JPWO2002066638A1 - 逆向き反復配列を含む組み換え遺伝子及びその利用 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、哺乳動物(主にマウス)細胞でRNAiが長期に渡って効果を持つように、dsRNAの導入方法を改良することである。本発明によれば、哺乳動物細胞で発現可能な標的遺伝子の逆向き反復配列を含む組み換え遺伝子が提供される。

Description

技術分野
本発明は、標的遺伝子の逆向き反復配列を含む組み換え遺伝子に関する。より詳細には、本発明は、標的遺伝子の逆向き反復配列を哺乳動物の細胞内で発現できるように組み込んだ組み換え遺伝子に関する。本発明は、上記組み換え遺伝子を用いて得られるトランスジェニック動物にも関する。
背景技術
従来の医薬品開発では、最初に機能が明らかなタンパク質(例えば、インターフェロンα)を体内から見つけ、このDNAを単離する方法で研究を行って来た。近年においては、ゲノム解析計画の推進によってDNAの配列決定技術が急速に進歩した。cDNA解析における最近の方法では、最初にDNAを単離して配列を決定し、次の段階で、DNAデータベースに登録されている公知の配列と似ているか否かでDNAの機能を推定する。そして、更に次の段階で、実際に、蛋白レベル、さらには、個体(主として哺乳類実験動物)レベルにおけるDNAの機能を解明している。これまで、個体レベルにおけるDNAの機能解明においては、遺伝子ノックアウト動物を作成し、その表現型を解析するという方法で行われてきた。しかしながら、このノックアウト法は多大な労力と時間がかかり、数多くの医薬品、または医薬品のターゲットとなる候補蛋白の解析には実用的ではない。従って、これまでのノックアウト法より有効でかつ、より簡便な、動物個体での遺伝子機能抑制方法が望まれている。
RNAi(RNAinterference)とは、ある遺伝子(ターゲット遺伝子とよぶ)の一部をコードするmRNAの一部を二本鎖にしたRNA(double strandedRNA:dsRNA)を細胞へ導入すると、ターゲット遺伝子の発現が抑制される現象を言う。1998年、生体内へのdsRNAの導入が導入遺伝子と同じ遺伝子の発現に対して抑制作用を持つことが、線虫において発見された(Fire et al.,1998)。その後、真菌類、植物Nicotiana tabaccumとOryza sativa、プラナリア、トリパノソーマTrypanosoma brucei(Ngo,H.,Tschudi,C.,Gull,K.,and Ullu,E.)、ハエDrosophila melanogaster(Kennerdell and Carthew,1998)及び脊椎動物であるゼブラフィッシュでも観察され、RNAiは種を越えて普遍的に存在する現象であると考えられるようになった。哺乳類ではマウスの初期胚(Wianny and Zernikca−Goetz,2000)において作用が報告されている。RNAiの阻害作用の分子機構は解明されていないが、線虫における遺伝学的解析から、ego−1、mut−2、mut−7、mut−8、mut−9、red−1、rde−2、rde−4等の遺伝子の関与が報告されている(Grishok et al.,2000)。
RNAiの技術的応用については,線虫において、遺伝子ノックアウト技術として確立し、線虫全ゲノム配列決定計画により得られた全塩基配列情報を用いた、ゲノム機能解析の主要な手段として利用されている(Fraser et al.,2000;Gonczy et al.,2000)。哺乳動物のゲノム機能解析においても、遺伝子ノックアウトより時間的、労力的に負担の少ない方法として、効率的な遺伝子発現抑制の方法として期待されている。
しかし現在までの所、dsRNAの導入方法として、哺乳動物の実験動物(例えば、マウス等)においては、dsRNAを直接注入する非遺伝的な方法しか報告されておらず(Wianny and Zernikca−Goetz,2000)、従来の遺伝子破壊技術の完全な代替はできていない。すなわち、受精卵へdsRNAを直接注入すると、細胞が分裂すると共に各細胞内のdsRNAが希釈され、効率的に遺伝子抑制が起らなくなってしまうと考えられている。
線虫(Travernarkaris et al.,2000)やショウジョウバエ(Kennerdell and Carhtew,2000)では、逆方向反復配列を持つ遺伝子を導入し、生体内でヘアピン構造のdsRNAを転写し、RNAi発現を起こすトランスジェニック動物の作成が成功している。このような遺伝的な方法の確立が哺乳動物においても期待されているが、これまでのところ、成功には至っていないのが現状である。
発明の開示
本発明は、マウスなどの哺乳動物細胞でRNAiが長期にわたり効果を持つように、dsRNAの導入方法を改良することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、外来性リポーター遺伝子として、Enhanced green fluorescent protien(EGFP)遺伝子(Cormack et al.,1996)を用い、ニワトリベータグロビン遺伝子インスレーター配列の一部(240塩基対)、CMVエンハンサー、ヒトEF1αプロモーターの下流にEGFPの逆向き反復配列を持ち、さらにSV40ポリA付加シグナルを持つ、導入遺伝子を構築し、この遺伝子を、EGFPトランスジェニックマウスの受精卵へ導入し、初期発生過程におけるEGFP蛍光を検討したところ、発生が正常に進んでいるにもかかわらず、EGFPの蛍光が消失することを見い出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、哺乳動物細胞で発現可能な標的遺伝子の逆向き反復配列を含む組み換え遺伝子が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、
哺乳動物細胞で作動可能なプロモーター配列の下流に標的遺伝子の逆向き反復配列を含む組み換え遺伝子;
プロモーター配列の上流にエンハンサー配列を含む上記組み換え遺伝子;
さらにインスレーター配列又はその一部を含む、上記組み換え遺伝子;
標的遺伝子の逆向き反復配列の下流にポリA付加シグナル配列を含む、上記組み換え遺伝子;
標的遺伝子が、外来性レポータータンパク質またはその変異タンパク質の遺伝子である、上記組み換え遺伝子;並びに
外来性レポータータンパク質が、Enhanced green fluorescent protien(EGFP)である、上記組み換え遺伝子;
が提供される。
