JPWO2003085655A1 - 光ディスク媒体 - Google Patents
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Abstract
高密度化に適した高精細・高精度の光ディスク媒体は、中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有する記録層と、記録層の上に配置された光透過層とを備え、又、光透過層を介して記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、記録層の光透過層側の面の信号領域がレーザ光投入面を占め、更に、記録層の光透過層側の面の内周領域が平坦に形成されていると共に、光ディスク媒体の光透過層と反対側の面に、記録層の内周領域に対応する領域内で凹部を設けた。
Description
技術分野
本発明は、高密度に対応した光ディスク媒体に関する。
背景技術
近年、光ディスクのAV(オーディオ・ビジュアル)への応用が活発である。例えば、主に映画コンテンツ向けのDVD(Digital Versatile Disc)では、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RWといった追記型や書換型のフォーマットが開発され、VTRの次世代録画機として普及しつつある。今後BSデジタル放送やブロードバンド通信の普及で、より高画質の圧縮映像を記録できる光ディスク・フォーマットや、同じ容量でもより小型なポータブルでネットワーク親和性の高い光ディスク・フォーマットの登場が期待される。
これら次世代の光ディスクでは、高密度化が必須である。現在提案されているDVDでは、直径120mmのディスク内に4.7GBの容量を持つが、デジタル放送と同画質のROMや、記録再生を行うためには容量では20GB以上必要となる。この時、密度は5倍以上が必要である。
通常、光ディスクの密度は、記録再生の光ビームのスポット径に依存し、光ビームのスポット径は、λ/NA(λ:波長、NA:対物レンズの開口数)によって決まる。従って、高密度化するためには、波長を短くして、高NA化を図ることが必要になる。波長を一定とした場合、NAを高くしていくと、ディスクの傾きから起因するコマ収差が問題となってくるため、光ビームが透過する層を薄くする方法がとられる。このような方法を用いた光ディスク媒体が、特開平10−326435号公報に提案されている。
図12は、従来の光ディスク300の断面を示す。従来の光ディスク300は、光透過層301と、光透過層301を介してレーザスポット304を受ける記録層302と、基板303とを含む。基板303は、通常ポリカーボネートで形成されている。光透過層301は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されており、厚さは約0.003〜0.177mmの範囲である。このような構成の光ディスク300を用いて、従来よりも狭トラックピッチ化することにより、記録再生ビームの波長を400nm前半、NA0.85の対物レンズを用いて、DVDの5倍以上の密度が確保できる。
しかしながら、狭トラックピッチを実現するためには、高精細・高精度な光ディスク基板の開発が不可欠である。中でも、成型工程は、狭ピッチのトラックや微細なプリピットをいかに精度良く転写できるかが重要となる。このような形状の転写を信号記録面の内周から外周まで均一に成型することは非常に困難である。通常は、成型機の金型温度を上昇させることで、内外周の転写はある程度等しく出来る。しかし、金型温度を上昇させると、基板自体のそりが大きくなり、システムとして成り立たなくなる。
発明の開示
本発明は、上記問題点に鑑み、基板成型、信号品質が安定で装置の薄型化に適し、高密度な光ディスク媒体を提供ことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の光ディスク媒体は、中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有する記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けたものである。
発明を実施するための最良の形態
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の光ディスクの基板を成形するためのディスク成型金型200を示す。このディスク成型金型200を成型機に取り付けることで、光ディスク基板を作製する。基板は、固定側金型202と可動側金型203の間にできるキャビティ209と呼ばれる隙間に、導入口208より基板材料となる樹脂を充填することで形成される。信号の記録再生領域になる溝又はピットを形成したスタンパ201は、スタンパ係止部204によって固定され基板に溝又はピットが転写される。なお、固定側金型202と可動側金型203は、夫々、離型気体導入路205と206を有する。
次に成型時の動作を説明する。最初に、可動側金型203が固定側金型202に接する前に樹脂導入口208より、高温に溶解した樹脂をキャビティ209に導入する。可動側金型203が固定側金型202と接し、圧力を加えることで、キャビティ209の隙間にディスクが形成される。この時導入する樹脂の温度は、380℃程度、固定側金型202と可動側金型203の温度は、120℃程度に設定する。金型の温度が樹脂温度に比べて低いのは、金型中において、ディスクを冷却して固めるためである。
本発明の光ディスクの基板は、このディスク成型金型200を用いて作製し、基板の凹部の形状は、環状突出部207によって様々な大きさに作製した。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1にかかる光ディスク30の断面を示す。光ディスク30は、ディスク成型金型200により成型した基板33、記録層32と光透過層31を含む。ディスク成型金型200により凹部34を設けた基板33は、通常ポリカーボネートで形成されている。光透過層31は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてしてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されている。図2において、記録層32の上面の外周側の信号領域107(図8)がレーザ光投入面となる一方、記録層32の上面の内周側のディスククランプ領域108(図8)が平坦に形成される。図8の外周側信号領域107と内周側ディスククランプ領域108は信号開始境界によって分離される。又、凹部34は、記録層32のディスククランプ領域108に対応する領域内で基板33に設けられている。ここでは、光透過層31が100ミクロンの厚さを有するように、ポリカーボネートシートの厚さが70ミクロン、UV樹脂の厚さが30ミクロンに設定される。本実施の形態では、UV樹脂をスピンコートすることによって、ポリカーボネートシートを記録層32に接着した。又、記録再生用の案内溝を基板33に設ける構成とし、案内溝の深さを140nmとした。更に、光ディスク30は中心穴35を有する。
図3は、光ディスク30の基板33の成形時の半径と転写率の関係を示す。前述した従来の光ディスク300(図12)の基板303の値を比較のため図3に示した。図3において、横軸は基板33の半径(mm)を示し、縦軸は、溝深さ(nm)の転写率を示す。従来の光ディスク基板が外周部に行くに連れて、転写が悪くなるのに対し、本発明の光ディスク30の基板33では、金型温度が同じでありながらも内周から外周まで、同じ溝深さを得ることができる。
これは、光ディスク30の基板33に凹部34を設けていることに起因する。基板33の成型時、樹脂は高温のままで金型内に導入される。しかし、金型温度は、樹脂が固化する温度であるため、樹脂の導入と同時に冷却が始まる。ここで、従来の光ディスク300の基板303のように光投入面及び反対面に凹凸がない時は、樹脂は冷却されながら外周部に到達するため、スタンパ上に形成された高密度の溝、つまり細い溝に樹脂がうまく入り込まず、結果、転写性が悪くなる。
一方、本発明の光ディスク30の基板33の場合、金型内に入ってきた樹脂は、一度凹部34で絞りこまれる。この時、絞り込まれたことにより樹脂の圧力が高くなり、温度は、再加熱された状態となる。従って、凹部34を通過した樹脂は、温度が高いまま基板33の外周部まで到達する結果、高密度に構成された溝にも樹脂が完全に転写される。また、金型温度を低いままで基板33の成型が可能となるため、金型温度が高温になる時の基板33のチルトの増大がない。
(表1)は、基板33の厚さを1.1mm、外径を80mmに設定し、凹部34の大きさを、基板内径から2mm、深さを0.3mmとした時の、中心穴35の直径、即ち、ディスク内径w(mm)とディスク半径方向位置r(mm)での転写率を示す。転写率は、トラックピッチ0.3ミクロン、溝幅0.2ミクロン、溝深さ30nmスタンパを用いて、成型した基板33の溝深さをスタンパの溝深さで除算して計算した。成型時の樹脂の温度は380℃、金型温度は、125℃とした。形成した溝の直径は、22〜79mmである。
(表1)から、ディスク内径wが6mmと非常に小さいディスクにおいても転写率が97%と非常に良い値が得られている。ディスク内径が小さい場合、樹脂の冷却から信号外周部の転写が難しくなるが、本発明によれば、ディスク内径wが20mmよりも小さい場合十分な転写率が得られ、かつ、ディスク内径wが6mm以下であっても使用可能なディスクを作製することができる。
図4は、基板33の厚さを1.1mm、外径を80mmと設定し、凹部34の大きさを様々に変化させた時の、凹部の大きさと転写率の関係を示す。凹部34の深さは、0.3ミクロンとした。転写率は、トラックピッチ0.3ミクロン、溝幅0.2ミクロン、溝深さ30nmスタンパを用いて、成型した基板33の溝深さをスタンパの溝深さで除算して計算した。比率Wは、ディスク内径をw(mm)とし、凹部34の直径をw1(mm)とした時の(w/w1)で示した。この時、凹部34の幅b(mm)は、式{b=(w1−w)/2}で表される。
図4より、内径wによらず、比率Wが0.89では、若干の転写率の低下がみられるが、95%程度であるため、記録再生にはほとんど影響のないレベルだと考えられる。なお、記録再生を満足なレベルで行うために、転写率は90%を越えることが好ましい。本発明の光ディスク基板33を用いた実施の形態によって、内径wが8〜15mmまでにおいて、Wが0.44〜0.89までの間で十分な転写率が得られることが可能になった。
また、図4で内径wが15mm又は16mmで、W=1のところは、従来のディスク形状と同じであるが、内径wが16mmの場合、本発明の効果がほとんど得られないことが分かった。これは、内径wが大きいために、樹脂の導入路が大きくなるため、転写率が上がるものと考えられる。本実施の形態では、内径wが15mmにおいて、W=1との差異が認められることがら、内径wが15mm以下のディスクにおいて、本発明の効果が得られる。
(表2)は、基板33の厚さを1.2mm、外径を80mmと設定し、凹部34の深さを様々に変化させた時の、凹部34の深さと転写率の関係を示す。ディスク内径wと凹部34の直径w1の比Wは、0.7とした。転写率は、先と同様にトラックピッチ0.3ミクロン、溝幅0.2ミクロン、溝深さ30nmスタンパを用いて、成型した基板33の溝深さをスタンパの溝深さで除算して計算した。図2に示すように、凹部34の深さは、凹部34の領域の深さをd、ディスク本体、即ち、部材31〜33の合計厚さをd1として、(d1−d)で表される。凹部34の深さ(d1−d)は、凹部34の底面から光透過層31の表面までの距離を表している。ここでは、凹部34の深さ(d1−d)を1.2(即ち、凹部34がない状態)から、0.1まで変化させた。
凹部34の深さ(d1−d)を1.2mmから1.1mmにするだけで劇的に転写率が良くなることが分かった。反対に、凹部34の深さ(d1−d)が0.1では、ディスク本体が残っている厚さが0.1mmでしかないため、樹脂の充填が不十分になり転写率が下がる。さらに、この場合は成型工程から製膜工程に移動させる時の基板33のハンドリング時において、ディスク内径が変形してしまい、現実には使用に耐えないものとなった。しかしながら、凹部34の深さ(d1−d)が0.2mmになると、転写率とハンドリングが共に良くなる。ディスク本体の剛性は、おおよそ厚さの3乗に比例するため、ハンドリング時にディスクが変形することがなくなるものと思われる。このことから、凹部34の深さ(d1−d)は、0.12mmよりも小さく且つ、0.1mmよりも厚い範囲で、本発明が成り立つことが確認できた。さらに、凹部34の剛性を考えると、凹部34の深さ(d1−d)は0.3〜0.8mmの範囲が最も良い。
図5は、光ディスク30の基板33のトラックピッチと転写率の関係を示す。ここで用いた本発明の光ディスク30は、W=0.8、d1−d=0.6mmのものを用いた。成型時に用いたスタンパは、溝の深さが30nm、溝の凹部(グルーブ)と凸部(ランド)の幅の比は1:1であり、トラックピッチをゾーンごとに変化させたものである。図5において、トラックピッチが0.4μmよりも狭くなると、従来の光ディスクでは、溝への転写が悪くなる。一方、本発明の光ディスクを用いると、トラックピッチ0.2μmにおいても、十分な転写が可能となった。
