JPWO2003084853A1 - エレベータ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、巻上機や制御盤、調速機などの機器が昇降路内に配置されているいわゆる機械室のないエレベータ装置において、非常時の救出運転時等に、ガバナーロープに付した目印を見ながらかごを最寄階に移動する際に、より容易にかつ正確にかごを移動できるように改善したエレベータ装置に関するものである。
技術背景
従来、巻上機や制御盤、調速機などの種々の機器を昇降路内に配置するいわゆる機械室のないエレベータ装置において、例えば、非常時にかご内の乗客を救出するために、非常運転でかごを最寄階まで移動させる場合、かごが戸開ゾーン内にあるか否かを認識するために、ガバナーロープに付した目印を見ながらかごを移動させる方法がとられている。
すなわち、あらかじめ、ガバナーロープもしくは主ロープに目印を付しておき、一方、乗場に点検用パネルを設け、非常運転時には、この点検用パネル内に設けた点検窓からガバナーロープもしくは主ロープに付した目印を目視しながらかごを移動させる方法がとられている。
さらに、停電時でも目印が目視できるようにガバナーロープもしくは主ロープを照らすライトが一般的に設けられている。
このようなエレベータ装置の非常運転時等において、従来、目印を目視する際、誤ってしまうことがあるので問題であった。また、目印を目視しづらいので問題であった。すなわち、昇降路内には、多くのロープが設けられているので、他のロープと見間違えたり、また、点検窓やライトが適切な位置にない場合が多く確認しづらいので問題であった。
特に、ガバナーロープにしるされた目印を用いるものの場合、ガバナーロープは2本が平行に隣接して垂下していることが多く、本来目視すべきロープと反対側のロープを見誤ってしまうことがあり問題であった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、非常救出運転時など、点検窓からガバナーロープに付した目印を見ながらかごを移動する際に、かごの動きに同調する本来見るべきガバナーロープを容易に目視することができ、より容易にかつ正確にかごの移動させることができるエレベータ装置を得ることを目的とする。
発明の開示
この発明に係るエレベータ装置は、昇降路内を昇降するかごと、昇降路の上部に設けられた調速機と、昇降路の下部に設けられた張り車と、調速機と張り車との間に循環するように環状に張り渡され調速機から昇降路内に垂下しかごに連結された連結側部と連結側部に略平行に隣接する反連結側部とを有しかごと関連づけられて所定の位置に目印がしるされているガバナーロープと、概略連結側部ガバナーロープと反連結側部ガバナーロープとの間に設けられ少なくとも連結側部ガバナーロープを照らす照明手段と、照明手段によって照らされた部分の連結側部ガバナーロープを目視可能な位置に設けられた点検窓とを備え、連結側部ガバナーロープ、反連結側部ガバナーロープ及び照明手段は、略同一面上に点検窓側から反連結側部ガバナーロープ、照明手段、連結側部ガバナーロープの順に配置され、点検窓から覗く視野において、連結側部ガバナーロープは照明手段で照らされた部分が見え、反連結側部ガバナーロープは影の部分が見える。
また、照明手段は、連結側部ガバナーロープと反連結側部ガバナーロープとの間に設けられている。
また、照明手段は、調速機固定台に固定されている。
また、照明手段は、点検窓と略同じ高さに設けられている。
また、照明手段は、ガイドレールに突設された照明手段取付腕に固定されている。
また、照明手段の電源は、非常電源から供給されている。
また、照明手段のスイッチは、点検窓の近傍に設けられている。
さらに、照明手段のスイッチは、点検窓のカバーに連動し、カバーを開けると照明手段が点灯する。
発明を実施するための最良の形態
実施例1.
