(3−クロロ−4−{2−[(4−ニトロベンジル)オキシ]−2−オキソエチル}フェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル]}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(2.0g、2.1mmol)をTHF40mLに溶解し、亜鉛粉末2.1g(31.5mol)、塩化アンモニウム水溶液(2M,16mL、31.5mmol)、酢酸(1.8mL、31.5mmol)を加え、室温にて5時間撹拌した。反応液をセライト濾過(酢酸エチルにて洗浄)し、ろ液を5%硫酸水素カリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮して、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60mL、クロロホルム/メタノール=1:0→25:1)にて精製し、(4−{[(2R,3S)−1−[2−(アリルオキシ)−2−オキソ−1−(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}−2−クロロフェニル)酢酸(1.7g、収率98%)を薄黄色アモルファスとして得た。
LC/MS(EI)799(M+1)
工程b)
工程a)で得られた(4−{[(2R,3S)−1−[2−(アリルオキシ)−2−オキソ−1−(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−オキソアゼチジン−2−イル]アセチル}−2−クロロフェニル)酢酸(1.4g、1.75mmol)を、4−アミノメチルイミダゾール2水和物(0.51g、3.0mmol)、トリエチルアミン(0.83ml、6.0mmol)の氷冷DMF(20mL)溶液に加え、続けて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.47g、3.5mmol)、EDCI(0.67g、3.5mmol)を加えた。5分間撹拌した後、氷浴槽を除き、更に室温にて150分撹拌した。反応液に氷水、酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮して、残渣物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60mL、クロロホルム/メタノール=1:0→10:1→5:1)にて精製し、アリル{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−[2−(3−クロロ−4−{2−[(1H−イミダゾール−5−イルメチル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル]}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(1.3g、収率84%)を薄黄色アモルファスとして得た。このものはそのまま次の反応に用いた。アリル{[(2R,3S)−3−((1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−[2−(3−クロロ−4−{2−[(1H−イミダゾール−5−イルメチル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−2−オキソエチル]−4−オキソアゼチジン−1−イル]}(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(1.29g)と4−ジメチルアミノピリジン(18mg、0.14mmol)をピリジン(13ml)に溶解し、0℃にてアリルクロロホルメート(0.2ml、1.9mmol)を加え20分攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮し黄色油状物(1.35g)を得た。このものは、そのまま冷70%TFA水溶液(10mL)に溶解し、5分間撹拌した後、氷浴槽を除き、更に室温にて30分撹拌し、再び氷浴槽にて冷却した。反応液に飽和重曹水を加え系中のpHを8.0にした後、酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮し薄黄色アモルファス(1.2g)を得て、このものはそのまま次の反応に用いた。得られた薄黄色アモルファス(1.2g)とトリエチルアミン(1.56ml、11.2mmol)をTHF(24ml)に溶解し、0℃にてクロロトリメチルシラン(1.52ml、8.4mmol)を加え、5分間撹拌した後、氷浴槽を除き、更に室温にて25分撹拌して再び氷浴槽にて冷却した。反応液に酢酸エチル、飽和重曹水を加え、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾過、濃縮しアリル5−{[({4−[((2R,3S)−1−[2−(アリルオキシ)−2−オキソ−1−(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]−4−オキソ−3−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}アゼチジン−2−イル)アセチル]−2−クロロフェニル}アセチル)アミノ]メチル}−1H−イミダゾール−1−カルボキシレート(1.27g、収率83%)を黄色油状物として得た。
LC/MS(EI)919(M+1)
工程c)
工程b)で得られたアリル5−{[({4−[((2R,3S)−1−[2−(アリルオキシ)−2−オキソ−1−(トリフェニルホスホラニリデン)エチル]−4−オキソ−3−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}アゼチジン−2−イル)アセチル]−2−クロロフェニル}アセチル)アミノ]メチル}−1H−イミダゾール−1−カルボキシレート(1.27g)をトルエン(26ml)に溶解し、N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド(0.7ml)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(20mg)を加え,、100℃にて2時間加熱還流した。放冷後、反応液を濃縮し、残渣物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル150mL、クロロホルム:メタノール=100:0〜100:3)で精製し、アリル(5R,6S)−3−(4−{2−[({1−[(アリルオキシ)カルボニル]−1H−イミダゾール−5−yl}メチル)アミノ]−2−オキソエチル}−3−クロロフェニル)−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(0.78g、収率89%)を黄色油状物として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ0.15(s,9H),1.29(d,3H,J=6.4Hz),3.10−3.30(m,3H),3.69(s,2H),4.15−4.21(m,2H),4.35(d,2H,J=5.6Hz),4.58−4.65(m,2H),4.85−4.87(m,2H),5.18−5.46(m,4H),5.81−6.05(m,2H),6.12−6.20(m,1H),7.30(s,1H),7.36−7.70(m,3H),7.45−7.60(m,2H),8.05(s,1H).