なお、本実施の形態では、外形を80mmと設定し実験をおこなったが、この外形に限定されるものではなく、例えば外形が約50mmや120mmの光ディスク基板においても同様の効果がえられる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2にかかる光ディスク50の断面を示す。光ディスク50は、ディスク成型金型200により成型した基板51、記録層52と光透過層53を含むと共に、凹部54を有する。ディスク成型金型200により凹部54を設けた基板51は、通常ポリカーボネートで構成されている。光透過層53は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されている。ここでは、光透過層53が100ミクロンの厚さを有するように、ポリカーボネートシートの厚さが70ミクロン、UV樹脂の厚さが30ミクロンに設定される。又、記録再生用の案内溝を基板51に設ける構成とし、案内溝の深さを140nmとした。更に、磁性体からなるハブ55を、基板51の凹部54に装着する。ハブ55は、凹部54の上に接着剤で固定されるか又は、基板51の一部を超音波溶着して固定される。
通常、光ディスク50のターンテーブルへの固定は、ディスクの上面に位置するハブによって機械的に固定する方法と、ターンテーブルにディスク固定爪をもち、ディスクを下から突き当てることによって固定する方法、磁性体からなるハブを装着しモータ上に磁石を配置することによって固定する方法がある。ディスクの上面にハブを配置すると、ハブ部分の高さが必要になってくるため、ディスクドライブの薄型化を考える上では、不利となる。そこで本発明では、図6に示した磁性体からなるハブ55を本発明の光ディスク50の凹部に装着した。
磁性ハブ55は、凹部54の外周面を押しつぶして固定しても良いが、凹部54の形状を変化させることで簡単に作成することができる。
図6の光ディスク50において磁性ハブ55を確実に基板51に装着するために、図7(a)と図7(b)は、図6の光ディスク50の第1変形例である光ディスク90を示す。基板91、記録層92、光透過層93、凹部94と磁性ハブ95に加えて、光ディスク90は、基板91に磁性ハブ95を溶着する凸部96を備える。光ディスク90の磁性ハブ95は図6の磁性ハブ55と等価である。図7(b)は、凸部96を超音波溶着又は熱により光ディスク90の半径方向で内方に押しつぶした後の溶着部97の形状を示している。凹部94の周面に凸部96を設けることにより、簡単に磁性ハブ95を基板91に装着することができる。このとき、超音波溶着に必要な凸部96の高さは、超音波溶着した後に、磁性ハブ95が基板91から脱着しなければ良い。本発明の光ディスク90は、凹部94を有しているため、脱着しろは少なくてすむ。凸部96を含む光ディスク90の全体高さをd2とし、ディスク本体の厚さ、即ち、部材91〜93の合計厚さをd1として、凸部96の高さ(d2−d1)は、基板91の光投入面と反対側に1mm程度あれば十分であるが、実験したところ好ましくは1mmから5mmが良い。
また、凸部96の幅は、0.1mm以上を基板91上に形成することにより、溶着部97が構成できる。実験の結果、凸部96の幅は、0.2mm以上が好ましいが、0.2〜10mmがより好ましい。
しかしながら、例えば、幅0.1mm、高さ5mmの凸部96を射出成形した時、凸部96への樹脂の転写が不安定となる。また、凹部94を通過した樹脂は、凸部96が存在するため、樹脂の流れが乱され、凸部96の下面、即ち、ディスクをクランプする領域も不安定となる可能性がある。
そこで、凸部96を安定的に形成するために、図8は、図6の光ディスク50の第2変形例である光ディスク100を示す。光ディスク100は、基板101、記録層102、光透過層103、凹部104、磁性ハブ105と凸部106を備えると共に、記録層102の外周側と内周側に、夫々、配置された信号領域107とディスククランプ領域108を有する。信号領域107とディスククランプ領域108は信号開始境界によって分離される。図8において、記録層102の下面の信号領域107がレーザ光投入面を占める一方、記録層102の下面のディスククランプ領域108が平坦に形成される。又、凹部104は、記録層102のディスククランプ領域108に対応する領域内で基板101に設けられている。光ディスク100では、凸部106が、2個の段部t1とt2を有する。凸部106が2個の段部t1とt2を有することにより、樹脂は、光ディスク100において図7の光ディスク90よりも円滑に流動する。そのため、ディスククランプ領域108を犠牲にすることなく、溶着しろを作成できる。凸部106の内周面f1と外周面f2は、光投入面に垂直であっても構わないが、光投入面に垂直な面に対して傾斜させる方が樹脂の流動性のためにより好ましい。図8の凸部106では、内周面f1は光投入面に垂直であり、外周面f2だけを光投入面に垂直な面に対して傾斜させている。
また、凸部106の外周面f2を、光ディスク100の半径方向において記録層102の信号開始境界に対応する位置の内側に配置することにより、射出成形時の圧力が信号領域107で再び高くなるため、転写が有利に働くと共に、ディスククランプ領域108の強度が上がるという2つの利点が得られる。実験によれば、傾斜させた領域f2も含めて凸部106の幅は、1mm以上あれば良いが、2〜8mmがより望ましい。
図9は、図6の光ディスク50を装着したモータドライブの断面を示す。磁性ハブ55を装着した光ディスク50が、カートリッジ113内に導入される。光ディスク50は、モータ114内に配置した磁石111により保持される。図9に示すように、本発明の光ディスク50を用いた場合には、磁性ハブ55を用いることにより、機械的にディスクを固定する場合よりもモータドライブを薄く設計できると共に、凹部を持たない光ディスク形状に比べて、カートリッジ113自体の厚さも薄くできる。
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3にかかる光ディスク120の断面を示す。光ディスク120は、光透過層121、第1記録層122、UV樹脂からなる中間層123、第2記録層124とディスク成型金型200により成型した基板125を含むと共に、凹部126を有する。ディスク成型金型200により凹部126を設けた基板125は、通常ポリカーボネートで形成されている。光透過層121は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されている。
本発明の光ディスク120の中間層123及び第一記録層122の作製方法を説明する。まず基板125を成型した後、信号の記録再生を行う第二記録層124をスパッタリングによって製膜する。製膜後、UV樹脂をスピンコートすることによって中間層123を形成する。第一記録層122用のスタンパを中間層123に密着させ、溝を中間層123に作製する。第一記録層122用のスタンパを取り外した後、第一記録層122を第二記録層124まで光が透過するような厚さに調整しながらスパッタリングによって製膜し、さらに、実施の形態1と同様に、ポリカーボネートシートを第1記録層122に接着することによって、光透過層121を形成する。ここでは、第二記録層124から光透過層121の表面までの厚さが100ミクロンとなるように、中間層123の厚さを25ミクロン、ポリカーボネートシートの厚さを50ミクロン、UV樹脂の厚さを25ミクロンに設定した。
光ディスク120の記録再生は、記録層122と124の各々にフォーカス、トラッキングを合わせて行う。このため、第一記録層122を透過した光及び反射光によって、第二記録層124の記録再生することになる。第一記録層122を通過してきた第二記録層124の反射光は、記録層が一層しかない時に比べて光量が低下するため非常に精度を高くすることが要求される。本実施の形態では、光透過層121の反対側の面に凹部126を設ける構成にし、溝の転写率を増加させることができるため、従来の光ディスクよりも高精度な溝を作製することが可能となる。
図11は、図10の光ディスク120の変形例である光ディスク130を示す。光ディスク130では、図6の磁性ハブ55に相当する金属ハブ135が凹部126に装着されている。従って、光ディスク130では、図10の光ディスク120の効果に加えて図6の光ディスク50の効果を得ることができる。
本発明の実施の形態では、光透過層にポリカーボネートのシートを用いたが、限定するものではなく、例えばオレフィン系の樹脂シートやアクリル樹脂シート、又はUV樹脂のみやUV樹脂とポリカーボネートのシートを代用しても良い。
また、光透過層の厚みを0.1mmとしたが、限定するものではなく、例えばポリカーボネートシートの厚みを0.25mm、UV樹脂の厚みを50μmとして0.3mmの光透過層を作製しても同様の効果が得られる。
以上の説明から明らかなように、本発明による光ディスク媒体を使えば、ディスクチルトを小さな値に維持したまま基板成型時の転写性を大幅に向上させることができ、且つ薄型化が図れるので、ディスクチルトが小さな値に抑えられていると共に大容量・高密度・薄型化に好適な光ディスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の光ディスクの基板を成形するためのディスク成形金型の断面図である。
図2は、本発明の実施の形態1にかかる光ディスクの断面図である。
図3は、図2の光ディスクの基板の成型時の半径と転写率の関係を表すグラフである。
図4は、図2の光ディスクの凹部の大きさと転写率の関係を示す表である。
図5は、図2の光ディスクのトラックピッチと転写率の関係を表すグラフである。
図6は、本発明の実施の形態2にかかる光ディスクの断面図である。
図7(a)と図7(b)は、図6の光ディスクの第1変形例である光ディスクの断面図である。
図8は、図6の光ディスクの第2変形例である光ディスクの断面図である。
図9は、図6の光ディスクを装着したモータドライブの断面図である。
図10は、本発明の実施の形態3にかかる光ディスクの断面図である。
図11は、図10の光ディスクの変形例である光ディスクの断面図である。
図12は、従来の光ディスクスクの断面図である。
本発明は、高密度に対応した光ディスク媒体に関する。
背景技術
近年、光ディスクのAV(オーディオ・ビジュアル)への応用が活発である。例えば、主に映画コンテンツ向けのDVD(Digital Versatile Disc)では、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RWといった追記型や書換型のフォーマットが開発され、VTRの次世代録画機として普及しつつある。今後BSデジタル放送やブロードバンド通信の普及で、より高画質の圧縮映像を記録できる光ディスク・フォーマットや、同じ容量でもより小型なポータブルでネットワーク親和性の高い光ディスク・フォーマットの登場が期待される。
これら次世代の光ディスクでは、高密度化が必須である。現在提案されているDVDでは、直径120mmのディスク内に4.7GBの容量を持つが、デジタル放送と同画質のROMや、記録再生を行うためには容量では20GB以上必要となる。この時、密度は5倍以上が必要である。
通常、光ディスクの密度は、記録再生の光ビームのスポット径に依存し、光ビームのスポット径は、λ/NA(λ:波長、NA:対物レンズの開口数)によって決まる。従って、高密度化するためには、波長を短くして、高NA化を図ることが必要になる。波長を一定とした場合、NAを高くしていくと、ディスクの傾きから起因するコマ収差が問題となってくるため、光ビームが透過する層を薄くする方法がとられる。このような方法を用いた光ディスク媒体が、特開平10−326435号公報に提案されている。
図12は、従来の光ディスク300の断面を示す。従来の光ディスク300は、光透過層301と、光透過層301を介してレーザスポット304を受ける記録層302と、基板303とを含む。基板303は、通常ポリカーボネートで形成されている。光透過層301は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されており、厚さは約0.003〜0.177mmの範囲である。このような構成の光ディスク300を用いて、従来よりも狭トラックピッチ化することにより、記録再生ビームの波長を400nm前半、NA0.85の対物レンズを用いて、DVDの5倍以上の密度が確保できる。
しかしながら、狭トラックピッチを実現するためには、高精細・高精度な光ディスク基板の開発が不可欠である。中でも、成型工程は、狭ピッチのトラックや微細なプリピットをいかに精度良く転写できるかが重要となる。このような形状の転写を信号記録面の内周から外周まで均一に成型することは非常に困難である。通常は、成型機の金型温度を上昇させることで、内外周の転写はある程度等しく出来る。しかし、金型温度を上昇させると、基板自体のそりが大きくなり、システムとして成り立たなくなる。
発明の開示
本発明は、上記問題点に鑑み、基板成型、信号品質が安定で装置の薄型化に適し、高密度な光ディスク媒体を提供ことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の光ディスク媒体は、中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有する記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けたものである。
発明を実施するための最良の形態
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の光ディスクの基板を成形するためのディスク成型金型200を示す。このディスク成型金型200を成型機に取り付けることで、光ディスク基板を作製する。基板は、固定側金型202と可動側金型203の間にできるキャビティ209と呼ばれる隙間に、導入口208より基板材料となる樹脂を充填することで形成される。信号の記録再生領域になる溝又はピットを形成したスタンパ201は、スタンパ係止部204によって固定され基板に溝又はピットが転写される。なお、固定側金型202と可動側金型203は、夫々、離型気体導入路205と206を有する。
次に成型時の動作を説明する。最初に、可動側金型203が固定側金型202に接する前に樹脂導入口208より、高温に溶解した樹脂をキャビティ209に導入する。可動側金型203が固定側金型202と接し、圧力を加えることで、キャビティ209の隙間にディスクが形成される。この時導入する樹脂の温度は、380℃程度、固定側金型202と可動側金型203の温度は、120℃程度に設定する。金型の温度が樹脂温度に比べて低いのは、金型中において、ディスクを冷却して固めるためである。