本発明の組み換え遺伝子は好ましくは、トランスジェニック非ヒト哺乳動物の作成のために使用することができ、非ヒト哺乳動物は好ましくは、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギおよびサルから成る群から選ばれる非ヒト哺乳動物である。
本発明の別の側面によれば、上記した本発明の組み換え遺伝子を含む組み換えベクターが提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した組み換えベクターを有する形質転換体が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記した本発明の組み換え遺伝子又は組み換えベクターを導入した非ヒト哺乳動物の受精卵から発生した胚が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記の胚を、対応する非ヒト哺乳動物の子宮または卵管へ移植して発生させた胎児が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、標的遺伝子の逆向き反復配列を発現する、トランスジェニック非ヒト哺乳動物又はその子孫又はそれらの一部が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、
標的遺伝子の逆向き反復配列を特定の部位で発現するように組み込んだDNAを有する、上記したトランスジェニック非ヒト哺乳動物又はその子孫又はその一部;
標的遺伝子の逆向き反復配列を特定の時期に発現するように組み込んだDNAを有する、上記したトランスジェニック非ヒト哺乳動物又はその子孫又はその一部;
標的遺伝子の逆向き反復配列が、外来性レポータータンパク質またはその変異タンパク質の遺伝子の逆向き反復配列である、上記したトランスジェニック非ヒト哺乳動物又はその子孫又はその一部が提供される。
本発明において好ましくは、非ヒト哺乳動物は、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギおよびサルから成る群から選ばれる非ヒト哺乳動物である。
本発明のさらに別の側面によれば、エンハンサー配列及びプロモーター配列の下流に標的遺伝子の逆向き反復配列を含む組み換え遺伝子又は当該組み換え遺伝子を含む組み換えベクターを非ヒト哺乳動物の細胞に導入することを含む、標的遺伝子の発現を抑制する方法が提供される。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の組み換え遺伝子は、哺乳動物細胞で発現可能な標的遺伝子の逆向き反復配列を含むことを特徴とする。このような構造を有する組み換え遺伝子を哺乳動物の細胞に導入することにより、細胞内で標的遺伝子の逆向き反復配列を発現させることができ、これによりRNAi(RNAinterference)効果により標的遺伝子の発現を抑制することが可能になる。
逆向き反復配列とは、標的遺伝子並びにその逆向きの配列が適当な配列を介して並列している配列を言う。具体的には、標的遺伝子が、以下に示すn個の塩基配列から成る2本鎖を有する場合、
5’−X......Xn−1−3’
3’−Y......Yn−1−5’
その逆向き配列は以下の配列を有する。
5’−Yn−1......Y−3’
3’−Xn−1......X−5’
(ここで、Xで表される塩基とYで表される塩基において、添え字の数字が同じものは互いに相補的な塩基である)
逆向き反復配列は上記2種の配列が適当な配列を介して配列である。逆向き反復配列としては、標的遺伝子の配列が逆向き配列の上流にある場合と、逆向き配列が標的遺伝子の配列の上流にある場合の2つの場合が考えられる。本発明で用いる逆向き反復配列は上記の何れでもよいが、好ましくは、逆向き配列が標的遺伝子の配列の上流に存在する。
標的遺伝子の配列とその逆向き配列の間に存在する配列は、RNAに転写された際にヘアピンループを形成する領域である。この領域の長さは、ヘアピンループを形成できる限り特には限定されないが、一般的には、0bpから700bpであり、好ましくは0〜300bp程度、より好ましくは0〜100bp程度である。この配列の中には制限酵素部位が存在していてもよい。
本発明で用いる標的遺伝子としては任意の遺伝子を使用できる。本発明の組み換え遺伝子を用いてトランスジェニック動物を作成し、RNAiによる遺伝子ノックアウトを意図する場合には、標的遺伝子は発現を抑制することを意図する遺伝子(ノックアウトを意図する遺伝子)である。このような標的遺伝子としては、クローニングはされているが機能が未知の遺伝子も含まれる。
あるいは、標的遺伝子は、外来性レポータータンパク質またはその変異タンパク質の遺伝子であってもよい。このような外来性レポータータンパク質またはその変異タンパク質の遺伝子を標的遺伝子として使用した場合は、本発明の組み換え遺伝子を用いたトランスジェニック技術においてRNAi効果を容易に検出及び評価することができる。
外来性レポータータンパク質としては、エンハンスド・グリーン・フルオレッセント・プロテイン(Enhanced green fluorescent protien)、グリーン・フルオレッセント・プロテイン(Green fluorescent protien)、エクオリン、クロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、β−グルクロニダーゼなどが挙げられる。
外来性レポータータンパク質の変異タンパク質としては、上記した野生型のレポータータンパク質のアミノ酸配列中に1〜複数個(例えば1〜20個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個)のアミノ酸の置換、欠失、付加及び/又は挿入を有するタンパク質であって、好ましくは野生型のレポータータンパク質と同等以上の機能を維持している。
レポータータンパク質の変異タンパク質の遺伝子として具体的には、レポータータンパク質の遺伝子中の塩基配列の一部が欠損した遺伝子、レポーター遺伝子の塩基配列が他の塩基配列で置換された遺伝子、レポーター遺伝子の一部に他の塩基配列が挿入された遺伝子などが用いられる。欠損、置換または付加を受ける塩基の数は、特に限定されないが、通常、1ないし60個程度、好ましくは1から30個程度、より好ましくは1ないし10個程度である。なお、これらの変異遺伝子は、レポーター遺伝子としての機能を維持していることが望ましい。
