JPWO2002023654A1 - 低温型燃料電池用セパレータ及びその製造方法 - Google Patents
低温型燃料電池用セパレータ及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2002023654A1 JPWO2002023654A1 JP2002527594A JP2002527594A JPWO2002023654A1 JP WO2002023654 A1 JPWO2002023654 A1 JP WO2002023654A1 JP 2002527594 A JP2002527594 A JP 2002527594A JP 2002527594 A JP2002527594 A JP 2002527594A JP WO2002023654 A1 JPWO2002023654 A1 JP WO2002023654A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stainless steel
- fuel cell
- separator
- contact resistance
- electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M8/00—Fuel cells; Manufacture thereof
- H01M8/02—Details
- H01M8/0202—Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors
- H01M8/0204—Non-porous and characterised by the material
- H01M8/0206—Metals or alloys
- H01M8/0208—Alloys
- H01M8/021—Alloys based on iron
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C25—ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
- C25F—PROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC REMOVAL OF MATERIALS FROM OBJECTS; APPARATUS THEREFOR
- C25F3/00—Electrolytic etching or polishing
- C25F3/02—Etching
- C25F3/06—Etching of iron or steel
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M8/00—Fuel cells; Manufacture thereof
- H01M8/02—Details
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T29/00—Metal working
- Y10T29/49—Method of mechanical manufacture
- Y10T29/49002—Electrical device making
- Y10T29/49108—Electric battery cell making
- Y10T29/49115—Electric battery cell making including coating or impregnating
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/12—All metal or with adjacent metals
- Y10T428/12389—All metal or with adjacent metals having variation in thickness
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/12—All metal or with adjacent metals
- Y10T428/12993—Surface feature [e.g., rough, mirror]
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Sustainable Development (AREA)
- Sustainable Energy (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
Description
本発明は、固体高分子型燃料電池を始めとする低温で稼動する燃料電池のセパレータに関する。
背景技術
燃料電池のなかでも、固体高分子型の燃料電池は、100℃以下の温度で動作可能であり、短時間で起動する長所を備えている。また、各部材が固体からなるため、構造が簡単でメンテナンスが容易である、振動や衝撃に曝される用途にも適用できる。更に、出力密度が高いため小型化に適し、燃料効率が高く、騒音が小さい等の長所を備えている。これらの長所から、電気自動車搭載用としての用途が検討されている。ガソリン自動車と同等の走行距離を出せる燃料電池を自動車に搭載できると、NOx,SOxの発生がほとんどなく、CO2の発生が半減する等のように環境に対して非常にクリーンなものになる。
