JPS647942B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は精紡機と自動ワインダーを管糸搬送装
置により直結したボビン搬送システムに関する。

出願人は先に、精紡機と自動ワインダーを管糸
搬送路で直結し、個々に独立した管糸搬送媒体
（以下トレイと称す）に精紡上りの管糸を挿着し
て自動ワインダーへ搬送し、自動ワインダーにお
いては各巻取ユニツトにトレイに管糸を挿着した
状態で供給し、巻取り、および排出を行い得る管
糸供給システムを出願した。（特願昭57−126542
号（特開昭59−17464号）） このようなシステムにおいては、精紡機から自
動ワインダーへ向う搬送路上には管糸を挿着した
トレイが整然と搬送され、自動ワインダーから精
紡機へ向う搬送路上には空ボビンを挿着したトレ
イが整然と搬送される必要がある。

精紡機からワインダーへ向う搬送路上には、精
紡機で一斉玉揚される管糸が搬送されるので、全
てのトレイ上に管糸が挿着されるが、ワインダー
から精紡機へ向う搬送路上のトレイ上には空のト
レイが存在し得る。

即ち、ワインダーから排出されるトレイ上には
空ボビンを挿着した場合、再使用可能な糸量を有
する残糸付ボビンを挿着したトレイ、および再使
用不可能な極少残糸付ボビンを挿着したトレイが
あり、このうち、残糸付ボビンを有するトレイは
精紡機へ返送されることなく再びワインダーの管
糸供給路へ供給され、空ボビンを有するトレイは
そのまゝ精紡機へ返送されるが、極少残糸付ボビ
ンを有するトレイからはいつたん極少残糸付ボビ
ンを抜き取つて貯溜しておき作業者が手直しを行
う場合がある。

この時搬送路上のトレイは空となり、このまゝ
精紡機へ返送したとしても精紡機へ紡績糸を巻取
るべく空ボビンを供給できず、精紡機における一
斉自動玉揚の場合には極めて不都合である。

本願発明の目的は、極少残糸付ボビンの抜き取
られたトレイに空ボビンを挿着し、精紡機へ向う
帰還路のトレイには必ず空ボビンが挿着されてい
るようにすることである。

本発明は精紡機とワインダを管糸搬送路および
空ボビン帰還路によつて、閉ループを形成して連
結し、上記閉ループ内に多数の管糸および空ボビ
ンの搬送媒体であるトレイを循環させて、管糸お
よび空ボビンを精紡機とワインダ間相互に移送
し、上記空ボビン帰還路の途次に極少残糸付ボビ
ンの抜取り装置を設けたシステムにおいて、 上記帰還路の極少残糸付ボビンの抜取り装置の
下流側には空ボビン供給装置を配置し、 上記空ボビン供給装置位置には、トレイのスト
ツパ装置と、移送されてくるトレイの到着を検出
する第１センサと、トレイ上の空ボビンの有無を
検出する第２センサと、空ボビン切出し装置が設
けられ、 上記第１センサのトレイ有信号と第２センサの
空ボビン無信号とにより上記空ボビン切出し装置
が作動して空ボビンがトレイ上に供給され、上記
第１センサのトレイ有信号と第２センサの空ボビ
ン有信号とによつて上記ストツパ装置を解除して
トレイを移送させるようにしたものである。

以下本発明の実施例を図面に従つて説明する。

第１図に精紡機１とワインダ２を直結したシス
テムの一例を示す。複数台の精紡機１が生産量の
対応する一台または複数台のワインダ２とが管糸
搬送路３と空ボビン帰還路４，５とによつて閉ル
ープを形成して直結されている。

即ち、精紡機１側で玉揚される管糸は搬送媒体
であるトレイ上に挿着されて管糸搬入路３上を矢
印６方向に移送され、該搬入路３の途次に設けら
れる糸端口出し装置７によつてワインダーにおけ
る糸結びのための糸端が口出しされた状態でワイ
ンダ２の一側に沿つて敷設される管糸供給路８へ
移送され、該管糸供給路８からワインダの各巻取
ユニツトへ供給される。

一方各巻取ユニツトから排出される空ボビンを
挿着したトレイは帰還路４上を搬送され、残糸付
ボビンはバイパス９を経て再度口出し装置７へ供
給され、空ボビンは矢印１０方向へ搬送されて精
紡機１へ返送され、また極少残糸付ボビンはボビ
ン抜取装置１１によつてトレイから抜き取られ、
空トレイのみが帰還路５ａ上を搬送され、空ボビ
ン供給装置１２において空ボビンが空トレイに供
給され、帰還路５上を矢印１０方向へ搬送され
て、精紡機１へと返送される。

