JPWO2003044093A1 - 樹脂組成物及び成形体製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、エンジニアリングプラスチックの成形加工において、押出圧力及び押出トルクを低下する等の成形加工性を向上することができるとともに、押出圧力、押出トルク等における成形加工性を安定して得ることができ、また、容易に結晶化することができる樹脂組成物を提供することにある。本発明は、エンジニアリングプラスチック及び含フッ素重合体を配合して得られる樹脂組成物であって、上記含フッ素重合体は、上記エンジニアリングプラスチックの質量及び上記含フッ素重合体の質量の合計の0.005〜1質量%であり、上記含フッ素重合体は、パーフルオロポリマーであり、上記樹脂組成物は、押出成形又は射出成形に用いるものであることを特徴とする樹脂組成物である。

Description

関連出願の参照
本出願は、2001年11月21日出願の米国出願第09/989,160号の一部継続出願であり、その開示は本願に援用される。
発明の分野
本発明は、エンジニアリングプラスチックの成形加工性を向上することができる樹脂組成物及び上記樹脂組成物を用いる成形体製造方法に関する。
背景
成形加工可能なポリマーは、通常、成形機内において加熱して溶融させ、得られる溶融物を金型等に入れて造形し、冷却することにより成形される。成形方法としては、例えば押出成形等があり、この場合、溶融物を回転スクリューにより押出機バレルを通してダイに押出し、成形する。
このようなポリマーの成形において、押出圧力や押出トルクは、同じ溶融流動性を有するポリマー間で比較すると、通常、押出物とダイとの摩擦の上昇に伴って高くなる。押出圧力や押出トルクが高すぎるときには、押出機の限度を超えた過負荷により押出機が自動的に運転停止となる場合がある等の工業生産上の問題を生じることがある。
ポリマーの成形において、また、押出圧力や押出トルクが一定せず予期せぬ変動を起すようでは、得られる成形体の表面平滑性や光沢に劣る場合がある等、安定した品質をもって供給することが困難となるばかりか、歩留りの低下や生産性の低下を招きかねず、工業上問題である。
ポリマー成形の加工性を改善するため、ポリマーに加工助剤を添加する方法が試みられている。このような加工助剤として、含フッ素重合体は、低濃度で用いる場合、ポリマーの押出速度を制限するメルトフラクチャー又は高トルクのような影響を軽減するために有用であることが知られている。
米国特許第5010130号公報には、助剤をブレンドした樹脂組成物であって、主成分は溶融成形困難な樹脂からなり、他の成分として、200℃での粘度が400Pa・sであるポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕、又は、成形温度において、結晶性樹脂の場合は溶融し、非結晶性樹脂の場合はガラス転移点(Tg)以上であるテトラフルオロエチレン〔TFE〕の共重合体を用いることが開示されている。しかしながら、この技術は溶融成形困難な樹脂についてのものであり、上記フッ素樹脂については主樹脂の融点以下の融点を持った樹脂とされている。
米国特許第3125547号公報には、低密度ポリエチレン〔LDPE〕等の炭化水素ポリマーの押出成形において、連続補給スリップ剤として少量のフルオロカーボンポリマーを使用することが開示されており、加工温度で固体であるフルオロ樹脂は炭化水素ポリマーの押出特性をほとんど又は全く改良しないとされている。
米国特許第4855360号公報には、押出物における溶融欠陥の減少を目的として、ダイ上の流れを改善するためにポリ(オキシアルコキシ)オレフィンを用い、これに対して重量比1/1〜1/10、又は、ポリオレフィン樹脂組成物に対して0.005〜0.2重量%の割合でフッ素樹脂を配合してなる熱可塑性オレフィン樹脂組成物が開示されている。
米国特許第4904735号公報には、LDPE等のモノオレフィン樹脂を少なくとも一つ含む溶融成形困難な樹脂に、成形温度において結晶性樹脂の場合は溶融しており、非結晶樹脂の場合はTgを越えているフッ素樹脂を配合することが開示されている。
米国特許第5266639号公報には、メルトフラクチャーを防止し、成形開始時間を短縮するため、固有赤外比(HFPインデックス)が6.4〜9.0であり溶融粘度が0.1×10〜10×10poiseであるTFE/ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕共重合体〔FEP〕をポリオレフィンの成形助剤として用いることが開示されている。
米国特許第5464904号公報には、ポリオレフィン樹脂と、水素原子含有率が2重量%以下で、溶融粘度が0.1×10〜10×10poiseであり、溶融終点温度(Tm)が170〜265℃であるフッ素樹脂をブレンドすることが開示されている。
米国特許第5547761号公報には、HFPインデックスが6.4〜9.0であり、Tmが180〜255℃であるFEPによりポリオレフィンをコートする技術が開示されている。
米国特許第5707569号公報には、Ca2+の作用を除くことを目的として、2価、3価の金属イオンと有機、無機のアニオンをもつポリオレフィン組成物の押出成形方法において、フッ素樹脂を配合することが開示されている。
しかしながら、これらの技術は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のビニル重合により得られるポリオレフィン系重合体についてのものであり、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン等のエンジニアリングプラスチックの成形加工性を向上するために含フッ素重合体を用いる技術は開示されていない。
米国特許第5132368号公報には、溶融加工困難性ポリマー及びこのポリマーの0.002〜0.5重量%添加するフルオロポリマー加工助剤からなる配合物として、ナイロン66にFEP又は照射PTFEを配合したものが例示されている。しかしながら、このフルオロポリマーは鎖末端に−COOH、−SOH等のイオン性基や−COF等、特定の極性官能基を炭素原子100万個あたり少なくとも100個の割合で有するものであり、これにより加工助剤を金属又は金属酸化物ダイ表面に化学的・物理的に結合させ、ダイ表面上のポリマー溶融物の流れに対する抵抗を低減させること、極性末端基が加湿熱処理等により存在しなくなった場合はもはや有効な加工助剤として機能しないこと、及び、このフルオロポリマーの濃度でダイ圧力や圧力変動は減少不可能であることが開示されており、本発明とは含フッ素重合体の特徴、発明の効果ともに異なるものである。この技術は、極性官能基により金属等の上にスリップ層を長い成形加工期間中存在させるものであるが、一方において溶融加工困難性ポリマーとの反応性が増して摩擦を生じるので、押出圧力を充分に低下することはできない。
米国特許第6380313号公報には、パーフルオロビニルエーテル単位を有することを必須とするフッ素樹脂をLDPE等の熱可塑性樹脂の加工助剤として用いることが開示されている。しかしながら、パーフルオロポリマーを溶融可能なエンジニアリングプラスチックに添加して用いることについては開示されていない。
発明の概要
本発明の目的は、上記特許に示されているような溶融成形困難な樹脂や、ポリオレフィン樹脂ではなく、溶融可能なエンジニアリングプラスチックの成形加工において、押出圧力及び押出トルク等の成形加工性を向上することができるとともに、押出圧力、押出トルク等における成形加工性を安定して得ることができ、また、容易に結晶化することができる樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、エンジニアリングプラスチック及び含フッ素重合体を配合して得られる樹脂組成物であって、上記含フッ素重合体は、上記エンジニアリングプラスチックの質量及び上記含フッ素重合体の質量の合計の0.005〜1質量%であり、上記含フッ素重合体は、パーフルオロポリマーであり、上記樹脂組成物は、押出成形又は射出成形に用いるものであることを特徴とする樹脂組成物である。上記含フッ素重合体は、テトラフルオロエチレンを用いて重合して得られるものであることが好ましい。上記エンジニアリングプラスチックは、ポリアミドであるか、又は、ポリエーテルエーテルケトンであることが好ましい。上記樹脂組成物は、成形用材料として用いられるものであることが好ましい。本発明は、また、上記樹脂組成物を溶融して押出成形又は射出成形により成形することを特徴とする成形体製造方法である。
