JPWO2002048280A1 - セリウム系研摩材及びセリウム系研摩材の評価方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、高精度の研摩面を形成することができ、より切削性の良好なセリウム系研摩材を提供することを目的とする。また、セリウム系研摩材を比較的簡易に評価するための手法を提供することを目的とする。このような課題を解決するために、酸化セリウムを40重量%以上(全希土類酸化物比)含有するセリウム系研摩材において、セリウム系研摩材重量に対してフッ素を原子重量換算で0.5〜10重量%含有すると共に、粉末X線回折法により測定される格子定数が0.544〜0.560nmの範囲の結晶よりなる研摩粒子を含むようにした。また、セリウム系研摩材の評価方法は、評価対象のセリウム系研摩材を粉末X線回折法により分析することにより、所定の4つの範囲で現れる各領域における最大ピークのうち、少なくとも1の最大ピークの回折角(θ)を求め、これより研摩粒子を構成する結晶の格子定数を計算する過程を含むものである。
Description
技 術 分 野
本発明は、酸化セリウムを主成分とするセリウム系研摩材の評価方法及びセリウム系研摩材並びにその製造方法に関する。
背 景 技 術
酸化セリウム(CeO2)を主成分とするセリウム系研摩材は、種々のガラス材料の研摩に用いられており、特に近年では、ハードディスク等の磁気記録媒体用ガラス、液晶ディスプレイ(LCD)のガラス基板といった電気・電子機器で用いられているガラス材料の研摩にも用いられており、その応用分野が広がっている。
このセリウム系研摩材は、酸化セリウムの全希土酸化物含有量(以下、TREOという。)に対する含有量により高セリウム研摩材(酸化セリウム含有量70%以上)と、低セリウム研摩材(酸化セリウム含有量50%前後)とに分類されているが、その製造工程には大差はなく、いずれも原料を化学処理(湿式処理)し、濾過、乾燥した後にて焙焼し、これを粉砕、分級することにより製造される。また、原材料としては、バストネサイトと呼ばれる希土鉱石を選鉱したバストネサイト精鉱という天然原料を使用することが従来は多かったが、最近ではバストネサイト鉱や比較的安価な中国産複雑鉱を原料として人工合成した酸化希土又は炭酸希土を原料とするものが多くなっている。
セリウム系研摩材が広く用いられている所以としては、セリウム系研摩材を適用することで高精度の研摩面を得ることができることに加えて、セリウム系研摩材は切削性に優れることから、比較的短時間で大量のガラス材料が研摩除去できるという点によるものである。ここで、セリウム系研摩材の研摩機構については、必ずしも明確な定説はないが、セリウム系研摩材中に含まれるフッ素成分が大きな役割を果たしているとされている。即ち、研摩材が一般に有する、酸化セリウムを主とする研摩粒子による機械的研摩作用に加えて、研摩材中に含有されるフッ素成分がガラス面と反応し、フッ化物を形成しガラス表面の侵食を促進するという化学的研摩作用を有することによるものとされている。
このようにセリウム系研摩材は機械的作用と化学的作用との双方の効果があって初めてその優れた研摩特性が発揮される。そして、セリウム系研摩材の品質を示す基準としては、研摩材一般に求められる品質、即ち、研摩粒子の粒径が均一であり傷の原因となる粗大粒子が存在しないことの他、適度なフッ素品位(濃度)を有することが求められる。そして、従来のセリウム系研摩材はフッ素含有量及び研摩粒子の粒径をフッ化処理条件、焙焼温度、分級条件を適宜制御しており、これにより優れた研摩材が供給されてきている。
しかし、今後のセリウム系研摩材の需要を考慮すれば、これまで以上に優れた研摩材の開発が望まれるのは当然である。特に、ハードディスク、LCD用のガラス基板等の分野においてはその更なる高密度化が求められており、そのためには極めて高精度の研摩面とすることができるだけでなく、高速に所定量の研摩ができる高い切削性を有する研摩材が求められると考えられる。
また、フッ化処理条件、焙焼温度、分級条件等の内容は、これまで経験的に決定されることが多いが、これらの相関関係は必ずしも単純なものではなく、特に、焙焼温度、分級条件のような製造工程における履歴を基準としてその研摩特性を推定するのは困難である。そこで、セリウム系研摩材の研摩特性を評価するためには、実際にガラス材料を研摩して研摩値の測定及び研摩面の傷発生の有無を観察することにより行われているが、実際にガラス材料を研摩する研摩試験は煩雑である。また、フッ素含有量のみからセリウム系研摩材の研摩特性を評価するのも不可能である。このようなことから、より簡易な研摩材の評価基準の確立が望まれ、これは特に、原料や製造条件を従来のものから変更して新たな研摩材を試作した場合に必要となるものと考えられる。
本発明は、以上の事情を考慮してなされたものであり、高精度の研摩面を形成することができ、より切削性の良好なセリウム系研摩材と共に、その製造方法を提供することを目的とする。更に、セリウム系研摩材を比較的簡易に評価するための手法を提供することを目的とする。
発明の開示
上記課題を解決すべく、本発明者らは、種々検討を行い、セリウム系研摩材の製造過程、特に焙焼前後における、フッ素の挙動に起因する酸化セリウムの結晶構造の変化に着目した。本発明者等によれば、酸化セリウム含有量が40%以上(TREO基準)のセリウム系研摩材中の研摩粒子の結晶構造は、原料によってその成立過程は異なるが、最終的に研摩材となったときには同じである。
酸化希土を原料としたセリウム系研摩材中の研摩粒子の結晶構造は次のようになる。即ち、焙焼前の原料状態の酸化セリウムは、セリウム結晶中にLa、Ndなどの希土類金属が固溶したCexLnyOzの化学式で示される酸化セリウム型立方晶(Lnはセリウムを含む希土類金属元素を示す。x、y、zの関係は、2x≦z≦2(x+y)の式を満たす。尚、以下この酸化セリウム型立方晶を酸化セリウム相と称する。)として存在している。また、焙焼前に原料状態においてフッ素は、希土類金属と化合し希土類フッ化物(LnF)として存在しており、この希土類フッ化物は、単独相として存在するか、酸化セリウム相に固溶した状態で存在している。