変異タンパク質の遺伝子は、化学合成、遺伝子工学的手法、突然変異誘発などの当業者に既知の任意の方法で作製することができる。具体的には、天然型レポータータンパク質をコードするDNAに対して変異原となる薬剤を接触作用させたり、紫外線を照射したり、あるいはPCR法などの遺伝子工学的手法を用いることにより変異タンパク質をコードする遺伝子を取得することができる。遺伝子工学的手法の一つである部位特異的変異誘発法は特定の位置に特定の変異を導入できる手法であることから特に有用であり、Molecular Cloning:A laboratory Mannual,2nD ED.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY.,1989、及びCurrent Protocols in Molecular Biology,Supplement 1〜38,John Wiley & Sons(1987−1997)等に記載の方法に準じて実施することができる。
本発明の組み換え遺伝子では、哺乳動物で作動可能なプロモーター配列の下流に標的遺伝子の逆向き反復配列が存在する。このような構成をとることにより、哺乳動物の細胞内において標的遺伝子の逆向き反復配列を発現させることが可能になる。即ち、本発明の組み換え遺伝子では、標的遺伝子の逆向き反復配列は上記プロモーターの制御下に置かれるように配置されている。
本発明で用いるプロモーター配列は、哺乳動物で作動可能であれば特に限定されない。
このように非ヒト動物で発現可能なプロモーターとしては、例えば、ウィルス(例、サイトメガロウィルス、モロニー白血病ウィルス、JCウィルス、乳癌ウィルスなど)由来遺伝子プロモーター、各種哺乳動物(例えば、ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来のプロモーターなどが用いられる。各哺乳動物由来のプロモーターとしては、例えば、アルブミン、エンドセリン、オステオカルシン、筋クレアチンキナーゼ、コラーゲンI型およびII型、サイクリックAMP依存タンパクキナーゼβサブユニット(ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry),Vol.271,No.3,pp1638−1644,1996)、心房ナトリウム利尿性因子、ドーパミンβ−水酸化酵素、ニューロフィラメント軽鎖(ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry),Vol.270,No.43,pp25739−25745,1995および同Vol.272,No.40,pp25112−25120,1997)、メタロチオネイン、メタロプロティナーゼ1組織インヒビター、平滑筋αアクチン、ポリペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)、βアクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン軽鎖1および2、ミエリン基礎タンパク、血清アミロイドPコンポーネント、レニンなどのプロモーターが用いられる。
上記以外にも、例えば、Molecular Medicine臨時増刊号、マニュアル疾患モデルマウス;山村研一、勝木元也、相沢慎一編、中山書店等の文献に記載されているプロモーターも使用することができる。
本発明で用いるのに好ましいプロモーターとしては、本明細書の実施例で使用したヒトEF1αプロモーターが挙げられるが、それ以外にも以下のものが挙げられる。
(1)βアクチンプロモーター
一般的にはCMVエンハンサーとβアクチンプロモーターの組み合わせとして使用される。例えば、pCAGGS;chicken beta−actin promoter and cytomegalo virus enhancer.beta−actin intron and bovine globin poly−adenylation signalなど。引用文献としては、H.Niwa,K.Yamanami,J.Miyazaki,Gene,108,(1991)193−199を参照。
(2)CMVプロモーター
一般的には、CMVエンハンサーとCMVプロモーターの組み合わせとして使用される。引用文献としては、Janet A.Sawicki et al Experimental Cell Research 244,367−369(1998)を参照。
(3)メタロチオネインプロモーター
引用文献としては、Establishment of Transgenic Mice Carrying Human Fetus−Specific CYP3A7 Yong Li,et al,Archives of Biochemistry and Biophysics,Vol.329,No.2,235−240,1996を参照。
(4)Apolipoprotein Eプロモーター
胎児肝臓での発現を意図したプロモーター。引用文献としては、Simonet et al.,1993,J.Biol.Chem.,268,8221−8229を参照。
(5)導入したい遺伝子本来のプロモーター
この場合は、ゲノムそのものを導入することによりトランスジェニックマウスを作成する場合が挙げられる。引用文献としては、Okamoto M.,et al.,J.Exp.Med.,175,71(1992)を参照。
本発明の組み換え遺伝子は、プロモーター配列の上流にエンハンサー配列を含んでいてもよい。使用できるエンハンサー配列としては上記したCMVエンハンサーなどが挙げられる。
本発明の組み換え遺伝子は、インスレーター配列又はその一部を含んでいてもよい。インスレーター配列とは,トランスジェニック動物においては,「位置効果」からの遺伝子発現の抑制から守る遺伝子配列のことである。近隣のシスエレメントの影響に対するバリアとして期待されている。
インスレーター配列又はその一部の位置は特に限定されないが、導入遺伝子(即ち、標的遺伝子の逆向き反復配列)の5’側(上流)に存在することが、効果の面から好ましい。最も好ましくは、インスレーター配列又はその一部は、プロモーター配列の上流(又はエンハンサー配列が存在する場合にはその上流)に存在する。
本発明で使用できるインスレーター配列としては、本明細書の実施例で使用したニワトリベータグロビン由来インスレーター配列の他にも以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)ショウジョウバエscsおよびscs’配列
Rebecca Kellum and Paul Schedl,Cell,Vol.64,941−950,March 8,1991
(2)ショウジョウバエgypsyトランスポゾンのインスレーター配列
Holdrige,C.,and D.Dorsett,1991 Mol.Cell.Biol.11:1894−1900
(3)ウニアリルサルファターゼインスレータ配列
Koji Akasaka,et.al.,Cellular and Molecular Biology 45(5),555−565,1999