以下に本発明を詳細に説明する。
発明の詳細な開示
本発明の樹脂組成物は、含フッ素重合体及びエンジニアリングプラスチックを配合して得られるものである。
上記含フッ素重合体は、重合体の主鎖を構成する炭素原子の全部又は一部にフッ素原子が結合している重合体である。このような含フッ素重合体としては、単量体成分として、例えば、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕等のパーフルオロ単量体を1種又は2種以上用いて重合することにより得られる重合体等が挙げられる。
上記パーフルオロ単量体は、主鎖が炭素原子及びフッ素原子並びに場合により酸素原子から構成されている単量体であって、主鎖の炭素原子に水素原子が結合していないものであり、TFE、HFP等のパーフルオロビニル単量体;パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕等のPAVE単量体を含むものである。上記酸素原子は、通常、エーテル酸素である。
上記含フッ素重合体としては、分子構造の点からは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕、TFE/HFP共重合体〔FEP〕、TFE/PAVE共重合体〔PFA〕等のパーフルオロポリマーが挙げられる。ここで、上記パーフルオロポリマーは、単量体成分として上記パーフルオロ単量体のみを用いて重合させることにより得られる重合体である。即ち、上記含フッ素重合体は、繰り返し単位が上記パーフルオロ単量体のみからなるものであり、末端に開始剤や連鎖移動剤等に由来する構造単位が存在するものも含む。上記PTFEは、重量平均分子量が通常1,000,000以下、好ましくは100,000以下のものである低分子量PTFE、及び、例えば特開平4−154842号公報、特開平5−279579号公報等に記載されているようなコア・シェル構造を有するPTFEを含むものである。
上記含フッ素重合体としては、上記共重合体に必須の(コ)モノマーとともに、エチレン〔Et〕、プロピレン〔Pr〕等のフッ素を含まないビニル単量体;クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕等のクロロフルオロビニル単量体;ビニリデンフルオライド〔VdF〕、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン等の上記パーフルオロ単量体以外のその他の含フッ素ビニル単量体;水酸基、カルボニル基等の官能基を有する単量体、環状の構造を有する単量体等のコモノマーの1種又は2種以上を少量(単量体成分の全量の5質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下)重合させて得られるものであってもよい。上記環状の構造としては特に限定されず、例えば、環状アセタール構造等の環状エーテル構造等が挙げられ、好ましくは環状エーテル構造を構成する少なくとも2個の炭素原子が上記含フッ素重合体の主鎖の一部となっているものである。
このように単量体成分として上記共重合体に必須の(コ)モノマー以外に少量のコモノマーを含み共重合させることにより得られる上記含フッ素重合体としては、例えば、PPVE等のPAVEを少量共重合させて得られるFEP等が挙げられる。
上記少量を共重合させるコモノマーは、上記単量体成分の全量のうち5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以下であることが更に好ましい。5質量%を超えると、目的とする共重合体の性質が得られない場合がある。
上記含フッ素重合体としては、溶融性、弾性、用途等の点からは、PTFEのような非溶融成形可能なフッ素樹脂;FEP、PFA等の溶融成形可能なフッ素樹脂であってよい。
上記含フッ素重合体としては、上記パーフルオロポリマーのうち、1種又は2種以上を用いることができる。
上記含フッ素重合体としては、上記パーフルオロポリマーが好ましく、溶融成形可能なフッ素樹脂である上記パーフルオロポリマーがより好ましく、FEP及びPFAが更に好ましい。
上記含フッ素重合体としては、用途により異なるが、本発明の樹脂組成物の成形性を高める点から、単量体成分としてTFEを含むものであってよく、なかでも、単量体成分としてTFEを含む樹脂が好ましい。上記単量体成分としてTFEを含むものとしては、上記PTFEを含むものである。上記含フッ素重合体は、TFEを含む単量体成分を重合して得られるものであれば、更に、上述したパーフルオロ単量体のうち、TFEとは異なるもの;フッ素を含まないビニル単量体;パーフルオロ単量体以外のその他の含フッ素ビニル単量体;水酸基、カルボニル基等の官能基を有する単量体、環状の構造を有する単量体等のコモノマーを重合することにより得られるものであってもよい。
上記含フッ素重合体は、主鎖末端や側鎖に存在し、エンジニアリングプラスチックとの反応性を有するような極性官能基が少ないものであることが好ましい。上記エンジニアリングプラスチックとの反応性を有するような極性官能基としては特に限定されず、例えば、−COF、−COOM、−SOM、−OSOM、等が挙げられる。ここで、Mは水素原子、金属カチオン又は第4級アンモニウムイオンを表す。上記含フッ素重合体は、上記エンジニアリングプラスチックとの反応性を有する極性官能基を実質的に有しないものであることがより好ましい。
本明細書において、上記極性官能基を実質的に有しないとは、主鎖末端や側鎖に上記極性官能基を若干有する場合であってもその極性官能基として機能を果たさない程度であり、上記エンジニアリングプラスチックとの反応に関与しない程度であることをいう。上記含フッ素重合体が炭素原子100万個当り有し得る上記極性官能基数は、50個以下、好ましくは30個以下、更に好ましくは10個以下である。
上記含フッ素重合体は、上記エンジニアリングプラスチックとの反応性を有するような極性官能基を実質的に有しないことにより、後述する本発明の樹脂組成物の調製時や成形加工時において上記エンジニアリングプラスチックを加水分解する等の反応を抑止することができ、上記エンジニアリングプラスチック本来の特性を充分に活かすことができる。
また、上記含フッ素重合体が極性官能基を実質的に有しないことにより、上記含フッ素重合体は、例えば押出成形機のダイ表面、スクリュー表面、バレル内壁等において上記エンジニアリングプラスチックとの摩擦を減じ、潤滑性を妨げないので、押出圧力や押出トルクの減少及びこれらの変動の低減を可能にし、本発明の樹脂組成物の成形加工性を向上させることができる。
上記摩擦を減じる機構としては明確ではないが、次のように考えられる。即ち、成形機内において、上記エンジニアリングプラスチックは主鎖構造にアミド結合等の極性部分を有するものが多く、このようなエンジニアリングプラスチックは、ダイ、スクリュー、バレル等の成形機の一部分の表面にある金属又は金属酸化物からなる部分に対する接着性が高いが、接着性が非常に低い主鎖骨格を有するとともに上記極性官能基を実質的に有しない上記含フッ素重合体が上記エンジニアリングプラスチックと上記金属等からなる部分の間に入って、樹脂組成物と成形機との間の接着力を低下することができる。
上記含フッ素重合体は、上記極性官能基を実質的に有しないものであるが、成形機内表面の金属又は金属酸化物からなる部分に存在し、上記エンジニアリングプラスチックの流れに対する潤滑性を成型加工時を通して発揮する。上記含フッ素重合体が金属又は金属酸化物の表面に位置することができるのは、界面張力によるものであり、相分離するものが少しでも相手成分との界面を減らそうとする力によるものと考えられる。従って、上記含フッ素重合体は、安定供給される場合、極性官能基を自ら有する必要はない。
上記含フッ素重合体が有する上記極性官能基の数は、例えば米国特許5132368号公報記載の方法等により求めることができる。すなわち、上記含フッ素重合体を圧縮成型して得たフィルムを用いて赤外線分光光度計で、その吸光度を測定し、上記極性官能基を含むモデル化合物の測定で決定した検量因子(CF)とから、下記式により含フッ素重合体の炭素原子100万個当りの末端基数として求められる。
Figure 2003044093
上記極性官能基の波長(μm)とモデル化合物の検量因子としては、それぞれ、例えば、−COFについて5.31μm、406;−COOHについて5.52μm、335;−COOCHについて5.57μm、368等が挙げられる。