本発明の光ディスクの基板は、このディスク成型金型200を用いて作製し、基板の凹部の形状は、環状突出部207によって様々な大きさに作製した。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1にかかる光ディスク30の断面を示す。光ディスク30は、ディスク成型金型200により成型した基板33、記録層32と光透過層31を含む。ディスク成型金型200により凹部34を設けた基板33は、通常ポリカーボネートで形成されている。光透過層31は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてしてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されている。図2において、記録層32の上面の外周側の信号領域107(図8)がレーザ光投入面となる一方、記録層32の上面の内周側のディスククランプ領域108(図8)が平坦に形成される。図8の外周側信号領域107と内周側ディスククランプ領域108は信号開始境界によって分離される。又、凹部34は、記録層32のディスククランプ領域108に対応する領域内で基板33に設けられている。ここでは、光透過層31が100ミクロンの厚さを有するように、ポリカーボネートシートの厚さが70ミクロン、UV樹脂の厚さが30ミクロンに設定される。本実施の形態では、UV樹脂をスピンコートすることによって、ポリカーボネートシートを記録層32に接着した。又、記録再生用の案内溝を基板33に設ける構成とし、案内溝の深さを140nmとした。更に、光ディスク30は中心穴35を有する。
図3は、光ディスク30の基板33の成形時の半径と転写率の関係を示す。前述した従来の光ディスク300(図12)の基板303の値を比較のため図3に示した。図3において、横軸は基板33の半径(mm)を示し、縦軸は、溝深さ(nm)の転写率を示す。従来の光ディスク基板が外周部に行くに連れて、転写が悪くなるのに対し、本発明の光ディスク30の基板33では、金型温度が同じでありながらも内周から外周まで、同じ溝深さを得ることができる。
これは、光ディスク30の基板33に凹部34を設けていることに起因する。基板33の成型時、樹脂は高温のままで金型内に導入される。しかし、金型温度は、樹脂が固化する温度であるため、樹脂の導入と同時に冷却が始まる。ここで、従来の光ディスク300の基板303のように光投入面及び反対面に凹凸がない時は、樹脂は冷却されながら外周部に到達するため、スタンパ上に形成された高密度の溝、つまり細い溝に樹脂がうまく入り込まず、結果、転写性が悪くなる。
一方、本発明の光ディスク30の基板33の場合、金型内に入ってきた樹脂は、一度凹部34で絞りこまれる。この時、絞り込まれたことにより樹脂の圧力が高くなり、温度は、再加熱された状態となる。従って、凹部34を通過した樹脂は、温度が高いまま基板33の外周部まで到達する結果、高密度に構成された溝にも樹脂が完全に転写される。また、金型温度を低いままで基板33の成型が可能となるため、金型温度が高温になる時の基板33のチルトの増大がない。
(表1)は、基板33の厚さを1.1mm、外径を80mmに設定し、凹部34の大きさを、基板内径から2mm、深さを0.3mmとした時の、中心穴35の直径、即ち、ディスク内径w(mm)とディスク半径方向位置r(mm)での転写率を示す。転写率は、トラックピッチ0.3ミクロン、溝幅0.2ミクロン、溝深さ30nmスタンパを用いて、成型した基板33の溝深さをスタンパの溝深さで除算して計算した。成型時の樹脂の温度は380℃、金型温度は、125℃とした。形成した溝の直径は、22〜79mmである。
(表1)から、ディスク内径wが6mmと非常に小さいディスクにおいても転写率が97%と非常に良い値が得られている。ディスク内径が小さい場合、樹脂の冷却から信号外周部の転写が難しくなるが、本発明によれば、ディスク内径wが20mmよりも小さい場合十分な転写率が得られ、かつ、ディスク内径wが6mm以下であっても使用可能なディスクを作製することができる。
図4は、基板33の厚さを1.1mm、外径を80mmと設定し、凹部34の大きさを様々に変化させた時の、凹部の大きさと転写率の関係を示す。凹部34の深さは、0.3ミクロンとした。転写率は、トラックピッチ0.3ミクロン、溝幅0.2ミクロン、溝深さ30nmスタンパを用いて、成型した基板33の溝深さをスタンパの溝深さで除算して計算した。比率Wは、ディスク内径をw(mm)とし、凹部34の直径をw1(mm)とした時の(w/w1)で示した。この時、凹部34の幅b(mm)は、式{b=(w1−w)/2}で表される。
図4より、内径wによらず、比率Wが0.89では、若干の転写率の低下がみられるが、95%程度であるため、記録再生にはほとんど影響のないレベルだと考えられる。なお、記録再生を満足なレベルで行うために、転写率は90%を越えることが好ましい。本発明の光ディスク基板33を用いた実施の形態によって、内径wが8〜15mmまでにおいて、Wが0.44〜0.89までの間で十分な転写率が得られることが可能になった。
また、図4で内径wが15mm又は16mmで、W=1のところは、従来のディスク形状と同じであるが、内径wが16mmの場合、本発明の効果がほとんど得られないことが分かった。これは、内径wが大きいために、樹脂の導入路が大きくなるため、転写率が上がるものと考えられる。本実施の形態では、内径wが15mmにおいて、W=1との差異が認められることがら、内径wが15mm以下のディスクにおいて、本発明の効果が得られる。
(表2)は、基板33の厚さを1.2mm、外径を80mmと設定し、凹部34の深さを様々に変化させた時の、凹部34の深さと転写率の関係を示す。ディスク内径wと凹部34の直径w1の比Wは、0.7とした。転写率は、先と同様にトラックピッチ0.3ミクロン、溝幅0.2ミクロン、溝深さ30nmスタンパを用いて、成型した基板33の溝深さをスタンパの溝深さで除算して計算した。図2に示すように、凹部34の深さは、凹部34の領域の深さをd、ディスク本体、即ち、部材31〜33の合計厚さをd1として、(d1−d)で表される。凹部34の深さ(d1−d)は、凹部34の底面から光透過層31の表面までの距離を表している。ここでは、凹部34の深さ(d1−d)を1.2(即ち、凹部34がない状態)から、0.1まで変化させた。
凹部34の深さ(d1−d)を1.2mmから1.1mmにするだけで劇的に転写率が良くなることが分かった。反対に、凹部34の深さ(d1−d)が0.1では、ディスク本体が残っている厚さが0.1mmでしかないため、樹脂の充填が不十分になり転写率が下がる。さらに、この場合は成型工程から製膜工程に移動させる時の基板33のハンドリング時において、ディスク内径が変形してしまい、現実には使用に耐えないものとなった。しかしながら、凹部34の深さ(d1−d)が0.2mmになると、転写率とハンドリングが共に良くなる。ディスク本体の剛性は、おおよそ厚さの3乗に比例するため、ハンドリング時にディスクが変形することがなくなるものと思われる。このことから、凹部34の深さ(d1−d)は、0.12mmよりも小さく且つ、0.1mmよりも厚い範囲で、本発明が成り立つことが確認できた。さらに、凹部34の剛性を考えると、凹部34の深さ(d1−d)は0.3〜0.8mmの範囲が最も良い。
図5は、光ディスク30の基板33のトラックピッチと転写率の関係を示す。ここで用いた本発明の光ディスク30は、W=0.8、d1−d=0.6mmのものを用いた。成型時に用いたスタンパは、溝の深さが30nm、溝の凹部(グルーブ)と凸部(ランド)の幅の比は1:1であり、トラックピッチをゾーンごとに変化させたものである。図5において、トラックピッチが0.4μmよりも狭くなると、従来の光ディスクでは、溝への転写が悪くなる。一方、本発明の光ディスクを用いると、トラックピッチ0.2μmにおいても、十分な転写が可能となった。
なお、本実施の形態では、外形を80mmと設定し実験をおこなったが、この外形に限定されるものではなく、例えば外形が約50mmや120mmの光ディスク基板においても同様の効果がえられる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2にかかる光ディスク50の断面を示す。光ディスク50は、ディスク成型金型200により成型した基板51、記録層52と光透過層53を含むと共に、凹部54を有する。ディスク成型金型200により凹部54を設けた基板51は、通常ポリカーボネートで構成されている。光透過層53は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されている。ここでは、光透過層53が100ミクロンの厚さを有するように、ポリカーボネートシートの厚さが70ミクロン、UV樹脂の厚さが30ミクロンに設定される。又、記録再生用の案内溝を基板51に設ける構成とし、案内溝の深さを140nmとした。更に、磁性体からなるハブ55を、基板51の凹部54に装着する。ハブ55は、凹部54の上に接着剤で固定されるか又は、基板51の一部を超音波溶着して固定される。
通常、光ディスク50のターンテーブルへの固定は、ディスクの上面に位置するハブによって機械的に固定する方法と、ターンテーブルにディスク固定爪をもち、ディスクを下から突き当てることによって固定する方法、磁性体からなるハブを装着しモータ上に磁石を配置することによって固定する方法がある。ディスクの上面にハブを配置すると、ハブ部分の高さが必要になってくるため、ディスクドライブの薄型化を考える上では、不利となる。そこで本発明では、図6に示した磁性体からなるハブ55を本発明の光ディスク50の凹部に装着した。
磁性ハブ55は、凹部54の外周面を押しつぶして固定しても良いが、凹部54の形状を変化させることで簡単に作成することができる。
図6の光ディスク50において磁性ハブ55を確実に基板51に装着するために、図7(a)と図7(b)は、図6の光ディスク50の第1変形例である光ディスク90を示す。基板91、記録層92、光透過層93、凹部94と磁性ハブ95に加えて、光ディスク90は、基板91に磁性ハブ95を溶着する凸部96を備える。光ディスク90の磁性ハブ95は図6の磁性ハブ55と等価である。図7(b)は、凸部96を超音波溶着又は熱により光ディスク90の半径方向で内方に押しつぶした後の溶着部97の形状を示している。凹部94の周面に凸部96を設けることにより、簡単に磁性ハブ95を基板91に装着することができる。このとき、超音波溶着に必要な凸部96の高さは、超音波溶着した後に、磁性ハブ95が基板91から脱着しなければ良い。本発明の光ディスク90は、凹部94を有しているため、脱着しろは少なくてすむ。凸部96を含む光ディスク90の全体高さをd2とし、ディスク本体の厚さ、即ち、部材91〜93の合計厚さをd1として、凸部96の高さ(d2−d1)は、基板91の光投入面と反対側に1mm程度あれば十分であるが、実験したところ好ましくは1mmから5mmが良い。
また、凸部96の幅は、0.1mm以上を基板91上に形成することにより、溶着部97が構成できる。実験の結果、凸部96の幅は、0.2mm以上が好ましいが、0.2〜10mmがより好ましい。
しかしながら、例えば、幅0.1mm、高さ5mmの凸部96を射出成形した時、凸部96への樹脂の転写が不安定となる。また、凹部94を通過した樹脂は、凸部96が存在するため、樹脂の流れが乱され、凸部96の下面、即ち、ディスクをクランプする領域も不安定となる可能性がある。
そこで、凸部96を安定的に形成するために、図8は、図6の光ディスク50の第2変形例である光ディスク100を示す。光ディスク100は、基板101、記録層102、光透過層103、凹部104、磁性ハブ105と凸部106を備えると共に、記録層102の外周側と内周側に、夫々、配置された信号領域107とディスククランプ領域108を有する。信号領域107とディスククランプ領域108は信号開始境界によって分離される。図8において、記録層102の下面の信号領域107がレーザ光投入面を占める一方、記録層102の下面のディスククランプ領域108が平坦に形成される。又、凹部104は、記録層102のディスククランプ領域108に対応する領域内で基板101に設けられている。光ディスク100では、凸部106が、2個の段部t1とt2を有する。凸部106が2個の段部t1とt2を有することにより、樹脂は、光ディスク100において図7の光ディスク90よりも円滑に流動する。そのため、ディスククランプ領域108を犠牲にすることなく、溶着しろを作成できる。凸部106の内周面f1と外周面f2は、光投入面に垂直であっても構わないが、光投入面に垂直な面に対して傾斜させる方が樹脂の流動性のためにより好ましい。図8の凸部106では、内周面f1は光投入面に垂直であり、外周面f2だけを光投入面に垂直な面に対して傾斜させている。
また、凸部106の外周面f2を、光ディスク100の半径方向において記録層102の信号開始境界に対応する位置の内側に配置することにより、射出成形時の圧力が信号領域107で再び高くなるため、転写が有利に働くと共に、ディスククランプ領域108の強度が上がるという2つの利点が得られる。実験によれば、傾斜させた領域f2も含めて凸部106の幅は、1mm以上あれば良いが、2〜8mmがより望ましい。
図9は、図6の光ディスク50を装着したモータドライブの断面を示す。磁性ハブ55を装着した光ディスク50が、カートリッジ113内に導入される。光ディスク50は、モータ114内に配置した磁石111により保持される。図9に示すように、本発明の光ディスク50を用いた場合には、磁性ハブ55を用いることにより、機械的にディスクを固定する場合よりもモータドライブを薄く設計できると共に、凹部を持たない光ディスク形状に比べて、カートリッジ113自体の厚さも薄くできる。
