JPWO2003072639A1 - ポリアミドイミド樹脂、フレキシブル金属張積層体およびフレキシブルプリント基板 - Google Patents

ポリアミドイミド樹脂、フレキシブル金属張積層体およびフレキシブルプリント基板 Download PDF

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Abstract

10%の濃度でアミド系溶媒に溶解可能であり、そのワニスを5℃で1ヶ月保管した時の溶液粘度の変化率((1ヵ月後の溶液粘度−初期溶液粘度)/初期溶液粘度)の絶対値が3.0以下であり、かつ、樹脂の吸湿率(25℃、90%RH、24時間)が2.0%以下であるノンハロゲン系ポリアミドイミド樹脂、これを用いたフレキシブル金属張積層体、およびこれを回路加工したフレキシブルプリント基板に関するものである。本発明のフレキシブル金属張積層体は、絶縁基材に用いる耐熱性樹脂が低吸湿率で熱膨張率が低く、又、フレキシブル金属張積層体の内部応力も少ない為、加湿下を含めたあらゆる雰囲気下でカールせず、優れた寸法安定性を発現する。又、加湿後でも半田耐熱性/絶縁性の低下がなく、更に、耐熱性樹脂が有機溶剤に可溶であり、しかも溶液安定性に優れる為、安価に製造できる。

Description

技術分野
本発明は耐熱性、寸法安定性、接着性などに優れ、又、いかなる雰囲気でもカールの無いフレキシブル金属張積層体、及び、それを用いて加工されたフレキシブルプリント基板、及びそれに用いるポリアミドイミド樹脂に関するものである。さらに詳しくは、金属箔にポリアミドイミド樹脂溶液を連続的に塗布、乾燥してなる、耐熱性、寸法安定性、接着性等に優れ、かつ、加湿下でも絶縁性、半田耐熱性の低下や、カールのないフレキシブル金属張積層体、及び、それを用いて加工されたフレキシブルプリント基板、及びそれに用いるポリアミドイミド樹脂に関する。
本明細書及び請求の範囲において「フレキシブル金属張積層体」とは、金属箔と樹脂層とから形成された積層体であって、例えば、フレキシブルプリント基板等の製造に有用な積層体である。ここで、「フレキシブルプリント基板」とは、例えば、フレキシブル金属張積層体を用いてサブトラクティブ法などの従来公知の方法により製造でき、必要に応じて、導体回路を部分的、或いは全面的にカバーレイフィルムやスクリーン印刷インキ等を用いて被覆した、いわゆるフレキシブル回路板(FPC)、フラットケーブル、テープオートメーティッドボンディング(TAB)用の回路板などを総称している。
背景技術
従来のフレキシブルプリント基板用のフレキシブル金属張積層体は、ポリイミドフィルムと金属箔とをエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの熱硬化型の接着剤によって貼りあわせたものであった。この熱硬化型の接着剤で貼りあわせたフレキシブル金属張積層体から形成されるフレキシブルプリント基板は、接着剤に起因して基材(樹脂フィルム層)の熱膨張率が高くなる為、熱寸法安定性に劣り、又、耐湿性に劣る為、加湿処理後、絶縁性、半田耐熱性が低下するという問題点があった。更には、熱寸法安定性に劣るがゆえに、様々な加熱工程において、フレキシブル金属張積層体やそれを回路加工したフレキシブルプリント基板が、カールしたり、或いは、耐湿性に劣るがゆえに、エッチング工程などの湿式工程時、基板にカールやねじれ等が生じて、結果として、回路形成工程やフレキシブルプリント基板への実装工程で、歩留まりが悪くなるという問題点があった。
これらの問題を解決する為に、接着剤無しで絶縁基板に直接、金属箔を形成する技術が検討されてきた(所謂二層フレキシブル金属張積層体である)。例えば、特開平02−98994号公報にはポリイミドフィルムにスパッター法で、特開昭62−181488号公報には蒸着法で、特開昭57−18357号公報にはイオンプレーティング法でそれぞれ金属薄層(シード層)を形成した後、メッキにより導体層の形成を行う技術が提案されている。しかしながら、いずれの方法も製造コストが高いという欠点をかかえており、又、シード層形成時にピンホールが発生したり、ポリイミドフィルムと導体との接着性が不十分である等という問題点があった。
より安価に接着剤層のない高性能なフレキシブルプリント基板を提供する為に、特開昭57−50670号公報などにおいてはポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸系溶液を金属箔に直接塗布し、金属箔上で脱水反応/ポリイミド化することで、フレキシブル金属張積層体を成型する方法が提案されている。しかしながら、このような方法で得られたフレキシブル金属張積層体は、樹脂の吸湿率が高いことなどに起因して、加湿処理後の絶縁性能が悪く、高電圧が負荷されるような用途(例えばディスプレイ周辺部品で使用されるフレキシブルプリント基板)では信頼性(耐マイグレーション性)に劣るという問題点があった。又、加湿後、半田耐熱性も低下する為、鉛フリー半田(Ag−Sn−Bi系、Ag−Sn−Cu系等)への適用が制限されたり、或いは、特に湿式工程や湿度の高い雰囲気下において、基板にカールやねじれなどが生ずる為、回路形成工程や実装工程での歩留まりが悪くなるという問題点があった。加えて、前駆体であるポリアミック酸の形で成型加工後(塗工後)、高温で熱処理しなければならず、従って、該樹脂を用いて二層フレキシブル金属張積層体を連続的に生産するには、生産性が低下したり、高価な設備が必要となり、製造コストが高くなるという問題点があった。
これらの問題を解決するものとして特開平5−59174号公報においてはトリメリット酸骨格を有するポリアミドイミド樹脂にポリイミド骨格を共重合することにより耐熱性に優れ熱膨張の少ない樹脂を開示し、その樹脂をフレキシブルプリント配線基板のベース材やカバー材として使用することを提案しているが、該ポリアミドイミド樹脂を溶解したワニスを保存しておくと、徐々に溶液粘度が上昇し、1ヶ月ほど経過するとプリン状に固まってしまうという課題があった。
以上の様に、従来の技術においては、ポリアミドイミド樹脂のワニス安定性に優れ、寸法安定性、耐熱性に優れ、又、加湿下でも半田耐熱性や絶縁性の低下がなく、かつ、どのような雰囲気でも(加湿下や加熱下)反りやねじれの無い二層タイプのフレキシブルプリント基板に供するフレキシブル金属張積層体はないというのが実状であった。
本発明の目的は上記の課題を解決する為になされたものであり、とりわけ、高信頼性が要求される様なディスプレイ周辺でも使用できる、フレキシブルプリント基板用のフレキシブル金属張積層体を安価に製造しようとするものである。即ち、本発明の目的は、耐熱性樹脂溶液を金属箔に直接塗布、乾燥することで、耐熱性、寸法安定性、接着性等に優れ、かつ、加湿下でも絶縁性、半田耐熱性の低下や、カール、寸法変化のないフレキシブルプリント基板用のフレキシブル金属張積層体を安価に製造しようというものである。
発明の開示
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究した結果、従来にはない、溶剤溶解性、溶液安定性、低熱膨張性、低吸湿性の各特性を同時に満足する、耐熱性樹脂の開発に成功したものである。即ち、本発明は、
a)ポリマー鎖の繰り返し単位を、有機溶剤に不溶な、或いは、有機溶剤に対する溶解性の乏しい、複数のポリイミド骨格、及び、ポリアミドイミド骨格とし、各々の繰り返し単位を互いに相溶する範囲で共重合することで、溶剤溶解性、溶液安定性、低熱膨張性、低吸湿性を同時に満足するポリアミドイミド樹脂が得られること。
b)該耐熱性樹脂の溶液を、金属箔に塗布、乾燥して、フレキシブル金属張積層体を製造するに際し、該耐熱性樹脂の架橋反応をコントロールすることで、耐熱性、寸法安定性、接着性等に優れ、加湿時でも、絶縁性、半田耐熱性の低下が少なく、又、あらゆる雰囲気でもカールの少ないフレキシブル金属張積層体が得られること。
等という知見に基づき、更に、検討を行って完成されたものであって、以下の様な構成からなる。
本発明の第1の発明は、10%の濃度でアミド系溶媒に溶解可能であり、そのワニスを5℃で1ヶ月保管した時の溶液粘度の変化率((1ヵ月後の溶液粘度−初期溶液粘度)/初期溶液粘度)の絶対値が3.0以下であり、かつ、樹脂の吸湿率(25℃、90%RH、24時間)が2.0%以下であるノンハロゲン系ポリアミドイミド樹脂である。
第2の発明は、ガラス転移温度が250℃以上であることを特徴とする第1の発明に記載のポリアミドイミド樹脂である。
第3の発明は、イミド結合のベンゼン核に対する吸光度比が、0.9以上であることを特徴とする第1または第2の発明に記載のポリアミドイミド樹脂である。
第4の発明は、イオン性不純物が2mg/kg以下であることを特徴とする第1〜第3の発明のいずれかに記載のポリアミドイミド樹脂。
第5の発明は酸価が150μeq/g以下であることを特徴とする第1〜第4の発明のいずれかに記載のポリアミドイミド樹脂である。
