JP2002063734A - 情報記録媒体用射出成形基板 - Google Patents

情報記録媒体用射出成形基板

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JP2002063734A
JP2002063734A JP2000248594A JP2000248594A JP2002063734A JP 2002063734 A JP2002063734 A JP 2002063734A JP 2000248594 A JP2000248594 A JP 2000248594A JP 2000248594 A JP2000248594 A JP 2000248594A JP 2002063734 A JP2002063734 A JP 2002063734A
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ring
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recording medium
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JP2000248594A
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English (en)
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Atsushi Yusa
敦 遊佐
Yoji Yamanaka
洋司 山中
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反り変形が生じにくく、強度が高い上、リタ
ーデーションが小さい情報記録媒体用の薄肉射出成形基
板を提供する。 【解決手段】 リング状溝の形成によって該基板の厚み
の最も薄くなっている領域T1と前記スタックリング4の
設けられている領域T2が半径方向にオ−バ−ラップさせ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は情報記録媒体用射出
成形基板に係わり、該基板を用いた情報記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】情報記録媒体の一つとして光ディスクが
ある。この光デイスクは高密度化に伴い、射出成形され
るプラスチック基板は薄肉化され、現在ではDVD等で
採用されている厚さ0.6mmの単板が主流である。こ
のDVDの形態は図4に示すように、厚さtが0.6m
m単板基板5を2枚貼り合わせ光ディスクとなる。こう
した貼り合わせ光ディスクはプリピットやプリグルーブ
が基板上に刻まれた記録信号面同士を貼り合わせるた
め、レーザー光入射面は貼り合わせ面と反対になる。記
録信号面上には反射膜や相変化記録膜等からなるスパッ
タや蒸着によって設けられた記録膜22、および該記録膜
を酸化等より保護する紫外線硬化樹脂等からなる保護膜
36が順次積層されている。さらにそれら各単板は紫外線
硬化接着剤等よりなる接着層29を介して貼り合わせられ
ている。接着剤と保護膜が一体化されている場合もあ
り、記録膜が片側にしか設けられていない場合もある。
単板基板の内周近傍Aの範囲における拡大図を図7に示
す。内周該単板基板の貼り合わせ面における記録信号面
より内径側には最大深さd1が0.2mm程度のリング状
溝6が設けられており、レーザー光入射面側には最大高
さd2が0.2mm程度のスタックリング4と呼ばれるリ
ング状突起が設けられている。スタックリング4は基板
を重ね集積した際、基板同士が接触しないようにするた
めの突起である。
【0003】次に従来における光ディスク成形基板の製
造方法および製造装置について詳細に説明する。基板を
製造する成形機および成形金型の要部断面図を図11に
示す。固定プラテン121および可動プラテン122上に固定
金型123および可動金型124が取りつけられ、成形機にお
ける4本のタイバー126をガイドとして直厚式やトグル
式等の型締め機構127に連動した可動プラテン122および
それに固定されている可動金型124が図11でいえば左
右に駆動することで金型の開閉および型締めが行われ
る。さらに図11の金型では可動金型124内に独立した
コア圧縮機構128を有している。これは成形機側の型締
め機構127内に設けられた油圧ピストン129等によって型
締め以外にもキャビティ内に圧力をかけることのできる
もので、例えば特公平7−119034等で公知であ
る。該圧縮金型の場合、可動金型124に成形機側型締め
ピストン127の力により型締め力がかかり固定金型123と
の勘合あわせ面46が閉じた状態にて、圧縮コア機構128
が成形機の圧縮ピストン129によって固定金型123側に前
進し(図中右方向)固定金型123の勘合あわせ面47にぶ