(4)ヒトT細胞レセプターα/δ遺伝子座BEADエレメント
Zhong,X.P.,and M.S.Krangel,1997 Proc.Natul.Acad.Sci.USA
(5)ヒトアポリポ蛋白B−100(apoB)マトリックスアタッチメント部位
Namciu et al,1998,Mol.Cell.Biol.18:2382−2391
本発明の組み換え遺伝子は、標的遺伝子の逆向き反復配列の下流にポリA付加シグナル配列を含んでいてもよい。ポリA付加シグナル配列を挿入することにより、目的とするメッセンジャーRNAの転写を終結することができる。
ポリA付加シグナル配列の具体例としては、SV40ポリA付加シグナルなどが挙げられるが、これに限定されるわけではない。
本発明の発現ベクターは、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。
本発明はさらに、上記した本発明による組み換え遺伝子を含む組み換えベクター及び該組み換えベクターを有する形質転換体にも関する。
細菌を宿主とする場合のベクターの具体例としては、例えば、pBTrP2、pBTac1、pBTac2(いずれもベーリンガーマンハイム社より市販)、pKK233−2(Pharmacia社製)、pSE280(Invitrogen社製)、pGEMEX−1(Promega社製)、pQE−8(QIAGEN社製)、pQE−30(QIAGEN社製)、pKYP10(特開昭58−110600)、pKYP200〔Agrc.Biol.Chem.,48,669(1984)〕、PLSA1〔Agrc.Blol.Chem.,53,277(1989)〕、pGEL1〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82,4306(1985)〕、pBluescrlptII SK+、pBluescriptII SK(−)(Stratagene社製)、pTrS30(FERMBP−5407)、pTrS32(FERM BP−5408)、pGEX(Pharmacia社製)、pET−3(Novagen社製)、pTerm2(US4686191、US4939094、US5160735)、pSupex、pUB110、pTP5、pC194、pUC18〔Gene,33,103(1985)〕、pUC19〔Gene,33,103(1985)〕、pSTV28(宝酒造社製)、pSTV29(宝酒造社製)、pUC118(宝酒造社製)、pPA1(特開昭63−233798)、pEG400〔J.Bacteriol.,172,2392(1990)〕、pQE−30(QIAGEN社製)等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
酵母を宿主とするベクターの具体例として、例えば、YEp13(ATCC37115)、YEp24(ATCC37051)、Ycp50(ATCC37419)、pHS19、pHS15等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
動物細胞を宿主とするベクターの具体例として、例えば、pcDNAI、pcDM8(フナコシ社より市販)、pAGE107〔特開平3−22979;Cytotechnology,3,133,(1990)〕、pAS3−3(特開平2−227075)、pCDM8〔Nature,329,840,(1987)〕、pcDNAI/AmP(Invitrogen社製)、pREP4(Invitrogen社製)、pAGE103〔J.Blochem.,101,1307(1987)〕、pAGE210等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
形質転換体を作成する際に使用する宿主細胞としては、目的とする遺伝子を発現できるものは全て用いることができる。例えば、細菌(例えば、エッシェリヒア属、セラチア属、コリネバクテリウム属、ブレビバクテリウム属、シュードモナス属、バチルス属、ミクロバクテリウム属等)、酵母(クルイベロミセス属、サッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス属、トリコスポロン属、シワニオミセス属等)、動物細胞(ナマルバ細胞、COS1細胞、COS7細胞、CHO細胞等)、植物細胞、昆虫細胞(Sf9細胞、Sf21細胞、High5細胞等)等を用いることができる。
組み換えベクターの宿主への導入方法は、宿主の種類等に応じて任意の方法を適宜選択できる。細菌宿主への導入方法としては、例えば、カルシウムイオンを用いる方法やプロトプラスト法等を挙げることができ、酵母への導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロブラスト法又は酢酸リチウム法など挙げることができ、動物細胞への導入方法としては、例えば、エレクトロポーレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等を挙げることができる。
本発明はさらに、上記した本発明の組み換え遺伝子又は組み換えベクターを導入した非ヒト哺乳動物の受精卵から発生した胚、並びにこの胚を、対応する非ヒト哺乳動物の子宮または卵管へ移植して発生させた胎児にも関する。これらの動物は、標的遺伝子の逆向き反復配列を発現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物である。
該非ヒト哺乳動物の一部としては、非ヒト哺乳動物の細胞内小器官、細胞、組織および臓器のほか、頭部、指、手、足、腹部、尾などが挙げられる。
非ヒト哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギおよびサルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。非ヒト哺乳動物としてはマウス、ラット、モルモットなどの齧歯目の哺乳動物が好ましく、マウス又はラットが特に好ましい。マウスとしては、例えば、純系としてはC57BL/6系統、DBA/2系統、BALB/c系統などが挙げられ、交雑系としてはB6C3F1系統、B6D2F1系統などが挙げられ、クローズドコロニーとしては、ICR系統などが挙げられる。ラットの具体例としては、例えば、Wistar,SDなどが挙げられる。
好ましい実施態様の一つにおいては、本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物は、標的遺伝子の逆向き反復配列を特定の部位で発現するように組み込んだDNAを有していてもよい。