第6の発明は、ポリアミドイミド樹脂の酸成分、アミン成分のそれぞれを100モル%としたとき、酸成分としてトリメリット酸無水物/3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物=70〜90/5〜25/5〜25(モル%)であり、ジアミン成分として3、3’−ジメチル−4、4’−ビフェニルジアミンを含むこと特徴とするポリアミドイミド樹脂である。
第7の発明は、ポリアミドイミド樹脂の酸成分、アミン成分のそれぞれを100モル%としたとき、酸成分としてトリメリット酸無水物/3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物=70〜90/5〜25/5〜25(モル%)であり、ジアミン成分として3、3’−ジメチル−4、4’−ビフェニルジアミンを含むこと特徴とするポリアミドイミド樹脂である。
第8の発明は、第1〜第7の発明のいずれかに記載のポリアミドイミド樹脂が金属箔の少なくとも片面に積層されたフレキシブル金属張積層体である。
第9の発明は、ポリアミドイミド樹脂の吸湿寸法変化率が15ppm/%RH以下であることを特徴とする第8の発明に記載のフレキシブル金属張積層体である。
第10の発明は、ポリアミドイミド樹脂の熱膨張係数が30ppm/℃以下である第8または第9の発明に記載のフレキシブル金属張積層体。
第11の発明は、加湿後(40℃、90%RH、24時間)のカールの曲率半径が70mm以上であり、且つ加熱後(100℃、1時間)のカールの曲率半径が70mm以上であることを特徴とする第8〜第10の発明のいずれかに記載のフレキシブル金属張積層体である。
第12の発明は、第8〜第11の発明のいずれかに記載のフレキシブル金属張積層体を用いて回路加工されたフレキシブルプリント基板である。
発明を実施するための形態
以下、本発明のポリアミドイミド樹脂、フレキシブル金属張積層体およびフレキシブルプリント基板の実施の形態を説明する。
<ポリアミドイミド樹脂>
本発明のポリアミドイミド樹脂は10%の濃度でアミド系溶媒に溶解可能であり、そのワニスを5℃で1ヶ月保管した時の溶液粘度の変化率((1ヵ月後の溶液粘度−初期溶液粘度)/初期溶液粘度)の絶対値が3.0以下であり、かつ、樹脂の吸湿率(25℃、90%RH、24時間)が2.0%以下であり、しかもノンハロゲン系である。
本発明でアミド系溶剤に可溶であるとは、N−メチル−2−ピロリドン、N、N’−ジメチルホルムアミド、N、N’−ジメチルアセトアミド、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノンのいずれかの単独溶媒もしくはこれらの少なくとも1種を20重量%以上含有する混合有機溶媒のいずれか一つに10重量%以上溶解することを言う。好ましくは15重量%以上、より好ましくは20重量%である。
なお、溶解したか否かの判定は、樹脂が固体状である場合には、200mlビーカーに80メッシュを通過する樹脂粉末を規定重量添加し、25℃で24時間静かに攪拌した後の溶液を目視で判定する。なお、すでに溶剤溶解体である場合には特定濃度に希釈した溶液を25℃で24時間静置し、ゲル化、不均一化、白濁、析出のいずれもがなかったものを溶解していると判定する。
本発明のポリアミドイミド樹脂を溶解したワニスは5℃で1ヶ月保管した時の溶液粘度の変化率((1ヵ月後の溶液粘度−初期溶液粘度)/初期溶液粘度)の絶対値が3.0以下であるものが望ましい。溶液粘度変化率は上述のアミド系溶剤に10重量%で溶解したワニスの溶解直後の溶液粘度をB型粘度計により25℃において測定し、そのワニスを5℃で1ヶ月間保管後、もう一度B型粘度計を用いて25℃における溶液粘度を測定する。その測定値より溶液粘度の変化率を決定する。この変化率の絶対値は2.0以下がより好ましく、1.0以下がさらに好ましく、0.20以下が最も好ましい。溶液粘度の変化率が3.0を超えるということは、ワニスの保存安定性が良くないために、ワニス製造後すぐに金属箔に塗布しなくてはならず、後述するフレキシブル金属張積層体を製造しにくくなる。
本発明のポリアミドイミド樹脂の吸湿率(25℃、90%RH、24時間)は2.0%以下、好ましくは1.8%以下、より好ましくは1.5%以下である。ここで吸湿率は長さ及び幅が50±1mmの樹脂フィルムを用いて以下の方法で測定した値を言う。測定には5枚の試料を用いる。
(1)50±2℃に保った恒温槽中で試料を24時間放置する。
(2)試料が互いに接触しない様に、試料を秤量瓶に入れ、秤量瓶の蓋(以下単に蓋と言う)を開けたまま25℃、90%RHの条件で24時間静置する(試料表面の塵は羽毛又は毛筆で払う)。
(3)秤量瓶を蓋で素早く密栓し、デシケータ中室温で1時間放置する。
(4)秤量瓶と試料の合計重量を測定し(W1とする)、次にそこから試料を素早く取り出して秤量瓶のみの重量(W0)を測定する。
(5)秤量瓶の中に再度試料を入れて、蓋を開放したまま100±5℃に保った恒温機中で1時間乾燥する。
(6)秤量瓶を蓋で素早く密栓し、デシケータ中室温で1時間放置する。
(7)秤量瓶と試料の合計重量を測定し(W3とする)、次にそこから素早く試料を取り出して秤量瓶のみの重量(W4)を測定する。
(8)次の式によって吸湿率WA(%)を算出する。
WA=[{(W1−W0)−(W3−W4)}/(W1−W0)]×100
吸湿率が1.5重量%を超えると、フレキシブル金属張積層体の加湿下でのカールが大きくなり、それを用いて加工したフレキシブルプリント基板も加湿下でカールが大きくなったり、微細なハンダ付け等の加工をする際の寸法精度が悪くなることがある。更には、加湿処理後の半田耐熱性、絶縁性(線間絶縁抵抗の経時安定性、線間絶縁破壊電圧の経時安定性)も低下する可能性もある。
本発明の溶液安定性が良く、ノンハロゲンで吸湿率の低いポリアミドイミド樹脂はポリマー鎖の繰り返し単位を、有機溶剤に不溶な、或いは、有機溶剤に対する溶解性の乏しい、複数のポリイミド骨格、及び、ポリアミドイミド骨格とし、各々の繰り返し単位を互いに相溶する範囲で共重合することで達成できる。
一つの実施態様は、下記一般式(1)、一般式(2)、及び、一般式(3)を構成単位として含み、一般式(1)、一般式(2)、及び、一般式(3)の各構成単位のモル比が、式(1)/式(2)=1/99〜99/1モル比、好ましくは、式(1)/式(2)=30/70〜70/30モル比で、かつ、{式(1)+式(2)}/式(3)=30/70〜1/99モル比、好ましくは、{式(1)+式(2)}/式(3)=20/80〜5/95モル比、を満足する共重合ポリアミドイミドである。式(1)と式(2)のモル比を比較した場合、式(1)の成分が少ないと吸湿率が高くなる傾向にあり、式(1)の成分が多いとフィルム等に成形した時の相溶性が悪くなることがあり、力学特性や熱寸法安定性(熱膨張係数)が悪くなる傾向にある。又、{式(1)+式(2)}と式(3)を比較した場合、{式(1)+式(2)}が30モル比を超えると溶剤溶解性に乏しく、1モル%未満では、溶剤溶解性に加え、吸湿特性が悪くなることがある。
一般式(1);
Figure 2003072639
(式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素もしくは炭素数1〜4のアルキル基、又は、アルコキシ基を示す。又、Yは直結(ビフェニル結合)、或いは、エーテル結合(−O−)を示す。)
一般式(2);
Figure 2003072639
(式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素もしくは炭素数1〜4のアルキル基、又は、アルコキシ基を示す。)
一般式(3);
Figure 2003072639
(式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素もしくは炭素数1〜4のアルキル基、又は、アルコキシ基を示す。)
好ましい実施態様としてはポリアミドイミド樹脂の酸成分、アミン成分のそれぞれを100モル%としたとき、酸成分としてトリメリット酸無水物/3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物=70〜90/5〜25/5〜25(モル%)であり、ジアミン成分として3、3’−ジメチル−4、4’−ビフェニルジイソシアネートを含むポリアミドイミド樹脂である。
また、酸成分としてトリメリット酸無水物/3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物=70〜90/5〜25/5〜25(モル%)であり、ジアミン成分として3、3’−ジメチル−4、4’−ビフェニルジイソシアネートを含むポリアミドイミド樹脂も良い。
