JPWO2003036135A1 - ラックピニオンギア機構 - Google Patents
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Abstract
この発明に係るラックピニオンギア機構は、ラック(23)を備えたラック形成部材(21)と、該ラック形成部材(21)のラック(23)に対して解除可能に噛合するピニオンギア(32)と、該ピニオンギア(32)との噛合に際し最初に前記ピニオンギア(32)の歯と接触する前記ラックの歯(23a)とは反対側に位置する前記ラック形成部材(21)の一部に接触しかつ歯先当たりによるラック形成部材の変位に対応して弾性変形する弾性部材(35)とを備えている。弾性部材(35)は、ラック(23)とピニオンギア(32)との噛合開始前後においてラック形成部材(21)の一部に接触しかつ当該噛合中においてラック形成部材(21)から離間している。弾性部材を片持ち梁状に固定し、該弾性部材の自由端の高さ位置を位置決めする位置決め手段(31)を備えている。ピニオンギア(32)との噛合に際し最初に前記ピニオンギアの歯と接触するラックの歯(23a)は、該ラックの他の歯よりも歯先の高さを低く設定されている。
Description
技術分野
この発明は、ラックとピニオンギアとの間で噛合およびその解除を行えるラックピニオンギア機構に関する。
背景技術
従来のラックピニオンギア機構としては、例えば特開昭63−176857号公報に開示されたものが知られている。
第1図は、上記公開公報に開示された従来のラックピニオンギア機構の構成を示す正面図である。図において、符号1は本体ラックであり、2はピニオン列3A,3B,3C...を搬送するコンベア手段である。本体ラック1は本体フレームにピン5および6で固定されている。この本体ラック1のピニオン導入側(第1図において右側)には本体ラック1に接してピン6を軸として上下方向に揺動自在に導入セグメントラック7が設けられている。この導入セグメントラック7の端部7Aと本体ラック1の端部との接合点8においては、導入セグメントラック7の歯たけ方向ピッチ線11と本体ラック1の歯たけ方向ピッチ線13とが一致している。また、導入セグメントラック7は、接合点8における刻みピッチ9が本体ラック1の刻みピッチ10と等しい寸法となるように、本体ラック1に対して配置されている。導入セグメントラック7のピニオン導入側端部7Bは、少なくとも歯たけ方向ピッチ線11が所定の寸法12だけ本体ラック1の歯たけ方向ピッチ線13より低くなるように保持されている。即ち、導入セグメントラック7と一体に組みつけられたブロック15がスプリング16の押上力によって係止ピン14に押圧されることによって上記寸法12が保持される。
また、導入セグメント7のピニオン導入側端部7Bの端面と係止ピン14との間隔20は、刻みピッチの1/2以内とされている。スプリング17は、導入セグメントラック7を本体ラック1に向けて押し付ける弾性部材である。ピニオン3B等と導入セグメントラック7の係合時の歯面で発生する力は、この導入セグメントラック7の長手方向への変位およびその復帰によって吸収させることができる。
次に動作について説明する。
通常、例えばピニオン3Bが図面右側から進行してきて導入セグメントラック7の上に到達したとき、ピニオン3Bの歯先と導入セグメントラック7の歯先とが干渉する。このとき、導入セグメントラック7が軸6を中心として下方に揺動して歯面で発生する力を吸収する。これにより、歯車機構の動作不良、駆動モータの損傷や歯の破壊等の不都合が防止される。
しかしながら、従来のラックピニオンギア機構では、歯先当たりにより発生する不都合を回避する手段が、歯先当たりに際し噛合が外れる方向に移動する導入セグメントラック7と、この導入セグメントラック7を上方に常に付勢して所定位置に保持するスプリング16と、噛合が外れた際に噛合する方向に付勢して滑らかに係合させるスプリング17とから構成されており、構成上、非常に複雑であるという課題があった。
この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、簡易な構成で歯先当たりによる不都合を回避できるラックピニオンギア機構を提供することを目的とする。
発明の開示
この発明に係るラックピニオンギア機構は、ラックを備えたラック形成部材と、該ラック形成部材のラックに対して解除可能に噛合するピニオンギアと、該ピニオンギアとの噛合に際し最初に前記ピニオンギアの歯と接触する前記ラックの歯とは反対側に位置する前記ラック形成部材の一部に接触しかつ歯先当たりによるラック形成部材の変位に対応して弾性変形する弾性部材とを備えたものである。これにより、従来に比べて簡易な構成であるにもかかわらず、噛合開始時に歯先当たりが生じた場合に、ラックを備えたラック形成部材の変位に対応して弾性部材を弾性変形させることができ、歯先当たりによる歯の破壊や駆動モータの損傷等の不都合の発生を回避することができるという効果がある。