上記含フッ素重合体は、単量体成分を通常の重合方法、例えば乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合、気相重合等の各方法を用いて重合することにより合成することができる。
上記重合反応において、連鎖移動剤を使用することもある。上記連鎖移動剤としては特に限定されず、例えば、イソペンタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素;メタノール、エタノール等のアルコール;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等のハロゲン化炭化水素等が挙げられ、メタノールが好ましい。
上記含フッ素重合体が上記極性官能基を実質的に有しないものとするため、上記連鎖移動剤を好適に用いることができるほか、乳化重合による場合は、上記極性官能基を鎖末端に有する重合体がまず得られるが、この重合体に例えば水蒸気処理等の処理を施して鎖末端を安定化することにより、上記極性官能基をなくすことができる。上記極性官能基は、例えば、フッ素ガス〔F〕処理又はアンモニア処理により−CF若しくは−CONHに変換することができ、また、上記水蒸気処理や水素処理により−CFHにすることもできる。従って、上記含フッ素重合体は、−CF、−CONH、−CFH等を有していてもよい。上記−CF、−CONH、−CFH等は、上記極性官能基とは異なるものである。なお、懸濁重合による場合は、これらの処理を施すことなく、上記極性官能基を実質的に有しない重合体を得ることができる。
上記含フッ素重合体の融点としては特に限定されないが、成形機中において、用いるエンジニアリングプラスチックが溶融する温度で既に重合体が溶融していることが好ましい点から、用いる上記エンジニアリングプラスチックの加工温度以下の温度であることが好ましく、用いる上記エンジニアリングプラスチックの融点以下の温度であることがより好ましい。
上記含フッ素重合体は、融点が200℃以上であるものが好ましい。本発明の樹脂組成物は、一般に融点が高いエンジニアリングプラスチックを用いるものであるので、融点が200℃以上である含フッ素重合体を用いることができる。上記含フッ素重合体は、融点が240℃以上であるものがより好ましい。上記含フッ素重合体の融点は、200℃以上であれば、350℃以下であってもよい。
本発明の樹脂組成物に上記含フッ素重合体とともに配合されるエンジニアリングプラスチックは、通常、耐熱性、高強度、高寸法安定性等の優れた性質を有するものであって、場合により金属の代替材料として用いられ得る樹脂であり、例えば機械、機器部品、電気電子部品等の機械的性質をはじめとする力学的性質を主として強く要求されるものの材料用等に用いられ得る樹脂を含むものである。
本明細書において、上記エンジニアリングプラスチックは、構造用部材及び機械部材に適合している高性能プラスチックであり、主に工業用に使用されるものであって、繊維用途に用いるものを含まない。
上記エンジニアリングプラスチックは、100℃以上の耐熱性を有し、引張強さが49MPa(5kgf・mm−2)以上であり、曲げ弾性率が2GPa(200kgf・mm−2)以上であるものである。これらの特性を有しないと、高温における機械的強度が要求されるようなエンジニアリングプラスチックとしての通常の用途に好適に使用することができない。上記エンジニアリングプラスチックとしては、上記曲げ弾性率が2.4GPa(240kgf・mm−2)以上であるものが好ましく用いられる。
上記100℃以上の耐熱性を有するとは、結晶性樹脂の場合には融点、非結晶樹脂の場合にはガラス転移点がそれぞれ100℃未満の温度でなく、100℃未満の温度において機械的強度が劣化しないことをいう。上記耐熱性の尺度としては、通常、荷重たわみ温度(DTUL;ASTM D648)が用いられる。上記荷重たわみ温度は、測定する樹脂を用いて得られた試験バーに1.82MPa又は0.45MPaの荷重をかけて加熱していき、上記試験バーが変形し始める温度である。上記エンジニアリングプラスチックとしては、通常150℃以上の耐熱性を有し、特殊エンジニアリングプラスチック又はスーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)と称されるものを含むものである。
上記引張強さは、引張荷重によって破断するまでの最大応力であって、最大荷重を試験片の元の断面積で除した値である。本明細書において、上記引張強さは、ASTM D638−00(2000)に準拠する方法により求められるものである。上記エンジニアリングプラスチックとしては、通常、生樹脂の標準的な組成で補強材なしのデータとして上記引張強さが49〜200MPaであるものである。
上記曲げ弾性率は、3点曲げ試験と4点曲げ試験において試験片について求めた荷重−たわみ曲線を用いて計算される弾性率である。本明細書において、上記曲げ弾性率は、ASTM D790−00(2000)に準拠する方法を行うことにより求められるものである。上記エンジニアリングプラスチックとしては、通常、生樹脂の標準的な組成で補強材なしのデータとして上記曲げ弾性率が2〜7GPaであるものが好ましい。上記曲げ弾性率は、より好ましい下限が2.4GPaである。
本発明の樹脂組成物としては、後述のように溶融成形に用いられるものであるので、当然のことながら、熱可塑性樹脂である。
上記エンジニアリングプラスチックは、通常、ポリアミド〔PA〕、ポリエステル、ポリエーテル等のような重縮合若しくは開環重合により得られるプラスチック;ポリアセタール〔POM〕等のようなホルムアルデヒド等のカルボニル基の重合により得られるプラスチック;又は、後述するある種のビニル重合体である。
上記エンジニアリングプラスチックとしては、これらのような性質を有するものであれば特に限定されず、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロンMXD6等のPA;ポリエチレンテレフタレート〔PET〕、ポリプチレンテレフタレート〔PBT〕、ポリアリレート、芳香族系ポリエステル(液晶ポリエステルを含む)、ポリカーボネート〔PC〕等のポリエステル;ポリアセタール〔POM〕;ポリフェニレンオキシド〔PPO〕、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン〔PEEK〕等のポリエーテル;ポリアミノビスマレイミド等のポリアミドイミド〔PAI〕;ポリスルホン〔PSF〕、ポリエーテルスルホン〔PES〕等のポリスルホン系樹脂;ABS樹脂、ポリ4−メチルペンテン−1(TPX樹脂)等のある種のビニル重合体のほか、ポリフェニレンスルフィド〔PPS〕、ポリケトンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド〔PI〕等が挙げられる。上記ナイロンMXD6は、メタキシレンジアミン(MXD)とアジピン酸とから得られる結晶性重縮合体である。なかでも、PA及びPEEKが好ましい。
上記エンジニアリングプラスチックとしては、耐熱性に優れる点で、主鎖の骨格にフェニレン基を有するポリマーからなるものであってもよい。上記フェニレン基を有するポリマーからなるエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、上述したPAのうち、ナイロンMXD6等;上述したポリエステルのうち、ポリエチレンテレフタレート〔PET〕、ポリプチレンテレフタレート〔PBT〕、ポリアリレート、芳香族系ポリエステル(液晶ポリエステルを含む)等;上述したポリエーテルのうち、ポリフェニレンオキシド〔PPO〕、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン〔PEEK〕等;ポリスルホン〔PSF〕、ポリエーテルスルホン〔PES〕等のポリスルホン系樹脂;ポリアミノビスマレイミド、ABS樹脂、ポリフェニレンスルフィド〔PPS〕等が挙げられる。
上記エンジニアリングプラスチックとしては、また、靱性及び耐疲労性に優れる点で、フェニレン基を有しないポリマーからなるものであることが好ましい。上記フェニレン基を有しないポリマーからなるエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、上述のPAのうち、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612等;上述のポリアセタール;ポリ4−メチルペンテン−1(TPX樹脂)等が挙げられる。
