JPWO2002044178A1 - 新規β−ラクタム化合物およびその製造法 - Google Patents
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Abstract
式[1]:[式中、R1は低級アルキル基など;R2はH、低級アルキル基;XはO、S、NH;mおよびnは0〜5で、その和が1〜5;Y1はハロゲンなど;Y2は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基など]で表わされる新規β−ラクタム化合物またはその塩もしくは無毒性エステル。この化合物はグラム陽性菌、特にメチシリン耐性ブドウ球菌およびメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌に対して優れた抗菌活性を示す。
Description
技術分野
本発明は、抗菌活性を有する後記一般式[1]で表わされる新規β−ラクタム化合物に関する。
背景技術
第三世代セファロスポリン薬剤の広範な臨床応用に伴いグラム陽性菌の分離頻度の増加が見られ、なかでもメチシリン耐性ブドウ球菌(以下MRSAと略記する。)の分離頻度の増加はそれによる感染症の難治化により臨床上大きな問題となっている。近年MRSA感染症に対し多用されているバンコマイシンは副作用等の理由から投与法が難しい面があり、また今後グリコペプチド耐性菌の増大も予測される。さらに、近年、メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNSと略記する。)の分離頻度の増加も報告されている。これらのことよりより安全で強力な抗MRSA活性、抗MRCNS活性を持つ薬剤の開発が望まれていた。
発明の開示
本発明はグラム陽性菌、特にMRSA、MRCNSに対して優れた抗菌活性を有するβ−ラクタム薬剤を提供することを目的とする。
本発明者らは種々の検討を行った結果、後記一般式[1]で表わされる化合物がグラム陽性菌に対し強力な効力を示し、特にMRSA、MRCNSに対し、優れた抗菌活性を示すことを見出し本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)一般式[1]
[式中、R1は低級アルキル基または水酸基により置換された低級アルキル基であり、R2は水素原子または低級アルキル基であり、XはO、SまたはNHであり、mおよびnはそれぞれ独立して0〜5であって、かつmとnの和が1〜5であり、Y1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基であり、そしてY2は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、シアノ基、または−C(R3)=NR4(ただし、R3およびはR4はそれぞれ独立して水素原子、置換されていても保護されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい低級アルキル基を示し、またR3とR4はそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を示す。なお、Y1は1〜4個存在し、同一炭素原子に2個置換されていてもよい。ただし、Y1が水素原子を表わすとき、Y2は水素原子および置換されていてもよい低級アルキル基以外の基を意味する。]
で表されるβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩もしくは無毒性エステル、
(2)mとnの和が3である(1)に記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩もしくは無毒性エステル、
(3)mとnの和が4である(1)に記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩もしくは無毒性エステル、
(4)XがSである(1)−(3)のいづれかに記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩もしくは無毒性エステル、
(5)R1が1−(R)−ヒドロキシエチルである(1)−(4)のいづれかに記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩もしくは無毒性エステル、
(6)一般式[1]
[式中、R1は低級アルキル基または水酸基により置換された低級アルキル基であり、R2は水素原子または低級アルキル基であり、XはO、SまたはNHであり、mおよびnはそれぞれ独立して0〜5であって、かつmとnの和が1〜5であり、Y1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基であり、そしてY2は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、シアノ基、または−C(R3)=NR4(ただし、R3およびはR4はそれぞれ独立して水素原子、置換されていても保護されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい低級アルキル基を示し、またR3とR4はそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を示す。なお、Y1は1〜4個存在し、同一炭素原子に2個置換されていてもよい。ただし、Y1が水素原子を表わすとき、Y2は水素原子および置換されていてもよい低級アルキル基以外の基を意味する。]
で表されるβ−ラクタム化合物またはその塩を製造するにあたり、一般式[2]
〔式中、R1aは低級アルキル基、水酸基により置換された低級アルキル基または保護基により保護された水酸基で置換された低級アルキル基であり、R2は前記と同じ意味を有し、R5はカルボキシル基の保護基を示し、そしてLは水酸基の活性エステルを示す。]
で表わされる化合物と、一般式[3]
[式中、m、n、XおよびY1は前記と同じ意味を有し、Y3は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、シアノ基、または−C(R3)=NR4a(ただし、R3は前記と同じ意味を有し、R4aは水素原子、置換されていても保護されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい低級アルキル基、またはイミドイル基の保護基を示し、またR3とR4aはそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を示す。ただし、Y1が水素原子を表わすとき、Y3は水素原子および置換されていてもよい低級アルキル基以外の基を意味する。]
で表わされる化合物とを塩基の存在下に反応させるか、あるいは一般式「2]で表わされる化合物と一般式[3]で表される化合物のチオレート塩とを反応させ、一般式[4]
[式中、R1a、R2、R5、m、n、X、Y1およびY3は前記と同じ意味を有する。]
で表わされる化合物とし、R1aおよびY1における水酸基の保護基の除去反応、Y1におけるアミノ基の保護基の除去反応、Y3におけるアミノ基の保護基の除去反応と所望によりそれに引き続く保護基の除去されたアミノ基のイミドイル化反応、またはY3におけるイミドイル基の保護基の除去反応、R5およびY1におけるカルボキシル基の保護基の除去反応を適宜組み合わせた反応を行うことを特徴とする一般式[1]で表わされるβ−ラクタム化合物またはその塩の製造法、
(7)前記(1)−(5)のいづれかに記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩または無毒性エステルを有効成分として含有する医薬、および
(8)前記(1)−(5)のいづれかに記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩または無毒性エステルを有効成分として含有する抗菌剤に関する。
発明を実施するための形態
本発明において、低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。
低級アルケニル基としては、例えばビニル、1−メチルビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、3−ペンテニル、4−ヘキセニルまたは3−メチル−2−ヘキセニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数2〜7のものが挙げられる。
水酸基により置換された低級アルキル基としては、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピルのような炭素数1〜6のものが挙げられる。
低級アルキルオキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシまたはn−ヘキソキシのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。
低級アルキルアミノ基としては、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、メチルエチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ、ジ(イソプロピル)アミノ、ジ(n−ブチル)アミノ、ジ(n−ペンチル)アミノ、ジ(n−ヘキシル)アミノのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6の低級アルキル基がモノまたはジ置換したアミノ基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表わす。
5ないし7員のヘテロ環としては、例えば3,4−ジヒドロ−2H−ピロール環、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン環、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−アゼピン環などが挙げられる。
置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい低級アルケニル基の置換基としては、例えば水酸基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、−NR6R7(R6とR7はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表わす。また、R6とR7は窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、アゼパン、モルホリン、ピペラジン、N−低級アルキル置換ピペラジンなどの5−7員環を形成してもよい。)、−CONR6R7(ただし、R6とR7は前記と同じ意味を表わす。)、−NR6aCOR7a(ただし、R6aとR7aはそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表わす。)、−OCONR6R7(ただし、R6とR7は前記と同じ意味を表わす。)、−SO2NR6R7(ただし、R6とR7は前記と同じ意味を表わす。)、−NR6aSO2NR6R7(ただし、R6a、R6およびR7は前記と同じ意味を表わす。)、−NR6aCONR6R7(ただし、R6a、R6およびR7は前記と同じ意味を表わす。)、または−COOCH2OCOR8(ただし、R8は低級アルキル基を表わす。)といった基が挙げられる。これらの置換基は適当な保護基により保護されていてもよい。置換位置は化学的に可能な位置であれば制限はなく、一箇所あるいは複数箇所の置換が可能である。
低級アルキルチオ基としては、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオまたはn−ヘキシルチオのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6の低級アルキルチオ基が挙げられる。
低級アルキルスルフィニル基としては、例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n−ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、tert−ブチルスルフィニル、n−ペンチルスルフィニルまたはn−ヘキシルスルフィニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6の低級アルキルスルフィニル基が挙げられる。
低級アルキルスルホニル基としては、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニルまたはn−ヘキシルスルホニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6の低級アルキルスルホニル基が挙げられる。
低級アルキルカルボニル基としては、例えばメチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニルまたはn−ヘキシルカルボニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数2〜7の低級アルキルカルボニル基が挙げられる。
低級アルキルカルボニルオキシ基としては、例えばメチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシまたはn−ヘキシルカルボニルオキシのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数2〜7の低級アルキルカルボニルオキシ基が挙げられる。
低級アルキルオキシカルボニル基としては、例えばメチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、n−プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、n−ブチルオキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニルまたはn−ヘキシルオキシカルボニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数2〜7の低級アルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
置換されていてもよいカルバモイル基の置換基としては、例えば1個または2個の低級アルキル基、またはカルバモイル基の窒素原子と一緒になって形成されるピロリジン、ピペリジンまたはアゼパンなどが挙げられる。
置換されていてもよいアミノ基の置換基としては、例えば1個または2個の低級アルキル基、またはアミノ基の窒素原子と一緒になって形成されるピロリジン、ピペリジンまたはアゼパンなどが挙げられる。
置換されていてもよい5ないし7員ヘテロ環の置換基としては、例えば低級アルキル基、水酸基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基などが挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルのような直鎖状もしくは分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル基、例えば2−ヨウ化エチル、2,2,2−トリクロロエチルのような炭素数1〜5のハロゲノ低級アルキル基、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、イソブトキシメチルのような炭素数1〜5のような低級アルコキシメチル基、例えばアセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル,ピバロイルオキシメチルのような炭素数1〜5の低級脂肪族アシルオキシメチル基、例えば1−エトキシカルボニルオキシエチルのような1−(C1〜C5)低級アルコキシカルボニルオキシエチル基、例えばベンジル、p−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジルのようなアラルキル基、例えばアリル、3−メチルアリルのような炭素数3〜7の低級アルケニル基、ベンズヒドリル基、またはフタリジル基が挙げられる。
水酸基の保護基およびアミノ基の保護基としては、通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えば、tert−ブチルオキシカルボニルのような炭素数1〜5の低級アルコキシカルボニル基、例えば2−ヨウ化エチルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニルのような炭素数1〜5のハロゲノアルコキシカルボニル基、例えばアリルオキシカルボニルのような置換または無置換の炭素数3〜7の低級アルケニルオキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル基、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリルのようなトリアルキルシリル基が挙げられる。
前記一般式[1]で表されるβ−ラクタム化合物における、好ましい置換基Y1としては、メチル、エチル、イソプロピルなどのC1−C3のアルキル基、ヒドロキシメチル、クロロメチル、フロロメチル、メトキシメチル、カルバモイルオキシメチル(−CH2OCONH2)、ウレイドメチル(−CH2NHCONH2)、スルファモイルメチル(−CH2SO2NH2)、スルファモイルアミノメチル(−CH2NHSO2NH2)、カルバモイルなどが挙げられ、そして好ましい置換基Y2としては、水素、メチル、エチル、イソプロピルなどのC1−C3のアルキル基、イミノメチル(−CH=NH)、−C(CH3)=NHなどが挙げられる。
また、前記一般式[1]の医薬として許容される塩は常用の無毒性塩である。そのような塩としては、まず分子内のカルボン酸の塩として例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムのような無機性塩基塩、例えばトリエチルアンモニウム、ピリジニウム、ジイソプロピルアンモニウムのような有機性塩基塩、さらに3位側鎖上の四級アンモニウムイオン等の陽電荷とともに形成する分子内塩が挙げられ、次に分子内塩基の塩としては例えば塩酸、硫酸、リン酸といった無機酸塩、例えばギ酸、酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸といった有機酸塩が挙げられる。
一般式[1]の2位カルボキシル基における無毒性エステルとは、医薬品として許容される慣用的なものを意味し、好適には例えばアセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、n−ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、シクロヘキシルアセトキシメチル、(1−メチルシクロヘキサンカルボキシ)メチル、のような(炭素数2〜10のアルカノイル)オキシメチルエステル、例えば1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(n−プロピルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルのような1−[(炭素数1〜10のアルコキシ)カルボニルオキシ]−(炭素数1〜3のアルキル)エステル、(5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン−4−イル)メチルエステル、フタリジルエステルといった生体内で容易に加水分解を受けるものが挙げられる。
一般式[1]で表されるβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩もしくは無毒性エステルは、それらの無水物、水和物または溶媒和物であってもよい。
以下に本発明化合物の製造方法について詳細に述べる。
一般式[2]
[式中、R1a、R2、R5およびLは前記と同じ意味を有する。]
で表わされる化合物と、一般式[3]
[式中、m、n、X、Y1およびY3は前記と同じ意味を有す。]
で表わされる化合物とを塩基の存在下に反応させるか、あるいは一般式[2]で表わされる化合物と一般式[3]で表される化合物のチオレート塩とを不活性溶媒中で反応させることにより一般式[4]
[式中、R1a、R2、R5、m、n、X、Y1およびY3は前記と同じ意味を有する。]
で表わされる化合物またはその塩を製造することができる。
上記Lにおける水酸基の活性エステルとは、例えばベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、p−ニトロベンゼンスルホン酸エステル、p−ブロモベンゼンスルホン酸エステル等の置換もしくは無置換アリールスルホン酸エステル、例えばメタンスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル等の炭素数1〜5の低級アルカンスルホン酸エステル等、例えばトリフルオロメタンスルホン酸エステル等の炭素数1〜5のハロゲノアルカンスルホン酸エステル、例えばジフェニルリン酸エステル等のアリールリン酸エステル、例えばハロゲン化水素とのエステルである塩素化物、臭素化物、ヨウ素化物等のハロゲン化物等を挙げることができる。このような水酸基の反応性エステルの中で好適なものとしてはp−トルエンスルホン酸エステル、メタンスルホン酸エステル、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、ジフェニルリン酸エステルを挙げることができる。
一般式[2]で表わされる化合物と、一般式「3」で表わされる化合物から塩基の存在下、一般式「4]で表わされる化合物を得るのに用いられる不活性溶媒としてはジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、ヘキサメチルホスホラミドといったもの、またそれらの混合溶媒をあげることができる。
塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、のような無機塩基、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ−7−エン(DBUと略記する。)のような有機塩基を挙げることができる。特に好適なものとしてDBUが挙げられる。塩基は反応が十分進行するだけの量が必要であり、一般式[3]で表わされるメルカプタン化合物に対して通常1〜3当量を用いておこなうことができる。
一般式[3]で表わされるメルカプタン化合物は、反応が十分進行するだけの量が必要であり、大過剰を用いることができるが、一般式[2]で表わされる化合物に対して、通常1〜2当量を用いて行うことができる。
反応温度は−100℃〜+60℃の範囲で行われるが、−40℃〜+40℃の範囲が好適である。なお、反応終了後は通常の有機化学的手法によって生成物を取り出すことができる。
一般式[2]で表わされる化合物と一般式[3]で表わされる化合物のチオレート塩との反応により一般式「4]で表わされる化合物を製造するのに用いられる不活性溶媒としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、ヘキサメチルホスホラミドといったもの、またそれらの混合溶媒を挙げることができる。
チオレート塩は、反応が十分進行するだけの量が必要であり、大過剰を用いることができるが、一般式[2]で示される化合物に対して、通常1〜2当量を用いて行うことができる。
反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−40℃〜+40℃の範囲が好適である。なお、反応終了後は通常の有機化学的手法によって生成物を取り出すことができる。
チオレート塩は一般式[3]で表わされるメルカプタン化合物と塩基により製造できる。塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムのような無機塩基、tert−ブトキシカリウム、ナトリウムメトキシドのような金属アルコキシド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシラジドのような金属アミドが挙げられる。
次に、得られた一般式[4]で表わされる化合物からは、必要に応じて公知の方法に従い、R1aおよびY1における水酸基の保護基の除去反応、Y1におけるアミノ基の保護基の除去反応、Y3におけるアミノ基の保護基の除去反応と所望によりそれに引き続く保護基の除去されたアミノ基のイミドイル化反応、またはY3におけるイミドイル基の保護基の除去反応、R5およびY1におけるカルボキシル基の保護基の除去反応を適宜組み合わせた反応を行うことにより一般式[1]で表わされるβ−ラクタム化合物またはその塩を製造することができる。
上記の基の除去方法は、酸、塩基、還元剤等で処理するそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene:Protective Groups in Organic Synthesis,J.Wiley & Sons Inc.,1981を参照することができる。酸としては好適にはトリフルオロ酢酸、ギ酸、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム等、またはその混合したものを挙げることかできる。塩基としては好適には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、硫化ナトリウム、あるいは硫化カリウム等のアルカリ金属硫化物、あるいフッ化テトラブチルアンモニウムを挙げることができる。還元による方法としては好適には亜鉛および酢酸、水素およびパラジウム−炭素あるいは白金等による水素化分解等が挙げられる。また、0価パラジウムを用いる手法も用いることができる。
使用される溶媒としては本反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、水、メタノールやエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフランやジオキサン等のエーテル類、酢酸等の脂肪酸類、およびそれらの混合溶媒を用いることができる。反応温度としては適宜冷却または加熱することにより反応を抑制または促進することが可能であり、好適温度としては−30℃〜+40℃が挙げられる。反応終了後は通常の有機化学的手法により生成物を取り出すことができるが、例えば反応混合物の液性を中性付近とした後、吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィーに付し、目的化合物の溶出する部分を分取し、凍結乾燥することにより反応生成物を得ることができる。
一般式[2]で表わされる化合物は公知であり、例えば特公昭63−55514号公報に記載の方法により製造することができる。
一般式[3]で表わされるメルカプタン化合物は公知の各種の方法、例えばK.Hofmann,Heterocyclic Chemistry vol.6(1953),J.V.Metzger,同書vol.34(1979),I.J.Turchi,同書vol.45(1986),Interscience Publishers,Inc.あるいはA.R.Katritzky,Advanses in Hetrocyclic Chemistry,vol.32(1982),Academic Pressといった叢書記載の方法、あるいはそれらを組み合わせることにより製造することができる。
前記一般式「1]で表わされる化合物には次式
に示されるように、カルバペネム骨格の4位、5位、6位の不斉炭素に基づく光学異性体が存在し、これらの異性体が便宜上すべて単一の式で示されているが、これによって本発明の記載の範囲は限定されるものではなく、本発明は各不斉炭素原子に基づくすべての異性体および異性体混合物を含むものである。
好適なものとしてR2が水素の場合には、5位の炭素原子がR配位の(5R,6R)配位または(5R,6S)配位の化合物を挙げることができ、R2が低級アルキル基の場合には4位の炭素原子がR配位で5位の炭素原子がS配位を有する(4R,5S,6S)配位、または(4R,5S,6R)配位の化合物を挙げることができる。
さらにR1が1−ヒドロキシエチルの場合、次式
に示されるように8位においてもR配位のものとS配位の異性体があり、好適なものとしてR配位を挙げることができる。
また、置換基Y1の種類およびY1が結合する環の種類により、異性体が存在する。
このような配位を有する異性体を製造する場合は、一般式[2]および/または[3]で表わされる原料化合物において各々対応する異性体を使用して行うことができる。
前記一般式[1]で示される本発明化合物は、カルバペネム骨格の3位に各種の置換基を有するアゾールチオ基を有する新規なβ−ラクタム化合物群であり、これらの化合物は優れた抗菌活性を有し、医薬品として有用な化合物である。
本発明によって得られる一般式[1]を有する化合物の具体例としては、例えば以下の表1に示した化合物を挙げることができる。
上記表1に例示した化合物においては前述したように立体異性体が存在し、例示化合物はすべての異性体を含むものである。また、Y1が置換されることにより異性体が生じる場合があるが、例示化合物はすべての異性体を含むものである。
本発明の一般式[1]で表わされる新規β−ラクタム化合物はスタフィロコッカス・オウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミディス、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・ニューモニア、エンテロコッカス・フェカーリスなどのグラム陽性菌、大腸菌、プロテウス属菌、クレブシエラ・ニューモニア、ヘモフィルス・インフルエンザ、淋菌、ブランハメラ菌などのグラム陰性菌を包含する広範囲な病原菌に対し抗菌活性を有するものもあるが、特にグラム陽性菌に対する抗菌力に優れ、MRSAおよびMRCNSにも優れた抗菌活性を有することが特徴として挙げられる。
さらに、本発明化合物[1]は各々の化合物によってその程度は異なるが、中枢性副作用が一層低減されていること、あるいは医薬品として具備すべき水溶解度等の物理化学的性質において一層改善されていることもその特徴として挙げることができる。
腎酵素であるデヒドロペプチダーゼーI(DHP−Iと略記する。)は天然由来のカルバペネム化合物を容易に分解することが知られているが、カルバペネム類である本発明の一般式[1]で表わされる化合物はDHP−Iに対し安定なものもあり単剤での使用が可能であるが、もし必要である場合にはDHP−I阻害剤との併用も可能である。
本発明化合物を細菌感染症を治療する抗菌剤として用いるための投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤等による経口投与あるいは静脈内注射、筋肉内注射、直腸投与などによる非経口投与が挙げられる。
前記の適当な投与剤形は許容される通常の担体、賦形剤、結合剤、安定剤などに活性化合物を配合することにより製造することができる。注射剤で用いる場合には許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤などを添加することもできる。
投与量は症状、年齢、体重、投与形態、投与回数等によって異なるが、通常は成人に対し、一日100〜3000mgを一回または数回に分けて投与する。必要に応じて減量あるいは増量することができる。
実施例
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はもちろんこれらによって限定されるものではない。
なお以下の実施例で用いている略号の意味は次の通りである。
TMS:トリメチルシリル基
ALOC:アリルオキシカルボニル基
Ac:アセチル基
Me:メチル基
TBDMS:tert−ブチル(ジメチル)シリル基
実施例1
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[(2S,4S)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
19mlのアセトニトリルに1.90gの(2S,4S)−4−アリルオキシカルボニルオキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解してなる溶液に、0.23gの水素化ナトリウム(鉱油中65%)を一度に室温で加える。この混合物を1時間攪拌し、0℃まで冷却し、3.00gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加える。得られた溶液を4℃で4日間冷蔵庫に保存し、次に50mlの酢酸エチルと50mlの1N冷塩酸を加える。混合物を0℃で15分間攪拌する。分液し、有機層をシリカゲルでクロマトグラフィーにより精製する。生成物画分を集め、蒸発乾燥させて、0.23gの無色の発泡体を生ずる(約0.97gの出発材料(2S,4S)−4−アリルオキシカルボニルオキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルが回収される)。
この物質95mgを3mlのジクロロメタンに溶解した溶液に211mgのビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物、22μlの酢酸および0.4mlの水素化トリブチル錫を、室温でよく攪拌しながら加える。すぐに激しくガスが発生する。室温での攪拌を30分間継続する。得られた懸濁液に10mlのpH4.00の燐酸緩衝液を加える。分液し、水層をMCIゲル(CHP20P)上でクロマトグラフィーにより精製して、0.045gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[(2S,4S)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を凍結乾燥後に白色粉末として得る。
IR:1755cm−1
MS(ISP):412.4(M+H)
HNMR:(250MHz,D2O,δ ppm):1.04(d,J=8Hz,3H);1.22(d,J=6.5Hz,3H);2.2−2.35(m,1H);2.75−2.95(m,1H);3.12−3.58(m,4H);4.15−4.25(m,2H);7.25(s,1H)
出発材料の(2S,4S)−4−アリルオキシカルボニルオキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルは、下記のようにして得る。
a)(2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
20mlのテトラヒドロフランと10mlのヘキサンに2.00gの(1S)−3−オキソ−2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、2.62gのブロモクロロメタン(1.36ml、0.020モル)を加え、混合物を−100℃まで冷却する。この温度でn−ヘキサン(0.020モル)にn−ブチルリチウムを溶解してなる−78℃の冷1.6m溶液の12.67mlを15分間加える。反応混合物に10%クエン酸を加えることにより反応を停止する。分液し、有機層を10%重炭酸カリウムと塩水で洗浄する。水層を酢酸エチルで抽出する。集めた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で濃縮する。油状残留物をクロマトグラフィーによりシリカゲルでn−ヘキサン:酢酸エチル=1:2を用いて精製し、1.34gの無色の油を得る。MS(EI+Q1):M=247。この油を15mlのエタノールに溶解し、0.70gのジチオカルバミン酸アンモニウムを加える。混合物を室温で30分間攪拌し、2時間還流する。混合物は水と酢酸エチルに分配される。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーによりシリカゲルで酢酸エチルを用いて精製し、生成物をtert−ブチルメチルエーテルと共に粉砕し、0.85gの(2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを140−141℃の融点を有する黄色結晶として得る。