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3にかかる光ディスク120の断面を示す。光ディスク120は、光透過層121、第1記録層122、UV樹脂からなる中間層123、第2記録層124とディスク成型金型200により成型した基板125を含むと共に、凹部126を有する。ディスク成型金型200により凹部126を設けた基板125は、通常ポリカーボネートで形成されている。光透過層121は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されている。
本発明の光ディスク120の中間層123及び第一記録層122の作製方法を説明する。まず基板125を成型した後、信号の記録再生を行う第二記録層124をスパッタリングによって製膜する。製膜後、UV樹脂をスピンコートすることによって中間層123を形成する。第一記録層122用のスタンパを中間層123に密着させ、溝を中間層123に作製する。第一記録層122用のスタンパを取り外した後、第一記録層122を第二記録層124まで光が透過するような厚さに調整しながらスパッタリングによって製膜し、さらに、実施の形態1と同様に、ポリカーボネートシートを第1記録層122に接着することによって、光透過層121を形成する。ここでは、第二記録層124から光透過層121の表面までの厚さが100ミクロンとなるように、中間層123の厚さを25ミクロン、ポリカーボネートシートの厚さを50ミクロン、UV樹脂の厚さを25ミクロンに設定した。
光ディスク120の記録再生は、記録層122と124の各々にフォーカス、トラッキングを合わせて行う。このため、第一記録層122を透過した光及び反射光によって、第二記録層124の記録再生することになる。第一記録層122を通過してきた第二記録層124の反射光は、記録層が一層しかない時に比べて光量が低下するため非常に精度を高くすることが要求される。本実施の形態では、光透過層121の反対側の面に凹部126を設ける構成にし、溝の転写率を増加させることができるため、従来の光ディスクよりも高精度な溝を作製することが可能となる。
図11は、図10の光ディスク120の変形例である光ディスク130を示す。光ディスク130では、図6の磁性ハブ55に相当する金属ハブ135が凹部126に装着されている。従って、光ディスク130では、図10の光ディスク120の効果に加えて図6の光ディスク50の効果を得ることができる。
本発明の実施の形態では、光透過層にポリカーボネートのシートを用いたが、限定するものではなく、例えばオレフィン系の樹脂シートやアクリル樹脂シート、又はUV樹脂のみやUV樹脂とポリカーボネートのシートを代用しても良い。
また、光透過層の厚みを0.1mmとしたが、限定するものではなく、例えばポリカーボネートシートの厚みを0.25mm、UV樹脂の厚みを50μmとして0.3mmの光透過層を作製しても同様の効果が得られる。
以上の説明から明らかなように、本発明による光ディスク媒体を使えば、ディスクチルトを小さな値に維持したまま基板成型時の転写性を大幅に向上させることができ、且つ薄型化が図れるので、ディスクチルトが小さな値に抑えられていると共に大容量・高密度・薄型化に好適な光ディスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の光ディスクの基板を成形するためのディスク成形金型の断面図である。
図2は、本発明の実施の形態1にかかる光ディスクの断面図である。
図3は、図2の光ディスクの基板の成型時の半径と転写率の関係を表すグラフである。
図4は、図2の光ディスクの凹部の大きさと転写率の関係を示す表である。
図5は、図2の光ディスクのトラックピッチと転写率の関係を表すグラフである。
図6は、本発明の実施の形態2にかかる光ディスクの断面図である。
図7(a)と図7(b)は、図6の光ディスクの第1変形例である光ディスクの断面図である。
図8は、図6の光ディスクの第2変形例である光ディスクの断面図である。
図9は、図6の光ディスクを装着したモータドライブの断面図である。
図10は、本発明の実施の形態3にかかる光ディスクの断面図である。
図11は、図10の光ディスクの変形例である光ディスクの断面図である。
図12は、従来の光ディスクスクの断面図である。
【書類名】明細書
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有する記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けたことを特徴とする光ディスク媒体。
【請求項2】 前記凹部の領域の直径が11mm以上とすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク媒体。
【請求項3】 前記中心穴の直径をwとし、前記凹部の直径をw1とした時、W=w/w1で示す比率が0.4〜0.9とすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク媒体。
【請求項4】 前記凹部の領域の深さをd(mm)、前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d1−dが0.1<d1−d<1.2とすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク媒体。
【請求項5】 トラックピッチが0.4ミクロン以下であることを特徴とする請求項1記載の光ディスク媒体。
【請求項6】 中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有する記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けると共に、磁性プレートを前記凹部に装着したことを特徴とする光ディスク媒体。
【請求項7】 前記凹部の領域の直径が11mm以上とすることを特徴とする請求項6記載の光ディスク媒体。
【請求項8】 前記中心穴の直径をwとし、前記凹部の直径をw1とした時、W=w/w1で示す比率が0.4〜0.9とすることを特徴とする請求項6記載の光ディスク媒体。
【請求項9】 前記凹部の領域の深さをd(mm)、前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d1−dが0.1<d1−d<1.2とすることを特徴とする請求項6記載の光ディスク媒体。
【請求項10】 トラックピッチが0.4ミクロン以下であることを特徴とする請求項6記載の光ディスク媒体。
【請求項11】 中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有すると共に、少なくとも2層から成る記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けたことを特徴とする光ディスク媒体。
【請求項12】 前記中心穴の直径が15mm以下とすることを特徴とする請求項11記載の光ディスク媒体。
【請求項13】 前記中心穴の直径をwとし、前記凹部の直径をw1とした時、W=w/w1で示す比率が0.4〜0.9とすることを特徴とする請求項11記載の光ディスク媒体。
【請求項14】 前記凹部の領域の深さをd(mm)、前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d1−dが0.1<d1−d<1.2とすることを特徴とする請求項11記載の光ディスク媒体。
【請求項15】 トラックピッチが0.4ミクロン以下であることを特徴とする請求項11記載の光ディスク媒体。
【請求項16】 中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有すると共に、少なくとも2層から成る記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けると共に、金属プレートを前記凹部に装着したことを特徴とする光ディスク媒体。
【請求項17】 前記凹部の領域の直径が11mm以上とすることを特徴とする請求項16記載の光ディスク媒体。
【請求項18】 前記中心穴の直径をwとし、前記凹部の直径をw1とした時、W=w/w1で示す比率が0.4〜0.9とすることを特徴とする請求項16記載の光ディスク媒体。
【請求項19】 前記凹部の領域の深さをd(mm)、前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d1−dが0.1<d1−d<1.2とすることを特徴とする請求項16記載の光ディスク媒体。
【請求項20】 トラックピッチが0.4ミクロン以下であることを特徴とする請求項16記載の光ディスク媒体。
【請求項21】 前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さに対して所望の高さを有する凸部を、前記光ディスク媒体の前記光透過面と反対側の前記面に設けたことを特徴とする請求項6又は16記載の光ディスク媒体。
【請求項22】 前記凸部を含む前記光ディスク媒体の全体高さをd2(mm)、前記ディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d2−d1<5であることを特徴とする請求項21記載の光ディスク媒体。
【請求項23】 前記凸部の幅が0.1mmよりも大きいことを特徴とする請求項22記載の光ディスク媒体。
【請求項24】 前記凸部が2個の段部を有することを特徴とする請求項21記載の光ディスク媒体。
【請求項25】 前記凸部の外周面を、前記光ディスク媒体の半径方向において前記記録層の前記信号開始境界に対応する位置の内側に配置したことを特徴とする請求項24記載の光ディスク媒体。
【請求項26】 前記凸部の前記外周面と内周面の少なくとも一方が前記レーザ光投入面に垂直な面に対して傾斜していることを特徴とする請求項25記載の光ディスク媒体。
【請求項27】 前記凸部の内周面を変形させることを特徴とする請求項21記載の光ディスク媒体。
【請求項28】 前記凸部を超音波又は熱で溶解することによって変形させることを特徴とする請求項26記載の光ディスク媒体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は、高密度に対応した光ディスク媒体に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、光ディスクのAV(オーディオ・ビジュアル)への応用が活発である。例えば、主に映画コンテンツ向けのDVD(Digital Versatile Disc)では、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RWといった追記型や書換型のフォーマットが開発され、VTRの次世代録画機として普及しつつある。今後BSデジタル放送やブロードバンド通信の普及で、より高画質の圧縮映像を記録できる光ディスク・フォーマットや、同じ容量でもより小型なポータブルでネットワーク親和性の高い光ディスク・フォーマットの登場が期待される。
【0003】
これら次世代の光ディスクでは、高密度化が必須である。現在提案されているDVDでは、直径120mmのディスク内に4.7GBの容量を持つが、デジタル放送と同画質のROMや、記録再生を行うためには容量では20GB以上必要となる。この時、密度は5倍以上が必要である。
通常、光ディスクの密度は、記録再生の光ビームのスポット径に依存し、光ビームのスポット径は、λ/NA(λ:波長、NA:対物レンズの開口数)によって決まる。従って、高密度化するためには、波長を短くして、高NA化を図ることが必要になる。波長を一定とした場合、NAを高くしていくと、ディスクの傾きから起因するコマ収差が問題となってくるため、光ビームが透過する層を薄くする方法がとられる。このような方法を用いた光ディスク媒体が、特許文献1に提案されている。
【0004】
図12は、従来の光ディスク300の断面を示す。従来の光ディスク300は、光透過層301と、光透過層301を介してレーザスポット304を受ける記録層302と、基板303とを含む。基板303は、通常ポリカーボネートで形成されている。光透過層301は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されており、厚さは約0.003〜0.177mmの範囲である。このような構成の光ディスク300を用いて、従来よりも狭トラックピッチ化することにより、記録再生ビームの波長を400nm前半、NA0.85の対物レンズを用いて、DVDの5倍以上の密度が確保できる。
【0005】
しかしながら、狭トラックピッチを実現するためには、高精細・高精度な光ディスク基板の開発が不可欠である。中でも、成型工程は、狭ピッチのトラックや微細なプリピットをいかに精度良く転写できるかが重要となる。このような形状の転写を信号記録面の内周から外周まで均一に成型することは非常に困難である。通常は、成型機の金型温度を上昇させることで、内外周の転写はある程度等しく出来る。しかし、金型温度を上昇させると、基板自体のそりが大きくなり、システムとして成り立たなくなる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−326435号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、基板成型、信号品質が安定で装置の薄型化に適し、高密度な光ディスク媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光ディスク媒体は、中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有する記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けたものである。