本明細書で言う「特定の部位で発現するように」とは、細胞内特定部位、細胞内小器官、細胞、組織または臓器などの特定部位で標的遺伝子の逆向き反復配列を発現し得ることをいう。
細胞内特定部位としては神経細胞等における軸索などが挙げられる。細胞内小器官としては、例えば、核、ミトコンドリア、ゴルジ体、小胞体、リボソーム、細胞膜などが挙げられる。細胞とは、例えば、哺乳動物の肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞、線維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞またはガン細胞などの細胞が挙げられる。組織としては、上記細胞が存在するあらゆる組織、脳(扁桃核、大脳基底球、海馬、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳、松果体など)、脊髄、下垂体、胃、生殖腺、甲状腺、胆嚢、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、大腸、小腸、十二指腸、直腸、血管、胸腺、顎下腺、末梢血、前立腺、精巣、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋などが挙げられ、また血球系細胞でもよく、上記細胞の培養細胞でもよい。臓器としては心臓、腎臓、膵臓、肝臓、脾臓が挙げられる。
好ましい実施態様の一つにおいては、本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物は、標的遺伝子の逆向き反復配列を特定の時期に発現するように組み込んだDNAを有していてもよい。
本明細書で言う「特定の時期」とは、胚発生、出産、発生などから、死亡までのある特定の時期を指す。したがって、特定の時期としては、外来遺伝子を導入した時期を含めた胚発生の各ステージ、生後から時間単位、日単位、週単位、月単位、年単位の時期が経過したいずれの時期であってもよい。
本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物において、標的遺伝子の逆向き反復配列を特定の時期に発現させるためには、特定の時期にタンパク質を発現し得るプロモーター領域、特定の時期にタンパク質を発現し得るシグナル配列などを組み込んだ発現ベクターを用いて、標的遺伝子の逆向き反復配列を有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物を製造する。
標的遺伝子の逆向き反復配列を特定の時期に発現させるためには、タンパク質発現誘導系を構築したり、特定の時期にタンパク質発現誘導剤を非ヒト哺乳動物に投与することによっても可能である。該タンパク質発現誘導系としては、例えば、テトラサイクリンやエクジソン(ecdysone)を利用した誘導発現システムを利用することができ、その際投与されるものは、それぞれテトラサイクリンあるいはその類縁体、エクジソンあるいはその類縁体である。また、リコンビナーゼを利用したcre−loxPシステムなどが用いられる。
さらに、標的遺伝子の逆向き反復配列を特定の時期に発現させるためには、前記したテトラサイクリン、カナマイシン、ハイグロマイシン、ピューロマイシンなどの抗生物質に対する耐性遺伝子などを発現ベクターに組み込むことによっても可能である。本発明の発現ベクターにおける該耐性遺伝子の配置は特に限定されないが、通常、レポーター遺伝子またはその変異遺伝子の下流、プロモーター領域やシグナル配列の上流に配置するのが好ましい。
本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物は、哺乳動物細胞で作動可能なプロモーター配列の下流に標的遺伝子の逆向き反復配列を含む組み換え遺伝子(以下、導入遺伝子とも称する)を対象動物に導入することによって作製できる。具体的には、該導入遺伝子を対象となる非ヒト哺乳動物の受精卵、胚性幹細胞、体細胞、精子、又は未受精卵へ導入することによって、該遺伝子が胚芽細胞を含むすべての細胞の染色体上に組み込まれたトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ることができる。受精卵、胚性幹細胞、体細胞、精子、未受精卵における導入遺伝子の導入は、対象の非ヒト哺乳動物の胚芽細胞および体細胞を含む全ての細胞の染色体上に存在するように確保されなくてはならない。
該遺伝子が胚芽細胞を含むすべての細胞の染色体上に組み込まれたトランスジェニック非ヒト哺乳動物の遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫は、同様に該遺伝子を有する。導入遺伝子を相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該遺伝子を安定に保持し、また、該遺伝子を有することを確認して、通常の飼育環境で繁殖継代することができる。
本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物の作成方法について以下により具体的に説明する。
本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物は、受精卵、受精卵、精子およびその始原細胞を含む生殖細胞などに対して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生における胚形成初期の段階(さらに好ましくは、単細胞または受精卵細胞の段階で、かつ一般に8細胞期以前)に導入遺伝子を導入することによって作出することができる。
導入遺伝子の構成及び構築法は本明細書中上記した通りである。
導入遺伝子を対象の非ヒト哺乳動物またはその先祖の受精卵に導入する際に用いられる受精卵は、同種の雄非ヒト哺乳動物と雌非ヒト哺乳動物とを交配させることによって得られる。受精卵は自然交配によっても得られるが、雌非ヒト哺乳動物の性周期を人工的に調節した後、雄非ヒト哺乳動物と交配させる方法が好ましい。雌非ヒト哺乳動物の性周期を人工的に調節する方法としては、例えば初めに卵胞刺激ホルモン(妊馬血清性性腺刺激ホルモン)、次いで黄体形成ホルモン(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)を例えば腹腔注射などにより投与する方法が好ましい。好ましいホルモンの投与量及び投与間隔は非ヒト哺乳動物の種類により適宜決定できる。
導入遺伝子の導入法としては、公知の方法(例えば、リン酸カルシウム法、電気パルス法、リポフェクション法、凝集法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法、DEAE−デキストラン法など)を用いることができる。また、上記した導入法により体細胞に目的とする導入遺伝子を導入し、この細胞(又はその核)を上述の生殖細胞と公知の細胞融合法により融合させることにより本発明のトランスジェニック非ヒト哺乳動物を作出することもできる。