工程d)
工程c)で得られたアリル(5R,6S)−3−(4−{2−[({1−[(アリルオキシ)カルボニル]−1H−イミダゾール−5−yl}メチル)アミノ]−2−オキソエチル}−3−クロロフェニル)−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト2−エン−2−カルボキシレート(0.78g、1.22mmol)をTHF(23ml)と水(11ml)に溶解し、氷浴中で冷却しpHメーターを使用しながら、0.1N塩酸をゆっくりと滴下しpH=3.0に調製した。15分後、飽和重曹水をゆっくりと滴下しpH=6.8に調製し、飽和食塩水(50ml)を加え、酢酸エチル抽出した。有機層を合せて硫酸ナトリウムにて乾燥、濾過、濃縮し、アリル(5R,6S)−3−(4−{2−[({1−[(アリルオキシ)カルボニル]−1H−イミダゾール−5−yl}メチル)アミノ]−2−オキソエチル}−3−クロロフェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(0.54g、収率78%)を薄黄色アモルファスとして得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.37(d,3H,J=6.0Hz),1.61(br−s,1H),3.13−3.35(m,3H),3.69(s,2H),4.20−4.32(m,2H),4.35(d,2H,J=6.0Hz),4.57−4.75(m,2H),4.86(d,2H,J=4.8Hz),5.20−5.50(m,4H),5.80−6.02(m,2H),6.10−6.20(m,1H),7.31(s,1H),7.37−7.40(m,2H),7.45−7.60(m,2H),8.06(s,1H).
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩(0.17g)を乾燥DMF(1.7ml)に溶解させた後、氷冷し、ピバロイルオキシメチルヨーダイド(0.12g)の乾燥DMF(1.2ml)溶液をゆっくりと滴下し、撹拌した。30分後、酢酸エチルを加え、重曹水、水、食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1:2〜酢酸エチルのみ)にて精製し、[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシメチル(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(0.15g、収率70%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ
1.19(s,9H),1.37(d,3H,J=6.4Hz),1.71(d,1H,J=5.2Hz),3.18−3.32(m,3H),3.82(s,3H),4.23−4.31(m,2H),5.79(d,1H,J=5.2Hz),5.89(d,1H,J=5.2Hz),6.87(d,2H,J=12.0Hz),7.36(d,2H,J=12.0Hz)
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ
1.19(s,9H),1.37(d,3H,J=6.4Hz),1.71(d,1H,J=5.2Hz),3.18−3.32(m,3H),3.82(s,3H),4.23−4.31(m,2H),5.79(d,1H,J=5.2Hz),5.89(d,1H,J=5.2Hz),6.87(d,2H,J=12.0Hz),7.36(d,2H,J=12.0Hz)
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩(0.18g)を乾燥DMF(3.6ml)に溶解させた後、氷冷し、塩化トリエチルベンジルアンモニウム(0.11g)を加えた。そこにブロモメチルアセテート(0.16ml)を滴下し、ゆっくりと室温に戻し撹拌した。40分後、酢酸エチルを加え、重曹水、水、食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチルのみ)にて精製し、(アセチルオキシ)メチル(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(0.15g、収率48%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ
1.38(d,3H,J=6.0Hz),1.71(d,1H,J=4.8Hz),2.09(s,3H),3.20−3.30(m,3H),3.83(s,3H),4.22−4.31(m,2H),5.80(d,1H,J=4.8Hz),5.87(d,1H,J=4.8Hz),6.88(d,2H,J=7.2Hz),7.39(d,2H,J=7.2Hz)
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ
1.38(d,3H,J=6.0Hz),1.71(d,1H,J=4.8Hz),2.09(s,3H),3.20−3.30(m,3H),3.83(s,3H),4.22−4.31(m,2H),5.80(d,1H,J=4.8Hz),5.87(d,1H,J=4.8Hz),6.88(d,2H,J=7.2Hz),7.39(d,2H,J=7.2Hz)
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩(0.43g)を乾燥DMF(4.3ml)に溶解し、塩化トリエチルベンジルアンモニウム(0.25g)を加えた。そこに1−クロロエチルシクロヘキシルカルボネート(0.62g)を滴下し、50℃まで加熱し撹拌した。1時間後、室温に戻し酢酸エチルを加え、重曹水、水、食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1:2→1:3→酢酸エチルのみ)にて精製し、1−{[(シクロヘキシロキシ)カルボニル]オキシ}エチル(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(0.12g、収率20%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ
1.13−1.99(m,17H),3.17−3.31(m,3H),3.82(s,3H),4.19−4.26(m,2H),4.60−4.65(m,1H),6.83−6.90(m,3H),7.39(t,2H,J=8.0Hz)
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ
1.13−1.99(m,17H),3.17−3.31(m,3H),3.82(s,3H),4.19−4.26(m,2H),4.60−4.65(m,1H),6.83−6.90(m,3H),7.39(t,2H,J=8.0Hz)
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩(0.15g)を乾燥DMF(2.0ml)に溶解し氷浴冷却した。4−ブロモメチル−5−メチル−1,3−ジオキソル−2−オン(115mg)を滴下した後、撹拌し、30分後、浴槽を除き更に30分撹拌した後、酢酸エチルを加え、重曹水、水、食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチルのみ)にて精製し、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソル−4−イル)メチル(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(0.11g、収率60%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)
δ
1.37(d,3H,J=6.0Hz),1.73(d,1H,J=4.8Hz),3.18−3.32(m,3H),4.24−4.29(m,2H),4.90(dd,1H,J=39.6Hz,14Hz),5.90(d,1H,J=6.4Hz),6.88(dd,2H,J=9.2Hz,2.8Hz),7.30(dd,2H,J=9.2Hz,2.8Hz)
1HNMR(400MHz,CDCl3)
δ
1.37(d,3H,J=6.0Hz),1.73(d,1H,J=4.8Hz),3.18−3.32(m,3H),4.24−4.29(m,2H),4.90(dd,1H,J=39.6Hz,14Hz),5.90(d,1H,J=6.4Hz),6.88(dd,2H,J=9.2Hz,2.8Hz),7.30(dd,2H,J=9.2Hz,2.8Hz)
参考例3で得られたアリル(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(1.37g、3.99mmol)、トリフェニルホスフィン(52mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)(0.23g、0.2mmol)をTHF(20ml)に溶解し、0℃にて2−エチルヘキサン酸ナトリウムの酢酸エチル(0.5M、8.0ml、4.0mmol)溶液を加え1時間攪拌した。ヘキサン(30ml)を加え析出した白色固体を窒素雰囲気下で濾取し、ヘキサンで洗浄し、減圧下室温で乾燥し粗生成物を得た。少量の氷冷水に溶解し、C18逆相カラムクロマトグラフィー(充填剤:和光純薬製Wakosil 40C18、移動相;0〜5%THF/氷冷イオン交換水)にて精製した。目的物のフラクションを合せてTHFを減圧下室温で1時間攪拌して除き、凍結乾燥して(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩(297mg、収率23%)を得た。
LCMS(EI)304(M+1).
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ1.09(d,3H,J=6.3Hz),2.82(dd,1H,J=15.6Hz,9.9Hz),3.01(dd,1H,J=15.6Hz,8.5Hz),3.08(dd,1H,J=6.5Hz,2.8Hz),3.63(s,3H),3.80−3.88(m,1H),3.92−3.97(m,1H),4.94(d,1H,J=5.0Hz),6.62(ddd,1H,J=8.0Hz,2.5Hz,0.7Hz),6.94−6.96(m,1H),7.06(t,1H,J=8.0Hz),7.09−7.10(m,1H).
LCMS(EI)304(M+1).
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ1.09(d,3H,J=6.3Hz),2.82(dd,1H,J=15.6Hz,9.9Hz),3.01(dd,1H,J=15.6Hz,8.5Hz),3.08(dd,1H,J=6.5Hz,2.8Hz),3.63(s,3H),3.80−3.88(m,1H),3.92−3.97(m,1H),4.94(d,1H,J=5.0Hz),6.62(ddd,1H,J=8.0Hz,2.5Hz,0.7Hz),6.94−6.96(m,1H),7.06(t,1H,J=8.0Hz),7.09−7.10(m,1H).
実施例5で得られた(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩(100mg)を用い、実施例1と同様にして[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(3−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(114mg、収率88%)を得た。
LCMS(EI)418(M+1).
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.18(s,9H),1.36(d,3H,J=6.3Hz),3.17−3.55(m,3H),3.80(s,3H),4.18−4.32(m,2H),5.76(d,1H,J=5.5Hz),5.85(d,1H,J=5.5Hz),6.87−6.92(m,3H),7.23−7.28(m,1H).
LCMS(EI)418(M+1).
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ1.18(s,9H),1.36(d,3H,J=6.3Hz),3.17−3.55(m,3H),3.80(s,3H),4.18−4.32(m,2H),5.76(d,1H,J=5.5Hz),5.85(d,1H,J=5.5Hz),6.87−6.92(m,3H),7.23−7.28(m,1H).