HNMR:(250MHz,DMSO d6 δ ppm)1.90(d,13.8Hz,1H);2.3−2.5(m,1H);3.36−3.48(m,1H);3.58−3.66(m,1H);4.36(s,1H);4.40−4.60(m,2H);4.70−4.80(m,1H);5.05−5.20(m,2H);5.70−6.00(m,1H);6.56(s,1H)
MS:(EI+Q1)M=286
MA:Calc.for C11H14N2O3S2 C:46.14,H:4.93,N:9.78 found C:45.96,H:4.93,N:9.58
b)(2S,4S)−4−アリルオキシカルボニルオキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
20mlのアセトニトリルに2.00gの(2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0.256gの4−(ジメチルアミノ)ピリジンと3.062gのアリル−1−ベンゾトリアゾリル炭酸塩を加え、混合物を室温で1時間攪拌する。この混合物は水とエチルエステルに分配され、有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:1を用いて精製する。生成物画分を集め、蒸発乾燥して、2.03g(0.010モル)の(2S,4S)−4−アリルオキシカルボニルオキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを無色の粘稠な油として得る。
HNMR:(250MHz,CDCl3,δ ppm)2.4−2.7(m,2H);3.6−3.9(m,2H);4.5−4.7(m,4H);4.98(d,J=9Hz,1H);5.2−5.5(m,4H);5.8−6.05(m,2H);6.41(s,1H);11.0(s,broad,1H)
MS(ISP):M+H=371
実施例2
(4R,5S,6S)−3−[4−(3R,5S)−5−ジメチルカルバモイル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
22mlのアセトニトリルに2.2gの(2S,4R)−2−ジメチルカルバモイル−4−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0℃で0.26gの水素化ナトリウム(鉱油中60%)を一度に加える。混合物を0.5時間攪拌し、4.6gの(4R,5R,6S)−4−メチル−7−オキソ−3−[[(トリフルオロメチル)スルフォニル]オキシ]−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加える。得られた溶液を冷蔵庫24°Cで18時間保存する。反応混合物は水と酢酸エチルに分配され、有機層をシリカゲルで酢酸エチルを用いてクロマトグラフィーにより精製し、2.89gの無色の発泡体を得る。これを50mlの酢酸エチルに溶解し、50mlの1N冷塩酸で処理する。混合物を0℃で5分間攪拌する。分液し、有機相を重炭酸カリウムと塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で濃縮する。残留物を30mlのジクロロメタンに溶解し、0.30gのビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物、0.6mlの酢酸および11.2mlの水素化トリブチル錫を、室温で攪拌しながら加える。直ぐに激しいガスの発生が起こる。室温での攪拌を30分間続ける。得られた混合物に氷冷したpH4.00の燐酸緩衝液を加える。分液し、水層をMCIゲル(CHP20P)上でクロマトグラフィーにより精製して、凍結乾燥後に1.35gの白色粉末を得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.05(d,J=8Hz,3H);1.23(d,J=6Hz,3H),2.43−2.58(m,1H);2.66−2.80(m,1H);2.99(s,3H);3.07(s,3H);3.13−3.30(m,1H);3.40−3.60(m,2H);3.74−4.0(m,2H);4.14−4.30(m,2H);4.90−5.00(d,d J1=6Hz,J2=9Hz,1H);7.51(s,1H)MS(ISP):M+H=467.2
IR(MIR):1755cm−1
出発材料の(2S,4R)−2−ジメチルカルバモイル−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを、下記の方法で得る。
40gの(2S−シス)−2−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−4−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルおよび27.7gのシアン化テトラエチルアンモニウムを250mlのアセトニトリルに溶解してなる混合物をアルゴン下で8時間還流する。この混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで徹底的に抽出する。有機層をクロマトグラフィーにより1kgのシリカゲルでジクロロメタン:酢酸エチル:メタノール=5:4:1を用いて精製し、明るい茶色の油を得る。この油を2N塩酸のエタノール中で2時間還流する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分散させる。有機層を10%重炭酸カリウムと塩水で洗浄する。水層を酢酸エチルで抽出する。集めた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、クロマトグラフィーによりシリカゲルで酢酸エチルを用いて精製する。得られた生成物を150℃で0.1ミリバール下で蒸留し、12.0gの(3S,5R)−5−ジメチルカルバモイル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを無色の油(MS(ISP):M+H=299.4)として得る。これを120mlのテトラヒドロフランに溶解する。得られた溶液に、10.4gのブロモクロロメタンを60mlのn−ヘキサンに溶解してなる溶液を加え、混合物を−100℃に冷却する。得られた透明な溶液に、n−ブチルリチウムをn−ヘキサンに溶解してなる−78℃冷1.6M溶液50.4mlを加えて、温度が−95℃を越えないような速度で攪拌する。この温度での攪拌を10分間続ける。次に、10%クエン酸を添加してその反応を停止する。分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で蒸発させ、無色の油を得る。これを160mlのエタノールに溶解する。得られた透明な溶液に6.9gのジチオカルバミン酸アンモニウム塩を加え、混合物を室温で30分間攪拌し、1時間還流する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配され、有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製して、7.54gの(2S,4R)−2−ジメチルカルバモイル−4−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを明るい黄色の発泡体として得る。
HNMR(250MHz,DMSO d6,δ ppm):2.1−2.4(m,2H);2.83(s,3H);3.00 and 3.03(s,s together 3H amide rotamers);3.30−3.50(m,2H);3.7−3.9(m,1H);4.35−4.6(m,2H);4.75−4.90(m,1H);5.1−5.4(m,2H);5.7−6.0(m,1H);6.80(s,1H);13.23(s,1H).
MS(EI+Q1):M=341
実施例3
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[(3R,4R)−および−[(3S,4S)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸=1:1の混合物の合成:
5mlのアセトニトリルに0.29gの(トランス)−3−ヒドロキシ−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解してなる溶液に、40mgの水素化ナトリウム(鉱油中約60%)を攪拌しながら加える。直ちに、ガスの発生が起こる。ガスの発生が終了した後(約15分間)、混合物を−15℃まで冷却し、次に、1.5mlのアセトニトリルに(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解してなる溶液を攪拌しながら加える。得られた透明な反応混合物をアルゴン下で冷蔵庫に4℃で一晩保存する。この反応混合物に20mlの酢酸エチルと20mlの1N塩酸を加え、混合物を15分間攪拌する。分液し、有機層を濃縮し、クロマトグラフィーによりシリカゲルで酢酸エチル:ヘキサン=1:1;酢酸エチルおよび酢酸エチル:メタノール=8:2を用いて精製する。最も極性の高い成分を収集し、濃縮する。残留物を高真空下で一定の重量まで乾燥し、0.16gの無色の固体を得る。この固体を5mlのジクロロメタンに溶解してなる溶液に、0.020gのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)および0.5mlの水素化トリブチル錫を室温で攪拌しながら加える。ガスの発生が起こり、混合物を室温で15分間攪拌し、氷冷したpH7.00の燐酸緩衝液を加え(15ml)、分液する。水層をクロマトグラフィーによりMCI(CHP−20)ゲル上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製する。生成物を約8%のアセトニトリルで溶出する。生成物画分を濃縮し、凍結乾燥して、0.070gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[(3R,4R)−および−[(3S,4S)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸=1:1の混合物を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.01(d,J=8Hz,3H);1.20(d,J=6Hz,3H);3.08−3.30(m,2H);3.4−3.85(m,5H);4.10−4.25(m,2H);4.50−4.70(m,1H);7.50(s,1H)
MS(ISP):M+H=412.3
IR(NJL):1755cm−1
出発材料である(トランス)−3−ヒドロキシ−4−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを下記の方法で得る。
a)(ラセミ)−6−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸アリルエステルの合成:
1000mlの1,2−ジクロエタンに95.00gの2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボン酸アリルエステルおよび183.5gの3−クロロペルオキシ安息香酸を加えてなる混合物を室温で20時間攪拌する。固型物を濾過して除去する。母液を1000mlの水と混合し、混合物に2N水酸化ナトリウムを加えてpHを7.5に調整する。分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、クロマトグラフィーにより1.75kgのシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:1を用いて精製して、38.73gのラセミ性6−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸アリルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):3.39(d,J=12Hz,2H),3.70(s,2H);3.80(dd,J1=12Hz,J2=10Hz,2H);4.55−5.00(m,2H);5.15−5.35(m,2H);5.75−6.00(m,1H)
MS(EI+Q1):M=169
b)(トランス)−3−シアノ−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
32.9gのトリメチルシリシアニドと4.5gのアルミニウムトリイソプロポキシドの混合物に、37.4gの6−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸アリルエステルを加え、得られた混合物を室温で18時間攪拌する。反応混合物は1N塩酸と酢酸エチルとに分配される。分液し、有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:2を用いて精製して、32.18gの(トランス)−3−シアノ−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.85(s,broad,1H);3.00−3.20(m,1H);3.30−3.50(m,2H);3.70−3.95(m,3H);4.55−4.70(m,2H);5.20−5.40(m,2H);5.85−6.05(m,1H).
MS(ISP):M+H=197.3
IR(MIR):2246cm−1
e)(トランス)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルの合成:
エタノール中、200mlの2N塩酸に20.0gの(トランス)−3−シアノ−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液を18時間還流する。反応混合物は水と酢酸エチルの間に分配され、有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:2を用いて精製して、15.00gの(トランス)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.28(t,J=7.5Hz,3H);2.45(d,J=3Hz,1H);2.94−3.10(m,1H);3.25−3.42(m,1H);3.60−3.90(m,3H);4.20(qu,J=7.5Hz,2H);4.55−4.65(m,2H);5.18−5.40(m,2H);5.83−6.03(m,1H)
MS(ISP):M+H=244.3
IR(FLM):1740cm−1
d)(トランス)−3−ヒドロキシ−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
50mlのジメチルホルムアミドに5.00gの(トランス)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを溶解した溶液に、4.00gのクロロジメチルテキシルシランと1.60gのイミダゾールを加え、混合物を室温で18時間攪拌する。この混合物は、水と酢酸エチルに分配させる。分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、クロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=3:1を用いて精製して、7.1gの油を得る。この油を50mlのテトラヒドロフランと25mlのヘキサンに溶解した溶液に、5.24gのブロモクロロメタンを加え、得られた混合物を−100℃まで冷却する。この温度で、n−ヘキサン中にn−ブチルリチウムを溶解した−78℃の冷1.6M溶液25.34mlを15分間加える。反応混合物に10%クエン酸を加えることにより反応を停止する。分液し、有機層を10%重炭酸カリウムと塩水で洗浄する。水層を酢酸エチルで抽出する。集めた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で濃縮する。油性残留物をクロマトグラフィーによりシリカゲルでn−ヘキサン:酢酸エチル=1:2を用いて精製して、5.0gの油を得、これを50mlのエタノールに溶解し、ジチオカルバミン酸アンモニウム塩で処理して2時間還流する。反応混合物は水と酢酸エチルに分配され、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発する。固体残留物を25mlのメタノールに溶解し、1.20gのフッ化アンモニウムを加える。混合物を撹拌し、2時間還流する。溶剤を蒸発させ、残留物は水と酢酸エチルに分配される。有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルで酢酸エチルを用いて精製して、1.05gの(トランス)−3−ヒドロキシ−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを白色の発泡体として得る。
HNMR(250MHz,DMSO d6,δ ppm):3.05−3.20(m,2H);3.30−3.50(m,1H);3.55−3.80(m,2H);4.30−4.40(m,1H);4.52(d,J=6Hz,2H);5.15−5.35(m,2H);5.52(d,J=5Hz,1H);5.80−6.00(m,1H);6.73(s,1H);13.26(s,1H).MS(EI+Q1):M=286
IR(MIR):1664cm−1
実施例4
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[(R)−4−(1−イミノメチル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
1.5mlの水に0.1gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、0.060gのホルムイミド酸ベンジルエステル塩酸塩(1:1)を攪拌しながら室温で添加する。pHを7に調整する。pHが8に上昇したら、別の0.040gのホルムイミド酸ベンジルエステル塩酸塩(1:1)を加える。pHは約6.8まで低下し、再び上昇を始める。その工程はHPLCで保持時間が原料よりも短い生成物に完全に変換されるまで4回繰り返される。反応混合物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)で含水率30%までのアセトニトリルで精製し、凍結乾燥して、0.045gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[(R)−4−(1−イミノメチル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色の粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.01(d,J=8Hz,3H);1.20(d,J=6.5Hz,3H);2.05−2.6(m,2H);3.07−3.21(m,1H);3.38−3.45(m,1H);3.50−4.00(m,4H);4.03−4.20(m,2H);7.42 and7.44(s,s 1:1 together 1H amidine rotamers);7.96−7.99(s,s 1:1 together 1H amidine rotamers(回転異性体)).
MS(ISP):M+H=423
IR(MIR):1754cm−1
出発材料(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を下記の方法で製造する。
a)(S)−3−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルの合成:
100mlのジクロロメタンに15.00gの(S)−3−ヒドロキシ−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に10.64gのトリエチルアミンを加える。混合物を0℃に冷却し、11.04gのメタンスルフォニルクロリドを20分間攪拌しながら加える。攪拌を室温で30分間継続する。水を加える。分液し、有機層を10%クエン酸、重炭酸カリウムおよび塩水で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥および蒸発して、22.72gの(S)−3−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルを淡黄色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):2.05−2.42(m,2H);3.06(s,3H);3.48−3.86(m,4H);4.61(d,J=5.5Hz,2H);5.2−5.4(m,3H);5.84−6.05(m,1H).
IR(FLM):1702cm−1
MS(ISP):M+H=250.2
b)(R)−3−シアノ−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
200mlのアセトニトリルに22.40gの(S)−3−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、25.84gのシアン化テトラエチルアンモニウムを加え、混合物を75℃で18時間攪拌する。生成物をクロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:1を用いて精製して、11.50gの(R)−3−シアノ−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを淡黄色の油として得る。(ee95%キラルGCによる)
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):2.14−2.40(m,2H);3.05−3.20(m,1H);3.48−3.80(m,4H);4.61(d,J=5.5Hz,2H);5.2−5.4(m,2H);5.84−6.02(m,1H).
IR(FLM):2245cm−1
MS(TSP+Q1):M=180
c)(R)−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルの合成:
45mlの2N塩酸のエタノール溶液に4.20gの(R)−3−シアノ−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液を18時間還流する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配され、有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:1を用いて精製して、4.64gの(R)−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.27(t,J=7Hz,3H);2.07−2.24(m,2H);2.96−3.17(m,1H);3.36−3.77(m,4H);4.17(qu,J=7HZ,2H);4.60(d,J=5.5Hz,2H);5.2−5.4(m,2H);5.84−6.04(m,1H).
IR(FLM):1731cm−1
MS(EI):M=227
d)(R)−3−クロロアセチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
50mlのテトラヒドロフランと25mlのヘキサンに5.00gの(R)−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルと5.7gのブロモクロロメタンを溶解した溶液に、−100℃で、27.5mlの−78℃の冷1.6Mn−ブチルリチウム・n−ヘキサン溶液を10分間加える。反応を10%クエン酸を加えることにより停止する。相分離が起こる。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾燥して、5.26gの(R)−3−クロロアセチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを無色の油として得る。HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):2.07−2.30(m,2H);3.40−3.80(m,5H);4.16(s,2H);4.59(d,J=5.5Hz,2H);5.18−5.38(m,2H);5.84−6.04(m,1H).
IR(FLM):1696cm−1
MS(TSP+Q1):M=231
e)(R)−3−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
14mlのエタノールに5.20gの(R)−3−クロロアセチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、3.0gのジチオカルバミン酸アンモニウム塩を加え、混合物を室温で1時間攪拌し、次に1時間還流する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配され、有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:2を用いて精製して、4.63gの(R)−3−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを明るい黄色の発泡体として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.96−2.20(m,1H);2.25−2.42(m,1H);3.30−3.70(m,4H);3.75−3.95(m,1H);4.62(d,J=5.5Hz,2H);5.18−5.40(m,2H);5.84−6.04(m,1H);6.33(s,1H);12.3(s,broad,1H).
IR(FLM):1664cm−1
MS(EI+Q1):M=270
f)(4R,5S,6S)−3−[4−(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルの合成:
40mlのアセトニトリルに1.892gの(R)−3−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0.308gの水素化ナトリウム(鉱油中約65%)を加え、混合物を30分間室温で攪拌する。得られた溶液に4.00gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加え、混合物を冷凍庫に4℃で48時間保存する。固型物を濾過により除去し、母液は水と酢酸エチルに分配される。有機層を氷冷した1N塩酸で20分間処理する。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムで洗浄し、クロマトグラフィーによりシリカゲルで酢酸エチルを用いて精製して、2.759gの(4R,5S,6S)−3−[4−(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを無色の発泡体として得る。
HNMR(400MHz,CDCl3,δ ppm):1.06(d,J=7.5Hz);1.09(d,J=7.5Hz,together 3H);1.34(d,J=6Hz,3H);1.95−2.30(m,3H);3.20−3.30(m,1H);3.35−3.72(m,5H);3.75−3.85(m,1H);4.20−4.30(m,2H);4.55−4.65(m,1H);4.70−4.80(m,1H);4.82−4.92(m,1H);5.28−5.50(m,4H);5.87−6.04(m,2H);7.09 and 7.10(s,s 1:1 together 1H)as mixture of carbamate rotamers(回転異性体).
IR(FLM):1772cm−1
MS(ISP):M+H=520.3
g)(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
6mlのジクロロメタンに0.30gの(4R,5S,6S)−3−[4−(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ「3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルと20mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)を溶解した溶液に、0.60mlの水素化トリブチル錫を一度にアルゴン下で室温で攪拌しながら加える。激しいガスの発生が起こる。混合物を室温で20分間攪拌する。pH7.00の低燐酸緩衝液を加えると、分液し、水相をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率10%までのアセトニトリルを用いて精製して、0.134gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色の凍結乾燥品として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.02(d,J=7Hz,3H);1.20(d,J=6.25Hz,3H);2.08−2.30(m,1H);2.38−2.58(m,1H);3.04−3.22(m,1H);3.28−3.80(m,5H);4.10−4.30(m,2H);7.46(s,1H).
MS(ISP):M+H=396.3
IR(MIR):1755cm−1
実施例5
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(R)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
1.5mlの水に0.1gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、室温で0.16gのエチルアセトイミデート塩酸塩を4回に分けて15分間隔で加える。1N水酸化ナトリウムを加えてpHを7.00に調整する。生成物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水量30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥させて、0.070gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色の粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.10(d,J=7Hz,3H);1.21(d,J=6.25Hz,3H);2.10−2.30(m,1H);2.25(,s,3H);2.38−2.58(m,1H);3.05−3.22(m,1H);3.37−3.45(m,1H);3.47−410(m,5H);7.45(s,1H).
MS(ISP):M+H=437.3
IR(MIR):1753cm−1
実施例6
(4R,5S,6S)−3−[(R)−4−(1−カルバムイミドイル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
1.5mlの水に0.10gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、0.050gの1−アミジノ−1,2,4−トリアゾール塩酸塩を加え、次に10%重炭酸ナトリウムを加えてpHを7.00に調整する。攪拌を1時間継続する。生成物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥させて、0.015gの(4R,5S,6S)−3−[4−(1−カルバムイミドイル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.10(d,J=7Hz,3H);1.21(d,J=6.25Hz,3H);2.10−2.30(m,1H);2.35−2.52(m,1H);3.05−3.22(m,1H);3.40−3.90(m,5H);4.14−4.26(m,2H);7.46(s,1H).
MS(ISP):M+H=438.3
IR(MIR):1751cm−1
実施例7
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[(S)−4−(1−イミノメチル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
1.5mlの水に0.060gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、0.160gのホルムイミド酸ベンジルエステル塩化物を0.040gずつに分けて15分間隔で室温で攪拌しながら加える。1N水酸化ナトリウムを加えることによりpHを7に調整する。反応混合物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥させて、0.030gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[(S)−4−(1−イミノメチル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色の粉末として得る。HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.01(d,J=8Hz,3H);1.20(d,J=6.5Hz,3H);2.05−2.6(m,2H);3.07−3.21(m,1H);3.38−3.45(m,1H);3.50−4.00(m,4H);4.03−4.20(m,2H);7.43 and7.45(s,s 1:1 together 1H amidine rotamers(回転異性体));7.96 and 8.00(s,s 1:1 together 1H amidine rotamers(回転異性体)).
MS(ISP):M+H=423
IR(MIR):1754cm−1
出発材料(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を下記の方法で製造する。
a)(R)−3−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルの合成:
100mlのトルエンに16.84gのメタンスルホン酸を混合した混合物に、0°Cで17.73gのトリエチルアミンと47.88gのトリフェニルホスフィンを攪拌しながら加える。得られた混合物を室温で30分間攪拌し、次に、混合物を250mlのトルエンに25.00gの(S)−3−ヒドロキシ−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に加える。得られた混合物に、38.38gのジイソプロピルアゾジカルボキシレートを10分間にわたり加え、この混合物を2時間攪拌しながら80℃まで加熱する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配される。分液し、有機層を10%クエン酸、重炭酸カリウムおよび塩水で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、クロマトグラフィーによりシリカゲルでジクロロメタン:酢酸エチル=8:2を用いて精製して、28.2gの(R)−3−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルを淡黄色の油として得る(ee96%キラルGCによる)。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):2.05−2.42(m,2H);3.05(s,3H);3.48−3.86(m,4H);4.61(d,J=5.5Hz,2H);5.2−5.4(m,3H);5.84−6.05(m,1H).