そして、この研摩材原料は、焙焼により単独相として存在する希土類フッ化物が酸化され一部又は全部がLnOFへと変化するが、それと同時に酸化セリウム相に固溶した希土類フッ化物も焙焼により酸化セリウム相から放出され酸化してLnOFへと変化しようとする。従って、焙焼後の研摩材は、希土類フッ化物が固溶した酸化セリウム(希土類フッ化物の固溶量は焙焼温度により異なる)と、LnOFと、希土類フッ化物とから構成される。
一方、バストネサイト精鉱又は炭酸希土を原料としたセリウム系研摩材中の研摩粒子の結晶構造は、焙焼前の原料はフッ化希土炭酸塩、希土炭酸塩、希土類フッ化物等からなると考えられ、この状態では酸化希土の場合とは異なる。しかし、焙焼過程でフッ化希土炭酸塩及び希土炭酸塩は酸化セリウム型結晶に変化し、その後の挙動は酸化希土を焙焼したときと同様であり、希土類フッ化物の酸化と希土類フッ化物の放出とが生じ、焙焼後の研摩材は、希土類フッ化物が固溶した酸化セリウム、LnOF、希土類フッ化物とから構成される。
本発明者等は、これらのセリウム系研摩材の製造工程で希土類フッ化物の放出が生じた場合、酸化セリウム相にも構造変化が生じ、これにより酸化セリウム相の結晶格子の縮小が生じる。この酸化セリウム相の結晶格子の縮小と研摩材の研摩値及び研摩面の精度との間には、一定の相関関係があると考えた。そして、良好な研摩特性を示す研摩材については、酸化セリウムの格子定数が所定範囲内にあり、その範囲は焙焼温度等の製造工程における履歴によらず略一定であることを見出した。
この要因については必ずしも明確ではないが、発明者等の検討によれば、研摩値の大きい研摩材はLnOF相が成長している一方、希土類フッ化物が多く残存する研摩材は傷の発生が見られることが確認されている。従って、研摩値及び研摩面の精度は、LnOF相の量、つまり、上記した酸化セリウム相からのフッ素の放出量と、LnOF相に変化せずに残存する希土類フッ化物の量とのバランスに影響されることによるものと思われる。そして、このフッ素の放出量と残存する希土類フッ化物の量とのバランスは酸化セリウム相の格子定数に影響を与え、研摩材中の酸化セリウム相の格子定数には研摩特性の観点から好ましい範囲が存在するものと考えられる。
一方、格子定数が所定の範囲内にあっても、フッ素含有量によってはLnOF相及び希土類フッ化物の量は異なるものと考えられる。そして、上述のように、研摩材の研摩値はLnOF相の量が多いほど高くなるが、その一方で希土類フッ化物が多く残存した場合には研摩面に傷が発生することとなる。従って、格子定数が上記範囲内にある研摩材であっても、良好な研摩特性を発揮させるためには、適当なフッ素含有量の範囲も存在するものと考えられる。
そこで、本発明者等は、これら酸化セリウム相の格子定数及びフッ素含有量の双方を基準として、良好な研摩特性を示すセリウム系研摩材を見出すべく鋭意研究を行った結果、本発明を想到するに至った。
本願請求項1記載の発明は、酸化セリウムを40重量%以上(全希土類酸化物比)含有するセリウム系研摩材において、セリウム系研摩材重量に対してフッ素を原子重量換算で0.5〜10重量%含有すると共に、粉末X線回折法により測定される格子定数が0.544〜0.560nmの範囲の結晶よりなる研摩粒子を含むセリウム系研摩材である。
ここで、酸化セリウム型結晶の格子定数の範囲を0.544〜0.560nmとするのは、本発明者等による検討の結果、0.544nm未満では研摩値は高くなるものの傷の発生が見られる一方、0.560nmを超えると研摩傷の発生はないものの十分な研摩値が得られないからである。
また、フッ素含有量については、0.5重量%〜10重量%の範囲を好ましい範囲とする。かかる範囲に限定するのは、フッ素含有量が10重量%を超えると傷の要因となる希土類フッ化物が残存することから研摩時に傷発生が多くなるからである。一方、フッ素含有量が0.5重量%未満では希土類フッ化物の残留量はすくないものの、研摩に有効なLnOF相も存在しないため十分な研摩値を得ることができないからである。
本発明に係るセリウム系研摩材によれば、高精度の研摩面を効率的に形成することができ、かつ切削性を良好な状態での研摩作業が可能となる。尚、本発明に係るセリウム系研摩材は、研摩粒子の平均粒径については特に限定されることはない。
そして、本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法、即ち、フッ素含有量及び格子定数が上記範囲内に制御する手法としては、フッ素含有量については、原料のフッ化処理条件の調整により行われ、格子定数については焙焼温度の調整により行われる。
ここで、上述のようにセリウム系研摩材の原料としては、バストネサイト精鉱という天然原料を用いたものと、酸化希土、炭酸希土という人工原料を用いたものとがある。ここで、天然原料であるバストネサイト精鉱にはもともとフッ素が含有されていることから、必要があれば、もともとのフッ素含有量に応じてフッ素成分を添加調整する。また、人工原料である酸化希土、炭酸希土については原料状態ではフッ素が含まれていないことから、焙焼工程前に目的濃度となるようにフッ素成分を添加する。尚、このフッ素成分の添加方法としては、フッ酸、フッ化アンモニウム、フッ化水素アンモニウム等のフッ素含有化合物又はこれらの水溶液を添加することにより行われる。
一方、フッ素含有量0.5重量%〜10重量%の範囲とした場合、酸化セリウムの格子定数を所定の範囲にするためには、焙焼温度を700〜1100℃とするのが好ましい。700℃以下では研摩に有効なLnOF相の成長が生じず研摩値が低くなるからである。また、1100℃以上では、LnOF相は十分成長するものと考えられるが酸化セリウムが異常粒成長して粗大な研摩粒子となるからである。そして、上記温度範囲のなかでも、特に780℃〜980℃がより好ましい。
ところで、これまで述べたように、セリウム系研摩材のフッ素含有量及び格子定数と研摩特性とには密接な関係がある。従って、これらを測定することによりセリウム系研摩材の研摩特性を推定することができると考えられる。ここで、フッ素含有量については従来から所定の検査により検査されているところであるが、所定濃度のフッ素含有量のセリウム系研摩材について格子定数を測定し、これから研摩材の研摩特性を評価するものはこれまでない。