文献[Tetrahedron Letters,34,3211−3214(1993)]に記載の方法に準じて得られた4−ニトロベンジル(5R,6S)−3−(4−エトキシフェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(1.39g)のTHF(28mL)溶液を氷冷し、炭酸水素ナトリウムのイオン交換水(28mL)溶液、10%パラジウム炭素[50%含水](0.14g)を加えた後、常圧にて水素に置換し、同温度で3時間撹拌した。不溶物をセライトで濾別し、濾液にクロロホル(80mL)を加え有機層と分離した後、イオン交換水20mLにて抽出した。分離抽出した水溶液を減圧下に1時間おいて有機溶媒を除去した後、C18逆相カラムクロマトグラフィー(Wakosil C18 逆相カラム、移動相;イオン交換水/THF)にて精製後凍結乾燥し、(5R,6S)−3−(4−エトキシフェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩(0.44g、収率42%)を得た。
1H NMR(400MHz,D2O)δ
1.20(d,3H,J=6.4Hz),1.26(t,3H,J=6.8Hz),2.95(dd,1H,J=17.2Hz,10.0Hz),3.25(dd,1H,J=17.2Hz,8.4Hz),3.35−3.38(m,1H),4.02(q,2H,J=6.8Hz),4.12−4.17(m,2H),6.83(d,J=8.8Hz,2H),7.16(d,J=8.8Hz,2H)
1H NMR(400MHz,D2O)δ
1.20(d,3H,J=6.4Hz),1.26(t,3H,J=6.8Hz),2.95(dd,1H,J=17.2Hz,10.0Hz),3.25(dd,1H,J=17.2Hz,8.4Hz),3.35−3.38(m,1H),4.02(q,2H,J=6.8Hz),4.12−4.17(m,2H),6.83(d,J=8.8Hz,2H),7.16(d,J=8.8Hz,2H)
実施例7で得られた(5R,6S)−3−(4−エトキシフェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩(0.2g)の乾燥DMF溶液を氷冷し、ピバロイルオキシメチルヨーダイド(0.14g)を加え同温度で90分撹拌した。反応液に酢酸エチルと氷水を加えて分液し、有機層を冷食塩水洗浄(4回)後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチルのみ)により精製し、[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシメチル(5R,6S)−3−(4−エトキシフェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(0.15g、収率60%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ
1.19(s,9H),1.36(d,3H,J=6.4Hz),1.41(t,3H,J=6.8Hz),1.81(d,1H,J=4.8Hz),3.18−3.31(m,3H),4.05(q,2H,J=6.4Hz),4.23−4.28(m,2H),5.79(d,1H,J=5.4Hz),5.88(d,1H,J=5.4Hz),6.81(d,J=8.4Hz,2H),7.35(d,J=8.4Hz,2H)
実施例1〜実施例8と同様にして、以下の表に示す化合物を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ
1.19(s,9H),1.36(d,3H,J=6.4Hz),1.41(t,3H,J=6.8Hz),1.81(d,1H,J=4.8Hz),3.18−3.31(m,3H),4.05(q,2H,J=6.4Hz),4.23−4.28(m,2H),5.79(d,1H,J=5.4Hz),5.88(d,1H,J=5.4Hz),6.81(d,J=8.4Hz,2H),7.35(d,J=8.4Hz,2H)
実施例1〜実施例8と同様にして、以下の表に示す化合物を得た。
(5R,6S)−3−(4−シアノフェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩(0.2g)を乾燥DMF(4.0ml)に溶解し氷浴冷却した。ヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.53g)、4−(2−クロロエチル)−モルホリン(1Mトルエン溶液1.8mL)を加えた後、撹拌した。30分後、浴槽を除き更に48時間撹拌した後、酢酸エチルを加え、pH6.86リン酸水溶液、水、食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(クロロホルム:メタノール=1:0→10:1)にて精製し、2−モルホリン−4−イルエチル(5R,6S)−3−(4−シアノフェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(0.10g、収率33%)を得た。
1HNMR(400MHz,CDCl3)
δ1.37(d,3H,J=6.4Hz),1.72(s,1H),2.40−2.51(m,4H),2.58−2.65(m,2H),3.16−3.37(m,3H),3.60−3.62(m,4H),4.22−4.40(m,4H),7.47(d,2H,J=8.4Hz),7.64(d,2H,J=8.4Hz)
1HNMR(400MHz,CDCl3)
δ1.37(d,3H,J=6.4Hz),1.72(s,1H),2.40−2.51(m,4H),2.58−2.65(m,2H),3.16−3.37(m,3H),3.60−3.62(m,4H),4.22−4.40(m,4H),7.47(d,2H,J=8.4Hz),7.64(d,2H,J=8.4Hz)
アリル(5R,6S)−3−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(0.807g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)(50mg)、トリフェニルホスフィン(10mg)のTHF(12mL)溶液に2−エチルヘキサン酸ナトリウム(0.5M酢酸エチル溶液、4.46mL)を室温で加えた。溶媒を減圧除去し、残渣に塩化メチレン(10mL)を加え、イオン交換水(10mL x 3回)で抽出した。水層を合せて減圧下で1時間撹拌し残存塩化メチレンを留去した。水層をC18逆相カラムクロマトグラフィー(Wakosil 40C18、38φ X 60mm、移動相;0〜5%THF氷冷イオン交換水)にて精製した。目的物のフラクションを合せてTHFを減圧下室温で1時間攪拌して除き、凍結乾燥して(5R,6S)−3−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩(450mg、収率59%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)
δ1.08(d,3H,J=6.3Hz),2.83(dd,1H,J=9.9Hz,15.7Hz),2.97(dd,1H,J=8.5Hz,15.7Hz),3.06(dd,1H,J=2.8Hz,6.6Hz),3.76(s,3H),3.80−3.88(m,1H),3.89−3.95(m,1H),4.94(d,1H,J=5.0Hz),6.94(t,1H,J=9.0Hz),7.06−7.10(m,1H),7.56(dd,1H,J=2.1Hz,14.1Hz).