上記エンジニアリングプラスチックとしては、1種又は2種以上を用いることができる。
上記エンジニアリングプラスチックは、各種類に応じ、例えば従来公知の方法等により合成することができる。
本発明の樹脂組成物において、上記含フッ素重合体は、上記エンジニアリングプラスチックの質量及び上記含フッ素重合体の質量の合計の0.005〜1質量%である。上記含フッ素重合体が0.005質量%未満であると、押出圧力と押出トルクの低減が不充分となり、上記含フッ素重合体が1質量%を超えると、得られる成形体が不透明となったり白濁する場合があるほか、上記含フッ素重合体の増加量に見合う効果がさほど得られず不経済となる。上記含フッ素重合体は、上記エンジニアリングプラスチックの質量及び上記含フッ素重合体の質量の合計の0.01質量%が好ましい下限であり、0.5質量%が好ましい上限である。
上記含フッ素重合体と上記エンジニアリングプラスチックとの組合せとしては特に限定されないが、PTFE、FEP及び/又はPFAと、フェニレン基を有するポリマーからなるエンジニアリングプラスチックとの組合せ;FEPと、フェニレン基を有しないエンジニアリングプラスチックとの組合せが好ましい。
上記含フッ素重合体と上記エンジニアリングプラスチックとの組合せとしては特に限定されないが、成形加工時の両者の粘度から、FEPと、ナイロン66との組合せ;FEPと、ナイロン46との組合せ;PTFE、FEP及び/又はPFAと、PEEKとの組合せが好ましい。なかでも、FEPと、ナイロン66との組合せ;PTFEと、PEEKとの組合せがより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、上記含フッ素重合体及び上記エンジニアリングプラスチックとともに、必要に応じて、その他の成分を配合したものであってもよい。上記その他の成分としては特に限定されず、例えば、チタン酸カリウム等のウィスカ、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、その他の高強度繊維、ガラス粉末等の補強材;ミネラル、フレーク等の安定剤;シリコーンオイル、二硫化モリブデン等の潤滑剤;顔料;カーボンブラック等の導電剤;ゴム等の耐衝撃性向上剤;その他の添加剤等を用いることができる。
本発明の樹脂組成物を調製する方法としては特に限定されず、例えば、従来公知の方法を用いることができ、例えば、上記含フッ素重合体及び上記エンジニアリングプラスチックを上述の配合比となるように適切な割合で配合し、所望により上記その他の成分を添加して混合し、必要に応じて加熱下で混合物を溶融混練することにより調製する方法等が挙げられる。
上記配合工程において、上記その他の成分は、場合により上記含フッ素重合体及び/又は上記エンジニアリングプラスチックに予め添加して混合しておいてもよいし、上記含フッ素重合体及び上記エンジニアリングプラスチックを配合するときに添加してもよい。
上記含フッ素重合体及び上記エンジニアリングプラスチックは、得られる本発明の樹脂組成物を用いて成形加工する時に上述の範囲内の配合比となっていればよい。従って、上記配合としては特に限定されず、例えば、上記含フッ素重合体及び上記エンジニアリングプラスチックが初めから上記範囲内の配合比となるように配合する方法、又は、まず上記含フッ素重合体の含有率が上記範囲内の配合比よりも高くなるように上記含フッ素重合体及び上記エンジニアリングプラスチック並びに必要に応じて用いられる上記その他の成分を加えて混合して組成物(1)を調製したのち、上記エンジニアリングプラスチックの上記含フッ素重合体に対する比が上記範囲内となるように成形加工の前又は成形加工時に上記エンジニアリングプラスチックを上記組成物(1)に追加して組成物(2)を調製するように段階的に配合する方法等が挙げられる。
後者の段階的に配合する方法において、上記組成物(1)はマスターバッチと称されることがあり、上記組成物(1)における上記含フッ素重合体は、上記エンジニアリングプラスチックの質量と上記含フッ素重合体の質量との合計の0.005質量%を超え、かつ、20質量%以下であることが好ましく、より好ましい下限は1質量%であり、更に好ましい下限は2質量%であり、より好ましい上限は10質量%である。上記組成物(2)は、プレミックスと称されることがある。
上記混合の方法としては特に限定されず、例えば、成形用組成物等の樹脂組成物を混合するために通常用いられる各種ミル等の混合機を用いて、通常の条件により行うことができる。ここで、上記含フッ素重合体からなる粒子を上記エンジニアリングプラスチックからなる粒子の間に満遍なく分散させると、得られる本発明の樹脂組成物を成形するときに押出トルクや押出圧力の低下等の成形加工性向上の効果が良好に発揮される傾向にあることから、上記含フッ素重合体からなる粒子が上記エンジニアリングプラスチックからなる各粒子の表面にほぼ満遍なく付着するように充分に混合することが好ましい。
本明細書において、上記「配合」とは、エンジニアリングプラスチックと含フッ素重合体とを混合するか、又は、プレミックスの調製に先立ちマスターバッチを調製することを意味する。上記配合は、エンジニアリングプラスチック及び/又は含フッ素重合体を溶融(溶融混練)することにより行ってもよいし、これらの材料を溶融せず例えばミル等で混合することにより行ってもよい。上記エンジニアリングプラスチック及び上記含フッ素重合体は、それぞれ、粉末、顆粒、ペレット等であってよいが、含フッ素重合体をエンジニアリングプラスチック(のペレット)の表面に効率的に満遍なく存在させるために,上記エンジニアリングプラスチックはペレットであることが好ましく、上記含フッ素重合体は粉末であることが好ましい。この場合、混合は、エンジニアリングプラスチック及び含フッ素重合体を溶融せずに行うことが好ましい。
上述の好ましい配合を行うことにより、ともに粉末であるエンジニアリングプラスチック及び含フッ素重合体を溶融混練して配合すること又は溶融せずに混合して配合することや、ともにペレットであるエンジニアリングプラスチック及び含フッ素重合体を溶融せずに混合することよりも効率的に含フッ素重合体がエンジニアリングプラスチックと成形機との間に存在することができる。
上記エンジニアリングプラスチック及び上記含フッ素重合体は、粉末、顆粒、ペレット等の形態の別を問わないものであるが、通常、上記エンジニアリングプラスチックはペレットであってよく、上記含フッ素重合体はペレット又は粉末であってよい。上記含フッ素重合体は、上記混合を充分に均一に行うことが容易である点から、粉末であることが好ましい。
従って、上記エンジニアリングプラスチックの表面に付着した上記含フッ素重合体からなる粒子は、得られる本発明の樹脂組成物の成形加工時において、特に上記樹脂組成物を溶融開始させる段階から溶融し造形させる段階にかけて、上記樹脂組成物が接触する機械内部の表面に多数存在することにより潤滑作用を充分に発揮し、上記樹脂組成物の成形機内における移送をスムーズに行わしめることができるものと推察される。その結果、押出トルク及び押出圧力の大幅な低下を可能にする等、成形加工性が向上されるものと考えられる。
なお、上記樹脂組成物が接触する機械内部の表面とは、例えば押出成形機の場合、溶融押出部におけるスクリュー、上記スクリューの周囲にあって上記スクリューを格納し回転させるバレル、押出先にあるダイ等の表面である。
上記混合の後又は上記混合とともに、上述の配合により得られる配合物を加熱することにより溶融させ、混練してもよい。上記加熱は、通常、上記エンジニアリングプラスチックの融点以上の温度で行い、上記エンジニアリングプラスチックが溶融した状態にして、この溶融体の中に上記含フッ素重合体からなる粒子を満遍なく分散させるように行うことが好ましい。
上記溶融混練を経て冷却して得られるペレット等において、上記含フッ素重合体は、上記ペレット等の表面に存在するとともに、濃度により上記ペレット等の内部にも存在することとなる。従って、上記含フッ素重合体からなる粒子は、得られる本発明の樹脂組成物の成形工程、特に上記ペレット等の溶融開始後において、上記ペレット等の内部から滲出するに伴い、上記エンジニアリングプラスチックを構成する各分子間や分子中セグメント相互間等の相互作用を低減させてこれらのブロッキングを防止し、上記エンジニアリングプラスチック、ひいては上記エンジニアリングプラスチックからなる上記樹脂組成物の成形機内における移送を容易にするものと推察される。この結果、押出トルク及び押出圧力を低下させる等、成形加工性の向上に寄与するものと考えられる。