固体高分子型燃料電池は、分子中にプロトン交換基をもつ固体高分子樹脂膜がプロトン導電性電解質として機能することを利用したものであり、他の形式の燃料電池と同様に固体高分子膜の一側に水素等の燃料ガスを流し、他側に空気等の酸化性ガスを流す構造になっている。
具体的には、固体高分子膜1の両側に酸化極2及び燃料極3を接合し、それぞれガスケット4を介しセパレータ5を対向させている(図1A)。酸化極2側のセパレータ5に空気供給口6,空気排出口7が形成され、燃料極3側のセパレータ5に水素供給口8,水素排出口9が形成されている。
セパレータ5には、水素g及び酸素又は空気oの導通及び均一分配のため、水素g及び酸素又は空気oの流動方向に延びる複数の溝10が形成されている。また、発電時に発熱があるため、給水口11から送り込んだ冷却水wをセパレータ5の内部に循環させた後、排水口12から排出させる水冷機構をセパレータ5に内蔵させている。
水素供給口8から燃料極3とセパレータ5との間隙に送り込まれた水素gは、電子を放出したプロトンとなって固体高分子膜1を透過し、酸化極2側で電子を受け、酸化極2とセパレータ5との間隙を通過する酸素又は空気oによって燃焼する。そこで、酸化極2と燃料極3との間に負荷をかけるとき、電力を取り出すことができる。
燃料電池は、1セル当りの発電量が極く僅かである。そこで、図1Bに示すようにセパレータ5,5で挟まれた固体高分子膜を1単位とし、複数のセルを積層することにより取出し可能な電力量を大きくしている。多数のセルを積層した構造では、セパレータ5の抵抗が発電効率に大きな影響を及ぼす。発電効率を向上させるためには、導電性が良好で接触抵抗の低いセパレータが要求され、リン酸塩型燃料電池と同様に黒鉛質のセパレータが使用されている。
黒鉛質のセパレータは、黒鉛ブロックを所定形状に切り出し、切削加工によって各種の孔や溝を形成している。そのため、材料費や加工費が高く、全体として燃料電池の価格を高騰させると共に、生産性を低下させる原因になっている。しかも、材質的に脆い黒鉛でできたセパレータでは、振動や衝撃が加えられると破損する虞れが大きい。そこで、プレス加工やパンチング加工等によって金属板からセパレータを作ることが特開平8−180883号公報で提案されている。
酸素又は空気oが通過する酸化極2側は、酸性度がpH2〜3の酸性雰囲気にある。このような強酸性雰囲気に耐え、しかもセパレータに要求される特性を満足する金属材料は、これまでのところ実用化されていない。
たとえば、強酸に耐える金属材料としてステンレス鋼等の耐酸性材料が考えられる。これらの材料は、表面に形成した強固な不動態皮膜によって耐酸性を呈するが、不動態皮膜によって表面抵抗や接触抵抗が高くなる。接触抵抗が高くなると、接触部分で多量のジュール熱が発生し、大きな熱損失となり、燃料電池の発電効率を低下させる。
表面抵抗や接触抵抗に及ぼす不動態皮膜の影響が抑制されると、ステンレス鋼本来の優れた耐食性を活用し、黒鉛質に代わるステンレス鋼製セパレータが使用可能になる。このような観点から、本出願人は、カーボン粒子をステンレス鋼表面に島状に分布させることにより、高価な材料を使用する必要なく、耐酸性を確保しながら良好な導電性及び低い接触抵抗を示すセパレータが得られることを紹介した(特開平11−121018号公報,特開平11−126621号公報,特開平11−126622号公報)。
しかし、ステンレス鋼表面に対するカーボン粒子の付着は、界面に拡散層を形成することによって改善できるものの、依然として付着力が十分でない。そのため、ハンドリングや加工等の際にステンレス鋼表面から脱落するものもあり、所期の低接触抵抗化が得られないことがある。また、良好な密着度でカーボン粒子を付着させるための工程が必要となり、生産工数の増加を招く。
発明の開示
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、ステンレス鋼を電解粗面化することにより接触抵抗が大幅に低下するとの知見をベースにし、多数のセルユニットを積層しても発電効率が低下することなく、十分に大きな電力量を取り出すことが可能な低温型燃料電池用セパレータを提供することを目的とする。
本発明の低温型燃料電池用セパレータは、その目的を達成するため、ステンレス鋼板の表面全域にわたって多数の微細なピットが形成され、ピットの周縁に微細突起が林立した表面形態をもつことを特徴とする。粗面化された表面形態は、塩化第二鉄水溶液中での交番電解エッチングにより実現できる。
本発明者等は、低温型燃料電池用セパレータとして使用されるステンレス鋼板の表面状態が接触抵抗に及ぼす影響を種々調査検討し、接触抵抗の低下に有効な表面処理方法を追求した。通常のステンレス鋼板では、母材部に比較してCrが濃化した不動態皮膜が表面に形成されており、該不動態皮膜が一種の抵抗体となって接触抵抗を上げる。他方、粗面化処理したステンレス鋼は低い接触抵抗を示すことを見出した。なかでも、塩化第二鉄水溶液中での交番電解エッチングにより粗面化すると、接触抵抗が大幅に低下することが判った。
電解粗面化により接触抵抗が低下する理由は、つぎのように推察される。