LCMS(EI)322(M+1+).
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)
δ1.08(d,3H,J=6.3Hz),2.83(dd,1H,J=9.9Hz,15.7Hz),2.97(dd,1H,J=8.5Hz,15.7Hz),3.06(dd,1H,J=2.8Hz,6.6Hz),3.76(s,3H),3.80−3.88(m,1H),3.89−3.95(m,1H),4.94(d,1H,J=5.0Hz),6.94(t,1H,J=9.0Hz),7.06−7.10(m,1H),7.56(dd,1H,J=2.1Hz,14.1Hz).
LCMS(EI)322(M+1+).
(5R,6S)−3−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩(100mg)のDMF(3mL)溶液に0℃でピバロイルオキシメチルヨーダイド(77mg)を加え、15分撹拌した。反応混合物にジエチルエーテル(50mL)を加え飽和食塩水(50mL x 3回)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧溜去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0〜100:3)で精製して[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル(5R,6S)−3−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(70mg、55%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.20(s,9H),1.36(d,3H.J=6.3Hz),3.20(dd,1H,J=9.9Hz,18.2Hz),3.23−3.26(m,1H),3.29(dd,1H,J=9.0Hz,18.2Hz),3.91(s,3H),4.22−4.31(m,2H),5.80(d,1H,J=5.5Hz),5.89(d,1H,J=5.5Hz),6.90−6.95(m,1H),7.15−7.20(m,2H).
LCMS(EI)436(M+1+).
実施例33および実施例34と同様にして、以下の表に示す化合物を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)
δ1.20(s,9H),1.36(d,3H.J=6.3Hz),3.20(dd,1H,J=9.9Hz,18.2Hz),3.23−3.26(m,1H),3.29(dd,1H,J=9.0Hz,18.2Hz),3.91(s,3H),4.22−4.31(m,2H),5.80(d,1H,J=5.5Hz),5.89(d,1H,J=5.5Hz),6.90−6.95(m,1H),7.15−7.20(m,2H).
LCMS(EI)436(M+1+).