【0009】
【発明の効果】
本発明による光ディスク媒体を使えば、ディスクチルトを小さな値に維持したまま基板成型時の転写性を大幅に向上させることができ、且つ薄型化が図れるので、ディスクチルトが小さな値に抑えられていると共に大容量・高密度・薄型化に好適な光ディスクを提供することができる。
【0010】
【発明を実施するための最良の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の光ディスクの基板を成形するためのディスク成型金型200を示す。このディスク成型金型200を成型機に取り付けることで、光ディスク基板を作製する。基板は、固定側金型202と可動側金型203の間にできるキャビティ209と呼ばれる隙間に、導入口208より基板材料となる樹脂を充填することで形成される。信号の記録再生領域になる溝又はピットを形成したスタンパ201は、スタンパ係止部204によって固定され基板に溝又はピットが転写される。なお、固定側金型202と可動側金型203は、夫々、離型気体導入路205と206を有する。
【0011】
次に成型時の動作を説明する。最初に、可動側金型203が固定側金型202に接する前に樹脂導入口208より、高温に溶解した樹脂をキャビティ209に導入する。可動側金型203が固定側金型202と接し、圧力を加えることで、キャビティ209の隙間にディスクが形成される。この時導入する樹脂の温度は、380℃程度、固定側金型202と可動側金型203の温度は、120℃程度に設定する。金型の温度が樹脂温度に比べて低いのは、金型中において、ディスクを冷却して固めるためである。
本発明の光ディスクの基板は、このディスク成型金型200を用いて作製し、基板の凹部の形状は、環状突出部207によって様々な大きさに作製した。
【0012】
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1にかかる光ディスク30の断面を示す。光ディスク30は、ディスク成型金型200により成型した基板33、記録層32と光透過層31を含む。ディスク成型金型200により凹部34を設けた基板33は、通常ポリカーボネートで形成されている。光透過層31は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてしてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されている。図2において、記録層32の上面の外周側の信号領域107(図8)がレーザ光投入面となる一方、記録層32の上面の内周側のディスククランプ領域108(図8)が平坦に形成される。図8の外周側信号領域107と内周側ディスククランプ領域108は信号開始境界によって分離される。又、凹部34は、記録層32のディスククランプ領域108に対応する領域内で基板33に設けられている。ここでは、光透過層31が100ミクロンの厚さを有するように、ポリカーボネートシートの厚さが70ミクロン、UV樹脂の厚さが30ミクロンに設定される。本実施の形態では、UV樹脂をスピンコートすることによって、ポリカーボネートシートを記録層32に接着した。又、記録再生用の案内溝を基板33に設ける構成とし、案内溝の深さを140nmとした。更に、光ディスク30は中心穴35を有する。
【0013】
図3は、光ディスク30の基板33の成形時の半径と転写率の関係を示す。前述した従来の光ディスク300(図12)の基板303の値を比較のため図3に示した。図3において、横軸は基板33の半径(mm)を示し、縦軸は、溝深さ(nm)の転写率を示す。従来の光ディスク基板が外周部に行くに連れて、転写が悪くなるのに対し、本発明の光ディスク30の基板33では、金型温度が同じでありながらも内周から外周まで、同じ溝深さを得ることができる。
【0014】
これは、光ディスク30の基板33に凹部34を設けていることに起因する。基板33の成型時、樹脂は高温のままで金型内に導入される。しかし、金型温度は、樹脂が固化する温度であるため、樹脂の導入と同時に冷却が始まる。ここで、従来の光ディスク300の基板303のように光投入面及び反対面に凹凸がない時は、樹脂は冷却されながら外周部に到達するため、スタンパ上に形成された高密度の溝、つまり細い溝に樹脂がうまく入り込まず、結果、転写性が悪くなる。
【0015】
一方、本発明の光ディスク30の基板33の場合、金型内に入ってきた樹脂は、一度凹部34で絞りこまれる。この時、絞り込まれたことにより樹脂の圧力が高くなり、温度は、再加熱された状態となる。従って、凹部34を通過した樹脂は、温度が高いまま基板33の外周部まで到達する結果、高密度に構成された溝にも樹脂が完全に転写される。また、金型温度を低いままで基板33の成型が可能となるため、金型温度が高温になる時の基板33のチルトの増大がない。
(表1)は、基板33の厚さを1.1mm、外径を80mmに設定し、凹部34の大きさを、基板内径から2mm、深さを0.3mmとした時の、中心穴35の直径、即ち、ディスク内径w(mm)とディスク半径方向位置r(mm)での転写率を示す。転写率は、トラックピッチ0.3ミクロン、溝幅0.2ミクロン、溝深さ30nmスタンパを用いて、成型した基板33の溝深さをスタンパの溝深さで除算して計算した。成型時の樹脂の温度は380℃、金型温度は、125℃とした。形成した溝の直径は、22〜79mmである。
【0016】
【表1】
【0017】
(表1)から、ディスク内径wが6mmと非常に小さいディスクにおいても転写率が97%と非常に良い値が得られている。ディスク内径が小さい場合、樹脂の冷却から信号外周部の転写が難しくなるが、本発明によれば、ディスク内径wが20mmよりも小さい場合十分な転写率が得られ、かつ、ディスク内径wが6mm以下であっても使用可能なディスクを作製することができる。
【0018】
図4は、基板33の厚さを1.1mm、外径を80mmと設定し、凹部34の大きさを様々に変化させた時の、凹部の大きさと転写率の関係を示す。凹部34の深さは、0.3ミクロンとした。転写率は、トラックピッチ0.3ミクロン、溝幅0.2ミクロン、溝深さ30nmスタンパを用いて、成型した基板33の溝深さをスタンパの溝深さで除算して計算した。比率Wは、ディスク内径をw(mm)とし、凹部34の直径をw1(mm)とした時の(w/w1)で示した。この時、凹部34の幅b(mm)は、式{b=(w1−w)/2}で表される。
【0019】
図4より、内径wによらず、比率Wが0.89では、若干の転写率の低下がみられるが、95%程度であるため、記録再生にはほとんど影響のないレベルだと考えられる。なお、記録再生を満足なレベルで行うために、転写率は90%を越えることが好ましい。本発明の光ディスク基板33を用いた実施の形態によって、内径wが8〜15mmまでにおいて、Wが0.44〜0.89までの間で十分な転写率が得られることが可能になった。
【0020】
また、図4で内径wが15mm又は16mmで、W=1のところは、従来のディスク形状と同じであるが、内径wが16mmの場合、本発明の効果がほとんど得られないことが分かった。これは、内径wが大きいために、樹脂の導入路が大きくなるため、転写率が上がるものと考えられる。本実施の形態では、内径wが15mmにおいて、W=1との差異が認められることから、内径wが15mm以下のディスクにおいて、本発明の効果が得られる。
【0021】
【表2】
【0022】
(表2)は、基板33の厚さを1.2mm、外径を80mmと設定し、凹部34の深さを様々に変化させた時の、凹部34の深さと転写率の関係を示す。ディスク内径wと凹部34の直径w1の比Wは、0.7とした。転写率は、先と同様にトラックピッチ0.3ミクロン、溝幅0.2ミクロン、溝深さ30nmスタンパを用いて、成型した基板33の溝深さをスタンパの溝深さで除算して計算した。図2に示すように、凹部34の深さは、凹部34の領域の深さをd、ディスク本体、即ち、部材31〜33の合計厚さをd1として、(d1−d)で表される。凹部34の深さ(d1−d)は、凹部34の底面から光透過層31の表面までの距離を表している。ここでは、凹部34の深さ(d1−d)を1.2(即ち、凹部34がない状態)から、0.1まで変化させた。
【0023】
凹部34の深さ(d1−d)を1.2mmから1.1mmにするだけで劇的に転写率が良くなることが分かった。反対に、凹部34の深さ(d1−d)が0.1では、ディスク本体が残っている厚さが0.1mmでしかないため、樹脂の充填が不十分になり転写率が下がる。さらに、この場合は成型工程から製膜工程に移動させる時の基板33のハンドリング時において、ディスク内径が変形してしまい、現実には使用に耐えないものとなった。しかしながら、凹部34の深さ(d1−d)が0.2mmになると、転写率とハンドリングが共に良くなる。ディスク本体の剛性は、おおよそ厚さの3乗に比例するため、ハンドリング時にディスクが変形することがなくなるものと思われる。このことから、凹部34の深さ(d1−d)は、0.12mmよりも小さく且つ、0.1mmよりも厚い範囲で、本発明が成り立つことが確認できた。さらに、凹部34の剛性を考えると、凹部34の深さ(d1−d)は0.3〜0.8mmの範囲が最も良い。
【0024】
図5は、光ディスク30の基板33のトラックピッチと転写率の関係を示す。ここで用いた本発明の光ディスク30は、W=0.8、d1−d=0.6mmのものを用いた。成型時に用いたスタンパは、溝の深さが30nm、溝の凹部(グルーブ)と凸部(ランド)の幅の比は1:1であり、トラックピッチをゾーンごとに変化させたものである。図5において、トラックピッチが0.4μmよりも狭くなると、従来の光ディスクでは、溝への転写が悪くなる。一方、本発明の光ディスクを用いると、トラックピッチ0.2μmにおいても、十分な転写が可能となった。
【0025】
なお、本実施の形態では、外形を80mmと設定し実験をおこなったが、この外形に限定されるものではなく、例えば外形が約50mmや120mmの光ディスク基板においても同様の効果がえられる。
【0026】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2にかかる光ディスク50の断面を示す。光ディスク50は、ディスク成型金型200により成型した基板51、記録層52と光透過層53を含むと共に、凹部54を有する。ディスク成型金型200により凹部54を設けた基板51は、通常ポリカーボネートで構成されている。光透過層53は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されている。ここでは、光透過層53が100ミクロンの厚さを有するように、ポリカーボネートシートの厚さが70ミクロン、UV樹脂の厚さが30ミクロンに設定される。又、記録再生用の案内溝を基板51に設ける構成とし、案内溝の深さを140nmとした。更に、磁性体からなるハブ55を、基板51の凹部54に装着する。ハブ55は、凹部54の上に接着剤で固定されるか又は、基板51の一部を超音波溶着して固定される。
【0027】
通常、光ディスク50のターンテーブルへの固定は、ディスクの上面に位置するハブによって機械的に固定する方法と、ターンテーブルにディスク固定爪をもち、ディスクを下から突き当てることによって固定する方法、磁性体からなるハブを装着しモータ上に磁石を配置することによって固定する方法がある。ディスクの上面にハブを配置すると、ハブ部分の高さが必要になってくるため、ディスクドライブの薄型化を考える上では、不利となる。そこで本発明では、図6に示した磁性体からなるハブ55を本発明の光ディスク50の凹部に装着した。
磁性ハブ55は、凹部54の外周面を押しつぶして固定しても良いが、凹部54の形状を変化させることで簡単に作成することができる。
【0028】
図6の光ディスク50において磁性ハブ55を確実に基板51に装着するために、図7(a)と図7(b)は、図6の光ディスク50の第1変形例である光ディスク90を示す。基板91、記録層92、光透過層93、凹部94と磁性ハブ95に加えて、光ディスク90は、基板91に磁性ハブ95を溶着する凸部96を備える。光ディスク90の磁性ハブ95は図6の磁性ハブ55と等価である。図7(b)は、凸部96を超音波溶着又は熱により光ディスク90の半径方向で内方に押しつぶした後の溶着部97の形状を示している。凹部94の周面に凸部96を設けることにより、簡単に磁性ハブ95を基板91に装着することができる。このとき、超音波溶着に必要な凸部96の高さは、超音波溶着した後に、磁性ハブ95が基板91から脱着しなければ良い。本発明の光ディスク90は、凹部94を有しているため、脱着しろは少なくてすむ。凸部96を含む光ディスク90の全体高さをd2とし、ディスク本体の厚さ、即ち、部材91〜93の合計厚さをd1として、凸部96の高さ(d2−d1)は、基板91の光投入面と反対側に1mm程度あれば十分であるが、実験したところ好ましくは1mmから5mmが良い。
【0029】
また、凸部96の幅は、0.1mm以上を基板91上に形成することにより、溶着部97が構成できる。実験の結果、凸部96の幅は、0.2mm以上が好ましいが、0.2〜10mmがより好ましい。
しかしながら、例えば、幅0.1mm、高さ5mmの凸部96を射出成形した時、凸部96への樹脂の転写が不安定となる。また、凹部94を通過した樹脂は、凸部96が存在するため、樹脂の流れが乱され、凸部96の下面、即ち、ディスクをクランプする領域も不安定となる可能性がある。
【0030】