次に第２図において上記システムに適用される
ワインダの巻取ユニツトの一例を示す。

多数の巻取ユニツト１３が並設されて一台のワ
インダ２が構成され、巻取ユニツトは管糸供給路
８と帰還路４との間に設けられている。即ち、１
４は管糸供給路８上の管糸を巻き上げ位置Ｐに搬
送し、巻き上げ位置Ｐで巻き上げられ空となつた
ボビンを帰還路４に排出するための回転円盤で、
その面は水平より傾斜し、管糸供給路８側が帰還
路４側よりも高くなつている。回転円盤１４の上
位には回転円盤１４と一定の間隔を有してガイド
板１５，１６が設けられている。ガイド板１５，
１６はガイド板１７との間に管糸取入口１８およ
び管糸送り出し口１９を形成し、また、ガイド板
１５，１６間には管糸待機溝２０ボビン排出溝２
１を形成する。

管糸待機溝２０とボビン排出溝２１の接続位置
が前記巻き上げ位置Ｐとなる。

２２は巻き上げの終了した空ボビン排出用レバ
ーである。

巻き上げ位置Ｐのトレイの下位には図示しない
圧力空気源に導管２３で連続する圧力空気噴射ノ
ズル２４を設ける。

該ノズル２４から噴射された圧力空気は、トレ
イＴのペグからボビン芯管内に噴出し、芯管内に
芯管上部から垂下している糸端を芯管外部に吹き
上げる。

巻き上げ位置Ｐの管糸Ｋの上位にはバルーンブ
レーカ２５、管糸側糸端を図示しないノツターへ
導く中継パイプ２６、あるいは図示しないパツケ
ージの糸端をノツターに導くサクシヨンマウス、
糸検出装置等、公知の部材が設けられている。

第３図は上記巻取ユニツト１３を多数並設した
ワインダへの管糸供給方法を示す平面図である。

即ち管糸搬入路８上を移送されてきた管糸は口
出し装置７により糸結び用の糸端が口出しされ、
前述した如く管糸の芯管内に糸端が挿入された状
態で、トレイに挿着されたまゝワインダの管糸供
給路８へ移送される。

管糸供給路８を移行した管糸ＫはトレイＴが巻
取ユニツト１３ａのガイド板１５，１６，１７に
当り、回転円盤１４に乗り、管糸取込み口１８か
ら待機溝２０に入り、回転円盤１４の回転および
傾斜により巻き上げ位置Ｐに至る。

このようにして後続するトレイＴが管糸待機溝
２０に順次入り込み管糸待機溝２０がトレイで満
たされると（第３図では５個）、その後から送ら
れてくるトレイは管糸待機溝２０内に入れなくな
り、そのトレイＴは送り出し溝１９から次の巻取
ユニツト１３ｂに向う。

このようにして巻取りユニツト１３ａから順次
１３ｂ……１３ｎへと管糸Ｋを挿着したトレイＴ
を満たしていくが、管糸待機溝２０に空きが生じ
ると、前記の即ち巻取りユニツト１３ａに近い巻
取ユニツトからその空きを埋められていく。

さらに各巻取ユニツト１３ａ……１３ｎのいづ
れにも入れないトレイは端部の巻取ユニツト１３
ｎの送り出し溝１９ｎを出ると循環路８ａに入り
矢印２７方向に移送され、再び管糸供給路８に送
り出される。

次に、巻取りユニツト１３ａ……１３ｎから排
出されるボビンのうち極少残糸付きボビンを有す
るトレイから極少残糸付ボビンが抜取られ、空な
つたトレイに空ボビンを供給挿着する空ボビン供
給装置の実施例を第４図〜第６図において説明す
る。

空ボビン供給装置１２は、空ボビン貯溜ボツク
ス３０と該ボツクスから１本の空ボビンを切出す
切り出し装置３１と切り出された空ボビンを搬送
路上のトレイに挿着するためのボビン挿着装置３
２と、トレイ、あるいは空ボビンの検出装置３３
等より構成される。

空ボビン貯溜ボツクス３０は、略空ボビン長さ
と等しい巾を有する側壁３４，３５と傾斜した底
面３６と、ならし板３７とより形成されており空
ボビンＢは方向を揃えられた状態で多数収容され
ている。

ならし板３７は略Ｌ形板で軸３８を支点に実線
位置と二点鎖線位置３７ａ間を揺動自在でありモ
ータ３９によつて回転する軸４０上に設けられる
３位置の押し上げローラ４１によつて揺動する。

４２は空ボビンの姿勢を崩す邪魔板で、ならし
板３７と協同作用で空ボビンのブリツジが崩され
て切り出し通路４３へ空ボビンが連続した状態で
整列し待機する。

切り出し装置３１は、上記切り出し通路の開口
端下部に位置して、ボビン軸心と略平行な軸４４
を中心に間欠回転する切り出しドラム４５とドラ
ムカバー４６およびシユート４７とより構成され
る。