IR(MIR):nSO2=1692cm−1
MS(EI+Q1):M=259
b)(S)−3−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
(R)−3−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルを対掌体と同じ連続工程により(S)−3−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルに変換する(実施例4参照)。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.96−2.20(m,1H);2.25−2.42(m,1H);3.30−3.70(m,4H);3.75−3.95(m,1H);4.64(d,J=5.5Hz,2H);5.18−5.40(m,2H);5.84−6.04(m,1H);6.34(s,1H);12.43(s,broad,1H).
IR(MIR):1665cm−1
MS(EI+Q1):M=270
c)(4R,5S,6S)−3−[4−(S)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルの合成:
40mlのアセトニトリルに1.89gの(S)−3−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0.308gの水素化ナトリウムを攪拌しながら加える。激しいガスの発生が起こり、攪拌を15分間継続する。混合物を0°Cに冷却し、20mlのアセトニトリルに4.00gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液を攪拌しながら加える。得られた溶液を冷蔵庫に4℃で4日間保存する。得られた懸濁液を50mlの酢酸エチルと50mlの氷冷した1N塩酸で効果的に攪拌しながら希釈する。攪拌を0°Cで15分間継続する。分液し、有機層を水と重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、クロマトグラフィーによりシリカゲルでジクロロメタン:酢酸エチル=7:3を用いて精製して、2.456gの(4R,5S,6S)−3−[4−(S)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを無色の発泡体として得る。
HNMR(400MHz,DMSO d6,δ ppm):0.98(d,J=7.5Hz,3H);1.10(d,J=6Hz,3H);2.00−2.15(m,1H);2.20−2.35(m,1H);3.30−3.55(m,5H);3.56−3.68(m,1H);3.69−3.70(m,1H);3.90−4.02(m,1H);4.23(d,J=10Hz,1H);4.53(s,2H);4.65−4.72(m,1H);4.75−4.85(m,1H);5.04(d,J=4.8Hz,1H);5.17(d,J=10.4Hz,1H)5.20−5.30(m.2H);5.44(d,J=17Hz,1H);5.88−6.00(m,2H);7.70(s,1H).
IR(MIR):1773cm−1
MS(ISP):M+H=520.3
d)(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
30mlのジクロロメタンに1.68gの(4R,5S,6S)−3−[4−(S)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0.133gのビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物を攪拌しながら加える。得られた溶液を0°Cに冷却し、5.0mlの水素化トリブチル錫を一度に攪拌しながら加える。混合物を0°Cで15分間攪拌する。ガム質が形成される。50mlのpH7.00の氷冷した燐酸緩衝液を加えて、分液する。有機層を50mlのpH7.00の燐酸緩衝液で抽出し、水層を50mlのジクロロメタンで逆洗浄する。水層をわずかに濃縮し、クロマトグラフィーによりMCIゲル上で含水率20%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥後に0.73gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.02(d,J=7Hz,3H);1.20(d,J=6.25Hz,3H);2.04−2.23(m,1H):2.37−2.55(m,1H);3.00−3.22(m,1H);3.30−3.60(m,3H);3.60−3.80(m,2H);4.12−4.32(m,2H);7.46(s,1H).
MS(ISP):M+H=396.3
IR(MIR):1753cm−1
実施例8
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(S)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
1.5mlの水に0.1gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、室温で0.16gのエチルアセトイミデート塩酸塩を4回に分けて15分の間隔で加える。1N水酸化ナトリウムを加えてpHを7.00に調整する。生成物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥させて、0.050gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(S)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.04(d,J=7Hz,3H);1.24(d,J=6.25Hz,3H);2.29(s,3H);2.20−2.40(m,1H);2.40−2.6−(m,1H);3.10−3.25(m,1H);3.40−4.00(m,7H);4.00−4.30(m,3H);7.48(s,1H).
MS(ISP):M+H=437.3
IR(MIR):1760cm−1
実施例9
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(R)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
5mlの水に0.55gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、室温で攪拌しながら3.00gのエチルアセトイミデート塩酸塩を10分間隔で200mgに分けて加える。反応の間、1N水酸化ナトリウムを加えてpHを7に調整する。生成物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製して、凍結乾燥後に0.385gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(R)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(400MHz,D2O,δ ppm):ca 3:2 mixture of rotamers(回転異性体)at the amidine 1.08(d,J=8Hz)and 1.09(d,J=8Hz)together 3H;1.27(d,J=6.4Hz,3H);2.16 and 2.38(s,together 3H);2.00−2.26(m,3H);2.40−2.52(m,1H);3.10−3.25(m,1H);3.45−3.52(m,1H);3.55−4.02(m,2H);4.20−4.30(m,2H);5.70−5.94(m,1H);7.56−7.60(s 3:2 together 1H).
MS(ISP):M+H=437.3
IR(MIR):1756cm−1
出発材料の(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を下記の連続工程により調製する。
a)(R)−2−クロロアセチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
460mlのテトラヒドロフランと135mlのヘキサンに17.60gの(R)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−アリルエステル2−エチルエステルと19.88gのブロモクロロメタンを溶解した溶液に、−100℃で、10分間にわたり、n−ブチルリチウムをヘキサンに溶解した−78℃の冷溶液98mlを加え、その混合物を−100℃で15分間攪拌する。460mlの10%クエン酸を加えることにより反応を停止し、500mlの酢酸エチルで抽出する。有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル=3:1を用いて精製して、12.02gの(R)−2−クロロアセチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを油として得る。
HNMR(400MHz,CDCl3.δ ppm):1.86−2.07(m,3H);2.14−2.24(m,1H);3.48−3.65(m,2H);4.17−4.37(m,2H);4.50−4.65(m,3H);5.18−5.37(m,2H);5.80−6.00(m,1H).
IR(MIR):1691cm−1
MS(+c EI):M−Oallyl=174
b)(R)−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
170mlのエタノールに8.50gの(R)−2−クロロアセチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルと4.80gのジチオカルバミン酸アンモニウム塩を加えた混合物を室温で20分間攪拌し、次に4時間加熱して環流する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配される。分液し、有機層をクロマトグラフィーによリシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:1を用いて精製し、ヘキサン/酢酸エチルで結晶化した後、5.50gの(R)−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを白色の固体として得る。
m.p.:91℃
HNMR(400MHz,CDCl3,δ ppm):1.93−2.10(m,2H);2.17−2.30(m,2H);3.40−3.60(m,2H);4.54−4.71(m,2H);4.80−4.88(m,1H);5.20−5.40(m,2H);5.86−6.00(m,1H);6.29(s,1H);11.3(s broad,1H).
IR(MIR):1639cm−1
MS(+c EI):M=270.1
(ee>99%キラルGCによる)
c)(S)−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
上記と同じ連続工程により、(S)−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルを(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−アリルエステル2−エチルエステルから得る(ee>99%キラルGCによる)。
d)(4R,5S,6S)−3−[4−[(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルの合成:
35mlのアセトニトリルに1.49gの(R)−2−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0.24gの水素化ナトリウム(鉱油中約65%)を加え、混合物を30分間0°Cで攪拌する。得られた溶液に3.50gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加え、混合物を冷凍庫24°Cで66時間保存する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配される。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、クロマトグラフィーによりシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル=2:1を用いて精製して、2.24gの(4R,5S,6S)−3−[4−(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを淡黄色の発泡体として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.12(s,9H);1.06(d,J=7.5Hz,3H);1.14(d,J=6Hz,3H);1.90−2.30(m,4H);3.15−3.25(m,1H);3.30−3.45(m,1H);3.47−3.70(m,2H);4.00−4.20(m,2H);4.40−4.55(m,2H);4.60−4.85(m,2H);4.95−5.50(m,5H);5.60−6.00(m,2H);7.01−7.14(s,s 1:1 together 1H)as mixture of carbamate rotamers(回転異性体)).IR(FLM):1783cm−1
MS(ISP):M+H=592.1
e)(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
20mlの酢酸エチルに2.16gの(4R,5S,6S)−3−[4−(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、20mlの氷冷した1N塩酸を加え、混合物を0°Cで1時間攪拌する。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させる。固体の残留物を40mlのジクロロメタンに溶解し、0.128mgのビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)塩化物、0.49mlの氷酢酸および5.8mlの水素化トリブチル錫を加える。激しいガスの発生が起こる。混合物を室温で20分間攪拌する。得られた混合物240mlのpH7.00の燐酸緩衝液を加える。分液し、水層をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥後に1.07gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−{(R)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,DMSO d6,δ ppm):0.92(d,J=8Hz,3H);1.11(d,J=6.5Hz,3H);1.80−2.2(m,3H);2.20−2.40(m,1H);3.05−3.45(m,5H);3.85−3.98(m,1);4.02−4.18(m,1H);4.60−4.73(m,1H);7.77(s,1H).
MS(ISP):M+H=396.2
IR(MIR):1759cm−1
実施例10
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(S)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成
10mlの水と5mlのアセトニトリルに0.50gの(4R,5S,6S)−6−[(S)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、5.00gのエチルアセトイミデート塩酸塩を200mgずつに分けて5分間の間隔をあけて超音波浴中で室温で攪拌しながら加える。反応中1N水酸化ナトリウムを加えることによりpHを7に調整する。生成物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥後に(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(S)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(400MHz,D2O,δ ppm): ca 3:2 mixture of rotamers(回転異性体)at the amidine 1.06(d,J=8Hz)and 1.08(d,J=8Hz)together 3H;1.27(d,J=6Hz,3H);2.17 and 2.39(s,together 3H);2.00−2.26(m,3H);2.38−2.52(m,1H);3.20−3.30(m,1H);3.45−3.53(m,1H);3.55−4.05(m,2H);4.20−4.30(m,2H);5.20−5.45(m,1H);7.54−7.58(s 3:2 together 1H).
MS(ISP):M+H=437.4
IR(MIR):1756cm−1
出発材料(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を下記の連続工程により得る。
a)(4R,5S,6S)−3−[4−(S)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘブト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルの合成:
30mlのアセトニトリルに1.28gの(S)−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0.206gの水素化ナトリウム(鉱油中約65%)を加え、混合物を30分間0°Cで攪拌する。得られた溶液に3.00gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(S)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加え、混合物を冷凍庫24°Cで138時間保存する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配される。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、クロマトグラフィーによりシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル=2:1を用いで精製して、1.86gの(4R,5S,6S)−3−[4−(S)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを淡黄色の発泡体として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.12(s,9H);1.05 and 1.06(d,J=7.5Hz together 3H);1.14(d,J=6Hz,3H);1.90−2.30(m,4H);3.15−3.25(m,1H);3.30−3.45(m,1H);3.47−3.70(m,2H);4.00−4.20(m,2H);4.40−4.55(m,2H);4.60−4.85(m,2H);4.95−5.50(m,5H);5.60−6.00(m,2H);7.01 and 7.14(s,s 1:1 together 1H)as mixture of carbamate rotamers(回転異性体).
IR(MIR):1778cm−1
MS(ISP):M+H=592.1
b)(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
20mlの酢酸エチルに1.80gの(4R,5S,6S)−3−[4−(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、20mlの氷冷した1N塩化酸を加え、混合物を0°Cで1時間攪拌する。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させる。固体の残留物を20mlのジクロロメタンに溶解し、0.106mgのビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)塩化物、0.41mlの氷酢酸および4.84mlの水素化トリブチル錫を加える。激しいガスの発生が起こる。混合物を室温で20分間攪拌する。得られた混合物240mlのpH7.00の燐酸緩衝液を加える。分液し、水層に生成した結晶を濾過により収集して、0.84gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。母液をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、さらに0.100gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸が生成物画分濃縮の際に結晶性白色粉末として得る。融点:219℃(分解)。
HNMR(250MHz,DMSO d6,δ ppm):0.94(d,J=8Hz,3H);1.12(d,J=6.5Hz,3H);1.80−2.2(m,3H);2.20−2.40(m,1H);3.05−3.45(m,5H);3.85−3.98(m,1);4.02−4.18(m,1H);4.60−4.73(m,1H);7.77(s,1H).
MS(ISP):M+H=396.2
IR(NJL):1746cm−1
実施例11
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[[(3R,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
140mlの酢酸エチルに13.87gの(4R,5S,6S)−3−[4−(3R,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、140mlの氷冷した1N塩酸を加え、混合物を0°Cで1時間攪拌する。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させる。残留物を200mlのジクロロメタンに溶解し、1.31gのビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)塩化物、2.64mlの氷酢酸および44.7mlの水素化トリブチル錫を加える。激しいガスの発生が起こる。混合物を室温で10分間攪拌する。得られた混合物に700mlのpH7.00の燐酸緩衝液を加える。分液し、水相をクロマトグラフィーにより700mlのMCIゲル(CHP−20)上で含水率15%までのアセトニトリルを用いて精製する。生成物画分を濃縮することにより結晶化が起こり、6.29gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[[(3R,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を238℃の融点(分解)を有する白色結晶粉末として得る(母液を凍結乾燥することにより、さらに1.60gの表題の化合物を非晶質粉末として得る。)。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.08(d,J=7.2Hz,3H);1.27(d,J=6.4Hz,3H);2.25−2.42(m,2H);3.17−3.27(m,1H);3.44−3.54(m,1H);3.74−4.10(m,5H);4.20−4.30(m,2H);7.52(s,1H).
IR(MIR):1756cm−1
MS(EI+Q1)M+H=426.3
MA calc for C18H23N3O5S2 C:50.81% H:5.45% N:9.88% found(corrected for+0.97%H2O;カール フィシャー法で決定)C:50.89% H:5.42% N:9.85%
実施例11a
実施例11で製造される副生成物として、0.41gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[[(3R,5S)−1−アリル−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を凍結乾燥後に白色の粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.07(d,J=7.2Hz,3H);1.27(d,J=6.4Hz,3H);2.36−2.54(m,2H);3.17−3.27(m,1H);3.34−3.44(m,1H);3.45−3.51(m,1H);3.77−4.13(m,5);4.20−4.30(m,2H);5.55−5.65(m,2H);5.94−6.07(m,1H);7.52(s,1H).
IR(MIR):1758cm−1
MS(EI+Q1)M+H=426.3
出発材料の(4R,5S,6S)−3−[4−(3R,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを下記の連続工程により得る。
a)(2S,4R)−4−シアノ−2−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シリルオキシメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
2800mlのジメチルホルムアミドに280gの(2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、142gのイミダゾールを加える。得られた溶液に0°Cで30分間に248.8gのクロロジメチルテキシルシランを加え、次に、反応混合物を室温で3時間撹拌する。反応混合物はヘキサンと水に分配される。有機層を10%クエン酸と塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で蒸発させ、高真空下で一定の重量(396.8g)まで乾燥させ、その内の390gを3500mlのジクロロメタンに溶解する。得られた溶液に0°Cで137.8mlのトリエチルアミンを一度に加え、500mlのジクロロメタンに143gのメタンスルホニルクロリドを溶解した溶液を30分間にわたり加える。次に、反応混合物を室温で1時間撹拌する。反応混合物を水で希釈する。分液し、有機層を10%クエン酸と塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で蒸発させ、高真空下で一定の重量まで乾燥させ、450.0gの明るいオレンジ色の油を得る。この油を2500mlのアセトニトリルに溶解した溶液に200gのシアン化テトラエチルアンモニウムを加え、混合物を加熱して18時間環流させる。反応混合物を室温まで冷却し、2000mlのヘキサンと5500mlの水を加える。分液し、軽い方の層を3000mlの水とアセトニトリル=2:1の混合物で洗浄する。水層を2000mlのヘキサンで抽出する。集めたヘキサン画分を1000mlのアセトニトリルで4回抽出し、集めたアセトニトリル抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固して、227gの(2S,4R)−4−シアノ−2−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シリルオキシメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを明るい茶色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.05(s,3H);−.03(s,3H);0.75−0.90(m,12H),1.5−1.65(m,1H);2.20−2.45(m,2H);3.30−4.20(m,6H);4.60(d,J=5.5Hz,2H);5.18−5.40(m,2H);5.80−6.00(m,1H).
IR(FLM):2246cm−1
MS(+cEI):M−CH3=337.2
b)(3R,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルの合成:
8.0gの(2S,4R)−4−シアノ−2−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シリルオキシメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した80mlの2N塩酸エタノール溶液を加熱して、18時間環流する。反応混合物は水と酢酸エチルに分配させる。有機層を10%重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、蒸発させて、5.00gの(3R,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.26(t,J=7.2Hz,3H);1.80−2.00(m,1H);2.23−2.40(m,1H);3.04−3.24(m,1H);3.58−3.81(m,5H);4.03−4.21(m,1H);4.16(qu,J=7.2Hz,2H);4.61(d,J=8.8Hz,2H);5.18−5.40(m,2H);5.84−6.04(m,1H).
IR(MIR):1731および1677cm−1
MS(EI+Q1):M+H=258.1
c)(3R,5S)−5−トリメチルシリルオキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルの合成:
51.5gの(3R,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルと32.30gのヘキサメチルジシラザンと0.228gの3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオンとの混合物を75°Cで1時間加熱する。生成物を110°C、0.06ミリバールで分別蒸留することにより精製して、62.34gの(3R,5S)−5−トリメチルシリルオキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.10(s,9H),1.16(t,J=7.2Hz,3H);2.10−2.30(m,2H);3.14−3.34(m,1H);3.50−3.80(m,5H);3.90−4.10(m,1H);4.06(qu,J=7.2Hz,2H);4.48(d,J=8.8Hz,2H);5.20−5.40(m,2H);5.84−6.04(m,1H).
IR(MIR):1734 and 1701cm−1
MS(EI+Q1):M+H=330.4
d)(4R,2S)−2−アリルオキシカルボニルオキシメチル−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
200mlのテトラヒドロフランと100mlのヘキサンに20.00gの(3R,5S)−5−トリメチルシリルオキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルと15.70gのブロモクロロメタンを溶解した溶液に、−100°Cで30分間にわたり、−78°Cの冷1.6Mn−ブチルリチウムのヘキサン溶液75.8mlを加える。混合物を−100°Cで15分間撹拌する。反応混合物に10%クエン酸を加えることにより反応を停止する。分液し、有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で蒸発させる。残留した無色の油(19.74g)を200mlのエタノールに溶解する。得られた溶液に7.81gのジチオカルバミン酸アンモニウム塩を加え、混合物を室温で30分間撹拌し、次に加熱して2時間環流する。反応混合物は、pH10.00で水とtert−ブチルメチルエーテルに分配される。分液し、水層を酢酸エチルと混合する。pHを5.00に調整し、分液する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固させて得られた16.46gの淡黄色の発泡体を160mlのアセトニトリルに溶解する。得られた溶液に6.58gの4−(ジメチルアミノ)ピリジンと14.16gのアリル1−ベンゾトリアゾリル炭酸塩を加え、混合物を30分間室温で撹拌する。反応混合物は、pH10.0で水とtert−ブチルメチルエーテルに分配される。分液し、水層を酢酸エチルと混合する。pHを5.00に調整し、分液する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固する。生成物をクロマトグラフィーによりシリカゲル上でジクロロメタン:酢酸エチル=85:15を用いて精製して、10.98gの(4R,2S)−2−アリルオキシカルボニルオキシメチル−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを無色の発泡体として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):2.17−2.40(m,2H);3.40−3.70(m,2H);3.74−3.90(m,1H);4.17−4.44(m,3H);4.57−4.70(m,4H);5.20−5.44(m,4H);5.84−6.04(m,2H);6.31(s,1H);11.90(s,broad,1H).
IR(MIR):1744 and 1671cm−1
MS(ISP):M+H=385.2
d)(4R,5S,6S)−3−{4−[(3R,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−トリメチルシリルオキシ−エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルの合成:
200mlのアセトニトリルに10.90gの(4R,2S)−2−アリルオキシカルボニルオキシメチル−4−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、1.13gの水素化ナトリウム(鉱油中約65%)を加え、混合物を0°Cで30分間撹拌する。得られた溶液に16.20gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加え、その混合物を冷凍庫24°Cで72時間保存する。固形物を濾過により除去し、廃棄する。母液は300mlの10%重炭酸ナトリウムと300mlの酢酸エチルとに分配される。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーにより1kgのシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=2:1を用いて精製して、14.14gの(4R,5S,6S)−3−{4−[(3R,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−トリメチルシリルオキシ−エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.12(s,9H);1.10(d,J=7.5Hz,3H);1.28(d,J=6Hz,3H);2.20−2.40(m,2H);3.17−3.26(m,1H);3.28−3.48(m,1H);3.53−3.92(m,3H);3.92−4.48(m,6H);4.57−5.00(m,6H);5.17−5.52(m,6H);5.17−5.52(m,6H);5.84−6.008(m,3H);7.10(s,1H).
IR(MIR):1783cm−1
MS(ISP):M+H=706.4
実施例12
(4R,5S,6S)−3−{4−[(3R,5S)−5−アセトキシメチル−1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
1mlの水に0.060gの(4R,5S,6S)−6−[(R)1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[[(3R,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を加えて得られた懸濁液に、0.200gのエチルアセトイミデート塩酸塩を0.025gずつに分けて10分間隔で加える。10%重炭酸ナトリウムを加えることによりpHを7.00に維持する。反応混合物をMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥後に0.040gの(4R,5S,6S)−3−{4−[(3R,5S)−5−アセトキシメチル−1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.08(d,J=7.2Hz,3H);1.27(d,J=6.4Hz,3H);2.20 and 2.30(1:1,s,together 3H);2.25−2.42(m,2H);2.40(s,3H);3.10−3.27(m,1H);3.44−3.54(m,1H);3.74−4.10(m,5H);4.20−4.30(m,2H);7.48−7.50(1:1,s,together1H)as 1:1 mixture of amindine rotamers(回転異性体).
IR(MIR):1738cm−1
MS(EI+Q1)M+H=509.4
実施例13
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[(3S,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
15mlの酢酸エチルに1.45gの(4R,5S,6S)−3−[4−[(3S,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−トリメチルシリルオキシ−エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、15mlの氷冷した1N塩酸を加え、混合物を0°Cで45分間激しく撹拌する。分液し、有機層を水、重炭酸塩および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固させ、高真空下で乾燥させて一定の重量にする。残留物を20mlのジクロロメタンに溶解し、0.150gのビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム塩化物、0.30mlの酢酸および5.00mlの水素化トリブチル錫を急速に連続して加える。混合物を5分間撹拌し、次に30mlのpH7.00の氷冷した燐酸緩衝液を加える。分液し、水層をクロマトグラフィーによりMCIゲル(400ml)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製する。生成物を約10%アセトニトリルで溶出する。生成物の画分を混合し、約10mlの容積まで濃縮し、凍結乾燥して0.62gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[[(3S,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.08(d,J=7.2Hz,3H);1.27(d,J=6.4Hz,3H);1.95−2.07(m,1H); 2.55−2.65(m,1H);3.15−3.23(m,1H);3.35−3.50(m,2H);3.75−4.00(m,5H);4.20−4.30(m,2H);7.52(s,1H).