そこで、本発明者等は、請求項2記載の発明として、評価対象となるセリウム系研摩材を採取し、採取したセリウム系研摩材を粉末X線回折法により分析することにより、研摩粒子を構成する結晶の格子定数を計算する過程を含むセリウム系研摩材の評価方法とした。
そして、格子定数の算出の基礎となる回折角を求める際には、下記4つの各領域で現れる最大ピークのうち、少なくとも1の最大ピークの回折角(θ)を求めるものとする。
(a)2θ=A1°〜A2°
(b)2θ=B°±3.0°
(c)2θ=C°±3.0°
(d)2θ=D°±3.0°
ここで、A1、A2、B、C、Dは、粉末X線回折法で使用したX線の波長をλ(nm)とすると、次式で表される。
A1=360÷π×sin−1(1.127174×λ)
A2=360÷π×sin−1(3.245569×λ)
B =360÷π×sin−1(1.843583×λ)
C =360÷π×sin−1(2.588335×λ)
D =360÷π×sin−1(3.047405×λ)
これらの回折角の測定領域は、例えば、入射X線がCuKα線であり、得られる回折X線としてCuKα1線(λ=0.1540562nm)による回折パターンを基準とした場合、にはA1=20°、A2=60°、B=33.0°、C=47.0°。D=56.0°となる。
このように、回折角を求めるピークとして以上4つの範囲で現れるものを選定したのは、X線回折分析においては、十分な強度を示し、且つ、なるべく高角度領域に現れるピークを用いるのが通常であり、本発明の対象となる酸化セリウム型結晶においては上記4つの領域で表れるものがその条件に合致するからである。そして、本発明のようにX線回折法により格子定数を算出するためには、これらのいずれか一つのピークから回折角を求め、格子定数を算出しても良いが、より正確な格子定数を得るためには、複数の回折角を求め、これらから最小二乗法や外挿法にて格子定数を算出するのが好ましい。
尚、本発明におけるセリウム系研摩材は酸化セリウム含有量が40%以上(TREO基準)であり、研摩材中の酸化セリウムは主に立方晶であるが、請求項2記載の4つの領域で現れるピークは、酸化セリウム立方晶の以下の面指数に対応している。
(a) (111)面
(b) (200)面
(c) (220)面
(d) (311)面
本発明によれば、格子定数という研摩材そのものが有する特性により、セリウム系研摩材の研摩特性を評価することができる。そして、この格子定数を測定するための粉末X線回折分析は、測定時間も短く簡易な分析法であることから複雑な研摩試験を行なうことなく、簡易にセリウム系研摩材の研摩特性を評価することができる。これは特に、原料や製造条件が未知のセリウム系研摩材或いは原料や製造条件が既知のものでもこれらを従来のものから変更して新たな研摩材を試作した場合に有用であり、簡単にその研摩特性を予測、評価することができる。
また、分析方法である粉末X線回折法については、通常行なわれる方法により行なうものとする。即ち、採取したセリウム系研摩材に単色X線を入射し、散乱X線の強度を測定することにより行なわれ、通常はX線ディフラクトメーターと呼ばれる装置により行なう。ここで、X線回折分析の際のターゲットとしては、Cu、Mo、Fe、Co、W、Ag等が使用でき、格子定数の計算には、これらターゲットによるKα1線、Lα1線によって得られる回折X線が使用される。これらのうち好ましいのは、銅ターゲットを使用し、Kα1線によって得られる回折X線を適用する場合である。Fe等のX線による回折ピーク強度は低く、算出される格子定数の精度に影響を与えるおそれがある。尚、Kα1線を使用する場合、試料に照射するX線はKα線であってもCuKα1線単独であっても良いが、Kα線を照射する場合には発生する回折X線をKα1線によるものとKα2線によるものとに分離して、Kα1線による回折X線を基に同折角を求めることとする。また、測定された回折角の値については、精密測定用標準物質(高純度ケイ素粉末等)を使用して、補正した後に格子定数を算出するのが好ましい。
ここで、測定された回折角(θ)より格子定数を算出は次のように行う。X線回折法により測定されたある結晶面についての回折角(θ)と面間隔(d)との間には次のブラッグの式に従う。
式1
一方、立方晶においては、面間隔(d)と格子定数(a)との間には、当該回折角に対応する酸化セリウム型結晶の結晶面のミラー指数を(hkl)とすると、次のような関係が成立する。
式2
従って、数1及び数2から、回折角(θ)と格子定数(a)との間には次のような関係が成立することから、ある回折から格子定数を求めることができる。
式3
例えば、(111)面のピークにおける回折角θが求められらとき、h=k=l=1であるので、格子定数は次式のようになる。
式4
発明の実施の形態
以下、本発明の好適な実施形態を比較例と共に説明する。
第1実施形態:TREO90重量%、TREO中の酸化セリウム含有量70重量%の酸化希土1kgと水1lとを混合してスラリーとし、このスラリーを直径5mmの鋼製が充填された湿式ボールミル(容量5l)にて3時間粉砕し、平均粒径(マイクロトラック法D50(累積50%粒径))1μmの粉体からなるスラリーとした。そして、このスラリーに1mol/lのフッ化アンモニウム溶液を3l添加し、純水で洗浄後濾過してケーキを得た。次に、このケーキを乾燥後、920℃で3時間焙焼し、再度粉砕した後分級してセリウム系研摩材を得た。このセリウム系研摩材のフッ素含有量は5.2%であった。
そして、以上の工程にて製造したセリウム系研摩材についてX線回折分析を行ない酸化セリウムの格子定数を求めた。第1実施形態のセリウム系研摩材を適量採取して試料ホルダに試料面がホルダ面と一致するように均一に充填し、これをX線ディフラクトメータに設置してX線回折パターンを得た。この際の入射X線はCuKα線であり、回折X線はCuKα1線によるものを基準とした。得られたX線回折パターンは各種希土類化合物の標準ピークと比較し、各ピークの示す化合物を同定した。図1は、本実施形態で製造したセリウム系研摩材の回折パターンを示す。この図1においてはメインピークとして酸化セリウム型結晶((111)面)に加えて、LnOFとしてランタン(La)の化合物であるLaOFのピークが比較的強く現れている。この酸化セリウム(111)のピーク位置(2θ)の示す回折角から、酸化セリウムの格子定数を求めたところ、0.546nmであった。