一つの実施態様は、下記一般式(4)、一般式(5)、及び、一般式(6)を構成単位として含み、一般式(4)、一般式(5)、及び、一般式(6)の各構成単位のモル比が、式(4)/式(5)=1/99〜99/1モル比、好ましくは、式(4)/式(5)=30/70〜70/30モル比で、かつ、{式(4)+式(5)}/式(6)=50/50〜1/99モル比、好ましくは、{式(4)+式(5)}/式(6)=30/70〜5/95モル比、を満足する共重合ポリアミドイミドである。式(4)と式(5)のモル比を比較した場合、式(4)の成分が少ないと吸湿率が高くなる傾向にあり、式(4)の成分が多いとフィルム等に成形した時の相溶性が悪くなることがあり、力学特性や熱寸法安定性(熱膨張係数)が悪くなる傾向にある。又、{式(4)+式(5)}と式(6)のモル比を比較した場合、{式(4)+式(5)}の成分量が多いと熱膨張係数が高くなるが溶剤溶解性が低下する傾向にあり、{式(4)+式(5)}の成分量が少ないと、溶剤溶解性、及び、吸湿特性が悪くなることがある。
一般式(4);
Figure 2003072639
(式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素もしくは炭素数1〜4のアルキル基、又は、アルコキシ基を示す。又、Zは、−OOC−R’−COO−を示す。但し、R’は二価のアルキレン基、或いは、芳香族残基を示す。)
一般式(5);
Figure 2003072639
(式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素もしくは炭素数1〜4のアルキル基、又は、アルコキシ基を示す。)
一般式(6);
Figure 2003072639
(式中、RおよびRは同じであっても異なっていてもよく、それぞれ水素もしくは炭素数1〜4のアルキル基、又は、アルコキシ基を示す。)
好ましい実施態様としてはポリアミドイミド樹脂の酸成分、アミン成分のそれぞれを100モル%としたとき、酸成分としてトリメリット酸無水物/3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)=70〜90/5〜25/5〜25(モル%)であり、ジアミン成分として3、3’−ジメチル−4、4’−ビフェニルジイソシアネートを含むポリアミドイミド樹脂である。
また、酸成分としてトリメリット酸無水物/3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/プロピレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)=70〜90/5〜25/5〜25(モル%)であり、ジアミン成分として3、3’−ジメチル−4、4’−ビフェニルジイソシアネートを含むポリアミドイミド樹脂も良い。
さらに、酸成分としてトリメリット酸無水物/3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物=70〜90/5〜25/5〜25(モル%)であり、ジアミン成分として3、3’−ジメチル−4、4’−ビフェニルジイソシアネートを含むポリアミドイミド樹脂も良い。
本発明のポリアミドイミド樹脂の製造は、通常の方法で合成することができ、例えば、イソシアネート法、酸クロリド法、低温溶液重合法、室温溶液重合法などであるが、製造コストや未反応の官能基(カルボキシル基)を少なくするという観点から、特に、好ましい製造法は脱炭酸反応により、ポリマーが得られるイソシアネート法である。
前記の一般式(1)、(2)、(4)、(5)で示されるポリイミド骨格を、ポリマー中に導入する為に用いる原料(酸成分、及びアミン成分)としては、以下に示すようなものがあげられる。
酸成分としては、ベンゾフェノン−3、3’、4、4’−テトラカルボン酸、ビフェニル−3,3’、4、4、’−テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’、4、4’−テトラカルボン酸、或いは、下記一般式(7)で示される様なアルキレングリコールビス(トリメリテート)、ビスフェノールビス(トリメリテート)等の一無水物、二無水物、エステル化物などが単独、或いは、2種以上の混合物として用いることができる。
一般式(7);
Figure 2003072639
(式中、R’はアルキレン基、或いは、二価の芳香族残基を示す。)
また、アミン成分としては、3,3’−ジメチル−4、4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4、4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4、4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4、4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4、4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエトキシ−4、4’−ジアミノビフェニル、或いは、これらに対応するジイソシアネートなどの単独、或い、は2種以上の混合物を用いることができる。
又、上記以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で以下に示す、酸成分、アミン成分を共重合することも可能である。
酸成分としては、ピロメリット酸、3、3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、ナフタレン−2、3、6、7−テトラカルボン酸、,ナフタレン−1、2、4、5−テトラカルボン酸、ナフタレン−1、4、5、8−テトラカルボン酸などの一無水物、二無水物、エステル化物などが単独、或いは2種以上の混合物として用いることができる。
アミン成分としてはp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3、4’−ジアミノジフェニルエーテル、4、4’−ジアミノジフェニルエーテル、4、4’−ジアミノジフェニルスルホン、3、3’−ジアミノジフェニルスルホン、3、4’−ジアミノビフエニル、3、3’−ジアミノビフエニル、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4、4’−ジアミノベンゾフエノン、3、3’−ジアミノベンゾフエノン、3、4’−ジアミノベンゾフエノン、2、6−トリレンジアミン、2、4−トリレンジアミン、4、4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3、3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4、4’−ジアミノジフェニルプロパン、3、3’−ジアミノジフェニルプロパン、3、3’−ジアミノジフェニルメタン、4、4’−ジアミノジフェニルメタン、P−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2、2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、或いはこれらに対応するジイソシアネートなどの単独或いは2種以上の混合物を用いることができる。
上記の一般式(3)、(6)で示されるポリアミドイミド骨格を、ポリマー中に導入する為に用いる原料(酸成分、及びアミン成分)としては、以下に示すようなものがあげられる。
酸成分としては、トリメリット酸、或いは、その一無水物、エステル化物などが、単独或いは混合物として、又、アミン成分としては、前記のポリイミド骨格と同様のジアミン、或いは、対応するジイソシアネートの単独、或いは混合物があげられる。
又、上記以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で以下に示す、酸成分、アミン成分を共重合することも可能である。
酸成分としては、ジフエニルエーテル−3、3’、4’−トリカルボン酸、ジフエニルスルホン−3、3’、4’−トリカルボン酸、ベンゾフェノン−3、3’、4’−トリカルボン酸、ナフタレン、1,2、4−トリカルボン酸などのトリカルボン酸等の一無水物、エステル化物などが単独、或いは、2種以上の混合物として、又、アミン成分としては、前記のポリイミド骨格と同様のジアミン、或いは、対応するジイソシアネートの単独、或いは、2種以上の混合物があげられる。
尚、本発明においては、ポリマー鎖中にハロゲン化合物を含まないことが、一つの特徴であるが、これは、例えば、3、3’−ジクロロ−4、4’−ジアミノビフェニル、3、3’−ジブロモ−4、4’−ジアミノビフェニル等のハロゲン元素含有のモノマーを用いないということを意味する。もちろん、ハロゲン元素を含んだモノマーを使用しても、溶剤可溶化、低熱膨張化等、本発明の目的を達成できることがあるが、この場合は、環境問題等から使用できる用途は限られてくる為、好ましくない。
本発明で用いられるポリアミドイミド樹脂の分子量は、N−メチル−2−ピロリドン中(ポリマー濃度0.5g/dl)、30℃での対数粘度にして0.3から2.5dl/gに相当する分子量を有するものが好ましく、より好ましくは0.8から2.0dl/gに相当する分子量を有するものである。対数粘度が0.3dl/g以下ではフィルム等の成型物にしたとき、機械的特性が不十分となる場合があり、また、2.0dl/g以上では溶液粘度が高くなる為、成形加工が困難となることがある。