IR(NJL):1762cm−1
MS(ISP)M+H=426.3
出発材料の(4R,5S,6S)−3−[4−[(3S,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−トリメチルシリルオキシ−エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを下記の連続工程により製造する。
a)(2S,4S)−4−シアノ−2−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シリルオキシメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
200mlのジメチルフォルムアミドに20.00gの(2S,4R)−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルおよび10.15gのイミダゾールを溶解した溶液に、−10°Cで17.77gのクロロジメチルテキシルシランを10分間にわたり撹拌しながら加える。撹拌を室温で1時間継続する。反応混合物は、水とヘキサンとに分配される。分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて、22.75gの無色の油を得、これを200mlのジクロロメタンと7.95gのトリエチルアミンに溶解する。混合物を−10°Cに冷却し、50mlのジクロロメタンに8.25gのメタンスルフォン酸塩化物を溶解した溶液を撹拌しながら10分間にわたり加える。混合物を室温で30分間撹拌する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配される。有機層を10%クエン酸、重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて、22.75gの無色の油を得、これを200mlのアセトニトリルに溶解する。得られた溶液に9.34gのシアン化テトラブチルアンモニウムを加え、混合物を加熱して18時間環流する。得られた混合物2200gのシリカゲルを加え、溶剤を蒸発させる。得られた茶色の残留物を1kgのシリカゲルのカラムに充填し、生成物をヘキサン:酢酸エチル=3:1で溶出して、5.92gの(2S,4S)−4−シアノ−2−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シリルオキシメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを明るい黄色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.10(s,3H);−0.09(s,3H);0.75−0.90(m,12H),1.5−1.65(m,1H);2.31−2.47(m,2H);2.90−3.08(m,1H);3.45−3.55(m,1H);3.66−4.10(m,4H);4.50(d,J=5.5Hz,2H);5.18−5.40(m,2H);5.80−6.00(m,1H).
IR(FLM):2247cm−1
MS(+cEI):M−CH3=337.2
b)(3S,5S)−5−トリメチルシリルオキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルの合成:
2N塩酸エタノール溶液に5.30gの(2S,4S)−4−シアノ−2−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シリルオキシメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液を加熱して18時間環流する。反応混合物は、水と酢酸エチルの間に分配させる。有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させる。残留油を50mlのトルエンに溶解し、3.27gのトリメチルクロロシランと3.04gのトリエチルアミンを0°Cで撹拌しながら加える。混合物を0°Cで1時間撹拌する。反応混合物をクロマトグラフィーによりシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル=3:1を用いて精製して、3.16gの(3S,5S)−5−トリメチルシリルオキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.10(s,9H);1.18 9tr,J=7.2Hz,3H);2.10−2.22(m,2H);2.80−3.00(m,1H);3.38−3.92(m,5H);4.08(qu,J=7.2Hz,2H);4.48(d,J=5.5Hz,2H);5.08−5.30(m,2H);5.77−5.95(m,1H).
IR(FLM):1734,1701cm−1
MS(+cEI):M=329.2
c)(2S,4S)−2−アリルオキシカルボニルオキシメチル−4−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
30mlのテトラヒドロフランと15mlのヘキサンに3.10gの(3S,5S)−5−トリメチルシリルオキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルと2.43gのブロモクロロメタンを溶解した溶液に、−100°Cで11.76mlの−78°Cの冷1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液を15分間にわたり加える。混合物を−100°Cで15分間撹拌し、次に10%のクエン酸を加えて反応を停止する。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させる。残留油を30mlのエタノールに溶解する。得られた混合物に1.27gのジチオカルバミン酸アンモニウム塩を加え、混合物を室温で30分間撹拌し、さらに30分間環流する。反応混合物は、pH10で水とtert−ブチルメチルエーテルの間に分配させる。分液し、水層を酢酸エチルと混合する。pHを4.00に調整し、分液する。酢酸エチル層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させる。残っている明るい黄色の発泡体(2.08g)を20mlのアセトニトリルに溶解する。得られた溶液に0.81gの4−(ジメチルアミノ)ピリジンと1.75gのアリル1−ベンゾトリアゾリル炭酸塩を加え、混合物を室温で30分間撹拌する。反応混合物は、pH10で水とtert−ブチルメチルエーテルとの間に分配させる。分液し、水層を酢酸エチルと混合する。pHを4.00に調整し、分液する。酢酸エチル層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、クロマトグラフィーによりシリカゲル上でジクロロメタン:酢酸エチル=8:2を用いて精製して、1.31gの(2S,4S)−2−アリルオキシカルボニルオキシメチル−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを白色の固体として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.92−2.14(m,1H);2.50−2.70(m,1H);3.20−3.40(m,2H);4.10−4.40(m,4H);4.40−4.55(m,4H);5.20−5.44(m,4H);5.84−6.06(m,2H);6.37(s,1H);11.70(s,broad,1H).
IR(MIR):1743 and 1666cm−1
MS(ISP):M+H=385.2
d)(4R,5S,6S)−3−[4−[(3S,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−トリメチルシリルオキシ−エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルの合成:
20mlのアセトニトリルに1.29gの(4S,2S)−2−アリルオキシカルボニルオキシメチル−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に0.146gの水素化ナトリウム(鉱油中約65%)を加え、その混合物を0°Cで30分間撹拌する。得られた溶液に2.13gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加え、混合物を冷凍庫24°Cで72時間保存する。反応混合物は30mlの10%重炭酸ナトリウムと30mlの酢酸エチルとの間に分配される。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーによりシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル=2:1および1:1を用いて精製して、1.58gの(4R,5S,6S)−3−4−[(3S,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル□−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−トリメチルシリルオキシ−エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.12(s,9H);1.07(d,J=7.5Hz,3H);1.24(d,J=6Hz,3H);2.09−2.20(m,1H);2.50−2.65(m,1H);3.20−3.30(m,1H);3.32−3.54(m,2H);4.00−4.50(m,6H);4.55−4.67(m,4H);4.68−4.90(m,2H);5.18−5.52(m,6H);5.84−6.08(m,3H);7.10(s,1H).
IR(MIR):1783cm−1
MS(ISP):M+H=706.5
実施例14
(4R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−3−{[4−(6−メチルピペリジン−3−イル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
(4R,5S,6S)−3−[(4−{1−[(アリロキシ)カルボニル]−6−メチルピペリジン−3−イル}−1,3−チアゾール−2−イル)チオ]−4−メチル−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリル(164mg,0.26mmol)をテトラヒドロフラン(8ml)と水(2ml)の混合溶媒に溶かし0℃に冷却する。この溶液に2N塩酸水を加えてpHを2−3に調製し、20分間撹拌する。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下溶媒を留去した後、残渣を塩化メチレン(8ml)に溶解し、酢酸(0.041ml,0.72mmol)、水素化トリブチル錫(0.69ml,2.57mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(20mg,0.029mmol)を順次加える。10分後、反応溶液をリン酸緩衝液(pH7.0,20ml)にあけて分液し有機層を水で2回抽出する。水層をジクロロメタンで2回洗浄後、水層中の有機溶媒を減圧下除去し、ポリマークロマトグラフィー(CHP−20P)により精製する。2−4%のテトラヒドロフラン水溶液により溶出した分画を集め凍結乾燥することで白色アモルファスとして(4R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−3−{[4−(6−メチルピペリジン−3−イル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸(67.6mg,60%)を得る。
IR(KBr)3394,2969,1762,1596,1390,1262,1146,1035cm−1
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.01(3H,d,J=7.3Hz),1.17(3H,d,J=5.8Hz),1.28(3H,d,J=6.8Hz),1.61−1.74(1H,m),1.84−2.15(3H,m),3.09−3.19(1H,m),3.27−3.57(5H,m),4.12−4.20(2H,m),7.45(1H,s).
出発原料の(4R,5S,6S)−3−[(4−{1−[(アリロキシ)カルボニル]−6−メチルピペリジン−3−イル}−1,3−チアゾール−2−イル)チオ]−4−メチル−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルは、下記のようにして得る。
a)1−アリル3−メチル6−メチルピペリジン−1,3−ジカルボキシレートの合成:
6−メチルニコチン酸メチル(3.0g,19.8mmol)のエタノール(6ml)溶液にベンジルブロミド(2.6ml,21.9mmol)を加え、還流下3時間攪拌する。室温まで冷却後、上澄みを除き残渣にヘキサンを加え、生成した結晶を濾取する。この結晶をエタノール(60ml)に溶解し、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(1.5g,40mmol)の水溶液(10ml)を加える。1時間攪拌した後、酢酸エチル/食塩水に反応溶液をあけ、分液する。水層を酢酸エチルで2回抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去することにより、油状物(4.78g)を得る。上記で得た油状物(2.5g)をメタノール(50ml)に溶解し、酢酸(2.5ml)、パラジウムカーボン(1g)を加え、水素雰囲気下で6時間撹拌する。触媒を濾別した後、溶媒を留去し、残渣をクロロホルム(15ml)に溶解する。この溶液に0℃でクロロギ酸アリル(1.9ml,17.9mmol)、トリエチルアミン(7.6ml,54.5mmol)を加え1時間撹拌する。反応溶液を酢酸エチル/食塩水にあけて分液し、水層を酢酸エチルで2回抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、1−アリル3−メチル6−メチルピペリジン−1,3−ジカルボキシレート(685mg,27%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.17(3H,d,J=7.0Hz),1.57−1.97(4H,m),2.38−2.48(1H,m),2.93−3.02(1H,m),3.70(3H,s),4.20−4.31(1H,m),4.44−4.52(1H,m),4.58−4.61(1H,m),5.19−5.33(2H,m),5.88−6.01(1H,m).
b)5−(クロロアセチル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸アリルの合成:
1−アリル3−メチル6−メチルピペリジン−1,3−ジカルボキシレート(685mg,2.84mmol)とブロモクロロメタン(0.30ml,4.54mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液に−100℃でn−ブチルリチウム(1.59Mヘキサン溶液,2.68ml、4.26mmol)を加え、15分間撹拌する。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで3回抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下溶媒を留去した後、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、5−(クロロアセチル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸アリル(252mg,34%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.17(3H,d,J=7.0Hz),1.57−1.90(4H,m),2.77−2.86(1H,m),2.96−3.04(1H,m),4.10−4.21(1H,m),4.17(2H,s),4.44−4.56(1H,m),4.58−4.61(2H,m),5.19−5.33(2H,m),5.88−6.00(1H,m).
c)5−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸アリルの合成:
5−(クロロアセチル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸アリル(252mg,0.97mmol)のメタノール(5ml)溶液に0℃でジチオカルバミン酸アンモニウム(128mg,1.16mmol)を加え、15分間撹拌する。減圧下溶媒を留去した後、エタノール(10ml)を加え、還流下2時間撹拌する。室温まで冷却後、減圧下溶媒を留去し、残渣を1N−NaOH水に溶解しクロロホルムで洗浄する。水層を塩酸で酸性化し、クロロホルムで2回抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し減圧下溶媒を留去することにより、5−(2−メルカプト1,3−チアゾール−4−イル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸アリル(196mg,68%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.22(3H,d,J=7.0Hz),1.60−1.98(4H,m),2.62−2.78(1H,m),2.91(1H,t,J=12.4Hz),4.23−4.31(1H,m),4.49−4.56(1H,m),4.58−4.64(2H,m),5.19−5.34(2H,m),5.88−6.02(1H,m),6.28(1H,s),11.90(1H,br s).
d)(4R,5S,6S)−3−[(4−{1−[(アリロキシ)カルボニル]−6−メチルピペリジン−3−イル}−1,3−チアゾール−2−イル)チオ]−4−メチル−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルの合成:
5−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸アリル(185mg,0.62mmol)のテトラヒドロフラン(7.4ml)溶液に0℃で水素化ナトリウム(鉱油中60%,25mg,0.62mmol)を加え、20分間撹拌する。この溶液に(4R,5R,6S)−3−(ジフェノキシフォスフィノ)オキシ]−4−メチル−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルのアセトニトリル溶液(30%,1.77g,0.93mmol)を0℃で加え、冷蔵庫で15時間静置する。反応溶液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下に溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、(4R,5S,6S)−3−[(4−{1−[(アリロキシ)カルボニル]−6−メチルピペリジン−3−イル}−1,3−チアゾール−2−イル)チオ]−4−メチル−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリル(164mg,43%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.07(3H,d,J=7.1Hz),1.23(3H,d,J=7.0Hz),1.24(3H,d,J=6.0Hz),1.60−1.68(1H,m),1.77−1.95(3H,m),2.82−2.94(1H,m),2.99−3.10(1H,m),3.23(1H,dd,J=6.4,2.9Hz),3.36−3.46(1H,m),4.18−4.32(3H,m),4.50−4.62(1H,m),4.61(2H,br d,J=5.5Hz),4.70−4.88(2H,m),5.19−5.50(4H,m),5.91−6.03(2H,m),7.07(1H,d,J=1.5Hz).
実施例15
(4R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−({4−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3,2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
アリル(4R,5S,6S)−3−({4−[(2S)−1−[(アリロキシ)カルボニル]−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(18mg,0.032mmol)を塩化メチレン(0.9ml)に溶解し、酢酸(0.0046ml,0.080mmol)、水素化トリブチル錫(0.077ml,0.29mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg,0.003mmol)を順次加える。10分後、反応溶液をリン酸緩衝液(pH7.0,5ml)にあけて分液し、有機層を水で2回抽出する。水層をジクロロメタンで2回洗浄後、水層中の有機溶媒を減圧下除去し、ポリマークロマトグラフィー(CHP−20P)により精製する。2−4%のテトラヒドロフラン水溶液により溶出した分画を集め凍結乾燥することで白色アモルファスとして(4R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−({4−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸(2.4mg,17%)を得る。
IR(KBr)3387,2968,1762,1597,1387,1262,1145,1044cm−1
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 0.89(3H,d,J=7.1Hz),1.09(3H,d,J=6.2Hz),1.52−1.76(2H,m),2.04−2.14(2H,m),2.97−3.11(3H,m),3.27−3.32(2H,m),3.40−3.54(2H,m),3.68−3.73(1H,m),4.05−4.09(2H,m),7.27(1H,s).
出発原料のアリル(4R,5S,6S)−3−({4−[(2S)−1−[(アリロキシ)カルボニル]−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートは、下記のようにして得る。
a)メチル(2s)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−カルボキシレートの合成:
1−アリル4−メチル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−3,6−ジヒドロピリジン−1,4(2H)−ジカルボキシレート(637mg,1.72mmol)を塩化メチレン(30ml)に溶解し、酢酸(0.25ml,4.37mmol)、水素化トリブチル錫(4.6ml,17.1mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(60mg,0.085mmol)を順次加える。10分後、反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけて分液し、水層をクロロホルムで2回抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去する。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、メチル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−カルボキシレート(260mg,53%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 0.08(6H,s),0.90(9H,s),1.98−2.07(1H,m),2.26−2.34(1H,m),2.80−2.89(1H,m),3.50−3.62(3H,m),3.68−3.79(1H,m),3.75(3H,s),6.96(1H,br s).
b)1−アリル4−メチル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレートの合成:
メチル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−カルボキシレート(260mg,0.91mmol)をメタノール(26ml)に溶解し、酢酸(0.5ml)、パラジウムカーボン(0.5g)を加え、水素雰囲気下で20時間撹拌する。触媒を濾別した後、溶媒を留去し、残渣をテトラヒドロフラン(5ml)に溶解する。この溶液に0℃でクロロギ酸アリル(0.097ml,0.91mmol)、トリエチルアミン(0.63ml,4.5mmol)を加え1時間撹拌する。反応溶液を酢酸エチル/食塩水にあけて分液し、水層を酢酸エチルで2回抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、1−アリル4−メチル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(53.6mg,16%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 0.02(3H,s),0.03(3H,s),0.87(9H,s),1.50−2.14(4H,m),2.54−2.62(1H,m),3.12−3.22(1H,m),3.57−3.67(2H,m),3.70(3H,s),3.90−3.98(1H,m),4.02−4.10(1H,m),4.56−4.60(2H,m),5.18−5.32(2H,m),5.87−6.00(1H,m).
c)アリル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(クロロアセチル)ピペリジン−1−カルボキシレートの合成:
1−アリル4−メチル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(53.6mg,0.14mmol)とブロモクロロメタン(0.015ml,0.23mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液に−100℃でn−ブチルリチウム(1.59Mヘキサン溶液,0.14ml,0.22mmol)を加え、15分間撹拌する。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで3回抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下溶媒を留去した後、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、アリル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(クロロアセチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(41mg,73%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 0.04(3H,s),0.05(3H,s),0.88(9H,s),1.50−2.25(4H,m),2.88−2.96(1H,m),3.10−3.19(1H,m),3.50−3.63(2H,m),3.92−4.11(1H,m),4.28(1H,d,J=14.5Hz),4.31(1H,d,J=14.5Hz),4.56−4.60(2H,m),5.18−5.33(2H,m),5.87−6.00(1H,m).
d)アリル(2s)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの合成:
アリル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(クロロアセチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(41mg,0.11mmol)のメタノール(1ml)溶液に0℃でジチオカルバミン酸アンモニウム(14mg,0.13mmol)を加え、15分間撹拌する。減圧下溶媒を留去した後、エタノール(1.6ml)を加え、還流下2時間撹拌する。室温まで冷却後、減圧下溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、アリル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(45mg)を定量的に得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 0.06(6H,s),0.88(9H,s),1.80−2.21(4H,m),2.54−2.63(1H,m),2.80−2.92(1H,m),3.12−3.34(2H,m),3.86−4.10(1H,m),4.56−4.62(2H,m),5.18−5.33(2H,m),5.87−6.00(1H,m),6.30(1H,s),11.55(1H,br s).
e)アリル(4R,5S,6S)−3−({4−[(2S)−1−[(アリロキシ)カルボニル]−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートの合成:
アリル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(45mg,0.11mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液に0℃で水素化ナトリウム(鉱油中60%,5mg,0.12mmol)を加え、20分間撹拌する。この溶液に(4R,5R,6S)−3−(ジフェノキシフォスフィノ)オキシ]−4−メチル−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルのアセトニトリル溶液(30%,0.38g,0.20mmol)を0℃で加え、冷蔵庫で15時間静置する。反応溶液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下に溶媒を留去した後、残渣をテトラヒドロフラン(1ml)溶解し0℃に冷却する。この溶液に酢酸(0.083ml,1.4mmol)、フッ化テトラブチルアンモニウム(1.0M,0.72ml,0.72mmol)を加え、冷蔵庫で30時間静置する。反応溶液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下に溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、アリル(4R,5S,6S)−3−({4−[(2S)−1−[(アリロキシ)カルボニル]−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(18mg,30%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.10(3H,d,J=7.1Hz),1.33(3H,d,J=6.2Hz),1.84−2.18(4H,m),3.05−23.18(1H,m),3.27(1H,dd,J=7.1,3.1Hz),3.31−3.42(1H,m),3.68−3.80(3H,m),3.82−3.95(1H,m),4.18−4.28(2H,m),4.59−4.63(2H,m),4.70−4.88(2H,m),5.20−5.50(4H,m),5.88−6.05(2H,m),7.06(1H,s,J=1.5Hz).