この発明に係るラックピニオンギア機構は、弾性部材を、ラックとピニオンギアとの噛合開始前後においてラック形成部材の一部に接触させかつ当該噛合中においてラック形成部材から離間させたものである。これにより、必要なときに弾性部材の弾性を利用してラック形成部材の復帰を確実に行うことができると共に、不要なときには弾性部材とラック形成部材との接触を避けて摺動負荷を最小限に抑えることができるという効果がある。
この発明に係るラックピニオンギア機構は、弾性部材を片持ち梁状に固定し、該弾性部材の自由端の高さ位置を位置決めする位置決め手段を備えたものである。これにより、噛合開始前後においてラック形成部材の一部に弾性部材を僅かに接触させるように、弾性部材の高さを調整することができ、ラック形成部材に対する弾性部材の摺動負荷を最小限に抑えることができるので、動作耐久性の低下を回避することができるという効果がある。
この発明に係るラックピニオンギア機構は、ピニオンギアとの噛合に際し最初に前記ピニオンギアの歯と接触するラックの歯を、該ラックの他の歯よりも歯先の高さを低く設定したものである。これにより、歯先当たりを減少させることができ、滑らかに噛合を行うことができるという効果がある。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形態について、添付の図面に従ってこれを説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1によるラックピニオンギア機構は、例えばコンパクトディスク(以下、CDという)等の光記録媒体の再生を行うCDドライブ装置(図示せず)内において、CDを把持し、所定位置に搬送すると共に、CD投影面上から退避するディスク搬送機構(図示せず)の駆動に適用可能であり、この実施の形態1は一例に過ぎず、この発明はこれに限定されるものではない。
第2図はこの発明の実施の形態1によるラックピニオンギア機構の噛合前の状態を示す斜視図であり、第3図は第2図の正面図であり、第4図は第2図の要部を示す拡大斜視図であり、第5図は第2図から第4図に示したラックピニオンギア機構の歯先当たりせずに噛合を開始した直後の状態を示す斜視図であり、第6図は第5図に示した噛合開始状態から噛合が進行した状態を示す斜視図であり、第7図は第5図および第6図に示した噛合時におけるラックの動作を示す正面図であり、第8図は第2図から第4図に示したラックピニオンギア機構の歯先当たりした状態で噛合を開始した直後の状態を示す斜視図であり、第9図は第8図に示した歯先当たりした状態での噛合におけるラックの動作を示す正面図である。なお、特に言及しない限り、図面においてピニオンギアに近い側のラック端部を前端とし、ピニオンギアから遠い側のラック端部を後端として説明する。
図面において、符号21は長尺板状のラックプレートである。このラックプレート21の前方内側には後述するピニオンギア寄りの位置に長尺の開口部22が設けられている。この開口部22の幅は後述するピニオンギアの外径(歯先円の直径)よりも大きく形成されている。開口部22の下縁部には直線状に配列された歯列からなるラック23が設けられている。この実施の形態1では、ラック23と後述するピニオンギアとの歯先当たりを緩和するために、ラック23の第1歯23aの高さ(歯丈)が他の歯よりも低くなるように形成されている。
このようなラックプレート21の後述する取付台に対向する面には、その長さ方向に沿って互いに離間した後方ガイドピン24および前方ガイドピン25が設けられている。後方ガイドピン24は開口部22から離れた後方位置に形成され、前方ガイドピン25は開口部22に寄った前方位置に形成されている。これら後方ガイドピン24および前方ガイドピン25は共に外径の大きい頭部24aおよび25aとこれらよりも外径の小さい脚部(図示せず)および25bとから構成されている。
また、ラックプレート21の前方下部には、後述する弾性部材と摺動接触する摺動部26が形成されている。この摺動部26は、後述する弾性部材の摺動を受ける摺動面26aと、この摺動面26aの前方に形成されかつラックプレート21の前方移動時における後述する弾性部材との接触時の衝撃を緩和する前方曲面26bと、上記摺動面26aの後方に形成されかつラックプレート21の後方移動時における後述する弾性部材との接触時の衝撃を緩和する後方曲面26cとから構成されている。
27は上述のCDドライブ装置(図示せず)のシャーシ(図示せず)上に立設された長尺板状の取付台である。この取付台27はその長さ方向に沿って延在しかつ互いに長さ方向に離間する2つの後方ガイド溝28および前方ガイド溝29を有している。後方ガイド溝28は後方ガイドピン24の頭部24aの貫通が可能な円形溝部28aと、この円形溝部28aに連続して形成されかつ後方ガイドピン24の頭部24aの外径とその脚部(図示せず)の外径との間の範囲内に設定された幅で形成された直線溝部28bとから概略構成されている。
