JPH0524332U - デイスク成形金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディスク内周部の複屈折率を低く抑え、優れ
た光学特性を有するディスク成形品を製造するためのデ
ィスク成形金型を提供する。 【構成】 ゲートインサート１５表面を固定側ミラープ
レート１４表面より５０〜１００μｍ、およびスタンパ
インナホルダ３５表面を前記可動側ミラープレート２４
に配設されたスタンパ３７表面より５０〜１００μｍそ
れぞれキャビティ１９内方へ突設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はディスク成形金型に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ドローディスクあるいはコンパクトディスクなどのディスク盤においては、そ の表面に形成された信号が正確に読み取られるために、該ディスク盤が優れた光 学特性を有していること、すなわち複屈折率が低く抑えられることが重要であっ た。

【０００３】 しかしながら、従来のディスク成形金型では、図４に示されるように、ディス ク成形品の半径２２ｍｍ近辺における複屈折率を、ダブルパス（ＷＰ）で±１０ ｎｍ以下に抑えることができなかった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は上記した問題点に鑑み提案されたものであって、ディスク内周部の 複屈折率を低く抑え、優れた光学的特性を有するディスク成形品を製造するため のディスク成形金型を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

すなわち、この考案は、固定型側の固定側ミラープレートの中心部のスプルー ブッシュの外周にゲートインサートを有し、可動型側の可動側ミラープレートの 中心部にはスタンパインナホルダを有するディスク成形品を射出成形するための 金型において、前記ゲートインサート表面を前記固定側ミラープレート表面より ５０〜１００μｍ、および前記スタンパインナホルダ表面を前記可動側ミラープ レートに配設されたスタンパ表面より５０〜１００μｍ、それぞれキャビティ内 方へ突設したことを特徴とするディスク成形用金型に係る。

【０００６】

【実施例】

以下添付の図面に従ってこの考案を詳細に説明する。 図１はこの考案のディスク成形金型の一例を示す断面図、図２はその要部拡大 断面図、図３はこの考案のディスク成形金型によって得られたディスク成形品の 複屈折率を示すグラフである。

【０００７】 この考案のディスク成形金型を図１に示す。 符号１０は固定型であり、これに固定側取付盤１２および固定側嵌挿部材１３ を介して固定側ミラープレート１４が取り付けられる。符号１４ａは前記固定側 ミラープレート１４に形成された冷却溝、１７はロケートリング、１９はディス ク成形品キャビティである。

【０００８】 固定側ミラープレート１４の中心部には，その外周にゲートインサート１５を 備えたスプルーブッシュ１６が摺動自在に嵌挿されている。 前記ゲートインサート１５表面は固定側ミラープレート１４の表面より５０〜 １００μｍの高さに前記キャビティ１９内側に突設して形成されている。

【０００９】 一方、符号２０には可動型が示される。図示しない可動側取付部材を経て可動 側盤２５および可動側嵌挿部材２７を介して可動側ミラープレート２４が取り付 けられている。符号２４ａは前記可動側ミラープレート２４に形成された冷却溝 、３０はオスカッタ、３１は前記オスカッタに設けられた突出しピン、３３はエ ジェクタ、３４はブッシュである。

【００１０】 この可動側ミラープレート２４の表面には、スタンパ３７がスタンパアウタホ ルダ３６およびスタンパインナホルダ３５によって配設される。このスタンパ３ ７の厚みは概ね０．２８〜０．３０ｍｍに形成されている。 この時、図２からよりよく理解されるように、前記スタンパインナホルダ３５ の表面が、スタンパ３７表面より５０〜１００μｍだけキャビティ１９内側に突 設するように形成される。すなわち、ゲートインサート１５表面とスタンパイン ナホルダ３５によって規定された成形品キャビティ１９の中心部分（ディスク内 周部）が他のキャビティ部分に比べて１００〜２００μｍ狭くなるように段差を つけて形成されるのである。 このようにキャビティ中心部に狭部を設けることにより、成形されるディスク 成形品の光学特性を飛躍的に向上させることを見出したのである。

【００１１】 この考案のディスク成形金型によって成形されたディスク成形品の、ダブルパ スにおける複屈折率を図３に示す。このグラフにおいて、横軸はディスク成形品 中心部からの距離である。 図示のように、従来の金型では成形品の半径２２ｍｍ近辺の複屈折率が±１０ ｎｍを越えてしまうのに対し、本考案の金型によって成形したディスク成形品で は±１０ｎｍ以下に抑えることができた。

【００１２】

【考案の効果】

以上図示し説明したように、この考案のディスク成形金型によれば、得られた ディスク成形品のダブルパスにおける複屈折率を±１０ｎｍ以下に抑え、光学特 性の優れたディスク成形品を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案のディスク成形金型の一例を示す断面
図である。

【図２】その要部拡大断面図である。

【図３】この考案のディスク成形金型によって得られた
ディスク成形品の複屈折率を示すグラフである。

【図４】従来のディスク成形金型によって得られたディ
スク成形品の複屈折率を示すグラフである。

【符号の説明】

１０ 固定盤 １４ 固定側ミラープレート １５ ゲートインサート １６ スプルーブッシュ １９ キャビティ ２０ 可動型 ２４ 可動側ミラープレート ３５ スタンパインナホルダ ３７ スタンパ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定型側の固定側ミラープレートの中心
   部のスプルーブッシュの外周にゲートインサートを有
   し、可動型側の可動側ミラープレートの中心部にはスタ
   ンパインナホルダを有するディスク成形品を射出成形す
   るための金型において、 前記ゲートインサート表面を前記固定側ミラープレート
   表面より５０〜１００μｍ、および前記スタンパインナ
   ホルダ表面を前記可動側ミラープレートに配設されたス
   タンパ表面より５０〜１００μｍ、それぞれキャビティ
   内方へ突設したことを特徴とするディスク成形用金型。