また、本発明で用いるポリアミドイミド樹脂を製造する際に、吸湿特性、耐熱性、絶縁性、寸法安定性(熱膨張係数)、溶剤溶解性等、本発明の目的を損なわない範囲で、酸成分としてアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサン−4,4’−ジカルボン酸、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、シクロペンタン−1,2、3,4−テトラカルボン酸などの脂肪族や脂環族のジカルボン酸、ポリカルボン酸、及びこれらの一無水物や二無水物、エステル化物などを用いてもよく、又、アミン成分として、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、4、4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、シクロヘキサン−1,4−ジアミン、ジアミノシロキサンなどの脂肪族や脂環族ジアミン、或いは、これらに対応するジイソシアネートを単独あるいは2種以上の混合物として用いても良い。又、これら酸成分、アミン成分の組み合わせで別途重合した樹脂を混合して使用することもできる。
本発明のポリアミドイミド樹脂は末端を封鎖するための末端封止用モノマーを使用しても良い。例えば、無水フタル酸、安息香酸等のモノカルボン酸やモノ無水物、或いは、アニリン、フェニルイソシアネート等のモノアミン、モノイソシアネート等が使用できる。
酸成分とアミン成分のモルバランスとしては、酸/アミンの比率が1.1〜0.9モル比の範囲が好ましく、より好ましくは、やや酸成分が過剰になる、1.00〜1.05モル比の範囲である。又、酸成分中の無水物の純度は、95%、好ましくは99%以上のものを用いることが好ましい。
本発明のポリアミドイミド樹脂のイミド結合のベンゼン核に対する吸光度比が、0.9以上であるものが好ましい、好ましくは1.0以上である。上限は特に限定されないが溶剤溶解性の点から5.0未満が好ましい。イミド結合の吸光度が0.9未満の場合は、樹脂の吸湿特性が低下し、フレキシブルプリント基板の線間絶縁破壊電圧、線間絶縁抵抗の経時安定性、及び、加湿処理後の半田耐熱性が悪くなる傾向にある。なお、ここで言う吸光度比とは以下の測定方法により決定する。日立製作所製の270−3型赤外分光光度計を用い、サンプルとして、樹脂フィルムの表面(金属箔に接していない面)を削りとった粉末状のサンプルを用い、KBr法で測定する。図2に示すように吸光度1380cm−1のイミドの吸収の吸光度(a)および1500cm−1のベンゼン核の吸収の吸光度(b)をピークボトム間で引いたベースラインからの高さとして求め、吸光度比(b/a)を算出する。なお、測定の際は、ベンゼン核の吸収の吸光度の絶対値が0.5〜0.7の範囲であり、かつ、ベースラインからの高さが吸光度で0.2以上となるように、サンプル濃度調整および粉砕を行なう。
本発明のポリアミドイミド樹脂のイオン性不純物は2mg/kg以下であることが好ましい。さらに好ましくは1.5mg/kg以下、より好ましくは1mg/kg以下である。下限は特に限定されないが0mg/kgにできるだけ近い方が好ましい。イオン性不純物が2mg/kgを超えると後述する加湿後の半田耐熱性/絶縁性が低下する場合がある。イオン性不純物は基材フィルムを1cm×1cmに切断後、5gを石英ビーカーにとり、超純水50mlを加え、オートクレーブで120℃×20時間加熱処理し、得られたサンプル(抽出した純水)のNa、K、Liについて、原子吸光法で元素定量した値とする。
本発明のポリアミドイミド樹脂の酸価は150μeq/g以下であることが好ましい。好ましくは130μeq/g以下、より好ましくは120μeq/g以下である。酸価が150μeq/gを越えると、樹脂の吸湿特性が低下し、フレキシブルプリント基板の線間絶縁破壊電圧、線間絶縁抵抗の経時安定性、及び、加湿処理後の半田耐熱性が悪くなる傾向にある。酸価の下限は、フレキシブルプリント基板の線間絶縁破壊電圧、線間絶縁抵抗の経時安定性、或いは、加湿処理後の半田耐熱性という観点からは特には無いが、低すぎると接着強度が低下する傾向にある。この下限値は、後述の耐熱性樹脂フィルム層の不溶率の値により異なり、特に、不溶率が高い場合は、5μeq/g以上が好ましい。これは、不溶率が高い程、樹脂フィルム層の架橋度が高くなり、結果として、弾性率等の機械的特性が変わってくる傾向にあり、これが接着性に影響を及ぼす為と考えられる。
本発明のポリアミドイミド樹脂において、酸価や、イミド結合の吸光度は、重合温度や重合時間等の重合条件によってもコントロールできるが、一般には、酸成分とアミン成分のモルバランス、末端封止剤の使用、或いは、酸成分中の無水物基の量(モノマー純度、水分のコントロール)等により、コントロールできる。
本発明のポリアミドイミド樹脂のガラス転移温度は250℃以上であることが好ましい。好ましくは280℃以上、さらに好ましくは300℃以上である。上限は特に限定されないがワニス安定性の点で450℃未満である。ガラス転移温度が250℃未満になると半田耐熱性の低下する恐れがある。ガラス転移温度は樹脂フィルムをサンプルとして測定(荷重:1g、サンプルサイズ:4(幅)×20(長さ)mm、昇温速度:10℃/分、雰囲気:窒素)する。なおフィルムは、窒素中、昇温速度10℃/分で、一旦、変曲点まで昇温し、その後室温まで冷却したフィルムについて測定を行なう。
<ポリアミドイミド樹脂溶液>
本発明で用いるポリアミドイミド樹脂の溶液を製造するための溶媒としては、は環境への配慮からハロゲン元素を含まない有機溶媒、すなわちノンハロゲン系有機溶媒が好ましい。かかる有機溶媒の典型例としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N、N’−ジメチルホルムアミド、N、N’−ジメチルアセトアミド、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、テトラメチルウレア、スルホラン、ジメチルスルホオキシド、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどで、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンである。これら溶媒が重合溶媒として使用された場合は、そのまま後述するフレキシブル金属張積層体を製造するための溶液として使用できる。
また、これらの一部をトルエン、キシレンなどの炭化水素系有機溶剤、ジグライム、トリグライム、テトラヒドロフランなどのエーテル系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系有機溶剤で置き換えることも可能である。
また、必要ならば、フレキシブル金属張積層体、或いはフレキシブルプリント基板の諸特性、たとえば、機械的特性、電気的特性、滑り性、難燃性などを改良する目的で、本発明の上記耐熱性樹脂溶液に、他の樹脂や有機化合物、及び無機化合物を混合させたり、あるいは反応させてもよい。たとえば、滑剤(シリカ、タルク、シリコーン等)、接着促進剤、難燃剤(リン系やトリアジン系、水酸化アルミ等)、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤等)、メッキ活性化剤、有機や無機の充填剤(タルク、酸化チタン、フッ素系ポリマー微粒子、顔料、染料、炭化カルシウム等)、その他、シリコーン化合物、フッ素化合物、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂のような樹脂や有機化合物、或いはこれらの硬化剤、酸化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化鉄などの無機化合物をこの発明の目的を阻害しない範囲で併用することができる。
こうして得られるポリアミドイミド樹脂溶液(ワニス)中のポリアミドイミド樹脂の濃度は、広い範囲から選択できるが、一般には5〜40重量%程度、特に8〜20重量%程度とするのが好ましい。該濃度が上記範囲を外れると、塗工性が低下する傾向にある。
<金属箔>
本発明に用いる金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔、スチール箔、及びニッケル箔などを使用することができ、これらを複合した複合金属箔や亜鉛やクロム化合物など他の金属で処理した金属箔についても用いることができる。金属箔の厚みについては特に限定はないが、たとえば、3〜50μmの金属箔を好適に用いることができる。
金属箔は、通常、リボン状であり、その長さは特に限定されない。また、リボン状の金属箔の幅も特に限定されないが、一般には25〜300cm程度、特に50〜150cm程度であるのが好ましい。