ステンレス鋼の表面は、酸化物,水酸化物等からなる不動態皮膜で覆われている。このステンレス鋼表面を交番電解エッチングすると、先ずアノード電解によって不動態皮膜にピットが発生する。続くカソード電解でH2が発生すると、フラットな部分に比較してピット内部では一時的にFe3++3OH−→Fe(OH)3の反応が起きる領域までpHが上昇する。続くアノード電解では、ピットの内壁を覆っているFe(OH)3が保護膜fとして作用し、すでに形成されているピットの内部よりもH2の発生により活性化されたフラットな部分が優先的に溶解する。その結果、新たなピットがフラットな部分に形成される(図2)。
アノード電解及びカソード電解の繰返しにより、多数の微細なピットdがステンレス鋼全面にわたって均一に形成され、ピットdの周縁に微細突起pが林立した表面形態になる(図3)。ピットd及び微細突起pの上に保護膜fが形成されているものの、ステンレス鋼板の表面に通常形成される酸化皮膜と異なり、電解エッチングで一旦溶解した後に再度形成されたものであるから膜厚が一定しておらず、下地鋼sに達する皮膜欠陥が無数に生じているものと考えられる。
このような表面形態になっているステンレス鋼板を黒鉛質の酸化極2,燃料極3(図1B)に重ね合わせて加圧すると、黒鉛に比較して硬質の微細突起pが酸化極2,燃料極3の内部に押し込まれ、良好な密着状態でステンレス鋼板が酸化極2,燃料極3に接触する。また、酸化極2,燃料極3に微細突起pが押し込まれる際、単なるスタック圧だけでなく微細突起pに当たる部分では電極の弾性変形応力も加わるため、非常に良好な密接状態が得られる。しかも、保護膜fに存在するとみられる無数の皮膜欠陥を介しステンレス鋼板が酸化極2,燃料極3に直接接触することが予想される。このようなことから接触抵抗が大幅に低下する。
保護膜fを介さずに金属−黒鉛接触となる部分がステンレス鋼板表面に多数存在し、当該部分が通電サイトとして働く。そのため、不動態皮膜が形成されがちなステンレス鋼板であっても低い接触抵抗で酸化極2,燃料極3に接触させることが可能となる。また、通電サイト以外の表面部にはCrリッチの保護膜fが形成されているので、過酷な雰囲気に曝されても十分な耐食性を呈する。
交番電解エッチングは、セパレータ材として使用される板厚0.1〜0.4mm程度のステンレス鋼薄板に対して有効な粗面化処理である。他方、ショットブラスト,サンドブラスト等の粗面化処理は、このような板厚のステンレス鋼板に適さない。しかも、交番電解エッチングされたステンレス鋼表面に生成している酸化皮膜fは、ショットブラスト,サンドブラスト等の粗面化処理が施されたステンレス鋼に比較して、Cr濃度の高い不動態皮膜になっている。この点でも、耐食性に優れたセパレータとして使用できることが判る。
発明を実施するための最良の形態
低温型燃料電池用セパレータとして使用されるステンレス鋼板には、燃料電池雰囲気で必要とする耐食性を呈する限り鋼種が制約されるものではなく、各種のフェライト系,オーステナイト系,二相系等のステンレス鋼板がある。使用するステンレス鋼板としては、必要な耐酸性を確保する上で12質量%以上のCrを含み、燃料電池の組立てを考慮すると板厚が0.1〜0.4mmの範囲にあるものが好ましい。
粗面化処理としては、Fe(OH)3の保護膜としての作用を利用して多数のピットdを形成することから、塩化第二鉄水溶液中での交番電解エッチングが採用される。塩化第二鉄水溶液は、NO3 −,SO4 2−等のイオンを多量に含まないことが好ましい。NO3 −,SO4 2−等のイオンが多量に含まれると、ステンレス鋼の酸化反応が促進しピットdの形成に支障をきたし、必要とする粗面化状態が得られない。
交番電解エッチングでは、塩化第二鉄水溶液中でのClイオンの分解反応を抑えるためアノード電流密度を10.0kA/m2以下にすることが好ましい。10.0kA/m2を超えるアノード電流密度では、Clイオンの分解反応が顕著になり、作業効率及び作業環境が悪化する。また、ピットdの周縁に多数の微細突起pが林立した表面状態にするため、アノード通電時間を0.05〜1秒の範囲に設定することが好ましい。
カソード電解では、前述したようにステンレス鋼表面にH2を発生させてフラット部分を活性化すること及びピットdの内壁に保護膜fを形成させることを狙っていることから、H2発生を伴う電流密度が必要である。しかし、カソード電流密度が大きすぎると、過剰なH2発生によってステンレス鋼表面が必要以上に活性化されるため、ピットdの内壁に生成したFe(OH)3保護膜fが除去され、ピットdが浅くなると共に微細突起pが林立した表面状態が得られない。このようなことから、カソード電流密度を0.1〜1kA/m2の範囲に設定し、カソード通電時間を0.01秒以上に設定することが好ましい。
交番電解1サイクル当たりの適正通電時間はアノード電解で0.05〜1秒,カソード電解で0.01秒以上であるが、工業規模での交番電源を考慮するとアノード電解とカソード電解との通電時間を1:1にすることがコスト面で有利である。この場合には、交番電解のサイクルを0.5〜10Hzに設定することが好ましい。
交番電解エッチングを20秒以上継続すると、必要とする粗面化状態が得られる。20秒に達しない交番電解エッチングでは、ステンレス鋼表面にピット未発生部分が残り、接触抵抗が十分に低下せず、低温型燃料電池用セパレータに適用できないことがある。逆に、120秒を超える長時間の交番電解エッチングを施しても、粗面化形態及び接触抵抗に大きな改善がみられない。
次いで、実施例によって本発明を具体的に説明する。
実施例1:
表1の組成をもつステンレス鋼板をセパレータ基材に使用し、各ステンレス鋼板を電解エッチングにより粗面化した。