導入遺伝子の構成及び構築法は本明細書中上記した通りである。受精卵細胞段階における導入遺伝子の導入は、対象動物の生殖細胞および体細胞のすべてに存在するように確保される。
受精卵に導入遺伝子が導入された後、雌非ヒト哺乳動物に人工的に移植・着床することにより、導入遺伝子を有するトランスジェニック非ヒト哺乳動物が得られる。黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)あるいはその類縁体を投与後、雄非ヒト哺乳動物と交配させることにより、受精能を誘起された偽妊娠雌非ヒト哺乳動物に、導入遺伝子が導入された受精卵を人工的に移植・着床させる方法が好ましい。LHRHあるいはその類縁体の投与量ならびにその投与後に雄非ヒト哺乳動物と交配させる時期は非ヒト哺乳動物の種類等により適宜選択できる。
導入遺伝子がゲノムDNAに組み込まれているか否かは、産仔の尾部よりDNAを抽出し、サザンハイブリダイゼーション又はPCR法等によって検定することによって確認できる。
導入遺伝子の導入後の作出動物の生殖細胞において、導入遺伝子が存在することは、作出動物の後代が、その生殖細胞および体細胞の全てに導入遺伝子を保持することを意味する。導入遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫はその生殖細胞および体細胞のすべてに導入遺伝子を有する。
導入遺伝子を相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすぺての子孫が該導入遺伝子を有するように繁殖継代することができる。このようにして得られた子孫も本発明の動物に含まれる。
なお、トランスジェニック動物の作成の詳細については、例えば、Manipulating the Mouse Embryo(Brigid Hogan et al,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1986)、Gene Targeting,A Practical Approach,IRL Press at Oxford University Press(1993)、バイオマニュアルシリーズ8,ジーンターゲッティング,ES細胞を用いた変異マウスの作製,羊土社(1995)、発生工学実験マニュアル,トランスジェニック・マウスの作り方,講談社(1987)等を参照することができる。
本発明による標的遺伝子の逆向き反復配列を発現するトランスジェニック非ヒト哺乳動物においては、RNAi効果により、標的遺伝子の発現は抑制されていることが期待される。即ち、エンハンサー配列及びプロモーター配列の下流に標的遺伝子の逆向き反復配列を含む組み換え遺伝子又は当該組み換え遺伝子を含む組み換えベクターを非ヒト哺乳動物の細胞に導入することを含む、標的遺伝子の発現を抑制する方法も本発明の範囲内である。
上記したような標的遺伝子の機能がノックアウトしているモデル動物は、新規遺伝子の機能解析などに有用である。
本出願の優先権主張の基礎となる出願である特願2001−46089号の明細書に開示した内容は全て引用により本明細書に開示したものとする。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されることはない。
実施例
実施例1:導入遺伝子5’INS 240 CE EGFP IRの構築
インスレーター検討における初期の研究において、クローニングサイトの5’側、3’側両方に同じ配列の240残基のインスレーターを持つベクターから作製した。その後、モデル実験の結果から、導入遺伝子の5’側のみにインスレーター配列を挿入したときが最も有効であると示唆する結果を得た。従って、5’側、3’側両方に同じ配列の240残基のインスレーターを持ち、CMVエンハンサー、EF1αプロモーター下流にEGFPの逆向き反復配列を持つpUC19 5’3’INS240 CE EGFP IRから導入遺伝子の3’末端に挿入されていた3’インスレーター配列を除くことにより、導入遺伝子である5’INS 240 CE EGFP IRを下記の通り構築した。
pUC19 5’,3’INS240(ニワトリベータグロビン由来インスレーター配列の遺伝子を10本のフラグメントに分けて化学合成後、DNA Ligaseで結合させた240塩基対のフラグメントをpUC19ベクターのマルチクローニングサイトへ挿入したベクター)のXhoI、Afl II部位へpCE−EGFP−1(文献名:Takada,T.,他、Selective production of transgenic mice using green fluoresent protein as a marker.Nature Biotech.15:458−461,1997)のXhoI−Afl II間断片を2段階で挿入して、ライゲーションし、大腸菌JM109株をトランスフォームして、プラスミドpUC19 5’,3’INS240 CE EGFPを得た(図1)。
pUC19 5’,3’INS240 CE EGFPのKpnI、SalI切断部位へLitmus28 EGFPのKpnI−XhoI断片を挿入後、ライゲーションし、大腸菌SURE2株(ストラタジーン社)をトランスホームして、逆向き反復配列を持つプラスミド、pUC19 5’,3’INS240 CE EGFP IRを得た(図1)。
pUC19 5’,3’INS240 CE EGFP IRから3’インスレーター配列を含む断片を切断(図2)は以下の通り行なった。
pUC19 5’,3’INS240 CE EGFP IRをKpnIとSwaIにより処理した。電気泳動の約5.4kbpのDNA断片により,pUC19 5’,3’INS240 CE EGFP IR/KpnI,SwaIベクターを確認した。さらに、セルフライゲーションを防ぐためBAPにより脱リン酸化処理した後、フェノール抽出、クロロホルム抽出、エタノール沈殿を行い、BAPを除去した。
pEGFP−1(クロンテック)のAflII制限酵素部位に、SwaI制限酵素部位を持つLinkerを挿入したプラスミドpEGFP−1 SwLをKpnIとSwaIで処理し、アガロースゲルで電気泳動し、約1.0kbpのDNA断片を切り出し、KpnI−SwaI断片とした(図2)。