第2〜第6実施形態:次に、第1実施形態と同じ酸化希土を原料として、第1実施形態と同様の方法にて粉砕、乾燥した後、フッ化アンモニウム溶液の添加量及び焙焼温度を範囲で変化させて5種類のセリウム系研摩材を製造した。そして、これらの研摩材について第1実施形態と同様に、X線回折分析を行い格子定数を算出した。その結果を表1に示す。
比較例1:第1実施形態に対する比較例として、第1実施形態と同様に酸化希土を原料とし、格子定数の異なるセリウム系研摩材を製造し、X線回折分析を行った。第1実施形態と同じ酸化希土を粉砕後、1mol/lのフッ化アンモニウム溶液を4.5l添加し、焙焼温度を990℃としてセリウム系研摩材を得た。このセリウム系研摩材のフッ素含有量は7.8%であった。
そして、この比較例1について第1〜第6実施形態と同様にX線回折パターンを測定したところ、図2のようなプロファイルを得た。この比較例のX線回折パターンによれば、図1と同様に、酸化セリウム、LaOFのピークに加えて、希土類フッ化物としてフッ化ランタン(LaF3)のピークも観察されている。そして、酸化セリウムの格子定数を求めたところ、0.543nmであった。
比較例2〜4:そして、フッ化アンモニウム溶液の添加量及び焙焼温度を変化させて3種類のセリウム系研摩材を製造した。そして、これらの研摩材についてX線回折分析を行い格子定数を算出した。その結果を表2に示す。
以上の、第1〜第6実施形態及び比較例1〜比較例4に係るセリウム系研摩材を用いて、ガラス材料の研摩を行い、研摩値の測定及び研摩面の状態を比較評価した。まず、各研摩材を水に分散させて10重量%の研摩材スラリーとした。この研摩材スラリーは研摩試験中、攪拌機にて常時攪拌し、研摩材が沈降しないようにした。
ガラス材料の研摩は、高速研摩機を試験装置として用い、65mmφのほう珪酸ガラス(BK7)を被研摩材としてポリウレタン製の研摩パッドを用いて研摩した。研摩条件は、スラリー濃度15重量%の研摩材スラリーを5ml/minの速度で供給し、研摩面に対する圧力を2.9MPa(30kg/cm2)に設定して研摩機の回転速度を3000rpmとして研摩時間を1分間とした。研摩後のガラス材料は、純水で洗浄し無塵状態で乾燥させた。
この評価試験における研摩値の測定は、研摩前後のガラスの重量を測定することで研摩による重量減を求め、これを厚さに換算して研摩値を表すこととした。また、研摩面の表面仕上りの評価は、研摩表面の傷の有無及び研摩材粒子の研摩面への残存の有無を基準として評価した。具体的には、研摩後のガラスの表面に30万ルクスのハロゲンランプを照射し、透視法及び反射法にてガラス表面を観察することにより行なった。この際、傷の評価については、傷の程度(大きさ)及びその大きさにより点数付けをし、100点満点からの減点方式にて評価した。この評価結果を表3に示す。
この結果から、研摩値は格子定数の増加にともない減少し、格子定数0.558nm(第6実施形態)以上の研摩材では25μm以上の研摩値は得られないものと考えられる。また、格子定数0.546nm(第1実施形態)の研摩材は研摩値が最も高く、研摩面の状態も良好であった。
これに対し、比較例1及び比較例2に係る研摩材は、いずれもフッ素含有量は0.5〜10重量%の範囲にある。しかし、比較例1は格子定数が0.543nmと比較的小さく、研摩値は最も高かったものの傷の発生が認められた。また、比較例2は格子定数が0.562nmと比較的大きく、傷の発生は少ないものの十分な研摩値が得られなかった。一方、比較例3及び比較例4に係る研摩材は、いずれも格子定数が0.544〜0.560nmの範囲にあるが、フッ素含有量の低い研摩材(比較例3)は傷の発生はなかったものの研摩値が小さく、フッ素含有量の高い研摩材(比較例4)は傷の発生がみられた。
このような第1〜第6実施形態と比較例1〜比較例4との相違は、LaOFの量によるものと考えられ、これが研摩値の大小に影響を与えていると考えられる。また、比較例1のX線回折分析ではフッ化ランタンが観察されたが、比較例ではフッ化ランタンが残留しており、これが傷発生の要因になっていると考えられる。
産業上の利用可能性
本願請求項1記載の発明によれば、フッ素含有量を0.5〜10重量%とすることに加え酸化セリウムの格子定数を0.544〜0.560nmとしたことで、高い切削性を有すると共に、高精度の研摩面を形成することができる。
また、本願請求項2記載の発明によれば、酸化セリウムの格子定数を測定することにより短時間で効率的にセリウム系研摩材の研摩特性の評価、品質管理を行うことが可能となる。これは、特に、原料や製造条件が未知のセリウム系研摩材或いは原料や製造条件が既知のものでもこれらを従来のものから変更して新たな研摩材を試作した場合においては、研摩試験を行なうことなく簡単にその研摩特性を予測、評価することができる。
本発明に係るセリウム系研摩材は、高い切削性を有すると共に、高精度の研摩面を形成することができるので、種々のガラス材料の研摩に用いることができるのはもちろん、ハードディスク等の磁気記録媒体用ガラス、液晶ディスプレイ(LCD)のガラス基板といった電気・電子機器に備わる被研摩面の研摩に特に好適である。また、セリウム系研摩材の評価方法は、本発明に係るセリウム系研摩材を製造する際の研摩特性の評価、品質管理に最適である。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1実施形態に係るセリウム系研摩材のX線回折パターンを示す図であり、図2は、比較例に係るセリウム系研摩材のX線回折パターンを示す図である。
本発明は、酸化セリウムを主成分とするセリウム系研摩材の評価方法及びセリウム系研摩材並びにその製造方法に関する。
背 景 技 術