つかりキャビティ間距離が最小値となった距離をキャビ
ティ厚み44とし、それらキャビティ間距離の最小値より圧
縮コア機構128が最後退し可動金型124にぶつかるまでの
距離45が圧縮量と定義される。該圧縮量45はキャビティ
厚み44に対し大きい程、圧縮効果が大きくなるためリタ
ーデーション低減には望ましい。しかし、従来の金型構
造では圧縮コア機構128が可動金型124に対し例えば図示
しないガイドピンやリティーナ等による一種類のガイド
機構により調芯されていたため、圧縮量45を大きくした
場合つまり圧縮コア機構128の駆動距離を長くした場
合、成形機の圧縮ピストン129の傾きを矯正できずキャ
ビティが傾き基板の板厚むらが大きくなる等の問題が生
じた。レーザーのNAを高くしてレーザー光入射面側か
らの絞り率をあげている例えばDVD−RAM(片面
4.7GB)ディスク等では板厚の一周むらは戻り光量
が変化する要因となるため圧縮量を大きくして成形する
ことは量産安定性の観点より実現困難となっていた。
【0004】また、金型にはプリピットやプリグルーブ
が形成されたNi等からなる厚み0.3mm程度のスタ
ンパ11が、固定もしくは可動金型の少なくともどちらか
一方に取り付けられているが、図11は固定金型に取り
付けられた例である。金型が閉じられることで温調回路
の溝9を流れる温調水により温度制御された固定鏡面102
および可動鏡面101の間における空間にキャビティ111が
形成され、該キャビティ111に成形機可塑化シリンダー1
30内で溶融されたポリカーボネート等からなるプラスチ
ック樹脂がスプールブッシュ17を通りキャビティ内に充
填されることで該スタンパの信号を転写した基板が形成
される。基板が充填直後の未固化状態にあるとき、成形
機プラテン内に内蔵された油圧や空圧のシリンダーを介
し、カットパンチ108が前進することによりキャビティ1
11内で内径が打ち抜かれドーナッツ状の製品とスプール
が分離される。基板が金型内で冷却された後、可動プラ
テン122および可動金型が開くが、基板内径部がカット
パンチにくらいつくため可動金型に残される。基板の離
型は固定側においては離型エアー、可動金型では型開き
後に離型エアーとエジェクター19の突き出しによって行
われる。
【0005】また基板外径を形成する外周リング10はス
タンパ側もしくは反スタンパ側に保持されるが、これは
反スタンパ側に保持された例である。この構造は外周リ
ング10と反スタンパ側鏡面との調芯が維持されやすいメ
リットがあり、特公平5−79489等で公知である。
また射出時に樹脂の内圧に負けないように外周リングを
スタンパ側に突き出す力が必要となり、この駆動源とし
てはエアーやバネ等が用いられる。
【0006】従来の金型においてはバネ力やエアー圧等
の力を直接外周リングに伝達する方式をとっていたが、
このような従来の方法では、高温時に鏡面や外周リング
の熱膨張差等によって両部品におけるクリアランスに偏
りが生じる等の問題が発生した。よって樹脂の内圧に負
けてしまいスタンパとの間にバリが入りやすいので、外
周リングを突き出す力を100kgf以上と高くしなけ
ればならなかった。そして射出充填圧を高くするのを避
ける必要があったため、射出速度を速くするのに限界が
あった。これによって樹脂粘度を低下させることに限界
が生じリターデーション改善が困難となっていた。
【0007】図11の金型におけるスタンパ内周取りつ
け部近傍の拡大図を図12に示すが、スタンパ11はスタ
ンパ内周押さえ30の爪31によって固定鏡面101に保持さ
れている。またスタックリング4を形成するための台形
状のリング状溝33は、反スタンパ側である可動鏡面102
の内側部品である可動ブッシュ32等の表面に刻まれる。
スタックリングをより内径側に配置した方が、可動ブッ
シュ32の外径も小さくでき可動鏡面102の温調溝9をより
内径側に配置することができ内周部における冷却効率を
あげることができる。
【0008】一方、スタンパ押さえの爪31には基板厚を
薄くし絞り込むことによってせん断速度を速くすること
で実効的な樹脂粘度を低下させる働きがある。この絞り
効果は例えば特願平2-161074に記載されている
が、爪31とスタックリングを形成する溝33の位置が重な
ると上述した効果はなくなる。そして 単板基板の厚み
が薄く特に内周の面内(垂直入射)リターデーションが
径方向成分に大きくなりやすいため樹脂温度を高温化し
粘度を低下させなければならないDVD等では爪31と溝
6を離した位置に設けていた。面内のリターデーション
がDVD等で特に内周部において大きくなりやすい推定
メカニズムおよび解決方法については、本発明者らが特
願2000−052015に記載している。
【0009】DVD基板を成形するための一般的なスタ
ンパ押さえ近傍の構造について図12を用いて説明す
る。まず第1の例としては、スタンパ内径ΦD1が37.