pUC19 5’,3’INS240 CE EGFP IR/KpnI,SwaIベクターとKpnI−SwaI断片とをDNA Ligation Kit ver.2(Takara)を用いてライゲーションし、大腸菌SURE2株をトランスフォームして、EcoT22IとSwaI,NotIで処理したDNAの断片長によるスクリーニングによりポジティブクローンを得た。DNAの配列を確認後、pUC19 5’INS240 CE EGFP IRと命名した。
逆向き反復配列のコントロールとして、同様のインスレーター、CMVエンハンサー、EF−1αプロモーターの下流に、EGFPアンチセンス配列を持つ導入遺伝子を構築した。方法は、pUC19 5’INS240 CE EGFP IRからのIR配列の除去とKpn I制限酵素部位の導入、および、Eco RI−Kpn I間へのEGFPアンチセンス鎖の導入である。その方法を以下に示す。
先ず、EGFP逆向き反復配列遺伝子断片の切断とKpnIリンカーの挿入(図3)を以下の通り行なった。
プラスミドDNA,pUC19 5’INS 240 CE EGFP IRをNotIにより処理し、pUC19 5’INS 240 CE EGFP IR/NotIベクターとした。さらに、セルフライゲーションを防ぐためCIAPにより脱リン酸化処理後、フェノール抽出、クロロホルム抽出、エタノール沈殿を行い、精製した。
pUC19 5’INS 240 CE EGFP IR/NotIベクターとKpnI制限酵素部位を持つリンカーKpnI LinkerをDNA Ligation Kit ver.2(Takara)でライゲーションし、大腸菌JM109をトランスフォームし、Kpn Iサイトを導入したプラスミドpUC19 5’INS240 CE KpLを得た。
次に、pUC19 5’INS240 CE KpLをEcoRI,KpnIで処理し、アガロースゲル電気泳動断片を切り出し回収し、pUC19 5’INS240 CE KpL/EcoRI,KpnIベクターとした。さらに,次の操作でのセルフライゲーションを防ぐためCIAPにより脱リン酸化処理した後,フェノール抽出、クロロホルム抽出、エタノール沈殿を行い、CIAPを除去した。
Litmus28へEGFPマーカー遺伝子を挿入し構築したLITMUS28 EGFPをEcoRIとKpnIで処理した。アガロースゲルで電気泳動し、LITMUS28 EGFP/EcoRI−KpnI DNA断片を得た(図3)。
pUC19 5’INS240 CE KpL/EcoRI−KpnIベクターとLITMUS28 EGFP/EcoRI−KpnI EGFP断片をDNA Ligation Kit ver.2を用いてライゲーションし、JM109大腸菌をトランスフォームし、BsrGIとSwaIによる制限酵素断片長によるスクリーニングにより、ポジティブクローンを得た。さらにシークエンシングにより配列を確認した。このプラスミドを,pUC19 5’INS240 CE EGFP ASと命名した。
実施例2:導入遺伝子断片の調製
(1)EGFP逆向き反復配列遺伝子断片の調製(図4の上段の図)
pUC19 5’INS240 CE EGFP IRプラスミドDNAを、アルカリ溶解法により大量調製した。このプラスミドを、EcoT22IおよびSwaIで処理し、アガロースゲル電気泳動により約3.7kbpのDNA断片を分離後、電気溶出法により回収した。さらにフェノールクロロホルム、クロロホルム抽出及びエタノール沈殿により精製した。超遠心分離によりさらに精製後,PBS(−)で1.5ng/mlになるように希釈した。この溶液を0.22μm径のフィルターでろ過し、導入遺伝子断片とした。
(2)EGFPアンチセンス配列遺伝子断片の調製(図4の下段の図)
pUC19 5’INS240 CE EGFP ASプラスミドDNAを、アルカリ溶解法により大量調製した。このプラスミドを、EcoT22IおよびSwaIで処理し、アガロースゲル電気泳動により約2.9kbpのDNA断片を分離後、電気溶出法により回収した。さらにフェノールクロロホルム、クロロホルム抽出及びエタノール沈殿により精製した。超遠心分離によりさらに精製後、PBS(−)で1.2ng/mlになるように希釈した。この溶液を0.22μm径のフィルターでろ過し、導入遺伝子断片とした。
実施例3:マウス初期胚におけるRNAi効果発現の検討
マウス初期胚におけるRNAi効果発現の検討は以下に示す方法で行った。
(1)受精卵の作出
受精卵の作出は、豊田らの手法に従い(1971)体外受精で行った。すなわち、メスマウスに48時間間隔でPMSG及びhCG(5単位)を腹腔内注射し、その後16−18時間に卵子を採取し、EGFPトランスジェニックマウス(Masaru Okabe,et al,FEBS Letters 407(1997)313−319)精子(卵子採取の約1.5時間前に精子採取)を媒精した(約100−150精子/μl)。媒精約6時間後に卵子の第2極体の放出と雌雄両前核の有無を確認し、受精卵のみを選抜した。得られた前核期受精卵は中尾らの手法(1997)に従って、簡易ガラス化法を用い凍結保存した。凍結された受精卵は実験前に融解し、顕微注入操作に供した。
(2)導入遺伝子の顕微注入
受精卵前核への導入遺伝子の顕微注入は,勝木らの手法(1987)に従って行った。受精卵は修正ウィッテン培地(mWM培地)の液滴に移し,核内注入では、位相差顕微鏡(Invert Scope D:Zeiss社)下で雄性前核を確認した後、精製したDNA溶液を約2pl注入した。細胞質内注入では、細胞質内にDNA溶液を約2pl注入した。生存胚はmWM培地に移し,5%CO.95%Air,37℃の条件下でさらに体外培養した。
(3)発生中の胚におけるEGFP発現の観察
各発生段階にある胚を、mMW培地に移した後,蛍光実体顕微鏡(MZ FL III,Leica社)を用いてEGFPの発現を観察し、撮影を行った。
受精卵前核へ導入遺伝子をインジェクションした日から3日後における胚の蛍光画像(左列)及び可視光画像(右列)を図5に示す。
この時、胚の発生段階はmorulaであった。図5において、aはEGFP逆向き反復配列遺伝子断片、bはEGFPアンチセンス配列遺伝子断片を注入したもの、cはDNAをインジェクションしなかったものである。
胚は発生に伴い、2日後からEGFPの蛍光が観察されはじめた。EGFP逆向き反復配列遺伝子断片を注入した胚において、EGFP蛍光の消失が観察された(図5のa)。
実施例4:マウス個体におけるRNAi効果発現の検討
マウス個体におけるRNAi効果発現の検討は、以下に示す方法で行った。
(1)受精卵の作出及び導入遺伝子の顕微注入
受精卵の作出及び導入遺伝子の顕微注入は、位相差顕微鏡(DMIRB:Leica社)を使用し、その他は、実施例3と同様の方法で行った。即ち、EGFPトランスジェニックマウス精子を用いて得た受精卵前核へ精製したDNA溶液を2pl注入した。
(2)マウス個体におけるRNAi効果発現の検討