ステンレス鋼Aの電解エッチングには、Fe3+:20g/l,液温50℃の塩化第二鉄水溶液を用い、アノード電流密度3.0kA/m2,カソード電流密度0.2kA/m2,処理時間60秒,交番電解サイクル5Hzで交番電解する条件を採用した。
ステンレス鋼Bの電解エッチングには、Fe3+:55g/l,液温57.5℃の塩化第二鉄水溶液を用い、アノード電流密度3.0kA/m2,カソード電流密度1.0kA/m2,処理時間60秒,交番電解サイクル5Hzで交番電解する条件を採用した。
ステンレス鋼Cの電解エッチングには、Fe3+:30g/l,液温50℃の塩化第二鉄水溶液を用い、アノード電流密度3.5kA/m2,カソード電流密度0.8kA/m2,処理時間40秒,交番電解サイクル10Hzで交番電解する条件を採用した。
ステンレス鋼Dの電解エッチングには、Fe3+:70g/l,液温62.5℃の塩化第二鉄水溶液を用い、アノード電流密度3.0kA/m2,カソード電流密度1.0kA/m2,処理時間60秒,交番電解サイクル5Hzで交番電解する条件を採用した。
電解エッチングされた各ステンレス鋼板の表面を顕微鏡観察したところ、平均径2μm,平均深さ1μmの微細なピットdが表面全域にわたって均等に形成されており、ピットdの周縁に高さ2μm程度の微細突起pが多数林立した表面形態になっていた。
粗面化されたステンレス鋼板に荷重10kgf/cm2でカーボン電極を接触させ、ステンレス鋼板/カーボン電極間の接触抵抗を測定した。比較のため、粗面化していない2D材を用いて、同じ条件下で接触抵抗を測定した。表2の測定結果(初期値)にみられるように、電解粗面化によって接触抵抗が大幅に低下していることが判る。
次いで、粗面化処理したステンレス鋼板を温度90℃,pH2の希硫酸水溶液及び温度90℃の温水に浸漬し、浸漬時間に応じた接触抵抗の増加傾向を調査した。この場合にも、粗面化処理したステンレス鋼をセパレータ基材としたものでは、希硫酸浸漬及び温水浸漬の何れにおいても接触抵抗の増加が極僅かであった。なお、2Dまま材をセパレータ基材としたものでは、接触抵抗の初期値が大きく燃料電池用に使用できないことから、浸漬時間に応じた接触抵抗の増加傾向を調査しなかった。
交番電解エッチングで粗面化されたステンレス鋼板表面を観察し、鋼板表面に生成している不動態皮膜の組成をESCAにより定量した。測定結果を、未処理材及びショットブラスト材と対比して表3に示す。本発明に従って粗面化処理されたステンレス鋼表面に生成している不動態皮膜は、表3から明らかなようにFe濃度が低く、Cr濃度の高い組成になっていた。このことからしても、耐食性に優れたセパレータとなることが判る。
実施例2:
固体高分子膜1に酸化極2及び燃料極3を重ね合わせた薄膜電極アセンブリを粗面化処理したステンレス鋼製セパレータ5で挟み、燃料電池セルを構成した。この燃料電池セルに加湿した水素及び酸素を供給し、電流密度0.5A/m2一定として100時間運転した後、セパレータ5を取り出し腐食状況を調査した。その結果、何れの鋼種A〜Dを用いたセパレータ5であっても、腐食が検出されず、表面接触抵抗の増加も図4に示すように極僅かであった。
以上に説明したように、本発明の低温型燃料電池用セパレータは、多数の微細突起が林立した表面形態をもつステンレス鋼板をセパレータ基材に使用している。酸化極,燃料極等のカーボン電極にセパレータを重ね合わせて加圧するとき、ステンレス鋼板表面にある微細突起がカーボン電極の内部に押し込まれ、セパレータ/カーボン電極の接触抵抗が大幅に低下する。そのため、ステンレス鋼本来の優れた耐酸性,耐食性が活用され、発電効率の高い固体高分子型燃料電池が組み立てられる。
【図面の簡単な説明】
図1Aは、従来の固体高分子膜を電解質として使用した燃料電池の内部構造を説明する断面図である。
図1Bは、同燃料電池の分解斜視図である。
図2は、交番電解エッチングでステンレス鋼板表面が粗面化する過程を説明する模式図である。
図3は、電解粗面化された表面形態の模式図である。
図4は、燃料電池に組み込んだステンレス鋼製セパレータの接触抵抗の変化を示すグラフである。
Claims (2)
- ステンレス鋼板の表面全域にわたって多数の微細なピットが形成され、ピットの周縁に微細突起が林立した表面形態をもつことを特徴とする低温型燃料電池用セパレータ。
- 塩化第二鉄水溶液中での交番電解エッチングによりステンレス鋼板表面を粗面化し、多数の微細なピットの周縁に微細突起を林立させた表面形態にすることを特徴とする低温型燃料電池用セパレータの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002527594A JP4889910B2 (ja) | 2000-09-12 | 2001-09-07 | 低温型燃料電池用セパレータ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000276893 | 2000-09-12 | ||
JP2000276893 | 2000-09-12 | ||
PCT/JP2001/007783 WO2002023654A1 (en) | 2000-09-12 | 2001-09-07 | Separator for low-temperature type fuel cell and production method therefor |