4mmのときでのときであるが、このとき爪の立ち上が
り直径ΦD2はΦ35〜36mm程度であり、スタック
リングを形成する溝の基点ΦD3および終点ΦD4はΦ3
3〜36mmの範囲に設けられる。
【0010】つまりこの場合、爪31よりもスタックリン
グ33の方が内周側に位置する。上述したようにスタック
リング33をスタンパ押さえ爪31と同等程度の外径寄りに
配置すると、リターデーションが悪化する上、可動鏡面
の温調溝9を外径側に配置しなければならず基板内周部
の冷却効率が低下するためであった。
【0011】また第2の例として、スタンパ内径ΦD1
がΦ22mmと小径化された所謂スーパーピクチャータ
イプがある。このタイプは貼り合わせ接着剤にスピンコ
ートによる紫外線硬化樹脂を用いる場合、樹脂が溝に入
りこみにくく、より内周まで接着剤を塗布できるため望
ましいとされる。この場合、スタックリングの位置ΦD
4はドライブのスピンドルにチャッキングされる面であ
るΦ22〜Φ33程度の範囲に設けられたリファレンス
面を避けるためΦ33mmより外周寄りになる。またこ
の場合、溝が信号面より遠ざかるため絞り込みによるリ
ターデーションの改善効果が小さくなる。よってスタッ
クリングの幅、高さ等は極力小さくすることもある。
【0012】このように、従来におけるDVD等に用い
られるプラスチック基板5の成形用金型はスタンパ押さ
え爪31とスタックリング33の位置を半径方向にずらした
ものになっていたため、スタンパ押さえ爪によって形成
される溝の深さが基板の厚みtの1/3程度となり、基
板の強度が著しく低下する個所が内周部にあった。本発
明者らは該溝が基板の反り変形に多大な影響を及ぼすこ
とを見出したのでそれについて説明する。
【0013】まず成形後における基板単体を観察すると
板厚0.6mmのDVD基板では内周部のクランプエリ
アを押すことで反り量、および反り方向が変化してしま
うことがある。特に、金型温度を120℃以上と高温に
するDVD-RAM、DVD-R等や成形サイクルを短く
した場合に顕著となった。この現象について図8の模式
図を用いて説明するが、内周クランプ部にかける力Pの
方向を変えると基板の反り方向が逆転してしまう。DV
Dの貼り合わせ方法として、紫外線硬化樹脂を塗布後、
プレス工程によって単板同士を貼り合わせるものがある
が、この貼り合わせ方法は多少単板の反り量が大きくて
も互いの反り量がある程度等しければ、貼り合わせ後の
反りは低減できるという利点があった。しかしながら上
述したように応力をかけた場合に反りが変化してしまう
と、プレス時に発生する応力により瞬間的に互いの反り
方向がばらばらに変化してしまう。その影響によって貼
り合わせられたディスクの反り量が規定値以内に入らな
いという問題が生じた。
【0014】この基板反りの不安定な状態はベークする
と低減できることが本発明者らの検討で判明している。
このことより、上記成形後に生じる基板強度の不安定な
状態は金型内における冷却歪みや、金型取り出し時に取
り出し機吸着パットからの吸引力により生じる不均一な
冷却歪みが原因と考えられる。しかし上述した機械的に
不安定な状態を取り除こうとした場合、80℃のベーク
温度の場合1時間以上ベークしないと完全に緩和できな
いので過分なベーク工程を必要としない、つまり基板中
における水分の脱水を目的としたベーク工程の必要がな
いDVD-ROM、DVD-Rでは問題となっていた。こ
れらの問題は本発明者らの検討によれば剛性は厚みの3
乗に比例するので、基板内周部に設けられた溝により板
厚が2/3程度になっている個所で、著しく強度が低下
することにより顕著になっていることが判明した。
【0015】また、たとえ基板を80℃の環境下で数時
間ベークし応力に対して反り方向が変化しないようにし
ても、成形後の工程において高温環境下におかれた際に
ベーク前と同様に反りが不安定になることがわかった。
例えばスパッタ装置内で基板の内外周をホルダー等でマ
スキングした状態でスパッタしたときに、基板温度が上
昇しスパッタ直後の反り量が著しくばらつくことがあっ
た。この現象はスパッタチャンバー内における基板温度
の高いほど顕著になるので、ターゲットにかかる放電パ