そこで、凸部96を安定的に形成するために、図8は、図6の光ディスク50の第2変形例である光ディスク100を示す。光ディスク100は、基板101、記録層102、光透過層103、凹部104、磁性ハブ105と凸部106を備えると共に、記録層102の外周側と内周側に、夫々、配置された信号領域107とディスククランプ領域108を有する。信号領域107とディスククランプ領域108は信号開始境界によって分離される。図8において、記録層102の下面の信号領域107がレーザ光投入面を占める一方、記録層102の下面のディスククランプ領域108が平坦に形成される。又、凹部104は、記録層102のディスククランプ領域108に対応する領域内で基板101に設けられている。光ディスク100では、凸部106が、2個の段部t1とt2を有する。凸部106が2個の段部t1とt2を有することにより、樹脂は、光ディスク100において図7の光ディスク90よりも円滑に流動する。そのため、ディスククランプ領域108を犠牲にすることなく、溶着しろを作成できる。凸部106の内周面f1と外周面f2は、光投入面に垂直であっても構わないが、光投入面に垂直な面に対して傾斜させる方が樹脂の流動性のためにより好ましい。図8の凸部106では、内周面f1は光投入面に垂直であり、外周面f2だけを光投入面に垂直な面に対して傾斜させている。
【0031】
また、凸部106の外周面f2を、光ディスク100の半径方向において記録層102の信号開始境界に対応する位置の内側に配置することにより、射出成形時の圧力が信号領域107で再び高くなるため、転写が有利に働くと共に、ディスククランプ領域108の強度が上がるという2つの利点が得られる。実験によれば、傾斜させた領域f2も含めて凸部106の幅は、1mm以上あれば良いが、2〜8mmがより望ましい。
【0032】
図9は、図6の光ディスク50を装着したモータドライブの断面を示す。磁性ハブ55を装着した光ディスク50が、カートリッジ113内に導入される。光ディスク50は、モータ114内に配置した磁石111により保持される。図9に示すように、本発明の光ディスク50を用いた場合には、磁性ハブ55を用いることにより、機械的にディスクを固定する場合よりもモータドライブを薄く設計できると共に、凹部を持たない光ディスク形状に比べて、カートリッジ113自体の厚さも薄くできる。
【0033】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3にかかる光ディスク120の断面を示す。光ディスク120は、光透過層121、第1記録層122、UV樹脂からなる中間層123、第2記録層124とディスク成型金型200により成型した基板125を含むと共に、凹部126を有する。ディスク成型金型200により凹部126を設けた基板125は、通常ポリカーボネートで形成されている。光透過層121は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されている。
【0034】
本発明の光ディスク120の中間層123及び第一記録層122の作製方法を説明する。まず基板125を成型した後、信号の記録再生を行う第二記録層124をスパッタリングによって製膜する。製膜後、UV樹脂をスピンコートすることによって中間層123を形成する。第一記録層122用のスタンパを中間層123に密着させ、溝を中間層123に作製する。第一記録層122用のスタンパを取り外した後、第一記録層122を第二記録層124まで光が透過するような厚さに調整しながらスパッタリングによって製膜し、さらに、実施の形態1と同様に、ポリカーボネートシートを第1記録層122に接着することによって、光透過層121を形成する。ここでは、第二記録層124から光透過層121の表面までの厚さが100ミクロンとなるように、中間層123の厚さを25ミクロン、ポリカーボネートシートの厚さを50ミクロン、UV樹脂の厚さを25ミクロンに設定した。
【0035】
光ディスク120の記録再生は、記録層122と124の各々にフォーカス、トラッキングを合わせて行う。このため、第一記録層122を透過した光及び反射光によって、第二記録層124の記録再生することになる。第一記録層122を通過してきた第二記録層124の反射光は、記録層が一層しかない時に比べて光量が低下するため非常に精度を高くすることが要求される。本実施の形態では、光透過層121の反対側の面に凹部126を設ける構成にし、溝の転写率を増加させることができるため、従来の光ディスクよりも高精度な溝を作製することが可能となる。
【0036】
図11は、図10の光ディスク120の変形例である光ディスク130を示す。光ディスク130では、図6の磁性ハブ55に相当する金属ハブ135が凹部126に装着されている。従って、光ディスク130では、図10の光ディスク120の効果に加えて図6の光ディスク50の効果を得ることができる。
【0037】
本発明の実施の形態では、光透過層にポリカーボネートのシートを用いたが、限定するものではなく、例えばオレフィン系の樹脂シートやアクリル樹脂シート、又はUV樹脂のみやUV樹脂とポリカーボネートのシートを代用しても良い。
また、光透過層の厚みを0.1mmとしたが、限定するものではなく、例えばポリカーボネートシートの厚みを0.25mm、UV樹脂の厚みを50μmとして0.3mmの光透過層を作製しても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ディスクの基板を成形するためのディスク成形金型の断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1にかかる光ディスクの断面図である。
【図3】 図2の光ディスクの基板の成型時の半径と転写率の関係を表すグラフである。
【図4】 図2の光ディスクの凹部の大きさと転写率の関係を示す表である。
【図5】 図2の光ディスクのトラックピッチと転写率の関係を表すグラフである。
【図6】 本発明の実施の形態2にかかる光ディスクの断面図である。
【図7】 (a)と(b)は、図6の光ディスクの第1変形例である光ディスクの断面図である。
【図8】 図6の光ディスクの第2変形例である光ディスクの断面図である。
【図9】 図6の光ディスクを装着したモータドライブの断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態3にかかる光ディスクの断面図である。
【図11】 図10の光ディスクの変形例である光ディスクの断面図である。
【図12】 従来の光ディスクスクの断面図である。
【符号の説明】
30 光ディスク
31 光透過層
32 記録層
33 基板
34 凹部
35 中心穴
50 光ディスク
120 光ディスク
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有する記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けたことを特徴とする光ディスク媒体。
【請求項2】 前記凹部の領域の直径が11mm以上とすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク媒体。
【請求項3】 前記中心穴の直径をwとし、前記凹部の直径をw1とした時、W=w/w1で示す比率が0.4〜0.9とすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク媒体。
【請求項4】 前記凹部の領域の深さをd(mm)、前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d1−dが0.1<d1−d<1.2とすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク媒体。
【請求項5】 トラックピッチが0.4ミクロン以下であることを特徴とする請求項1記載の光ディスク媒体。
【請求項6】 中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有する記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けると共に、磁性プレートを前記凹部に装着したことを特徴とする光ディスク媒体。
【請求項7】 前記凹部の領域の直径が11mm以上とすることを特徴とする請求項6記載の光ディスク媒体。
【請求項8】 前記中心穴の直径をwとし、前記凹部の直径をw1とした時、W=w/w1で示す比率が0.4〜0.9とすることを特徴とする請求項6記載の光ディスク媒体。
【請求項9】 前記凹部の領域の深さをd(mm)、前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d1−dが0.1<d1−d<1.2とすることを特徴とする請求項6記載の光ディスク媒体。
【請求項10】 トラックピッチが0.4ミクロン以下であることを特徴とする請求項6記載の光ディスク媒体。
【請求項11】 中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有すると共に、少なくとも2層から成る記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けたことを特徴とする光ディスク媒体。
【請求項12】 前記中心穴の直径が15mm以下とすることを特徴とする請求項11記載の光ディスク媒体。
【請求項13】 前記中心穴の直径をwとし、前記凹部の直径をw1とした時、W=w/w1で示す比率が0.4〜0.9とすることを特徴とする請求項11記載の光ディスク媒体。
【請求項14】 前記凹部の領域の深さをd(mm)、前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d1−dが0.1<d1−d<1.2とすることを特徴とする請求項11記載の光ディスク媒体。
【請求項15】 トラックピッチが0.4ミクロン以下であることを特徴とする請求項11記載の光ディスク媒体。
【請求項16】 中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有すると共に、少なくとも2層から成る記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けると共に、金属プレートを前記凹部に装着したことを特徴とする光ディスク媒体。
【請求項17】 前記凹部の領域の直径が11mm以上とすることを特徴とする請求項16記載の光ディスク媒体。
【請求項18】 前記中心穴の直径をwとし、前記凹部の直径をw1とした時、W=w/w1で示す比率が0.4〜0.9とすることを特徴とする請求項16記載の光ディスク媒体。
【請求項19】 前記凹部の領域の深さをd(mm)、前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d1−dが0.1<d1−d<1.2とすることを特徴とする請求項16記載の光ディスク媒体。
【請求項20】 トラックピッチが0.4ミクロン以下であることを特徴とする請求項16記載の光ディスク媒体。
【請求項21】 前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さに対して所望の高さを有する凸部を、前記光ディスク媒体の前記光透過面と反対側の前記面に設けたことを特徴とする請求項6又は16記載の光ディスク媒体。
【請求項22】 前記凸部を含む前記光ディスク媒体の全体高さをd2(mm)、前記ディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d2−d1<5であることを特徴とする請求項21記載の光ディスク媒体。
【請求項23】 前記凸部の幅が0.1mmよりも大きいことを特徴とする請求項22記載の光ディスク媒体。
【請求項24】 前記凸部が2個の段部を有することを特徴とする請求項21記載の光ディスク媒体。
【請求項25】 前記凸部の外周面を、前記光ディスク媒体の半径方向において前記記録層の前記信号開始境界に対応する位置の内側に配置したことを特徴とする請求項24記載の光ディスク媒体。
【請求項26】 前記凸部の前記外周面と内周面の少なくとも一方が前記レーザ光投入面に垂直な面に対して傾斜していることを特徴とする請求項25記載の光ディスク媒体。
【請求項27】 前記凸部の内周面を変形させることを特徴とする請求項21記載の光ディスク媒体。
【請求項28】 前記凸部を超音波又は熱で溶解することによって変形させることを特徴とする請求項26記載の光ディスク媒体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は、高密度に対応した光ディスク媒体に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、光ディスクのAV(オーディオ・ビジュアル)への応用が活発である。例えば、主に映画コンテンツ向けのDVD(Digital Versatile Disc)では、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RWといった追記型や書換型のフォーマットが開発され、VTRの次世代録画機として普及しつつある。今後BSデジタル放送やブロードバンド通信の普及で、より高画質の圧縮映像を記録できる光ディスク・フォーマットや、同じ容量でもより小型なポータブルでネットワーク親和性の高い光ディスク・フォーマットの登場が期待される。
【0003】
これら次世代の光ディスクでは、高密度化が必須である。現在提案されているDVDでは、直径120mmのディスク内に4.7GBの容量を持つが、デジタル放送と同画質のROMや、記録再生を行うためには容量では20GB以上必要となる。この時、密度は5倍以上が必要である。
通常、光ディスクの密度は、記録再生の光ビームのスポット径に依存し、光ビームのスポット径は、λ/NA(λ:波長、NA:対物レンズの開口数)によって決まる。従って、高密度化するためには、波長を短くして、高NA化を図ることが必要になる。波長を一定とした場合、NAを高くしていくと、ディスクの傾きから起因するコマ収差が問題となってくるため、光ビームが透過する層を薄くする方法がとられる。このような方法を用いた光ディスク媒体が、特許文献1に提案されている。
【0004】