このようにして得られる本発明の樹脂組成物は、特に上記混合により得られるブレンド品等の粉体である場合、必要に応じて適宜粒径調整を行ってもよい。本発明の樹脂組成物は、粉末、顆粒、ペレット等の形態の別を問わないものである。
このようにして得られる本発明の樹脂組成物は、成形用材料として用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、上記含フッ素重合体を上記エンジニアリングプラスチックに配合することにより、上述したように、押出トルク及び押出圧力の低下等の成形加工性を向上することができるとともに、容易に可塑化することができる。
上記樹脂組成物は、従って、熱安定性が向上したものであり、また、結晶性樹脂においては容易に結晶化し得るものである。上記樹脂組成物は、熱安定性が向上したものであるので、成形加工時に劣化することがなく、成形性を安定化することができる。上記樹脂組成物は、また、容易に結晶化し得るものであるので、成形加工時にダイや金型の温度が低温であっても成形性が良好であり、また、金型から取り出す際、急冷しても結晶が成長しやすいので得られる成形体の形が崩れにくく、成形のサイクルタイムを短縮することができる。本明細書において、以下、上記「容易に結晶化し得る」ことを「易結晶化」ということがある。
加工助剤を添加しないで樹脂を成形して得られる樹脂成形体は、成形加工する際、流動時に樹脂成形体の表層となる部分が金型との界面で大きな抵抗を受けることにより分子が配向するが、樹脂成形体の内部(内層)の分子の配向は少ない。また、表層と内部との冷却速度の違いから結晶化の状態が異なり、上記樹脂成形体の内部に大きな残留歪みを生じることがある。上記樹脂成形体は、上記配向や冷却速度の違いと残留歪みとの影響から、表層の結晶と内部の結晶との間に大きなずれが生じ、引張試験の応力−ひずみ曲線〔S−Sカーブ〕において、降伏点の前に図1のグラフ(a)におけるAに示すようなピークを生じるものとなることがある。このような樹脂成形体は、例えば、通常、ガラス転移点以上の温度であって、上記残留歪みを充分に開放し得る温度において、所定時間以上加熱して残留歪みを除去する、いわゆるアニール処理を行うことがある。例えば、加工助剤を添加しないでナイロン66を用いて得られた樹脂成形体は、図1のグラフ(a)に示すようなS−Sカーブを示すものであるが、上記アニール処理を行い残留歪みを除去することにより、図1のグラフ(b)に示すように降伏点の前のピークが消滅したS−Sカーブを示す樹脂成形体とすることができる。また、例えばナイロン66を用いて押出成形を行うときには、樹脂成形体の厚さ1cmあたり1〜2時間、例えば大きい樹脂成形体では30〜48時間程度、100℃程度の温度で加熱して残留歪みを除去することにより、同様な成形体とすることができる。
本発明の樹脂組成物は、上記含フッ素重合体を上記エンジニアリングプラスチックに配合することにより、上述したように、結晶化が容易であり、成形時の流動性を向上できるので、得られる成形体において上述の残留歪みを低減することができ、成形体の製造工程において上記アニール処理を短縮又は省略することができ、従って、設備の簡素化、及び、製造工程の簡略化を可能にすることができる。
本明細書において、上記引張試験は、ASTM D638に準拠して行う試験であり、上記S−Sカーブは、上記引張試験方法に従って万能試験機(インストロン4302)を用いて測定して得られる曲線である。
本発明の樹脂組成物が上述したようにアニール処理を行った場合と同様S−Sカーブにおける降伏点のピークを有しないアニール効果を有するものであることについて、理由は明らかではないが、以下のように推測できる。樹脂成形体は、上述したように、成形加工時に、通常、スキン層(表層)と内層とで樹脂の配向及び冷却速度が異なるので、残留歪みを生じやすい。本発明の樹脂組成物は、しかしながら、成形加工時に、スキン層と内層との成形に差が生じる前に速やかに結晶化するので歪みが生じにくいものであると考えられる。
本発明の樹脂組成物は、上述のマスターバッチを配合して得られるものである場合、結晶化がより容易になり、上記アニール効果がより向上したものとして得ることができる。上記易結晶化とアニール効果は、従来、加工助剤の効果としては知られていなかった。
本発明の樹脂組成物は、マスターバッチを用いて得られるものである場合、上記易結晶化、及び、上記アニール効果を有し、更に、樹脂の成形機内における移送をスムーズに行わしめる外部助剤としての効果と、メルトフラクチャーを防止する内部助剤としての効果との両方を奏することができるものである。加工助剤としては、従来、上記外部助剤としての効果又は上記内部助剤としての効果の何れか一方の効果を有するものしか得られていなかった。しかしながら、本発明の樹脂組成物は、上記マスターバッチを用いることにより、上記含フッ素重合体が上述のペレット等の表面に存在するとともに、上記ペレット等の内部にも存在することとなるので、上記外部助剤としての効果と上記内部助剤としての効果との両方をバランスよく発現し得ると考えられる。
本発明の組成物(1)は、エンジニアリングプラスチック(A)及び含フッ素重合体を配合することにより得られるものであって、上記含フッ素重合体は、上記エンジニアリングプラスチック(A)の質量及び上記含フッ素重合体の質量の合計の1〜10質量%であるものである。1質量%未満であると、後述の組成物(2)中の含フッ素重合体の量が少なすぎて、上述したような効果が得られないので好ましくない。10質量%を超えると、得られる成形体が不透明となったり白濁する場合があるほか、上記含フッ素重合体の増加量に見合う効果がさほど得られず不経済となる。
上記含フッ素重合体としては、上述の樹脂組成物について説明した含フッ素重合体と同じものが挙げられ、パーフルオロポリマーが好ましい。
上記組成物(1)は、上述の樹脂組成物について説明したことと同様に、エンジニアリングプラスチック(B)を上記組成物(1)に追加して組成物(2)を調製するものであってよい。本明細書において、上記エンジニアリングプラスチック(A)は、上記組成物(1)中のものであり、上記エンジニアリングプラスチック(B)は上記組成物(1)に追加するものである点で、両者は概念上異なるものであるが、上記エンジニアリングプラスチック(A)は、上述のエンジニアリングプラスチックと同じものを用い、上記エンジニアリングプラスチック(B)も上述のエンジニアリングプラスチックと同じものを用いる点で両者は概念上共通点がある。上記エンジニアリングプラスチック(A)及びエンジニアリングプラスチック(B)は、実際に用いるエンジニアリングプラスチックの種類としては同じであってもよいし、異なっていてもよいが、通常、同じである。
上記組成物(2)は、含フッ素重合体がエンジニアリングプラスチック(A)の質量、エンジニアリングプラスチック(B)の質量及び含フッ素重合体の質量の合計の0.005〜1質量%であることが好ましく、より好ましい下限は0.01質量%であり、より好ましい上限は0.5質量%である。上記範囲が好ましい理由としては、上述の樹脂組成物について説明したことと同様である。上記組成物(2)は、上述の樹脂組成物を得るための配合について説明したことと同じく、上述の組成物(1)に上記エンジニアリングプラスチック(B)を追加して得られたものであり、上記エンジニアリングプラスチック(A)、上記エンジニアリングプラスチック(B)及び上記含フッ素重合体を上記範囲内の量で有するものであるので、上述の本発明の樹脂組成物である。
本発明の成形体製造方法は、上記樹脂組成物を用いることを特徴とするものである。
上記成形体製造方法としては、上記樹脂組成物をスクリュー押出機等の成形機に投入することからなるものである。このように成形機に投入した後の製造方法としては加熱溶融成形であれば特に限定されず、例えば、スクリュー押出機等の成形機に投入した上記樹脂組成物を、成形温度にまで加熱して、必要に応じて加圧し、溶融した上記樹脂組成物を成形機のダイに押し出したり、金型に射出したりして成形することにより、所望の形状の成形品を得る方法等の従来公知の方法を用いることができる。
上記成形体製造方法において、本発明の樹脂組成物は、成形機内の加熱部において溶融され溶融物となった後、上記加熱部を出て冷却部に移送されるとともに成形される。この工程において、本発明の樹脂組成物は、成形機内の上記加熱部から上記冷却部にかけての溶融物の移送性を安定して良好なものにすることができ、成形加工性を向上することができる。