ワーを高くしてスパッタ成膜レートをあげようとした
り、積層数を増やすと単板基板の反りがばらついたりう
ねりが生じる問題が大きくなり生産性を向上させること
が困難となっていた。
【0016】上述したように従来の薄肉射出成形基板に
おいては、高温成形時や後工程で高温環境下におかれた
場合などに反りのばらつきが発生した。これは金型のス
タンパ押さえの爪によって形成された板厚の1/3程度
を占める溝部で局所的に強度が低下することが主要因で
あることを本発明者らは解明した。しかしながら、該溝
部が成形時におけるリターデーション低減の効果を有し
ていたため溝部とスタックリングを意図的に離した位置
に配置する必要があり上記問題は避けられないものとな
っていた。そしてリターデーションを改善するためにス
タンパ押さえの爪高さを高くすることもあったが、こう
した場合上述した問題はより顕著になった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はこれら
従来技術の問題を解決するためなされたものであり、後
工程等においても反り変形が生じにくく、生産効率を向
上することのできる情報記録媒体用の薄肉射出成形基板
を提供することにある。そして該薄肉射出成形基板は強
度が高い上、リターデーションが小さい。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明においては、少な
くとも一方の面には信号記録面内周側に最大深さ0.1
mm以上のリング状溝6を有し、一方反対側の面には該
リング状溝6に対峙した最大高さ0.1mm以上のスタ
ックリング4を有する情報記録媒体用射出成形基板にお
いて、該基板の厚みtが0.8mm以下であり、該リン
グ状溝の形成によって該基板の厚みの最も薄くなってい
る領域T1と前記スタックリング4の設けられている領
域T2が半径方向にオーバーラップしている構成とし
た。より望ましくは、該リング状溝の形成によって該基
板の厚みの薄くなっている領域T3と全記スタックリング
4の設けられている領域T2が半径方向にオーバーラッ
プしている構成である。かかる射出成形基板は成形後に
おいて反り量が応力に対して変化することが少なく、ま
たスパッタ等で高温になったとしても同様に反り量がば
らつくことが少ない。よって貼り合わせ時において各単
板の反り量を安定させることができ、結果反り量の小さ
い貼り合わせ情報記録媒体を提供できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に薄肉射出成形基板およびそ
の基板を用いた情報記録媒体の一例として、光ディスク
を用いて詳細に説明する。
【0020】(実施例1)図1に本実施例における光ディ
スクに用いる単板基板内周部の断面形状を示した。本実
施例では光ディスクの構成を図4に示す貼り合わせDV
Dの形態としたが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。記録信号面側に形成されるリング状の溝6におけ
る最大深さd1は本発明においては0.1mm以上であれ
ば任意であるが金型スタンパ押さえ爪の強度を確保する
ために0.13mm以上が望ましい。また本発明者らの
検討によれば0.16mm以上ではスタンパからの基板
剥離が難しくなる。よって0.13〜0.16mmが望
ましい。本実施例では0.16mmとした。そしてレー
ザ光入射面側に形成されるスタックリング4の最大高さ
d2は本発明においては0.1mm以上であれば任意で
あるが、溝d1によって低下する強度を補う意味からd
1と同等以上であることが望ましい。しかしながらd2
の高さが高すぎるとリターデーション制御が困難となる
ためd1±0.01mm以内であることが望ましい。本
実施例においては0.16mmとした。
【0021】本発明において、ディスク内周に形成され
ているリング状溝6の低部における幅T1とスタックリ
ング4の幅T2はオーバーラップしているが本実施例で
T1はΦ37.0〜Φ37.6mmの領域、そしてT2
はΦ35.5〜38.0mmの領域とした。より望まし
くは溝の全領域T3にT2がオーバーラップしているこ
とであるが、本実施例において、T3はΦ36.5〜3
7.8mmの領域でありT2がT3に完全にオーバーラ
ップしている構成とした。溝6およびスタックリング4の
形状は任意でありそれぞれ段付きになっていてもよい
が、本実施例においては図2に示すようにスタックリン
グ4を段付きの形状にしている。
【0022】本実施例における光ディスクの基板を作製
するための金型を図5に示す。成形機は図11に示すよ
うな型締め装置127とは別に圧縮コアピストン129を有す
る成形機が望ましい。また金型の調芯方式は任意である
がガイドリング等で調芯を行い可動金型内にて圧縮コア
を独立して駆動させる機構128を有することが望まし
い。圧縮コア機構金型は、固定および可動金型の突き当
てあわせ面47を成形中に殆ど開かせることなくキャビテ
ィの厚みを任意に制御できる。薄肉成形品は樹脂充填時
にキャビティを大きく開かせることで内圧を上昇させる
ことなくスムーズに充填完了を行うことが望ましいが、
金型のあわせ面47自身を大きく開かせると調芯精度が長
期的に安定しない等の問題が発生する。金型のあわせ面
を開かせる成形を行う場合、板厚や反りおよび偏芯等に
おけるショット間ばらつきを高精度に抑えるためには、
本発明者らの発明である特願平11−305594等の
技術を用いることが必要となる。本実施例の金型および
成形方法は本発明者らの発明である特願2000−05
2015に記載された内容を踏襲するものである。上述
したようにスタンパ押さえ爪による樹脂のせん断速度を
速くしリターデーションを改善する効果を排除してしま
うため、従来の金型および成形方法では高品質の基板を
作製できない。
【0023】コア圧縮部はまず従来と同様ガイドピン等
42により調芯される。しかし上述したように1種類のガ
イド方式であると成形機圧縮ピストン129が倒れた場合
に平行性が維持できないので、それ以外に1種類以上の
調芯補正機能41を設ける構造が望ましい。本実施例では
コア圧縮の倒れを補正し調芯を損なわないように調芯補
正機能41を天地方向(上下方向)2箇所に設けた。この
機能はあくまでも補正を重視した機能であり、それのみ
で調芯を正確に行うことを意図したものではない。つま
り図示しない成形機コア圧縮ピストン129が傾いた場
合、ガイドピン42がそれの影響で倒れ圧縮コア機構128
全体の傾くことを抑制できる。そして型締め圧がかかり
固定金型123および可動金型124のあわせ面47が閉じた
状態において、可動コア圧縮機構128が固定側との突き
当て面46に突き当たったときのキャビティ厚み44は0.
59mmとし、圧縮量45は0.25mmとした。圧縮量
45 はキャビティ厚み44に対し1/4から同等であること
が望ましい。
【0024】外周リング10は反スタンパ側である可動鏡
面101の外径部にボールリテイーナで圧入ガイドされる。
圧入ガイド長Eは長い程外周リングの倒れを抑制しやす
いが外周リングが大きくなり熱容量が増えても問題であ
るので10〜20mm以内とするのが望ましい。本実施
例においてガイド長Eは15mmとした。そして可動鏡
面101と外周リング10における圧入代は成形温度におけ
る両部品の熱膨張差を考慮し適正値に設定されるべきで
あり任意であるが本発明においては10μm/Rとし
た。
【0025】そして本発明の金型においては、外周リン
グ10下部に外周リング10 をスタンパ11 側に突き出すた
めのドーナッツ状のピストンリング43 を設けた。ピス
トンリング内外径はOリングでシールされておりOリン
グの摺動抵抗はピストンリング43で受けるので外周リン
グ内外径にOリングが接触しておりエアー圧力を直接外
周リング10へ流入する方式よりは該抵抗の変化が成形品
に影響しにくい。また本実施例においてはピストンリン
グが下部より流入されるエアーの周方向不均一性に左右
され傾きが生じないように内径面とそれに勘合する鏡面
外径面はクリアランスを狭くしかつ面粗度を良くして摺
動抵抗を抑制している。これら構造を有することに本発
明の金型は最低限の突き出し力で平行に外周リング10を
スタンパ11に突き当てることができる。
【0026】外周リングの突き出し力 Fは(ピストン
リング断面積)×(ピストンンリングに流入されるエア
ー圧力)で定義されるが、本発明ではガス逃げおよび溶
融樹脂の流動性が良好になりリターデーションの改善が
図れることから、F≦30kgf、より望ましくはF≦
15kgfとした。
【0027】さらに本発明の金型において、鏡面温調溝
は外周の方が内周よりも遠くしかつ断面積が狭くならな
いようにした。流動樹脂は金型に接しながら固化層を形
成していくので外周の方が充填完了後の基板表面温度が
低くなりこれがリターデーションの内外差が発生する要
因となる。よって外周の冷却効率を内周よりも下げるこ
とで上記問題が低減できる。冷却効率を下げるために
は、鏡面表面よりの距離を遠ざけるか温調断面積を広く
し温調水の流速を局所的に遅くすることが有効であるこ
とが本発明者らの検討で判明している。
【0028】本実施例に用いた金型におけるスタンパ押
さえ近傍Cにおける拡大図を図6に示した。本実施例に
おけるスタンパ内径ΦD1=Φ37.4mmであり、ΦD
2=Φ36.5mm、ΦD5=Φ37.8mm、ΦD6=3
6.8mm、ΦD7=Φ37.4mmとした。スタンパ押
さえ30は2重構造の現合加工とした。現合加工とは内側
の部品と外側の部品どちらか一方の内外径にあわせても
う片方の部品を厳しい公差で作製する方法である。スタ
ンパ側の離型エアーは一体化されたスタンパ押さえのク
リアランス15より吹き出されるので、一周内のエアーむ
らが改善されており金型組み立てにおける再現性が確保
されている。本実施例においては可動ブッシュ33も2重
構造一体化とし、離型エアーはスタックリングの一部34
が刻まれた内側におけるクリアランス13より吹き出す構
造とした。これらエアー均一性を確保する構造をとるこ
とによって基板の離型性に関するところのクラウドやT
iltの安定化が確保される。スタックリングは可動鏡
面101の内側35にも一部形成されている。鏡面に直接ス
タックリング用の溝を掘り込むことで可動鏡面の内径を
大きくする必要がなくなり温調溝を外径側に寄せなくて
も済む。リングの最内径ΦD3はインナー爪の最大高さ
となる最内径ΦD6より内側であれば任意であるが本実
施例においてはΦ35.5mmとした。
【0029】次に本実施例の金型を用い板厚0.6mm
内径Φ15mm外径Φ120mmのDVD用成形基板を
作製した。成形機は住友重機械工業製である直圧式の型
締め機構を有し、ならびにコア圧縮ピストンを内蔵し圧
縮機能を有する成形機SD30α、スタンパはDVD−
RAMフォーマット(記録容量片面4.7GB、トラッ
クピッチ0.615μm)は用い基板を作製した。基板
材料は帝人化成社製のポリカーボネート樹脂AD550
3を用いた。金型温調の設定温度は固定可動金型ともに
122℃、樹脂(シリンダー)温度は380℃、充填最
高速度は成形機の最大能力である300mm/s、充填
時間は0.08sとしたがフローマーク等の流れ不良は
発生せず、外周バリも10μm以下と小さかった。
【0030】型締め圧は30トン一定とした。本発明の
金型を用いた有効な圧縮タイムチヤートを図10に示す
が4つのゾーンに分けた。まず充填開始から充填完了よ
り0〜0.1s後の時間(圧縮圧力P1、圧縮時間PT1とす
る)、次にPT1より0.1〜1.0sまでの時間(圧縮圧
力P2、時間PT2とする)、さらにPT2から冷却完了より
0.5s〜3.0s前の時間(圧縮圧力P3、時間PT3とす
る)最後にPT3より冷却完了して型開きまでの時間(圧
力P4、時間PT4)である。P1は樹脂の流動を妨げないよ
う低圧としP2は充填直後的確に面圧を与え無理な応力を
かけずにスタンパ信号を転写させる働きがある。さらに
P3よりP4で樹脂の熱運動に伴う比容積の変化にあわせ脱
圧する。本発明において圧力の関係はP1、P4≦P3≦P2と
し、P1およびP4は0〜10トンの範囲、P2は10〜15
トン以上とし各ゾーンにおいて圧力が変化してもよく切
り換え時間は任意である。本実施例においてP1=1.5
トン(PT1は充填完了0.01sまで)、P2=22トン
(PT2=0.2s)、P3=10トン(4.0s)、P4=3
トン(0.5s)から1.0(冷却完了まで)とした。冷
却時間7.0s、成形サイクル8.5sとし作製した基板
の内径24mmより外径58mmでの平行光垂直入射リ
ターデーションはダブルパスで内周−30nm、外周+
25nmであった。なお、リターデーションの符号は径
方向と周方向の応力差に比例するものであり、詳細は高
分子論文集、Vol.47,N06,pp491−49
8等に開示されている。本実施例においては径方向の応
力が周方向のそれよりも大きいときにプラスとなるよう
定義した。本発明者らの検討によれば特願2000−0
52015に示したように光ディスクのリターデーショ
ンはベークや経時変化による応力緩和によって内周は必
ずプラスにシフトする。そして、大抵外周はマイナスに
シフトする。よってこれらを考慮すればスパッタ前にお
いて基板を脱水させるため長時間のベーク工程を行うD
VD−RAM等では成形直後のリターデーションはゼロ
ではなく内周はマイナス、外周はプラス寄りにしておく
のが思想である。本実施例の基板を80℃8時間ベーク
した後のリターデーションを測定した結果、内周は−5
nm、外周は+5nmでありゼロに近づいていた。また
ベーク前の基板の内周クランプ部を押しても反り量は変
化しなかった。
【0031】さらに本実施例における基板を図9に示す
治具上に載せ100℃にて5分ベークしたが、50枚の
各基板における外周Tilt(反り)のばらつきは≦
0.2°であった。これはスパッタ内等で高温環境下に
おかれても反りが安定することを示すものである。
【0032】(実施例2)スタンパ内径Φ22mmのス
ーパーピクチャータイプにして図3に示す通り溝の範囲
T1=Φ21〜Φ22mm、T2=Φ19〜Φ22m
m、T3=Φ19〜Φ22.4mmとなる基板形状にし
た以外は実施例1と同様な金型を作製し、同様な成形方
法でDVD−RAM基板を成形した。基板のリターデー
ションはベーク前後でそれぞれ内周は−5→+25n
m、外周は+10→−15nmとなった。実施例1と比
較すると溝が内周側に設置されている影響でやや悪化し
ているが、ベーク後で30nm以下と問題ないレベルに
コントロールされている。ベーク前の基板の内周クラン
プ部を押しても反り量は変化しなかった。さらに本実施
例における基板を図9に示す治具上に載せ100℃にて
5分ベークしたが、50枚の各基板におけるTilt(反
り)のばらつきは≦0.15°であった。
【0033】(比較例1)図7に示すスタックリング4
の範囲T2をΦ35〜Φ36.5mmとした以外は実施
例1と同様な金型で成形を行った。本比較例の基板のリ
ターデーションはベーク前後でそれぞれ内周は−50→
−20nm、外周は+40→+25nmとなった。これ
は実施例1の基板よりも充填時の樹脂粘度が下がってい
ることを示すものであり、リターデーションの制御が容
易になっていることを示すものである。本比較例におけ
るベーク前基板の内周クランプ部を押したところ反り量
が大きく変化した。さらに本実施例における基板を図9
に示す治具上に載せ100℃にて5分ベークしたとこ
ろ、50枚の各基板におけるTilt(反り)のばらつ
きは1.0°と大きくなった。またTilt周変動が悪
化しうねりが大きくなった基板があった。これより従来
の基板形状であると熱変形しやすいことが明らかとなっ
た。以上の結果より従来における基板形状はリターデー
ションを小さくする上では有利であるが、貼り合わせ時
等における反りを小さくする上では不利になることが明
確となった。
【0034】
【発明の効果】本発明の情報記録媒体用射出成形基板は
は内周強度が増したうえ、熱変形に強くため、製造マー
ジンの広い。これによってスパッタ工程などでサイクル
を短くしたり多層記録膜構造を容易に達成できるように
なる。さらにはベーク時間を短縮することができる。か
かる情報記録媒体用射出成形基板は新規な金型および成
形方法を用いることで従来困難であった絞り効果のない
形状にあっても良好なリターデーションを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の例示的一様態としての光ディスク形状で
あり図4の拡大図である。
【図2】本発明の例示的一様態としての光ディスク形状
であり図4の拡大図である。
【図3】本発明の例示的一様態としての光ディスク形状
であり図4の拡大図である。
【図4】光ディスク形状の例示的一様態を示すものであ
る。
【図5】本発明における光ディスクを作製するための例
示的一様態としての射出成形用金型の断面図である。
【図6】図5の金型における断面拡大図である。
【図7】従来の例示的一様態としての光ディスク形状で
あり図4の拡大図である。
【図8】薄肉基板の内周クランプに応力をかけたときに
反り量が変化することを説明する模式図である。
【図9】本実施例、比較例において基板をベークするた
めに用いた治具の断面図である。
【図10】本発明における射出成形時の圧縮圧力を示し
たタイムチャートである。
【図11】従来における例示的一様態としての圧縮機構
を有した成形機および金型の要部断面図である。
【図12】図11における金型の断面拡大図である。
【符号の説明】
4 スタックリング 5 基板 6 溝 9 金型温調溝 10 外周リング 11 スタンパ 17 スプール 22 記録膜 29 保護膜 30 スタンパ内周押え 31 スタンパ内周押えの爪 32 可動ブッシュ 33 可動ブッシュの溝 34 可動鏡面の溝 36 接着剤 41 コア圧縮調芯補正機能 42 ガイドピン 44 キャビティ厚み 45 圧縮量 101 固定鏡面 102 可動鏡面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AA28 AG19 AH38 AH79 CA11 CB01 CK11 5D029 KB12 KB14 KC07 5D121 AA02 DD05 DD18 GG08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の面には信号記録面内周
    側に最大深さ0.1mm以上のリング状溝6を有し、一
    方反対側の面には該リング状溝6に対峙した最大高さ
    0.1mm以上のスタックリング4を有する情報記録媒
    体用射出成形基板において、該基板の厚みtが0.8m
    m以下であり、該リング状溝の形成によって該基板の厚
    みの最も薄くなっている領域T1と前記スタックリング4
    の設けられている領域T2が半径方向にオーバーラップし
    ていることを特徴とする情報記録媒体用射出成形基板。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方の面には信号記録面内周
    側に最大深さ0.1mm以上のリング状溝6を有し、一
    方反対側の面には該リング状溝6に対峙した最大高さ
    0.1mm以上のスタックリング4を有する情報記録媒
    体用射出成形基板において、該基板の厚みtが0.8m
    m以下であり、該リング状溝の形成によって該基板の厚
    みの薄くなっている領域T3と全記スタックリング4の設
    けられている領域T2が半径方向にオーバーラップしてい
    ることを特徴とする情報記録媒体用射出成形基板。
  3. 【請求項3】 前記請求項1乃至2記載の情報記録媒体
    用射出成形基板おいて、前記スタックリングに段差が設
    けられていることを特徴とする情報記録媒体用射出成形
    基板。
  4. 【請求項4】 特許請求項1乃至2記載の情報記録媒体
    用射出成形基板において、前記基板の信号記録面内にお
    ける垂直入射リターデーションがダブルパスで30nm
    以下であることを特徴とする情報記録媒体用射出成形基
    板。
JP2000248594A 2000-08-18 2000-08-18 情報記録媒体用射出成形基板 Withdrawn JP2002063734A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003085655A1 (fr) * 2002-04-08 2003-10-16 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Disque optique

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