図1はこの発明のエレベータ装置の実施例1を示す昇降路横断面図である。図2は調速機及びライトの取り付けの様子を示す昇降路縦断面図である。図3は乗場点検パネルの概略図である。図4はライトと2本のガバナーロープの位置関係を示す上面図である。また、図5は点検窓からの視界を示す図である。
本実施例は、機械室のないエレベータ装置である。そのため、巻土機や制御盤、調速機などの種々の機器は、昇降路内に配置されている。
図1から3において、昇降路1の頂部には、カウンタおもり3の上方位置に巻上機6が設けられている。カウンタおもり3を昇降させるカウンタ吊車10が設けられている。かご2の昇降空間を挟んで巻上機6と反対側に制御盤7が設けられている。かご2を昇降させるかご吊車9が設けられている。また、制御盤7の乗場側に調速機11が設けられている。
最上階の乗場に設けられる乗場操作盤の中には、保守点検や非常救出運転に必要なスイッチ類とガバナーロープ13を目視するための点検窓16を具備した乗場点検パネル15が設けられている。乗場点検パネル15には、カバー14が設けられており、通常、このカバー14が閉められた状態では乗場点検パネル15は隠されている。
かご2は、昇降路1内に昇降方向に延設されたかご用ガイドレール4によってガイドされる。一方、カウンタおもり3は、カウンタおもり用ガイドレール5によってガイドされる。
乗場点検パネル15の点検窓16からガバナーロープ13を目視しやすいように、調速機11は乗場点検パネル15と同じ側で、かつ、かご用ガイドレール4より乗場側の位置に配置されている。
昇降路1の頂部に設けられた調速機11と昇降路1の下部に設けられた図示しない張り車との間にガバナーロープ13が張り渡されている。ガバナーロープ13は環状をなし所定の1箇所がかご2に接続され、かご2の昇降にともない調速機11と張り車との間で循環する。
図2に良く示されるように、ガバナーロープ13は環の一端を調速機11のプーリーに巻掛けられて、調速機11から下方に2本が垂下している。垂下する2本のガバナーロープ13のうち片側がかご2に接続されている。図2の右側のガバナーロープ13がかご2に接続されている。ここで、かご2に接続されている側のガバナーロープを、連結側部ガバナーロープ13a、一方、これに平行に隣接するかご2に接続されていない側のガバナーロープを反連結側部ガバナーロープ13bとする。ガバナーロープ13は上述のように環状をなしているので連結側部と反連結側部の領域が不明瞭であるが、この発明では、調速機11から下方に垂下する2本のロープのうち、かご2に接続されている側のガバナーロープ、すなわち、昇降路1の奥側(図2の右側)のガバナーロープを連結側部ガバナーロープ13aとし、一方、調速機11から下方に垂下する2本のロープのうち、昇降路1の乗場側(図2の左側)のガバナーロープを反連結側部ガバナーロープ13bとする。
ガバナーロープ13には、かご2が戸開ゾーン内にあることを示す目印13cがしるされている。戸開ゾーンとは、かご2がある階床に停止してかご戸が開放可能な位置(領域)にあることを言う。目印13cは、環状のガバナーロープ13に各階床に対応して複数個がしるされている。例えば、図2において、調速機11から垂下する右側のガバナーロープ13aの上部にしるされた目印13cは、最上階から1階下の階床に停止する際に用いられる目印である。また、左側に垂下するガバナーロープ13bの下部にしるされた目印13bは、最上階から2階下の階床に停止する際に用いられる目印である。
この実施例の点検窓16は最上階に設けられている。一方、最上階に停止する際に用いられる目印は、図2には表れていない、実際には図2の右側の連結側部ガバナーロープ13aの表れていないさらに下側にしるされている。
ガバナーロープ13に付した目印13cが目視し易いように、連結側部ガバナーロープ13aと反連結側部ガバナーロープ13bとの間に、連結側部ガバナーロープ13aを照らす照明手段としてライト17が設けられている。
そして、これらの位置関係は、図4に示されるように、点検窓16側から、反連結側部ガバナーロープ13b、ライト17、連結側部ガバナーロープ13aの順に配置されている。そのため、点検窓16から覗く視野において、連結側部ガバナーロープ13aはライト17で照らされた部分が見え、一方、反連結側部ガバナーロープ13bは影の部分が見える。なお、点検窓16、反連結側部13b、ライト17、及び連結側部13aは、概略同一面上に配置されているが、まったくの同一面上であると、連結側部13aが反連結側部13bの影に隠れて見えなくなるので、点検窓16は、反連結側部13bと連結側部13aを含む面から若干ずれた位置、本実施例においてはライト17と反対側にずれた位置に配設されている。図5に点検窓16から覗く視野の様子を示す。