また、前方ガイド溝29は前方ガイドピン25の頭部25aの貫通が可能な円形溝部29aと、この円形溝部29aに連続して形成されかつ前方ガイドピン25の頭部25aの外径と脚部25bの外径との間の範囲内に設定された幅で形成された直線溝部29bとから概略構成されている。但し、この直線溝部29bには、円形溝部29aに隣接する位置に凹部30が形成されている。この凹部30は直線溝部29bから下降する下降部30aと、この下降部30aの最下部に連続して形成されかつ直線溝部29bと平行な平坦部30bと、この平坦部30bに連続して形成されかつ直線溝部29bに向かって上昇する上昇部30cとから構成されている。このとき、直線溝部29bの上縁部と凹部30の平坦部30bとの離間距離は前方ガイドピン25の頭部25aの外径よりも短くなるように設定されている。
取付台27の下縁部には、上記凹部30の近傍に、後述する弾性部材の高さ調整を行うための凹部31が形成されている。
このような取付台27には、ラックプレート21のラック23と噛合可能なピニオンギア32が回転自在に取り付けられている。また、この取付台27には、ピニオンギア32にアイドラギア連33を介して駆動力を伝達する駆動モータ34が取り付けられている。
また、取付台27には、ラックプレート21の下側位置に板ばね(弾性部材)35が片持ち梁状に取り付けられている。この板ばね35は、取付台27への固定用ビス(図示せず)を取り付けるためのビス穴35aを有する基部35bと、この基部35bから前方に延在する自由端側に形成された逆V字状の突起部35cと、この突起部35cに連続して形成されかつ取付台27の凹部31に係合する係合部35dとから構成されている。板ばね35はその基部35bを取付台27に支持され、突起部35cがラックプレート21を常に上方に付勢するように設定されている。しかし、板ばね35の係合部35dが取付台27の凹部31に係合されることで、ラックプレート21が突起部35cに僅かに接触して大きな負荷なく摺動できる程度に板ばね35の突起部35cによるラックプレート21に対する付勢が規制され、突起部35cの高さが調節される。また、ラックプレート21の後方ガイドピン24および前方ガイドピン25が後方ガイド溝28および前方ガイド溝29のそれぞれの上縁部に押し付けられることがないので、後方ガイドピン24および前方ガイドピン25に対する大きな摺動負荷を回避することができる。
36はトリガである。このトリガ36は、例えばCDを再生位置や交換位置まで搬送するなどのタイミングで、CPU(図示せず)から指令が発せられると、ラックプレート21の後端部を前方に押圧してラック23とピニオンギア32とを噛合させ、上記のように構成されたラックピニオンギア機構の動作開始を促すものである。
次に動作について説明する。
まず、動作前において、ラックプレート21の後方ガイドピン24および前方ガイドピン25は取付台27の後方ガイド溝28の円形溝部28aおよび前方ガイド溝29の円形溝部29a内に貫通された状態で支持されている。
次に、第2図から第4図に示すように、例えばCDを再生位置や交換位置まで搬送するなどのタイミングで、CPU(図示せず)から指令が発せられると、トリガ36がラックプレート21の後端部を前方に押圧する。トリガ36押圧後、同じくCPU(図示せず)からの指令により駆動モータ34が駆動を開始し、アイドラギア連33を介して駆動力が伝達されてピニオンギア32が回転し始める。上述のトリガ36の押圧によりラックプレート21が矢印X1方向に沿って前進すると、ラック23の第1歯23aとピニオンギア32とが接触する。なお、この実施の形態1では、ラック23の第1歯23aの高さを他の歯よりも低く設定しているので、歯先当たりを極力減少させることができ、滑らかに噛合を行うことが可能である。
このため、通常、ラック23とピニオンギア32との間で歯先当たりを生じない。この場合には、速やかに一方の歯先が他方の歯元に深く入り、滑らかに噛合が行われる。この噛合によりラックプレート21は矢印X1方向に沿って前方に送り出され、後方ガイドピン24および前方ガイドピン25は後方ガイド溝28および前方ガイド溝29に沿って案内される。噛合開始の直前および直後においては、板ばね35の突起部35cがラックプレート21の摺動部26に摺動接触してラックプレート21を支持しているので、第5図から第7図に示すように、前方ガイドピン25が前方ガイド溝29の凹部30の上方を通過して、直線溝部29bへ移行できる。後方ガイドピン24は後方ガイド溝28の円形溝部28aから直接直線溝部28bへ移行しているので、ラックプレート21全体の高さは噛合の前後において変わらず、常に一定である。
なお、第7図におけるA1は第2図から第4図に対応した噛合直前のラックプレート21の姿勢および位置を示し、A2は第5図に対応した噛合時のラックプレート21の姿勢および位置を示し、A3は第6図に対応した噛合直後のラックプレート21の姿勢および位置を示している。
万が一、ラック23とピニオンギア32との間で歯先当たりが生じた場合には、歯先当たりにより発生した力で板ばね35を弾性変形させ、第8図および第9図に示すように、ラックプレート21を後方ガイドピン24を中心にして矢印Y1方向に回動させることで吸収する。これにより、歯先当たりによる動作不良等を回避する。その直後に、板ばね35の弾性復元により、回動した状態のラックプレート21を矢印Y2方向に向けて元の位置に復帰させる。これにより、速やかに一方の歯先を他方の歯元に深く入れ、滑らかに噛合させる。