実施例33および実施例34と同様にして、以下の表に示す化合物を得た。
アリル(5R,6S)−3−(4−{2−[({1−[(アリルオキシ)カルボニル]−1H−イミダゾール−5−yl}メチル)アミノ]−2−オキソエチル}−3−クロロフェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(0.11g)を塩化メチレン(5.4mL)、イオン交換水(10.8mL)混合液に氷冷下溶解させ、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(6.7mg,、0.005mmol)、水素化トリ−n−ブチルスズ(0.52mL、1.9mmol)を加え、10分間激しく撹拌した後、静置した。氷冷イオン交換水(10.8mL)を加え、水層を分離し、更にイオン交換水5mLにて2回抽出した。分離抽出した水溶液を氷冷し、炭酸水素ナトリウム(16mg、0.19mmol)を加え10分間撹拌した後、氷冷下、減圧下に2時間おいて有機溶媒を除去した後、C18逆相カラムクロマトグラフィー(Wakosil C18逆相カラム、移動相;イオン交換水/THF=100:0〜100:3)にて精製後凍結乾燥し、(5R,6S)−3−(3−クロロ−4−{2−[(1H−イミダゾール−5−イルメチル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩(38mg、収率43%)を得た。
1H NMR(400MHz,D2O)δ
1.15(d,3H,J=6.0Hz),2.96(dd,1H,J=16.8Hz,10.0Hz),3.29(dd,1H,J=17.2Hz,8.4Hz),3.39−3.41(m,1H),3.65(s,2H),4.10−4.28(m,4H),6.91(s,1H),
7.18(s,1H),7.18(d,J=8.8Hz,1H),7.30(d,J=8.8Hz,1H),7.61(s,1H)
1H NMR(400MHz,D2O)δ
1.15(d,3H,J=6.0Hz),2.96(dd,1H,J=16.8Hz,10.0Hz),3.29(dd,1H,J=17.2Hz,8.4Hz),3.39−3.41(m,1H),3.65(s,2H),4.10−4.28(m,4H),6.91(s,1H),
7.18(s,1H),7.18(d,J=8.8Hz,1H),7.30(d,J=8.8Hz,1H),7.61(s,1H)
実施例73で得られた(5R,6S)−3−(3−クロロ−4−{2−[(1H−イミダゾール−5−イルメチル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩(76mg)の乾燥DMF(1.5mL)溶液に、ピバロイルオキシメチルクロライド(56μL)、ベンジルジエチルアンモニウムクロライド(87.6mg)を加え、35℃に加熱し2時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水、氷を加えて分液し、有機層を冷水洗浄(2回)、冷食塩水洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:10〜100:16)により精製し、[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシ]メチル−(5R,6S)−3−(3−クロロ−4−{2−[(1H−イミダゾール−5−イルメチル)アミノ]−2−オキソエチル}フェニル)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]]−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(30mg、収率49%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ
1.13(s,9H),1.38(d,3H,J=6.4Hz),3.10−3.28(m,3H),3.70(s,1H),4.17−4.51(m,4H),5.66(d,1H,J=5.6Hz),5.79(d,1H,J=5.6Hz),6.90(s,1H),7.16(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),7.24(s,1H),7.35(d,J=8.4Hz,1H),7.54(s,1H)
試験例
経口吸収性試験
本発明の実施例1記載の化合物および最も近い先行技術文献の一つであるJournal of Medicinal Chemistry、1987年、第30巻、p871−880に開示されている化合物32(パラ−ヒドロキシフェニル基が直接置換したカルバペネム)のピバロイルオキシメチルエステル誘導体をマウスまたはラットに経口投与し、血清中の活性体濃度をバイオアッセイにより測定し、絶対バイオアベイラビリティ(BA)を比較した。
検体(エステル化合物)および活性体
本発明の実施例1記載の化合物:[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシメチル(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート
比較化合物(Journal of Medicinal Chemistry、1987年、第30巻、p871−880に開示されている化合物32のピバロイルオキシメチルエステル誘導体):[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシメチル(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート
本発明の実施例1記載の化合物の活性体(実施例1記載の化合物に対応するカルボン酸ナトリウム塩):(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩
比較化合物の活性体(Journal of Medicinal Chemistry、1987年、第30巻、p871−880に開示されている化合物32に対応するカルボン酸ナトリウム塩):
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩
(2)マウス経口吸収性試験
検体は、5%DMSO−0.5%メチルセルロース混合液で均一な懸濁液を調製し、40%グルコース−5%カザミノ酸溶液のみを20時間与え、シラスタチン(2mg)を化合物投与5分前に皮下投与した4週齢雄性ICR系マウスに10mg力価/kg(活性体換算)で経口投与した。化合物投与、5、15、30、60分間後に、該マウス(n=3)より採血し、得られた血液を遠心分離することで血清を得、血清中活性体濃度をBacillus subtilis ATCC6633を指示菌とするバイオアッセイにより測定した。一方、活性体10mg力価/kgについては、5mMのMOPSを含む生理食塩水に溶解しマウス尾静脈内に投与し、同様に採血して血清をバイオアッセイに供した。
(3)ラット経口吸収性試験
マウス経口吸収性試験と同様に調製した検体を、滅菌水のみを20時間与え、シラスタチン(100mg/kg)を化合物投与5分前に皮下投与した7週齢雄性SD系ラット(n=3)に10mg力価/kg(活性体換算)で経口投与した。化合物投与、5、15、30、60分間後に、同一個体より採血し、マウス経口吸収性試験と同様にして血清中活性体濃度をバイオアッセイにより測定した。一方、活性体10mg力価/kgについては、25mMのMOPSを含む生理食塩水に溶解しラット尾静脈内に投与し、同様に採血して血清をバイオアッセイに供した。