JP2002527594A JP4889910B2 (ja) | 2000-09-12 | 2001-09-07 | 低温型燃料電池用セパレータ及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2002023654A1 true JPWO2002023654A1 (ja) | 2004-01-22 |
JP4889910B2 JP4889910B2 (ja) | 2012-03-07 |
Family
ID=18762296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002527594A Expired - Lifetime JP4889910B2 (ja) | 2000-09-12 | 2001-09-07 | 低温型燃料電池用セパレータ及びその製造方法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US7608119B2 (ja) |
EP (1) | EP1326297B1 (ja) |
JP (1) | JP4889910B2 (ja) |
KR (1) | KR100714385B1 (ja) |
AU (1) | AU2001284481A1 (ja) |
CA (1) | CA2417164C (ja) |
WO (1) | WO2002023654A1 (ja) |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0203324D0 (en) * | 2002-02-13 | 2002-03-27 | Ineos Chlor Ltd | Plate treatment |
JP4920137B2 (ja) * | 2001-03-07 | 2012-04-18 | パナソニック株式会社 | 高分子電解質型燃料電池の運転方法 |
JP4629914B2 (ja) * | 2001-06-04 | 2011-02-09 | 日新製鋼株式会社 | 低温型燃料電池用セパレータ及びその製造方法 |
JP4085652B2 (ja) * | 2001-08-21 | 2008-05-14 | 株式会社エクォス・リサーチ | 燃料電池 |
JP5035571B2 (ja) * | 2003-07-24 | 2012-09-26 | 日産自動車株式会社 | 燃料電池用集電構造及び固体酸化物形燃料電池スタック |
JP2007026694A (ja) * | 2005-07-12 | 2007-02-01 | Nisshin Steel Co Ltd | 固体高分子型燃料電池用セパレータ及び固体高分子型燃料電池 |
JP2008091225A (ja) * | 2006-10-03 | 2008-04-17 | Nisshin Steel Co Ltd | 固体高分子型燃料電池用セパレータ及びその製造方法 |
KR100777123B1 (ko) * | 2007-04-18 | 2007-11-19 | 현대하이스코 주식회사 | 연료전지용 스테인리스강 분리판 및 그 제조방법 |
JP4485552B2 (ja) | 2007-08-03 | 2010-06-23 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池用セパレータの製造方法 |
WO2010041694A1 (ja) | 2008-10-07 | 2010-04-15 | 住友金属工業株式会社 | 固体高分子型燃料電池のセパレータ用ステンレス鋼板およびそれを用いた固体高分子型燃料電池 |
KR101100858B1 (ko) * | 2009-09-28 | 2012-01-02 | 포항공과대학교 산학협력단 | 연료 전지용 세퍼레이터와 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 연료 전지 스택 |
KR101209685B1 (ko) | 2010-11-17 | 2012-12-10 | 기아자동차주식회사 | 연료전지용 분리판 및 그 표면처리방법 |
KR101316529B1 (ko) * | 2011-07-06 | 2013-10-08 | 기아자동차주식회사 | 연료전지 스택 구조 |
WO2013122560A1 (en) | 2012-02-13 | 2013-08-22 | Halliburton Energy Services, Inc. | Method and apparatus for remotely controlling downhole tools using untethered mobile devices |
DE102014209049A1 (de) * | 2014-05-13 | 2015-11-19 | Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft | Bipolarplatte und Schichtstruktur mit einer Bipolarplatte |
JP6958483B2 (ja) * | 2018-05-28 | 2021-11-02 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池用セパレータの製造方法 |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3337434A (en) * | 1964-01-15 | 1967-08-22 | Mc Donnell Douglas Corp | Method of electrolytic etching metals using a gel electrolyte |