上記切り出しドラム４５は円筒体の一箇所に空
ボビンを受容する略半円筒溝４８を形成したもの
で該溝４８中に受容した空ボビンを矢印４９方向
の回転により移動させ、溝４８がシユート４７上
端部に来た時、空ボビンが自由落下するものであ
り、ドラム４５の回転中は後続の空ボビンはドラ
ム表面に当接して落下を阻止されている。

空ボビン挿着装置３２は空ボビンの方向を規制
しつつ落下させるシユート４７と、該シユート４
７の下端開口部において開閉するボビンガイド５
０ａ，５０ｂとより構成される。

ボビンガイド５０ａ，５０ｂは軸５１ａ，５１
ｂを支点にトレイＴの搬送方向と直角方向に揺動
し、かつ閉じた位置（第５図実線位置）では両ガ
イド５０ａ，５０ｂによつて空ボビン通過路が形
成されて、ガイド５０ａ，５０ｂ内を通過した空
ボビンは下方で待機する空トレイＴ１のペグ５２
に挿着される。

また、第５図二点鎖線５０ａ１，５０ｂ１で示
す位置にある時は空ボビンＢ１を挿着したトレイ
Ｔ１がガイド５０ａ１，５０ｂ１間を紙面直角方
向に移行することができる。

上記ボビンガイド５０ａ，５０ｂはレバー５３
で連結されると共にスプリング５４が掛けられ閉
じる方向に付勢されており、またボビンガイド５
０ｂには、上端を揺動レバー５５に連結されたロ
ツド５６下端が連結されている。

上記ロツド５６の駆動機構５７が第５図、第６
図に示される。

モータ（第４図３９）によつて回転する軸４４
に固定されたカム５８に押接するカムフオロア５
９を介してレバー６０が固定軸６１を支点に揺動
する。

上記レバー６０の端部と、固定軸６２に支持さ
れた揺動レバー５５間にロツド６３が連結されカ
ム５８の一回転により、揺動レバー５５が一回揺
動することになり、ロツド５６を介してボビンガ
イド５０ａ，５０ｂが開閉動作を行う。

駆動軸４４端部にはリミツトスイツチ６４を作
動させるカム６５が固定され、軸４４の一回転を
検出しモータをオフさせる。

さらに、空ボビン帰還路４側にはトレイおよ
び、空ボビンの検出装置３３およびトレイのスト
ツパ装置が設けられている。

即ち、トレイＴの空ボビン挿着位置に対応して
例えば光電式センサPS１，PS２が配置され、第
１センサPS１はトレイＴの到着を検出するセン
サ、第２センサPS２はトレイ上の空ボビンの有
無を検出するセンサで、センサPS２が空ボビン
の存在を検出した場合は後述のストツパ装置を解
除し、当該位置のトレイを移送させ、一方センサ
PS２が空ボビン無しを検出すれば、前述のモー
タ３９に駆動指令が入り、空ボビン貯溜ボツクス
３０より１本の空ボビンが切り出されて空トレイ
に挿着される。

なお、センサPS１がトレイの到着を感知した
後一定時間経過した後もセンサPS２が作動しな
い時は空ボビン供給装置を全て停止し異常ランプ
を点灯させる等の破防装置が付設されている。

例えば、空ボビン供給動作が１サイクル３秒で
行われるとすれば、センサPS１の感知後タイマ
ーが作動し18秒間経過してもセンサPS２が作動
しない時は異常であると判断するのである。

第７図はストツパ装置６４の平面図である。固
定軸６５を支点に揺動自在なプレート６６上の３
位置にローラ６７，６８，６９が軸支されてお
り、ローラ６７は空ボビン挿着位置にトレイをス
トツプ位置決めするもの、ローラ６８は空ボビン
を挿着したトレイを払い出した際、後続のトレイ
をいつたん停止させておくものであり、ローラ６
９はロータリソレノイド７０の軸７１に固定され
たカム７２に当接してプレート６６を揺動させる
ものである。

即ち、カム７２が実線位置にある時はローラ６
７も搬送路５上に突出して搬送路上のトレイをボ
ビン挿着位置に位置決めし、第５図のセンサPS
２が空ボビンの存在を検出することによりロータ
リソレノイド７０が励磁され、カム７２が二点鎖
線位置７２ａへ旋回すると、ローラ６９を介して
プレート６６も追従し、ローラ６７は二点鎖線位
置６７ａへ移動してトレイＴ１を通過させること
ができる。

以上のような空ボビン供給装置を有する管糸搬
送システムの作用を次に示す。

第１図〜第３図において、巻取ユニツト１３か
ら排出されるボビンは帰還路４上を矢印１０方向
へ移送され、上記帰還路４の途次に設けられたセ
ンサ（第１図PS３）を通過するボビンのうち残
糸付ボビンはセンサPS３の検出によつて作動す
る図示しないゲートによつてバイパス９上へ移送
され、他の極少残糸付ボビンおよび空ボビンはボ
ビン抜取装置１１に至り、極少残糸付ボビンがト
レイより抜取られ、空になつたトレイが帰還路５
ａ上を移送される。