このように本実施例のエレベータ装置においては、昇降路1内を昇降するかご2と、昇降路1の上部に設けられた調速機11と、昇降路1の下部に設けられた張り車と、調速機11と張り車との間に循環するように環状に張り渡され調速機11から昇降路1内に垂下しかご2に連結された連結側部13aと連結側部13aに平行に隣接する反連結側部13bとを有しかごと関連づけられて所定の位置に目印13cがしるされているガバナーロープ13と、連結側部ガバナーロープ13aと反連結側部ガバナーロープ13bとの間に設けられ少なくとも連結側部ガバナーロープ13aを照らすライト17と、ライト17によって照らされた部分の連結側部ガバナーロープ13aを目視可能な位置に設けられた点検窓16とを備え、連結側部ガバナーロープ13a、反連結側部ガバナーロープ13b及びライト17は、略同一面上に点検窓16側から反連結側部ガバナーロープ13b、ライト17、連結側部ガバナーロープ13aの順に配置され、点検窓16から覗く視野において、連結側部ガバナーロープ13aはライト17で照らされた部分が見え、反連結側部ガバナーロープ13bは影の部分が見える。
このようなことから、非常救出運転時などに、点検窓16からガバナーロープ13を見ながらかご2を移動する際に、かご連結側部13aと反連結側部13bのガバナーロープを混同して誤認することなく、かご2の動きに同調した側のガバナーロープ13aを目視することができ、より容易にかつ正確に、かご2の移動方向や速度、かごが戸開ゾーン内にあるか否かを確認することができ、かご2を安全に最寄階まで移動させることができる。
なお、本発明は、かご2を安全に最寄階まで移動することが出来ればよいので、ガバナーロープ13にしるされた目印13cは同じものが区別なく階床の個数だけ設けられている。そして、保守点検者は、点検窓16から見えたある目印13cを所定の位置に合わせれば、かご2がいずれかの階の戸開ゾーンに移動することになる。
また、ライト17の電源は、非常電源から供給されている。そのため、停電時においてもライト17を点灯させることができる。
さらに、ライト17のスイッチは、乗場点検パネル15内に設けられている、すなわち、点検窓16の近傍に設けられている。そのため、ライト17の点灯・消灯作業を容易に行うことができ作業性が向上する。
さらにまた、ライト17のスイッチは、点検窓16のカバー14に連動しており、カバー14を開けるとライト17が点灯する。そのため、ライト17の点灯・消灯作業をさらに容易に行うことができ作業性がさらに向上する。
実施例2.
図6はこの発明のエレベータ装置の実施例2を示すライト取付部付近の側面図である。本実施例では、ライト17は調速機取付台12にライト取付金18を介して固定されている。これにより、昇降路1内の壁や梁にライト17を取付けるためのブラケットを設ける必要がなく、昇降路1の構造や昇降路のサイズに影響されることなく、ライト17を容易に取り付けることができる。
実施例3.
図7はこの発明のエレベータ装置の実施例3を示す昇降路横断面図である。本実施例では、ライト17は、点検窓16と概ね同じ高さとされ、ガバナーロープの連結側部13aを水平方向から照らすような位置に配設されている。これにより、ガバナーロープ13をより近傍から照らすことができ、ガバナーロープ13に付した目印13cおよびロープの撚りを点検窓16からより鮮明に見ることができる。そのため、より安全かつ正確に、かご2の移動方向や速度、かご2が戸開ゾーン内にあるか否かを確認することができ、かご2を安全に最寄階まで移動することができる。
実施例4.
図8はこの発明のエレベータ装置の実施例4を示すライトと2本のガバナーロープの位置関係を示す上面図である。本実施例では、ライト17は、かご用ガイドレール4に取り付けたライト取付金18を介して固定されいる。これにより、昇降路1の壁や梁にライト17を取付けるためのブラケットを取付ける必要がなく、昇降路1の構造や昇降路サイズに影響されることなく、ライト17を容易に取り付けることができる。
なお、本実施例において、ライト取付金18は、ガバナーロープの連結側部13aを見る際の妨げとならないように、点検窓16の高さより上下いずれかの方向にずらした位置とされている。そして、ライト17は、その位置から斜め上方向、あるいは斜め下方向に連結側部13aを照らすようにされている。
産業上の利用の可能性
この発明に係るエレベータ装置は、昇降路内を昇降するかごと、昇降路の上部に設けられた調速機と、昇降路の下部に設けられた張り車と、調速機と張り車との間に循環するように環状に張り渡され調速機から昇降路内に垂下しかごに連結された連結側部と連結側部に略平行に隣接する反連結側部とを有しかごと関連づけられて所定の位置に目印がしるされているガバナーロープと、概略連結側部ガバナーロープと反連結側部ガバナーロープとの間に設けられ少なくとも連結側部ガバナーロープを照らす照明手段と、照明手段によって照らされた部分の連結側部ガバナーロープを目視可能な位置に設けられた点検窓とを備え、連結側部ガバナーロープ、反連結側部ガバナーロープ及び照明手段は、略同一面上に点検窓側から反連結側部ガバナーロープ、照明手段、連結側部ガバナーロープの順に配置され、点検窓から覗く視野において、連結側部ガバナーロープは照明手段で照らされた部分が見え、反連結側部ガバナーロープは影の部分が見える。そのため、非常救出運転時等に、ガバナーロープに付した目印を見ながらかごを移動する際、かごの動きに同調した側の連結側部ガバナーロープを容易に誤り無く目視することができ、より容易にかつ正確に、かごの移動方向や速度、かごが戸開ゾーン内にあるか否かを確認しながら、かごを安全に最寄階まで移動することができる。