図12は、従来の光ディスク300の断面を示す。従来の光ディスク300は、光透過層301と、光透過層301を介してレーザスポット304を受ける記録層302と、基板303とを含む。基板303は、通常ポリカーボネートで形成されている。光透過層301は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されており、厚さは約0.003〜0.177mmの範囲である。このような構成の光ディスク300を用いて、従来よりも狭トラックピッチ化することにより、記録再生ビームの波長を400nm前半、NA0.85の対物レンズを用いて、DVDの5倍以上の密度が確保できる。
【0005】
しかしながら、狭トラックピッチを実現するためには、高精細・高精度な光ディスク基板の開発が不可欠である。中でも、成型工程は、狭ピッチのトラックや微細なプリピットをいかに精度良く転写できるかが重要となる。このような形状の転写を信号記録面の内周から外周まで均一に成型することは非常に困難である。通常は、成型機の金型温度を上昇させることで、内外周の転写はある程度等しく出来る。しかし、金型温度を上昇させると、基板自体のそりが大きくなり、システムとして成り立たなくなる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−326435号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、基板成型、信号品質が安定で装置の薄型化に適し、高密度な光ディスク媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の光ディスク媒体は、中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有する記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けたものである。
【0009】
【発明の効果】
本発明による光ディスク媒体を使えば、ディスクチルトを小さな値に維持したまま基板成型時の転写性を大幅に向上させることができ、且つ薄型化が図れるので、ディスクチルトが小さな値に抑えられていると共に大容量・高密度・薄型化に好適な光ディスクを提供することができる。
【0010】
【発明を実施するための最良の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の光ディスクの基板を成形するためのディスク成型金型200を示す。このディスク成型金型200を成型機に取り付けることで、光ディスク基板を作製する。基板は、固定側金型202と可動側金型203の間にできるキャビティ209と呼ばれる隙間に、導入口208より基板材料となる樹脂を充填することで形成される。信号の記録再生領域になる溝又はピットを形成したスタンパ201は、スタンパ係止部204によって固定され基板に溝又はピットが転写される。なお、固定側金型202と可動側金型203は、夫々、離型気体導入路205と206を有する。
【0011】
次に成型時の動作を説明する。最初に、可動側金型203が固定側金型202に接する前に樹脂導入口208より、高温に溶解した樹脂をキャビティ209に導入する。可動側金型203が固定側金型202と接し、圧力を加えることで、キャビティ209の隙間にディスクが形成される。この時導入する樹脂の温度は、380℃程度、固定側金型202と可動側金型203の温度は、120℃程度に設定する。金型の温度が樹脂温度に比べて低いのは、金型中において、ディスクを冷却して固めるためである。
本発明の光ディスクの基板は、このディスク成型金型200を用いて作製し、基板の凹部の形状は、環状突出部207によって様々な大きさに作製した。
【0012】
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1にかかる光ディスク30の断面を示す。光ディスク30は、ディスク成型金型200により成型した基板33、記録層32と光透過層31を含む。ディスク成型金型200により凹部34を設けた基板33は、通常ポリカーボネートで形成されている。光透過層31は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてしてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されている。図2において、記録層32の上面の外周側の信号領域107(図8)がレーザ光投入面となる一方、記録層32の上面の内周側のディスククランプ領域108(図8)が平坦に形成される。図8の外周側信号領域107と内周側ディスククランプ領域108は信号開始境界によって分離される。又、凹部34は、記録層32のディスククランプ領域108に対応する領域内で基板33に設けられている。ここでは、光透過層31が100ミクロンの厚さを有するように、ポリカーボネートシートの厚さが70ミクロン、UV樹脂の厚さが30ミクロンに設定される。本実施の形態では、UV樹脂をスピンコートすることによって、ポリカーボネートシートを記録層32に接着した。又、記録再生用の案内溝を基板33に設ける構成とし、案内溝の深さを140nmとした。更に、光ディスク30は中心穴35を有する。
【0013】
図3は、光ディスク30の基板33の成形時の半径と転写率の関係を示す。前述した従来の光ディスク300(図12)の基板303の値を比較のため図3に示した。図3において、横軸は基板33の半径(mm)を示し、縦軸は、溝深さ(nm)の転写率を示す。従来の光ディスク基板が外周部に行くに連れて、転写が悪くなるのに対し、本発明の光ディスク30の基板33では、金型温度が同じでありながらも内周から外周まで、同じ溝深さを得ることができる。
【0014】
これは、光ディスク30の基板33に凹部34を設けていることに起因する。基板33の成型時、樹脂は高温のままで金型内に導入される。しかし、金型温度は、樹脂が固化する温度であるため、樹脂の導入と同時に冷却が始まる。ここで、従来の光ディスク300の基板303のように光投入面及び反対面に凹凸がない時は、樹脂は冷却されながら外周部に到達するため、スタンパ上に形成された高密度の溝、つまり細い溝に樹脂がうまく入り込まず、結果、転写性が悪くなる。
【0015】
一方、本発明の光ディスク30の基板33の場合、金型内に入ってきた樹脂は、一度凹部34で絞りこまれる。この時、絞り込まれたことにより樹脂の圧力が高くなり、温度は、再加熱された状態となる。従って、凹部34を通過した樹脂は、温度が高いまま基板33の外周部まで到達する結果、高密度に構成された溝にも樹脂が完全に転写される。また、金型温度を低いままで基板33の成型が可能となるため、金型温度が高温になる時の基板33のチルトの増大がない。
(表1)は、基板33の厚さを1.1mm、外径を80mmに設定し、凹部34の大きさを、基板内径から2mm、深さを0.3mmとした時の、中心穴35の直径、即ち、ディスク内径w(mm)とディスク半径方向位置r(mm)での転写率を示す。転写率は、トラックピッチ0.3ミクロン、溝幅0.2ミクロン、溝深さ30nmスタンパを用いて、成型した基板33の溝深さをスタンパの溝深さで除算して計算した。成型時の樹脂の温度は380℃、金型温度は、125℃とした。形成した溝の直径は、22〜79mmである。
【0016】
【表1】
【0017】
(表1)から、ディスク内径wが6mmと非常に小さいディスクにおいても転写率が97%と非常に良い値が得られている。ディスク内径が小さい場合、樹脂の冷却から信号外周部の転写が難しくなるが、本発明によれば、ディスク内径wが20mmよりも小さい場合十分な転写率が得られ、かつ、ディスク内径wが6mm以下であっても使用可能なディスクを作製することができる。
【0018】
図4は、基板33の厚さを1.1mm、外径を80mmと設定し、凹部34の大きさを様々に変化させた時の、凹部の大きさと転写率の関係を示す。凹部34の深さは、0.3ミクロンとした。転写率は、トラックピッチ0.3ミクロン、溝幅0.2ミクロン、溝深さ30nmスタンパを用いて、成型した基板33の溝深さをスタンパの溝深さで除算して計算した。比率Wは、ディスク内径をw(mm)とし、凹部34の直径をw1(mm)とした時の(w/w1)で示した。この時、凹部34の幅b(mm)は、式{b=(w1−w)/2}で表される。
【0019】
図4より、内径wによらず、比率Wが0.89では、若干の転写率の低下がみられるが、95%程度であるため、記録再生にはほとんど影響のないレベルだと考えられる。なお、記録再生を満足なレベルで行うために、転写率は90%を越えることが好ましい。本発明の光ディスク基板33を用いた実施の形態によって、内径wが8〜15mmまでにおいて、Wが0.44〜0.89までの間で十分な転写率が得られることが可能になった。
【0020】
また、図4で内径wが15mm又は16mmで、W=1のところは、従来のディスク形状と同じであるが、内径wが16mmの場合、本発明の効果がほとんど得られないことが分かった。これは、内径wが大きいために、樹脂の導入路が大きくなるため、転写率が上がるものと考えられる。本実施の形態では、内径wが15mmにおいて、W=1との差異が認められることから、内径wが15mm以下のディスクにおいて、本発明の効果が得られる。
【0021】
【表2】
【0022】
(表2)は、基板33の厚さを1.2mm、外径を80mmと設定し、凹部34の深さを様々に変化させた時の、凹部34の深さと転写率の関係を示す。ディスク内径wと凹部34の直径w1の比Wは、0.7とした。転写率は、先と同様にトラックピッチ0.3ミクロン、溝幅0.2ミクロン、溝深さ30nmスタンパを用いて、成型した基板33の溝深さをスタンパの溝深さで除算して計算した。図2に示すように、凹部34の深さは、凹部34の領域の深さをd、ディスク本体、即ち、部材31〜33の合計厚さをd1として、(d1−d)で表される。凹部34の深さ(d1−d)は、凹部34の底面から光透過層31の表面までの距離を表している。ここでは、凹部34の深さ(d1−d)を1.2(即ち、凹部34がない状態)から、0.1まで変化させた。
【0023】
凹部34の深さ(d1−d)を1.2mmから1.1mmにするだけで劇的に転写率が良くなることが分かった。反対に、凹部34の深さ(d1−d)が0.1では、ディスク本体が残っている厚さが0.1mmでしかないため、樹脂の充填が不十分になり転写率が下がる。さらに、この場合は成型工程から製膜工程に移動させる時の基板33のハンドリング時において、ディスク内径が変形してしまい、現実には使用に耐えないものとなった。しかしながら、凹部34の深さ(d1−d)が0.2mmになると、転写率とハンドリングが共に良くなる。ディスク本体の剛性は、おおよそ厚さの3乗に比例するため、ハンドリング時にディスクが変形することがなくなるものと思われる。このことから、凹部34の深さ(d1−d)は、0.12mmよりも小さく且つ、0.1mmよりも厚い範囲で、本発明が成り立つことが確認できた。さらに、凹部34の剛性を考えると、凹部34の深さ(d1−d)は0.3〜0.8mmの範囲が最も良い。
【0024】
図5は、光ディスク30の基板33のトラックピッチと転写率の関係を示す。ここで用いた本発明の光ディスク30は、W=0.8、d1−d=0.6mmのものを用いた。成型時に用いたスタンパは、溝の深さが30nm、溝の凹部(グルーブ)と凸部(ランド)の幅の比は1:1であり、トラックピッチをゾーンごとに変化させたものである。図5において、トラックピッチが0.4μmよりも狭くなると、従来の光ディスクでは、溝への転写が悪くなる。一方、本発明の光ディスクを用いると、トラックピッチ0.2μmにおいても、十分な転写が可能となった。
【0025】
なお、本実施の形態では、外形を80mmと設定し実験をおこなったが、この外形に限定されるものではなく、例えば外形が約50mmや120mmの光ディスク基板においても同様の効果がえられる。
【0026】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2にかかる光ディスク50の断面を示す。光ディスク50は、ディスク成型金型200により成型した基板51、記録層52と光透過層53を含むと共に、凹部54を有する。ディスク成型金型200により凹部54を設けた基板51は、通常ポリカーボネートで構成されている。光透過層53は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されている。ここでは、光透過層53が100ミクロンの厚さを有するように、ポリカーボネートシートの厚さが70ミクロン、UV樹脂の厚さが30ミクロンに設定される。又、記録再生用の案内溝を基板51に設ける構成とし、案内溝の深さを140nmとした。更に、磁性体からなるハブ55を、基板51の凹部54に装着する。ハブ55は、凹部54の上に接着剤で固定されるか又は、基板51の一部を超音波溶着して固定される。
【0027】
通常、光ディスク50のターンテーブルへの固定は、ディスクの上面に位置するハブによって機械的に固定する方法と、ターンテーブルにディスク固定爪をもち、ディスクを下から突き当てることによって固定する方法、磁性体からなるハブを装着しモータ上に磁石を配置することによって固定する方法がある。ディスクの上面にハブを配置すると、ハブ部分の高さが必要になってくるため、ディスクドライブの薄型化を考える上では、不利となる。そこで本発明では、図6に示した磁性体からなるハブ55を本発明の光ディスク50の凹部に装着した。
磁性ハブ55は、凹部54の外周面を押しつぶして固定しても良いが、凹部54の形状を変化させることで簡単に作成することができる。
【0028】