酸化セリウム(CeO2)を主成分とするセリウム系研摩材は、種々のガラス材料の研摩に用いられており、特に近年では、ハードディスク等の磁気記録媒体用ガラス、液晶ディスプレイ(LCD)のガラス基板といった電気・電子機器で用いられているガラス材料の研摩にも用いられており、その応用分野が広がっている。
このセリウム系研摩材は、酸化セリウムの全希土酸化物含有量(以下、TREOという。)に対する含有量により高セリウム研摩材(酸化セリウム含有量70%以上)と、低セリウム研摩材(酸化セリウム含有量50%前後)とに分類されているが、その製造工程には大差はなく、いずれも原料を化学処理(湿式処理)し、濾過、乾燥した後にて焙焼し、これを粉砕、分級することにより製造される。また、原材料としては、バストネサイトと呼ばれる希土鉱石を選鉱したバストネサイト精鉱という天然原料を使用することが従来は多かったが、最近ではバストネサイト鉱や比較的安価な中国産複雑鉱を原料として人工合成した酸化希土又は炭酸希土を原料とするものが多くなっている。
セリウム系研摩材が広く用いられている所以としては、セリウム系研摩材を適用することで高精度の研摩面を得ることができることに加えて、セリウム系研摩材は切削性に優れることから、比較的短時間で大量のガラス材料が研摩除去できるという点によるものである。ここで、セリウム系研摩材の研摩機構については、必ずしも明確な定説はないが、セリウム系研摩材中に含まれるフッ素成分が大きな役割を果たしているとされている。即ち、研摩材が一般に有する、酸化セリウムを主とする研摩粒子による機械的研摩作用に加えて、研摩材中に含有されるフッ素成分がガラス面と反応し、フッ化物を形成しガラス表面の侵食を促進するという化学的研摩作用を有することによるものとされている。
このようにセリウム系研摩材は機械的作用と化学的作用との双方の効果があって初めてその優れた研摩特性が発揮される。そして、セリウム系研摩材の品質を示す基準としては、研摩材一般に求められる品質、即ち、研摩粒子の粒径が均一であり傷の原因となる粗大粒子が存在しないことの他、適度なフッ素品位(濃度)を有することが求められる。そして、従来のセリウム系研摩材はフッ素含有量及び研摩粒子の粒径をフッ化処理条件、焙焼温度、分級条件を適宜制御しており、これにより優れた研摩材が供給されてきている。
しかし、今後のセリウム系研摩材の需要を考慮すれば、これまで以上に優れた研摩材の開発が望まれるのは当然である。特に、ハードディスク、LCD用のガラス基板等の分野においてはその更なる高密度化が求められており、そのためには極めて高精度の研摩面とすることができるだけでなく、高速に所定量の研摩ができる高い切削性を有する研摩材が求められると考えられる。
また、フッ化処理条件、焙焼温度、分級条件等の内容は、これまで経験的に決定されることが多いが、これらの相関関係は必ずしも単純なものではなく、特に、焙焼温度、分級条件のような製造工程における履歴を基準としてその研摩特性を推定するのは困難である。そこで、セリウム系研摩材の研摩特性を評価するためには、実際にガラス材料を研摩して研摩値の測定及び研摩面の傷発生の有無を観察することにより行われているが、実際にガラス材料を研摩する研摩試験は煩雑である。また、フッ素含有量のみからセリウム系研摩材の研摩特性を評価するのも不可能である。このようなことから、より簡易な研摩材の評価基準の確立が望まれ、これは特に、原料や製造条件を従来のものから変更して新たな研摩材を試作した場合に必要となるものと考えられる。
本発明は、以上の事情を考慮してなされたものであり、高精度の研摩面を形成することができ、より切削性の良好なセリウム系研摩材と共に、その製造方法を提供することを目的とする。更に、セリウム系研摩材を比較的簡易に評価するための手法を提供することを目的とする。
発明の開示
上記課題を解決すべく、本発明者らは、種々検討を行い、セリウム系研摩材の製造過程、特に焙焼前後における、フッ素の挙動に起因する酸化セリウムの結晶構造の変化に着目した。本発明者等によれば、酸化セリウム含有量が40%以上(TREO基準)のセリウム系研摩材中の研摩粒子の結晶構造は、原料によってその成立過程は異なるが、最終的に研摩材となったときには同じである。
酸化希土を原料としたセリウム系研摩材中の研摩粒子の結晶構造は次のようになる。即ち、焙焼前の原料状態の酸化セリウムは、セリウム結晶中にLa、Ndなどの希土類金属が固溶したCexLnyOzの化学式で示される酸化セリウム型立方晶(Lnはセリウムを含む希土類金属元素を示す。x、y、zの関係は、2x≦z≦2(x+y)の式を満たす。尚、以下この酸化セリウム型立方晶を酸化セリウム相と称する。)として存在している。また、焙焼前に原料状態においてフッ素は、希土類金属と化合し希土類フッ化物(LnF)として存在しており、この希土類フッ化物は、単独相として存在するか、酸化セリウム相に固溶した状態で存在している。
そして、この研摩材原料は、焙焼により単独相として存在する希土類フッ化物が酸化され一部又は全部がLnOFへと変化するが、それと同時に酸化セリウム相に固溶した希土類フッ化物も焙焼により酸化セリウム相から放出され酸化してLnOFへと変化しようとする。従って、焙焼後の研摩材は、希土類フッ化物が固溶した酸化セリウム(希土類フッ化物の固溶量は焙焼温度により異なる)と、LnOFと、希土類フッ化物とから構成される。
一方、バストネサイト精鉱又は炭酸希土を原料としたセリウム系研摩材中の研摩粒子の結晶構造は、焙焼前の原料はフッ化希土炭酸塩、希土炭酸塩、希土類フッ化物等からなると考えられ、この状態では酸化希土の場合とは異なる。しかし、焙焼過程でフッ化希土炭酸塩及び希土炭酸塩は酸化セリウム型結晶に変化し、その後の挙動は酸化希土を焙焼したときと同様であり、希土類フッ化物の酸化と希土類フッ化物の放出とが生じ、焙焼後の研摩材は、希土類フッ化物が固溶した酸化セリウム、LnOF、希土類フッ化物とから構成される。