<フレキシブル金属張積層体の製造法>
本発明のフレキシブル金属張積層体は、
(A)前記金属箔にポリアミドイミド樹脂の溶液を塗布し、塗膜を初期乾燥する工程
(B)(A)で得られた金属箔と初期乾燥塗膜との積層物を熱処理・乾燥する工程(以下、「熱処理・脱溶剤工程」という)
を含む製造法により得られ、こうして、本発明のフレキシブル金属張積層体が製造される。
熱処理・脱溶剤工程時の温度や時間の条件は、好ましくは、熱処理・脱溶剤工程終了後、塗布した樹脂層の不溶率が1%以上になるように行う。不溶率が1%未満では、耐熱性樹脂の組成によっては、フレキシブル金属張積層板、及び、それを回路加工したフレキシブルプリント基板の半田耐熱性、絶縁性、特に、加湿処理後の半田耐熱性、絶縁性(線間絶縁破壊電圧、線間絶縁抵抗の経時安定性)が不十分となる場合がある。
特に、本発明においては、使用する耐熱性樹脂の特性以外にも、耐熱性樹脂フィルム層が、ある程度の架橋構造を保つことが一つのポイントになっており、その代替メジャーである不溶率を1%以上とすることで、加湿処理後の半田耐熱性や絶縁性(線間絶縁破壊電圧、線間絶縁抵抗の経時安定性)に優れるフレキシブル金属張積層体を得ることができる。これは、
・架橋反応により吸湿特性に悪影響を及ぼすカルボキシル基等の官能基が低減すること、
・架橋反応により、樹脂フィルム層の物理的耐熱性が向上すること、
等の効果であるものと考えられる。
なお不溶率とは、金属箔を除いた部分の樹脂層のみをN−メチル−2−ピロリドン中0.5重量%濃度の溶液で100℃、2時間溶解した後の樹脂層の不溶分を示し、下式で示されるものである。
不溶率(%)=[Mi/Mf]×100
(式中、Miは不溶分の重量(g)を示し、Mfは樹脂フィルムの重量(g)を示す。)
不溶率の上限は、使用するポリアミドイミド樹脂の酸価によって異なるが、通常は99%以下、好ましくは85%以下である。特に使用する樹脂の酸価が低い場合、99%以上の不溶率では、接着強度が低下する傾向にある。
尚、形成される耐熱性樹脂フィルム層が溶剤に可溶な場合、溶剤に可溶な部分の酸価は5〜150μeq/gである。5μeq/g以下では接着強度が低くなる傾向にあり、150μeq/g以上では、線間絶縁破壊電圧、線間絶縁抵抗の経時安定性が悪くなる傾向にある。
具体的な熱処理温度は(Tg+50)℃以下で行うことが望ましい。又、生産性から熱処理・脱溶剤温度の下限は(Tg−250)℃である。ここで、Tgは、摂氏で表したポリアミドイミド樹脂のガラス転移点を示す
<フレキシブル金属張積層体>
本発明のフレキシブル金属張積層体は、ポリアミドイミド樹脂が金属箔の少なくとも片面に積層されたことを特徴としている。
本発明のフレキシブル金属箔積層体におけるポリアミドイミド樹脂の吸湿寸法変化率は15ppm/%RH以下であることが好ましい。さらに好ましくは12ppm/%RH以下、より好ましくは10ppm/%RH以下である。下限は特に限定されず0ppm/%RHに近いものほど好ましい。吸湿寸法変化率は15ppm/%RHを超えると加湿時でのフレキシブル金属張積層板やフレキシブルプリント配線板のカールが大きくなったり、回路加工時の歩留まりが低下したりする場合がある。吸湿寸法変化率は以下のような方法により測定する。
(1) IPC−FC 241(IPC−TM−650、2.2.4(c))に準じて金属張積層板の一定の位置に穴をあけ、25℃65%で4時間調湿し、穴間距離を測長する。
(2) 金属張積層板の金属層を塩化第二鉄で前面除去(エッチング)し、得られた樹脂フィルムを相対湿度が20%、40%、65%、90%の各雰囲気下で、25℃で24時間調湿する。
(3) IPC−FC 241(IPC−TM−650、2.2.4(c))に準じて、樹脂フィルムの穴間距離を測長し、(1)の金属箔積層体の穴間距離を基準に寸法変化率を求める。
(4) (3)の寸法変化率を各相対湿度に対しプロットし、その湿度に対する傾きを吸湿寸法変化率とする。
本発明のフレキシブル金属箔積層体におけるポリアミドイミド樹脂の熱膨張係数は30ppm/℃以下であることが好ましい。さらに好ましくは25ppm/℃以下、より好ましくは20ppm/℃以下である。下限は特に限定されないが金属箔の熱膨張係数とのずれが大きくなると積層体に歪みが蓄積される傾向にある為5ppm/℃以上が好ましい。ここで熱膨張係数はTMA(熱機械分析/理学株式会社製)引張荷重法によりフレキシブル金属張積層体の金属箔をエッチング除去した樹脂フィルム層を用いて測定(荷重:1g、サンプルサイズ:4(幅)×20(長さ)mm、昇温速度:10℃/分、雰囲気:窒素、測定温度範囲;100℃〜200℃)する。なおフィルムは、窒素中、昇温速度10℃/分で、一旦、変曲点まで昇温し、その後室温まで冷却したフィルムについて測定を行なうものとする。
熱膨張係数が30ppm/℃を超えると寸法安定性が低下し、それにより(フレキシブル金属積層体の成型加工時に発生する内部歪みが大きくなるため)フレキシブル金属積層体のカール、特に、常態、或いは、フレキシブル金属積層体を加熱した時(放湿した時)のカールが大きくなり、結果として、それを加工したフレキシブルプリント基板も、常態、或いは加熱時にカールが大きくなる。
金属箔と樹脂フィルム層からなる二層構造の場合、上記の加熱時や加湿時のカールは、使用する金属箔の種類や厚みにより異なるが、汎用的に用いられる9〜18μmの金属箔では、加湿下では樹脂層を凸に、加熱(或いは放湿時)下では金属箔層を凸にしてカールする傾向にある。従って、それを回路加工したフレキシブルプリント基板も同様の挙動を示す傾向にあり、回路加工時の、湿式工程や加熱工程、或いは、回路加工した後のフレキシブルプリント基板への実装工程などにおいて、基板のねじれやカール(反り)の原因になる。
本発明のフレキシブル金属箔積層体は加湿後(40℃、90%RH、24時間)のカールの曲率半径が70mm以上であり、且つ加熱後(100℃、1時間)のカールの曲率半径が70mm以上であることが好ましい。加湿後においてさらに好ましくは100mm以上、より好ましくは120mm以上である。加熱後においてさらに好ましくは100mm以上、より好ましくは120mm以上である。上限は特に限定されず無限大であるものが好ましい。無限大であるということはカールが全く無いことを示す。ここでカールの測定はフレキシブル金属張積層体(サンプルサイズ:10cm×10cm)を図1に示すような、フリーな状態(カール方向に自重がかからない状態)で放置し、フレキシブル金属張積層体サンプル100の湾曲により垂直面から離れた両端102、102’の間の距離(R)と垂直面から両端102、102’までの距離hを測定し、次式により曲率半径rを求めることにより行う。
曲率半径(r)=(h/2)+(1/8)×(R/h)
本発明のフレキシブル金属箔積層体におけるポリアミドイミド樹脂のガラス転移温度は250℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは280℃以上、より好ましくは300℃以上である。上限は特に限定されないがワニス安定性等の点で450℃未満が好ましい。ガラス転移温度が250℃未満であると半田耐熱性の低下する場合がある。
ガラス転移温度はTMA(熱機械分析/理学株式会社製)引張荷重法によりフレキシブル金属張積層体の金属箔をエッチング除去した樹脂フィルム層をサンプルとして測定(荷重:1g、サンプルサイズ:4(幅)×20(長さ)mm、昇温速度:10℃/分、雰囲気:窒素)する。なおフィルムは、窒素中、昇温速度10℃/分で、一旦、変曲点まで昇温し、その後室温まで冷却したフィルムについて測定を行なうものとする。
本発明のフレキシブル金属箔積層体におけるポリアミドイミド樹脂のイミド結合のベンゼン核に対する吸光度比は0.9以上であることが好ましい。さらに好ましくは1.0以上である。上限は特に限定されないがワニス安定性の点で5.0未満が好ましい。吸高度比が0.9未満であると樹脂の吸湿特性が低下し、フレキシブルプリント基板の線間絶縁破壊電圧、線間絶縁抵抗の経時安定性、及び、加湿処理後の半田耐熱性が悪くなる傾向にある。なお、ここで言う吸光度比とは前述のポリアミドイミド樹脂での吸光度測定方法で説明したものと全く同様の方法により測定した値とする。
本発明のフレキシブルプリント金属箔積層体におけるポリアミドイミド樹脂としては酸成分、ジアミン成分のそれぞれを100モル%としたとき、酸成分としてトリメリット酸無水物/3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物=70〜90/5〜25/5〜25(モル%)であり、ジアミン成分として3、3’−ジメチル−4、4’−ビフェニルジイソシアネートからなるもの、あるいは酸成分としてトリメリット酸無水物/3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物=70〜90/5〜25/5〜25(モル%)であり、ジアミン成分として3、3’−ジメチル−4、4’−ビフェニルジイソシアネートを含むものが耐熱性、寸法安定性、接着性等に優れ、かつ、加湿下でも絶縁性、半田耐熱性の低下や、カール、寸法変化のないフレキシブルプリント基板用のフレキシブル金属張積層体を安価に製造しよう上で最も好ましい。