産業上の利用の可能性
本発明β−ラクタム化合物はグラム陽性菌、特にMRSA、MRCNSに対して優れた抗菌活性を有し、抗菌剤として有用である。
本発明は、抗菌活性を有する後記一般式[1]で表わされる新規β−ラクタム化合物に関する。
背景技術
第三世代セファロスポリン薬剤の広範な臨床応用に伴いグラム陽性菌の分離頻度の増加が見られ、なかでもメチシリン耐性ブドウ球菌(以下MRSAと略記する。)の分離頻度の増加はそれによる感染症の難治化により臨床上大きな問題となっている。近年MRSA感染症に対し多用されているバンコマイシンは副作用等の理由から投与法が難しい面があり、また今後グリコペプチド耐性菌の増大も予測される。さらに、近年、メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNSと略記する。)の分離頻度の増加も報告されている。これらのことよりより安全で強力な抗MRSA活性、抗MRCNS活性を持つ薬剤の開発が望まれていた。
発明の開示
本発明はグラム陽性菌、特にMRSA、MRCNSに対して優れた抗菌活性を有するβ−ラクタム薬剤を提供することを目的とする。
本発明者らは種々の検討を行った結果、後記一般式[1]で表わされる化合物がグラム陽性菌に対し強力な効力を示し、特にMRSA、MRCNSに対し、優れた抗菌活性を示すことを見出し本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)一般式[1]
[式中、R1は低級アルキル基または水酸基により置換された低級アルキル基であり、R2は水素原子または低級アルキル基であり、XはO、SまたはNHであり、mおよびnはそれぞれ独立して0〜5であって、かつmとnの和が1〜5であり、Y1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基であり、そしてY2は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、シアノ基、または−C(R3)=NR4(ただし、R3およびはR4はそれぞれ独立して水素原子、置換されていても保護されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい低級アルキル基を示し、またR3とR4はそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を示す。なお、Y1は1〜4個存在し、同一炭素原子に2個置換されていてもよい。ただし、Y1が水素原子を表わすとき、Y2は水素原子および置換されていてもよい低級アルキル基以外の基を意味する。]
で表されるβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩もしくは無毒性エステル、
(2)mとnの和が3である(1)に記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩もしくは無毒性エステル、
(3)mとnの和が4である(1)に記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩もしくは無毒性エステル、
(4)XがSである(1)−(3)のいづれかに記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩もしくは無毒性エステル、
(5)R1が1−(R)−ヒドロキシエチルである(1)−(4)のいづれかに記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩もしくは無毒性エステル、
(6)一般式[1]
[式中、R1は低級アルキル基または水酸基により置換された低級アルキル基であり、R2は水素原子または低級アルキル基であり、XはO、SまたはNHであり、mおよびnはそれぞれ独立して0〜5であって、かつmとnの和が1〜5であり、Y1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基であり、そしてY2は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、シアノ基、または−C(R3)=NR4(ただし、R3およびはR4はそれぞれ独立して水素原子、置換されていても保護されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい低級アルキル基を示し、またR3とR4はそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を示す。なお、Y1は1〜4個存在し、同一炭素原子に2個置換されていてもよい。ただし、Y1が水素原子を表わすとき、Y2は水素原子および置換されていてもよい低級アルキル基以外の基を意味する。]
で表されるβ−ラクタム化合物またはその塩を製造するにあたり、一般式[2]
〔式中、R1aは低級アルキル基、水酸基により置換された低級アルキル基または保護基により保護された水酸基で置換された低級アルキル基であり、R2は前記と同じ意味を有し、R5はカルボキシル基の保護基を示し、そしてLは水酸基の活性エステルを示す。]
で表わされる化合物と、一般式[3]
[式中、m、n、XおよびY1は前記と同じ意味を有し、Y3は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、シアノ基、または−C(R3)=NR4a(ただし、R3は前記と同じ意味を有し、R4aは水素原子、置換されていても保護されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい低級アルキル基、またはイミドイル基の保護基を示し、またR3とR4aはそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を示す。ただし、Y1が水素原子を表わすとき、Y3は水素原子および置換されていてもよい低級アルキル基以外の基を意味する。]
で表わされる化合物とを塩基の存在下に反応させるか、あるいは一般式「2]で表わされる化合物と一般式[3]で表される化合物のチオレート塩とを反応させ、一般式[4]
[式中、R1a、R2、R5、m、n、X、Y1およびY3は前記と同じ意味を有する。]
で表わされる化合物とし、R1aおよびY1における水酸基の保護基の除去反応、Y1におけるアミノ基の保護基の除去反応、Y3におけるアミノ基の保護基の除去反応と所望によりそれに引き続く保護基の除去されたアミノ基のイミドイル化反応、またはY3におけるイミドイル基の保護基の除去反応、R5およびY1におけるカルボキシル基の保護基の除去反応を適宜組み合わせた反応を行うことを特徴とする一般式[1]で表わされるβ−ラクタム化合物またはその塩の製造法、
(7)前記(1)−(5)のいづれかに記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩または無毒性エステルを有効成分として含有する医薬、および
(8)前記(1)−(5)のいづれかに記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩または無毒性エステルを有効成分として含有する抗菌剤に関する。
発明を実施するための形態
本発明において、低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。
低級アルケニル基としては、例えばビニル、1−メチルビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、3−ペンテニル、4−ヘキセニルまたは3−メチル−2−ヘキセニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数2〜7のものが挙げられる。
水酸基により置換された低級アルキル基としては、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピルのような炭素数1〜6のものが挙げられる。
低級アルキルオキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシまたはn−ヘキソキシのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6のものが挙げられる。
低級アルキルアミノ基としては、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、メチルエチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ、ジ(イソプロピル)アミノ、ジ(n−ブチル)アミノ、ジ(n−ペンチル)アミノ、ジ(n−ヘキシル)アミノのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6の低級アルキル基がモノまたはジ置換したアミノ基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表わす。
5ないし7員のヘテロ環としては、例えば3,4−ジヒドロ−2H−ピロール環、2,3,4,5−テトラヒドロピリジン環、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−アゼピン環などが挙げられる。
置換されていてもよい低級アルキル基または置換されていてもよい低級アルケニル基の置換基としては、例えば水酸基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、−NR6R7(R6とR7はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表わす。また、R6とR7は窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、アゼパン、モルホリン、ピペラジン、N−低級アルキル置換ピペラジンなどの5−7員環を形成してもよい。)、−CONR6R7(ただし、R6とR7は前記と同じ意味を表わす。)、−NR6aCOR7a(ただし、R6aとR7aはそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表わす。)、−OCONR6R7(ただし、R6とR7は前記と同じ意味を表わす。)、−SO2NR6R7(ただし、R6とR7は前記と同じ意味を表わす。)、−NR6aSO2NR6R7(ただし、R6a、R6およびR7は前記と同じ意味を表わす。)、−NR6aCONR6R7(ただし、R6a、R6およびR7は前記と同じ意味を表わす。)、または−COOCH2OCOR8(ただし、R8は低級アルキル基を表わす。)といった基が挙げられる。これらの置換基は適当な保護基により保護されていてもよい。置換位置は化学的に可能な位置であれば制限はなく、一箇所あるいは複数箇所の置換が可能である。
低級アルキルチオ基としては、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオまたはn−ヘキシルチオのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6の低級アルキルチオ基が挙げられる。
低級アルキルスルフィニル基としては、例えばメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n−ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、tert−ブチルスルフィニル、n−ペンチルスルフィニルまたはn−ヘキシルスルフィニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6の低級アルキルスルフィニル基が挙げられる。
低級アルキルスルホニル基としては、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニルまたはn−ヘキシルスルホニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数1〜6の低級アルキルスルホニル基が挙げられる。
低級アルキルカルボニル基としては、例えばメチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニルまたはn−ヘキシルカルボニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数2〜7の低級アルキルカルボニル基が挙げられる。
低級アルキルカルボニルオキシ基としては、例えばメチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシまたはn−ヘキシルカルボニルオキシのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数2〜7の低級アルキルカルボニルオキシ基が挙げられる。
低級アルキルオキシカルボニル基としては、例えばメチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、n−プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、n−ブチルオキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニルまたはn−ヘキシルオキシカルボニルのような直鎖状、または分枝鎖状の炭素数2〜7の低級アルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
置換されていてもよいカルバモイル基の置換基としては、例えば1個または2個の低級アルキル基、またはカルバモイル基の窒素原子と一緒になって形成されるピロリジン、ピペリジンまたはアゼパンなどが挙げられる。
置換されていてもよいアミノ基の置換基としては、例えば1個または2個の低級アルキル基、またはアミノ基の窒素原子と一緒になって形成されるピロリジン、ピペリジンまたはアゼパンなどが挙げられる。
置換されていてもよい5ないし7員ヘテロ環の置換基としては、例えば低級アルキル基、水酸基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基などが挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルのような直鎖状もしくは分枝鎖状で炭素数1〜5の低級アルキル基、例えば2−ヨウ化エチル、2,2,2−トリクロロエチルのような炭素数1〜5のハロゲノ低級アルキル基、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、イソブトキシメチルのような炭素数1〜5のような低級アルコキシメチル基、例えばアセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル,ピバロイルオキシメチルのような炭素数1〜5の低級脂肪族アシルオキシメチル基、例えば1−エトキシカルボニルオキシエチルのような1−(C1〜C5)低級アルコキシカルボニルオキシエチル基、例えばベンジル、p−メトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジルのようなアラルキル基、例えばアリル、3−メチルアリルのような炭素数3〜7の低級アルケニル基、ベンズヒドリル基、またはフタリジル基が挙げられる。
水酸基の保護基およびアミノ基の保護基としては、通常用いられる各種の保護基が可能であるが、好適には例えば、tert−ブチルオキシカルボニルのような炭素数1〜5の低級アルコキシカルボニル基、例えば2−ヨウ化エチルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニルのような炭素数1〜5のハロゲノアルコキシカルボニル基、例えばアリルオキシカルボニルのような置換または無置換の炭素数3〜7の低級アルケニルオキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、o−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニルのようなアラルキルオキシカルボニル基、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリルのようなトリアルキルシリル基が挙げられる。
前記一般式[1]で表されるβ−ラクタム化合物における、好ましい置換基Y1としては、メチル、エチル、イソプロピルなどのC1−C3のアルキル基、ヒドロキシメチル、クロロメチル、フロロメチル、メトキシメチル、カルバモイルオキシメチル(−CH2OCONH2)、ウレイドメチル(−CH2NHCONH2)、スルファモイルメチル(−CH2SO2NH2)、スルファモイルアミノメチル(−CH2NHSO2NH2)、カルバモイルなどが挙げられ、そして好ましい置換基Y2としては、水素、メチル、エチル、イソプロピルなどのC1−C3のアルキル基、イミノメチル(−CH=NH)、−C(CH3)=NHなどが挙げられる。
また、前記一般式[1]の医薬として許容される塩は常用の無毒性塩である。そのような塩としては、まず分子内のカルボン酸の塩として例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウムのような無機性塩基塩、例えばトリエチルアンモニウム、ピリジニウム、ジイソプロピルアンモニウムのような有機性塩基塩、さらに3位側鎖上の四級アンモニウムイオン等の陽電荷とともに形成する分子内塩が挙げられ、次に分子内塩基の塩としては例えば塩酸、硫酸、リン酸といった無機酸塩、例えばギ酸、酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸といった有機酸塩が挙げられる。
一般式[1]の2位カルボキシル基における無毒性エステルとは、医薬品として許容される慣用的なものを意味し、好適には例えばアセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、n−ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、シクロヘキシルアセトキシメチル、(1−メチルシクロヘキサンカルボキシ)メチル、のような(炭素数2〜10のアルカノイル)オキシメチルエステル、例えば1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(n−プロピルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルのような1−[(炭素数1〜10のアルコキシ)カルボニルオキシ]−(炭素数1〜3のアルキル)エステル、(5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オン−4−イル)メチルエステル、フタリジルエステルといった生体内で容易に加水分解を受けるものが挙げられる。
一般式[1]で表されるβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩もしくは無毒性エステルは、それらの無水物、水和物または溶媒和物であってもよい。
以下に本発明化合物の製造方法について詳細に述べる。
一般式[2]
[式中、R1a、R2、R5およびLは前記と同じ意味を有する。]
で表わされる化合物と、一般式[3]
[式中、m、n、X、Y1およびY3は前記と同じ意味を有す。]
で表わされる化合物とを塩基の存在下に反応させるか、あるいは一般式[2]で表わされる化合物と一般式[3]で表される化合物のチオレート塩とを不活性溶媒中で反応させることにより一般式[4]
[式中、R1a、R2、R5、m、n、X、Y1およびY3は前記と同じ意味を有する。]
で表わされる化合物またはその塩を製造することができる。
上記Lにおける水酸基の活性エステルとは、例えばベンゼンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル、p−ニトロベンゼンスルホン酸エステル、p−ブロモベンゼンスルホン酸エステル等の置換もしくは無置換アリールスルホン酸エステル、例えばメタンスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル等の炭素数1〜5の低級アルカンスルホン酸エステル等、例えばトリフルオロメタンスルホン酸エステル等の炭素数1〜5のハロゲノアルカンスルホン酸エステル、例えばジフェニルリン酸エステル等のアリールリン酸エステル、例えばハロゲン化水素とのエステルである塩素化物、臭素化物、ヨウ素化物等のハロゲン化物等を挙げることができる。このような水酸基の反応性エステルの中で好適なものとしてはp−トルエンスルホン酸エステル、メタンスルホン酸エステル、トリフルオロメタンスルホン酸エステル、ジフェニルリン酸エステルを挙げることができる。
一般式[2]で表わされる化合物と、一般式「3」で表わされる化合物から塩基の存在下、一般式「4]で表わされる化合物を得るのに用いられる不活性溶媒としてはジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、ヘキサメチルホスホラミドといったもの、またそれらの混合溶媒をあげることができる。
塩基としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、のような無機塩基、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ−7−エン(DBUと略記する。)のような有機塩基を挙げることができる。特に好適なものとしてDBUが挙げられる。塩基は反応が十分進行するだけの量が必要であり、一般式[3]で表わされるメルカプタン化合物に対して通常1〜3当量を用いておこなうことができる。
一般式[3]で表わされるメルカプタン化合物は、反応が十分進行するだけの量が必要であり、大過剰を用いることができるが、一般式[2]で表わされる化合物に対して、通常1〜2当量を用いて行うことができる。
反応温度は−100℃〜+60℃の範囲で行われるが、−40℃〜+40℃の範囲が好適である。なお、反応終了後は通常の有機化学的手法によって生成物を取り出すことができる。
一般式[2]で表わされる化合物と一般式[3]で表わされる化合物のチオレート塩との反応により一般式「4]で表わされる化合物を製造するのに用いられる不活性溶媒としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、ヘキサメチルホスホラミドといったもの、またそれらの混合溶媒を挙げることができる。
チオレート塩は、反応が十分進行するだけの量が必要であり、大過剰を用いることができるが、一般式[2]で示される化合物に対して、通常1〜2当量を用いて行うことができる。
反応温度は−78℃〜+60℃の範囲で行われるが、−40℃〜+40℃の範囲が好適である。なお、反応終了後は通常の有機化学的手法によって生成物を取り出すことができる。
チオレート塩は一般式[3]で表わされるメルカプタン化合物と塩基により製造できる。塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムのような無機塩基、tert−ブトキシカリウム、ナトリウムメトキシドのような金属アルコキシド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシラジドのような金属アミドが挙げられる。
次に、得られた一般式[4]で表わされる化合物からは、必要に応じて公知の方法に従い、R1aおよびY1における水酸基の保護基の除去反応、Y1におけるアミノ基の保護基の除去反応、Y3におけるアミノ基の保護基の除去反応と所望によりそれに引き続く保護基の除去されたアミノ基のイミドイル化反応、またはY3におけるイミドイル基の保護基の除去反応、R5およびY1におけるカルボキシル基の保護基の除去反応を適宜組み合わせた反応を行うことにより一般式[1]で表わされるβ−ラクタム化合物またはその塩を製造することができる。
上記の基の除去方法は、酸、塩基、還元剤等で処理するそれ自体公知の方法であり、例えばT.W.Greene:Protective Groups in Organic Synthesis,J.Wiley & Sons Inc.,1981を参照することができる。酸としては好適にはトリフルオロ酢酸、ギ酸、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム等、またはその混合したものを挙げることかできる。塩基としては好適には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、硫化ナトリウム、あるいは硫化カリウム等のアルカリ金属硫化物、あるいフッ化テトラブチルアンモニウムを挙げることができる。還元による方法としては好適には亜鉛および酢酸、水素およびパラジウム−炭素あるいは白金等による水素化分解等が挙げられる。また、0価パラジウムを用いる手法も用いることができる。
使用される溶媒としては本反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、水、メタノールやエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフランやジオキサン等のエーテル類、酢酸等の脂肪酸類、およびそれらの混合溶媒を用いることができる。反応温度としては適宜冷却または加熱することにより反応を抑制または促進することが可能であり、好適温度としては−30℃〜+40℃が挙げられる。反応終了後は通常の有機化学的手法により生成物を取り出すことができるが、例えば反応混合物の液性を中性付近とした後、吸着樹脂等を用いるカラムクロマトグラフィーに付し、目的化合物の溶出する部分を分取し、凍結乾燥することにより反応生成物を得ることができる。
一般式[2]で表わされる化合物は公知であり、例えば特公昭63−55514号公報に記載の方法により製造することができる。
一般式[3]で表わされるメルカプタン化合物は公知の各種の方法、例えばK.Hofmann,Heterocyclic Chemistry vol.6(1953),J.V.Metzger,同書vol.34(1979),I.J.Turchi,同書vol.45(1986),Interscience Publishers,Inc.あるいはA.R.Katritzky,Advanses in Hetrocyclic Chemistry,vol.32(1982),Academic Pressといった叢書記載の方法、あるいはそれらを組み合わせることにより製造することができる。
前記一般式「1]で表わされる化合物には次式
に示されるように、カルバペネム骨格の4位、5位、6位の不斉炭素に基づく光学異性体が存在し、これらの異性体が便宜上すべて単一の式で示されているが、これによって本発明の記載の範囲は限定されるものではなく、本発明は各不斉炭素原子に基づくすべての異性体および異性体混合物を含むものである。
好適なものとしてR2が水素の場合には、5位の炭素原子がR配位の(5R,6R)配位または(5R,6S)配位の化合物を挙げることができ、R2が低級アルキル基の場合には4位の炭素原子がR配位で5位の炭素原子がS配位を有する(4R,5S,6S)配位、または(4R,5S,6R)配位の化合物を挙げることができる。
さらにR1が1−ヒドロキシエチルの場合、次式
に示されるように8位においてもR配位のものとS配位の異性体があり、好適なものとしてR配位を挙げることができる。
また、置換基Y1の種類およびY1が結合する環の種類により、異性体が存在する。
このような配位を有する異性体を製造する場合は、一般式[2]および/または[3]で表わされる原料化合物において各々対応する異性体を使用して行うことができる。
前記一般式[1]で示される本発明化合物は、カルバペネム骨格の3位に各種の置換基を有するアゾールチオ基を有する新規なβ−ラクタム化合物群であり、これらの化合物は優れた抗菌活性を有し、医薬品として有用な化合物である。
本発明によって得られる一般式[1]を有する化合物の具体例としては、例えば以下の表1に示した化合物を挙げることができる。
上記表1に例示した化合物においては前述したように立体異性体が存在し、例示化合物はすべての異性体を含むものである。また、Y1が置換されることにより異性体が生じる場合があるが、例示化合物はすべての異性体を含むものである。
本発明の一般式[1]で表わされる新規β−ラクタム化合物はスタフィロコッカス・オウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミディス、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・ニューモニア、エンテロコッカス・フェカーリスなどのグラム陽性菌、大腸菌、プロテウス属菌、クレブシエラ・ニューモニア、ヘモフィルス・インフルエンザ、淋菌、ブランハメラ菌などのグラム陰性菌を包含する広範囲な病原菌に対し抗菌活性を有するものもあるが、特にグラム陽性菌に対する抗菌力に優れ、MRSAおよびMRCNSにも優れた抗菌活性を有することが特徴として挙げられる。
さらに、本発明化合物[1]は各々の化合物によってその程度は異なるが、中枢性副作用が一層低減されていること、あるいは医薬品として具備すべき水溶解度等の物理化学的性質において一層改善されていることもその特徴として挙げることができる。
腎酵素であるデヒドロペプチダーゼーI(DHP−Iと略記する。)は天然由来のカルバペネム化合物を容易に分解することが知られているが、カルバペネム類である本発明の一般式[1]で表わされる化合物はDHP−Iに対し安定なものもあり単剤での使用が可能であるが、もし必要である場合にはDHP−I阻害剤との併用も可能である。
本発明化合物を細菌感染症を治療する抗菌剤として用いるための投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤等による経口投与あるいは静脈内注射、筋肉内注射、直腸投与などによる非経口投与が挙げられる。
前記の適当な投与剤形は許容される通常の担体、賦形剤、結合剤、安定剤などに活性化合物を配合することにより製造することができる。注射剤で用いる場合には許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤などを添加することもできる。
投与量は症状、年齢、体重、投与形態、投与回数等によって異なるが、通常は成人に対し、一日100〜3000mgを一回または数回に分けて投与する。必要に応じて減量あるいは増量することができる。
実施例
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はもちろんこれらによって限定されるものではない。
なお以下の実施例で用いている略号の意味は次の通りである。
TMS:トリメチルシリル基
ALOC:アリルオキシカルボニル基
Ac:アセチル基
Me:メチル基
TBDMS:tert−ブチル(ジメチル)シリル基
実施例1
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[(2S,4S)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
19mlのアセトニトリルに1.90gの(2S,4S)−4−アリルオキシカルボニルオキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解してなる溶液に、0.23gの水素化ナトリウム(鉱油中65%)を一度に室温で加える。この混合物を1時間攪拌し、0℃まで冷却し、3.00gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加える。得られた溶液を4℃で4日間冷蔵庫に保存し、次に50mlの酢酸エチルと50mlの1N冷塩酸を加える。混合物を0℃で15分間攪拌する。分液し、有機層をシリカゲルでクロマトグラフィーにより精製する。生成物画分を集め、蒸発乾燥させて、0.23gの無色の発泡体を生ずる(約0.97gの出発材料(2S,4S)−4−アリルオキシカルボニルオキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルが回収される)。
この物質95mgを3mlのジクロロメタンに溶解した溶液に211mgのビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物、22μlの酢酸および0.4mlの水素化トリブチル錫を、室温でよく攪拌しながら加える。すぐに激しくガスが発生する。室温での攪拌を30分間継続する。得られた懸濁液に10mlのpH4.00の燐酸緩衝液を加える。分液し、水層をMCIゲル(CHP20P)上でクロマトグラフィーにより精製して、0.045gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[(2S,4S)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−2−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を凍結乾燥後に白色粉末として得る。
IR:1755cm−1
MS(ISP):412.4(M+H)
HNMR:(250MHz,D2O,δ ppm):1.04(d,J=8Hz,3H);1.22(d,J=6.5Hz,3H);2.2−2.35(m,1H);2.75−2.95(m,1H);3.12−3.58(m,4H);4.15−4.25(m,2H);7.25(s,1H)
出発材料の(2S,4S)−4−アリルオキシカルボニルオキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルは、下記のようにして得る。
a)(2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
20mlのテトラヒドロフランと10mlのヘキサンに2.00gの(1S)−3−オキソ−2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、2.62gのブロモクロロメタン(1.36ml、0.020モル)を加え、混合物を−100℃まで冷却する。この温度でn−ヘキサン(0.020モル)にn−ブチルリチウムを溶解してなる−78℃の冷1.6m溶液の12.67mlを15分間加える。反応混合物に10%クエン酸を加えることにより反応を停止する。分液し、有機層を10%重炭酸カリウムと塩水で洗浄する。水層を酢酸エチルで抽出する。集めた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で濃縮する。油状残留物をクロマトグラフィーによりシリカゲルでn−ヘキサン:酢酸エチル=1:2を用いて精製し、1.34gの無色の油を得る。MS(EI+Q1):M=247。この油を15mlのエタノールに溶解し、0.70gのジチオカルバミン酸アンモニウムを加える。混合物を室温で30分間攪拌し、2時間還流する。混合物は水と酢酸エチルに分配される。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーによりシリカゲルで酢酸エチルを用いて精製し、生成物をtert−ブチルメチルエーテルと共に粉砕し、0.85gの(2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを140−141℃の融点を有する黄色結晶として得る。
HNMR:(250MHz,DMSO d6 δ ppm)1.90(d,13.8Hz,1H);2.3−2.5(m,1H);3.36−3.48(m,1H);3.58−3.66(m,1H);4.36(s,1H);4.40−4.60(m,2H);4.70−4.80(m,1H);5.05−5.20(m,2H);5.70−6.00(m,1H);6.56(s,1H)
MS:(EI+Q1)M=286
MA:Calc.for C11H14N2O3S2 C:46.14,H:4.93,N:9.78 found C:45.96,H:4.93,N:9.58
b)(2S,4S)−4−アリルオキシカルボニルオキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
20mlのアセトニトリルに2.00gの(2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0.256gの4−(ジメチルアミノ)ピリジンと3.062gのアリル−1−ベンゾトリアゾリル炭酸塩を加え、混合物を室温で1時間攪拌する。この混合物は水とエチルエステルに分配され、有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:1を用いて精製する。生成物画分を集め、蒸発乾燥して、2.03g(0.010モル)の(2S,4S)−4−アリルオキシカルボニルオキシ−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを無色の粘稠な油として得る。
HNMR:(250MHz,CDCl3,δ ppm)2.4−2.7(m,2H);3.6−3.9(m,2H);4.5−4.7(m,4H);4.98(d,J=9Hz,1H);5.2−5.5(m,4H);5.8−6.05(m,2H);6.41(s,1H);11.0(s,broad,1H)
MS(ISP):M+H=371
実施例2
(4R,5S,6S)−3−[4−(3R,5S)−5−ジメチルカルバモイル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
22mlのアセトニトリルに2.2gの(2S,4R)−2−ジメチルカルバモイル−4−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0℃で0.26gの水素化ナトリウム(鉱油中60%)を一度に加える。混合物を0.5時間攪拌し、4.6gの(4R,5R,6S)−4−メチル−7−オキソ−3−[[(トリフルオロメチル)スルフォニル]オキシ]−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加える。得られた溶液を冷蔵庫24°Cで18時間保存する。反応混合物は水と酢酸エチルに分配され、有機層をシリカゲルで酢酸エチルを用いてクロマトグラフィーにより精製し、2.89gの無色の発泡体を得る。これを50mlの酢酸エチルに溶解し、50mlの1N冷塩酸で処理する。混合物を0℃で5分間攪拌する。分液し、有機相を重炭酸カリウムと塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で濃縮する。残留物を30mlのジクロロメタンに溶解し、0.30gのビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物、0.6mlの酢酸および11.2mlの水素化トリブチル錫を、室温で攪拌しながら加える。直ぐに激しいガスの発生が起こる。室温での攪拌を30分間続ける。得られた混合物に氷冷したpH4.00の燐酸緩衝液を加える。分液し、水層をMCIゲル(CHP20P)上でクロマトグラフィーにより精製して、凍結乾燥後に1.35gの白色粉末を得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.05(d,J=8Hz,3H);1.23(d,J=6Hz,3H),2.43−2.58(m,1H);2.66−2.80(m,1H);2.99(s,3H);3.07(s,3H);3.13−3.30(m,1H);3.40−3.60(m,2H);3.74−4.0(m,2H);4.14−4.30(m,2H);4.90−5.00(d,d J1=6Hz,J2=9Hz,1H);7.51(s,1H)MS(ISP):M+H=467.2
IR(MIR):1755cm−1
出発材料の(2S,4R)−2−ジメチルカルバモイル−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを、下記の方法で得る。
40gの(2S−シス)−2−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−4−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルおよび27.7gのシアン化テトラエチルアンモニウムを250mlのアセトニトリルに溶解してなる混合物をアルゴン下で8時間還流する。この混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで徹底的に抽出する。有機層をクロマトグラフィーにより1kgのシリカゲルでジクロロメタン:酢酸エチル:メタノール=5:4:1を用いて精製し、明るい茶色の油を得る。この油を2N塩酸のエタノール中で2時間還流する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分散させる。有機層を10%重炭酸カリウムと塩水で洗浄する。水層を酢酸エチルで抽出する。集めた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、クロマトグラフィーによりシリカゲルで酢酸エチルを用いて精製する。得られた生成物を150℃で0.1ミリバール下で蒸留し、12.0gの(3S,5R)−5−ジメチルカルバモイル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを無色の油(MS(ISP):M+H=299.4)として得る。これを120mlのテトラヒドロフランに溶解する。得られた溶液に、10.4gのブロモクロロメタンを60mlのn−ヘキサンに溶解してなる溶液を加え、混合物を−100℃に冷却する。得られた透明な溶液に、n−ブチルリチウムをn−ヘキサンに溶解してなる−78℃冷1.6M溶液50.4mlを加えて、温度が−95℃を越えないような速度で攪拌する。この温度での攪拌を10分間続ける。次に、10%クエン酸を添加してその反応を停止する。分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で蒸発させ、無色の油を得る。これを160mlのエタノールに溶解する。得られた透明な溶液に6.9gのジチオカルバミン酸アンモニウム塩を加え、混合物を室温で30分間攪拌し、1時間還流する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配され、有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製して、7.54gの(2S,4R)−2−ジメチルカルバモイル−4−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを明るい黄色の発泡体として得る。
HNMR(250MHz,DMSO d6,δ ppm):2.1−2.4(m,2H);2.83(s,3H);3.00 and 3.03(s,s together 3H amide rotamers);3.30−3.50(m,2H);3.7−3.9(m,1H);4.35−4.6(m,2H);4.75−4.90(m,1H);5.1−5.4(m,2H);5.7−6.0(m,1H);6.80(s,1H);13.23(s,1H).