また、照明手段は、連結側部ガバナーロープと反連結側部ガバナーロープとの間に設けられている。そのため、照明手段が確実に連結側部ガバナーロープを照らし、連結側部ガバナーロープがさらに見やすくなる。
また、照明手段は、調速機固定台に固定されている。そのため、昇降路の壁や梁などに照明手段取付用ブラケット等を固定する必要がなく、昇降路の構造によらず照明手段を容易に取り付けることができる。
また、照明手段は、点検窓と略同じ高さに設けられている。そのため、照明手段は、ガバナーロープをより近傍から照らすこととなり、ガバナーロープに付した目印およびロープの撚りを点検窓からより鮮明に見ることができる。
また、照明手段は、ガイドレールに突設された照明手段取付腕に固定されている。そのため、昇降路の壁や梁などに照明手段取付用ブラケット等を固定する必要がなく、昇降路の構造によらず照明手段を容易に取り付けることができる。
また、照明手段の電源は、非常電源から供給されている。そのため、停電時においても照明手段を点灯させることができる。
また、照明手段のスイッチは、点検窓の近傍に設けられている。そのため、照明手段の消灯および点灯作業を容易に行うことができ作業性が向上する。
さらに、照明手段のスイッチは、点検窓のカバーに連動し、カバーを開けると照明手段が点灯する。そのため、照明手段の消灯および点灯の作業を省略することができ作業性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
図1はこの発明のエレベータ装置の実施例1を示す昇降路横断面図である。
図2は調速機及びライトの取り付けの様子を示す昇降路縦断面図である。
図3は乗場点検パネルの概略図である。
図4はライトと2本のガバナーロープの位置関係を示す上面図である。
図5は点検窓からの視界を示す図である。
図6はこの発明のエレベータ装置の実施例2を示すライト取付部付近の側面図である。
図7はこの発明のエレベータ装置の実施例3を示す昇降路横断面図である。
図8はこの発明のエレベータ装置の実施例4を示すライトと2本のガバナーロープの位置関係を示す上面図である。
Claims (8)
- 昇降路内を昇降するかごと、
前記昇降路の上部に設けられた調速機と、
前記昇降路の下部に設けられた張り車と、
前記調速機と前記張り車との間に循環するように環状に張り渡され前記調速機から前記昇降路内に垂下し前記かごに連結された連結側部と該連結側部に略平行に隣接する反連結側部とを有し前記かごと関連づけられて所定の位置に目印がしるされているガバナーロープと、
概略前記連結側部ガバナーロープと前記反連結側部ガバナーロープとの間に設けられ少なくとも前記連結側部ガバナーロープを照らす照明手段と、
前記照明手段によって照らされた部分の前記連結側部ガバナーロープを目視可能な位置に設けられた点検窓とを備え、
前記連結側部ガバナーロープ、前記反連結側部ガバナーロープ及び照明手段は、略同一面上に前記点検窓側から前記反連結側部ガバナーロープ、前記照明手段、及び前記連結側部ガバナーロープの順に配置され、
前記点検窓から覗く視野において、前記連結側部ガバナーロープは前記照明手段で照らされた部分が見え、前記反連結側部ガバナーロープは影の部分が見えるを備えたことを特徴とするエレベータ装置。 - 前記照明手段は、前記連結側部ガバナーロープと前記反連結側部ガバナーロープとの間に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。 - 前記照明手段は、調速機固定台に固定されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ装置。 - 前記照明手段は、前記点検窓と略同じ高さに設けられている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエレベータ装置。 - 前記照明手段は、ガイドレールに突設された照明手段取付腕に固定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエレベータ装置。
- 前記照明手段の電源は、非常電源から供給されている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のエレベータ装置。 - 前記照明手段のスイッチは、前記点検窓の近傍に設けられている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のエレベータ装置。 - 前記照明手段のスイッチは、前記点検窓のカバーに連動し、該カバーを開けると該照明手段が点灯する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のエレベータ装置。
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