本発明者等は、これらのセリウム系研摩材の製造工程で希土類フッ化物の放出が生じた場合、酸化セリウム相にも構造変化が生じ、これにより酸化セリウム相の結晶格子の縮小が生じる。この酸化セリウム相の結晶格子の縮小と研摩材の研摩値及び研摩面の精度との間には、一定の相関関係があると考えた。そして、良好な研摩特性を示す研摩材については、酸化セリウムの格子定数が所定範囲内にあり、その範囲は焙焼温度等の製造工程における履歴によらず略一定であることを見出した。
この要因については必ずしも明確ではないが、発明者等の検討によれば、研摩値の大きい研摩材はLnOF相が成長している一方、希土類フッ化物が多く残存する研摩材は傷の発生が見られることが確認されている。従って、研摩値及び研摩面の精度は、LnOF相の量、つまり、上記した酸化セリウム相からのフッ素の放出量と、LnOF相に変化せずに残存する希土類フッ化物の量とのバランスに影響されることによるものと思われる。そして、このフッ素の放出量と残存する希土類フッ化物の量とのバランスは酸化セリウム相の格子定数に影響を与え、研摩材中の酸化セリウム相の格子定数には研摩特性の観点から好ましい範囲が存在するものと考えられる。
一方、格子定数が所定の範囲内にあっても、フッ素含有量によってはLnOF相及び希土類フッ化物の量は異なるものと考えられる。そして、上述のように、研摩材の研摩値はLnOF相の量が多いほど高くなるが、その一方で希土類フッ化物が多く残存した場合には研摩面に傷が発生することとなる。従って、格子定数が上記範囲内にある研摩材であっても、良好な研摩特性を発揮させるためには、適当なフッ素含有量の範囲も存在するものと考えられる。
そこで、本発明者等は、これら酸化セリウム相の格子定数及びフッ素含有量の双方を基準として、良好な研摩特性を示すセリウム系研摩材を見出すべく鋭意研究を行った結果、本発明を想到するに至った。
本願請求項1記載の発明は、酸化セリウムを40重量%以上(全希土類酸化物比)含有するセリウム系研摩材において、セリウム系研摩材重量に対してフッ素を原子重量換算で0.5〜10重量%含有すると共に、粉末X線回折法により測定される格子定数が0.544〜0.560nmの範囲の結晶よりなる研摩粒子を含むセリウム系研摩材である。
ここで、酸化セリウム型結晶の格子定数の範囲を0.544〜0.560nmとするのは、本発明者等による検討の結果、0.544nm未満では研摩値は高くなるものの傷の発生が見られる一方、0.560nmを超えると研摩傷の発生はないものの十分な研摩値が得られないからである。
また、フッ素含有量については、0.5重量%〜10重量%の範囲を好ましい範囲とする。かかる範囲に限定するのは、フッ素含有量が10重量%を超えると傷の要因となる希土類フッ化物が残存することから研摩時に傷発生が多くなるからである。一方、フッ素含有量が0.5重量%未満では希土類フッ化物の残留量はすくないものの、研摩に有効なLnOF相も存在しないため十分な研摩値を得ることができないからである。
本発明に係るセリウム系研摩材によれば、高精度の研摩面を効率的に形成することができ、かつ切削性を良好な状態での研摩作業が可能となる。尚、本発明に係るセリウム系研摩材は、研摩粒子の平均粒径については特に限定されることはない。
そして、本発明に係るセリウム系研摩材の製造方法、即ち、フッ素含有量及び格子定数が上記範囲内に制御する手法としては、フッ素含有量については、原料のフッ化処理条件の調整により行われ、格子定数については焙焼温度の調整により行われる。
ここで、上述のようにセリウム系研摩材の原料としては、バストネサイト精鉱という天然原料を用いたものと、酸化希土、炭酸希土という人工原料を用いたものとがある。ここで、天然原料であるバストネサイト精鉱にはもともとフッ素が含有されていることから、必要があれば、もともとのフッ素含有量に応じてフッ素成分を添加調整する。また、人工原料である酸化希土、炭酸希土については原料状態ではフッ素が含まれていないことから、焙焼工程前に目的濃度となるようにフッ素成分を添加する。尚、このフッ素成分の添加方法としては、フッ酸、フッ化アンモニウム、フッ化水素アンモニウム等のフッ素含有化合物又はこれらの水溶液を添加することにより行われる。
一方、フッ素含有量0.5重量%〜10重量%の範囲とした場合、酸化セリウムの格子定数を所定の範囲にするためには、焙焼温度を700〜1100℃とするのが好ましい。700℃以下では研摩に有効なLnOF相の成長が生じず研摩値が低くなるからである。また、1100℃以上では、LnOF相は十分成長するものと考えられるが酸化セリウムが異常粒成長して粗大な研摩粒子となるからである。そして、上記温度範囲のなかでも、特に780℃〜980℃がより好ましい。
ところで、これまで述べたように、セリウム系研摩材のフッ素含有量及び格子定数と研摩特性とには密接な関係がある。従って、これらを測定することによりセリウム系研摩材の研摩特性を推定することができると考えられる。ここで、フッ素含有量については従来から所定の検査により検査されているところであるが、所定濃度のフッ素含有量のセリウム系研摩材について格子定数を測定し、これから研摩材の研摩特性を評価するものはこれまでない。
そこで、本発明者等は、請求項2記載の発明として、評価対象となるセリウム系研摩材を採取し、採取したセリウム系研摩材を粉末X線回折法により分析することにより、研摩粒子を構成する結晶の格子定数を計算する過程を含むセリウム系研摩材の評価方法とした。
そして、格子定数の算出の基礎となる回折角を求める際には、下記4つの各領域で現れる最大ピークのうち、少なくとも1の最大ピークの回折角(θ)を求めるものとする。
(a)2θ=A1°〜A2°
(b)2θ=B°±3.0°
(c)2θ=C°±3.0°
(d)2θ=D°±3.0°
ここで、A1、A2、B、C、Dは、粉末X線回折法で使用したX線の波長をλ(nm)とすると、次式で表される。
A1=360÷π×sin−1(1.127174×λ)
A2=360÷π×sin−1(3.245569×λ)
B =360÷π×sin−1(1.843583×λ)
C =360÷π×sin−1(2.588335×λ)
D =360÷π×sin−1(3.047405×λ)
これらの回折角の測定領域は、例えば、入射X線がCuKα線であり、得られる回折X線としてCuKα1線(λ=0.1540562nm)による回折パターンを基準とした場合、にはA1=20°、A2=60°、B=33.0°、C=47.0°。D=56.0°となる。