(4)バイオアベイラビリティの算出
検体について、血清中活性体濃度測定値を検体投与後時間に対してプロットし、血清中活性体濃度−時間曲線下面積(AUC)を求めた。一方、活性体を静脈内投与した時のAUCを同様に求めた。
BA(%)=(経口投与時のAUC/静脈内投与時のAUC)×100
上式により、絶対バイオアベイラビリティ(BA)を算出した。
以上の試験において比較化合物はラットを用いた経口吸収性試験において経口吸収性を示さなかったのに対して本発明の実施例1の化合物はラットあるいはマウスを用いた経口吸収性試験において30%以上のバイオアベイラビリティーを示し、最高血中濃度(Cmax)も高かった。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ
1.13(s,9H),1.38(d,3H,J=6.4Hz),3.10−3.28(m,3H),3.70(s,1H),4.17−4.51(m,4H),5.66(d,1H,J=5.6Hz),5.79(d,1H,J=5.6Hz),6.90(s,1H),7.16(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),7.24(s,1H),7.35(d,J=8.4Hz,1H),7.54(s,1H)
試験例
経口吸収性試験
本発明の実施例1記載の化合物および最も近い先行技術文献の一つであるJournal of Medicinal Chemistry、1987年、第30巻、p871−880に開示されている化合物32(パラ−ヒドロキシフェニル基が直接置換したカルバペネム)のピバロイルオキシメチルエステル誘導体をマウスまたはラットに経口投与し、血清中の活性体濃度をバイオアッセイにより測定し、絶対バイオアベイラビリティ(BA)を比較した。
検体(エステル化合物)および活性体
本発明の実施例1記載の化合物:[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシメチル(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート
比較化合物(Journal of Medicinal Chemistry、1987年、第30巻、p871−880に開示されている化合物32のピバロイルオキシメチルエステル誘導体):[(2,2−ジメチルプロパノイル)オキシメチル(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート
本発明の実施例1記載の化合物の活性体(実施例1記載の化合物に対応するカルボン酸ナトリウム塩):(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−メトキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩
比較化合物の活性体(Journal of Medicinal Chemistry、1987年、第30巻、p871−880に開示されている化合物32に対応するカルボン酸ナトリウム塩):
(5R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸ナトリウム塩
(2)マウス経口吸収性試験
検体は、5%DMSO−0.5%メチルセルロース混合液で均一な懸濁液を調製し、40%グルコース−5%カザミノ酸溶液のみを20時間与え、シラスタチン(2mg)を化合物投与5分前に皮下投与した4週齢雄性ICR系マウスに10mg力価/kg(活性体換算)で経口投与した。化合物投与、5、15、30、60分間後に、該マウス(n=3)より採血し、得られた血液を遠心分離することで血清を得、血清中活性体濃度をBacillus subtilis ATCC6633を指示菌とするバイオアッセイにより測定した。一方、活性体10mg力価/kgについては、5mMのMOPSを含む生理食塩水に溶解しマウス尾静脈内に投与し、同様に採血して血清をバイオアッセイに供した。
(3)ラット経口吸収性試験
マウス経口吸収性試験と同様に調製した検体を、滅菌水のみを20時間与え、シラスタチン(100mg/kg)を化合物投与5分前に皮下投与した7週齢雄性SD系ラット(n=3)に10mg力価/kg(活性体換算)で経口投与した。化合物投与、5、15、30、60分間後に、同一個体より採血し、マウス経口吸収性試験と同様にして血清中活性体濃度をバイオアッセイにより測定した。一方、活性体10mg力価/kgについては、25mMのMOPSを含む生理食塩水に溶解しラット尾静脈内に投与し、同様に採血して血清をバイオアッセイに供した。
(4)バイオアベイラビリティの算出
検体について、血清中活性体濃度測定値を検体投与後時間に対してプロットし、血清中活性体濃度−時間曲線下面積(AUC)を求めた。一方、活性体を静脈内投与した時のAUCを同様に求めた。
BA(%)=(経口投与時のAUC/静脈内投与時のAUC)×100
上式により、絶対バイオアベイラビリティ(BA)を算出した。
以上の試験において比較化合物はラットを用いた経口吸収性試験において経口吸収性を示さなかったのに対して本発明の実施例1の化合物はラットあるいはマウスを用いた経口吸収性試験において30%以上のバイオアベイラビリティーを示し、最高血中濃度(Cmax)も高かった。
本発明によって、広範囲のグラム陽性菌、グラム陰性菌、特に近年分離頻度の増加が見られ臨床上の大きな問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)やβ−ラクタメース非産生性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)などペニシリン結合蛋白(PBP)変異にともない既存β−ラクタム剤に幅広く耐性を獲得したインフルエンザ菌に対して優れた抗菌活性を有し、経口吸収性の高いβ−ラクタム薬剤を提供することができる。
Claims (28)
- 一般式[1]
[式中、R1はC1−C3アルキルまたは水酸基により置換されたC1−C3アルキルを表す。Rは水素原子または生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を表す。
Gは一般式G1:
一般式G2:
(式中、Y1はC1−C4アルキル、C2−C4アルコキシ、−(CH2)ma−O−CH3(式中、maは1〜3を表す)、−O−(CH2)ma−O−(CH2)mb−CH3(式中、maは前記と同じ意味を表し、mbは0〜3を表す)、トリフルオロメトキシ、ハロゲン原子、シアノもしくは−SO2NR2R3(式中、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子、置換されていてもよい低級アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルを表すか、または、R2およびR3が一緒になって窒素原子と共に置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)
あるいは一般式G3:
(式中、Aは−(CH2)r−(式中、rは1〜3を表す)、−(CH2)s−O−(CH2)t−(式中、sおよびtはそれぞれ独立して0〜3を表す)、−O−(CH2)r−O−(CH2)s−(式中、rおよびsは前記と同じ意味を表す)、−(CH2)s−NRa−(CH2)t−(式中、sおよびtは前記と同じ意味を表し、Raは水素原子、アミノ基の保護基または置換されていてもよいC1−C6アルキルを表す)、を表す。