尚、耐熱性樹脂フィルム層と金属箔とからなる本発明のフレキシブル金属張積層体において、耐熱性樹脂フィルム層の厚さは、広い範囲から選択できるが、一般には絶乾後の厚さで5〜100μm程度、好ましくは10〜50μm程度である。厚さが5μmよりも小さいと、フィルム強度等の機械的性質やハンドリング性に劣ることがあり、一方、厚さが100μmを超えるとフレキシブル性などの特性や加工性(乾燥性、塗工性)等が低下する傾向がある。
<フレキシブルプリント基板>
上記本発明のフレキシブル金属張積層体を用いて、例えばサブトラクティブ法等の従来公知の方法により、フレキシブルプリント基板を製造できる。導体回路のソルダ−レジスト、或いは、汚れやキズなどから保護する目的で回路表面を被覆する場合は、従来公知の方法、即ち、ポリイミド等の耐熱性フィルムを接着剤を介して、配線板(導体回路が形成されたベース基板)に貼り合わせる方法や、液状の被覆剤をスクリーン印刷法で配線板に塗布する方法などが適用できる。耐熱性フィルムとしてはポリイミドフィルムが、その接着剤としてはポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエステルウレタン系、エポキシ系、或いはこれらの2種以上の混合物が使用できる。液状の被覆剤としては、従来公知のエポキシ系やポリイミド系のインキが使用できるが、特にポリイミド系が耐熱性、耐湿性、絶縁性(耐マイグレーション性)という観点から好ましい。又、エポキシ系やポリイミド系等の接着シートを配線板に直接貼りあわせることも可能である。こうして得られるフレキシブルプリント基板は、耐熱性、寸法安定性、接着性、絶縁性等に優れ、かつ、加湿後でも半田耐熱性(300℃以上)、絶縁性(線間絶縁破壊電圧、線間絶縁抵抗の経時安定性が1000時間以上)の低下が少なく、又、加湿下を含めたあらゆる雰囲気でカールも少ない為、工業的に多大のメリットがある。
また通常、高電圧が負荷される様な用途に使用されるフレキシブルプリント基板、例えば、プラズマディスプレイなどのディスプレイ周辺に使用されるフレキシブルプリント基板としては、加湿下でも線間絶縁抵抗が1.0×1010Ω以上、線間絶縁破壊電圧が1.0KV以上の、絶縁信頼性を保つ、必要があり、従来のフレキシブルプリント配線板では絶縁信頼性不足であったが、本発明のフレキシブルプリント基板は、この様な用途でも優れた信頼性を発現する。なおここで言う線間絶縁破壊電圧、線間絶縁抵抗の経時安定性とは、フレキシブルプリント基板の導体回路に100V以上の電圧を負荷した状態で、加熱・加湿処理した後の、各値の常態での値に対する比較値である。
実施例
以下、実施例により、この発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明は実施例により、特に制限されるものではない。各実施例における特性値の評価方法は以下の通りである。尚、評価に用いた、粉末状のポリマーサンプルは、各実施例で得られた、重合溶液を大量のアセトンで、再沈殿、精製して作成した。又、樹脂フィルム(基材フィルム)は、各実施例、比較例で得られたフレキシブル金属張積層体の金属箔を、35%の塩化第二鉄(40℃)でエッチング除去し得た。
[溶液粘度の変化率]
N−メチル−2−ピロリドンに10重量%で溶解した直後のワニスの溶液粘度をB型粘度計を用いて25℃において測定し、そのワニスを5℃で1ヶ月間保管後、もう一度B型粘度計を用いて25℃における溶液粘度を測定した。その測定値より溶液粘度の変化率{(1ヵ月後の溶液粘度−初期溶液粘度)/初期溶液粘度}を絶対値として決定した。
[対数粘度]
粉末状のポリマーサンプルを用い、ポリマー濃度が0.5g/dlとなるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、その溶液の溶液粘度及び溶媒粘度を30℃で、ウベローデ型の粘度管により測定して、下記の式で計算した。
対数粘度(dl/g)=[ln(V1/V2)]/V3
上記式中、V1はウベローデ型粘度管により測定した溶液粘度を示し、V2はウベローデ型粘度管により測定した溶媒粘度を示すが、V1及びV2はポリマー溶液及び溶媒(N−メチル−2−ピロリドン)が粘度管のキャピラリーを通過する時間から求めた。また、V3は、ポリマー濃度(g/dl)である。
[ガラス転移温度]
TMA(熱機械分析/理学株式会社製)引張荷重法により本発明のフレキシブル金属張積層体の金属箔をエッチング除去した樹脂フィルム層のガラス転移温度を以下の条件で測定した。なおフィルムは、窒素中、昇温速度10℃/分で、一旦、変曲点まで昇温し、その後室温まで冷却したフィルムについて測定を行った。
荷重:1g
サンプルサイズ:4(幅)×20(長さ)mm
昇温速度:10℃/分
雰囲気:窒素
[熱膨張係数]
TMA(熱機械分析/理学株式会社製)引張荷重法により本発明のフレキシブル金属張積層体の金属箔をエッチング除去した樹脂フィルム層の熱膨張係数を以下の条件で測定した。なおフィルムは、窒素中、昇温速度10℃/分で、一旦、変曲点まで昇温し、その後室温まで冷却したフィルムについて測定を行った。
荷重:1g
サンプルサイズ:4(幅)×20(長さ)mm
昇温速度:10℃/分
雰囲気:窒素
測定温度範囲;100℃〜200℃
[不溶率の測定]
製造されたフレキシブル金属張積層体の金属箔を40℃の塩化第二鉄(濃度35重量%)に浸漬することでエッチング除去し、得られた樹脂フィルムをN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ、樹脂フィルム層の0.5重量%N−メチル−2−ピロリドン溶液を得た。溶液の調製は100ml三角フラスコを用いて行った。
次いで、この溶液を、100℃で2時間加熱処理(100℃のオイルバスに溶液の入った三角フラスコを漬ける)し、室温まで冷却後、三角フラスコ中の不溶分を100mlのN−メチル−2−ピロリドンで洗い流しながら、不溶分をガラスフィルター(3G−2番)で濾別した。
その後、ガラスフィルターごと200℃で20時間真空乾燥し、その重量を測定し、その値からあらかじめ測定しておいたガラスフィルターの重量を差引き、不溶分の重量を測定した。このようにして求めた不溶分の重量(Mi)と樹脂フィルムの重量(Mf)より、下記式により計算した。
不溶率(%)=[Mi/Mf]×100
(式中、Miは不溶分の重量(g)を示し、Mfは樹脂フィルムの重量(g)を示す。)
[半田耐熱性(常態)]
フレキシブル金属張積層体の金属箔をサブトラクティブ法によりエッチング加工し、(35%塩化第二鉄溶液)幅1mmの回路パターンを作成したサンプルを25℃、65%(湿度)で24時間調湿しフラックス洗浄した後、20秒間、320℃の噴流半田浴に浸漬し、顕微鏡で剥がれや膨れの有無を観察した。○は剥がれや膨れのないこと、×は剥がれや膨れが発生したことを示す。
[半田耐熱性(加湿処理後)]
フレキシブル金属張積層体の金属箔をサブトラクティブ法によりエッチング加工し、(35%塩化第二鉄溶液)幅1mmの回路パターンを作成したサンプルを40℃、90%(湿度)で24時間調湿しフラックス洗浄した後、20秒間、320℃の噴流半田浴に浸漬し、顕微鏡で剥がれや膨れの有無を観察した。○は剥がれや膨れのないこと、×は剥がれや膨れが発生したことを示す。
[酸価の測定]
京都電子(株)製の自動電位差滴定装置AT310を用い、粉末状のポリマーサンプル、及び、樹脂フィルム層の値を以下の条件で測定した。尚、樹脂フィルム層の酸価については、上記の不溶率の測定で得られた濾液を用いた。(サンプル重量は不溶率の値から、不溶分を除いた重量とした)
滴定液;1/50N 水酸化カリウム(エタノール/ジメチルホルムアミド溶液)
被滴定液;濃度0.1g/dl、溶媒N−メチル−2−ピロリドン/ジメチルホルムアミド混合溶媒
[イミド結合の吸光度比]
日立製作所製の270−3型赤外分光光度計を用い、1380cm−1のイミド結合に由来する吸収のベースラインからの高さ(a)と1500cm−1のベンゼン核の結合に由来する吸収のベースラインからの高さ(b)との吸光度比(b/a)を、以下の条件で測定した。尚、用いたサンプルは、樹脂フィルムの表面(金属箔に接していない面)を削りとった粉末状のサンプルを用い、KBr法で測定した。図2に実施例3のIRチャートを示す。また、KBrの錠剤を作成する際、ベンゼン核の吸収の吸光度の絶対値が0.5〜0.7の範囲であり、かつ、ベースラインからの高さが吸光度で0.2以上となるように、サンプル濃度調整および粉砕を行った。また、吸光度(a)および(b)は図2に示した様にピークボトム間で引いたベースラインからの高さである。
[寸法変化率]
IPC−FC241(IPC−TM−650,2.2.4(c))で150℃×30分の条件で、MD方向とTD方向について測定した。