このように、回折角を求めるピークとして以上4つの範囲で現れるものを選定したのは、X線回折分析においては、十分な強度を示し、且つ、なるべく高角度領域に現れるピークを用いるのが通常であり、本発明の対象となる酸化セリウム型結晶においては上記4つの領域で表れるものがその条件に合致するからである。そして、本発明のようにX線回折法により格子定数を算出するためには、これらのいずれか一つのピークから回折角を求め、格子定数を算出しても良いが、より正確な格子定数を得るためには、複数の回折角を求め、これらから最小二乗法や外挿法にて格子定数を算出するのが好ましい。
尚、本発明におけるセリウム系研摩材は酸化セリウム含有量が40%以上(TREO基準)であり、研摩材中の酸化セリウムは主に立方晶であるが、請求項2記載の4つの領域で現れるピークは、酸化セリウム立方晶の以下の面指数に対応している。
(a) (111)面
(b) (200)面
(c) (220)面
(d) (311)面
本発明によれば、格子定数という研摩材そのものが有する特性により、セリウム系研摩材の研摩特性を評価することができる。そして、この格子定数を測定するための粉末X線回折分析は、測定時間も短く簡易な分析法であることから複雑な研摩試験を行なうことなく、簡易にセリウム系研摩材の研摩特性を評価することができる。これは特に、原料や製造条件が未知のセリウム系研摩材或いは原料や製造条件が既知のものでもこれらを従来のものから変更して新たな研摩材を試作した場合に有用であり、簡単にその研摩特性を予測、評価することができる。
また、分析方法である粉末X線回折法については、通常行なわれる方法により行なうものとする。即ち、採取したセリウム系研摩材に単色X線を入射し、散乱X線の強度を測定することにより行なわれ、通常はX線ディフラクトメーターと呼ばれる装置により行なう。ここで、X線回折分析の際のターゲットとしては、Cu、Mo、Fe、Co、W、Ag等が使用でき、格子定数の計算には、これらターゲットによるKα1線、Lα1線によって得られる回折X線が使用される。これらのうち好ましいのは、銅ターゲットを使用し、Kα1線によって得られる回折X線を適用する場合である。Fe等のX線による回折ピーク強度は低く、算出される格子定数の精度に影響を与えるおそれがある。尚、Kα1線を使用する場合、試料に照射するX線はKα線であってもCuKα1線単独であっても良いが、Kα線を照射する場合には発生する回折X線をKα1線によるものとKα2線によるものとに分離して、Kα1線による回折X線を基に同折角を求めることとする。また、測定された回折角の値については、精密測定用標準物質(高純度ケイ素粉末等)を使用して、補正した後に格子定数を算出するのが好ましい。
ここで、測定された回折角(θ)より格子定数を算出は次のように行う。X線回折法により測定されたある結晶面についての回折角(θ)と面間隔(d)との間には次のブラッグの式に従う。
式1
一方、立方晶においては、面間隔(d)と格子定数(a)との間には、当該回折角に対応する酸化セリウム型結晶の結晶面のミラー指数を(hkl)とすると、次のような関係が成立する。
式2
従って、数1及び数2から、回折角(θ)と格子定数(a)との間には次のような関係が成立することから、ある回折から格子定数を求めることができる。
式3
例えば、(111)面のピークにおける回折角θが求められらとき、h=k=l=1であるので、格子定数は次式のようになる。
式4
発明の実施の形態
以下、本発明の好適な実施形態を比較例と共に説明する。
第1実施形態:TREO90重量%、TREO中の酸化セリウム含有量70重量%の酸化希土1kgと水1lとを混合してスラリーとし、このスラリーを直径5mmの鋼製が充填された湿式ボールミル(容量5l)にて3時間粉砕し、平均粒径(マイクロトラック法D50(累積50%粒径))1μmの粉体からなるスラリーとした。そして、このスラリーに1mol/lのフッ化アンモニウム溶液を3l添加し、純水で洗浄後濾過してケーキを得た。次に、このケーキを乾燥後、920℃で3時間焙焼し、再度粉砕した後分級してセリウム系研摩材を得た。このセリウム系研摩材のフッ素含有量は5.2%であった。
そして、以上の工程にて製造したセリウム系研摩材についてX線回折分析を行ない酸化セリウムの格子定数を求めた。第1実施形態のセリウム系研摩材を適量採取して試料ホルダに試料面がホルダ面と一致するように均一に充填し、これをX線ディフラクトメータに設置してX線回折パターンを得た。この際の入射X線はCuKα線であり、回折X線はCuKα1線によるものを基準とした。得られたX線回折パターンは各種希土類化合物の標準ピークと比較し、各ピークの示す化合物を同定した。図1は、本実施形態で製造したセリウム系研摩材の回折パターンを示す。この図1においてはメインピークとして酸化セリウム型結晶((111)面)に加えて、LnOFとしてランタン(La)の化合物であるLaOFのピークが比較的強く現れている。この酸化セリウム(111)のピーク位置(2θ)の示す回折角から、酸化セリウムの格子定数を求めたところ、0.546nmであった。
第2〜第6実施形態:次に、第1実施形態と同じ酸化希土を原料として、第1実施形態と同様の方法にて粉砕、乾燥した後、フッ化アンモニウム溶液の添加量及び焙焼温度を範囲で変化させて5種類のセリウム系研摩材を製造した。そして、これらの研摩材について第1実施形態と同様に、X線回折分析を行い格子定数を算出した。その結果を表1に示す。
比較例1:第1実施形態に対する比較例として、第1実施形態と同様に酸化希土を原料とし、格子定数の異なるセリウム系研摩材を製造し、X線回折分析を行った。第1実施形態と同じ酸化希土を粉砕後、1mol/lのフッ化アンモニウム溶液を4.5l添加し、焙焼温度を990℃としてセリウム系研摩材を得た。このセリウム系研摩材のフッ素含有量は7.8%であった。
そして、この比較例1について第1〜第6実施形態と同様にX線回折パターンを測定したところ、図2のようなプロファイルを得た。この比較例のX線回折パターンによれば、図1と同様に、酸化セリウム、LaOFのピークに加えて、希土類フッ化物としてフッ化ランタン(LaF3)のピークも観察されている。そして、酸化セリウムの格子定数を求めたところ、0.543nmであった。