ラックプレート21の復帰後においては、ラックプレート21の摺動部26から板ばね35の突起部35cが離間し、後方ガイドピン24および前方ガイドピン25が後方ガイド溝28の直線溝部28bおよび前方ガイド溝29の直線溝部29bのみに案内される。
なお、第9図におけるB1は歯先当たり直前のラックプレート21の姿勢および位置を示し、B2は第8図に対応した歯先当たりした瞬間のラックプレート21の姿勢および位置を示し、B3は歯先当たり直後のラックプレート21の姿勢および位置を示している。また、第9図におけるC1はラックプレート21がB1およびB3の姿勢および位置にあるときの板ばね35の姿勢および位置を示し、C2はラックプレート21がB2の姿勢および位置にあるときの板ばね35の姿勢および位置を示している。
上述のように歯先当たりしない場合や歯先当たりした場合のいずれにおいても、ラックプレート21を矢印X2方向に沿って後方に送り返すときは、ピニオンギア32が逆回転するように駆動モータ34の駆動力をピニオンギア32に伝達する。これにより、ラックプレート21が後方に送り返され、最終的にラック23の第1歯23a側でラック23とピニオンギア32との噛合が解除され、ラックプレート21の後方移動が停止される。このようにラックプレート21の後方移動時においては、後退開始からピニオンギア32がラック23の第1歯23aに到達する前までは、ラックプレート21はその後方ガイドピン24および前方ガイドピン25が後方ガイド溝28の直線溝部28bおよび前方ガイド溝29の直線溝部29bのみに案内されて姿勢および高さが維持される。また、ピニオンギア32がラック23の第1歯23aに到達する直前から直後においては、前方ガイドピン25が前方ガイド溝29の凹部30上を通過するときに限って、ラックプレート21の摺動部26は板ばね35の突起部35cのみに接触してこれに支持されて姿勢および高さが維持される。従って、ラックプレート21の後方移動時においてはラックプレート21の姿勢および高さが常に維持されている。
以上のように、この実施の形態1によれば、弾性部材として板ばね35を設けるように構成したので、従来に比べて簡易な構成であるにもかかわらず、ラック23とピニオンギア32との噛合開始時に歯先当たりが生じた場合、ラック23を備えたラックプレート21の変位(回動)に対応して板ばね35を弾性変形させることができ、歯先当たりによる歯の破壊や駆動モータの損傷等の不都合の発生を回避することができるという効果がある。
この実施の形態1によれば、板ばね35を、ラック23とピニオンギア32との噛合開始前後においてラックプレート21の一部に接触させかつ当該噛合中においてラックプレート21から離間させるように構成したので、歯先当たりを解消するように、板ばね35を弾性変形させながら変位したラックプレート21を、板ばね35の弾性を利用して確実に元の位置に復帰させることができると共に、ラック23とピニオンギア32の噛合い動作時は、板ばね35とラックプレート21との接触を避けて摺動負荷を最小限に抑えることができるという効果がある。
この実施の形態1によれば、板ばね35を片持ち梁状に固定し、この板ばね35の自由端側の突起部35cの高さ位置を位置決めする位置決め手段として、取付台27に凹部31を設けるように構成したので、噛合開始前後においてラックプレート21の摺動部26に突起部35cを僅かに接触させるように、突起部35cの高さを調整することができる。これにより、ラックプレート21に対する突起部35cの摺動負荷を最小限に抑えることができるので、動作耐久性の低下を回避することができるという効果がある。
この実施の形態1によれば、ピニオンギア32との噛合に際し最初にピニオンギア32の歯と接触するラック23の第1歯23aを、ラック23の他の歯よりも歯先の高さを低く構成したので、歯先当たりを減少させることができ、滑らかに噛合を行うことができるという効果がある。
産業上の利用可能性
この発明は、ラックとピニオンギアとの間で噛合およびその解除を行えるラックピニオンギア機構であり、例えばCDドライブ装置内において、CDを把持し、所定位置に搬送すると共に、その後、CD投影面上から退避移動するディスク搬送機構の駆動に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来のラックピニオンギア機構の構成を示す正面図である。
第2図はこの発明の実施の形態1によるラックピニオンギア機構の噛合前の状態を示す斜視図である。
第3図は第2図の正面図である。
第4図は第2図の要部を示す拡大斜視図である。
第5図は第2図から第4図に示したラックピニオンギア機構の歯先当たりせずに噛合を開始した直後の状態を示す斜視図である。
第6図は第5図に示した噛合開始状態から噛合が進行した状態を示す斜視図である。
第7図は第5図および第6図に示した噛合時におけるラックの動作を示す正面図である。
第8図は第2図から第4図に示したラックピニオンギア機構の歯先当たりした状態で噛合を開始した直後の状態を示す斜視図である。