また空ボビンを挿着したトレイは極少残糸付ボ
ビン抜取装置１２をも通過して移送される。

さらに空ボビン供給装置１２に至ると、第５図
の如く、ボビンガイド５０ａ，５０ｂが二点鎖線
位置５０ａ１，５０ｂ１に開いた状態にあり空ま
たは空ボビン付トレイＴ１が空ボビン供給位置即
ち第７図のストツパ装置６４位置にいつたん停止
する。

次いでセンサPS２がボビン無しを検出すると
第４図、第５図示のモータ３９が駆動し、空ボビ
ン貯溜ボツクス３０から１個の空ボビンが切り出
されてシユート４７内へ投入されると共にボビン
ガイド５０ａ，５０ｂが第５図実線位置に閉じ、
空ボビンを直下に待機するトレイＴ１上にガイド
し挿着する。

ボビンＢ１が挿着されればセンサPS２がボビ
ンの存在を検出することによりストツパ装置のロ
ータリソレノイド７０が励磁されてストツパが解
除され空ボビンを挿着したトレイＴ１が再び帰還
路５上を搬送される。

なお、ボビンガイド５０ａ，５０ｂはボビンが
トレイに挿着されるのとタイミングをとつて開く
ようにカムによつて動作するためトレイの移送再
開時には既に開いた位置をとつている。

このようにして空のトレイには空ボビンが供給
され、精紡機側へ向う帰還路５のトレイには全て
空ボビンが挿着された状態となる。

以上のように本発明では、精紡機とワインダを
管糸搬送路および空ボビン帰還路とによつて閉ル
ープを形成して直結し、上記閉ループ内に多数の
管糸および空ボビンの搬送媒体を循環させると共
に、上記空ボビン帰還路の途次に極少残糸付ボビ
ンをトレイから抜取る装置および空トレイに空ボ
ビンを挿着する空ボビン供給装置を設けたので、
精紡機に向う帰還路のトレイには必ず空ボビンが
挿着されており、精紡機において各精紡ユニツト
には紡績糸を巻取るべく空ボビンを供給でき、し
かも精紡機側において巻上げられた管糸を一斉玉
揚げする場合において、全ての精紡ユニツトの管
糸と空ボビンが一斉に交換でき、精紡機の玉揚の
自動化を保障することができる。

また、本発明では極少残糸付ボビンは単にトレ
イから抜取り、別の新たな空ボビンをトレイに供
給するようにしたので、残糸をボビンから切除す
るという処理に比べて短時間で済み、精紡機への
空ボビン返送がスムーズに行なえるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明システムの一例を示すレイアウ
ト図、第２図は本発明に適用される巻取ユニツト
の一例を示す概略構成斜視図、第３図はワインダ
における管糸供給方法を示す説明平面図、第４図
は空ボビン供給装置の実施例を示す側面断面図、
第５図は同正面図、第６図は同装置の駆動機構を
示す側面図、第７図はトレイ搬送路上におけるト
レイのストツパ装置を示す平面図である。 １……精紡機、２……ワインダ、３……管糸搬
入路、４，５……ボビン帰還路、１２……空ボビ
ン供給装置、３１……空ボビン切り出し装置、６
４……ストツパ装置、Ｔ……管糸およびボビンの
搬送媒体、Ｋ……管糸、Ｂ……空ボビン、PS１
……第１センサ、PS２……第２センサ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 精紡機とワインダを管糸搬送路および空ボビ
   ン帰還路によつて、閉ループを形成して連結し、
   上記閉ループ内に多数の管糸および空ボビンの搬
   送媒体であるトレイを循環させて、管糸および空
   ボビンを精紡機とワインダ間相互に移送し、上記
   空ボビン帰還路の途次に極少残糸付ボビンの抜取
   り装置を設けたシステムにおいて、 上記帰還路の極少残糸付ボビンの抜取り装置の
   下流側には空ボビン供給装置を配置し、 上記空ボビン供給装置位置には、トレイのスト
   ツパ装置と、移送されてくるトレイの到着を検出
   する第１センサと、トレイ上の空ボビンの有無を
   検出する第２センサと、空ボビン切出し装置が設
   けられ、 上記第１センサのトレイ有信号と第２センサの
   空ボビン無信号とにより上記空ボビン切出し装置
   が作動して空ボビンがトレイ上に供給され、上記
   第１センサのトレイ有信号と第２センサの空ボビ
   ン有信号とによつて上記ストツパ装置を解除して
   トレイを移送させるようにしたことを特徴とする
   ボビン搬送システム。