[接着強度]
IPC−FC241(IPC−TM−650,2.4.9(A))に従い、サブトラクティブ法により回路パターンを作成したサンプルを用いて、回路パターンと耐熱性樹脂層との接着強度を測定した。
[端裂抵抗]
金属箔をエッチング除去した樹脂フィルムから幅20mm、長さ200mmのサンプルを作成し、JIS C 2318に従い測定した。
[線間絶縁抵抗の経時安定性]
表1に示す内容のJIS Z 3197規定のくし型電極を作成し、85℃、85%RHの雰囲気下で、連続通電(DC100V)して作成した経時サンプルの線間絶縁抵抗値(DC100V印可、1分間保持後)をJIS C 5016の方法で測定した。
尚、くし型電極の導体部分(電気的接続の為の端子は除く)は実施例5の樹脂溶液を用い、以下の条件でスクリーン印刷法にて、膜厚が10μmになる様にカバーコートした。
スクリーン印刷の条件
スクリーン材質;ステンレス
スクリーンメッシュ;#200
印刷回数;2回
乾燥条件;80℃×5分、150℃×1時間、280℃×20分(窒素下)
[線間絶縁破壊電圧の経時安定性]
表1に示す内容のJIS Z 3197規定のくし型電極を作成し、85℃、85%RHの雰囲気下で、連続通電(DC100V)して作成した経時サンプルの、線間絶縁破壊電圧(感知電流0.5mmAにおける破壊電圧)をJIS C 5016の方法で測定した。
尚、くし型電極の導体部分(電気的接続の為の端子は除く)は実施例5の樹脂溶液を用い、以下の条件で、膜厚が10μmになる様にスクリーン印刷法にてカバーコートした。
スクリーン印刷の条件
スクリーン材質;ステンレス
スクリーンメッシュ;#200
印刷回数;2回
乾燥条件;80℃×5分、150℃×1時間、280℃×20分(窒素下))
Figure 2003072639
[吸湿率]
長さ及び幅が50±1mmの樹脂フィルムを以下の方法で測定した。(尚、サンプルの切断面が粗い場合は、JIS R 6252に規定のP240以上の研磨紙で平滑に仕上げた)。測定には5枚の試料を用いた。
(1)50±2℃に保った恒温槽中で試料を24時間放置する。
(2)試料が互いに接触しない様に、試料を秤量瓶に入れ、秤量瓶の蓋(以下単に蓋と言う)を開けたまま25℃、90%RHの条件で24時間静置する(試料表面の塵は羽毛又は毛筆で払う)。
(3)秤量瓶を蓋で素早く密栓し、デシケータ中室温で1時間放置する。
(4)秤量瓶と試料の合計重量を測定し(W1とする)、次にそこから試料を素早く取り出して秤量瓶のみの重量(W0)を測定する。
(5)秤量瓶の中に再度試料を入れて、蓋を開放したまま100±5℃に保った恒温機中で1時間乾燥する。
(6)秤量瓶を蓋で素早く密栓し、デシケータ中室温で1時間放置する。
(7)秤量瓶と試料の合計重量を測定し(W3とする)、次にそこから素早く試料を取り出して秤量瓶のみの重量(W4)を測定する。
(8)次の式によって吸湿率WA(%)を算出する。
WA=[{(W1−W0)−(W3−W4)}/(W1−W0)]×100
[イオン性不純物]
基材フィルムを1cm×1cmに切断後、5gを石英ビーカーにとり、超純水50mlを加え、オートクレーブで120℃×20時間加熱処理した。処理後は水は約40mLに減少していた。(水の容量は重量から換算)得られたサンプル(抽出した純水)のNa、K、Liについて、原子吸光法で元素定量した。
[フィルムの相溶性(透明性)]
作成した厚み25μmの樹脂フィルムの透明性を目視にて観察した。
[溶解性]
10重量%の濃度に調整した溶液を25℃で24時間静置し、ゲル化、不均一化、白濁、析出のいずれもがなかったものを溶解していると判定した(○溶解性あり、×溶解性なし)。
[カール曲率半径]
フレキシブル金属張積層体(サンプルサイズ:10cm×10cm)を図1に示すような、フリーな状態(カール方向に自重がかからない状態)で放置し、フレキシブル金属張積層体サンプル100の湾曲により垂直面から離れた両端102、102’の間の距離(R)と垂直面から両端102、102’までの距離hを測定し、次式により曲率半径rを求めた。
曲率半径(r)=(h/2)+(1/8)×(R/h)
[吸湿寸法変化率]
(1) IPC−FC 241(IPC−TM−650、2.2.4(c))に準じて金属張積層板の一定の位置に穴をあけ、25℃65%で4時間調湿し、穴間距離を測長する。
(2) 金属張積層板の金属層を塩化第二鉄で前面除去(エッチング)し、得られた樹脂フィルムを相対湿度が20%、40%、65%、90%の各雰囲気下で、25℃で24時間調湿する。
(3) IPC−FC 241(IPC−TM−650、2.2.4(c))に準じて、樹脂フィルムの穴間距離を測長し、(1)の金属箔積層体の穴間距離を基準に寸法変化率を求める。
(4) (3)の寸法変化率を各相対湿度に対しプロットし、その湿度に対する傾きを吸湿寸法変化率とした。
実施例1
反応容器に無水トリメリット酸(以下TMAと略す;150℃、1Torrで昇華精製;純度99.9モル%、トリメリット酸含有量0.1モル%)、172.9g(90モル%)、3、3’、4、4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(以下ODPA;純度99%)31.0g(10モル%)、3、3’−ジメチル−4、4’−ビフェニルジイソシアネート(以下TODI;純度99%)264.3g(100モル%)、及びN−メチル−2−ピロリドン(以下NMP;純度99.9%以上)2155g、トリエチレンジアミン2.5gを加え、窒素気流下、100℃まで昇温し、100℃で3時間反応させた。次いで、160℃で2時間、180℃で2時間反応させ、NMP630g(ポリマー濃度12重量%)を加え、室温まで冷却した。
得られたポリマー溶液を用いて、以下の様な成型加工条件でフレキシブル金属張積層体を作成し、表2〜表5に示す内容の各種特性を評価した。
(A)初期乾燥工程
上記で得られた樹脂溶液を、厚み18μmの電解銅箔(商品名「USLP−R2」、日本電解(株)製)にナイフコーターを用いて、脱溶剤後の厚みが25μmになるようにコーティングした。次いで、120℃の温度で3分乾燥し、初期乾燥されたフレキシブル金属張積層体を得た。
(B)熱処理・脱溶剤工程
上記の初期乾燥された積層体を外径16インチのアルミ缶に、塗工面が外側になるよう巻き取り、真空乾燥機、或いはイナートオーブンで、以下に示す熱処理・脱溶剤条件で加熱処理した。(塗膜中の溶剤は完全に除去されていた。)
減圧乾燥条件;200℃×24hr(減圧度は溶剤の揮発により、10〜100Paの間で変動した)
窒素下での加熱(流量;20L/分);280℃×3hr
実施例2
反応容器にTMA153.7g(80モル%)、ODPA15.5g(5モル%)、3、3’、4、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下BTDA;純度99%)48.3g(15モル%)、TODI264.3g(100モル%)、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(以下DBU)1.5g、及びNMP2230gを加え、窒素気流下、100℃まで昇温し、100℃で2時間反応させた。次いで、160℃で3時間反応させた後、NMP658g(ポリマー濃度12重量%)を加え、室温まで冷却した。
得られたポリマー溶液を用いて、実施例1と同様の方法で、フレキシブル金属張積層体を作成し、表2〜表5に示す内容の各種特性を評価した。
実施例3
反応容器にTMA153.7g(80モル%)、BTDA48.3g(15モル%)、3、3’、4、4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下BPDA;純度99%)14.7g(5モル%)、TODI264.3g(100モル%)、DBU1.5g、及びNMP(純度99.9%)2230gを加え、窒素気流下、100℃まで昇温し、100℃で2時間反応させた。次いで、150℃で1時間反応させた後、NMP1307g(ポリマー濃度10重量%)を加え、室温まで冷却した。
得られたポリマー溶液を用いて、実施例1と同様の方法で、フレキシブル金属張積層体を作成し、表2〜表5に示す内容の各種特性を評価した。
実施例4
反応容器にTMA153.7g(80モル%)、BTDA48.3g(15モル%)、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)(TMEG;純度99%)20.5g(5モル%)、TODI264.3g(100モル%)、DBU1.5g、及びNMP598gを加え、窒素気流下、100℃まで昇温し、100℃で5時間反応させた。次いで、NMPを997gを加え、160℃で3時間反応させた後、更にNMP849g(ポリマー濃度14重量%)を加え、室温まで冷却した。
得られたポリマー溶液を用いて、実施例1と同様の方法で、フレキシブル金属張積層体を作成し、表2〜表5に示す内容の各種特性を評価した。
実施例5