第9図は第8図に示した歯先当たりした状態での噛合におけるラックの動作を示す正面図である。
この発明は、ラックとピニオンギアとの間で噛合およびその解除を行えるラックピニオンギア機構に関する。
背景技術
従来のラックピニオンギア機構としては、例えば特開昭63−176857号公報に開示されたものが知られている。
第1図は、上記公開公報に開示された従来のラックピニオンギア機構の構成を示す正面図である。図において、符号1は本体ラックであり、2はピニオン列3A,3B,3C...を搬送するコンベア手段である。本体ラック1は本体フレームにピン5および6で固定されている。この本体ラック1のピニオン導入側(第1図において右側)には本体ラック1に接してピン6を軸として上下方向に揺動自在に導入セグメントラック7が設けられている。この導入セグメントラック7の端部7Aと本体ラック1の端部との接合点8においては、導入セグメントラック7の歯たけ方向ピッチ線11と本体ラック1の歯たけ方向ピッチ線13とが一致している。また、導入セグメントラック7は、接合点8における刻みピッチ9が本体ラック1の刻みピッチ10と等しい寸法となるように、本体ラック1に対して配置されている。導入セグメントラック7のピニオン導入側端部7Bは、少なくとも歯たけ方向ピッチ線11が所定の寸法12だけ本体ラック1の歯たけ方向ピッチ線13より低くなるように保持されている。即ち、導入セグメントラック7と一体に組みつけられたブロック15がスプリング16の押上力によって係止ピン14に押圧されることによって上記寸法12が保持される。
また、導入セグメント7のピニオン導入側端部7Bの端面と係止ピン14との間隔20は、刻みピッチの1/2以内とされている。スプリング17は、導入セグメントラック7を本体ラック1に向けて押し付ける弾性部材である。ピニオン3B等と導入セグメントラック7の係合時の歯面で発生する力は、この導入セグメントラック7の長手方向への変位およびその復帰によって吸収させることができる。
次に動作について説明する。
通常、例えばピニオン3Bが図面右側から進行してきて導入セグメントラック7の上に到達したとき、ピニオン3Bの歯先と導入セグメントラック7の歯先とが干渉する。このとき、導入セグメントラック7が軸6を中心として下方に揺動して歯面で発生する力を吸収する。これにより、歯車機構の動作不良、駆動モータの損傷や歯の破壊等の不都合が防止される。
しかしながら、従来のラックピニオンギア機構では、歯先当たりにより発生する不都合を回避する手段が、歯先当たりに際し噛合が外れる方向に移動する導入セグメントラック7と、この導入セグメントラック7を上方に常に付勢して所定位置に保持するスプリング16と、噛合が外れた際に噛合する方向に付勢して滑らかに係合させるスプリング17とから構成されており、構成上、非常に複雑であるという課題があった。
この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、簡易な構成で歯先当たりによる不都合を回避できるラックピニオンギア機構を提供することを目的とする。
発明の開示
この発明に係るラックピニオンギア機構は、ラックを備えたラック形成部材と、該ラック形成部材のラックに対して解除可能に噛合するピニオンギアと、該ピニオンギアとの噛合に際し最初に前記ピニオンギアの歯と接触する前記ラックの歯とは反対側に位置する前記ラック形成部材の一部に接触しかつ歯先当たりによるラック形成部材の変位に対応して弾性変形する弾性部材とを備えたものである。これにより、従来に比べて簡易な構成であるにもかかわらず、噛合開始時に歯先当たりが生じた場合に、ラックを備えたラック形成部材の変位に対応して弾性部材を弾性変形させることができ、歯先当たりによる歯の破壊や駆動モータの損傷等の不都合の発生を回避することができるという効果がある。
この発明に係るラックピニオンギア機構は、弾性部材を、ラックとピニオンギアとの噛合開始前後においてラック形成部材の一部に接触させかつ当該噛合中においてラック形成部材から離間させたものである。これにより、必要なときに弾性部材の弾性を利用してラック形成部材の復帰を確実に行うことができると共に、不要なときには弾性部材とラック形成部材との接触を避けて摺動負荷を最小限に抑えることができるという効果がある。
この発明に係るラックピニオンギア機構は、弾性部材を片持ち梁状に固定し、該弾性部材の自由端の高さ位置を位置決めする位置決め手段を備えたものである。これにより、噛合開始前後においてラック形成部材の一部に弾性部材を僅かに接触させるように、弾性部材の高さを調整することができ、ラック形成部材に対する弾性部材の摺動負荷を最小限に抑えることができるので、動作耐久性の低下を回避することができるという効果がある。