JPS5732400A (en) * | 1980-08-02 | 1982-02-22 | Nisshin Steel Co Ltd | Production of stainless steel of excellent adhesive strength for coated material |
JP2585936B2 (ja) * | 1991-11-15 | 1997-02-26 | 住友電気工業株式会社 | 弗素樹脂被覆物の製造方法 |
JP3185569B2 (ja) * | 1994-10-31 | 2001-07-11 | 住友金属工業株式会社 | エッチング加工用ステンレス鋼 |
JP3460346B2 (ja) | 1994-12-26 | 2003-10-27 | 富士電機株式会社 | 固体高分子電解質型燃料電池 |
US6129995A (en) * | 1997-03-19 | 2000-10-10 | Nkk Corporation | Zinciferous coated steel sheet and method for producing the same |
JP3908358B2 (ja) | 1997-10-21 | 2007-04-25 | 日新製鋼株式会社 | 低温型燃料電池用セパレータ |
RU2180977C2 (ru) * | 1997-10-14 | 2002-03-27 | Ниссин Стил Ко., Лтд. | Сепаратор низкотемпературного топливного элемента (варианты) и способ его изготовления |
JP3904690B2 (ja) | 1997-10-14 | 2007-04-11 | 日新製鋼株式会社 | 低温型燃料電池用セパレータ |
JP3908359B2 (ja) | 1997-10-21 | 2007-04-25 | 日新製鋼株式会社 | 低温型燃料電池用セパレータ |
US6660419B1 (en) * | 1998-06-30 | 2003-12-09 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Solid polymer electrolyte fuel cell |
JP2001032056A (ja) * | 1999-07-22 | 2001-02-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 通電部品用ステンレス鋼および固体高分子型燃料電池 |
CN1117882C (zh) * | 1999-04-19 | 2003-08-13 | 住友金属工业株式会社 | 固体高分子型燃料电池用不锈钢材 |
JP3365385B2 (ja) * | 2000-01-31 | 2003-01-08 | 住友金属工業株式会社 | 固体高分子型燃料電池のセパレータ用ステンレス鋼材の製造方法 |
JP2001283880A (ja) * | 2000-03-30 | 2001-10-12 | Nisshin Steel Co Ltd | 低温型燃料電池用セパレータ及びその製造方法 |
CA2417753A1 (en) * | 2000-08-05 | 2002-02-14 | Ineos Chlor Limited | Stainless steel substrate treatment |
-
2001
- 2001-09-07 US US10/312,158 patent/US7608119B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2001-09-07 WO PCT/JP2001/007783 patent/WO2002023654A1/ja active Application Filing
- 2001-09-07 EP EP01963515.0A patent/EP1326297B1/en not_active Expired - Lifetime
- 2001-09-07 JP JP2002527594A patent/JP4889910B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 2001-09-07 AU AU2001284481A patent/AU2001284481A1/en not_active Abandoned
- 2001-09-07 KR KR1020027017797A patent/KR100714385B1/ko active IP Right Grant
- 2001-09-07 CA CA002417164A patent/CA2417164C/en not_active Expired - Fee Related
-
2009
- 2009-01-14 US US12/353,644 patent/US7879508B2/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20030170523A1 (en) | 2003-09-11 |