本発明の樹脂組成物における上記含フッ素重合体からなる粒子は、上述のように、上記エンジニアリングプラスチックのペレット等の表面にほぼ満遍なく付着した状態になっており、成形機内で加熱されることにより上記エンジニアリングプラスチックよりも先に溶融するものと考えられる。上記含フッ素重合体は、上述のように、粉末である場合及び/又は上記エンジニアリングプラスチックよりも融点が低い場合、上記エンジニアリングプラスチックよりも先に溶融する傾向が高くなる。従って、成形機内において、上記含フッ素重合体による潤滑作用を充分に発揮することができる。
上記成形機内の加熱部は、例えば押出成形機の場合、通常、溶融押出部であり、この溶融押出部は、通常、スクリュー及びバレルを有し、上記バレルの周囲にあるヒーターにより上記バレル内部の樹脂組成物を加熱するものである。
上記成形加工性としては、例えば押出成形機の場合、押出トルク及び押出圧力が有意に低下することにより得られるものである。即ち、押出成形の場合、上記樹脂組成物の組成や成形条件によるが、押出トルクは上記含フッ素重合体を配合しない場合の値の20〜80%にまで低下させることができ、押出圧力としては上記含フッ素重合体を配合しない場合の値の40〜90%にまで低下させることができる。
上記成形体製造方法としては特に限定されず、例えば、押出成形、射出成形、金型成形、回転成形等が挙げられる。上記成形体製造方法は、押出成形、射出成形、金型成形、回転成形等が好ましく、なかでも、押出成形又は射出成形が好ましい。上記成形加工性を効果的に発揮させるためには、押出成形が好ましい。
上記押出成形は、押出機中で加熱して溶融させた本発明の樹脂組成物をダイから連続的に押し出して成形する方法である。上記射出成形は、射出成形機中で加熱して溶融させた本発明の樹脂組成物を、一端が閉じた金型に加圧充填して成形する方法である。本明細書において、上記押出成形及び上記射出成形は、加熱して溶融させた樹脂組成物から予め作成したパリソンを、金型内において空気圧等を用いて膨らませ、上記金型に密着させて成形する方法であるブロー成形を含まない。
上記成形体製造方法における成形機に関する各種条件としては特に限定されず、例えば、従来公知のように行うことができる。成形温度は、通常、用いる上記エンジニアリングプラスチックの融点以上の温度である。成形温度は、上記範囲内であれば、通常、上記含フッ素重合体の分解温度と上記エンジニアリングプラスチックの分解温度のうち低い方の温度未満の温度である。このような成形温度としては、例えば250〜400℃等が挙げられる。なお、上記成形温度は、押出成形の場合、押出温度ということがある。
上記成形体製造方法により造形されて得られる成形体としては特に限定されず、例えば、被覆材;シート状;フィルム状;ロッド状;パイプ状等の種々の形状にすることができる。
上記成形体の用途としては特に限定されず、用いるエンジニアリングプラスチックの種類によるが、例えば、機械的性質をはじめとする力学的性質や耐熱性を主として強く要求されるもの等に好適に用いられる。上記成形体の用途としては、例えば、宇宙機器等の各種機械・機器;歯車、カム等の機器部品;コネクター、プラグ、スイッチ、電線用エナメル等の電気・電子部品;自動車、航空機等の乗り物又はこれらの部品;化粧板;磁気テープ、写真フィルム、気体分離膜等の各種フィルム;レンズ、コンパクトディスク、光ディスク基板、安全眼鏡等の光学材料;飲料用容器等の食器類;各種耐熱性医療用品;その他の各種産業部品等が挙げられる。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、上記含フッ素重合体の配合量(質量%)は、上記含フッ素重合体及び上記エンジニアリングプラスチックの合計量に対するものである。
合成例1 FEP共重合体の合成
1000Lの容積を有する攪拌機付き縦型ガラスライニングオートクレーブに、純水270kg及びω−ヒドロキシフルオロカルボン酸アンモニウム0.1kgを仕込み、内部空間の窒素置換及び真空脱気操作を3回行った後、真空状態でヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕233kg、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕2.3kgを仕込んだ。
攪拌を開始して重合槽の温度を29.0℃に設定し、テトラフルオロエチレン〔TFE〕を仕込んで0.9MPaGまで昇圧した。次いで、パーフルオロヘキサンで約8質量%に希釈したジ−(ω−ヒドロデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド〔DHP〕3.8kgを仕込むと、反応は直ちに始まった。
反応中、TFEを追加仕込みし、オートクレーブ内の圧力を0.9MPaGに保った。反応開始から、9、18及び27時間後にPPVE各0.5kgを追加し、3、8及び13時間後にDHP各3.8kgを追加し、18、23、28及び33時間後にDHP各1.9kgを追加した。また、分子量調節を行うため、反応開始から5時間後に連鎖移動剤としてメタノール1.7kgを添加した。
反応を37時間行った後、未反応のTFE及びHFPを放出し、粒状粉末を得た。この粉末に純水を加え、攪拌洗浄後、オートクレーブから取り出した。150℃で24時間乾燥後、FEP共重合体333kgが得られた。
得られた共重合体中のTFE:HFP:PPVEの質量比をNMR分析装置を用いて測定したところ、86.6:12.5:0.9であった。
(極性官能基の含有率の測定)
上記により得たFEP共重合体を300℃で圧縮成型して得た厚さ0.1mmのポリマーフィルムをFTIR分光光度計を用いて測定し、下記式により炭素原子100万個当りの末端基数を調べたところ、何れの極性官能基もポリマー鎖末端に痕跡程度しか含まれず、炭素原子100万個当たり、−COOH基は5個でその他の極性官能基は見出せなかった。
Figure 2003044093
(メルトフローレート(MFR)の測定)
ASTM D1238−00(2000)に準じて、KAYNESSメルトインデックステスター(形式4002)を用い、上記により得たFEP共重合体約6gを37.2℃±0.5℃に保った0.376インチ(内径)シリンダーに投入し、5分間放置して温度が平衡状態に達した後、5000gのピストン荷重のもとで直径0.0825インチ、長さ0.315インチのオリフィスを通して押し出し、単位時間として10秒間に採取される樹脂の質量(g)を測定し、3回の測定値を平均し、10分間当たりの押出量に換算してMFR(単位:g/10分)とした。MFR値は23.5g/10分であった。
合成例2 FEP共重合体の合成
PPVEを用いないこと以外は合成例1と同様にして、FEP共重合体を得た。TFE:HFPの質量比は、86.3:13.7であり、MFR値は18.5g/10分であった。
合成例3 低分子量PTFEの合成
ステンレス鋼(SUS316)製アンカー型撹拌翼と温度調節用ジャケットとを備え、内容量が100Lのステンレス鋼(SUS316)製オートクレーブに、脱イオン水54L、及びパーフルオロオクタン酸アンモニウム11.6gを仕込み、55℃に加温しながら窒素ガスで3回、TFEガスで2回、系内を置換して酸素を除いた。その後、CHClを330g仕込み、TFEガスで内圧を0.83MPaGにし、80rpmで撹拌し、内温を55℃に保った。
次に、水1Lに過硫酸アンモニウム14.3gを溶かした水溶液をTFEを用いて圧入し、オートクレーブ内圧を0.88MPaGにし、反応を加速的に進行させた。その間、反応温度は55℃、撹拌速度は80rpmに保った。TFEは、オートクレーブの内圧が常に0.88±0.05MPaGに保たれるように連続的に供給した。反応は、10.3kgのTFEが消費された時点で撹拌及びモノマー供給を停止し、直ちにオートクレーブ内のガスを常圧まで放出して、終了させた。全反応時間は5.3時間であった。得られたラテックスのポリマー濃度は15.8質量%であり、ポリマーの数平均粒子径は0.18μmであった。
このラテックスを凝析、洗浄した後、ポリマー粉末を150℃で18時間乾燥した。得られた粉末の380℃での溶融粘度は2.0×10poise、融点は327℃、数平均粒子径は5μmであった。
合成例4 乳化重合によるFEP共重合体の合成