MS(EI+Q1):M=341
実施例3
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[(3R,4R)−および−[(3S,4S)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸=1:1の混合物の合成:
5mlのアセトニトリルに0.29gの(トランス)−3−ヒドロキシ−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解してなる溶液に、40mgの水素化ナトリウム(鉱油中約60%)を攪拌しながら加える。直ちに、ガスの発生が起こる。ガスの発生が終了した後(約15分間)、混合物を−15℃まで冷却し、次に、1.5mlのアセトニトリルに(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解してなる溶液を攪拌しながら加える。得られた透明な反応混合物をアルゴン下で冷蔵庫に4℃で一晩保存する。この反応混合物に20mlの酢酸エチルと20mlの1N塩酸を加え、混合物を15分間攪拌する。分液し、有機層を濃縮し、クロマトグラフィーによりシリカゲルで酢酸エチル:ヘキサン=1:1;酢酸エチルおよび酢酸エチル:メタノール=8:2を用いて精製する。最も極性の高い成分を収集し、濃縮する。残留物を高真空下で一定の重量まで乾燥し、0.16gの無色の固体を得る。この固体を5mlのジクロロメタンに溶解してなる溶液に、0.020gのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)および0.5mlの水素化トリブチル錫を室温で攪拌しながら加える。ガスの発生が起こり、混合物を室温で15分間攪拌し、氷冷したpH7.00の燐酸緩衝液を加え(15ml)、分液する。水層をクロマトグラフィーによりMCI(CHP−20)ゲル上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製する。生成物を約8%のアセトニトリルで溶出する。生成物画分を濃縮し、凍結乾燥して、0.070gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[(3R,4R)−および−[(3S,4S)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸=1:1の混合物を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.01(d,J=8Hz,3H);1.20(d,J=6Hz,3H);3.08−3.30(m,2H);3.4−3.85(m,5H);4.10−4.25(m,2H);4.50−4.70(m,1H);7.50(s,1H)
MS(ISP):M+H=412.3
IR(NJL):1755cm−1
出発材料である(トランス)−3−ヒドロキシ−4−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを下記の方法で得る。
a)(ラセミ)−6−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸アリルエステルの合成:
1000mlの1,2−ジクロエタンに95.00gの2,5−ジヒドロ−ピロール−1−カルボン酸アリルエステルおよび183.5gの3−クロロペルオキシ安息香酸を加えてなる混合物を室温で20時間攪拌する。固型物を濾過して除去する。母液を1000mlの水と混合し、混合物に2N水酸化ナトリウムを加えてpHを7.5に調整する。分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、クロマトグラフィーにより1.75kgのシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:1を用いて精製して、38.73gのラセミ性6−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸アリルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):3.39(d,J=12Hz,2H),3.70(s,2H);3.80(dd,J1=12Hz,J2=10Hz,2H);4.55−5.00(m,2H);5.15−5.35(m,2H);5.75−6.00(m,1H)
MS(EI+Q1):M=169
b)(トランス)−3−シアノ−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
32.9gのトリメチルシリシアニドと4.5gのアルミニウムトリイソプロポキシドの混合物に、37.4gの6−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸アリルエステルを加え、得られた混合物を室温で18時間攪拌する。反応混合物は1N塩酸と酢酸エチルとに分配される。分液し、有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:2を用いて精製して、32.18gの(トランス)−3−シアノ−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.85(s,broad,1H);3.00−3.20(m,1H);3.30−3.50(m,2H);3.70−3.95(m,3H);4.55−4.70(m,2H);5.20−5.40(m,2H);5.85−6.05(m,1H).
MS(ISP):M+H=197.3
IR(MIR):2246cm−1
e)(トランス)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルの合成:
エタノール中、200mlの2N塩酸に20.0gの(トランス)−3−シアノ−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液を18時間還流する。反応混合物は水と酢酸エチルの間に分配され、有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:2を用いて精製して、15.00gの(トランス)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.28(t,J=7.5Hz,3H);2.45(d,J=3Hz,1H);2.94−3.10(m,1H);3.25−3.42(m,1H);3.60−3.90(m,3H);4.20(qu,J=7.5Hz,2H);4.55−4.65(m,2H);5.18−5.40(m,2H);5.83−6.03(m,1H)
MS(ISP):M+H=244.3
IR(FLM):1740cm−1
d)(トランス)−3−ヒドロキシ−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
50mlのジメチルホルムアミドに5.00gの(トランス)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを溶解した溶液に、4.00gのクロロジメチルテキシルシランと1.60gのイミダゾールを加え、混合物を室温で18時間攪拌する。この混合物は、水と酢酸エチルに分配させる。分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、クロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=3:1を用いて精製して、7.1gの油を得る。この油を50mlのテトラヒドロフランと25mlのヘキサンに溶解した溶液に、5.24gのブロモクロロメタンを加え、得られた混合物を−100℃まで冷却する。この温度で、n−ヘキサン中にn−ブチルリチウムを溶解した−78℃の冷1.6M溶液25.34mlを15分間加える。反応混合物に10%クエン酸を加えることにより反応を停止する。分液し、有機層を10%重炭酸カリウムと塩水で洗浄する。水層を酢酸エチルで抽出する。集めた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で濃縮する。油性残留物をクロマトグラフィーによりシリカゲルでn−ヘキサン:酢酸エチル=1:2を用いて精製して、5.0gの油を得、これを50mlのエタノールに溶解し、ジチオカルバミン酸アンモニウム塩で処理して2時間還流する。反応混合物は水と酢酸エチルに分配され、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発する。固体残留物を25mlのメタノールに溶解し、1.20gのフッ化アンモニウムを加える。混合物を撹拌し、2時間還流する。溶剤を蒸発させ、残留物は水と酢酸エチルに分配される。有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルで酢酸エチルを用いて精製して、1.05gの(トランス)−3−ヒドロキシ−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを白色の発泡体として得る。
HNMR(250MHz,DMSO d6,δ ppm):3.05−3.20(m,2H);3.30−3.50(m,1H);3.55−3.80(m,2H);4.30−4.40(m,1H);4.52(d,J=6Hz,2H);5.15−5.35(m,2H);5.52(d,J=5Hz,1H);5.80−6.00(m,1H);6.73(s,1H);13.26(s,1H).MS(EI+Q1):M=286
IR(MIR):1664cm−1
実施例4
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[(R)−4−(1−イミノメチル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
1.5mlの水に0.1gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、0.060gのホルムイミド酸ベンジルエステル塩酸塩(1:1)を攪拌しながら室温で添加する。pHを7に調整する。pHが8に上昇したら、別の0.040gのホルムイミド酸ベンジルエステル塩酸塩(1:1)を加える。pHは約6.8まで低下し、再び上昇を始める。その工程はHPLCで保持時間が原料よりも短い生成物に完全に変換されるまで4回繰り返される。反応混合物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)で含水率30%までのアセトニトリルで精製し、凍結乾燥して、0.045gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[(R)−4−(1−イミノメチル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色の粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.01(d,J=8Hz,3H);1.20(d,J=6.5Hz,3H);2.05−2.6(m,2H);3.07−3.21(m,1H);3.38−3.45(m,1H);3.50−4.00(m,4H);4.03−4.20(m,2H);7.42 and7.44(s,s 1:1 together 1H amidine rotamers);7.96−7.99(s,s 1:1 together 1H amidine rotamers(回転異性体)).
MS(ISP):M+H=423
IR(MIR):1754cm−1
出発材料(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を下記の方法で製造する。
a)(S)−3−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルの合成:
100mlのジクロロメタンに15.00gの(S)−3−ヒドロキシ−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に10.64gのトリエチルアミンを加える。混合物を0℃に冷却し、11.04gのメタンスルフォニルクロリドを20分間攪拌しながら加える。攪拌を室温で30分間継続する。水を加える。分液し、有機層を10%クエン酸、重炭酸カリウムおよび塩水で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥および蒸発して、22.72gの(S)−3−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルを淡黄色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):2.05−2.42(m,2H);3.06(s,3H);3.48−3.86(m,4H);4.61(d,J=5.5Hz,2H);5.2−5.4(m,3H);5.84−6.05(m,1H).
IR(FLM):1702cm−1
MS(ISP):M+H=250.2
b)(R)−3−シアノ−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
200mlのアセトニトリルに22.40gの(S)−3−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、25.84gのシアン化テトラエチルアンモニウムを加え、混合物を75℃で18時間攪拌する。生成物をクロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:1を用いて精製して、11.50gの(R)−3−シアノ−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを淡黄色の油として得る。(ee95%キラルGCによる)
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):2.14−2.40(m,2H);3.05−3.20(m,1H);3.48−3.80(m,4H);4.61(d,J=5.5Hz,2H);5.2−5.4(m,2H);5.84−6.02(m,1H).
IR(FLM):2245cm−1
MS(TSP+Q1):M=180
c)(R)−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルの合成:
45mlの2N塩酸のエタノール溶液に4.20gの(R)−3−シアノ−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液を18時間還流する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配され、有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:1を用いて精製して、4.64gの(R)−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.27(t,J=7Hz,3H);2.07−2.24(m,2H);2.96−3.17(m,1H);3.36−3.77(m,4H);4.17(qu,J=7HZ,2H);4.60(d,J=5.5Hz,2H);5.2−5.4(m,2H);5.84−6.04(m,1H).
IR(FLM):1731cm−1
MS(EI):M=227
d)(R)−3−クロロアセチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
50mlのテトラヒドロフランと25mlのヘキサンに5.00gの(R)−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルと5.7gのブロモクロロメタンを溶解した溶液に、−100℃で、27.5mlの−78℃の冷1.6Mn−ブチルリチウム・n−ヘキサン溶液を10分間加える。反応を10%クエン酸を加えることにより停止する。相分離が起こる。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾燥して、5.26gの(R)−3−クロロアセチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを無色の油として得る。HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):2.07−2.30(m,2H);3.40−3.80(m,5H);4.16(s,2H);4.59(d,J=5.5Hz,2H);5.18−5.38(m,2H);5.84−6.04(m,1H).
IR(FLM):1696cm−1
MS(TSP+Q1):M=231
e)(R)−3−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
14mlのエタノールに5.20gの(R)−3−クロロアセチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、3.0gのジチオカルバミン酸アンモニウム塩を加え、混合物を室温で1時間攪拌し、次に1時間還流する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配され、有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=1:2を用いて精製して、4.63gの(R)−3−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを明るい黄色の発泡体として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.96−2.20(m,1H);2.25−2.42(m,1H);3.30−3.70(m,4H);3.75−3.95(m,1H);4.62(d,J=5.5Hz,2H);5.18−5.40(m,2H);5.84−6.04(m,1H);6.33(s,1H);12.3(s,broad,1H).
IR(FLM):1664cm−1
MS(EI+Q1):M=270
f)(4R,5S,6S)−3−[4−(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルの合成:
40mlのアセトニトリルに1.892gの(R)−3−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0.308gの水素化ナトリウム(鉱油中約65%)を加え、混合物を30分間室温で攪拌する。得られた溶液に4.00gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加え、混合物を冷凍庫に4℃で48時間保存する。固型物を濾過により除去し、母液は水と酢酸エチルに分配される。有機層を氷冷した1N塩酸で20分間処理する。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムで洗浄し、クロマトグラフィーによりシリカゲルで酢酸エチルを用いて精製して、2.759gの(4R,5S,6S)−3−[4−(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを無色の発泡体として得る。
HNMR(400MHz,CDCl3,δ ppm):1.06(d,J=7.5Hz);1.09(d,J=7.5Hz,together 3H);1.34(d,J=6Hz,3H);1.95−2.30(m,3H);3.20−3.30(m,1H);3.35−3.72(m,5H);3.75−3.85(m,1H);4.20−4.30(m,2H);4.55−4.65(m,1H);4.70−4.80(m,1H);4.82−4.92(m,1H);5.28−5.50(m,4H);5.87−6.04(m,2H);7.09 and 7.10(s,s 1:1 together 1H)as mixture of carbamate rotamers(回転異性体).
IR(FLM):1772cm−1
MS(ISP):M+H=520.3
g)(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
6mlのジクロロメタンに0.30gの(4R,5S,6S)−3−[4−(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ「3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルと20mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)を溶解した溶液に、0.60mlの水素化トリブチル錫を一度にアルゴン下で室温で攪拌しながら加える。激しいガスの発生が起こる。混合物を室温で20分間攪拌する。pH7.00の低燐酸緩衝液を加えると、分液し、水相をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率10%までのアセトニトリルを用いて精製して、0.134gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色の凍結乾燥品として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.02(d,J=7Hz,3H);1.20(d,J=6.25Hz,3H);2.08−2.30(m,1H);2.38−2.58(m,1H);3.04−3.22(m,1H);3.28−3.80(m,5H);4.10−4.30(m,2H);7.46(s,1H).
MS(ISP):M+H=396.3
IR(MIR):1755cm−1
実施例5
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(R)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
1.5mlの水に0.1gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、室温で0.16gのエチルアセトイミデート塩酸塩を4回に分けて15分間隔で加える。1N水酸化ナトリウムを加えてpHを7.00に調整する。生成物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水量30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥させて、0.070gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色の粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.10(d,J=7Hz,3H);1.21(d,J=6.25Hz,3H);2.10−2.30(m,1H);2.25(,s,3H);2.38−2.58(m,1H);3.05−3.22(m,1H);3.37−3.45(m,1H);3.47−410(m,5H);7.45(s,1H).
MS(ISP):M+H=437.3
IR(MIR):1753cm−1
実施例6
(4R,5S,6S)−3−[(R)−4−(1−カルバムイミドイル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
1.5mlの水に0.10gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、0.050gの1−アミジノ−1,2,4−トリアゾール塩酸塩を加え、次に10%重炭酸ナトリウムを加えてpHを7.00に調整する。攪拌を1時間継続する。生成物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥させて、0.015gの(4R,5S,6S)−3−[4−(1−カルバムイミドイル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.10(d,J=7Hz,3H);1.21(d,J=6.25Hz,3H);2.10−2.30(m,1H);2.35−2.52(m,1H);3.05−3.22(m,1H);3.40−3.90(m,5H);4.14−4.26(m,2H);7.46(s,1H).
MS(ISP):M+H=438.3
IR(MIR):1751cm−1
実施例7
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[(S)−4−(1−イミノメチル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
1.5mlの水に0.060gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、0.160gのホルムイミド酸ベンジルエステル塩化物を0.040gずつに分けて15分間隔で室温で攪拌しながら加える。1N水酸化ナトリウムを加えることによりpHを7に調整する。反応混合物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥させて、0.030gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[(S)−4−(1−イミノメチル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色の粉末として得る。HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.01(d,J=8Hz,3H);1.20(d,J=6.5Hz,3H);2.05−2.6(m,2H);3.07−3.21(m,1H);3.38−3.45(m,1H);3.50−4.00(m,4H);4.03−4.20(m,2H);7.43 and7.45(s,s 1:1 together 1H amidine rotamers(回転異性体));7.96 and 8.00(s,s 1:1 together 1H amidine rotamers(回転異性体)).
MS(ISP):M+H=423
IR(MIR):1754cm−1
出発材料(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を下記の方法で製造する。
a)(R)−3−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルの合成:
100mlのトルエンに16.84gのメタンスルホン酸を混合した混合物に、0°Cで17.73gのトリエチルアミンと47.88gのトリフェニルホスフィンを攪拌しながら加える。得られた混合物を室温で30分間攪拌し、次に、混合物を250mlのトルエンに25.00gの(S)−3−ヒドロキシ−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に加える。得られた混合物に、38.38gのジイソプロピルアゾジカルボキシレートを10分間にわたり加え、この混合物を2時間攪拌しながら80℃まで加熱する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配される。分液し、有機層を10%クエン酸、重炭酸カリウムおよび塩水で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、クロマトグラフィーによりシリカゲルでジクロロメタン:酢酸エチル=8:2を用いて精製して、28.2gの(R)−3−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルを淡黄色の油として得る(ee96%キラルGCによる)。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):2.05−2.42(m,2H);3.05(s,3H);3.48−3.86(m,4H);4.61(d,J=5.5Hz,2H);5.2−5.4(m,3H);5.84−6.05(m,1H).
IR(MIR):nSO2=1692cm−1
MS(EI+Q1):M=259
b)(S)−3−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
(R)−3−[(メチルスルフォニル)オキシ]−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルを対掌体と同じ連続工程により(S)−3−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルに変換する(実施例4参照)。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.96−2.20(m,1H);2.25−2.42(m,1H);3.30−3.70(m,4H);3.75−3.95(m,1H);4.64(d,J=5.5Hz,2H);5.18−5.40(m,2H);5.84−6.04(m,1H);6.34(s,1H);12.43(s,broad,1H).
IR(MIR):1665cm−1
MS(EI+Q1):M=270
c)(4R,5S,6S)−3−[4−(S)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルの合成:
40mlのアセトニトリルに1.89gの(S)−3−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0.308gの水素化ナトリウムを攪拌しながら加える。激しいガスの発生が起こり、攪拌を15分間継続する。混合物を0°Cに冷却し、20mlのアセトニトリルに4.00gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液を攪拌しながら加える。得られた溶液を冷蔵庫に4℃で4日間保存する。得られた懸濁液を50mlの酢酸エチルと50mlの氷冷した1N塩酸で効果的に攪拌しながら希釈する。攪拌を0°Cで15分間継続する。分液し、有機層を水と重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、クロマトグラフィーによりシリカゲルでジクロロメタン:酢酸エチル=7:3を用いて精製して、2.456gの(4R,5S,6S)−3−[4−(S)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを無色の発泡体として得る。
HNMR(400MHz,DMSO d6,δ ppm):0.98(d,J=7.5Hz,3H);1.10(d,J=6Hz,3H);2.00−2.15(m,1H);2.20−2.35(m,1H);3.30−3.55(m,5H);3.56−3.68(m,1H);3.69−3.70(m,1H);3.90−4.02(m,1H);4.23(d,J=10Hz,1H);4.53(s,2H);4.65−4.72(m,1H);4.75−4.85(m,1H);5.04(d,J=4.8Hz,1H);5.17(d,J=10.4Hz,1H)5.20−5.30(m.2H);5.44(d,J=17Hz,1H);5.88−6.00(m,2H);7.70(s,1H).
IR(MIR):1773cm−1
MS(ISP):M+H=520.3
d)(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
30mlのジクロロメタンに1.68gの(4R,5S,6S)−3−[4−(S)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0.133gのビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物を攪拌しながら加える。得られた溶液を0°Cに冷却し、5.0mlの水素化トリブチル錫を一度に攪拌しながら加える。混合物を0°Cで15分間攪拌する。ガム質が形成される。50mlのpH7.00の氷冷した燐酸緩衝液を加えて、分液する。有機層を50mlのpH7.00の燐酸緩衝液で抽出し、水層を50mlのジクロロメタンで逆洗浄する。水層をわずかに濃縮し、クロマトグラフィーによりMCIゲル上で含水率20%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥後に0.73gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.02(d,J=7Hz,3H);1.20(d,J=6.25Hz,3H);2.04−2.23(m,1H):2.37−2.55(m,1H);3.00−3.22(m,1H);3.30−3.60(m,3H);3.60−3.80(m,2H);4.12−4.32(m,2H);7.46(s,1H).