EP1326297B1 (en) | 2014-11-05 |
AU2001284481A1 (en) | 2002-03-26 |
CA2417164C (en) | 2009-07-14 |
EP1326297A4 (en) | 2007-02-14 |
JP4889910B2 (ja) | 2012-03-07 |
US7608119B2 (en) | 2009-10-27 |
EP1326297A1 (en) | 2003-07-09 |
WO2002023654A1 (en) | 2002-03-21 |
US7879508B2 (en) | 2011-02-01 |
CA2417164A1 (en) | 2002-03-21 |
KR20030034109A (ko) | 2003-05-01 |
US20090130535A1 (en) | 2009-05-21 |
KR100714385B1 (ko) | 2007-05-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7879508B2 (en) | Separator for low-temperature type fuel cell and production method therefor | |
US7070877B2 (en) | Stainless steel separator for low-temperature fuel cell | |
US8778562B2 (en) | Method of depositing durable thin gold coating on fuel cell bipolar plates | |
KR20030023734A (ko) | 스테인레스강 기판 처리 | |
JP3667679B2 (ja) | 低温型燃料電池用ステンレス鋼製セパレータ | |
JP2000323152A (ja) | ステンレス鋼製低温型燃料電池用セパレータ及びその製造方法 | |
JP4629914B2 (ja) | 低温型燃料電池用セパレータ及びその製造方法 | |
JP3917442B2 (ja) | 燃料電池用金属製セパレータおよびその製造方法 | |
US20060068262A1 (en) | Separator for fuel cell and method for producing the same | |
JP2009203502A (ja) | セパレータ用粗面化ステンレス鋼板およびその製造方法並びにセパレータ | |
JP2009087909A (ja) | 燃料電池用セパレータの製造方法 | |
JP4093743B2 (ja) | 低温型燃料電池用セパレータ | |
JP4017856B2 (ja) | 燃料電池用セパレータ及びその製造方法 | |
JP4545129B2 (ja) | 燃料電池用セパレータの製造方法 | |
JP2002170582A (ja) | 燃料電池用セパレータ及びその製造方法 | |
JP3913053B2 (ja) | 燃料電池用金属製セパレータの製造方法 | |
JP4093742B2 (ja) | 低温型燃料電池用セパレータ及びその製造方法 | |
JP3816377B2 (ja) | 燃料電池用金属製セパレータの製造方法 | |
JP2003297379A (ja) | 低温型燃料電池用セパレータの製造方法 | |
JP2005108549A (ja) | 燃料電池用金属製セパレータおよびその製造方法 | |
KR102102608B1 (ko) | 고분자 연료전지 분리판용 스테인리스강 제조 방법 | |
JP2004071319A (ja) | 燃料電池用金属製セパレータ用素材板およびそれを使用した燃料電池用金属製セパレータ | |
JP2023122178A (ja) | 燃料電池用セパレータの製造方法 | |
JP4100473B2 (ja) | 燃料電池用金属製セパレータ及びその製造方法 | |
JP2003092117A (ja) | 燃料電池用セパレータおよびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20070313 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20071205 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110926 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111116 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20111116 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111213 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111214 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4889910 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |