JP2610558B2 - ディスク用基板成形法 - Google Patents

ディスク用基板成形法

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JP2610558B2
JP2610558B2 JP4047632A JP4763292A JP2610558B2 JP 2610558 B2 JP2610558 B2 JP 2610558B2 JP 4047632 A JP4047632 A JP 4047632A JP 4763292 A JP4763292 A JP 4763292A JP 2610558 B2 JP2610558 B2 JP 2610558B2
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藤夫 松石
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    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C45/263Moulds with mould wall parts provided with fine grooves or impressions, e.g. for record discs

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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディスク用基板成形法に
関し、更に詳細には例えば光記録媒体などの基板として
用いられる樹脂板の射出成形法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大容量、高速のメモリ媒体として
光記録媒体が注目されている。光記録媒体としては再生
専用型光ディスク(CD,VD,CD−ROM等)、記
録再生型光ディスク(ライトワンス型)、記録、再生、
消去、再書込可能型光ディスク(リライタブル型)等が
知られている。これらの光記録媒体の基板としては一般
に樹脂基板(ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等)
が用いられている。
【0003】これらのディスク基板は生産性の面から通
常、射出成形法や射出圧縮成形法を用いて形成されてい
る。すなわち、固定金型と可動金型との間に型締め状態
で形成されるキャビティ内に環状で平坦なスタンパーを
取付け、キャビティ内に溶融樹脂材を射出することによ
ってスタンパーの信号(ピット)やレーザー案内溝等を
転写した偏平なディスク基板が成形される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして成形された光ディスク用基板は、成形直後には
フラットな形状を有しているが、該基板への記録層の成
膜や保護層形成等による熱的変形による応力緩和や表面
膜応力等により基板の反りを生じる、という問題があっ
た。
【0005】光ディスク用基板に反りがでると以下のよ
うな重大な問題を生ずる。すなわち、(1)その後の膜
形成基板の貼り合せに際し、径方向外側と内側とを十分
に接着することが難しく、接着不良により接着部が剥れ
易くなる、(2)反りを押えて無理に接着した場合に
は、接着部(特に基板外周縁部)に応力が残留し、これ
が局部的な光学歪を発生させる原因となる、(3)膜形
成基板の反りによりディスクを高速回転で使用する場合
には信号面の傾きによるサーボ特性の悪化を招く(単板
使用の場合)、という問題である。
【0006】このような問題を解決するために基板の径
方向内側を厚くして強度を持たせたり、内側から外側ま
での基板の厚みを変えることで回転による振動を小さく
しようとする試みがなされている(特開昭60−671
24号公報、特開昭60−131651号公報、および
特開昭60−261042号公報)が、基板の厚みを部
分的に変えることは製品設計上許容されない場合が多
く、また部分的に強度を持たせても、経時的及び熱的変
形に対してはそれほど大きな効果は認められなかった。
【0007】更に、特開平1−273244号公報に開
示されているように基板成形時に固定金型と可動金型と
の両面の温度を変えることにより反りを調整する方法も
あるが、実際問題としてこのような温度制御のみでは反
りの制御幅に限界があり、且つ安定して精度よく反りを
制御することは難しい。
【0008】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解
決するためになされたもので、極めて平坦度の高い膜形
成基板(成膜された基板)を製造することのできるディ
スク用基板形成法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のディスク用基板
成形法は、一対の金型間に形成されるキャビティ内に溶
融樹脂を射出してディスク用基板を射出成形する方法
あって射出成型されたディスク用基板の成膜後の変形
量に関する予め得られた測定結果に基づき、前記キャビ
ティ内への溶融樹脂の射出工程完了後の保圧工程から冷
却工程の間に一方の前記金型の他方の前記金型に対する
型締め圧力を加圧中に変化させることにより、成膜後の
変形方向と逆方向に前記変形量だけ変形したディスク用
基板を成形することを特徴とする。上記の成形法におい
ては、一対の金型の表面温度を互いに相違させ且つ型締
め圧力を変化させてもよい。また、一対の金型の径方向
内側と外側の温度を相違させ且つ型締め圧力を変化させ
ることも出来る。
【0010】
【作用】本発明のディスク用基板の成形法によると、一
対の金型間のキャビティ内への溶融樹脂の射出工程完了
後の保圧工程から冷却工程の間に一方の金型の他方の金
型に対する型締め圧力を加圧中に少なくとも1回変化さ
せることにより、成形されるディスク用基板に予め所定
の反りを与える。型締め圧力を変化させる際は、金型の
両面の表面温度または金型の径方向内側と外側の温度を
相違させてもよい。
【0011】ディスク用基板に与える所定の反りは、デ
ィスク用基板の成膜後の変形量に関する予め得られた測
定結果に基づいて綿密に計算されたものでありその反
り量は、基板形成後における形状の経時的変形および基
板上に成膜する時の熱応力、膜応力等による変形の量
正確に対応するように設定されている。これにより、デ
ィスク用基板に予め与えた所定に反りは、基板形成後の
形状の経時的変形や成膜による熱応力、膜応力による変
形即ち反りと相殺され、膜形成後の基板は極めて高い平
坦度を有することとなる。
【0012】
【実施例】以下、本発明のディスク用基板成形法を実施
例について更に詳細に説明する。通常、大容量メモリ媒
体としての光記録媒体(以下単に光ディスクと称する)
10は、図1に示されるようなエアーサンドイッチ構造
方式、図2に示されるような全面密着貼り合せ方式、図
3に示されるような単板コーティング方式などに大別さ
れる。
【0013】光ディスク10のこれらの構造方式は既に
知られているものであり、各図において11は樹脂製の
基板、12は記録層、13はスペーサ、14は空気層、
15は接着層、16は保護層、および17は表面保護層
(オーバコード層)をそれぞれ示している。図1に示さ
れるエアーサンドイッチ構造方式の光ディスク10は、
基板11の一面に記録層12および他面に表面保護層1
7を形成した2枚の膜形成基板を、記録層12側を対面
させ且つその間に空気層14を形成するように径方向内
周側と外周側にスペーサ13を介在させて一体化したも
のである。
【0014】また、図2に示される全面密着貼り合せ方
式の光ディスク10は前述した2枚の膜形成基板を接着
層15によって貼合せたもので、更に図3に示される単
板コーティング方式の光ディスク10は前述した膜形成
基板における記録層12の表面に保護層16をコーティ
ングし、その上に表面保護層17を更に形成したもので
ある。本発明のディスク用基板の成形法は、これらいず
れの光ディスク10における基板の成形にも適用するこ
とができる。
【0015】本発明によって成形されるディスク用基板
11においては、ポリカーボネート樹脂,アクリル樹
脂,ポリスチレン樹脂,ポリメチルメタクリレート樹脂
などが用いられる。また、記録層12としては一般に公
知の光記録として用いられる層構成のものがすべて使用
可能であり、例えば、Al,Au等の高反射率の金属か
らなる再生専用型記録層はその一例である。
【0016】更に、記録層12として、Te等の低融点
金属からなるライトワンス型(穴開けタイプ)記録層、
また例えばTbFe,TbFeCo,TbCo,DyFe
Co等の希土類と遷移金属の晶質磁性合金、MnBi,
MnCuBi等の多結晶垂直磁化膜等からなる光磁気記
録層を用いることができる。この光磁気記録層としては
単一層を用いてもよいし、GdTbFe/TbFeのよ
うに2層以上の記録層を重ねてもよい。
【0017】表面保護層17としてはエネルギー線(例
えば、紫外線)硬化型或いは熱硬化型の硬化性樹脂から
なる所謂ハードコート剤が用いられる。エネルギー線硬
化型樹脂としてはアクリレート又はメタアクリレート基
を単一或いは複数有する化合物よりなるもの、例えばエ
ポキシアクリレートやウレタンアクリレート等を主成分
としたものが好適に用いられる。また、熱硬化型樹脂と
してはシリコン系,エポキシ系,チタン系等が用いられ
る。
【0018】このような光ディスク10に用いられる基
板11は図4に示されるような成形装置20によって成
形される。この成形装置20は可動金型21と固定金型
22とを含み、可動金型21には基板11表面にピット
やレーザー案内溝即ちグルーブを転写形成するためのス
タンパー23が内外周スタンパー押え24,25によっ
て固定されている。他方、固定金型22は固定盤26に
載置されており、中央にはスプルー部27が設けられて
いる。このスプルー部27の中心には樹脂流入路27a
が形成されており、その一端27bは金型21,22間
に形成されるキャビティ28内に開口し、且つ他端27
cは射出ノズル29に接続している。そして、固定金型
22は、その外周部に配置され且つ固定盤26に取付け
られた金型押え30によって該固定盤26に固定されて
いる。
【0019】このような成形装置20を用いて本発明の
ディスク用基板成形法が実施される。すなわち、当該成
形装置20において、可動金型21が固定金型22に型
閉じされ、例えばポリカーボネートのような溶融樹脂が
射出ノズル29からスプルー部27の樹脂流入路27a
を介してキャビティ28内に射出される。溶融樹脂のキ
ャビティ28への射出工程開始前又は射出工程中若しく
は射出工程完了直後に、可動金型21は矢印A方向に高
圧で加圧される。
【0020】この可動金型21の加圧力即ち型締め圧力
は、通常、ディスク面圧力で100〜600kg/cm2
望ましくは300〜500kg/cm2 の範囲である。この
型締め圧力によりキャビティ28内の溶融樹脂は所望の
板厚のディスクにプレス成形され、スタンパー23のピ
ット又は溝等が転写される。そして、射出工程終了後こ
の型締め圧力を保圧工程から冷却工程間において段階的
に変化させる。
【0021】具体的には射出工程終了後0.1秒〜冷却
工程終了前(基板の板厚の中心部まで固化が進行する直
前)、好ましくは0.4〜2.5秒間に型締め圧力を−
90%〜+50%、好ましくは−70%〜+30%の範
囲で段階的に、即ち少なくとも1回変化させる。この型
締め圧力の変化量はその成形後の基板の形状の経時的変
形及び基板上に成膜(記録膜や保護膜等)する際の熱応
力や膜応力等による基板の変形量に見合う量についてそ
の逆方向に基板を変形させ得る量で、上述の変化範囲か
ら選択される。
【0022】なお、保圧工程は、通常射出工程終了後か
ら2秒間の範囲であり、また冷却工程は、通常保圧工程
終了後2〜20秒間の範囲である。また、反りの方向
は、通常の成形ではグルーブ側即ちスタンパー23が取
付けられている金型(通常可動金型21)側が凹状とな
る。これは、金型面とスタンパー裏面とは密着している
が、一体化はしていないので他の金型面(固定金型22
面)よりも熱伝導が悪くなり、冷却が遅くなるためと考
えられる。
【0023】この状態で溶融樹脂射出後金型を加圧状態
とすると反りが少なく、若しくは逆方向(グルーブ側即
ちスタンパー23に面した側が凸状になる)に反ること
となり、圧力を抜くと反りが更に増す(グルーブ側が更
に凹状になる)傾向がある。
【0024】更に、成形後の基板の反りについて、基板
の経時的変形は基板成形時の残留応力が環境温度で緩和
するものであるが、その反り量の変化は極めて少ない。
また、記録層形成時の反りの発生は次の2つに起因して
いる。 (1)膜形成直前に基板中の水分等を除くため、真空中
で加熱することが一般的に行なわれているが、この加熱
による基板の応力緩和で反りが発生することがある。但
し、この工程は成形直後に記録膜を形成する場合や吸水
量の極めて少ない樹脂を用いた基板の場合は行なわれな
いこともある。 (2)形成された記録膜の応力による反りの発生は記録
層材質および膜形成条件により異なるが、金属および金
属酸化物等の場合多くのものが圧縮の膜応力を持ち、基
板を記録層とは反対側の方向へ反らす。勿論、膜応力が
引っ張り応力の記録層の場合には基板は記録層が形成さ
れている側に反ることとなる。
【0025】また、表面保護層17は、一般的にはUV
硬化性、熱硬化性等の樹脂をコーティングし硬化させて
用いるが、多くのものは硬化時収縮(引張り応力で反り
は保護層形成側)する。なお、保護膜形成面は記録面側
と樹脂側の両側に形成する場合と、記録面側のみに実施
する場合とがある。
【0026】このように基板の反り量や反りの方向は基
板の材質,形状(直径,厚さ)や該基板上への記録膜及
び保護膜の種類や成膜条件等の多くの要因により決定さ
れる。従って、本発明においては予め基板成形後の形状
の経時的変形や記録膜及び保護膜の成膜による変形即ち
これらによる成膜後の基板の反り量や反りの方向を調べ
ておき、その反り量に相当する量(相殺すべき量)だけ
射出成形時の基板にその逆方向(反対方向)に積極的に
反り(湾曲,変形)を与えておくものである。換言すれ
ば、射出成型されたディスク用基板の成膜後の変形量に
関する予め得られた測定結果に基づき、型締め圧力を加
圧中に変化させることにより、成膜後の変形方向と逆方
向に前記変形量だけ変形したディスク用基板を成形す
る。
【0027】図5には基板の射出成形時における湾曲の
程度と射出工程終了後の可動金型の型締め圧力の変化量
との関係の一例が示されている。図5のグラフは、直径
130mm,厚さ1.2mmのポリカーボネート基板におい
て溶融樹脂射出時の型締め圧力を40トンに設定すれば
射出成形後の基板はほぼ平坦となるような場合、本発明
に従って、樹脂充填完了して0.6秒後に型締め圧力を
例えば50トンに変化させると、成形基板の湾曲(反
り)量は約−28μm即ちグルーブ側を凸状に約28μ
mだけ反り、また30トンに変化させると、成形基板は
グルーブ側を凹状に約36μmだけ反る、ということを
意味している。ということは逆にこのグラフから所望の
反り量および反り方向を備える基板を得るためには型締
め力を何トンに変化させればよいかが分る。
【0028】前述した例では、型締め圧力を変化させる
ことによって基板に所定の反りを与えるものであった
が、可動金型21と固定金型22の表面温度を互いに相
違させた上で型締め圧力を変化させることによっても基
板に反りを与えることが出来る。この場合、両金型2
1,22の各表面温度は、図4に示されるように各金型
21,22に設けた温度調節用のチャンネル31a〜3
1d,32a〜32dによって行なう。その際、両金型
21,22の温度差としては通常5〜30℃、好ましく
は10〜20℃の範囲内である。
【0029】例えば、金型の温度が可動金型より固定金
型の方が高い場合において、金型の型締め圧力を減圧方
向に変化させた際には基板はグルーブ側が凸状に変形
し、又増圧方向に変化させた場合には基板はグルーブ側
が凹状に変形する。また、金型温度を前述の場合とは逆
にすると、すなわち固定金型より可動金型の方の温度を
高くした場合において、金型の型締め圧力を減圧方向に
変化させた場合には、基板はグルーブ側が凹状に変形
し、他方増加方向に変化させた場合には基板はグルーブ
側が凸型に変形する。従って、基板の成形は、金型の温
度変化量と金型の型締め圧力の変化量を、基板に所望の
反りを与え得る条件に調節して行なわれる。
【0030】図6には各金型の温度を変えた状態での金
型の型締め圧力と基板の反りとの関係の一例が示されて
いる。このグラフでは、可動金型21の表面温度を11
0℃、固定金型22の表面温度を100℃とした場合、
基板11がほぼ平坦になる時の型締め圧力(24.5ト
ン)を変化させた場合に生ずる基板11の反りの大きさ
を示している。
【0031】更に、本発明のディスク用基板成形法で
は、金型の型締め圧力の変化と共に金型の径方向内側と
外側の温度を相違させることによっても基板に所定の反
りを与えることが出来る。この場合、各金型の径方向内
側と外側の温度設定は、可動金型21の温度調節用チャ
ンネル31a〜31d、固定金型22の温度調整用チャ
ンネル32a〜32dによって行なう。その際、両金型
21,22の径方向内側と外側の温度差としては通常5
〜30℃、好ましくは10〜20℃の範囲内である。
【0032】例えば、両金型温度が径方向外側より内側
の方が高い場合において金型の型締め圧力を減圧方向に
変化させた場合には基板はグルーブ側が凸状に変形し、
又増圧方向に変化させた場合には基板はグルーブ側が凹
状に変形する。また、金型温度を前述と逆とした場合、
すなわち内側より外側の方を高くした場合において、金
型の型締め圧力を減圧方向に変化させた場合には、基板
はグルーブ側が凹状に変形し、又増加方向に変化させた
場合には基板はグルーブ側が凸状に変形する。従って、
基板の成形は上記金型の温度変化量と金型の型締め圧力
の変化量を、基板に所望の反りを与え得る条件に調節し
て行なわれる。
【0033】図7には金型の径方向内側と外側の温度を
変えた状態での金型の型締め圧力と基板の反りとの関係
の一例が示されている。このグラフでは、可動金型21
および固定金型22の径方向内側の温度をそれぞれ95
℃、外側の温度をそれぞれ110℃とした場合、基板が
ほぼ平坦になる時の型締め圧力(24.5トン)を変化
させた場合に生ずる基板の反りの大きさを示している。
【0034】次に、本発明のディスク用基板成形法を各
実施例について説明する。 実施例1 図4に示される成形装置20を用いて金型温度を110
℃(両面とも同一温度)とし、型締め圧力40トン(1
次圧力,ディスク面圧300kg/cm2 )でポリカーボネ
ート溶融樹脂材の射出を行ない、この射出工程終了時点
から1秒後、型締め圧力を40トンから20トンに減圧
(2次圧力)し、その圧力で7秒間保持し、次いで常圧
に戻し、金型を開放して直径130mm,板厚1.2mmの
ディスク用基板を得た。この基板の湾曲量(反り)はグ
ルーブ側に凹状に85μmであった。この基板の凹面側
に記録層として希土類−遷移金属合金金属酸化物、Al
合金等からなる層1900Åをスパッタリングにより形
成した。次いで、記録層側に3μ、反対側に5μの紫外
線硬化樹脂を形成した。その結果、膜形成基板の反りは
0〜グルーブ側を凹状に10μとなり、ほぼ平坦であっ
た。
【0035】実施例2〜5 実施例1において、溶融樹脂材の射出工程終了時点から
1秒後に型締め圧力を40トンから表1に示されるよう
にそれぞれの圧力に変化させてディスク用基板を得た。
それ以外は実施例1と同じである。これらの場合の基板
の反り量および方向は表1に示す。これら各実施例2〜
5において、その後の成膜状態についての具体的説明は
省略するが、それぞれの基板に所定の記録層および保護
層等を形成した際基板の反りは相殺され、膜形成基板は
ほぼ平坦となった。
【0036】比較例1 実施例1において型締め圧力を変化させることなく40
トンで一定にして基板を形成した。この場合、基板の反
りは表1に示されるようにグルーブ側を凹として10μ
mであり、ほぼ平坦である。この基板に所定の記録層お
よび保護層等を形成すると膜形成基板にはグルーブ側を
凸とする70μmの反りを生じた。
【表1】
【0037】実施例6 図4に示す成形装置20を用いて金型温度を固定側10
0℃,可動側110℃に調節し、型締め圧力20トン
(ディスク面圧340kg/cm2 )でポリカーボネート溶
融樹脂材の射出を行いこの射出工程終了時点から1秒
後、型締め圧力を20トンから15トンに減圧し、その
圧力で7秒間保持し、次いで常圧に戻し金型を開放して
直径86mmφ、板厚1.2mmのディスク用基板を得た。
該基板の湾曲量(反り)は60μmであった。
【0038】実施例7〜10 実施例6において溶融樹脂材の射出工程終了時点から1
秒後に型締め圧力20トンから表2に示す圧力に減圧し
て行なったこと以外は同様にして行った。その結果を表
2に示す。 実施例11 実施例6において固定金型と可動金型の温度を表2に示
すようにそれぞれ110℃,100℃とした場合であ
る。その結果は表2に示す。 比較例2〜3 実施例6において型締め圧力を20トンで一定にし、且
つ金型温度を100℃と110℃、および110℃と1
00℃で実施したこと以外は同様にして行なった。その
結果は表2に示す通りである。
【表2】
【0039】実施例12 図4に示される成形装置を用いて金型温度を固定側の内
周部95℃,外周部110℃とし、且つ、可動部の内周
部95℃,外周部110℃に調節し型締め圧力20トン
(ディスク面圧340kg/cm2 )でポリカーボネート溶
融樹脂材の射出を行いこの射出工程終了時点から1秒
後、型締め圧力を20トンから15トンに減圧し、その
圧力で7秒間保持し、次いで常圧に戻し金型を開放して
直径86mmφ、板厚1.2mmのディスク用基板を得た。
該基板の湾曲量反りはグルーブ側凹に40μmであっ
た。
【0040】実施例13〜16 実施例12において溶融樹脂材の射出工程終了時点から
1秒後に型締め圧力20トンから表3に示す圧力に変化
させて行なったこと以外は同様にして行った。その結果
は表3に示す通りである。 実施例17 実施例12において金型温度を表1に示す温度で行なっ
たこと以外は同様にして行なった。その結果は表1に示
す通りである。 比較例4〜5 実施例12において型締め圧力を20トンで一定にし、
且つ金型温度を表3の温度で実施したこと以外同様にし
て行なった。その結果は表3に示す通りである。
【表3】
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のディスク
用基板成形法によれば、一対の金型間のキャビティ内へ
の溶融樹脂の射出工程完了後の保厚工程から冷却工程中
の間に一方の金型の他方の金型に対する型締め圧力を少
なくとも1回変化させるか、この型締め圧力の変化と共
に金型の両面の温度もしくは径方向内側と外側の温度
相違させることにより基板に所望の反りを与えることが
できる。その結果、この基板に所定の成膜を施して得ら
れる製品としての膜形成基板がほぼ平坦となって、従来
の光ディスクで発生していた種々の問題点を解決するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エアーサンドイッチ構造の光ディスクを示す断
面図である。
【図2】全面密着貼り合せ構造の光ディスクを示す断面
図である。
【図3】単板コーティング方式の光ディスクを示す断面
図である。
【図4】光ディスク用基板を成形する成形装置を示す断
面図である。
【図5】型締め圧力の変化量と基板の反り量との関係の
一例を示す特性図である。
【図6】金型の表面温度を変えた時の型締め圧力の変化
量と基板の反り量との関係の一例を示す特性図である。
【図7】金型の径方向内側と外側の温度を変えた時の型
締め圧力の変化量と基板の反り量との関係の一例を示す
特性図である。
【符号の説明】
10 光ディスク 11 基板 12 記録層 13 スペーサ 14 空気層 15 接着層 16 保護層 17 表面保護層 20 成形装置 21 可動金型 22 固定金型 28 キャビティ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の金型間に形成されるキャビティ内
    に溶融樹脂を射出してディスク用基板を射出成形する方
    であって射出成型されたディスク用基板の成膜後の
    変形量に関する予め得られた測定結果に基づき、前記キ
    ャビティ内への溶融樹脂の射出工程完了後の保圧工程か
    ら冷却工程の間に一方の前記金型の他方の前記金型に対
    する型締め圧力を加圧中に変化させることにより、成膜
    後の変形方向と逆方向に前記変形量だけ変形したディス
    ク用基板を成形することを特徴とするディスク用基板成
    形法。
  2. 【請求項2】 一対の金型の表面温度を互いに相違させ
    且つ型締め圧力を変化させる請求項1に記載のディスク
    用基板成形法。
  3. 【請求項3】 一対の金型の径方向内側と外側の温度を
    相違させ且つ型締め圧力を変化させる請求項1に記載の
    ディスク用基板成形法。
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