この発明に係るラックピニオンギア機構は、ピニオンギアとの噛合に際し最初に前記ピニオンギアの歯と接触するラックの歯を、該ラックの他の歯よりも歯先の高さを低く設定したものである。これにより、歯先当たりを減少させることができ、滑らかに噛合を行うことができるという効果がある。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形態について、添付の図面に従ってこれを説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1によるラックピニオンギア機構は、例えばコンパクトディスク(以下、CDという)等の光記録媒体の再生を行うCDドライブ装置(図示せず)内において、CDを把持し、所定位置に搬送すると共に、CD投影面上から退避するディスク搬送機構(図示せず)の駆動に適用可能であり、この実施の形態1は一例に過ぎず、この発明はこれに限定されるものではない。
第2図はこの発明の実施の形態1によるラックピニオンギア機構の噛合前の状態を示す斜視図であり、第3図は第2図の正面図であり、第4図は第2図の要部を示す拡大斜視図であり、第5図は第2図から第4図に示したラックピニオンギア機構の歯先当たりせずに噛合を開始した直後の状態を示す斜視図であり、第6図は第5図に示した噛合開始状態から噛合が進行した状態を示す斜視図であり、第7図は第5図および第6図に示した噛合時におけるラックの動作を示す正面図であり、第8図は第2図から第4図に示したラックピニオンギア機構の歯先当たりした状態で噛合を開始した直後の状態を示す斜視図であり、第9図は第8図に示した歯先当たりした状態での噛合におけるラックの動作を示す正面図である。なお、特に言及しない限り、図面においてピニオンギアに近い側のラック端部を前端とし、ピニオンギアから遠い側のラック端部を後端として説明する。
図面において、符号21は長尺板状のラックプレートである。このラックプレート21の前方内側には後述するピニオンギア寄りの位置に長尺の開口部22が設けられている。この開口部22の幅は後述するピニオンギアの外径(歯先円の直径)よりも大きく形成されている。開口部22の下縁部には直線状に配列された歯列からなるラック23が設けられている。この実施の形態1では、ラック23と後述するピニオンギアとの歯先当たりを緩和するために、ラック23の第1歯23aの高さ(歯丈)が他の歯よりも低くなるように形成されている。
このようなラックプレート21の後述する取付台に対向する面には、その長さ方向に沿って互いに離間した後方ガイドピン24および前方ガイドピン25が設けられている。後方ガイドピン24は開口部22から離れた後方位置に形成され、前方ガイドピン25は開口部22に寄った前方位置に形成されている。これら後方ガイドピン24および前方ガイドピン25は共に外径の大きい頭部24aおよび25aとこれらよりも外径の小さい脚部(図示せず)および25bとから構成されている。
また、ラックプレート21の前方下部には、後述する弾性部材と摺動接触する摺動部26が形成されている。この摺動部26は、後述する弾性部材の摺動を受ける摺動面26aと、この摺動面26aの前方に形成されかつラックプレート21の前方移動時における後述する弾性部材との接触時の衝撃を緩和する前方曲面26bと、上記摺動面26aの後方に形成されかつラックプレート21の後方移動時における後述する弾性部材との接触時の衝撃を緩和する後方曲面26cとから構成されている。
27は上述のCDドライブ装置(図示せず)のシャーシ(図示せず)上に立設された長尺板状の取付台である。この取付台27はその長さ方向に沿って延在しかつ互いに長さ方向に離間する2つの後方ガイド溝28および前方ガイド溝29を有している。後方ガイド溝28は後方ガイドピン24の頭部24aの貫通が可能な円形溝部28aと、この円形溝部28aに連続して形成されかつ後方ガイドピン24の頭部24aの外径とその脚部(図示せず)の外径との間の範囲内に設定された幅で形成された直線溝部28bとから概略構成されている。
また、前方ガイド溝29は前方ガイドピン25の頭部25aの貫通が可能な円形溝部29aと、この円形溝部29aに連続して形成されかつ前方ガイドピン25の頭部25aの外径と脚部25bの外径との間の範囲内に設定された幅で形成された直線溝部29bとから概略構成されている。但し、この直線溝部29bには、円形溝部29aに隣接する位置に凹部30が形成されている。この凹部30は直線溝部29bから下降する下降部30aと、この下降部30aの最下部に連続して形成されかつ直線溝部29bと平行な平坦部30bと、この平坦部30bに連続して形成されかつ直線溝部29bに向かって上昇する上昇部30cとから構成されている。このとき、直線溝部29bの上縁部と凹部30の平坦部30bとの離間距離は前方ガイドピン25の頭部25aの外径よりも短くなるように設定されている。
取付台27の下縁部には、上記凹部30の近傍に、後述する弾性部材の高さ調整を行うための凹部31が形成されている。
このような取付台27には、ラックプレート21のラック23と噛合可能なピニオンギア32が回転自在に取り付けられている。また、この取付台27には、ピニオンギア32にアイドラギア連33を介して駆動力を伝達する駆動モータ34が取り付けられている。