MS(ISP):M+H=396.3
IR(MIR):1753cm−1
実施例8
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(S)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
1.5mlの水に0.1gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−3−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、室温で0.16gのエチルアセトイミデート塩酸塩を4回に分けて15分の間隔で加える。1N水酸化ナトリウムを加えてpHを7.00に調整する。生成物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥させて、0.050gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(S)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.04(d,J=7Hz,3H);1.24(d,J=6.25Hz,3H);2.29(s,3H);2.20−2.40(m,1H);2.40−2.6−(m,1H);3.10−3.25(m,1H);3.40−4.00(m,7H);4.00−4.30(m,3H);7.48(s,1H).
MS(ISP):M+H=437.3
IR(MIR):1760cm−1
実施例9
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(R)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
5mlの水に0.55gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、室温で攪拌しながら3.00gのエチルアセトイミデート塩酸塩を10分間隔で200mgに分けて加える。反応の間、1N水酸化ナトリウムを加えてpHを7に調整する。生成物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製して、凍結乾燥後に0.385gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(R)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(400MHz,D2O,δ ppm):ca 3:2 mixture of rotamers(回転異性体)at the amidine 1.08(d,J=8Hz)and 1.09(d,J=8Hz)together 3H;1.27(d,J=6.4Hz,3H);2.16 and 2.38(s,together 3H);2.00−2.26(m,3H);2.40−2.52(m,1H);3.10−3.25(m,1H);3.45−3.52(m,1H);3.55−4.02(m,2H);4.20−4.30(m,2H);5.70−5.94(m,1H);7.56−7.60(s 3:2 together 1H).
MS(ISP):M+H=437.3
IR(MIR):1756cm−1
出発材料の(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を下記の連続工程により調製する。
a)(R)−2−クロロアセチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
460mlのテトラヒドロフランと135mlのヘキサンに17.60gの(R)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−アリルエステル2−エチルエステルと19.88gのブロモクロロメタンを溶解した溶液に、−100℃で、10分間にわたり、n−ブチルリチウムをヘキサンに溶解した−78℃の冷溶液98mlを加え、その混合物を−100℃で15分間攪拌する。460mlの10%クエン酸を加えることにより反応を停止し、500mlの酢酸エチルで抽出する。有機層をクロマトグラフィーによりシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル=3:1を用いて精製して、12.02gの(R)−2−クロロアセチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを油として得る。
HNMR(400MHz,CDCl3.δ ppm):1.86−2.07(m,3H);2.14−2.24(m,1H);3.48−3.65(m,2H);4.17−4.37(m,2H);4.50−4.65(m,3H);5.18−5.37(m,2H);5.80−6.00(m,1H).
IR(MIR):1691cm−1
MS(+c EI):M−Oallyl=174
b)(R)−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
170mlのエタノールに8.50gの(R)−2−クロロアセチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルと4.80gのジチオカルバミン酸アンモニウム塩を加えた混合物を室温で20分間攪拌し、次に4時間加熱して環流する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配される。分液し、有機層をクロマトグラフィーによリシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:1を用いて精製し、ヘキサン/酢酸エチルで結晶化した後、5.50gの(R)−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを白色の固体として得る。
m.p.:91℃
HNMR(400MHz,CDCl3,δ ppm):1.93−2.10(m,2H);2.17−2.30(m,2H);3.40−3.60(m,2H);4.54−4.71(m,2H);4.80−4.88(m,1H);5.20−5.40(m,2H);5.86−6.00(m,1H);6.29(s,1H);11.3(s broad,1H).
IR(MIR):1639cm−1
MS(+c EI):M=270.1
(ee>99%キラルGCによる)
c)(S)−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
上記と同じ連続工程により、(S)−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルを(S)−ピロリジン−1,2−ジカルボン酸1−アリルエステル2−エチルエステルから得る(ee>99%キラルGCによる)。
d)(4R,5S,6S)−3−[4−[(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルの合成:
35mlのアセトニトリルに1.49gの(R)−2−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0.24gの水素化ナトリウム(鉱油中約65%)を加え、混合物を30分間0°Cで攪拌する。得られた溶液に3.50gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加え、混合物を冷凍庫24°Cで66時間保存する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配される。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、クロマトグラフィーによりシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル=2:1を用いて精製して、2.24gの(4R,5S,6S)−3−[4−(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを淡黄色の発泡体として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.12(s,9H);1.06(d,J=7.5Hz,3H);1.14(d,J=6Hz,3H);1.90−2.30(m,4H);3.15−3.25(m,1H);3.30−3.45(m,1H);3.47−3.70(m,2H);4.00−4.20(m,2H);4.40−4.55(m,2H);4.60−4.85(m,2H);4.95−5.50(m,5H);5.60−6.00(m,2H);7.01−7.14(s,s 1:1 together 1H)as mixture of carbamate rotamers(回転異性体)).IR(FLM):1783cm−1
MS(ISP):M+H=592.1
e)(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(R)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
20mlの酢酸エチルに2.16gの(4R,5S,6S)−3−[4−(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、20mlの氷冷した1N塩酸を加え、混合物を0°Cで1時間攪拌する。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させる。固体の残留物を40mlのジクロロメタンに溶解し、0.128mgのビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)塩化物、0.49mlの氷酢酸および5.8mlの水素化トリブチル錫を加える。激しいガスの発生が起こる。混合物を室温で20分間攪拌する。得られた混合物240mlのpH7.00の燐酸緩衝液を加える。分液し、水層をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥後に1.07gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−{(R)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,DMSO d6,δ ppm):0.92(d,J=8Hz,3H);1.11(d,J=6.5Hz,3H);1.80−2.2(m,3H);2.20−2.40(m,1H);3.05−3.45(m,5H);3.85−3.98(m,1);4.02−4.18(m,1H);4.60−4.73(m,1H);7.77(s,1H).
MS(ISP):M+H=396.2
IR(MIR):1759cm−1
実施例10
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(S)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成
10mlの水と5mlのアセトニトリルに0.50gの(4R,5S,6S)−6−[(S)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を溶解した溶液に、5.00gのエチルアセトイミデート塩酸塩を200mgずつに分けて5分間の間隔をあけて超音波浴中で室温で攪拌しながら加える。反応中1N水酸化ナトリウムを加えることによりpHを7に調整する。生成物をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥後に(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−{(S)−4−[1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(400MHz,D2O,δ ppm): ca 3:2 mixture of rotamers(回転異性体)at the amidine 1.06(d,J=8Hz)and 1.08(d,J=8Hz)together 3H;1.27(d,J=6Hz,3H);2.17 and 2.39(s,together 3H);2.00−2.26(m,3H);2.38−2.52(m,1H);3.20−3.30(m,1H);3.45−3.53(m,1H);3.55−4.05(m,2H);4.20−4.30(m,2H);5.20−5.45(m,1H);7.54−7.58(s 3:2 together 1H).
MS(ISP):M+H=437.4
IR(MIR):1756cm−1
出発材料(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を下記の連続工程により得る。
a)(4R,5S,6S)−3−[4−(S)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘブト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルの合成:
30mlのアセトニトリルに1.28gの(S)−2−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、0.206gの水素化ナトリウム(鉱油中約65%)を加え、混合物を30分間0°Cで攪拌する。得られた溶液に3.00gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(S)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加え、混合物を冷凍庫24°Cで138時間保存する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配される。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、クロマトグラフィーによりシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル=2:1を用いで精製して、1.86gの(4R,5S,6S)−3−[4−(S)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを淡黄色の発泡体として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.12(s,9H);1.05 and 1.06(d,J=7.5Hz together 3H);1.14(d,J=6Hz,3H);1.90−2.30(m,4H);3.15−3.25(m,1H);3.30−3.45(m,1H);3.47−3.70(m,2H);4.00−4.20(m,2H);4.40−4.55(m,2H);4.60−4.85(m,2H);4.95−5.50(m,5H);5.60−6.00(m,2H);7.01 and 7.14(s,s 1:1 together 1H)as mixture of carbamate rotamers(回転異性体).
IR(MIR):1778cm−1
MS(ISP):M+H=592.1
b)(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
20mlの酢酸エチルに1.80gの(4R,5S,6S)−3−[4−(R)−1−アリルオキシカルボニル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、20mlの氷冷した1N塩化酸を加え、混合物を0°Cで1時間攪拌する。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させる。固体の残留物を20mlのジクロロメタンに溶解し、0.106mgのビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)塩化物、0.41mlの氷酢酸および4.84mlの水素化トリブチル錫を加える。激しいガスの発生が起こる。混合物を室温で20分間攪拌する。得られた混合物240mlのpH7.00の燐酸緩衝液を加える。分液し、水層に生成した結晶を濾過により収集して、0.84gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。母液をクロマトグラフィーによりMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、さらに0.100gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−3−[(S)−4−ピロリジン−2−イル−チアゾール−2−イルスルファニル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸が生成物画分濃縮の際に結晶性白色粉末として得る。融点:219℃(分解)。
HNMR(250MHz,DMSO d6,δ ppm):0.94(d,J=8Hz,3H);1.12(d,J=6.5Hz,3H);1.80−2.2(m,3H);2.20−2.40(m,1H);3.05−3.45(m,5H);3.85−3.98(m,1);4.02−4.18(m,1H);4.60−4.73(m,1H);7.77(s,1H).
MS(ISP):M+H=396.2
IR(NJL):1746cm−1
実施例11
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[[(3R,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
140mlの酢酸エチルに13.87gの(4R,5S,6S)−3−[4−(3R,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、140mlの氷冷した1N塩酸を加え、混合物を0°Cで1時間攪拌する。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させる。残留物を200mlのジクロロメタンに溶解し、1.31gのビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)塩化物、2.64mlの氷酢酸および44.7mlの水素化トリブチル錫を加える。激しいガスの発生が起こる。混合物を室温で10分間攪拌する。得られた混合物に700mlのpH7.00の燐酸緩衝液を加える。分液し、水相をクロマトグラフィーにより700mlのMCIゲル(CHP−20)上で含水率15%までのアセトニトリルを用いて精製する。生成物画分を濃縮することにより結晶化が起こり、6.29gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[[(3R,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を238℃の融点(分解)を有する白色結晶粉末として得る(母液を凍結乾燥することにより、さらに1.60gの表題の化合物を非晶質粉末として得る。)。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.08(d,J=7.2Hz,3H);1.27(d,J=6.4Hz,3H);2.25−2.42(m,2H);3.17−3.27(m,1H);3.44−3.54(m,1H);3.74−4.10(m,5H);4.20−4.30(m,2H);7.52(s,1H).
IR(MIR):1756cm−1
MS(EI+Q1)M+H=426.3
MA calc for C18H23N3O5S2 C:50.81% H:5.45% N:9.88% found(corrected for+0.97%H2O;カール フィシャー法で決定)C:50.89% H:5.42% N:9.85%
実施例11a
実施例11で製造される副生成物として、0.41gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[[(3R,5S)−1−アリル−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を凍結乾燥後に白色の粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.07(d,J=7.2Hz,3H);1.27(d,J=6.4Hz,3H);2.36−2.54(m,2H);3.17−3.27(m,1H);3.34−3.44(m,1H);3.45−3.51(m,1H);3.77−4.13(m,5);4.20−4.30(m,2H);5.55−5.65(m,2H);5.94−6.07(m,1H);7.52(s,1H).
IR(MIR):1758cm−1
MS(EI+Q1)M+H=426.3
出発材料の(4R,5S,6S)−3−[4−(3R,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを下記の連続工程により得る。
a)(2S,4R)−4−シアノ−2−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シリルオキシメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
2800mlのジメチルホルムアミドに280gの(2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、142gのイミダゾールを加える。得られた溶液に0°Cで30分間に248.8gのクロロジメチルテキシルシランを加え、次に、反応混合物を室温で3時間撹拌する。反応混合物はヘキサンと水に分配される。有機層を10%クエン酸と塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で蒸発させ、高真空下で一定の重量(396.8g)まで乾燥させ、その内の390gを3500mlのジクロロメタンに溶解する。得られた溶液に0°Cで137.8mlのトリエチルアミンを一度に加え、500mlのジクロロメタンに143gのメタンスルホニルクロリドを溶解した溶液を30分間にわたり加える。次に、反応混合物を室温で1時間撹拌する。反応混合物を水で希釈する。分液し、有機層を10%クエン酸と塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で蒸発させ、高真空下で一定の重量まで乾燥させ、450.0gの明るいオレンジ色の油を得る。この油を2500mlのアセトニトリルに溶解した溶液に200gのシアン化テトラエチルアンモニウムを加え、混合物を加熱して18時間環流させる。反応混合物を室温まで冷却し、2000mlのヘキサンと5500mlの水を加える。分液し、軽い方の層を3000mlの水とアセトニトリル=2:1の混合物で洗浄する。水層を2000mlのヘキサンで抽出する。集めたヘキサン画分を1000mlのアセトニトリルで4回抽出し、集めたアセトニトリル抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固して、227gの(2S,4R)−4−シアノ−2−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シリルオキシメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを明るい茶色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.05(s,3H);−.03(s,3H);0.75−0.90(m,12H),1.5−1.65(m,1H);2.20−2.45(m,2H);3.30−4.20(m,6H);4.60(d,J=5.5Hz,2H);5.18−5.40(m,2H);5.80−6.00(m,1H).
IR(FLM):2246cm−1
MS(+cEI):M−CH3=337.2
b)(3R,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルの合成:
8.0gの(2S,4R)−4−シアノ−2−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シリルオキシメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した80mlの2N塩酸エタノール溶液を加熱して、18時間環流する。反応混合物は水と酢酸エチルに分配させる。有機層を10%重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、蒸発させて、5.00gの(3R,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.26(t,J=7.2Hz,3H);1.80−2.00(m,1H);2.23−2.40(m,1H);3.04−3.24(m,1H);3.58−3.81(m,5H);4.03−4.21(m,1H);4.16(qu,J=7.2Hz,2H);4.61(d,J=8.8Hz,2H);5.18−5.40(m,2H);5.84−6.04(m,1H).
IR(MIR):1731および1677cm−1
MS(EI+Q1):M+H=258.1
c)(3R,5S)−5−トリメチルシリルオキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルの合成:
51.5gの(3R,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルと32.30gのヘキサメチルジシラザンと0.228gの3,4−ジヒドロキシ−3−シクロブテン−1,2−ジオンとの混合物を75°Cで1時間加熱する。生成物を110°C、0.06ミリバールで分別蒸留することにより精製して、62.34gの(3R,5S)−5−トリメチルシリルオキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.10(s,9H),1.16(t,J=7.2Hz,3H);2.10−2.30(m,2H);3.14−3.34(m,1H);3.50−3.80(m,5H);3.90−4.10(m,1H);4.06(qu,J=7.2Hz,2H);4.48(d,J=8.8Hz,2H);5.20−5.40(m,2H);5.84−6.04(m,1H).
IR(MIR):1734 and 1701cm−1
MS(EI+Q1):M+H=330.4
d)(4R,2S)−2−アリルオキシカルボニルオキシメチル−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
200mlのテトラヒドロフランと100mlのヘキサンに20.00gの(3R,5S)−5−トリメチルシリルオキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルと15.70gのブロモクロロメタンを溶解した溶液に、−100°Cで30分間にわたり、−78°Cの冷1.6Mn−ブチルリチウムのヘキサン溶液75.8mlを加える。混合物を−100°Cで15分間撹拌する。反応混合物に10%クエン酸を加えることにより反応を停止する。分液し、有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で蒸発させる。残留した無色の油(19.74g)を200mlのエタノールに溶解する。得られた溶液に7.81gのジチオカルバミン酸アンモニウム塩を加え、混合物を室温で30分間撹拌し、次に加熱して2時間環流する。反応混合物は、pH10.00で水とtert−ブチルメチルエーテルに分配される。分液し、水層を酢酸エチルと混合する。pHを5.00に調整し、分液する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固させて得られた16.46gの淡黄色の発泡体を160mlのアセトニトリルに溶解する。得られた溶液に6.58gの4−(ジメチルアミノ)ピリジンと14.16gのアリル1−ベンゾトリアゾリル炭酸塩を加え、混合物を30分間室温で撹拌する。反応混合物は、pH10.0で水とtert−ブチルメチルエーテルに分配される。分液し、水層を酢酸エチルと混合する。pHを5.00に調整し、分液する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固する。生成物をクロマトグラフィーによりシリカゲル上でジクロロメタン:酢酸エチル=85:15を用いて精製して、10.98gの(4R,2S)−2−アリルオキシカルボニルオキシメチル−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを無色の発泡体として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):2.17−2.40(m,2H);3.40−3.70(m,2H);3.74−3.90(m,1H);4.17−4.44(m,3H);4.57−4.70(m,4H);5.20−5.44(m,4H);5.84−6.04(m,2H);6.31(s,1H);11.90(s,broad,1H).
IR(MIR):1744 and 1671cm−1
MS(ISP):M+H=385.2
d)(4R,5S,6S)−3−{4−[(3R,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−トリメチルシリルオキシ−エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルの合成:
200mlのアセトニトリルに10.90gの(4R,2S)−2−アリルオキシカルボニルオキシメチル−4−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、1.13gの水素化ナトリウム(鉱油中約65%)を加え、混合物を0°Cで30分間撹拌する。得られた溶液に16.20gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加え、その混合物を冷凍庫24°Cで72時間保存する。固形物を濾過により除去し、廃棄する。母液は300mlの10%重炭酸ナトリウムと300mlの酢酸エチルとに分配される。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーにより1kgのシリカゲルでヘキサン:酢酸エチル=2:1を用いて精製して、14.14gの(4R,5S,6S)−3−{4−[(3R,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−トリメチルシリルオキシ−エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.12(s,9H);1.10(d,J=7.5Hz,3H);1.28(d,J=6Hz,3H);2.20−2.40(m,2H);3.17−3.26(m,1H);3.28−3.48(m,1H);3.53−3.92(m,3H);3.92−4.48(m,6H);4.57−5.00(m,6H);5.17−5.52(m,6H);5.17−5.52(m,6H);5.84−6.008(m,3H);7.10(s,1H).
IR(MIR):1783cm−1
MS(ISP):M+H=706.4
実施例12
(4R,5S,6S)−3−{4−[(3R,5S)−5−アセトキシメチル−1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
1mlの水に0.060gの(4R,5S,6S)−6−[(R)1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[[(3R,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を加えて得られた懸濁液に、0.200gのエチルアセトイミデート塩酸塩を0.025gずつに分けて10分間隔で加える。10%重炭酸ナトリウムを加えることによりpHを7.00に維持する。反応混合物をMCIゲル(CHP−20)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製し、凍結乾燥後に0.040gの(4R,5S,6S)−3−{4−[(3R,5S)−5−アセトキシメチル−1−(1−イミノ−エチル)−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル}−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.08(d,J=7.2Hz,3H);1.27(d,J=6.4Hz,3H);2.20 and 2.30(1:1,s,together 3H);2.25−2.42(m,2H);2.40(s,3H);3.10−3.27(m,1H);3.44−3.54(m,1H);3.74−4.10(m,5H);4.20−4.30(m,2H);7.48−7.50(1:1,s,together1H)as 1:1 mixture of amindine rotamers(回転異性体).
IR(MIR):1738cm−1
MS(EI+Q1)M+H=509.4
実施例13
(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[(3S,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
15mlの酢酸エチルに1.45gの(4R,5S,6S)−3−[4−[(3S,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−トリメチルシリルオキシ−エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に、15mlの氷冷した1N塩酸を加え、混合物を0°Cで45分間激しく撹拌する。分液し、有機層を水、重炭酸塩および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固させ、高真空下で乾燥させて一定の重量にする。残留物を20mlのジクロロメタンに溶解し、0.150gのビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム塩化物、0.30mlの酢酸および5.00mlの水素化トリブチル錫を急速に連続して加える。混合物を5分間撹拌し、次に30mlのpH7.00の氷冷した燐酸緩衝液を加える。分液し、水層をクロマトグラフィーによりMCIゲル(400ml)上で含水率30%までのアセトニトリルを用いて精製する。生成物を約10%アセトニトリルで溶出する。生成物の画分を混合し、約10mlの容積まで濃縮し、凍結乾燥して0.62gの(4R,5S,6S)−6−[(R)−1−ヒドロキシ−エチル]−3−[4−[[(3S,5S)−5−ヒドロキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸を白色粉末として得る。
HNMR(250MHz,D2O,δ ppm):1.08(d,J=7.2Hz,3H);1.27(d,J=6.4Hz,3H);1.95−2.07(m,1H); 2.55−2.65(m,1H);3.15−3.23(m,1H);3.35−3.50(m,2H);3.75−4.00(m,5H);4.20−4.30(m,2H);7.52(s,1H).
IR(NJL):1762cm−1
MS(ISP)M+H=426.3
出発材料の(4R,5S,6S)−3−[4−[(3S,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−トリメチルシリルオキシ−エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを下記の連続工程により製造する。
a)(2S,4S)−4−シアノ−2−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シリルオキシメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
200mlのジメチルフォルムアミドに20.00gの(2S,4R)−4−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−1−ピロリジンカルボン酸アリルエステルおよび10.15gのイミダゾールを溶解した溶液に、−10°Cで17.77gのクロロジメチルテキシルシランを10分間にわたり撹拌しながら加える。撹拌を室温で1時間継続する。反応混合物は、水とヘキサンとに分配される。分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて、22.75gの無色の油を得、これを200mlのジクロロメタンと7.95gのトリエチルアミンに溶解する。混合物を−10°Cに冷却し、50mlのジクロロメタンに8.25gのメタンスルフォン酸塩化物を溶解した溶液を撹拌しながら10分間にわたり加える。混合物を室温で30分間撹拌する。反応混合物は、水と酢酸エチルに分配される。有機層を10%クエン酸、重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて、22.75gの無色の油を得、これを200mlのアセトニトリルに溶解する。得られた溶液に9.34gのシアン化テトラブチルアンモニウムを加え、混合物を加熱して18時間環流する。得られた混合物2200gのシリカゲルを加え、溶剤を蒸発させる。得られた茶色の残留物を1kgのシリカゲルのカラムに充填し、生成物をヘキサン:酢酸エチル=3:1で溶出して、5.92gの(2S,4S)−4−シアノ−2−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シリルオキシメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを明るい黄色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.10(s,3H);−0.09(s,3H);0.75−0.90(m,12H),1.5−1.65(m,1H);2.31−2.47(m,2H);2.90−3.08(m,1H);3.45−3.55(m,1H);3.66−4.10(m,4H);4.50(d,J=5.5Hz,2H);5.18−5.40(m,2H);5.80−6.00(m,1H).