比較例2〜4:そして、フッ化アンモニウム溶液の添加量及び焙焼温度を変化させて3種類のセリウム系研摩材を製造した。そして、これらの研摩材についてX線回折分析を行い格子定数を算出した。その結果を表2に示す。
以上の、第1〜第6実施形態及び比較例1〜比較例4に係るセリウム系研摩材を用いて、ガラス材料の研摩を行い、研摩値の測定及び研摩面の状態を比較評価した。まず、各研摩材を水に分散させて10重量%の研摩材スラリーとした。この研摩材スラリーは研摩試験中、攪拌機にて常時攪拌し、研摩材が沈降しないようにした。
ガラス材料の研摩は、高速研摩機を試験装置として用い、65mmφのほう珪酸ガラス(BK7)を被研摩材としてポリウレタン製の研摩パッドを用いて研摩した。研摩条件は、スラリー濃度15重量%の研摩材スラリーを5ml/minの速度で供給し、研摩面に対する圧力を2.9MPa(30kg/cm2)に設定して研摩機の回転速度を3000rpmとして研摩時間を1分間とした。研摩後のガラス材料は、純水で洗浄し無塵状態で乾燥させた。
この評価試験における研摩値の測定は、研摩前後のガラスの重量を測定することで研摩による重量減を求め、これを厚さに換算して研摩値を表すこととした。また、研摩面の表面仕上りの評価は、研摩表面の傷の有無及び研摩材粒子の研摩面への残存の有無を基準として評価した。具体的には、研摩後のガラスの表面に30万ルクスのハロゲンランプを照射し、透視法及び反射法にてガラス表面を観察することにより行なった。この際、傷の評価については、傷の程度(大きさ)及びその大きさにより点数付けをし、100点満点からの減点方式にて評価した。この評価結果を表3に示す。
この結果から、研摩値は格子定数の増加にともない減少し、格子定数0.558nm(第6実施形態)以上の研摩材では25μm以上の研摩値は得られないものと考えられる。また、格子定数0.546nm(第1実施形態)の研摩材は研摩値が最も高く、研摩面の状態も良好であった。
これに対し、比較例1及び比較例2に係る研摩材は、いずれもフッ素含有量は0.5〜10重量%の範囲にある。しかし、比較例1は格子定数が0.543nmと比較的小さく、研摩値は最も高かったものの傷の発生が認められた。また、比較例2は格子定数が0.562nmと比較的大きく、傷の発生は少ないものの十分な研摩値が得られなかった。一方、比較例3及び比較例4に係る研摩材は、いずれも格子定数が0.544〜0.560nmの範囲にあるが、フッ素含有量の低い研摩材(比較例3)は傷の発生はなかったものの研摩値が小さく、フッ素含有量の高い研摩材(比較例4)は傷の発生がみられた。
このような第1〜第6実施形態と比較例1〜比較例4との相違は、LaOFの量によるものと考えられ、これが研摩値の大小に影響を与えていると考えられる。また、比較例1のX線回折分析ではフッ化ランタンが観察されたが、比較例ではフッ化ランタンが残留しており、これが傷発生の要因になっていると考えられる。
産業上の利用可能性
本願請求項1記載の発明によれば、フッ素含有量を0.5〜10重量%とすることに加え酸化セリウムの格子定数を0.544〜0.560nmとしたことで、高い切削性を有すると共に、高精度の研摩面を形成することができる。
また、本願請求項2記載の発明によれば、酸化セリウムの格子定数を測定することにより短時間で効率的にセリウム系研摩材の研摩特性の評価、品質管理を行うことが可能となる。これは、特に、原料や製造条件が未知のセリウム系研摩材或いは原料や製造条件が既知のものでもこれらを従来のものから変更して新たな研摩材を試作した場合においては、研摩試験を行なうことなく簡単にその研摩特性を予測、評価することができる。
本発明に係るセリウム系研摩材は、高い切削性を有すると共に、高精度の研摩面を形成することができるので、種々のガラス材料の研摩に用いることができるのはもちろん、ハードディスク等の磁気記録媒体用ガラス、液晶ディスプレイ(LCD)のガラス基板といった電気・電子機器に備わる被研摩面の研摩に特に好適である。また、セリウム系研摩材の評価方法は、本発明に係るセリウム系研摩材を製造する際の研摩特性の評価、品質管理に最適である。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1実施形態に係るセリウム系研摩材のX線回折パターンを示す図であり、図2は、比較例に係るセリウム系研摩材のX線回折パターンを示す図である。
Claims (3)
- 酸化セリウムを40重量%以上(全希土類酸化物比)含有するセリウム系研摩材において、
セリウム系研摩材重量に対してフッ素を原子重量換算で0.5〜10重量%含有すると共に、粉末X線回折法により測定される格子定数が0.544〜0.560nmの範囲の結晶よりなる研摩粒子を含むセリウム系研摩材。 - 評価対象となるセリウム系研摩材を採取し、採取したセリウム系研摩材を粉末X線回折法により分析することにより、下記範囲で現れる各領域における最大ピークのうち、少なくとも1の最大ピークの回折角(θ)を求め、これより研摩粒子を構成する結晶の格子定数を計算する過程を含むセリウム系研摩材の評価方法。
(a)2θ=A1°〜A2°
(b)2θ=B°±3.0°
(c)2θ=C°±3.0°
(d)2θ=D°±3.0°
ここで、A1、A2、B、C、Dは、粉末X線回折法で使用したX線の波長をλ(nm)とすると、次式で表される。
A1=360÷π×sin−1(1.127174×λ)
A2=360÷π×sin−1(3.245569×λ)
B =360÷π×sin−1(1.843583×λ)
C =360÷π×sin−1(2.588335×λ)
D =360÷π×sin−1(3.047405×λ) - 粉末X線回折法の際のターゲットを銅ターゲットとし、CuKα1線による回折X線を基に回折角を求めて格子定数を計算する請求項2記載のセリウム系研摩材の評価方法。
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