また、取付台27には、ラックプレート21の下側位置に板ばね(弾性部材)35が片持ち梁状に取り付けられている。この板ばね35は、取付台27への固定用ビス(図示せず)を取り付けるためのビス穴35aを有する基部35bと、この基部35bから前方に延在する自由端側に形成された逆V字状の突起部35cと、この突起部35cに連続して形成されかつ取付台27の凹部31に係合する係合部35dとから構成されている。板ばね35はその基部35bを取付台27に支持され、突起部35cがラックプレート21を常に上方に付勢するように設定されている。しかし、板ばね35の係合部35dが取付台27の凹部31に係合されることで、ラックプレート21が突起部35cに僅かに接触して大きな負荷なく摺動できる程度に板ばね35の突起部35cによるラックプレート21に対する付勢が規制され、突起部35cの高さが調節される。また、ラックプレート21の後方ガイドピン24および前方ガイドピン25が後方ガイド溝28および前方ガイド溝29のそれぞれの上縁部に押し付けられることがないので、後方ガイドピン24および前方ガイドピン25に対する大きな摺動負荷を回避することができる。
36はトリガである。このトリガ36は、例えばCDを再生位置や交換位置まで搬送するなどのタイミングで、CPU(図示せず)から指令が発せられると、ラックプレート21の後端部を前方に押圧してラック23とピニオンギア32とを噛合させ、上記のように構成されたラックピニオンギア機構の動作開始を促すものである。
次に動作について説明する。
まず、動作前において、ラックプレート21の後方ガイドピン24および前方ガイドピン25は取付台27の後方ガイド溝28の円形溝部28aおよび前方ガイド溝29の円形溝部29a内に貫通された状態で支持されている。
次に、第2図から第4図に示すように、例えばCDを再生位置や交換位置まで搬送するなどのタイミングで、CPU(図示せず)から指令が発せられると、トリガ36がラックプレート21の後端部を前方に押圧する。トリガ36押圧後、同じくCPU(図示せず)からの指令により駆動モータ34が駆動を開始し、アイドラギア連33を介して駆動力が伝達されてピニオンギア32が回転し始める。上述のトリガ36の押圧によりラックプレート21が矢印X1方向に沿って前進すると、ラック23の第1歯23aとピニオンギア32とが接触する。なお、この実施の形態1では、ラック23の第1歯23aの高さを他の歯よりも低く設定しているので、歯先当たりを極力減少させることができ、滑らかに噛合を行うことが可能である。
このため、通常、ラック23とピニオンギア32との間で歯先当たりを生じない。この場合には、速やかに一方の歯先が他方の歯元に深く入り、滑らかに噛合が行われる。この噛合によりラックプレート21は矢印X1方向に沿って前方に送り出され、後方ガイドピン24および前方ガイドピン25は後方ガイド溝28および前方ガイド溝29に沿って案内される。噛合開始の直前および直後においては、板ばね35の突起部35cがラックプレート21の摺動部26に摺動接触してラックプレート21を支持しているので、第5図から第7図に示すように、前方ガイドピン25が前方ガイド溝29の凹部30の上方を通過して、直線溝部29bへ移行できる。後方ガイドピン24は後方ガイド溝28の円形溝部28aから直接直線溝部28bへ移行しているので、ラックプレート21全体の高さは噛合の前後において変わらず、常に一定である。
なお、第7図におけるA1は第2図から第4図に対応した噛合直前のラックプレート21の姿勢および位置を示し、A2は第5図に対応した噛合時のラックプレート21の姿勢および位置を示し、A3は第6図に対応した噛合直後のラックプレート21の姿勢および位置を示している。
万が一、ラック23とピニオンギア32との間で歯先当たりが生じた場合には、歯先当たりにより発生した力で板ばね35を弾性変形させ、第8図および第9図に示すように、ラックプレート21を後方ガイドピン24を中心にして矢印Y1方向に回動させることで吸収する。これにより、歯先当たりによる動作不良等を回避する。その直後に、板ばね35の弾性復元により、回動した状態のラックプレート21を矢印Y2方向に向けて元の位置に復帰させる。これにより、速やかに一方の歯先を他方の歯元に深く入れ、滑らかに噛合させる。
ラックプレート21の復帰後においては、ラックプレート21の摺動部26から板ばね35の突起部35cが離間し、後方ガイドピン24および前方ガイドピン25が後方ガイド溝28の直線溝部28bおよび前方ガイド溝29の直線溝部29bのみに案内される。
なお、第9図におけるB1は歯先当たり直前のラックプレート21の姿勢および位置を示し、B2は第8図に対応した歯先当たりした瞬間のラックプレート21の姿勢および位置を示し、B3は歯先当たり直後のラックプレート21の姿勢および位置を示している。また、第9図におけるC1はラックプレート21がB1およびB3の姿勢および位置にあるときの板ばね35の姿勢および位置を示し、C2はラックプレート21がB2の姿勢および位置にあるときの板ばね35の姿勢および位置を示している。
上述のように歯先当たりしない場合や歯先当たりした場合のいずれにおいても、ラックプレート21を矢印X2方向に沿って後方に送り返すときは、ピニオンギア32が逆回転するように駆動モータ34の駆動力をピニオンギア32に伝達する。これにより、ラックプレート21が後方に送り返され、最終的にラック23の第1歯23a側でラック23とピニオンギア32との噛合が解除され、ラックプレート21の後方移動が停止される。このようにラックプレート21の後方移動時においては、後退開始からピニオンギア32がラック23の第1歯23aに到達する前までは、ラックプレート21はその後方ガイドピン24および前方ガイドピン25が後方ガイド溝28の直線溝部28bおよび前方ガイド溝29の直線溝部29bのみに案内されて姿勢および高さが維持される。また、ピニオンギア32がラック23の第1歯23aに到達する直前から直後においては、前方ガイドピン25が前方ガイド溝29の凹部30上を通過するときに限って、ラックプレート21の摺動部26は板ばね35の突起部35cのみに接触してこれに支持されて姿勢および高さが維持される。従って、ラックプレート21の後方移動時においてはラックプレート21の姿勢および高さが常に維持されている。
以上のように、この実施の形態1によれば、弾性部材として板ばね35を設けるように構成したので、従来に比べて簡易な構成であるにもかかわらず、ラック23とピニオンギア32との噛合開始時に歯先当たりが生じた場合、ラック23を備えたラックプレート21の変位(回動)に対応して板ばね35を弾性変形させることができ、歯先当たりによる歯の破壊や駆動モータの損傷等の不都合の発生を回避することができるという効果がある。
この実施の形態1によれば、板ばね35を、ラック23とピニオンギア32との噛合開始前後においてラックプレート21の一部に接触させかつ当該噛合中においてラックプレート21から離間させるように構成したので、歯先当たりを解消するように、板ばね35を弾性変形させながら変位したラックプレート21を、板ばね35の弾性を利用して確実に元の位置に復帰させることができると共に、ラック23とピニオンギア32の噛合い動作時は、板ばね35とラックプレート21との接触を避けて摺動負荷を最小限に抑えることができるという効果がある。
この実施の形態1によれば、板ばね35を片持ち梁状に固定し、この板ばね35の自由端側の突起部35cの高さ位置を位置決めする位置決め手段として、取付台27に凹部31を設けるように構成したので、噛合開始前後においてラックプレート21の摺動部26に突起部35cを僅かに接触させるように、突起部35cの高さを調整することができる。これにより、ラックプレート21に対する突起部35cの摺動負荷を最小限に抑えることができるので、動作耐久性の低下を回避することができるという効果がある。
この実施の形態1によれば、ピニオンギア32との噛合に際し最初にピニオンギア32の歯と接触するラック23の第1歯23aを、ラック23の他の歯よりも歯先の高さを低く構成したので、歯先当たりを減少させることができ、滑らかに噛合を行うことができるという効果がある。
産業上の利用可能性
この発明は、ラックとピニオンギアとの間で噛合およびその解除を行えるラックピニオンギア機構であり、例えばCDドライブ装置内において、CDを把持し、所定位置に搬送すると共に、その後、CD投影面上から退避移動するディスク搬送機構の駆動に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来のラックピニオンギア機構の構成を示す正面図である。
第2図はこの発明の実施の形態1によるラックピニオンギア機構の噛合前の状態を示す斜視図である。
第3図は第2図の正面図である。
第4図は第2図の要部を示す拡大斜視図である。
第5図は第2図から第4図に示したラックピニオンギア機構の歯先当たりせずに噛合を開始した直後の状態を示す斜視図である。
第6図は第5図に示した噛合開始状態から噛合が進行した状態を示す斜視図である。
第7図は第5図および第6図に示した噛合時におけるラックの動作を示す正面図である。
第8図は第2図から第4図に示したラックピニオンギア機構の歯先当たりした状態で噛合を開始した直後の状態を示す斜視図である。
第9図は第8図に示した歯先当たりした状態での噛合におけるラックの動作を示す正面図である。
Claims (4)
- ラックを備えたラック形成部材と、該ラック形成部材のラックに対して解除可能に噛合するピニオンギアと、該ピニオンギアとの噛合に際し最初に前記ピニオンギアの歯と接触する前記ラックの歯とは反対側に位置する前記ラック形成部材の一部に接触しかつ歯先当たりによるラック形成部材の変位に対応して弾性変形する弾性部材とを備えたラックピニオンギア機構。
- 弾性部材は、ラックとピニオンギアとの噛合開始前後においてラック形成部材の一部に接触しかつ当該噛合中においてラック形成部材から離間している請求の範囲第1項記載のラックピニオンギア機構。
- 弾性部材を片持ち梁状に固定し、該弾性部材の自由端の高さ位置を位置決めする位置決め手段を備えた請求の範囲第2項記載のラックピニオンギア機構。
- ピニオンギアとの噛合に際し最初に前記ピニオンギアの歯と接触するラックの歯は、該ラックの他の歯よりも歯先の高さを低く設定されている請求の範囲第1項記載のラックピニオンギア機構。
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