3Lの容積を有する攪拌機付き縦形ステンレススチール製オートクレーブに蒸留水1500gを仕込み、更に10質量%のフッ素系界面活性剤(C15COONH)水溶液280gを仕込み、窒素置換及び真空脱気操作により、脱気を行った。液体のヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕115gを仕込み、テトラフルオロエチレン〔TFE〕−HFP混合ガス(TFE:HFP=86:14(質量%))を15g仕込んで攪拌しながら徐々に温度を上げていくと、95℃でオートクレーブ内雰囲気は1.5MPaGまで昇圧した。重合開始剤として10質量%の過硫酸アンモニウム水溶液13.5gを仕込み、反応を開始した。
系内の圧力が1.5MPaGに維持されるように、上記と同じ組成のTFE−HFP混合ガスを連続的に供給した。30分後、攪拌を停止し、未反応のTFE及びHFPを回収し、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔FEP〕シード粒子分散液を95g得た。得られたFEP共重合体シード粒子分散液は、固形分濃度が5.0質量%であった。得られたFEP共重合体シード粒子分散液の一部を硝酸を用いて凝析し、白色粉末を得た。得られた共重合体中のTFE:HFPの質量比をNMR分析装置を用いて測定したところ、81.6:18.4であった。上記共重合体の372℃でのMFR値は、溶融速度が速すぎて測定不可であった。
3Lの容積を有する攪拌機付き縦形ステンレススチール製オートクレーブを予め脱気しておき、脱気した蒸留水1715g、上記FEP共重合体シード粒子分散液31g、及び、液体のHFP380gを仕込んだ。その後、TFE−HFP混合ガス(TFE:HFP=86:14(質量%))を70g仕込んだ。攪拌しながら徐々に温度を上げていくと、95℃で4.2MPaGまで昇圧した。
次いで、10質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を2.5g仕込み、反応を開始した。反応開始直後より、10質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を連続的に追加し、反応を継続した。過硫酸アンモニウム水溶液の仕込み速度は0.027g/分であった。
反応開始直後より、連続的に上記TFE−HFPの混合ガスを系内の圧力が4.2MPaGを維持するように供給した。得られるFEP共重合体の量がデイスパージョンの20質量%となるように、TFE−HFP混合ガスを反応中に供給した。
反応を220分行った後、未反応のTFE及びHFPを回収し、デイスパージョンを取り出し、凝析剤として硝酸を加え、更に水を加えて希釈することより撥水化した粉体を得た。乾燥後のFEP共重合体は425gであった。
得られたFEP共重合体中のTFE:HFPの質量比は、77.1:22.9であり、MFR値は21.7g/10分であった。
実施例1
合成例1で得たFEP共重合体を0.05質量%及びナイロン66(商品名:Zytel−42、E.I.du Pont de Nemours and Company製)を配合し、ペイントシェーカーを用いて混合し、押出成形機(形式:RCP−0625 Microtruder、スクリューサイズ:5/8インチ、L/D:24/1、シートダイ幅:6インチ、Randcastle Extrusion Systems,Inc.製)を用いてスクリュー回転数を60rpm、押出温度を280℃にして成形した。押出トルク、押出圧力、押出速度を表1に示す。
実施例2
スクリュー回転数を80rpmにすること以外は実施例1と同様にして成形した。押出トルク、押出圧力、押出速度を表1に示す。
実施例3
FEP共重合体として合成例2で得たものを用いること以外は実施例1と同様にして成形した。押出トルク、押出圧力、押出速度を表1に示す。
実施例4
FEP共重合体の代りに合成例3で得た低分子量PTFEを用いること以外は実施例1と同様にして成形した。押出トルク、押出圧力、押出速度を表1に示す。
実施例5
ナイロン66としてZytel−42の代わりにCelanex 1200(Hoechst−Celanese社製)にすること以外は実施例1と同様にして成形した。押出トルク、押出圧力、押出速度を表1に示す。
実施例6
ナイロン66の代りにナイロン46(商品名:Stanyl 441、DSM Engineering Plastics,Inc.製)を用い、スクリュー回転数を72rpm、押出温度を281℃にすること以外は実施例1と同様にして成形した。押出トルク、押出圧力、押出速度を表1に示す。
実施例7
FEP共重合体の代りに合成例3で得た低分子量PTFEを0.025質量%用いること以外は実施例6と同様にして成形した。押出トルク、押出圧力、押出速度を表1に示す。
実施例8〜9
合成例3で得た低分子量PTFEを表1に示す量で配合し、ナイロン66の代りにPEEK(商品名:PEEK 450、ICI Victrex Corp.製)を用い、スクリュー回転数を72rpm、押出温度を360℃にすること以外は実施例1と同様にして成形した。押出トルク、押出圧力、押出速度を表1に示す。
実施例10〜12
合成例4で得たFEP共重合体を表1に示す量で配合し、ナイロン66の代りにPEEK(商品名:PEEK 450、ICI Victrex Corp.製)を用い、スクリュー回転数を72rpm、押出温度を360℃にすること以外は実施例1と同様にして成形した。押出トルク、押出圧力、押出速度を表1に示す。
比較例1〜12
含フッ素重合体を配合しないこと以外は、実施例1〜12と同様にして成形した。押出トルク、押出圧力、押出速度を表1に示す。
Figure 2003044093
表1から、上記エンジニアリングプラスチックとしてナイロン若しくはPEEKを用いた場合、上記含フッ素重合体としてFEP共重合体又は低分子量PTFEの何れかを、上記エンジニアリングプラスチックと上記含フッ素重合体との質量合計の0.005〜1質量%の範囲内となるように配合した実施例では、上記含フッ素重合体を配合しない比較例よりも、押出トルク、押出圧力が有意に低下することがわかった。
実施例13
合成例1で得たFEP共重合体を0.05質量%及びナイロン66(商品名:Zytel−42、E.I.du Pont de Nemours and Company製)を配合し、ポリ袋に入れ混合後、射出成形機(形式:クロックナーF85、クロックナー・フェロマテック社製、金型:ASTM D638 Type1引張試験片型)を用いて、バレル温度275〜280℃、金型温度75〜85℃、射出圧力90〜100MPaにして成形した。得られた成形体について、下記の方法で引張試験及び密度の測定を行った。結果を表2に示す。
(引張試験)
試験方法は、ASTM D638に準拠し、万能試験機(インストロン4302)を用いて測定を行った。測定条件は、引張速度が5mm/min、チャック間距離が115mmであった。引張伸びは、クロスヘッドの移動量から算出した。
(密度の測定)
試験方法は、JIS K7112 A法(水中置換法)に準拠し、化学天秤メトラー H33AR型を用いて測定した。上記引張試験に用いた引張試験片の中央平坦部より試験片を切出して測定を行った。
実施例14
FEP共重合体の配合量を0.1質量%とした以外は、実施例13と同様にして成形した。引張試験と密度の測定結果を表2に示す。
実施例15
FEP共重合体の配合量を0.25質量%とした以外は、実施例13と同様にして成形した。引張試験と密度の測定結果を表2に示す。
比較例13
含フッ素重合体を配合しないこと以外は実施例13と同様にして成形した。引張試験と密度の測定結果を表2に示す。
Figure 2003044093
含フッ素重合体を配合して得られた実施例13〜15の成形体は、含フッ素重合体を配合せずに得られた比較例13の成形体に比べて、降伏強さ、降伏伸び、弾性率等が上昇しており、また、密度が上昇していることから、同じ成形条件であっても結晶化が進んでいることがわかる。
実施例16
合成例1で得たFEP共重合体を5質量%になるようにバイブレータ式定量供給機(クボタ社製)で供給し、同方向回転二軸押出機(形式:ZE40A、Berstorff社製、スクリューサイズ:φ43mm、L/D:33.5)を用い、バレル温度260〜270℃で、実施例1で用いたものと同様のナイロン66と混練してペレットを得た。得られた混練ペレットとナイロン66とをFEP共重合体が0.05質量%となるよう配合し、ポリ袋に入れ混合後、射出成形機(形式:クロックナーF85、クロックナー・フェロマテック社製、金型:ASTM D638 Type1引張試験片型)を用いて、バレル温度275〜280℃、金型温度75〜85℃、射出圧力90〜100MPaにして成形した。得られた成形体を用いて、実施例13と同様の方法で引張試験を行って応力−ひずみ曲線〔S−Sカーブ〕を測定した。得られたS−Sカーブを図2に示す。