R0は水素原子または式[2]:
(式中、R2aおよびR3aはそれぞれ独立して(i)水素原子、(ii)置換されていてもよいC1−C6アルキル、(iii)置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、(iv)置換されていてもよいアリール、(v)置換されていてもよいヘテロアリール、(vi)置換されていてもよいアラルキル、(vii)置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、もしくは(viii)置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を表すか、またはR2aおよびR3aが一緒になって窒素原子と共に置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を表すほか、
下記式[3]:
(式中、mは0または1を表し、R3bは水素原子、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、または置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を表すが、m=1の場合に限ってR3bはさらに加えて、生体内で加水分解されてカルボキシル基を再生する基を表すこともできる。ただし、t=0でかつm=1の場合にはR3bは水素原子以外の基を表す。)を表す。
Y2はC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、ハロゲン原子、シアノもしくは−NR4R5を表す。R4とR5はそれぞれ独立して(i)水素原子、(ii)アミノ基の保護基、(iii)置換されていてもよいC1−C6アルキル、(iv)置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、(v)ホルミル、(vi)C2−C7アルキルカルボニル、(vii)置換されていてもよいアリール、(viii)置換されていてもよいヘテロアリール、(ix)置換されていてもよいアラルキル、(x)置換されていてもよいヘテロアリールアルキル、もしくは(xi)置換されていてもよい3ないし7員のヘテロ環を表すか、または、R4とR5は窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジンまたはアゼパンを形成してもよい。)]で表されるカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。 - Rが、式[4]で表される請求項1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- R1が1−ヒドロキシエチルである請求項1〜7いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- Rがピバロイルオキシメチル、アセチルオキシメチル、アセチルオキシ−1−エチル、イソプロピルオキシカルボニルオキシ−1−エチルあるいはシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エチルである請求項1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- Rがピバロイルオキシメチルである請求項1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- Rがフタリジルあるいは(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルである請求項1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- Rが水素原子である請求項1〜5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- Y1がC2−C4アルコキシ、−(CH2)ma−O−CH3(式中、maは1〜3を表す)もしくは−O−(CH2)ma−O−(CH2)mb−CH3(式中、maおよびmbは前記と同じ意味を表す)である請求項4記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- Y1がC1−C4アルキル、トリフルオロメトキシ、ハロゲン原子もしくはシアノである請求項4記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- Y1が−SO2NR2R3(式中、R2およびR3は前記と同じ意味を表す)である請求項4記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- Y1がエトキシ、−CH2−O−CH3、−(CH2)2−O−CH3あるいは−O−(CH2)2−O−CH3である請求項4記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- ベンゼン環上でY1が7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの結合位置に対しメタ位もしくはパラ位で置換された、請求項4、13、14、15、16記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- ベンゼン環上でY1が7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エンの結合位置に対しパラ位で置換された、請求項4、13、14、15、16記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- Y2がC1−C4アルキルである請求項5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- Y2がC1−C4アルコキシである請求項5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- Y2がハロゲン原子もしくはシアノである請求項5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- Y2が−NR4R5(R4およびR5は前記と同じ意味を表す)である請求項5記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩。
- 請求項1〜請求項24いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする医薬。
- 請求項1〜請求項24いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする抗菌剤。
- 請求項1〜請求項24いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする経口医薬。
- 請求項1〜請求項24いずれか記載のカルバペネム化合物またはその医薬品として許容される塩を有効成分とする経口抗菌剤。
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