図6の光ディスク50において磁性ハブ55を確実に基板51に装着するために、図7(a)と図7(b)は、図6の光ディスク50の第1変形例である光ディスク90を示す。基板91、記録層92、光透過層93、凹部94と磁性ハブ95に加えて、光ディスク90は、基板91に磁性ハブ95を溶着する凸部96を備える。光ディスク90の磁性ハブ95は図6の磁性ハブ55と等価である。図7(b)は、凸部96を超音波溶着又は熱により光ディスク90の半径方向で内方に押しつぶした後の溶着部97の形状を示している。凹部94の周面に凸部96を設けることにより、簡単に磁性ハブ95を基板91に装着することができる。このとき、超音波溶着に必要な凸部96の高さは、超音波溶着した後に、磁性ハブ95が基板91から脱着しなければ良い。本発明の光ディスク90は、凹部94を有しているため、脱着しろは少なくてすむ。凸部96を含む光ディスク90の全体高さをd2とし、ディスク本体の厚さ、即ち、部材91〜93の合計厚さをd1として、凸部96の高さ(d2−d1)は、基板91の光投入面と反対側に1mm程度あれば十分であるが、実験したところ好ましくは1mmから5mmが良い。
【0029】
また、凸部96の幅は、0.1mm以上を基板91上に形成することにより、溶着部97が構成できる。実験の結果、凸部96の幅は、0.2mm以上が好ましいが、0.2〜10mmがより好ましい。
しかしながら、例えば、幅0.1mm、高さ5mmの凸部96を射出成形した時、凸部96への樹脂の転写が不安定となる。また、凹部94を通過した樹脂は、凸部96が存在するため、樹脂の流れが乱され、凸部96の下面、即ち、ディスクをクランプする領域も不安定となる可能性がある。
【0030】
そこで、凸部96を安定的に形成するために、図8は、図6の光ディスク50の第2変形例である光ディスク100を示す。光ディスク100は、基板101、記録層102、光透過層103、凹部104、磁性ハブ105と凸部106を備えると共に、記録層102の外周側と内周側に、夫々、配置された信号領域107とディスククランプ領域108を有する。信号領域107とディスククランプ領域108は信号開始境界によって分離される。図8において、記録層102の下面の信号領域107がレーザ光投入面を占める一方、記録層102の下面のディスククランプ領域108が平坦に形成される。又、凹部104は、記録層102のディスククランプ領域108に対応する領域内で基板101に設けられている。光ディスク100では、凸部106が、2個の段部t1とt2を有する。凸部106が2個の段部t1とt2を有することにより、樹脂は、光ディスク100において図7の光ディスク90よりも円滑に流動する。そのため、ディスククランプ領域108を犠牲にすることなく、溶着しろを作成できる。凸部106の内周面f1と外周面f2は、光投入面に垂直であっても構わないが、光投入面に垂直な面に対して傾斜させる方が樹脂の流動性のためにより好ましい。図8の凸部106では、内周面f1は光投入面に垂直であり、外周面f2だけを光投入面に垂直な面に対して傾斜させている。
【0031】
また、凸部106の外周面f2を、光ディスク100の半径方向において記録層102の信号開始境界に対応する位置の内側に配置することにより、射出成形時の圧力が信号領域107で再び高くなるため、転写が有利に働くと共に、ディスククランプ領域108の強度が上がるという2つの利点が得られる。実験によれば、傾斜させた領域f2も含めて凸部106の幅は、1mm以上あれば良いが、2〜8mmがより望ましい。
【0032】
図9は、図6の光ディスク50を装着したモータドライブの断面を示す。磁性ハブ55を装着した光ディスク50が、カートリッジ113内に導入される。光ディスク50は、モータ114内に配置した磁石111により保持される。図9に示すように、本発明の光ディスク50を用いた場合には、磁性ハブ55を用いることにより、機械的にディスクを固定する場合よりもモータドライブを薄く設計できると共に、凹部を持たない光ディスク形状に比べて、カートリッジ113自体の厚さも薄くできる。
【0033】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3にかかる光ディスク120の断面を示す。光ディスク120は、光透過層121、第1記録層122、UV樹脂からなる中間層123、第2記録層124とディスク成型金型200により成型した基板125を含むと共に、凹部126を有する。ディスク成型金型200により凹部126を設けた基板125は、通常ポリカーボネートで形成されている。光透過層121は、ポリカーボネートの薄いシートと、接着剤としてのUV樹脂又は感圧性接着剤などとで構成されている。
【0034】
本発明の光ディスク120の中間層123及び第一記録層122の作製方法を説明する。まず基板125を成型した後、信号の記録再生を行う第二記録層124をスパッタリングによって製膜する。製膜後、UV樹脂をスピンコートすることによって中間層123を形成する。第一記録層122用のスタンパを中間層123に密着させ、溝を中間層123に作製する。第一記録層122用のスタンパを取り外した後、第一記録層122を第二記録層124まで光が透過するような厚さに調整しながらスパッタリングによって製膜し、さらに、実施の形態1と同様に、ポリカーボネートシートを第1記録層122に接着することによって、光透過層121を形成する。ここでは、第二記録層124から光透過層121の表面までの厚さが100ミクロンとなるように、中間層123の厚さを25ミクロン、ポリカーボネートシートの厚さを50ミクロン、UV樹脂の厚さを25ミクロンに設定した。
【0035】
光ディスク120の記録再生は、記録層122と124の各々にフォーカス、トラッキングを合わせて行う。このため、第一記録層122を透過した光及び反射光によって、第二記録層124の記録再生することになる。第一記録層122を通過してきた第二記録層124の反射光は、記録層が一層しかない時に比べて光量が低下するため非常に精度を高くすることが要求される。本実施の形態では、光透過層121の反対側の面に凹部126を設ける構成にし、溝の転写率を増加させることができるため、従来の光ディスクよりも高精度な溝を作製することが可能となる。
【0036】
図11は、図10の光ディスク120の変形例である光ディスク130を示す。光ディスク130では、図6の磁性ハブ55に相当する金属ハブ135が凹部126に装着されている。従って、光ディスク130では、図10の光ディスク120の効果に加えて図6の光ディスク50の効果を得ることができる。
【0037】
本発明の実施の形態では、光透過層にポリカーボネートのシートを用いたが、限定するものではなく、例えばオレフィン系の樹脂シートやアクリル樹脂シート、又はUV樹脂のみやUV樹脂とポリカーボネートのシートを代用しても良い。
また、光透過層の厚みを0.1mmとしたが、限定するものではなく、例えばポリカーボネートシートの厚みを0.25mm、UV樹脂の厚みを50μmとして0.3mmの光透過層を作製しても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ディスクの基板を成形するためのディスク成形金型の断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1にかかる光ディスクの断面図である。
【図3】 図2の光ディスクの基板の成型時の半径と転写率の関係を表すグラフである。
【図4】 図2の光ディスクの凹部の大きさと転写率の関係を示す表である。
【図5】 図2の光ディスクのトラックピッチと転写率の関係を表すグラフである。
【図6】 本発明の実施の形態2にかかる光ディスクの断面図である。
【図7】 (a)と(b)は、図6の光ディスクの第1変形例である光ディスクの断面図である。
【図8】 図6の光ディスクの第2変形例である光ディスクの断面図である。
【図9】 図6の光ディスクを装着したモータドライブの断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態3にかかる光ディスクの断面図である。
【図11】 図10の光ディスクの変形例である光ディスクの断面図である。
【図12】 従来の光ディスクスクの断面図である。
【符号の説明】
30 光ディスク
31 光透過層
32 記録層
33 基板
34 凹部
35 中心穴
50 光ディスク
120 光ディスク
Claims (28)
- 中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有する記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けたことを特徴とする光ディスク媒体。
- 前記凹部の領域の直径が11mm以上とすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク媒体。
- 前記中心穴の直径をwとし、前記凹部の直径をw1とした時、W=w/w1で示す比率が0.4〜0.9とすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク媒体。
- 前記凹部の領域の深さをd(mm)、前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d1−dが0.1<d1−d<1.2とすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク媒体。
- トラックピッチが0.4ミクロン以下であることを特徴とする請求項1記載の光ディスク媒体。
- 中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有する記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けると共に、磁性プレートを前記凹部に装着したことを特徴とする光ディスク媒体。
- 前記凹部の領域の直径が11mm以上とすることを特徴とする請求項6記載の光ディスク媒体。
- 前記中心穴の直径をwとし、前記凹部の直径をw1とした時、W=w/w1で示す比率が0.4〜0.9とすることを特徴とする請求項6記裁の光ディスク媒体。
- 前記凹部の領域の深さをd(mm)、前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d1−dが0.1<d1−d<1.2とすることを特徴とする請求項6記載の光ディスク媒体。
- トラックピッチが0.4ミクロン以下であることを特徴とする請求項6記載の光ディスク媒体。
- 中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有すると共に、少なくとも2層から成る記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けたことを特徴とする光ディスク媒体。
- 前記中心穴の直径が15mm以下とすることを特徴とする請求項11記載の光ディスク媒体。
- 前記中心穴の直径をwとし、前記凹部の直径をw1とした時、W=w/w1で示す比率が0.4〜0.9とすることを特徴とする請求項11記載の光ディスク媒体。
- 前記凹部の領域の深さをd(mm)、前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d1−dが0.1<d1−d<1.2とすることを特徴とする請求項11記載の光ディスク媒体。
- トラックピッチが0.4ミクロン以下であることを特徴とする請求項11記載の光ディスク媒体。
- 中心穴から半径方向で外方に信号開始境界まで延在する内周領域及び前記信号開始境界から半径方向で外方に延在する信号領域を有すると共に、少なくとも2層から成る記録層と、前記記録層の上に配置された光透過層とを備えて、前記光透過層を介して前記記録層より情報の再生又は記録と再生を行うように、前記記録層の前記光透過層側の面の前記信号領域がレーザ光投入面を占める光ディスク媒体において、前記記録層の前記光透過層側の前記面の前記内周領域が平坦に形成されており、更に、前記光ディスク媒体の前記光透過層と反対側の面に、前記記録層の前記内周領域に対応する領域内で凹部を設けると共に、金属プレートを前記凹部に装着したことを特徴とする光ディスク媒体。
- 前記凹部の領域の直径が11mm以上とすることを特徴とする請求項16記載の光ディスク媒体。
- 前記中心穴の直径をwとし、前記凹部の直径をw1とした時、W=w/w1で示す比率が0.4〜0.9とすることを特徴とする請求項16記載の光ディスク媒体。
- 前記凹部の領域の深さをd(mm)、前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d1−dが0.1<d1−d<1.2とすることを特徴とする請求項16記載の光ディスク媒体。
- トラックピッチが0.4ミクロン以下であることを特徴とする請求項16記載の光ディスク媒体。
- 前記光ディスク媒体のディスク本体の厚さに対して所望の高さを有する凸部を、前記光ディスク媒体の前記光透過面と反対側の前記面に設けたことを特徴とする請求項6又は16記載の光ディスク媒体。
- 前記凸部を含む前記光ディスク媒体の全体高さをd2(mm)、前記ディスク本体の厚さをd1(mm)とした時、d2−d1<5であることを特徴とする請求項21記載の光ディスク媒体。
- 前記凸部の幅が0.1mmよりも大きいことを特徴とする請求項22記載の光ディスク媒体。
- 前記凸部が2個の段部を有することを特徴とする請求項21記載の光ディスク媒体。
- 前記凸部の外周面を、前記光ディスク媒体の半径方向において前記記録層の前記信号開始境界に対応する位置の内側に配置したことを特徴とする請求項24記載の光ディスク媒体。
- 前記凸部の前記外周面と内周面の少なくとも一方が前記レーザ光投入面に垂直な面に対して傾斜していることを特徴とする請求項25記載の光ディスク媒体。
- 前記凸部の内周面を変形させることを特徴とする請求項21記載の光ディスク媒体。
- 前記凸部を超音波又は熱で溶解することによって変形させることを特徴とする請求項26記載の光ディスク媒体。
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