顕微注入した受精卵はmWM培地に移し、5%CO、95%Air、37℃の条件で一晩培養し、2細胞期の段階で、偽妊娠の雌ICR系統マウスの卵管へ移植した。18日後に帝王切開を行い、仔マウスを取得した。暗箱(UVP社、C−10型)中、得られた仔マウスに365nm紫外線ランプ(UVP社UVL−56型)を照射し、EGFP蛍光観察を行ったところ、EGFP dsRNA発現遺伝子を顕微注入した受精卵から得た仔マウスの中に、体表面の目視において、EGFP蛍光が減少した仔マウスが認められた(図6、長波長紫外線により生ずるBlue hazeを除去する為、紫外線用安全メガネをフィルターとして使用し、Panasonicデジタルビデオカメラを用いて撮影した)。一方、アンチセンスRNA発現遺伝子を顕微注入した受精卵から得た仔マウスには、EGFP蛍光が減少した仔マウスは認められなかった。
(3)RNAi効果発現マウスの解析
仔マウスはSPF環境下で飼育した。3週齢以降のマウスについて、ヘパリン付着採血管を用いて眼窩静脈叢から部分採血し、リンホライトM(CEDARLANE社)を用いて末梢血単核球細胞を分離し、FACScan(BD社)により解析を行った。この結果、EGFP蛍光が減少したリンパ球細胞群の存在を確認した(図7)。このEGFP蛍光の減少は、長期に渡って飼育した後のマウスリンパ球においても確認された(図8)。
産業上の利用の可能性
本発明の手法により、新規遺伝子の遺伝子機能を胎児又は実験動物個体で解析する場合、従来のノックアウト法よりも迅速に結果を得ることができ、疾病等の関連遺伝子の解析、医薬品のターゲット遺伝子の解析等において産業上有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、EGFP逆向き反復配列遺伝子を含むプラスミドの構築を示す図である。
図2は、5’INS240を含むEGFP逆向き反復配列遺伝子を含むプラスミドの構築を示す図である。
図3は、アンチセンス鎖EGFPを含むプラスミドの構築を示す図である。
図4は、EGFP dsRNA発現導入遺伝子断片(3.7kb)の構造(上段)とEGFPアンチセンスRNA発現導入遺伝子断片(3.0kb)の構造(下段)を示す図である。
図5は、受精卵前核へ導入遺伝子を注入した後の胚の蛍光画像(左列)及び可視光画像(右列)を示す。
図6は、体表面においてEGFP蛍光が減少したマウスを示す。誕生後1〜4日の仔マウスに365nm紫外線ランプを照射し、暗箱中で観察したところ、体表面においてEGFP蛍光が減少したマウスが観察された。図中、3匹の仔マウスの中で中央のマウスが減光マウスである。
図7は、体表面でEGFP蛍光が減少したマウスリンパ球のEGFP蛍光観察を示す。マウスNo.HIR−1−16L、HIR−7−238LはRNAi発現が認められたマウスである。マウスNo.HIR−1−17L、HIR−7−237Lは、それぞれの同腹で、RNAi効果が認められなかったマウスである。ネガティブコントロールとしてB6C3F1マウスを用いた。
図8は、体表面でEGFP蛍光が減少したマウスリンパ球のEGFP蛍光観察(長期飼育後の観察)を示す。マウスは図7で用いたものと同一個体を用い、図7に示した解析の6ヶ月後に本解析を実施した。

Claims (19)

  1. 哺乳動物細胞で発現可能な標的遺伝子の逆向き反復配列を含む組み換え遺伝子。
  2. 哺乳動物細胞で作動可能なプロモーター配列の下流に標的遺伝子の逆向き反復配列を含む、請求項1に記載の組み換え遺伝子。
  3. プロモーター配列の上流にエンハンサー配列を含む、請求項1又は2に記載の組み換え遺伝子。
  4. さらにインスレーター配列又はその一部を含む、請求項1から3の何れかに記載の組み換え遺伝子。
  5. 標的遺伝子の逆向き反復配列の下流にポリA付加シグナル配列を含む、請求項1から4の何れかに記載の組み換え遺伝子。
  6. 標的遺伝子が、外来性レポータータンパク質またはその変異タンパク質の遺伝子である、請求項1から5の何れかに記載の組み換え遺伝子。
  7. 外来性レポータータンパク質が、Enhanced green fluorescent protien(EGFP)である、請求項6に記載の組み換え遺伝子。
  8. トランスジェニック非ヒト哺乳動物の作成のために使用する、請求項1から7の何れかに記載の組み換え遺伝子。
  9. 非ヒト哺乳動物が、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギおよびサルから成る群から選ばれる非ヒト哺乳動物である、請求項8に記載の組み換え遺伝子。
  10. 請求項1から9の何れかに記載の組み換え遺伝子を含む組み換えベクター。
  11. 請求項10に記載の組み換えベクターを有する形質転換体。
  12. 請求項1から9の組み換え遺伝子又は請求項10に記載の組み換えベクターを導入した非ヒト哺乳動物の受精卵から発生した胚。
  13. 請求項12に記載の胚を、対応する非ヒト哺乳動物の子宮または卵管へ移植して発生させた胎児。
  14. 標的遺伝子の逆向き反復配列を発現する、トランスジェニック非ヒト哺乳動物又はその子孫又はそれらの一部。
  15. 標的遺伝子の逆向き反復配列を特定の部位で発現するように組み込んだDNAを有する、請求項14に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物又はその子孫又はその一部。
  16. 標的遺伝子の逆向き反復配列を特定の時期に発現するように組み込んだDNAを有する、請求項14又は15に記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物又はその子孫又はその一部。
  17. 標的遺伝子の逆向き反復配列が、外来性レポータータンパク質またはその変異タンパク質の遺伝子の逆向き反復配列である、請求項14から16の何れかに記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物又はその子孫又はその一部。
  18. 非ヒト哺乳動物が、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギおよびサルから成る群から選ばれる非ヒト哺乳動物である、請求項14から17の何れかに記載のトランスジェニック非ヒト哺乳動物又はその子孫又はその一部。
  19. エンハンサー配列及びプロモーター配列の下流に標的遺伝子の逆向き反復配列を含む組み換え遺伝子又は当該組み換え遺伝子を含む組み換えベクターを非ヒト哺乳動物の細胞に導入することを含む、標的遺伝子の発現を抑制する方法。
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