IR(FLM):2247cm−1
MS(+cEI):M−CH3=337.2
b)(3S,5S)−5−トリメチルシリルオキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルの合成:
2N塩酸エタノール溶液に5.30gの(2S,4S)−4−シアノ−2−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シリルオキシメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液を加熱して18時間環流する。反応混合物は、水と酢酸エチルの間に分配させる。有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させる。残留油を50mlのトルエンに溶解し、3.27gのトリメチルクロロシランと3.04gのトリエチルアミンを0°Cで撹拌しながら加える。混合物を0°Cで1時間撹拌する。反応混合物をクロマトグラフィーによりシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル=3:1を用いて精製して、3.16gの(3S,5S)−5−トリメチルシリルオキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.10(s,9H);1.18 9tr,J=7.2Hz,3H);2.10−2.22(m,2H);2.80−3.00(m,1H);3.38−3.92(m,5H);4.08(qu,J=7.2Hz,2H);4.48(d,J=5.5Hz,2H);5.08−5.30(m,2H);5.77−5.95(m,1H).
IR(FLM):1734,1701cm−1
MS(+cEI):M=329.2
c)(2S,4S)−2−アリルオキシカルボニルオキシメチル−4−(2−メルカプトチアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルの合成:
30mlのテトラヒドロフランと15mlのヘキサンに3.10gの(3S,5S)−5−トリメチルシリルオキシメチル−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−アリルエステル3−エチルエステルと2.43gのブロモクロロメタンを溶解した溶液に、−100°Cで11.76mlの−78°Cの冷1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液を15分間にわたり加える。混合物を−100°Cで15分間撹拌し、次に10%のクエン酸を加えて反応を停止する。分液し、有機層を重炭酸ナトリウムと塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させる。残留油を30mlのエタノールに溶解する。得られた混合物に1.27gのジチオカルバミン酸アンモニウム塩を加え、混合物を室温で30分間撹拌し、さらに30分間環流する。反応混合物は、pH10で水とtert−ブチルメチルエーテルの間に分配させる。分液し、水層を酢酸エチルと混合する。pHを4.00に調整し、分液する。酢酸エチル層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させる。残っている明るい黄色の発泡体(2.08g)を20mlのアセトニトリルに溶解する。得られた溶液に0.81gの4−(ジメチルアミノ)ピリジンと1.75gのアリル1−ベンゾトリアゾリル炭酸塩を加え、混合物を室温で30分間撹拌する。反応混合物は、pH10で水とtert−ブチルメチルエーテルとの間に分配させる。分液し、水層を酢酸エチルと混合する。pHを4.00に調整し、分液する。酢酸エチル層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、クロマトグラフィーによりシリカゲル上でジクロロメタン:酢酸エチル=8:2を用いて精製して、1.31gの(2S,4S)−2−アリルオキシカルボニルオキシメチル−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを白色の固体として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):1.92−2.14(m,1H);2.50−2.70(m,1H);3.20−3.40(m,2H);4.10−4.40(m,4H);4.40−4.55(m,4H);5.20−5.44(m,4H);5.84−6.06(m,2H);6.37(s,1H);11.70(s,broad,1H).
IR(MIR):1743 and 1666cm−1
MS(ISP):M+H=385.2
d)(4R,5S,6S)−3−[4−[(3S,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−2−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル]−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−トリメチルシリルオキシ−エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルの合成:
20mlのアセトニトリルに1.29gの(4S,2S)−2−アリルオキシカルボニルオキシメチル−4−(2−メルカプト−チアゾール−4−イル)−ピロリジン−1−カルボン酸アリルエステルを溶解した溶液に0.146gの水素化ナトリウム(鉱油中約65%)を加え、その混合物を0°Cで30分間撹拌する。得られた溶液に2.13gの(4R,5S,6S)−3−(ビス−フェノキシ−ホスホリルオキシ)−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを加え、混合物を冷凍庫24°Cで72時間保存する。反応混合物は30mlの10%重炭酸ナトリウムと30mlの酢酸エチルとの間に分配される。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、アスピレーター真空下で濃縮する。残留物をクロマトグラフィーによりシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル=2:1および1:1を用いて精製して、1.58gの(4R,5S,6S)−3−4−[(3S,5S)−1−アリルオキシカルボニル−5−アリルオキシカルボニルオキシメチル−ピロリジン−3−イル]−チアゾール−2−イルスルファニル□−4−メチル−7−オキソ−6−[(R)−1−トリメチルシリルオキシ−エチル]−1−アザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルエステルを無色の油として得る。
HNMR(250MHz,CDCl3,δ ppm):−0.12(s,9H);1.07(d,J=7.5Hz,3H);1.24(d,J=6Hz,3H);2.09−2.20(m,1H);2.50−2.65(m,1H);3.20−3.30(m,1H);3.32−3.54(m,2H);4.00−4.50(m,6H);4.55−4.67(m,4H);4.68−4.90(m,2H);5.18−5.52(m,6H);5.84−6.08(m,3H);7.10(s,1H).
IR(MIR):1783cm−1
MS(ISP):M+H=706.5
実施例14
(4R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−3−{[4−(6−メチルピペリジン−3−イル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
(4R,5S,6S)−3−[(4−{1−[(アリロキシ)カルボニル]−6−メチルピペリジン−3−イル}−1,3−チアゾール−2−イル)チオ]−4−メチル−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリル(164mg,0.26mmol)をテトラヒドロフラン(8ml)と水(2ml)の混合溶媒に溶かし0℃に冷却する。この溶液に2N塩酸水を加えてpHを2−3に調製し、20分間撹拌する。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下溶媒を留去した後、残渣を塩化メチレン(8ml)に溶解し、酢酸(0.041ml,0.72mmol)、水素化トリブチル錫(0.69ml,2.57mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(20mg,0.029mmol)を順次加える。10分後、反応溶液をリン酸緩衝液(pH7.0,20ml)にあけて分液し有機層を水で2回抽出する。水層をジクロロメタンで2回洗浄後、水層中の有機溶媒を減圧下除去し、ポリマークロマトグラフィー(CHP−20P)により精製する。2−4%のテトラヒドロフラン水溶液により溶出した分画を集め凍結乾燥することで白色アモルファスとして(4R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−3−{[4−(6−メチルピペリジン−3−イル)−1,3−チアゾール−2−イル]チオ}−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸(67.6mg,60%)を得る。
IR(KBr)3394,2969,1762,1596,1390,1262,1146,1035cm−1
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.01(3H,d,J=7.3Hz),1.17(3H,d,J=5.8Hz),1.28(3H,d,J=6.8Hz),1.61−1.74(1H,m),1.84−2.15(3H,m),3.09−3.19(1H,m),3.27−3.57(5H,m),4.12−4.20(2H,m),7.45(1H,s).
出発原料の(4R,5S,6S)−3−[(4−{1−[(アリロキシ)カルボニル]−6−メチルピペリジン−3−イル}−1,3−チアゾール−2−イル)チオ]−4−メチル−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルは、下記のようにして得る。
a)1−アリル3−メチル6−メチルピペリジン−1,3−ジカルボキシレートの合成:
6−メチルニコチン酸メチル(3.0g,19.8mmol)のエタノール(6ml)溶液にベンジルブロミド(2.6ml,21.9mmol)を加え、還流下3時間攪拌する。室温まで冷却後、上澄みを除き残渣にヘキサンを加え、生成した結晶を濾取する。この結晶をエタノール(60ml)に溶解し、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(1.5g,40mmol)の水溶液(10ml)を加える。1時間攪拌した後、酢酸エチル/食塩水に反応溶液をあけ、分液する。水層を酢酸エチルで2回抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去することにより、油状物(4.78g)を得る。上記で得た油状物(2.5g)をメタノール(50ml)に溶解し、酢酸(2.5ml)、パラジウムカーボン(1g)を加え、水素雰囲気下で6時間撹拌する。触媒を濾別した後、溶媒を留去し、残渣をクロロホルム(15ml)に溶解する。この溶液に0℃でクロロギ酸アリル(1.9ml,17.9mmol)、トリエチルアミン(7.6ml,54.5mmol)を加え1時間撹拌する。反応溶液を酢酸エチル/食塩水にあけて分液し、水層を酢酸エチルで2回抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、1−アリル3−メチル6−メチルピペリジン−1,3−ジカルボキシレート(685mg,27%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.17(3H,d,J=7.0Hz),1.57−1.97(4H,m),2.38−2.48(1H,m),2.93−3.02(1H,m),3.70(3H,s),4.20−4.31(1H,m),4.44−4.52(1H,m),4.58−4.61(1H,m),5.19−5.33(2H,m),5.88−6.01(1H,m).
b)5−(クロロアセチル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸アリルの合成:
1−アリル3−メチル6−メチルピペリジン−1,3−ジカルボキシレート(685mg,2.84mmol)とブロモクロロメタン(0.30ml,4.54mmol)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液に−100℃でn−ブチルリチウム(1.59Mヘキサン溶液,2.68ml、4.26mmol)を加え、15分間撹拌する。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで3回抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下溶媒を留去した後、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、5−(クロロアセチル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸アリル(252mg,34%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.17(3H,d,J=7.0Hz),1.57−1.90(4H,m),2.77−2.86(1H,m),2.96−3.04(1H,m),4.10−4.21(1H,m),4.17(2H,s),4.44−4.56(1H,m),4.58−4.61(2H,m),5.19−5.33(2H,m),5.88−6.00(1H,m).
c)5−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸アリルの合成:
5−(クロロアセチル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸アリル(252mg,0.97mmol)のメタノール(5ml)溶液に0℃でジチオカルバミン酸アンモニウム(128mg,1.16mmol)を加え、15分間撹拌する。減圧下溶媒を留去した後、エタノール(10ml)を加え、還流下2時間撹拌する。室温まで冷却後、減圧下溶媒を留去し、残渣を1N−NaOH水に溶解しクロロホルムで洗浄する。水層を塩酸で酸性化し、クロロホルムで2回抽出する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し減圧下溶媒を留去することにより、5−(2−メルカプト1,3−チアゾール−4−イル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸アリル(196mg,68%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.22(3H,d,J=7.0Hz),1.60−1.98(4H,m),2.62−2.78(1H,m),2.91(1H,t,J=12.4Hz),4.23−4.31(1H,m),4.49−4.56(1H,m),4.58−4.64(2H,m),5.19−5.34(2H,m),5.88−6.02(1H,m),6.28(1H,s),11.90(1H,br s).
d)(4R,5S,6S)−3−[(4−{1−[(アリロキシ)カルボニル]−6−メチルピペリジン−3−イル}−1,3−チアゾール−2−イル)チオ]−4−メチル−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルの合成:
5−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸アリル(185mg,0.62mmol)のテトラヒドロフラン(7.4ml)溶液に0℃で水素化ナトリウム(鉱油中60%,25mg,0.62mmol)を加え、20分間撹拌する。この溶液に(4R,5R,6S)−3−(ジフェノキシフォスフィノ)オキシ]−4−メチル−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルのアセトニトリル溶液(30%,1.77g,0.93mmol)を0℃で加え、冷蔵庫で15時間静置する。反応溶液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下に溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、(4R,5S,6S)−3−[(4−{1−[(アリロキシ)カルボニル]−6−メチルピペリジン−3−イル}−1,3−チアゾール−2−イル)チオ]−4−メチル−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリル(164mg,43%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.07(3H,d,J=7.1Hz),1.23(3H,d,J=7.0Hz),1.24(3H,d,J=6.0Hz),1.60−1.68(1H,m),1.77−1.95(3H,m),2.82−2.94(1H,m),2.99−3.10(1H,m),3.23(1H,dd,J=6.4,2.9Hz),3.36−3.46(1H,m),4.18−4.32(3H,m),4.50−4.62(1H,m),4.61(2H,br d,J=5.5Hz),4.70−4.88(2H,m),5.19−5.50(4H,m),5.91−6.03(2H,m),7.07(1H,d,J=1.5Hz).
実施例15
(4R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−({4−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3,2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸の合成:
アリル(4R,5S,6S)−3−({4−[(2S)−1−[(アリロキシ)カルボニル]−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(18mg,0.032mmol)を塩化メチレン(0.9ml)に溶解し、酢酸(0.0046ml,0.080mmol)、水素化トリブチル錫(0.077ml,0.29mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.2mg,0.003mmol)を順次加える。10分後、反応溶液をリン酸緩衝液(pH7.0,5ml)にあけて分液し、有機層を水で2回抽出する。水層をジクロロメタンで2回洗浄後、水層中の有機溶媒を減圧下除去し、ポリマークロマトグラフィー(CHP−20P)により精製する。2−4%のテトラヒドロフラン水溶液により溶出した分画を集め凍結乾燥することで白色アモルファスとして(4R,5S,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−3−({4−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸(2.4mg,17%)を得る。
IR(KBr)3387,2968,1762,1597,1387,1262,1145,1044cm−1
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 0.89(3H,d,J=7.1Hz),1.09(3H,d,J=6.2Hz),1.52−1.76(2H,m),2.04−2.14(2H,m),2.97−3.11(3H,m),3.27−3.32(2H,m),3.40−3.54(2H,m),3.68−3.73(1H,m),4.05−4.09(2H,m),7.27(1H,s).
出発原料のアリル(4R,5S,6S)−3−({4−[(2S)−1−[(アリロキシ)カルボニル]−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートは、下記のようにして得る。
a)メチル(2s)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−カルボキシレートの合成:
1−アリル4−メチル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−3,6−ジヒドロピリジン−1,4(2H)−ジカルボキシレート(637mg,1.72mmol)を塩化メチレン(30ml)に溶解し、酢酸(0.25ml,4.37mmol)、水素化トリブチル錫(4.6ml,17.1mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(60mg,0.085mmol)を順次加える。10分後、反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけて分液し、水層をクロロホルムで2回抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去する。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、メチル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−カルボキシレート(260mg,53%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 0.08(6H,s),0.90(9H,s),1.98−2.07(1H,m),2.26−2.34(1H,m),2.80−2.89(1H,m),3.50−3.62(3H,m),3.68−3.79(1H,m),3.75(3H,s),6.96(1H,br s).
b)1−アリル4−メチル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレートの合成:
メチル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−カルボキシレート(260mg,0.91mmol)をメタノール(26ml)に溶解し、酢酸(0.5ml)、パラジウムカーボン(0.5g)を加え、水素雰囲気下で20時間撹拌する。触媒を濾別した後、溶媒を留去し、残渣をテトラヒドロフラン(5ml)に溶解する。この溶液に0℃でクロロギ酸アリル(0.097ml,0.91mmol)、トリエチルアミン(0.63ml,4.5mmol)を加え1時間撹拌する。反応溶液を酢酸エチル/食塩水にあけて分液し、水層を酢酸エチルで2回抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、1−アリル4−メチル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(53.6mg,16%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 0.02(3H,s),0.03(3H,s),0.87(9H,s),1.50−2.14(4H,m),2.54−2.62(1H,m),3.12−3.22(1H,m),3.57−3.67(2H,m),3.70(3H,s),3.90−3.98(1H,m),4.02−4.10(1H,m),4.56−4.60(2H,m),5.18−5.32(2H,m),5.87−6.00(1H,m).
c)アリル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(クロロアセチル)ピペリジン−1−カルボキシレートの合成:
1−アリル4−メチル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(53.6mg,0.14mmol)とブロモクロロメタン(0.015ml,0.23mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液に−100℃でn−ブチルリチウム(1.59Mヘキサン溶液,0.14ml,0.22mmol)を加え、15分間撹拌する。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで3回抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下溶媒を留去した後、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、アリル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(クロロアセチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(41mg,73%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 0.04(3H,s),0.05(3H,s),0.88(9H,s),1.50−2.25(4H,m),2.88−2.96(1H,m),3.10−3.19(1H,m),3.50−3.63(2H,m),3.92−4.11(1H,m),4.28(1H,d,J=14.5Hz),4.31(1H,d,J=14.5Hz),4.56−4.60(2H,m),5.18−5.33(2H,m),5.87−6.00(1H,m).
d)アリル(2s)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの合成:
アリル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(クロロアセチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(41mg,0.11mmol)のメタノール(1ml)溶液に0℃でジチオカルバミン酸アンモニウム(14mg,0.13mmol)を加え、15分間撹拌する。減圧下溶媒を留去した後、エタノール(1.6ml)を加え、還流下2時間撹拌する。室温まで冷却後、減圧下溶媒を留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、アリル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(45mg)を定量的に得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 0.06(6H,s),0.88(9H,s),1.80−2.21(4H,m),2.54−2.63(1H,m),2.80−2.92(1H,m),3.12−3.34(2H,m),3.86−4.10(1H,m),4.56−4.62(2H,m),5.18−5.33(2H,m),5.87−6.00(1H,m),6.30(1H,s),11.55(1H,br s).
e)アリル(4R,5S,6S)−3−({4−[(2S)−1−[(アリロキシ)カルボニル]−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレートの合成:
アリル(2S)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−4−(2−メルカプト−1,3−チアゾール−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(45mg,0.11mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液に0℃で水素化ナトリウム(鉱油中60%,5mg,0.12mmol)を加え、20分間撹拌する。この溶液に(4R,5R,6S)−3−(ジフェノキシフォスフィノ)オキシ]−4−メチル−7−オキソ−6−{(1R)−1−[(トリメチルシリル)オキシ]エチル}−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボン酸アリルのアセトニトリル溶液(30%,0.38g,0.20mmol)を0℃で加え、冷蔵庫で15時間静置する。反応溶液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下に溶媒を留去した後、残渣をテトラヒドロフラン(1ml)溶解し0℃に冷却する。この溶液に酢酸(0.083ml,1.4mmol)、フッ化テトラブチルアンモニウム(1.0M,0.72ml,0.72mmol)を加え、冷蔵庫で30時間静置する。反応溶液に氷水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下に溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、アリル(4R,5S,6S)−3−({4−[(2S)−1−[(アリロキシ)カルボニル]−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−4−イル]−1,3−チアゾール−2−イル}チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−4−メチル−7−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプト−2−エン−2−カルボキシレート(18mg,30%)を得る。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.10(3H,d,J=7.1Hz),1.33(3H,d,J=6.2Hz),1.84−2.18(4H,m),3.05−23.18(1H,m),3.27(1H,dd,J=7.1,3.1Hz),3.31−3.42(1H,m),3.68−3.80(3H,m),3.82−3.95(1H,m),4.18−4.28(2H,m),4.59−4.63(2H,m),4.70−4.88(2H,m),5.20−5.50(4H,m),5.88−6.05(2H,m),7.06(1H,s,J=1.5Hz).
産業上の利用の可能性
本発明β−ラクタム化合物はグラム陽性菌、特にMRSA、MRCNSに対して優れた抗菌活性を有し、抗菌剤として有用である。
Claims (8)
- 一般式[1]
[式中、R1は低級アルキル基または水酸基により置換された低級アルキル基であり、R2は水素原子または低級アルキル基であり、XはO、SまたはNHであり、mおよびnはそれぞれ独立して0〜5であって、かつmとnの和が1〜5であり、Y1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基であり、そしてY2は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、シアノ基、または−C(R3)=NR4(ただし、R3およびはR4はそれぞれ独立して水素原子、置換されていても保護されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい低級アルキル基を示し、またR3とR4はそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を示す。なお、Y1は1〜4個存在し、同一炭素原子に2個置換されていてもよい。ただし、Y1が水素原子を表わすとき、Y2は水素原子および置換されていてもよい低級アルキル基以外の基を意味する。]
で表されるβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩若しくは無毒性エステル。 - mとnの和が3である請求項1記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩若しくは無毒性エステル。
- mとnの和が4である請求項1記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩若しくは無毒性エステル。
- XがSである請求項1−3のいづれかに記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩若しくは無毒性エステル。
- R1が1−(R)−ヒドロキシエチルである請求項1−4のいづれかに記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩若しくは無毒性エステル。
- 一般式[1]
[式中、R1は低級アルキル基または水酸基により置換された低級アルキル基であり、R2は水素原子または低級アルキル基であり、XはO、SまたはNHであり、mおよびnはそれぞれ独立して0〜5であって、かつmとnの和が1〜5であり、Y1は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、低級アルキルオキシ基、低級アルキルアミノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよい低級アルキル基であり、そしてY2は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、シアノ基、または−C(R3)=NR4(ただし、R3およびはR4はそれぞれ独立して水素原子、置換されていても保護されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい低級アルキル基を示し、またR3とR4はそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を示す。なお、Y1は1〜4個存在し、同一炭素原子に2個置換されていてもよい。ただし、Y1が水素原子を表わすとき、Y2は水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基以外の基を意味する。]
で表されるβ−ラクタム化合物またはその塩を製造するにあたり一般式[2]
[式中、R1aは低級アルキル基、水酸基により置換された低級アルキル基または保護基により保護された水酸基で置換された低級アルキル基であり、R2は前記と同じ意味を有し、R5はカルボキシル基の保護基を示し、そしてLは水酸基の活性エステルを示す。]
で表わされる化合物と、一般式[3]
[式中、m、n、XおよびY1は前記と同じ意味を有し、Y3は水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよい低級アルケニル基、シアノ基、または−C(R3)=NR4a(ただし、R3は前記と同じ意味を有し、R4aは水素原子、置換されていても保護されていてもよいアミノ基、置換されていてもよい低級アルキル基、またはイミドイル基の保護基を示し、またR3とR4aはそれらが結合する炭素原子および窒素原子と一緒になって置換されていてもよい5ないし7員のヘテロ環を形成することもできる。)を示す。ただし、Y1が水素原子を表わすとき、Y3は水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基以外の基を意味する。]
で表わされる化合物とを塩基の存在下に反応させるか、あるいは一般式[2]で表わされる化合物と一般式[3]で表される化合物のチオレート塩とを反応させ一般式[4]
[式中、R1a、R2、R5、m、n、X、Y1およびY3は前記と同じ意味を有する。]
で表わされる化合物とし、R1aおよびY1における水酸基の保護基の除去反応、Y1におけるアミノ基の保護基の除去反応、Y3におけるアミノ基の保護基の除去反応と所望によりそれに引き続く保護基の除去されたアミノ基のイミドイル化反応、またはY3におけるイミドイル基の保護基の除去反応、R5およびY1におけるカルボキシル基の保護基の除去反応を適宜組み合わせた反応を行うことを特徴とする一般式[1]で表わされるβ−ラクタム化合物またはその塩の製造法。 - 請求項1−5のいずれかに記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩若しくは無毒性エステルを有効成分として含有する医薬。
- 請求項1−5のいずれかに記載のβ−ラクタム化合物またはその医薬として許容される塩若しくは無毒性エステルを有効成分として含有する抗菌剤。
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