反応容器にTMA153.7g(80モル%)、BTDA32.2g(10モル%)、BPDA14.7g(5モル%)、ODPA15.5g(5モル%)、TODI264.3g(100モル%)、DBU1.5g、及びNMP2220g(ポリマー濃度;15重量%)を加え、窒素気流下、100℃まで昇温し、100℃で2時間反応させた。次いで、160℃で3時間反応させ、室温まで冷却した。
得られたポリマー溶液を用いて、実施例1と同様の方法で、フレキシブル金属張積層体を作成し、表2〜表5に示す内容の各種特性を評価した。
実施例6
反応容器にTMA134.5g(70モル%)、BTDA80.6g(25モル%)、BPDA14.7g(5モル%)、TODI266.9g(100モル%)、DBU1.5g及びNMP2500gを加え、窒素気流下、100℃まで昇温し、100℃で2時間反応させた。次いで、150℃で2時間、150℃で2時間反応させた後、室温まで冷却した。
得られたポリマー溶液を用いて、実施例1と同様の方法で、フレキシブル金属張積層体を作成し、表2〜表5に示す内容の各種特性を評価した。
比較例1
反応容器にTMA153.7g(80モル%)、トリメリット酸42.0g(20モル%)、TODI(純度99%以上)211.4g(80モル%)、4、4’−ジフェニルメタンジイイソシアネート50.1g(20モル%)、フッ化カリウム1.5g、及びNMP1477gを加え、窒素気流下、50℃まで昇温し、50℃で2時間反応させた。次いで、100℃で10時間、120℃で5時間反応させた後、更にNMP615g(ポリマー濃度15重量%)を加え、室温まで冷却した。
得られたポリマー溶液を用いて、実施例1と同様の方法で、フレキシブル金属張積層体を作成し、表2〜表7に示す内容の各種特性を評価した。
比較例2
反応容器にTMA192.3(100モル%)、TODI264.3g(100モル%)、及びNMP1473gを加え、窒素気流下、100℃まで昇温し、100℃で2時間反応させた。次いで、160℃で4時間反応させ、更にNMP614g(ポリマー濃度15重量%)を加え、室温まで冷却した。重合溶液は、加熱時は溶解していたが、冷却後、不均一になった。
比較例3
反応容器にBTDA322.2g(100モル%)、TODI264.3g(100モル%)、及びNMP1979gを加え、窒素気流下、100℃まで昇温し、100℃で2時間反応させたが生成するポリマーが溶媒に溶けず、不均一な溶液となった。
比較例4
反応容器にBPDA294.2g(100モル%)、TODI264.3g(100モル%)、及びNMP1882gを加え、窒素気流下、100℃まで昇温し、100℃で2時間反応させたが生成するポリマーが溶媒に溶けず、不均一な溶液となった。
比較例5
反応容器にODPA310.2g(100モル%)、TODI264.3g(100モル%)、及びNMP2757gを加え、窒素気流下、100℃まで昇温し、100℃で2時間、160℃で2時間反応させたが生成するポリマーが溶媒に溶けず、不均一な溶液となった。
比較例6
反応容器にTMA172.9g(90モル%)、BTDA32.2g(10モル%)、TODI(純度99%以上)264.3g(100モル%)、及びNMP2000gを加え、窒素気流下、1時間かけて200℃まで昇温し、その後200℃で5時間攪拌した後、室温まで冷却した。次にNMP1400gを加えて固形分濃度10%に調整した。
得られたポリマー溶液を用いて、5℃で1ヶ月の保存テストを行ったところ、プリン状に固まった。
比較例7
反応容器にTMA134.5g(70モル%)、BTDA96.6g(30モル%)、TODI(純度99%以上)264.3g(100モル%)、及びNMP2000gを加え、窒素気流下、1時間かけて200℃まで昇温し、その後200℃で5時間攪拌した後、室温まで冷却した。次にNMP1600gを加えて固形分濃度10%に調整した。
得られたポリマー溶液を用いて、5℃で1ヶ月の保存テストを行ったところ、プリン状に固まった。
比較例8
反応容器にTMA156.8g(80モル%)、BTDA65.7g(20モル%)、TODI(純度99%以上)264.3g(100モル%)及びNMP2000gを加え、窒素気流下、1時間かけて200℃まで昇温し、その後200℃で5時間反応させた。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は0.81であった。
溶液粘度の変化率の絶対値を測定したところ4.0であり、増粘する傾向であった。この増粘した溶液を用いてFCLを作成しようとしたが、均一な塗膜を得ることが出来なかった。
Figure 2003072639
Figure 2003072639
Figure 2003072639
Figure 2003072639
これらのフレキシブル金属張積層体を用いて作成したフレキシブルプリント基板について、表6、表7に示す内容の各種特性を評価した。
Figure 2003072639
Figure 2003072639
産業上の利用の可能性
上述したように、本発明のフレキシブル金属張積層体は、絶縁基材に用いる耐熱性樹脂が低吸湿率で熱膨張率が低く、又、フレキシブル金属張積層体の内部応力も少ない為、加湿下を含めたあらゆる雰囲気下でカールせず、優れた寸法安定性を発現する。又、加湿後でも半田耐熱性/絶縁性の低下がなく、更に、耐熱性樹脂が有機溶剤に可溶でしかもその溶液安定性に優れる為、安価に製造できる。従って工業的に有用である。
【図面の簡単な説明】
図1はフレキシブル金属張積層体のカール測定方法の説明図である。
図2は実施例3で得られたポリアミドイミド樹脂のIRスペクトルである。

Claims (12)

  1. 10%の濃度でアミド系溶媒に溶解可能であり、そのワニスを5℃で1ヶ月保管した時の溶液粘度の変化率((1ヵ月後の溶液粘度−初期溶液粘度)/初期溶液粘度)の絶対値が3.0以下であり、かつ、樹脂の吸湿率(25℃、90%RH、24時間)が2.0%以下であるノンハロゲン系ポリアミドイミド樹脂。
  2. ガラス転移温度が250℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミドイミド樹脂。
  3. イミド結合のベンゼン核に対する吸光度比が、0.9以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミドイミド樹脂。
  4. イオン性不純物が2mg/kg以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミドイミド樹脂。
  5. 酸価が150μeq/g以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミドイミド樹脂。
  6. ポリアミドイミド樹脂の酸成分、アミン成分のそれぞれを100モル%としたとき、酸成分としてトリメリット酸無水物/3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物=70〜90/5〜25/5〜25(モル%)であり、ジアミン成分として3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミンを含むこと特徴とするポリアミドイミド樹脂。
  7. ポリアミドイミド樹脂の酸成分、アミン成分のそれぞれを100モル%としたとき、酸成分としてトリメリット酸無水物/3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物/3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物=70〜90/5〜25/5〜25(モル%)であり、ジアミン成分として3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミンを含むこと特徴とするポリアミドイミド樹脂。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のポリアミドイミド樹脂が金属箔の少なくとも片面に積層されたフレキシブル金属張積層体。
  9. ポリアミドイミド樹脂の吸湿寸法変化率が15ppm/%RH以下であることを特徴とする請求項8記載のフレキシブル金属張積層体。
  10. ポリアミドイミド樹脂の熱膨張係数が30ppm/℃以下である請求項8または9に記載のフレキシブル金属張積層体。
  11. 加湿後(40℃、90%RH、24時間)のカールの曲率半径が70mm以上であり、且つ加熱後(100℃、1時間)のカールの曲率半径が70mm以上であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のフレキシブル金属張積層体。
  12. 請求項8〜11のいずれかに記載のフレキシブル金属張積層体を用いて回路加工されたフレキシブルプリント基板。
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