比較例14
含フッ素重合体を配合しないこと以外は実施例16と同様にして成形した。得られた成形体を用いた引張試験のS−Sカーブを図1(a)に示す。
比較例15
比較例14で得た成形体を熱風循環式オーブンを用いて、処理温度100℃、処理時間48時間の熱処理を行い、成形体の残留歪みを除去した。得られた成形体を用いた引張試験のS−Sカーブを図1(b)に示す。
図1〜2から明らかなように、含フッ素重合体を配合して得られた実施例16の成形体は、アニール処理を行わなくても、含フッ素重合体を配合せずにアニール処理を行った比較例15の成形体と同様にS−Sカーブの降伏点の前のピークが消滅していた。
発明の効果
本発明の樹脂組成物は、上記含フッ素重合体を特定範囲内の含有率で配合して得られるものであるので、成形機内の上記加熱部から上記冷却部にかけての溶融物の移送性を良好かつ安定なものにすることができ、成形体の安定生産、歩留りの向上、生産性の向上等を可能ならしめ、エンジニアリングプラスチック成形体の工業的生産に有利に働くものである。
本発明の樹脂組成物がこのような有利な効果を奏する機構としては、明確ではないが、上記含フッ素重合体が、上記加熱部から上記冷却部にかけての移送時に、主として成形機内部の上記溶融物との接触面において、潤滑剤として機能していることによるものと考えられる。上記含フッ素重合体は、押出成形による場合、押出成形機内の回転スクリューの表面及びその周囲のバレルの表面において、上記潤滑作用を奏しているものと考えられる。
このような潤滑作用を発揮する上記含フッ素重合体としては、例えばFEPを用い、成形温度をFEPの融点以上の温度にして得られる溶融物中のFEPのように、溶融しているものであってもよいし、例えばPTFEを用い、成形温度をPTFEの溶融開始点未満の温度にして得られる溶融物中のPTFEのように、溶融していないものであってもよい。上記含フッ素重合体は、上記成形温度において溶融しているものである場合、上記潤滑作用を効果的に発揮させるため、上記エンジニアリングプラスチックと相溶性を有しない重合体であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、また、上記含フッ素重合体を配合して得られるものであるので易結晶化し得るものであり、上述の効果とともに、成形加工時のサイクルタイムの短縮、製造設備の簡素化、得られる成形体の物性の安定化等を可能ならしめるものである。
本発明の樹脂組成物によれば、このように、融点について成形温度との関係で特に選択する必要がないことが多い等、上記含フッ素重合体として広範な種類のものを用いることができ、材料選択の幅を広げることができる。
本発明の樹脂組成物によれば、上記潤滑作用は、上記含フッ素重合体を上述の特定範囲内のようにごく微量配合することだけで得ることができる。このように、本発明の樹脂組成物は、簡便な方法によりエンジニアリングプラスチックの工業的生産における成形性を向上することができるのみならず、上記含フッ素重合体は通常高価なものであることから、ごく微量で効果が得られる点からも、工業的生産に有利なものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、グラフ(a)が比較例14で得られた成形体を用いた引張試験の応力−ひずみ曲線〔S−Sカーブ〕であり、グラフ(b)が比較例15で得られた成形体を用いた引張試験のS−Sカーブである。
図2は、実施例16で得られた成形体を用いた引張試験のS−Sカーブである。

Claims (16)

  1. エンジニアリングプラスチック及び含フッ素重合体を配合して得られる樹脂組成物であって、
    前記含フッ素重合体は、前記エンジニアリングプラスチックの質量及び前記含フッ素重合体の質量の合計の0.005〜1質量%であり、
    前記含フッ素重合体は、パーフルオロポリマーであり、
    前記樹脂組成物は、押出成形又は射出成形に用いるものである
    ことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 含フッ素重合体は、融点が200℃以上であるものである請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。
  3. 含フッ素重合体は、テトラフルオロエチレンを用いて重合して得られるものである請求の範囲第1又は2項記載の樹脂組成物。
  4. 含フッ素重合体は、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体である請求の範囲第1、2又は3項記載の樹脂組成物。
  5. 含フッ素重合体は、エンジニアリングプラスチックとの反応性を有する極性官能基を実質的に有しないものである請求の範囲第1、2、3又は4項記載の樹脂組成物。
  6. エンジニアリングプラスチックは、フェニレン基を有するポリマーからなるものであり、
    含フッ素重合体は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体又はテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体であることを特徴とする請求の範囲第1、2、3、4又は5項記載の樹脂組成物。
  7. エンジニアリングプラスチックは、フェニレン基を有しないポリマーからなるものであり、
    含フッ素重合体は、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体である請求の範囲第1、2、3、4又は5項記載の樹脂組成物。
  8. エンジニアリングプラスチックは、ポリアミドである請求の範囲第1、2、3、4、5、6又は7項記載の樹脂組成物。
  9. エンジニアリングプラスチックは、ポリエーテルエーテルケトンである請求の範囲第1、2、3、4、5又は6項記載の樹脂組成物。
  10. 成形用材料として用いられるものである請求の範囲第1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の樹脂組成物。
  11. エンジニアリングプラスチック及び含フッ素重合体を配合することにより請求の範囲第1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10項記載の樹脂組成物を製造する
    ことを特徴とする樹脂組成物製造方法。
  12. 請求の範囲第1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10項記載の樹脂組成物を溶融して押出成形又は射出成形により成形体を製造する
    ことを特徴とする成形体製造方法。
  13. 押出成形又は射出成形は、エンジニアリングプラスチックの融点以上の温度で行うものである請求の範囲第12項記載の成形体製造方法。
  14. 含フッ素重合体は、融点がエンジニアリングプラスチックの加工温度以下の温度であるものである請求の範囲第12又は13項記載の成形体製造方法。
  15. エンジニアリングプラスチック(A)及び含フッ素重合体を配合して得られる組成物(1)であって、
    前記含フッ素重合体は、前記エンジニアリングプラスチック(A)の質量及び前記含フッ素重合体の質量の合計の1〜10質量%であり、
    前記含フッ素重合体は、パーフルオロポリマーであり、
    前記組成物(1)は、押出成形又は射出成形に用いるものである
    ことを特徴とする組成物(1)。
  16. 請求の範囲第15項記載の組成物(1)にエンジニアリングプラスチック(B)を追加して組成物(2)を調製する工程、及び、前記組成物(2)を溶融して押出成形又は射出成形により成形体を製造する工程を有する成形体製造方法であって、
    前記組成物(2)は、含フッ素重合体がエンジニアリングプラスチック(A)の質量、エンジニアリングプラスチック(B)の質量及び含フッ素重合体の質量の合計の0.005〜1質量%である
    ことを特徴とする成形体製造方法。
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